JP2019163373A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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JP2019163373A JP2018051628A JP2018051628A JP2019163373A JP 2019163373 A JP2019163373 A JP 2019163373A JP 2018051628 A JP2018051628 A JP 2018051628A JP 2018051628 A JP2018051628 A JP 2018051628A JP 2019163373 A JP2019163373 A JP 2019163373A
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亜衣子 田井
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剛 寺林
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翔太 桶田
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Abstract

【課題】被洗物に長時間持続する香気と、ふんわりとしたボリュームのある触感とを付与することができ、液安定性に優れる衣料用液体洗浄剤組成物を提供すること。【解決手段】(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を含有し、前記(A)成分がカチオン性ポリマーであり、前記(B)成分が粘土鉱物であり、前記(C)成分がカプセル化香料であり、前記(D)成分が界面活性剤である、衣料用液体洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、洗浄剤組成物に関する。
従来、衣料用洗浄剤には、その製品価値の向上を図るために、香料が配合されてきた。洗濯後の衣類には、洗濯直後のみならず、着用中においても好ましい香気が持続することが望まれている。
特許文献1は、カプセル化香料、特定のビルダー、及び粘土鉱物を含む衣料用粉末洗浄剤について提案している。特許文献1の衣料用粉末洗浄剤によれば、香気が長時間持続する。
国際公開第2016/043257号
ところで、近年では、節水型の洗濯機が普及してきたことに伴い、衣料用液体洗浄剤が主流となっている。特許文献1の発明では、衣料用液体洗浄剤において香気が持続するかどうかについては考慮されていない。
さらに、衣料用液体洗浄剤には、液安定性が求められる。
加えて、洗濯後の被洗物には、ふんわりしたボリューム感が求められる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、被洗物に長時間持続する香気と、ふんわりとしたボリュームのある触感とを付与することができ、液安定性に優れる衣料用液体洗浄剤組成物を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の洗浄剤組成物が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、以下の態様を有する。
[1] (A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を含有し、
前記(A)成分がカチオン性ポリマーであり、
前記(B)成分が粘土鉱物であり、
前記(C)成分がカプセル化香料であり、
前記(D)成分が界面活性剤である、衣料用液体洗浄剤組成物。
[2] 前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比が、0.5〜500である、[1]に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[3] 前記(D)成分が、ノニオン界面活性剤、及びアニオン界面活性剤を含む、[1]又は[2]に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[4]前記(A)成分が、下記一般式(a−1)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
Figure 2019163373
[式中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、Xは対イオンである。]
Figure 2019163373
[式中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、Xは対イオンである。]
[5]前記(A)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、0.01〜5質量%である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[6]前記(B)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、0.0001〜1質量%である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[7]前記(C)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、0.001〜3質量%である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
[8]前記(D)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、15〜79質量%である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
本発明によれば、被洗物に長時間持続する香気と、ふんわりとしたボリュームのある触感とを付与することができ、液安定性に優れる衣料用液体洗浄剤組成物を提供することができる。
≪衣料用液体洗浄剤組成物≫
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、以下の(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を含有する。
<(A)成分>
(A)成分はカチオン性ポリマーである。
本明細書においてカチオン性ポリマーとは、1分子中に1つ以上のカチオン性基を有するポリマーである。
(A)成分は、下記一般式(a−1)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2019163373
[式中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、Xは対イオンである。]
Figure 2019163373
[式中、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、Xは対イオンである。]
(A)成分は、さらに下記一般式(a−3)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(a−4)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することが好ましい。
Figure 2019163373
[式中、Rは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基もしくは炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。]
Figure 2019163373
[式中、R10は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。]
なお、上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位、及び上記一般式(a−2)で表される繰り返し単位は、下記一般式(a−5)で表されるジアルキルジアリルアンモニウム塩モノマーに由来する繰り返し単位である。
Figure 2019163373
[式中、R、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、Xは対イオンである。]
上記一般式(a−1)、(a−2)及び(a−5)におけるXとしては、塩素イオン、臭素イオン等のハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、亜硫酸イオン等の無機酸イオン、メチル硫酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン等の有機酸イオン等が挙げられる。
(A)成分の重量平均分子量は、通常1,000〜5,000,000であり、3,000〜2,000,000が好ましく、10,000〜2,000,000がより好ましい。なお、本明細書における重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質として、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた値を意味する。
(A)成分の重合の形態は、特に限定されず、ブロック重合、ランダム重合又はグラフト重合のいずれであってもよい。
(A)成分中の(a−1)で表される繰り返し単位、及び(a−2)で表される繰り返し単位と、(a−3)で表される繰り返し単位、及び(a−4)で表される繰り返し単位との含有比は特に限定されないが、(a−1)で表される繰り返し単位、及び(a−2)で表される繰り返し単位と、(a−3)で表される繰り返し単位、及び(a−4)で表される繰り返し単位とのモル比が、[(a−1)で表される繰り返し単位、及び(a−2)で表される繰り返し単位の合計]:[(a−3)で表される繰り返し単位、及び(a−4)で表される繰り返し単位の合計]=1:9〜7:3が好ましく、2:8〜6:4がより好ましい。
