JP2019162644A - 溶接方法及び溶接接合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの金属材の境界部にエネルギビームを照射して金属材同士を溶接する場合に、境界部に交差する方向でのエネルギビームの照射位置の推定精度の向上を図ることが可能な技術を実現する。【解決手段】溶接方法は、第1金属材11と第2金属材12とを溶融凝固させて、点状又は線状の溶融凝固部40を形成する第1工程と、第1工程の前又は後に、エネルギビーム30の照射位置31を、境界部10に交差する方向Dにおいて第1工程での照射位置31に対して規定の位置関係となる位置にして、第1工程でのエネルギビーム30の照射領域33の内側又は外側の検査用照射位置P0にエネルギビーム30を照射し、検査用照射位置P0の状態を変化させて、点状又は線状の状態変化部50を形成する第2工程と、第2工程の後に、境界部10に対する状態変化部50の位置を検査する検査工程とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、第1金属材と第2金属材とを溶接する溶接方法、及び、第1金属材と第2金属材との溶接接合体に関する。
2つの金属材の境界部にエネルギビームを照射して金属材同士を溶接する場合、一般に、境界部に交差する交差方向でのエネルギビームの照射位置に応じて溶接強度が変化する。例えば、交差方向でのエネルギビームの照射位置に応じて境界部での溶け込み深さ(溶着長)が変化することで、溶接強度が変化する。また、溶接の対象となる2つの金属材が互いに異なる種類の金属材である場合には、交差方向でのエネルギビームの照射位置に応じて2つの金属材の溶融比率が変化することでも、溶接強度が変化する。そのため、溶接強度を保証するための検査では、交差方向でのエネルギビームの照射位置が適正であるか否かを判別できることが望ましい。
溶接部の検査に関して、例えば特開2000−135580号公報(特許文献1)には、レーザ溶接によって生じたワーク面のビードの形状をレーザ変位センサで測定し、ビード幅の中心位置を基準値と比較して、レーザビームの照射位置の良否を判断する技術が記載されている。しかしながら、レーザ溶接時のレーザビームの強度や照射時間は、溶接強度を適切に確保可能なように設定されるため、ビード幅は、レーザビームの強度や照射時間に応じた比較的大きな幅となる。そのため、ビードの形状からレーザビームの照射位置を精度良く推定するのは容易ではない。
特開2000−135580号公報
そこで、2つの金属材の境界部にエネルギビームを照射して金属材同士を溶接する場合に、境界部に交差する方向でのエネルギビームの照射位置の推定精度の向上を図ることが可能な技術の実現が望まれる。
上記に鑑みた、第1金属材と第2金属材との境界部にエネルギビームを照射して、前記第1金属材と前記第2金属材とを溶接する溶接方法の特徴構成は、前記第1金属材と前記第2金属材とを溶融凝固させて、点状又は前記境界部に沿った線状の溶融凝固部を形成する第1工程と、前記第1工程の前又は後に、前記エネルギビームの照射位置を、前記境界部に交差する方向において前記第1工程での前記エネルギビームの照射位置に対して規定の位置関係となる位置にして、前記第1工程での前記エネルギビームの照射領域の内側又は外側の検査用照射位置に前記エネルギビームを照射し、前記検査用照射位置の状態を変化させて、点状又は前記境界部に沿った線状の状態変化部を形成する第2工程と、前記第2工程の後に、前記境界部に対する前記状態変化部の位置を検査する検査工程と、を備える点にある。
上記の特徴構成によれば、第2工程において、エネルギビームの照射位置が、境界部に交差する交差方向において第1工程でのエネルギビームの照射位置に対して規定の位置関係となる位置とされる。そのため、検査工程において境界部に対する状態変化部の位置を検査することで、溶融凝固部の形成時の交差方向でのエネルギビームの照射位置を、上記規定の位置関係を考慮して推定することができる。
ここで、状態変化部は、溶融凝固部とは異なり、接合のためではなく検査のために形成される。そのため、第2工程において状態変化部を形成する際のエネルギビームの強度や照射時間は、金属材の表面にエネルギビームが照射された痕跡が残る程度のものとすることができる。よって、溶融凝固部の形状は、当該溶融凝固部の形成時のエネルギビームの照射位置からの広がりが比較的大きな形状となりやすいのに対して、状態変化部の形状は、当該状態変化部の形成時のエネルギビームの照射位置(すなわち、検査用照射位置)からの広がりが比較的小さく抑えられた形状とすることができる。よって、溶融凝固部の形状から溶融凝固部の形成時における交差方向でのエネルギビームの照射位置を推定するよりも、状態変化部の形状から状態変化部の形成時における交差方向でのエネルギビームの照射位置を推定し、推定された照射位置から上記規定の位置関係を考慮して溶融凝固部の形成時の照射位置を推定する方が、照射位置の推定精度を高く確保しやすい。従って、検査工程においてこのような状態変化部の境界部に対する位置を検査することで、溶融凝固部の形成時の交差方向でのエネルギビームの照射位置の推定精度の向上を図ることができる。
上記に鑑みた、第1金属材と第2金属材との溶接接合体の特徴構成は、前記第1金属材と前記第2金属材とが溶融凝固してなる、点状又は前記第1金属材と前記第2金属材との境界部に沿った線状の溶融凝固部が形成され、前記溶融凝固部から前記境界部に沿って離れた位置に、前記第1金属材と前記第2金属材との少なくとも一方の状態が変化してなる、前記溶融凝固部よりも前記境界部に交差する方向の寸法が小さい状態変化部が形成されている点にある。
上記の特徴構成によれば、溶接接合体に、溶融凝固部に加えて、溶融凝固部から境界部に沿って離れた位置に状態変化部が形成されている。そして、この状態変化部は、溶融凝固部よりも境界部に交差する交差方向の寸法が小さく形成されている。よって、交差方向でのエネルギビームの照射位置の推定精度の向上が図られた溶接接合体を実現することができる。
