JP2019169118A - 硬貨処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬貨処理装置への混入時期が不明の包装硬貨やビニール袋に入った硬貨の取り扱いを容易にできる硬貨処理装置を提供する。【解決手段】硬貨処理装置は、入出金口を介して硬貨を受容可能である受皿本体と該受皿本体の下部に対して開閉可能に設けられ受皿本体と共に底部を構成する受皿扉とを有する受皿部を有する。硬貨処理装置は、底部を閉鎖する閉鎖位置と、受皿本体および受皿扉により硬貨の厚さに対応した隙間が形成される開放位置と、の間で受皿扉を移動させる駆動部を有する。【選択図】 図5
Description
本発明は、硬貨を処理する硬貨処理装置に関する。
現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)に内蔵されている硬貨処理装置においては、例えば、硬貨を受け入れる受皿の下方に下側へ突出する異物類掻落し体を設け、該異物類掻落し体で受皿の一部に引っ掛かった異物類を掻き落とす硬貨入出金口装置が知られている(例えば、特許文献1、参照)。
受皿の異物類を掻き落とすには、例えば、硬貨を受け入れる受皿に振動付与機構を設け、受皿にて硬貨の残留を防止できる硬貨処理装置も開発されている(例えば、特許文献2、参照)。
しかしながら、従来の現金自動預払機の硬貨処理装置においては、顧客が入金取引時に硬貨を受け入れる受皿内に、バラバラの硬貨と、包装硬貨やビニール袋に入った硬貨を投入する場合がある。その際に、包装硬貨やビニール袋に入った硬貨が当該受皿から更に装置内部のいずれかの部位に入った状態で残留することがある。この状態で当該入金取引がバラバラの硬貨の入金によって正常終了している場合、残留する包装硬貨やビニール袋に入った硬貨は装置内部では取引時には発見されず、その後の精査時で装置内を残留確認した際に発見されることになる。混入時期が不明のために包装硬貨やビニール袋に入った硬貨の取引の特定ができずに扱いが困難になるという問題があった。
かかる課題を解決するため本発明の硬貨処理装置は、硬貨の投入を受け付ける入出金口と、
前記入出金口を介して硬貨を受容可能である受皿本体と該受皿本体の下部に対して開閉可能に設けられ前記受皿本体と共に底部を構成する受皿扉とを有する受皿部と、
前記底部を閉鎖する閉鎖位置と、前記受皿本体および前記受皿扉により前記硬貨の厚さに対応した隙間が形成される開放位置と、の間で前記受皿扉を移動させる駆動部と、
を有することを特徴とする。
前記入出金口を介して硬貨を受容可能である受皿本体と該受皿本体の下部に対して開閉可能に設けられ前記受皿本体と共に底部を構成する受皿扉とを有する受皿部と、
前記底部を閉鎖する閉鎖位置と、前記受皿本体および前記受皿扉により前記硬貨の厚さに対応した隙間が形成される開放位置と、の間で前記受皿扉を移動させる駆動部と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、前記駆動部は、受皿扉が開放位置にあるとき、受皿本体の縁部と前記受皿扉の先端との隙間が硬貨の厚さよりも大きい物体を制止するスリットとなるように、前記受皿扉を駆動する故に、硬貨処理装置において、装置への混入時期が不明の包装硬貨やビニール袋に入った硬貨が、その後の精査時で機器内を残留確認した際に発見されるという課題を解消できる。
以下、図面を参照しつつ本発明による実施例の硬貨処理装置について現金自動預払機(以下、ATM)に内蔵されているものを一例として説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、実質的に同一の機能および構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[第1の実施例]
[1.ATMの構成]
図1に示すATM1は、例えば、金融機関等に設置され、操作者(すなわち顧客)との間で出金処理等の現金に関する取引を行うものである。
[1.ATMの構成]
図1に示すATM1は、例えば、金融機関等に設置され、操作者(すなわち顧客)との間で出金処理等の現金に関する取引を行うものである。
