JP2019171526A - ブラシ - Google Patents
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Abstract
【課題】 研削・研磨の効率を上げること。【解決手段】 この多角カップブラシ100は、カップ形状の本体1と、この本体1の天面中心に設けた軸2と、本体1のカップ内に多数のブラシ毛3を植設したブラシ部4とからなる。本体1は、四角形の板材11の周縁に壁12を形成することで全体を前記カップ形状にしたものであり、この本体1のカップ内にブラシ毛3を多数植設することで、ブラシ部4についても全体が四角形状となり、4つの角部5が形成される。この多角カップブラシ100の軸2を加工機械のスピンドルに取り付けてワークを加工すると、ブラシ部4がワークのバリを取ることになり、更に4つの角部5において、ワークに断続的に強く押し付けられることで、バリに対してブラシ毛3の接触の強弱が生じて、バリを効果的に除去できる。【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車、航空、船舶、車両、一般家庭用品に係る被加工品のバリ取り等の加工作業を行うための、加工機械に取り付けるブラシに関するものである。
従来から特許文献1に記載されているようなブラシが知られている。このブラシはカップブラシであり、有底円筒状のカップ状をした本体の内部にブラシ毛を多数設けた構成である。本体の中心には、回転軸が設けられている。また、回転軸方向に対する直交方向の断面形状が円形である。
上記従来のブラシでは、当該ブラシを回転体に取り付け、この回転体を回転させながらワークに押し当てることで、当該ワークのバリ取りを行っていた。
しかしながら、上記従来のブラシでは、いずれも軸方向直交方向の断面形状が円形状のため、ワークに対するブラシ毛の当たり具合が均一となり、もう少し研削・研磨したいという要望に応えることが難しいという問題点があった。現状では、もう少しの検索・研磨の要望に対し、ブラシ毛の素材を変更したり、断面が丸形のブラシを組み合わせたりすることで対応しており、簡単な構造で係る要望に応えるブラシが切望されていた。本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものである。
本発明に係るブラシは、ワークのバリを研削又は研磨して除去するためのブラシであって、多数のブラシ毛を束ねてブラシ部を構成すると共に回転方向に角部が形成されるように前記ブラシ部を多角形にした部位を含むことを特徴とする。
ブラシ部に角部を形成することで、ワークに対して当該角部が断続的に強く押し付けられ、その結果、ワークに対するブラシ毛の接触に強弱が生じ、バリを効果的に除去できるようになる。この角部は、三つ以上六つ以下とするのが好ましい。
また、前記ブラシ部をカップ状体又は板体からなる本体に取り付け、当該カップ又は板体に穴を設けることで、当該穴から加工の際に生じる熱が放出される。また、油や水をかけながら加工する際に、当該穴から油や水が入ることで冷却などが可能になる。
更に、前記ブラシ部をカップ状体又は板体からなる本体に取り付け、前記本体に磁石を設けても良い。磁石の作用により、研削・研磨した際の金属粉が磁力により吸い付けられ、回転力で外部に飛び出し難くなる。特に、細かい金属微粒子は作業者の健康に悪影響を及ぼすことがあるため、このような金属微粒子を吸着できるブラシは、工場の環境を良くすることに貢献するものとなる。
