JP2004074971A - 車両用衝突物保護装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩行者などの衝突物に受ける衝撃を緩衝させるとともに、バンパフェースがデザイン的に制約を受けることがない小型の車両用衝突物保護装置を提供すること。
【解決手段】衝突物保護装置S1は、車体1に取り付けられたバンパフェース2と、車両の衝突を予知する衝突予知手段と、この衝突予知手段からの衝突予知信号により前記バンパフェース2を押し出す押し出し装置S2と、を備えている。バンパフェース2は、補強フレームを介して車体1の前部に設置される。押し出し装置S2は、バンパフェース2を補強フレームから分離し、バンパフェース2を押し出す。
【選択図】 図3
【解決手段】衝突物保護装置S1は、車体1に取り付けられたバンパフェース2と、車両の衝突を予知する衝突予知手段と、この衝突予知手段からの衝突予知信号により前記バンパフェース2を押し出す押し出し装置S2と、を備えている。バンパフェース2は、補強フレームを介して車体1の前部に設置される。押し出し装置S2は、バンパフェース2を補強フレームから分離し、バンパフェース2を押し出す。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両が歩行者や動物やその他物体などの衝突物に衝突したときに、衝突時の衝撃を緩衝する車両用衝突物保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用衝突物保護装置としては、距離検出手段から出力される障害物までの距離データと、走行状態検出手段からの車両の走行状態データに基づいて、車両が障害物に衝突する可能性を衝突予測手段で予測して、バンパ本体をコイルばねにより車両前方に弾出させて、衝突相手や車体の損傷を防止する車両用可動バンパ装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、バンパ本体は、発泡樹脂製のエネルギ吸収体と、このエネルギ吸収体を覆ってバンパ本体の表面を形成するバンパフェーシャと、スチール製の補強部材と、ショックアブソーバに軸挿された軸部とを一体にしてなるため、重量が重い。
【0003】
また、他の従来例として、歩行者等を衝突時の衝撃から保護するためのエアバッグをバンパに設置したエアバッグ装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
ここで、エアバッグ装置は、前記特許文献1に記載の補強部材と同様なビーム部材を、バンパと車体前部のパルクヘッドとの間に介在している。
また、エアバッグは、バンパとビーム部材との間に介在され、衝突時に補強部材に内設したインフレータからの高圧ガスが供給されることにより、バンパに穿設した長孔形状の開口部から車外に展開されて、歩行者を保護する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−291845号公報(第4〜5頁、図1)
【特許文献2】
特開平11−91503号公報(第2〜3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の特開平11−291845号公報記載の車両用可動バンパ装置においては、衝突が予測されたとき、バンパ本体を弾出させるコイルばねが、スチール製補強部材とともにバンパ本体を瞬時に突出させる弾出力を備えており、例えば、車両が時速50km/h以上の中〜高速域の速度で走行中に衝突した場合、衝撃負荷がやや減少するものの、バンパ全体が重く、コイルばねの弾発力が強いため、かなりの衝撃があり、衝突物の保護の点からは改善すべき問題点がある。
【0006】
また、特許文献2の特開平11−91503号公報記載のエアバッグ装置においては、エアバッグがバンパの形状および車幅に合わせて設置されることにより、横方向に長い巨大なエアバッグとなるため、装置全体が大型になってしまうという問題点がある。
さらに、バンパには、エアバッグを膨出させるための長孔形状の開口部を穿設しなければならないため、デザイン的な制約を受ける。
また、エアバッグ本体は、バンパビームの前方に設置されていることにより、衝突時にはエアバッグ本体がバンパに押圧されるため、壊れ易い。
【0007】
本発明の課題は、歩行者などの衝突物が受ける衝撃をさらに緩衝させるとともに、バンパフェースがデザイン的に制約を受けることがない小型の車両用衝突物保護装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用衝突物保護装置は、衝突物との衝突を予知したとき、バンパフェースを前記衝突物側に押し出す押し出し装置を備えた車両用衝突物保護装置であって、前記バンパフェースは、補強フレームを介して前記車体の前部に設置され、前記押し出し装置は、前記バンパフェースを補強フレームから分離し、前記バンパフェースを押し出すことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、押し出し装置は、バンパフェースを補強フレームから分離し、バンパフェースを押し出すことにより衝突物を保護するため、押し出されるものがバンパフェースのみで軽く、緩衝性を向上させることが可能となるとともに、押し出し装置を小型化することが可能となる。また、押し出し装置は、バンパフェースを押し出したことにより、バンパフェースと補強部材との間が広がって大きな空間ができため、この空間を利用して衝突物が受ける衝撃を十分吸収することができる。これにより、車速が中〜高速域の衝突時であっても、衝撃を十分吸収して対応することが可能となる。
さらに、衝突物が歩行者である場合にあっては、バンパフェースが押し出されることにより、そのバンパフェースで歩行者の足を払って車両側に傾倒させて歩行者をボンネットに乗せる足払い性が向上するため、膝の関節部に加わる曲げ応力やせん断応力を低くすることができるとともに、バンパフェースが大腿部等に強く衝突することを防止して、歩行者が受ける衝撃を緩衝することができる。
なお、バンパフェースは、車体の前部全体に設置されていることにより、車両の前部の全域にわたって緩衝材が存在することになるため、衝突物が車体の前部のどの部位に衝突しても同じように衝突物に受ける衝撃を緩衝させることができる。
また、バンパフェースは、後方から押し出し装置により押し出すことにより歩行者等を保護するものであるため、バンパフェースの外観のデザインに影響を及ぼすことがない。
