JP2019167662A - 炭素短繊維不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、再生炭素短繊維を含む、均一性、強度及び湿式加工性に優れた炭素短繊維不織布を提供することである。【解決手段】再生炭素短繊維を水中で、高速回転せん断型分散機を使って分散したスラリーを用いて、湿式抄紙法により形成されてなる炭素短繊維不織布に、オレフィン樹脂系エマルジョンを塗布、乾燥することを特徴とする炭素短繊維不織布であり、オレフィン樹脂系エマルジョンの加熱乾燥体が示差走査熱量測定において、90℃以上の温度範囲に結晶化ピーク温度を示さない炭素短繊維不織布であり、好ましくは、オレフィン樹脂系エマルジョンが酸変性されたオレフィン樹脂系エマルジョンである炭素短繊維不織布である。【選択図】なし

Description

本発明は、再生炭素短繊維を含み、オレフィン樹脂系エマルジョンを塗布乾燥した炭素短繊維不織布に関する。
炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic、「CFRP」と記す場合がある)は、炭素繊維(Carbon Fiber、「CF」と記す場合がある)が母材樹脂中に分散されている。CFRPは、軽量である上に、比強度や比剛性が高いため、ゴルフシャフト、テニスラケット、釣竿などに利用されている。また、最近では、翼や胴体などの大型航空機の主要構造部材にも使用されていて、市場規模が拡大している。
この市場規模の拡大に伴い、廃棄されるCFRPの量も増大している。例えば、航空機の場合、安全性が非常に重要であるため、特に品質が第一に考えられ、CFRPの歩留まりは50%と言われる。すなわち、トリミングのため、廃棄される部位も少なくない。また、型に合わせて切断されたプリプレグ、期限切れの未硬化状態、半硬化状態又は硬化状態のプリプレグも、廃棄されるCFRPの一種であり、大量に廃棄されている。
炭素繊維が通常の状態では不燃であるため、廃棄されるCFRPの最終廃棄処理は極めて面倒である。したがって、これまでは、廃棄されるCFRPは破砕され、埋め立て処分されていた。しかし、炭素繊維はその製造時に多くのエネルギーを消費するだけに、埋め立て処分することは、非常に無駄が多く、再利用が望まれている。
そこで、廃棄されるCFRPから炭素繊維をリサイクルする方法として、焼結処理、熱分解処理、過熱水蒸気による処理等によって、廃棄されるCFRPの母材樹脂を分解させて、不燃である炭素繊維を再生炭素短繊維として回収する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
回収された再生炭素繊維を使って不織布を製造する方法として、カード機に通して、再生炭素繊維と他の繊維とを絡ませてウエッブを形成させる乾式法が主流であった(例えば、特許文献5参照)。しかし、これら方法によって形成された不織布は、均一性が充分でなく、緻密性に劣るものであった。また、不織布を後工程において加工する際に、不織布の強度が充分でなく、不織布の切断、割れが生じ、加工性に劣るものであった。
また、高速回転せん断型分散機を使って分散したスラリーを用いて、湿式抄紙法によって炭素短繊維不織布を製造する方法では、均一性に優れた炭素短繊維不織布を提供することができるが(例えば、特許文献6参照)、より強度に優れ、湿式加工性に優れた炭素短繊維不織布が求められていた。
特開2005−307121号公報 特開2008−285600号公報 特開2008−285601号公報 特開2013−147545号公報 特開2014−025175号公報 特開2018−028151号公報
本発明の課題は、再生炭素短繊維を含む、均一性、強度及び湿式加工性に優れた炭素短繊維不織布を提供することである。
上記課題は、下記発明によって解決することができる。
(1)再生炭素短繊維を水中で、高速回転せん断型分散機を使って分散したスラリーを用いて、湿式抄紙法により形成されてなる炭素短繊維不織布に、オレフィン樹脂系エマルジョンを塗布、加熱乾燥した炭素短繊維不織布であって、オレフィン樹脂系エマルジョンの加熱乾燥体が、示差走査熱量測定において、90℃以上の温度範囲に結晶化ピーク温度を示さない炭素短繊維不織布。
(2)(1)記載のオレフィン樹脂系エマルジョンが酸変性されたオレフィン樹脂系エマルジョンである(1)記載の炭素短繊維不織布。
本発明によれば、再生炭素短繊維を含む、均一性、強度及び湿式加工性に優れた炭素短繊維不織布を提供することができる。
本発明の炭素短繊維不織布は、再生炭素短繊維を水中で、高速回転せん断型分散機を使って分散したスラリーを用いて、湿式抄紙法によって製造された炭素短繊維不織布に、オレフィン樹脂系エマルジョンを塗布、加熱乾燥することを特徴とし、オレフィン樹脂系エマルジョンの加熱乾燥体が、示差走査熱量測定において、90℃以上の温度範囲に結晶化ピーク温度を示さないことを特徴とする炭素短繊維不織布である。
本発明では、再生炭素短繊維を用いる。再生炭素短繊維は、廃棄されるCFRPを、アルゴン、窒素などの不活性ガス中又は水蒸気中で処理して、母材樹脂を焼結除去して得られる炭素短繊維である。特に過熱水蒸気による焼結方法は、大気下で熱を奪うと水に戻ることから、安価で環境を汚染しない有効な方法である。廃棄されるCFRPは、アングルプライ積層体など多様な形態をしており、通常は一定サイズに落としてから、焼結処理し、未硬化状態、半硬化状態又は硬化状態の熱硬化性樹脂である母材樹脂を除去して、裁断する。この場合、繊維長の異なる再生炭素短繊維が得られる。本発明において、再生炭素短繊維の好ましい繊維長は1〜100mmであり、より好ましい繊維長は3〜50mmである。
