JP2019172153A - 衝突検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝突体の大きさを区別して検出する衝突検出装置を提供する。【解決手段】衝撃吸収部7の近傍に配置されて衝撃吸収部7の変形により押圧された圧力を検出する衝撃検出部と、衝撃吸収部7の上部を覆うような板形状を有すると共に第1の座屈部が形成され、第1の座屈部から前方に向かうほど下方に傾斜する上板傾斜部13bを有する上板部10と、衝撃吸収部7の下部を覆うような板形状を有すると共に第2の座屈部が形成され、第2の座屈部から前方に向かうほど上方に傾斜する下板傾斜部13dを有する下板部11とが前部側で接続された変形部8とを備え、第1の座屈部および第2の座屈部は、上板傾斜部13bの上側から衝突体の衝撃が加わる場合に、上板傾斜部13bおよび下板傾斜部13dを内側に座屈させて変形部8を折り畳むように形成され、変形部8の折り畳みに応じて衝撃吸収部7と共に衝撃検出部が押圧される。【選択図】 図2

Description

この発明は、衝突検出装置に係り、特に、車両のバンパビームの前側に配置される衝突検出装置に関する。
従来から、車両の前部に衝突体が衝突した際に、その衝突を検出する衝突検出装置が利用されている。例えば、衝突検出装置は、車両のバンパビームの前側に衝撃吸収部と衝撃検出部が配置されており、衝撃吸収部で衝突の衝撃を吸収しつつ衝撃検出部において衝突の衝撃が検出される。そして、衝撃検出部で検出される衝撃に基づいて、例えば車両の前部に設けられたエアバッグが展開されて衝突体が保護される。
ここで、衝撃検出部は、衝突体の衝突を全て検出すると、例えば衝突体が人以外、すなわち保護対象以外のポールおよび小動物などの場合でもエアバッグが展開して運転者の視界が妨げられるなどの問題があった。このため、衝突体から加わる衝撃を区別して検出することが求められている。
そこで、衝突体から加わる衝撃を区別して検出する技術として、例えば、特許文献1には、軽衝突時に誤った衝突判定が行われることを防止して歩行者判別性能を向上させることが可能な車両用衝突検知装置が提案されている。この車両用衝突検知装置は、内部の空間に圧力センサが配置されたチャンバ部材を有し、このチャンバ部材の車両前方側の面を法線が斜め上方を向く傾斜面にすることにより、軽衝突ではチャンバ部材への外力が大幅に軽減されるため、人が衝突した場合の衝撃と軽い衝突体が衝突した場合の衝撃とをそれぞれ区別して検出することができる。
特開2009−214845号公報
しかしながら、特許文献1の車両用衝突検知装置は、衝突体の大きさを区別して検出することが困難であった。すなわち、人のように傾斜面の上側から加わる衝撃と、ポールなどのように傾斜面の下側から加わる衝撃とを同様に検出するおそれがあった。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、衝突体の大きさを区別して検出する衝突検出装置を提供することを目的とする。
この発明に係る衝突検出装置は、車両のバンパビームの前側に車幅方向に延在するように配置され、車両に衝突体が衝突した衝撃を変形により吸収する衝撃吸収部と、衝撃吸収部の近傍に配置されて衝撃吸収部の変形により押圧された圧力を検出する衝撃検出部と、衝撃吸収部の上部を覆うような板形状を有すると共に第1の座屈部が形成され、第1の座屈部から前方に向かうほど下方に傾斜する上板傾斜部を有する上板部と、衝撃吸収部の下部を覆うような板形状を有すると共に第2の座屈部が形成され、第2の座屈部から前方に向かうほど上方に傾斜する下板傾斜部を有する下板部とが前部側で接続された変形部とを備え、第1の座屈部および第2の座屈部は、上板傾斜部の上側から衝突体の衝撃が加わる場合に、上板傾斜部および下板傾斜部を内側に座屈させて変形部を折り畳むように形成され、変形部の折り畳みに応じて衝撃吸収部と共に衝撃検出部が押圧されるものである。