補足説明すると、状態変化部は、溶融凝固部よりも交差方向の寸法が小さいため、溶融凝固部の形状から溶融凝固部の形成時における交差方向でのエネルギビームの照射位置を推定するよりも、状態変化部の形状から状態変化部の形成時における交差方向でのエネルギビームの照射位置を推定する方が、照射位置の推定精度を高く確保しやすい。よって、溶融凝固部と状態変化部とが、エネルギビームが交差方向において互いに規定の位置関係となる位置(例えば、交差方向の同じ位置)に照射されて形成されたものである場合に、溶融凝固部の形状ではなく状態変化部の形状に基づくことで、溶融凝固部の形成時の交差方向でのエネルギビームの照射位置の推定精度の向上を図ることができる。具体的には、状態変化部の形成時における交差方向でのエネルギビームの照射位置から、上記規定の位置関係を考慮して溶融凝固部の形成時の照射位置を推定することで、照射位置の推定精度の向上を図ることができる。
溶接方法及び溶接接合体の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
実施形態に係る溶接部の平面図 溶融凝固部の形状の一例を示す溶接部の断面図 金属組織図 実施形態に係る溶接方法を示すフローチャート 実施形態に係る検査工程の説明図 その他の実施形態に係る溶接方法を示すフローチャート その他の実施形態に係る第2工程の説明図 その他の実施形態に係る第1工程の説明図 その他の実施形態に係る溶接接合体の一部の平面図 図9におけるX−X断面図 図9におけるXI−XI断面図
溶接方法及び溶接接合体の実施形態について、図面を参照して説明する。以下に述べるように、溶接方法は、第1金属材11と第2金属材12との境界部10(対向部)にエネルギビーム30を照射して、第1金属材11と第2金属材12とを溶接する方法である。このような溶接方法により、第1金属材11と第2金属材12との溶接接合体1が得られる。なお、エネルギビーム30は、例えば、レーザビームや電子ビーム等とされる。
図1に示すように、溶接接合体1(具体的には、溶接接合体1における第1金属材11と第2金属材12との溶接部20)には、第1金属材11と第2金属材12とが溶融凝固してなる溶融凝固部40が形成されている。溶融凝固部40は、エネルギビーム30の照射により溶融した溶融金属(溶接金属)が凝固して形成されている。また、本実施形態では、溶接接合体1には、溶融凝固部40から境界部10に沿って離れた位置に、第1金属材11と第2金属材12との少なくとも一方の状態が変化してなる状態変化部50が形成されている。ここでの「状態の変化」は、外観及び表面形状の少なくとも一方の変化を伴う状態の変化を意味する。本実施形態では、状態変化部50は、エネルギビーム30の照射により溶融した溶融金属が凝固して形成されている。すなわち、本実施形態では、状態変化部50は、第1金属材11と第2金属材12との少なくとも一方が溶融凝固して形成されている。
溶融凝固部40は、点状、又は境界部10に沿った線状に形成される。図1に示すように、本実施形態では、溶融凝固部40は、境界部10に沿った線状に形成されている。本実施形態では、境界部10は、直線状に延びるように形成されており、具体的には、エネルギビーム30の照射側(図2における上側)から見た平面視で、直線状に延びるように形成されている。そして、本実施形態では、溶融凝固部40は、境界部10に沿った直線状(平面視で直線状)に形成されている。ここでは、溶融凝固部40は、境界部10に平行な直線状に形成されている。以下では、平面視で境界部10に沿う方向を第1方向B1とする(図1参照)。すなわち、第1方向B1は、溶融凝固部40の延在方向である。また、以下では、第1方向B1に直交する断面において境界部10(第1金属材11と第2金属材12との接合面)に沿う方向を第2方向B2とする(図2参照)。すなわち、第2方向B2は、溶融凝固部40の深さ方向である。
状態変化部50は、点状、又は境界部10に沿った線状に形成される。図1に示すように、本実施形態では、状態変化部50は、点状に形成されている。また、状態変化部50は、溶融凝固部40よりも交差方向D(境界部10に交差する方向)の寸法が小さく形成されている。本実施形態では、状態変化部50は、交差方向Dに境界部10から第1金属材11の側に離れた位置に形成されている。すなわち、交差方向Dに沿って第2金属材12の側から第1金属材11の側へ向かう側を第1側D1とすると、状態変化部50は、境界部10から第1側D1に離れた位置に形成されている。よって、本実施形態では、状態変化部50は、第1金属材11のみ(或いは、実質的に第1金属材11のみ)が状態変化して形成されている。なお、交差方向Dは、平面視で境界部10に交差する方向である。本実施形態では、交差方向Dを、一例として、境界部10に直角で交差する方向(すなわち、境界部10に直交する方向)としている。すなわち、交差方向Dは、第1方向B1及び第2方向B2の双方に直交する方向である。
図2に示すように、ここでは、第2金属材12におけるエネルギビーム30が照射される側の外面(図2における上面)が、第1金属材11におけるエネルギビーム30が照射される側の外面(図2における上面)と平行に配置される場合を例示しているが、第2金属材12におけるエネルギビーム30が照射される側の外面が、第1金属材11におけるエネルギビーム30が照射される側の外面に対して交差して配置される(例えば、直交するように配置される)構成とすることもできる。
本実施形態では、第1金属材11と第2金属材12とは、互いに異なる種類の金属材である。具体的には、第1金属材11は、第2金属材12よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材である。そのため、第1金属材11と第2金属材12との溶接部20には、これら第1金属材11及び第2金属材12の成分が混合した組織が形成される。そして、溶接部20に形成される組織の組成(溶接金属の組成)は、第1金属材11の溶融比率Wに応じて変化する。ここでは、溶融比率Wを、図2に示すように、溶融凝固部40の断面(第1方向B1に直交する断面)における、“11a”で示す面積(第1金属材11の溶融面積)と“12a”で示す面積(第2金属材12の溶融面積)との和に対する、“11a”で示す面積(第1金属材11の溶融面積)の比率として定義する。
溶接部20に形成される組織の特性は、溶融比率Wが低くなるに従って、第2金属材12の特性に近くなり、溶融比率Wが高くなるに従って、第1金属材11の特性に近くなる。第1金属材11は、第2金属材12よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材である。そのため、溶接部20に形成される組織の脆性は、溶融比率Wが低くなるに従って増加し(すなわち、脆さの程度が高くなり)、溶融比率Wが高くなるに従って減少する(すなわち、脆さの程度が低くなる)。
