JP2019171309A - 凝集沈殿装置及び凝集沈殿方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロックの沈降性が改善された凝集沈殿方法及び装置を提供する。【解決手段】本発明では、被処理水に、無機凝結剤と有機凝結剤の少なくとも一方を添加して撹拌・混合して微フロックを形成し、微フロックが形成された被処理水に有機高分子凝集剤を添加して更に撹拌・混合して微フロックを成長させて粗大フロックを形成し、粗大フロックを沈降させてスラリーと上澄液とに固液分離する凝集沈澱方法において、前記スラリーの少なくとも一部を、前記有機高分子凝集剤の添加場所と、当該添加場所よりも下流側のいずれか1か所以上に返送してフロックを循環させ、フロック沈降性を改善する。【選択図】図1

Description

本発明は、水道水、工業用水などを製造する浄水処理において利用可能な凝集沈殿装置を用いた処理方法に関する。
水道水や工業用水などを製造する上水(浄水)処理では、原水に含まれる不溶解性成分である濁度成分や藻類などの汚濁物質を凝集沈殿処理や砂ろ過などの固液分離技術で処理している。このうち、凝集沈殿処理は、不溶解性成分のみでなく、溶解性色度や溶解性有機物などの汚濁物質の除去に対しても有効な処理方法であり、広く使用されている。
この凝集沈殿方法は、無機凝結剤やpH調整剤を添加して原水中の汚濁物質を析出させる工程や、無機凝結剤から生成するフロックに汚濁物質を吸着させる工程などの後に、汚濁物質を含むフロックを原水から沈降分離する処理方法である。
浄水場では上記の工程を実施するために、混和槽(混和池)、フロック形成槽、沈殿槽が連続して設置されており、無機凝結剤を添加後、混和池で混合し、フロック形成槽でフロックを形成させ、沈殿池でフロックを沈殿分離させることが行われてきた。この方法は様々な汚濁物質を分離除去できる優れたシステムであるが、フロックの沈降速度が遅いため、広大な沈殿池が必要となる欠点があった。
浄水場において沈殿池が占める面積は巨大なため、沈殿池を縮小できれば処理場全体の用地を削減することが可能であり、用地の余裕がない都市部の浄水場等でも処理水の量を確保することが可能となる。
沈殿池を縮小する方法として、さまざまな方法が提案されている。例えば特許文献1、2(特開2014−237122、特開2014−237123)では、比重の高い沈降促進剤(例えば砂)を添加し、沈降促進剤を含むフロックを形成させる。沈降促進剤を含むフロックは沈降速度が増加し、沈殿池での水面積負荷を増大できるため、沈殿池面積を縮小することが可能となる。
一方、沈降促進剤はフロックと共にそのまま排泥されてしまうため、サイクロンで沈降促進剤を回収・再利用することが提案されている。特許文献1、2の方式はフロックの沈降速度を増やすことが可能であり、固液分離が安定する利点があるが、沈降促進剤を汚濁物質とよく混合するための撹拌動力の増加や沈降促進剤をサイクロンで分離するため、ポンプなどの補機が増える問題があり、更には、消耗した沈降促進剤を追加する必要がある、沈降促進剤の系内循環により配管等が摩耗するなどの課題もある。
特許文献3(特開2009−247957)では、沈降速度を増大させるため、固液分離槽内にスラリーを貯留し、ここに被処理水を導入する。無機凝結剤と混合した被処理水は、既存フロック存在下に導入され、既存フロックと共にフロックを形成するため、凝集沈殿の効率を高めることが可能であり、固液分離設備を小型化することが可能となる。
また、特許文献3の方式では微細な固体粒子を添加することで固体粒子を包含するフロックを形成させ、フロックの沈降速度を改善し、濁質が少ない水でも安定した処理を可能とする特徴がある。一方、この方式は固体粒子を添加する必要があるため、特許文献1、2と同様の課題がある。即ち、沈降促進剤をサイクロンで分離するためポンプなどの補機が増える、消耗した沈降促進剤を追加する必要がある、沈降促進剤の系内循環により配管等が摩耗するなどの課題がある
一方、近年原水となる河川水の濁度は低下傾向にあるが、濁度が低い原水を凝集沈殿処理する場合、凝集反応が進行し難く、フロックの沈降性が悪化して処理水質に影響を与えることが知られている。
高速凝集沈殿処理においても、槽内の良質なフロックが原水由来の濁質と反応して効率的な凝集を行うため、原水濁度が低い場合などには処理が不安定になる。高速凝集沈殿ではスラリーブランケットを安定して保持することが極めて重要であり、ブランケットが良好に形成されずスラリー内のフロックが処理水に漏洩すると処理水質が悪化する。
このような場合、処理の安定化を目的として、砂などの不溶解性粒状凝集助剤を添加する方法(特許文献4、特開2006-7086)が提案されている。
また、通常、スラリー管理は排泥により行うが、その制御には界面計やSV計を用いる(特許文献5、6、特開平3−174205、特開2009−241045)。しかし、スラリーが膨張して性状が悪化した場合、排泥を行ってもスラリー界面は低下しない上、過度な排泥はスラリー濃度の低下を助長して高速凝集沈殿の処理性を著しく低下させる課題があった。
また、凝集助剤(沈殿促進剤)の添加は沈降性改善に効果的であるが、注入設備が過大であり、砂により注入設備が摩耗し劣化するため、メンテナンス性が低下する。さらに系外から異物を加えるため、汚泥発生量が増加するなどの課題があった。加えて、上記SV計は単にスラリーの濃度測定に用いられ、界面計と組み合わせた複雑な制御が必要であった(特許文献6の請求項1、段落0008)
特許文献7(特許4004854)では、凝集沈降性を改善するため、無機凝結剤と有機高分子凝集剤の併用が提案されている。有機高分子凝集剤は過剰に添加すると、砂ろ過や膜ろ過の閉塞を促進する場合があるため、特許文献7では有機高分子凝集剤の注入後の凝集フロックの流動電流を測定し、その測定結果に基づき高分子凝集剤の注入量を制御する。特許文献7の方式では、フロックの荷電状態を測定し、荷電状態に合わせて中和に不足する電化量を有機高分子凝集剤で補うため、電気的に中性なフロックを形成することが可能となる。
一方、荷電状態を測定するための電極を用意する必要があり、常時安定して測定するためには、電極を常に使用できる状態とする必要がある。また、凝集沈殿部のフロックを含むスラリーを原水と混合させてフロック形成を容易にする方法が提案されているが、返送されたフロックが無機凝結剤と反応してしまい、原水中の濁度成分と無機凝結剤の反応を阻害する可能性がある。
特開2014−237122 特開2014−237123 特開2009−247957 特開2006-7086 特開平3−174205 特開2009−241045 特許4004854 特開2002-113472 特開2006-35221 特開2007‐7601
高度成長期に整備された浄水場設備は、近年老朽化し更新の時期を迎えている。特に、都市部の浄水場では用地が少ないため、更新に当たり設置面積の小さい設備が求められている。
水質の面からは、近年、気候変動などにより突発的な豪雨や局所的な大雨が増加しており、浄水場の原水となる河川水の濁度が急激に増加するなど、大きい水質変動が想定されることから安定性の高い処理設備が求められている。また、管理の面では、浄水場設備の管理にあたる職員が減少しており、より維持管理の容易な処理設備が求められている。
更に、上記のような突発的、局所的大雨が原因で、河川水を原水とする浄水場で短時間に原水濁度が急激に増加した場合、使用する凝結剤の添加量を濁度成分の増加に合わせて調整する必要があるが、調整のためには小スケールでの凝集沈殿処理試験を実施し、適正な薬品注入率を決める必要があり、維持管理面の負担が大きい。
また、特に夏季などの気温上昇時に沈殿池内での水温に差が生じ、密度流による沈殿池内の水流の乱れが発生する。密度流の流速の絶対値は大きくないものの、内部で沈殿しているフロックの密度は大きくないため、密度流でフロックの沈降が阻害され、固液分離に支障がでる場合がある。これは特に高負荷で運転される高速凝集沈殿池でその影響は大きい。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成とすることができる。
(1)被処理水に、無機凝結剤と有機凝結剤の少なくとも一方を添加し、撹拌・混合して微フロックを形成する工程と、微フロックが形成された被処理水に有機高分子凝集剤を添加して更に撹拌・混合し、微フロックを成長させて粗大フロックを形成する工程と、前記粗大フロックを沈降させてスラリーと上澄液とに固液分離する工程とを有する凝集沈澱方法であって、更に、前記スラリーの少なくとも一部を、前記有機高分子凝集剤の添加場所と、当該添加場所よりも下流側(固液分離側)のいずれか1か所以上に返送してフロックを循環させ、フロック沈降性を改善する方法に関する。