ここで、第1の座屈部は、上板傾斜部に対して上板部の後部側を屈曲するように接続する上板屈曲部からなり、第2の座屈部は、下板傾斜部に対して下板部の後部側を屈曲するように接続する下板屈曲部からなることが好ましい。
また、上板部は、上板屈曲部が第1の上板屈曲部として形成されると共に第1の上板屈曲部より後方に第2の上板屈曲部を形成し、下板部は、下板屈曲部が第1の下板屈曲部として形成されると共に第1の下板屈曲部より後方に第2の下板屈曲部を形成することができる。
また、第2の座屈部は、第1の座屈部より前方に形成することが好ましい。
また、変形部は、板形状を有すると共に車両においてバンパビームの前方に配置されたバンパフェイスに対向するように配置された前板部を有し、前板部の上縁部を上板傾斜部の前縁部に対して下方に屈曲するように接続する一方の前板屈曲部が形成されると共に、前板部の下縁部を下板傾斜部の前縁部に対して上方に屈曲するように接続する他方の前板屈曲部が形成されることが好ましい。
また、衝撃吸収部は、上方に開口する凹部を有し、衝撃検出部は、凹部内に配置することができる。
また、衝撃吸収部は、前方に開口する凹部を有し、衝撃検出部は、凹部内に配置することもできる。
この発明によれば、第1の座屈部および第2の座屈部が、上板傾斜部の上側から衝突体の衝撃が加わる場合に、上板傾斜部および下板傾斜部を内側に座屈させて変形部を折り畳むように形成されているので、衝突体の大きさを区別して検出する衝突検出装置を提供することが可能となる。
この発明の実施の形態1に係る衝突検出装置を備えたエアバッグ装置の構成を示す図である。 衝突検出装置の構成を示す断面図である。 従来の衝突検出装置に歩行者が衝突する様子を示す断面図である。 歩行者の衝突に応じて変形部が変形する様子を示す断面図である。 ポールから変形部に衝撃が加わる様子を示す断面図である。 実施の形態2に係る衝突検出装置の構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る衝突検出装置の構成を示す断面図である。 実施の形態4に係る衝突検出装置の構成を示す断面図である。 実施の形態5に係る衝突検出装置の構成を示す断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る衝突検出装置を備えたエアバッグ装置の構成を示す。このエアバッグ装置は、衝突検出装置1を有し、この衝突検出装置1に演算部2、展開制御部3およびエアバッグ4が順次接続されている。
衝突検出装置1は、センサチューブ5と、一対の圧力センサ6aおよび6bとを有し、車両の前部に設けられたバンパフェイスFの内側に配置されている。
センサチューブ5は、車幅方向に延在するように配置されると共に円管形状を有し、一端部から他端部まで連通する伝搬路が内部に形成されている。センサチューブ5は、車両に衝突体が衝突した衝撃に応じて変形し、その変形により生じる圧力波を伝搬路により一端部側と他端部側にそれぞれ伝搬する。
圧力センサ6aおよび6bは、センサチューブ5の両端部に接続され、センサチューブ5の伝搬路を伝搬した圧力波を検出するものであり、例えばダイアフラムを用いたセンサを用いることができる。
なお、センサチューブ5と圧力センサ6aおよび6bから本発明の衝撃検出部が構成されている。
演算部2は、圧力センサ6aおよび6bで検出される圧力波の強度を算出する。
展開制御部3は、演算部2で算出された圧力波の強度に基づいて車両が衝突体に衝突したか否かを判定し、その判定結果に基づいてエアバッグ4の展開を制御する。すなわち、展開制御部3は、車両が衝突体に衝突したと判定した場合には、図示しないインフレータから展開ガスを注入してエアバッグ4を展開させる。一方、展開制御部3は、車両が衝突体に衝突していないと判定した場合には、インフレータを駆動せず、エアバッグ4は展開されないことになる。
