JP2019171729A - 太陽電池バックシート用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は従来のポリエステルフィルムの製膜工程中に設けられた易接着層に比べて、封止材との密着性と、高温環境、高湿度環境においても優れた密着保持性を両立できるバックシート用フィルムとして好適に使用でき、さらに該シートを用いることによって高性能な太陽電池を提供する。【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、樹脂層を有する積層フィルムであって、前記樹脂層が少なくとも片側の表層にあり、前記樹脂層が40℃における弾性率(M40)が1000MPa以上、2000MPa以下であり、0℃における弾性率と40℃における弾性率の差(M0−M40)が300MPa以上、1000MPa以下、前記樹脂層表面の60°光沢度が60以上である太陽電池バックシート用フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池セルの封止材との密着性と、高温環境、高湿度環境において優れた密着保持性を有する太陽電池バックシート用フィルムに関する。
半永久的で無公害のクリーンエネルギーとして、世界中で急速に普及している太陽電池は、発電素子をエチレン−酢酸ビニル共重合体(以降EVAと称する)などの透明な封止材により封止したものに、ガラスなどの透明基板と、バックシート(裏面保護用シート)と呼ばれる樹脂シートを貼り合わせて構成される。
ここで、バックシートには安価で高性能である二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以降PETと称する)が広く用いられているが、封止材との密着性が弱いため、近年では、ポリエステルフィルムの表面に易接着層を設ける構成が一般的であり、ポリエステルフィルムの製膜工程中で易接着層を設けることで、密着性を向上させる技術が紹介されている。(特許文献1、2)
特開2014−231147号公報 特開2015−898520号公報
しかしながら、特許文献1、2に挙げられた従来手法では、封止材との密着性が不足することや、太陽電池の更なる普及が期待される、新興国や途上国の地域は昼夜の寒暖差や、気候変動が激しい環境下で太陽電池として屋外に長期間保管された時に、易接着層の密着性が低下してしまう問題があった。この問題を鑑みて、太陽電池セルの封止材との密着性と、高温環境、高湿度環境においても優れた密着保持性を有するバックシート用フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成をとる。すなわち、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に樹脂層を有する積層フィルムであって、前記樹脂層が少なくとも片側の表層にあり、前記樹脂層が40℃における弾性率(M40)が1000MPa以上、2000MPa以下であり、0℃における弾性率と40℃における弾性率の差(M−M40)が300MPa以上、1000MPa以下、表面の60°光沢度が60以上である太陽電池バックシート用フィルムである。
本発明によれば、従来のポリエステルフィルムの製膜工程中に設けられた易接着層に比べて、封止材との密着性と、高温環境、高湿度環境においても優れた密着保持性を両立できる太陽電池バックシート用フィルムとして好適に使用でき、さらに該シートを用いることによって高性能な太陽電池を提供することができる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムを用いた太陽電池の構成の一例を模式的に示す断面図である。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に樹脂層を有する積層フィルムであって、前記樹脂層が少なくとも片側の表層にあり、前記樹脂層が40℃における弾性率(M40)が1000MPa以上、2000MPa以下であり、0℃における弾性率と40℃における弾性率の差(M−M40)が300MPa以上、1000MPa以下、表面の60°光沢度が60以上であるものである。
以下、本発明の太陽電池バックシート用フィルムについて詳細を説明する。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおけるポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を主成分とする。本発明において、ポリエステル樹脂を主成分とするとは、フィルムを構成する樹脂に対してポリエステル樹脂が50質量%を超えて含有されていることをいう。ポリエステル樹脂としては、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸などが挙げられる。本発明に用いられるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体(以降ジカルボン酸成分と総称する)とジオール成分の重縮合、1分子内にカルボン酸もしくはカルボン酸誘導体と水酸基を有する化合物の重縮合、および、これらの組み合わせにより得ることができる。また、ポリエステル樹脂の重合は常法により行うことができる。
本発明の効果を損なわない範囲であれば、ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分およびジオール成分に異なる成分を共重合させても良いし、それぞれ複数種を選択して共重合させても良い。また、ポリエステル樹脂は、単一種でも良いし、2種以上のポリエステル樹脂をブレンドしたものでも良い。
例えば、ポリエステル樹脂の結晶性を低下させる共重合成分や、異なる構造を有するポリエステル樹脂を少量含有することで、ポリエステルフィルムの製膜性を向上させる効果や、易接着層との密着性を向上させる効果が期待できる。また、結晶性や耐熱性を高める成分を含有させることで、ポリエステルフィルムの耐久性を向上させて、高温環境、高湿度環境下における密着保持性を向上させる効果が期待できる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおけるポリエステルフィルムは、前述のとおりポリエステル樹脂を主たる構成成分とするが、固有粘度(以降IVと称する)は0.65dl/g以上0.80dl/g以下、かつ末端カルボキシル基量が35当量/トン以下であることが好ましい。また、該ポリエステル樹脂はポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とすることが好ましい。IVが0.65dl/g未満の場合、シートの耐湿熱性が悪くなる場合がある。また、IVが0.80dl/gを超える場合、製造する際に樹脂の押出性が悪く、シート成型が困難となる場合がある。さらに、IVが上記範囲を満たしていても、末端カルボキシル基量が35当量/トン以上の場合や、固有粘度IVが0.65dl/gをした回る場合、易接着層との密着性は良くなるが、シートの耐湿熱性が悪くなるので好ましくない。尚、末端カルボキシル基量の下限値は特には限定されないが、実質的に1当量/トン未満とすることは困難である。