以下では、ATM1のうち操作者が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した操作者から見て左および右をそれぞれ左側および右側とし、さらに上側および前側を定義して説明する。
ATM1の内部には、その前側に操作者が対峙した状態で現金等の取り出しやタッチパネルによる操作等をしやすい箇所に顧客応対部2が設けられている。顧客応対部2は、顧客との取引に関する入出力を受け付ける表示操作部である。顧客応対部2には、操作者との間で例えば現金やカード等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになされており、通帳入出口3、カード入出口4、紙幣入出金口5、硬貨入出金口6、操作表示部7、テンキー8およびレシート発行口9が設けられている。
通帳入出口3には、取引で使用される通帳が挿入され、取引が終了すると通帳が排出される部分である。この通帳入出口3の奥部には、取引内容等を通帳に記録する通帳処理部(図示せず)が設けられている。
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入又は排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。
紙幣入出金口5および硬貨入出金口6は、顧客により入金する紙幣および硬貨がそれぞれ投入されると共に、顧客へ出金する紙幣および硬貨がそれぞれ排出される部分である。また、紙幣入出金口5および硬貨入出金口6は、それぞれに設けられた入出金口シャッタ(図示せず)を駆動することにより開放又は閉塞するようになされている。
紙幣入出金口5には、平面視において長方形状の開口が上下方向に穿設されている。また該開口の下部には、断面略コ字形状である紙幣収容部(図示せず)が設けられている。紙幣入出金口5の奥側には、紙幣の入金および出金に関する処理を行う紙幣処理装置BLLが設けられている。
硬貨入出金口6には、平面視において長方形状の開口が上下方向に穿設されている。また該開口の下部には、硬貨を収容する受皿を含む入出金部(図示せず)が設けられている。硬貨入出金口6の奥側には、硬貨の入金および出金に関する処理を行う硬貨処理装置10が設けられている。
操作表示部7は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルとなっている。
テンキー8は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理キーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。
レシート発行口9は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。レシート発行口9の奥側には、レシートに取引内容等を印字するレシート処理部(図示せず)が設けられている。
ATM1の内部には、その紙幣処理装置BLLや硬貨処理装置10等の機能全体を統括制御する主制御部MCTLが設けられている。主制御部MCTLは、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、出金処理等の種々の機能、処理を実現する。また、主制御部MCTLは、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。以下では便宜上、ATM1の硬貨処理装置10における硬貨の入金に関する構成について説明し、主制御部MCTLと紙幣処理装置BLLについては詳細な説明を省略する。
[2.硬貨処理装置の構成]
図2に示すように、硬貨処理装置10は、入金取引時等に顧客が投入した硬貨を受入れ、これを鑑別および計数して収納する機能や、出金取引時等に顧客により入力された金額等に相当する硬貨を繰出して計数し、これを入出金部11に集積して顧客に引渡す機能等を有している。これらの機能については、主制御部MCTLの配下で硬貨処理部10が各種のセンサからの信号と所定のプログラムに基づき、硬貨処理装置10内の各部を制御して硬貨の入出金処理等を実行する。
