JP2019169594A - 電子部品実装モジュール及びその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バスバー積層体とモールド樹脂との接触面積を増大させて放熱特性・耐衝撃特性等を向上させるとともに、さらに好ましくは積層された陽極のバスバーと陰極のバスバーとで半田実装面の高さを揃えてフロー半田を使用可能とした、バスバーを用いた電子部品実装モジュール等を提供することを目的とする。【解決手段】絶縁積層された第一のバスバーと第二のバスバーとに一対のリード端子が半田付された電子部品を備える電子部品実装モジュールであって、第二リード端子用半田付挿通孔付近における、第一のバスバーが第二のバスバー側に突出して形成された凸状体に形成され、少なくとも、前記第一リード端子と前記第一のバスバーまたは前記第二のバスバーとが樹脂で固定された、または、前記第二リード端子と前記第一のバスバーまたは前記第二のバスバーとが樹脂で固定された電子部品実装モジュールとする。【選択図】図1

Description

本発明は、積層された陽極のバスバーと陰極のバスバーとで半田実装面の高さを揃えてフロー半田を使用可能とした、バスバーを用いた電子部品モジュール等に関する。
複数の電子部品を搭載するモジュールにおいて大電流が印加される導電材料には金属板(バスバー)を用いることで抵抗が下がり、発熱を低減させると共に放熱性を向上させることができることが知られている。大電流を使用する場合には、小型の電子デバイスの実装に汎用されているいわゆるプリント配線基板等では放熱が追い付かず熱が蓄積されてしまうので、電子部品等が熱損傷を受ける懸念が生じる。
このため例えばコンデンサを複数個実装する場合には、陽極のバスバーと陰極のバスバーとを絶縁層(例えば絶縁シートや絶縁材の塗布層)を介して積層(貼り合わせ)し、当該貼り合わせたバスバーの一面に並べて複数個実装することで、放熱性を向上させる。
下記特許文献1には、バスバー(基板)の両面を樹脂でコーティングすることにより、効率良く放熱する技術思想が開示されている。
また、下記特許文献2の図4及び当該説明記載箇所には、「図4に示す第2の実施例のコンデンサモジュール31では、基板32が、絶縁シート33の両面に第1,第2の金属板34,35を貼り合わせた構造を有する。図6に、絶縁シート33を平面図で示す。絶縁シート33は、本実施例では、シリコーン樹脂からなり、0.1〜0.05mm程度の厚みを有する。もっとも、絶縁シート33は、エポキシ樹脂(レジスト)などの他の合成樹脂を用いて構成されていてもよい。」と記載されている。
すなわち特許文献2では、第1の金属板34と第2の金属板35との間に絶縁シート33を挟んだ状態で貼り合わせ、積層コンデンサ3のリード端子3a,3bが、金属板に垂直に貫通立設され、リード端子3a,3bが金属板34,35と半田付けされる構造が開示されている。
特許文献2の図4に明示されているように、リード端子3aが上側の金属板34の底面に半田16で半田付けされて、リード端子3bが下側の金属板35の底面に半田17で半田付けされる。このため、このような構造では、ちょうど絶縁シート33及び下側の金属板35の厚さに相当する高さ分だけ、一対のリード端子3a,3bの半田付される高さが互いに相異なるものとなっている。この場合の半田付作業は、手作業により個々に半田付される場合には何ら問題は生じないが、フロー半田等を用いてある程度のスループットを期待して量産工程を考慮する場合にはこれに対応できない。
特開平09−232476号公報 特開2001−178151号公報
近年の電子部品の高集積化・高密度実装化に対応して、バスバー積層体を樹脂モールドする場合に、樹脂とバスバー積層体を構成する金属との接触面積を可能な限り増大して放熱特性をさらに良好にすることが求められている。また、当該接触面積をより増大することにより、バスバー積層体とモールド樹脂との接着強度をより強固にして、耐振動性や耐衝撃性等をさらに向上させることが求められている。例えば、平面のみでバスバー積層体とモールド樹脂が接着している場合には、当該平面に対して水平方向の大きな衝撃や振動が繰り返し長時間印加された場合には、接着面に空隙が生じたり剥がれたりしてバスバー積層体とモールド樹脂との接着が破壊される懸念も考慮する必要が生じる。