また、本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおけるポリエステルフィルムは、示差走査熱量測定(DSC)により得られる微少吸熱ピーク温度Tmeta(℃)が205℃以上、230℃以下であることが好ましく、211℃以上、225℃以下がより好ましく、213℃以上220℃以下が更に好ましい。微少吸熱ピーク温度Tmeta(℃)が205℃を下回ると、ポリエステルフィルムの熱寸法安定性が不足し、高温環境下で密着性が低下する場合がある。一方、微少吸熱ピーク温度Tmeta(℃)が230℃を超えると、ポリエステルフィルムの配向性が低下し、高湿度環境下で密着性が低下する場合がある。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおけるポリエステルフィルムに耐久性、耐光性、光反射性、光隠蔽性、意匠性、視認性、クッション性などの特性を付与する目的で、おのおのの機能を有した樹脂や粒子、添加剤を含有させる方法も好ましく用いられる。例えば、耐光性と光反射性の両方を向上させるためには、二酸化チタン粒子を含有させることが好ましい。これによって酸化チタン粒子による紫外線吸収能と光反射性を活かして、バックシートに当たる紫外線によるポリエステルフィルムの劣化を抑制し、基材破壊による密着性低下を抑制しながら、発電セルに太陽光の反射光を効率よく反射させることで、太陽電池の発電性能を向上させることができる。また、光反射性とクッション性の両方を向上させるためには、ポリエステルフィルム内部に空洞を形成させるオレフィン系樹脂を添加しておくことで、太陽光の反射光量を高めながら、基材のクッション作用によって剥離時の応力集中を緩和し、封止材との密着強度を高めることができる。
また、本発明のポリエステルフィルムは積層構造を有しても構わない。例えば、耐湿熱性や光反射性に優れた樹脂層を主層とし、紫外線吸収能や光拡散性を持つ二酸化チタン粒子を高濃度で含有する樹脂層を副層として、少なくとも片側の基材層として積層する構成が好ましく用いられる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおけるポリエステルフィルムの厚みは、30μm以上300μm以下が好ましく、34μm以上260μm以下がより好ましく、45μm以上200μm以下が更に好ましい。厚みが30μm未満であると、加工時にシワが入りやすくなり、長期保管時に発生する剥離の起点になる場合がある。一方、厚みが300μmを超えると、剥離時の応力集中が起こりやすくなり、密着強度が低下する場合がある。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムは、少なくとも片面に樹脂層を有する。当該樹脂層は、太陽電池バックシート用フィルムとして用いるときに、太陽電池セルの封止材(EVA樹脂など)との接着性を付与させる機能を有する易接着層としての機能を持たせることができる。太陽電池が設置される環境、すなわち高温環境、高湿度環境に合わせた弾性率や表面形状を調整できる特徴から、アクリル系樹脂を主成分とする塗液によって塗布され形成されることが好ましい。
従来、フィルム材料に設けられる易接着層は、タック性を重視して、ガラス転移点温度(以降Tgと称する)が低い柔軟性がある樹脂が用いられて来た。しかしながら、太陽電池が広く普及された結果、太陽電池が設置される環境は多岐に渡るようになってきている。特に、近年、急速に普及が進んでいる新興国や途上国の地域は、これまでの設置環境に比べて、昼夜の寒暖差や気候変動が激しいため、封止材との密着強度だけでは無く、高温や高湿度環境での密着保持性が求められる。従来の易接着層では、高温環境での密着保持性が十分ではないため、設置環境が限定されてしまう。一方、上記課題を解決するために、Tgが高い樹脂を用いた場合、高温環境での密着保持性は改善傾向であるが、造膜性が低下することや、高湿度の環境下では密着保持性が低下することが問題として浮上した。
そこで本願発明者らは、この原因について鋭意検討した結果、易接着層の弾性率と表面形状を特定の範囲とすることで、上記課題を全て改善できることを見出した。このメカニズムについてはまだ完全に明らかになっている訳では無いが、本願発明者らは、以下と推定している。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおける樹脂層は、40℃における弾性率(M40)が1000MPa以上、2000MPa以下であり、1100MPa以上、1700MPa以下が好ましく、1150MPa以上、1500MPa以下がより好ましく、1200MPa以上、1400MPa以下が更に好ましい。40℃における弾性率(M40)が1000MPa未満の樹脂層は、樹脂層の柔軟性が高過ぎるため、樹脂層が凝集破壊することで密着強度が不足する。更に、高温環境下においては、上記の挙動が顕著となるため、昼夜の寒暖差や気候変動が激しい環境下で設置する場合、この影響は大きくなる。一方、40℃における弾性率(M40)が2000MPa以下を超える樹脂層は、製膜工程で樹脂層が凝集破壊を起こしやすくなり、密着強度が低下する。また高湿度の保管環境下において、水分を膨潤しやすくなり樹脂層の凝集力が不足して密着保持性が低下する。
加えて本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおける樹脂層は、0℃における弾性率と40℃における弾性率の差(M−M40)が300MPa以上、1000MPa以下の樹脂層であり、500MPa以上、900MPa以下が好ましく、600MPa以上、850MPa以下がより好ましく、700MPa以上、800MPa以下が更に好ましい。0℃における弾性率と40℃における弾性率の差(M−M40)が300MPa未満である樹脂層は、前記の40℃における弾性率(M40)を満足していても、常温での封止材との密着性が不足する。一方、0℃における弾性率と40℃における弾性率の差(M−M40)が1000MPaを超える樹脂層は、設置環境温度によって密着強度の変化が大きいことを示しており、寒暖差の激しい環境下で長期間保管された場合、密着強度保持性が低下する。
また、本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおける樹脂層は、表面の60°光沢度が60以上であり、80以上が好ましく、90以上がより好ましく、100以上が更に好ましい。60°光沢度の上限値は特に限定されるものでは無いが、150以下が好ましい。易接着層の表面の60°光沢度が60未満であることは、樹脂層の表面に歪みが生じていることをあらわしており、樹脂層自体の強度が不足する。特にポリエステルフィルムの製膜工程中に設けられる樹脂層は塗布厚みを厚くすることが困難であり、このような樹脂層では表面形状の影響を顕著に受けるため、密着強度が低下するものと考えている。
