JP2019165161A - 抵抗変化素子及びその製造方法、記憶装置 - Google Patents

抵抗変化素子及びその製造方法、記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】抵抗変化素子として機能させるのに十分な抵抗の変化が得られるようにし、その特性を向上させる。【解決手段】抵抗変化素子1を、少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出でき、イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層2と、抵抗変化層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層3と、イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、イオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層4とを備えるものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、抵抗変化素子及びその製造方法、記憶装置に関する。
従来、正極活物質層と負極活物質層の間で電解質層を通ってイオンが移動することで充電、放電を行なう二次電池の原理を用い、その構成を利用した情報記憶素子が提案されている。
特開2009−76670号公報 特表2010−514150号公報 特開2003−157672号公報
ところで、記憶装置に備えられる抵抗変化素子に上述の二次電池の構成を適用する場合、例えば、正極活物質層を、イオンを吸蔵、放出でき、イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層に利用し、電解質層を、イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層に利用し、負極活物質層を、イオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層に利用することが考えられる。
この場合、抵抗変化層とイオン吸蔵放出層の間でイオン伝導層を通ってイオンが移動することで、抵抗変化層のイオンの量が変化し、これに応じて抵抗が変化するため、抵抗変化素子として機能させることができる。
しかしながら、抵抗変化層とイオン吸蔵放出層の間でのイオン伝導層を通したイオンの移動が不十分で、抵抗変化素子として機能させるには抵抗の変化が不十分であり、十分な特性が得られないことがわかった。
本発明は、抵抗変化素子として機能させるのに十分な抵抗の変化が得られるようにし、その特性を向上させることを目的とする。
1つの態様では、抵抗変化素子は、少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出でき、イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層と、抵抗変化層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層と、イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、イオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層とを備える。
1つの態様では、抵抗変化素子は、少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層と、イオン吸蔵放出層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層と、イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、イオンを吸蔵、放出でき、イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層とを備える。
1つの態様では、記憶装置は、上述の抵抗変化素子と、抵抗変化素子に接続され、抵抗変化素子へ情報の書き込みを行なう書込回路と、抵抗変化素子に接続され、抵抗変化素子から情報の読み出しを行なう読出回路とを備える。
1つの態様では、抵抗変化素子の製造方法は、少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出でき、イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層を形成する工程と、抵抗変化層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層を形成する工程と、イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、イオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層を形成する工程とを含む。
1つの態様では、抵抗変化素子の製造方法は、少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層を形成する工程と、イオン吸蔵放出層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層を形成する工程と、イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、イオンを吸蔵、放出でき、イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層を形成する工程とを含む。
1つの側面として、抵抗変化素子として機能させるのに十分な抵抗の変化が得られるようにし、その特性を向上させることができるという効果を有する。
本実施形態にかかる抵抗変化素子の構成を示す斜視図である。 本実施形態にかかる抵抗変化素子の構成におけるイオンの移動を説明するための断面図である。 (A)〜(I)は、本実施形態にかかる抵抗変化素子の製造方法を説明するための断面図である。 (A)〜(F)は、本実施形態にかかる抵抗変化素子の製造方法を説明するための断面図である。 (A)〜(C)は、本実施形態にかかる抵抗変化素子の製造方法を説明するための断面図である。 本実施形態にかかる抵抗変化素子の他の構成を示す斜視図である。 本実施形態にかかる抵抗変化素子の他の構成におけるイオンの移動を説明するための断面図である。 本発明の課題を説明するための断面図である。 本発明の課題を説明するための断面図である。 本実施形態にかかる抵抗変化素子及びこれに接続される配線を示す平面図である。 本実施形態にかかる記憶装置の構成を示す図である。 本実施形態にかかる抵抗変化素子による効果を説明するための図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる抵抗変化素子及びその製造方法、記憶装置について、図1〜図12を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる抵抗変化素子は、正極活物質層と負極活物質層の間で電解質層を通ってイオンが移動することで充電、放電を行なう二次電池の構成を適用した抵抗変化素子である。なお、二次電池を固体二次電池又はイオン電池ともいう。