エアバッグ4は、フロントフードの下側に収納され、図示しないインフレータから展開ガスが注入されることによりフロントフードの後縁部を覆うように車外に展開する。
次に、衝突検出装置1の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、衝突検出装置1は、衝撃吸収部7と変形部8を有する。
衝撃吸収部7は、車両においてバンパフェイスFに対向配置されたバンパビームBの前面に当接しつつ車幅方向に延在するように配置されている。衝撃吸収部7は、上方に開口する凹部9を有し、この凹部9内にセンサチューブ5が配置されている。衝撃吸収部7は、車両に衝突体が衝突した衝撃を変形により吸収するように構成されており、例えば発泡樹脂などから構成することができる。この衝撃吸収部7の変形に応じてセンサチューブ5が押圧される。
変形部8は、衝撃吸収部7を前側から覆いつつ車幅方向に延びるように形成され、後部がバンパビームBに固定されている。すなわち、変形部8は、バンパビームBとの間で衝撃吸収部7を囲むように形成されている。また、変形部8は、座屈により折り畳まれることで車両が衝突した衝撃を吸収するもので、例えば合成樹脂などから構成することができる。
具体的には、変形部8は、衝撃吸収部7の上部を覆うような板形状を有する上板部10と、衝撃吸収部7の下部を覆うような板形状を有する下板部11と、バンパフェイスFに対向するように配置された板形状を有する前板部12とを有する。
上板部10は、後部側においてほぼ水平に配置された上板水平部13aと、前方に向かうほど下方に傾斜するように配置された上板傾斜部13bとを有する。また、上板部10には、後部に対して上板水平部13aを屈曲するように接続する上板屈曲部14aと、上板水平部13aに対して上板傾斜部13bを下方に屈曲するように接続する上板屈曲部14bとが形成されている。これにより、上板屈曲部14bは、上板傾斜部13bの上側から衝突体の衝撃が加わる場合に、上板傾斜部13bを内側に座屈するように形成されることになる。
ここで、上板屈曲部14aは、上板部10の後部と上板水平部13aとの間の角度がほぼ直角になるように接続し、上板屈曲部14bは、上板水平部13aと上板傾斜部13bとの間の角度αが180度より小さくなるように接続している。また、上板屈曲部14bは、衝撃吸収部7の上部に対向する位置に形成されている。
下板部11は、後部側においてほぼ水平に配置された下板水平部13cと、前方に向かうほど上方に傾斜するように配置された下板傾斜部13dとを有する。また、下板部11には、後部に対して下板水平部13cを屈曲するように接続する下板屈曲部14cと、下板水平部13cに対して下板傾斜部13dを上方に屈曲するように接続する下板屈曲部14dとが形成されている。これにより、下板屈曲部14dは、上板傾斜部13bの上側から衝突体の衝撃が加わる場合に、下板傾斜部13dを内側に座屈するように形成されることになる。
ここで、下板屈曲部14cは、下板部11の後部と下板水平部13cとの間の角度がほぼ直角になるように接続し、下板屈曲部14dは、下板水平部13cと下板傾斜部13dとの間の角度βが180度より小さくなるように接続している。また、下板屈曲部14dは、上板屈曲部14bより前方において下板部11の中央部近傍に形成されている。
また、変形部8は、前板部12の上縁部を上板傾斜部13bの前縁部に対して下方に屈曲するように接続する前板屈曲部14eが形成されると共に、前板部12の下縁部を下板傾斜部13dの前縁部に対して上方に屈曲するように接続する前板屈曲部14fが形成されている。