更に、ヤスリを設けても良い。係る構成では、ヤスリによりメバリを除去し、通常のブラシで仕上げることができる。また、前記ブラシに連結可能であり、且つ、多数のブラシ毛を束ねてブラシ部を構成すると共に回転方向に角部が形成されるように前記ブラシ部を多角形にした部位を含む連結ブラシを備えることで、角部による高いバリ取り効果に加えて、研削・研磨領域を広くすることができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るブラシを示す斜視図である。図1(a)には、多角カップブラシを示す。この多角カップブラシ100は、カップ形状の本体1と、この本体1の天面中心に設けた軸2と、本体1のカップ内に多数のブラシ毛3を植設して束ねられたブラシ部4とからなる。前記本体1は、四角形の板材11の周縁に壁12を形成することで全体を前記カップ形状にしたものであり、この本体1のカップ内にブラシ毛3を多数植設することで、ブラシ部4についても全体が四角形状となる。換言すれば、ブラシ部4は、前記軸2を中心とした回転方向である周方向において、4つの角部5が形成される。このように構成した多角カップブラシ100では、軸2を加工機械のスピンドルに取り付けてワークを加工すると、ブラシ部4がワークのバリを取ることになり、更に4つの角部5において、ブラシ部4がワークに良く当たることになる。
図1は、本発明の実施の形態1に係るブラシを示す斜視図である。図1(a)には、多角カップブラシを示す。この多角カップブラシ100は、カップ形状の本体1と、この本体1の天面中心に設けた軸2と、本体1のカップ内に多数のブラシ毛3を植設して束ねられたブラシ部4とからなる。前記本体1は、四角形の板材11の周縁に壁12を形成することで全体を前記カップ形状にしたものであり、この本体1のカップ内にブラシ毛3を多数植設することで、ブラシ部4についても全体が四角形状となる。換言すれば、ブラシ部4は、前記軸2を中心とした回転方向である周方向において、4つの角部5が形成される。このように構成した多角カップブラシ100では、軸2を加工機械のスピンドルに取り付けてワークを加工すると、ブラシ部4がワークのバリを取ることになり、更に4つの角部5において、ブラシ部4がワークに良く当たることになる。
本出願人は、従来の円形状のカップブラシと、本発明に係る四角形状の多角カップブラシ100を、同じブラシ毛3の量と毛寸法に設定した上で、ワークのバリ取り試験を行った。この結果、四角形状の多角カップブラシ100がより研削能力が高いことが判った。これは、角部5の4点で強くワークにブラシ部4が当たることに起因しているものと考えられる。
なお、係る観点から、前記本体1を平面視で三角形状、六角形状、七角形状、八角形状のカップ形状とし、そのカップ内にブラシ毛3を植設した構成にすることで、ワークに対する研削・研磨能力が飛躍的に高まるものといえる。また、図2に示すように、多角カップブラシ100を、例えば同図(a)に示すような三角形状、同図(b)に示すような六角形状にしてもよい。この場合も複数の角部5が形成できるので、研削・研磨能力が飛躍的に高まるものとなる。一方で、多数、例えば二十四角以上の角がある多角カップブラシの場合は、実質的に円形状のカップブラシに近いものとなることから、好ましくは、三角形状から六角形状の多角形状とする。
図1(b)に、多角ロールブラシ110を示す。この多角ロールブラシ110は、長尺の回転軸2の回転方向である周方向に多数のブラシ毛3を植設し束ねてブラシ部4としたものである。ブラシ部4は、全体が四角柱となるようにカットされている。これにより、ブラシ部4の軸方向に4つの角部5が形成される。このため、当該多角ロールブラシ110を回転させてワークに当てることで、ワークのバリ取り効果が飛躍的に向上する。このバリ取り効果の向上は、前記角部5が複数形成され、ワークに断続的に強く押し付けられることで、バリに対してブラシ毛3の接触の強弱が生じて、バリを効果的に除去できるのである。
この多角ロールブラシ110においても、好ましくは、軸方向に直交する方向の断面が三角形状から十二角形状、更に好ましくは、三角形状から八角形状の多角形状とする。
図1(c)に、多角スクラッチブラシ120を示す。多角スクラッチブラシ120は、回転軸2に対してブラシ毛3が回転径方向に植設されて束ねられてブラシ部4が形成され、かつ、当該ブラシ部4が全体として四角形状の一定厚さを有する略厚板形状に形成されている。また、当該ブラシ部4は、前記回転軸2の回転方向である周方向において4つの角部5を有する。このため、当該多角スクラッチブラシ120を回転させて、特に前記周側面部分をワークに当てることで、当該角部5がワークに断続的に強く押し付けられることになり、その結果、バリに対してブラシ毛3の接触の強弱が生じて、バリを効果的に除去できるようになる。
