JP2019168774A - 加工システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の加工装置を用いて被加工物を加工するときに作業者の負担を軽減する。【解決手段】加工システム10は、被加工物5を加工する複数の加工装置20と、加工装置20を制御する制御装置50を有する一つの操作端末40と、を備えている。制御装置50は、第1オブジェクト8A〜第3オブジェクト8Cを有する画像8に対応する画像データを記憶する記憶部52と、第1オブジェクト8A〜第3オブジェクト8Cを加工装置20において処理可能なデータに変換して、複数の専用データを作成するデータ作成部62と、複数の加工装置20を稼働させる順番を設定する設定部64と、複数の専用データを、専用データを処理可能な加工装置20にそれぞれ送信し、順番に基づいて複数の加工装置20をそれぞれ制御する制御部66と、を備えている。【選択図】図2
Description
本発明は、複数の加工装置を備えた加工システムに関する。
従来から、記録紙や布等の被加工物に画像等を印刷する印刷装置や、意匠性の向上等を目的として被加工物に刺繍を施す刺繍機および被加工物に箔転写する箔転写装置等の加工装置が用いられている。
例えば、上記加工装置のうち印刷装置および刺繍機を用いて被加工物としてのTシャツに画像を印刷した後に追加で刺繍を施す場合、作業者は、まず印刷装置用のデータを作成し、印刷装置のドライバに指示を出す。ここで、印刷装置に接続されたコンピュータには、画像に対応する画像データを変換して印刷装置用のデータを作成する専用のソフトウェアがインストールされている。そして、印刷装置による画像の印刷が完了すると、作業者は、刺繍機用のデータを作成し、刺繍機のドライバに指示を出す。ここで、刺繍機に接続されたコンピュータには、画像に対応する画像データを変換して刺繍機用のデータを作成する専用のソフトウェアがインストールされている。
ところで、上記の例では、印刷装置および刺繍機においてTシャツにそれぞれ加工が施されるが、印刷装置と刺繍機との間には関連性がなく、別個独立でTシャツに加工が行われている。このため、作業者は、印刷装置用のデータおよび刺繍機用のデータをそれぞれ準備する必要がある。また、作業者は、各装置に対して順番に加工指示を出す必要がある。このように、作業者は使用する各加工装置の操作方法、各加工装置で用いられるデータを作成する方法、各加工装置を使用する順番等を熟知している必要があり、作業者の負担が大きかった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の加工装置を用いて被加工物を加工するときに作業者の負担を軽減することができる加工システムを提供することである。
本発明に係る加工システムは、被加工物を加工する複数の加工装置と、複数の前記加工装置を制御する制御装置を有する一つの操作端末と、を備え、前記制御装置は、複数の前記加工装置において前記被加工物にそれぞれ加工される複数のオブジェクトを有する画像に対応する画像データを記憶する記憶部と、複数の前記オブジェクトごとに前記オブジェクトを、前記オブジェクトが加工される前記加工装置において処理可能なデータに変換して、複数の専用データを作成するデータ作成部と、複数の前記加工装置を稼働させる順番を設定する設定部と、複数の前記専用データを、前記専用データを処理可能な前記加工装置にそれぞれ送信し、前記順番に基づいて複数の前記加工装置をそれぞれ制御する制御部と、を備えている。
本発明の加工システムによると、データ作成部は、記憶部に記憶された画像データに基づいて、各オブジェクトを加工装置において処理可能な専用データにそれぞれ変換する。このように、加工装置毎の専用データの作成が一括して行われるため、作業者は加工装置毎にデータを準備する必要がなく、作業者の負担を軽減することができる。そして、制御装置の制御部は、設定部によって設定された順番に基づいて複数の加工装置をそれぞれ制御する。このため、作業者は、加工装置において被加工物の加工が行われる度に加工装置に命令を出す必要がなく、作業者の負担を軽減することができる。
本発明によれば、複数の加工装置を用いて被加工物を加工するときに作業者の負担を軽減することができる加工システムを提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る加工システムを説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
<第1実施形態>
図1に示すように、加工システム10は、被加工物5(図5参照)を加工する複数の加工装置20と、一つの操作端末40とを備えている。複数の加工装置20と操作端末40とは、それぞれ有線通信が可能にラインLにより接続されている。なお、加工装置20と操作端末40とは、それぞれ無線による通信も可能である。
