JP2019162732A - 被覆金属板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、各種の塗料、インクに対して汎用性の高い被覆層を有する被覆金属板を提供することを目的とする。【解決手段】 少なくとも、金属板、第1被覆層、第2被覆層及び活性エネルギー線硬化樹脂層をこの順で有する被覆金属板であって、該第2被覆層が、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂および多官能ポリエステルアクリレートの反応物を含有するものである、被覆金属板。【選択図】なし

Description

本発明は、被覆金属板に関し、特に印刷特性に優れた被覆金属板に関する。
従来より、電化製品等の外板に使用される金属板には意匠性を高めるため各種塗布がされており、金属板には塗布が容易になるような被覆加工が施されてきた。このような被覆加工は、基板が金属であることから、金属との接着性と、塗料、インクとの接着性の両方を満足させる性質が必要とされ、複数の性質の違う層を積層させる方法が採用されてきた(特許文献1〜3)。
特開平11−138690号公報 特開2000−178758号公報 特開2015−136890号公報
一方、意匠性を高めるための塗料、インクには多くの種類があり、そのすべてに対応可能な被覆加工が求められているが、基板が金属板である場合は塗料、各種インクとの接着性を確保できる被覆加工を実現することはできていなかった。特にポリエステル樹脂−メラミン樹脂系塗膜では、メラミン樹脂の表面濃化に起因する紫外線硬化インクの付着性不足が課題となっていた。
本発明は、各種の塗料、インクに対して汎用性の高い被覆層を有する被覆金属板を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記によって達成された。
1.少なくとも、金属板、第1被覆層、第2被覆層及び活性エネルギー線硬化樹脂層をこの順で有する被覆金属板であって、該第2被覆層が、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂および多官能アクリレートの反応物を含有するものである、被覆金属板。
2.前記多官能アクリレートが、下記式(1)で表される化合物である前記1記載の被覆金属板。
式(1)
Figure 2019162732
式(1)中、Aはアクリロイル基、Xは多価アルコール残基、Yは、多価塩基酸残基、(X−Y)nは、ポリエステル鎖を表す。nは整数を表す。
3.前記第2被覆層が、非アミン系ブロック酸触媒の反応物である前記1または2記載の被覆金属板。
4.前記非アミン系ブロック酸触媒が、アルキルナフタレンスルホン酸系触媒である前記3記載の被覆金属板。
5.前記第1被覆層が、ポリエステル樹脂とメラミン樹脂の反応物を含んでいる、前記1〜4いずれかに記載の被覆金属板。
本発明によれば、各種の塗料、インクに対して汎用性の高い被覆層を有する被覆金属板を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に述べる。
<被覆金属板>
本発明の被覆金属板は、少なくとも、金属板、第1被覆層、第2被覆層及び活性エネルギー線硬化樹脂層をこの順で有する被覆金属板であって、該第2被覆層が、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂および多官能アクリレートの反応物を含有するものであることを特徴とする。
<第2被覆層>
本発明の第2被覆層はポリエステル樹脂、メラミン樹脂および多官能アクリレートの反応物を含有し、ポリエステル樹脂を主たる成分とする。主たる成分とは、第2被覆層の層としての連続性を構成する成分のうち、最も含有される質量%が多い成分をいい、好ましくは、30〜90質量%である。
≪ポリエステル樹脂≫
本発明のポリエステル樹脂としては、塗料業界において通常使用されるバインダー樹脂であるポリエステル樹脂を使用することができる。
本発明のポリエステル樹脂は、通常の公知の方法によって重合することができる。数平均分子量としては1000〜100000であり、好ましくは2000〜50000である。水酸基価1〜100mgKOH/gのものを適宜選択することができ、5〜80mgKOH/gが好ましい。ガラス転移温度(Tg)は1〜60℃であり、好ましくは10〜50℃である。
このようなポリエステル樹脂の市販品としては、例えば、アルマテックスシリーズ(三井化学社製)が挙げられる。