本実施形態では、第1金属材11はステンレス鋼材であり、第2金属材12は炭素鋼材である。また、本実施形態では、第1金属材11は、第2金属材12よりも炭素量が少ないステンレス鋼材である。第1金属材11を構成するステンレス鋼は、例えば、クロム及びニッケルを含むステンレス鋼(すなわち、オーステナイト系又はオーステナイト・フェライト系のステンレス鋼)とすることができる。一例として、第1金属材11を構成するステンレス鋼を、日本工業規格(JIS)に規定されるSUS304とすることができる。また、第2金属材12を構成する炭素鋼は、例えば、機械構造用炭素鋼とすることができる。一例として、第2金属材12を構成する炭素鋼を、JISに規定されるS25Cとすることができる。
第1金属材11と第2金属材12との溶接部20に形成される組織は、図3に示す金属組織図(シェフラーの組織図)から、オーステナイト(A)、フェライト(F)、マルテンサイト(M)、及びこれらの混合組織のいずれであるかを推定することができる。具体的には、図3に一例を示すように、第1金属材11のクロム当量(Creq)とニッケル当量(Nieq)とにより定まる点が、溶融比率Wが100(%)となる場合の組織(すなわち、第1金属材11の組織)を示し、第2金属材12のクロム当量(Creq)とニッケル当量(Nieq)とにより定まる点が、溶融比率Wが0(%)となる場合の組織(すなわち、第2金属材12の組織)を示す。そして、これらの2点を結ぶ直線上の点が、溶接部20に形成される組織を表し、溶接部20に形成される組織を示す点は、溶融比率Wが高くなるに従って、“W=100(%)”で示す点に向かって移動する。図3から、溶融比率Wが低くなるに従って、溶接部20に形成される組織のクロム当量やニッケル当量が減少し、これに応じて脆く割れやすい(例えば、低温割れが発生しやすい)組織となることがわかる。また、図3から、溶融比率Wが高くなるに従って、溶接部20に形成される組織のクロム当量やニッケル当量が増加し、これに応じて割れ(例えば、低温割れ)や脆化を抑制できる組織となることがわかる。すなわち、溶融比率Wが低くなるに従って、溶接部20に形成される組織はマルテンサイト化しやすくなり、溶融比率Wが高くなるに従って、溶接部20に形成される組織はオーステナイト化しやすくなる。
溶接部20における溶融比率Wは、溶接を行う際の、交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31に応じて変化する。具体的には、エネルギビーム30の照射位置31(具体的には、エネルギビーム30の照射範囲の中心である照射中心32)が境界部10に一致する場合の溶融比率Wを基準溶融比率として、照射位置31(照射中心32)が境界部10に対して第1側D1に位置する場合には、溶融比率Wは基準溶融比率よりも大きくなり、この場合、照射位置31(照射中心32)の境界部10からのオフセット量X(図2参照)が大きくなるに従って、溶融比率Wも大きくなる。一方、照射位置31(照射中心32)が境界部10に対して第2側D2に位置する場合には、溶融比率Wは基準溶融比率よりも小さくなり、この場合、照射位置31(照射中心32)の境界部10からのオフセット量Xが大きくなるに従って、溶融比率Wは小さくなる。
次に、本実施形態に係る、境界部10にエネルギビーム30を照射して第1金属材11と第2金属材12とを溶接する溶接方法について説明する。図6に示すように、この溶接方法には、第1工程S1と、第2工程S2と、検査工程S3が含まれる。
第1工程S1は、第1金属材11と第2金属材12とを溶融凝固させて、点状又は境界部10に沿った線状の溶融凝固部40を形成する工程である。本実施形態では、第1工程S1は、境界部10に沿った線状の溶融凝固部40を形成する工程である。具体的には、図1に示すように、第1工程S1では、エネルギビーム30の照射位置31を境界部10に沿って第1位置P1から第2位置P2まで走査することで、境界部10に沿った線状の溶融凝固部40を形成する。そのため、本実施形態では、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射領域33は、第1位置P1から第2位置P2までの領域(第1方向B1の領域)とされる。すなわち、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射領域33は、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射中心32の走査範囲である。図1では、第1工程S1におけるエネルギビーム30の照射中心32の移動軌跡を矢印で示している。
図1に示すように、本実施形態では、第1工程S1において、エネルギビーム30の照射中心32が境界部10に対して第1金属材11の側(第1側D1)に位置するように、エネルギビーム30を照射する。これにより、エネルギビーム30の照射中心32が境界部10に位置するようにエネルギビーム30を照射する場合に比べて、溶融凝固部40を形成する際の溶融比率Wが高くなり、溶融凝固部40を構成する組織の脆性を低く抑えることが可能となっている。このように溶融比率Wにより溶融凝固部40を構成する組織の組成を調整することができるため、本実施形態では、第1工程S1を、フィラー(溶加材)を用いない溶接工程としている。第1工程S1を実行する際の照射中心32の境界部10からのオフセット量Xは、例えば、溶融比率Wが45(%)〜80(%)の範囲内の値となる大きさに設定される。本実施形態では、図2に示すように、第1工程S1及び後述する第2工程S2において、エネルギビーム30を第2方向B2に対して傾斜した方向に照射する。具体的には、エネルギビーム30が照射中心32に対して第1側D1から入射するように、エネルギビーム30を照射する。
