JP2019164341A - ネガ型感光性樹脂組成物、それを用いたフォトスペーサーおよび画像表示装置 - Google Patents

ネガ型感光性樹脂組成物、それを用いたフォトスペーサーおよび画像表示装置 Download PDF

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将 福原
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【課題】低温で硬化しても弾性回復率が高く、解像度に優れるフォトスペーサーを形成することができるネガ型感光性樹脂組成物と、これを用いたフォトスペーサーおよび画像表示装置を提供すること。【解決手段】(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光ラジカル重合開始剤および(C)光重合性モノマーを含有し、前記(C)光重合性モノマーが、(C−1)下記一般式(1)で表される構造を有するエポキシ基またはオキセタニル基含有光重合性単官能モノマーおよび(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基を有する光重合性モノマーを含有する、ネガ型感光性樹脂組成物。(上記一般式(1)中、Xは炭素数2〜40のアルキレンオキサイドを有する2価の基または芳香環を有する2価の基を示し、R1は水素またはメチル基を示す。R2は炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、ネガ型感光性樹脂組成物、フォトスペーサーとその製造方法、画像表示装置に関する。
画像表示装置の分野において代表される液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力等の特性を活かし、ノートパソコン、携帯情報端末、スマートフォン、デジタルカメラ、デスクトップモニタ等の様々な用途で使用されている。
液晶表示装置は、カラーフィルター基板とTFT(Thin Film Transistor)基板との間に、所定の配向により画像表示を可能とする液晶層を備えており、これらの基板の間隔(セルギャップ)を均一に保つことが、画質を左右する重要な要素の一つである。
近年、電子ペーパー等のフレキシブルディスプレイが普及している。このフレキシブルディスプレイの基板としては、樹脂フィルム上にITO(Indium Tin Oxide)配線を有するITOフィルムなどが検討されている。ITOフィルム等は柔軟性を有する反面、耐熱性が低いため、スペーサーの熱硬化温度を低くすることが要求されている。そこで、低温硬化が可能なスペーサー形成用材料として、例えば、アルカリ可溶性樹脂、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、感放射線性重合開始剤および特定の窒素含有化合物を含み、アルカリ可溶性樹脂がエポキシ基を有するか、エポキシ化合物をさらに含有する感放射線性樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
一方、液晶表示装置に好適な感光性透明樹脂組成物として、少なくとも樹脂と多官能モノマーと溶剤と光重合開始剤と有機化合物系紫外線吸収剤を含有する感光性透明樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)、オキシムエステル系化合物、α−アミノアルキルフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、アクリル系ポリマー、溶媒、及び、重合性モノマーを含有する感光性樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
特開2013−200431号公報 特開2006−309125号公報 特開2014−157204号公報
しかしながら、特許文献1に記載された組成物を用いたスペーサーは、弾性回復率が不十分である課題があった。また、特許文献2に記載の組成物を低温硬化してフォトスペーサーを作製すると、架橋が不十分であり、弾性回復率が不十分である課題があった。一方、特許文献3に記載の組成物を用いたスペーサーは、近年の高精細化に対して、解像度が不十分である課題があった。
本発明は、低温で硬化しても弾性回復率が高く、解像度に優れるフォトスペーサーを形成することができるネガ型感光性樹脂組成物と、これを用いたフォトスペーサーおよび画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、主として以下の構成を有する。すなわち、
(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光ラジカル重合開始剤および(C)光重合性モノマーを含有し、
前記(C)光重合性モノマーが、(C−1)下記一般式(1)で表される構造を有するエポキシ基またはオキセタニル基含有光重合性単官能モノマーおよび(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基を有する光重合性モノマーを含有し、前記(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有光重合性単官能モノマーを除く(C)光重合性モノマーの平均水酸基数と平均カルボキシル基数の和が0.4以上である、ネガ型感光性樹脂組成物である。
Figure 2019164341
上記一般式(1)中、Xは炭素数2〜40のアルキレンオキサイドを有する2価の基または芳香環を有する2価の基を示し、Rは水素またはメチル基を示す。Rは炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示す。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物によれば、低温で硬化しても弾性回復率が高く、解像度に優れるフォトスペーサーを形成することができる。
フォトスペーサーの弾性特性を表すヒステリシス曲線の一例の概略図である。 本発明のフォトスペーサーの一例の模式断面図である。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光ラジカル重合開始剤および(C)光重合性モノマーを含有し、前記(C)光重合性モノマーが、(C−1)下記一般式(1)で表される構造を有するエポキシ基またはオキセタニル基含有光重合性単官能モノマー(以下、「(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマー」と記載する場合がある)および(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基を有する光重合性モノマー「(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマー」と記載する場合がある)を含有し、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーを除く(C)光重合性モノマーの平均水酸基数と平均カルボキシル基数の和が0.4以上である。(A)アルカリ可溶性樹脂と(B)光ラジカル重合開始剤とともに(C)光重合性モノマーを含有することにより、露光部が光硬化し、未露光部がアルカリ現像液に可溶なネガ型の感光性を有する。さらに(C)光重合性モノマーとして(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーを含有することにより、170℃以下の低温で硬化しても、弾性回復率の高いフォトスペーサーを形成することができる。一方、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーは熱架橋性が高いことから、プリベイク時に熱架橋が進みやすく、後述する現像工程において残渣が発生するなど解像度が低下する課題が生じる。そこで、本発明においては、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーとともに、(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマーを含有し、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーを除く(C)光重合性モノマーの平均水酸基数と平均カルボキシル基数の和を0.4以上とすることにより、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーの熱架橋により生じる残渣を抑制して解像度を向上させることができる。
Figure 2019164341
上記一般式(1)中、Xは炭素数2〜40のアルキレンオキサイドを有する2価の基または芳香環を有する2価の基を示し、Rは水素またはメチル基を示す。Rは炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示す。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂を含有する。ここで、アルカリ可溶性とは、アルカリ可溶性基を有する樹脂を指す。アルカリ可溶性基としては、カルボキシル基が好ましく、アルカリ現像液への溶解性を向上させ、解像度をより向上させることができる。(A)アルカリ可溶性樹脂のカルボン酸当量は、現像密着性を向上させる観点から、200g/mol以上が好ましい。一方、(A)アルカリ可溶性樹脂のカルボン酸当量は、解像度をより向上させる観点から、1400g/mol以下が好ましい。ここで、(A)アルカリ可溶性樹脂のカルボン酸当量は、酸価を測定することにより算出することができる。
(A)アルカリ可溶性樹脂は、ラジカル重合性基を有することが好ましく、現像密着性、フォトスペーサーの弾性回復率をより向上させることができる。(A)アルカリ可溶性樹脂の二重結合当量は、800g/mol以下が好ましい。二重結合当量を800g/mol以下とすることにより、ラジカル硬化を充分に進めることができ、フォトスペーサーの弾性回復率をより向上させることができる。二重結合当量は、500g/mol以下がより好ましい。一方、(A)アルカリ可溶性樹脂の二重結合当量は、200g/mol以上が好ましい。二重結合当量を200g/mol以上とすることにより、耐クラック性を向上させることができる。二重結合当量は、300g/mol以上がより好ましい。ここで、(A)アルカリ可溶性樹脂の二重結合当量は、ヨウ素価を測定することにより算出することができる。ヨウ素価は、(A)アルカリ可溶性樹脂をシクロヘキサンに溶かした後、一塩化ヨウ素溶液を加え、暗所に静置後、ヨウ化カリウムおよび水を加え、チオ硫酸ナトリウム溶液を用いて滴定することにより求めることができる。より具体的には、溶液の色が薄い黄色になったとき、でんぷん溶液を加え、青色が消えるまで滴定することにより、ヨウ素価を求めることができる。