なお、数平均分子量は、標準ポリスチレン換算によるGPCによって測定した。またTgは、DSCによって測定した。
≪メラミン樹脂≫
本発明の第2被覆層は、硬化剤としてメラミン樹脂を含有させて硬化させたものであり架橋剤としての機能を有する。メラミン樹脂としては、メチロール化メラミンのメチロール基の一部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等で、エーテル化した部分エーテル化又はフルエーテル化メラミン樹脂があげられる。これらは、メチロール基がすべてエーテル化されているか、又は部分的にエーテル化され、メチロール基やイミノ基が残存しているものも使用できる。
メチルエーテル化メラミン、エチルエーテル化メラミン、ブチルエーテル化メラミン等のアルキルエーテル化メラミンを挙げることができ、1種のみ、又は必要に応じて2種以上を併用してもよい。なかでもメチロール基の少なくとも一部をアルキルエーテル化したメチルエーテル化メラミン樹脂が好適である。
このようなメラミン樹脂の市販品としては、例えば、サイメルシリーズ(日本サイテックインダストリーズ社製)、ユーバン20SE60(三井化学社製、商品名、平均重合度3を越える)等が挙げられる。この中でも親水基(例えば、イミノ基)が残存しないメラミン樹脂が耐食性向上に好ましく、例えば、メチルエーテル化メラミン樹脂の併用が耐食性の向上のためによい。
メラミン樹脂は、ポリエステル樹脂100質量部に対し、1〜99質量部含有させることが好ましく、さらには5〜50質量部含有させることが好ましい。
≪多官能アクリレート≫
本発明の多官能アクリレートとしては、2官能以上8官能以下のポリアクリレートを好ましく使用することができ、下記一般式(1)で表されるポリエステルアクリレートが特に好ましい。
式(1)
Figure 2019162732
式(1)中、Aはアクリロイル基、Xは多価アルコール残基、Yは、多価塩基酸残基、(X−Y)nは、ポリエステル鎖を表す。nは整数を表す。
市販品としては、アロニックスM−6100、同M-6250、同M-6500、同M-7100、同M−7300K、同M−8030、同M−8060、同M−8100、同M−8530、同M−8560、同M−9050(東亜合成化学社製)、EBECRYL810、同811、同846、同852、同870、同885(ダイセル・オルネクス株式会社製)等を好ましく挙げることができる。
本発明の反応物とは、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂および多官能アクリレートを、酸触媒等を使用して重合、反応させたものをいう。
本発明の多官能アクリレートは、被覆剤全体に対して0.1〜10質量%含有することができ、1〜5質量%であることが好ましい。
≪硬化触媒≫
本発明の硬化触媒としては、通常硬化触媒として使用できるものを使用することができるが、非アミン系ブロック酸触媒であることが好ましい。非アミン系ブロック酸触媒とは、酸部分がアミンによってはブロックされていない酸触媒であって、例えば、スルホン酸のような酸部分がエポキシエステル等の非イオン性基に誘導されて保護されているものをいう。
非アミン系ブロック酸触媒のなかでも、アルキルナフタレンスルホン酸系の構造を有する化合物であることが好ましく、例えば、ジノニルナフタレンスルホン酸構造、ジノニルナフタレンジスルホン酸構造を有する化合物が好ましい。
市販品としては、NACURE1419、同5414(キングインダストリーズ社製)が挙げられる。
その他公知の硬化剤として、エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート、ポリウレタン樹脂を含有させてもよい。
本発明の硬化触媒は、被覆剤全体に対して0.1〜5質量%含有することができ、0.5〜3質量%であることが好ましい。
≪顔料粒子≫
本発明のポリエステル樹脂には顔料粒子を含有させて第2被覆層を形成させてもよい。顔料粒子としては、無機顔料粒子、有機顔料粒子が挙げられる。
無機顔料粒子としては、酸化チタン、亜鉛華などの白色顔料粒子他、青色顔料粒子、緑色顔料粒子、赤色顔料粒子、黄色顔料粒子、黒色顔料粒子、アルミニウム粉、銅粉、ニッケル粉、酸化チタン被覆マイカ粉、酸化鉄被覆マイカ粉及び光輝性グラファイト;などの光輝性顔料粒子、クレー、タルク、バリタ、炭酸カルシウム、シリカ;等の体質顔料粒子、等が挙げられる。また、赤外線を反射するようなFe−Cr系無機複合酸化物顔料粒子、Bi−Mn系無機複合酸化物顔料粒子を使用することもできる。