次に、この実施の形態1の動作について説明する。
まず、図1に示すように、車両が走行されて、車両のバンパフェイスFに衝突体として人、例えば歩行者が衝突する。
ここで、図3(a)に示すように、従来の衝撃吸収部Eは、バンパビームBからバンパフェイスFに向かって大きく突出するように形成されていた。この衝撃吸収部Eは、歩行者P1からの押圧により歩行者P1とバンパビームBとの間で圧縮されて歩行者P1からの衝撃を吸収することができる。しかしながら、圧縮された衝撃吸収部Eは、図3(b)に示すように、その反力により歩行者P1を前方に押し戻すように変形する。このため、歩行者P1の足を損傷、特に歩行者P1の膝靭帯を損傷するおそれがあった。
なお、バンパフェイスFは、一般的に、歩行者P1の重心より低い位置に配置されているため、車両に衝突した歩行者P1はバンパフェイスFに上側から倒れ込み、その衝撃は衝撃吸収部Eに対して上側から斜め下方に加えられることになる。このため、衝撃吸収部Eの下方には、歩行者P1の衝撃の影響を受けない、すなわち歩行者P1の体などが侵入しない空間Sが形成される。
そこで、本発明では、図2に示すように、変形部8が、衝撃吸収部7を前側から覆うように配置されている。これにより、歩行者P1が車両に衝突すると、歩行者P1の衝撃は変形部8の上側から斜め下方に加えられる。具体的には、歩行者P1の衝撃は、図4に示すように、変形部8の上板傾斜部13bを斜め下方に押圧するように加えられる。これにより、上板屈曲部14bが内側に座屈されると共に下板傾斜部13dを介して衝撃が加わって下板屈曲部14dが内側に座屈され、さらに下板屈曲部14c、前板屈曲部14eおよび14fも座屈されて変形部8が下方に折り畳まれる。
このように、変形部8を下方に折り畳むように上板屈曲部14b、下板屈曲部14c、下板屈曲部14d、前板屈曲部14eおよび前板屈曲部14fが座屈することにより、歩行者P1の衝撃を吸収し、さらに変形部8の折り畳みに応じて衝撃吸収部7と共にセンサチューブ5をバンパビームBとの間で押圧する。
このとき、歩行者P1の衝撃は変形部8の折り畳みにより吸収し、衝撃吸収部7は衝撃の検出にほぼ特化するように小型化されている。このため、衝撃吸収部7が歩行者P1を前方に押し戻すように変形するのを抑制し、歩行者P1の膝靭帯などへの損傷を防ぐことができる。また、変形部8は、折り畳みにより歩行者P1の衝撃を吸収するため、歩行者P1への押し戻しを抑制することができる。さらに、変形部8は、衝撃吸収部7の下方に形成される空間Sに折り畳まれるため、その変形を阻害されることなく、潰れ残りを抑制すると共に歩行者P1の衝撃をスムーズに吸収することができる。
また、変形部8は、上板水平部13aと上板傾斜部13bとの間の角度αが180度より小さくなるように形成され、下板水平部13cと下板傾斜部13dとの間の角度βが180度より小さくなるように形成されているため、変形部8を下方に折り畳むようにスムーズに座屈させることができる。また、下板屈曲部14dが上板屈曲部14bより前方に配置されているため、下板屈曲部14dを容易に内側に座屈させることができる。
さらに、上板屈曲部14bを衝撃吸収部7の上部に対向する位置に形成することにより、変形部8の折り畳みに応じて衝撃吸収部7とセンサチューブ5を確実に押圧することができる。また、衝撃吸収部7は、上下方向において上板傾斜部13bと重なるように配置されているため、変形部8の折り畳みに応じて衝撃吸収部7をより確実に押圧することができる。
このようにして、変形部8の折り畳みによりセンサチューブ5が押圧されると、センサチューブ5の内部に形成された伝搬路を圧力波が伝搬し、図1に示す圧力センサ6aおよび6bで圧力波が検出される。続いて、圧力波を検出した検出信号が圧力センサ6aおよび6bから演算部2に出力され、演算部2が、検出信号に基づいて圧力波の強度を算出する。そして、展開制御部3が、演算部2で算出された圧力波の強度に基づいて車両が歩行者P1に衝突したと判定し、エアバッグ4が展開される。これにより、車両との衝突によりフロントフードの上側に飛ばされた歩行者P1をエアバッグ4で受け止めることができる。