図2に示すように、硬貨処理装置10は、入金取引時等に顧客が投入した硬貨を受入れ、これを鑑別および計数して収納する機能や、出金取引時等に顧客により入力された金額等に相当する硬貨を繰出して計数し、これを入出金部11に集積して顧客に引渡す機能等を有している。これらの機能については、主制御部MCTLの配下で硬貨処理部10が各種のセンサからの信号と所定のプログラムに基づき、硬貨処理装置10内の各部を制御して硬貨の入出金処理等を実行する。
顧客の硬貨の挿入/取出に関わる入出金部11は、硬貨処理装置10の前面側の上部に設けられ、硬貨入出金口6(図1)を開閉するためのシャッタ12を備えている。シャッタ12の下には、断面略U字形状である受皿部11aが配置されている。受皿部11aは顧客が投入した硬貨(又は装置から排出された硬貨)を受入れ硬貨を一時的に収容し、その下部の開口から硬貨を放出する。なお、入出金部11の構成については後に詳述する。
入出金部11の下方に繰出部13が設けられている。繰出部13は、シュートCHを介して入金時等に入出金部11の受皿部11aの下部開口から搬送された1以上の硬貨等を受入れ、これを1枚毎に分離して繰出す分離繰出機構を有している。
本実施例の繰出部13には、認識部14での鑑別結果に応じて一時保留部15や各金種別スタッカ16aやオーバーフロースタッカ16bや補充リジェクト部20や運用リジェクト部21や取忘回収部23に硬貨を振分ける選別部STを備えた選別搬送部TRaが接続されている。さらに、繰出部13には、補充回収部19から繰出部13へ硬貨を搬送する縦搬送部TRbも接続されている。
繰出部13は、装置に対して水平に軸支された繰出用の回転円盤13aと該回転円盤13aの側面に配設されかつ異物排除ゲート13bで閉鎖された側面ガイド13cとを有する。繰出部13は、これら回転円盤13aと側面ガイド13cにより出来た空間に送り込まれる硬貨を蓄積する。異物排除ゲート13bは、異物を排出するために側面ガイド13cの一部を開放可能に配設されている。
回転円盤13aの回転により側面ガイド13c内の硬貨を遠心力で該側面ガイド13に沿わせて図示しない右側方向に配設されたゲートへ送り込み1枚ずつ選別搬送部TRaへ繰り出す。
選別搬送部TRaの認識部14は、繰出部13により1枚毎に繰出されて搬送されてきた硬貨を搬送しながら、硬貨の真偽、正損、金種等や、硬貨の異常等の硬貨に関する各種の鑑別を行う機能を有している。
選別搬送部TRaの認識部14の下流の選別部ST下方に一時保留部15が設けられている。一時保留部15は、選別搬送部TRaの認識部14で真性硬貨と鑑別された投入硬貨等を金種別に集積して一時保留する集積庫である。
一時保留部15の横に金種別スタッカ16aやオーバーフロースタッカ16bが設けられている。金種別スタッカ16aは、硬貨を金種別に収納する収納庫であって、入金処理時に確定された硬貨や補充された硬貨を金種別に収納する。オーバーフロースタッカ16bは、硬貨を金種混合で収納する収納庫であって、入金処理時に確定された硬貨や補充された硬貨を金種混合で収納する。
本実施例では、例えば、1円硬貨を収納する金種別スタッカ、10円硬貨を収納する金種別スタッカ、100円硬貨を収納する金種別スタッカ、500円硬貨を収納する金種別スタッカ、の4種の金種別スタッカ16aや、5円硬貨・50円硬貨を含めた6金種の硬貨を収納するオーバーフロースタッカ16bが設けられている。選別搬送部TRaの選別部STと一時保留部15と金種別スタッカ16aとオーバーフロースタッカ16bとは図示しないシュートにより一対一に対応して接続されている。
繰出部13の下方に異物返却部17が設けられている。異物返却部17は、繰出部13から繰出し不可能な異物をATM1の前面に開口する返却口17a(図1)へ送る搬送部である。
繰出部13において、選別搬送部TRaへ繰り出すことが不可能な異物が存在する場合、異物返却回収処理が実行される。
図2に示すように、繰出部13の回転円盤13aの上には、側面ガイド13cに2個の透光スリットを介して光ビームを送受信する残留センサ13dが2個配置されている。これら残留センサ13dの上に上部残留センサ13ddが配置されている。各残留センサは、それぞれ発光部と受光部とを対向配置した一対の光学式センサであって、発光部からの光ビームを硬貨等が遮光したことを受光部で検知して、回転円盤13a上の硬貨等の物体の有無を検知する機能を有している。