(2)フロック循環に加え、スラリーの界面高さに応じて有機高分子凝集剤の添加を制御する添加制御処理により、フロック沈降性を改善することもできる。
なお、有機高分子凝集剤の「添加制御」とは、例えば添加量の増減を意味する。ここで、添加量の増加は、有機高分子凝集剤の単位時間当たりの添加量が増加する場合のみならず、添加量がゼロからプラスへ転じる場合(添加開始)も含み、添加量の減少は、有機高分子凝集剤の単位時間当たりの添加量が減少する場合のみならず、プラスからゼロに転じる場合(添加停止)をも含む。
本発明は、以下の態様とする場合もある。
(3)有機高分子凝集剤としては、アニオン系有機高分子凝集剤とノニオン系有機高分子凝集剤の少なくとも一方を用いることが好ましい。
(4)汚泥体積(SV)と、被処理水の濁度の少なくとも一方を測定して、界面高さを間接的に測定することができる。
(5)更に、返送前のスラリーの温度の測定結果に基づき、有機高分子凝集剤の添加制御をすることもできる。
(6)本発明は、浄水用の原水を被処理水として処理する方法に特に適している。
(7)本発明は凝集沈殿装置にも関するものであり、この凝集沈殿装置は、有機凝結剤と無機凝結剤の少なくとも一方を被処理水に添加する凝結剤供給手段と、前記有機凝結剤と前記無機凝結剤の少なくとも一方が添加された被処理水に、有機高分子凝集剤を供給する凝集剤供給手段と、前記有機高分子凝集剤が添加された被処理水を撹拌するフロック形成槽と、前記フロック形成槽の下流側に設置され、被処理水をスラリーと上澄液とに分離する固液分離装置とを有し、更に、固液分離装置のスラリーを、フロック形成槽と、固液分離装置と、固液分離装置と前記フロック形成槽との間の流路のいずれか一ヶ所以上に返送してフロックを循環させる返送手段を具備する。
(8)返送手段に加え、固液分離装置のスラリー界面を直接又は間接的に測定し、その測定結果に基づき凝集剤供給手段を制御する制御部を設置することが好ましい。
(9)制御部に接続される測定手段としては、固液分離装置に設置された界面計と、固液分離装置に設置された温度計と、被処理水の濁度を測定する濁度計などがある。
(10)固液分離装置は、例えば、上向流カラムを具備する固液分離装置と、高速凝集沈殿装置とから選択することができる。
本発明によれば、無機(有機)凝結剤と有機高分子凝集剤を併用することにより、フロックの凝集性を高め、フロックの沈降性を改善することが可能となる。このため、固液分離装置の水面積負荷を増大させることで設備を小型化することが可能となる。また、有機高分子凝集剤の併用によりフロックの凝集性が高まるため、高濁時でも運転の安定性を確保することが可能となる。更にフロックの凝集性が高まり、沈降性が改善することから運転管理が容易となる。
本発明の概略を示すフロー図 本発明の第1の実施形態を模式的に示す図 本発明の第2の実施形態を模式的に示す図 本発明の第3の実施形態を模式的に示す図 本発明の第4の実施形態を模式的に示す図 高速凝集沈殿型の固液分離装置を用いた制御を説明する図 上向流カラム型の固液分離装置を用いた制御を説明する図 本発明の第5の実施形態を模式的に示す図 本発明の第6の実施形態を模式的に示す図 PAC単独(有機高分子凝集剤添加なし)での処理水濁度(対照系)を示すグラフ PAC単独(有機高分子凝集剤添加なし)での処理水濁度を示すグラフ 実施例A2で用いた装置を説明する図 PAC添加位置の影響を示すグラフ スラリー循環の影響を示すグラフ 有機高分子凝集剤の添加量の影響を示すグラフ 各条件でのスラリー界面高さを示すグラフ 上向流束に対するカラム処理水の濁度を示すグラフ
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は特定の具体例に限定されるものではない。
図1は本発明の概略を示すフロー図であり、本発明の方法及び装置では、先ず、被処理水に無機凝結剤と有機凝結剤の少なくとも一方(無機(有機)凝結剤と略記する)を添加し、撹拌混合して微フロックを形成する。次いで、微フロックが形成された被処理水に有機高分子凝集剤を添加し、撹拌混合して微フロックを成長させて粗大フロックを形成する。
粗大フロックが形成された被処理水は、固液分離により上澄液がフロックから分離され、上澄液は処理水として系外へ排出されるか別の後処理に付され、固液分離により濃縮されたフロックのスラリー(汚泥)は、その一部又は全部が粗大フロックを成長させる工程、すなわち、有機高分子凝集剤の添加場所かそれよりも下流側へ返送され、循環する。
なお、固液分離能はスラリーの沈降状態に影響を受けるため、スラリー界面を指標として有機高分子凝集剤の添加を制御することも可能ではあるが、少なくとも上記スラリーの返送を行うことで固液分離能が改善され、その結果、処理水の水質が良好なものになる。以下、詳細を説明する。
[被処理水]
被処理水としては、河川水(ダム水を含む)、雨水、湖沼水、地下水、工場の用排水など微細な懸濁物質が含まれる水が対象となる。本発明は、排水(廃水)よりも、特に浄水(上水、用水)用の原水の処理に適している。日本国内では浄水場の原水として、溶解性有機物や金属類の汚染のない河川水や地下水が用いられるが、本発明の対象としてはいずれの水も対象となる。しかし、一般的に地下水は懸濁物質等の汚染の度合いが少ないため、凝集沈殿処理を省略し、砂ろ過、殺菌される場合も多い。このため、本プロセスを浄水向けに適用する場合、被処理水として河川水や湖沼水、特に河川水がより適している。
[無機(有機)凝結剤]
本発明には、無機凝結剤と有機凝結剤から選択される1種以上の凝結剤を用いる。以下、無機凝結剤、有機凝結剤について説明する。
-無機凝結剤
無機凝結剤は汚濁物質と水酸化物を形成し沈殿するものであれば適用可能であり、例えば、硫酸ばん土(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム、ポリシリカ鉄、ポリ硫酸第2鉄(ポリ鉄)、塩化第2鉄から1種以上を選択して使用することができる。水道向けの浄水場ではポリ塩化アルミニウム(以下、PACとする)や硫酸ばん土、ポリシリカ鉄などを好適に用いることができる。これらの中でも、PACは添加時のpH変化が少な上に凝集効率が高く、着色が少ないことから浄水場向けの無機凝結剤として特に適している。
被処理水の種類や水質により、上記無機凝結剤に替え、又は、上記無機凝結剤と共に有機凝結剤を使用することもできる。有機凝結剤とは、広義では高分子凝集剤に分類されるが、高分子凝集剤と分類される薬剤と比較すると低分子である。即ち、本発明では、後述する有機高分子凝集剤よりも低分子のものを有機凝結剤として定義できる。
具体的には、有機凝結剤の分子量は数百万以下であり、より具体的には分子量が150万以下であり、好ましくは分子量100万以下、より好ましくは分子量50万以下、特に好ましくは分子量10万以下である。分子量の下限は例えば1000以上であり、好ましくは5000以上、より好ましくは1万以上であり、更に好ましくは2万以上、特に好ましくは3万以上である。
ここでの分子量は、固有粘度(0.2N−NaCl水溶液中25℃での測定値、単位はdl/g)から換算して求められるもので、ポリアクリルアミド系高分子の粘度式:[η]=3.02×10-4×(Mw)0.68[ポリマー凝集剤、(株)東京都下水道サービス刊、113頁]から分子量(Mw)を便宜上求めることができる。
有機凝結剤の種類は特に限定されず、公知のものを1種以上使用することができるが、一例を挙げると、縮合系ポリアミン、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダリン、ポリビニルピリジン、ジアリルアミン塩・二酸化硫黄共重合体、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩・二酸化硫黄共重合体、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩・アクリルアミド共重合体、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩・ジアリルアミン塩酸塩誘導体共重合体、アリルアミン塩重合体などある。
縮合系ポリアミンの具体例としては、アルキレンジクロライドとアルキレンポリアミンとの縮合物、アニリンとホルマリンの縮合物、アルキレンジアミンとエピクロルヒドリンとの縮合物、アンモニアとエピクロルヒドリンとの縮合物などが挙げられる。エピクロルヒドリンと縮合するアルキレンジアミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、ジブチルアミンなどが挙げられる。