一方、車両の前部に歩行者P1より小さな衝突体、例えば路上のポールおよび小動物などが衝突すると、その衝撃は変形部8の下側から斜め上方に加えられる。例えば、図5に示すように、車両の前部に路上のポールP2が衝突すると、ポールP2の衝撃は、変形部8の前板部12を斜め上方に押圧するように加えられる。このとき、上板傾斜部13bは、前板部12から斜め上方に向かうように配置されているため、上板屈曲部14bの座屈を防ぐように湾曲して前板部12を支持することができる。
ここで、下板屈曲部14dが上板屈曲部14bより前方に配置、すなわち上板屈曲部14bが変形部8の後部近傍に配置されているため、上板屈曲部14bの座屈を確実に抑制することができる。また、前板部12が、バンパフェイスFに対向するように配置されているため、ポールP2の衝撃を安定して上板傾斜部13bと下板傾斜部13dに伝達することができ、上板屈曲部14bの座屈をより確実に抑制することができる。
このように、上板傾斜部13bが上板屈曲部14bの座屈を防ぐように前板部12を支持することにより、衝撃吸収部7およびセンサチューブ5は押圧されず、エアバッグ4はフロントフードの下側に収納されたまま維持される。これにより、ポールP2などの人以外の衝突体が車両に衝突した場合に、エアバッグ4が展開することを抑制し、運転者の視界が妨げられるなどの問題を防ぐことができる。
本実施の形態によれば、上板屈曲部14bおよび下板屈曲部14dは、上板傾斜部13bの上側から歩行者P1の衝撃が加わる場合に、上板傾斜部13bおよび下板傾斜部13dを内側に座屈させて変形部8を折り畳むように形成されている。このため、車両に歩行者P1が衝突した場合に変形部8が折り畳まれて衝撃吸収部7と共にセンサチューブ5を押圧する一方、車両にポールP2が衝突した場合に変形部8はその形状を維持する。これにより、衝突体の大きさを区別して検出することができる。
実施の形態2
上記の実施の形態1では、センサチューブ5は、衝撃吸収部7において上方に開口するように形成された凹部9内に配置されたが、衝撃吸収部7の近傍に配置されて衝撃吸収部7の変形により押圧された圧力を検出できればよく、これに限られるものではない。
例えば、図6(a)に示すように、実施の形態1の衝撃吸収部7に換えて衝撃吸収部21を配置することができる。この衝撃吸収部21は、前方に開口する凹部22を有し、この凹部22内にセンサチューブ5が配置されている。
このような構成により、図6(b)に示すように、歩行者P1が車両に衝突すると、歩行者P1の衝撃が変形部8の上板傾斜部13bを斜め下方に押圧するように加えられる。これにより、変形部8を下方に折り畳むように上板屈曲部14b、下板屈曲部14c、下板屈曲部14d、前板屈曲部14eおよび前板屈曲部14fが座屈され、歩行者P1の衝撃が吸収されると共に、変形部8の折り畳みに応じて衝撃吸収部21と共にセンサチューブ5を押圧することができる。
本実施の形態によれば、センサチューブ5が、衝撃吸収部21において前方に開口するように形成された凹部22内に配置されるため、変形部8の折り畳みに応じて上板傾斜部13bが衝撃吸収部21の上部を凹部22側に押圧することができ、センサチューブ5をスムーズに押圧することができる。
実施の形態3
上記の実施の形態1および2では、変形部8の上板部10は、2つの上板屈曲部14aおよび14bが形成されたが、1つの上板屈曲部のみを形成することもできる。
例えば、図7に示すように、実施の形態1の上板部10に換えて上板部31を配置することができる。