上記異物返却回収処理では、上部残留センサ13ddが大きな物体を検知すると図2に示す側面ガイド13cの異物排除ゲート13bを開放して側面ガイド13c内の異物を異物用ベルト17cに放出する。異物用ベルト17cに放出された異物は、該異物用ベルト17cの回転によりシュート17eを通じて異物返却口17aに排出して返却する。異物の排出後に側面ガイド13cの異物排除ゲート13bは閉鎖される。
図2に示す補充回収部19は、金種別スタッカ16aへの硬貨の補充時に係員が硬貨をセットし、金種別スタッカ16aやオーバーフロースタッカ16bへ搬送不可能な溢れ硬貨を収納するために用いる収納庫である。
また、補充回収部19には、補充時に認識部14により汚れや変形等により異常貨と鑑別された硬貨を収納する補充リジェクト部20と、回収時に入金収納時等において認識部14で一度正常貨と判別していた物を認識部14で異常貨と判別した場合に収納する運用リジェクト部21と、が設けられている。
また、顧客が取り忘れた硬貨を収納するための収納庫である取忘回収部23が設けられている。
[3.入出金部の構成]
入出金部11の受皿部11aは、図3の上面図に示すように、凹状の底部を構成する受皿扉11bと、該受皿扉により下部開口が閉じられる矩形筒状の受皿本体11c(装置筐体に固定された硬貨ガイドとして機能する故に固定ガイド11cともいう。)とから構成されている。また、図4の受皿部11aの断面図(図3のXX線の断面)に示すように、受皿本体11cは、その上方のシャッタ12(図2)に向けて開口している。受皿部11aの固定ガイド11cの上部後側には、選別搬送部TRa(図2)の前端から放出される硬貨を受け入れる受入口11dが形成されている。閉鎖位置にある受皿扉11bと受皿本体11cとの両者の下端縁部の対向面は平坦面でかつ、平面視にて直線状である。
入出金部11の受皿部11aは、図3の上面図に示すように、凹状の底部を構成する受皿扉11bと、該受皿扉により下部開口が閉じられる矩形筒状の受皿本体11c(装置筐体に固定された硬貨ガイドとして機能する故に固定ガイド11cともいう。)とから構成されている。また、図4の受皿部11aの断面図(図3のXX線の断面)に示すように、受皿本体11cは、その上方のシャッタ12(図2)に向けて開口している。受皿部11aの固定ガイド11cの上部後側には、選別搬送部TRa(図2)の前端から放出される硬貨を受け入れる受入口11dが形成されている。閉鎖位置にある受皿扉11bと受皿本体11cとの両者の下端縁部の対向面は平坦面でかつ、平面視にて直線状である。
図4に示すように、受皿扉11bの内面は、固定ガイド11cの下端部の内面と共に、連続する凹曲面状底面となるように形成されている。
受皿扉11bの一端である前端は回動軸AXによって揺動可能に支持されている。これにより、受皿扉11bは、回動軸AXを支点として、図4に示すように受皿部11aの底面を閉鎖する閉鎖位置と、図5に示すように受皿部11aの底面を開放する開放位置との間で開閉可能とされる。
受皿扉11bは、その閉鎖状態(図4)で硬貨を保持し、その開放状態(図5)において硬貨Coを下方へ放出する隙間GPを形成する。本実施例では、受皿本体11c(固定ガイド)の縁部と受皿扉11bの先端とが形成する隙間GPが、硬貨Coの厚さtよりも大きい物体を制止するスリットSLTとなる(GP>t)ように、構成されている。
図4に示すように、受皿部11a内の底部において、残留する硬貨を検知するための3個の受皿センサ11Sが固定ガイド11cの左右側壁の受皿扉11b近傍に沿って配設されている。受皿センサ11Sは、それぞれ発光部と受光部とを対向配置した一対の光学式センサであって、発光部からの光を硬貨等が遮光したことを受光部で検知して、入出金部11内の硬貨等の物体の有無を検知する機能を有している。3つの受皿センサ11Sは、底部の受皿扉11bにおける入金時に顧客が投入した硬貨や、出金時に顧客へ引渡す硬貨の有無を検知する機能を有する。
図4に示すように、入出金部11は例えばソレノイドSDにより並進駆動される並進シャフトTSを備える駆動部である開閉機構OCMを有する。並進シャフトTSの先端は受皿扉11bの前後方向の中間部に連結軸CXで回転自在に連結され、並進シャフトTSの他端はソレノイドに連結されている。並進駆動とは、並進シャフトTSの全体が並進シャフトTSの伸長方向において直線運動させられる駆動である。
