JP2019166533A - レーザー重ね溶接の構造および方法 - Google Patents

レーザー重ね溶接の構造および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】重ね合わせた部材の接合強度を向上することができる溶接構造および溶接方法を提供すること。【解決手段】レーザー光の照射側に面して配置された第一部材と、第一部材の前記照射側と反対側に接して重ねた第二部材とを、レーザー光を照射して接合するレーザー重ね溶接の構造において、第一部材は、第二部材との重ね方向に穿設された少なくとも一つの貫通部を有し、第一部材と第二部材とは、第一部材と第二部材とが重なって接する重合領域から、貫通部が第二部材に投影される貫通領域まで、重合領域と貫通領域との境界の一部を含んで亘る溶接部で接合されている。【選択図】図1

Description

本発明は、二つの部材を溶接するレーザー重ね溶接の構造および方法に関する。
従来、二つの部材を接合する技術として、レーザー光を照射して溶融固化させるレーザー溶接が知られている。レーザー溶接には、熱伝導型と深溶込み型との二種類の溶接方法がある。熱伝導型のレーザー溶接では、レーザー照射側の部材にレーザー光を照射し、レーザー照射側の部材の表面で吸収されたレーザー光の熱が材料内に伝導して溶融する。これに対し、深溶込み型のレーザー溶接では、レーザー光により材料を蒸発させ、蒸発の反跳力によってキーホールを形成する。
例えば、特許文献1には、重ね合わせた部材をレーザー溶接によって接合する技術が開示されている。特許文献1は、レーザー照射側と反対側の部材に、レーザー光のスポット径よりも小さい径の孔を予め形成し、この孔を含む領域にレーザー光を照射して溶接する。特許文献1では、部材間に不純物が存在していても、不純物を含む蒸発ガスを孔から抜くことによって、接合強度を確保している。
特開2001−87879号公報
ところで、熱伝導型のレーザー溶接は、浅く広い溶融となるため、重ね合わせた部材の接合には不向きである。一方、深溶込み型のレーザー溶接は、重ね合わせた部材の接合に適しているが、熱伝導型ほどの広い領域を溶融させることはできない。重ね合わせた部材の接合強度を確保するためには、広い領域において深く溶融させることが望まれる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、重ね合わせた部材の接合強度を向上することができるレーザー重ね溶接の構造および方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るレーザー重ね溶接の構造は、レーザー光の照射側に面して配置された第一部材と、前記第一部材の前記照射側と反対側に接して重ねた第二部材とを、前記レーザー光を照射して接合するレーザー重ね溶接の構造において、前記第一部材は、前記第二部材との重ね方向に穿設された少なくとも一つの貫通部を有し、前記第一部材と前記第二部材とは、前記第一部材と前記第二部材とが重なって接する重合領域から、前記貫通部が前記第二部材に投影される貫通領域まで、前記重合領域と前記貫通領域との境界の一部を含んで亘る溶接部で接合されていることを特徴とする。
本発明に係るレーザー重ね溶接の構造は、上記発明において、前記貫通領域の形状が凸形状をなすことを特徴とする。
本発明に係るレーザー重ね溶接の構造は、上記発明において、前記貫通領域の形状が凹形状をなすことを特徴とする。
本発明に係るレーザー重ね溶接の方法は、レーザー光の照射側に面して配置された第一部材と、前記第一部材の前記照射側と反対側に接して重ねた第二部材とを、前記レーザー光を照射して接合するレーザー重ね溶接の方法において、前記第一部材において、前記第二部材との重ね方向に穿設して少なくとも一つの貫通部を形成し、前記第一部材と前記第二部材とが重なって接する重合領域と、前記貫通部が前記第二部材に投影される貫通領域との境界の一部を含んで亘る照射領域に前記レーザー光を照射して、前記第一部材と前記第二部材とを接合することを特徴とする。
