JP2019166178A - 歯科用磁性アタッチメント磁石構造体 - Google Patents

歯科用磁性アタッチメント磁石構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】実質的にニッケルを含まない歯科用磁性アタッチメント磁石構造体を提供する。【解決手段】一方に開口部を有する実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼のカップ型ヨーク101と、前記カップ型ヨーク101の凹部に収容される永久磁石102と、前記カップ型ヨーク101の開口部を密閉するシール部材103と、前記シール部材103と前記カップ型ヨーク101との突合せ部を固着する溶接部104とからなり、前記シール部材103が、実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼からなる中央部103aと、前記中央部103aの外側に位置し、実質的にニッケルを含有しない金、金合金又はコバルト・クロム合金からなる外周リング部103bと、前記中央部103aと前記外周リング部103bとの突合せ部105a、105bを固着する溶接部104とからなることを特徴とする歯科用磁性アタッチメント磁石構造体100。【選択図】図1

Description

本発明は永久磁石による磁気吸引力を利用して義歯を保持する歯科用磁性アタッチメント磁石構造体に関するものである。
歯科用磁性アタッチメントを用いた義歯は、永久磁石の磁気吸引力を利用して義歯を歯根に装着したり取り外したりすることを可能にするものであり、取り扱いが簡単であり衛生的であること等から、従来の機械的な固定手段に代わって急速にその適用例を増している。
図6は、特開平5-95965号(特許文献1)に記載された従来の磁石構造体400を示す。磁石構造体400は、軟磁性ステンレス鋼製のカップ型ヨーク401の開口部に軟磁性ステンレス鋼製のディスクヨーク414と非磁性ステンレス鋼製のシールドリング415とが同心状に配置され、ディスクヨーク414とシールドリング415との間及びシールドリング415とカップ型ヨーク401との間が全周溶接されて永久磁石402が密封された構造を有する。磁石構造体400から発せられる磁束を効率よくキーパー2(図3を参照)に通すため、磁石構造体400の磁束が出る側と入る側とのそれぞれの磁性ステンレス鋼からなるヨーク(カップ型ヨーク401及びディスクヨーク414)の間には、非磁性のステンレス鋼(シールドリング415)が設置され、ヨーク間に直接磁束が流れないような構造となっている。
シールドリング415を構成する非磁性のステンレス鋼として、オーステナイト系ステンレス鋼が用いられる。しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼は、ニッケルを0.2〜0.5質量%程度含有させることによりオーステナイト相を生成させて得られるため、ニッケルによる金属アレルギーを発症する患者には適用することができなかった。
特公平7-32784号(特許文献2)には、一対の耐食軟磁性合金からなるヨークと、前記一対のヨークの間にS極とN極を前記ヨークに対向させて設けた永久磁石と、前記永久磁石と根面板との間に設けられた耐食非磁性合金からなるスペーサと、耐食非磁性合金からなるケースとを有するサンドイッチ型の磁性アタッチメントが開示されており、前記耐食非磁性合金にはニッケルを含有する非磁性のステンレス鋼が使用されている。このため、ニッケルを含まないステンレス鋼を用いた歯科用磁性アタッチメント磁石構造体が望まれている。
特開平5-95965号公報 特公平7-32784号公報
従って、本発明の目的は、実質的にニッケルを含まない歯科用磁性アタッチメント磁石構造体を提供することである。
上記目的に鑑み、本発明者らは、非磁性ステンレス鋼の代替材料として使用できる様々な金属を検討した。磁石構造体のシールドリングとして使用するためには以下の条件、
(a) 非磁性の金属であること、及び
(b) 口腔内で用いることができる金属であることに加えて、
(c) 磁性ステンレス鋼と問題なく溶接ができる金属であること(すなわち、磁性アタッチメントでは、磁石構造体に内包されるNd磁石を唾液から隔離するため磁性ステンレスと非磁性金属を溶接し、Nd磁石を密閉する必要があることから、磁性ステンレス鋼との溶接適性を有する必要がある。)
を満たす必要がある。
これらの条件を満たす金属を検討した結果、非磁性で、口腔内で用いることができ、かつ磁性ステンレス鋼と溶接しても脆性の合金や金属間化合物を作らない金属である、金、歯科用金合金又はコバルト・クロム合金が、磁石構造体のシールドリングとして好適であることを見出し、本発明に想到した。