つまり、二次電池の正極活物質層を、少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出でき、このイオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層に利用し、電解質層を、このイオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層に利用し、負極活物質層を、このイオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層に利用する。
この場合、抵抗変化層とイオン吸蔵放出層の間でイオン伝導層を通ってイオンが移動することで、抵抗変化層のイオンの量が変化し、これに応じて抵抗が変化するため、抵抗変化素子として機能させることができる。
また、抵抗変化層の中のイオンの量を連続的に変化させ、その抵抗を連続的に変化させることもできるため、多くの抵抗値を記憶することができる多値抵抗変化素子を実現することも可能である。
このため、図1に示すように、本実施形態の抵抗変化素子1は、基板9上に、少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出でき、このイオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層2と、このイオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層3と、このイオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層4とを備える。なお、図1では層間酸化膜は省略している。
ここで、抵抗変化層2は、少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出でき、このイオンの量に応じて抵抗が変化する材料からなる。また、イオン伝導層3は、このイオンを伝導し、電子を伝導しない材料からなる。また、イオン吸蔵放出層4は、このイオンを吸蔵、放出できる材料からなる。
本実施形態では、抵抗変化層2は、イオン電池に用いられる正極活物質からなる正極活物質層であり、イオン吸蔵放出層4は、イオン電池に用いられる負極活物質からなる負極活物質層であり、イオン伝導層3は、イオン電池に用いられる固体電解質からなる固体電解質層である。
つまり、本実施形態の抵抗変化素子1は、固体電解質材料を含む抵抗変化素子であって、固体電解質層3を正極活物質層2と負極活物質層4で挟んだ構造を有する。
このような抵抗変化素子1では、負極活物質、固体電解質、正極活物質は、固体電解質を通るイオンによって決められる。
例えば、Liイオンを用いる場合、負極活物質は、Li、C(黒鉛)、Si、LiTi12等、固体電解質は、LiPO、LiAl(P(PO、Li2.9PO3.30.46、(La,Li)TiO等、正極活物質は、LiCoO、LiNiO、LiTi12、LiMnO、LiFePO等を用いれば良い。
なお、Liイオン以外のイオンを用いても良い。
例えば、Zn(亜鉛)イオンを用いる場合、負極活物質は、Zn等、固体電解質は、ZnZr(PO等、正極活物質は、MnO等を用いれば良い。
また、例えば、Cu(銅)イオンを用いる場合、負極活物質は、Cu等、固体電解質は、RbCu2−XCl3+X(X=0.25〜0.5)等、正極活物質は、CuMnO(n=0.4〜0.8)等を用いれば良い。
特に、本実施形態では、図1に示すように、イオン伝導層3としての固体電解質層は、抵抗変化層2としての正極活物質層の上面及び対向する2つの第1側面(ここでは、図中、前後方向で対向する2つの側面)を覆うように設けられている。
また、イオン吸蔵放出層4としての負極活物質層は、固体電解質層3の上面及び対向する2つの第1側面(ここでは、図中、前後方向で対向する2つの側面)を覆うように設けられている。
このように、単に、正極活物質層2上に、固体電解質層3、負極活物質層4を順に積層した構造(例えば図8参照)とするのではなく、正極活物質層2の上面及び対向する2つの第1側面の合計3つの面が覆われるように、正極活物質層2上に、固体電解質層3、負極活物質層4を順に積層するようにしている。
これにより、図2に示すように、正極活物質層2の上方の1つの面を介して、正極活物質層2と負極活物質層4の間での固体電解質層3を通したイオンの移動が生じるだけでなく、正極活物質層2の上方及び2つの側方の3つの面を介して、正極活物質層2と負極活物質層4の間での固体電解質層3を通したイオンの移動が生じることになる。
この結果、抵抗変化素子1として機能させるのに十分な抵抗の変化が得られるようになり、その特性を向上させることができる。
特に、イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層2としての正極活物質層に対して、イオンを供給する負極活物質層4から効率的にイオンを供給することができ、イオンの量を大きく変化させることができるようになる。
この結果、抵抗変化素子1として機能させるのに十分な抵抗の変化が得られるようになり、その特性を向上させることができる。
なお、これに限られるものではなく、イオン伝導層3としての固体電解質層は、抵抗変化層2としての正極活物質層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられており、また、イオン吸蔵放出層4としての負極活物質層は、固体電解質層3の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられていれば良い。
つまり、正極活物質層2の上面及び側面の2つの面が覆われるように、正極活物質層2上に、固体電解質層3、負極活物質層4を順に積層するようにしても良い。
これにより、正極活物質層2の上方の1つの面を介して、正極活物質層2と負極活物質層4の間での固体電解質層3を通したイオンの移動が生じるだけでなく、正極活物質層2の上方及び側方の2つの面を介して、正極活物質層2と負極活物質層4の間での固体電解質層3を通したイオンの移動が生じることになる。この結果、抵抗変化素子1として機能させるのに十分な抵抗の変化が得られるようになり、その特性を向上させることができる。
ところで、本実施形態では、正極活物質層2を挟んで上下方向両側に、それぞれ、情報(抵抗値)の書き込みに用いられる第1書込電極5及び第2書込電極6が設けられている。