更に、本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおける樹脂層は、樹脂層表面の小さな窪み形状を制御することが好ましい。具体的には、窪み深さが100nm以下である窪み密度が500個/mm以上、7000個/mm以下であることが好ましく、1000個/mm以上、5000個/mm以下がより好ましく、1500個/mm以上、4000個/mm以下が更に好ましい。ここで窪み深さ100nm以下である表面の窪み密度とは、後述する測定方法により求められる値である。本発明の表面の60°光沢度が60以上である平滑な樹脂層において、窪み深さが100nm以下の窪み密度が500個/mm未満であると、封止材との密着界面が平滑化し過ぎて、密着強度が低下する場合がある。一方、窪み深さが100nm以下の窪み密度が7000個/mmを超えると、窪みが多すぎて樹脂層の強度が低下し、結果的に樹脂層の弾性率が低下することで、樹脂層の凝集破壊につながり、密着強度が不足する場合がある。
また、窪み深さが100nm以下の窪み密度が好ましい範囲であっても、窪み深さが100nmを超える窪みの窪み密度が300個/mm以下であることが好ましく、200個/mm以下であることがより好ましく、100個/mm以下であることが更に好ましい。窪み深さが100nmを超える窪みの窪み密度が300個/mmを超えると、窪みが深すぎて樹脂層の凝集力が低下した結果、樹脂層の弾性率や密着強度が不足する場合がある。
すなわち、本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおける樹脂層として、後述する樹脂層成分を後述する製膜条件によって得られる上記特性の樹脂層を、前述のポリエステルフィルムの少なくとも片面に有することで、太陽電池セルの封止材との密着性が良く、高温環境、高湿度環境においても優れた密着保持性を達成することが可能であり、太陽電池バックシート用フィルムとして好適に使用することができる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおける樹脂層は、アクリル樹脂を主成分とすることが好ましい。アクリル樹脂としては、アクリルモノマーおよびアクリルモノマーにヒドロキシ基が導入されたものを共重合した樹脂を用いることが好ましい。アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸またはメタアクリル酸(メタクリル酸)の炭素数1〜24のアルキルエステルが挙げられ、これらは単独、または2種以上組み合わせて使用することができる。
更に、前記のアクリルモノマーに、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシ基が導入されたアクリルモノマーを共重合してアクリルポリオール共重合体を合成することができる。
本発明の効果が得られる範囲であれば特に限定されるものでは無いが、樹脂層の弾性率や表面形状を調整する手段として、Tgの異なるアクリルモノマーを2種類以上混合する形態が好ましい。
具体的には(メタ)アクリル酸メチル(以降MMAと称する)と(メタ)アクリル酸n−ブチル(以降BMAと称する)の2種類を用いる手法等が挙げられ、Tgが高いMMAのモノマー比率を多くすると、40℃における樹脂層の弾性率は高くなり、0℃における弾性率と40℃における弾性率の差(M−M40)は大きくなり、樹脂層表面の窪み深さ100nm以下の窪み密度は小さくなる傾向となる。また、Tgの低いBMAのモノマー比率を多くすれば、40℃における樹脂層の弾性率は低くなり、0℃における弾性率と40℃における弾性率の差(M−M40)は小さくなり、表面の60°光沢度の低下を抑えながら、窪み100nm以下の窪み密度を大きくなる傾向がある。樹脂層に用いる成分を調整すること、また樹脂層を形成する条件を調整することで、樹脂層の特性を制御することができる。
また、これらのアクリル系樹脂は、日本カーバイド工業株式会社製“ニカゾール”(登録商標)や、日信化学工業株式会社製“ビニブラン” (登録商標)などの市販製品を入手して用いることができる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおける樹脂層には、架橋剤を用いて形成される層であることが好ましい。架橋剤とは樹脂層を構成するポリマー同士を連結し、物理的、化学的性質を変化させる反応性を持つ化合物を示す。本発明の樹脂層が架橋剤を用いずに形成される場合、造膜性が悪化して表面に大きな窪みが形成され密着性が低下する場合があったり、高温環境、高湿度環境下で長期保管した時に密着保持性が低下する場合がある。
架橋剤の含有量としては、樹脂層を形成する固形分の総質量に対して1質量%以上、40質量%以下が好ましく、3質量%以上、35質量%以下がより好ましく、5質量%以上、30質量%以下が更に好ましい。架橋剤の含有量が1質量%未満の場合、架橋剤による効果が不足する場合がある。一方、架橋剤の含有量が40質量%を超えると、樹脂層の主成分の比率が低下し過ぎて、期待された密着性が得られない場合がある。尚、架橋剤の含有量は主成分の樹脂と架橋剤の反応基量が既知の場合、それらの反応当量を一致させることが特に好ましい。
本発明に用いる架橋剤としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に限定されるものでは無いが、具体的には、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、メラミン系化合物、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物などが好ましく用いられ、コロナ放電処理等によってポリエステルフィルム表面に生成した官能基や、封止材中に含まれる添加剤と化学的な結合を形成することで、樹脂層と基材のポリエステルフィルム、樹脂層と封止材との密着性を向上させる効果が期待できる観点から、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、オキサゾリン系化合物がより好ましく用いられ、これらの架橋剤を2種類以上選択して併用してもよい。
これらの架橋剤は、例えば第一工業製薬株式会社製イソシアネート架橋剤“エラストロン”(登録商標)や、旭化成株式会社製イソシアネート架橋剤“デュラネート”(登録商標)、Bayer MaterialScience社製イソシアネート架橋剤“IMPRAFIX”(登録商標)、DIC株式会社製メラミン架橋剤“ベッカミン”(登録商標)、日本カーバイド工業株式会社製メラミン架橋剤“ニカラック”(登録商標)、株式会社日本触媒製オキザゾリン架橋剤“エポクロス”(登録商標)、日清紡ケミカル株式会社製カルボジイミド架橋剤“カルボジライト”(登録商標)、DIC株式会社製エポキシ架橋剤“EPICLON”(登録商標)、ナガセケムテックス株式会社製エポキシ架橋剤“デナコール”(登録商標)などの市販製品を入手して用いることができる。
その他、本発明の樹脂層に、耐光性、耐ブロッキング性、光拡散性などの特性を付与する目的や、封止材との密着性や密着保持性の更に高めるために、おのおのの機能を有した樹脂や粒子、添加剤を含有させてもよい。例えば、耐光性と光拡散性の両方を向上させるためには、二酸化チタン粒子を含有させることが好ましく、表面の大きな窪みを抑えるためには、一次粒径が250nm以下の二酸化チタン粒子が好ましく、より好ましくは一次粒径が150nm以下、更に好ましくは100nm以下である。また、耐ブロッキング性を向上させるためには、コロダイルシリカなどの易滑粒子を封止材との密着性に影響が出ない範囲で少量添加しておくことで、巻き取り時のシワ発生や樹脂層のブロッキングを抑制することができる。また、封止材との密着性や密着保持性を更に高めるためには、封止材やポリエステルフィルムの末端基と反応性を持つ添加剤を含有させても良い。
