JP2019169677A - ハイブリッド型素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却時に割れにくいハイブリッド型素子およびその製造方法を提供する。【解決手段】ハイブリッド型素子の製造方法は、複数の素子が形成された第1の基板の素子と素子の間の第1の基板に第1の切れ込み部を設け、導電性を持つ接合部で第2の基板120と接合し、第1、第2の基板の間の空隙を充填材で埋め、第1の基板を、前記第2の基板と接合している側と反対側から、第1の切れ込み部が現れるまで除去して分割された第1の基板群110にするものである。【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド型素子およびその製造方法に関し、特に、フリップチップ接続を用いたハイブリッド型素子およびその製造方法に関する。
近年、電子機器に対する高集積化、小型化、高性能化の要求が増大している。これらの要求を実現するために、バンプ電極を介して半導体基板を他の半導体基板に接続するフリップチップ接続を用いたハイブリッド型素子が広く採用されている。
このようなハイブリッド型素子の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1には、受光部と回路基板とが接合されたハイブリッド型イメージセンサ600が開示されている。ハイブリッド型イメージセンサ600は、インジウムバンプ630を用いて、受光部を備えた第1の半導体基板610と回路基板(第2の半導体基板620)とを接合した後に、接合の信頼性を高めるために第1の半導体基板610と第2の半導体基板620との間をアンダーフィル640によって充填する構造が採用されている。
また特許文献2には次のような赤外線検知素子が記載されている。赤外線検知素子は赤外線を検知するセンサ基板と、センサから出力(例えば電圧や電流の変化)を読み出す読み出し回路基板とをバンプの接合により貼り合わせて形成するが、センサ基板は化合物半導体基板であり、読み出し回路基板はシリコン基板であるため熱膨張率が異なる。そのためバンプ接合時の加熱で隣接バンプがショートする不具合がある。それを、駆動回路を個片化してから加熱、接合することで回避できるとしている。
また特許文献3は量子井戸型赤外線検知素子とその製造方法の発明であり、1つの赤外線検知素子(画素)と隣接する画素の間に分離溝を形成している。この分離溝は、赤外線入射面側が広く、その反対側つまり信号処理部を搭載した基板側が狭い、台形状の断面を有している。これによって、分離溝の傾斜面から画素内に進入した赤外線を活性層に小さな角度で入射させることができる。これにより、赤外線の検出効率が向上し、小型化及び高精細化しても良好な感度が得られる、としている。
特開2015−012075号公報 特開2014−007201号公報 特開2015−170645号公報
しかしながら、アンダーフィル材料を充填するだけではチップ割れを完全に防ぐことができず、冷却時に検出器が割れやすいといった問題があった。
特許文献2の赤外線検知素子では駆動回路を個片化しているが、センサ側は個片化していない。さらに特許文献2の図7及び(0028)段落の説明では、Siの回路基板(駆動回路基板300)を配線基板400に圧接した状態で駆動回路基板300だけを個片化し、その状態で加熱してInバンプ230を溶かし、センサ基板200と重ね合わせて圧接している。つまり個片化された駆動回路基板300は全て配線基板400上に乗っており、配線基板400の形状の縦横比が大きければ冷却時に割れやすい。
本発明の目的は、上述した課題である、チップの縦横比が大きい場合でも冷却時に割れにくいハイブリッド型素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明のハイブリッド型素子の製造方法は、複数の素子が形成された第1の基板の前記素子と素子の間の第1の基板に第1の切れ込み部を設け、導電性を持つ接合部で第2の基板と接合し、前記第1、第2の基板の間の空隙を充填材で埋め、前記第1の基板を、前記第2の基板と接合している側と反対側から、前記第1の切れ込み部が現れるまで除去して分割された第1の基板群にするハイブリッド型素子の製造方法である。
また本発明のハイブリッド型素子は、複数の素子が形成された第1の基板が複数の基板に分割された第1の基板群と、第2の基板と、前記第1の基板群と前記第2の基板を電気的に接合する接合部と、前記第1の基板群と前記第2の基板と前記接合部との間の空隙を封止する充填材と、を有し、前記第1の基板群それぞれに特定の機能を持たせたハイブリッド型素子である。
本発明によれば、冷却時に割れにくいハイブリッド型素子およびその製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るハイブリッド型素子の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上に接合部を形成した状態を示す。 本発明の第1の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上に切れ込み部を設けた状態を示す。 本発明の第1の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板と第2の基板を接合させた状態を示す。 本発明の第1の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板と第2の基板の空隙にアンダーフィルを充填した状態を示す。 本発明の第1の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板の裏面を切れ込み部まで研磨した状態を示す。 本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための平面図で、第1基板のフリップチップ面を示す。 本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド型素子の構成を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上に切れ込み部を設けた状態を示す。 本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上に接合部を形成した状態を示す。 