上述の無機凝結剤と有機凝結剤は、使用に際してそれぞれ単独で、または混合物の形態で使用してもよいが、そうした混合物をあらかじめ水で希釈した水溶液の状態で使用してもよい。混合物として使用する場合には組み合わせによって沈殿物が析出してくる場合があるので注意が必要である。必要に応じて、これら凝結剤の水溶液に、分散剤、pH調整剤、pH緩衝剤などの添加剤を1種以上添加することもできる。無機凝結剤と有機凝結剤を被処理水に別々に添加する場合、その添加順序は特に限定されない。
いずれの場合も、無機(有機)凝結剤の役割は被処理水中の汚濁物質の荷電状態を中和し、凝結し微フロックを形成させることであるため、被処理水に合わせた適切な凝集状態となるように添加率を決めることが望ましい。従って、小スケールの処理試験であらかじめ適切な添加率を決めておくことが望ましいが、一般的には被処理水1L当たり、無機凝結剤の添加量は10mg〜1000mg、好ましくは20mg〜200mg程度であり、有機凝結剤の添加量は1mg〜100mg程度である。これらの添加量は、希釈溶媒(水)を除いた量である。
[有機高分子凝集剤]
有機高分子凝集剤には荷電状態によってカチオン性、アニオン性、ノニオン性、両イオン性のものがあり、被処理水に合わせて適宜選定すればよい。特に本発明を浄水用途で使用する場合、好ましくは、アニオン性有機高分子凝集剤、ノニオン性の有機高分子凝集剤から1種以上を選択して使用する。
アニオン系高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド部分加水分解物、アニオン性モノマーの単独重合体又は共重合体、アニオン性モノマーとアクリルアミド等のノニオン性モノマーとの共重合体が挙げられる。アニオン性モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アリルアミドエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタリルアミドエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−メタクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−メタクリロイルオキシブタンスルホン酸、及びこれらのアルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属塩又はアンモニウム塩が挙げられる。単独重合体として好ましいものは、アクリル酸の重合体、アクリル酸ナトリウム重合体である。
これらアニオン性モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ノニオン性モノマーとしてはアクリルアミド、メタクリルアミド、メタアクリロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。これらノニオン性モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。共重合体として好ましいものは、アクリルアミド・アクリル酸塩共重合体、アクリルアミド・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体である。
次に、ノニオン系高分子凝集剤とは、上記のノニオン性モノマーの単独重合体又は共重合体であるが、好ましくはポリアクリルアミドである。
有機高分子凝集剤は1種を単独で使用することもできるが、2種以上を併用することもできる。有機高分子凝集剤は任意の方法で使用することができるが、通常、溶解に時間を要するため、一般に高分子凝集剤は溶液(水溶液)として調整してから使用される。その溶解濃度は0.01質量%〜0.5質量%程度であり、例えば0.1質量%である。しかしながら、希釈液(水)への溶解性の向上や、使用時の分散性の向上を考慮すると、有機高分子凝集剤濃度を、例えば、0.01質量%以下にすることもできる。有機高分子凝集剤の添加量は、通常の凝集沈殿処理における添加量、0.1〜1mg/Lの範囲でよい。
なお、被処理水の濁度が高い場合には、カチオン系高分子凝集剤を前段に添加し、アニオン系またはノニオン系高分子凝集剤を後段に添加することにより、除濁効果が高くなり、処理水の濁度が低下する効果が期待できる。この場合、カチオン系高分子凝集剤とは、カチオン性モノマーを必須成分として有するものであり、カチオン性モノマーの共重合体又はカチオン性モノマーと上記のノニオン性モノマーとの共重合体である。カチオン性モノマーとしては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートもしくはこれらの中和塩、4級塩などが挙げられる。また、分子内にアミジン単位を含有するカチオン系高分子凝集剤も使用可能である。
また、本発明のカチオン系高分子凝集剤には、カチオン性モノマー単位、アニオン性モノマー単位及びノニオン性モノマー単位を共重合したいわゆる両性高分子凝集剤を挙げることができる。
このように、本発明に用いる有機高分子凝集剤の種類は特に限定されないが、本発明では、フロックの循環や有機高分子凝集剤の添加制御により、後述するように固液分離性が向上するので、カチオン性又は両性の有機高分子凝集剤を添加する工程は省略が可能であり、その結果、処理工程が簡易になる。しかも、有機高分子凝集剤全体の使用量が抑えられるため、有機高分子凝集剤の使用が制限される浄水用途で特に有効である。
[その他処理剤]
無機(有機)凝結剤、有機高分子凝集剤以外の処理剤の使用は何ら制限されず、浄水処理、排水処理用途に用いられる処理剤を広く用いることが可能である。例えば、沈降促進剤、pH調整剤(例えばアルカリ剤)、塩素剤(例えば次亜塩素酸ナトリウム)など公知の処理剤を1種以上用いることができる。
これらの中でも、沈降促進剤は、原水(被処理水)の濁度が大きいときに用いられることが多い処理剤であるが、沈降促進剤は一般にSiO又はその塩鉱物などの無機材料を主成分とする不溶解性粒子(例えば砂)であって、固液分離によりフロックと共にスラリーに含まれるため、発生するスラリー(汚泥)量が著しく増加してしまう。沈降促進剤をスラリーから分離して再利用する方法も公知ではあるが、処理が煩雑である。
しかも、不溶解性粒子を含むスラリーは高粘度であるため、輸送用の配管やバルブが詰まる原因にもなり、また、硬質の不溶解性粒子は輸送中に配管などを傷つけるおそれもある。従って、沈降促進剤の使用量は抑える必要がある。本発明では、沈降促進剤の使用量が少なくてもフロックの固液分離性が高いため、沈降促進剤の使用量を抑えることが可能であり、沈降促進剤を全く使用しない場合でも十分な水質の処理水を得ることが可能である。
次に、本発明の方法を装置と共に具体的に説明する。
[第1の実施形態]
図2の符号1aは第1の実施形態に係る凝集沈殿装置を示しており、この凝集沈殿装置1aは、無機(有機)凝結剤を被処理水に供給する凝結剤供給手段12と、無機(有機)凝結剤が添加された被処理水に有機高分子凝集剤を供給する凝集剤供給手段14と、有機高分子凝集剤が添加された被処理水を固液分離する固液分離装置31とを有している。
これら供給手段12、14の接続場所は特に限定されないが、被処理水中の汚濁物質の荷電を中和するため、無機(有機)凝結剤を被処理水に添加した後十分に混和する必要がある。このため、無機(有機)凝結剤添加後に所定の時間撹拌できるような設備を設けることが好ましい。
具体的には、凝結剤供給手段12を、被処理水を貯留可能な混和槽22に接続し、混和槽22にフラッシュミキサーなどの機械的撹拌装置や、撹拌ポンプなどのポンプ撹拌装置を設置して被処理水と無機(有機)凝結剤を撹拌混合すれば、混和槽22での水力学的滞留時間が撹拌時間となるため、撹拌状態の管理が容易になる利点がある。混和槽22の滞留時間は一般的には1分〜5分程度あればよい
混和槽22の数や固液分離装置31との接続方法は特に限定されない。例えば、1台の分配槽から複数台の固液分離装置31に被処理水を分配する場合、この分配槽を混和槽22とし、分配槽又はその前段で無機(有機)凝結剤を添加し、分配槽で撹拌混合することも可能である。
被処理水と無機(有機)凝結剤を十分に撹拌混合可能であれば、混和槽22や分配槽のように被処理水を滞留させる独立した装置ではなく、配管やバルブなどの被処理水の流路に凝結剤供給手段12を接続することもできる。この場合、無機(有機)凝結剤を添加後に一定の滞留時間となるように、水量に合わせた配管長さを確保する必要がある。
また、ラインミキサーなどの乱流発生装置や屈曲配管を、無機(有機)凝結剤の添加場所又はそれよりも下流側の配管に設置しても、撹拌が促進される。なお、配管のような流路に凝結剤供給手段12を接続する場合であっても、その接続場所が、撹拌装置を具備する混和槽22よりも上流側であって、無機(有機)凝結剤が十分に撹拌されるのであれば、乱流発生装置や屈曲配管の設置や、配管長さの確保は省略することもできる。即ち、有機高分子凝集剤が添加される前に、無機(有機)凝結剤が被処理水と十分撹拌混合されるように、配管の長さや種類(屈曲配管)、撹拌装置(乱流発生装置)の設置などの1以上の撹拌条件を設定すればよい。