なおチタン又はチタン合金は、歯科用金属として広く用いられているが、ステンレス鋼の主要元素であるFeとともに溶解、凝固させると広い組成範囲で金属間化合物を作ることが知られており、この金属間化合物は、非常に脆いため、ニッケルを含む非磁性ステンレス鋼の代替材料としては使用できない。これに対して、金、金合金又はコバルト・クロム合金は鉄と金属間化合物を作らないため溶接部が脆化しない。
すなわち、本発明の第一の態様にかかる歯科用磁性アタッチメント磁石構造体は、一方に開口部を有する実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼のカップ型ヨークと、前記カップ型ヨークの凹部に収容される永久磁石と、前記カップ型ヨークの開口部を密閉するシール部材と、前記シール部材と前記カップ型ヨークとの突合せ部を固着する溶接部とからなり、
前記シール部材が、
実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼からなる中央部と、
前記中央部の外側に位置し、実質的にニッケルを含有しない金、金合金又はコバルト・クロム合金からなる外周リング部と、
前記中央部と前記外周リング部との突合せ部を固着する溶接部と
からなることを特徴とする。
本発明の第二の態様にかかる歯科用磁性アタッチメント磁石構造体は、両端面が開口した直方体筒状ケースと、前記直方体筒状ケースの中に収容される永久磁石と、前記直方体筒状ケースの両端面に設置され、前記直方体筒状ケースを密閉する直方体板状ヨークと、前記直方体筒状ケースと前記直方体板状ヨークとの突合せ部を固着する溶接部とからなり、
前記直方体筒状ケースが実質的にニッケルを含有しない金、金合金又はコバルト・クロム合金からなり、
前記直方体板状ヨークが実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼からなることを特徴とする。
前記フェライト系ステンレス鋼、金、金合金及びコバルト・クロム合金のニッケル含有量は0.2質量%以下であるのが好ましい。
本発明の歯科用磁性アタッチメント磁石構造体は、実質的にニッケルを含まないので、ニッケルによる金属アレルギーを発症する患者にも適用が可能である。
第一の態様にかかる磁性アタッチメント磁石構造体の一例を示す模式断面図である。 第一の態様にかかる磁性アタッチメント磁石構造体の一例を示す分解断面図である。 磁性アタッチメント磁石構造体を有する義歯を、歯根に埋設された根面板に設置されたキーパーに装着した状態を模式的に示す断面図である。 第二の態様にかかる磁性アタッチメント磁石構造体の一例を模式的に示す(a)斜視図、(b)A-A断面図、及び(c)B-B断面図である。 第二の態様にかかる磁性アタッチメント磁石構造体の一例を示す分解図である。 従来の磁性アタッチメント磁石構造体を示す模式断面図である。
[1] 磁性アタッチメント
歯科用磁性アタッチメントは、図3に示すように、磁性アタッチメント磁石構造体100(以下、単に「磁石構造体」と呼ぶ場合がある。)と、前記磁石構造体100の磁気吸引力により義歯を保持するための円板状の磁性アタッチメント用キーパー2(以下、単に「キーパー」と呼ぶ場合がある。)とからなり、磁石構造体100を義歯に、キーパー2を歯根4に埋設された根面板3に固着して使用される。歯科用磁性アタッチメントは、義歯に装着した磁石構造体100からの磁束を根面板3やインプラントに装着したキーパー2を通し、再度磁石構造体100に戻す磁気回路を構成することにより、磁石構造体100とキーパー2との間に磁気吸引力を発生させ、口腔内に義歯を維持させるよう構成されている。
[2] 磁性アタッチメント磁石構造体
(1)第一の態様
第一の態様にかかる磁性アタッチメント磁石構造体100は、図1及び図2に示すように、一方に開口部を有する実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼のカップ型ヨーク101と、前記カップ型ヨーク101の凹部101aに収容される永久磁石102と、前記カップ型ヨーク101の開口部を密封するシール部材103と、前記シール部材103と前記カップ型ヨーク101との突合せ部105aを固着する溶接部104とからなり、前記シール部材103は、実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼からなる中央部103aと、前記中央部103aの外側に位置する、実質的にニッケルを含有しない金、金合金又はコバルト・クロム合金からなる外周リング部103bと、前記中央部103aと前記外周リング部103bとの突合せ部105bを固着する溶接部104とからなることを特徴とする。