主制御部MCTL(図1)の配下で硬貨処理装置10は、所定のプログラムと受皿部11aの受皿センサ11Sからの信号やその他の信号に基づき、受皿部11aからの硬貨の放出動作等のためにソレノイドSDを制御する。
これにより、開閉機構OCMにより受皿扉11bの先端を開放位置および閉鎖位置の間の揺動(振動)と停止を可能としている。
そして、図6に示すように、顧客が受皿扉11bへ、バラの硬貨Coおよび包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨Vを投入した場合、上記主制御部MCTLの配下で硬貨処理装置10は、受皿センサ11Sが検知する信号に基づき、開閉機構OCMの駆動により、図7に示すように、受皿扉11bを、その下端とこれに対向する固定ガイド11cの縁部と間の隙間GPが硬貨の最大厚さに少しの余裕を加えた程度の距離を保ち、かつ、この状態において受皿扉11bの下端が最も下方に位置した状態で停止させる。主制御部MCTLは、開閉機構OCMにより、この停止位置で受皿扉11bの下端が小さい振幅で振動する(図8に示す双方向矢印)ように制御する。該振動により硬貨Coが放出されやすくなる。なお、硬貨の最大厚さは流通している硬貨種類の内の硬貨の厚さが最大のものを意図する。
このように、硬貨処理装置10は、受皿扉11bが受皿部11aの底部を開放する開放位置にあるとき、受皿本体11c(固定ガイド)の縁部と受皿扉11bの先端との隙間が硬貨の厚さよりも大きい物体を制止するスリットSLTとなるように、受皿扉11bを駆動する開閉機構OCMを有している。さらに、硬貨処理装置10において、開閉機構OCMは、受皿扉11bの先端を所定振幅で振動させる振動機能を更に有している故に、開閉機構OCMを小さい振幅で振動する制御とすることにより、通常投入されたバラ硬貨に対しては不用意に残留することを防止し、硬貨の厚さよりも大きい物体(包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨V等)を制止する。
また、主制御部MCTLの配下で硬貨処理装置10の記憶部には、硬貨入金時等に受皿部11aに存在する硬貨を、受皿扉11bを回動させて繰出部13へ落下させるときに、硬貨の厚さよりも大きい物体(包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨V等)を制止すると共に硬貨を振動によって落下させる搬送処理を行う機能を有する制御プログラムが予め格納されており、主制御部MCTLの配下で硬貨処理装置10が実行する制御プログラムのステップにより本実施例の装置の上記の各機能が達成される。
[4.動作の説明]
ATM1への硬貨類の入金処理動作を説明する。
ATM1への硬貨類の入金処理動作を説明する。
入金時には、硬貨入出金口6の下の入出金部11(図1)のシャッタ12を開き、硬貨入出金口6から投入される硬貨を受皿部11aに受け入れ、シャッタ12を閉じる。その後、受皿部11aに受け入れた硬貨を下方の繰出部13に放出する。受皿扉11bを開放して自重により繰出部13へ落下させる。この受皿部11aから硬貨を放出する最中に、受皿部11aに振動を付与し、放出中に受皿部11aに硬貨が残留していないか受皿センサ11Sで確認する硬貨残留確認動作を行う。
具体的には、図9に示すように、顧客が硬貨Coを入出金部11へ挿入すると、硬貨Coは受皿部11aの底部に集まり、受皿センサ11Sが硬貨Coを検知すると、図10に示すように開閉機構OCMの駆動により受皿部11aの底部に設けた受皿扉11bが回転するが、受皿扉11bの下端とこれに対向する固定ガイド11cの縁部と間の隙間GPが硬貨の最大厚さに少しの余裕を加えた程度を保ち、かつ、この状態において受皿扉11bの下端は下方に位置した状態で停止するため、通常投入された硬貨Coは隙間GPを通過して繰出部13へ滑り落ちる。
また、図11に示すように、硬貨Coが受皿扉11bの下端と固定ガイド11cの縁部との間を跨るような状態で残留した場合においても、隙間GPが硬貨の最大厚さに少しの余裕を加えた程度を保った状態で停止した位置で開閉機構OCMにより受皿扉11bの下端が小さい振幅で振動するために硬貨Coは状態が変わり隙問GPを滑り落ちることになる。
