以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係る油圧ショベルの構成例を示す図である。油圧ショベルは、クローラ式の下部走行体1の上に、旋回機構2を介して、上部旋回体3を旋回自在に搭載する。
上部旋回体3には、ブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられている。ブーム4、アーム5、及びバケット6により掘削アタッチメントが構成される。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。上部旋回体3には、キャビン10が設けられ、且つエンジン等の動力源が搭載される。エンジン等の動力源は、カバー3aに覆われている。図1ではエンドアタッチメントとしてのバケット6を示したが、バケット6はクラッシャ、リフティングマグネット、ブレーカ、フォーク等であってもよい。
ブーム4は、上部旋回体3に対して上下に回動可能に支持されており、回動支持部(関節)に姿勢検出装置としてのブーム角度センサS1が取り付けられている。ブーム角度センサS1により、ブーム4の傾き角度であるブーム角度α(ブーム4を最も下降させた状態からの上昇角度)を検出することができる。
アーム5は、ブーム4に対して回動可能に支持されており、回動支持部(関節)に姿勢検出装置としてのアーム角度センサS2が取り付けられている。アーム角度センサS2により、アーム5の傾き角度であるアーム角度β(アーム5を最も閉じた状態からの開き角度)を検出することができる。
バケット6は、アーム5に対して回動可能に支持されており、回動支持部(関節)に姿勢検出装置としてのバケット角度センサS3が取り付けられている。バケット角度センサS3により、バケット6の傾き角度であるバケット角度γ(バケット6を最も閉じた状態からの開き角度)を検出することができる。
ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及び、バケット角度センサS3はそれぞれ、可変抵抗器を利用したポテンショメータ、対応する油圧シリンダのストローク量を検出するストロークセンサ、連結ピン回りの回動角度を検出するロータリエンコーダ、ジャイロセンサ、加速度センサとジャイロセンサの組み合わせ等であってもよい。ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及び、バケット角度センサS3は、掘削アタッチメントの姿勢に関する情報を検出する姿勢センサを構成する。
図2は、油圧ショベルの駆動系の構成例を示すブロック図であり、機械的動力系、高圧油圧ライン、パイロットライン、及び電気駆動・制御系をそれぞれ二重線、実線、破線、及び点線で示す。
油圧ショベルの駆動系は、主に、エンジン11、メインポンプ12、レギュレータ13、パイロットポンプ14、コントロールバルブ15、操作装置16、圧力センサ17、ブームシリンダ圧センサ18a、吐出圧センサ18b、及びコントローラ30で構成される。
エンジン11は、油圧ショベルの駆動源であり、例えば、所定の回転数を維持するように動作するエンジンであって、エンジン11の出力軸がメインポンプ12及びパイロットポンプ14の入力軸に接続される。
メインポンプ12は、高圧油圧ラインを介して圧油をコントロールバルブ15に供給するための装置であり、例えば、斜板式可変容量型油圧ポンプである。
レギュレータ13は、メインポンプ12の吐出量を制御するための装置であり、例えば、メインポンプ12の吐出圧、又はコントローラ30からの制御信号等に応じてメインポンプ12の斜板傾転角を調節することによって、メインポンプ12の吐出量を制御する。
パイロットポンプ14は、パイロットラインを介して各種油圧制御機器に圧油を供給するための装置であり、例えば、固定容量型油圧ポンプである。
コントロールバルブ15は、油圧ショベルにおける油圧システムを制御する油圧制御装置である。コントロールバルブ15は、例えば、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、走行用油圧モータ20L(左用)、走行用油圧モータ20R(右用)、及び旋回用油圧モータ21のうちの一又は複数のものに対しメインポンプ12から受け入れた圧油を選択的に供給する。なお、以下では、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、走行用油圧モータ20L(左用)、走行用油圧モータ20R(右用)、及び旋回用油圧モータ21を集合的に「油圧アクチュエータ」と称するものとする。
操作装置16は、操作者が油圧アクチュエータの操作のために用いる装置であり、パイロットラインを介して、パイロットポンプ14から受け入れた圧油を油圧アクチュエータのそれぞれに対応する流量制御弁のパイロットポートに供給する。なお、パイロットポートのそれぞれに供給される圧油の圧力(パイロット圧)は、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置16のレバー又はペダル(図示せず。)の操作方向及び操作量に応じた圧力とされる。