外周リング部103bを構成する金、金合金又はコバルト・クロム合金は、カップ型ヨーク101及び中央部103aを構成するフェライト系ステンレス鋼と溶接しても金属間化合物を作らないため、溶接部が脆化しない。
図1に示す磁石構造体100は、シール部材103とカップ型ヨーク101との突合せ部105aを固着する溶接部104、及び中央部103aと外周リング部103bとの突合せ部105bを固着する溶接部104が一体に形成されている例を示したが、前記突合せ部105aを固着する溶接部及び突合せ部105bを固着する溶接部は、それぞれ独立に形成されていても良い。
この磁性アタッチメント磁石構造体100において、フェライト系ステンレス鋼からなるカップ型ヨーク101と、フェライト系ステンレス鋼からなる中央部103aとが磁性体であり、金、金合金又はコバルト・クロム合金からなる外周リング部103bが非磁性体であるため、シール部材103の中央部103aが一方の極(図ではS極)となり、カップ型ヨーク101の開口端部101bが他方の極(図ではN極)となる磁気回路を構成する。
磁石構造体100の外形、すなわちカップ型ヨーク101は円筒形に限らず、楕円形でも四角形等の多角形でも良い。またシール部材103の外形も円形(円板状)に限らず、楕円形でも四角形等の多角形でも良い。この場合、永久磁石102の形状も、必要に応じてカップ型ヨーク101及びシール部材103の形状に合わせて変更してもよい。
(a) シール部材
シール部材103は、永久磁石102をカップ型ヨーク101の凹部101aに封止するとともに、磁気回路を構成する部材であり、図1及び図2に示すように、実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼からなる中央部103aと、前記中央部103aの外側に位置し、実質的にニッケルを含有しない金、金合金又はコバルト・クロム合金からなる外周リング部103bとからなる。
シール部材103の中央部103aは、実質的にニッケルを含有しないステンレス鋼からなり、特に耐食性の軟磁性フェライト系ステンレス鋼(SUS447J1、SUSXM27、SUS444等)からなるのが好ましい。シール部材103の中央部103aのCr含有量は17〜32質量%であるのが好ましく、24〜32質量%であるのがより好ましい。前記フェライト系ステンレス鋼のニッケル含有量は0.2質量%以下であるのが好ましい。
シール部材103の外周リング部103bは、実質的にニッケルを含有しない金、金合金又はコバルト・クロム合金からなる。金合金としては、金、銀、白金、パラジウム等を含有する合金であり、金、銀、白金及びパラジウムの含有量の合計が75%以上であるものが好ましい。コバルト・クロム合金としては、コバルト及びクロムの含有量の合計が85%以上であるものが好ましい。金、金合金又はコバルト・クロム合金のニッケル含有量は0.2質量%以下であるのが好ましい。金、金合金及びコバルト・クロム合金としては、歯科用として市販されているものが使用できる。
シール部材103の外形は円形(円板状)でもよいし、楕円形でも四角形等の多角形でも良い。前記シール部材103として円形(円板状)を採用した場合、その直径は、歯科用磁性アタッチメント磁石構造体の使用目的に応じて設定されるものであり、通常は1800〜5500μmである。外周リング部103bの半径方向の長さは、50〜400μmであるのが好ましく、100〜3000μmであるのがより好ましい。
シール部材103を製造する方法は特に限定されないが、例えば、以下に説明する方法で製造することができる。
第1の方法:
外周リング部となる金、金合金、コバルト・クロム合金等を管状に成形し、これに中央部となる磁性ステンレス鋼の丸棒を通し、引抜加工により中央部と外周リング部とが一体化した丸棒とした後、これを輪切りに切断することにより円板状のシール部材を製造する方法。
第2の方法:
中央部となる磁性ステンレス鋼の丸棒の外周に、金、金合金、コバルト・クロム合金等のメッキを施し、外周リング部を形成し、これを輪切りに切断することにより円板状のシール部材を製造する方法。
第3の方法:
金、金合金、コバルト・クロム合金等の板から打ち抜いたリング状の外周リング部に、磁性ステンレス鋼の板から打ち抜いた円板状の中央部をはめ込むことにより円板状のシール部材を製造する方法。
これらの方法において、中央部と外周リング部との突合せ部は溶接により固着させることにより、カップ型ヨークの凹部に収容した永久磁石の密閉性が確保される。
(b) カップ型ヨーク