有機顔料粒子としては、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Red 254、C.I.Pigment Red 282、C.I.Pigment Violet 19、C.I.Pigment Yellow 120、C.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 155、C.I.Pigment Yellow 213、C.I.Pigment Green 7、C.I.Pigment Green 36、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリプロピレン、及びナイロン11やナイロン12などのポリアミド等が好適に挙げられる。
顔料粒子は、第2被覆層の層としての連続性を構成する成分ではないが、ポリエステル樹脂100質量部に対し、1〜200質量部、好ましくは、1〜150質量部含有させることが好ましい。
≪その他の添加剤≫
本発明の第2被覆層には、紫外線吸収剤、耐光剤、帯電防止剤等添加剤を含有させてもよい。
≪形成方法≫
本発明の第2被覆層は、ポリエステル樹脂やメラミン樹脂を溶解した塗布液を塗布乾燥することによって形成することができる。
≪溶剤≫
第2被覆層を形成するための塗布液に使用される溶剤としては、ポリエステル樹脂等の成分を溶解ないし分散できるものが使用でき、具体的には、例えば、トルエン、キシレン、高沸点石油系炭化水素などの炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤、水などを挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
塗布液は、固形分濃度として20〜90質量%であり、好ましくは30〜80質量%である。
≪塗布乾燥≫
塗布乾燥は、カーテン塗布法やロール塗布法などにより乾燥硬化後の膜厚が5〜30μm、好ましくは10〜20μmとなるように塗布し、160〜250℃で15〜180秒の範囲内、180〜230℃で20〜120秒の範囲内の条件で、焼付け乾燥することにより乾燥塗膜を形成する。
<金属板>
本発明の金属板は、鉄、アルミニウム合金、真鍮、銅板、ステンレス鋼板、ブリキ板、亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛(Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Feなどの)めっき鋼板、アルミニウムメッキ鋼板などの金属板、そしてこれらの金属板表面に燐酸塩処理、クロメート処理などの化成処理を施した表面処理金属板等が挙げられる。
上記の金属板の他に、片面又は両面の最外層に金属板を有する「金属板/接着剤層/樹脂層/接着剤層/金属板」の層構成を有する樹脂複合金属板を用いることができる。
また、樹脂等の非金属物質の表面を蒸着等によって金属層で被覆した樹脂複合金属板も金属板として用いることができ、さらに樹脂を溶融して前記樹脂複合金属板で挟むことによって「金属板/樹脂層/金属板」としたものも金属板として用いることができる。
金属板の厚みは、使用箇所によって任意に選択することができるが、10〜1500μmであることが好ましい。
<第1被覆層>
本発明の第1被覆層は、第2被覆層の下引層としての役割を有する。金属板表面に使用することができる公知の素材を下引層に使用することができるが、ポリエステル樹脂とメラミン樹脂の硬化反応物であることが好ましい。またブロックイソシアネートとポリアミンとを含有する尿素樹脂、尿素樹脂とメラミン樹脂で架橋されているポリエステル樹脂であってもよい。形成方法は、第2被覆層の形成と同様にすることができる。
乾燥膜厚は1〜50μmであることが好ましい。
≪化成処理≫
金属板は、第1被覆層の塗布前処理として、化成処理されることも好ましい。化成処理は公知の化成処理によってなされる。化成処理するための処理剤(化成処理剤)としては、例えばクロメート処理剤、3価クロム酸処理剤、樹脂を含有するクロメート処理剤、樹脂を含有する3価クロム酸処理剤などのクロムを含有する処理剤、リン酸亜鉛処理剤、リン酸鉄処理剤などのリン酸系の処理剤;コバルト、ニッケル、タングステン、ジルコニウムなどの金属酸化物を単独であるいは複合して含有する酸化物処理剤、腐食を防止するインヒビター成分を含有する処理剤、バインダー成分(有機、無機、有機―無機複合など)とインヒビター成分を複合した処理剤、インヒビター成分と金属酸化物とを複合した処理剤、バインダー成分とシリカやチタニア、ジルコニアなどのゾルとを複合した処理剤、前記例示した処理剤の成分をさらに複合した処理剤などが、挙げられる。