上記に述べた再生炭素短繊維は、数本の再生炭素短繊維が束になった状態となり、この状態のまま、水中にゆるやかに分散しても、再生炭素短繊維の束は解けず、湿式抄紙法で炭素短繊維不織布を製造した場合には、大きな欠点となり、炭素短繊維不織布の均一性を損ねる。また、後工程において、炭素短繊維不織布をスリット加工する際に、スリット刃で再生炭素短繊維の束を切断した場合、再生炭素短繊維の部分が核となって、炭素短繊維不織布に亀裂が入る場合があり、後加工の加工性を著しく損なう場合がある。
本発明では、炭素短繊維不織布を製造する場合、再生炭素短繊維を水中で、高速回転せん断型分散機を使って分散したスラリーを用いる。本発明において、「高速回転せん断型分散機」とは、分散刃を有して回転するローターと分散刃を有したステーターとの間に、再生炭素短繊維を含むスラリーを通過させ、スラリー中の再生炭素短繊維にせん断力を与えて分散させる分散機である。具体的な装置としては、シングルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、コニカルリファイナー、トップファイナー(相川鉄工製)、完全離解機VF型(新浜ポンプ製作所製)、マイルダー(登録商標、太平洋機工製)等が挙げられる。
上記分散機を使って、再生炭素短繊維の束を分散させたスラリーを得る際には、スラリー濃度、処理時間、分散機のローターの回転数、ステーターとローターとのクリアランス等を調整することによって、再生炭素短繊維の分散性を適宜調整することができる。
本発明では、再生炭素短繊維とバージンの炭素短繊維とを併用することができる。バージンの炭素短繊維としては、ポリアクリロニトリルを原料とするPAN系炭素短繊維、ピッチ類を原料とするピッチ系炭素短繊維が挙げられる。バージンの炭素短繊維の繊維径は3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。また、バージンの炭素短繊維の繊維長は1〜30mmであることが好ましく、3〜12mmであることがより好ましい。再生炭素短繊維とバージンの炭素短繊維の合計含有量は、不織布中の全繊維に対して、50〜96質量%であることが好ましく、70〜93質量%であることがより好ましい。
本発明の炭素短繊維不織布では、炭素短繊維以外の繊維を併用することができる。木材パルプ、再生セルロース繊維、ミクロフィブリル化セルロース繊維、熱可塑性樹脂繊維等を、単独、又は、組み合わせて併用することができる。
熱可塑性樹脂繊維を併用した場合、炭素短繊維が不織布から脱離することを防止し、炭素短繊維不織布に強度を付与することができる。熱可塑性樹脂繊維としては、非結晶性のポリビニルアルコール(ビニロン)短繊維、表面が低融点化されているポリエステル芯鞘繊維、未延伸ポリエステル繊維、ポリカーボネート(PC)繊維、ポリオレフィン繊維、表面が低融点化されているポリオレフィン芯鞘繊維、表面が酸変性ポリオレフィンよりなるポリオレフィン繊維、脂肪族ポリアミド繊維、未延伸ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエーテルケトンケトン繊維等が挙げられる。
熱可塑性樹脂繊維の融点は60〜260℃であることが好ましく、60〜230℃であることがより好ましく、60〜180℃であることがさらに好ましく、80〜160℃であることが特に好ましい。熱可塑性樹脂繊維の融点がこの温度範囲であることによって、不織布製造工程における加熱処理によって、結着性が付与され、炭素短繊維不織布に強度が付与される。
熱可塑性樹脂繊維の繊維径は3〜40μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。また、熱可塑性樹脂繊維の繊維長は1〜20mmであることが好ましく、3〜12mmであることがより好ましい。
本発明における炭素短繊維不織布は、湿式抄紙法で製造された湿式抄紙不織布である。湿式抄紙法では、まず、再生炭素短繊維と、場合によって他の併用する繊維とを均一に水中に混合分散させてスラリーとし、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を経て、最終の繊維濃度が0.01〜0.50質量%に調整されたスラリーを得る。該スラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。繊維の分散性を均一にするために、工程中で分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を単独で使用した抄紙機、同種又は異種の2以上の抄紙網がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等を使用することができる。また、炭素短繊維不織布が2層以上の多層構造の場合には、各々の抄紙機で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法や、一方の層を形成した後に、該層上に繊維を分散したスラリーを流延して積層とする流延法等で、炭素短繊維不織布を製造することができる。繊維を分散したスラリーを流延する際に、先に形成した層は湿紙状態であっても、乾燥状態であってもいずれでも良い。また、2枚以上の乾燥状態の層を熱融着させて、多層構造の炭素短繊維不織布とすることもできる。