本発明の樹脂層をポリエステルフィルム上に形成する方法は、特に制限されるべきものではなく、公知方法(共押出法、コーティング手法など)を用いることができる。具体的には、コーティング法としては、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等が挙げられる。
本発明の樹脂層を形成する塗液の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノールおよび水等を例示することができ、塗液の性状としては、エマルジョン型および、ディスパーション型、溶解型のいずれでも良い。近年では環境保護、省資源化、製造時における有機溶剤の排気問題などが重視され、水を溶媒として用いることが好ましく、表面の窪みを制御しやすい溶解型、もしくはエマルジョン型塗液が好ましい形態である。
本発明の樹脂層をコーティング法で設ける場合、インラインコート法、オフコート法のどちらでも用いることができる。インラインコート法とは、ポリエステルフィルムの製造の工程内で塗布を行う方法である。具体的には、ポリエステル樹脂を溶融押し出ししてから二軸延伸後熱処理して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法を指し、通常は、溶融押出し後・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸(未配向)ポリエステルフィルム(Aフィルム)、その後に長手方向に延伸された一軸延伸(一軸配向)ポリエステルフィルム(Bフィルム)、またはさらに幅方向に延伸された熱処理前の二軸延伸(二軸配向)ポリエステルフィルム(Cフィルム)の何れかのフィルムに塗布する。
本発明の樹脂層は、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムのAフィルム、Bフィルム、の何れかのフィルムに、塗液を塗布し、溶媒を蒸発させ、その後、ポリエステルフィルムを一軸方向又は二軸方向に延伸し、加熱し、ポリエステルフィルムの結晶配向を完了させるとともに、樹脂層を設ける方法を採用することが好ましい。当該方法によって設けると、樹脂層を形成するとともに延伸を行うことが可能となり、延伸条件(特に延伸速度)を制御することで樹脂層の表面の大きな窪み形成を抑えることが容易となる。その結果、樹脂層表面の60°光沢度や窪み密度を好ましい範囲に調整することが可能となり、封止材との密着強度を高めることができる。
ここで、塗液に含まれる樹脂層成分の濃度(以降固形分濃度と称する)は10質量%以上、30質量%以下が好ましく、13質量%以上、25質量%以下がより好ましく、15質量%以上、20質量%以下が更に好ましい。塗液の固形分濃度が10質量%未満の場合、乾燥時に水分の揮発量が多いため、窪み深さが100nm以下の窪み密度が大きくなり過ぎる場合や、延伸時のフィルム破れが懸念される。一方、塗液の固形分濃度が30質量%を超えると、延伸追従性が悪化した結果、表面の60°光沢度が小さくなり過ぎる場合や、窪み深さが100nm以下の窪み密度が大きくなり過ぎる場合がある。
本発明の樹脂層の厚みは0.1μm以上、1.5μm以下が好ましく、0.2μm以上、1.0μm以下がより好ましく、0.4μm以上、0.8μm以下が更に好ましい。樹脂層の厚みが0.1μm未満では表面形状を制御しても、樹脂層の凝集力が不足して密着性が低下する場合がある。一方、樹脂層の厚みが1.5μmより厚いと密着性は向上するが、インラインコーティング法では延伸時の破れや、延伸追従性が悪化した結果、表面の60°光沢度が小さくなり過ぎる場合や、窪み深さが100nm以下の窪みの窪み密度が大きくなり過ぎる場合がある。
本発明の樹脂層は連続塗工性に優れるバーコーティング法にて設けられることが好ましく、樹脂層の厚みはメタリングバーの番手によって、適宜調整することができる。
(太陽電池バックシート用フィルムの製造方法)
次に、本発明の太陽電池バックシート用フィルムの製造方法について具体例を挙げて説明する。本発明は、かかる例によって得られる物のみに限定して解釈されるものではない。
まず、本発明の太陽電池バックシート用フィルムにおけるポリエステルフィルムの主成分であるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体と、ジオールを周知の方法でエステル交換反応、もしくはエステル化反応させることによって得ることができる。公知の反応触媒としてはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、リン化合物などを挙げることが出来る。好ましくは、通常の製造方法が完結する以前の任意の段階において、重合触媒としてアルカリ金属化合物、マンガン化合物、アンチモン化合物またはゲルマニウム化合物、チタン化合物を添加することが好ましく、ポリエステルフィルムの耐湿熱性を高める観点からナトリウム化合物、マンガン化合物を添加することがより好ましい。このような方法としては例えば、マンガン化合物を例に取るとマンガン化合物粉体をそのまま添加することが好ましい。
ここで、ポリエステルフィルムのIVや末端カルボキシル基量は、主成分であるポリエステル樹脂のIVと末端カルボキシル基量によって調整する。ポリエステル樹脂のIVと末端カルボキシル基量は重合時の温度や、重合後、190℃〜ポリエステル樹脂の融点未満の温度で、減圧または窒素ガスのような不活性気体の流通下で加熱する固相重合の時間によってコントロールすることができる。具体的には重合時の温度が高くなると固有粘度IVが低下して、末端カルボキシル基量が増加し、固相重合の時間を長くすると固有粘度IVが上昇して、末端カルボキシル基量が低くなる。
次に、ポリエステルフィルムの製造方法は、原料を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押出して、シート状に加工する方法にて未延伸シートを得る。ここでポリエステルフィルムが積層構造の場合、積層する各層の材料が原料を二台の押出機に投入し、溶融させてから合流させて口金から押出する方法を用いることができる。
続いて、得られた未延伸シートを70〜120℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向(進行方向)に3〜4倍延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却して、1軸延伸シートを得る。次いで、得られた1軸延伸シートの片面、または両面に上述した塗液を塗布して、両端をクリップで把持しながらテンターに導き、80〜120℃の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(以降幅方向と称する)に3〜5倍に延伸して2軸延伸シートを得る。