化成処理は、化成処理剤を用い、ロールコート法、スプレー法、浸漬法、電解処理法、エアーナイフ法など公知の方法ですることができる。化成処理後、必要に応じ、更に常温放置や、熱風炉や電気炉、誘導加熱炉などの加熱装置による乾燥や焼付けなどの工程が追加されてもよい。赤外線類、紫外線類や電子線類などエネルギー線による硬化方法を適用してもよい。
<活性エネルギー線硬化樹脂層>
本発明は、第2被覆層の上に、さらに、活性エネルギー線硬化樹脂層を有する。活性エネルギー線硬化樹脂層は、紫外線等の活性エネルギー線の照射により硬化する。活性エネルギー線の光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LED等を使用することが好ましい。活性エネルギー線硬化樹脂層は、層として均一である必要はなく、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物によって形成されたレンズ状等の成形物で存在していてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化樹脂層は、公知の素材を使用することができるが、(A)分子内に(メタ)アクリロイル基又はビニルエーテル基を有する化合物と、(B)光重合開始剤とを有する組成物の硬化物であることが好ましい。これらの素材としては、特開2015−67765号公報明細書段落(0012)〜(0023)に記載の化合物、特開2016−194063号公報明細書段落(0013)〜(0042)に記載の化合物を挙げることができる。
光重合開始剤としては、公知のベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物等が挙げられるが、硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光重合開始剤の吸収波長ができるだけ重複するものが好ましい。
染料や顔料等の着色剤を更に含有してもよい。活性エネルギー線照射後に印刷層を加熱するため、顔料であることが好ましく、C.I.Pigment Black 7、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4、C.I.Pigment Blue 28、C.I.Pigment Red 101、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Red 254、C.I.Pigment Red 282、C.I.Pigment Violet 19、C.I.Pigment White 6、C.I.Pigment White 7、C.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Yellow 120、C.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 155、C.I.Pigment Yellow 213、C.I.Pigment Green 7、C.I.Pigment Green 36等が好適に挙げられる。その他一般的な添加剤、溶剤を使用することができる。
本発明のインク組成物中において、着色剤の含有量は、例えば0.1〜20質量%であり、着色性、インクの吐出安定性等の観点から、好ましくは1〜17質量%である。また、着色剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂層を形成するインクジェットインク組成物の他の好適例においては、40℃におけるインク粘度が5mPa・s以上で且つ20mPa・s未満である。
本発明の活性エネルギー線硬化樹脂層の製造方法は、インクジェットプリンタによって、上記の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を第2被覆層に吐出させる工程と、そこに活性エネルギー線を照射し、次いで、必要であれば加熱して、層を硬化させる工程とを含む。吐出量は、被覆金属板に要求される性能によって、適宜決められ、複数回の吐出工程であってもよい。