上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位、及び上記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有するポリマーとしては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドから誘導されるポリマーが挙げられ、市販品としては、例えばLubrizol社製の商品名「マーコート100」が挙げられる。
上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位、及び上記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位と、上記一般式(a−3)で表される繰り返し単位、及び上記一般式(a−4)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位とを有するポリマーとしては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・アクリルアミドコポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・アクリル酸コポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・アクリルアミド・アクリル酸ターポリマー等が挙げられる。
これらのポリマーとしては、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
上記ポリマーは、特に限定されないが、通常のラジカル重合により製造できる。例えば、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドや、アクリルアミド等の(A)成分を構成するモノマーを、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法により重合することで製造できる。また、重合の際には、通常のラジカル重合に用いられる重合開始剤を使用することが好ましく、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、過硫酸カリウム等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物を用いることができる。
上記コポリマーの市販品としては、例えばLubrizol社製の商品名「マーコート550」、「マーコート740」、「マーコート2200」、「Noverite300」、「Noverite302」等が挙げられる。
また、上記ターポリマーの市販品としては、例えばLubrizol社製の商品名「マーコート3330」、「マーコート3940」等が挙げられる。
(A)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましく、0.1〜1質量%がさらに好ましい。
(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、使用性が向上し、且つ再汚染防止効果が向上する。
(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、ふんわりとしたボリューム感を付与しやすくなり、香気を長時間持続しやすくなり、液安定性を向上しやすくなる。
<(B)成分>
(B)成分は、粘土鉱物である。
(B)成分としては、例えば、天然物、天然物の精製品、天然物を改質したもの又は合成されたもの等が挙げられる。具体的には、天然又は合成されたモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ヘクトライト、スチブンサイト等のスメクタイト族の粘土鉱物や、バーミキュライト、合成フッ素雲母(Na型、Li型合成マイカ)等を用いることができる。また、上記粘土鉱物をイオン交換して膨潤力を向上させた多価金属イオン置換粘土鉱物等を用いることができる。
(B)成分としては、スメクタイト族の粘土鉱物が好ましい。スメクタイト族の粘土鉱物のなかでもモンモリロナイトを主成分とするベントナイトを用いることが好ましい。ベントナイトのなかでも、天然ベントナイトが好ましい。
また、(B)成分は、顆粒状にされたものを用いてもよい。
(B)成分の平均粒子径は、10〜2,000μmが好ましく、20〜1000μmがより好ましく、20〜80μmがさらに好ましい。
なお、(B)成分の平均粒子径は、レーザ光散乱法(例えば、粒度分布測定装置(LDSA−3400A(17ch)、東日コンピューターアプリケーションズ株式会社製)によって測定される体積基準のメジアン径である。
(B)成分としては、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、Colin Stewart社製の商品名「Bentonite Granules」、アメリカンコロイド社製の商品名「ポーラゲル」、日本シリカ工業株式会社製の商品名「ラポナイト」、豊順鉱業社製の商品名「ベンゲル」、コープケミカル株式会社製の商品名「ルーセンタイト」、クニミネ工業株式会社製の商品名「クニピア」、水澤化学工業株式会社製の商品名「ベンクレイ」、バンダービルト社製の商品名「ビーガム」等が挙げられる。
(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.0001〜1質量%が好ましく、0.001〜0.5質量%がより好ましく、0.001〜0.1質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、液安定性が向上し、使用性が向上する。
(B)成分の含有量が上記下限値以上であると、ふんわりとしたボリューム感を付与しやすくなり、香気を長時間持続しやすくなる。
(A)成分/(B)成分で表される質量比(以下、A/B比ともいう)は、0.5〜500が好ましく、0.5〜100がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。
A/B比が上記範囲内であると、ふんわりとしたボリューム感付与効果を向上しやすくなり、液安定性が向上する。
<(C)成分>
(C)成分は、カプセル化香料である。
(C)成分は、高分子化合物(以下、(α)成分という)で香料(以下、(β)成分という)を内包したカプセル化香料である。以下、(C)成分において、(α)成分で形成された層をカプセル壁という。
(C)成分は、芯物質である(β)成分の塊が、(C)成分中に一つだけ存在する単芯型構造のものであってもよいし、芯物質である(β)成分が、(C)成分中に複数分散した多芯型構造のものであってもよい。
(C)成分の粒子径は、特に限定されるものではなく、例えば単芯型構造の場合、平均粒子径が0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは0.5〜30μmとすることが望ましい。平均粒子径が小さすぎると(C)成分の強度が低くなり、早期にカプセル壁が崩壊し、香気が持続しにくい傾向にある。平均粒子径が大きすぎると、(C)成分が繊維に吸着してもカプセル壁が崩壊しにくく、香気の放出が不充分となる傾向にある。
(C)成分の粒子径が上記下限値以上であると、(C)成分の強度が高くなり、早期にカプセル壁が崩壊するのが抑制され、香気が持続されやすくなる。(C)成分の粒子径が上記上限値以下であると、繊維に吸着した(C)成分が適度に崩壊し、香気が放出されやすくなる。
(C)成分の平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−300V、株式会社島津製作所製)により測定される値である。
(C)成分のカプセル壁の厚み(壁厚)は特に限定されないが、例えば、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜3μmがより好ましい。壁厚が薄すぎると(C)成分の強度が低くなり、早期にカプセル壁が崩壊し、香気が持続しにくい傾向にある。壁厚が厚すぎると、(C)成分が繊維に吸着してもカプセル壁が崩壊しにくく、香気の放出が不充分となる傾向にある。
(C)成分の壁厚が上記下限値以上であると、(C)成分の強度が高くなり、早期にカプセル壁が崩壊するのが抑制され、香気が持続されやすくなる。(C)成分の壁厚が上記上限値以下であると、繊維に吸着した(C)成分が適度に崩壊し、香気が放出されやすくなる。
なお、(C)成分のカプセル壁の厚みは、(C)成分を任意に10個選択し、選択した10個の(C)成分を切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察することで求められる。前記厚みは、前記切断面で観察されたカプセル壁の最小の厚み(切断面の外周から(β)成分までの最小の距離)をそれぞれ測定し、これを算術平均した値である。
・(α)成分:高分子化合物
(α)成分は、(C)成分において、例えば膜状のカプセル壁を形成する高分子化合物である。
本発明に用いられる(α)成分としては、香料を芯物質として安定的にカプセル化することができるものである。(α)成分の重量平均分子量は、通常1,000〜5,000,000であり、3,000〜1,000,000が好ましく、5,000〜500,000がより好ましい。なお、本明細書において「重量平均分子量」とは、標準物質をポリエチレングリコールとしてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分析を行った値を示す。
(α)成分は、(β)成分の種類等を勘案して決定することができ、例えば、ポリアクリル酸系、ポリビニル系、ポリメタクリル酸系、メラミン系、ウレタン系等の合成高分子物質が挙げられ、これら1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ポリアクリル酸系高分子としては、アクリル酸、もしくはそのアルキルエステル等の重体体が挙げられる。ポリビニル系高分子としては、エチレン、無水マレイン酸、スチレン、ジビニルベンゼン等の重合体が挙げられる。ポリメタクリル酸系高分子としては、メタクリル酸、もしくはそのアルキルエステル等の重合体が挙げられる。メラミン系高分子としては、メチロールメラミンの加熱硬化物が挙げられる。前記メチロールメラミンは、メラミンとホルムアルデヒドから誘導される。ウレタン系高分子としては、多官能性イソシアネート化合物とポリオールもしくはポリアミン化合物との縮合反応物が挙げられる。前記ウレタン系高分子としては、例えば、ポリフェニルイソシアネートとヘキサメチレンジアミン、トルエンジイソシアネートとジエチレングリコール等との縮合反応物が挙げられる。