この時、樹脂層の表面形状を制御し、封止材との密着性と高温環境、高湿度環境下での密着保持性を向上させるためには、下記式から求められる幅方向の延伸速度を5%/s以上、27%/s以下で行うことが好ましく、8%/s以上、22%/s以下がより好ましく、10%/s以上、18%/s以下が更に好ましい。
幅方向の延伸速度(%/s)=(幅方向の延伸倍率−1)×100/通過時間(秒)
幅方向の延伸速度が5%/s未満であると、樹脂層の軟化が先に進行し過ぎて、延伸追従性が低下した結果、表面の60°光沢度が小さくなり過ぎる場合や、窪み深さが100nm以下の窪みの窪み密度が大きくなり過ぎる場合がある。一方、幅方向の延伸速度が27%/sを超えると、樹脂層の延伸追従が追いつかなくなり、塗膜にひび割れが起こった結果、同様に表面の60°光沢度が小さくなり過ぎる場合や、深さ100nm以下の窪み密度が大きくなる場合がある。
更に、引き続きテンター内で、得られた2軸延伸シートに3〜20秒間の熱処理を行なう。この時の熱処理温度によって、前述したポリエステルフィルムの微少吸熱ピーク温度Tmetaを好ましい範囲に調整することができる。
続いて、必要に応じて、コロナ放電処理などを行い、巻き取ることにより、本発明のポリエステルフィルムを得ることができる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムを太陽電池バックシートに用いる場合は、上記で得られた太陽電池バックシート用フィルムを単独で用いても良く、ポリエステルフィルムの樹脂層を有する面とは反対側の面に、ガスバリア性、耐光性、意匠性などの他の機能層を設けた積層体を用いることも可能である。また、これらの機能層は公知の手法を用いて設けることができる。
本発明の太陽電池バックシート用フィルムを用いた太陽電池は、上記の太陽電池バックシート用フィルムを用いることで、従来の太陽電池と比べて、封止材との密着性と、高温環境、高湿度環境において優れた密着保持性を有することから、昼夜の寒暖差や、気候変動が激しい新興国や途上国の地域で、屋外に長期間保管されても耐久性を維持することができる。
その構成の例を図1に示す。電気を取り出すリード線(図1には示していない)を接続した発電素子をEVA樹脂などの透明な封止材2で封止したものに、ガラスなどの透明基板4と、本発明の太陽電池バックシート1として貼り合わせて構成される。ここで、本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの片面にのみ樹脂層を有する場合、本発明の太陽電池は、発電素子を封止した封止材2の背面に樹脂層を設置させる。
発電素子3は、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、結晶シリコン系、多結晶シリコン系、微結晶シリコン系、アモルファスシリコン系、銅インジウムセレナイド系、化合物半導体系、色素増感系など、目的に応じて任意の素子を、所望する電圧あるいは電流に応じて複数個を直列または並列に接続して使用することができる。透光性を有する透明基板4は太陽電池の最表層に位置するため、高透過率のほかに、高耐候性、高耐汚染性、高機械強度特性を有する透明材料が使用される。本発明の太陽電池において、透光性を有する透明基板4は上記特性と満たせばいずれの材質を用いることができ、その例としてはガラス、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)、ポリフッ化ビニリデン樹脂などのフッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、およびこれらの混合物などが好ましく挙げられる。ガラスの場合、強化されているものを用いるのがより好ましい。また樹脂製の透光基材を用いる場合は、機械的強度の観点から、上記樹脂を一軸または二軸に延伸したものも好ましく用いられる。また、これら基材には発電素子の封止材料であるEVA樹脂などとの接着性を付与するために、表面に、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、易接着処理を施すことも好ましく行われる。
発電素子を封止するための封止材2は、発電素子の表面の凹凸を樹脂で被覆し固定し、外部環境から発電素子保護し、電気絶縁の目的の他、透光性を有する基材やバックシートと発電素子に接着するため、高透明性、高耐候性、高接着性、高耐熱性を有する材料が使用される。その例としては、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマー樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、およびこれらの混合物などが好ましく用いられる。
以上のように、本発明の太陽電池バックシートを太陽電池システムに組み込むことにより、従来の太陽電池と比べて、高耐久の太陽電池システムとすることが可能となる。本発明の太陽電池は、太陽光発電システム、小型電子部品の電源など、屋外用途、屋内用途に限定されず各種用途に好適に用いることができる。
〔特性の測定方法および評価方法〕
(1)ポリマー特性
(1−1)末端カルボキシル基量
末端カルボキシル基量については、Mauliceの方法に準じて、以下の方法にて測定した。(文献:M.J. Maulice, F. Huizinga, Anal.Chim.Acta,22 363(1960))
測定試料2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mLに温度80℃にて溶解し、0.05NのKOH/メタノール溶液によって滴定し、末端カルボキシル基濃度を測定し、当量/ポリエステル1tの値で示した。なお、滴定時の指示薬はフェノールレッドを用いて、黄緑色から淡紅色に変化したところを滴定の終点とした。なお、測定試料を溶解させた溶液に無機粒子などの不溶物がある場合は、溶液を濾過して不溶物の重量測定を行い、不溶物の重量を測定試料重量から差し引いた値を測定試料重量とする補正を実施した。
(1−2)固有粘度(IV)
オルトクロロフェノール100mlに、測定試料を溶解させ(溶液濃度C(測定試料重量/溶液体積)=1.2g/ml)、その溶液の25℃での粘度を、オストワルド粘度計を用いて測定した。また、同様に溶媒の粘度を測定した。得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、下記式(α)により、[η]を算出し、得られた値をもって固有粘度(IV)とした。
ηsp/C=[η]+K[η]・C ・・・(α)
(ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)―1、Kはハギンス定数(0.343とする)である。)
尚、測定試料を溶解させた溶液に無機粒子などの不溶物がある場合は、以下の方法を用いて測定を行った。
(i)オルトクロロフェノール100mLに測定試料を溶解させ、溶液濃度が1.2g/mLよりも濃い溶液を作成する。ここで、オルトクロロフェノールに供した測定試料の重量を測定試料重量とする。
(ii)次に、不溶物を含む溶液を濾過し、不溶物の重量測定と、濾過後の濾液の体積測定を行う。