その他、本発明の被覆金属板は、活性エネルギー線硬化樹脂層の上に、保護層を設けても良く、また反対面に層を設けても良い。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものとする。
<第2被覆層を形成する第2被覆剤の調製>
≪材料≫
材料としては、下記を使用した。
主剤樹脂としてのポリエステル樹脂としては、三井化学社製高分子ポリエステル(アルマテックスHMP15、固形分50%)あるいはレギュラーポリエステル(アルマテックスP645、固形分60%)を使用した。
架橋剤としては、メラミン樹脂として日本サイテックインダストリーズ社製メチルエーテル化メラミン(サイメル303、固形分100%)あるいは三井化学社製n-ブチルエーテル化メラミン樹脂(ユーバン20SE60、固形分60%)、比較としてブロックイソシアネート(タケネートB−842N、固形分70%)を使用した。
多官能アクリレートとして、第2被覆剤全体の0.1〜10%となる東亜合成社製2官能ポリプロピレングリコールジアクリレート(アロニックスM−220)、あるいは多官能ポリエステルアクリレート(アロニックスM−7100)、比較として単官能フェノールEO変性アクリレート(アロニックスM−101A)を使用した。
酸触媒として、第2被覆剤全体の1%となるキングインダストリーズ社製非アミンブロック型アルキルナフタレンスルホン酸系触媒(NACURE1419)あるいは非アミンブロック型アルキルベンゼンスルホン酸系触媒(NACURE5414)、アミンブロック型アルキルナフタレンスルホン酸系触媒(NACURE3525)を添加した。
顔料(Ti含有酸化物)としては、石原産業社製酸化チタン(R−930、一次粒径:250 nm)を用いた。
≪製造方法≫
ポリエステル樹脂とメラミン樹脂(架橋剤)、およびTi含有酸化物を以下の手順に従い混合し、表1に示す組成の第2被覆剤を調製した。
ポリエステル樹脂の一部を仕込み、顔料(Ti含有酸化物)とシクロヘキサノンを添加し、分散機に入れて均一に分散させ、顔料の粒子径が20μm以下になったことを粒ゲージで確認した。
次いで、ポリエステル樹脂の残部とメラミン樹脂を追加して分散させ、分散体を得た。
ポリエステル樹脂とメラミン樹脂の割合が固形分比にて8:2且つ第2被覆剤樹脂固形分(主剤樹脂および架橋剤)と顔料分が1:1となるように調整した。
比較としてメラミン樹脂の代わりにブロックイソシアネート架橋剤を選択する場合、(ブロックイソシアネート架橋剤のイソシアネート基数)/(ポリエステル樹脂の水酸基数)が0.8且つ被覆剤樹脂固形分と顔料分が1:1となるように調製を行った。
さらに被覆剤の成膜性を向上させるため、得られた分散体に第2被覆剤全体の0.3%となる消泡剤(共栄社化学社製ポリフロー90)を添加し、シクロヘキサノンを添加して固形分を54%に調整した。
種々の配合組成は表1の通りである。なお、表1中のP3は大日本塗料社製アクリルメラミン樹脂系塗料(NEWアクローゼ)に多官能ポリエステルアクリレート(アロニックスM−7100)を添加して調製した。
Figure 2019162732
<試験板の作製>
板厚:0.3mmの溶融亜鉛めっき鋼板を幅:200mm、長さ:300mmの大きさに切り出し、供試材とした。鋼板を常法に従ってアルカリ脱脂した後、水洗および乾燥を行った。化成処理を施した供試材表面に第1被覆層形成用として大日本塗料社製ポリエステル樹脂系プライマー(Vニット#156プライマー)あるいはエポキシ樹脂系プライマー(Vニット#120プライマー)を乾燥膜厚が5μmとなるようバーコーターにて塗布し、その後、板の到達温度が60秒で210℃となるように加熱して第1被覆層を形成した。
上記第1被覆層の表面に表1に示す各種被覆剤を乾燥膜厚が15μmとなるようバーコーターで塗布し、板の到達温度が60秒で232℃となるように加熱して第2被覆層を形成した。種々の試験板を表2に示す。なお、全ての実施例および比較例において同様の金属板を使用しており、F14では第1被覆層を形成せず、第2被覆剤を金属板に直接塗布している。
Figure 2019162732
第2被覆層の上には表3に示すインク2を活性エネルギー線硬化型インクジェットインクとして吐出し、活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化樹脂層を得た。
さらに、活性エネルギー線硬化樹脂層の保護層として、ポリエステル樹脂(アルマテックスHMP−15)とメラミン樹脂(サイメル303)を固形分比にて8:2の割合で混合した被覆剤をバーコーターにて塗布し、板の到達温度が60秒で232℃となるように加熱して乾燥膜厚15μmのクリヤー保護層を有する試験板を作製した。