(α)成分としては、ポリアクリル酸エステル、メラミン系高分子及びウレタン系高分子が好ましい。
(α)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分中の(α)成分の含有割合は、(α)成分の種類等により適宜選定でき、例えば、(C)成分の総質量に対して、5〜95質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。(α)成分の含有割合が低すぎると(C)成分のカプセル形成が困難となる場合があり、多すぎると相対的に芯物質である(β)成分の配合量が低下し、所望する香気が得られにくくなる場合がある。
(C)成分の総質量に対する(α)成分の含有割合が上記下限値以上であると、(C)成分のカプセル形成が容易になる。(C)成分の総質量に対する(α)成分の含有割合が上記上限値以下であると、芯物質である(β)成分の配合量が多くなり、所望する香気が得られやすくなる。
・(β)成分:香料
(β)成分は、カプセル化香料の芯物質を構成する香料である。
(β)成分として用いられる香料は、香質や(α)成分の種類等を勘案して決定することができ、例えば、香料成分、又は香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物(香料組成物)が挙げられる。(β)成分は、(α)成分との反応性及び水溶性が低いものを選択することが好ましい。
香料組成物は、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、洗浄剤や繊維用仕上げ剤、毛髪化粧料に一般的に使用される香料成分を1種類以上含む香料組成物等が挙げられる。
前記香料成分の具体例としては、例えば、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、天然香料、動物性香料等が挙げられる。
前記アルデヒド類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC−12MNA、ミラックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリン、ヘリオナール等が挙げられる。
前記フェノール類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイゲノール、イソオイゲノール等が挙げられる。
前記アルコール類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バクダノール、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、フェニルエチルアルコール等が挙げられる。
前記エーテル類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノール等が挙げられる。
前記エステル類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルプロピオネート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、p−クレジルアセテート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ−β−ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β−フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネート、アリルヘプタノエート等が挙げられる。
前記ハイドロカーボン類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、d−リモネン、α−ピネン、β−ピネン、ミルセン等が挙げられる。
前記ケトン類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−イオノン、β−イオノン、メチル−β−ナフチルケトン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、シス−ジャスモン、メチルイオノン、アリルイオノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコン等が挙げられる。
前記ラクトン類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ドデカラクトン、クマリン、アンブロキサン等が挙げられる。
前記ムスク類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラキソライド、ムスクケトン、トナリッド、ニトロムスク類等が挙げられる。
前記天然香料としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油、タイム油等の精油が挙げられる。
前記動物性香料としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、じゃ香、霊猫香、海狸香、竜涎香等が挙げられる。
このような香料成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の1つの側面において、前記(β)成分は、前記香料成分の具体例から選択される少なくとも1種の香料成分を含む。
本発明の香料は、香気のフレッシュ感と嗜好性の点から、常温における沸点が好ましくは260℃未満であり、より好ましくは150℃以上、260℃未満である。
香料成分の沸点は、例えば「Perfume and Flavor Chemicals 」Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「合成香料 化学と商品知識」,印藤元一著,化学工業日報社(1996)、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin 」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「香りの百科」,日本香料協会編,朝倉書店(1989)及び「香料と調香の基礎知識」,産業図書(1995)に記載されており、本明細書ではそれらの文献から引用する。
本発明の香料には、ClogP値が好ましくは1.0〜8.0、より好ましくは3.0〜8.0である香料成分が含有されることが好ましい。
ClogP値とは、化学物質について、1−オクタノール中及び水中の平衡濃度の比を表す1−オクタノール/水分配係数=Pを、底10に対する対数logPの形態で表した値である。前記ClogP値は、f値法(疎水性フラグメント定数法)により、化合物の化学構造をその構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数f値を積算して求めることができる(例えば、Clog 3 Reference Manual DaylightSoftware 4.34,Albert Leo,David Weininger, Version 1,March 1994 参照)。
一般に、香料はClogP値が大きいほど疎水的であることから、ClogP値が小さい香料成分を多く含んで構成された香料は、ClogP値が大きい香料成分を多く含んで構成された香料よりも親水的な香料であるといえる。
従って、前記ClogP値が、前記範囲内であると、親水性の香料成分と疎水性の香料成分とがバランス良く組み合わされているために、より香気バランスに優れ嗜好性が高い香料となる点で有利である。
このようなClogP値の香料成分は、香料から溶剤を除いた量に対して30質量%以上、より好ましくは45質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、含有されることが望ましい。
(β)成分は、香料組成物として通常用いる溶剤(香料用溶剤)を配合してもよい。
香料用溶剤としては、例えば、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート)、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコールDPG−FC(ジプロピレングリコール)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト−5(1,2−ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA−2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA−4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。これら香料用溶剤の含有量は、例えば、(β)成分の総質量に対して、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
また、本発明の香料には、上記成分以外に、本発明の効果を妨げない限り、必要に応じて酸化防止剤、防腐剤等の添加剤を配合することができる。
(C)成分中の(β)成分の含有量は、(β)成分の種類等により適宜選択でき、例えば、(C)成分の総質量に対して、5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、30〜80質量%がより好ましい。上記範囲であると、(C)成分は適度な強度のカプセル壁が形成され、長期間にわたり香気を放出しやすくなる。
衣料用液体洗浄剤中における(β)成分の含有量は、(β)成分の種類や、衣料用液体洗剤組成物に求める香気の強さ等を勘案して適宜選択でき、例えば、衣料用液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜2質量%が好ましく、0.1〜1質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましい。上記範囲であると、衣料用液体洗浄剤組成物は好適な香気を放出し、かつ、被洗物に対して好適な香気を付与しやすくなる。