本発明において、炭素短繊維不織布が多層構造である場合、各層の繊維配合が同一である多層構造であっても良く、各層の繊維配合が異なっている多層構造であっても良い。多層構造である場合、各層の坪量が下がることにより、スラリーの繊維濃度を下げることができるため、炭素短繊維不織布の地合が良くなり、その結果、炭素短繊維不織布の地合の均一性が向上する。また、各層の地合が不均一であった場合でも、積層することで補填できる。さらに、抄紙速度を上げることができ、操業性が向上するという効果も得られる。
湿式抄紙法では、抄紙網で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することによって、シート状の湿式抄紙不織布が得られる。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましく、110〜160℃がさらに好ましい。圧力は、好ましくは50〜1000N/cmであり、より好ましくは100〜800N/cmである。
本発明では、高速回転せん断型分散機を使って分散したスラリーを用いて、湿式抄紙法によって製造された炭素短繊維不織布に、オレフィン樹脂系エマルジョンを塗布する。再生炭素短繊維を、高速回転せん断型分散機を使って分散した際には、非常に繊維長の短い再生炭素短繊維も、少なからず発生する。非常に繊維長の短い再生炭素短繊維は、繊維同士の結着性が劣る。また、再生炭素短繊維の表面には、再生工程において除去しきれなかった樹脂残渣が残り、再生炭素短繊維と併用する熱可塑性樹脂繊維との結着性が弱い。その結果、炭素短繊維不織布の表面から、細かい繊維が脱落し、取り扱い性が悪化する。
炭素短繊維不織布に、オレフィン樹脂系エマルジョンを塗布することで、オレフィン樹脂系エマルジョンが、炭素短繊維不織布の表面に存在する繊維長の短い再生炭素短繊維のまわりに結着することで、炭素短繊維不織布の表面からの再生炭素短繊維の脱落を防止する。また、炭素短繊維不織布中に浸透したオレフィン樹脂系エマルジョンは、再生炭素短繊維同士の接触点近傍で乾燥固着するため、再生炭素短繊維同士の結着力を高め、乾式及び湿式での加工性に優れた炭素短繊維不織布を得ることができる。乾式の加工性としては、炭素短繊維不織布のスリット加工の高速化、他の不織布やフィルムとの貼り合わせ加工、プリーツ加工等で不織布の切断や割れの発生を低減すること等が挙げられ、湿式の加工性としては、メッキ処理等の酸やアルカリ水溶液中での洗浄や薬剤添着加工、有機溶剤中での洗浄や薬剤添着加工等において不織布の切断の発生を低減すること等が挙げられる。
炭素短繊維不織布に塗布するオレフィン樹脂系エマルジョンの塗布量は、乾燥後の固形分として、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、5〜40質量%が好ましい。
本発明で用いられるオレフィン樹脂系エマルジョンは、オレフィン系樹脂が水又は水を主成分とする水溶液中に分散されたオレフィン系樹脂水分散組成物である。オレフィン系樹脂を水中に分散する方法としては、乳化剤を使用する方法、乳化剤を使用しない方法等、公知の方法で作製することができる。本発明では、乳化剤を使用しない方法が好ましい。オレフィン樹脂系エマルジョンは単独、もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明で用いられるオレフィン樹脂系エマルジョンに使用されるオレフィン系樹脂としては、未変性ポリオレフィン樹脂及び酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。
未変性ポリオレフィン樹脂としては、エチレン又はα−オレフィン(プロピレン、1−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等)の単独重合体又は共重合体が挙げられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられる。また、エチレン及びα−オレフィンからなる群より選択される少なくとも1種と共役ジエン又は非共役ジエンとのゴム状共重合体が挙げられる。具体的には、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体等が挙げられる。
酸変性ポリオレフィン樹脂としては、カルボキシ基、酸無水物基等の酸基を有するポリオレフィン樹脂が挙げられる。具体的には、エチレン及びα−オレフィンからなる群より選択される少なくとも1種とα,β−不飽和カルボン酸との共重合体、未変性ポリオレフィン樹脂にα,β−不飽和カルボン酸又はα,β−不飽和カルボン酸無水物をグラフトさせたポリオレフィン変性物等が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸としては、モノカルボン酸及びジカルボン酸が挙げられる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。なお、ジカルボン酸は酸無水物となっていても構わない。
本発明で用いられるオレフィン樹脂系エマルジョンに使用されるオレフィン系樹脂としては、酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましく、プロピレン−α−オレフィン共重合体にマレイン酸、イタコン酸及びこれらの無水物をグラフト重合した酸変性ポリオレフィン樹脂がより好ましい。グラフト重合する量は、0.1〜10質量%であり、1〜5質量%が好ましい。