【0010】
請求項2に記載の車両用衝突物保護装置は、請求項1に記載の車両用衝突物保護装置であって、前記押し出し装置は、前記衝突予知手段からの衝突予知信号により高圧ガスを発生するインフレータと、このインフレータの高圧ガスにより展開して、前記バンパフェースを押し出すエアバッグと、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、バンパフェースが展開したエアバッグにより押し出されることにより、歩行者が衝突しても衝撃力を十分に吸収することができる。また、エアバッグは、バンパフェースを押し出すためのものであるため、バンパフェース内の空間に配設することができ、バンパフェースの外観のデザインに影響を及ぼすことがない。
【0012】
また、本発明に係る車両用衝突物保護装置は、後記する実施形態のように、前記バンパフェースは、前記車体側の裏面にアブソーバを設置し、前記押し出し装置は、前記バンパフェースに設けたアブソーバと共に前記バンパフェースを補強フレームから分離し、前記アブソーバおよび前記バンパフェースを押し出すようにすることが好ましい。
このような構成にすれば、押し出し装置は、バンパフェースに設けたアブソーバと共に前記バンパフェースを補強フレームから分離し、アブソーバおよびバンパフェースを押し出すことにより衝突物を保護すると共に、既存のバンパフェースをエネルギ吸収体として使用することが可能となる。
【0013】
さらに、本発明に係る車両用衝突物保護装置は、後記する実施形態のように、前記バンパフェースは、前記押し出し装置により押し出されたとき、前記車体の前方方向に移動可能に係止手段で支持されるとともに、前記押し出し装置により押し出されたとき、前記車体の前方方向に所定距離だけ移動可能に連結手段で前記車体に連結することが好ましい。
このような構成にすれば、バンパフェースは、係止手段と連結手段とにより車体の前方方向に所定距離だけ移動可能に連結されるため、エアバッグが展開するとき、およびエアバッグがしぼむときにバンパフェースをガイドして、所定方向に押し出し、そして戻すことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態を衝突物が歩行者である場合を例にして詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、(a)は通常時のバンパフェースの設置状態を示す斜視図、(b)は衝突時のバンパフェースの状態を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、通常時における状態を示す要部拡大断面図である。図3は、本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、押し出し装置がバンパフェースを押し出したときの状態を示す要部拡大断面図である。
【0015】
図1(a),(b)、図2および図3において、衝突物保護装置(以下、単に「保護装置」という)S1は、車体1に取り付けられたバンパフェース(以下、単に「バンパ」という)2と、車体1から衝突する歩行者H(図5参照)までの距離Lと車体1の速度を検出して衝突を予知する衝突予知手段(図示せず)と、この衝突予知手段からの衝突予知信号により前記バンパ2を押し出す押し出し装置S2と、を備え、バンパ2は、アッパビーム5およびクロスメンバ6を介して車体1の前部に設置され、押し出し装置S2は、バンパ2をアッパビーム5およびクロスメンバ6から分離し、バンパ2を押し出す。
なお、図2の符号3はねじ、符号4はアブソーバ、符号7は枠体、符号8,9はベルト、符号10はサイドフレーム、符号11はインフレータ、符号12はエアバッグ、符号13はハウジング、符号14は収納部、符号15は蓋体である。
【0016】
図5は、本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、(a)は衝突予知手段により歩行者を検知したときの状態を示す概略図、(b)はバンパを押し出したときの状態を示す概略図、(c)はバンパに歩行者が衝突したときの状態を示す概略図である。
図1(a),(b)および図5(a),(b),(c)に示すように、車体1は、バンパ2を備えた自動車であればよく、例えば乗用車または作業車である。
歩行者Hは、衝突する衝突物であればよく、歩行者H以外の人間、動物、障害物等の物体であってもよく、同じように衝突時の衝撃を緩衝することができる。
【0017】
衝突予知手段は、車体1の前部から車体1の前方に向けて発信した超音波の反射波を検出して、車体1から歩行者Hまでの距離を計測し、その距離と車速とを比較することにより、車体1が歩行者Hに衝突することを予知判断するものであり、所謂歩行者センサからなる。衝突予知手段は、超音波、電波またはレザービームを受発信する障害物検出センサや、カメラによる画像処理等であってもよい。この衝突予知手段は、車体1の前部のバンパ2などに設置され、歩行者Hが衝突することを判断すると、衝突予知信号を押し出し装置S2に送る。
【0018】
図1(a),(b)に示すように、バンパ2は、車体1の前部から前部左右にわたって横長に設置され、上下方向には所定の幅を持って形成されている。バンパ2は、従来から自動車のバンパ材料として使用されているポリプロピレンやエチレン・プロピレンゴムやエチレン・プロピレン・ジエンゴム等の軟質、軽量で衝撃吸収性に富んだ樹脂により成形されている。バンパ2は、図5(a),(b),(c)に示すように、例えば成人の人間の略膝の高さに設置される。バンパ2は、図2に示すように、縦断面が大略コ字形状の緩衝材であり、最前部2aを垂直に形成して、その最前部2aの車体1側の裏面に、アブソーバ4を設置している。
アブソーバ4は、例えば衝突時の衝撃力を吸収する軽量の発泡樹脂等からなる緩衝材である。
【0019】
図4は、本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、(a)はアッパビームの係止片を示す要部拡大斜視図、(b)はバンパの切欠部を示す要部拡大斜視図である。
図4(a)に示すように、バンパ2の上端フランジ部2dの複数箇所は、車体1に固定したアッパビーム5の係止片5aにより、車体1の前方方向に移動可能に係止されている。
図4(b)に示すように、バンパ2の下端フランジ部2eの複数箇所は、車体1の後方向に向けて形成した切欠部2bを有するねじ穴2cに、車体1に固定したクロスメンバ6のねじ3をねじ止めすることにより、車体1の前方方向に移動可能にガイドされて係止されている。