・(C)成分中のその他の成分
(C)成分には、(α)成分及び(β)成分以外に、カプセル壁の形成を容易にするために、本発明の効果を妨げない範囲で乳化剤、溶解促進剤、重合開始剤等を配合できる。
乳化剤としては、例えば、エチレン無水マレイン酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩、フェノールスルホン酸縮合物、ポリビニルピロリドン、界面活性剤等が挙げられる。
溶解促進剤としては、例えば、高級アルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、パラフィン油、鉱油、動植物油等が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、N,N−ジメチル−p−トルイジン、ハロゲン化アルキル等が挙げられる。
(C)成分中のその他の成分の含有量は、例えば、(C)成分の総質量に対して、0〜30質量%とされる。
(C)成分は、界面重合法、in−situ重合法等の従来公知の方法により製造できる。
界面重合法としては、例えば、(α)成分としてウレタン系高分子を用いる場合、一方の容器に適宜濃度の乳化剤水溶液を調製しておき、別の容器に芯物質((β)成分)と多官能性イソシアネート化合物との芯物質溶液を調製する。次いで、乳化剤水溶液と芯物質溶液とを高速撹拌機に投入した後、高速撹拌してO/Wエマルジョンを調製し、次いで適宜濃度のポリアミン化合物の水溶液を入れて、常温で所定時間撹拌、反応させる。こうして、カプセル壁を硬化させて、(C)成分が分散した(C)成分の分散液を得ることができる。
in−situ重合法としては、例えば、(α)成分としてポリアクリル酸系高分子又はポリメタクリル酸系高分子を用いる場合、カプセル壁を芯物質側から形成させる方法が好適である。例えば、予めアクリル酸エチル、メタクリル酸エチル等のモノマーと、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル等の重合開始剤と、芯物質((β)成分)とを水に分散し、攪拌機で攪拌し、芯物質を任意の粒径に調整した混合分散液を得る。この際、モノマーの配合量は芯物質に対し5〜30質量%とされ、重合開始剤の配合量はモノマーに対し0.1〜5質量%とされる。また、混合分散液の調製は、20〜70℃の温度条件下で行われることが好ましい。
次いで、上記混合分散液を60〜80℃とした後、窒素ガスを導入しながら、3〜6時間重合させることによって(C)成分が分散した(C)成分の分散液を得ることができる。
(C)成分としては、市販品を用いることもできる。
(C)成分の市販品としては、フィルメニッヒ社製の商品名「POPSENT」、ジボダン社製の商品名「Cosmic cap2」、インターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス(IFF)社製の商品名「Unicap101」、「Unicap503」、「Encap」等が挙げられる。
(C)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.001〜3質量%が好ましく、0.01〜2質量%がより好ましく、0.05〜1質量%がさらに好ましい。
(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、(C)成分の分散性を向上しやすくなる。
(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、香気を長時間持続しやすくなる。
(C)成分/(B)成分で表される質量比(以下、C/B比ともいう)は、10〜500が好ましく、30〜250がより好ましく、50〜200がさらに好ましい。
C/B比が上記範囲内であると、カプセル分散安定性を向上しやすい。
<(D)成分>
(D)成分は界面活性剤である。(D)成分としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
[ノニオン界面活性剤]
ノニオン界面活性剤としては特に限定されないが、例えばポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、アルキルフェノール、炭素数8〜22の脂肪酸又は炭素数8〜22のアミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキサイド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシドなどが挙げられる。
(D)成分としては、上記の中でも、液体洗剤の粘度を適度に保持しつつ、外観安定性が向上する点で、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましい。
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤としては、例えば下記一般式(d−1)で表される化合物(以下、「化合物(d1)」という。)、下記一般式(d―2)で表される化合物(以下、「化合物(d2)」という。)などが挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
51−CO−(OR52−OR53 ・・・(d−1)
54−O−[(EO)/(PO)]H ・・・(d−2)
式(d−1)中、R51は炭素数9〜13の炭化水素基であり、R52は炭素数2〜4のアルキレン基であり、R53は炭素数1〜4のアルキル基である。mはOR52の平均繰り返し数を示し、5〜25の数である。
式(d−2)中、R54は炭素数10〜22の炭化水素基であり、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基である。sはEOの平均繰り返し数を示し、5〜20の数であり、tはPOの平均繰り返し数を示し、0〜4の数である。
化合物(d1):
前記式(d−1)中、R51における炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。
また、R51における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好ましい。
51の炭素数は9〜13であり、炭素数10〜13が好ましく、炭素数11〜13がより好ましい。R51の炭素数が9以上であると、洗浄力がより高まる。一方、R51の炭素数が13以下であると、保存安定性が向上し、特にゲル化が抑制されやすくなる。
化合物(d1)は、単一鎖長の混合物であってもよく、複数の鎖長の混合物であってもよい。R51は、原料の脂肪酸(R51−COOH)に由来する。
前記式(d−1)中、R53は、炭素数1〜4のアルキル基であり、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。R53として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R53の炭素数が1以上であると、低温保存時の析出が抑制されやすくなる。一方、R53の炭素数が4以下であると、低温条件下での液体洗剤の水に対する溶解性がより高まる。
前記式(d−1)中、R52は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、エチレン基又はプロピレン基が好ましい。
式中の複数のR52は、相互に同じであってもよく異なってもよい。すなわち、R52のアルキレン基は、1種単独であってもよく、2種以上が組み合わされていてもよい。中でも、洗浄時の泡立ちがよく、安価であることから、式中のm個のOR52が、全てオキシエチレン基であるか、又はオキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在していることが好ましい。
52のアルキレン基が2種以上組み合わされている場合、OR52の付加方法は、特に限定されず、例えばオキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在している場合の付加方法としては、ランダム付加であってもよく、ブロック付加であってもよい。ブロック付加の方法としては、エチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後にエチレンオキシドを付加する方法、エチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加してさらにエチレンオキシドを付加する方法等が挙げられる。
前記式(d−1)中、mは、OR52の平均繰返し数を示し、5〜25の数である。mが下限値以上であると、洗浄力、特に皮脂汚れに対する洗浄力がより向上する。一方、mが上限値以下であると、液体洗剤の水に対する溶解性がより向上する。
OR52が全てオキシエチレン基である場合、mは、5〜20が好ましく、12〜18がより好ましい。
OR52がオキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在している場合、mは12〜21が特に好ましい。このうち、オキシプロピレン基の平均繰返し数は、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。オキシプロピレン基の平均繰返し数が5を超えると、洗浄力、及び液体洗剤としての保存安定性(ニオイ、経時安定性など)が低下するおそれがある。
化合物(d1)において、OR52の繰返し数が異なる化合物の分布の割合を示すナロー率は、20質量%以上であることが好ましい。ナロー率の上限値は、実質的には80質量%以下であることが好ましい。
該ナロー率は、20〜50質量%がより好ましく、保存安定性及び水に対する溶解性がより向上することから、30〜45質量%がさらに好ましい。