無機(有機)凝結剤のみで凝集沈殿させる場合、小スケールの処理試験で添加率を変化させて、十分粗大なフロックが生成する条件を見出す必要がある。本発明では有機高分子凝集剤を併用するため、無機(有機)凝結剤の添加によるフロックの成長が不十分でも有機高分子凝集剤によりフロック凝集性を補うことが可能であり、有機高分子凝集剤を使用しない場合と比較して、添加量を厳密に設定する必要はないが、被処理水に合わせた適切な添加量をある程度設定しておくことが好ましい。
被処理水に無機(有機)凝結剤を適量添加し、撹拌混合すると、被処理水中の汚濁物質の荷電が中和され、微フロックが形成される。無機(有機)凝結剤が被処理水と十分に混和し、微フロックが形成された状態の被処理水に対し、固液分離装置31で固液分離する前に凝集剤供給手段14から有機高分子凝集剤を添加する。
無機(有機)凝結剤と同様に、被処理水の流路に有機高分子凝集剤を供給して混合撹拌してもよいが、ここでは、混和槽22と固液分離装置31の間に配管等の小径流路を介してフロック形成槽24を設け、このフロック形成槽24又はその上流側(ただし、混和槽22よりも下流)に凝集剤供給手段14を接続して有機高分子凝集剤、好ましくは有機高分子凝集剤の水溶液を供給する。有機高分子凝集剤の添加方法は特に限定されず、溶液の分散促進のため、凝集剤供給手段14の添加部を複数に分岐し、多点で注入することも可能である。
好ましくは、フロック形成槽24には混和槽22と同様に撹拌装置を設置し、有機高分子凝集剤を添加した被処理水を撹拌する。この時の撹拌速度は特に限定されないが、撹拌速度が速すぎるとフロックが破壊されるので、微フロック形成時よりも遅い撹拌速度(弱い撹拌強度)で緩速撹拌する。
有機高分子凝集剤は分子量が大きいため、緩速撹拌により有機高分子凝集剤が被処理水と撹拌混合されると、架橋作用により有機高分子凝集剤が微フロックを絡め取り、フロックを粗大化させる。このように、有機高分子凝集剤がフロックの凝集性を向上させるので、豪雨などで原水濁度が急激に増加した場合でも、凝結剤の凝集性を補完することができる。
有機高分子凝集剤の添加のみでフロックを粗大化させることも可能ではあるが、好ましくは、有機高分子凝集剤と一緒に、又は有機高分子凝集剤とは別に後述するスラリーを添加して被処理水を緩速撹拌する。このスラリーは粗大フロックを多量に含むので、フロックの衝突頻度が増加し、凝集速度が速くなる。そして、微細フロックは粗大フロックとも凝集するため、より粗大で沈降性の良好なフロックが形成される。
フロック形成槽24の滞留時間は一般的なフロック形成槽での滞留時間10分〜40分、好ましくは20〜40分程度でよいが、処理状況を確認し、良好なフロックが形成されていれば短縮することも可能である。本発明では、有機高分子凝集剤の使用とスラリー返送により、凝集速度を速くすることが可能なので、滞留時間をより短縮することができる。
粗大フロックが形成された被処理水は、フロック形成槽24から固液分離装置31へ送られる。固液分離装置31は、比重差を利用して被処理水を固液分離するものであれば特に限定されない。ここでは、固液分離装置31は上向流カラム型であって、カラム32と、カラム32内に立設された筒状のセンターウェル33とを有している。
センターウェル33は、その下端側にカラム32内部空間と連通する吐出口を有しており、粗大フロックが形成された被処理水はセンターウェル33に導入されると、センターウェル33内を下方に移動して、吐出口からカラム32内部に下向きに流入する。
このとき、被処理水に含まれる粗大フロックは下向きのベクトルを持つため、カラム32に流入したフロックは重力沈降が促進され、被処理水がフロックと上澄液(処理水)に固液分離し、フロックはスラリー35としてカラム32下方に蓄積され、処理水はオーバーフローにより固液分離装置31外部へ排出される。
センターウェル33の吐出口をスラリー35と処理水の界面よりも下方に配置し、被処理水をスラリー35中に流入させると、被処理水のフロックがスラリー35中のフロックが直接混合されてフロックが成長し、フロックの成長により水が分離する。水はカラム32内のスラリー35を通って上昇するが、このスラリー35が所謂スラリーブランケットとして作用し、処理水の濁度低減効果がより向上する。
高いスラリーブランケット効果を得るためには、スラリー35の界面高さとフロック濃度とを適切に管理する必要がある。そのため、カラム32下部には蓄積したフロック(スラリー35)を引き抜く配管を接続する。
引き抜いたスラリー35はそのまま凝集沈殿装置1a外部へ排泥することも可能ではあるが、返送手段25を設置し、引き抜いたスラリー35の一部又は全部を粗大フロックを形成する装置(工程)へ返送してフロックを循環させる。返送手段25は特に限定されないが、スラリー35が通る配管を有し、必要に応じて、ポンプ等の送液手段や逆流防止弁なども設置する。
返送手段25の返送先は特に限定されないが、返送したフロックは粗大フロックの成長に寄与するため、有機高分子凝集剤の添加場所と同じ場所、その添加場所よりも下流側のいずれか1か所以上とする。ここで、「同じ場所」とは、添加場所が近接する場合も意味し、具体的には、有機高分子凝集剤が添加される装置(槽に加え、配管などの流路も含む)と同じ装置を意味する。「下流側」とは、固液分離装置31に近い側を意味し、固液分離装置31も含む概念である。いずれの場合も、スラリー35は、微フロックが粗大フロックに成長する、緩速撹拌状態の被処理水に返送されることとなる。ここではスラリー35はフロック形成槽24に返送される。
このときの返送量(循環比)は特に限定されず、スラリー35の界面高さに応じて任意に設定可能であるが、例えば、凝集沈殿装置1aへの被処理水流入量に対し、0.2〜0.8倍、例えば0.5倍程度(体積比)で運転可能である。
返送されたスラリー35はフロックを高濃度に含むため、上述したように、粗大フロックの形成が促進される。スラリー35中のフロックを取り込んで成長したフロックは固液分離装置31に送られ、固液分離後に再び緩速撹拌工程へ返送されるので、フロックが循環することになる。その結果、凝集沈殿装置1aの系内のフロック濃度が高くなり、微フロックの凝集速度がより向上する。
以上は、固液分離装置31に上向流カラムを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、スラリー循環型、スラッジ・ブランケット型、複合形などの高速凝集沈殿装置の他、横流型の固液分離装置(横流型沈澱池)なども用いることができる。省スペース化などの点では、図2の上向流カラムや高速凝集沈殿装置が好ましい。以下、高速凝集沈殿装置を用いた具体例について説明する。
[第2の実施形態]
図3の符号1bは高速凝集沈殿装置(スラリー循環型)からなる固液分離装置41を用いた凝集沈殿装置を示しており、図2と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。
この固液分離装置41は、タンク状の装置本体42を有しており、装置本体42の内部には、筒状の外側ドラフトチューブ43が立設され、外側ドラフトチューブ43には、外側ドラフトチューブ43より小径筒状の内側ドラフトチューブ44の上端が挿入されている。
内側ドラフトチューブ44の下端は外側ドラフトチューブ43から突き出され、突き出された部分は装置本体42の底面に向かうほど円錐状に広がっている。この固液分離装置41では、内側ドラフトチューブ44の円錐状に広がった内部空間が撹拌部47となり、この撹拌部47で流体を撹拌する撹拌装置45が設置されている。撹拌装置45は特に限定されないが、例えば撹拌モーターによって駆動する撹拌翼を有している。
粗大フロックが形成された被処理水は、フロック形成槽24から撹拌部47に供給されると、撹拌翼の回転により、撹拌部47の外側の沈殿部49から流入したスラリー35と撹拌混合される。このときの撹拌により上向流が生じ、被処理水が混合されたスラリー35は内側ドラフトチューブ44内を、フロックが沈降しない程度に緩やかに水流撹拌されながら上昇する。
このときフロック同士が接触して合体し、更に成長する。従って、この固液分離装置41では、撹拌部47上方の内側ドラフトチューブ44で囲まれた空間が、フロックが成長する形成部48となる。形成部48の撹拌は通常撹拌部47での撹拌より撹拌強度が弱く、その撹拌方法は特に限定されないが、例えば、撹拌部47から撹拌翼によって噴出される水流による撹拌でよく、別の撹拌翼(撹拌装置)を設けて撹拌しても良い。