本発明では、炭素短繊維不織布に塗布されるオレフィン樹脂系エマルジョンは、その加熱乾燥体が、示差走査熱量測定において、90℃以上の温度範囲に結晶化ピーク温度を示さないことを特徴とする。具体的には、オレフィン樹脂系エマルジョンを120℃以上の温度で加熱し、水分を含む揮発成分を気化して乾燥した樹脂を速度10℃/分で25℃から200℃まで昇温した後、速度10℃/分で200℃から25℃まで降温させた際に、90℃以上の温度範囲に結晶化ピーク温度を示さないことであり、結晶化ピークと見なす熱量は、10J/g以上である。
炭素短繊維不織布に、上記のような特性を有するオレフィン樹脂系エマルジョンを塗布することで、不織布を構成する炭素短繊維同士の結着点で柔軟性を有したフィルムを形成し、その結果、結着点の強度が向上し、不織布全体の強度を向上させることができる。
本発明において、オレフィン樹脂系エマルジョンを、炭素短繊維不織布に塗布する方法としては、サイズプレス、エアナイフコーター、コンマコーター、スプレーコーター、ダイコーター等を用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
<再生炭素短繊維A1>
CFRP(PAN系炭素繊維、エポキシ系樹脂使用)を熱分解法により再生し、繊維長10mmに分級処理した平均繊維径7μmの再生炭素短繊維を再生炭素短繊維A1とした。
<熱可塑性樹脂繊維B1>
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである平均繊維径8μm、繊維長5mmのポリオレフィン芯鞘複合繊維を熱可塑性樹脂繊維B1とした。
<熱可塑性樹脂繊維B2>
平均繊維径7μm、繊維長3mmのビニロン繊維(水中溶解温度80℃)を熱可塑性樹脂繊維B2とした。
<ミクロフィブリル化セルロース繊維C1>
リンターパルプをパルパーで5分間解繊した後、増幸産業社製マスコロイダー(登録商標、装置名:MKZA12)を用いて、磨砕処理を行い、変法濾水度150mlのミクロフィブリル化セルロース繊維C1を作製した。なお、変法濾水度は、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの金網(PULP AND PAPER RESEARCH INSTITUTE OF CANADA製)を用い、試料濃度を0.1質量%にした以外はJIS P8121−2:2012に準拠して測定した濾水度である。
実施例1〜14及び比較例1〜5
(再生炭素短繊維の分散処理)
分散機1を用いて表1記載の処理時間で分散後、比較例5以外は分散機2を用いて表1記載の処理時間で再生炭素短繊維の分散処理を行い、再生炭素短繊維の水分散スラリーを得た。一方、比較例5は分散機1を用いた表1記載の処理をして再生炭素短繊維の水分散スラリーを得た。
Figure 2019167662
(炭素短繊維不織布の作製)
表2記載の繊維配合で抄造用スラリーを調製し、表2記載のドライヤー温度の条件で抄造を実施し、炭素短繊維不織布を作製した。
Figure 2019167662
(実施例1)
再生炭素短繊維A1を表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた再生炭素短繊維スラリーと、パルパーで6分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維B1、ミクロフィブリル化セルロース繊維C1を表2記載の配合で混合し、分散濃度0.2質量%に水で希釈し、アジテーターで30分間撹拌して抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを90メッシュの金属ワイヤーを有した円網抄紙機で湿紙を形成し、140℃のヤンキードライヤーで乾燥させて、目付50.5g/mの炭素短繊維不織布を作製した。
上記で得られた炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が85℃の未変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、未変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。未変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、19.8質量%であった。
(実施例2)
実施例1で作製した目付50.5g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が80℃の未変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、未変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。未変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、20.4質量%であった。
(実施例3)
実施例1で作製した目付50.5g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が75℃の未変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、未変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。未変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、19.2質量%であった。
