JP2019165133A - 半導体記憶装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線に生じる不具合を低減することができる半導体記憶装置及びその製造方法を提供する。【解決手段】実施形態の半導体記憶装置は、第1導電層15と、第1導電層15上に積層され、X方向に延伸する複数の第2導電層と、第1導電層15と第2導電層との間に設けられた第3導電層17と、第2導電層が積層されたZ方向に、複数の第2導電層内を延伸するメモリピラーと、複数の第2導電層内に第2方向に設けられ、第1方向に延伸し、第2導電層を分離するスリットSTと、スリットSTの端部から距離を空けて設けられ、第1方向と直交する第3方向に延伸する複数のスリットSTC1とを備える。スリットSTC1は、スリットSTの延長線上を空けて配置される。第1導電層15は、スリットSTの延長線と、スリットSTC1の延長線とが交差する交差領域と重畳する領域を有し、第3導電層17は交差領域と重畳しない。【選択図】図6

Description

実施形態は、半導体記憶装置及びその製造方法に関するものである。
半導体記憶装置として、メモリセルが三次元に配列されたNAND型フラッシュメモリが知られている。
米国特許第9431419号明細書
配線に生じる不具合を低減することができる半導体記憶装置及びその製造方法を提供する。
実施形態の半導体記憶装置は、第1導電層と、前記第1導電層上に積層され、第1方向に延伸する複数の第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層との間に設けられた第3導電層と、前記複数の第2導電層が積層された第2方向に、前記複数の第2導電層内を延伸するメモリピラーと、前記複数の第2導電層内に前記第2方向に設けられ、前記第1方向に延伸し、前記第2導電層を分離する第1絶縁層と、前記第1絶縁層の端部から距離を空けて設けられ、前記第1方向と直交する第3方向に延伸する複数の第2絶縁層とを具備する。前記複数の第2絶縁層は、前記第1絶縁層の延長線上を空けて配置され、前記第1導電層は、前記第1絶縁層の延長線と、前記第2絶縁層の延長線とが交差する交差領域と重畳する領域を有し、前記第3導電層は、前記交差領域と重畳しない。
第1実施形態の半導体記憶装置の構成を示す平面図である。 図1におけるA−A’線に沿った断面図である。 図1におけるB−B’線に沿った断面図である。 第1実施形態におけるメモリピラーのY方向に沿った断面図である。 第1実施形態の半導体記憶装置におけるスリットの製造方法を示すフローチャートである。 第1実施形態におけるスリットの交差領域を含む第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第1実施形態の変形例におけるスリットの第1領域の製造方法を示す図である。 第2実施形態の半導体記憶装置の構成を示す平面図である。 第2実施形態におけるスリットの第1領域のスリット形成前後の構成を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については同一符号を付す。また、各実施形態は、この実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものである。
1.第1実施形態
第1実施形態の半導体記憶装置について説明する。ここでは、半導体記憶装置として、メモリセルトランジスタ(以下、メモリセルとも記す)が半導体基板の上方に積層された三次元積層型のNAND型フラッシュメモリを例に取る。
1.1 半導体記憶装置の構成
図1は、第1実施形態の半導体記憶装置の構成を示す平面図である。図2は、図1におけるA−A’線に沿った断面図である。図3は、図1におけるB−B’線に沿った断面図である。図1において、相互に直交し、半導体基板面に平行な2方向をX方向及びY方向とし、これらX方向及びY方向(XY面)に対して直交する方向をZ方向とする。なお、図1ではビット線を省略している。
図1に示すように、半導体記憶装置は、メモリセルアレイ領域100、引き出し領域200、及びコンタクト領域300を有する。
メモリセルアレイ領域100は、複数のメモリブロック101を含む。複数のメモリブロック101は、X方向にそれぞれ延伸し、Y方向に配列されている。複数のメモリブロック101は、各々同様の構成を有する。
メモリブロック101は、複数のメモリピラーMPを有する。複数のメモリピラーMPは、行列状に、すなわちX方向及びY方向に配列されている。メモリピラーMPの数は任意である。メモリピラーMPは、図2及び図3に示すように、コンタクトCP1及びビアV1を介して導電層40に接続される。導電層40はビット線BLとして機能する。