圧力センサ17は、操作装置16を用いた操作者の操作内容を検出するためのセンサである。圧力センサ17は、例えば油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置16のレバー又はペダルの操作方向及び操作量を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。なお、操作装置16の操作内容は、圧力センサ以外の他のセンサを用いて検出されてもよい。
ブームシリンダ圧センサ18aは、例えば、ブームシリンダ7のボトム側チャンバにおける圧力を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
吐出圧センサ18bは、例えば、メインポンプ12の吐出圧を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
コントローラ30は、油圧アクチュエータの動作速度を制御するための制御装置である。コントローラ30は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータで構成される。コントローラ30は、姿勢算出部301、降下量算出部302、異常降下判定部303、及び警告出力部304のそれぞれに対応するプログラムをROMから読み出してRAMに展開しながら、それぞれに対応する処理をCPUに実行させる。
具体的には、コントローラ30は、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、バケット角度センサS3、圧力センサ17、ブームシリンダ圧センサ18a、吐出圧センサ18b等が出力する検出値及び入力装置D1により入力される入力値を受信し、それら検出値及び入力値に基づいて、姿勢算出部301、降下量算出部302、異常降下判定部303、及び警告出力部304のそれぞれによる処理を実行する。その後、コントローラ30は、姿勢算出部301、降下量算出部302、異常降下判定部303、及び警告出力部304のそれぞれの処理結果に応じた制御信号を適宜に音声出力装置D2及び/又は表示装置D3に対して出力する。
姿勢算出部301は、掘削アタッチメントの姿勢を算出する。本実施形態では、姿勢算出部301は、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3で構成される姿勢センサの出力に基づいて、掘削アタッチメントの姿勢を算出する。
降下量算出部302は、掘削アタッチメントの降下量を算出する。本実施形態では、降下量算出部302は、ショベルの停止時から起動時までの期間における異なる2つの時点の掘削アタッチメントの姿勢に基づいて、掘削アタッチメントの降下量を算出する。例えば、降下量算出部302は、キーOFF時(停止時)に算出された掘削アタッチメントの姿勢と、キーON時(起動時)に算出された掘削アタッチメントの姿勢とに基づいて、掘削アタッチメントの降下量を算出する。ここで、降下量算出部302は、エンジン11の停止時に算出された掘削アタッチメントの姿勢と、エンジン11の起動時に算出された掘削アタッチメントの姿勢とに基づいて、掘削アタッチメントの降下量を算出してもよいし、コントローラ30の電源がOFFになる時に算出された掘削アタッチメントの姿勢と、コントローラ30の電源がONになった時に算出された掘削アタッチメントの姿勢とに基づいて、掘削アタッチメントの降下量を算出してもよい。また、降下量算出部302は、ショベルの停止時に算出された掘削アタッチメントの姿勢と、ショベルの停止時から所定の時間後に算出された掘削アタッチメントの姿勢とに基づいて、掘削アタッチメントの降下量を算出してもよいし、ショベルの停止中における所定インターバルで算出された掘削アタッチメントの姿勢に基づいて、掘削アタッチメントの降下量を算出してもよい。
異常降下判定部303は、掘削アタッチメントが異常降下したか否かを判定する。本実施形態では、異常降下判定部303は、降下量算出部302により算出された掘削アタッチメントの降下量が、予め設定された閾値よりも大きいか否かを判定し、掘削アタッチメントが異常降下したか否かを判定する。具体的に、異常降下判定部303は、ショベルの停止時から起動時までの期間における異なる2つの時点の掘削アタッチメントの姿勢に基づいて、掘削アタッチメントが異常降下したか否かを判定する。例えば、降下量算出部302は、ショベルの停止時の掘削アタッチメントの姿勢と、ショベルの停止時から所定の時間後(例えば12時間後)のショベル起動時における掘削アタッチメントの姿勢とに基づいて、掘削アタッチメントの降下量を算出する。異常降下判定部303は、算出された降下量を所定の時間(例えば12時間)経過した場合の正常な降下量(閾値)と比較する。比較した結果、算出された降下量が閾値を超えていた場合、掘削アタッチメントが異常降下したと判定する。本実施形態では、ショベル内部のコントローラ30が異常降下の判定を実行しているが、アタッチメントの降下量を携帯通信端末や外部のショベル管理装置に送信し、この携帯通信端末や外部のショベル管理装置が異常降下の判定を行ってもよい。