図1に示すように、加工システム10は、被加工物5(図5参照)を加工する複数の加工装置20と、一つの操作端末40とを備えている。複数の加工装置20と操作端末40とは、それぞれ有線通信が可能にラインLにより接続されている。なお、加工装置20と操作端末40とは、それぞれ無線による通信も可能である。
加工装置20は、被加工物5(図5参照)を加工する。本実施形態の加工システム10は、加工装置20として、印刷装置20Aと、切断装置20Bと、箔押装置20Cと、切削装置20Dと、刺繍装置20Eと、三次元造形装置20Fとを備えている。加工装置20は、加工する被加工物5を保持する治具を備え得る。
印刷装置20Aは、被加工物5に所定の画像を印刷する装置である。印刷装置20Aとしては、例えば、インクジェット方式により被加工物5上に所定の印刷を行うインクジェットプリンタ等が挙げられる。インクジェットプリンタから吐出されるインクの材料は何ら限定されず、従来からインクジェットプリンタのインクの材料として用いられている各種の材料を使用することができる。上記インクは、例えば、ソルベント系(溶剤系)顔料インクや水性顔料インクであってもよいし、水性インク、あるいは、紫外線を受けて硬化する紫外線硬化型顔料インク等であってもよい。
切断装置20Bは、被加工物5を所定の形状に切断する装置である。切断装置20Bとしては、例えば、被加工物5に対して二次元的に相対移動可能なカッターを備えたカッティング装置等が挙げられる。
箔押装置20Cは、被加工物5に箔を転写する装置である。箔押装置20Cとして、例えば、熱転写装置等が挙げられる。熱転写装置は、被加工物5にシート状の熱転写箔を重ねた状態で、所定の箔転写用ツールによって熱転写箔を押圧および加熱することにより、被加工物の表面に熱転写箔中の装飾層(即ち箔)を付与する装置である。
切削装置20Dは、被加工物5に切削加工を施し、被加工物5を所定の形状に加工する装置である。切削装置20Dとしては、例えば、被加工物5に対して三次元的に相対移動可能な加工ツールを備えた切削加工装置等が挙げられる。
刺繍装置20Eは、被加工物5に刺繍糸および刺繍針を使用して装飾を施す装置である。
三次元造形装置20Fは、被加工物5に所定の形状の三次元造形物を加工する装置である。三次元造形装置20Fとしては、例えば、熱可塑性樹脂を軟化させたのちに硬化させることで硬化層を順次形成して三次元造形物を造形する装置や、液体の光硬化性樹脂に光を照射させて光硬化性樹脂を硬化させることで硬化層を順次形成して三次元造形物を造形する装置や、粉末材料に硬化液(バインダ液)を吐出させて粉末材料を硬化させることで硬化層を順次形成して三次元造形物を造形する装置等が挙げられる。
被加工物5は、例えば、記録紙などの平面シートであってもよいし、携帯電話ケースなどの各種ケース、電子タバコなどの小型電子機器、キーホルダやフォトフレームやペンなどの部品小物、日用品、アクセサリなどの立体物であってもよい。被加工物5の素材は、普通紙、画用紙、和紙やインクジェット用印刷紙などの紙類はもちろんのこと、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重合体などの樹脂材料、金、銀、銅、プラチナ、真鍮、アルミ、鉄、チタン、ステンレス等の金属材料、綿、麻、絹等の天然繊維やナイロン、ポリエステル等の化学繊維等から構成された布、カーボン、陶器、セラミック、ガラス、ゴム、皮革、木材板などであってもよい。なお、上述した加工装置20の中には、被加工物5の材料や形状によっては被加工物5に加工を施すことができないものも存在し得る。
図2に示すように、操作端末40は、複数の加工装置20を制御する制御装置50を有する。制御装置50は、プログラムに従って所定の処理を実行する。制御装置50は、加工装置20に接続されている。制御装置50は、後述する画像データに基づいて作成された複数の専用データを加工装置20に送信する。操作端末40は、ディスプレイ等からなる表示装置42(図1も参照)と、キーボードやタッチパネル、マウス等からなる入力装置44(図1も参照)とを備えている。表示装置42は、後述する画像データに基づく画像等を表示する。