また、積層した二枚のバスバーに複数のリードタイプの電子部品を実装する際に、陽極のバスバーと陰極のバスバーとで実装面の高さ(すなわち、陽極と陰極の各リード端子の各バスバーへの半田付ポイントの高さ)が異なるため、フロー半田を使用することができず、電子部品の実装作業が煩雑になってしまう課題もある。
すなわち、一対のリード端子の半田付高さが互いに相異なるものとなる場合に、手作業によりそれぞれ半田付作業をすれば何ら問題はないものであるが、量産工程などにおいて多用されるフロー半田工程を利用しようとすれば、半田付ポイントの高さが異なることからその工程遂行が困難となる。高さの異なる半田付ポイントに対して水平な半田溶液面に同時に均一に浸すことはできない。各バスバーは、大電流であればあるほど熱放散等を考慮してある程度の厚さを有するものであるから、フロー半田工程にとって当該厚さに対応する半田付ポイントの高さの差異は無視できるものではない。ここで、フロー半田とは、バスバー等などにコンデンサを仮固定した状態で、これを半田浴に接触させてバスバーとコンデンサの端子との間に半田を介在させる作業をさす。
このため、より好ましくは陰極バスバーと陽極バスバーとを貼り合わせて用いた電子部品モジュールの各リード端子を、より量産効率の高いフロー半田を利用して各バスバーに半田付できる構造が求められている。上述したモールド樹脂との接触面積増大とフロー半田への適用構成とが同時に解決できる態様とすることが最も好ましい。
本発明は上述の問題点に鑑み為されたものであり、バスバー積層体とモールド樹脂との接触面積を増大させて放熱特性・耐衝撃特性等を向上させるとともに、さらに好ましくは積層された陽極のバスバーと陰極のバスバーとで半田実装面の高さを揃えてフロー半田を使用可能とした、バスバーを用いた電子部品実装モジュール等を提供することを目的とする。
本発明の電子部品実装モジュールは、絶縁積層された第一のバスバーと第二のバスバーとに一対のリード端子が半田付された電子部品を備える電子部品実装モジュールであって、第一のバスバーは、第一のバスバーの外面側に実装されて第二のバスバーの外面側で半田付される電子部品の第一リード端子が非接触で貫通される第一リード端子用開口部と、電子部品の第二リード端子が挿通されて半田付される第二リード端子用半田付挿通孔と、を備え、第二のバスバーは、第一リード端子用開口部に対応する位置に第一リード端子が挿通されて半田付される第一リード端子用半田付挿通孔と、第二リード端子用半田付挿通孔に対応する位置に第二リード端子及び第二リード端子用半田付挿通孔が非接触で貫通される第二リード端子用開口部を備え、第二リード端子用半田付挿通孔付近における、第一のバスバーが第二のバスバー側に突出し凸状体に形成され、少なくとも、前記第一リード端子と前記第一のバスバーまたは前記第二のバスバーとが樹脂で固定された、または、前記第二リード端子と前記第一のバスバーまたは前記第二のバスバーとが樹脂で固定されたことを特徴とする。
また、本発明の電子部品実装モジュールの製造方法は、絶縁積層された第一のバスバーと第二のバスバーとに一対のリード端子が半田付された電子部品を備える電子部品実装モジュールの製造方法であって、第一のバスバーについて、第一のバスバーの外面側に実装されて第二のバスバーの外面側で半田付される電子部品の第一リード端子が非接触で貫通される第一リード端子用開口部と、電子部品の第二リード端子が挿通されて半田付される第二リード端子用半田付挿通孔と、を形成する工程、並びに、第二のバスバーについて、第一リード端子用開口部に対応する位置に第一リード端子が挿通されて半田付される第一リード端子用半田付挿通孔と、第二リード端子用半田付挿通孔に対応する位置に第二リード端子及び第二リード端子用半田付挿通孔が非接触で貫通される第二リード端子用開口部と、を形成する工程、を遂行した後、ここで、第二リード端子用半田付挿通孔付近における、第一のバスバーが第二のバスバー側に突出するように凸状体に形成され、第一のバスバーと第二のバスバーとを絶縁積層した後、電子部品を実装する工程と、少なくとも、前記第一リード端子と前記第一のバスバーまたは前記第二のバスバーとを樹脂で固定する工程、または、前記第二リード端子と前記第一のバスバーまたは前記第二のバスバーとを樹脂で固定する工程と、を有することを特徴とする。
バスバー積層体とモールド樹脂との接触面積を増大させて放熱特性・耐衝撃特性等を向上させるとともに、さらに好ましくは積層された陽極のバスバーと陰極のバスバーとで半田実装面の高さを揃えてフロー半田を使用可能とした、バスバーを用いた電子部品実装モジュール等を提供できる。また、リード端子の固定を樹脂で支援することにより、より信頼性の高い実装が可能となる。