第2工程S2は、第1工程S1の前又は後に、エネルギビーム30の照射位置31を、交差方向Dにおいて第1工程S1でのエネルギビーム30の照射位置31に対して規定の位置関係となる位置にして、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射領域33の内側又は外側の検査用照射位置P0にエネルギビーム30を照射し、検査用照射位置P0の状態を変化させて、点状又は境界部10に沿った線状の状態変化部50を形成する工程である。すなわち、検査用照射位置P0は、境界部10に沿う第1方向B1において、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射領域33の内側又は外側の位置に設定される。また、検査用照射位置P0は、交差方向Dにおいて、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射位置31に対して規定の位置関係となる位置に設定される。
本実施形態では、図1に示すように、第2工程S2では、エネルギビーム30の照射位置31を、交差方向Dにおいて第1工程S1でのエネルギビーム30の照射位置31と同じ位置にする。すなわち、本実施形態では、上記規定の位置関係は、交差方向Dにおいて同じ位置となる関係とされる。よって、検査用照射位置P0は、交差方向Dにおいて、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射位置31と同じ位置に設定される。また、本実施形態では、第2工程S2は、点状の状態変化部50を形成する工程である。
本実施形態では、第2工程S2では、第1工程S1と同一のビーム源からのエネルギビーム30を、第1工程S1と同一の装置群(光学系或いは電子光学系等)を用いて境界部10に照射して、交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31が第1工程S1と同じである検査用照射位置P0にエネルギビーム30を照射する。図4に示す例のように、第2工程S2を第1工程S1よりも前に実行する場合には、第1工程S1における交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31や、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射領域33は、第2工程S2を実行する時点では、予定される(或いは設定された)照射位置31及び予定される(或いは設定された)照射領域33である。なお、第2工程S2を第1工程S1よりも後に実行する構成(例えば、図4において、第1工程S1と第2工程S2との実行順序を入れ替えた構成)とすることもできる。
図1に示すように、本実施形態では、検査用照射位置P0を、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射領域33の外側(第1方向B1の外側)の位置としている。そして、第2工程S2では、溶融凝固部40と状態変化部50とが境界部10に沿う方向(第1方向B1)に離れて形成されるように、検査用照射位置P0にエネルギビーム30を照射する。第2工程S2でのエネルギビーム30の照射条件は、第1金属材11及び第2金属材12の少なくとも一方(本実施形態では、第1金属材11)の表面に、エネルギビーム30が照射された痕跡(後述する検査工程S3で検査用照射位置P0の状態の変化を検出可能な程度の痕跡)が残るように設定される。ここでは、第2工程S2でのエネルギビーム30の照射条件(例えば、エネルギビーム30の強度及び照射時間)は、状態変化部50の交差方向Dの寸法が溶融凝固部40の交差方向Dの寸法よりも小さくなるように設定される。すなわち、本実施形態では、第2工程S2では、溶融凝固部40よりも交差方向Dの寸法が小さい状態変化部50を形成する。例えば、第2工程S2でのエネルギビーム30の照射条件を、エネルギビーム30の強度が第1工程S1での強度よりも弱く、エネルギビーム30の照射時間が第1工程S1での照射時間よりも短い条件とすることができる。
上述したように、本実施形態では、第1工程S1において、エネルギビーム30の照射中心32が境界部10に対して第1金属材11の側(第1側D1)に位置するように、エネルギビーム30を照射する。そのため、第2工程S2においても、エネルギビーム30の照射中心32が境界部10に対して第1金属材11の側(第1側D1)に位置するように、エネルギビーム30を照射する。そして、本実施形態では、第2工程S2でのエネルギビーム30の照射条件を、図1に示すように状態変化部50が境界部10から第1側D1に離れた位置に形成される条件としている。なお、溶融凝固部40は、境界部10から交差方向Dの両側に広がるように形成されるが、溶融凝固部40の交差方向Dの中央部は、境界部10よりも第1金属材11の側(第1側D1)に位置する。
検査工程S3は、第2工程S2の後に、境界部10に対する状態変化部50の位置を検査する工程である。検査工程S3では、境界部10に対する状態変化部50の位置(交差方向Dでの位置)から、上述した規定の位置関係を考慮して、溶融凝固部40の形成時の交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31を推定する。具体的には、検査工程S3では、まず、境界部10に対する状態変化部50の位置に基づき、状態変化部50の形成時における交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31を推定する。例えば、点状に形成される状態変化部50の中心又は重心の、境界部10に対する交差方向Dでの位置を、境界部10に対する状態変化部50の位置として取得し、取得した境界部10に対する状態変化部50の位置(交差方向Dでの位置)を、状態変化部50の形成時における交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31の推定値として取得する。そして、本実施形態では、上述した規定の位置関係が、交差方向Dにおいて同じ位置となる関係であるため、検査工程S3では、状態変化部50の形成時における交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31の推定値を、そのまま、溶融凝固部40の形成時における交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31の推定値として取得する。