制御装置50は、典型的にはコンピュータである。制御装置50は、例えば、外部の端末から画像データを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置とを備えている。図2に示すように、制御装置50は、記憶部52と、第1選択部54と、選別部56と、第2選択部58と、表示部60と、データ作成部62と、設定部64と、制御部66とを備えている。これら各部は、プログラムによって実現されている。このプログラムは、例えばCDやDVDなどの記録媒体から読み込まれる。なお、このプログラムは、インターネットを通じてダウンロードされるものであってもよい。また、これら各部は、プロセッサおよび/または回路などによって実現可能なものであってもよい。なお、上述した各部の具体的な制御などについては後述する。
次に、複数の加工装置20を用いて被加工物5を加工する手順について説明する。図3は、一実施形態に係る被加工物5を加工する手順を示したフローチャートである。以下の例では、印刷装置20Aおよび箔押装置20Cを用いて被加工物5としての携帯電話ケースを加工する場合について説明する。
まず、ステップS10において、操作端末40に画像データを取り込む。取り込まれた画像データは、記憶部52に記憶される。画像データは、二次元の画像を表すデータや三次元の画像を表すデータを含む。画像データは、複数の加工装置20によって被加工物5に加工される画像に対応する。画像は、複数の加工装置20において被加工物5にそれぞれ加工される複数のオブジェクトを有する。画像は、異なる加工装置20でそれぞれ加工される少なくとも2つのオブジェクトを有する。図4は、複数の加工装置20によって被加工物5に加工される画像8の一例である。図4に示すように、画像8は、りんごのイラストとして識別される第1オブジェクト8Aと、「APPLE」の文字列として識別される第2オブジェクト8Bと、「APPLE」の文字列を囲う枠として識別される第3オブジェクト8Cと、を有している。画像8は、作業者が操作端末40または外部のコンピュータにインストールされたソフトウェアを用いることによって任意に作成することができる。即ち、作業者は複数のオブジェクトを有する所望の画像を作成することができる。オブジェクトには、イラスト、写真、文字、図形、記号等が含まれる。
次に、ステップS20において、第1選択部54は、複数の加工装置20において加工される被加工物5の種類を選択する。被加工物5の種類は、予め記憶部52に記憶されており、新たに追加することもできる。被加工物5の種類の選択は、例えば、作業者が表示装置42に表示された被加工物5のリストから入力装置44を用いて所望の被加工物5を選択することによって行われる。
次に、ステップS30において、被加工物5を加工する加工装置20が設定される。選別部56は、第1選択部54によって選択された被加工物5を加工可能な加工装置20を選別する。記憶部52には、被加工物5の種類と、被加工物5を加工することができる加工装置20とが関連付けられて記憶されている。例えば、被加工物5として布が選択された場合には選別部56によって刺繍装置20Eは選別されるが、被加工物5として金属材料が選択された場合には選別部56によって刺繍装置20Eは選別されない。
第2選択部58は、選別部56によって選別された加工装置20の中から、オブジェクトごとに被加工物5を加工可能な加工装置20を選択する。そして、オブジェクトごとに加工する加工装置20の選択は、例えば、作業者が表示装置42に表示された加工装置20のリストから入力装置44を用いて所望の加工装置20を選択することによって行われる。作業者は、例えば、第1オブジェクト8Aおよび第2オブジェクト8Bを印刷装置20Aによって加工し、第3オブジェクト8Cを箔押装置20Cによって加工することを選択する。
ステップS40において、表示部60は、複数の加工装置20によって画像8が加工された被加工物5の内容を表示装置42にプレビュー表示する。図5に示す例では、被加工物5としての携帯電話ケースに画像8が加工された内容が表示装置42にプレビュー表示されている。
ステップS50において、データ作成部62は、画像に含まれるオブジェクトをオブジェクトが加工される加工装置20において処理可能なデータに変換して、専用データを作成する。データ作成部62は、オブジェクトごとに専用データを作成する。図4に示す例において、第1オブジェクト8Aおよび第2オブジェクト8Bを印刷装置20Aによって加工し、第3オブジェクト8Cを箔押装置20Cによって加工しようとすると、データ作成部62は、第1オブジェクト8Aおよび第2オブジェクト8Bを印刷装置20Aにおいて処理可能なデータ(例えばラスター形式により表されるラスターデータ)に変換して、印刷装置20Aにおいて用いられる専用データをそれぞれ作成する。また、データ作成部62は、第3オブジェクト8Cを箔押装置20Cにおいて処理可能なデータ(例えばベクター形式により表されるベクターデータ)に変換して、箔押装置20Cにおいて用いられる専用データを作成する。このように、データ作成部62は、1つの画像データから複数の専用データを作成する。