特に、本実施形態では、負極活物質層4は、第1書込電極5も兼ねている。これにより、必要電極数を削減することが可能である。また、第2書込電極6は、金属電極であり、正極活物質層2の下面全体に接するように設けられている。なお、実際には、正極活物質層2は、第2書込電極6の側面も覆うように設けられており、図示していないが、別途、取り出し部分を設けている。
なお、これに限られるものではなく、例えば、第1書込電極5を、負極活物質層4の上面全体及び対向する2つの側面(ここでは、図中、前後方向で対向する2つの側面)を覆うように設け、第2書込電極6を、正極活物質層2の下面全体に接するように設けても良い。つまり、負極活物質層4とは別に第1書込電極5を設けても良い。ここで、第1書込電極5及び第2書込電極6は金属電極とすれば良い。
また、正極活物質層2は、対向する2つの第2側面(ここでは、図中、左右方向で対向する2つの側面)がそれぞれ固体電解質層3の対向する2つの第2側面(ここでは、図中、左右方向で対向する2つの側面)よりも外方に位置するように突出している第1突出部2X及び第2突出部2Yを有する。
そして、第1突出部2X及び第2突出部2Yのそれぞれの表面上に、情報(抵抗値)の読み出しに用いられる第1読出電極7及び第2読出電極8が設けられている。
つまり、固体電解質層3及び負極活物質層4が延びている方向に対して直交する方向に延びている正極活物質層3の両端に、それぞれ、第1読出電極7及び第2読出電極8が設けられている。
ここで、第1読出電極7及び第2読出電極8は金属電極とすれば良い。
この場合、第1読出電極7及び第2読出電極8は、第1突出部2X及び第2突出部2Yの上面及び側面を覆うように設けられているのが好ましい。また、第1読出電極7及び第2読出電極8は、第1突出部2X及び第2突出部2Yの上面及び対向する2つの側面(ここでは、図中、前後方向で対向する2つの側面)を覆うように設けられているのがより好ましい。
これにより、第1読出電極7と第2読出電極8の間に電圧を印加して情報(抵抗値)の読み出しを行なう際に、正極活物質層2の上面側部分だけでなく、側面側部分にも電流が流れるようにすることができ、正極活物質層2の抵抗値をより正確に読み出すことが可能となる。
次に、本実施形態にかかる抵抗変化素子1の製造方法について説明する。
本実施形態にかかる抵抗変化素子1の製造方法は、少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出でき、イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層2を形成する工程と、抵抗変化層2の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層3を形成する工程と、イオン伝導層3の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、イオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層4を形成する工程とを含む。
以下、図3〜図5を参照しながら、具体例を挙げて説明する。なお、図3〜図5では、図1の左右方向に沿う断面を示している。
まず、図3(A)に示すように、例えばシリコン基板9上にシリコン酸化膜10を形成する。
ここで、シリコン酸化膜10の形成方法は、例えば、熱酸化やCVD(Chemical Vapor Deposition)等の方法を用いれば良い。なお、シリコン酸化膜10を形成するのではなく、シリコン窒化膜やシリコン窒化酸化膜等を形成しても良い。
次に、図3(B)、図3(C)に示すように、第2書込電極6を形成する。
つまり、まず、図3(B)に示すように、第2書込電極6を構成する材料(電極材料)からなる膜6Aを、例えばスパッタ法や蒸着法等によって形成する。
この電極材料は、後述する正極活物質層2を構成する材料と反応しない材料とするのが好ましい。ここでは、その一例として、チタン(Ti)と白金(Pt)を積層した膜を形成する。なお、TiはPtとシリコン酸化膜の密着性を向上させるために用いるものである。
次に、図3(C)に示すように、上述のようにして形成した電極材料からなる膜6A(ここではTi膜上にPt膜を積層した積層膜;Pt/Ti積層膜)に対して、例えばフォトレジストを用いて、露光、引き続いて加工を行なって、第2書込電極6を形成する。
ここで、加工は、例えば塩素(Cl)ガスとアルゴン(Ar)ガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching)等によって行なえば良い。
次に、図3(D)、図3(E)に示すように、抵抗変化層2としての正極活物質層を形成する。
つまり、まず、図3(D)に示すように、正極活物質層2を構成する材料からなる膜2Aを、例えばスパッタ法等によって形成する。
ここで、正極活物質層2を構成する材料(正極活物質)としては、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)を用いれば良い。
次に、正極活物質層2を構成する材料からなる膜2Aの結晶化を行なうために熱処理を行なう。
この熱処理は、例えば酸素(O)ガスがある状態(例えば大気、Ar+O、Oのみの雰囲気中など)で行なえば良い。
このようにして正極活物質層2を構成する材料からなる膜2Aを結晶化した後、この膜2Aに対して、例えばフォトレジストを用いて、露光、引き続いて加工を行なって、正極活物質層2を形成する。
ここで、加工は、例えば塩素(Cl)ガスとアルゴン(Ar)ガスを用いたRIE等によって行なえば良い。
次に、図3(F)に示すように、第2書込電極6及び正極活物質層2を覆うように、シリコン酸化膜11を、例えばCVD法やスパッタ法等によって形成する。
次に、図3(G)に示すように、シリコン酸化膜11に対して、正極活物質層2との接触部を形成するための穴あけ加工として、例えばフォトレジストを用いて、露光、引き続いて加工を行なう。
ここで、加工は、例えば四フッ化炭素(CF)ガスとArガスを用いたRIE等によって行なえば良い。
次に、図3(H)、図3(I)に示すように、正極活物質層2の第1突出部2X及び第2突出部2Yの上面及び側面を覆うように、第1読出電極7及び第2読出電極8を形成する。
つまり、まず、図3(H)に示すように、第1読出電極7及び第2読出電極8を構成する材料(電極材料;ここではPt)からなる膜7Aを、例えばスパッタ法等によって形成する。
次に、図3(I)に示すように、上述のようにして形成した電極材料からなる膜7A(ここではPt膜)に対して、例えばフォトレジストを用いて、露光、引き続いて加工を行なって、正極活物質層2の第1突出部2X及び第2突出部2Yの上面及び側面を覆うように、第1読出電極7及び第2読出電極8を形成する。