これにより、バンパ2は、押し出し装置S2により押し出されたとき、クロスメンバ6のねじ3が、ねじ穴2cから切欠部2bを通ってバンパ2から離れることにより、車体1の前方方向に移動する。
【0020】
図2および図3に示すように、アッパビーム5は、バンパ2の上方部位に設置された金属製補強材であり、車体1に固定されている。アッパビーム5は、バンパ2の上端部を、係止片5aに挟み込まれ易くするために、その係止片5aの先端を上側に向けて反らすとともに、車体1の前方側に下側に向けて折曲した折曲片5bを形成している。
【0021】
クロスメンバ6は、車体1に対して横方向に設置された金属製補強材であり、車体1に固定され、バンパ2の下端部を、クロスメンバ6のねじ穴がある箇所にガイドし易くするために、車体1の前方側に折曲片6aを形成している。
【0022】
なお、特許請求の範囲におけるところの「補強フレーム」は、「アッパビーム5」および「クロスメンバ6」に相当する。
課題を解決するための手段におけるところの「係止手段」は、「バンパ2のフランジ部2dを係止するアッパビーム5の係止片5a」および「バンパ2の切欠部2bを係止するねじ3」に相当する。
【0023】
また、バンパ2の内側上方部位には、一端をアッパビーム5に固定したベルト8の他端が固定され、バンパ2の内側下方部位には、一端をサイドフレーム10に固定したベルト9の他端が固定されている。
これにより、バンパ2は、図3に示すように、押し出し装置S2により押し出されたとき、ベルト8,9により車体1の前方方向に所定距離だけ移動可能に連結される。その所定距離とは、例えば330mmである。
なお、課題を解決するための手段におけるところの「連結手段」は、「バンパ2と車体1とを連結したベルト8,9」に相当する。
【0024】
図2および図3に示すように、押し出し装置S2は、バンパ2に設けたアブソーバ4をサイドフレーム10から分離し、アブソーバ4およびバンパ2を車体1の前方側に押し出すエアバッグ装置等からなる。押し出し装置S2は、衝突予知手段からの衝突予知信号により高圧ガスを発生するインフレータ11と、このインフレータ11の高圧ガスにより展開して、バンパ2を押し出すエアバッグ12と、を有してなる。この押し出し装置S2は、例えばバンパ2の左右の裏面部の2箇所に同じ装置が設置され、バンパ2の左右2箇所を押圧して押し出す。
なお、押し出し装置S2は、スプリングによるばね力や、圧縮機による圧縮空気による手段によってバンパ2を弾出させてもよい。
【0025】
インフレータ11は、ハウジング13に内設した収納部14に収納されるガス発生装置であり、点火装置と、アジ化ナトリウム等でなるガス発生剤からなる。インフレータ11は、前記衝突予知信号により点火装置がガス発生剤を瞬時に燃やし、高圧の窒素ガスを発生させてエアバッグ12を膨らます(図3参照)。
【0026】
ハウジング13は、例えば開口部に鍔部13aを有する金属製容器からなり、金属製の枠体7を介してサイドフレーム10に装着される。ハウジング13の内底には、前記インフレータ11が収納され、ハウジング13の開口部側にはエアバッグ12が内設されている。
【0027】
図2に示すように、エアバッグ12は、折り畳んだ状態で前記ハウジング13内に収納されるとともに、蓋体15により閉塞されており、開口縁12aの全周が収納部14の開口部14aに固着されている。図3に示すように、エアバッグ12は、展開した後、しぼむようにするために、複数のベント孔(図示せず)を穿設している。
【0028】
蓋体15は、ガス発生剤により窒素ガスが発生してエアバッグ12を展開したときに、エアバッグ12により押圧されて破壊され、そのエアバッグ12は蓋体15を突破って通過し、蓋体15の外側で展開する。
【0029】
次に本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置の作用を説明する。
図5(a)に示すように、平常に走行中、保護装置S1の衝突予知手段は、車体1に設置した送受信器(図示せず)から車体1の前方に向けて発信した超音波の反射波を検出して、車体1から歩行者Hまでの距離と車速を計測し続けて、車体1に衝突する歩行者Hを予知している。
図2に示すように、押し出し装置S2は、エアバッグ12がハウジング13に収納されて、蓋体15により閉塞した状態にある。このため、バンパ2は、図1(a)、図2および図5(a)に示すように、車体1の通常時の位置に設置されている。
【0030】
例えば、時速40km/hで走行中、衝突予知手段が車体1の前方から歩行者Hまでの距離Lが約10mで、500ms後に、車体1が歩行者Hに衝突することを予測すると、その衝突予知手段は衝突予知信号をバンパ2の左右に設置した押し出し装置S2に同時に送り、インフレータ11の点火装置がガス発生剤を瞬時に燃やし、高圧の窒素ガスを発生させてエアバッグ12を膨らます。
【0031】
図3に示すように、エアバッグ12は、展開したことにより蓋体15を突き破り、アブソーバ4を押し、さらにアブソーバ4はバンパ2の左右を同時に押圧する。バンパ2は、上端フランジ部2dが係止片5aから分離し、下端フランジ部2eがねじ3から分離して、係止片5aおよび切欠部2bにガイドされて車体1の前方方向に向けて、バンパ2が容易にかつ瞬時に所定の距離(例えば330mm程度)だけ押し出されて、ベルト8,9により静止させられる。このため、バンパ2は、車体1から脱落することがない。図1(b)および図5(b)に示すように、バンパ2は、歩行者Hが車体1の衝突する直前に、保護装置S1により歩行者Hを保護する状態にする。
【0032】
バンパ2は、通常時、上下端のフランジ部2d,2eを係止片5aおよび切欠部2bに係合したねじ3により、車体1の前方方向に所定以上の負荷がかかれば前方方向に移動可能に保持しているため、バンパ2が押し出し装置S2によりスムーズに押し出される。
【0033】
図5(c)に示すように、この後、歩行者Hは、バンパ2が押し出された直後に衝突する。歩行者Hは、エアバッグ12が膨らんで、長いストロークで突出したバンパ2に衝突することにより、エアバッグ12がしぼむことと、バンパ2が長いストローク分だけ戻ることで、衝撃を十分吸収することができる。バンパ2およびアブソーバ4は、軽量で質量が軽いことにより、歩行者Hが衝突したときに、歩行者Hに押されて車体1の後方側に動き易いため、衝突時の衝撃を吸収することができる。