(A)アルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基およびラジカル重合性基を含有することが好ましく、例えば、カルボキシル基を有するアクリル樹脂とラジカル重合性基を有する一置換エポキシ化合物との反応物が好ましい。
カルボキシル基を有するアクリル樹脂としては、カルボキシル基を有するエチレン性モノマーと、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、アミド系不飽和化合物およびその他のビニル系化合物等からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーとのラジカル重合物が好ましい。
カルボキシル基を有するエチレン性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
共重合モノマーである(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキセニル、(メタ)アクリル酸4−メトキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−シクロプロピルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロペンチルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキセニルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−(4−メトキシシクロヘキシル)オキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル、(メタ)アクリル酸1−メチルアダマンチル等が挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。アミド系不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。その他のビニル系化合物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、アリルアルコール、酢酸ビニル、シクロヘキシルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシビニルエーテル、4−ヒドロキシビニルエーテルなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
ラジカル重合においては、例えば、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物や、過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物などのラジカル重合触媒を用いてもよい。
ラジカル重合は、例えば、溶剤中、カルボキシル基を有するエチレン性モノマー、共重合モノマーおよびラジカル重合触媒を添加し、バブリングや減圧脱気などによって反応容器内を十分に窒素置換した後、加熱により反応させることが好ましい。加熱温度は60〜110℃が好ましく、反応時間は30〜300分間が好ましい。
ラジカル重合性基を有する一置換エポキシ化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−2−(グリシジルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸−3−(グリシジルオキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸−4−(グリシジルオキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−5,6−エポキシヘキシル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−2−(グリシジルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸−3−(グリシジルオキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸−4−(グリシジルオキシ)ブチルが、エポキシ基の反応を制御しやすく、ラジカル重合性基の反応性が高いことから好ましい。
ラジカル重合性基を有する一置換エポキシ化合物の付加反応においては、例えば、ジメチルアニリン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルベンジルアミン等のアミノ系触媒、2−エチルヘキサン酸すず(II)、ラウリン酸ジブチルすず等のすず系触媒、2−エチルヘキサン酸チタン(IV)等のチタン系触媒、トリフェニルホスフィン等のリン系触媒、アセチルアセトネートクロム、塩化クロム等のクロム系触媒などの付加重合触媒を用いてもよい。
付加重合は、例えば、溶剤中、カルボキシル基を有するエチレン性モノマー、付加重合性モノマーおよび付加重合触媒を添加し、バブリングや減圧脱気などによって反応容器内を十分に窒素置換した後、加熱により反応させることが好ましい。加熱温度は60〜110℃が好ましく、反応時間は30〜300分間が好ましい。
(A)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定されるポリスチレン換算値で、10,000〜50,000が好ましい。Mwを上記範囲とすることにより、良好な塗布特性が得られ、パターン形成する際の現像液への溶解性も良好となる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、(A)アルカリ可溶性樹脂の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して、10〜60重量部が好ましい。(A)アルカリ可溶性樹脂の含有量を10重量部以上とすることにより、解像度をより向上させることができる。(A)アルカリ可溶性樹脂の含有量は、15重量部以上がより好ましい。一方、(A)アルカリ可溶性樹脂の含有量を60重量部以下とすることにより、現像密着性および弾性回復率をより向上させることができる。(A)アルカリ可溶性樹脂の含有量は、50重量部以下が好ましく、30重量部以下がより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(B)光ラジカル重合開始剤を含有する。(B)光ラジカル重合開始剤とは、光(紫外線、電子線を含む)により分解および/または反応し、ラジカルを発生させるものを指す。
(B)光ラジカル重合開始剤としては、硬化膜の硬度をより高くする観点から、α−アミノアルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、オキシムエステル化合物、アミノ基を有するベンゾフェノン化合物またはアミノ基を有する安息香酸エステル化合物が好ましい。
α−アミノアルキルフェノン化合物としては、例えば、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド化合物としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。オキシムエステル化合物としては、例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]、1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)などが挙げられる。アミノ基を有するベンゾフェノン化合物としては、例えば、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。アミノ基を有する安息香酸エステル化合物としては、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、(B)光ラジカル重合開始剤の含有量は、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分中、0.1〜20重量%が好ましい。(B)光ラジカル重合開始剤の含有量を0.1重量%以上とすることにより、ラジカル硬化を十分に進めることができ、(B)光ラジカル重合開始剤の含有量を20重量%以下とすることにより、残留した(B)光ラジカル重合開始剤の溶出などを防ぎ、耐溶剤性を向上させることができる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(C)光重合性モノマーを含有する。光照射により上記(B)光ラジカル重合開始剤から発生したラジカルによって(C)光重合性モノマーのアクリル基の重合が進行する。本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(C)光重合性モノマーとして、(C−1)下記一般式(1)で表される構造を有するエポキシ基またはオキセタニル含有単官能光重合性モノマーおよび(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマーを含有し、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーを除く(C)光重合性モノマーの平均水酸基数と平均カルボキシル基数の和が0.4以上であることを特徴とする。ここで、単官能モノマーとは、(メタ)アクリル基を1つ有する化合物を指す。また、本発明においては、エポキシまたはオキセタンを含有する単官能モノマーは、親水性基があっても(C−1)に分類するものとする。
Figure 2019164341
上記一般式(1)中、Xは炭素数2〜40のアルキレンオキサイドを有する2価の基または芳香環を有する2価の基を示し、Rは水素またはメチル基を示す。Rは炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示す。
光照射により上記(B)光ラジカル重合開始剤から発生したラジカルによって(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーの(メタ)アクリル基の重合が進行する。ここで、(C−1)が単官能モノマーであることにより、立体障害が少なく、(メタ)アクリル基の重合を効果的に進めることができる。また、熱硬化により、エポキシ基またはオキセタニル基の架橋が進行することにより、フォトスペーサーの弾性回復率を向上させることができる。さらに、Xに炭素数2〜40のアルキレンオキサイドまたは芳香環を有することにより、低温硬化性が高くなることから、弾性回復率を向上させることができる。アルキレンオキサイドの炭素数は2〜5が好ましい。芳香環を有する基としては、弾性回復率をより向上させる観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類に由来する2価の基が好ましく、ビスフェノールAに由来する2価の基がより好ましい。