ここで、各専用データは、各加工装置20の原点および座標軸に基づいて作成される。記憶部52には、取り込まれた画像データにおける原点および座標軸と、各加工装置20における原点および座標軸との関係が記憶されている。例えば、各加工装置20における加工処理可能領域の中心点を基準として、中心点から前後上下左右の相対位置として各加工装置20の原点が認識される。座標軸については、画像データの長さ単位に対する各加工装置20の長さ単位の比率に基づいて認識される。これにより、異なる加工装置20間で被加工物5の位置合わせが可能となる。
設定部64は、複数の加工装置20を稼働させる順番を設定する。本実施形態では、設定部64は、被加工物5を加工する際に用いられる複数の加工装置20に基づいて、上記順番を自動的に設定する。設定部64は、第2選択部58によって選択された複数の加工装置20に基づいて、上記順番を自動的に設定する。例えば、記憶部52には、複数の加工装置20を稼働させる最適な順番が予め記憶されており、予め記憶された順番と被加工物5を実際に加工する際に用いる加工装置20とを比較することによって、順番が自動的に設定される。図4に示す例において、例えば、最初に印刷装置20Aによって第1オブジェクト8Aおよび第2オブジェクト8Bが被加工物5に加工され、その後、箔押装置20Cによって第3オブジェクト8Cが被加工物5に加工されるという順番が設定される。なお、上記順番は、作業者が手動によって適宜設定してもよい。例えば、作業者が表示装置42に表示される画面において入力装置44を用いて上記順番を任意に設定してもよい。
ステップS60において、制御部66は、データ作成部62において作成された複数の専用データを、専用データを処理可能な加工装置20にそれぞれ送信する。制御部66は、複数の専用データを被加工物5の加工に用いられる複数の加工装置20に一括で送信してもよいし、設定された順番に基づいて被加工物5が加工される前に加工装置20に順に送信してもよい。図4に示す例において、第1オブジェクト8Aおよび第2オブジェクト8Bを印刷装置20Aによって加工する場合、データ作成部62によって作成された第1オブジェクト8Aおよび第2オブジェクト8Bの専用データを印刷装置20Aに送信する。また、第3オブジェクト8Cを箔押装置20Cによって加工する場合、データ作成部62によって作成された第3オブジェクト8Cの専用データを箔押装置20Cに送信する。
ステップS70において、作業者は、被加工物5を最初に稼働される加工装置20にセットする。このとき、表示部60は、表示装置42に被加工物5のセッティングに関する情報を表示する。例えば、図6に示すように、表示部60は、表示装置42に、被加工物5としての携帯電話ケースと、印刷装置20Aと、治具25とを表示する。表示部60は、例えば、「携帯電話ケースを印刷装置にセットしてください」という内容を表示装置42に表示する。表示部60は、図7に示すように、被加工物5が保持された治具25の内容を表示装置42に表示する。治具25には、被加工物5が保持される凹部25Aが形成されている。治具25は、印刷装置20Aに配置されて用いられる。作業者は、被加工物5を加工装置20(ここでは印刷装置20A)にセットした後、入力装置44を用いて表示装置42に表示されたOKボタン43を押す。これにより、加工装置20による加工が開始される。ここでは、印刷装置20Aによって被加工物5に対する加工が開始される。
制御部66は、設定部64によって設定された順番に基づいて複数の加工装置20をそれぞれ順番に制御する。なお、一つの加工装置20において、被加工物5に2以上のオブジェクトが加工される場合、被加工物5に対してオブジェクトを1つずつ加工してもよい。即ち、第1オブジェクト8Aの加工が完了した後に、第2オブジェクト8Bの加工を開始してもよい。また、被加工物5に対して2以上のオブジェクトを一括で加工してもよい。即ち、第1オブジェクト8Aの加工と第2オブジェクト8Bの加工とを1つの処理で同時に行ってもよい。ステップS80では、制御部66は、専用データに基づいて印刷装置20Aを制御して、被加工物5に第1オブジェクト8Aおよび第2オブジェクト8Bを加工する。