これにより、車速が中〜高速域での衝突力が大きい衝突に対しても十分効果が発揮でき、低速域での衝突でも歩行者Hの障害程度を少なくすることができる。
【0034】
また、歩行者Hは、バンパ2が押し出されることにより、バンパ2が歩行者Hの重心より低い位置である脚部に衝突するため、歩行者Hが車体1の前部のエンジンルームやトランクルームのフード1a上に傾倒される足払い性が向上して、腰の関節部に加わる曲げ応力およびせん断応力を低くすることができる。
【0035】
また、衝突した衝突物が歩行者H以外の自動車や壁などの障害物であった場合、車体1および乗員は、バンパ2、アブソーバ4およびエアバッグ12により受ける衝撃が緩衝される。
【0036】
衝突後、エアバッグ12は、バンパ2内で徐々にしぼむ。また、エアバッグ12は、バンパ2の左右等に設置されて収納される大きさでなることにより、従来のエアバッグと比較して上下、左右方向の長さが短い小型なものにすることができるため、巨大なエアバッグを必要とせず、押し出し装置S2およびインフレータ11を小型化することができるとともに、エアバッグ12が小さいので、速やかに展開することができる。また、バンパ2は、車体1の前部の全域にわたって配置されていることにより、押し出し装置S2により歩行者Hが、車体1の前部全域のバンパ2のどの位置に衝突しても、バンパ2、アブソーバ4およびエアバッグ12により緩衝されるため、同じ効果が得られる。
【0037】
インフレータ11およびエアバッグ12は収納部14に収納され、収納部14はハウジング13に収納され、ハウジング13はサイドフレーム10に収納されていることにより、押し出し装置S2がそれら部材により覆われて保護されることとなり、耐衝撃性が向上し、衝突時の衝撃力で壊れることがない。
【0038】
また、押し出し装置S2は、従来から車両に搭載されているサイドフレーム10に内設されることにより、設置するための占有スペースが少なく、周囲のレイアウトに影響を及ぼすことがないため、殆どの車両に適用できる。
【0039】
バンパ2は、ベルト8,9により連結されていることにより、車体1から脱落することはないため、衝突後のバンパ2の元の位置に設置するための作業が容易である。また、バンパ2の内部には、アブソーバ4が設置され、押し出し装置S2が従来のサイドフレーム10に内設されていることにより、バンパ2のデザインが制約を受けることがないため、従来のバンパ2をそのまま使用することも可能である。
【0040】
衝突後、バンパ2のフランジ部2d,2e、アッパビーム5およびクロスメンバ6が損傷していない場合は、フランジ部2dを係止片5aに嵌め込み、フランジ部2eのねじ穴2cにねじ3を螺着することにより、バンパ2を元の状態に容易に戻すことができる。
そして、保護装置S1は、インフレータ11にガス発生剤を詰め直し、蓋体15を交換することにより、再度使用することが可能となる。
【0041】
なお、本発明は、その技術思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
例えば、すべての衝突に対して作動するようにしてもよいし、人間だけを判別して作動するようにしてもよい。また、車両と衝突対象物とが近接する速度に応じて作動するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の車両用衝突物保護装置によれば、押し出し装置は、バンパフェースを補強フレームから分離し、バンパフェースを押し出すことにより衝突物を保護するため、押し出されるものがバンパフェースのみで軽く、緩衝性に富んだ緩衝材にすることができるとともに、押し出し装置を小型化することが可能となる。また、押し出し装置は、バンパフェースを押し出したことにより、バンパフェースと補強部材との間が広がって大きな空間ができため、この空間を利用して衝突物が受ける衝撃を十分吸収することができる。これにより、車速が中〜高速域の衝突時であっても、衝撃を十分吸収して対応することが可能となる。さらに、衝突物が歩行者である場合にあっては、バンパフェースが押し出されることにより、そのバンパフェースで歩行者の足を払って車両側に傾倒させて歩行者をボンネットに乗せる足払い性が向上する。なお、バンパフェースは、車体の前部全体に設置されていることにより、車両の前部の左右全域にわたって緩衝材が存在することになるため、衝突物が車体の前部のどの部位に衝突しても同じように衝突物に受ける衝撃を緩衝させることができる。また、バンパフェースは、後方から押し出し装置により押し出すことにより歩行者等を保護するものであるため、バンパフェースの外観のデザインに影響を及ぼすことがないなど様々な効果を有する。
【0043】
本発明の請求項2に記載の車両用衝突物保護装置によれば、バンパフェースが展開したエアバッグにより押し出されることにより、エアバッグが衝突後速やかにしぼむため、歩行者が衝突しても衝撃力を十分に吸収することができる。また、エアバッグは、バンパフェースを押し出すための袋状のものであるため、バンパフェース内の空間に配設することができ、バンパフェースのデザインに影響を及ぼすことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、(a)は通常時のバンパの設置状態を示す斜視図、(b)は衝突時のバンパの状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、通常時における状態を示す要部拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、押し出し装置がバンパを押し出したときの状態を示す要部拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、(a)はアッパビームの係止片を示す要部拡大斜視図、(b)はバンパの切欠部を示す要部拡大斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、(a)は衝突予知手段により歩行者を検知したとき状態を示す概略図、(b)はバンパを押し出したときの状態を示す概略図、(c)はバンパに歩行者が衝突したときの状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 車体
2 バンパ(バンパフェース)
2b 切欠部
2c ねじ穴
4 アブソーバ
5 アッパビーム(補強フレーム)