本実施形態のバスバー積層体の全体構成概要を説明する図であり、(a)がバスバー積層体の断面構成概要を示しており、(b)がコンデンサを仮実装された状態でのコンデンサ実装モジュールの断面構成概要を説明する図である。 コンデンサが搭載されたバスバー積層体からなるコンデンサ実装モジュールについてさらに詳細に説明する図であり、(a)がコンデンサ実装モジュールの斜視図を説明するものであり、(b)がコンデンサ実装モジュールの半田付前の底面側を説明するものであり、(c)がコンデンサ実装モジュールの断面構成を詳細に説明する図である。 樹脂でモールドされたコンデンサ実装モジュールの典型例を説明する図である。 バスバーの典型例を説明する図であり、第一のバスバーのみを凸状体側から説明する斜視図である。 第一のバスバーのみを電子部品実装側(凸状体の凸の反対面側)から説明する図である。 第一のバスバーと、これと貼り合わせてセットで用いられる第二のバスバーとを説明する図である。 図6に示す第一のバスバーと第二のバスバーとを貼り合わせセットにした状態を説明する図である。 図4に示す第一のバスバーの凸状体側に絶縁シートを配置した状態を説明する図である。 凸状体の斜面と第二リード端子用開口部の内周壁との間(図9(a)において(1)及び(2)で示す箇所)で半田付着による短絡が生じないように、レジスト(太線で示す部位)を塗布する典型例を説明する図であり、(a)がレジストを塗布した状態を示し、(b)がレジスト塗布後に樹脂を配置した状態を説明する図である。
本実施形態で例示するバスバー積層体は、大電流を利用する例えばコンデンサ等の複数の電子部品を、フロー半田で平面状に並べて実装されて、車載用途等に利用されることができる。従来、バスバー積層体は、上層側のバスバーと下層側のバスバーとのそれぞれが相当程度の厚さを有していることから、実装される電子部品のリード端子が半田付される各バスバーの半田付ポイントに、高さ方向において当該厚さに相当する程度の相違が生じていた。
高さの相違する半田付ポイントにおいてはフロー半田工程を利用して同時に半田付することはできないことから、量産工程におけるネックとなる。本実施形態では、各バスバーへの各リード端子の半田付ポイントの高さを揃えることでフロー半田の工程を利用可能とするとともに、フロー半田利用時に必須となる半田架橋による短絡問題を解決することを可能としたバスバー積層体の構造及び構成を提案する。
図1は、本実施形態のバスバー積層体1000の全体構成概要を説明する図であり、図1(a)がバスバー積層体1000の断面構成概要を示しており、図1(b)がコンデンサ1400を仮実装された状態でのコンデンサ実装モジュール2000の断面構成概要を説明する図である。
図1(a)において、バスバー積層体1000は、上層側に記載されている第一のバスバー1100と、下層側に記載されている第二のバスバー1300と、第一のバスバー1100と第二のバスバー1300との間に配設された絶縁シート1200とを備える。第一のバスバー1100は、第二のバスバー1300側に突出した凸状体の略中央に、実装される電子部品の一方のリード端子が挿入固定される、第二リード端子用半田付挿通孔1120を備える。
また、第二のバスバー1300は、実装される電子部品の他方のリード端子が挿入固定される、第一リード端子用半田付挿通孔1310を備える。図1(a)のバスバー積層体1000では、紙面上面側の第一のバスバー1100の上面に電子部品が搭載されるものとなり、紙面仮面側の第二のバスバー1300の底面でフロー半田により当該電子部品のリード端子が半田付固定されるものとなる。
各バスバー1100,1300は相当程度の厚さを有する金属で形成されており、熱伝導性に優れるとともに大電流を低抵抗で流すことができるものである。バスバー積層体1000のスムースな放熱効果により、バスバー積層体1000に搭載される複数の電子部品の熱損傷を防止することができる。
図1から理解できるように、第二のバスバー1300が備える第一リード端子用半田付挿通孔1310に対応する箇所に、より大きな口径の第一リード端子用開口部1110が第一のバスバー1100に設けられる。第一のバスバー1100の上面側に搭載された電子部品から延伸された他方のリード端子は、第一のバスバー1100を第一リード端子用開口部1110によりスルーして、第一リード端子用半田付挿通孔1310により第二のバスバー1300に電気的及び機械的に半田付固定される。