本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板と第2の基板を接合させた状態を示す。 本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板と第2の基板の空隙にアンダーフィルを充填した状態を示す。 本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板の裏面を切れ込み部まで研磨した状態を示す。 本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための第1の基板のフリップチップ面を示す。 本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド型素子の構成を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上に切れ込み部を設けた状態を示す。 本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上に接合部を形成した状態を示す。 本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の半導体基板と第2の半導体基板を接合させた状態を示す。 本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板と第2の基板の空隙にアンダーフィルを充填した状態を示す。 本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板の裏面を切れ込み部まで研磨した状態を示す。 本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための平面図であり、第1の基板をフリップチップ面から見た平面図を示す。 本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド型素子の構成のうち、切れ込み部に充填されたアンダーフィルを除去せず残した状態を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係るハイブリッド型素子の構成を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上に切れ込み部を設けた状態を示す。 本発明の第4の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上に接合部を形成した状態を示す。 本発明の第4の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板と第2の基板を接合させた状態を示す。 本発明の第4の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板と第2の基板の空隙にアンダーフィルを充填した状態を示す。 本発明の第4の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板の裏面を切れ込み部まで研磨した状態を示す。 本発明の第5の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための第1の基板のフリップチップ面を示す。 本発明の第5の実施形態に係るハイブリッド型素子の構成のうち、切れ込み部に充填されたアンダーフィルを除去せず残した状態を示す斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係るハイブリッド型素子の構成を示す斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上に切れ込み部を設けた状態を示す。 本発明の第5の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上に接合部を形成した状態を示す。 本発明の第5の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板と第2の基板を接合させた状態を示す。 本発明の第5の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板と第2の基板の空隙にアンダーフィルを充填した状態を示す。 本発明の第5の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板の裏面を切れ込み部まで研磨した状態を示す。 本発明の第5の実施形態に係るハイブリッド型素子の製造方法を説明するための第1の半導体基板のフリップチップ面を示す。 本発明の実施例の赤外線ラインセンサの製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上に赤外線ラインセンサを形成した状態を示す。 本発明の第1の実施冷却の赤外線ラインセンサの製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上に切れ込み部を設けた状態を示す。 本発明の実施例の赤外線ラインセンサの製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板上にバンプを形成した状態を示す。 本発明の実施例の赤外線ラインセンサの製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板と第2の基板を接合させた状態を示す。 本発明の実施例の赤外線ラインセンサの製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板と第2の基板の空隙にアンダーフィルを充填した状態を示す。 本発明の実施例の赤外線ラインセンサの製造方法を説明するための断面図であり、第1の基板の裏面を切れ込み部まで研磨した状態を示す。 本発明の第6の実施形態を説明する断面図である。 本発明の第6の実施形態を説明する断面図である。 本発明の第6の実施形態を説明する断面図である。 本発明の第6の実施形態を説明する断面図である。 