上板部31は、1つの上板屈曲部32が形成され、この上板屈曲部32から前方に向かうほど下方に傾斜するように配置された上板傾斜部33を有する。これにより、上板屈曲部32は、上板傾斜部33の上側から衝突体の衝撃が加わる場合に、上板傾斜部33を内側に座屈するように形成されることになる。
このような構成により、歩行者P1が車両に衝突した衝撃が上板傾斜部33を斜め下方に押圧するように加えられ、変形部8を下方に折り畳むように下板屈曲部14c、下板屈曲部14d、前板屈曲部14eおよび前板屈曲部14fと共に上板屈曲部32が座屈して歩行者P1の衝撃を吸収する。そして、変形部8の折り畳みに応じて衝撃吸収部7と共にセンサチューブ5が押圧される。
本実施の形態によれば、上板屈曲部32は、上板傾斜部33の上側から衝突体の衝撃が加わる場合に、上板傾斜部33を内側に座屈させて変形部8を折り畳むように形成されるため、衝突体の大きさを区別して検出することができる。
なお、変形部8の下板部11も同様に、1つの下板屈曲部のみを形成することができる。
実施の形態4
上記の実施の形態1〜3では、下板傾斜部13dに対して下板部11の後部側を屈曲するように接続する下板屈曲部14dが下板部11に形成されたが、下板傾斜部13dを内側に座屈させる座屈部が形成されていればよく、下板屈曲部14dに限られるものではない。
例えば、図8に示すように、実施の形態1の下板部11に換えて下板部41を配置することができる。
下板部41は、1つの下板屈曲部42が形成され、この下板屈曲部42から前板屈曲部14fに向かって直線状に上方に傾斜して配置された下板傾斜部43を有する。この下板傾斜部43の中央部近傍には、下板傾斜部43を内側に座屈させるように内面側が脆弱に形成された座屈部44が形成されている。ここで、下板傾斜部43は、座屈部44から前方に向かうほど上方に傾斜することになる。
このような構成により、歩行者P1が車両に衝突した衝撃が上板傾斜部13bを斜め下方に押圧するように加えられ、変形部8を下方に折り畳むように上板屈曲部14b、下板屈曲部42、前板屈曲部14eおよび前板屈曲部14fと共に座屈部44が座屈して歩行者P1の衝撃を吸収する。そして、変形部8の折り畳みに応じて衝撃吸収部7と共にセンサチューブ5が押圧される。
本実施の形態によれば、座屈部44は、上板傾斜部13bの上側から衝突体の衝撃が加わる場合に、下板傾斜部43を内側に座屈させて変形部8を折り畳むように形成されるため、衝突体の大きさを区別して検出することができる。
実施の形態5
上記の実施の形態1〜4では、上板傾斜部に対して上板部10の後部側を屈曲するように接続する上板屈曲部が上板部10に形成されたが、上板傾斜部を内側に座屈させる座屈部が形成されていればよく、上板屈曲部に限られるものではない。
例えば、図9に示すように、実施の形態1の上板部10に換えて上板部51を配置することができる。
上板部51は、1つの上板屈曲部52が形成され、この上板屈曲部52から前板屈曲部14eに向かって直線状に下方に傾斜して配置された上板傾斜部53を有する。この上板傾斜部53には、上板傾斜部53を内側に座屈させるように外面側が脆弱に形成された座屈部54が形成されている。ここで、上板傾斜部53は、座屈部54から前方に向かうほど下方に傾斜することになる。
このような構成により、歩行者P1が車両に衝突した衝撃が上板傾斜部53を斜め下方に押圧するように加えられ、変形部8を下方に折り畳むように下板屈曲部14c、下板屈曲部14d、前板屈曲部14eおよび前板屈曲部14fと共に座屈部54が座屈して歩行者P1の衝撃を吸収する。そして、変形部8の折り畳みに応じて衝撃吸収部7と共にセンサチューブ5が押圧される。