警告出力部304は、異常降下判定部303により掘削アタッチメントが異常降下したと判定された場合、操作者に対する警告を出力する。本実施形態では、警告出力部304は、表示装置D3に対して警告信号を出力し、表示装置D3に表示される画面に警告を表示させる。また、警告出力部304は、音声出力装置D2に対して警告信号を出力し、音声出力装置D2から警告音を出力させてもよい。なお、警告出力部304は、携帯通信端末や外部のショベル管理装置において判定された異常降下の情報に基づいて、音声出力装置D2から警告音を出力させてもよい。
図3を参照しながら、掘削アタッチメントが異常降下する要因について説明する。なお、図3は、油圧ショベルに搭載される油圧システムの構成例を示す概略図であり、図2と同様に、機械的動力系、高圧油圧ライン、パイロットライン、及び電気駆動・制御系を、それぞれ二重線、実線、破線、及び点線で示す。
図3に示される油圧システムは、エンジン11によって駆動されるメインポンプ12(2つのメインポンプ12L、12R)から、センターバイパス管路40L、40Rのそれぞれを経て圧油タンクまで圧油を循環させる。
センターバイパス管路40Lは、コントロールバルブ15内に配置された流量制御弁151、153、155及び157を連通する高圧油圧ラインである。
センターバイパス管路40Rは、コントロールバルブ15内に配置された流量制御弁150、152、154、156及び158を連通する高圧油圧ラインである。
流量制御弁151、152は、それぞれメインポンプ12L、12Rが吐出する圧油を走行用油圧モータ20L(左用)、走行用油圧モータ20R(右用)で循環させるために圧油の流れを切り換えるスプール弁である。
流量制御弁153、154は、メインポンプ12L、12Rが吐出する圧油をブームシリンダ7へ供給し、且つ、ブームシリンダ7内の圧油を圧油タンクへ排出するために圧油の流れを切り換えるスプール弁である。なお、流量制御弁154は、ブーム操作レバー16Aが操作された場合に常に作動するスプール弁(以下、「第一速ブーム流量制御弁」とする。)である。また、流量制御弁153は、ブーム操作レバー16Aが所定操作量以上で操作された場合にのみ作動するスプール弁(以下、「第二速ブーム流量制御弁」とする。)である。
流量制御弁155、156は、メインポンプ12L、12Rが吐出する圧油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の圧油を圧油タンクへ排出するために圧油の流れを切り換えるスプール弁である。なお、流量制御弁155は、アーム操作レバー(図示せず。)が操作された場合に常に作動する弁(以下、「第一速アーム流量制御弁」とする。)である。また、流量制御弁156は、アーム操作レバーが所定操作量以上で操作された場合にのみ作動する弁(以下、「第二速アーム流量制御弁」とする。)である。
流量制御弁157は、メインポンプ12Lが吐出する圧油を旋回用油圧モータ21で循環させるために圧油の流れを切り換えるスプール弁である。
流量制御弁158は、メインポンプ12Rが吐出する圧油をバケットシリンダ9へ供給し、且つ、バケットシリンダ9内の圧油を圧油タンクへ排出するためのスプール弁である。
レギュレータ13L、13Rは、メインポンプ12L、12Rの吐出圧に応じてメインポンプ12L、12Rの斜板傾転角を調節することによって(全馬力制御によって)、メインポンプ12L、12Rの吐出量を制御する。具体的には、レギュレータ13L、13Rは、メインポンプ12L、12Rの吐出圧が所定値以上となった場合にメインポンプ12L、12Rの斜板傾転角を調節して吐出量を減少させる。吐出圧と吐出量との積で表されるポンプ馬力がエンジン11の出力馬力を超えないようにするためである。
ブーム操作レバー16Aは、操作装置16の一例であり、ブーム4を操作するための操作装置であって、パイロットポンプ14が吐出する圧油を利用して、レバー操作量に応じた制御圧を第一速ブーム流量制御弁154の左右何れかのパイロットポートに導入させる。なお、ブーム操作レバー16Aは、レバー操作量が所定操作量以上の場合には、第二速アーム流量制御弁153の左右何れかのパイロットポートにも圧油を導入させるようにする。
圧力センサ17Aは、圧力センサ17の一例であり、ブーム操作レバー16Aに対する操作者の操作内容(レバー操作方向及びレバー操作量(レバー操作角度)である。)を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