そして、検査工程S3では、取得した溶融凝固部40の形成時における交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31(照射位置31の推定値)に基づき、交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31が適正であるか否かを判別する。具体的には、当該推定値と、溶接条件で設定される設定値(オフセット量X)とを比較し、これらの推定値と設定値との差が予め定められた判定閾値未満である場合には、溶融凝固部40の形成時における交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31が適正であると判定し、当該差が判定閾値以上である場合には、溶融凝固部40の形成時における交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31が適正でないと判定する。図4に示すように、本実施形態では、検査工程S3を、第1工程S1の後(第1工程S1及び第2工程S2の後)に実行する。そのため、検査工程S3では、境界部10に対する状態変化部50の位置の検査に加えて、溶融凝固部40に対する検査(例えば、割れの有無の検査)を行うこともできる。
図5に示すように、本実施形態では、検査工程S3では、撮像装置71及び判定装置72を備えた検査装置70を用いる。撮像装置71により、少なくとも状態変化部50及び境界部10を含む画像データ(ここでは、更に溶融凝固部40を含む画像データ)が取得される。撮像装置71により取得された画像データは、判定装置72に送信され、判定装置72は、当該画像データに対する画像処理を行って、境界部10に対する状態変化部50の位置(例えば、状態変化部50の中心又は重心の、境界部10に対する交差方向Dでの位置)の情報を取得する。そして、判定装置72は、取得した境界部10に対する状態変化部50の位置に基づき、溶融凝固部40の形成時における交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31が適正であるか否かを判定する。判定装置72による判定結果の情報は、例えば、表示装置(図示せず)に出力される。なお、ここでは、検査工程S3において、境界部10に対する状態変化部50の位置を認識可能なデータ(ここでは、画像データ)を、撮像装置71を用いて取得する構成を例として説明したが、撮像装置71以外の装置を用いてこのようなデータを取得する構成とすることもできる。例えば、状態変化部50の表面形状を計測する表面形状測定装置(例えば、レーザ変位計等)を撮像装置71に代えて用い、境界部10に対する状態変化部50の位置を認識可能なデータとして、状態変化部50の表面形状のデータを取得する構成とすることもできる。
〔その他の実施形態〕
次に、溶接方法及び溶接接合体のその他の実施形態について説明する。
(1)上記の実施形態では、溶接接合体1における溶融凝固部40から境界部10に沿って離れた位置に、状態変化部50が形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、溶融凝固部40と状態変化部50との間に隙間が形成されない構成や、状態変化部50の全体が溶融凝固部40の内部に配置される構成(例えば、第1工程S1及び第2工程S2の実行後の状態で、状態変化部50が形成された痕跡が残らない構成)とすることもできる。後者の構成等において、以下のような構成とすることができる。すなわち、第2工程S2を第1工程S1の前に実行すると共に、第2工程S2では、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射領域33の内側の検査用照射位置P0にエネルギビーム30を照射し、第2工程S2の後であって第1工程S1の前に、境界部10に対する状態変化部50の位置を認識可能なデータを取得する構成とすることができる。
このような構成の一例を、図6〜図8に示す。まず、図7に示すように、検査用照射位置P0にエネルギビーム30を照射して、検査用照射位置P0に状態変化部50(本例では、点状の状態変化部50)を形成する(第2工程S2、図7参照)。なお、この例では、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射領域33の内側に設定される検査用照射位置P0を、照射領域33の端部の位置(具体的には、第1位置P1)としている。次に、境界部10に対する状態変化部50の位置を認識可能なデータを取得して、当該データを記憶装置等に保存する(データ取得工程S4)。データ取得工程S4では、例えば、上記実施形態と同様に撮像装置71を用いて、状態変化部50及び境界部10を含む画像データを取得する。次に、境界部10にエネルギビーム30を照射して(この例では、エネルギビーム30の照射位置31を境界部10に沿って第1位置P1から第2位置P2まで走査して)、溶融凝固部40を形成する(第1工程S1、図8参照)。次に、データ取得工程S4で取得されたデータを用いて、境界部10に対する状態変化部50の位置を検査する(検査工程S3)。
(2)上記の実施形態では、第2工程S2でのエネルギビーム30の照射位置31の、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射位置31に対する交差方向Dでの位置関係(上述した規定の位置関係)が、交差方向Dにおいて同じ位置となる関係とされる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、この規定の位置関係を、交差方向Dにおいて規定距離だけ離れた位置となる関係とすることもできる。この場合、第2工程S2では、エネルギビーム30の照射位置31を、交差方向Dにおいて第1工程S1でのエネルギビーム30の照射位置31に対して規定距離だけずらした位置にする。そして、この場合、検査工程S3では、状態変化部50の形成時における交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31の推定値を交差方向Dに規定距離だけずらした位置を求め、当該位置を溶融凝固部40の形成時における交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31の推定値として取得する。例えば、第2工程S2において、交差方向Dでのエネルギビーム30の照射位置31を第1工程S1での照射位置31に対して第1側D1に規定距離だけずらした位置とした場合には、検査工程S3において、状態変化部50の形成時における照射位置31の推定値を第2側D2に規定距離だけずらした位置を、溶融凝固部40の形成時における交差方向Dでの照射位置31の推定値として取得する。