ここで、加工は、例えば塩素(Cl)ガスとアルゴン(Ar)ガスを用いたRIE等によって行なえば良い。
次に、図4(A)に示すように、第1読出電極7及び第2読出電極8を覆うように、シリコン酸化膜12を、例えばCVD法やスパッタ法等によって形成する。
次に、図4(B)に示すように、シリコン酸化膜12に対して、正極活物質層2との接触部を形成するための穴あけ加工として、例えばフォトレジストを用いて、露光、引き続いて加工を行なう。
ここで、加工は、例えば四フッ化炭素(CF)ガスとArガスを用いたRIE等によって行なえば良い。
次に、図4(C)、図4(D)に示すように、正極活物質層2の上面及び対向する2つの第1側面(ここでは、図1中、前後方向で対向する2つの第1側面)を覆うように、イオン伝導層3としての固体電解質層を形成する。
つまり、まず、図4(C)に示すように、固体電解質層3を構成する材料からなる膜3Aを、例えばスパッタ法によって形成する。
ここで、固体電解質層3を構成する材料(固体電解質)としては、例えばLiPOを用いれば良い。
次に、図4(D)に示すように、この膜3Aに対して、例えばフォトレジストを用いて、露光、引き続いて加工を行なって、正極活物質層2の上面及び対向する2つの第1側面(ここでは、図1中、前後方向で対向する2つの第1側面)を覆うように、固体電解質層3を形成する。
ここで、加工は、例えば塩素(Cl)ガスとアルゴン(Ar)ガスを用いたRIE等によって行なえば良い。
次に、図4(E)、図4(F)に示すように、固体電解質層3の上面及び対向する2つの第1側面(ここでは、図1中、前後方向で対向する2つの第1側面)を覆うように、イオン吸蔵放出層4としての負極活物質層を形成する。
つまり、まず、図4(E)に示すように、負極活物質層4を構成する材料からなる膜4Aを、例えばスパッタ法又は蒸着法によって形成する。
ここで、負極活物質層4を構成する材料(負極活物質)としては、例えばLiを用いれば良い。
次に、図4(F)に示すように、この膜4Aに対して、例えばフォトレジストを用いて、露光、引き続いて加工を行なって、固体電解質層3の上面及び対向する2つの第1側面(ここでは、図1中、前後方向で対向する2つの第1側面)を覆うように、負極活物質層4を形成する。
ここで、加工は、例えば塩素(Cl)ガスとアルゴン(Ar)ガスを用いたRIE等によって行なえば良い。
次に、図5(A)に示すように、負極活物質層4及び固体電解質層3を覆うように、シリコン酸化膜13を、例えばCVD法やスパッタ法等によって形成する。
次に、図5(B)に示すように、シリコン酸化膜13に対して、負極活物質層4、第1読出電極7及び第2読出電極8との接触部を形成するための穴あけ加工として、例えばフォトレジストを用いて、露光、引き続いて加工を行なう。
ここで、加工は、例えば四フッ化炭素(CF)ガスとArガスを用いたRIE等によって行なえば良い。
次に、図5(C)に示すように、例えばアルミミウム(Al)やTi等を用いて、金属配線14(コンタクト部を含む)を形成する。なお、金属配線14は書込配線又は読出配線として用いられる。
このようにして、本実施形態の一例としての抵抗変化素子1を製造することができる。
ところで、上述の実施形態では、正極活物質層(抵抗変化層)2、固体電解質層(イオン伝導層)3、負極活物質層(イオン吸蔵放出層)4の順に積層した構造を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、逆に、図6、図7に示すように、負極活物質層(イオン吸蔵放出層)4、固体電解質層(イオン伝導層)3、正極活物質層(抵抗変化層)2の順に積層した構造としても良い。
この場合、抵抗変化素子1は、少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層4と、イオン吸蔵放出層4の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層3と、イオン伝導層3の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、イオンを吸蔵、放出でき、イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層2とを備えるものとなる。
特に、イオン伝導層3は、イオン吸蔵放出層4の上面及び対向する2つの側面(ここでは、図中、前後方向で対向する2つの側面)を覆うように設けられており、抵抗変化層2は、イオン伝導層3の上面及び対向する2つの側面(ここでは、図中、前後方向で対向する2つの側面)を覆うように設けられていることが好ましい。
これにより、図7に示すように、正極活物質層2の下方の1つの面を介して、正極活物質層2と負極活物質層4の間での固体電解質層3を通したイオンの移動が生じるだけでなく、正極活物質層2の下方及び2つの側方の3つの面を介して、正極活物質層2と負極活物質層4の間での固体電解質層3を通したイオンの移動が生じることになる。
この結果、抵抗変化素子1として機能させるのに十分な抵抗の変化が得られるようになり、その特性を向上させることができる。
特に、イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層2としての正極活物質層に対して、イオンを供給する負極活物質層4から効率的にイオンを供給することができ、イオンの量を大きく変化させることができるようになる。
この結果、抵抗変化素子1として機能させるのに十分な抵抗の変化が得られるようになり、その特性を向上させることができる。
この場合、抵抗変化層2を挟んで上下方向両側にそれぞれ設けられ、情報の書き込みに用いられる第1書込電極5及び第2書込電極6を備え、抵抗変化層2は、イオン伝導層3の対向する2つの側面(ここでは、図中、前後方向で対向する2つの側面)のそれぞれを覆っている2つの側部からそれぞれ外方へ延びている第1延在部2S及び第2延在部2T(例えば図7参照)を有し、第1延在部2S及び第2延在部2Tのそれぞれの表面上に設けられ、情報の読み出しに用いられる第1読出電極7及び第2読出電極8を備えるものとすれば良い。
また、第1書込電極5は、抵抗変化層2の上面全体及び対向する2つの側面(ここでは、図中、前後方向で対向する2つの側面)を覆うように設け、イオン吸蔵放出層4は、第2書込電極6も兼ねているものとすれば良い。これにより、必要電極数を削減することが可能となる。
また、第1書込電極5は、抵抗変化層2の上面全体及び対向する2つの側面(ここでは、図中、前後方向で対向する2つの側面)を覆うように設け、第2書込電極6は、イオン吸蔵放出層4の下面全体に接するように設けても良い。つまり、イオン吸蔵放出層4とは別に第2書込電極6を設けても良い。