(実施例4)
実施例1で作製した目付50.5g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が85℃の未変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、未変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。未変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、4.5質量%であった。
(実施例5)
実施例1で作製した目付50.5g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が85℃の未変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、未変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。未変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、6.2質量%であった。
(実施例6)
実施例1で作製した目付50.5g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が85℃の未変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、未変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。未変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、38.5質量%であった。
(実施例7)
実施例1で作製した目付50.5g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が85℃の未変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、未変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。未変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、42.5質量%であった。
(実施例8)
再生炭素短繊維A1を表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた再生炭素短繊維スラリーと、パルパーで6分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維B2、ミクロフィブリル化セルロース繊維C1を表2記載の配合で混合し、分散濃度0.2質量%に水で希釈し、アジテーターで30分間撹拌して抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを90メッシュの金属ワイヤーを有した円網抄紙機で湿紙を形成し、150℃のヤンキードライヤーで乾燥させて、目付50.2g/mの炭素短繊維不織布を作製した。
上記で得られた炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が85℃の無水マレイン酸変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素繊維不織布を作製した。無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、20.5質量%であった。
(実施例9)
実施例8で作製した目付50.2g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が80℃の無水マレイン酸変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素繊維不織布を作製した。無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、21.1質量%であった。
(実施例10)
実施例8で作製した目付50.2g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が75℃の無水マレイン酸変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素繊維不織布を作製した。無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、20.3質量%であった。
(実施例11)
実施例8で作製した目付50.2g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピークを示さない無水マレイン酸変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素繊維不織布を作製した。無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、20.7質量%であった。
(実施例12)