左右走行レバー(又はペダル)、アーム操作レバー、バケット操作レバー及び旋回操作レバー(何れも図示せず。)はそれぞれ、下部走行体1の走行、アーム5の開閉、バケット6の開閉、及び上部旋回体3の旋回を操作するための操作装置である。これらの操作装置は、ブーム操作レバー16Aと同様に、パイロットポンプ14が吐出する圧油を利用して、レバー操作量(又はペダル操作量)に応じた制御圧を油圧アクチュエータのそれぞれに対応する流量制御弁の左右何れかのパイロットポートに導入させる。また、これらの操作装置のそれぞれに対する操作者の操作内容(レバー操作方向及びレバー操作量である。)は、圧力センサ17Aと同様に、対応する圧力センサによって圧力の形で検出され、検出値がコントローラ30に対して出力される。
コントローラ30は、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、バケット角度センサS3、圧力センサ17A、ブームシリンダ圧センサ18a、吐出圧センサ18b等の出力を受信し、必要に応じてレギュレータ13L、13Rに対して制御信号を出力し、メインポンプ12L、12Rの吐出量を変化させるようにする。
図3に示される油圧システムでは、例えば流量制御弁154を制御してブームシリンダ7内と圧油タンクとを非連通状態にしても、流量制御弁154内の僅かな隙間を介して、ブームシリンダ7内の圧油が圧油タンクへ排出される場合がある。経年劣化により、この隙間が大きくなる傾向にあり、この隙間を介してブームシリンダ7内の圧油が圧油タンクへ排出されると、ブームシリンダ7が伸縮し、掘削アタッチメントが緩やかに降下する。
また、例えばブームシリンダ7内と流量制御弁154内とを接続する油圧ホースの経年劣化により、油圧ホースで油漏れが生じる場合がある。油圧ホースで油漏れが生じると、ブームシリンダ7が伸縮し、掘削アタッチメントが緩やかに降下する。
このような掘削アタッチメントの緩やかな降下は、目視により確認することが困難である。そこで、本発明の実施形態では、コントローラ30が、キーOFF時及びキーON時の掘削アタッチメントの姿勢に基づいて異常を検出する。これにより、油漏れ等により生じる掘削アタッチメントの緩やかな異常降下を検出することができる。
図4を参照しながら、コントローラ30が掘削アタッチメントの異常降下を検出する処理(以下「異常降下検出処理」という。)の第1の実施例について説明する。図4は、異常降下検出処理の流れを示すフローチャートである。第1の実施例では、ショベルの停止時から起動時までの期間における異なる2つの時点での判断をキーOFF動作された時点とその後、キーON動作された時点で判断する。
最初に、操作者によるキーOFFの動作がされると(ステップST1)、姿勢算出部301は、掘削アタッチメントの姿勢を算出する(ステップST2)。本実施形態では、姿勢算出部301は、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3で構成される姿勢センサの出力に基づいて、掘削アタッチメントの姿勢を算出する。
その後、操作者によるキーONの動作がされると(ステップST3)、姿勢算出部301は、掘削アタッチメントの姿勢を算出する(ステップST4)。本実施形態では、姿勢算出部301は、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3で構成される姿勢センサの出力に基づいて、掘削アタッチメントの姿勢を算出する。
その後、降下量算出部302は、掘削アタッチメントの降下量(実降下量)を算出する(ステップST5)。本実施形態では、降下量算出部302は、キーOFF時に算出された掘削アタッチメントの姿勢と、キーON時に算出された掘削アタッチメントの姿勢とに基づいて、掘削アタッチメントの降下量を算出する。
その後、異常降下判定部303は、掘削アタッチメントが異常降下したか否かを判定する(ステップST6)。本実施形態では、異常降下判定部303は、ステップST5で算出された掘削アタッチメントの降下量が、予め設定された閾値よりも大きいか否かを判定し、掘削アタッチメントが異常降下したか否かを判定する。閾値は、ショベルの停止時から起動時までの期間における異なる2つの時点での掘削アタッチメントの正常な降下量に基づく値である。これは、例えば図5に示されるように、キーOFFからキーONまでの経過時間が長いほど大きい値に設定されてもよい。なお、図5は、キーOFFからキーONまでの経過時間と閾値との関係を示す図である。
掘削アタッチメントが異常降下したと判定された場合(ステップST6:YES)、警告出力部304は、操作者に対する警告を出力する(ステップST7)。本実施形態では、警告出力部304は、表示装置D3に対して警告信号を出力し、表示装置D3に表示される画面に警告を表示させる。また、警告出力部304は、音声出力装置D2に対して警告信号を出力し、音声出力装置D2から警告音を出力させてもよい。表示装置D3に表示される表示画面については後述する。
掘削アタッチメントが異常降下していないと判定された場合(ステップST6:NO)、警告出力部304が操作者に対する警告を出力することなく、処理を終了する。