この場合、抵抗変化素子1の製造方法は、少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層4を形成する工程と、イオン吸蔵放出層4の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層3を形成する工程と、イオン伝導層3の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、イオンを吸蔵、放出でき、イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層2を形成する工程とを含むものとすれば良い。
なお、その他の詳細は、上述の実施形態の場合と同様にすれば良い。
ところで、上述のような構成を採用しているのは、以下の理由による。
近年、人工知能(AI)と呼ばれる技術が注目を集め、技術開発が盛んに行なわれている。そのAI関連の技術の中でも、基本的な学習データを用いた機械学習が注目されている。
機械学習は、事前に基本的なデータを用いて、データの各要素の重要度に応じて重み付けをしている。この重み付けにより、新たな大量のデータに対して、機械自身が判断し、結果を予測することが可能となる。したがって、この重み付けという工程は非常に重要な工程となる。
コンピュータ内で当該重み付けを行なうために、その重みをメモリに記憶されておく方法がある。
しかしながら、毎回、その重みを読み出すことになり、処理速度低下、消費電力増大の問題点がある。
そこで、重みを抵抗素子の抵抗値の変化を用いる方法が検討されている。つまり、抵抗素子の抵抗値の変化に応じて、流れる電流が変化するため、これを重み付けとして用いる方法である。
この抵抗素子は、重みを記憶するために不揮発性でなければならない。
不揮発性抵抗メモリとしては、磁気を利用したMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、結晶状態を利用したPCRAM(Phase Change Random Access Memory)、酸化還元等を利用したReRAM(Resistive Random Access Memory)がある。
この重み付けは、例えば「0」と「1」の2値で表すよりも、例えば「0」、「1」、「2」のように多値で表す方が、より高精度の予測をする上で好ましい。
しかしながら、上述のMRAMは、磁気の平衡、反平衡を利用している関係上、2値しか取れない。また、上述のReRAMは、酸化物状態と金属状態の2状態を利用するため、その中間状態の維持が困難である。さらに、上述のPCRAMも、結晶状態と非結晶状態を利用するため、同様に、その中間状態を維持するのが困難である。
そこで、連続で抵抗値が変化する例えばリチウム電池等の二次電池、即ち、正極活物質層と負極活物質層の間で電解質層を通ってイオンが移動することで充電、放電を行なう二次電池の原理を用い、その構成を利用して、抵抗変化素子を構成することが考えられる。
例えば、図8に示すように、基板9上に、第2書込電極6、抵抗変化層2としての正極活物質層、イオン伝導層3としての固体電解質層、イオン吸蔵放出層4としての負極活物質層(第1書込電極5を兼ねる)を積層し、正極活物質層2の両側にそれぞれ読出電極7、8を設けて、抵抗変化素子を構成することが考えられる。
この場合、正極活物質層2と負極活物質層4の間で固体電解質層3を通ってイオンが移動することで、正極活物質層2のイオンの量が変化し、これに応じて抵抗が変化するため、これを読出電極7、8間の抵抗値として読み出すことで、抵抗変化素子として機能させることができる。
例えば、リチウム電池の構成を利用し、負極活物質層4にLi層を用い、正極活物質層2にLiCoO層を用いる場合、第2書込電極6に正電圧を印加し、最上層の第1書込電極5を兼ねる負極活物質層4としてのLi層を接地させると、正極活物質層2としてのLiCoO層からLiが抜けて、固体電解質3を通ってLi層4に吸蔵(吸収)される。
逆に、第1書込電極5を兼ねる負極活物質層4としてのLi層に正電圧を印加し、第2書込電極6を接地すると、Li層4からLiが脱離し、固体電解質3を通って正極活物質層2としてのLiCoO層に吸蔵(吸収)される。
この場合、抵抗が変化する部分、即ち、抵抗変化層として機能するのは、正極活物質層2としてのLiCoO層であり、その抵抗値はその内部のLi量によって変化する。
このため、正極活物質層2としてのLiCoO層のLiを出し入れすることによって、Li量を変化させ、これに応じて抵抗値を変化させ、正極活物質層2としてのLiCoO層の抵抗値をその両側に設けられた読出電極7、8間の抵抗値として読み出すことで、抵抗変化素子として機能させることができる。
なお、固体電解質は、絶縁材料であり、電子の導電性はないが、Liイオンは流れる。また、読出電極7、8間で、電気は固体電解質層3を通してではなく、正極活物質層2を通して流れることになる。
しかしながら、図9に示すように、単に、正極活物質層2上に、固体電解質層3、負極活物質層4を順に積層した構造とすると、正極活物質層2の上方の1つの面を介して、正極活物質層2と負極活物質層4の間での固体電解質層3を通したイオンの移動が生じるだけである。
このため、正極活物質層2と負極活物質層4の間での固体電解質層3を通したイオンの移動が不十分で、抵抗変化素子として機能させるには抵抗の変化が不十分であり、十分な特性が得られないことがわかった。
特に、負極活物質層4からのイオンの供給が不十分で、抵抗変化素子として機能させるには抵抗の変化が不十分であり、十分な特性が得られないことがわかった。これは、当該イオンが固体電解質層3内を移動し、正極活物質層2に供給されることで、電気伝導するため、そのイオンの供給が不足していると、電気伝導が生じないためである。
また、正極活物質層2の上方のみに固体電解質層3、負極活物質層4を順に積層した構造とし、正極活物質層2に層状の結晶構造を有する材料を用いる場合には、イオンが層を跨いで移動しなければならないため、抵抗変化層2としての正極活物質層の上側部分のみでイオンの出し入れが行なわれるだけになり、効率的にイオンの出し入れを行なうのが難しい。このため、イオンの出し入れが不十分で、抵抗変化素子として機能させるには抵抗の変化が不十分となり、十分な特性が得られないことがわかった。
そこで、抵抗変化素子として機能させるのに十分な抵抗の変化が得られるようにし、その特性を向上させるために、上述のような構成を採用している(例えば図1、図2、図6、図7参照)。
これにより、正極活物質層2、固体電解質層3、負極活物質層4が互いに接している面の面積を大きくすることができ、効率的にイオンを移動させる(供給する)ことができ、安定して電気伝導を生じ、抵抗変化素子として機能させることが可能となる。
ところで、上述のように構成される抵抗変化素子1を備えるものとして、記憶装置を構成することができる。
この場合、例えば、上述のように構成される抵抗変化素子1をアレイ状に並べて配置し、例えば図10に示すように、各抵抗変化素子1の書込電極5、6及び読出電極7、8のそれぞれにコンタクト部15〜20を介して書込配線21、22及び読出配線23、24を接続することによってメモリ素子30を構成すれば良い。