該ナロー率が高いほど、良好な洗浄力が得られやすい。また、該ナロー率が、好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上であると、化合物(d1)由来の原料臭気の少ない液体洗剤が得られやすくなる。これは、化合物(d1)の製造後、化合物(d1)と共存する、化合物(d1)の原料である脂肪酸エステルと、前記式(d−1)中のmが1又は2のアルキレンオキシド付加体と、が少なくなるためである。
化合物(d1)中に不純物として含まれる化合物のうち、化合物(d1)の原料である脂肪酸エステルと、前記式(d−1)中のmが1又は2のアルキレンオキシド付加体との合計の割合は、化合物(d1)の総質量に対して、0.5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましい。この割合が0.5質量%以下であると、界面活性剤の原料臭気のより少ない液体洗剤が得られやすくなる。
本明細書において「ナロー率」とは、アルキレンオキシドの付加モル数が異なるアルキレンオキシド付加体の分布の割合を示す、下記の数式(S)で表される値をいう。
Figure 2019163373
前記式(S)において、mmaxは、化合物(d1)全体の中に最も多く存在するアルキレンオキシド付加体のOR52の繰返し数(付加モル数)を示す。
iは、OR52の繰返し数を示す。
Yiは、化合物(d1)全体の中に存在するアルキレンオキシドの付加モル数がiであるアルキレンオキシド付加体の割合(質量%)を示す。
前記ナロー率は、例えば、化合物(d1)の製造方法等によって制御できる。
化合物(d1)の製造方法としては、特に限定されず、例えば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキシドを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)により容易に製造することができる。
かかる表面改質された複合金属酸化物触媒の好適なものとしては、具体的には、金属水酸化物等により表面改質された金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒、あるいは、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒が挙げられる。
また、前記複合金属酸化物触媒の表面改質においては、複合金属酸化物と、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシドと、の混合割合を、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシドの割合を0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
化合物(d1)の製造方法としては、アルカリ土類金属化合物とオキシ酸等の混合物より調製されるアルコキシル化触媒により、脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキシドを付加する方法もある。上記のアルコキシル化触媒については、特許04977609号、国際公開第1993/004030号、国際公開第2002/038269号、国際公開第2012/028435号等で開示されており、例えば、カルボン酸のアルカリ土類金属塩及び/又はヒドロキシカルボン酸のアルカリ土類金属塩と硫酸等の混合物より調製したアルコキシル化触媒等が挙げられる。
化合物(d2):
前記式(d−2)中、R54における炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。
また、R54における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好ましい。
54の炭素数は10〜20であり、炭素数12〜18が好ましく、炭素数12〜14がより好ましい。R54の炭素数が10以上であると、洗浄力がより高まる。一方、R54の炭素数が20以下であると、保存安定性が向上し、特にゲル化が抑制されやすくなる。
化合物(d2)は、単一鎖長の混合物であってもよく、複数の鎖長の混合物であってもよい。R54は、原料のアルコール(R54−OH)に由来する。該アルコールとしては、ヤシ油、パーム油もしくは牛脂などの天然油脂由来のアルコール、又は、石油由来の合成アルコールが挙げられる。
前記式(d−2)中、sは、EOの平均繰返し数を示し、5〜20の数であり、12〜18の数が好ましく、12〜16の数がより好ましい。sが前記範囲内にあると、液体洗剤の洗浄力、特に皮脂汚れに対する洗浄力がより向上する。
tは、POの平均繰返し数を示し、0〜4の数であり、0〜3の数が好ましく、0であることが特に好ましい。tが前記範囲内にあると、液体洗剤のゲル化が抑制されやすくなり、また、すすぎ時に良好な泡切れ性が得られやすい。
前記式(d−2)において、EOとPOとは、ブロック状に付加していてもよく、ランダム状に付加していてもよい。EOとPOとがブロック状に付加している場合の付加方法としては、エチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後にエチレンオキシドを付加する方法、エチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加してさらにエチレンオキシドを付加する方法等が挙げられる。特に、全自動洗濯機での洗濯におけるすすぎ性がより良好なことから、エチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加してさらにエチレンオキシドを付加する方法(末端が−O−CHCHO−Hとなること)が好ましい。具体的には、下記式(d−3)で表される化合物が好ましい。
55−O−[(EO)/(PO)]−(EO)−H ・・・(d−3)
式(d−3)中、R55は炭素数10〜22の炭化水素基であり、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基である。vはEOの平均繰り返し数を示し、5〜20の数であり、wはPOの平均繰り返し数を示し、0〜4の数であり、yはEOの平均繰り返し数を示し、5〜20の数である。
化合物(d2)において、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド)の付加モル数分布は特に限定されず、化合物(d2)の製造方法等によって制御できる。例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の一般的なアルカリ触媒を用いてアルキレンオキシドを疎水性原料に付加させた際には、比較的広い付加モル数分布となる傾向にある。また、特公平6−15038号公報に記載されたAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いてアルキレンオキシドを疎水性原料に付加させた際には、比較的狭い付加モル数分布となる傾向にある。
化合物(d2)の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・ライオン株式会社製の商品名「レオックスCL−70」(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの混合物)又はSasol社製の商品名Safol23(炭素数12のアルコールと炭素数13のアルコールとの混合物)等のアルコールに対して12モル又は15モル相当のEOを付加した化合物。
・P&G社製の商品名「CO−1214」や「CO−1270」等の天然アルコールに対して9モル、12モル又は15モル相当のEOを付加した化合物。
・炭素数12〜14の第2級アルコールに対して9モル、12モル又は15モル相当のEOを付加した化合物(日本触媒社製の商品名「ソフタノール90」、「ソフタノール120」、「ソフタノール150」)。
(D)成分としては、特に皮脂汚れに対する洗浄力、高濃度領域でゲル化しにくいこと等の点から、化合物(d1)及び化合物(d2)成分からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。この中でも、化合物(d1)と化合物(d2)との組合せ、又は化合物(d1)を用いることがより好ましい。
化合物(d1)としては、上述した中でも、R52がエチレン基であるポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルが好ましく、その中でもR53がメチル基であるポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(以下、「MEE」と記載することがある。)が特に好ましい。これらは高濃度においてもゲル化領域が小さいため、高配合時にゲル化が生じにくい。
また、液体洗剤がポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを含有することにより、水への溶解性が良好となり、高い洗浄力が得られやすいものとなる。また、高濃度の界面活性剤を含有しても粘度の著しい増大(ゲル化)が生じにくく、良好な流動性を有する濃縮型の液体洗剤とすることができる。係る理由は以下のように考えられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル、特にMEEは、水溶液系中で分子同士の配向性が弱く、ミセルが不安定なノニオン界面活性剤であるため、高濃度でゲル化等が生じにくく、1種単独で多量に液体洗剤中に配合することができると推測される。また水への溶解性が向上すると推測される。さらに、高濃度での良好な流動性に寄与していると考えられる。したがって、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルが洗濯機槽内の水中へ投入された場合、洗濯液中のポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの濃度は素早く均一となり、洗浄初期から所定の濃度で被洗物と接することができるため、高い洗浄力が得られると考えられる。
さらに、化合物(d2)としては、上述した中でも、第1級アルコールに酸化エチレンを付加した第1級アルコールエトキシレートが特に好ましい。
[アニオン界面活性剤]
アニオン界面活性剤は、公知のアニオン界面活性剤のなかから適宜選択して用いることができる。