外側ドラフトチューブ43の上端は内側ドラフトチューブ44の上端よりも上方へ突き出ており、形成部48で成長したフロックは、撹拌部47から順次上昇するフロックにより、内側ドラフトチューブ44の上端から外側ドラフトチューブ43で囲まれた空間へ溢れ出て、溢出スラリー流となり、外側ドラフトチューブ43と内側ドラフトチューブ44の間の隙間を下降する。
この隙間を通る間にもフロック同士が接触し、合体する。従って、この固液分離装置41では、撹拌部47から沈殿部49迄の間、すなわち、形成部48と、チューブ43、44の隙間とを通る間にフロックが成長する。成長したフロックは、チューブ43、44の外部空間である沈殿部49へ流出する。
沈殿部49では、処理液の上昇流速と釣り合う終端速度のフロックが、スラリーブランケットを形成しており、スラリーブランケットを通過して清澄化された水は、スラリー35の界面を経て上澄液となり、処理水として固液分離装置41から排出される。すなわち、この固液分離装置41では、少なくとも沈殿部49が固液分離手段として機能する。
撹拌部47から形成部48へ流れる水量は、固液分離装置41外部から撹拌部47へ流入する水量よりも大きいが、これは撹拌装置45による水の噴出し作用によるものである。このため、形成部48から沈殿部49へ流れる水量の一部は、沈殿部49の底部において撹拌部47へ吸込まれる。この沈殿部の底部における撹拌部47への流れが流入スラリー流であり、沈殿部の底部のスラリー35は、ポンプなどの流体移送手段を用いることなく撹拌部47へ返送されることになり、返送されたスラリー35のフロックが、形成部48でのフロック成長に寄与することになる。
この固液分離装置41においても、スラリー35は粗大フロックを高濃度に含むため、フロック形成槽24へスラリー35を返送して循環させることで、フロックの成長がより促進され、処理水の水質が向上する。
いずれの実施形態においても、被処理水に含まれる汚濁物質に由来する汚泥(フロック)は、フロック形成槽24と固液分離装置31、41との間を循環するスラリー35に蓄積されるため、スラリー35の汚泥濃度は徐々に上昇する。汚泥濃度が上昇すると固液分離装置31、41でのスラリー35と上澄水との界面が徐々に上昇するため、排泥や捨て水、特に排泥による調整が必要となる。
排泥はスラリーの一部を系外に引抜けば良いが、汚泥処理量を抑制するため汚泥濃度が高いスラリーを引抜くことが望ましい。そのため、固液分離装置31、41の下部や循環スラリー35の一部を引抜くことが好ましい。
スラリー35の引き抜きは固液分離装置内の界面高さに応じて実施すればよいが、界面高さを直接測定することが困難な場合、間接的に測定してもよく、例えば、循環スラリーの汚泥体積(SV)を測定して代替することができる。具体的にはスラリーをメスシリンダーに分取し、所定時間(例えば5分間)静置し、5分後の汚泥体積を百分率で評価する。本発明でのSV値は、フロック形成槽24のスラリー(被処理水)であれば10〜15%程度、固液分離装置31、41の循環スラリー35であれば40〜60%程度に維持することが好ましい。
以上は、固液分離装置31、41と混和槽22の間にフロック形成槽24を設置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。
[第3の実施形態]
図4の符号1cは第3の実施形態の凝集沈殿装置を示しており、図2及び図3と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。この凝集沈殿装置1aではフロック形成槽24は必ずしも必要ではない。
被処理水は混和槽22など、固液分離装置41の前段の装置で無機(有機)凝結剤が添加、撹拌混合された後に、配管等の小径の流路を通って固液分離装置41の撹拌部47へ流入する。この固液分離装置41では、混和槽22よりも下流側であって、スラリーブランケット効果を奏する沈殿部49よりも上流側、例えば、混和槽22と固液分離装置41との間の流路(配管)と、撹拌部47と、形成部48とから選択される一ヶ所以上、より好ましくは上記流路と撹拌部47の少なくとも一方に凝集剤供給手段14が接続されている。
図4の固液分離装置41では、図3の装置と同様に、撹拌部47、形成部48、沈殿部49を通るスラリー35の循環が発生し、形成部48又はその前段(撹拌部47や配管)で有機高分子凝集剤が添加されるため、スラリー35が形成部48を緩やかに水流撹拌されながら上昇する際に、沈殿部49から供給されるスラリー35と、有機高分子凝集剤との作用により、フロックの粗大化が促進される。
すなわち、この固液分離装置41では、撹拌部47とその下流側(形成部48)が有機高分子凝集剤の添加により粗大フロックが成長するフロック形成槽として機能し、沈殿部49から撹拌部47への流路がフロックの返送手段として機能し、スラリー35は沈殿部49から、有機高分子凝集剤と同じ場所又はその下流側(撹拌部47、形成部48)に返送されることになる。
図4の凝集沈殿装置1cでは、有機高分子凝集剤と微フロックをよく混合することが重要なため、配管に有機高分子凝集剤を注入する場合は注入後にラインミキサーや屈曲配管を設け、有機高分子凝集剤を被処理水によく分散させることが望ましい。
撹拌部47で有機高分子凝集剤を添加する場合、撹拌装置45の撹拌により、有機高分子凝集剤とフロックの混合が促進されるが、さらに混合を促進させるため、有機高分子凝集剤の注入部を複数に分割し、有機高分子凝集剤を撹拌部47の多点で注入することも可能である。形成部48で有機高分子凝集剤を添加する場合、その分散を向上させるため、撹拌部47からの噴出水流だけではなく、別の撹拌装置(撹拌翼)を設置し、形成部48を撹拌することも可能である。
また、未反応の無機(有機)凝結剤と有機高分子凝集剤が直接反応すると処理水の濁度が悪化するため、有機高分子凝集剤の添加場所から無機(有機)凝結剤の添加場所へ被処理水が逆流しないようにする。例えば、無機(有機)凝結剤の添加場所(混和槽)と有機(無機)凝結剤の添加場所とを完全に分離した別の装置(槽)とし、それらの添加場所を小径の配管等を介して接続しておくことで逆流は防止される。或いは、添加場所の間に逆流防止弁(バルブ)等を設置してもよい。
より好ましくは、いずれの実施形態においても、有機高分子凝集剤の添加場所よりも前段の装置(槽)において、無機(有機)凝結剤と被処理水を撹拌混合し、未反応の無機(有機)凝結剤が有機高分子凝集剤の添加場所に流入しないようにする。例えば、混和槽22での滞留時間(即ち撹拌時間)を長くして(例えば1分以上、好ましくは2分以上)、有機高分子凝集剤の添加場所への未反応の無機(有機)凝結剤の流入を防止することもできる。特に有機高分子凝集剤を配管注入する場合、混和槽22から十分離れた位置で有機高分子凝集剤を添加し、無機(有機)凝結剤と被処理水とを十分に混合させておく。
本発明の凝集沈殿装置並びに凝集沈殿方法は特に限定されず、上記以外の固液分離装置を用いることも可能であるし、凝集沈殿装置1a、1b、1cに他の槽や装置を組み込むことも可能である。このような槽(装置)としては、例えば、着水井、生物処理槽、活性炭槽、濾過膜、塩素処理槽などがある。
いずれの場合も、固液分離装置31、41のスラリー35を循環させることでフロック成長が促進され、最終的に固液分離装置31、41内のスラリー35の沈降状態が適切に維持されて、スラリーブランケットとしての固液分離性が向上する。従って、スラリー35の沈降状態が適切に維持されるのであれば、スラリー35は常時循環させる必要はない。
しかし、原水の状態や環境変化により、スラリー35の沈降状態は変動することがある。例えば、凝集沈殿装置1a〜1cへ流入する被処理水の性状が大幅に変化するような場合、より具体的には豪雨などで被処理水の汚濁物質の負荷が急激に増加した場合、無機(有機)凝結剤の注入率の不足などにより、凝集状態の悪化や、固液分離装置31内での水流の乱れが生じる。
また、被処理水の水温の急激な変動や夏季など気温が高い場合、固液分離装置31、41内で水温の分布幅が大きくなると密度流が生じる。フロックの比重は小さいため、密度流でもフロックの舞い上がりが生じる。このように、スラリー35の沈降状態は変動が起こると、スラリー35界面の上昇(低下)や、スラリー35界面が乱れ、固液分離能、微細フロックの凝集能に影響を及ぼす。
捨て水などにより固液分離装置31、41への被処理水の流入量を制限するか、固液分離装置31、41からの排泥(返送)量を変動させてスラリー35の界面高さを制御することも可能であるが、捨て水や排泥のみではスラリー35の沈降状態の改善は困難である。
上述した有機高分子凝集剤と返送スラリーの併用によりフロック凝集性は補われるが、沈降状態をより安定させるためには、スラリー35の返送と共に、又は、スラリー35の返送とは別に、有機高分子凝集剤の添加量を制御してフロックの凝集性を安定化させ、固液分離装置31におけるスラリー35の沈降性を改善することができる。以下に具体的に説明する。