次に、図6を参照しながら、表示装置D3に表示される表示画面41Vについて説明する。図6は、表示装置D3に表示される表示画面41Vを例示する図である。
図6に示されるように、掘削アタッチメントが異常降下したことを示す警告は、例えば図6に示されるように、キーONしたときの表示画面41Vに表示される。図6の例では、表示画面41Vに重畳して「Att降下異常」という警告メッセージが表示されている。なお、警告メッセージに代えて、掘削アタッチメントの異常降下を示すエラーコードであってもよく、これらの両方であってもよい。以下、掘削アタッチメントが異常降下したことを示す警告が表示される表示画面41Vの一例について説明する。
図6に示されるように、表示画面41Vは、日時表示領域41a、走行モード表示領域41b、アタッチメント表示領域41c、燃費表示領域41d、エンジン制御状態表示領域41e、エンジン稼働時間表示領域41f、冷却水温表示領域41g、燃料残量表示領域41h、回転数モード表示領域41i、尿素水残量表示領域41j、作動油温表示領域41k、カメラ画像表示領域41m、警告表示領域41nを含む。ここで、日時表示領域41a、走行モード表示領域41b、アタッチメント表示領域41c、エンジン制御状態表示領域41e、回転数モード表示領域41iは、操作者が設定した設定情報であり、燃費表示領域41d、エンジン稼働時間表示領域41f、冷却水温表示領域41g、燃料残量表示領域41h、尿素水残量表示領域41j、作動油温表示領域41kは、ショベルに備えられた機器の運転状態情報である。
日時表示領域41aは、現在の日時を表示する領域である。図6に示す例では、デジタル表示が採用され、日付(2014年4月1日)と時刻(10時5分)が示されている。
走行モード表示領域41bは、現在の走行モードを表示する領域である。走行モードは、可変容量ポンプを用いた走行用油圧モータの設定状態を表す。具体的には、走行モードは、低速モード及び高速モードを有し、低速モードでは「亀」を象ったマークが表示され、高速モードでは「兎」を象ったマークが表示される。図6に示す例では、「亀」を象ったマークが表示されており、運転者は低速モードが設定されていることを認識できる。
アタッチメント表示領域41cは、現在装着されているアタッチメントを表す画像を表示する領域である。ショベル100には、バケット、クラッシャ、削岩機、グラップル、リフティングマグネット等の様々なアタッチメントが装着される。アタッチメント表示領域41cは、例えば、これらのアタッチメントを象ったマーク及びアタッチメントに対応する番号を表示する。図6に示す例では、削岩機を象ったマークが表示され、且つ削岩機の出力の大きさを示す数字として「1」が表示されている。
燃費表示領域41dは、コントローラ30によって算出された燃費情報を表示する領域である。燃費表示領域41dは、生涯平均燃費又は区間平均燃費を表示する平均燃費表示領域41d1、瞬間燃費を表示する瞬間燃費表示領域41d2を含む。図6に示す例では、平均燃費表示領域41d1には、区間平均燃費が単位[L/hr(リットル/時]と共に数値で表示されている。また、瞬間燃費表示領域41d2には、瞬間燃費の大きさに応じて点灯・消灯状態が個別に制御される9つのセグメントで構成されたバーグラフが表示されている。瞬間燃費が大きくなると、点灯状態のセグメント数が増え、瞬間燃費が小さくなると、点灯状態のセグメント数が減るように各セグメントが制御され、運転者は視覚的に瞬間燃費の大きさを認識することができる。
エンジン稼働時間表示領域41fは、エンジン11の累積稼働時間を表示する領域である。図6に示す例では、運転者によりカウントがリスタートされてからの稼働時間の累積が、単位「hr(時)」と共に表示されている。エンジン稼働時間表示領域41fには、ショベル100が製造されてから全期間の生涯稼働時間及び運転者によりカウントがリスタートされてからの区間稼働時間の少なくとも一方が表示される。
運転者により稼働時間表示切替スイッチ(図示せず)が押下されると、エンジン稼働時間表示領域41fに表示される稼働時間情報と共に、平均燃費表示領域41d1に表示される燃費情報が切り替わる。例えば、エンジン稼働時間表示領域41fに区間稼働時間が表示されている場合には、平均燃費表示領域41d1に区間平均燃費が表示される。また、エンジン稼働時間表示領域41fに生涯稼働時間が表示されている場合には、平均燃費表示領域41d1に生涯平均燃費が表示される。さらに、エンジン稼働時間表示領域41fに区間稼働時間及び生涯稼働時間の両方が表示されている場合には、平均燃費表示領域41d1に区間平均燃費及び生涯平均燃費の両方が表示される。
このように、稼働時間表示切替スイッチが押下される度に、平均燃費表示領域41d1に表示される燃費情報が、「区間平均燃費」、「生涯平均燃費」又は「区間平均燃費及び生涯平均燃費」に切り替えられる。したがって、運転者は、稼働時間表示切替スイッチを押下することで、区間平均燃費及び生涯平均燃費を把握することができ、現在の作業における燃費状態の良し悪しを認識し、より燃費を向上させるように作業を進めることが可能になる。