本発明の第6の実施形態を説明する断面図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係るハイブリッド型素子100の構成を示す斜視図である。ハイブリッド型素子100は、第1の基板群110、第2の基板120、および第1、第2の基板間にアンダーフィル140を有する。アンダーフィル140は、第1の基板群110間にも充填されている。図2Eに示すように、ハイブリッド型素子100は、第1の基板群110と第2の基板120が導電性の接合部130によってフリップチップ接合された構成である。第1の基板群110および第2の基板120は、典型的には回路基板等である。接合部130は、第1の基板111と第2の基板120にそれぞれ形成された回路部(機能部)の間の電気的な接続を行う。 第1の基板111は例えば化合物半導体基板であり、基板上に、赤外線を検出する光センサ回路(ラインセンサ)が搭載されている。化合物半導体基板の長辺が、一画素を単位とする単位素子毎に分割されて第1の基板群110になっている。また第2の基板120には例えばSi CMOS回路で構成された読み出し回路が搭載されている。検出しようとする赤外線は第1の基板111の光センサ回路のある側と反対側から入射させ、光センサ回路で光電変換して得た電気信号を、接合部130を通して読み出し回路に読み出す。
第1の基板111は縦横の寸法比が1:10程度と大きく、冷却時に割れやすい。しかし第2の基板120とフリップチップ接合した後に分離されて小さくなるので、冷却時のチップ割れを回避することができる。そのため信頼性が高いハイブリッド型素子100が得られる。
以上説明したように、本実施形態のハイブリッド型素子100によれば、フリップチップ接合を用いたハイブリッド型素子であって、高信頼性を維持しつつ高密度化に対応することができるハイブリッド型素子を得ることができる。
次に、本実施形態によるハイブリッド型素子の製造方法について説明する。図2AからEは製造方法を示す断面図である。図3は第1の基板111のフリップチップ面側から見た平面図である。
本実施形態によるハイブリッド型素子の製造方法においては、まず、第1の基板111と、第2の基板120を準備する。第1の基板111の平面形状は長辺と短辺を持つ矩形であり、単位素子が長辺方向に1列に並んで形成されている。第2の基板120の平面形状も長辺と短辺を持つ矩形とし、図1、3から分かるように長辺、短辺とも第1の基板111より寸法が大きい。図2Aに示すように第1の基板111には画素と画素の間全てに、短辺と平行に、基板を横断する切れ込み部150を設けておく。また基板の厚み方向には切れ込み部150は基板の途中まで形成する。切れ込み部150は素子分離部を兼ねているが、後の工程で画素間を切り離しやすいように通常の素子分離よりも深く切れ込みを形成するとよい。
そして図2Bに示すように、第1の基板111の切れ込み部150を入れた側に、単位素子160毎に金属材料からなる接合部130を形成し、図2Cに示すように第1の基板111と第2の基板120を接合する。接合は通常の方法で良い。例えば第1の基板111を接合部130が融解する温度に加熱し、第1の基板111を第2の基板120に接近させ、第2の基板120のコンタクト電極(不図示)と接合部130を接合して押圧する。その後第1の基板111を第2の基板120から離間する方向に引き上げて接合部130が縦長になるようにする。その後冷却する。
次に図2Dに示すように、第1の基板111と第2の基板120の空隙に充填材としてアンダーフィル140を注入し、機械的強度を上げる。アンダーフィルとして樹脂を用いる。接合部130を縦長にしておくと、2つの基板間の隙間が大きくなり、アンダーフィル140の充填性が改善されセンサの機械的強度が上がる。
続いて、図2Eに示すように、第1の基板111の裏面つまり切れ込み部150を入れていない側を、作製した切れ込み部150が見えるようになるまで研磨する。これにより、第1の基板111が第1の基板群110に分割される。これにより、基材となる第2の基板120に比べて、分割された第1の基板111が十分に小さくなることで、ハイブリッド型素子100の信頼性を高めることができる。
さらに、本実施形態によるハイブリッド型素子100の製造方法では、第1の基板群110は1画素毎に分離される。通常、基板分離部では光の反射により、検出部へ入射する光強度に差が出る。しかし、本実施形態によれば画素毎に第1の基板群110は分割されており、チップ分割部の影響は全ての素子に対して一様に働く。さらに、1画素毎に受光チップが分割されているので、もし一部の受光チップにひび割れが発生したとしても、隣のチップにまでその影響が及ばないため、影響を最小限に抑えることができる。
また特許文献2の(0015)段落には、「加熱時にバンプの位置ずれを生じさせないようにするには、GaAsのセンサ基板またはSiの回路基板を例えば画素ごとに分割して個片化し、相手側の基板に固定したうえで加熱接合することが考えられる。センサ基板側を分割した場合、分割したセンサチップの受光面を入射光に対して垂直に揃える必要があり、すべての画素の個片(例えば、画素ごとに個片化した場合、数万〜数十万個になる)をこのように揃える必要がある。」との記述がある。しかしこれは個片化した後に加熱接合しており、(0015)段落に明記されているように、すべての画素の個片について分割したセンサチップの受光面を入射光に対して垂直に揃える必要があり、多大な手間がかかる。
また特許文献3では、GaAs基板21上に量子井戸型赤外線検知素子を形成した後センサチップに分割し、そのあとダイシング装置を使用してGaAs基板21をセンサチップ20に分離し(0069段落)、チップ単位でシリコン基板51にフリップフロップ接続している(0072段落)。同文献には明記されていないが、チップ単位でシリコン基板に接合するため、特許文献2と同様に、すべての画素の個片について分割したセンサチップの受光面を入射光に対して垂直に揃える必要があり、極めて多大な手間がかかる。
しかし本実施形態では、特許文献2、3とは違って第1、第2の基板を接合した後に第1の基板を分割しているので、全ての画素の個片について分割したセンサチップの受光面を入射光に対して垂直に揃えるための極めて多大な手間が不要になる。
このように、本実施形態によるハイブリッド型素子100の製造方法によれば、フリップチップ接合を用いたハイブリッド型素子であって、高信頼性を維持しつつ高密度化に対応することができるハイブリッド型素子を得ることができる。