本発明において好ましく用いられるアニオン界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖又は分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
これらのうち、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものが特に好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドを付加したもの(即ち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)が好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のものが好ましく、14〜17のものがより好ましい。なかでも、前記アルキル基が2級アルキル基であるもの(即ち、2級アルカンスルホン酸塩)が特に好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、脂肪酸残基(即ち、R−C(H)−COOで表される基。Rは炭化水素基を表す)の炭素数が10〜20のものが好ましい。
これらの中でも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも1種のアニオン界面活性剤がさらに好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が特に好ましい。
アニオン界面活性剤として、上記以外の他のアニオン界面活性剤を用いてもよい。他のアニオン界面活性剤としては、たとえば、炭素数10〜20の高級脂肪酸又はその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
これらのアニオン界面活性剤は、市販品を用いてもよい。
アニオン界面活性剤として、SO基またはSO基を有するアニオン界面活性剤と、炭素数8〜22の脂肪酸(高級脂肪酸)又はその塩(高級脂肪酸塩)を併用することが好ましい。
高級脂肪酸としては、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の単一脂肪酸の塩、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸などが挙げられる。
これらの高級脂肪酸における塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチルプロパノール塩、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール等のアルカノールアミン塩、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩などが挙げられる。
[カチオン界面活性剤]
カチオン界面活性剤の例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩の陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。
また、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド等の長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミン又はこれらの塩;パルミチン酸ジエタノールアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエタノールアミノプロピルアミド等が挙げられる。
カチオン界面活性剤の分子量は、1000未満であることが好ましい。
[両性界面活性剤]
両性界面活性剤の例としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
(D)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(D)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、15〜79質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましく、30〜55質量%がさらに好ましい。
(D)成分の含有量が上記上限値以下であると、ふんわりとしたボリューム感の付与効果が向上する。
(D)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力及び再汚染防止性を向上しやすくなる。
ノニオン界面活性剤の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、10〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、15〜30質量%がさらに好ましい。
ノニオン界面活性剤の含有量が上記上限値以下であると、使用性が向上する。
ノニオン界面活性剤の含有量が上記下限値以上であると、洗浄力を向上しやすくなり、(C)成分の分散性を向上しやすくなる。
アニオン界面活性剤の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、7〜15質量%がさらに好ましい。
アニオン界面活性剤の含有量が上記上限値以下であると、ボリューム感を付与しやすくなる。
アニオン界面活性剤の含有量が上記下限値以上であると、(A)成分の溶解性を向上しやすくなり、再汚染防止性を向上しやすくなる。
(D)成分がノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤とを含む場合、ノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤で表される質量比は、0.5〜5が好ましく、0.8〜3がより好ましい。
ノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤で表される質量比が上記範囲内であると、洗浄力及び再汚染防止性が向上する。
<任意成分>
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)〜(D)成分以外の他の成分を含有することができ、例えば、(A)成分以外のポリマー、水、有機溶媒、減粘剤及び可溶化剤、金属イオン捕捉剤(キレート剤)、酸化防止剤、防腐剤、洗浄性能向上剤、酵素(プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等)、風合い向上剤、アルカリビルダー(アルカノールアミン等)、ハイドロトロープ剤、蛍光剤、移染防止剤、再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤、着色剤、乳濁化剤、(C)成分以外の香料、(B)成分以外の不溶粒子、天然物等のエキス等が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール及び式R21−(OR22OH[式中、R21は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基であり、R22は炭素数2〜4のアルキレン基であり、mは平均付加モル数を表し1〜5である。]で表されるグリコールエーテル系溶剤、及び式CHOCR23(CH)CHR24CHR25OR26[式中R23〜R25は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、R26は水素原子又はアセチル基である。]で表される溶剤が挙げられる。
炭素数2〜4の1価アルコールとしては、たとえば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
式R21−(OR22OHで表されるグリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
式CHOCR23(CH)CHR24CHR25OR26で表される溶剤としては、3−メトキシメタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシ−3−エチルブタノール、3−メトキシ−3−プロピルブタノール、3−メトキシ−2−メチルブタノール、3−メトキシ−2−エチルブタノール、3−メトキシ−2−プロピルブタノール、3−メトキシ−1−メチルブタノール、3−メトキシ−1−エチルブタノール、3−メトキシ−1−プロピルブタノール、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシ−3−エチルブチルアセテート、3−メトキシ−3−プロピルブチルアセテート、3−メトキシ−2−メチルブチルアセテート、3−メトキシ−2−エチルブチルアセテート、3−メトキシ−2−プロピルブチルアセテート、3−メトキシ−1−メチルブチルアセテート、3−メトキシ−1−エチルブチルアセテート、3−メトキシ−1−プロピルブチルアセテート等が挙げられる。
これらのなかでも、液体洗剤としての流動性、臭気の穏やかな点や原料の入手のしやすさから、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチルブタノールが好ましい。
有機溶剤の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、3〜25質量%が好ましい。なお、これらの有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量約200のポリエチレングリコール、平均分子量約400のポリエチレングリコール、平均分子量約1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール類、さらに、パラトルエンスルホン酸、安息香酸塩(防腐剤としての効果もある)、並びに尿素等の減粘剤及び可溶化剤を、それぞれ0.01〜15質量%含むことができる。
マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等の金属イオン疎捕捉剤を、例えば0.1〜20質量%含むことができる。
ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を、例えば0.01〜2質量%含むことができる。
ダウ・ケミカル社製「ケーソンCG」(商品名)、ソー・ジャパン社製「アクチサイドMBS」(商品名)、クラリアント社製「NIPACIDE BIT 20」(商品名)等の防腐剤を、例えば0.001〜1質量%含むことができる。
さらに、洗浄性能向上剤、例えば酵素(プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等)、風合い向上剤、アルカノールアミン等のアルカリビルダー、ハイドロトロープ剤、蛍光剤、移染防止剤、再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤などが挙げられる。これらの洗浄性能向上剤・安定性向上剤は、いずれか1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、例えばアシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料などが挙げられる。これらの着色剤は、いずれか1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。着色剤の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.00005〜0.005質量%が好ましい。
乳濁化剤としては、例えばポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションなどが挙げられ、具体的にはポリスチレンエマルション(サイデン化学社製(商品名)サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)などが挙げられる。これらの乳濁化剤は、いずれか1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。乳濁化剤の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.01〜0.5質量%が好ましい。
香料としては、例えば特開2002−146399号公報に記載の香料成分などが挙げられる。これらの香料は、いずれか1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
香料の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.01〜2質量%が好ましい。
衣料用液体洗浄剤組成物を構成する成分の合計量は100質量%を超えない。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、25℃におけるpHが4〜10であることが好ましく、pHが4〜9であることがより好ましく、pHが4〜8であることがさらに好ましい。pHがこのような範囲にあると、衣料用液体洗浄剤組成物の保存安定性を良好に維持できる。
衣料用液体洗浄剤組成物のpHは、必要に応じて、pH調整剤を添加することにより調整できる。pH調整剤としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて随意であるが、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等が好ましい。
なお、本明細書において、pHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)により測定される値を意味する。
≪衣料用液体洗浄剤組成物の製造方法≫
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、従来公知の洗剤の製造方法により製造される。
例えば、溶媒である水に、(A)〜(D)成分及び必要に応じて任意成分を加え、これを混合する方法が挙げられる。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物の使用方法としては、例えば、衣料用液体洗浄剤組成物を洗濯時に洗濯物と一緒に水に投入する方法、泥汚れや皮脂汚れに衣料用液体洗浄剤組成物を直接塗布する方法、衣料用液体洗浄剤組成物を予め水に溶かして衣類を浸漬する方法等が挙げられる。また、衣料用液体洗浄剤組成物を洗濯物に塗布後、適宜放置し、その後、通常の洗濯液を用いて通常の洗濯を行う方法も好ましい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
表中の配合量の単位は「質量%」であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
表中の空欄はその成分が配合されていないことを示す。
「バランス」は、各例の組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように水が配合されていることを意味する。
以下に、表中に示した成分について説明する。
<(A)成分>
・(a−1)ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー(Lubrizol社製の商品名「Noverite300」)、式(a−5)中、R=メチル基、R=メチル基、X=Clの化合物、及びアクリルアミドから誘導されるコポリマー、質量平均分子量:160万。
・(a−2)ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミドコポリマー(Lubrizol社製の商品名「Noverite302」)、式(a−5)中、R=メチル基、R=メチル基、X=Clの化合物、及びアクリルアミドから誘導されるコポリマー、質量平均分子量:12万。
・(a−3)ジメチルジアリルアンモニウムポリマー(Lubrizol社製の商品名「マーコート100」)、式(a−5)中、R=メチル基、R=メチル基、X=Clの化合物から誘導されるホモポリマー、質量平均分子量:15万。
・(a−4)ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸コポリマー(Lubrizol社製の商品名「マーコート280」)、式(a−5)中、R=メチル基、R=メチル基、X=Clの化合物、及びアクリル酸から誘導されるコポリマー、質量平均分子量:45万。
・(a−5)ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸コポリマー(Lubrizol社製の商品名「マーコート3330PR」)、式(a−5)中、R=メチル基、R=メチル基、X=Clの化合物、アクリルアミド、及びアクリル酸から誘導されるコポリマー、質量平均分子量:150万。
・(a−6)カチオン化セルロース(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製 「レオガードLP」)、質量平均分子量:40万。
・(a−7)C1735CONH(CHN(CH ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミン(合成品)、質量平均分子量:368。
<(B)成分>
・(b−1)合成ベントナイト(商品名「Laponite RD」BYK Additives & Instruments社製)。
・(b−2)天然ベントナイト(商品名「Optigel CG」BYK Additives & Instruments社製)。
・(b−3)天然ベントナイト(商品名「Optigel CMO」BYK Additives & Instruments社製)。
<(C)成分>
・(c−1)カプセル化香料x:
カプセル化香料xは、以下の香料成分を含む。
リモネン(0.10質量%)、エチル2−メチルブチレート(3.50質量%)、トリプラール(5.00質量%)、ガルバスコン(0.20質量%)、スピロガルバノン(0.60質量%)、シクラセット(9.00質量%)、シクラブート(0.10質量%)、トリシクロデセニルアセテート(19.00質量%)、ベルドックス(18.00質量%)、ネクタリル(15.00質量%)、テトラヒドロリナロール(14.00質量%)、α−イオノン(0.50質量%)、β−イオノン(14.00質量%)、ジプロピレングリコール(1.00質量%)。
・(c−2)カプセル化香料y:
カプセル化香料yは、以下の香料成分を含む。
トリプラール(2.40質量%)、シクラセット(10.00質量%)、トリシクロデセニルプロピオネート(10.00質量%)、イソプロピルメチル−2−ブチレート(1.70質量%)、マンザネート(2.00質量%)、ベルドックス(14.00質量%)、アリルアミルグリコレート(2.00質量%)、アリルシクロヘキシルプロピオネート(5.00質量%)、γ−デカラクトン(0.50質量%)、γ−ウンデカラクトン(7.50質量%)、α−ダマスコン(0.25質量%)、ネロール(0.20質量%)、ヘディオン(5.00質量%)、リリアール(12.00質量%)、リナロール(23.00質量%)、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート(0.20質量%)、バニリン(0.10質量%)、ライムオキサイド(2.40質量%)、ジプロピレングリコール(1.75質量%)。
・(c−3)カプセル化香料z:
カプセル化香料zは、以下の香料成分を含む。
ヘキシルサリチレート(3.71質量%)、エチル2−メチルブチレート(3.30質量%)、ジヒドロオイゲノール(8.49質量%)、カンファー(1.46質量%)、1,4−シネオール(1.28質量%)、ベルドックス(9.04質量%)、γ−ノナラクトン(0.84質量%)、γ−デカラクトン(2.58質量%)、γ−ウンデカラクトン(3.70質量%)、アリルカプロエート(7.47質量%)、ヘキシルアセテート(1.27質量%)、ゲラニルプロピオネート(6.38質量%)、プレニルアセテート(1.52質量%)、アリルフェノキシアセテート(0.60質量%)、ジメチルベンジルカルビニルブチレート(0.95質量%)、ネクタリル(8.54質量)、ゲラニルアセテート(11.13質量%)、リリアール(11.51質量%)、シクラメンアルデヒド(3.05質量%)、アミルサリチレート(1.39質量%)、イソイースーパー(1.08質量%)、γ−メチルイオノン(1.34質量%)、アンブロキサン(0.13質量%)、ハバノライド(0.37質量%)、アニスアルデヒド(8.46質量%)、ライムオキサイド(0.41質量%)。