複数のメモリブロック101の間には、X方向に延伸するスリット(分離層)STが設けられる。スリットSTにより、各々のメモリブロック101間は分離される。スリットSTの数は任意である。
引き出し領域200は、後述するワード線に接続された複数のコンタクトCP2を有する。コンタクトCP2は、X方向に配列されている。コンタクトCP2は、図2に示すように、ビアV2に接続される。
引き出し領域200のチップ端側(あるいはメモリセルアレイ領域100と反対側)には、スリットSTが延伸するX方向に対して直交するY方向に延伸したスリット(分離層)STC1、STC2が設けられる。スリットSTC1により、各々のメモリブロック101内のソース側選択ゲート線が分離される。スリットSTC1は、スリットSTと交差しないように、スリットSTの延長線上を空けて設けられる。すなわち、スリットSTC1は、スリットSTの延長線上に設けられず、スリットSTの延長線上を空けて断続的に設けられる。また、スリットSTC2は、スリットSTC1と距離を空けて、スリットSTC1と平行に配置される。スリットSTC2は、引き出し領域200、メモリセルアレイ領域100、及びコンタクト領域300に設けられた層間絶縁層(例えば、シリコン酸化層)の応力を緩和する働きがある。
コンタクト領域300は、後述する周辺回路に接続された複数の貫通コンタクトCP3を有する。貫通コンタクトCP3は、図2に示すように、コンタクトCP4を介してビアV3に接続される。
図2及び図3に示すように、半導体基板、例えばシリコン基板10上には、周辺回路領域400及びメモリ回路領域500が設けられる。周辺回路領域400は、メモリセルに対するデータの書き込み、読み出し、及び消去を制御する周辺回路を有する。周辺回路は、nチャネル型MOSトランジスタ(以下、nMOSトランジスタ)及びpチャネル型MOSトランジスタ(以下、pMOSトランジスタ)を含むCMOS回路11を有する。メモリ回路領域500には、前述した複数のメモリピラーMP、複数のワード線WL0〜WL3、ソース線SL、及びビット線BLが設けられる。以降、ワード線WLと記した場合、ワード線WL0〜WL3の各々を示すものとする。なおここでは、ワード線の数が4本の場合を示すが、ワード線の数は任意である。
なお、ここでは一例として、周辺回路領域400上にメモリ回路領域500が設けられた構成を示すが、これに限られない。メモリ回路領域500上に周辺回路領域400を設けた構成でもよく、また周辺回路領域400とメモリ回路領域500が水平に並んだ構成としてもよい。
以下に、図2を参照して、半導体記憶装置のA−A’線に沿った断面構造を説明する。シリコン基板10上には、例えばnMOSトランジスタ及びpMOSトランジスタを含むCMOS回路11、及びビアV4が設けられる。ビアV4は、nMOSトランジスタ及びpMOSトランジスタのソース、ドレイン、あるいはゲートに接続される。
ビアV4上には、導電層(例えば、配線あるいはパッド)12が設けられる。導電層12上には、ビアV5が設けられる。ビアV5上には、導電層(例えば、配線あるいはパッド)13が設けられる。シリコン基板10上のCMOS回路11、導電層12,13、及びビアV4,V5の周囲には、絶縁層14が設けられる。
絶縁層14上には、導電層15が設けられる。導電層15は、ソース線SLとして機能する。導電層15上には、絶縁層16が設けられる。絶縁層16上には、導電層17が設けられる。
導電層17上には、複数の絶縁層18と、複数の導電層19〜24とが交互に積層される。導電層17,19〜24はX方向に延伸している。導電層17,19は、ソース側選択ゲート線SGSとして機能する。導電層20〜23は、複数のワード線WL0〜WL3としてそれぞれ機能する。導電層24は、ドレイン側選択ゲート線SGDとして機能する。
導電層24上には、絶縁層25が設けられる。複数の絶縁層16,18、複数の導電層17,19〜24、及び絶縁層25には、Z方向に延伸した柱状のメモリピラーMPが設けられる。メモリピラーMPの一端は導電層15(ソース線SL)に接続され、メモリピラーMPの他端は絶縁層25の上面に達する。すなわち、メモリピラーMPは、絶縁層25の上面から、絶縁層25、ドレイン側選択ゲート線SGD、複数の絶縁層18、複数のワード線WL0〜WL3、ソース側選択ゲート線SGS、及び絶縁層16を通り、ソース線SLに達している。メモリピラーMPの詳細については後述する。
メモリピラーMP及び絶縁層25上には、絶縁層26,27,28が順に設けられる。メモリセルアレイ領域100において、絶縁層26〜28には、Z方向に延伸したコンタクトCP1が設けられる。コンタクトCP1は、絶縁層28の上面からメモリピラーMPに達する。コンタクトCP1はメモリピラーMPに接続される。