なお最近、センサが高密度化してきている。高密度化は、1つ1つの画素のサイズを小さくして高精細化することと、ラインセンサとしてセンサチップの長尺方向への素子数を増やす、という2つの意味合いがある。高密度化すると、長尺方向への素子数が増え、その結果チップの縦横比が大きくなり、また1つ1つの受光素子のサイズが小さくなると、接合に用いられる金属バンプの高さも低くなるため、2つの基板の歪みに弱くなる、と考えられる。どちらも画素数が増える方向であり、画素数が増えるとチップ割れが起こりやすくなる。本実施形態はこのような高密度化したセンサに対しても有効である。
〔第2の実施形態〕
図4は、本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド型素子200の構成を示す斜視図である。ハイブリッド型素子200は、第1の基板群210、第2の基板220、および第1、第2の基板間にアンダーフィル240を有する点は第1の実施形態と同じであるが、本実施形態では第1の基板211のフリップチップ接合側の表面にパッシベーション膜213でカバーされている点が異なる。パッシベーション膜には絶縁膜例えばSiO2等を用いる。アンダーフィル240は第1の基板群210間にも充填されている。つまり切れ込み部150は第1の基板側から見てパッシベーション膜213、アンダーフィル140がこの順に形成されている。図5Eの280は充填材でありアンダーフィルの突出部である。図5Eに示すように、ハイブリッド型素子200は、第1の基板群210と第2の基板220が接合部230によってフリップチップ接合された構成である。第1の基板群210および第2の基板220は、典型的には回路基板等である。接合部230は、第1の基板211と第2の基板220にそれぞれ形成された回路部(機能部)の間の電気的な接続を行う。
第1の実施形態と同様に、第1の基板211の長辺が、素子を単位とする1画素毎に分割されて第1の基板群になっている。
第一の基板群の基板間には、裏面研磨(エッチングによる裏面除去も含む)前に作製した溝(切れ込み部)に充填されていた樹脂やパッシベーション膜が突き出している。
本実施形態によるハイブリッド型素子200は、第1の基板が第2の基板とフリップチップ接合後に分離されて小さくなるので、冷却時のチップ割れを回避することができる。そのため信頼性が高いハイブリッド型素子200が得られる。また、第1の基板211を途中まで除去して単位素子に分割した後も、溝に充填されていた樹脂やパッシベーション膜が基板除去後も残る。そのため、第1の基板群210が研磨で除去された量を正確に測定できる。除去した基板の量は、削る前の高さと削った後の高さを比較しながら測定する。しかしチップ毎に基板厚さのズレがあるため、削った後の高さを測定するだけでは、残っている基板厚さの正確な値が分からない。しかし本実施形態ではアンダーフィルの突出部がパッシベーション膜であり、そのでっぱりの高さが基準になって、正確な削り厚さを求めることができる。アンダーフィルでも削り厚さの計測は可能であるが、アンダーフィルは樹脂を用いることが多く柔らかい場合が多い。そのため計測手法が限られる。
また充填材に用いる樹脂よりもパッシベーション膜に用いる絶縁膜の方が化学的に安定なことが多いので、パッシベーション膜を形成した方が基板除去の際の選択性が大きくなる。
以上説明したように、本実施形態のハイブリッド型素子200によれば、フリップチップ接合を用いたハイブリッド型素子であって、冷却時に割れにくくしかも高密度化に対応することができるハイブリッド型素子を得ることができる。
次に、本実施形態によるハイブリッド型素子の製造方法について説明する。図5Aから図5Eは製造方法を示す断面図である。図6は第1の基板211のフリップチップ面を示したものである。
本実施形態によるハイブリッド型素子の製造方法においては、まず、第1の基板211と、第2の基板220を準備する。第1の基板211の平面形状は長辺と短辺を持つ矩形であり、単位素子が長辺方向に1列に並んで形成されている。第2の基板220の平面形状も長辺と短辺を持つ矩形とし、図4,6から分かるように長辺、短辺とも第1の基板210より寸法が大きい。図5Aに示すように第1の基板211には画素と画素の間全てに、短辺と平行に、基板を横断する切れ込み部250を設けておく。また基板の厚み方向には切れ込み250は基板の途中まで形成する。切れ込み部を形成した後、第1の基板211の切れ込み部のある側にパッシベーション膜213を形成する。
その後図5Bに示すように、第1の基板211の切れ込み部250を入れた側に、単位素子毎に金属材料からなる接合部230を形成し、図5Cに示すように第1の基板211と第2の基板220を接合する。次に図5Dに示すように第1の基板211と第2の基板220の空隙には充填材としてアンダーフィル240を注入し、機械的強度を上げる。
続いて、図5Eに示すように、第1の基板211の裏面を、作製した切れ込み部250が見えるようになるまでケミカルエッチングする。これにより、第1の基板が第1の基板群に分割される。エッチング液として、充填材などは溶かさず第1の基板のみを溶かす選択性のあるものを選ぶと、溝に充填されていた充填材280が解け残って、第1の基板211から突出する。エッチング厚は、エッチング中に、溶け残った充填材280の第1の基板からの高さを計測することで、エッチング中に確認できる。これにより、基材となる第2の基板220に比べて、分割された第1の基板210が十分に小さくなることで、ハイブリッド型素子の信頼性を高めることができる。
さらに、本実施形態によるハイブリッド型素子の製造方法では、第1の基板群210は1画素ごとに分離される。通常、基板分離部では光の反射により、検出部へ入射する光強度に差がでる。しかし、本実施形態によれば画素毎に第1の基板群210は分割されており、チップ分割部の影響は全ての素子に対して一様に働く。
このように、本実施形態の製造方法によれば、フリップチップ接合を用いたハイブリッド型素子であって、冷却時に割れにくくしかも高密度化に対応することができるハイブリッド型素子を得ることができ、所望の基板厚に加工することが容易になる。
〔第3の実施形態〕