同様に、第一のバスバー1100が備える第二リード端子用半田付挿通孔1120に対応する箇所に、より大きな口径の第二リード端子用開口部1320が第二のバスバー1300に設けられる。第一のバスバー1100の上面側に搭載された電子部品から延伸された一方のリード端子は、第二のバスバー1300を第二リード端子用開口部1320によりスルーして、第二リード端子用半田付挿通孔1120により第一のバスバー1100に電気的及び機械的に半田付固定される。
ここで、第一のバスバー1100の第二リード端子用開口部1320は、第二のバスバー1300側に凸設された凸状体1130に設けられており、かつ当該凸状体1130それ自体が、第二リード端子用開口部1320により第二のバスバー1300に接触することなく、第二のバスバー1300の底面側に露出されるものとなる。
このような構成により、凸状体1130に設けられた第一のバスバー1100の第二リード端子用半田付挿通孔1120の底面と、第二のバスバー1300の底面側の第一リード端子用半田付挿通孔1310の底面と、の相互の高さを揃えることが可能となり、フロー半田の利用も容易となる。なお、絶縁シート1200は、絶縁特性を有する各種フィルム(例えばポリイミドフィルム)やレジスト等の絶縁材の塗布によって形成してもよい。
また、図1(b)においては、電子部品の典型例として複数のコンデンサ1400を第一のバスバー1100の上面側に仮搭載している状態であって、半田付される前状態を示している。図1(b)に示すように、コンデンサ1400の第一リード端子1410は、第一のバスバー1100の第一リード端子用開口部1110を介して第一のバスバー1100を非接触でスルーし、第一リード端子用半田付挿通孔1310を挿通されて第二のバスバー1300の底面側において曲折仮固定されることができる。これにより、第一リード端子1410は、第二のバスバー1300に対してのみ電気的に接続されるものとなる。
また、図1(b)に示すように、コンデンサ1400の第二リード端子1420は、第二のバスバー1300の第二リード端子用開口部1320を介して第二のバスバー1300を非接触でスルーし、第一のバスバー1100の第二リード端子用半田付挿通孔1120を挿通されて第一のバスバー1100の底面側において曲折仮固定されることができる。これにより、第二リード端子1420は、第一のバスバー1100に対してのみ電気的に接続されるものとなる。
換言すれば、図1(b)から理解できるように第二リード端子1420に関しては、第一のバスバー1100が第二のバスバー1300の高さ位置にまで陥没して面一となった箇所、すなわち凸状体1130の底面、において、半田付固定されるものである。このような構成を可能とするために、第二のバスバー1300は、第一のバスバーの陥没(すなわち凸状体1130)を電気的に非接触で許容するように、凸状体1130を非接触で包含する第二リード端子用開口部1320を備えるものである。従って、フロー半田されるべき、第二のバスバー1300底面から露出された第一リード端子1410と、第一のバスバー1100底面から露出された第二リード端子1420と、がフロー半田が可能な程度に略同一の高さに配置されるものとなる。フロー半田をした時に、各極性リード端子とバスバーとが十分に半田接続される程度の同一高さであればよく、具体的には2mm程度の高さ相違範囲内であれば好ましく、1mm程度の高さ相違範囲内であればさらに好ましい。
図2は、コンデンサ1400が搭載されたバスバー積層体1000からなるコンデンサ実装モジュール2000についてさらに詳細に説明する図であり、図2(a)がコンデンサ実装モジュール2000の斜視図を説明するものであり、図2(b)がコンデンサ実装モジュール2000の半田付前の底面側を説明するものであり、図2(c)がコンデンサ実装モジュール2000の断面構成を詳細に説明する図である。
図2(a)に示すように、バスバー積層体1000は大電流の供給が可能であり、かつ放熱性にも優れているため、多数のコンデンサ1400等の電子部品を高密度で搭載しても、当該電子部品が熱損傷を受けることは回避可能である。特にコンデンサ1400は高熱に弱いことが知られているが、本発明のバスバー積層体1000においては高信頼性かつ高耐久性の特性を維持可能である。各バスバー1100,1300は、大電流及び放熱を考慮して一定程度の厚さを有する金属で構成されているが、これにより強度的にもかなり強度の強い特性が得られるものとなっている。従って、熱によりその寿命が大きく左右されるコンデンサ等であっても問題なく集積可能となる。