[第4の実施形態]
図5は凝集沈殿装置2aの一例を示しており、図2〜4と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。固液分離装置は特に限定されないが、ここでは、横流型の固液分離装置51(横流型沈澱池)を用いた場合について説明する。
この固液分離装置51は沈殿槽52を有しており、フロックが形成された被処理水は、フロック形成槽24などの前段の槽又は装置から沈殿槽52に導入され、比重差によりフロックが沈殿槽52内で沈降して固液分離される。
横流型の固液分離装置51でも、スラリー35の沈降状態が悪化すると、固液分離性が低下する。そこで、スラリー35の沈降状態を改善するため、制御部55を設置する。制御部55は、特に限定されないが、凝集沈殿装置2aの内部又は外部に設置されており、スラリー35の沈降状態が情報として入力される。
スラリー35の沈降状態を示す情報は特に限定されないが、通常、沈降状態が乱れるとそのスラリー35と上澄液(処理液)との界面59に異常や変動が現れるので、スラリー35の界面状態を情報として取得し、制御部55に入力する。
より具体的には、界面59そのものを測定するために、固液分離装置51(沈殿槽52)の汚泥体積(SV)を測定し、これが急激に増加した場合に有機高分子凝集剤を添加する制御方法が挙げられる。SV値は固液分離装置51のスラリー35をメスシリンダーに分取し、所定時間(例えば5分間)静置し、5分後の汚泥体積を百分率で評価する。なお、固液分離装置51のSV値は、その上流側のSV値に影響を受けるため、上流側のSV値(例えばフロック形成槽24のSV値)を測定し、その測定値から界面59状態を把握することもできる。
SVを測定するタイミングは特に限定されず、定期的に測定してもよいし、被処理水の流入量や気温など異常要因が発生したとき、或いは、異常を実際に検知したときに測定してもよい。SVは日常点検の項目としておき、測定データ数を多くしておくことで、異常値があった場合の判断をしやすくすることができる。
実際に測定したSV値と過去のSV値は、それぞれ単独又は組み合わせて制御部55に入力される。制御部55は、これらSV値を基に、又は、温度(例:気温、水温)、水量(例:流入量、流出量)、処理条件(例:撹拌速度、無機(有機)凝結剤の種類や量)などの1以上の要因データとSV値とを関連付け、有機高分子凝集剤の添加情報を決定する。
この添加情報は、例えば、有機高分子凝集剤の添加の開始/終了、有機高分子凝集剤の添加量/添加速度/添加濃度、2種以上の有機高分子凝集剤を使用する場合は添加すべき有機高分子凝集剤の種類など、1又は複数種類の情報を含む。
凝集剤供給手段14は、ポンプ、バルブ、マスフローメーター等の流量制御手段を有しており、流量制御手段は制御部55からの添加情報に従い、有機高分子凝集剤の添加を開始、終了、又は添加量を増減させる。
従って、原水の濁度が急激に増加して無機(有機)凝結剤の注入率が不足したような場合でも、従被処理水には適量の有機高分子凝集剤が添加されてフロックの凝集性が補われ、凝集性が向上したフロックが固液分離装置51に送られることになる。これにより、固液分離装置51でのスラリー35の沈降性が改善され、固液分離能が向上するので、安定した水質の処理水が得られる。また、有機高分子凝集剤が過剰に添加されることもないので経済性に優れ、有機高分子凝集剤の添加量が制限される浄水用途に特に適している。
以上はSV値により沈降状態を判断する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。類似の方法として、固液分離装置51に界面計58のような界面59を直接測定する測定手段を設置し、界面計58の指示値を参考とすることもできる。この場合、制御部55は、例えば、スラリー35の界面59が上昇した場合に有機高分子凝集剤を添加する。界面計58は特に限定されないが、その一例として、固液分離装置51内に上下に移動できるセンサーを設ける。
このセンサーは発光器と受光器が設けられており、受光器での光強度が検出できるようになっている。例えばこのセンサーが固液分離装置51(沈殿槽52)の上から下へ移動すると、最初は濁度成分の少ない上澄液を通過するため、受光器での光強度は高い。センサーがスラリー35の界面59に到達すると、スラリー35中のフロックの影響で光が吸収され、受光器での光強度が低下する。この光強度の低下を検出したセンサー位置が界面位置となる。
スラリー35の界面59を簡易に観察する別の方法として、発光器と受光器を向い合せて設置したセンサーを設け、受光器での光強度の低下を検出して界面位置を測定する方法も挙げられる。この方式でもセンサーは上下に移動できるようにしておき任意の高さで測定可能とすることが好ましい。
いずれの場合でも、界面位置情報は、SV値と同様に、定期的又は異常(要因)を検知したときに測定され、制御部55は時間当たりの界面位置の変化量が正に大きくなった場合を界面上昇時と判断して、有機高分子凝集剤の添加を開始(又は増量)し、界面位置が低下を検出したら、有機高分子凝集剤の添加を終了(又は減量)する制御が特に適している。
有機高分子凝集剤の添加を制御する場合、固液分離装置51は横流式に限定されず、図3と同様の高速凝集沈殿型の固液分離装置41を用いた凝集沈殿装置2bでもよいし(図6)、図2と同様の上向流カラム型の固液分離装置31を用いた凝集沈殿装置2cでもよい(図7)。上向流カラム型では、センターウェル33ではなくカラム32内での界面59の位置を測定し、高速凝集沈殿型では形成部48ではなく沈殿部49の界面59の位置を測定する。
有機高分子凝集剤の添加位置は特に限定されず、フロック形成槽24に添加する他、固液分離装置41の撹拌部47や形成部48に添加してもよいし、図6に示したように、固液分離装置41の前段の流路(配管)に添加してもよい。混和槽22で生成した微フロックと有機高分子凝集剤が十分に混合されることが重要のため、配管に有機高分子凝集剤を注入する場合は、注入後にラインミキサーや屈曲配管を設置し、有機高分子凝集剤を十分に分散させることが望ましい。また、未反応の無機(有機)凝結剤と有機高分子凝集剤が直接反応すると、処理水の濁度が悪化するため、特に有機高分子凝集剤を流路(配管)に注入する場合、混和槽22から十分離間した位置で注入する。
有機高分子凝集剤の添加を制御しながら、スラリー35を返送して循環させることも可能であり、適正量の有機高分子凝集剤の存在下で、粗大フロックが循環することで、フロックの成長がより促進される。
スラリー35の循環は常時行う必要はなく、固液分離装置31、41、51で異常が発生した場合、フロックの沈降性を改善する手段として行うことができる。固液分離装置31、41、51の異常としては、上記スラリー35の界面位置がある。従って、制御部55は、有機高分子凝集剤の添加と共に、又は、有機高分子凝集剤の添加とは別にスラリー35の返送をも制御し、スラリー35の沈降状態を正常に維持することができる。
ここで、スラリー35の返送制御とは、例えば、返送の開始、終了、返送量の増減があり、直接又は間接的に測定されるスラリー35の界面位置(界面状態)や後述する水温に基づき、制御部55で制御することができる。
以上は界面計58などでスラリー35の状態を直接測定する場合について説明したが本発明はこれに限定されない。スラリー35の沈降状態が悪化する要因を検知した場合に、沈降状態に異常が発生したと間接的に判断することもできる。以下、第5、第6の実施形態について説明する。
[第5の実施形態]
図8の凝集沈殿装置2dは、スラリー35の界面状態を間接的に測定する手段として濁度計56を具備する。この濁度計56は被処理水(原水)の濁度を測定できる場所、例えば、混和槽22の上流側に設置されている。被処理水の濁度は、常時又は定期的に測定し、好ましは常時測定し、濁度に関するデータを収集しておく。
制御部55には、濁度の基準となる値(例:正常状態の濁度)が設定されており、制御部55は、測定される濁度Vが基準値(基準値上限VU)を超えた場合は、有機高分子凝集剤の添加を開始(又は増量)させ、測定される濁度が基準値(基準値下限VL)より低下した場合には、濁度が急増したと判断し、有機高分子凝集剤の添加を終了(又は減量)させる。なお、制御方法は特に限定されず、時間当たりの濁度変動量δが、設定した変動量(正の値)δを超過した場合に濁度が急増したと判断することもできる。
濁度が急激に変化する場合は、スラリー35の沈降状態が乱れて界面59が変動し、固液分離性が低下するので、有機高分子凝集剤の添加量を制御することで、スラリー35のフロックの沈降性を向上させ、固液分離性を高めることができる。
[第6の実施形態]
