JP2019171949A - 鉄道車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】高齢者等による車室の利用の快適さが向上する鉄道車両を提供する。【解決手段】車室2の内壁面3の出入口4を開閉するドア5が設けられた鉄道車両1において、内壁面3の出入口4の側縁6から横方向に離隔した部位から突出した仕切板8が横方向に車室2を仕切るため、仕切板8により仕切られた空間を荷物置場等として利用することができる。また、内壁面3において出入口4の側縁6の周辺から仕切板8及び仕切板8の周辺の部位のいずれかまで横手摺部11が横方向に延在するため、高齢者等が横方向に延在する横手摺部11に体重を預けつつ、横手摺部11を横方向に伝うことにより、出入口4と仕切板8との間を容易に移動することができ、高齢者等による車室2の利用の快適さが向上する。【選択図】図1
Description
本発明は、鉄道車両に関する。
車室の内壁面の出入口を開閉するドアが設けられた鉄道車両において、出入口付近における乗客の行動を補助するために手摺を配置した構造が提案されている。例えば、特許文献1では、内壁面において出入口の側縁に沿って垂直方向に延在する手摺が開示されている。
ところで、鉄道車両の乗客に高齢者や傷病者等が含まれることがある。握力や脚力等の体力が低下した高齢者等にとって、上記特許文献1のような手摺は把持し難く、行動を補助するために利用し難い欠点がある。また、車室の一部に荷物置場等として利用できる空間が設置されることがあるが、上記特許文献1のような手摺では、高齢者等は手摺を伝って当該空間まで移動し難いため、高齢者等による車室の利用の快適さについては、改善の余地がある。
そこで本発明は、高齢者等による車室の利用の快適さが向上する鉄道車両を提供することを目的とする。
本発明は、車室の内壁面の出入口を開閉するドアが設けられた鉄道車両であって、内壁面の出入口の側縁から横方向に離隔した部位から突出し、横方向に車室を仕切る仕切板と、内壁面において出入口の側縁の周辺から仕切板及び仕切板の周辺の部位のいずれかまで横方向に延在する横手摺部とを備えた鉄道車両である。
この構成によれば、車室の内壁面の出入口を開閉するドアが設けられた鉄道車両において、内壁面の出入口の側縁から横方向に離隔した部位から突出した仕切板が横方向に車室を仕切るため、仕切板により仕切られた空間を荷物置場等として利用することができる。また、内壁面において出入口の側縁の周辺から仕切板及び仕切板の周辺の部位のいずれかまで横手摺部が横方向に延在するため、高齢者等が横方向に延在する横手摺部に体重を預けつつ、横手摺部を横方向に伝うことにより、出入口と仕切板との間を容易に移動することができ、高齢者等による車室の利用の快適さが向上する。
この場合、仕切板及び仕切板の周辺の部位のいずれかに縦方向に延在する縦手摺部をさらに備えることが好適である。
この構成によれば、仕切板及び仕切板の周辺の部位のいずれかで縦手摺部が縦方向に延在するため、横手摺部を伝って縦手摺部に到達した高齢者等が仕切板により仕切られた空間をより利用し易くなる。
この場合、横手摺部と縦手摺部とを連結する連結部をさらに備えることが好適である。
この構成によれば、連結部により横手摺部と縦手摺部とが連結されるため、高齢者等が横手摺部から縦手摺部まで連続して伝うことができ、高齢者等が仕切板により仕切られた空間をさらに利用し易くなる。
また、横手摺部の表面に情報を伝達するための凸部及び凹部のいずれかである情報伝達部をさらに備えることが好適である。
この構成によれば、横手摺部の表面の凸部及び凹部のいずれかである情報伝達部を介して情報が伝達されるため、視力が低下した高齢者等が横手摺部を伝いつつ、例えば、仕切板により仕切られた空間を利用するための情報を得ることができる。
本発明の鉄道車両によれば、高齢者等による車室の利用の快適さが向上する。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態に係る鉄道車両について詳細に説明する。図1に示すように、本発明の実施形態の鉄道車両1は、車室2の内壁面3の出入口4を開閉するドア5が設けられている。出入口4及びドア5は、既存の鉄道車両の物を適用できる。ドア5は、自動又は手動で開閉する両開き及び片開きの扉であり、引き戸、プラグドア、スライドドアのいずれでもよい。本実施形態では、ドア5は自動で開閉する両開きの引き戸である。