また、図2(b)に示すように、バスバー積層体1000の底面側では各リード端子1410,1420が露出されているが、当該露出面が略面一であるのでフロー半田の利用が可能であって、量産性に優れたものとできる。また、図2(b)には示していないが、図2(c)に示すように、各リード端子1410,1420は底面から露出した部分を折り曲げて仮固定されることができる。
ここで、図2(b)から理解できるように、第一のバスバー1100の凸状体1130と、第二のバスバー1300の第二リード端子用開口部1320とは、比較的近い距離(例えば5mm程度)に位置するものとなる。また、第一のバスバー1100と第二のバスバー1300とは、いずれかプラス極マイナス極で互いに極性が異なるものであるから、両者の短絡を確実に阻止できることが好ましい。
特に、フロー半田を用いる場合には、図2(b)に示すバスバー積層体1000の底面側、すなわち第二のバスバー1300の底面側を半田槽に浸すものであるから、これによって、凸状体1130と第二リード端子用開口部1320とが半田短絡されてしまうことは確実に回避する必要がある。このため、本実施形態においては、不図示の「半田をはじくレジスト剤」を第二のバスバー1300の底面側の露出箇所に塗布するものとできる。
半田をはじくレジスト剤は、第二のバスバー1300の底面であって第一リード端子用半田付挿通孔1310の周囲を除くすべての底面全体と、第二リード端子用開口部1320の内周壁面と、に配置することが好ましい。第一リード端子用半田付挿通孔1310の周囲については、第一リード端子1410が第二のバスバー1300の底面と半田付されて電気的導通を確保して維持できるだけのスペースが与えられれば充分であり、それ以外の底面部位には全てレジストを配置することができる。
また、第二リード端子用開口部1320の内周壁については、第二のバスバー1300の中で、第一のバスバー1100の凸状体1130及び第二リード端子1420と、最も近接する部位であるので、レジスト剤を配置することが好ましい。また、レジスト剤はフロー半田の付着を防止するようにこれをはじく特性を有するものであれば良く、好ましくは絶縁性を有するものであってもよく、また耐熱性の優れたエポキシ系のレジスト剤を用いてもよい。また、レジスト剤は、第一のバスバー1100の凸状体1130の表面に配置するものとしてもよい。また、レジスト剤は塗布や吹付・各種デポジション後に、所望の部位のみ残すようにレーザや薬液等でリムーブ処理するものとしてもよいし、当初からマスキング等により上記所望箇所のみに配置するものとしてもよい。また、レジスト剤はバスバーを積層構成する前段階において予め付着させておくものとできる。
なお、図2(b)拡大図に示すように、第一のバスバー1100と第二のバスバー1300との間の、第二リード端子用開口部1320における絶縁特性をフロー半田時においてもより確実に維持するために、絶縁シート1200の当該箇所の開口面積を第二リード端子用開口部1320の開口面積より小さいものとすることができる。
また、絶縁シート1200の当該箇所の開口からは凸状体1130のみが露出されるものとして、その他の第一のバスバー1100の平面部位は露出されないようにするものとできる。これにより、仮にフロー半田が過剰に第二リード端子用開口部1320に付着してその内周壁を伝って第一のバスバー1100側に移動したとしても、絶縁シート1200で阻止されて第一のバスバー1100に半田が接触することができないものとなり、絶縁特性を確実かつ安全に確保できるものとなる。
また、図2(c)から理解できるように、コンデンサ1400と第一のバスバー1100の上面(図2(c)紙面の下面(コンデンサ搭載面))とはごく僅かに間隔を有するように少し浮いた状態で実装されることが好ましい。コンデンサ1400は、熱によりまたは使用による経年経過によりガスを放出する場合があり、その放出経路を設けておくことが好ましい。このため、コンデンサ1400にはいわゆるゴム段を設けておくことができる。なお、図2(c)では半田付される底面が上に記載されていることに留意されたい。