引き出し領域200において、絶縁層18,25〜28には、Z方向に延伸した複数のコンタクトCP2が設けられる。コンタクトCP2は、絶縁層28の上面から導電層19〜24にそれぞれ達する。コンタクトCP2は、導電層17、ソース側選択ゲート線SGS、ワード線WL0〜WL3、及びドレイン側選択ゲート線SGDにそれぞれ接続される。
コンタクト領域300において、絶縁層14,16,18,25,26、導電層15,17,19〜24には、Z方向に延伸した貫通コンタクトCP3が設けられる。貫通コンタクトCP3は、絶縁層26の上面から導電層13に達する。貫通コンタクトCP3は導電層13に接続される。絶縁層27,28には、Z方向に延伸したコンタクトCP4が設けられる。コンタクトCP4は、絶縁層28の上面から貫通コンタクトCP3に達する。コンタクトCP4は貫通コンタクトCP3に接続される。
さらに、コンタクトCP1,CP2,CP4及び絶縁層28上には、絶縁層29が設けられる。メモリセルアレイ領域100において、絶縁層29には、Z方向に延伸したビアV1が設けられる。ビアV1は、絶縁層29の上面からコンタクトCP1に達する。ビアV1はコンタクトCP1に接続される。ビアV1上には、導電層40(ビット線BL)が設けられる。導電層40はビアV1に接続される。
引き出し領域200において、絶縁層29には、Z方向に延伸したビアV2が設けられる。ビアV2は、絶縁層29の上面からコンタクトCP2に達する。ビアV2はコンタクトCP2に接続される。
コンタクト領域300において、絶縁層29には、Z方向に延伸したビアV3が設けられる。ビアV3は、絶縁層29の上面からコンタクトCP4に達する。ビアV3はコンタクトCP4に接続される。
次に、図3を参照して、半導体記憶装置のB−B’線に沿った断面構造を説明する。周辺回路領域400、及びメモリピラーMPを含むメモリブロック101内の構造は図2に示した構造と同様である。ここでは、異なる構造を説明する。
メモリブロック101間には、前述したように、X方向に延伸するスリットSTが設けられる。スリットSTは、メモリブロック101間を分離する。言い換えると、スリットSTは、メモリピラーMPを有するメモリセルアレイ、及び導電層17,19〜24を分離する。
1.1.1 メモリピラーMPの詳細
次に、図4を用いて、第1実施形態の半導体記憶装置が含むメモリピラーMPの詳細な構成について説明する。図4は、メモリピラーのY方向に沿った断面図である。ここでは、絶縁層を省略している。
メモリピラーMPは、NANDストリングNSとして機能する。NANDストリングNSは、選択トランジスタSG1、メモリセルトランジスタMT0〜MT3、及び選択トランジスタSG2を有する。
図4に示すように、導電層19(ソース側選択ゲート線SGS)、導電層20〜23(ワード線WL0〜WL3)、及び導電層24(ドレイン側選択ゲート線SGD)がZ方向に配列される。メモリピラーMPは、これら導電層19〜24を貫くように設けられる。NANDストリングNSは、導電層19〜24とメモリピラーMPとの交差部に形成される。
メモリピラーMPは、例えばセル絶縁層30、半導体層31、及びコア絶縁層32を有する。セル絶縁層30は、ブロック絶縁層30A、電荷蓄積層30B、及びトンネル絶縁層(あるいはゲート絶縁層)30Cを含む。具体的には、メモリピラーMPを形成するためのメモリホールの内壁に、ブロック絶縁層30Aが設けられる。ブロック絶縁層30Aの内壁に、電荷蓄積層30Bが設けられる。電荷蓄積層30Bの内壁に、トンネル絶縁層30Cが設けられる。トンネル絶縁層30Cの内壁に、半導体層31が設けられる。さらに、半導体層31の内側に、コア絶縁層32が設けられる。コア絶縁層32は、例えばシリコン酸化層を含む。
このようなメモリピラーMPの構成において、メモリピラーMPと導電層19(及び導電層17)とが交差する部分が、選択トランジスタSG2として機能する。メモリピラーMPと導電層20〜23とが交差する部分が、それぞれメモリセルトランジスタMT0〜MT3として機能する。メモリピラーMPと導電層24とが交差する部分が、選択トランジスタSG1として機能する。以降、メモリセルトランジスタMTと記した場合、メモリセルトランジスタMT0〜MT7の各々を示す。
半導体層31は、メモリセルトランジスタMT、選択トランジスタSG1,SG2のチャネル層として機能する。半導体層31は、例えばシリコンを含む層である。
電荷蓄積層30Bは、メモリセルトランジスタMTにおいて、半導体層31から注入される電荷を蓄積する電荷蓄積層として機能する。電荷蓄積層30Bは、例えばシリコン窒化層を含む。