本発明に係るレーザー重ね溶接の方法は、上記発明において、前記貫通領域の形状が凸形状をなすことを特徴とする。
本発明に係るレーザー重ね溶接の方法は、上記発明において、前記貫通領域の形状が凹形状をなすことを特徴とする。
本発明に係るレーザー重ね溶接の方法は、上記発明において、前記接合により形成される溶接部は、前記照射領域の外まで広がっていることを特徴とする。
本発明によれば、重ね合わせた部材の接合強度を向上することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る溶接構造を有する接合体の構成を示す斜視図である。 図2は、図1の矢視A方向からみた接合体の平面図である。 図3は、図2に示すB−B線に対応する接合体の断面図である。 図4は、本発明の実施の形態1に係る溶接構造を有する接合体におけるレーザー光の照射位置を説明する図である。 図5は、本発明の実施の形態1に係る溶接構造を有する接合体におけるレーザー光の照射位置を説明する図である。 図6は、本発明の実施の形態1に係る溶接構造を有する接合体における孔の形状の定義について説明する図である。 図7は、本発明の実施の形態1に係る溶接構造を有する接合体における孔の形状の定義について説明する図である。 図8は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る溶接構造を有する接合体の構成を説明する図である。 図9は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る溶接構造を有する接合体を示す平面図である。 図10は、図9に示すC−C線断面図である。 図11は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る溶接構造を有する接合体の構成を説明する図である。 図12は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る溶接構造を有する接合体を示す平面図である。 図13は、本発明の実施の形態1の変形例3に係る溶接構造を有する接合体の構成を説明する図である。 図14は、本発明の実施の形態1の変形例3に係る溶接構造を有する接合体を示す平面図である。 図15は、本発明の実施の形態1の変形例4に係る溶接構造を有する接合体の構成を説明する図である。 図16は、本発明の実施の形態1の変形例4に係る溶接構造を有する接合体を示す平面図である。 図17は、本発明の実施の形態2に係る溶接構造を有する接合体を示す平面図である。 図18は、図17に示すD−D線断面図である。 図19は、従来の接合体の構成を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は模式的なものであり、各部の寸法の関係や比率は、現実と異なる。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る溶接構造を有する接合体の構成を示す斜視図である。図2は、図1の矢視A方向からみた接合体の平面図である。図3は、図2に示すB−B線に対応する接合体の断面図である。図1〜図3に示す接合体1は、ともに板状をなし、互いの主面同士が重なり合って接続する第一部材2および第二部材3を備える。接合体1には、レーザー溶接によって一部が溶融固化してなり、第一部材2と第二部材3とを接合する溶接部4が形成されている。ここで、本明細書における「主面」とは、部材を構成する外表面のうち、最も面積の大きい外表面をさす。また、部材における主面間の厚さを板厚といい、板厚方向、および部材の長手方向と直交する方向の長さを幅という。接合体1は、第一部材2および第二部材3の長手方向が揃っている。以下の説明においては、部材(接合体1)の長手方向をX軸方向、幅方向をY軸方向、板厚方向をZ軸方向として説明する(図2参照)。