また、図2(c)にも示すように、第二のバスバー1300の底面(フロー半田付面)と、凸状体1130の底面と、は必ずしも完全な同一高さの面一でなくてもよく、フロー半田が可能な程度に高さが揃っていれば良い。さらに、凸状体1130の底は、第二リード端子1420が折り曲げられて半田付されるスペースを確保するために、鋭利な注射針状先端ではなく、第二リード端子用半田付挿通孔1120の周囲に平らな底面が一定面積程度設けられていることが好ましい。また、図2(c)では、凸状体1130の内部に空間が設けられている構成として示しているが、当該空間は第一のバスバー1100の構成材料で充填されているものとしてもよく、このような構成は低抵抗化及び放熱性の観点からは好ましいといえる。特に、図2(c)にハッチングで示す空間には積極的に樹脂を充填することが好ましい。図2(c)にハッチングで示す空間部位は、第一のバスバー1100と第二のバスバー1300とにそれぞれ形成された開口部や凸状体1130の凸の裏面側の凹部分であるから、当該空間を樹脂で充填して熱伝導性を向上させることが好ましい。とりわけ、コンデンサ1400の直下(図2(c)ではコンデンサ1400の紙面直上)の空間である第一リード端子用開口部1110とこれに隣接する凸状体1130の凸の裏面側の凹部分については、樹脂を積極的に充填することにより、コンデンサ1400がより安定的に固定されるものとなるので好ましい。そして、少なくとも、第一リード端子1410と第一のバスバー1100または第二のバスバー1300とが樹脂で固定されるか、または、第二リード端子1420と第一のバスバー1100または第二のバスバー1300とが樹脂で固定されるか、のいずれかとなるように樹脂を充填配置することが好ましい。図2(c)においては樹脂を積極的に充填すると好ましい部位を説明しているが、これに限定されるものではなくさらに他の部位にも樹脂を配置したり侵出させることができる。
図3は、樹脂1500でモールドされたコンデンサ実装モジュール3000の典型例を説明する図である。図3においては、第一のバスバー1100と第二のバスバー1300とコンデンサ1400の一部(典型的には略下半分)及び各リード端子1410,1420を含むバスバー積層体を樹脂1500でモールドした状態を示している。なお、図3には明示していないが各リード端子1410,1420は既に半田付されているものである。
図3に示すように、樹脂1500でモールドすれば、当該樹脂1500が、凸状体1130の周囲空間や、第一リード端子用開口部1110内にも入り込んで充填されるので、放熱特性が向上するのみではなく、全体の強度も大きく増大するものとなり、耐振動性や耐久性が向上する。また、コンデンサ1400が各バスバー1100,1300とモールドされるので、コンデンサ1400が樹脂1500でも固定されるものとなって、大きな耐衝撃性も向上する。
特に、図3から明らかなように、単なる平面状のバスバーではなく凹凸形状となってその表面積が増大したバスバーを利用することにより、樹脂1500との接触面積を大きく確保できるものとなるので、放熱特性や接着強度はこれにより増大するものとできる。大きな振動や衝撃・加速度が加わった場合でも、樹脂1500全体で形状保持するため、リード端子1410,1420のみで固定している場合に比べて、リード端子1410,1420への負荷の負担が小さくて済む。なお、図3には示していないが、各バスバー1100,1300にさらに任意形状、任意大きさの凹凸を設けて樹脂1500との接触面積をさらに増大させるものとしてもよい。また、図示していないが、樹脂1500にはコンデンサ1400のガス抜きのための任意の経路孔を設けてもよい。
図4乃至図8は、バスバーの典型例を説明する図であり、図4は第一のバスバー1100のみを凸状体1130の凸側から説明する斜視図である。また、図5は、第一のバスバー1100のみを電子部品実装側(凸状体1130の凸の反対面側)から説明する図である。また、図6は、第一のバスバー1100と、これと貼り合わせてセットで用いられる第二のバスバー1300とを説明する図であり、図7は図6に示す第一のバスバー1100と第二のバスバー1300とを貼り合わせセットにした状態を説明する図である。図7においては絶縁シートは記載を省略している。