(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーとしては、例えば、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、ビスフェノールAモノグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFモノグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSモノグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ビフェニルモノグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ナフタレンモノグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。前記一般式(1)で表される構造を有するオキセタン含有単官能モノマーとしては、例えば、3−ブチル−オキセタニルメチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールAモノグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFモノグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSモノグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレートが好ましく、弾性回復率をより向上させることができる。ビスフェノールAモノグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレートがより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物における(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーの含有量は、前記(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して、3重量部以上が好ましい。(C−1)エポキシ基またはオキセタニル含有モノマーの含有量を3重量部以上とすることにより、弾性回復率をより向上させることができる。(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーの含有量は、13重量部以上がより好ましい。一方、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーの含有量は、前記(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して、60重量部以下が好ましい。(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーの含有量を60重量部以下とすることにより、解像度をより向上させることができる。(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーの含有量は、前記(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して、50重量部以下がより好ましい。
前述のとおり、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーは熱架橋性が高いことから、プリベイク時に熱架橋が進みやすく、後述する現像工程において残渣が発生しやすい。そこで、本発明においては、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーとともに(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマーを含有し、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーを除く(C)光重合性モノマーの平均水酸基数と平均カルボキシル基の和を0.4以上とすることにより、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーの熱架橋により生じる残渣を抑制して解像度を向上させることができる。なお、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーは熱架橋が進みやすく、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーに水酸基を有していても、プリベイク時に分子内架橋が促進されるため、残渣抑制には寄与しないことから、本発明においては、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーを除く(C)光重合性モノマーの平均水酸基数と平均カルボキシル基数の和に着目した。一方、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーを除く(C)光重合性モノマーの平均水酸基数と平均カルボキシル基の和は、現像密着性をより向上させる観点から、2以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。
(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマーは、残渣をより抑制して解像度をより向上させる観点から、カルボキシル基を有することが好ましい。解像度をより向上させる観点から、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーを除く(C)光重合性モノマーの平均カルボキシル基数は、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。一方、現像密着性をより向上させる観点から、(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーを除く(C)光重合性モノマーの平均カルボキシル基数は、2以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。
ここで、平均水酸基数および平均カルボキシル基数とは、いずれも1分子あたりの水酸基およびカルボキシル基の数を言う。これらはいずれも、H−NMR、13C−NMR、IR、TOF−MSなどにより(C)光重合性モノマーの構造を特定することにより求めることができる。また、(C)光重合性モノマーの構造が既知の場合には、既知の構造から求めることができる。(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーを除く(C)光重合性モノマーを2種以上含有する場合には、それぞれの光重合性モノマーの構造と組成比を求め、それぞれの光重合性モノマーの水酸基数およびカルボキシル基数の和と組成比の積の総和から、全体の水酸基数およびカルボキシル基数の和を算出することができる。
(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートの無水フタル酸、無水コハク酸または1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸付加物などのカルボキシル基を1個有するモノマー;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの無水フタル酸、無水コハク酸または1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸付加物などのカルボキシル基を2個有するモノマー;ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの無水フタル酸、無水コハク酸または1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸付加物などのカルボキシル基を3個有するモノマー;トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートの無水フタル酸、無水コハク酸または1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸付加物などのカルボキシル基を4個有するモノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートなどの水酸基を1個有するモノマー;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの水酸基を2個有するモノマー;ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの水酸基を3個有するモノマー;トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの水酸基を4個有するモノマーなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。また、「“ライトアクリレート”(登録商標)PE−3A」(商品名、共栄社化学(株)製)、「“アロニックス”M−403」「“アロニックス”M−510」、「“アロニックス”M−520」(商品名、東亞合成(株)製)などとして販売されているものを用いてもよい。これらの中でも、解像度および現像密着性をより向上させる観点から、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートやこれらの無水フタル酸、無水コハク酸または1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸付加物が好ましい。解像度をより向上させる観点から、これらの1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸付加物がより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマーの含有量は、前記(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して、3重量部以上が好ましい。(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマーの含有量を3重量部以上とすることにより、解像度をより向上させることができる。(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマーは、13重量部以上がより好ましい。