図7は、本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド型素子300の構成を示す斜視図である。ハイブリッド型素子300は、第1の基板群310、第2の基板320、および第1、第2の基板間にアンダーフィル340を有する点は第1、第2の実施形態と同じであるが、本実施形態では一つの単位素子に画素を複数備えている点が異なる。アンダーフィル340は、第1の基板群310間にも充填されている。図8Eに示すように、ハイブリッド型素子300は、第1の基板群310と第2の基板320が接合部330によってフリップチップ接合された構成である。第1の基板群310および第2の基板320は、典型的には回路基板等である。接合部330は、第1の基板311と第2の基板320にそれぞれ形成された回路部(機能部)の間の電気的な接続を行う。第1の基板群310は、1方向に複数の基板に分割されている。
本実施形態によるハイブリッド型素子300は、第1の基板が第2の基板とフリップチップ接合後に分離され、冷却時のチップ割れを回避することができ、信頼性が高いハイブリッド型素子300が得られる。
以上説明したように、本実施形態のハイブリッド型素子300によれば、フリップチップ接合を用いたハイブリッド型素子であって、高信頼性を維持しつつ高密度化に対応することができるハイブリッド型素子を得ることができる。
次に、本実施形態によるハイブリッド型素子の製造方法について説明する。図8AからEは製造方法を示す断面図である。図9は第1の基板311のフリップチップ面を示した平面図である。分割後の第1の基板群310には、それぞれ複数個の単位素子が形成されている。
本実施形態によるハイブリッド型素子の製造方法においては、まず、第1の基板311と、第2の基板320を準備する。第1の基板311の平面形状は長辺と短辺を持つ矩形であり、画素が二次元アレイ状に形成されている。図9から分かるように長辺方向には8画素、短辺方向には5画素、8×5=40画素が所定の間隔で形成されている。短辺方向の5画素で1つの単位素子を構成する。
第2の基板320の平面形状も長辺と短辺を持つ矩形とする。図7,9から分かるように長辺、短辺とも第1の基板311より寸法が大きい。図8Aに示すように第1の基板311には素子と素子の間全てに、短辺と平行に、基板を横断する切れ込み部350を設けておく。また基板の厚み方向には切れ込み部350は基板の途中まで形成する。第1の基板311には短辺方向に素子と素子の間に基板を横断する切れ込み部350を設けておく。
そして、図8Bに示すように、第1の基板311に、単位素子毎に、切れ込み部を入れた側に金属材料からなる接合部330を形成し、図8Cに示すように第1の基板311と第2の基板320を接合する。次いで図8Dに示すように、第1の基板311と第2の基板320の空隙には充填材としてアンダーフィル340を注入し、機械的強度を上げる。
続いて、図8Eに示すように、第1の基板311の裏面を、作製した切れ込み部350が見えるようになるまで研磨する。これにより、第1の基板311が第1の基板群310に分割される。これにより、基材となる第2の基板320に比べ分割された第1の基板が十分に小さくなることで、ハイブリッド型素子の信頼性を高めることができる。また、図10に示すように、選択エッチングを行うことで、本実施形態においても充填材を残すことが可能である。
さらに、本実施形態によるハイブリッド型素子の製造方法では、第1の基板群310は画素が短辺方向に1列に並んだ単位素子毎に分離されている。
このように、本実施形態の製造方法によれば、フリップチップ接合を用いたハイブリッド型素子であって、冷却時に割れにくくしかも高密度化に対応することができるハイブリッド型素子を得ることができる。なお本実施形態でも前述のパッシベーション膜を形成してもよいことは明らかである。
〔第4の実施形態〕
図11は、本発明の第4の実施形態に係るハイブリッド型素子400の構成を示す斜視図である。ハイブリッド型素子400は、第1の基板群410、第2の基板420、および第1、第2の基板間にアンダーフィル440を有する点及び1つの単位素子内に画素が複数形成されている点は第3の実施形態と同じであるが、本実施形態では切れ込み部を第1の基板の短辺方向と平行な方向だけでなく、長辺方向と平行な方向にも形成している点が異なる。アンダーフィル440は、第1の基板群410間にも充填されている。図12Eに示すように、ハイブリッド型素子400は、第1の基板群410と第2の基板420が接合部430によってフリップチップ接合された構成である。第1の基板群410および第2の基板420は、典型的には回路基板等である。接合部430は、第1の基板群410と第2の基板420にそれぞれ形成された回路部(機能部)の間の電気的な接続を行う。
第1の基板群410は、縦横に複数の基板に分割されている。また、分割された各第1の基板群410には、複数の単位素子460が複数個形成されている。
本実施形態によるハイブリッド型素子400は、第1の基板411が第2の基板420とフリップチップ接合後に縦横とも分離されて小さくなるので、冷却時のチップ割れを縦横両方向とも回避することができ、より信頼性が高いハイブリッド型素子400が得られる。
以上説明したように、本実施形態のハイブリッド型素子400によれば、フリップチップ接合を用いたハイブリッド型素子であって、高信頼性を維持しつつ高密度化に対応することができるハイブリッド型素子を得ることができる。
次に、本実施形態によるハイブリッド型素子の製造方法について説明する。図12AからEは本実施形態の製造方法を示す断面図である。図13は第1の基板411のフリップチップ面を示した斜視図である。
本実施形態によるハイブリッド型素子の製造方法においては、まず、第1の基板411と、第2の基板420を準備する。第1の基板411の平面形状は長辺と短辺を持つ矩形であり、画素が二次元アレイ状に形成されている。第2の基板420の平面形状も長辺と短辺を持つ矩形とし、図11、13から分かるように長辺、短辺とも第1の基板110より寸法が大きい。図12Aに示すように、第1の基板411には基板を横断する切れ込み部450を縦横方向に設けておく。図11から分かるように第1の基板411の長辺方向の切れ込み部は7つ、短辺方向の切れ込み部は1つである。そして、図12Bに示すように、第1の基板411の切れ込み部450を入れた側に、単位素子毎に、金属材料からなる接合部430を形成し、図12Cに示すように第1の基板411と第2の基板420を接合する。次いで図12Dに示すように、第1の基板411と第2の基板420の空隙にはアンダーフィル440となる充填材として熱硬化樹脂を注入し、機械的強度を上げる。