<評価試験>
作製した塗装板について、以下の通り評価試験を実施した。
≪付着性≫
JISK5600−5−6に準拠して評価を実施した。
50mm×70mmの大きさにカットした試験板を23℃55%RHの雰囲気で1時間保持した後、速やかに試験板表面に格子間隔を1mmとした10×10マスのクロスカットを実施し、テープ剥離後の剥離面積を目視にて観察した。評価基準は以下の通りとし、2以下を合格とした。
0:剥離面積がクロスカット部分の0%
1:剥離面積がクロスカット部分の1%を超えるが5%を上回ることはない
2:剥離面積がクロスカット部分の5%を超えるが15%を上回ることはない
3:剥離面積がクロスカット部分の15%を超えるが35%を上回ることはない
4:剥離面積がクロスカット部分の35%を超えるが65%を上回ることはない
5:剥離面積がクロスカット部分の65%を超える
≪加工性≫
50mm×70mmの大きさにカットした試験板を23℃55%RHの雰囲気で1時間保持した後、速やかに表面(第2被覆層形成面)を外側にして万力で軽く折り曲げ、その曲げ部に同じ試験板を挟まない0T曲げ試験後の折り曲げ表面におけるクラックの有無を目視もしくは10倍のルーペで観察した。評価基準は以下の通りとし、1以下を合格とした。
0:10倍ルーペ観察にて全くクラックなし
1:10倍ルーペ観察にて微小なクラックあり(目視では観察されないレベル)
2:目視にてクラックあり
3:目視にて著しいクラックあり
≪インク汎用性≫
下記表(質量部)の各インクをそれぞれインクジェットプリンタにて吐出し、着弾したインクにメタルハライドランプで活性エネルギー線を照射して、平均膜厚10μmの活性エネルギー線硬化樹脂層を得た。
第1被覆層と、第2被覆層と、表3に示すインク1からインク3それぞれのインクから得られた活性エネルギー線硬化樹脂層と、クリヤー保護層を有する試験板3種類を作製し、前記≪付着性≫に記載した試験を実施し、下記の基準で評価した。
○:3種類の試験板全てで付着性の評価基準が2以下
×:上記以外
下記インクは、下記の性質を有するものである。
インク1
架橋成分が少なく、硬化膜は柔らかめ。内部応力が小さく、付着しやすい。
インク2
インク1とインク3の中間の性質。
インク3
架橋成分が多く、硬化膜は硬め。内部応力が大きく、付着しにくい。
Figure 2019162732
<原料の概要>
・2−フェノキシエチルアクリレート(共栄社化学社製 単官能アクリレートモノマー)
・ジプロピレングリコールジアクリレート(ダイセル・オルネクス社製 2官能アクリレートモノマー)
・トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学社製 3官能アクリレートモノマー)
・BYK−UV3500(ビックケミー・ジャパン社製 表面調整剤)
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド(BASF社製光重合開始剤 IRGACURE TPO)
Figure 2019162732
本発明は、すべてのインクが良好な付着性を示した。
以上、表4から明らかなように、本発明は金属基板の場合に優れた付着力とインクの汎用性を有している。

Claims (5)

  1. 少なくとも、金属板、第1被覆層、第2被覆層及び活性エネルギー線硬化樹脂層をこの順で有する被覆金属板であって、該第2被覆層が、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂および多官能アクリレートの反応物を含有するものである、被覆金属板。
  2. 前記多官能アクリレートが、下記式(1)で表される化合物である請求項1記載の被覆金属板。
    式(1)
    Figure 2019162732
    式(1)中、Aはアクリロイル基、Xは多価アルコール残基、Yは、多価塩基酸残基、(X−Y)nは、ポリエステル鎖を表す。nは整数を表す。
  3. 前記第2被覆層が、非アミン系ブロック酸触媒の反応物である請求項1または2記載の被覆金属板。
  4. 前記非アミン系ブロック酸触媒が、アルキルナフタレンスルホン酸系触媒である請求項3記載の被覆金属板。
  5. 前記第1被覆層が、ポリエステル樹脂とメラミン樹脂の反応物を含んでいる、請求項1〜4いずれかの項に記載の被覆金属板。
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