(iii)濾過後の濾液にオルトクロロフェノールを追加して、(測定試料重量(g)−不溶物の重量(g))/(濾過後の濾液の体積(mL)+追加したオルトクロロフェノールの体積(mL))が、1.2g/100mLとなるように調整する。
(例えば、測定試料重量2.0g/溶液体積100mLの濃厚溶液を作成したときに、該溶液を濾過したときの不溶物の重量が0.2g、濾過後の濾液の体積が99mLであった場合は、オルトクロロフェノールを51mL追加する調整を実施する。((2.0g−0.2g)/(99mL+51mL)=1.2g/100mL))
(iv)(iii)で得られた溶液を用いて、25℃での粘度を、オストワルド粘度計を用いて測定し、得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、上記式(C)により、[η]を算出し、得られた値をもって固有粘度(IV)とする。
(2)樹脂層の厚み
ミクロトームを用いて、ポリエステルフィルムの表面に対して垂直方向に切削した小片を作成し、その断面を電界放射走査型電子顕微鏡”JSM−6700F”(日本電子(株)製)を用いて10000倍に拡大して樹脂層を観察した画像から、樹脂層の厚みを計測した。尚、異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所で観察を行い、その平均値を用いた。
(3)微少吸熱ピーク温度Tmeta
JIS K7122(1987)に準じて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施する。サンプルパンに試料を5mg秤量し、試料を25℃から350℃まで10℃/分の昇温速度で加熱し(1stRUN)、この測定により得られた示差走査熱量測定チャートにおけるポリエステル系樹脂の結晶融解ピークの前に発生する微小吸熱ピーク温度をTmeta(℃)とした。
(4)樹脂層の弾性率(M40、M−M40
樹脂層の表面について、温度変調ステージにポリエステルフィルム固定しAFM(Burker Corporation製 DimensionIcon)を用い、専用の温度変調ステージにポリエステルフィルム固定して、PeakForceQNMモードにて測定を実施し、得られたフォースカーブから付属の解析ソフト「NanoScopeAnalysis V1.40」を用いて、JKR接触理論に基づいた解析を行い、弾性率分布を求めた。
具体的にはPeakForceQNMモードのマニュアルに従い、カンチレバーの反り感度、バネ定数、先端曲率の校正を行った後、下記の条件にて測定を実施し、得られたDMT Modulusチャンネルのデータを表面の弾性率として採用した。なお、バネ定数および先端曲率は個々のカンチレバーによってバラつきを有するが、測定に影響しない範囲として、バネ定数0.3(N/m)以上0.5(N/m)以下、先端曲率半径15(nm)以下の条件を満たすカンチレバーを採用し、測定に使用した。
(測定条件)
・測定装置 : Burker Corporation製原子間力顕微鏡(AFM)
・測定モード : PeakForceQNM(フォースカーブ法)
・使用カンチレバー:BRUKER製 ModelTAP525A、Part:MPP−13120−10
・測定環境 : 温度25±2℃、湿度50±10%RH
・測定範囲 : 3(μm)四方
・分解能 : 512×512
・カンチレバー移動速度: 10(μm/s)
・最大押し込み荷重 : 10(nN)
次いで、得られたDMT Modulusチャンネルのデータを解析ソフト「NanoScopeAnalysis V1.40」にて解析し、Roughnessにて処理することにより得られた、ResultsタブのImage Raw Meanの値を、樹脂層表面の弾性率とした。
尚、温度変調ステージの設定を40℃に設定し、40±1℃に保持された状態で、ポリエステルフィルムを30分間固定した後、上記方法で測定した結果を気温40℃における弾性率(M40)、温度変調ステージの設定を0℃に設定し、0±1℃に保持された状態で、ポリエステルフィルムを30分間固定した後、上記方法で測定した結果を気温0℃における弾性率(M)とし、測定は任意の箇所からフィルムの長手方向、および幅方向の直線上に5cm離れた箇所を選択して行い、計3回の測定を平均値とした。なお、方向性が不明な場合や概念が無い場合は任意の直線上と、その垂直方向の直線上の測定を実施した。
(5)樹脂層の光沢度
JIS−K7105(1981)に規定された方法に従って、スガ試験機製デジタル変角光沢時計UGV−5Dを用いて、樹脂層の60°鏡面光沢度を測定した。測定は任意の箇所からフィルムの長手方向、および幅方向の直線上に5cm離れた箇所を選択して行い、計3回の平均値を光沢度とした。なお、方向性が不明な場合や概念が無い場合は任意の直線上と、その垂直方向の直線上の測定を実施した。
(6)窪み密度
(6−1)樹脂層表面の凹凸分布測定
JIS−B0601(1994年)に基づき、3次元微細形状測定器(型式ET−4000A、(株)小坂研究所製)を用いて、下記測定条件を用いて樹脂層の表面形態を測定した。次いで、得られた測定データを3次元表面粗さ解析システム(型式TDA−31)に取り込ませ、下記解析条件でデータ処理を実施した後、「スライスレベル等間隔」の項目を0.01μmに設定して山粒子分布を算出し、0.01μmごとの凹凸個数密度(個/mm)を求める。出力されたレベル値(・・・レベル−30nm(30≦窪み深さ(nm)<20)、レベル−20nm(−20≦窪み深さ(nm)<−10)、レベル−10nm(−10≦窪み深さ(nm)<0)、レベル0nm(0≦突起深さ(nm)<10)、レベル10nm(10≦突起深さ(nm)<20)、レベル20nm(20≦突起深さ(nm)<30)・・・)におけるそれぞれにおける窪み個数密度(個/mm)を求める。そして、横軸に凹凸レベル(nm)、縦軸に凹凸個数密度(個/mm)でプロットして得られた凹凸分布のピークの頂点位置を、レベル0nmに位置するようにシフトさせ、表面の凹凸分布図を得た。
(測定条件)
・測定装置:3次元微細形状測定器(型式ET−4000A)(株)小坂研究所製
・測定環境 : 温度25±2℃、湿度50±10%RH
・触針:先端半径0.5μmR、径2μm、ダイヤモンド製
・針圧:10μN
・測定方向:フィルム幅方向
・X軸(フィルム幅方向)測定長さ:1.0mm
・Y軸(フィルム長手方向)測定長さ:0.40mm
・X軸送り速さ:0.1mm/s(測定速度)
・Y軸送りピッチ:5μm(測定間隔)
・Y軸ライン数:81本(測定本数)
・Z軸測定倍率:20,000倍(縦倍率)
(解析条件)
・解析機器:3次元表面粗さ解析システム(型式TDA−31)
・フィルタ方式:ガウシアン空間型
・レベリング:あり、全領域(傾斜補正)
・低域カットオフ:0.200mm(うねりカットオフ値)
・低域予備長さ:λc×0.5
・低域カットオフ推奨領域:波長長さの1/5
・高域カットオフ:R+Wmm(粗さカットオフ値)
・高域予備長さ:なし
(6−2)窪み深さ100nm以下の窪みの窪み密度
(6−1)で得られた分布図から、レベル−100nmから−10nmの範囲内(すなわち、0<窪み深さ(nm)≦100)の窪み個数密度(個/mm)の総和を窪み深さ100nm以下の窪み密度とした。尚、測定は任意の箇所からフィルムの長手方向、および幅方向の直線上に5cm離れた箇所を選択して行い、計3回の平均値とした。