続いて、図12Eに示すように、第1の基板411の裏面を、作製した切れ込み部450が見えるようになるまで研磨する。これにより、第1の基板411が第1の基板群410に分割される。本実施形態では2×8=16個に分割されている。これにより、基材となる第2の基板320に比べ分割された第1の基板が十分に小さくなることで、ハイブリッド型素子の信頼性をより高めることができる。また、図14に示すように、選択エッチングを行うことで、本実施形態においても充填材を残すことが可能である。なお本実施形態でも前述のパッシベーション膜を形成してもよいことは明らかである。
〔第5の実施形態〕
図15は、本発明の第5の実施形態に係るハイブリッド型赤外線受光素子500の構成を示す斜視図である。本実施形態では受光素子部の外周を囲むように基準電位部562が設けてある点が他の実施形態と異なる。ハイブリッド型赤外線受光素子500は、受光機能を持つ第1の基板群510、読み出し回路機能を持つ第2の基板520、および熱硬化樹脂540を有する。熱硬化樹脂540は、第1の基板群510間にも充填され、両側に隣接する基板表面から突き出ている。図16Eに示すように、ハイブリッド型赤外線受光素子500は、第1の基板群510と第2の基板520が接合部530によってフリップチップ接合された構成である。接合部530は、第1の基板群510と第2の基板520にそれぞれ形成された受光素子部と回路部の間の電気的な接続を行う。図17に第1の基板511のフリップ実装面を示す。第1の基板511には一方向に並んだ切れ込み部550が設けられている。また、平面に複数の受光画素部561が整列し、その外周を囲むよう、GND電位の基準電位部562が設けてある。接合部が比較的破断しやすい外周部に基準電位部562を用意することで、実装後の画素欠陥増大を抑制している。同じ機能を持つ基準電位部を外周部に複数置いておけば、そのうちのいくつかが基板の破断で機能しなくなっても他の基準電位部で基準電位を受光素子部に供給できる。
本実施形態によるハイブリッド型赤外線受光素子500は、第1の基板511が第2の基板520とフリップチップ接合後に分離され、冷却時のチップ割れを回避することができ、信頼性が高いハイブリッド型赤外線受光素子500が得られる。また、分離後の第1の基板群510には複数の受光素子が1列にならんでおり、観測物に対して受光素子が動くことで平面画像を取得する多段のTime Domain Integration(時間積分)動作に向いた構造を持つ。通常基板を分割するようなクラックが受光素子に発生した場合、クラックが隣接した受光画素部561は、光の受光強度が他の素子に比べ変わってしまう。一方でこのように全受光画素部561に対して同様の切れ込み部550を隣接させることで、実効的な基板サイズを小さくさせつつ、各受光画素部561に入る光強度を一定にすることができる。また、クラック発生時にその影響を分割された基板内でおさめる事ができるため、その被害を最小限に抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態のハイブリッド型赤外線受光素子500によれば、フリップチップ接合を用いたハイブリッド型赤外線受光素子であって、高信頼性を維持しつつ高密度化に対応することができるハイブリッド型素子を得ることができる。
次に、本実施形態によるハイブリッド型素子の製造方法について説明する。図16AからEは製造方法を示す断面図である。
本実施形態によるハイブリッド型素子の製造方法においては、まず、受光素子が形成された第1の基板511と、第2の基板520を準備する。一般的には第1の基板511には化合物が用いられる。図16Aに示すように第1の基板511には画素と画素の間全てに、1方向に基板を横断する切れ込み部550を設ける。切れ込み部550は短辺と平行に設け、また基板の厚み方向には切れ込み部550は基板の途中まで形成する。
そして、図16Bに示すように第1の基板511に、接合部530を形成し、図16Cに示すように第1の基板511と第2の基板520を接合する。一般的には接合部530にはインジウムのような柔らかい金属が用いられる。次に図16Dに示すように、第1の基板511と第2の基板520の空隙に充填材として熱硬化樹脂540を注入し、機械的強度を上げる。
続いて、図16Eに示すように、第1の基板511の裏面を、作製した切れ込み部550が見えるようになるまでケミカルエッチングする。これにより、第1の基板511が第1の基板群510に分割される。さらに、エッチングに、充填材などは溶かさず第1の基板511のみを溶かす選択性のあるものを選ぶと、溝に充填されていた熱硬化樹脂580が解け残る。エッチング厚は、エッチング中にとけ残った熱硬化樹脂580の高さを計測することで、エッチング中に確認できる。これにより、第1の基板511が第1の基板群510に分割される。これにより、基材となる第2の基板520に比べ分割された第1の基板が十分に小さくなることで、冷却時に割れにくくなり、ハイブリッド型素子の信頼性を高めることができる。なお本実施形態でも前述のパッシベーション膜を形成してもよいことは明らかである。
(第6の実施形態)
図19A〜図19Eは本発明の第6の実施形態のハイブリッド型素子の製造方法について順を追って説明する断面図である。
第1の基板911には複数の素子(不図示)が形成されている。素子と素子の間に第1の切れ込み部950を設けておく(図19A)。この第1の基板911に、導電性を持つ接合部930を形成する(図19B)。第1の基板911と第2の基板920を接合部930で接合する(図19C)。次に第1、第2の基板の間の空隙を充填材940で埋める(図19D)。次に第1の基板911を、第2の基板920と接合している側と反対側から、第1の切れ込み部950が現れるまで除去して、分割された第1の基板群910にする。(図19E)
このようにすると、冷却時に割れにくいハイブリッド型素子を得ることができる。
〔実施例〕