つまり、上述のように構成される抵抗変化素子1をアレイ状に並べて配置し、各抵抗変化素子1の第1書込電極5及び第2書込電極6のそれぞれにコンタクト部15〜17を介して第1書込配線21及び第2書込配線22を接続するとともに、第1読出電極7及び第2読出電極8のそれぞれにコンタクト部18〜20を介して第1読出配線23及び第2読出配線24を接続することによってメモリ素子30を構成すれば良い。
そして、例えば図11に示すように、記憶装置31を、このように構成されるメモリ素子30と、列選択部32と、行選択部33と、制御部34と、検出部35とを備えるものとすれば良い。
そして、制御部34からの書き込み指令に基づいて列選択部32及び行選択部33によってメモリ素子30に備えられるいずれかの抵抗変化素子1が選択され、選択された抵抗変化素子1に情報(抵抗値)の書き込みが行なわれるようにすれば良い。
ここで、選択された抵抗変化素子1への情報(抵抗値)の書き込みは、一対の書込配線21、22、即ち、第1書込配線21及び第2書込配線22を介して、一対の書込電極5、6間、即ち、第1書込電極5と第2書込電極6の間に電圧を印加することによって、抵抗変化素子1に備えられる抵抗変化層(正極活物質層)2とイオン吸蔵放出層(負極活物質層)4の間でイオン伝導層(固体電解質層)3を通してイオン(例えばLiイオンなど)を移動させ、抵抗変化層2の中のLiの量を制御して、抵抗変化層2の抵抗を変化させることによって行なわれる。
このようにして抵抗変化素子1への情報の書き込みが行なわれるため、書込配線21、22(第1書込配線21及び第2書込配線22)、列選択部32、行選択部33、制御部34を含むものとして、書込回路36が構成される。
また、制御部34からの読出し指令に基づいて列選択部32及び行選択部33によってメモリ素子30に備えられるいずれかの抵抗変化素子1が選択され、選択された抵抗変化素子1から検出部35によって情報(抵抗値)の読み出しが行なわれるようにすれば良い。
ここで、選択された抵抗変化素子1からの情報(抵抗値)の読み出しは、一対の読出配線23、24、即ち、第1読出配線23及び第2読出配線24を介して、一対の読出電極7、8間、即ち、第1読出電極7と第2読出電極8の間に電圧を印加し、それによって流れる電流を検出部35によって検出(例えば電流計によって計測)することによって行なわれる。
このようにして抵抗変化素子1からの情報の読み出しが行なわれるため、読出配線23、24(第1読出配線23及び第2読出配線24)、列選択部32、行選択部33、制御部34、検出部35を含むものとして、読出回路37が構成される。
この場合、記憶装置31は、上述のように構成される抵抗変化素子1と、抵抗変化素子1に接続され、抵抗変化素子1へ情報の書き込みを行なう書込回路36と、抵抗変化素子1に接続され、抵抗変化素子1から情報の読み出しを行なう読出回路37とを備えるものとして構成されることになる。
したがって、本実施形態にかかる抵抗変化素子及びその製造方法、記憶装置は、抵抗変化素子として機能させるのに十分な抵抗の変化が得られるようにし、その特性を向上させることができるという効果を有する。
ここで、図12は、上述のように構成される本実施形態の抵抗変化素子(図1参照)と比較例の抵抗変化素子(図8参照)の抵抗特性を評価した結果を示している。
なお、図12中、実線Aは本実施形態の抵抗変化素子の抵抗特性を評価した結果を示しており、実線Bは比較例の抵抗変化素子の抵抗特性を評価した結果を示している。
ここでは、抵抗変化層2としての正極活物質層をコバルト酸リチウム層とし、イオン吸蔵放出層4としての負極活物質層をリチウム(Li)層とした。
図12において、充電又は放電電圧(充放電電圧)は、第1書込電極5と第2書込電極6の間(書込電極5を兼ねるLi層4と金属電極6の間)に印加する電圧であって、充電時は金属電極6が正、放電時はLi層4が正となるように電圧を印加する。また、「充3」は充電電圧3Vを意味し、「放3」は「充3」の場合と極性が逆になる3Vを意味する。また、充電及び放電電圧の上限は、正極活物質層2に用いる材料によって決まるが、ここでは、コバルト酸リチウムを用いているため、約3.9Vである。
図12に示すように、充電時は、抵抗変化層2としての正極活物質層であるコバルト酸リチウム層からLiが抜けるため、抵抗値が下がり、逆に、放電時は、抵抗変化層2としての正極活物質層であるコバルト酸リチウム層にLiが吸収されるため、抵抗値が上がることがわかる。
このため、情報(抵抗値)の書き込み時に、抵抗変化素子1を構成する抵抗変化層2としての正極活物質層(ここではコバルト酸リチウム層)の抵抗値を上げるには放電電圧を印加すれば良く、抵抗値を下げるには充電電圧を印加すれば良いことになる。
なお、情報(抵抗値)の読み出し時には、例えば、第1読出電極7と第2読出電極8の間に約0.1Vの電圧を印加した時に流れる電流から抵抗値を計算すれば良い。
また、充電又は放電の電圧を連続的に変化させることによって、抵抗値が連続的に変化することがわかる。これにより、多くの値を記憶することができる多値抵抗変化素子(多値メモリ素子)として動作可能であることがわかる。
特に、上述のように構成される本実施形態の抵抗変化素子(図1参照)では、比較例の抵抗変化素子(図8参照)と比較して、抵抗値の変化が大きくなることがわかる。これは、抵抗変化層2としての正極活物質層であるコバルト酸リチウム層におけるLiの出し入れが効率的に動作しているため、Liの量(濃度)を大きく変えることができているからである。
なお、本発明は、上述した実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
以下、上述の実施形態に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出でき、前記イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層と、
前記抵抗変化層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、前記イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層と、
前記イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、前記イオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層とを備えることを特徴とする抵抗変化素子。
(付記2)
前記イオン伝導層は、前記抵抗変化層の上面及び対向する2つの第1側面を覆うように設けられており、
前記イオン吸蔵放出層は、前記イオン伝導層の上面及び対向する2つの第1側面を覆うように設けられていることを特徴とする、付記1に記載の抵抗変化素子。