また、図8は、図4に示す第一のバスバー1100の凸状体1130側に絶縁シート1200を配置した状態を説明する図である。図8から理解できるように、絶縁シート1200は各リード端子1410,1420が挿通される孔1210,1220が設けられている。特に、リード端子1420は凸状体1130に挿入された状態で、当該凸状体1130が絶縁シート1200を挿通するものであるから、孔1220は孔1210よりも大きいものとなり、孔1220の孔径は凸状体1130が挿通可能な程度に大きいものである。他方、孔1220の孔径は、第二のバスバー1300との絶縁性を良好に確保するために、第二のバスバー1300の第二リード端子用開口部1320よりも小さいものとすることが好ましい。これにより、絶縁シート1200は、第二リード端子用開口部1320内において傘のように張り出した鍔部を形成するので、第一のバスバー1100は、第二リード端子用開口部1320内で凸状体113を除いて露出されることはなく、図8の平面視(半田ディップ側からの観察)において第二リード端子用開口部1320内で第一のバスバー1100が遮蔽されるものとなる。仮に、第二リード端子用開口部1320の辺縁部において半田が第一のバスバー1100側に伝え昇る現象が生じたとしても、絶縁シート1200のせり出した鍔部により半田が遮断されるものとなる。
図9は、凸状体1130の斜面と第二リード端子用開口部1320の内周壁との間(図9(a)において(1)及び(2)で示す箇所)で半田付着による短絡が生じないように、レジスト(太線)を塗布する典型例を説明する図であり、図9(a)がレジストを塗布した状態を示し、図9(b)がレジスト塗布後に樹脂を配置した状態を説明する図である。図9で、1415,1425はそれぞれ半田を示す。
図9(a)に示すように、図中(1)及び(2)の太線で示す部位にレジストを塗布することにより当該塗布部位ではレジストがはじかれるので半田の付着を回避できる。これにより、第一のバスバー1100と第二のバスバー1300間の半田による短絡が阻止できるものとなる。図9(a)において(1)及び(2)に示す、好ましくは凸状体1130の太線で示す斜面テーパ部または第二リード端子用開口部1320の太線で示す内周壁のいずれかにレジストを配することで半田架橋は阻止できる。さらに好ましくは、凸状体1130の太線で示す斜面テーパ部及び第二リード端子用開口部1320の太線で示す内周壁の両方にレジストを塗布することで半田架橋は阻止できる。
また、図9(b)にハッチングで示す凹部箇所には、積極的に樹脂を充填することが好ましい。樹脂の充填により、放熱が促進されてキャパシタ1400の信頼性や寿命が向上するものとできる。なお、図9では、図2(c)と対応する箇所には同一符号を付してその説明を省略する。
本発明のバスバー積層体やコンデンサ実装モジュール等は、上述の実施形態で説明した構成や方法に限定されるものではなく、当業者に自明な範囲でかつ本発明の技術思想の範囲内で適宜その構成を変更し、組み合わせ適用し、またその方法を変更することができる。
本発明は、コンデンサを典型例とする複数の電子部品の実装モジュールに好適である。
1000・・バスバー積層体、1100・・第一のバスバー、1110・・第一リード端子用開口部、1120・・第二リード端子用半田付挿通孔、1130・・凸状体、1200・・絶縁シート、1300・・第二のバスバー、1310・・第一リード端子用半田付挿通孔、1320・・第二リード端子用開口部、1400・・コンデンサ、1410・・第一リード端子、1420・・第二リード端子。

Claims (9)

  1. 絶縁積層された第一のバスバーと第二のバスバーとに一対のリード端子が半田付された電子部品を備える電子部品実装モジュールであって、
    前記第一のバスバーは、前記第一のバスバーの外面側に実装されて前記第二のバスバーの外面側で半田付される前記電子部品の第一リード端子が非接触で貫通される第一リード端子用開口部と、前記電子部品の第二リード端子が挿通されて半田付される第二リード端子用半田付挿通孔と、を備え、
    前記第二のバスバーは、前記第一リード端子用開口部に対応する位置に前記第一リード端子が挿通されて半田付される第一リード端子用半田付挿通孔と、前記第二リード端子用半田付挿通孔に対応する位置に前記第二リード端子及び前記第二リード端子用半田付挿通孔が非接触で貫通される第二リード端子用開口部を備え、
    前記第二リード端子用半田付挿通孔付近における、前記第一のバスバーが前記第二のバスバー側に突出し凸状体に形成され、