一方、(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマーの含有量は、前記(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して、60重量部以下が好ましい。(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマーの含有量を60重量部以下とすることにより、現像密着性を向上させることができる。(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマーの含有量は、55重量部以下がより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基含有モノマーの含有量に対する(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有モノマーの含有量の重量比((C−1)/(C−2))は、0.05〜25が好ましい。(C−1)/(C−2)を0.05以上とすることにより、現像密着性および弾性回復率をより向上させることができる。(C−1)/(C−2)は、0.20以上がより好ましい。一方、(C−1)/(C−2)を25以下とすることにより、解像度をより向上させることができる。(C−1)/(C−2)は、5以下がより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(C)光重合性モノマーとして、(C−1)エポキシまたはオキセタン含有モノマーと(C−2)親水性基含有モノマーとともに、その他の光重合性モノマーを含有してもよい。その他の光重合性モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、(2−アクリロイルオキシプロポキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)−3、5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−3、5−ジメチルフェニル]フルオレンなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、さらにチオキサントン系化合物を含有することが好ましい。チオキサントン系化合物は、増感剤として感度を向上させ、弾性回復率をより向上させる作用を有する。チオキサントン系化合物としては、例えば、2,4−ジクロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、チオキサントン、2−エチルチオキサントンなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、チオキサントン系化合物の含有量は、前記(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して、1〜3重量部が好ましい。チオキサントン系化合物の含有量を1重量部以上とすることにより、ラジカル硬化を十分に進め、弾性回復率をより向上させることができる。チオキサントン系増感剤の含有量は、3重量部以上がより好ましい。一方、チオキサントン系増感剤の含有量を15重量部以下とすることにより、解像度をより向上させることができる。チオキサントン系化合物の含有量は、10重量部以下がより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、紫外線吸収剤をさらに含有してもよい。紫外線吸収剤を含有することにより、解像度をより向上させることができる。
紫外線吸収剤としては、透明性、非着色性の観点から、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物が好ましい。これらを2種以上含有してもよい。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチルフェノール)、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、オクタベンゾン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどが挙げられる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、多官能チオール系連鎖移動剤をさらに含有してもよい。多官能チオール系連鎖移動剤を含有することにより、現像密着性をより向上させることができる。
多官能チオール系連鎖移動剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトブチレート)、トリペンタエリスリトールヘプタ(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ペンタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ヘプタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)オクタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ノナン、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールブタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールペンタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールヘキサントリス(3−メルカプトブチレート)などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、多官能チオール系連鎖移動剤の含有量は、前記(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して0.3重量部以上が好ましい。多官能チオール系連鎖移動剤を0.3重量部以上含有することにより、現像密着性をより向上させることができる。多官能チオール系連鎖移動剤の含有量は、1重量部以上がより好ましい。一方、多官能チオール系連鎖移動剤の含有量は、5重量部以下が好ましい。多官能チオール系連鎖移動剤の含有量を5重量部以下とすることにより、解像度をより向上させることができる。多官能チオール系連鎖移動剤の含有量は、3重量部以下がより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤を含有することにより、各成分を均一に溶解することができる。各成分をより均一に溶解し、透明性を向上する観点から、アルコール性水酸基を有する化合物、カルボニル基を有する環状化合物が好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
溶剤の大気圧下における沸点は、110〜250℃が好ましい。沸点を110℃以上とすることにより、塗膜時に適度に乾燥が進み、塗布ムラを抑制することができる。一方、沸点を250℃以下とすることにより、膜中の残存溶剤量を低減して熱硬化時の膜収縮を抑制することができる。これら以外の溶剤を含有してもよい。
アルコール性水酸基を有し、大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物としては、例えば、アセトール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールなどが挙げられる。これらの中でも、保存安定性の観点から、ジアセトンアルコールが好ましく用いられる。
カルボニル基を有し、大気圧下の沸点が110〜250℃である環状化合物としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどが挙げられる。これらの中でも、γ−ブチロラクトンが好ましく用いられる。
上記以外の溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのアセテート類などが挙げられる。
溶剤の含有量に特に制限はなく、塗布方法などに応じて適宜設定することができる。例えば、スピンコーティングにより膜形成を行う場合には、ネガ型感光性樹脂組成物中、50〜95重量%とすることが一般的である。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、フィラーをさらに含有してもよい。フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、硫酸バリウム等の無機酸化物粒子;金属粒子;アクリル、スチレン、シリコーン、フッ素含有ポリマー等の樹脂粒子などが挙げられる。これらの中でも、分散性の観点から、シリカ粒子、硫酸バリウム粒子が好ましい。フィラーの粒子径(重量平均粒子径)は、0.5〜4μmが好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、フィラーの含有量は、前記(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して、1重量部以上が好ましく、硬度をより向上させることができる。フィラーの含有量は、3重量部以上がより好ましい。一方、フィラーの含有量は、前記(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、解像度をより向上させることができる。フィラーの含有量は、10重量部以下がより好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、樹脂組成物の硬化を促進させる、あるいは硬化を容易ならしめる各種の硬化剤をさらに含有してもよい。硬化剤としては、例えば、窒素含有有機物、シリコーン樹脂硬化剤、各種金属アルコレート、各種金属キレート化合物、イソシアネート化合物およびその重合体、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、硬化剤の安定性、塗布膜の加工性などの観点から、金属キレート化合物、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体が好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、熱酸発生剤などの硬化触媒をさらに含有してもよい。熱酸発生剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、スルフォニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニウム塩、トリアリールセレニウム塩などの各種オニウム塩系化合物、スルホン酸エステル、ハロゲン化合物などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、各種のフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤をさらに含有してもよく、塗布時のフロー性を向上させることができる。