次に実際に本発明の素子を実現した例について、図1に示す斜視図を用いて説明する。ハイブリッド型素子100は、第1の基板群110、第2の基板120、およびアンダーフィル140から構成されている。第1の基板群110には所定の機能を有するデバイスが形成されている。本説明では光センサの一例である半導体光受光素子を例に取って説明する。光受光素子としては特に種類は問わない。例えばSi吸収層を有して構成されるフォトディテクタ、InGaAs光吸収層を有するフォトディテクタ、量子井戸や量子ドット等の量子ナノ構造から成る光吸収層を有する光受光素子でも良い。つまり光受光素子としては特に制限は無く、Si基板上に形成されていても良いし、GaAsやInP等の化合物半導体基板上に形成されていても良い。また、量子ナノ構造としては、InAsやInGaAsから成る量子ドットや、InGaAs/GaAsSbタイプII型超格子等システムの要望に応じて任意の光受光素子を使用することができる。
第2の基板120には第1の基板群110に形成された所定の機能を有するデバイスからの信号を読みだす電子回路(ROIC)が形成されており、図1には記載されていないが、金属から成るバンプで構成される接合部130により第1の基板群110と第2の基板120が接合されている。バンプ材料としては、半田、Au−Sn合金、In合金等を用いることができる。接合に伴う機械的な歪を考慮すると、柔らかいInを含む金属をバンプとして用いることがより好ましい。更に、第1の基板群110と第2の基板120の間には、樹脂(例えばフェノール樹脂)から成るアンダーフィル140が充填されており、全体の機械的強度を増加させている。
次に、実際のハイブリッド型素子具体的には赤外線ラインセンサの製造方法について図18A〜図18Fを用いて具体的に説明する。まず、第1の基板111と、第2の基板120を準備する。第1の基板111は、1列に並んだ単位素子160を持つ。本説明では単位素子としてInAs量子ドット光吸収層を有する量子ドット赤外線受光器(QDIP:Quantum Dot Infrared Photodetector)が形成されている。QDIPの作製は一般的な手法に従い行った。第1の基板111としてはGaAsから成る半導体基板を使用し、素子構造は分子線エピタキシ法により各構成層を成長した。結晶成長後、一般的な化合物半導体の作製工程に従い、赤外線ラインセンサを作製した。第1の基板111上に、共通電極となる層901、InAs量子ドット光吸収層902、外部接続用電極903となる層をこの順に形成する(図18A)。次に、素子分離工程を行うが、その際、第1の基板111に、赤外線ラインセンサの短尺方向と平行な方向に、全画素間に基板を横断し、共通電極を貫通してその下の基板まで達する、通常の素子分離より深い切れ込み部150を形成する(図18B)。切れ込み部150はメサエッチングで形成する。
次に、第1の基板111を赤外線ラインセンサの長尺方向にダイシングして所望の数の画素を含むセンサチップに分離する。
次に、第1の基板111上に形成された単位素子上にIn合金バンプから成る接合部130を形成する(図18C)。加熱・冷却工程により第1の基板111の外部接続用電極903と第2の基板120外部接続用電極(不図示)を、接合部130を介してフリップチップ実装接続する(図18D)。第1の基板111と第2の基板120の空隙には充填材としてフェノール樹脂から成るアンダーフィル140を注入し、機械的強度を上げる。この際、アンダーフィルは切れ込み部150の中まで充填される(図18E)。
続いて、第1の基板111の裏面(センサが形成されていない面)を、作製した切れ込み部150が露出するまで研磨する(図18F)。研磨工程は研磨剤を用いて機械的に行っても良いし、酸等を用いて化学エッチングにより行っても良い。化学エッチングの場合は、基板がGaAsの場合はクエン酸と過酸化水素水の混合エッチャント等を用いることができ、InPの場合は塩酸等を用いることができる。また、機械的研磨、化学的研磨の両手法を併用しても良い。基板研磨の初期はどちらの研磨手法を用いても構わないが、研磨工程の終了直前は、第1の実施形態の場合、受光面を平坦にするという観点からは機械研磨が望ましい。また第2の実施形態の場合は溝に残ったアンダーフィル凸部(充填材280)を形成するために半導体基板表面がアンダーフィル頂部より低い位置に形成する必要があるため、化学エッチングによることが望ましい。所定の化学エッチャントによるエッチングにより半導体はエッチングされるが、樹脂であるアンダーフィルはエッチングされないのでアンダーフィル頂部が形成される。これらの工程により、第1の実施形態の場合は図1に示す様に第1の基板111が分割され、第1の基板群110が形成され(図2E)、第2の実施形態の場合は、図4に示す様にアンダーフィルの凸部(充填材280)を伴う形で第1の基板群210が形成される(図5E)。第3〜第5の実施形態の構造を作製する際も上述の作製工程を素子構造に応じて適宜選択し、ハイブリッド素子を作製する。つまりアンダーフィルの凸部を形成するか否かに応じて適宜、工程を選択すれば良い。以上の工程により本発明のハイブリッド素子が完成する。尚、以上の工程は一例であり、素子構造等からの要求に応じて材料、工程等を基本構成の範囲内で適宜変更することは可能であり本工程例に限定する必要はない。
なお、第1の基板111と第2の基板120を接合してからダイシングしてもよい。
本発明は上記実施形態および実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
(他の実施形態)
上述の実施形態はリニアセンサで説明したが、画素を基板上に2次元アレイ状に形成し、それぞれの画素からの信号を別々に読み出せばアレイセンサとなる。ラインセンサに比べてチップの平面形状が正方形に近づくので、冷却時に割れにくくはなるが、本発明を適用すればより割れにくくなる。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1) 複数の素子が形成された第1の基板の前記素子と素子の間の第1の基板に切れ込み部を設け、導電性を持つ接合部で第2の基板と接合し、前記第1、第2の基板の間の空隙を充填材で埋め、前記第1の基板を、前記第2の基板と接合している側と反対側から、前記切れ込み部が現れるまで除去して分割された第1の基板群にするハイブリッド型素子の製造方法。
(付記2) 前記第1の切れ込み部は素子分離用を兼ねている付記1に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