その後、図2に示す硬貨処理装置10において、繰出部13へ自重により落下した硬貨Coは認識部14で正常貨と金種判別された物は選別搬送部TRaを通過して一時保留部15へ搬送され、認識部14により異常貨と判別された物は入出金部11の受皿部11aへ返却される。また、繰出部13で繰出し不可能な異物は異物排除ゲート13bと異物用ベルト17cの動作により異物返却部17を経由して、ATM前面の返却口17aへ返却される。
一方で、顧客が誤って包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨Vを投入した場合、図12に示すように硬貨Coの場合と同様に受皿部11aの底部に集まる。そして、受皿センサ11Sが包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨Vを検知すると、所定時間後、図13に示すように開閉機構OCMの駆動により受皿扉11bを回動させ開放する。開放時、隙間GPが硬貨の最大厚さに少しの余裕を加えた程度を保った状態で停止するため、包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨Vが受皿扉11bの下端と固定ガイド11cの縁部との間を跨るような状態で留まることになる。これにより、所定の時間経過時に受皿扉11bが閉鎖位置へ戻り包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨Vが受皿部11aの底部に集まる等により受皿センサ11Sで検知すると、シャッタ12を開け、顧客へ返却する。また、所定の時間経過時に受皿扉11bが閉鎖位置へ戻るときに図14に示すようにビニール袋に入った硬貨Vが隙間GPに挟まった場合には受皿扉11bが閉鎖位置に戻らずにエラーとなるため、係員による処置が可能となる。
以上のように第1の実施例によれば、回動した受皿扉11bは、隙間GPが硬貨の最大厚さに少しの余裕を加えた程度を保ち、かつ、この状態において受皿扉11bの下端は下方に位置した状態で停止し、更にこの停止した位置で受皿扉11bの下端が小さい振幅で振動することにより、通常投入された硬貨Coは隙間GPを通過して繰出部13に滑り落ちて正常に計数が可能となる。
一方、包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨Vは受皿扉11bの下端と固定ガイド11cの縁部との間を跨るような状態で留まることになり、所定の時間経過時に受皿扉11bが閉鎖位置へ戻ったときに受皿部11aの底部に集まる等により受皿センサ11Sで検知して、シャッタ12を開け、顧客へ返却する。また、所定の時間経過時に受皿扉11bが閉鎖位置へ戻ったときにビニール袋に入った硬貨Vが隙間GPに挟まった場合には受皿扉11bが閉鎖位置に戻らずにエラーとなるため、係員による処置が可能となる。
これにより、硬貨処理装置において、装置への混入時期が不明の包装硬貨やビニール袋に入った硬貨が、その後の精査時で機器内を残留確認した際に発見されるという問題の発生を防止できるという効果が得られる。
[第2の実施例]
本実施例は、受皿扉11bによるスリット(隙間GP)の形状の変更と上部受皿センサの追加以外、第1の実施例と同一であるので、第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例は、受皿扉11bによるスリット(隙間GP)の形状の変更と上部受皿センサの追加以外、第1の実施例と同一であるので、第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
第1の実施例に対して、本実施例では、図15の受皿部11aの上面図に示すように、閉鎖位置にある受皿扉11bの下端とこれに対向する固定ガイド11cの縁部とは、受皿扉11bが閉鎖位置にあるとき、互いに対向しかつ硬貨の直径Φよりも長い幅L1の凸凹を含む相補的側面形状BMPとなっている。この相補的側面形状は凸間の問隔L1が硬貨の最大直径に少しの余裕を加えた幅L1となっている凸凹の組み合せある。すなわち、第2の実施例の硬貨処理装置10において、受皿扉11bの先端と受皿本体11c(固定ガイド)の縁部とは、受皿扉11bが受皿部11aの底部を閉鎖する閉鎖位置にあるとき、平面視で互いに対向しかつ硬貨Coの直径Φよりも長い幅L1の凸又は凹を含む凸凹の相補的側面形状BMPを有する。さらに、図16の受皿部11aの断面図(図15のXX線の断面)に示すように、受皿扉11bおよび受皿本体11cの各々の縁部の相補的側面形状における凸部分PTは曲面形状となっている。