界面活性剤としては、例えば、“メガファック”(登録商標)「F142D」、「F172」、「F173」、「F183」「F444」、「F445」、「F470」、「F475」、「F477」(以上商品名、大日本インキ化学工業(株)製)、「NBX−15」、「FTX−218」(以上商品名、(株)ネオス製)などのフッ素系界面活性剤;「“BYK”(登録商標)−333」、「“BYK”−301」、「“BYK”−331」、「“BYK”−345」、「“BYK”−348」、「“BYK”−361」、「“BYK”−3550」、「“BYK”−307」(以上商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製)などのシリコーン系界面活性剤;ポリアルキレンオキシド系界面活性剤;ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、重合禁止剤をさらに含有してもよい。重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン系重合禁止剤、カテコール系重合禁止剤が挙げられる。ヒドロキノン系重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ヒドロキノン、2,5−ビス(1,1−ジメチルブチル)ヒドロキノンなどが挙げられ、カテコール系重合禁止剤としては、例えば、カテコール、tert−ブチルカテコールなどが挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、解像度をより向上させる観点から、(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して、0.01重量部以上が好ましい。一方、感度をより向上させ、膜表面のシミを抑制する観点から、重合禁止剤の含有量は、0.5重量部以下が好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤をさらに含有してもよい。シランカップリング剤を含有することにより、下地との現像密着性を向上させることができる。シランカップリング剤としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピルトリメトキシシラン、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸、N−t−ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)コハク酸イミドなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
シランカップリング剤の含有量は、現像密着性を向上させる観点から、(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して、0.1重量部以上が好ましい。一方、樹脂組成物の保存安定性の観点から、シランカップリング剤の含有量は、(A)アルカリ可溶性樹脂と(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して、10重量部以下が好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて、溶解抑止剤、安定剤、消泡剤などの添加剤をさらに含有することもできる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、以下の方法によりフォトスペーサーを形成し、20mNの荷重をかけたときの弾性回復率が75%以上となることが好ましい。まず、ネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥したプリベイク膜を、超高圧水銀ランプを使用して露光量40mJ/cm(i線換算)露光し、現像し、温度120℃のオーブン中で30分間加熱することにより、上底面の直径が10μm、下底面の直径が13μm、高さが4μmのフォトスペーサーを形成する。このフォトスペーサーに対して、20mNの荷重をかけたときの弾性回復率が75%以上となることが好ましい。弾性回復率が75%以上であると、セル圧着時のスペーサーの高さのばらつきがより抑制され、フォトスペーサーの塑性変形による表示ムラをより低減することができる。弾性回復率は78%以上がより好ましい。弾性回復率が100%に近いほど、フォトスペーサーの変形によるセルギャップへの影響と、それによる表示ムラをより抑制することができる。上記形状は、フォトスペーサーの代表的な形状であり、上記荷重は、フォトスペーサーが製造または使用時に受ける荷重の一例である。かかる方法により、フォトスペーサーを形成するために用いた感光性樹脂組成物の塑性変形のしにくさを相対的に評価することができる。
図1に、フォトスペーサーの弾性特性を表すヒステリシス曲線の一例の概略図を示す。フォトスペーサーに荷重をかけると、図1に示すような、フォトスペーサーに加えた荷重と、フォトスペーサーの変形量とのヒステリシス曲線が得られる。ヒステリシス曲線からフォトスペーサーの総変形量Ha[μm]、塑性変形量Hb[μm]を求めることにより、フォトスペーサーの弾性回復率(((Ha−Hb)/Ha)×100)を算出することができる。ここで、ヒステリシス曲線は、硬度計フィッシャー(Fischerscope H100;Helmut Fischer GmbH & Co社製)とφ50μmの平型圧子を用いて、速度2.5mN/secで荷重20mNに到達するまで圧力を加えた後、速度2.5mN/secで開放することにより得られる。
フォトスペーサーを形成したときの弾性回復率を上記範囲にするためには、前述の本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いることが好ましい。
次に、本発明のネガ型感光性樹脂組成物の製造方法について、例を挙げて説明する。例えば、(B)光ラジカル重合開始剤および必要によりその他の添加剤を溶剤に加え、撹拌して溶解させた後、(A)アルカリ可溶性樹脂および(C)光重合性モノマーおよび必要によりその他の添加剤を加え、さらに20分間〜3時間撹拌することにより、ネガ型感光性樹脂組成物を得ることができる。得られた溶液をろ過してもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を光および/または熱硬化して得られる硬化膜は、タッチパネル用保護膜、各種ハードコート材、TFT用平坦化膜、カラーフィルター用オーバーコート、反射防止フィルムなどの各種保護膜、光学フィルター、タッチセンサー用絶縁膜、TFT用絶縁膜、フォトスペーサーなどに好適に用いることができる。低温で硬化しても、弾性回復率が高く、解像度に優れることから、フォトスペーサーとして特に好適に用いることができる。
次に、本発明のフォトスペーサーについて説明する。本発明のフォトスペーサーは、前述の本発明のネガ型感光性樹脂組成物の光および/または熱硬化物からなる。フォトスペーサーの最小加工解像度は20μm以下が好ましく、フォトスペーサーの膜厚は1〜10μmが好ましい。フォトスペーサーの形状は、上底2〜20μm、下底3〜40μmの円錐台形状が好ましい。図2に、本発明のフォトスペーサーの一例の模式断面図を示す。基板2上のフォトスペーサー1について、フォトスペーサーの膜厚3を100%とし、膜厚100%に対して、上端から10%内側における端部4の直径を上底と、膜厚100%に対して、下端から10%内側における端部5の直径を下底とする。
次に、本発明のフォトスペーサーの製造方法について説明する。例えば、前述の本発明のネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥したプリベイク膜を、露光し、現像して得られたパターンを、加熱して熱硬化することによりフォトスペーサーを形成することが好ましい。光硬化にかえて熱硬化によりフォトスペーサーを製造する方法として、例えば、前述の本発明のネガ型感光性樹脂組成物を基板上にパターン形成し、乾燥したプリベイク膜を、加熱して熱硬化する方法などが挙げられる。本発明のネガ型感光性樹脂組成物が感光性を有することから、光硬化を用いる前者の方法が好ましい。いずれの方法においても、熱硬化のための加熱温度は80〜170℃が好ましく、加熱時間は5〜60分間が好ましい。
基板としては、例えば、ガラス、高分子フィルム等の透明基板が挙げられる。基板上にオーバーコートを有してもよい。
ネガ型感光性樹脂組成物を光硬化する前者の方法において、ネガ型感光性樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティング、インクジェットコーティングなどの方法が挙げられる。
乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥、オーブンやホットプレートを用いた加熱乾燥(プリベイク)などが挙げられる。減圧乾燥の場合、加熱温度は、乾燥溶媒の減圧チャンバー内壁への再凝縮を抑制する観点から、100℃以下が好ましい。減圧乾燥圧力は、ネガ型感光性樹脂組成物に含まれる溶剤の蒸気圧以下が好ましく、1〜1000Paが好ましい。減圧乾燥時間は、10〜600秒間が好ましい。加熱乾燥(プリベイク)の場合、加熱温度は50〜110℃、加熱時間は1〜60分間が好ましい。
本発明においては、プリベイク膜の23℃における粘度が1×10〜1×10Pa・sであることが好ましい。23℃における粘度が1×10Pa・s以上であるプリベイク膜に露光することにより、プリベイク膜の流動性を適度に抑え、プリベイク膜の搬送工程や、露光工程、キュア工程におけるムラの発生を抑制し、セル圧着時のスペーサーの高さのばらつきをより抑制することができる。23℃における粘度は1×10Pa・s以上がより好ましい。一方、23℃における粘度が1×10Pa・s以下であるプリベイク膜に露光することにより、現像性を向上させることができる。ここで、プリベイク膜の23℃における粘度とは、プリベイク膜90mm以上を採取し、レオメーター(MCR−302;アントンパール(株)製)とφ15mmのプレートを用いて、測定厚み:0.5mm、周波数:1Hz、歪み:0.5%の条件で、20℃から110℃まで0.083℃/secの昇温速度で昇温しながら測定したときの23℃における粘度を言う。なお、カラーフィルター基板上へのフォトスペーサーの製造工程において、プリベイク膜の温度は乾燥工程で100℃程度まで加熱されるが、露光前の冷却により室温(約23℃)程度となることが一般的である。このため、本発明においては、一般的な露光時のプリベイク膜温度として、23℃における粘度に着目した。