なお、平均燃費表示領域41d1に表示される生涯平均燃費又は区間平均燃費は、図6に示す例とは異なる単位で表示されてもよく、バーグラフで表示されてもよい。また、瞬間燃費表示領域41d2には、瞬間燃費が数値で表示されてもよい。
エンジン制御状態表示領域41eは、エンジン11の制御状態を表示する領域である。図6に示す例では、エンジン11の制御状態として「自動減速・自動停止モード」が選択されている。なお、「自動減速・自動停止モード」は、エンジン負荷が小さい状態の継続時間に応じて、エンジン回転数を自動的に低減し、さらにはエンジン11を自動的に停止させる制御状態を意味する。その他、エンジン11の制御状態には、「自動減速モード」、「自動停止モード」、「手動減速モード」等がある。
冷却水温表示領域41gは、現在のエンジン冷却水の温度状態を表示する領域である。図6に示す例では、エンジン冷却水の温度状態を表すバーグラフが表示されている。なお、エンジン冷却水の温度は、エンジン11に取り付けられる水温センサ11cが出力するデータに基づいて表示される。具体的には、冷却水温表示領域41gは、異常範囲表示41g1、注意範囲表示41g2、正常範囲表示41g3、セグメント表示41g4及びアイコン表示41g5を含む。
異常範囲表示41g1、注意範囲表示41g2、正常範囲表示41g3は、それぞれエンジン冷却水の温度が異常高温状態、注意を要する状態、正常状態にあることを運転者に知らせるための表示である。また、セグメント表示41g4は、エンジン冷却水の温度の高低を運転者に知らせるための表示である。また、アイコン表示41g5は、異常範囲表示41g1、注意範囲表示41g2、正常範囲表示41g3及びセグメント表示41g4がエンジン冷却水の温度に関する表示であることを表すシンボル図形等のアイコンである。なお、アイコン表示41g5は、エンジン冷却水の温度に関する表示であることを表す文字等であってもよい。
図6に示す例では、セグメント表示41g4は、点灯・消灯状態が個別に制御される8つのセグメントで構成され、冷却水温が高くなるほど点灯状態のセグメントの数が増加する。図6に示す例では、4つのセグメントが点灯状態となっている。なお、図6に示す例では、各セグメントが表す温度の幅は同じであるが、セグメントごとに温度の幅を変えてもよい。
また、図6に示す例では、異常範囲表示41g1、注意範囲表示41g2、正常範囲表示41g3はそれぞれ、セグメント表示41g4に沿うように並べて配置される円弧状の図形であり、例えば赤色、黄色、緑色で常時点灯される。セグメント表示41g4は、1番目(最下位)から6番目のセグメントが正常範囲に属し、7番目のセグメントが注意範囲に属し、8番目(最上位)のセグメントが異常範囲に属する。
なお、冷却水温表示領域41gは、異常範囲表示41g1、注意範囲表示41g2及び正常範囲表示41g3を円弧状の図形として表示する代わりに、異常レベル、注意レベル、正常レベルを表す文字、記号等をそれぞれの境界に表示してもよい。
なお、異常範囲表示、注意範囲表示、正常範囲表示、セグメント表示及びアイコン表示を含む上記構成は、燃料残量表示領域41h、尿素水残量表示領域41j及び作動油温表示領域41kにおいても同様に採用される。また、燃料残量表示領域41h、尿素水残量表示領域41jでは、異常範囲、注意範囲、及び正常範囲を表す円弧状の図形を表示する代わりに、「Full(満タン状態)」を表す文字「F」又は黒丸(塗りつぶされた丸印)、「Empty(空状態)」を表す文字「E」又は白丸(塗りつぶされていない丸印)等がそれぞれの境界に表示されてもよい。
燃料残量表示領域41hは、燃料タンクに貯蔵されている燃料の残量状態を表示する領域である。図6に示す例では、現在の燃料の残量状態を表すバーグラフが表示されている。なお、燃料の残量は、燃料残量センサが出力するデータに基づいて表示される。
回転数モード表示領域41iは、エンジン回転数調整ダイヤルによって設定された現在の回転数モードを画像表示する領域である。回転数モードは、例えば、上述のSPモード、Hモード、Aモード及びアイドリングモードの4つを含む。図6に示す例では、SPモードを表す記号「SP」が表示されている。
尿素水残量表示領域41jは、尿素水タンクに貯蔵されている尿素水の残量状態を画像表示する領域である。図6に示す例では、現在の尿素水の残量状態を表すバーグラフが表示されている。なお、尿素水の残量は、尿素水タンクに設けられている尿素水残量センサが出力するデータに基づいて表示される。
作動油温表示領域41kは、作動油タンク内の作動油の温度状態を表示する領域である。図6に示す例では、作動油の温度状態を表すバーグラフが表示されている。なお、作動油の温度は、油温センサ14cが出力するデータに基づいて表示される。