(付記3)
前記抵抗変化層を挟んで上下方向両側にそれぞれ設けられ、情報の書き込みに用いられる第1書込電極及び第2書込電極を備え、
前記抵抗変化層は、対向する2つの第2側面がそれぞれ前記イオン伝導層の対向する2つの第2側面よりも外方に位置するように突出している第1突出部及び第2突出部を有し、
前記第1突出部及び前記第2突出部のそれぞれの表面上に設けられ、情報の読み出しに用いられる第1読出電極及び第2読出電極を備えることを特徴とする、付記2に記載の抵抗変化素子。
(付記4)
前記イオン吸蔵放出層は、前記第1書込電極も兼ねており、
前記第2書込電極は、前記抵抗変化層の下面全体に接するように設けられていることを特徴とする、付記3に記載の抵抗変化素子。
(付記5)
前記第1書込電極は、前記イオン吸蔵放出層の上面全体及び対向する2つの側面を覆うように設けられており、
前記第2書込電極は、前記抵抗変化層の下面全体に接するように設けられていることを特徴とする、付記3に記載の抵抗変化素子。
(付記6)
前記第1読出電極及び前記第2読出電極は、前記第1突出部及び前記第2突出部の上面及び側面を覆うように設けられていることを特徴とする、付記3〜5のいずれか1項に記載の抵抗変化素子。
(付記7)
少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層と、
前記イオン吸蔵放出層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、前記イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層と、
前記イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、前記イオンを吸蔵、放出でき、前記イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層とを備えることを特徴とする抵抗変化素子。
(付記8)
前記イオン伝導層は、前記イオン吸蔵放出層の上面及び対向する2つの側面を覆うように設けられており、
前記抵抗変化層は、前記イオン伝導層の上面及び対向する2つの側面を覆うように設けられていることを特徴とする、付記7に記載の抵抗変化素子。
(付記9)
前記抵抗変化層を挟んで上下方向両側にそれぞれ設けられ、情報の書き込みに用いられる第1書込電極及び第2書込電極を備え、
前記抵抗変化層は、前記イオン伝導層の対向する前記2つの側面のそれぞれを覆っている2つの側部からそれぞれ外方へ延びている第1延在部及び第2延在部を有し、
前記第1延在部及び前記第2延在部のそれぞれの表面上に設けられ、情報の読み出しに用いられる第1読出電極及び第2読出電極を備えることを特徴とする、付記8に記載の抵抗変化素子。
(付記10)
前記第1書込電極は、前記抵抗変化層の上面全体及び対向する2つの側面を覆うように設けられており、
前記イオン吸蔵放出層は、前記第2書込電極も兼ねていることを特徴とする、付記9に記載の抵抗変化素子。
(付記11)
前記第1書込電極は、前記抵抗変化層の上面全体及び対向する2つの側面を覆うように設けられており、
前記第2書込電極は、前記イオン吸蔵放出層の下面全体に接するように設けられていることを特徴とする、付記9に記載の抵抗変化素子。
(付記12)
前記抵抗変化層は、イオン電池に用いられる正極活物質からなる正極活物質層であり、
前記イオン吸蔵放出層は、前記イオン電池に用いられる負極活物質からなる負極活物質層であり、
前記イオン伝導層は、前記イオン電池に用いられる固体電解質からなる固体電解質層であることを特徴とする、付記1〜11のいずれか1項に記載の抵抗変化素子。
(付記13)
付記1〜12のいずれか1項に記載の抵抗変化素子と、
前記抵抗変化素子に接続され、前記抵抗変化素子へ情報の書き込みを行なう書込回路と、
前記抵抗変化素子に接続され、前記抵抗変化素子から情報の読み出しを行なう読出回路とを備えることを特徴とする記憶装置。
(付記14)
少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出でき、前記イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層を形成する工程と、
前記抵抗変化層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、前記イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層を形成する工程と、
前記イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、前記イオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層を形成する工程とを含むことを特徴とする抵抗変化素子の製造方法。
(付記15)
少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層を形成する工程と、
前記イオン吸蔵放出層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、前記イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層を形成する工程と、
前記イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、前記イオンを吸蔵、放出でき、前記イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層を形成する工程とを含むことを特徴とする抵抗変化素子の製造方法。
1 抵抗変化素子
2 抵抗変化層(正極活物質層)
2A 正極活物質層を構成する材料からなる膜
2X 第1突出部
2Y 第2突出部
2S 第1延在部
2T 第2延在部
3 イオン伝導層(固体電解質層)
3A 固体電解質層を構成する材料からなる膜
4 イオン吸蔵放出層(負極活物質層)
4A 負極活物質層を構成する材料からなる膜
5 第1書込電極
6 第2書込電極
6A 第2書込電極を構成する材料からなる膜
7 第1読出電極
7A 第1読出電極及び第2読出電極を構成する材料からなる膜
8 第2読出電極
9 基板
10〜13 シリコン酸化膜
14 金属配線
15〜17 コンタクト部
18〜20 コンタクト部
21 第1書込配線
22 第2書込配線
23 第1読出配線
24 第2読出配線
30 メモリ素子
31 記憶装置
32 列選択部
33 行選択部
34 制御部
35 検出部
36 書込回路
37 読出回路

Claims (14)

  1. 少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出でき、前記イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層と、