(6−3)窪み深さ100nm以上の窪みの窪み密度
(6−2)の範囲より深さが深い全て窪みの総和を窪み深さ100nmを超える窪み密度とした。尚、測定は任意の箇所からフィルムの長手方向、および幅方向の直線上に5cm離れた箇所を選択して行い、計3回の平均値とした。
(7)封止材との密着性評価
(7−1)疑似モジュールサンプルの作製
JIS K 6854−2(1994年版)に基づいて、EVA樹脂との接着力を測定した。具体的には、ポリエステルフィルムの樹脂層側にEVA樹脂シート(サンビック(株)製、ファストキュアタイプ(500μm厚シート))を重ね、さらにその上に厚さ3mmの半強化ガラスを重ねて、市販のガラスラミネーターを用いて熱板温度148℃、真空引き5.5分、移行時間1分、及び圧着時間11.5分の条件で真空ラミネートを行い、評価サンプル(疑似太陽電池モジュールサンプル)を作製した。
(7−2)初期密着強度の測定
(7−1)で得られた、疑似モジュールサンプルを温度25±2℃、湿度50±10%RH環境下で24hr調湿した後、試験幅5mm、長さ150mm、引っ張り速度200mm/分で180°剥離試験を行い、n=5の平均値を初期密着強度の値として、次の様に判定した。
初期密着強度が50N/10mm以上の場合:A
初期密着強度が40N/10mm以上、50N/10mm未満の場合:B
初期密着強度が35N/10mm以上、40N/10mm未満の場合:C
初期密着強度が30N/10mm以上、35N/10mm未満の場合:D
初期密着強度が30N/10mm未満の場合:E
A〜Dが良好であり、その中でもAが最も優れている。
(7−3)高温密着保持性の測定
(7−1)で得られた、疑似モジュールサンプルを40℃で保持したエスペック社製熱風オーブンで6hr放置した後、オーブンから取り出し、(2−2)と同様の手順で調湿を行わずに、5分以内に密着強度を測定した。
初期密着強度をF0、オーブンから取り出し後に測定した密着強度をF1とした時、下記式より、密着保持率を求め、高温密着保持性を次のように判定した。
40℃放置後の密着保持率(%)=F1/F0×100
40℃放置後の密着保持率が90%以上の場合:A
40℃放置後の密着保持率が80%以上、90%未満の場合:B
40℃放置後の密着保持率が70%以上、80%未満の場合:C
40℃放置後の密着保持率が50%以上、70%未満の場合:D
40℃放置後の密着保持率が50%未満の場合:E
A〜Dが良好であり、その中でもAが最も優れている。
(7−4)高湿密着保持性の測定
(7−1)で得られた、疑似モジュールサンプルを120℃100%RHに設定した、エスペック社製プレッシャークッカーで48hr処理した後、(2−2)と同様に調湿を行い、密着強度を測定した。
初期密着強度をF0、プレッシャークッカーで処理後に測定した密着強度をF2とした時、下記式より、密着保持率を求め、高湿密着保持性を次のように判定した。
プレッシャークッカーで処理後の密着保持率(%)=F2/F0×100
プレッシャークッカーで処理後の密着保持率が90%以上の場合:A
プレッシャークッカーで処理後の密着保持率が80%以上、90%未満の場合:B
プレッシャークッカーで処理後の密着保持率が70%以上、80%未満の場合:C
プレッシャークッカーで処理後の密着保持率が50%以上、70%未満の場合:D
プレッシャークッカーで処理後の密着保持率が50%未満の場合:E
A〜Dが良好であり、その中でもAが最も優れている。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
(ポリエステルフィルムの構成成分)
1.ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール57.5質量部、酢酸マンガン4水和物0.03質量部、三酸化アンチモン0 .03質量部を150℃、窒素雰囲気下で溶融した。この溶融物を撹拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応終了後、リン酸0.005質量部とリン酸二水素ナトリウム2水和物0.021質量部をエチレングリコール0.5質量部に溶解したエチレングリコール溶液(pH5.0)を添加した。このときのポリエステル組成物の固有粘度は0.2未満であった。この後、重合反応を最終到達温度285℃、真空度0.1Torrで行い、固有粘度0.52、末端カルボキシル基量が15当量/トンのポリエチレンテレフタレートを得た。得られたポリエチレンテレフタレートを160℃で6時間乾燥、結晶化させた。その後、220℃、真空度0.3Torr、8時間の固相重合を行い、固有粘度(IV)0.82、末端カルボキシル基量が11当量/トンのポリエチレンテレフタレート(PET−a)を得た。得られたポリエチレンテレフタレート組成物のガラス転移温度は82℃、融点は255℃であった。
2.PET原料ベース二酸化チタンマスターバッチ(PET/TiOMB)
上記1.項によって得られたPET樹脂100質量部と、平均粒子径210nmのルチル型二酸化チタン粒子100質量部を、ベントした290℃の押出機内で溶融混練し、二酸化チタン原料(PET/TiOMB)を作製した。
(塗液の調製)
水を希釈溶剤として、下記項に記載された成分を表1に記載の固形分比、濃度になるように配合、希釈した後、界面活性剤として互応化学工業株式会社製“プラスコート”(登録商標)RY−2を、個々の塗液に対して0.25質量%の割合となるように添加した。
1.塗液の主成分
1−1.アクリル系樹脂エマルジョン
撹拌機、還流冷却器、温度計および滴下層を取りつけた反応容器に、水90部を投入し、反応容器中の温度を85℃に上げてから、重合開始剤として、過硫酸カリウム0.2部を添加した。
次に、水50部に、アクリルモノマー成分100部として、メチルメタクリレート(MMA)、n−ブチルメタクリレート(BMA)、4−ヒドロキシブチルメタクリレート(HBMA)を表1に記載の重量比で混合した後、乳化剤として三洋化成工業株式会社製“エレミノール”(登録商標)CLS−20の20%水溶液1.5部、花王株式会社製“エマルゲン”(登録商標)E1118S−70の25%水溶液2部を混合した混合液を、反応容器中へ滴下層より2時間かけて滴下し、滴下終了後30分保持した。
続いて、反応容器内の温度を62℃まで冷却し、tert-ブチルヒドロペルオキシドの5%水溶液1部、イソアスコルビン酸ナトリウムの1%水溶液2部を続けて添加し、30分保持した後、室温まで冷却してから25%アンモニア水を添加してpH8に調整し、ナイロンメッシュでろ過することで固形分濃度40%のアクリルエマルジョン液を得た。
1−2.ポリエステル樹脂エマルジョン(ポリエステル)
高松油脂株式会社製ポリエステル樹脂“ぺスレジン”(登録商標)TR620Kを用いた。
2.架橋剤
2−1.イソシアネート架橋剤1(イソシアネート−1)
Bayer MaterialScience社製イソシアネート架橋剤“IMPRAFIX”(登録商標)2794を用いた。
2−2.イソシアネート架橋剤2(イソシアネート−2)
旭化成株式会社製イソシアネート架橋剤“デュラネート”(登録商標)WB40−100を用いた。
2−3.メラミン架橋剤1(メラミン−1)
