JP2019171581A - サーマルプリンタモジュールおよびサーマルプリンタ - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載のサーマルプリンタによれば、着脱式のプラテンローラを本体フレームに対して精度良く位置決め可能とされている。
この種のサーマルプリンタモジュールは、開閉可能なカバーを有する筐体内に設置されるのが一般的であるが、サーマルプリンタの重量やコストの面を考慮すると、筐体をあまり高強度にはできない。したがって、サーマルプリンタが落下した場合、その落下衝撃により筐体に歪みや捩れが生じてしまい、これらの力が本体フレームやロックアームに対して作用し、その結果、上述したような不具合が生じてしまう。また、プラテンローラが脱落するとカバーが開いてしまい、装置の破損や記録紙の脱落などが起こり、プリンタの使用者に不利益をもたらしてしまう。
(1)本発明の一態様に係るサーマルプリンタは、ロール紙収容部を有する筐体と、前記筐体に回動可能に取り付けられ、前記ロール紙収容部を開閉するカバーと、前記カバーに回転自在に設けられたプラテンローラと、前記筐体内に設けられ、前記カバーを閉じた際に前記プラテンローラの軸が挿入される溝を有する支持フレームと、前記支持フレームに回動可能に設けられ、前記溝内に挿入された前記プラテンローラの軸をプラテンローラ係止辺において押さえ付けて保持するロックアームと、前記プラテンローラ係止辺による前記軸の保持を維持する回動方向の付勢力を前記ロックアームに与える付勢部材と、前記溝内に前記軸が保持された前記プラテンローラと対向する位置に設けられた印字ヘッドと、を備え、前記軸の軸線に沿った方向より見て、前記溝内に保持された前記軸の前記軸線が前記カバーの開動作に伴って移動する軌跡の接線と、前記プラテンローラ係止辺とがなす、前記ロックアームの閉方向における交差角度θABが90°≦θAB≦110°であり、前記溝内に保持された前記軸と前記プラテンローラ係止辺との接点が前記ロックアームのロック解除方向に向かう軌跡の接線と、前記プラテンローラ係止辺とがなす、前記ロックアームの閉方向における交差角度θBCが0°≦θBC≦10°である。
すなわち、カバーを開く方向の外力がプラテンローラに加わった場合、一つ目の条件である交差角度θABが、90°よりも小さいと、プラテンローラを溝内から外す方向の力の中に、プラテンローラがプラテンローラ係止辺においてロックアームを解除方向に押しのける力成分が含まれるようになる。また、交差角度θABが、110°よりも大きいと、プラテンローラ係止辺の先端がプラテンローラを乗り越えられず、ロックアームが回転できなくなるので、ロック解除できない。よって、交差角度θABは90°≦θAB≦110°を満たす必要がある。
また、交差角度θBCに関しては、10°よりも大きくなると、カバーを開く方向の外力がプラテンローラに加わった場合、このプラテンローラ及びプラテンローラ係止辺との接点において、プラテンローラがプラテンローラ係止辺に対して垂直に加える力の中に、ロックアームを解除方向に回す力成分が含まれるようになる。また、交差角度θBCが、0°よりも小さいと、プラテンローラ係止辺の先端がプラテンローラを乗り越えられず、ロックアームが回転できなくなるので、ロック解除できない。よって、交差角度θBCは0°≦θBC≦10°を満たす必要がある。
上記(2)に記載のサーマルプリンタモジュールによれば、カバーを開く方向の外力がプラテンローラに加わった場合、このプラテンローラ及びプラテンローラ係止辺との接点において、プラテンローラがプラテンローラ係止辺に対して垂直に加える力の中に、ロックアームを解除方向に回す力成分が含まれなくなる。
上記(3)に記載のサーマルプリンタモジュールによれば、カバーを開く方向の外力がプラテンローラに加わった場合、このプラテンローラを溝内から外す方向の力の中に、プラテンローラがプラテンローラ係止辺においてロックアームを解除方向に押しのける力成分が含まれなくなる。
上記(4)に記載のサーマルプリンタによれば、プラテンローラを安定して保持するとともに、落下衝撃等の外力に強い。
(サーマルプリンタ)
図1は、ペーパーカバーが閉じているときのサーマルプリンタを示す斜視図である。図2は、ペーパーカバーが開いているときのサーマルプリンタを示す斜視図である。なお、各図中において、矢印UPを上方と定義し、矢印FRを前方と定義し、矢印LHを左方と定義する。