ステップS90において、作業者は、被加工物5を次に稼働される加工装置20にセットする。このとき、表示部60は、表示装置42に被加工物5のセッティングに関する情報を表示する。表示部60は、一の加工装置20によって被加工物5への加工が終了した後、設定部64によって設定された順番に基づいて、被加工物5が次に加工される他の一の加工装置を表示装置42に表示する。ここでは、図8に示すように、表示装置42に一の加工装置20として印刷装置20Aが表示され、他の一の加工装置20として箔押装置20Cが表示されている。例えば、図8に示すように、表示部60は、表示装置42に、印刷装置20Aと、印刷装置20Aに加工された被加工物5と、箔押装置20Cとを表示する。表示部60は、例えば、「印刷装置の処理が完了しました。携帯電話ケースを箔押装置にセットしてください」という内容を表示装置42に表示する。表示部60は、被加工物5を印刷装置20Aから箔押装置20Cに移動させることを意味する矢印Aを表示する。表示部60は、図9に示すように、被加工物5が保持された治具26の内容を表示装置42に表示する。治具26は、被加工物5を側方から支持する一対のクランプ部26A、26Aを備えている。治具26は、箔押装置20Cに配置されて用いられる。作業者は、被加工物5を加工装置20にセットした後、入力装置44を用いて表示装置42に表示されたOKボタン43を押す。これにより、加工装置20による加工が開始される。ここでは、箔押装置20Cによって被加工物5に対する加工が開始される。
ステップS100では、制御部66は、専用データに基づいて箔押装置20Cを制御して、被加工物5に第3オブジェクト8Cを加工する。これにより、被加工物5への加工が完了する。その後、表示部60は、例えば、「箔押装置の処理が完了しました。携帯電話ケースを取り出してください」という内容を表示装置42に表示する。
以上のように、本実施形態の加工システム10によれば、データ作成部62は、記憶部52に記憶された画像データに基づいて、第1オブジェクト8A〜第3オブジェクト8Cを加工装置20において処理可能な専用データにそれぞれ変換する。このように、加工装置20毎の専用データの作成が一括して行われるため、作業者は加工装置20毎にデータを準備する必要がなく、作業者の負担を軽減することができる。そして、制御装置50の制御部66は、設定部64によって設定された順番に基づいて複数の加工装置20をそれぞれ制御する。このため、作業者は、加工装置20において被加工物5の加工が行われる度に加工装置20に命令を出す必要がなく、作業者の負担を軽減することができる。即ち、被加工物5への加工をワンストップで実現することができる。
本実施形態の加工システム10によれば、設定部64は、被加工物5を加工する際に用いられる複数の加工装置20に基づいて、複数の加工装置20を稼働させる順番を自動的に設定する。このように、複数の加工装置20を稼働させる順番が自動的に設定されるため、作業者の負担をより軽減することができる。
本実施形態の加工システム10によれば、表示部60は、印刷装置20Aによって被加工物5への加工が終了した後、設定部64によって設定された順番に基づいて、被加工物5が次に加工される箔押装置20Cを表示装置42に表示する。これにより、作業者は、表示装置42に表示された箔押装置20Cを確認することによって、被加工物5が次にどの加工装置20で加工されるかを容易に認識することができる。従って、作業者は加工装置20を作動させる順番を記憶する必要がなく、作業者の負担が軽減される。
本実施形態の加工システム10によれば、表示部60は、被加工物5が保持された治具25の内容を表示装置42に表示する。被加工物5を加工するときに、加工装置20によっては被加工物5を保持する治具を用いることがある。本実施形態では、作業者は、表示装置42に表示された治具25の内容を確認することによって、被加工物5を治具25に保持させた状態で印刷装置20Aに確実にセットすることができる。
本実施形態の加工システム10によれば、表示部60は、複数の加工装置20によって画像8が加工された被加工物5の内容を表示装置42にプレビュー表示する。これにより、作業者は、完成後の被加工物5を容易にイメージすることができる。
本実施形態の加工システム10によれば、選別部56は、複数の加工装置20のうち第1選択部54によって選択された被加工物5に加工可能な加工装置20を選別する。これにより、作業者が誤った加工装置20を用いて被加工物5を加工することが抑制される。
<第2実施形態>
図10は、第2実施形態に係る加工システム10のブロック図である。図10に示すように、加工装置20は、それぞれ検出センサ48を備えている。検出センサ48は、検出装置の一例である。検出センサ48は、被加工物5を加工するための基準となるクロップマークの位置を検出する。検出センサ48の種類は特に限定されず、光学式センサ等の従来から用いられている各種のセンサを好適に利用することができる。なお、本実施形態では、加工装置20の全てが検出センサ48を備えているが、設定部64によって設定された順番のうち最初に稼働される加工装置20については、検出センサ48を備えていなくてもよい。また、検出センサ48に代えて検出装置としてのカメラを設け、画像処理によってクロップマークの位置を検出してもよい。