得られたプリベイク膜に、マスクを介して露光することにより露光部分を硬化させ、アルカリ現像液により現像することにより未露光部分を除去し、パターン形成することが好ましい。
露光機としては、例えば、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナー(PLA)、レンズスキャンなどが挙げられる。露光光源としては、i線、h線、g線などの紫外線や、KrF(波長248nm)レーザー、ArF(波長193nm)レーザーなどが挙げられる。露光量は10〜500mJ/cm程度(波長365nm露光量換算)が好ましい。所望のマスクを介して露光してもよいし、マスクを介さずに露光してもよい。
露光後、現像により未露光部を溶解させてネガ型のパターンを得ることができる。現像方法としては、例えば、シャワー、ディッピング、パドルなどの方法が挙げられる。パターニング露光後の膜を現像液に5秒間〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩などの無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、コリンなどの4級アンモニウム塩を含む水溶液などのアルカリ現像液が挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましい。
光硬化物パターンを熱硬化する加熱装置としては、例えば、ホットプレート、オーブンなどが挙げられる。熱硬化温度は80〜200℃が好ましい。熱硬化温度を80℃以上とすることにより、弾性回復率をより向上させることができる。熱硬化温度は90℃以上がより好ましい。一方、熱硬化温度を200℃以下とすることにより、フォトスペーサーのメルトフローを抑制し、形状を向上させることができる。熱硬化温度は170℃以下がより好ましく、150℃以下がさらに好ましい。熱硬化時間は1〜60分間が好ましい。熱硬化時間を1分間以上とすることにより、弾性回復率をより向上させることができる。熱硬化時間は15分間以上がより好ましい。一方、熱硬化時間を60分間以下とすることにより、形状をより向上させることができる。熱硬化時間は45分間以下がより好ましい。
次に、本発明のフォトスペーサーを用いた画像表示装置の一例として、液晶表示装置について説明する。
液晶表示装置は、カラーフィルター基板を有することが一般的である。カラーフィルター基板は、基材上に、前記本発明のフォトスペーサー、ブラックマトリックスおよび着色画素を有することが好ましい。必要に応じて、さらに透明基板、オーバーコート層、透明電極などを有してもよい。着色画素としては、赤、緑、青などの画素が挙げられる。着色画素のパターン形状としては、例えば、ストライプ状、アイランド状などが挙げられる。基材としては、例えば、ガラスや高分子フィルムなどが挙げられる。
本発明の画像表示装置は、基板上にセルギャップを均一に保つ本発明のフォトスペーサーを有することが好ましい。例えば、液晶表示装置の場合、本発明のフォトスペーサーを有するカラーフィルター基板と、カラーフィルター基板に対向して配置される駆動素子側基板と、カラーフィルター基板および駆動素子側基板上にそれぞれ設けられる液晶配向膜を有することが好ましい。
次に、本発明の画像表示装置の製造方法の一例として、液晶表示装置の製造方法について例を挙げて説明する。例えば、液晶表示装置の製造方法としては、ITO付ガラス基板と、駆動素子側基板とを対向させて、本発明のフォトスペーサーを介して貼り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入してから注入口を封止し、最後にICドライバー等を実装する方法などが挙げられる。駆動素子側基板上に、走査線や信号線に加えて薄膜トランジスタ(TFT)素子または薄膜ダイオード(TFD)素子を設けることにより、TFT液晶表示装置またはTFD液晶表示装置を作製することもできる。
以下に本発明をその実施例を用いて説明する。各実施例および比較例における評価方法を以下に示す。
(ブラックマトリックス付基板の作製)
無アルカリガラス基板(OA−10;日本電気硝子(株)製;50mm×70mm、厚さ0.7mm)の表面上に、ポリイミド樹脂およびカーボンブラックを含む組成物からなる1.0μm厚のブラックマトリクッスを形成し、ブラックマトリックス付基板を作製した。
(オーバーコート付基板の作製)
前記方法により作製したブラックマトリックス付基板に対して、UV/オゾン装置(SSP16−110;セン特殊光源(株)製)を用いて、60秒間露光することにより洗浄処理した後、スピンコート法によりオーバーコート材(NN901;JSR(株)製)を塗布および乾燥して、1.5μm厚の透明オーバーコートを形成した。これを90℃で10分間加熱乾燥(プリベイク)し、飽和露光量に達するまで紫外線を照射した。次に、0.1重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、「TMAH」)と、0.3重量%の“エマルゲン”(登録商標)A−60(以下、「A−60」;花王(株)製)とをそれぞれ含む23℃の水溶液を用いてシャワー現像し、さらに水洗して未露光部の平坦化膜を洗い流した。その後、230℃で30分間加熱乾燥(ポストベイク)して、オーバーコート付基板を作製した。
(1)光重合性モノマーの平均カルボキシル基数と平均水酸基数
各実施例および比較例において用いた(C)光重合性モノマーについて、H−NMR、13C−NMR、IR、TOF−MSの各分析により、その構造を特定した。それぞれの(C)光重合性モノマーのカルボキシル基数および水酸基数と各実施例および比較例における(C)光重合性モノマーの組成比から、平均カルボキシル基数と平均水酸基数を求めた。
(2)現像密着性
各実施例および比較例において作製した現像密着性評価用プリベイク膜を、直径3〜100μmの開口部を多数有するパターンのフォトマスクを通して、パラレルライトマスクアライナー(以下PLAという)((株)三永電機製作所製「UVE−502S(商品名)」)を用いて、超高圧水銀灯を光源として100mJ/cm露光した。ここで、マスクギャップは100μmとした。その後、自動現像装置(滝沢産業(株)製「AD−2000(商品名)」を用いて、濃度0.4重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて50秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスして、膜厚4μmのパターンを作製した。
作製した各種パターンを、光学顕微鏡(オリンパス販売(株)製「BH3−MJL(商品名)」)を用いて、倍率50倍に拡大して1サイズあたり100箇所観察し、90個以上のパターンが残っている最小開口パターンから、以下の基準により現像密着性を評価した。
◎:最小パターンが6μm未満
○:最小パターンが6μm以上8μm未満
×:最小パターンが8μm以上。
(3)解像度
各実施例および比較例において作製した解像度評価用プリベイク膜を、幅3〜50μmのラインパターンを有し、ラインアンドスペースパターンが1対1の幅であるフォトマスクを通して、PLA((株)三永電機製作所製「UVE−502S(商品名)」)を用いて、超高圧水銀灯を光源として100mJ/cm露光した。ここで、マスクギャップは100μmとした。その後、自動現像装置(滝沢産業(株)製「AD−2000(商品名)」を用いて、濃度0.4重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて50秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスし、オーブン(エスペック(株)製「IHPS−222」)を用いて空気中120℃で30分間加熱し、膜厚4μmの硬化パターンを得た。
得られた硬化パターンについて、光学顕微鏡を用いて倍率50倍に拡大してラインアンドスペースパターンを観察し、スペース幅を測定した。マスク径に対して、90%以上のスペース幅が解像しているパターンのライン幅から、以下の基準により解像度を評価した。
◎:20μm未満
○:20μm以上30μm未満
×:30μm以上。
(4)弾性回復率
各実施例および比較例において作製した円錐台状パターンフォトスペーサーについて、弾性回復率を以下の方法により測定した。ここで上底および下底の定義は以下とした。
上底:膜厚を100%とした時の90%部分の直径
下底:膜厚を100%とした時の10%部分の直径
得られたフォトスペーサーについて、硬度計フィッシャー(Fischerscope H100;Helmut Fischer GmbH & Co社製)とφ50μmの平型圧子を用いて、25℃において、負荷速度2.5mN/秒で荷重20mNに到達するまで圧力を加え5秒間保持した後、除荷速度2.5mN/秒で圧力を除荷し0mNに到達してから5秒間保持した時の荷重と変形量とのヒステリシス曲線を作成した。得られたヒステリシス曲線から、総変形量Ha(μm)、塑性変形量Hb(μm)を求め、フォトスペーサーの弾性回復率を以下の式から算出し、以下の基準により評価した。
弾性回復率(%)=((Ha―Hb)/Ha)×100
◎:弾性回復率が78%以上
○:弾性回復率が75%以上78%未満
×:弾性回復率75%未満。
(5)プリベイク膜の粘度
各実施例および比較例により得られたプリベイク膜の粘度特性を再現するサンプルとして、無アルカリガラス基板(OA−10;日本電気硝子(株)製;50mm×70mm、厚さ0.7mm)上に、各実施例および比較例の条件によりプリベイク膜を作製した。得られたプリベイク膜を、スパーテルを用いて90mm以上集め、レオメーター(MCR−302;アントンパール(株)製)とφ15mmのプレートを用いて、測定厚み:0.5mm、周波数:1Hz、歪み:0.5%の条件で、20℃から110℃まで0.083℃/secの昇温速度で昇温しながら、23℃における粘度を測定し、以下の基準により評価した。
◎:プリベイク膜の粘度が1×10Pa・s以上
○:プリベイク膜の粘度が1×10Pa・s以上1×10Pa・s未満
×:プリベイク膜の粘度が1×10Pa・s未満。
(6)高さばらつき
各実施例および比較例において作製した円錐台状パターンフォトスペーサーのうち、基板中心から40mm角範囲において、一定の間隔で100個のフォトスペーサーを選択して、段差測定器を用いて高さのばらつき(最大高さ−最小高さ)を測定し、以下の基準によりフォトスペーサーの高さばらつきを評価した。
◎:高さのばらつきが0.02μm未満。
○:高さのばらつきが0.02μm以上0.04μm未満
×:高さのばらつきが0.04μm以上。
実施例で使用した光重合性モノマーの構造を以下に示す。
Figure 2019164341
合成例1 アルカリ可溶性樹脂(A)
500mlのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を3g、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)を100g仕込んだ。その後、メタクリル酸を72g、N−シクロヘキシルマレイミドを40g、メタクリル酸メチルを30g仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内をバブリングによって十分に窒素置換した後、90℃で2時間加熱撹拌し、液温を100℃に上げてさらに5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを97g、ジメチルベンジルアミンを1.2g、p−メトキシフェノールを0.2g、PGMEを50g添加し、90℃で4時間加熱撹拌し、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂(A)の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂(A)の溶液に固形分濃度が50重量%になるようにPGMEを加えた。なお、得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)をGPCにより測定したところ、33,000(ポリスチレン換算)であった。また、ヨウ素価を測定したところ、二重結合当量は350g/molであった。
合成例2 アルカリ可溶性樹脂(B)
500mlのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を3g、PGMEを50g仕込んだ。その後、メタクリル酸を34g、スチレンを33g、メタクリル酸メチルを33g仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内をバブリングによって十分に窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを33g、ジメチルベンジルアミンを1.2g、p−メトキシフェノールを0.2g、PGMEを50g添加し、90℃で4時間加熱撹拌し、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂(B)の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂(B)の溶液に固形分濃度が50重量%になるようにPGMEを加えた。なお、得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)をGPCにより測定したところ、21,000(ポリスチレン換算)であった。また、ヨウ素価を測定したところ、二重結合当量は600g/molであった。
合成例3 アルカリ可溶性樹脂(C)
500mlのフラスコに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を3g、PGMEを50g仕込んだ。その後、メタクリル酸を34g、スチレンを33g、メタクリル酸メチルを33g仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内をバブリングによって十分に窒素置換した後、70℃で4時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを16g、ジメチルベンジルアミンを1.2g、p−メトキシフェノールを0.2g、PGMEを50g添加し、90℃で3時間加熱撹拌し、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂(A)の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂(C)の溶液に固形分濃度が50重量%になるようにPGMEを加えた。なお、得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)をGPCにより測定したところ、11,000(ポリスチレン換算)であった。また、ヨウ素価を測定したところ、二重結合当量は1,200g/molであった。
実施例1
黄色灯下にて、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)(「“イルガキュア”(登録商標)OXE−02(商品名)」チバスペシャリティケミカル製;以下、「OXE−02」)0.906g(5重量部)、2,4−ジエチルチオキサントン(「KAYACURE DETX−S(商品名)」日本化薬(株)製;以下、「DETX」)0.906g(5重量部)をPGME18.563g、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)55.910gに溶解させ、シリコーン系界面活性剤である「“BYK”(登録商標)−333(商品名)」(ビックケミージャパン(株)製;以下、「BYK333」)のPGMEA10重量%溶液0.100g(濃度100ppmに相当)、4−t−ブチルカテコール0.054g(0.3重量部)を加え、撹拌した。そこへ、ビスフェノールAモノグリシジルエーテルモノアクリレート(「EA−1010N(商品名)」(株)新中村化学製;以下、「EA−1010N」)3.625g(20重量部)、ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸付加物9.062g(50重量部)、アルカリ可溶性樹脂(A)の溶液10.874g(固形分30重量部)を加えて、撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、組成物1を得た。得られた組成物1について、主な組成を表1に示す。
組成物1を、ITO付ガラス基板(ジオマテック(株)製)に、スピンコーター(ミカサ(株)製「1H−360S(商品名)」)を用いてスピンコートした後、真空乾燥機にて常温で30Paまで減圧し乾燥した。その後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製「SCW−636(商品名)」)を用いて70℃で2分間プリベイクした後、室温まで冷却して、現像密着性評価用のプリベイク膜を得た。
また、前述の方法により得られたオーバーコート付基板に対して、前記方法と同様に組成物1から解像度評価用プリベイク膜を作製した。
次に、解像度評価用プリベイク膜を形成したオーバーコート付基板を、直径3〜100μmの開口部を多数有するパターンのフォトマスクを通して、PLA((株)三永電機製作所製「UVE−502S(商品名)」)を用いて、超高圧水銀灯を光源として40mJ/cm露光した。ここで、マスクギャップは25μmとした。その後、自動現像装置(滝沢産業(株)製「AD−2000(商品名)」を用いて、濃度0.4重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて50秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスし、オーブン(エスペック(株)製「IHPS−222」)を用いて空気中120℃で30分間加熱し、膜厚4μm、上底径10μm、下底径13μmの硬化パターン(フォトスペーサー)を得た。
得られたプリベイク膜およびフォトスペーサーについて前記方法により評価した結果を表3に示す。
実施例2
「EA−1010N」の添加量を9.062g(50重量部)、ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸付加物の添加量を3.625g(20重量部)にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物2、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物2について、主な組成を表1に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
実施例3
「EA−1010N」の添加量を1.812g(10重量部)、ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸付加物の添加量を10.874g(60重量部)にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物3、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物3について、主な組成を表1に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
実施例4
「EA−1010N」の添加量を10.874g(60重量部)、ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸付加物の添加量を1.812g(10重量部)にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物4、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物4について、主な組成を表1に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
実施例5
アルカリ可溶性樹脂(A)の溶液14.499g(固形分40重量部)、「EA−1010N」3.081g(17重量部)、ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸付加物の添加量を7.793g(43重量部)、PGMEの添加量を16.751gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物5、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物5について、主な組成を表1に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
実施例6
アルカリ可溶性樹脂(A)の溶液7.249g(固形分20重量部)、「EA−1010N」4.168g(23重量部)、ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸付加物の添加量を10.330g(57重量部)、PGMEの添加量を20.375gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物6、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物6について、主な組成を表1に、前記方法により評価した結果を表2に示す。
実施例7