カップ型ヨーク101は、永久磁石102を収容するための凹部101aを有する。前記凹部101aは、収容する永久磁石102の大きさに合わせた寸法とする。永久磁石102は、カップ型ヨーク101の開口端部101bが磁気的に飽和するような大きさにすることが望ましい。永久磁石102が大きすぎると外部に漏えいする磁束量が増加し、小さすぎるとカップ型ヨーク102の開口端部101bが磁気的に飽和せず、いずれの場合も充分な磁気吸引力が得られなくなる。
カップ型ヨーク101は、実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼からなり、特に耐食性軟磁性のフェライト系ステンレス鋼(SUS447J1、SUSXM27、SUS444等)を用いるのが好ましい。カップ型ヨーク101のCr含有量は17〜32質量%であるのが好ましく、24〜32質量%であるのがより好ましい。前記フェライト系ステンレス鋼のニッケル含有量は0.2質量%以下であるのが好ましい。
(c)溶接部
シール部材103とカップ型ヨーク101との突合せ部、及びシール部材103の中央部103aと外周リング部103bとの突合せ部を固着する溶接部104は、例えば、レーザー光の照射により形成することができる。溶接部104は、図1に示すように、シール部材103の中央部103aと外周リング部103bとカップ型ヨーク101との全てにかかるように形成しても良いし、シール部材103の外周リング部103bとカップ型ヨーク101との突合せ部、及びシール部材103の中央部103aと外周リング部103bとの突合せ部のそれぞれに独立に形成しても良い。
溶接部104は、凹凸が残らないように所定の深さに平面加工されているのが好ましい。前記平面加工は、カップ型ヨーク101、シール部材103及び前記溶接部104を、溶接強度が低下しない程度の深さに研磨して行うのが好ましい。
(d) 永久磁石
永久磁石102としては、残留磁束密度Brが他の永久磁石より大きく、より大きな吸引力が得られるネオジム磁石を用いるのが好ましい。ネオジム磁石の残留磁束密度Brは磁気回路を飽和させる必要があるため、1.3 T以上であるのが好ましく、1.35 T以上であるのがより好ましい。永久磁石102は、磁石構造体に組み込んだ後着磁される。
(2)第二の態様
第二の態様にかかる磁性アタッチメント磁石構造体200は、図4及び図5に示すように、両端面が開口した直方体筒状ケース201と、前記直方体筒状ケース201の中に収容される永久磁石202と、前記直方体筒状ケース201の両端面に設置され、前記直方体筒状ケース201を密閉する直方体板状ヨーク203と、前記直方体筒状ケース201と前記直方体板状ヨークと203の突合せ部205を固着する溶接部204とからなり、前記直方体筒状ケース201が実質的にニッケルを含有しない金、金合金又はコバルト・クロム合金からなり、前記ヨーク203が実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼からなることを特徴とする。
この磁性アタッチメント磁石構造体200において、フェライト系ステンレス鋼からなる直方体板状ヨーク203が磁性体であり、金、金合金又はコバルト・クロム合金からなる直方体筒状ケース201が非磁性体であるため、直方体板状ヨーク203aが一方の極(図ではN極)となり、直方体板状ヨーク203bが他方の極(図ではS極)となる磁気回路を構成する。
(a) 直方体筒状ケース
直方体筒状ケース201は、その筒状の内部に永久磁石202を収容する。直方体筒状ケース201の大きさは、収容する永久磁石202の大きさに合わせた寸法とする。
直方体筒状ケース201は、実質的にニッケルを含有しない金、金合金又はコバルト・クロム合金からなる。金合金としては、金、銀、白金、パラジウム等を含有する合金であり、金、銀、白金及びパラジウムの含有量の合計が75%以上であるものが好ましい。コバルト・クロム合金としては、コバルト及びクロムの含有量の合計が85%以上であるものが好ましい。前記金、金合金又はコバルト・クロム合金のニッケル含有量は0.2質量%以下であるのが好ましい。金、金合金及びコバルト・クロム合金としては、歯科用として市販されているものが使用できる。
直方体筒状ケース201製造する方法は特に限定されないが、例えば、以下に説明する方法で製造することができる。(i)永久磁石の厚さとした金、金合金、コバルト・クロム合金等の板から所望の大きさに切出すことによって直方体筒状ケースを製造する方法、又は(ii)ケースの厚さにした金、金合金、コバルト・クロム合金等の板を短冊状に切出し、永久磁石の外周に合わせ折り曲げた後端部を溶接することによって直方体筒状ケースを製造する方法。