この多角スクラッチブラシ120においても、好ましくは、全体が三角形状から十二角形状、更に好ましくは、三角形状から八角形状の多角形状とする。
図1(d)に、多角エンドブラシ130を示す。多角エンドブラシ130は、カップ形状の本体1と、この本体1の天面中心に設けた軸2と、カップ内に多数のブラシ毛3を軸方向に植設して束ねたブラシ部4とからなる。この多角エンドブラシ130は、全体が四角柱形状となる。前記本体1は、四角形の板材の周縁に軸方向に比較的長めの壁を形成することで全体を深底のカップ形状にしたものであり、この本体1のカップ内にブラシ毛3を多数植設することで、ブラシ部4についても全体が四角柱形状とする。ブラシ部4は、前記軸2を中心とした回転方向である周方向において、4つの角部5が形成される。このように構成した多角エンドブラシ130では、軸2を加工機械のスピンドルに取り付けてワークを加工すると、ブラシ部4がワークのバリを取ると共に、更に4つの角部5がワークに良く当たることになる。その結果、バリに対してブラシ毛3の接触の強弱が生じて、バリを効果的に除去できるようになる。
この多角エンドブラシ130においても、好ましくは、全体を三角柱形状から十二角柱形状、更に好ましくは、三角柱形状から八角柱形状の多角形状とする。
図1(e)に、多角捩じりブラシ140を示す。この多角捩じりブラシ140は、回転軸2の先端に同軸上に針金による芯線を設け、この芯線により多数のブラシ毛3を挟んで固定すると共に当該芯線を捩じることでブラシ毛3を前記回転軸2の周方向に展開した構成である。また、その状態で円筒形状となるブラシ部4をカットして、軸方向に対する直交方向の断面形状が四角形状になるようにしてある。このように、当該ブラシ部4は、全体が四角柱となるようにカットされていることから、ブラシ部4の回転方向である周方向に4つの角部5が形成される。このため、当該多角捩じりブラシ140を回転させてワークに当てることで、ワークのバリ取り効果が飛躍的に向上する。このバリ取り効果の向上は、前記角部5が複数形成され、ワークに断続的に強く押し付けられることで、バリに対してブラシ毛3の接触の強弱が生じ、バリを効果的に除去できるのである。
この多角捩じりブラシ140においても、好ましくは、軸方向に直交する方向の断面が三角形状から十二角形状、更に好ましくは、三角形状から八角形状の多角形状とする。
図1(f)に、多角セグメントブラシ150を示す。多角セグメントブラシ150は、カップ形状の本体1と、この本体1に設けた軸2と、カップ内に多数のブラシ毛3を植設したブラシ部4とからなる。この多角セグメントブラシ150は、全体が四角柱形状となる。前記本体1は、四角形の板材の周縁に軸方向に比較的短めの壁を形成することで全体を浅底のカップ形状にしたものであり、この本体1のカップ内にブラシ毛3を多数植設して束ね、ブラシ部4を全体が四角柱形状とする。ブラシ部4は、前記軸2を中心とした回転方向である周方向において、4つの角部5が形成される。このように構成した多角セグメントブラシ150では、軸2を加工機械のスピンドルに取り付けてワークを加工すると、ブラシ部4がワークのバリを取ると共に、4つの角部5がワークに良く当たるので、バリに対してブラシ毛3の接触の強弱が生じて、バリを効果的に除去できるようになる。
この多角セグメントブラシ150においても、好ましくは、全体を三角柱形状から十二角柱形状、更に好ましくは、三角柱形状から八角柱形状の多角形状とする。
図1(g)に、多角トリバリー治具160を示す。多角トリバリー治具160は、回転軸2に対してその軸方向に並行して且つ周方向に一定角度間隔で設けた複数の金属線6を有する構成であり、先端で回転軸2の軸線上に収束して互いに固定された構造である。この多角トリバリー治具160は、回転軸2の軸方向に垂直方向となる断面方向において、同図(g−1)に示すように、各金属線6を接続した線(仮想線)が略四角形状となるように当該金属線6が配置されている。なお、多角トリバリー冶具160はブラシの一種であり、その金属線6はブラシ毛に相当する。金属線6の組がブラシ部となる。