図10は、第2実施形態に係る加工システム10のブロック図である。図10に示すように、加工装置20は、それぞれ検出センサ48を備えている。検出センサ48は、検出装置の一例である。検出センサ48は、被加工物5を加工するための基準となるクロップマークの位置を検出する。検出センサ48の種類は特に限定されず、光学式センサ等の従来から用いられている各種のセンサを好適に利用することができる。なお、本実施形態では、加工装置20の全てが検出センサ48を備えているが、設定部64によって設定された順番のうち最初に稼働される加工装置20については、検出センサ48を備えていなくてもよい。また、検出センサ48に代えて検出装置としてのカメラを設け、画像処理によってクロップマークの位置を検出してもよい。
記憶部52は、クロップマークに対応するクロップマークデータを記憶する。図11に示すように、クロップマーク30は、例えば、被加工物5のうち画像8の四隅の外側にそれぞれ設けられる。
データ作成部62は、複数の加工装置20のうち設定部64によって設定された順番に基づいて最初に被加工物5を加工する第1加工装置においてクロップマークデータを処理可能なデータに変換して、基準データを作成する。例えば、最初に印刷装置20Aによって第1オブジェクト8Aおよび第2オブジェクト8Bを被加工物5に加工し、次に、箔押装置20Cによって第3オブジェクト8Cを被加工物5に加工し、最後に、切断装置20Bによって被加工物5を画像8の外形に沿って切断する場合には、データ作成部62は、印刷装置20Aにおいてクロップマークデータを処理可能なデータに変換して、基準データを作成する。
制御部66は、基準データを、第1加工装置に送信し、第1加工装置を制御して被加工物5にクロップマーク30を加工する。制御部66は、図11に示す例では、印刷装置20Aに基準データを送信する。制御部66は、印刷装置20Aを制御して、被加工物5に対して最初にクロップマーク30を加工し、その後に第1オブジェクト8Aおよび第2オブジェクト8Bを加工する。なお、制御部66は、印刷装置20Aを制御して、被加工物5に対して最初に第1オブジェクト8Aおよび第2オブジェクト8Bを加工し、その後にクロップマーク30を加工してもよい。あるいは、制御部66は、印刷装置20Aを制御して、被加工物5に対して第1オブジェクト8A、第2オブジェクト8Bおよびクロップマーク30を一回の処理で加工してもよい。図11に示す例では、被加工物5のうちクロップマーク30が印刷された部分を切断装置20Bによって切断するが、例えば、クロップマーク30が刺繍装置20Eによって設けられる場合には、被加工物5への加工が全て完了した後に、刺繍糸から形成されたクロップマーク30を被加工物5から取り除くことができる。
本実施形態の加工システム10によれば、制御部66は、基準データを、設定部64によって設定された順番に基づいて最初に被加工物5を加工する印刷装置20Aに送信し、印刷装置20Aを制御して被加工物5にクロップマーク30を加工する。ここで、設定された順番に基づいて少なくとも2番目以降に被加工物5を加工する箔押装置20Cおよび切断装置20Bは、クロップマーク30の位置を検出する検出センサ48を備えている。ここで、クロップマーク30は、各加工装置20において被加工物5を加工するための基準であるため、検出センサ48によってクロップマーク30検出することによって、異なる加工装置間20において被加工物5の位置合わせを容易に行うことができる。
図12は、被加工物5の一例である。図12に示すように、被加工物5は、所定の形状を有する第1部分5Aと、所定の形状を有する第2部分5Bとを有する特殊被加工物である。第1部分5Aは、カップ状に形成されている。第2部分5Bは、土台である。
記憶部52は、複数の加工装置20のうち被加工物5の第1部分5Aの所定の部位5Xを加工する加工装置20である第1専用加工装置を記憶する。記憶部52は、複数の加工装置20のうち被加工物5の第2部分5Bの所定の部位5Yを加工する加工装置20である第2専用加工装置を記憶する。図12に示す例では、例えば、第1専用加工装置は、紫外線硬化型顔料インクを用いる印刷装置20Aであり、第2専用加工装置は、箔押装置20Cである。
選別部56は、第1選択部54によって選択された被加工物5が特殊被加工物である場合には、特殊被加工物に加工可能な加工装置20を選別する。図12に示す例では、記憶部52に記憶された情報に基づいて、第1専用加工装置として印刷装置20Aが選別され、第2専用加工装置として箔押装置20Cが選別される。