(b) 直方体板状ヨーク
直方体板状ヨーク203は、実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼からなり、特に耐食性軟磁性のフェライト系ステンレス鋼(SUS447J1、SUSXM27、SUS444等)を用いるのが好ましい。直方体板状ヨーク203のCr含有量は17〜32質量%であるのが好ましく、24〜32質量%であるのがより好ましい。前記フェライト系ステンレス鋼のニッケル含有量は0.2質量%以下であるのが好ましい。
なお本発明においては、直方体板状ヨークで構成したが、直方体筒状ケースを密封することのできる形状であれば直方体板状に限らない。例えば、五角柱状、六角柱状でも良い。
(c)溶接部
直方体筒状ケース201と直方体板状ヨーク203との突合せ部を固着する溶接部204は、例えば、レーザー光の照射により形成することができる。溶接部204は、図4(a)に示すように、直方体筒状ケース201と直方体板状ヨーク203との突合せ部の全周にわたって形成される。
溶接部204は、凹凸が残らないように所定の深さに平面加工されているのが好ましい。前記平面加工は、直方体筒状ケース201、直方体板状ヨーク203及び前記溶接部204を、溶接強度が低下しない程度の深さに研磨して行うのが好ましい。
(d) 永久磁石
永久磁石202としては、残留磁束密度Brが他の永久磁石より大きく、より大きな吸引力が得られるネオジム磁石を用いるのが好ましい。ネオジム磁石の残留磁束密度Brは磁気回路を飽和させる必要があるため、1.3 T以上であるのが好ましく、1.35 T以上であるのがより好ましい。永久磁石202は、磁石構造体に組み込んだ後着磁される。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
幅10 mm、厚さ0.4 mm、長さ100 mmの金の板を丸め筒状とした後、つなぎ目を溶接し、長さ100 mmの管を製作した。この管に引抜加工を行い、外径2.8 mm、内径2.4 mm、長さ230 mmの管とした。得られた長さ230 mmの管に、直径2.3 mm、長さ330 mmのSUSXM27の丸棒を通し、引抜加工を行い、外周が金で芯がSUSXM27の直径2.6 mmのクラッド丸棒とした。これを厚さ0.25 mmに切断し、SUSXM27からなる中央部の外周に厚さ0.15 mmの金の外周リング部が形成されたシール部材を得た。
直径SUSXM27の丸棒から、直径3.5 mm、高さ1.35 mmで一方の端面に直径2.6 mm、深さ0.75 mmの孔を設けたカップ型ヨークを切出した。カップ型ヨークに直径2.55 mm、厚さ0.5 mmのNd磁石を挿入し、前記のシール部材により蓋をした後、カップ型ヨーク-外周リング部間、外周リング部-中央部間の突合せ部をレーザーにより溶接し、Nd磁石を封止した。溶接を行った面を平滑になるまで0.05 mm研削し、直径3.5 mm、高さ1.3 mmの、図1に示すような磁石構造体とした。
この磁石構造体を37℃の生理食塩水中に72時間浸漬し、溶接部の割れ有無を確認したが、割れは見られなかった。
実施例2
白金加金(金:76.5%、銀:9.0%、白金:1.0%、パラジウム:3.0%、銅:10.0%、その他)の幅1 mm、厚さ0.3 mmの帯状板を長さ5 mm、幅3 mm、厚さ3 mmの直方体の筒状に折り曲げ、端部をレーザー溶接にて接合し直方体筒状ケースとした。この直方体筒状ケースの中に長さ4.4 mm、幅2.4 mm、厚さ1 mmのNd磁石を入れ、両端を長さ5 mm、幅3 mm、厚さ1.2 mmのSUSXM27製ヨークで挟み、白金加金とSUSXM27との突合せ部をレーザー溶接することにより、内部のNd磁石を密閉した。次いで、長さ5 mm×幅3.4 mmの面のうち一方を50μm研磨し、図4に示すような磁石構造体とした。
この磁石構造体を37℃の生理食塩水中に72時間浸漬し、溶接部の割れ有無を確認したが、割れは見られなかった。
実施例3
直径2.3 mm、長さ100 mmのSUSXM27丸棒に、厚さ0.15 mmの金メッキを施した後、切断にて直径2.6 mm、厚さ0.25 mmのシール部材を製作した。
直径SUSXM27の丸棒から、直径3.5 mm、高さ1.35 mmで一方の端面に直径2.6 mm、深さ0.75 mmの孔を設けたカップ型ヨークを切出した。カップ型ヨークに直径2.55 mm、厚さ0.5 mmのNd磁石を挿入し、前記のシール部材により蓋をした後、カップ型ヨーク-外周リング部間、外周リング部-中央部間の突合せ部をレーザーにより溶接し、Nd磁石を封止した。溶接を行った面を平滑になるまで0.05 mm研削し、直径3.5 mm、高さ1.3 mmの、図1に示すような磁石構造体とした。