黄色灯下にて、「OXE−02」0.859g(5重量部)、「DETX」1.891g(11重量部)をPGME18.844g、PGMEA55.910gに溶解させ、「BYK333」のPGMEA10重量%溶液0.100g(濃度100ppmに相当)、4−t−ブチルカテコール0.052g(0.3重量部)を加え、撹拌した。そこへ、「EA−1010N」3.438g(20重量部)、ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸付加物8.594g(50重量部)、アルカリ可溶性樹脂(A)の溶液10.313g(固形分30重量部)を加えて、撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、組成物7、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物7について、主な組成を表1に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
実施例8
黄色灯下にて、「OXE−02」0.949g(5重量部)をPGME18.305g、PGMEA55.910gに溶解させ、「BYK333」のPGMEA10重量%溶液0.100g(濃度100ppmに相当)、4−t−ブチルカテコール0.057g(0.3重量部)を加え、撹拌した。そこへ、「EA−1010N」3.797g(20重量部)、ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸付加物9.492g(50重量部)、アルカリ可溶性樹脂(A)の溶液11.390g(固形分30重量部)を加えて、撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、組成物8、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物8について、主な組成を表1に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
実施例9
アルカリ可溶性樹脂(A)の溶液をアルカリ可溶性樹脂(B)の溶液に変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物9、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物9について、主な組成を表1に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
実施例10
アルカリ可溶性樹脂(A)をアルカリ可溶性樹脂(C)の溶液に変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物10、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物10について、主な組成を表1に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
実施例11
「EA−1010N」を4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルに変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物11、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物11について、主な組成を表2に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
実施例12
ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸付加物をペンタエリスリトールトリアクリレートに変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物12、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物12について、主な組成を表2に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
実施例13
ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸付加物をペンタエリスリトールトリアクリレートの1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸付加物に変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物13、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物13について、主な組成を表2に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
比較例1
「EA−1010N」をペンタエリスリトールテトラアクリレートに変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物14、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物14について、主な組成を表2に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
比較例2
ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸付加物をペンタエリスリトールテトラアクリレートに変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物15、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物15について、主な組成を表2に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
比較例3
「EA−1010N」をイソシアヌル酸トリグリシジルに変更したこと以外は実施例1と同様にして組成物16、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物16について、主な組成を表2に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
比較例4
ペンタエリスリトールトリアクリレートの無水コハク酸付加物の添加量を1.812g(10重量部)に変更し、ペンタエリスリトールテトラアクリレートを7.249g(40重量部)添加したこと以外は実施例1と同様にして組成物17、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。得られた組成物17について、主な組成を表2に、前記方法により評価した結果を表3に示す。
Figure 2019164341
Figure 2019164341
Figure 2019164341
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、タッチパネル用保護膜、各種ハードコート材、TFT用平坦化膜、カラーフィルター用オーバーコート、反射防止フィルムなどの各種保護膜、光学フィルター、タッチセンサー用絶縁膜、TFT用絶縁膜、画像表示装置用フォトスペーサーなどに用いることができる。これらの中でも、低温硬化をおこなっても現像密着性および解像度に優れ、弾性回復率などの機械特性が良好なことから画像表示装置用フォトスペーサーとして好適に用いることができる。
1:フォトスペーサー
2:基板
3:フォトスペーサーの膜厚
4:膜厚100%に対して、上端から10%内側における端部
5:膜厚100%に対して、下端から10%内側における端部

Claims (9)

  1. (A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光ラジカル重合開始剤および(C)光重合性モノマーを含有し、
    前記(C)光重合性モノマーが、(C−1)下記一般式(1)で表される構造を有するエポキシ基またはオキセタニル基含有光重合性単官能モノマーおよび(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基を有する光重合性モノマーを含有し、前記(C−1)エポキシ基またはオキセタニル基含有光重合性単官能モノマーを除く(C)光重合性モノマーの平均水酸基数と平均カルボキシル基数の和が0.4以上である、ネガ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2019164341
    (上記一般式(1)中、Xは炭素数2〜40のアルキレンオキサイドを有する2価の基または芳香環を有する2価の基を示し、Rは水素またはメチル基を示す。Rは炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示す。)
  2. 前記一般式(1)におけるXがビスフェノール類に由来する基である、請求項1に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記(C−2)水酸基および/またはカルボキシル基を有する光重合性モノマーの含有量に対する前記(C−1)前記一般式(1)で表される構造を有するエポキシ基またはオキセタニル基含有光重合性単官能モノマーの含有量の重量比((C−1)/(C−2))が0.05〜25である、請求項1または2に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  4. さらにチオキサントン系化合物を、前記(A)アルカリ可溶性樹脂と前記(C)光重合性モノマーとの合計100重量部に対して1〜15重量部含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  5. ネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥したプリベイク膜を、超高圧水銀ランプを使用して露光量40mJ/cm(i線換算)露光し、現像し、温度120℃のオーブン中で30分間加熱することにより、上底面の直径が10μm、下底面の直径が13μm、高さが4μmのフォトスペーサーを形成し、20mNの荷重をかけたときの弾性回復率が75%以上となる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物の光および/または熱硬化物からなるフォトスペーサー。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥したプリベイク膜を、露光し、現像し、温度80〜170℃で5〜60分間加熱して熱硬化する、フォトスペーサーの製造方法。
  8. 前記プリベイク膜の23℃における粘度が1×10〜1×10Pa・sである、請求項7に記載のフォトスペーサーの製造方法。
  9. 請求項6に記載のフォトスペーサーを有する画像表示装置。
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