図3は、サーマルプリンタモジュール30の斜視図である。また、図4は、同サーマルプリンタモジュール30を図3とは別の方向より見た場合の斜視図であり、説明のために一部の部品を取り外している。また、図5は、同サーマルプリンタモジュール30に備わるロックアーム61の動作を示す説明図であって、図3のX−X線より見た場合の部分拡大図である。
図3に示すように、サーマルプリンタモジュール30は、本体フレーム31と、サーマルヘッド41(印字ヘッド)と、プラテンローラ51と、ロックアーム61と、を備えている。
本体フレーム31は、底部において左右方向に延在する紙収容部32(ロール紙収容部)と、紙収容部32の左右方向両側から上方に向けて立設された一対の側壁部33と、紙収容部32の前方から上方に向けて立設された前壁部34とを有する。なお、ここでは、紙収容部32がサーマルプリンタモジュール30(本体フレーム31)に含まれるものとして記載されているが、紙収容部32がサーマルプリンタモジュール30と別体であってもよい。
紙収容部32は、ロール紙PRを保持する。紙収容部32は、断面円弧状の部品であり、後端がペーパーカバー20(図2参照)の後端側まで延出するとともに、前端がプラテンローラ51の下方まで延出している。紙収容部32の後端縁には、ペーパーカバー20を回動可能に支持する前記ヒンジ部32aが設けられている。また、紙収容部32の前端の上部には、紙収容部32の曲面に沿うように、複数のガイド部材37が形成されている。
記録紙P1は、各ガイド部材37により、サーマルヘッド41に向かってスムーズに導入される。
図5に示すように、ローラ挿入溝35には、プラテンローラ51が上下方向に沿って着脱可能な状態で挿入される。ローラ挿入溝35は、前後方向に沿う溝底面35aと、溝底面35aの前端から上方に延びる溝前面35bと、溝底面35aの後端から上方に延びる溝後面35cと、溝後面35cの上端から上方に向かって斜め後方側に延びる溝傾斜面35dと、溝前面35bの上端から上方に向かって斜め前方側に延びる溝傾斜面35eと、により画成されている。
各ローラ挿入溝35は、左右方向から見て同一位置に形成され、プラテンローラ51の軸線が左右方向に沿った状態で、各軸受け54が上下方向に沿って着脱可能に挿入される。そして、各ローラ挿入溝35は、溝傾斜面35d,35eにより開口幅が上方に向かうにしたがって広がっているため、プラテンローラ51の軸受け54をローラ挿入溝35内にスムーズに挿入可能としている。
図5に示すサーマルヘッド41は、記録紙P1に対して印刷を行うものであり、前後方向から見て矩形状に形成されている。サーマルヘッド41は、ケーシング3の上壁10(図2参照)の内側に、開口部3a内に露出するように配置されるとともに、その長手方向と記録紙P1の幅方向とが一致した状態で配置されている。サーマルヘッド41のヘッド面には、左右方向に平行かつライン状に並んだ多数の発熱素子(不図示)が配列されている。前記ヘッド面は、記録紙P1の印字面と対向しており、プラテンローラ51の外周面との間で記録紙P1を挟持できる。サーマルヘッド41の前記各発熱素子は、図示しない制御部からの信号に基づいて、それぞれが発熱するように制御される。サーマルヘッド41は、前記各発熱素子の発熱が制御されて、各種の文字や図形等を記録紙P1の印字面に印刷する。
ヘッド支持体45は、左右方向を長手方向とした板状の部材であり、一対の側壁部33間に配置されるとともに、後面にサーマルヘッド41が貼り付けられている。ヘッド支持体45は、本体フレーム31の前壁部34の後方に配置され、下端部がシャフト38に回動可能に支持されている。シャフト38は、その中心軸線が左右方向に沿うように配置され、その両端部が一対の側壁部33にそれぞれ固定されている。また、図4に示すように、ヘッド支持体45と前壁部34との間には、左右方向に沿って複数個(本実施形態では5個)の弾性部材46(付勢部材)が介装されている。弾性部材46は、ヘッド支持体45と前壁部34とを互いに離間させる方向に付勢するコイルスプリングである。弾性部材46は、ヘッド支持体45を後方に向けて常に押圧する。
プラテンローラ51は、サーマルヘッド41に対向配置され、サーマルヘッド41との間に記録紙P1を挟んだ状態で左右方向に沿った軸線回りに回転することで、記録紙P1を送り出す。図4に示すように、プラテンローラ51は、ローラシャフト52と、ローラシャフト52に外装されたローラ本体53と、ローラシャフト52の両端に装着された一対の軸受け54と、を有する。ローラシャフト52は、本体フレーム31の一対の側壁部33間の離間距離よりもやや長く形成されている。ローラ本体53は、例えばゴム等の素材からなり、ローラシャフト52の軸方向に沿って、ローラシャフト52の両端を除く全体に亘って一様に形成されている。