この磁石構造体を37℃の生理食塩水中に72時間浸漬し、溶接部の割れ有無を確認したが、割れは見られなかった。
実施例4
歯科鋳造用コバルト・クロム合金(コバルト:63.3%、クロム:30.0%、モリブデン:5.0%、その他)の厚さ1 mmの板から、外寸が5 mm×3 mm、内寸が4.4 mm×2.4 mmの直方体筒状形状ケースをワイヤーカットにて製作した。この中に長さ4.4 mm、幅2.4 mm、厚さ1 mmのNd磁石を入れ、両端を長さ5 mm、幅3 mm、厚さ1.2 mmのSUSXM27製ヨークで挟み、白金加金とSUSXM27との突合せ部をレーザー溶接することにより、内部のNd磁石を密閉した。次いで、長さ5 mm×幅3.4 mmの面のうち一方を50μm研磨し、図4に示すような磁石構造体とした。
この磁石構造体を37℃の生理食塩水中に72時間浸漬し、溶接部の割れ有無を確認したが、割れは見られなかった。
比較例1
幅10 mm、厚さ0.4 mm、長さ100 mmのチタンの板を丸め筒状とした後、つなぎ目を溶接し、長さ100 mmの管を製作した。この管の引抜加工を行い、外径2.8 mm、内径2.4 mm、長さ230 mmの管とした。得られた長さ230 mmの管に、直径2.3 mm、長さ330 mmのSUSXM27の丸棒を通し、引抜加工を行い、外周がチタンで芯がSUSXM27の直径2.6 mmのクラッド丸棒とした。これを厚さ0.25 mmに切断し、SUSXM27からなる中央部の外周に厚さ0.15 mmのチタンの外周リング部が形成されたシール部材を得た。
直径SUSXM27の丸棒から、直径3.5 mm、高さ1.35 mmで一方の端面に直径2.6 mm、深さ0.75 mmの孔を設けたカップ型ヨークを切出した。カップ型ヨークに直径2.55 mm、厚さ0.5 mmのNd磁石を挿入し、前記のシール部材により蓋をした後、カップ型ヨーク-外周リング部間、外周リング部-中央部間の突合せ部をレーザーにより溶接し、Nd磁石を封止した。
溶接部を確認したところ、溶接部にはクラックが確認された。
100・・・磁性アタッチメント磁石構造体
101・・・カップ型ヨーク
101a・・・凹部
101b・・・開口端部
102・・・永久磁石
103・・・シール部材
103a・・・中央部
103b・・・外周リング部
104・・・溶接部
105a・・・突合せ部
105b・・・突合せ部
200・・・磁性アタッチメント磁石構造体
201・・・直方体筒状ケース
202・・・永久磁石
203,203a,203b・・・直方体板状ヨーク
204・・・溶接部
105・・・突合せ部

Claims (3)

  1. 一方に開口部を有する実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼のカップ型ヨークと、前記カップ型ヨークの凹部に収容される永久磁石と、前記カップ型ヨークの開口部を密閉するシール部材と、前記シール部材と前記カップ型ヨークとの突合せ部を固着する溶接部とからなる歯科用磁性アタッチメント磁石構造体であって、
    前記シール部材が、
    実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼からなる中央部と、
    前記中央部の外側に位置し、実質的にニッケルを含有しない金、金合金又はコバルト・クロム合金からなる外周リング部と、
    前記中央部と前記外周リング部との突合せ部を固着する溶接部と
    からなることを特徴とする歯科用磁性アタッチメント磁石構造体。
  2. 両端面が開口した直方体筒状ケースと、前記直方体筒状ケースの中に収容される永久磁石と、前記直方体筒状ケースの両端面に設置され、前記直方体筒状ケースを密閉する直方体板状ヨークと、前記直方体筒状ケースと前記直方体板状ヨークとの突合せ部を固着する溶接部とからなる歯科用磁性アタッチメント磁石構造体であって、
    前記直方体筒状ケースが実質的にニッケルを含有しない金、金合金又はコバルト・クロム合金からなり、
    前記直方体板状ヨークが実質的にニッケルを含有しないフェライト系ステンレス鋼からなることを特徴とする歯科用磁性アタッチメント磁石構造体。
  3. 請求項1又は2に記載の歯科用磁性アタッチメント磁石構造体において、前記フェライト系ステンレス鋼、金、金合金及びコバルト・クロム合金のニッケル含有量が0.2質量%以下であることを特徴とする歯科用磁性アタッチメント磁石構造体。
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