(3)上記の実施形態では、状態変化部50が、境界部10から第1側D1に離れた位置に形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、状態変化部50が、境界部10に接するように形成される構成や、状態変化部50が、境界部10から交差方向Dの両側に広がるように形成される構成とすることもできる。
(4)上記の実施形態では、第1工程S1において、エネルギビーム30の照射中心32が境界部10に対して第1金属材11の側に位置するように、エネルギビーム30を照射する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1工程S1において、エネルギビーム30の照射中心32が境界部10に位置するようにエネルギビーム30が照射される構成や、第1工程S1において、エネルギビーム30の照射中心32が境界部10に対して第2金属材12の側に位置するようにエネルギビーム30が照射される構成とすることも可能である。
(5)上記の実施形態では、状態変化部50が、第1金属材11と第2金属材12との少なくとも一方が溶融凝固して形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、状態変化部50が、第1金属材11と第2金属材12との少なくとも一方が酸化して形成される構成や、状態変化部50が、第1金属材11と第2金属材12との少なくとも一方が昇華して形成される構成とすることもできる。なお、ここでの、溶融凝固、酸化、或いは昇華は、状態変化部50が形成される際の支配的な状態変化を意味する。
(6)上記の実施形態では、溶融凝固部40が、境界部10に沿った線状に形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、溶融凝固部40が点状(具体的には、点状に形成される状態変化部50よりも大径の点状)に形成される構成とすることもできる。この場合、第1工程S1は、点状の溶融凝固部40を形成する構成となる。なお、上述したように、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射領域33は、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射中心32の走査範囲としている。そのため、このように、溶融凝固部40が点状に形成される場合には、第1工程S1でのエネルギビーム30の照射領域33(照射中心32の走査範囲)は、境界部10に沿う第1方向B1に広がりのない領域(すなわち、第1方向B1における1点)となる。
(7)上記の実施形態では、状態変化部50が、点状に形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、状態変化部50が、境界部10に沿った線状(例えば、溶融凝固部40よりも第1方向B1の長さが短い線状)に形成される構成とすることもできる。この場合、第2工程S2は、境界部10に沿った線状の状態変化部50を形成する構成となる。
(8)上記の実施形態では、第2工程S2の後に実行される検査工程S3を、第1工程S1の後に実行する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、検査工程S3を第1工程S1の前に実行する構成とすることもできる。例えば、図4に示す例において第1工程S1と検査工程S3との実行順序を入れ替えた構成や、図6に示す例において第1工程S1と検査工程S3との実行順序を入れ替えた構成とすることができる。この場合、図6に示すように検査工程S3とは別にデータ取得工程S4を備えず、検査工程S3において境界部10に対する状態変化部50の位置を認識可能なデータを取得する構成としてもよい。
(9)上記の実施形態では、境界部10が直線状に延びるように形成され、溶融凝固部40が、境界部10に沿った直線状に形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、境界部10が曲線状に延びるように形成され、溶融凝固部40が、境界部10に沿った曲線状に形成される構成とすることもできる。このような構成の一例を図9〜図11に示す。
図9〜図11に示す例では、回転電機60が備えるエンドプレート62及び支持部材63が、第1金属材11と第2金属材12との溶接接合体1である。具体的には、第1金属材11は、回転電機60が備える円筒状のロータコア61の軸方向端面61aに取り付けられるエンドプレート62であり、第2金属材12は、ロータコア61の内周面61bに接するように配置されてロータコア61を支持する支持部材63である。支持部材63は、回転電機60の軸方向Lに延びる筒状に形成されている。エンドプレート62の内周面は、支持部材63の外周面に対して回転電機60の径方向Rに対向するように配置されており、エンドプレート62の内周面と支持部材63の外周面とが、第1溶接部21において溶接により接合されている。第1溶接部21は、周方向Cの複数箇所に形成されている。第1溶接部21は、上記実施形態での溶接部20に相当するが、ここでは、第1金属材11と第2金属材12との境界部10は、回転電機60の周方向Cに沿って延びる曲線状(円弧状)に形成され、溶融凝固部40も、周方向Cに沿って延びる曲線状(円弧状)に形成されている。この例では、周方向Cが第1方向B1となり、軸方向Lが第2方向B2となり、径方向Rが交差方向Dとなる。