(付記3) 前記複数の素子は共通の電極を有して形成され、前記第1の切れ込み部は前記素子の前記共通電極を貫通して形成する付記1または2に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
(付記4) 前記第1、第2の基板の間の空隙を充填材で埋める際に、前記第1の切れ込み部にも前記充填材を充填し、前記第1の基板の除去の際、前記第1の切れ込み部に形成された前記充填材が前記第1の基板の他の表面から突出するまで行う付記1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
(付記5) 前記第1の基板の、前記第2の基板と接合する側の表面にパッシベーション膜を形成しておき、前記第1の基板の除去の際、前記第1の切れ込み部に形成された前記パッシベーション膜が前記第1の基板の他の表面から突出するまで行う付記1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
(付記6) 前記第1の基板群はそれぞれ前記素子を複数備えている付記1から5のいずれか一項に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
(付記7) 前記第1の切れ込み部と交わる方向に第2の切れ込み部を形成する付記1から6のいずれか一項に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
(付記8) 前記短辺と平行な方向に切れ込み部を設けた後、前記第1の基板を前記長辺と平行な方向に切断し、その後前記接合部で第2の基板と接合する付記1から7のいずれか一項に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
(付記9) 複数の素子が形成された第1の基板が複数の基板に分割された第1の基板群と、第2の基板と、前記第1の基板群と前記第2の基板を電気的に接合する接合部と、前記第1の基板群と前記第2の基板と前記接合部との間の空隙を封止する充填材と、を有し、前記第1の基板群それぞれに特定の機能を持たせたハイブリッド型素子。
(付記10) 前記素子に基準電位を与える電極を第1の基板の外周に複数設けた付記9に記載のハイブリッド型素子。
(付記11) 前記第1の基板には光センサ回路が搭載され、前記第2の基板には前記光センサ回路からの信号を読み出す読み出し回路が搭載されている付記10に記載のハイブリッド型素子。
(付記12) 前記光センサ回路はラインセンサである付記11に記載のハイブリッド型素子。
100、200、300、400 ハイブリッド型素子
110、210、310、410、510 第1の基板群
111、211、311、411、911 第1の基板
120、220、320、420、520、920 第2の基板
130、230、330、430、530、930 接合部
140、240、340、440 アンダーフィル
150、250、350、450、 切れ込み部
160、260、360、460 単位素子
280、940 充填材
500 ハイブリッド型赤外線受光素子
540 熱硬化樹脂
550 切れ込み部
561 受光画素部
562 基準電位部
600 ハイブリッド型イメージセンサ
610 第1の半導体基板
620 第2の半導体基板
630 インジウムバンプ
645 コンタクト電極
950 第1の切れ込み部

Claims (10)

  1. 複数の素子が形成された第1の基板の前記素子と素子の間の第1の基板に第1の切れ込み部を設け、導電性を持つ接合部で第2の基板と接合し、前記第1、第2の基板の間の空隙を充填材で埋め、前記第1の基板を、前記第2の基板と接合している側と反対側から、前記第1の切れ込み部が現れるまで除去して分割された第1の基板群にするハイブリッド型素子の製造方法。
  2. 前記第1の切れ込み部は素子分離用を兼ねている請求項1に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
  3. 前記複数の素子は共通の電極を有して形成され、前記第1の切れ込み部は前記素子の前記共通の電極を貫通して形成する請求項1または2に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
  4. 前記第1、第2の基板の間の空隙を充填材で埋める際に、前記第1の切れ込み部にも前記充填材を充填し、前記第1の基板の除去の際、前記第1の切れ込み部に形成された前記充填材が前記第1の基板の他の表面から突出するまで行う請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
  5. 前記第1の基板の、前記第2の基板と接合する側の表面にパッシベーション膜を形成しておき、前記第1の基板の除去の際、前記第1の切れ込み部に形成された前記パッシベーション膜が前記第1の基板の他の表面から突出するまで行う請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
  6. 前記第1の基板群はそれぞれ前記素子を複数備えている請求項1から5のいずれか一項に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
  7. 前記第1の切れ込み部と交わる方向に第2の切れ込み部を形成する請求項1から6のいずれか一項に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
  8. 前記第1の切れ込み部を設けた後、前記第1の基板を前記第1の切れ込み部と交わる方向に切断し、その後前記接合部で前記第2の基板と接合する請求項1から7のいずれか一項に記載のハイブリッド型素子の製造方法。
  9. 複数の素子が形成された第1の基板が複数の基板に分割された第1の基板群と、第2の基板と、前記第1の基板群と前記第2の基板を電気的に接合する接合部と、前記第1の基板群と前記第2の基板と前記接合部との間の空隙を封止する充填材と、を有し、前記第1の基板群それぞれに特定の機能を持たせたハイブリッド型素子。
  10. 前記素子に基準電位を与える電極を第1の基板の外周に複数設けた請求項9に記載のハイブリッド型素子。
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