5a 係止片
6 クロスメンバ(補強フレーム)
11 インフレータ
H 歩行者(衝突物)
S1 保護装置(衝突物保護装置)
S2 押し出し装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両が歩行者や動物やその他物体などの衝突物に衝突したときに、衝突時の衝撃を緩衝する車両用衝突物保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用衝突物保護装置としては、距離検出手段から出力される障害物までの距離データと、走行状態検出手段からの車両の走行状態データに基づいて、車両が障害物に衝突する可能性を衝突予測手段で予測して、バンパ本体をコイルばねにより車両前方に弾出させて、衝突相手や車体の損傷を防止する車両用可動バンパ装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、バンパ本体は、発泡樹脂製のエネルギ吸収体と、このエネルギ吸収体を覆ってバンパ本体の表面を形成するバンパフェーシャと、スチール製の補強部材と、ショックアブソーバに軸挿された軸部とを一体にしてなるため、重量が重い。
【0003】
また、他の従来例として、歩行者等を衝突時の衝撃から保護するためのエアバッグをバンパに設置したエアバッグ装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
ここで、エアバッグ装置は、前記特許文献1に記載の補強部材と同様なビーム部材を、バンパと車体前部のパルクヘッドとの間に介在している。
また、エアバッグは、バンパとビーム部材との間に介在され、衝突時に補強部材に内設したインフレータからの高圧ガスが供給されることにより、バンパに穿設した長孔形状の開口部から車外に展開されて、歩行者を保護する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−291845号公報(第4〜5頁、図1)
【特許文献2】
特開平11−91503号公報(第2〜3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の特開平11−291845号公報記載の車両用可動バンパ装置においては、衝突が予測されたとき、バンパ本体を弾出させるコイルばねが、スチール製補強部材とともにバンパ本体を瞬時に突出させる弾出力を備えており、例えば、車両が時速50km/h以上の中〜高速域の速度で走行中に衝突した場合、衝撃負荷がやや減少するものの、バンパ全体が重く、コイルばねの弾発力が強いため、かなりの衝撃があり、衝突物の保護の点からは改善すべき問題点がある。
【0006】
また、特許文献2の特開平11−91503号公報記載のエアバッグ装置においては、エアバッグがバンパの形状および車幅に合わせて設置されることにより、横方向に長い巨大なエアバッグとなるため、装置全体が大型になってしまうという問題点がある。
さらに、バンパには、エアバッグを膨出させるための長孔形状の開口部を穿設しなければならないため、デザイン的な制約を受ける。
また、エアバッグ本体は、バンパビームの前方に設置されていることにより、衝突時にはエアバッグ本体がバンパに押圧されるため、壊れ易い。
【0007】
本発明の課題は、歩行者などの衝突物が受ける衝撃をさらに緩衝させるとともに、バンパフェースがデザイン的に制約を受けることがない小型の車両用衝突物保護装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用衝突物保護装置は、衝突物との衝突を予知したとき、バンパフェースを前記衝突物側に押し出す押し出し装置を備えた車両用衝突物保護装置であって、前記バンパフェースは、補強フレームを介して前記車体の前部に設置され、前記押し出し装置は、前記バンパフェースを補強フレームから分離し、前記バンパフェースを押し出すことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、押し出し装置は、バンパフェースを補強フレームから分離し、バンパフェースを押し出すことにより衝突物を保護するため、押し出されるものがバンパフェースのみで軽く、緩衝性を向上させることが可能となるとともに、押し出し装置を小型化することが可能となる。また、押し出し装置は、バンパフェースを押し出したことにより、バンパフェースと補強部材との間が広がって大きな空間ができため、この空間を利用して衝突物が受ける衝撃を十分吸収することができる。これにより、車速が中〜高速域の衝突時であっても、衝撃を十分吸収して対応することが可能となる。
さらに、衝突物が歩行者である場合にあっては、バンパフェースが押し出されることにより、そのバンパフェースで歩行者の足を払って車両側に傾倒させて歩行者をボンネットに乗せる足払い性が向上するため、膝の関節部に加わる曲げ応力やせん断応力を低くすることができるとともに、バンパフェースが大腿部等に強く衝突することを防止して、歩行者が受ける衝撃を緩衝することができる。
なお、バンパフェースは、車体の前部全体に設置されていることにより、車両の前部の全域にわたって緩衝材が存在することになるため、衝突物が車体の前部のどの部位に衝突しても同じように衝突物に受ける衝撃を緩衝させることができる。
また、バンパフェースは、後方から押し出し装置により押し出すことにより歩行者等を保護するものであるため、バンパフェースの外観のデザインに影響を及ぼすことがない。
【0010】
請求項2に記載の車両用衝突物保護装置は、請求項1に記載の車両用衝突物保護装置であって、前記押し出し装置は、前記衝突予知手段からの衝突予知信号により高圧ガスを発生するインフレータと、このインフレータの高圧ガスにより展開して、前記バンパフェースを押し出すエアバッグと、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、バンパフェースが展開したエアバッグにより押し出されることにより、歩行者が衝突しても衝撃力を十分に吸収することができる。また、エアバッグは、バンパフェースを押し出すためのものであるため、バンパフェース内の空間に配設することができ、バンパフェースの外観のデザインに影響を及ぼすことがない。
【0012】
また、本発明に係る車両用衝突物保護装置は、後記する実施形態のように、前記バンパフェースは、前記車体側の裏面にアブソーバを設置し、前記押し出し装置は、前記バンパフェースに設けたアブソーバと共に前記バンパフェースを補強フレームから分離し、前記アブソーバおよび前記バンパフェースを押し出すようにすることが好ましい。