    少なくとも、前記第一リード端子と前記第一のバスバーまたは前記第二のバスバーとが樹脂で固定された、または、前記第二リード端子と前記第一のバスバーまたは前記第二のバスバーとが樹脂で固定された
    ことを特徴とする電子部品実装モジュール。
  2. 請求項1に記載の電子部品実装モジュールにおいて、
    前記第一リード端子用開口部内及び前記凸状体の凸の裏面側の凹部にさらに樹脂が配置された
    ことを特徴とする電子部品実装モジュール。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子部品実装モジュールにおいて、
    前記一対のリード端子の半田付部位及び前記凸状体を含むバスバー積層体にさらに樹脂が配置された
    ことを特徴とする電子部品実装モジュール。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電子部品実装モジュールにおいて、
    前記第一のバスバーの凸状体と、前記凸状体の周囲に位置する前記第二リード端子用開口部と、の間で半田による短絡が生じないように、
    前記第一のバスバーの凸状体の外周壁及び/または、前記第二リード端子用開口部の内周壁面に半田付着を阻止するレジストが設けられる
    ことを特徴とする電子部品実装モジュール。
  5. 請求項4に記載の電子部品実装モジュールにおいて、
    前記レジストは、前記第一リード端子用半田付挿通孔を除く前記第二のバスバーの外面側と前記第二リード端子用開口部の内周壁面にさらに配される
    ことを特徴とする電子部品実装モジュール。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電子部品実装モジュールにおいて、
    前記第一のバスバーと前記第二のバスバーとの間に配された絶縁シートをさらに備え、
    前記絶縁シートは、
    前記凸状体が貫通する孔と、前記凸状体が貫通する孔より小さな前記第一リード端子が貫通する孔と、をセットとして、前記電子部品個々に対応して、備える
    ことを特徴とする電子部品実装モジュール。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の電子部品実装モジュールにおいて、
    前記電子部品は、
    前記第一のバスバーの外面側に実装されて前記第二のバスバーの外面側でそのリード端子が半田付される
    ことを特徴とする電子部品実装モジュール。
  8. 請求項7に記載の電子部品実装モジュールにおいて、
    前記第一リード端子用半田付挿通孔と前記第二リード端子用半田付挿通孔とは、前記第二のバスバーの外面側において、フロー半田を適用可能な程度の同一高さである
    ことを特徴とする電子部品実装モジュール。
  9. 絶縁積層された第一のバスバーと第二のバスバーとに一対のリード端子が半田付された電子部品を備える電子部品実装モジュールの製造方法であって、
    前記第一のバスバーについて、前記第一のバスバーの外面側に実装されて前記第二のバスバーの外面側で半田付される前記電子部品の第一リード端子が非接触で貫通される第一リード端子用開口部と、前記電子部品の第二リード端子が挿通されて半田付される第二リード端子用半田付挿通孔と、を形成する工程、並びに、
    前記第二のバスバーについて、前記第一リード端子用開口部に対応する位置に前記第一リード端子が挿通されて半田付される第一リード端子用半田付挿通孔と、前記第二リード端子用半田付挿通孔に対応する位置に前記第二リード端子及び前記第二リード端子用半田付挿通孔が非接触で貫通される第二リード端子用開口部と、を形成する工程、を遂行した後、
    ここで、前記第二リード端子用半田付挿通孔付近における、前記第一のバスバーが前記第二のバスバー側に突出するように凸状体に形成され、
    前記第一のバスバーと前記第二のバスバーとを絶縁積層した後、前記電子部品を実装する工程と、
    少なくとも、前記第一リード端子と前記第一のバスバーまたは前記第二のバスバーとを樹脂で固定する工程、または、前記第二リード端子と前記第一のバスバーまたは前記第二のバスバーとを樹脂で固定する工程と、を有する
    ことを特徴とする電子部品実装モジュールの製造方法。
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