これにより、前記軸2を中心とした回転方向である周方向において、4つの角部5が形成される。このように構成した多角トリバリー治具160では、軸2を加工機械のスピンドルに取り付けてワークを加工すると、金属線6がワークのバリを取ると共に、4つの角部5の金属線6がワークに良く当たることになる。これにより、バリに対しての接触の強弱が生じて、バリを効果的に除去できるようになる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係るブラシを示す斜視図である。図3(a)に示す多角カップブラシ200は、図1(a)に示した多角カップブラシ100の四角形状の本体1の板材11に複数の穴21を形成した点に特徴がある。この穴21により、研削・研磨中にカップ内の熱が外部に放出される。また、水又は油をかけながら研削・研磨を行う場合、当該水又は油が当該穴21からカップ内に侵入し、水又は油が研削・研磨面に供給されやすくなり、加工中の熱の冷却効果を高めるものとなる。また、研磨材を混入した研磨液を当該穴21から内部に供給することもできる。
次に、この多角カップブラシ200は、全体が略同様の形状ないし構成をした連結ブラシ201を連結可能である。この連結ブラシ201は、本体1の端部に半円形の切欠部22が設けられ、この切欠部22が回転軸2と嵌め合う。また、連結ブラシ201のカップ内には、その周縁近傍にブラシ毛3が多数配置され、換言すると当該ブラシ部4が略コの字状に形成され、このコの字の内側に多角カップブラシ100が入り込む形となる。このとき、連結ブラシ201のカップ内側には突起が設けられ(図示省略)、前記穴21に係合して、当該連結ブラシ201を固定する。連結ブラシ201は、多角カップブラシ100に被せるようにして連結する。
前記穴21は、全体がT字形状でありその足の部分が回転軸2の径方向で外側を向く。これにより、連結ブラシ201の突起(頭付き突起)が当該足の長穴部分に嵌って、回転しても当該連結ブラシ201が多角カップブラシ100から分離しないようになる。このようにすれば、角部5による高いバリ取り効果に加えて、研削・研磨領域を広くすることができる。
また、図3(b)に示すように、連結ブラシ202を図1(a)に示した多角カップブラシ100に完全に被せる構成としても良い。この場合、連結ブラシ202は、カップの中央に回転軸2を通す穴23が設けられ、且つ、当該カップの内周縁近傍にブラシ毛3が多数植設される。このブラシ部4は、前記多角カップブラシ100の外周を完全に覆うように設けられる。また、カップ内のブラシ部4が設けられていない部分には、磁石24(図中点線で示す。)が設けられ、具体的には前記回転軸2を通す穴23の周囲に4つの磁石24が設けられ、前記多角カップブラシ100の天井面の板体11に当該連結ブラシ202が磁着するようになる。図3(c)は、この連結ブラシ202を多角カップブラシ100に連結した場合の、ブラシ部4側からの斜視図である。このように、連結ブラシ201を多角カップブラシ100に連結した状態でそれぞれのブラシ部4の先端は、全体に面一になるようにする。
次に、前記磁石24の作用により、研削・研磨した際の金属粉が磁力によりカップ内に吸い付けられ、回転力で外部に飛び出し難くなる。特に、細かい金属微粒子は作業者の健康に悪影響を及ぼすことがあるため、このような金属微粒子を吸着できるブラシは、工場の環境を良くすることに貢献するものとなる。
また、連結ブラシ202の形態ではなく、図3(d)に示すように、浅底のカップ形状の本体31と、この本体31の中央の穴32の周囲に設けた磁石33とからなるブラシ用吸着具203を用いることもできる。このブラシ用吸着具203は、前記多角カップブラシ100の回転軸2を前記穴32に通し、そのカップ形状の本体31を多角カップブラシ100の本体1に被せるようにして嵌合させる。これにより、ブラシ用吸着具203が多角カップブラシ100の本体1に磁力で固定され、被せ部分による嵌め合いも含め、多角カップブラシ100を回転させてもずれることがない。そして、磁力がブラシ毛3の先端まで作用し、研削・研磨に伴い発生した金属微粒子をブラシ毛3の間に取り込んで補足する。前記多角カップブラシ100のブラシ毛3が磁性体金属によりなる場合、ブラシ毛3自体で金属微粒子を捕捉可能となる。