図1及び図2に示すように、鉄道車両1は、内壁面3の出入口4の側縁6から横方向に離隔した部位から突出し、横方向に車室2を仕切る仕切板8を備える。車室2を仕切るとは、車室2の天井から床面までの一部を仕切る態様と、車室2の天井から床面までの全部を仕切る態様とを含む。また、横方向に車室2を仕切るとは、図1及び図2に示すように仕切板8の表面が車室2の床面の垂直方向に延在する態様の他に、車室2の床面の垂直方向以外の例えば仕切板8の表面が車室2の床面の垂直方向から5°〜45°の角度の方向に延在する態様を含む。本実施形態では、鉄道車両1は、仕切板8の表面とその表面が対向する仕切板9をさらに備える。仕切板8と仕切板9とは棚板10により連結されている。仕切板8と仕切板9とで区画された空間は、例えば、荷物置場等として利用される。なお、仕切板9及び棚板10は省略されてもよい。
鉄道車両1は、内壁面3において出入口4の側縁6の周辺から仕切板8及び仕切板8の周辺の部位のいずれかまで横方向に延在する横手摺部11を備える。本実施形態では、横手摺部11は、内壁面3において出入口4の側縁6の周辺から仕切板8の周辺の部位まで横方向に延在する。横手摺部11は、出入口4の側縁6の周辺の戸柱7から内壁面3に略垂直な方向に突出し、内壁面及び車室2の床面に平行な方向に屈曲しつつ、横方向に延在する。横手摺部11は、円柱形状を有する。
出入口4の側縁6の周辺とは、例えば、乗客が片方の手で出入口4の側縁6に触れつつもう片方の手で横手摺部11を触れる範囲を意味する。あるいは、出入口4の側縁6の周辺とは、例えば、乗客が片方の手で出入口4の側縁6に触れつつ同じ片方の手で横手摺部11を触れる範囲を意味する。仕切板8の周辺の部位とは、例えば、乗客が片方の手で横手摺部11に触れつつ仕切板8の位置まで移動することが可能な範囲を意味する。横方向に延在するとは、図1及び図2に示すように車室2の床面に平行な水平方向に延在している態様の他に、例えば、車室2の床面に平行な水平方向から60°以内、45°以内及び30°以内の角度だけ傾斜している方向に延在している態様も含まれる。
鉄道車両1は、仕切板8及び仕切板8の周辺の部位のいずれかに縦方向に延在する縦手摺部12をさらに備える。縦手摺部12は、仕切板8の下部から仕切板8の端部に沿って車室2の床面に略垂直な方向に突出し、車室2の上部で内壁面3の側に湾曲しつつ、内壁面3まで延在する。縦手摺部12は、円柱形状を有する。仕切板8の周辺の部位とは、例えば、乗客が片方の手で縦手摺部12に触れつつ仕切板8の位置まで移動することが可能な範囲を意味する。縦方向に延在するとは、図1及び図2に示すように縦手摺部12が車室2の床面の垂直方向に延在する他に、車室2の床面の垂直方向以外の例えば車室2の床面の垂直方向から5°〜45°の角度の方向に延在する態様を含む。
鉄道車両1は、横手摺部11と縦手摺部12とを連結する連結部13をさらに備える。本実施形態では、横手摺部11の一方の端部は戸柱7により支持され、横手摺部11の他方の端部は縦手摺部12により支持されている。仕切板8の端部と縦手摺部12との間には、乗客が縦手摺部12を把持し易くするために、切欠部14が設けられている。
鉄道車両1は、横手摺部11の表面に情報を伝達するための凸部及び凹部のいずれかである情報伝達部15をさらに備える。図2に示すように、本実施形態では、情報伝達部15は、横手摺部11の表面に設けられた凸部16である。凸部16は、例えば、点字である。情報伝達部15は、横手摺部11の表面に着脱自在でもよい。これにより、情報伝達部15が伝達する情報を適宜変更することができる。
本実施形態では、横手摺部11は出入口4の側縁6の周辺の戸柱7から縦手摺部12まで延在しているが、横手摺部11は、戸柱7の周辺であって出入口4の側縁6の周辺の部位や、内壁面3の戸柱7が無い平坦な部位であって出入口4の側縁6の周辺の部位から延在していてもよい。また、横手摺部11は、仕切板8まで延在し、その端部が仕切板8と一体化していてもよく、内壁面3における仕切板8の周辺の部位まで延在していてもよい。また、横手摺部11は、仕切板8と仕切板9とで仕切られた空間等の仕切板8により仕切られた空間の一部又は全部の範囲に亘って延在していてもよい。また、横手摺部11は、上下に複数本備えられていてもよい。
また、本実施形態では、横手摺部11は内壁面3の戸柱7にその一方の端部が取り付けられているが、例えば、横手摺部11は内壁面3の近傍に位置し、車室2の床面から支持柱等により支持されていてもよい。つまり、必ずしも横手摺部11が内壁面3により支持されていることを要しない。また、本実施形態では、円柱形状を有する横手摺部11は内壁面3の戸柱7にその一方の端部が取り付けられ、円柱形状を有する横手摺部11と内壁面3との間に隙間を有するが、例えば板状の横手摺部11の全体が内壁面3から突出しており、横手摺部11と内壁面3との間に隙間が無くともよい。