図6は、ロックアーム61の斜視図である。図7は、ロックアーム61の動作を示す説明図であって、図5に示すロック状態からロック解除された状態を示す部分拡大図である。
図5および図6に示すように、ロックアーム61は、左右方向に沿う回動軸(中心軸線Q)回りに回動可能に支持され、ローラ挿入溝35に挿入されたプラテンローラ51を保持する。ロックアーム61は、本体フレーム31の一対の側壁部33に沿ってそれぞれ延びる一対の側板部62と、一対の側板部62間を接続する背板部66と、を有する。なお一対の側板部62は、同一形状であるため、以下の説明では一方の側板部62についてのみ説明する。また、ロックアーム61の構成の説明では、特に記載のない限り、ローラ挿入溝35に挿入されたプラテンローラ51をロックアーム61で保持している状態(図5に示す状態。以下、「保持状態」という)について説明する。
傾斜面63dと傾斜面63eとの間に形成される先端部63fは、左右方向から見て、小さな円弧状をなしている。円弧面63cは、左右方向から見て、プラテンローラ51の軸受け54の外周面に沿う円弧状に形成され、軸受け54の半径よりも僅かに大きい曲率半径を有する。また、傾斜面63dは、側板部62を正面視した場合に、プラテンローラ51の軸受け54をその上方より押さえ付けるプラテンローラ係止辺として機能する。
レバー90は、左側の側壁部33に回動自在に取り付けられ、一端部90aが側壁部33の外側に配置されているとともに、回動軸を挟んで一端部90aとは反対側に位置する他端部90bが側壁部33の内側に配置されている。他端部90bは、一端部90aと共に一体になって回動するアーム部90b1を有している。このアーム部90b1の基端側は一端部90aと同軸に回転し、また、先端側は前記背板部66の前面に対し摺接自在に当接している。そして、一端部90aの後方端部の上面に、前記オープンボタン18の下端が当接している。
上記構成によれば、ユーザーがオープンボタン18を押下すると、レバー90の一端部90a及び他端部90bが回動する。すると、図7に示すように、アーム部90b1の先端が背板部66においてロックアーム61を押して中心軸線Q回りの矢印RL方向に回動させる。その結果、傾斜面63dが軸受け54から外れるので、プラテンローラ51がローラ挿入溝35から外れ、前記ペーパーカバー20を開くことができる。
この図8に示すように、中心軸線Pに沿った左右方向より見て、ローラ挿入溝35内に保持された軸受け54の中心軸線Pがペーパーカバー20の開動作に伴って移動する回動軌跡TR1の接線Aと、傾斜面63dに沿った直線Bとがなす、ロックアーム61の閉方向における交差角度をθABとした場合、90°≦θAB≦110°を満たす。
上記の、ロックアーム61の閉方向における交差角度をθABとは、中心軸線Pが接線Aに沿ってロック解除方向に回動開始する際の中心軸線Pの位置におけるベクトルVAと、直線Bに沿って中心軸線Rから遠ざかるベクトルVBとの間に形成される角度を言う。
例えばケーシング3が受けた外力により軸受け54をローラ挿入溝35から外す方向の力Fが生じた場合、傾斜面63dに対しては、接点Paにおいて回動方向接線A1に平行な力Fが作用する。この力Fは、傾斜面63dに対して垂直方向に作用する力成分F・sinθABと、傾斜面63dに沿ってかつロックアーム61を解除方向に押しのける力成分F・cosθABとを生じさせる。なお、図9中の符号αに示す角度は、交差角度θABに等しい。
力成分F・cosθABに関しては、ロックアーム61を閉方向に付勢する前記弾性部材46を強めにして軸受け54及び傾斜面63d間の摩擦力を高めたとしても、ロック状態を確実に維持することは難しい。そのため、交差角度θABが90°よりも小さい場合は、外力がサーマルプリンタ1に加わるとロックアーム61による軸受け54のロックが解除されてペーパーカバー20が開いてしまう虞がある。
また、ユーザーがオープンボタン18を押下した際には、交差角度θABが90°に等しいため、傾斜面63dが軸受け54の周面に対して引っ掛かりを生じることなく摺動できる。そのため、ロックアーム61による軸受け54のロックをスムーズに解除できる。
このような相対位置関係の場合、外力がサーマルプリンタ1に加わった際、ロックアーム61による軸受け54のロックが維持され、ペーパーカバー20は開かない。しかし、交差角度θABが110°よりも大きい場合、傾斜面63dの先端位置における点Pbの方が接点Paよりも前記中心軸線Qに近くなりすぎる。そのため、ユーザーがオープンボタン18を押下しても、傾斜面63dの点Pbが軸受け54に引っ掛かりを生じて乗り越えられない。そのため、ロックアーム61による軸受け54のロックを解除できない。