DIC株式会社製メラミン架橋剤“ベッカミン”(登録商標)PM−80を用いた。
2−4.メラミン架橋剤2(メラミン−2)
日本カーバイド工業株式会社製メラミン架橋剤“ニカラック”(登録商標)MW12LFを用いた。
2−5.オキサゾリン架橋剤(オキサゾリン)
株式会社日本触媒製オキサゾリン架橋剤 “エポクロス”(登録商標)WS−500を用いた。
2−6.カルボジイミド架橋剤1(カルボジイミド−1)
日清紡ケミカル株式会社製カルボジイミド架橋剤“カルボジライト”(登録商標)V−04を用いた。
2−7.カルボジイミド架橋剤2(カルボジイミド−2)
日清紡ケミカル株式会社製カルボジイミド架橋剤“カルボジライト”(登録商標)E−03Aを用いた。
2−8.エポキシ架橋剤1(エポキシ−1)
ナガセケムテックス株式会社製エポキシ架橋剤“デナコール”(登録商標)EX−411を用いた。
2−9.エポキシ架橋剤2(エポキシ−2)
ナガセケムテックス株式会社製エポキシ架橋剤“デナコール”(登録商標)EX−252を用いた。
(実施例1)
180℃で2時間真空乾燥したPET原料70重量部と、PETベース酸化チタンマスターバッチ30重量部を混合し、280℃に加熱した単軸押出機内で溶融させ、Tダイ口金から押出した。次いで、Tダイ口金よりシート状に溶融押出して表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、得られた未延伸シートを80℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、86℃の温度の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に3.2倍に延伸し、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸シートを得た。
続いて、得られた1軸延伸シートの表面にコロナ処理を施した後、表1に記載の塗液aの組成とメタリングバーの番手を用いて塗布し、一軸延伸シートの両端をクリップで把持しながらテンター内の80℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き90℃に保たれた加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に延伸速度18%/sで3.6倍に延伸し、225℃の温度環境下で10秒間熱処理を行うことで、片面に厚み0.5μmの樹脂層を有する、厚みが150μm、IVが0.72、末端カルボキシル基量が21当量/トン、微少吸熱ピーク温度Tmetaが213℃の積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの樹脂層の評価結果は、表2に示す通り、太陽電池バックシート用フィルムとして封止材との初期密着性と高温密着保持性、高湿密着保持性のいずれにも非常に優れることが分かった。
(実施例2〜12)
表2に記載の通り、塗液の組成と幅方向の延伸速度を変更する以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの樹脂層の評価結果は、表2に示す通り、実施例2〜11は太陽電池バックシート用フィルムとして、封止材との初期密着性と高温密着保持性、高湿密着保持性が少なくとも良好であることが分かった。
また、実施例12は実施例1〜11に比べて、いずれの特性にも劣るが、太陽電池バックシート用フィルムとして問題無い範囲であった。
(実施例13〜25)
表2に記載の通り、塗液の組成と塗液の固形分濃度を変更した以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの樹脂層の評価結果は、表2に示す通り、太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムとして、封止材との初期密着性と高温密着保持性、高湿密着保持性が少なくとも良好であることが分かった。
(比較例1〜3)
表3に記載の通り、塗液の組成を変更した以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの樹脂層の評価結果は、表3に示す通り、太陽電池バックシート用フィルムとして、封止材との初期密着性と高温密着保持性、高湿密着保持性のいずれかが劣っていた。
(比較例4)
1軸延伸フィルムに樹脂層を設けない以外は実施例1と同様の手順でポリエステルフィルムを製膜した後、表面にコロナ処理を施してから、塗液aを番手#3のメタリングバーを用いて塗布し、120℃で保持したエスペック社製熱風オーブンの中で3分間乾燥させて、片面に厚み0.5μmの樹脂層を形成した。
得られた積層フィルムの樹脂層の評価結果は、表3に示す通り、太陽電池バックシート用フィルムとして、封止材との初期密着性が劣っていた。
(比較例5、6)
表3に記載の通り、幅方向の延伸速度を変更する以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの樹脂層の評価結果は、表3に示す通り、太陽電池バックシート用フィルムとして、封止材との初期密着性が劣っていた。
Figure 2019171729
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本発明のポリエステルフィルムは太陽電池の封止材との密着性と、高温環境、高湿度環境においても優れた密着保持性を両立できることから、太陽電池バックシート用フィルムとして好適に使用できる。さらに該シートを用いることによって高性能な太陽電池を提供することができる。
1:バックシート
2:封止材
3:発電素子
4:透明基板
5:太陽電池バックシートの封止材2側の面
6:太陽電池バックシートの封止材2と反対側の面

Claims (6)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に樹脂層を有する積層フィルムであって、前記樹脂層が少なくとも片側の表層にあり、前記樹脂層が40℃における弾性率(M40)が1000MPa以上、2000MPa以下であり、0℃における弾性率と40℃における弾性率の差(M−M40)が300MPa以上、1000MPa以下であり、前記樹脂層表面の60°光沢度が60以上である太陽電池バックシート用フィルム。
  2. 前記樹脂層表面の窪み深さが100nm以下である窪みの密度が500個/mm以上、7000個/mm以下である、請求項1に記載の太陽電池バックシート用フィルム。
  3. 前記樹脂層表面の窪み深さが100nmを超える窪みの密度が300個/mm以下である、請求項1または2に記載の太陽電池バックシート用フィルム。
  4. 前記樹脂層が、アクリル樹脂を主成分とする、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池バックシート用フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池バックシート用フィルムを用いた太陽電池バックシート。
  6. 請求項5に記載の太陽電池バックシートを用いた太陽電池。
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