実施例8で作製した目付50.2g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が85℃のメタクリル酸変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、メタクリル酸変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素繊維不織布を作製した。メタクリル酸変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、19.9質量%であった。
(実施例13)
実施例8で作製した目付50.2g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピークを示さないイタコン酸変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、イタコン酸変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素繊維不織布を作製した。イタコン酸変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、20.1質量%であった。
(実施例14)
実施例8で作製した目付50.2g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が85℃の未変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、未変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。未変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、20.3質量%であった。
(比較例1)
実施例1で作製した目付50.5g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が100℃の未変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、未変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。未変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、20.4質量%であった。
(比較例2)
実施例1で作製した目付50.5g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が110℃の未変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、未変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。未変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、20.6質量%であった。
(比較例3)
実施例8で作製した目付50.2g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が100℃の無水マレイン酸変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、21.1質量%であった。
(比較例4)
実施例8で作製した目付50.2g/mの炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が110℃の無水マレイン酸変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、20.3質量%であった。
(比較例5)
再生炭素短繊維A1を表1記載の装置、条件で分散処理を行い、得られた再生炭素短繊維スラリーと、パルパーで6分間分散処理した熱可塑性樹脂繊維B2、ミクロフィブリル化セルロース繊維C1を表2記載の配合で混合した以外は、実施例8と同様にして、目付50.4g/mの炭素短繊維不織布を作製し、得られた炭素短繊維不織布に結晶化ピーク温度が85℃の未変性オレフィン樹脂系エマルジョンをサイズプレス法により塗布し、150℃のエアドライヤー中で乾燥し、未変性ポリオレフィン樹脂を塗布した炭素短繊維不織布を作製した。未変性ポリオレフィン樹脂の乾燥塗布量は、塗布前の炭素短繊維不織布に対して、20.2質量%であった。
(示差走査熱量測定による結晶化ピーク温度の評価)
炭素短繊維不織布に塗布されるオレフィン樹脂系エマルジョンの加熱乾燥体の結晶化ピーク温度の評価を以下の方法で実施した。オレフィン樹脂系エマルジョンを150℃で20分間乾燥した後、温度23℃、湿度50%で24時間状態調節した試料5mgをAl製試料容器に封入し、JIS K 7121に規定される示差走査熱量測定に準じて、示差走査熱量計(装置名:DSC8500、Perkin Elmer社製)を用いて、速度10℃/分で25℃から200℃まで昇温し、1分間200℃を保持した後、速度10℃/分で200℃から25℃まで降温し、この降温過程で得られたDSC曲線から、結晶化ピーク温度を求め、JIS K 7122に規定される方法により、結晶化ピーク面積から結晶化ピークの熱量を求めた。結果を表3に示す。
(均一性の評価)