図9の凝集沈殿装置2eは、スラリー35の界面状態を間接的に測定する手段として温度計57を具備する。この温度計57は、固液分離装置41の温度を測定可能に設置されている。温度計57の設置場所や設置方法は特に限定されないが、好ましくはスラリー温度(水温)を測定し、特に高速凝集沈殿型の固液分離装置41では、スラリーブランケット効果を奏する沈殿部49の界面59の変動を検出するため、好ましくは沈殿部49での水温(スラリー温度)を測定する。
水温は常時又は定期的、好ましくは常時測定する。水温が急激に変化すると密度流が生じ、フロックの沈降状態が乱れるので、例えば、時間当たりの温度変化がある一定量を超えたときに有機高分子凝集剤を添加(又は増量)することができる。
水温変動が無い場合であっても、夏季など気温が上昇した場合、固液分離装置41の壁面に近い部分と装置中央部とで水温差が生じる場合がり、この水温差も密度流による沈降状態の乱れにつながる。従って、温度計57で複数箇所、例えば装置本体42の壁面からの距離が異なる場所で水温を測定し、場所による温度差δtpが一定の値δtsを超えたときに有機高分子凝集剤を添加(又は増量)することもできる。
更には、夏季などある期間にのみ日常的に密度流が発生する場合は、密度流が発生する期間のみ有機高分子凝集剤を添加し、それ以外の期間では有機高分子凝集剤の添加量を制御せずに一定量継続的に添加するか、有機高分子凝集剤を添加しないことも可能である。
沈降状態の悪化要因は温度(水温)や濁度に限定されない。凝集沈殿装置2a〜2eへの被処理水の流入量、外気温、スラリー35の返送(排泥)量、処理水の流出量などの他の要因の異常を検知して沈降状態の異常を判断し、界面59を間接的に測定することもできる。更に、界面計58やその他検知手段(濁度計56、温度計57)と、固液分離装置31、41、51の組合せは図示したものに限定されない。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
先ず、スラリー35の循環をさせる場合の具体例Aについて説明する。
<実施例A1:上向流カラムでの有機高分子凝集剤添加効果>
本実施例では図2に示すように上向流カラムを持つ固液分離装置31を組み合わせて処理試験を実施した。被処理水は河川水を想定し、水道水にカオリンを添加し濁度を10度になるように調整した。この被処理水を3.2L/分の割合で混和池(混和槽22)に供給した。
混和槽22ではPACを20mg/Lとなるように添加し、撹拌した。実施例A1での混和槽の滞留時間は2分に設定した。また、撹拌速度は撹拌翼の周速で0.5m/秒に設定した。
混和槽22で凝結したフロックを生成させた後、被処理水を容積16Lのフロック形成槽24に供給した。なお、上向流カラムへの流入量を調整するため、混和槽22から流出した被処理水の一部は、流量調整用捨て水として系外に排出した。
フロック形成槽24では流入した被処理水に有機高分子凝集剤を添加した。本実施例では有機高分子凝集剤としてエバグロースWA−542(アニオン性有機高分子凝集剤、水ing株式会社製、以下単にWA−542とする)を添加した。有機高分子凝集剤の添加率は被処理水に対し0.2mg/Lに設定した。フロック形成槽24での滞留時間はカラム32でのアップフローによって約7分(アップフロー200mm/分)と約9分(アップフロー150mm/分)、約28分(アップフロー50mm/分)に設定した。また、撹拌速度は撹拌翼の周速で0.14m/秒に設定した。
フロック形成槽24では微フロックと有機高分子凝集剤とを混合して粗大フロックを形成した後、上向流沈澱池(固液分離装置31)に被処理水を供給した。上向流沈澱池は上部から被処理水を供給し、カラム32内のセンターウェル33で下向きに被処理水を流した。カラム32の内径は120mm、カラム32全体の高さは1200mmであった。センターウェル33の開口部はカラム32底部から580mmの高さに設置した。カラム32底部にはスラリーを引抜く配管を設置し、ローラーポンプで引抜いたスラリーをフロック形成槽24に循環させる配管を設けた。被処理水に対する循環水量の比は0.5Q(体積流量比)に設定した。
対照系として同じ実験装置で有機高分子凝集剤を添加しない条件で運転した場合の処理水の濁度を図10に示す。上向流カラム内でのアップフローは50mm/分、100mm/分に設定した。
無機凝結剤のPACのみを添加した系では、アップフロー50mm/分で平均2.2度、アップフロー100mm/分では6.2度であり、アップフロー50mm/分では被処理水濁度の約80%が除去できたものの、100mm/分では40%の除去にとどまった。
有機高分子凝集剤(WA−542)を0.2mg/L添加した系での処理水濁度を図11に示す。有機高分子凝集剤無の結果と比較すると、同じアップフロー100mm/分で処理水の平均濁度は0.5度まで低下しており、大幅に処理水水質が改善した。また、アップフロー150mm/分でも、濁度のばらつきは大きいものの平均濁度は1.2度であり、良好な水質が得られた。一方、アップフローを200mm/分とすると、平均濁度は3.1度まで増加したことやカラム内のスラリー界面の上昇が著しいことから、実施例A1の条件では許容できるアップフローは150mm/分程度であった。
上記実施例A1の結果から、無機凝結剤の添加撹拌後に有機高分子凝集剤を添加する工程と、スラリー循環工程とを組合せることで、アップフローが150mm/分と高速でも十分に処理が可能であることが証明され、これにより、カラム(固液分離装置)や槽の小型化、すなわち、凝集沈殿装置全体の小型化が可能であることが確認された。
<実施例A2:有機高分子凝集剤添加位置>
実施例A2では無機凝結剤(PAC)の添加位置を変えた影響を調査した。実施例A1でのアップフロー100mm/分での結果(混和池添加)に対し、PACを混和槽22ではなくフロック形成槽24に添加した場合の処理水濁度を比較した。
実施例A2では図12に示す様に、フロック形成槽24a、24bを2槽並べ、槽下部が開口部となっている水槽を用い、上流側のフロック形成槽24aには無機凝結剤(PAC)と循環したスラリー、下流側のフロック形成槽24bには有機高分子凝集剤を添加した。なお、上流側フロック形成槽24aでの撹拌速度は実施例A1の無機凝結剤用の撹拌速度と周速が同じになるように調整しており、撹拌状態には大きな違いはなかった。
処理水の濁度を図13に示す。混和槽22にPACを添加した実施例A1の平均濁度は0.5度であったが、上流側フロック形成槽24にPACと循環スラリーを添加した実施例A2の平均濁度は2.4度であり、水質が悪化した。実施例A2の水槽の構造では、配管などよりも遥かに大径な開口部で2つの槽24a、24bを連結しているため、下流側フロック形成槽24bに添加された有機高分子凝集剤や有機高分子凝集剤含有フロックが上流側フロック形成槽24aに逆流し、また、循環スラリーそのものも供給されるため、未反応のPACと有機高分子凝集剤や循環スラリーが反応してしまい、有効なPACが減少してしまったことが考えられた。このため、微フロックが十分形成せず、未凝結のカオリン粒子がそのまま処理水に流出し、濁度が上昇したことが考えられた。
一方、実施例A1では混和槽22とフロック形成槽24が配管で接続されており、フロック形成槽のスラリーは混和槽22側に逆流しない構造となっている。このため、混和槽で添加されたPACは全て微フロック形成に利用されており、未凝結のカオリン粒子の流出が抑えられたと考える。以上の結果より、無機(有機)凝結剤と有機高分子凝集剤を、配管などで分離した別槽(装置)で添加するか、逆流防止手段の設置などにより、PAC添加位置と有機高分子凝集剤添加位置は完全に分離することが良好な水質を得るために必要であることが示された。
<実施例A3:スラリー循環を設けない実施例>
実施例A3は、実施例A1(図2)と同様の装置構成としたが、実施例A1と比較して上向流沈澱池(カラム)からのスラリー循環をなくして処理試験を実施した。その他の運転条件は実施例A1と同等である。
実施例A3ではスラリーを循環させないため、フロック形成槽24にはほとんどフロックが無い状態であった。
アップフローを150mm/分とした場合の処理水の平均濁度を図14に示す。スラリー循環無の実施例A3では平均濁度が1.4に上昇し、また濁度変動も大きくなったことから、循環を行った実施例A1と比較すると、スラリー循環を併用したほうが水質が安定することが示された。
実施例A3のフロック形成槽24を観察すると、有機高分子凝集剤の添加によりフロックがあるが互いに衝突して粗大化する効果が期待できないことが確認された。このため、フロックが粗大化できず、アップフローが大きい場合、カラム32内でフロックの沈降速度がアップフローを下回り、流出することで水質が悪化することが考えられた。
この結果より、スラリーを循環させてフロック形成槽のフロック濃度を高めることで、フロックの粗大化が期待でき、沈降速度の改善につながると考えられた。