このような構成にすれば、押し出し装置は、バンパフェースに設けたアブソーバと共に前記バンパフェースを補強フレームから分離し、アブソーバおよびバンパフェースを押し出すことにより衝突物を保護すると共に、既存のバンパフェースをエネルギ吸収体として使用することが可能となる。
【0013】
さらに、本発明に係る車両用衝突物保護装置は、後記する実施形態のように、前記バンパフェースは、前記押し出し装置により押し出されたとき、前記車体の前方方向に移動可能に係止手段で支持されるとともに、前記押し出し装置により押し出されたとき、前記車体の前方方向に所定距離だけ移動可能に連結手段で前記車体に連結することが好ましい。
このような構成にすれば、バンパフェースは、係止手段と連結手段とにより車体の前方方向に所定距離だけ移動可能に連結されるため、エアバッグが展開するとき、およびエアバッグがしぼむときにバンパフェースをガイドして、所定方向に押し出し、そして戻すことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態を衝突物が歩行者である場合を例にして詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、(a)は通常時のバンパフェースの設置状態を示す斜視図、(b)は衝突時のバンパフェースの状態を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、通常時における状態を示す要部拡大断面図である。図3は、本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、押し出し装置がバンパフェースを押し出したときの状態を示す要部拡大断面図である。
【0015】
図1(a),(b)、図2および図3において、衝突物保護装置(以下、単に「保護装置」という)S1は、車体1に取り付けられたバンパフェース(以下、単に「バンパ」という)2と、車体1から衝突する歩行者H(図5参照)までの距離Lと車体1の速度を検出して衝突を予知する衝突予知手段(図示せず)と、この衝突予知手段からの衝突予知信号により前記バンパ2を押し出す押し出し装置S2と、を備え、バンパ2は、アッパビーム5およびクロスメンバ6を介して車体1の前部に設置され、押し出し装置S2は、バンパ2をアッパビーム5およびクロスメンバ6から分離し、バンパ2を押し出す。
なお、図2の符号3はねじ、符号4はアブソーバ、符号7は枠体、符号8,9はベルト、符号10はサイドフレーム、符号11はインフレータ、符号12はエアバッグ、符号13はハウジング、符号14は収納部、符号15は蓋体である。
【0016】
図5は、本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、(a)は衝突予知手段により歩行者を検知したときの状態を示す概略図、(b)はバンパを押し出したときの状態を示す概略図、(c)はバンパに歩行者が衝突したときの状態を示す概略図である。
図1(a),(b)および図5(a),(b),(c)に示すように、車体1は、バンパ2を備えた自動車であればよく、例えば乗用車または作業車である。
歩行者Hは、衝突する衝突物であればよく、歩行者H以外の人間、動物、障害物等の物体であってもよく、同じように衝突時の衝撃を緩衝することができる。
【0017】
衝突予知手段は、車体1の前部から車体1の前方に向けて発信した超音波の反射波を検出して、車体1から歩行者Hまでの距離を計測し、その距離と車速とを比較することにより、車体1が歩行者Hに衝突することを予知判断するものであり、所謂歩行者センサからなる。衝突予知手段は、超音波、電波またはレザービームを受発信する障害物検出センサや、カメラによる画像処理等であってもよい。この衝突予知手段は、車体1の前部のバンパ2などに設置され、歩行者Hが衝突することを判断すると、衝突予知信号を押し出し装置S2に送る。
【0018】
図1(a),(b)に示すように、バンパ2は、車体1の前部から前部左右にわたって横長に設置され、上下方向には所定の幅を持って形成されている。バンパ2は、従来から自動車のバンパ材料として使用されているポリプロピレンやエチレン・プロピレンゴムやエチレン・プロピレン・ジエンゴム等の軟質、軽量で衝撃吸収性に富んだ樹脂により成形されている。バンパ2は、図5(a),(b),(c)に示すように、例えば成人の人間の略膝の高さに設置される。バンパ2は、図2に示すように、縦断面が大略コ字形状の緩衝材であり、最前部2aを垂直に形成して、その最前部2aの車体1側の裏面に、アブソーバ4を設置している。
アブソーバ4は、例えば衝突時の衝撃力を吸収する軽量の発泡樹脂等からなる緩衝材である。
【0019】
図4は、本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、(a)はアッパビームの係止片を示す要部拡大斜視図、(b)はバンパの切欠部を示す要部拡大斜視図である。
図4(a)に示すように、バンパ2の上端フランジ部2dの複数箇所は、車体1に固定したアッパビーム5の係止片5aにより、車体1の前方方向に移動可能に係止されている。
図4(b)に示すように、バンパ2の下端フランジ部2eの複数箇所は、車体1の後方向に向けて形成した切欠部2bを有するねじ穴2cに、車体1に固定したクロスメンバ6のねじ3をねじ止めすることにより、車体1の前方方向に移動可能にガイドされて係止されている。
これにより、バンパ2は、押し出し装置S2により押し出されたとき、クロスメンバ6のねじ3が、ねじ穴2cから切欠部2bを通ってバンパ2から離れることにより、車体1の前方方向に移動する。
【0020】
図2および図3に示すように、アッパビーム5は、バンパ2の上方部位に設置された金属製補強材であり、車体1に固定されている。アッパビーム5は、バンパ2の上端部を、係止片5aに挟み込まれ易くするために、その係止片5aの先端を上側に向けて反らすとともに、車体1の前方側に下側に向けて折曲した折曲片5bを形成している。
【0021】
クロスメンバ6は、車体1に対して横方向に設置された金属製補強材であり、車体1に固定され、バンパ2の下端部を、クロスメンバ6のねじ穴がある箇所にガイドし易くするために、車体1の前方側に折曲片6aを形成している。
【0022】
なお、特許請求の範囲におけるところの「補強フレーム」は、「アッパビーム5」および「クロスメンバ6」に相当する。