第一部材2は、溶接時にレーザー光の照射側に面して配置される板状の部材である。第一部材2には、板厚方向に貫通する貫通部20が形成されている。貫通部20は、第二部材3との重ね方向に穿設された孔である。貫通部20は、レーザー溶接前の開口が円をなし、レーザー溶接によって第一部材2の一部が溶融して開口が変形している。図2に示す二点鎖線は、溶融前の貫通部20の開口の形状を示している。貫通部20は、溶接部4の一部を受容している。第一部材2は、例えば、ステンレス等の金属製の材料を用いて構成される。
第二部材3は、溶接時に、第一部材2のレーザー光の照射側と反対側に接する板状の部材である。第二部材3は、レーザー溶接によって一部が溶融固化している。第二部材3は、例えば、ステンレス等の金属製の材料を用いて構成される。
第一部材2と第二部材3とは、レーザー光によるスポット溶接によって接続される。第一部材2と第二部材3とには、図1〜図3に示すように、スポット溶接されてなる溶接部4が形成されている。溶接部4は、スポット溶接によって形成される溶接ビードである。溶接ビードは、スポット溶接により第一部材2の一部と、第二部材3の一部とが溶融した後に固化してなる。
図4および図5は、本発明の実施の形態1に係る溶接構造を有する接合体におけるレーザー光の照射位置を説明する図である。図4および図5は、レーザー溶接前の第一部材2および第二部材3を板厚方向に重ねた状態を示している。溶接前の貫通部20は、開口が円をなしている(図4参照)。第一部材2と第二部材3とを重ねた状態において、第一部材2と第二部材3とが重なって接する重合領域から、貫通部20が第二部材3に投影される貫通領域(本実施の形態1では円)までの、重合領域と貫通領域との境界の一部を含んで亘る領域(照射領域RL)にレーザー光を照射してレーザー溶接する。すなわち、照射領域RLは、第一部材2の主面の一部を含む第一領域RL1と、貫通領域の一部を含む第二領域RL2と、重合領域と貫通領域との境界の一部と、からなる。第一領域RL1ではレーザー光Lが第二部材3に直接照射されないが、第二領域RL2では、レーザー光Lが貫通部20を通過して第二部材3に直接照射される。照射領域RLにレーザー光Lを照射することによって、第二部材3の第二領域RL2にレーザー光Lが直接照射されて溶融するとともに、第一部材2の溶融物が貫通部20に流れ込む。この流れ込みにより、貫通部20に一部が受容された溶接部4が形成される。例えば、溶接部4は、板厚方向からみて、照射領域RLの外部まで広がっている。なお、図5では、レーザー光Lの光軸が、第一部材2の主面に対して直交している例を示しているが、第一部材2の主面に対して傾斜した光軸を有するレーザー光であってもよい。また、貫通領域は、第二部材3の主面において、レーザー溶接前の貫通部20を貫通方向に投影される領域に相当し、貫通部20の開口の形状に対応する。
ここで、貫通部20の孔形状について、図6および図7を参照して説明する。第二部材3に投影される貫通領域の形状は、大きく凸形状と凹形状に分けられる。図6に示す第一形状S1は、凸形状の代表例である。また、図7に示す第二形状S2は、凹形状の代表例である。第一形状S1および第二形状S2ともに、レーザー溶接前の貫通部を、第二部材3に、貫通方向に投影した投影図に相当する。
まず、凸形状について説明する。凸形状とは、内部の任意の2点間を直線で結んでも、線分が全て内部に含まれるものである。図6に示す第一形状S1を例に説明すると、内部の点P11と点P12とを直線で結んだ際に、この線分P1112が、第一形状S1の内部に含まれる。
凹形状は、内部の任意の2点間を直線で結んだ際に、線分の一部が外部を通過するものである。図7に示す第二形状S2を例に説明すると、点P21と点P22とを直線で結んだ際に、この線分P2122の一部が、第二形状S2の外部を通過する。
以上説明した定義によれば、第二部材3に投影される貫通領域の形状は、凸形状である。すなわち、本実施の形態1に係る接合体1は、凸形状の貫通領域を形成する貫通部20を用いてレーザー溶接を行って作製されたものである。
次に、上述した接合体1の製造方法について説明する。まず、第一部材2に、貫通部20を穿設する(図4参照)。その後、第一部材2に第二部材3を重ね合わせる(図4参照)。部材を重ね合わせる際、第二部材3は、第一部材2に対し、主面のすべてが、上述した照射領域RLに含まれる位置に配置される。