また、図6に示す例では、冷却水温表示領域41g、燃料残量表示領域41h、尿素水残量表示領域41j、及び作動油温表示領域41kのそれぞれのセグメント表示が、同じ1つの所定円の円周方向に沿って伸縮するように表示される。具体的には、冷却水温表示領域41g、燃料残量表示領域41h、尿素水残量表示領域41j、作動油温表示領域41kがそれぞれ、その所定円の左側、上側、下側、右側の部分に配置される。また、冷却水温表示領域41g及び作動油温表示領域41kでは、上から順番に異常範囲表示、注意範囲表示、正常範囲表示が並び、燃料残量表示領域41h及び尿素水残量表示領域41jでは、左から順番に異常範囲表示、注意範囲表示、正常範囲表示が並ぶ。また、燃料残量表示領域41h及び尿素水残量表示領域41jでは、セグメント表示は、残量が多いほど点灯状態のセグメントの数が多くなるように表示され、1番目(右端)から6番目のセグメントが正常範囲に属し、7番目のセグメントが注意範囲に属し、8番目(左端)のセグメントが異常範囲に属する。
また、冷却水温表示領域41g、燃料残量表示領域41h、尿素水残量表示領域41j、作動油温表示領域41kでは、バーグラフ表示の代わりに針表示が採用されてもよい。
カメラ画像表示領域41mは、上部旋回体3に搭載されるエンジン等を覆うカバー3aの上に設けられる撮像装置(図示せず)によって撮影された撮像画像を表示する領域である。図6に示す例では、カメラ画像表示領域41mに、撮像装置によって撮影された油圧ショベルの後方領域の撮像画像が表示されている。なお、カメラ画像表示領域41mには、油圧ショベルの後方領域の撮像画像に代えて、油圧ショベルの左側領域や右側領域の撮像画像が表示されてもよい。また、これらの複数の撮像画像が同時に表示されてもよく、これらの撮像画像が合成された俯瞰画像が表示されてもよい。このように、複数の撮像画像がカメラ画像表示領域41mに表示されることで、操作者は油圧ショベルの周囲をより広範囲に確認しながら作業を行うことが可能になる。このとき、上部旋回体3の左右及び後方にカメラ等の撮像装置が配置される。
なお、カメラ画像表示領域41mに表示される撮像画像は、油圧ショベルの下部走行体1の進行方向に対して独立して表示される。すなわち、下部走行体1の進行方向に関わらず、油圧ショベルの後方領域、左側領域、及び右側領域から選択された撮像画像又は合成された俯瞰画像がカメラ画像表示領域41mに表示される。
なお、撮像画像は、上部旋回体3のカバー3aの一部が含まれるように撮像されている。表示される画像にカバー3aの一部が含まれることで、操作者はカメラ画像表示領域41mに表示される物体と油圧ショベルとの間の距離感をより把握し易くなる。
警告表示領域41nは、掘削アタッチメントが異常降下したことを示す警告を表示する領域である。図6に示す例では、掘削アタッチメントが異常降下したことを示す「Att降下異常」という警告メッセージが表示されている。なお、警告表示領域41nには、警告メッセージの代わりに掘削アタッチメントの異常降下を示すエラーコードが表示されてもよい。また、警告メッセージとエラーコードとが同時に表示されてもよい。
また、表示画面41Vにおける各表示領域のサイズ及び配置は必要に応じて変更されてもよい。さらに、表示画面41Vは、図6に示される表示領域の一部が省略されてもよく、上記以外の表示領域を含んでもよい。例えば、表示画面41Vは、排ガスフィルタ(例えば、ディーゼル微粒子除去装置(DPF:Diesel Particulate Filter)の詰まり具合を表示する排ガスフィルタ状態表示領域を含んでいてもよい。具体的には、排ガスフィルタ状態表示領域は、排ガスフィルタの許容最大使用時間に対する現在の使用時間の割合を表すバーグラフを表示してもよい。
以上に説明したように、第1の実施例では、コントローラ30が、キーOFF時及びキーON時の掘削アタッチメントの姿勢に基づいて異常を検出する。これにより、油漏れ等により生じる掘削アタッチメントの緩やかな異常降下を検出することができる。
また、掘削アタッチメントが異常降下した場合、表示装置D3の表示画面41Vに警告が表示される。これにより、操作者は、油漏れ等により生じる掘削アタッチメントの緩やかな異常降下を容易に確認することができる。そのため、操作者が油漏れの段階で気が付かずに作業を行うことで生じ得る油漏れの悪化や油圧ホースの破損によるマシンダウン等を未然に防止することができる。
次に、図7及び図8を参照しながら、異常降下検出処理の第2の実施例について説明する。第1の実施例では、閾値がショベルの停止時から起動時までの期間における異なる2つの時点での掘削アタッチメントの正常な降下量に基づく値であったが、第2の実施例では、閾値がキーOFF時の掘削アタッチメントの旋回半径に基づいて変化する点で、第1の実施例と異なる。なお、その他の点については、第1の実施例と同様とすることができるので、説明を省略する。
図7は、掘削アタッチメントの旋回半径を説明するための図である。図7において、旋回半径が大きい場合の掘削アタッチメントの姿勢の一例を実線で示し、旋回半径が小さい場合の掘削アタッチメントの姿勢の一例を破線で示す。図8は、掘削アタッチメントの旋回半径と閾値との関係を示す図である。