課題を解決するための手段におけるところの「係止手段」は、「バンパ2のフランジ部2dを係止するアッパビーム5の係止片5a」および「バンパ2の切欠部2bを係止するねじ3」に相当する。
【0023】
また、バンパ2の内側上方部位には、一端をアッパビーム5に固定したベルト8の他端が固定され、バンパ2の内側下方部位には、一端をサイドフレーム10に固定したベルト9の他端が固定されている。
これにより、バンパ2は、図3に示すように、押し出し装置S2により押し出されたとき、ベルト8,9により車体1の前方方向に所定距離だけ移動可能に連結される。その所定距離とは、例えば330mmである。
なお、課題を解決するための手段におけるところの「連結手段」は、「バンパ2と車体1とを連結したベルト8,9」に相当する。
【0024】
図2および図3に示すように、押し出し装置S2は、バンパ2に設けたアブソーバ4をサイドフレーム10から分離し、アブソーバ4およびバンパ2を車体1の前方側に押し出すエアバッグ装置等からなる。押し出し装置S2は、衝突予知手段からの衝突予知信号により高圧ガスを発生するインフレータ11と、このインフレータ11の高圧ガスにより展開して、バンパ2を押し出すエアバッグ12と、を有してなる。この押し出し装置S2は、例えばバンパ2の左右の裏面部の2箇所に同じ装置が設置され、バンパ2の左右2箇所を押圧して押し出す。
なお、押し出し装置S2は、スプリングによるばね力や、圧縮機による圧縮空気による手段によってバンパ2を弾出させてもよい。
【0025】
インフレータ11は、ハウジング13に内設した収納部14に収納されるガス発生装置であり、点火装置と、アジ化ナトリウム等でなるガス発生剤からなる。インフレータ11は、前記衝突予知信号により点火装置がガス発生剤を瞬時に燃やし、高圧の窒素ガスを発生させてエアバッグ12を膨らます(図3参照)。
【0026】
ハウジング13は、例えば開口部に鍔部13aを有する金属製容器からなり、金属製の枠体7を介してサイドフレーム10に装着される。ハウジング13の内底には、前記インフレータ11が収納され、ハウジング13の開口部側にはエアバッグ12が内設されている。
【0027】
図2に示すように、エアバッグ12は、折り畳んだ状態で前記ハウジング13内に収納されるとともに、蓋体15により閉塞されており、開口縁12aの全周が収納部14の開口部14aに固着されている。図3に示すように、エアバッグ12は、展開した後、しぼむようにするために、複数のベント孔(図示せず)を穿設している。
【0028】
蓋体15は、ガス発生剤により窒素ガスが発生してエアバッグ12を展開したときに、エアバッグ12により押圧されて破壊され、そのエアバッグ12は蓋体15を突破って通過し、蓋体15の外側で展開する。
【0029】
次に本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置の作用を説明する。
図5(a)に示すように、平常に走行中、保護装置S1の衝突予知手段は、車体1に設置した送受信器(図示せず)から車体1の前方に向けて発信した超音波の反射波を検出して、車体1から歩行者Hまでの距離と車速を計測し続けて、車体1に衝突する歩行者Hを予知している。
図2に示すように、押し出し装置S2は、エアバッグ12がハウジング13に収納されて、蓋体15により閉塞した状態にある。このため、バンパ2は、図1(a)、図2および図5(a)に示すように、車体1の通常時の位置に設置されている。
【0030】
例えば、時速40km/hで走行中、衝突予知手段が車体1の前方から歩行者Hまでの距離Lが約10mで、500ms後に、車体1が歩行者Hに衝突することを予測すると、その衝突予知手段は衝突予知信号をバンパ2の左右に設置した押し出し装置S2に同時に送り、インフレータ11の点火装置がガス発生剤を瞬時に燃やし、高圧の窒素ガスを発生させてエアバッグ12を膨らます。
【0031】
図3に示すように、エアバッグ12は、展開したことにより蓋体15を突き破り、アブソーバ4を押し、さらにアブソーバ4はバンパ2の左右を同時に押圧する。バンパ2は、上端フランジ部2dが係止片5aから分離し、下端フランジ部2eがねじ3から分離して、係止片5aおよび切欠部2bにガイドされて車体1の前方方向に向けて、バンパ2が容易にかつ瞬時に所定の距離(例えば330mm程度)だけ押し出されて、ベルト8,9により静止させられる。このため、バンパ2は、車体1から脱落することがない。図1(b)および図5(b)に示すように、バンパ2は、歩行者Hが車体1の衝突する直前に、保護装置S1により歩行者Hを保護する状態にする。
【0032】
バンパ2は、通常時、上下端のフランジ部2d,2eを係止片5aおよび切欠部2bに係合したねじ3により、車体1の前方方向に所定以上の負荷がかかれば前方方向に移動可能に保持しているため、バンパ2が押し出し装置S2によりスムーズに押し出される。
【0033】
図5(c)に示すように、この後、歩行者Hは、バンパ2が押し出された直後に衝突する。歩行者Hは、エアバッグ12が膨らんで、長いストロークで突出したバンパ2に衝突することにより、エアバッグ12がしぼむことと、バンパ2が長いストローク分だけ戻ることで、衝撃を十分吸収することができる。バンパ2およびアブソーバ4は、軽量で質量が軽いことにより、歩行者Hが衝突したときに、歩行者Hに押されて車体1の後方側に動き易いため、衝突時の衝撃を吸収することができる。
これにより、車速が中〜高速域での衝突力が大きい衝突に対しても十分効果が発揮でき、低速域での衝突でも歩行者Hの障害程度を少なくすることができる。
【0034】
また、歩行者Hは、バンパ2が押し出されることにより、バンパ2が歩行者Hの重心より低い位置である脚部に衝突するため、歩行者Hが車体1の前部のエンジンルームやトランクルームのフード1a上に傾倒される足払い性が向上して、腰の関節部に加わる曲げ応力およびせん断応力を低くすることができる。
【0035】
また、衝突した衝突物が歩行者H以外の自動車や壁などの障害物であった場合、車体1および乗員は、バンパ2、アブソーバ4およびエアバッグ12により受ける衝撃が緩衝される。
【0036】