第一部材2と第二部材3とを重ね合わせた後、第一部材2の第二部材3と接触する側と反対側の主面に向けてレーザー光Lを照射して溶接する(図5参照)。レーザー光Lは、発振周期をナノ秒から数秒単位で制御可能である。レーザー光Lを照射すると、溶接ビードが形成される。この際、第二領域RL2では、レーザー光Lが第二部材3に直接照射されるため、貫通部20を形成しない場合と比して、第二部材3に熱を多く伝えることができ、濡れ性の改善、あるいは溶融を促進する。また、溶融物が貫通部20に流れ込み、照射領域RLの外まで広がって、溶接部4の一部が貫通部20に受容される。このようにして、図1〜図3に示すような溶接部4が形成された接合体1が完成する。
以上説明した本発明の実施の形態1では、第一部材2と第二部材3とを重ね合わせた状態において、第一部材2および第二部材3の重合領域の一部(第一領域RL1)と、貫通領域の一部(第二領域RL2)とを含む領域(照射領域RL)にレーザー光を照射してレーザー溶接することによって、接合体1を作製するようにした。これにより、溶融物の一部が貫通部20に流れ込んで、レーザー光のスポット径(照射領域RL)の外側(照射外領域ROUT)まで溶融固化した領域を広げることができ、貫通部20への流れ込みがない溶接部と比して、重ね合わせた部材の接合強度を向上することができる。
なお、上述した実施の形態1では、発振周期をナノ秒から数秒単位で制御可能なレーザー光を照射するものとして説明したが、第一部材2および第二部材3を溶融して固化させることができれば、これに限らず、連続波のレーザー光の照射を行うようにしてもよい。また、上述した実施の形態1では、一箇所にレーザー光を照射して溶接部4を形成するものとして説明したが、複数箇所にレーザー光を照射し、一部で繋がる複数の溶接ビードを形成して、これを溶接部としてもよい。
また、上述した実施の形態1では、第二部材3における貫通領域の形状が円(凸形状)をなす例を説明したが、貫通領域の形状はこれに限らない。例えば、貫通領域の形状が、楕円、多角形をなすものであってもよい。また、貫通部の数は、一つに限らない。以下、貫通部の変形例について、図面を参照して説明する。なお、貫通部の貫通領域の形状は、上述した貫通部20および以下の変形例に示す形状には限らない。
(実施の形態1の変形例1)
図8は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る溶接構造を有する接合体の構成を説明する図である。図9は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る溶接構造を有する接合体を示す平面図である。図10は、図9に示すC−C線断面図である。変形例1に係る接合体1Aは、ともに板状をなし、互いの主面同士を重ねて接続している第一部材2Aおよび第二部材3を備える。接合体1Aには、レーザー溶接によって一部が溶融固化してなり、第一部材2Aと第二部材3とを接合する溶接部4Aが形成されている。
第一部材2Aには、複数の貫通部21が形成されている。貫通部21は、貫通領域の形状が凸形状の孔である。貫通部21は、長手方向に沿って二つ形成されている。本変形例1におけるレーザー光の照射領域RLは、二つの貫通部21の間であって、第一部材2Aと第二部材3とが重なって接する重合領域の一部と、第二部材3に投影される各貫通部21の貫通領域の一部と、重合領域と各貫通領域との境界の一部と、を含んでいる(図8参照)。この照射領域RLにレーザー光を照射することによって、溶接部4Aが形成された接合体1Aが作製される(図9参照)。溶接部4Aは、一部が各貫通部21に受容されている。溶接部4Aの形成時、溶融物が貫通部21に流れ込み、照射領域RLの外部まで溶融固化した領域が広がる。
本変形例1においても、上述した実施の形態1と同様に、重ね合わせた部材の接合強度を向上することができる。変形例1に係る溶接部4Aは、長手方向に沿って互いに反対方向に広がっており、特に、この長手方向(X軸方向)に対する強度を向上することができる。
(実施の形態1の変形例2)