さらに、図4(d−2)に示すように、丸形のカップブラシ90に対し、上記連結ブラシ201を被せて固定するようにしても良い。この場合において、カップブラシ90及び連結ブラシ201の本体には、穴21を設けても良い。この穴21により、研削・研磨中にカップ内の熱が外部に放出される。また、水又は油をかけながら研削・研磨を行う場合、当該水又は油が当該穴21からカップ内に侵入し、水又は油が研削・研磨面に供給されやすくなり、加工中の熱の冷却効果を高めるものとなる。
また、図3(e)に示すように、多角カップブラシ204の中央にヤスリ41を取り付けても良い。この多角カップブラシ204は、ブラシ部4が本体の周縁に形成されており、中央に前記ヤスリ41が配置される。ヤスリ41を設けることでイバリの研削が可能になる。ワークのバリがひどい場合には、当該バリによりブラシ毛3がカットされることがあるが、本構成であれば、ヤスリ41によりイバリが除去されるため、全体として研削・研磨の効率が向上する。
図3(f)は、多角カップブラシ205の内側周縁近傍に多数のブラシ毛3を植設したブラシ部4を設け、その内側中央に装着管42を設けた構成である。装着管42には、傘型ブラシ43又はヤスリ44の回転軸を挿着できる。この多角カップブラシ205は、イバリやインコネル等の硬い金属のバリ取りに好適である。実際の加工の際は、ブラシを回転させつつワーク表面を移動させることで、周囲のブラシ部4により通常の研削・研磨を行いつつ、中央のヤスリ44で研削を強力に行える。また、傘型ブラシ43を装着した場合、この傘型ブラシ43のブラシ毛3の素材や長さ等を、周囲のブラシ部4のブラシ毛3と異なるものとすることで、具体的には、傘型ブラシ43のブラシ部4が強くワークに当たるような長さや密度にしたり、ブラシ毛3の素材を研削の度合いが強いものにしておくことで、硬い素材に対して、傘型ブラシ43により強力に研削・研磨ができるようになる。
図3(g)は、図3(f)に示した構成において、その中央に捩じりブラシ45を装着した構成である。この多角カップブラシ206によれば、所定のワークの加工形状に対する仕上げとして使用できる。
図3(h)は、多角カップブラシ100に対して比較的大き目の傘型ブラシ46を取り付けた状態を示す。特に、この傘型ブラシ46は、先端から中間部分まで(部位47)が四角錘形状となり当該中間部分から後端まで(部位48)が四角柱形状となっている。全体に4つの角部5が形成されるので、ブラシ部4がワークのバリを取ると共に、4つの角部5においてブラシ部4がワークに良く当たることになる。これにより、バリに対しての接触の強弱が生じて、バリを効果的に除去できるようになる。
図4(i)は、上記多角トリバリー冶具160の中に四角柱形状のブラシ部4を内設した構造である。このように構成した多角トリバリー治具208では、軸2を加工機械のスピンドルに取り付けてワークを加工すると、金属線6がワークのバリを取ることになり、更に4つの角部5において、金属線6がワークに良く当たることになる。更に、内設したブラシ部4の4つの角部5もワークに当たることから、更に、バリ取り効率が良くなる。
図4(j)は、多角捩じりブラシ209を示す。この多角捩じりブラシ209は、回転軸2の先端に同軸上に針金による芯線を設け、この芯線により多数のブラシ毛3を挟んで固定すると共に当該芯線を捩じることでブラシ毛3を前記回転軸2の周方向に展開した構成のものであり、その状態で円筒形状となるブラシ部4を先端から中央付近まで(部位51)カットして断面形状が四角形状になるようにした構成である。中央付近から後端まで(部位52)は断面形状が円形である。
このように、前記ブラシ部4は一部が四角柱となるようにカットされているため、ブラシ部4の軸方向に4つの角部5が形成される。このため、ワークのバリ取り効果が飛躍的に向上する。また、円形部分においては従来通りのバリ取りが行われる。要するに、角部5をブラシ部4の一部に設けることでバリ取り効果をブラシ全体の一部で向上させることができる。