更に、第1の実施例に対して、本実施例では、図16に示すように、硬貨が主にある領域の物体を検出する受皿扉11bの受皿センサ11Sに加えて、これらよりも受皿扉11bの底面から高い位置にある領域の物体を検出する別の上部受皿センサ11SSを更に設けた構成とする。すなわち、第2の実施例の硬貨処理装置10において、受皿部11aは、硬貨Coの厚さよりも大きい物体を硬貨Coから区別することができる上部受皿センサ11SSを更に有する。
まず、図17に示すよう顧客により投入された包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨V、特に形状が様々なビニール袋に入った硬貨Vは、開放位置において、受皿扉11bの下端とこれに対向する固定ガイド11cの縁部と間の合せの凸部分の箇所に引っかかる。所定の時間経過時に受皿扉11bが閉鎖位置へ戻ったときに受皿部11aの底部に集まる等により受皿センサ11Sで検知して、シャッタ12を開け、顧客へ返却する。
また、図18の受皿部11aの上面図に示すように、顧客により投入された硬貨Coは、受皿扉11bの開放位置において、凸凹の相補的側面形状BMPの凸部分の箇所の間の隙間GPから落下し、図19の受皿部11aの断面図(図18のXX線の断面)に示すように、同時に凸部分PTの箇所の上に硬貨Coがのった場合にも、その表面が曲面形状である故に滑り、隙間GPから落下する。
また、一定の時間経過時に受皿扉11bが閉鎖位置へ戻ったときに、図20に示すように硬貨Coにより受皿センサ11Sは遮光したが、上部受皿センサ11SSは遮光しなかった場合、硬貨Coが隙間GPから落下せず残留したとして、開閉機構OCMにより受皿扉11bを回転させて閉鎖位置に戻すリトライ動作を行うことにより、上記図19に示すように、硬貨Coは落下する。
一方、図21に示すように受皿センサ11Sおよび上部受皿センサ11SSともに遮光した場合は硬貨Co以外に包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨Vも残留したとして、シャッタ12を開け、顧客へ返却を行う。
以上のように第2の実施例によれば、第1の実施例に対して、受皿扉11bの下端とこれに対向する固定ガイド11cの縁部と問の合せが凸凹の組み合せの形状としているため、包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨V、特に形状が様々なビニール袋に入った硬貨Vが凸凹の組み合せに引っ掛かり、隙間GPから落下しにくくなるという効果が得られる。また、凸凹の組み合せの形状は凸間の問隔が硬貨の最大直径に少しの余裕を加えた程度となっており、かつ凸部分の表面は曲面形状としているために硬貨Coはバランスして残留することを防止できる。
一方で、硬貨Coが受皿扉11bの下端と固定ガイド11cの縁部との間を跨るような状態で残留した場合において、硬貨Coのみが残留した場合には受皿センサ11Sは遮光するが上部受皿センサ11SSは遮光しないことから受皿扉11bの回転、閉鎖位置戻しのリトライ動作を行うが、受皿センサ11Sおよび上部受皿センサ11SSが遮光した場合には硬貨Co以外に包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨Vも残留したとして、シャッタ12を開け、顧客へ返却を行う。これにより、包装硬貨Pやビニール袋に入った硬貨Vの機器内への落下防止とともに、通常投入の硬貨Coが残留して不用意に顧客へ返却することが発生することを防止するという効果が得られる。
第1の実施例では、ATMの硬貨処理装置に適用した例を説明したが、他に、金融機関の窓口で使用される硬貨処理装置、駅や空港に設置される券売機に搭載の硬貨処理機にも適用可能である。
第2の実施例においても、第1の実施例と同等に、ATMの硬貨処理装置に適用した例を説明したが、他に、金融機閲の窓口で使用される硬貨処理装置、駅や空港に設置される券売機に搭載の硬貨処理機にも適用可能である。