トンネル絶縁層30Cは、半導体層31から電荷蓄積層30Bに電荷が注入される際、または電荷蓄積層30Bに蓄積された電荷が半導体層31へ拡散する際に電位障壁として機能する。トンネル絶縁層30Cは、例えばシリコン酸化層を含む。
ブロック絶縁層30Aは、電荷蓄積層30Bに蓄積された電荷が導電層(ワード線WL)20〜23へ拡散するのを防止する。ブロック絶縁層30Aは、例えばシリコン酸化層及びシリコン窒化層を含む。
1.1.2 スリットST及びスリットSTC1の構成及びその製造方法
次に、図5〜図22を用いて、第1実施形態の半導体記憶装置におけるスリットの製造方法について説明する。スリットST、STC1、STC2は、同一の工程で製造されるが、ここではスリットST、STC1の工程を示す。なお、スリットST、STC1およびSTC2は、それぞれ別の工程で形成してもよい。
図5は、第1実施形態の半導体記憶装置におけるスリットの製造方法を示すフローチャートである。まず、スリットST、STC1用の溝を形成する(ステップS1)。続いて、スリット用溝の内壁にスペーサ層を形成する(ステップS2)。続いて、スリット用溝の底面にあるスペーサ層を除去する(ステップS3)。続いて、ソース層形成のための犠牲層を除去する(ステップS4)。続いて、メモリピラーMPのセル絶縁層、及びソース層形成のための保護層を除去する(ステップS5)。
次に、図5に示した製造方法のフローに沿って、第1実施形態の半導体記憶装置におけるスリットSTの延長線とスリットSTC1の延長線が互いに交差する交差領域を含む、図1に示す領域(以下、第1領域)201の製造方法を説明する。図6〜図22は、スリットSTとスリットSTC1の延長線の交差領域を含む第1領域における製造方法を示す図である。図6(a)は、図1における第1領域201に相当する領域を拡大した平面図であり、図6(b)は、図6(a)におけるC−C’線に沿った断面図である。図6(a)に示すSTa,STC1aは、後の工程で形成されるスリットST,STC1のマスクパターンをそれぞれ表しており、スリットST,STC1のパターンと位置を示すものである。また、図6(b)に示す破線51aは、スリットST,STC1用の溝を形成したときに想定される溝の形状を表す。
図7、図11、図15及び図19は、図6(a)のC−C’線に沿った領域に相当する断面図である。図8〜図10は、図7におけるD−D’線、E−E’線、F−F’線にそれぞれ沿った断面図である。図12〜図14は、図11におけるD−D’線、E−E’線、F−F’線にそれぞれ沿った断面図である。図16〜図18は、図15におけるD−D’線、E−E’線、F−F’線にそれぞれ沿った断面図である。さらに、図20〜図22は、図19におけるD−D’線、E−E’線、F−F’線にそれぞれ沿った断面図である。
まず、スリット用溝を形成する前の製造方法と構造を説明する。
例えば、シリコン基板10上に、CMOS回路11及び配線等を有する周辺回路(図示しない)を形成する。さらに、シリコン基板10及び周辺回路上を覆うように、絶縁層14を形成する。絶縁層14は、例えばシリコン酸化層を含む。
次に、絶縁層14上に、タングステンシリサイド層等の金属を含む層を形成する。その後、後述する工程で形成されるスリットSTの延長線とスリットSTC1の延長線との交差領域を含む第1領域に形成された金属を含む層を除去する。
続いて、絶縁層14上に導電層151、保護層152A、犠牲層152B、保護層152C、及び導電層153を順に成膜する。その後、リソグラフィ法により、図6(b)に示すように、第1領域に、島状の積層体、すなわち導電層151、保護層152A、犠牲層152B、保護層152C、及び導電層153を形成する。導電層151は、例えばリンが添加された多結晶シリコン層を含む。保護層152A、152Cは、例えばシリコン酸化層を含む。犠牲層152B,153は、例えば不純物が添加されていない多結晶シリコン層を含む。
次に、導電層153上に、絶縁層16を形成する。絶縁層16上に導電層17を成膜する。続いて、リソグラフィ法により、第1領域に、開口部17Aを有する導電層17を形成する。その後、導電層17上に、複数の絶縁層(例えば、シリコン酸化層)18と複数の絶縁層(例えば、シリコン窒化層)とを交互に積層する。さらに、最上のシリコン窒化層上に、必要な絶縁層等を形成する。絶縁層16は、例えばシリコン酸化層を含む。導電層17は、例えば多結晶シリコン層を含む。
次に、例えばRIE(reactive ion etching)法により、図7〜図10に示すように、スリットST,STC1用の溝51を形成する(ステップS1)。続いて、例えばCVD(chemical vapor deposition)法により、スリット用溝51内にスペーサ層41を形成する(ステップS2)。スペーサ層41は、例えばシリコン窒化層を含む。