<(D)成分>
・(d−1−1)ポリオキシエチレンアルキルエーテル(天然アルコールCO−1270(商品名、プロクターアンドギャンブル社製)に対して、平均15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの)。
・(d−1−2)C1123CO(OCHCHOCHとC1327CO(OCHCHOCHとの質量比で8/2の混合物、m=平均15、ナロー率33質量%、合成品。
・(d−1−3):天然アルコール(質量比で炭素数12アルコール/炭素数14アルコール=7/3)に、8モル相当のエチレンオキシド、2モル相当のプロピレンオキシド、8モル相当のエチレンオキシドを、この順にブロック付加したもの。上記記一般式(d−3)中、R55=炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、v=8、w=2、y=8。
・(d−1−4):炭素数12の第2級アルコール及び炭素数14の第2級アルコールに、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。商品名「ソフタノール70」、株式会社日本触媒製。上記一般式(d−2)中、R54=炭素数12の第2級アルキル基及び炭素数14の第2級のアルキル基、s=7、t=0。
・(d−2−1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(商品名、ライポンLH−200、平均分子量322、ライオン株式会社製)。
・(d−2−2)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES)。下記一般式(d−2−2)で表され、R51=炭素数12〜14の直鎖アルキル基、j=1.0、M=ナトリウムである化合物。ただし、式(d−2−2)中、EOは、エチレンオキシ基であり、jはEOの平均繰り返し数である。(d−2−2)は下記のように合成された。
51−O−(EO)−SOM ・・・(d−2−2)
≪合成例≫d−2−2の合成
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてP&G社製の商品名CO1270アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム0.8gとを仕込み、該オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。
ガスクロマトグラフ質量分析計:Hewlett−Packard社製のGC−5890と、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)と、カラム:Ultra−1(HP社製、L25m×φ0.2mm×T0.11μm)とを用いて分析した結果、得られたアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物は、得られたアルコールエトキシレートの総質量に対して43質量%であった。
次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、攪拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりd−2−2を得た。
・(d−2−3):ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルのモノエタノールアミン塩(AEPS)。
・(d−2−4)ヤシ油脂肪酸。商品名「椰子脂肪酸」、日油株式会社。
<任意成分>
(共通成分x)
・ポリエチレングリコール(PEG#1000−60L、ライオン株式会社製):2質量%。
・安息香酸ナトリウム:東亜合成製、商品名「安息香酸ナトリウム」:0.5質量%。
・エタノール(商品名、特定アルコール95度合成、日本アルコール販売株式会社):2質量%。
・3−メトキシー3−メチルブタノール:(株)クラレ、商品名「ソルフィット」:5質量%。
・クエン酸:一方社油脂工業(株)製、商品名「液体クエン酸」:0.5質量%。
・モノエタノールアミン:(株)日本触媒製:pH7とする量。
(共通成分y)
・アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、アクリル酸、及びメタクリル酸からなる群から選択される2種類以上のモノマーからなる架橋型共重合体(Lubrizol社製の商品名、Carbopol Aqua30):1.5質量%。
・ジブチルヒドロキシトルエン:住友化学(株)製、商品名「SUMILZER BHT−R」:0.05質量%。
・ソイルリリースポリマー:商品名「TexCare SRN−170C」クラリアントジャパン社製、質量平均分子量=2000〜3000 :0.5質量%。
・香料:特開2009−108248記載の香料成分a:0.8質量%。
・黄色203号(色素):癸巳化成(株)製、商品名「黄色203号」:0.00015質量%。
・赤色106号(色素):癸巳化成(株)製、商品名「赤色106号」:0.00020質量%。
<実施例1〜19、比較例1〜4>
500mLのビーカーに、「任意成分x」を(D)成分の水溶液に投入し溶解させた後、表1〜3に示す種類および配合量の(A)成分を投入して攪拌した。次いで、「任意成分y」を順番に投入し、次いで、表1〜3に示す種類および配合量の(B)成分および(C)成分を残りの水で希釈させたものを投入し、10分攪拌することで衣料用液体洗浄剤組成物を得た。
得られた衣料用液体洗浄剤組成物について、以下の評価を行った。その結果を表1〜3に併記する。
<タオルの厚み評価>
全自動電気洗濯機(Haier社製JW−Z23A)に、各衣料用液体洗浄剤組成物6.25gを投入し、そこへ市販の綿タオル(東進株式会社製)を3枚入れ、15℃の3°DH硬水を使用し、標準コース、水量15Lにて洗濯処理した。洗濯後の綿タオルを、直射日光の当たらない場所で一晩吊り干しして乾燥させた。
上記の乾燥後の綿タオルについて、25℃、湿度65%RHの恒温恒湿室に1日放置して、これを試験布とした。試験布を4つ折りに畳み、3枚分重ねた際の厚みについて、デジマティックハイトゲージ(ミツトヨ製)を用いて5箇所測定し、平均厚みを算出した。
対照布と比較して、以下の式により厚みの差を算出した。
厚みの差=(対照布の厚み)−(各試験布の平均厚み)
厚みの差に基づいて、下記の基準で評価し、A、Bを合格とした。なお、対照布は標準洗剤(ラウリルアルコール1モルあたり平均15モルのエチレンオキシドを付加させたアルコールエトキシレートの20質量%水溶液)を用いて、上記と同じ洗濯操作で処理した綿タオルを用いた。
≪評価基準≫
A:対照布と比較して、10mm以上厚い。
B:対照布と比較して、5mm以上10mm未満厚い。
C:対照布と比較して、0mm以上5mm未満厚い。
D:対照布より薄い。
<タオルの香り強度評価>
全自動電気洗濯機(Haier社製JW−Z23A)に、各衣料用液体洗浄剤組成物6.25gを投入し、そこへ市販の綿タオル(東進株式会社製)を10枚入れ、15℃の3°DH硬水を使用し、標準コース、水量15Lにて洗濯処理した。洗濯後の綿タオルを、直射日光の当たらない場所で一晩吊り干しして乾燥させた。
上記の乾燥後の綿タオルについて、25℃、湿度65%RHの恒温恒湿室に1日放置して、これを試験布とした。
1枚の綿タオルで評価者が顔を拭く動作をした際の香りの強度を以下の評価基準で評価した。
10名の専門パネラーが評価し、平均3点以上を合格とした。
≪評価基準≫
5点:香りを非常に強く感じる。
4点:香りをかなり強く感じる。
3点:香りをやや感じる。
2点:香りをほとんど感じない。
1点:香りを全く感じない。
<液安定性の評価>
衣料用液体洗浄剤組成物を円筒ガラス瓶に取り、蓋を閉めて5℃の恒温槽中または50℃の恒温槽で1か月間保存した。保存後の外観を目視で観察し、下記基準に基づいて液安定性を評価した。A、A’のものを合格とした。
≪評価基準≫
A:均一で分離がない。
A’:均一だがやや濁りが見られる。
B:分離・浮遊が見られる。
Figure 2019163373
Figure 2019163373
Figure 2019163373
表1〜3に示す結果から、本発明を適用した実施例1〜19は、被洗物に長時間持続する香気と、ふんわりとしたボリュームのある触感とを付与することができ、液安定性に優れていた。
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含まない比較例1は、ボリューム感、香気の持続性、及び液安定性において劣っていた。
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含まない比較例2は、ボリューム感、香気の持続性、及び液安定性において劣っていた。
(C)成分を含まない比較例3は、香気の持続性において劣っていた。
(B)成分を含まない比較例4は、ボリューム感、香気の持続性において劣っていた。

Claims (3)

  1. (A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を含有し、
    前記(A)成分がカチオン性ポリマーであり、
    前記(B)成分が粘土鉱物であり、
    前記(C)成分がカプセル化香料であり、
    前記(D)成分が界面活性剤である、衣料用液体洗浄剤組成物。
  2. 前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比が、0.5〜500である、請求項1に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
  3. 前記(D)成分が、ノニオン界面活性剤、及びアニオン界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載の衣料用液体洗浄剤組成物。
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