本実施形態の加工システム10によれば、第1選択部54によって第1部分5Aおよび第2部分5Bを有する特殊被加工物が選択されたとき、選別部56は、第1部分5Aの所定の部位5Xを加工する印刷装置20Aおよび第2部分5Bの所定の部位5Yを加工する箔押装置20Cを用いることを選別する。これにより、被加工物5を適切な加工装置20を用いて加工することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
上述した各実施形態では、加工装置20として、印刷装置20A、切断装置20B、箔押装置20C、切削装置20D、刺繍装置20Eおよび三次元造形装置20Fが挙げられていたが、これらは加工装置20の一例であり、加工装置20はこれらに限定されない。また、加工システム10は、少なくとも2つの加工装置20を備えていればよい。
上述した各実施形態では、印刷装置20Aと切断装置20Bとは別個独立した構成であったが、これに限定されない。加工システム10は、例えば、被加工物5に所定の画像を印刷するインクヘッドと、被加工物5を所定の形状に切断するカッティングヘッドとを備えたカッティングヘッド付きインクジェットプリンタを備えていてもよい。即ち、加工システム10は、印刷装置20Aと切断装置20Bとが一体化した装置を備えていてもよい。
上述した各実施形態では、設定部64はステップS50において複数の加工装置20を稼働させる順番を設定していたが、これに限定されない。例えば、設定部64は、ステップS30において加工装置20が選択されたときに、自動的または作業者が手動で、複数の加工装置20を稼働させる順番を設定してもよい。
記憶部52は、所定の被加工物5ごとに、利用頻度が高い加工装置20の組み合わせを記憶するように構成されていてもよい。そして、選別部56は、第1選択部54によって被加工物5が選択されたとき、記憶部52に記憶された利用頻度情報に基づいて、使用する加工装置20を選別してもよい。
上述した実施形態では、予め作成された画像データを操作端末40に取り込むように構成されていたが、これに限定されない。制御装置50は、利用者(需要者)の趣向に沿って画像を作成する画像作成部をさらに備えていてもよい。画像作成部は、利用者に対して二者択一(例えば尖った図形と丸みを帯びた図形等)や三社択一(暖かい色合いと涼しい色合いと中間の色合い等)のデザイン例を順に提示して、選択された内容から画像を提案するように構成されていてもよい。
上述した実施形態では、制御装置50の制御部66は、各加工装置20を直接的に制御している(即ち制御装置50には、複数の加工装置20の制御を統括するソフトウェアがインストールされている。)がこれに限定されない。例えば、制御装置50には、各加工装置20をそれぞれ制御する専用のソフトウェアが複数インストールされており、制御部66は、これらの専用のソフトウェアを介して間接的に各加工装置20を制御してもよい。この場合、制御装置50では、各加工装置20に適合する形式のデータが作成されると共に各専用ソフトウェアに適合する形式で命令が作成され、データおよび命令の組合わせがそれぞれの専用ソフトウェアに送信され、専用ソフトウェアによって加工装置20を制御する。制御部66は、各専用ソフトウェアに対して命令およびデータの組み合わせを送信するタイミングを設定し、順次実行する。なお、専用のソフトウェアは、制御装置50にインストールされていてもよいし、各加工装置20にそれぞれインストールされていてもよい。
上述した実施形態では、加工システム10は、加工装置20として、印刷装置20Aと、切断装置20Bと、箔押装置20Cと、切削装置20Dと、刺繍装置20Eと、三次元造形装置20Fとを備えており、制御装置50はこれら複数の加工装置20の全てを制御するように構成されているが、制御装置50は、複数の加工装置20のうち少なくとも2つの加工装置20を制御することができればよい。
5 被加工物
8 画像
8A 第1オブジェクト
8B 第2オブジェクト
8C 第3オブジェクト
10 加工システム
20 加工装置
20A 印刷装置
20C 箔押装置
40 操作端末
50 制御装置
52 記憶部
62 データ作成部
64 設定部
66 制御部
8 画像
8A 第1オブジェクト
8B 第2オブジェクト
8C 第3オブジェクト
10 加工システム
20 加工装置
20A 印刷装置
20C 箔押装置
40 操作端末
50 制御装置
52 記憶部
62 データ作成部
64 設定部
66 制御部
Claims (8)
- 被加工物を加工する複数の加工装置と、
複数の前記加工装置を制御する制御装置を有する一つの操作端末と、を備え、
前記制御装置は、
複数の前記加工装置において前記被加工物にそれぞれ加工される複数のオブジェクトを有する画像に対応する画像データを記憶する記憶部と、
複数の前記オブジェクトごとに前記オブジェクトを、前記オブジェクトが加工される前記加工装置において処理可能なデータに変換して、複数の専用データを作成するデータ作成部と、