スペーサ層41形成後のC−C’線に沿った断面構造は図7に示すようになる。図7におけるD−D’線、E−E’線、F−F’線に沿った断面構造は、図8、図9、図10にそれぞれ示すようになる。図8に示すD−D’線の断面は、スリット溝形成前に、導電層17が配置されず、島状の積層体が配置されていた領域である。図9に示すE−E’線の断面は、スリット溝形成前に、導電層17と島状の積層体が共に配置されていた領域である。図10に示すF−F’線の断面は、スリット溝形成前に、導電層17が配置され、島状の積層体が配置されず、第1領域から離れた領域である。
図8に示すように、D−D’線の断面では、スリット用溝51の深さは導電層151の下面より下の絶縁層14の途中まで達する。しかし、スリット用溝51の深さは、シリコン基板10上の周辺回路が含む配線等に達することはない。図9に示すように、E−E’線の断面では、スリット用溝51の深さは犠牲層152Bまで達する。図10に示すように、F−F’線の断面では、スリット用溝51の深さは導電層151の厚さ途中にある絶縁層16まで達する。
次に、例えばRIE法により、図11〜図14に示すように、スリット用溝51の底面のスペーサ層41を除去する(ステップS3)。これにより、C−C’線に沿った断面構造は図11に示すようになる。図11におけるD−D’線、E−E’線、F−F’線に沿った断面構造は、図12、図13、図14にそれぞれ示すようになる。図12に示すように、D−D’線の断面では、スリット用溝51の底面のスペーサ層41が除去される。図13及び図14に示すように、E−E’線及びF−F’線の断面でも、スリット用溝51の底面のスペーサ層41がそれぞれ除去される。
次に、例えば、図15〜図18に示すように、スリット用溝51を介してホットTMY(トリメチル−2ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド)を供給し、ソース層の形成領域にある犠牲層152Bを除去する。図15に示す開口部17Aに対応する犠牲層152Bは、ソース層の形成領域ではないため、除去されない(ステップS4)。これにより、C−C’線に沿った断面構造は図15に示すようになる。図15におけるD−D’線、E−E’線、F−F’線に沿った断面構造は、図16、図17、図18にそれぞれ示すようになる。
図16に示すように、D−D’線の断面では、スリット用溝51の側壁にスペーサ層(例えば、シリコン窒化層)41が存在し、スリット用溝51の底面に絶縁層(例えば、シリコン酸化層)14が存在するので、スリット用溝51の側壁及び底面ともエッチングは進まない。図17に示すように、E−E’線の断面では、スリット用溝51の側壁にスペーサ層41が存在し、スリット用溝51の底面に犠牲層(例えば、多結晶シリコン層)152Bが存在するため、犠牲層152Bがエッチングされる。図18に示すように、F−F’線の断面では、スリット用溝51の側壁にスペーサ層41が存在し、スリット用溝51の底面に絶縁層(例えば、シリコン酸化層)16が存在するので、スリット用溝51の側壁及び底面ともエッチングは進まない。前述したように、スペーサ層41は、ホットTMYを用いたシリコンのエッチングにより、スリット用溝51の側壁から導電層17、151、153がサイドエッチングされるのを防ぐ。また、保護層152Aと152Cは、ホットTMYを用いたシリコンのエッチングにより、導電層151、153がエッチングされるのを防ぐ。
次に、例えば、図19〜図22に示すように、CDE(Chemical dry etching)法により、スリット用溝51を介してメモリピラーMPのセル絶縁層30の一部と、保護層(例えば、シリコン酸化層)152A,152Cを除去する。図19に示す開口部17Aに対応する保護層152A,152Cは、ソース層の形成領域ではないため、除去されない(ステップS5)。これにより、C−C’線に沿った断面構造は図19に示すようになる。図19におけるD−D’線、E−E’線、F−F’線に沿った断面構造は、図20、図21、図22にそれぞれ示すようになる。
図20及び図22に示すように、D−D’線及びF−F’線の断面では、スリット用溝51の側壁にスペーサ層(例えば、シリコン窒化層)41が存在し、スリット用溝51の底面に絶縁層(例えば、シリコン酸化層)14が存在するため、スリット用溝51の底面の絶縁層14がエッチングされる。しかし、セル絶縁層30及び保護層152A,152Cの厚さに比べて、絶縁層14は十分に厚いため、このエッチング工程が周辺回路の配線等に影響を与えることはない。図21に示すように、E−E’線の断面では、スリット用溝51の底部に、犠牲層152Bが除去された後の空洞52があり、空洞52の上側と下側に保護層(シリコン酸化層)152A、152Cが存在するため、これら保護層152A、152Cがエッチングされる。