<実施例A4:有機高分子凝集剤の添加量>
実施例A4では有機高分子凝集剤の添加量を変えた効果を検討した。本試験では有機高分子凝集剤にエバグロースWA−142(アニオン性有機高分子凝集剤、水ing株式会社製、以下単にWA−142とする)をもちいた。実施例A1と同じ装置を用い、WA−142添加量を0.4mg/L〜0.8mg/Lで変化させた。上向流カラム内でのアップフローは150mm/分に設定した。
処理水の濁度を図15に示す。本実施例のいずれの条件も平均濁度は1度程度であり、良好な処理水水質が得られることを確認できた。本実施例での有機高分子凝集剤の添加量の範囲では良好な水質が得られることが示された。また、実施例A1と有機高分子凝集剤の種類を変えても、良好な処理水水質が得られることも確認された。
次に、有機高分子凝集剤の添加を制御する具体例Bについて説明する。
<実施例B1:有機高分子凝集剤添加による沈降速度改善効果>
実施例B1では凝集沈殿処理で有機高分子凝集剤を併用によるフロックの沈降性改善効果を比較検討した。図2に示す様に混和槽22とフロック形成槽24を備えた凝集部と、上向流カラム型の固液分離装置31を用いた沈殿部を設けた試験装置を用い、沈殿部での上向流速を変えて、スラリー界面の膨張の度合いを比較した。ただし、この実施例B1ではスラリー35は返送させなかった。
河川水を想定し、水道水にカオリンを濁度10度となるように添加した模擬原水を被処理水として、試験装置に供給した。混和槽22では模擬原水を3.2L/分の流量で供給し、無機凝結剤のPAC(多木化学製250A)を20mg/Lの割合で添加した。混和槽22からの流出水は上向流束に合わせて一部を捨てて、フロック形成槽24に供給した。有機高分子凝集剤はアニオン性有機高分子凝集剤(水ing製WA−542)を所定の割合で添加し、フロック形成槽24で混合した後、カラム32に供給した。カラム32の内径は120mmであった。
カラム32にはあらかじめ各添加条件で調整したスラリー35をカオリン量が同じになるように充填しておき、上向流束を50mm/分と100mm/分の2種類に設定し、安定した状態のカラム32内のスラリー界面の高さを測定した。
図16に各条件でのスラリー界面高さを、有機高分子凝集剤の添加量(0.2mg/L、0.4mg/L)共に示す。PACのみを添加した「PAC単独」条件では上向流束が50mm/分、100mm/分のいずれも、界面高さが約800〜900mmであったことに対し、有機高分子凝集剤を添加すると界面高さは約300mm以下にとどまった。この結果より、有機高分子凝集剤を併用することでフロックの沈降速度が増加し、界面が低下することが確認できた。
<実施例B2:有機高分子凝集剤添加による沈降速度改善効果>
実施例B2では図2に示す装置で上向流束を変えてフロックの沈降状態を比較した。河川水を想定し、水道水にカオリンを濁度10度となるように添加した模擬原水を被処理水として、試験装置に供給した。混和槽22では模擬原水を3.2L/分の流量で供給し、無機凝結剤のPAC(多木化学製250A)を20mg/Lの割合で添加した。
混和槽22からの流出水は上向流束に合わせて一部を捨てて、フロック形成槽24に供給した。アニオン性有機高分子凝集剤(水ing製WA−542)を所定の割合で添加し、フロック形成槽24で混合した後、内径120mmのカラム32に供給した。実施例B2では、カラムへの事前のスラリー充填は行わず、被処理水を供給した。また、スラリー35の返送も行わなかった。結果を図17に示す。
PAC単独添加では上向流束の増加に伴い処理水の濁度が上昇したことから、フロックの沈降速度は小さいことが示された。また、WA−542添加率0.1mg/Lでは上向流束の増加に伴い処理水濁度が上昇したことから、この添加率ではフロックの沈降速度が小さいことが示された。
一方、WA−542添加率0.2mg/Lでは上向流束150mm/分、WA−542添加率0.4mg/Lでは上向流束200mm/分まで処理水濁度は2度以下で安定しており、これらの添加率では有機高分子凝集剤の添加によりフロックの沈降速度が改善しており、高い上向流束にもかかわらずフロックが沈降したことが示された。従って、有機高分子凝集剤はある程度の添加量(例:0.2mg/L以上)で使用すると、フロックの沈降状態が改善されると推測される。
<実施例B3:高濁原水での有機高分子凝集剤添加による沈降速度改善効果>
実施例B3では河川水で濁度が上昇した場合を想定し、有機高分子凝集剤添加効果を検討した水道水にカオリンを添加し、濁度が約100度になるように調整した被処理水を用いた。
この被処理水500mLにPAC(多木化学製250A)を60mg/Lの割合となるように添加し、直径80mmのパドル翼の撹拌機を用い150rpmの速度で3分間撹拌した。この3分の撹拌後に、有機高分子凝集剤であるアニオン性有機高分子凝集剤(水ing製WA−542)を0.2mg/Lと0.4mg/Lの割合で添加し、150rpmの速度で1分間撹拌した。
150rpm、1分間の撹拌終了後、いずれの系も50rpmで10分間撹拌し、フロックを形成させ後、フロックの沈降速度を比較した。結果を表1に示す。濁度が高い水でも有機高分子凝集剤の添加によって沈降速度が増加することが確認できた。
上記実施例B1〜B3から、有機高分子凝集剤を適正量添加することで、沈降状態が改善されることが確認された。この沈降状態の改善により、界面位置が安定すると推測される。
1a〜1c、2a〜2e:凝集沈殿装置
31、41、51:固液分離装置
12:凝結剤供給手段
14:凝集剤供給手段
22:混和槽
24、24a、24b:フロック形成槽
25:返送手段
32:カラム
33:センターウェル
35:スラリー
42:装置本体
43:外側ドラフトチューブ
44:内側ドラフトチューブ
45:撹拌装置
47:撹拌部
48:形成部
49:沈殿部
52:沈殿槽
55:制御部
56:濁度計
57:温度計
58:界面計
59:界面

Claims (10)

  1. 被処理水に、無機凝結剤と有機凝結剤の少なくとも一方を添加し、撹拌・混合して微フロックを形成し、
    微フロックが形成された被処理水に有機高分子凝集剤を添加して更に撹拌・混合し、微フロックを成長させて粗大フロックを形成し、
    前記粗大フロックを沈降させてスラリーと上澄液とに固液分離する凝集沈澱方法において、
    前記スラリーの少なくとも一部を、前記有機高分子凝集剤の添加場所と、当該添加場所よりも下流側のいずれか1か所以上に返送してフロックを循環させ、フロックの沈降性を改善することを特徴とする凝集沈殿方法。
  2. スラリーの界面高さに応じて、前記有機高分子凝集剤の添加量を制御する請求項1に記載の凝集沈殿方法。
  3. 汚泥体積(SV)と、被処理水の濁度の少なくとも一方を測定し、前記界面高さを間接的に測定する請求項2に記載の凝集沈殿方法。
  4. 返送前のスラリーの温度を測定し、前記有機高分子凝集剤の添加量を制御する請求項2又は3に記載の凝集沈殿方法。
  5. 前記有機高分子凝集剤としてアニオン系有機高分子凝集剤とノニオン系有機高分子凝集剤の少なくとも一方を用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載の凝集沈殿方法。
  6. 前記被処理水が浄水用の原水である請求項1〜5のいずれか1項に記載の凝集沈殿方法。
  7. 有機凝結剤と無機凝結剤の少なくとも一方を被処理水に添加する凝結剤供給手段と、
    前記有機凝結剤と前記無機凝結剤の少なくとも一方が添加された被処理水に、有機高分子凝集剤を供給する凝集剤供給手段と、
    前記有機高分子凝集剤が添加された被処理水を撹拌するフロック形成槽と、
    前記フロック形成槽の下流側に設置され、被処理水をスラリーと上澄液とに分離する固液分離装置と、
    前記固液分離装置のスラリーを、前記フロック形成槽と、前記固液分離装置と、前記固液分離装置と前記フロック形成槽との間の流路のいずれか一ヶ所以上に返送してフロックを循環させる返送手段と、
    を有することを特徴とする凝集沈殿装置。
  8. 前記固液分離装置のスラリー界面を直接又は間接的に測定し、その測定結果に基づき凝集剤供給手段を制御する制御部を更に有する請求項7に記載の凝集沈殿装置。
  9. 前記固液分離装置に設置された界面計と、前記固液分離装置に設置された温度計と、前記被処理水の濁度を測定する濁度計とから選択されるいずれか1つ以上に前記制御部が接続された請求項8に記載の凝集沈殿装置。
  10. 前記固液分離装置は、上向流カラムを具備する固液分離装置と、高速凝集沈殿装置とから選択される請求項7〜9のいずれか1項に記載の凝集沈殿装置。
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