実施例1〜14及び比較例1〜5で作製したオレフィン樹脂系エマルジョンを塗布した炭素短繊維不織布から縦横250mm角のシートを切り取り、この炭素短繊維不織布を透過光で観察し、シート中に存在する欠点(離解せず束になった状態の繊維及びポリオレフィン樹脂が凝集した塊)の数を数えた。欠点の数が少ない方が均一性に優れ好ましい。結果を表3に示す。
(炭素短繊維不織布の乾燥状態の引張強度の評価)
実施例1〜14及び比較例1〜5で作製したオレフィン樹脂系エマルジョンを塗布した炭素短繊維不織布から、幅方向50mm、流れ方向250mmの試料を10枚採取し、温度23℃、湿度50%で24時間状態調節した試料をJIS P 8113に準じて、卓上型材料試験機(装置名:STA−1150、(株)オリエンテック製)を用いて、引張速度20mm/分で測定し、10枚の平均値を乾燥状態の引張強度とした。結果を表3に示す。
(炭素短繊維不織布の湿潤状態の引張強度の評価)
実施例1〜14及び比較例1〜5で作製したオレフィン樹脂系エマルジョンを塗布した炭素短繊維不織布から、幅方向50mm、流れ方向250mmの試料を10枚採取し、イオン交換水中に2時間浸漬した後、2枚のろ紙(アドバンテック製No.26)で挟み、5g/cmで30秒間加圧し、直後にJIS P 8113に準じて、卓上型材料試験機(装置名:STA−1150、(株)オリエンテック製)を用いて、引張速度20mm/分で測定し、10枚の平均値を湿潤状態の引張強度とした。結果を表3に示す。
(炭素短繊維不織布の湿式加工性の評価)
実施例1〜14及び比較例1〜5で作製したオレフィン樹脂系エマルジョンを塗布した炭素短繊維不織布から、幅50mm、長さ100mの巻取りを採取し、この巻取りを濃度10質量%の水酸化ナトリウム水溶液槽、水槽、濃度10質量%の塩酸槽、水槽の順に、各槽10秒間浸漬し、速度10m/分で通過させ、150℃のエアドライヤー中で乾燥させながら一定の張力で巻き取った。尚、各槽の液温は25℃とした。この処理での炭素短繊維不織布の切断回数を表3に示す。切断回数が少ないものが湿式加工性に優れ好ましい。
Figure 2019167662
実施例で得られたオレフィン樹脂系エマルジョンを塗布した炭素短繊維不織布は、均一性、強度特性、湿式加工性に優れている。
実施例1〜3を比較すると、結晶化ピーク温度が低い方が、乾燥状態及び湿潤状態の引張強度が高くなっており好ましい。
実施例8〜14を比較すると、結晶化ピーク温度が低い方が、乾燥状態及び湿潤状態の引張強度が高くなっており好ましく、さらに結晶化ピーク温度を示さない実施例11及び実施例13の乾燥状態及び湿潤状態の引張強度がより高く特に優れている。
実施例8、実施例12、実施例14を比較すると、無水マレイン酸変性オレフィン樹脂系エマルジョンを使用した実施例8が、メタクリル酸変性オレフィン樹脂系エマルジョンを使用した実施例12より優れている。また未変性オレフィン樹脂系エマルジョンを使用した実施例14は、実施例8及び実施例12より引張強度が劣っており、酸変性オレフィン樹脂系エマルジョンを使用した方が好ましい。酸変性ポリオレフィン樹脂は炭素短繊維との親和性が未変性ポリオレフィン樹脂より高く、強度特性がより優れる結果となる。
実施例4と実施例5を比較すると、実施例4はオレフィン樹脂系エマルジョンの塗布量が好ましい範囲より少なく、好ましい範囲にある実施例5に比べ、やや引張強度が劣っている。
実施例6と実施例7を比較すると、実施例7はオレフィン樹脂系エマルジョンの塗布量が好ましい範囲より多く、好ましい範囲にある実施例6に比べ、やや引張強度が劣っている。塗布量が多すぎると、強度特性は飽和する傾向となり、塗布量に対する効果が鈍化し、好ましくない。
比較例1及び比較例2は、示差走査熱量測定において、90℃以上の温度範囲に結晶化ピーク温度を示しており、乾燥状態及び湿潤状態の引張強度が大幅に低く、特に湿潤状態の強度低下が大きく、実施例1〜3に比べて劣っている。
比較例3及び比較例4は、90℃以上の温度範囲に結晶化ピーク温度を示しており、乾燥状態及び湿潤状態の引張強度が大幅に低く、特に湿潤状態の強度低下が大きく、実施例8〜11に比べて劣っている。
比較例5は、再生炭素短繊維を水中で高速回転せん断型分散機を使用してスラリー化していないため、欠点数が非常に多く、炭素短繊維不織布の均一性が悪く、実施例14比べて劣っている。
本発明の炭素短繊維不織布は、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、各種製造業で使用されるロボット、ロール等の製造部品等に利用可能である。

Claims (2)

  1. 再生炭素短繊維を水中で、高速回転せん断型分散機を使って分散したスラリーを用いて、湿式抄紙法により形成されてなる炭素短繊維不織布に、オレフィン樹脂系エマルジョンを塗布、加熱乾燥した炭素短繊維不織布であって、オレフィン樹脂系エマルジョンの加熱乾燥体が、示差走査熱量測定において、90℃以上の温度範囲に結晶化ピーク温度を示さない炭素短繊維不織布。
  2. 上記のオレフィン樹脂系エマルジョンが酸変性されたオレフィン樹脂系エマルジョンである請求項1記載の炭素短繊維不織布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114481354A (zh) * 2021-12-20 2022-05-13 武汉纺织大学 一种聚苯硫醚超细纤维超短纤及其制备方法

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