その後の工程では、空洞52内に、例えば不純物が添加された多結晶シリコンを含む導電層を形成する。これにより、空洞52内にソース層が形成される。その後、スリット用溝51内に絶縁層を埋め込む。これにより、スリットST,STC1が形成される。さらにその後、絶縁層、コンタクト、ビア、ビット線、及びその他の必要な配線等を形成し、半導体記憶装置が製造される。
1.2 変形例
次に、第1実施形態の変形例の半導体記憶装置について説明する。この変形例では、導電層17のパターン形状が第1実施形態と異なる。スリットSTの延長線上において、導電層17の端部から第1領域より遠い領域に導電層17を設けない構造とする。
図23(a)は、変形例の半導体記憶装置における第1領域201に相当する領域を拡大した平面図であり、図23(b)は、図23(a)におけるC−C’線に沿った断面図である。図23(a)及び図23(b)は、第1実施形態における図6(a)及び図6(b)に対応する。図23(a)に示すSTa,STC1aは、後の工程で形成されるスリットST,STC1のマスクパターンをそれぞれ表しており、スリットST,STC1のパターンと位置を示すものである。また、図23(b)に示す破線51aは、スリットST,STC1用の溝を形成したときに想定される溝の形状を表す。
この変形例では、図23に示すように、導電層17は、導電層17が存在しない凹形状の開口部17Bを有する。そして、開口部17Bは、Z方向において第1領域に対応する位置に設けられる。すなわち、変形例は、スリットSTの延長線と、スリットSTC1の延長線との交差領域を含む第1領域に導電層17を設けず、さらに、スリットSTの延長線上において、導電層17の端部から第1領域より遠い領域に導電層17を設けない構造を有する。その他の構成及び製造方法については、前述した第1実施形態と同様である。
1.3 第1実施形態及び変形例の効果
以上説明したように第1実施形態及びその変形例では、スリットSTの延長線と、スリットSTC1の延長線とが互いに交差する交差領域を含む第1領域のZ方向に、すなわち第1領域において半導体基板面に垂直な方向に、開口部を有する導電層17を設けると共に、導電層あるいは絶縁層の少なくともいずれかを含む積層体を設ける。開口部及び積層体は、第1領域のZ方向において、第1領域に対応する位置に配置される。開口部は、導電層17が除去された領域である。積層体は、ソース層を形成するために設けられた層の一部である。具体的には、積層体は、導電層151、絶縁層152A、犠牲層152B、絶縁層152C、及び導電層153を含む。
上述した構造では、導電層17が開口部により除去されており、さらに、その後のスリットST,STC1,STC2用の溝を形成する際に、スリットSTの延長線とスリットSTC1の延長線との交差領域を含む第1領域に配置された積層体がエッチングの進行を遅らせるストッパーとして働き、第1領域が目標の深さより深くエッチングされるのを防ぐことができる。これによって、第1領域が深くエッチングされることで生じる、周辺回路を構成する配線の断線等の不具合を低減することができる。この結果、半導体記憶装置における不良発生率を低下させることが可能である。さらには、半導体記憶装置の信頼性を高めることも可能となる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態の半導体記憶装置について説明する。第2実施形態では、交差領域を含む領域における導電層17のパターン形状と、積層体の位置が第1実施形態と異なる。ここでは、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
2.1 半導体記憶装置の構成
図24は、第2実施形態の半導体記憶装置の構成を示す平面図である。
メモリブロック101間には、前述したように、X方向に延伸するスリットSTが設けられる。スリットSTは、メモリブロック101間を分離する。言い換えると、スリットSTは、メモリピラーMPを有するメモリセルアレイ、及び導電層17,19〜24を分離する。
引き出し領域200のチップ端側には、X方向に延伸するスリットSTの端部が設けられる。スリットSTC1は、スリットSTと交差しないように、スリットSTの端部と距離を空けて設けられる。スリットSTC1は、スリットSTが延伸するX方向に対して直交するY方向に延伸する。さらに、スリットSTC1と距離を空けて、スリットSTC2が設けられる。スリットSTC2は、スリットSTC1と平行に、すなわちX方向と直交するY方向に延伸する。スリットSTC1およびスリットSTC2は、引き出し領域200、メモリセルアレイ領域100、及びコンタクト領域300に設けられた層間絶縁層(例えば、シリコン酸化層)の応力を緩和する働きがある。