本実施の形態によれば、座屈部54は、上板傾斜部53の上側から衝突体の衝撃が加わる場合に、上板傾斜部53を内側に座屈させて変形部8を折り畳むように形成されるため、衝突体の大きさを区別して検出することができる。
なお、上記の実施の形態1〜5において、変形部8は、前板部12を除いて構成されてもよい。すなわち、変形部8は、上板部と下板部を有し、この上板部の前縁部と下板部の前縁部を直接接続して構成することができる。
1 衝突検出装置、2 演算部、3 展開制御部、4 エアバッグ、5 センサチューブ、6a,6b 圧力センサ、7,21 衝撃吸収部、8 変形部、9,22 凹部、10,31,51 上板部、11,41 下板部、12 前板部、13a 上板水平部、13b,33,53 上板傾斜部、13c 下板水平部、13d,43 下板傾斜部、14a,14b,32,52 上板屈曲部、14c,14d,42 下板屈曲部、14e,14f 前板屈曲部、44,54 座屈部、F バンパフェイス、B バンパビーム、α,β 角度、P1 歩行者、P2 ポール、E 衝撃吸収部、S 空間。

Claims (7)

  1. 車両のバンパビームの前側に車幅方向に延在するように配置され、車両に衝突体が衝突した衝撃を変形により吸収する衝撃吸収部と、
    前記衝撃吸収部の近傍に配置されて前記衝撃吸収部の変形により押圧された圧力を検出する衝撃検出部と、
    前記衝撃吸収部の上部を覆うような板形状を有すると共に第1の座屈部が形成され、前記第1の座屈部から前方に向かうほど下方に傾斜する上板傾斜部を有する上板部と、前記衝撃吸収部の下部を覆うような板形状を有すると共に第2の座屈部が形成され、前記第2の座屈部から前方に向かうほど上方に傾斜する下板傾斜部を有する下板部とが前部側で接続された変形部と
    を備え、
    前記第1の座屈部および前記第2の座屈部は、前記上板傾斜部の上側から前記衝突体の衝撃が加わる場合に、前記上板傾斜部および前記下板傾斜部を内側に座屈させて前記変形部を折り畳むように形成され、前記変形部の折り畳みに応じて前記衝撃吸収部と共に前記衝撃検出部が押圧されることを特徴とする衝突検出装置。
  2. 前記第1の座屈部は、前記上板傾斜部に対して前記上板部の後部側を屈曲するように接続する上板屈曲部からなり、
    前記第2の座屈部は、前記下板傾斜部に対して前記下板部の後部側を屈曲するように接続する下板屈曲部からなる請求項1に記載の衝突検出装置。
  3. 前記上板部は、前記上板屈曲部が第1の上板屈曲部として形成されると共に前記第1の上板屈曲部より後方に第2の上板屈曲部が形成され、
    前記下板部は、前記下板屈曲部が第1の下板屈曲部として形成されると共に前記第1の下板屈曲部より後方に第2の下板屈曲部が形成される請求項2に記載の衝突検出装置。
  4. 前記第2の座屈部は、前記第1の座屈部より前方に形成される請求項1〜3のいずれか一項に記載の衝突検出装置。
  5. 前記変形部は、
    板形状を有すると共に前記車両において前記バンパビームの前方に配置されたバンパフェイスに対向するように配置された前板部を有し、
    前記前板部の上縁部を前記上板傾斜部の前縁部に対して下方に屈曲するように接続する一方の前板屈曲部が形成されると共に、前記前板部の下縁部を前記下板傾斜部の前縁部に対して上方に屈曲するように接続する他方の前板屈曲部が形成される請求項1〜4のいずれか一項に記載の衝突検出装置。
  6. 前記衝撃吸収部は、上方に開口する凹部を有し、
    前記衝撃検出部は、前記凹部内に配置される請求項1〜5のいずれか一項に記載の衝突検出装置。
  7. 前記衝撃吸収部は、前方に開口する凹部を有し、
    前記衝撃検出部は、前記凹部内に配置される請求項1〜5のいずれか一項に記載の衝突検出装置。
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