図11は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る溶接構造を有する接合体の構成を説明する図である。図12は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る溶接構造を有する接合体を示す平面図である。変形例2に係る接合体1Bは、ともに板状をなし、互いの主面同士を重ねて接続している第一部材2Bおよび第二部材3を備える。接合体1Bには、レーザー溶接によって一部が溶融固化してなり、第一部材2Bと第二部材3とを接合する溶接部4Bが形成されている。
第一部材2Bには、複数の貫通部22が形成されている。貫通部22は、開口が楕円をなす凸形状の孔である。貫通部22は、長手方向に沿って二つ形成され、さらに幅方向に沿って二つ形成されている。本変形例2におけるレーザー光の照射領域RLは、第一部材2Bと第二部材3とが重なって接する重合領域の一部と、第二部材3に投影される各貫通部22の貫通領域の一部と、重合領域と各貫通領域との境界の一部と、を含んでいる(図11参照)。この照射領域RLにレーザー光を照射することによって、溶接部4Bが形成された接合体1Bが作製される(図12参照)。溶接部4Bは、一部が各貫通部22に受容されている。溶接部4Bの形成時、溶融物が貫通部22に流れ込み、照射領域RLの外部まで溶融固化した領域が広がる。
本変形例2においても、上述した実施の形態1と同様に、重ね合わせた部材の接合強度を向上することができる。変形例2に係る溶接部4Bは、長手方向および幅方向に広がっており、特に、長手方向(X軸方向)および幅方向(Y軸方向)に対する強度を向上することができる。
(実施の形態1の変形例3)
図13は、本発明の実施の形態1の変形例3に係る溶接構造を有する接合体の構成を説明する図である。図14は、本発明の実施の形態1の変形例3に係る溶接構造を有する接合体を示す平面図である。変形例3に係る接合体1Cは、ともに板状をなし、互いの主面同士を重ねて接続している第一部材2Cおよび第二部材3を備える。接合体1Cには、レーザー溶接によって一部が溶融固化してなり、第一部材2Cと第二部材3とを接合する溶接部4Cが形成されている。
第一部材2Cには、貫通部23が形成されている。貫通部23は、開口が楕円をなす凸形状の孔である。貫通部23は、楕円の長軸が長手方向に延びている。本変形例3におけるレーザー光の照射領域RLは、第一部材2Cと第二部材3とが重なって接する重合領域の一部と、第二部材3に投影される貫通部23の貫通領域の一部(中央部)と、重合領域と貫通領域との境界の一部と、を含んでいる(図13参照)。具体的に、照射領域RLは、貫通部23の中央部を含み、長手方向の両端から貫通部23の一部が延出している。この照射領域RLにレーザー光を照射することによって、溶接部4Cが形成された接合体1Cが作製される(図14参照)。溶接部4Cは、一部が貫通部23に受容されている。溶接部4Cの形成時、溶融物が貫通部23における照射領域RLの外部側に流れ込み、照射領域RLの外部まで溶融固化した領域が広がる。
ここで、幅方向(短軸)の長さが0.02mm、長手方向(長軸)の長さが0.5mmの貫通領域を形成する貫通部23が穿設され、板厚が0.4mmの第一部材2Cと、板厚が0.3mmの第二部材3とを用いてレーザー溶接を行った。この第一部材2Cと第二部材3とを重ね合わせ、レーザー溶接した。レーザー溶接には、スポット径がφ0.1mm、レーザー出力が145Wのレーザー光を用いた。レーザー溶接によって、図14に示す接合体1Cが得られた。また、比較例として、貫通部23を形成していない第1部材と、第2部材とを上述したレーザー光により溶接した。その後、得られた接合体1Cと、比較例の接合体について、Z軸方向(図14参照)の引張強度を測定した。接合体1Cの引張強度は、約74Nであった。これに対し、比較例の接合体の引張強度は、30Nであった。このことから、貫通部23を設けてレーザー溶接することによって、強度を向上した接合体が得られることがわかる。