いずれの実施例においても、開閉機構OCMの構成は限定されない。開閉機構OCMには、ソレノイドによる並進駆動の他に、モータ駆動によるレバーやリンク機構を用いた駆動構成も利用することができる。また、図22に示すように、受皿部11a全体に振動を付与する例えば振動モータVM等の振動付与機構を受皿本体11cに固着させ、上記主制御部MCTLの配下で硬貨処理装置10により開閉機構と協働して当該振動付与機構を制御するようにすることもできる。
10…硬貨処理装置、11…入出金部、11a…受皿部、11b…受皿扉、11c…受皿本体(固定ガイド)、OCM…開閉機構、11S…受皿センサ、11SS…上部受皿センサ。
Claims (7)
- 硬貨の投入を受け付ける入出金口と、
前記入出金口を介して硬貨を受容可能である受皿本体と該受皿本体の下部に対して開閉可能に設けられ前記受皿本体と共に底部を構成する受皿扉とを有する受皿部と、
前記底部を閉鎖する閉鎖位置と、前記受皿本体および前記受皿扉により前記硬貨の厚さに対応した隙間が形成される開放位置と、の間で前記受皿扉を移動させる駆動部と、
を有することを特徴とする硬貨処理装置。 - 前記駆動部は、前記開放位置において前記受皿扉を所定振幅で振動させることを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
- 前記隙間を形成する前記受皿扉および前記受皿本体の各々の縁部は、互いに対向しかつ前記硬貨の直径よりも長い幅の凸又は凹を含む凸凹の相補的側面形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の硬貨処理装置。
- 前記相補的側面形状における凸部分は曲面形状を有することを特徴とする請求項3に記載の硬貨処理装置。
- 前記受皿部は、前記底部上の第1の領域の物体を検出する第1のセンサと、前記第1の領域よりも前記受皿扉が開放位置にある際に形成される前記隙間の位置から離れた前記底部上の第2の領域の物体を検出する第2のセンサと、を含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の硬貨処理装置。
- 前記受皿扉は回動軸を有し、かつ、前記受皿扉は該回動軸周りに揺動可能であり、前記駆動部は、前記受皿扉の先端を前記受皿部の最も低い位置で停止させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の硬貨処理装置。
- 前記駆動部は、前記開放位置において、前記受皿本体と前記受皿扉との隙間が硬貨の厚さよりも大きい物体を制止するスリットとなるように、前記受皿扉を移動させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の硬貨処理装置。
Applications Claiming Priority (2)
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JP2018055995 | 2018-03-23 | ||
JP2018055995 | 2018-03-23 |
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Family Applications (1)
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JP2018160571A Pending JP2019169118A (ja) | 2018-03-23 | 2018-08-29 | 硬貨処理装置 |
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JP (1) | JP2019169118A (ja) |
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2018
- 2018-08-29 JP JP2018160571A patent/JP2019169118A/ja active Pending
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