2.1.1 スリットST及びスリットSTC1,STC2の構成
次に、図25を用いて、第2実施形態の半導体記憶装置におけるスリットST及びスリットSTC1,STC2の構成を説明する。図25(a)は、図24におけるスリットSTの延長線とスリットSTC1,STC2とが交差する交差領域を含む第2領域202を拡大した平面図である。図25(b)は、図25(a)におけるG−G’線に沿った断面図である。図25(a)に示すSTb,STC1b,STC2bは、後の工程で形成されるスリットST,STC1,STC2のマスクパターンをそれぞれ表しており、スリットST,STC1,STC2のパターンと位置を示すものである。また、図25(b)に示す破線51bは、スリットST,STC1,STC2用の溝を形成したときに想定される溝の形状を表す。
図25に示すように、引き出し領域200のチップ端側には、X方向に延伸するスリットSTの端部が設けられる。スリットSTの端部と距離を空けて、Y方向に延伸するスリットSTC1が設けられる。さらに、スリットSTC1と距離を空けて、Y方向に延伸するスリットSTC2が設けられる。
スリットSTの端部のZ方向に、導電層17が設けられず、スリットSTの端部より内側に設けられる。すなわち、X方向に延伸する導電層17の端部の位置は、スリットSTの端部の位置よりメモリセルアレイ領域100側にある。さらに、スリットSTの端部のZ方向に、島状の積層体、すなわち導電層151、保護層152A、犠牲層152B、保護層152C、及び導電層153が設けられる。
また、スリットSTC1のZ方向に、導電層17が設けられず、積層体が設けられる。同様に、スリットSTC2のZ方向に、導電層17が設けられず、積層体が設けられる。
第2実施形態における製造方法は、図25に示した構造以降、図5に示したフローに従って行われる。製造方法は、前述した第1実施形態と同様である。
2.2 第2実施形態の効果
以上説明したように第2実施形態では、スリットSTの端部のZ方向に、すなわちスリットSTの端部において半導体基板面に垂直な方向に、導電層17を設けず、導電層あるいは絶縁層の少なくともいずれかを含む積層体を設ける。X方向に延伸する導電層17の端部の位置は、スリットSTの端部の位置よりメモリピラー側にある。積層体は、スリットSTの端部のZ方向において、スリットSTの端部に対応する位置に配置される。積層体は、ソース層を形成するために設けられた層の一部である。
スリットSTの端部と距離を空けて、Y方向に延伸するスリットSTC1,STC2が設けられる。スリットSTC1,STC2のZ方向に、導電層あるいは絶縁層の少なくともいずれかを含む積層体を設ける。積層体は、スリットSTC1,STC2のZ方向において、スリットSTC1,STC2にそれぞれ対応する位置に配置される。
上述した構造では、導電層17がスリットSTの端部近傍の領域からチップ端側で除去されており、その後のスリットST,STC1,CTC2用の溝を形成する際に、スリットSTの延長線とスリットSTC1の延長線との交差領域を含む第2領域に配置された積層体がエッチングの進行を遅らせるストッパーとして働き、第2領域が目標の深さより深くエッチングされるのを防ぐことができる。これによって、第2領域が深くエッチングされることで生じる、周辺回路を構成する配線の断線等の不具合を低減することができる。この結果、半導体記憶装置における不良発生率を低下させることが可能である。さらには、半導体記憶装置の信頼性を高めることも可能となる。その他の効果は、前述した第1実施形態と同様である。
3.その他変形例等
前記実施形態において、「接続」は、部材間が直接接続される場合だけではなく、他の部材を介して接続される場合も含む。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…シリコン基板、11…CMOS回路、14…絶縁層、15…導電層、16…絶縁層、17…導電層、18…絶縁層、19〜24…導電層、25〜29…絶縁層、151…導電層、152A…保護層、152B…犠牲層、152C…保護層、153…導電層、SL…ソース線、SGS…ソース側選択ゲート線、WL0〜WL3…ワード線、SGD…ドレイン側選択ゲート線、MP…メモリピラー、ST,STC1,STC2…スリット(分離層)。

Claims (13)

  1. 第1導電層と、
    前記第1導電層上に積層され、第1方向に延伸する複数の第2導電層と、