複数の前記加工装置を稼働させる順番を設定する設定部と、
複数の前記専用データを、前記専用データを処理可能な前記加工装置にそれぞれ送信し、前記順番に基づいて複数の前記加工装置をそれぞれ制御する制御部と、を備えている、加工システム。 - 前記設定部は、前記被加工物を加工する際に用いられる複数の前記加工装置に基づいて、複数の前記加工装置を稼働させる順番を自動的に設定する、請求項1に記載の加工システム。
- 前記画像データに基づく画像を表示する表示装置を備え、
前記制御装置は、一の前記加工装置によって前記被加工物への加工が終了した後、前記順番に基づいて、前記被加工物が次に加工される他の一の前記加工装置を前記表示装置に表示する表示部を備えている、請求項1または2に記載の加工システム。 - 前記加工装置は、前記被加工物を保持する治具を備え、
前記表示部は、前記被加工物が保持された前記治具の内容を前記表示装置に表示する、請求項3に記載の加工システム。 - 前記表示部は、複数の前記加工装置によって前記画像が加工された前記被加工物の内容を前記表示装置にプレビュー表示する、請求項3または4に記載の加工システム。
- 複数の前記加工装置のうち前記順番に基づいて少なくとも2番目以降に前記被加工物を加工する前記加工装置は、前記被加工物を加工するための基準となるクロップマークの位置を検出する検出装置を備え、
前記記憶部は、前記クロップマークに対応するクロップマークデータを記憶し、
前記データ作成部は、複数の前記加工装置のうち前記順番に基づいて最初に前記被加工物を加工する前記加工装置である第1加工装置において前記クロップマークデータを処理可能なデータに変換して、基準データを作成し、
前記制御部は、前記基準データを、前記第1加工装置に送信し、前記第1加工装置を制御して前記被加工物に前記クロップマークを加工する、請求項1から5のいずれか一項に記載の加工システム。 - 前記制御装置は、
前記被加工物の種類を選択する選択部と、
複数の前記加工装置のうち選択された前記被加工物に加工可能な前記加工装置の種類を選別する選別部と、を備えている、請求項1から6のいずれか一項に記載の加工システム。 - 前記被加工物は、所定の形状を有する第1部分と、所定の形状を有する第2部分とを有する特殊被加工物を含み、
前記記憶部は、複数の前記加工装置のうち前記第1部分を加工する前記加工装置である第1専用加工装置と、複数の前記加工装置のうち前記第2部分を加工する前記加工装置である第2専用加工装置と、を記憶し、
前記選択部によって前記特殊被加工物が選択されたとき、前記選別部は、前記第1専用加工装置および前記第2専用加工装置を選別する、請求項7に記載の加工システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018054248A JP2019168774A (ja) | 2018-03-22 | 2018-03-22 | 加工システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018054248A JP2019168774A (ja) | 2018-03-22 | 2018-03-22 | 加工システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019168774A true JP2019168774A (ja) | 2019-10-03 |
Family
ID=68106847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018054248A Pending JP2019168774A (ja) | 2018-03-22 | 2018-03-22 | 加工システム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019168774A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102376359B1 (ko) * | 2021-12-01 | 2022-03-18 | 준엔지니어링 주식회사 | 밴딩 및 용접장치 자동화 시스템 |
WO2024024389A1 (ja) * | 2022-07-27 | 2024-02-01 | ブラザー工業株式会社 | 箔転写装置 |
-
2018
- 2018-03-22 JP JP2018054248A patent/JP2019168774A/ja active Pending
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