衝突後、エアバッグ12は、バンパ2内で徐々にしぼむ。また、エアバッグ12は、バンパ2の左右等に設置されて収納される大きさでなることにより、従来のエアバッグと比較して上下、左右方向の長さが短い小型なものにすることができるため、巨大なエアバッグを必要とせず、押し出し装置S2およびインフレータ11を小型化することができるとともに、エアバッグ12が小さいので、速やかに展開することができる。また、バンパ2は、車体1の前部の全域にわたって配置されていることにより、押し出し装置S2により歩行者Hが、車体1の前部全域のバンパ2のどの位置に衝突しても、バンパ2、アブソーバ4およびエアバッグ12により緩衝されるため、同じ効果が得られる。
【0037】
インフレータ11およびエアバッグ12は収納部14に収納され、収納部14はハウジング13に収納され、ハウジング13はサイドフレーム10に収納されていることにより、押し出し装置S2がそれら部材により覆われて保護されることとなり、耐衝撃性が向上し、衝突時の衝撃力で壊れることがない。
【0038】
また、押し出し装置S2は、従来から車両に搭載されているサイドフレーム10に内設されることにより、設置するための占有スペースが少なく、周囲のレイアウトに影響を及ぼすことがないため、殆どの車両に適用できる。
【0039】
バンパ2は、ベルト8,9により連結されていることにより、車体1から脱落することはないため、衝突後のバンパ2の元の位置に設置するための作業が容易である。また、バンパ2の内部には、アブソーバ4が設置され、押し出し装置S2が従来のサイドフレーム10に内設されていることにより、バンパ2のデザインが制約を受けることがないため、従来のバンパ2をそのまま使用することも可能である。
【0040】
衝突後、バンパ2のフランジ部2d,2e、アッパビーム5およびクロスメンバ6が損傷していない場合は、フランジ部2dを係止片5aに嵌め込み、フランジ部2eのねじ穴2cにねじ3を螺着することにより、バンパ2を元の状態に容易に戻すことができる。
そして、保護装置S1は、インフレータ11にガス発生剤を詰め直し、蓋体15を交換することにより、再度使用することが可能となる。
【0041】
なお、本発明は、その技術思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
例えば、すべての衝突に対して作動するようにしてもよいし、人間だけを判別して作動するようにしてもよい。また、車両と衝突対象物とが近接する速度に応じて作動するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の車両用衝突物保護装置によれば、押し出し装置は、バンパフェースを補強フレームから分離し、バンパフェースを押し出すことにより衝突物を保護するため、押し出されるものがバンパフェースのみで軽く、緩衝性に富んだ緩衝材にすることができるとともに、押し出し装置を小型化することが可能となる。また、押し出し装置は、バンパフェースを押し出したことにより、バンパフェースと補強部材との間が広がって大きな空間ができため、この空間を利用して衝突物が受ける衝撃を十分吸収することができる。これにより、車速が中〜高速域の衝突時であっても、衝撃を十分吸収して対応することが可能となる。さらに、衝突物が歩行者である場合にあっては、バンパフェースが押し出されることにより、そのバンパフェースで歩行者の足を払って車両側に傾倒させて歩行者をボンネットに乗せる足払い性が向上する。なお、バンパフェースは、車体の前部全体に設置されていることにより、車両の前部の左右全域にわたって緩衝材が存在することになるため、衝突物が車体の前部のどの部位に衝突しても同じように衝突物に受ける衝撃を緩衝させることができる。また、バンパフェースは、後方から押し出し装置により押し出すことにより歩行者等を保護するものであるため、バンパフェースの外観のデザインに影響を及ぼすことがないなど様々な効果を有する。
【0043】
本発明の請求項2に記載の車両用衝突物保護装置によれば、バンパフェースが展開したエアバッグにより押し出されることにより、エアバッグが衝突後速やかにしぼむため、歩行者が衝突しても衝撃力を十分に吸収することができる。また、エアバッグは、バンパフェースを押し出すための袋状のものであるため、バンパフェース内の空間に配設することができ、バンパフェースのデザインに影響を及ぼすことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、(a)は通常時のバンパの設置状態を示す斜視図、(b)は衝突時のバンパの状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、通常時における状態を示す要部拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、押し出し装置がバンパを押し出したときの状態を示す要部拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、(a)はアッパビームの係止片を示す要部拡大斜視図、(b)はバンパの切欠部を示す要部拡大斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両用衝突物保護装置を示す図面で、(a)は衝突予知手段により歩行者を検知したとき状態を示す概略図、(b)はバンパを押し出したときの状態を示す概略図、(c)はバンパに歩行者が衝突したときの状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 車体
2 バンパ(バンパフェース)
2b 切欠部
2c ねじ穴
4 アブソーバ
5 アッパビーム(補強フレーム)
5a 係止片
6 クロスメンバ(補強フレーム)
11 インフレータ
H 歩行者(衝突物)
S1 保護装置(衝突物保護装置)
S2 押し出し装置
Claims (2)
- 衝突物との衝突を予知したとき、バンパフェースを前記衝突物側に押し出す押し出し装置を備えた車両用衝突物保護装置であって、
前記バンパフェースは、補強フレームを介して前記車体の前部に設置され、
前記押し出し装置は、前記バンパフェースを補強フレームから分離し、前記バンパフェースを押し出すことを特徴とする車両用衝突物保護装置。 - 前記押し出し装置は、前記衝突予知手段からの衝突予知信号により高圧ガスを発生するインフレータと、
このインフレータの高圧ガスにより展開して、前記バンパフェースを押し出すエアバッグと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用衝突物保護装置。
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