    前記第1導電層と前記第2導電層との間に設けられた第3導電層と、
    前記複数の第2導電層が積層された第2方向に、前記複数の第2導電層内を延伸するメモリピラーと、
    前記複数の第2導電層内に前記第2方向に設けられ、前記第1方向に延伸し、前記複数の第2導電層を分離する第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層の端部から距離を空けて設けられ、前記第1方向と直交する第3方向に延伸する複数の第2絶縁層と、
    を具備し、
    前記複数の第2絶縁層は、前記第1絶縁層の延長線上を空けて配置され、
    前記第1導電層は、前記第1絶縁層の延長線と、前記第2絶縁層の延長線とが交差する交差領域と重畳する領域を有し、
    前記第3導電層は、前記交差領域と重畳しない半導体記憶装置。
  2. 前記第3導電層は開口部を有し、
    前記開口部は、前記交差領域と重畳する請求項1に記載の半導体記憶装置。
  3. 前記第1導電層は、前記開口部と重畳する領域を有する請求項2に記載の半導体記憶装置。
  4. 前記第1導電層上に交互に積層された第3絶縁層と第4導電層をさらに備える請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の半導体記憶装置。
  5. 前記第3導電層は、前記第1絶縁層の延長線上において、前記交差領域より前記第1絶縁層側に設けられている請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体記憶装置。
  6. 前記メモリピラーは、ゲート絶縁層、半導体層、及び電荷蓄積層を有し、
    前記第2導電層と、前記ゲート絶縁層、前記半導体層、及び前記電荷蓄積層とがメモリセルを構成する請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の半導体記憶装置。
  7. 第1導電層と、
    前記第1導電層上に積層され、第1方向に延伸する複数の第2導電層と、
    前記第1導電層と前記第2導電層との間に設けられた第3導電層と、
    前記複数の第2導電層が積層された第2方向に、前記複数の第2導電層内を延伸するメモリピラーと、
    前記複数の第2導電層内に前記第2方向に設けられ、前記第1方向に延伸し、前記第2導電層を分離する第1絶縁層と、
    を具備し、
    前記第1方向において、前記メモリピラーから、前記第3導電層の端部、前記第1絶縁層の端部、前記第1導電層の端部の順序で離れるように配置されている半導体記憶装置。
  8. 第1導電層と、
    前記第1導電層上に積層され、第1方向に延伸する複数の第2導電層と、
    前記第1導電層と前記第2導電層との間に設けられる第3導電層と、
    前記複数の第2導電層が積層された第2方向に、前記複数の第2導電層内を延伸するメモリピラーと、
    前記複数の第2導電層内に前記第2方向に設けられ、前記第1方向に延伸し、前記複数の第2導電層を分離する第1絶縁層と、
    を具備し、
    前記第1方向において、前記第3導電層の端部から前記第1絶縁層が延伸する領域は、前記第1導電層と重畳する半導体記憶装置。
  9. 前記第1導電層は島状の形状を有する請求項7または請求項8に記載の半導体記憶装置。
  10. 前記第1絶縁層の端部から距離を空けて設けられ、前記第1方向と直交する第2方向に延伸する第2絶縁層をさらに具備する請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の半導体記憶装置。
  11. 前記第2絶縁層から距離を空けて設けられ、前記第2方向に延伸する第3絶縁層をさらに具備する請求項10に記載の半導体記憶装置。
  12. 前記第3導電層は、前記第2導電層より厚さが厚い請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の半導体記憶装置。
  13. 基板上の第1領域に、第1導電層を形成する工程と、
    前記第1導電層上に、前記第1領域が開口された開口部を有する第2導電層を形成する工程と、
    前記第2導電層上に第1絶縁層を形成する工程と、
    前記第2導電層及び前記第1絶縁層を除去し、前記第2導電層を分離するように、第1方向に延伸する第1溝と、前記第1溝の端部から距離を空けて、前記第1方向と直交する第2方向に延伸する第2溝を形成する工程と、
    を具備する半導体記憶装置の製造方法。
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