    前記抵抗変化層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、前記イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層と、
    前記イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、前記イオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層とを備えることを特徴とする抵抗変化素子。
  2. 前記イオン伝導層は、前記抵抗変化層の上面及び対向する2つの第1側面を覆うように設けられており、
    前記イオン吸蔵放出層は、前記イオン伝導層の上面及び対向する2つの第1側面を覆うように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の抵抗変化素子。
  3. 前記抵抗変化層を挟んで上下方向両側にそれぞれ設けられ、情報の書き込みに用いられる第1書込電極及び第2書込電極を備え、
    前記抵抗変化層は、対向する2つの第2側面がそれぞれ前記イオン伝導層の対向する2つの第2側面よりも外方に位置するように突出している第1突出部及び第2突出部を有し、
    前記第1突出部及び前記第2突出部のそれぞれの表面上に設けられ、情報の読み出しに用いられる第1読出電極及び第2読出電極を備えることを特徴とする、請求項2に記載の抵抗変化素子。
  4. 前記イオン吸蔵放出層は、前記第1書込電極も兼ねており、
    前記第2書込電極は、前記抵抗変化層の下面全体に接するように設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の抵抗変化素子。
  5. 前記第1書込電極は、前記イオン吸蔵放出層の上面全体及び対向する2つの側面を覆うように設けられており、
    前記第2書込電極は、前記抵抗変化層の下面全体に接するように設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の抵抗変化素子。
  6. 前記第1読出電極及び前記第2読出電極は、前記第1突出部及び前記第2突出部の上面及び側面を覆うように設けられていることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の抵抗変化素子。
  7. 少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層と、
    前記イオン吸蔵放出層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、前記イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層と、
    前記イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように設けられ、前記イオンを吸蔵、放出でき、前記イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層とを備えることを特徴とする抵抗変化素子。
  8. 前記イオン伝導層は、前記イオン吸蔵放出層の上面及び対向する2つの側面を覆うように設けられており、
    前記抵抗変化層は、前記イオン伝導層の上面及び対向する2つの側面を覆うように設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の抵抗変化素子。
  9. 前記抵抗変化層を挟んで上下方向両側にそれぞれ設けられ、情報の書き込みに用いられる第1書込電極及び第2書込電極を備え、
    前記抵抗変化層は、前記イオン伝導層の対向する前記2つの側面のそれぞれを覆っている2つの側部からそれぞれ外方へ延びている第1延在部及び第2延在部を有し、
    前記第1延在部及び前記第2延在部のそれぞれの表面上に設けられ、情報の読み出しに用いられる第1読出電極及び第2読出電極を備えることを特徴とする、請求項8に記載の抵抗変化素子。
  10. 前記第1書込電極は、前記抵抗変化層の上面全体及び対向する2つの側面を覆うように設けられており、
    前記イオン吸蔵放出層は、前記第2書込電極も兼ねていることを特徴とする、請求項9に記載の抵抗変化素子。
  11. 前記第1書込電極は、前記抵抗変化層の上面全体及び対向する2つの側面を覆うように設けられており、
    前記第2書込電極は、前記イオン吸蔵放出層の下面全体に接するように設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の抵抗変化素子。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の抵抗変化素子と、
    前記抵抗変化素子に接続され、前記抵抗変化素子へ情報の書き込みを行なう書込回路と、
    前記抵抗変化素子に接続され、前記抵抗変化素子から情報の読み出しを行なう読出回路とを備えることを特徴とする記憶装置。
  13. 少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出でき、前記イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層を形成する工程と、
    前記抵抗変化層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、前記イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層を形成する工程と、
    前記イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、前記イオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層を形成する工程とを含むことを特徴とする抵抗変化素子の製造方法。
  14. 少なくとも1種類のイオンを吸蔵、放出できるイオン吸蔵放出層を形成する工程と、
    前記イオン吸蔵放出層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、前記イオンを伝導し、電子を伝導しないイオン伝導層を形成する工程と、
    前記イオン伝導層の上面及び少なくとも1つの側面を覆うように、前記イオンを吸蔵、放出でき、前記イオンの量に応じて抵抗が変化する抵抗変化層を形成する工程とを含むことを特徴とする抵抗変化素子の製造方法。
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