本変形例3においても、上述した実施の形態1と同様に、重ね合わせた部材の接合強度を向上することができる。変形例3に係る溶接部4Cは、長手方向に広がっており、特に、長手方向(X軸方向)に対する強度を向上することができる。また、変形例3に係る貫通部23は、上述した貫通部20よりも開口の面積が大きい。開口の面積を大きくすることによって、第一部材2Cの板厚が厚くなったとしても、確実に第二部材3に熱を伝えることができる。
(実施の形態1の変形例4)
図15は、本発明の実施の形態1の変形例4に係る溶接構造を有する接合体の構成を説明する図である。図16は、本発明の実施の形態1の変形例4に係る溶接構造を有する接合体を示す平面図である。変形例4に係る接合体1Dは、ともに板状をなし、互いの主面同士を重ねて接続している第一部材2Dおよび第二部材3を備える。接合体1Dには、レーザー溶接によって一部が溶融固化してなり、第一部材2Dと第二部材3とを接合する溶接部4Dが形成されている。
第一部材2Dには、二つの貫通部24が形成されている。貫通部24は、X軸に対して非対称であり、凹形状の貫通領域を形成する孔である。二つの貫通部24は、180°回転対称性を有する位置に配置されている。本変形例4におけるレーザー光の照射領域RLは、第一部材2Dと第二部材3とが重なって接する重合領域の一部と、第二部材3に投影される各貫通部24の貫通領域の一部と、重合領域と各貫通領域との境界の一部と、を含んでいる(図15参照)。この照射領域RLにレーザー光を照射することによって、溶接部4Dが形成された接合体1Bが作製される(図16参照)。溶接部4Bは、一部が各貫通部22に受容されている。溶接部4Dの形成時、溶融物が貫通部24に流れ込み、照射領域RLの外部まで溶融固化した領域が広がる。
本変形例4においても、上述した実施の形態1と同様に、重ね合わせた部材の接合強度を向上することができる。変形例4に係る溶接部4Dは、照射領域RLから放射状に広がっており、特に、Z軸のまわりの荷重に対する強度を向上することができる。
以上説明した実施の形態1および変形例1〜4のように、貫通部の形状や形成する個数は、荷重の加わる方向など、接合体の特性に応じて任意に設定することが可能である。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図17〜図19を参照して説明する。図17は、本発明の実施の形態2に係る溶接構造を有する接合体を示す平面図である。図18は、図17に示すD−D線断面図である。本実施の形態2に係る接合体1Eは、ともに筒状をなす第一部材2Eおよび第二部材3Aを備える。接合体1Eには、レーザー溶接によって一部が溶融固化してなり、第一部材2Eと第二部材3Aとを接合する溶接部4Eが形成されている。本実施の形態2では、Y軸方向が、筒の中心軸方向に相当する。また、X軸方向およびZ軸方向は、それぞれ筒の径方向であり、厚さ方向に相当する。
第一部材2Eには、貫通部25が形成されている。貫通部25は、上述した貫通部23と同様の開口を有する凸形状の孔である。貫通部25は、図17、18において、楕円の長軸がX軸方向に延びている。本実施の形態2におけるレーザー光の照射領域は、変形例3の照射領域RL(図13参照)と同様に、第一部材2Eと第二部材3Aとが重なって接する重合領域の一部と、第二部材3Aに投影される貫通部25の貫通領域の一部と、重合領域と貫通領域との境界の一部と、を含む。この照射領域にレーザー光を照射することによって、溶接部4Eが形成された接合体1Eが作製される。溶接部4Eは、一部が貫通部25に受容されている。溶接部4Eの形成時、溶融物が貫通部25における照射領域の外部側に流れ込み、照射領域の外部まで溶融固化した領域が広がる。溶接部4Eは、接合体1Eの外周側から内周側に向けて裾野状に広がっており、特に、Z軸のまわりの荷重に対する強度を向上することができる。
図19は、従来の接合体の構成を示す断面図であって、図18に示す断面図に対応する従来の接合体の断面図である。貫通部25が形成されていない第一部材200と、第二部材3Aとをレーザー溶接した従来の接合体は、図19に示すように、溶接部40は裾野状に広がらずに、第一部材2Eの径方向に柱状をなして延びている。溶接部40は、溶融固化した領域の広がり方が、溶接部4Eよりも小さく、溶接部4Eを形成する場合と比して荷重に対する強度が低い。