図9〜図11に示す例では、ロータコア61の内周面と支持部材63の外周面とが、第2溶接部22において溶接により接合されている。第2溶接部22は、周方向Cの複数箇所に形成されている。ここでは、図9及び図10に示すように、エンドプレート62の内周面における周方向Cの一部の領域に、軸方向Lの外側(軸方向Lにおけるロータコア61の中央部から離れる側)から見てロータコア61の軸方向端面61aを露出させる切り欠き部62aが形成されている。これにより、ロータコア61及びエンドプレート62の双方を支持部材63に対して組み付けた状態で、エンドプレート62の内周面と支持部材63の外周面との境界部10(対向部)に対して軸方向Lの外側からエネルギビーム30を照射して第1溶接部21を形成する工程と、ロータコア61の内周面と支持部材63の外周面との境界部(対向部)に対して軸方向Lの外側からエネルギビーム30を照射して第2溶接部22を形成する工程とを行うことが可能となっている。なお、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
(10)上記の実施形態では、第1金属材11がステンレス鋼材であり、第2金属材12が炭素鋼材である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1金属材11が炭素鋼材であり、第2金属材12が鋳鉄材である構成とすることや、第1金属材11が炭素鋼材であり、第2金属材12が第1金属材11より炭素量の多い炭素鋼材である構成とすることができる。すなわち、互いに異なる2種類の金属材のうち、炭素量又は炭素当量の少ない金属材を第1金属材11とし、残りの金属材を第2金属材12とすることができる。このように、炭素量又は炭素当量を指標(硬度又は脆性に関する指標)として、第1金属材11が、第2金属材12よりも、炭素量又は炭素当量が少ない構成とすることができる。
(11)上記の実施形態では、第1金属材11と第2金属材12とが、互いに異なる種類の金属材である構成、具体的には、第1金属材11が、第2金属材12よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1金属材11と第2金属材12とが互いに同じ種類の金属材である構成とすることもできる。
(12)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した溶接方法及び溶接接合体の概要について説明する。
第1金属材(11)と第2金属材(12)との境界部(10)にエネルギビーム(30)を照射して、前記第1金属材(11)と前記第2金属材(12)とを溶接する溶接方法であって、前記第1金属材(11)と前記第2金属材(12)とを溶融凝固させて、点状又は前記境界部(10)に沿った線状の溶融凝固部(40)を形成する第1工程(S1)と、前記第1工程(S1)の前又は後に、前記エネルギビーム(30)の照射位置(31)を、前記境界部(10)に交差する方向(D)において前記第1工程(S1)での前記エネルギビーム(30)の照射位置(31)に対して規定の位置関係となる位置にして、前記第1工程(S1)での前記エネルギビーム(30)の照射領域(33)の内側又は外側の検査用照射位置(P0)に前記エネルギビーム(30)を照射し、前記検査用照射位置(P0)の状態を変化させて、点状又は前記境界部(10)に沿った線状の状態変化部(50)を形成する第2工程(S2)と、前記第2工程(S2)の後に、前記境界部(10)に対する前記状態変化部(50)の位置を検査する検査工程(S3)と、を備える。
この構成によれば、第2工程(S2)において、エネルギビーム(30)の照射位置(31)が、境界部(10)に交差する交差方向(D)において第1工程(S1)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)に対して規定の位置関係となる位置とされる。そのため、検査工程(S3)において境界部(10)に対する状態変化部(50)の位置を検査することで、溶融凝固部(40)の形成時の交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)を、上記規定の位置関係を考慮して推定することができる。
ここで、状態変化部(50)は、溶融凝固部(40)とは異なり、接合のためではなく検査のために形成される。そのため、第2工程(S2)において状態変化部(50)を形成する際のエネルギビーム(30)の強度や照射時間は、金属材(11,12)の表面にエネルギビーム(30)が照射された痕跡が残る程度のものとすることができる。よって、溶融凝固部(40)の形状は、当該溶融凝固部(40)の形成時のエネルギビーム(30)の照射位置(31)からの広がりが比較的大きな形状となりやすいのに対して、状態変化部(50)の形状は、当該状態変化部(50)の形成時のエネルギビーム(30)の照射位置(31)(すなわち、検査用照射位置(P0))からの広がりが比較的小さく抑えられた形状とすることができる。よって、溶融凝固部(40)の形状から溶融凝固部(40)の形成時における交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)を推定するよりも、状態変化部(50)の形状から状態変化部(50)の形成時における交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)を推定し、推定された照射位置(31)から上記規定の位置関係を考慮して溶融凝固部(40)の形成時の照射位置(31)を推定する方が、照射位置(31)の推定精度を高く確保しやすい。従って、検査工程(S3)においてこのような状態変化部(50)の境界部(10)に対する位置を検査することで、溶融凝固部(40)の形成時の交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)の推定精度の向上を図ることができる。
ここで、前記第2工程(S2)では、前記エネルギビーム(30)の照射位置(31)を、前記境界部(10)に交差する方向(D)において前記第1工程(S1)での前記エネルギビーム(30)の照射位置(31)と同じ位置にすると好適である。
この構成によれば、上記規定の位置関係が、交差方向(D)において同じ位置となる関係とされるため、状態変化部(50)の形状から推定した交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)を、そのまま、溶融凝固部(40)の形成時の交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)の推定結果とすることができる。よって、検査工程(S3)の簡略化を図ることができる。