以上説明の理由により、交差角度θABとしては、90°以上でかつ110°以下である必要がある。この交差角度θABの上限値としては、製造公差を考慮の上、100°とすることがより好ましい。この場合の交差角度θABは、90°以上100°以下の範囲内となる。さらに言うと、この範囲の中でも、交差角度θAB=90°が最も好ましい。
図10は、ローラ挿入溝35(図視略)内に軸受け54が挿入されてロックアーム61でロックされている状態を示す図であって、ロックアーム61の傾斜面63dに沿った直線Bと、同傾斜面63d及びプラテンローラ51間の接点Paにおける回動方向接線Cとの好ましい相対位置関係を示す。なお、同図において符号TR2に示す破線は、傾斜面63d上の接点Paが中心軸線Q回りに回動する際の軌跡を示している。
上記の、ロックアーム61の閉方向における交差角度θBCとは、接線Cに沿って前記中心軸線Rから遠ざかるベクトルVCと、直線Bに沿って前記中心軸線Rから遠ざかるベクトルVBとの間に形成される角度を言う。
なお、回動方向接線C1については、前記接点Paの位置を通ってかつ同回動方向接線C1に平行な直線を、破線で示している。よって、回動方向接線C1及び直線B間に形成される交差角度は、破線で示す回動方向接線C1と直線Bとの間に形成される交差角度θBCに等しく、θBC>10°の場合を示している。
一方、回動方向接線C2については、前記接点Paの位置を通ってかつ同回動方向接線C2に平行な直線を、破線で示している。よって、回動方向接線C2及び直線B間に形成される交差角度は、破線で示す回動方向接線C2と直線Bとの間に形成される交差角度θBCとなり、θBC<0°の負角となる。
この場合、図9において公差角度θAB>110°のケースで説明した理由と同様に、傾斜面63dの先端位置における点Pbの方が接点Paよりも前記中心軸線Q2に近くなりすぎる。そのため、ユーザーがオープンボタン18を押下しても、傾斜面63dの先端位置における点Pbが軸受け54に引っ掛かりを生じて乗り越えられない。そのため、ロックアーム61による軸受け54のロックを解除できない。
例えばケーシング3が受けた外力により軸受け54をローラ挿入溝35から外す方向の力Fを生じた場合、図9で示したように、傾斜面63dに対して垂直方向の力成分としてF・sinθABが加わる。この力成分F・sinθABは、傾斜面63d上の接点Paにおいてロックアーム61を中心軸線Q1回りの開方向に回動させる力成分F・sinθAB・sinθBCを生じさせる。力成分F・sinθAB・sinθBCに関しては、ロックアーム61を閉方向に付勢する前記弾性部材46を強めにして軸受け54及び傾斜面63d間の摩擦力を高めたとしても、ロックアーム61が回転しやすくなっているのでロック状態を確実に維持することが難しい。そのため、交差角度θBCが10°よりも大きい場合は、外力がサーマルプリンタ1に加わるとロックアーム61による軸受け54のロックが解除されてペーパーカバー20が開いてしまう虞がある。
また、ユーザーがオープンボタン18を押下した際には、接線Cと直線Bとが互いに平行であるため、傾斜面63dが軸受け54の周面に対して引っ掛かりを生じることなく摺動できる。そのため、ロックアーム61による軸受け54のロックをスムーズに解除できる。
以上説明の理由により、交差角度θBCとしては、0°以上でかつ10°以下である必要がある。この交差角度θBCの上限値としては、製造公差を考慮の上、5°とすることがより好ましい。この場合の交差角度θBCは、0°以上5°以下の範囲内となる。さらに言うと、この範囲の中でも、交差角度θBC=0°が最も好ましい。
本実施形態のサーマルプリンタモジュール30は、紙収容部32を有するケーシング3と、ケーシング3に回動可能に取り付けられ、紙収容部32を開閉するペーパーカバー20と、ペーパーカバー20に回転自在に設けられたプラテンローラ51と、ケーシング3内に設けられ、ペーパーカバー20を閉じた際にプラテンローラ51の軸受け54が挿入されるローラ挿入溝35を有する本体フレーム31と、本体フレーム31に回動可能に設けられ、ローラ挿入溝35内に挿入されたプラテンローラ51の軸受け54を傾斜面63dにおいて押さえ付けて保持するロックアーム61と、傾斜面63dによる軸受け54の保持を維持する回動方向の付勢力をロックアーム61に与える弾性部材46と、ローラ挿入溝35内に軸受け54が保持されたプラテンローラ51と対向する位置に設けられたサーマルヘッド41と、を備える。