本実施形態によれば、車室2の内壁面3の出入口4を開閉するドア5が設けられた鉄道車両1において、内壁面3の出入口4の側縁6から横方向に離隔した部位から突出した仕切板8が横方向に車室2を仕切るため、仕切板8により仕切られた空間を荷物置場等として利用することができる。また、内壁面3において出入口4の側縁6の周辺から仕切板8及び仕切板8の周辺の部位のいずれかまで横手摺部11が横方向に延在するため、高齢者等が横方向に延在する横手摺部11に体重を預けつつ、横手摺部11を横方向に伝うことにより、出入口4と仕切板8との間を容易に移動することができ、高齢者等による車室2の利用の快適さが向上する。
つまり、握力が低下した高齢者等にとって、垂直方向に延在する手摺は下方向に滑り易いため、低下した握力で把持し難い欠点がある。また高齢者等が垂直方向に延在する手摺を把持したとしても、手摺を伝って横方向に移動することは難しい欠点がある。一方、本実施形態では、高齢者等は横方向に延在する横手摺部11に手を介して体重を預けるだけでよいため、必ずしも横手摺部11を強い握力で把持しないで済む利点がある。また、高齢者等は横方向に延在する横手摺部11に体重を預けつつ、横手摺部11を横方向に伝うことで、横手摺部11を利用して出入口4と仕切板8との間を容易に移動することができる。
また、本実施形態によれば、仕切板8及び仕切板8の周辺の部位のいずれかで縦手摺部12が縦方向に延在するため、横手摺部11を伝って縦手摺部12に到達した高齢者等が仕切板8により仕切られた空間をより利用し易くなる。
また、本実施形態によれば、連結部13により横手摺部11と縦手摺部12とが連結されるため、高齢者等が横手摺部11から縦手摺部12まで連続して伝うことができ、高齢者等が仕切板8により仕切られた空間をさらに利用し易くなる。
また、本実施形態によれば、横手摺部11の表面の凸部16及び凹部のいずれかである情報伝達部15を介して情報が伝達されるため、視力が低下した高齢者等が横手摺部11を伝いつつ、例えば、仕切板8により仕切られた空間を利用するための情報を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施される。例えば、仕切板8,9、横手摺部11、縦手摺部12及び連結部13の位置、長さ、形状、範囲、個数等は適宜変更され得る。
1…鉄道車両、2…車室、3…内壁面、4…出入口、5…ドア、6…側縁、7…戸柱、8…仕切板、9…仕切板、10…棚板、11…横手摺部、12…縦手摺部、13…連結部、14…切欠部、15…情報伝達部、16…凸部。
Claims (4)
- 車室の内壁面の出入口を開閉するドアが設けられた鉄道車両であって、
前記内壁面の前記出入口の側縁から横方向に離隔した部位から突出し、横方向に前記車室を仕切る仕切板と、
前記内壁面において前記出入口の側縁の周辺から前記仕切板及び前記仕切板の周辺の部位のいずれかまで横方向に延在する横手摺部と、
を備えた、鉄道車両。 - 前記仕切板及び前記仕切板の周辺の部位のいずれかに縦方向に延在する縦手摺部をさらに備えた、請求項1に記載の鉄道車両。
- 前記横手摺部と前記縦手摺部とを連結する連結部をさらに備えた、請求項2に記載の鉄道車両。
- 前記横手摺部の表面に情報を伝達するための凸部及び凹部のいずれかである情報伝達部をさらに備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄道車両。
Priority Applications (1)
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ID=68169309
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JP2018059916A Pending JP2019171949A (ja) | 2018-03-27 | 2018-03-27 | 鉄道車両 |
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2018
- 2018-03-27 JP JP2018059916A patent/JP2019171949A/ja active Pending
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