以上説明した本発明の実施の形態2では、第一部材2Eと第二部材3Aとを重ね合わせた状態において、第一部材2Eと第二部材3Aとが重なって接する重合領域の一部と、第二部材3Aに投影される貫通部25の貫通領域の一部と、重合領域と各貫通領域との境界の一部と、を含む領域にレーザー光を照射してレーザー溶接することによって、接合体1Eを作製するようにした。これにより、溶融物が貫通部25に流れ込んで、レーザー光のスポット径の外側まで溶融固化した領域を広げることができ、貫通部25への流れ込みがない溶接部と比して、重ね合わせた部材の接合強度を向上することができる。
なお、上述した実施の形態2において、第一部材2Eと第二部材3Aとを重ね合わせ部分であって、レーザー光の照射領域を含む部分を、平面状としてもよい。
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態によってのみに限定されるべきものではない。上述した実施の形態では、レーザー光Lの照射領域(照射領域RL)が、貫通部の一部を含むものとして説明したが、貫通部のすべてを含む領域としてもよい。貫通部により第2部材に直接レーザー光を照射できれば、実施の形態と同様に、接合強度を向上するという効果を得ることができる。
このように、本発明は、特許請求の範囲に記載した技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な実施の形態を含みうるものである。
1、1A、1B、1C、1D、1E 接合体
2、2A、2B、2C、2D、2E、200 第一部材
3、3A 第二部材
4、4A、4B、4C、4D、4E、40 溶接部
20、21、22、23、24、25 貫通部

Claims (7)

  1. レーザー光の照射側に面して配置された第一部材と、前記第一部材の前記照射側と反対側に接して重ねた第二部材とを、前記レーザー光を照射して接合するレーザー重ね溶接の構造において、
    前記第一部材は、前記第二部材との重ね方向に穿設された少なくとも一つの貫通部を有し、
    前記第一部材と前記第二部材とは、
    前記第一部材と前記第二部材とが重なって接する重合領域から、前記貫通部が前記第二部材に投影される貫通領域まで、前記重合領域と前記貫通領域との境界の一部を含んで亘る溶接部で接合されている
    ことを特徴とするレーザー重ね溶接の構造。
  2. 前記貫通領域の形状が凸形状をなす
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザー重ね溶接の構造。
  3. 前記貫通領域の形状が凹形状をなす
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザー重ね溶接の構造。
  4. レーザー光の照射側に面して配置された第一部材と、前記第一部材の前記照射側と反対側に接して重ねた第二部材とを、前記レーザー光を照射して接合するレーザー重ね溶接の方法において、
    前記第一部材において、前記第二部材との重ね方向に穿設して少なくとも一つの貫通部を形成し、
    前記第一部材と前記第二部材とが重なって接する重合領域と、前記貫通部が前記第二部材に投影される貫通領域との境界の一部を含んで亘る照射領域に前記レーザー光を照射して、前記第一部材と前記第二部材とを接合する
    ことを特徴とするレーザー重ね溶接の方法。
  5. 前記貫通領域の形状が凸形状をなす
    ことを特徴とする請求項4に記載のレーザー重ね溶接の方法。
  6. 前記貫通領域の形状が凹形状をなす
    ことを特徴とする請求項4に記載のレーザー重ね溶接の方法。
  7. 前記接合により形成される溶接部は、前記照射領域の外まで広がっている
    ことを特徴とする請求項5に記載のレーザー重ね溶接の方法。
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