そして、軸受け54の中心軸線Pに沿った方向より見て、ローラ挿入溝35内に保持された軸受け54の軸線Pがペーパーカバー20の開動作に伴って移動する軌跡TR1の接線Aと、傾斜面63dとがなす、ロックアーム61の閉方向における交差角度θABが90°≦θAB≦110°である。加えて、ローラ挿入溝35に保持された軸受け54と傾斜面63dとの接点Paがロックアーム61のロック解除方向に向かう軌跡TR2の接線Cと、傾斜面63dとがなす、ロックアーム61の閉方向における交差角度θBCが0°≦θBC≦10°である。
このサーマルプリンタモジュール30によれば、交差角度θAB及び交差角度θBCに関する2条件の双方を満たすことにより、ペーパーカバー20に対してこれを開く方向の外力が加わっても、プラテンローラ51をロックアーム61により安定して保持することが可能となる。
この場合、プラテンローラ51が傾斜面63dにおいてロックアーム61を解除方向に回す方向の力成分が生じなくなるので、ロックアーム61によるプラテンローラ51の保持がより確実になる。
この場合、ペーパーカバー20を開く方向の外力がプラテンローラ51に加わった場合、このプラテンローラ51をローラ挿入溝35内から外す方向の力に、プラテンローラ51が傾斜面63dにおいてロックアーム61を解除方向に押しのける力成分が含まれなくなる。よって、ロックアーム61によるプラテンローラ51の保持がさらに確実になる。
このサーマルプリンタ1によれば、プラテンローラ51を安定して保持するとともに、落下衝撃等の外力に強い。
例えば、上記実施形態においては、プラテンローラ51の取り外し動作には、レバー90を用いているが、この構成のみに限定されず、その他のリンク機構やカム機構等を用いてもよい。
また、上記実施形態において、ケーシング3の周囲や本体フレーム31との間に、緩衝材を配置してもよい。これにより、落下衝撃等の影響をより低減することができる。
また、サーマルプリンタモジュール30は、ケーシング3と一体構成にしてもよいし、ケーシング3とは別体にしてケーシング3内に固定してもよい。一体構成を採用した場合には、部品点数が減らせて製造コストを下げられるメリットがある。
Claims (4)
- ロール紙収容部を有する筐体と、
前記筐体に回動可能に取り付けられ、前記ロール紙収容部を開閉するカバーと、
前記カバーに回転自在に設けられたプラテンローラと、
前記筐体内に設けられ、前記カバーを閉じた際に前記プラテンローラの軸が挿入される溝を有する支持フレームと、
前記支持フレームに回動可能に設けられ、前記溝内に挿入された前記プラテンローラの軸をプラテンローラ係止辺において押さえ付けて保持するロックアームと、
前記プラテンローラ係止辺による前記軸の保持を維持する回動方向の付勢力を前記ロックアームに与える付勢部材と、
前記溝内に前記軸が保持された前記プラテンローラと対向する位置に設けられた印字ヘッドと、
を備え、
前記軸の軸線に沿った方向より見て、
前記溝内に保持された前記軸の前記軸線が前記カバーの開動作に伴って移動する軌跡の接線と、前記プラテンローラ係止辺とがなす、前記ロックアームの閉方向における交差角度θABが90°≦θAB≦110°であり、
前記溝内に保持された前記軸と前記プラテンローラ係止辺との接点が前記ロックアームのロック解除方向に向かう軌跡の接線と、前記プラテンローラ係止辺とがなす、前記ロックアームの閉方向における交差角度θBCが0°≦θBC≦10°である、
ことを特徴とするサーマルプリンタモジュール。 - 前記軸の軸線に沿った方向より見て、前記溝内に保持された前記軸と前記プラテンローラ係止辺との前記接点が前記ロックアームのロック解除方向に向かう軌跡の接線と、前記プラテンローラ係止辺とが互いに平行である
ことを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンタモジュール。 - 前記軸の軸線に沿った方向より見て、前記溝内に保持された前記軸の前記軸線が前記カバーの開動作に伴って移動する軌跡の接線と、前記プラテンローラ係止辺とが直交する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のサーマルプリンタモジュール。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載のサーマルプリンタモジュールを備える
ことを特徴とするサーマルプリンタ。
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