図4(k)は、全体がテーパー状の捩じりブラシ210であるが、回転軸方向に対する垂直方向の断面図が先端から途中まで(部位52)が四角錘形状、当該途中から後端近傍まで(部位53)が均一四角形状、後端近傍から後端まで(部位54)が円形状となる。係る構成においても、角部5をブラシ部4の一部に設けることでバリ取り効果をブラシ全体で向上させることができる。
図4(l)は、捩じりブラシ211であるが、回転軸方向に垂直方向の断面図が、先端から順に三角形状(部位55)、円形状(部位56)、四角形状(部位57)となる。係る構成においても、角部5をブラシ部4の一部に設けることでバリ取り効果をブラシ全体の一部で向上させることができる。
図4(m)は、多角捩じりブラシ212であり、図1(e)に示した多角捩じりブラシ140の先端にヤスリ60を取り付けた構成である。このヤスリ60は、ワークのめくら穴にアプローチし、めくら穴のバリを取るためのものである。当該ヤスリ60は、ブラシ毛61で先端に振り子のような状態で連結されている。係る構成においても、角部5をブラシ部4に設けることでバリ取り効果を向上できる。更に、めくら穴のバリ取りにも有効となる。なお、連結したヤスリ60は、ブラシ又はカッターで代替えできる(図示省略)。
図5(a)は、多角カップブラシ100と、エンドブラシ70とを組み合わせたブラシ300の例であり、多角カップブラシ100の中央の回転軸2にエンドブラシ70が設けられた構成である。このブラシ300によれば、図5(b)に示したようにワークWの断面が逆凸形状であっても一度にバリ取りが可能となる。また上記同様に、ブラシ300に複数の角部5が形成されている(特に本図に示す構成では、多角カップブラシ100が4つの角部5を有することから、バリ取りの効率は高いものとなる。)。
図5(c)に示すブラシは、多角捩じりブラシ301である。この捩じりブラシ301は、回転軸2の軸方向に垂直方向の断面形状が、先端から円形(部位61)、四角形(部位62)、三角形(部位63)、四角形(部位64)となる。そして、捩じりブラシ301のブラシ部4の間には回転軸方向に隙間71が設けられている。この隙間71は、研削・研磨したときに生じる金属粉が入り、多角捩じりブラシ301をワークから引き出した際に金属粉が排出されるようにしたものである。この多角捩じりブラシ301は、例えば図5(d)に示すような断面形状を有するワークWのバリ取りに好適である。
(実施の形態3)
図6は、この発明の実施の形態3にかかるブラシを示す斜視図である。このブラシ400は、同図に示すように、多角セグメントブラシ150を適宜組み合わせて使用できる構成となる。多角セグメントブラシ150を組み合わせるのは、取り付け及び取り外しの時間の無駄をなくすために一つの金具に多くの多角セグメントブラシ150を取り付けることで解決したものである。使用されるブラシの組み合わせは、ワークのバリ部分により適宜選択される。具体的には、軸方向に直交する断面が円形の多角セグメントブラシ、三角形の多角セグメントブラシ、四角形の多角セグメントブラシ、六角形の多角セグメントブラシである(図示省略)。
一般的にワークの外側ほどバリが出る部分があるし、他のワークとの組み合わせがなされる場合もあり、さらに穴部分のみの場合もある。このような様々なワークの状態に合わせて、ソフトに当たるブラシ部4と、角部5を有するバリ取り効果が高いブラシ部4とを組み合わせることで、最適な仕上げができるようになる。さらに、金具が分割していることから、各金具に所望のブラシ部4を設けることができる。
同図に示した例では、中央の円板からなる本体金具401と、本体金具401と略同径となるリング板を4分割した4つの分割金具402とからなり、本体金具401の下面には所望の位置に多角セグメントブラシ150が取り付けられ、分割金具402の下面にも所望の位置に多角セグメントブラシ150が取り付けられる。分割金具402は本体金具401に対して着脱自在である。このため、多角セグメントブラシ150の角部5による高いバリ取り効果に加えて、研削・研磨領域を広くすることができる。