第2の実施例では、閾値は、キーOFF時の掘削アタッチメントの旋回半径に基づいて設定され、例えば図8に示されるように、掘削アタッチメントの旋回半径が大きいほど大きい値に設定される。図8に示される掘削アタッチメントの旋回半径と閾値との関係は、例えば油路の内部リーク等による掘削アタッチメントの正常降下量に基づいて定められ、例えば正常降下量が大きいほど旋回半径の変化量に対する閾値の変化量が大きくなるように定められる。
以上に説明したように、第2の実施例では、コントローラ30が、掘削アタッチメントの旋回半径に応じて設定された閾値に基づいて、掘削アタッチメントが異常降下したか否かの判定を行う。これにより、キーOFF時の掘削アタッチメントの旋回半径が異なる場合であっても、油漏れ等により生じる掘削アタッチメントの緩やかな異常降下を精度よく検出することができる。
ここで、第1の実施例は、第2の実施例を考慮に入れてもよい。つまり、図5に示されるキーOFFからキーONまでの経過時間と閾値との関係は、掘削アタッチメントの旋回半径に基づいて設定されてもよい。具体的に、掘削アタッチメントの旋回半径が小さいほど図5に示されるキーOFFからキーONまでの経過時間と閾値との関係を表す直線の傾きが小さくなり、掘削アタッチメントの旋回半径が大きいほど図5に示されるキーOFFからキーONまでの経過時間と閾値との関係を表す直線の傾きが大きくなる。
また、掘削アタッチメントが異常降下した場合、表示装置D3の表示画面41Vに警告が表示される。これにより、操作者は、油漏れ等により生じる掘削アタッチメントの緩やかな異常降下を容易に確認することができる。そのため、操作者が油漏れの段階で気が付かずに作業を行うことで生じ得る油漏れの悪化や油圧ホースの破損によるマシンダウン等を未然に防止することができる。
次に、図9及び図10を参照しながら、異常降下検出処理の第3の実施例について説明する。第1の実施例では、閾値がショベルの停止時から起動時までの期間における異なる2つの時点での掘削アタッチメントの正常な降下量に基づく値であったが、第3の実施例では、閾値が掘削アタッチメントの重量に基づいて変化する点で、第1の実施例と異なる。なお、その他の点については、第1の実施例と同様とすることができるので、説明を省略する。
図9は、クラッシャを含む掘削アタッチメントを備える油圧ショベルの構成例を示す図である。図10は、掘削アタッチメントの重量と閾値との関係を示す図である。
第3の実施例では、閾値は、掘削アタッチメントの重量に基づいて設定され、例えば図10に示されるように、掘削アタッチメントの重量が大きいほど大きい値に設定される。図10に示される掘削アタッチメントの重量と閾値との関係は、例えば油路の内部リーク等による掘削アタッチメントの正常降下量に基づいて定められ、例えば正常降下量が大きいほど重量の変化量に対する閾値の変化量が大きくなるように定められる。掘削アタッチメントの重量は、エンドアタッチメントの種類によって異なる。具体的には、例えば図1に示されるようにエンドアタッチメントとしてバケット6が取り付けられている場合と、例えば図9に示されるようにエンドアタッチメントとしてクラッシャ6aが取り付けられている場合とでは掘削アタッチメントの重量が異なる。掘削アタッチメントの重量は、例えばブームシリンダ圧センサ18aにより検出される圧力に基づいて推定される重量であってもよく、入力装置D1を介して操作者により入力された重量であってもよい。
以上に説明したように、第3の実施例では、コントローラ30が、掘削アタッチメントの重量に応じて設定された閾値に基づいて、掘削アタッチメントが異常降下したか否かの判定を行う。これにより、エンドアタッチメントの種類が異なることで掘削アタッチメントの重量が異なる場合であっても、油漏れ等により生じる掘削アタッチメントの緩やかな異常降下を精度よく検出することができる。
ここで、第1の実施例は、第3の実施例を考慮に入れてもよい。つまり、図5に示されるキーOFFからキーONまでの経過時間と閾値との関係は、掘削アタッチメントの重量に基づいて設定されてもよい。具体的に、掘削アタッチメントの重量が小さいほど図5に示されるキーOFFからキーONまでの経過時間と閾値との関係を表す直線の傾きが小さくなり、掘削アタッチメントの重量が大きいほど図5に示されるキーOFFからキーONまでの経過時間と閾値との関係を表す直線の傾きが大きくなる。
同様に、第1の実施例は、第2の実施例及び第3の実施例を考慮に入れてもよい。つまり、図5に示されるキーOFFからキーONまでの経過時間と閾値との関係は、掘削アタッチメントの重量と旋回半径に基づいて設定されてもよい。
また、掘削アタッチメントが異常降下した場合、表示装置D3の表示画面41Vに警告が表示される。これにより、操作者は、油漏れ等により生じる掘削アタッチメントの緩やかな異常降下を容易に確認することができる。そのため、操作者が油漏れの段階で気が付かずに作業を行うことで生じ得る油漏れの悪化や油圧ホースの破損によるマシンダウン等を未然に防止することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。