(実施の形態4)
図7は、多角カップブラシの周囲にさらにカップを設けたブラシを示す説明図である。この多角カップブラシ500は、同図(a)に示すように、上記実施の形態1に記載した多角カップブラシ100と同様の構成であるが、その周囲にカップ501をさらに設けて金属粉の飛散を防止するようにした点に特徴がある。カップ501の底板には、多角カップブラシ100の回転軸2を通す穴23が設けられており、カップ501の深さは、多角カップブラシ100の高さより若干小さくなるようにする。カップ501は、回転軸2に通され、図示しないボルトなどで多角カップブラシ100に固定される。
なお、カップ501は、同図に示すように、全体が四角台形状、六角台形状であっても良い。カップ501を装着した状態で、同図(b)に示すように、カップ501と多角カップブラシ100との間には、隙間502ができる。
この多角カップブラシ500によりワークの研削・研磨を行うと、金属粉末がカップ501内に補足されて外部に飛散し難くなる。また、前記隙間502を設けることで、金属粉末を補足しやすくなる。カップ501の素材は、ブラシ毛3の摩耗や変形によってワークを損傷させない素材(例えば樹脂)で形成される。また、カップ501内に磁石を設けておけば、金属微粒子を補足できるので、より加工環境が良くなる(図示省略)。さらに、カップ501の側面壁に磁石を設けることで、より金属微粒子を補足できる(図示省略)。
なお、多角カップブラシ500は、同図(c)に示すように、全体が六角形であっても良い。この場合でも、上記六角形、円形、四角形のいずれかのカップ501を被せて使用できる。
100 多角カップブラシ
1 本体
2 軸
3 ブラシ毛
4 ブラシ部
5 角部
1 本体
2 軸
3 ブラシ毛
4 ブラシ部
5 角部
Claims (6)
- ワークのバリを研削又は研磨して除去するためのブラシであって、
多数のブラシ毛を束ねてブラシ部を構成すると共に回転方向に角部が形成されるように前記ブラシ部を多角形にした部位を含むことを特徴とするブラシ。 - 前記角部は、三つ以上六つ以下であることを特徴とする請求項1に記載のブラシ。
- 更に、前記ブラシ部がカップ状体又は板体からなる本体に取り付けられており、当該カップ又は板体に穴を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のブラシ。
- 更に、前記ブラシ部がカップ状体又は板体からなる本体に取り付けられており、前記本体に磁石を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のブラシ。
- 更に、ヤスリを設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のブラシ。
- 前記ブラシに連結可能であり、且つ、多数のブラシ毛を束ねてブラシ部を構成すると共に回転方向に角部が形成されるように前記ブラシ部を多角形にした部位を含む連結ブラシを備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のブラシ。
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP2019171526A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021177415A1 (ja) * | 2020-03-05 | 2021-09-10 | 日本ユニット株式会社 | 組合せブラシ |
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2018
- 2018-03-29 JP JP2018063440A patent/JP2019171526A/ja active Pending
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