また、上記の構成によれば、第1工程(S1)と第2工程(S2)とでエネルギビーム(30)の照射位置(31)を交差方向(D)において共通の位置とすることができるため、第1工程(S1)と第2工程(S2)とでエネルギビーム(30)の照射位置(31)を交差方向(D)に異ならせる場合に比べて、溶接設備の簡素化を図ることができるという利点もある。
また、前記第2工程(S2)では、前記溶融凝固部(40)よりも前記境界部(10)に交差する方向(D)の寸法が小さい前記状態変化部(50)を形成すると好適である。
この構成によれば、状態変化部(50)の形状から状態変化部(50)の形成時における交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)を精度良く推定しやすくなる。よって、溶融凝固部(40)の形成時の交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)の推定精度の向上をより一層図ることができる。
また、前記第2工程(S2)では、前記溶融凝固部(40)と前記状態変化部(50)とが前記境界部(10)に沿う方向(B1)に離れて形成されるように、前記第1工程(S1)での前記エネルギビーム(30)の照射領域(33)の外側の前記検査用照射位置(P0)に前記エネルギビーム(30)を照射すると好適である。
この構成によれば、検査工程(S3)での検査対象となる状態変化部(50)が、第1工程(S1)及び第2工程(S2)の双方の実行後においても、第1金属材(11)と第2金属材(12)との溶接接合体(1)に形成されたままの状態とすることができる。よって、検査工程(S3)で検査された状態変化部(50)に対応する溶接接合体(1)を特定するのが容易となり、検査工程(S3)の簡略化を図ることができる。
或いは、前記第2工程(S2)を前記第1工程(S1)の前に実行すると共に、前記第2工程(S2)では、前記第1工程(S1)での前記エネルギビーム(30)の照射領域(33)の内側の前記検査用照射位置(P0)に前記エネルギビーム(30)を照射し、前記第2工程(S2)の後であって前記第1工程(S1)の前に、前記境界部(10)に対する前記状態変化部(50)の位置を認識可能なデータを取得すると好適である。
この構成によれば、検査用照射位置(P0)が、第1工程(S1)でのエネルギビーム(30)の照射領域(33)の内側の位置とされる。よって、状態変化部(50)を形成するための専用の領域を境界部(10)或いはその近傍に確保する必要がない分、溶融凝固部(40)を形成するための領域を広く確保しやすくなる。
その上で、上記の構成によれば、境界部(10)に対する状態変化部(50)の位置を認識可能なデータが第1工程(S1)の前に取得されるため、第1工程(S1)の後に検査工程(S3)を実行する場合に、当該データを用いて境界部(10)に対する状態変化部(50)の位置を検査することができる。
上記の各構成の溶接方法において、前記第1工程(S1)では、前記エネルギビーム(30)の照射範囲の中心(32)が前記境界部(10)に対して前記第1金属材(11)の側に位置するように、前記エネルギビーム(30)を照射すると好適である。
エネルギビーム(30)の照射範囲の中心(32)を境界部(10)に対して第1金属材(11)の側にずらした方が、第1金属材(11)と第2金属材(12)との溶接強度を高く確保できる場合があり、上記の構成はこのような場合に適している。
なお、このように、第1工程(S1)において、エネルギビーム(30)の照射範囲の中心(32)が境界部(10)に対して第1金属材(11)の側に位置するようにエネルギビーム(30)が照射される場合であっても、第1工程(S1)で形成される溶融凝固部(40)と、第2工程(S2)で形成される状態変化部(50)とは、エネルギビーム(30)が交差方向(D)において互いに規定の位置関係となる位置(例えば、交差方向(D)の同じ位置)に照射されて形成される。そのため、このような構成においても、検査工程(S3)において状態変化部(50)の境界部(10)に対する位置を検査することで、溶融凝固部(40)の形成時の交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)の推定精度の向上を図ることができる。
ここで、前記第1金属材(11)は、前記第2金属材(12)よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材であると好適である。
この構成によれば、エネルギビーム(30)の照射範囲の中心(32)を境界部(10)に対して第1金属材(11)の側にずらすことで、溶融凝固部(40)における第1金属材(11)の溶融比率(W)を高めることができる。この結果、溶融凝固部(40)を構成する組織の脆性を低く抑えて(すなわち、脆さの程度を低く抑えて)、第1金属材(11)と第2金属材(12)との溶接強度の向上を図ることができる。よって、この構成は、第1工程(S1)において、エネルギビーム(30)の照射範囲の中心(32)が境界部(10)に対して第1金属材(11)の側に位置するようにエネルギビーム(30)が照射される場合に、特に適している。
上記のように前記第1金属材(11)が前記第2金属材(12)よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材である構成において、前記第1金属材(11)は、前記第2金属材(12)よりも、炭素量又は炭素当量が少ない金属材であると好適である。
この構成によれば、溶融凝固部(40)における第1金属材(11)の溶融比率(W)を高めることで、溶融凝固部(40)を構成する組織の炭素量又は炭素当量を少なく抑えて、当該組織の硬度を低く抑えること、すなわち、当該組織の脆性を低く抑えることができる。
また、前記第1金属材(11)はステンレス鋼材であり、前記第2金属材(12)は炭素鋼材であると好適である。
この構成によれば、第1金属材(11)が、クロム及びニッケルを含むステンレス鋼材である場合に、溶融凝固部(40)における第1金属材(11)の溶融比率(W)を高めることで、溶融凝固部(40)を構成する組織のクロム当量及びニッケル当量を多く確保して、当該組織の硬度を低く抑えること、すなわち、当該組織の脆性を低く抑えることができる。
また、前記第1金属材(11)は、回転電機(60)が備える円筒状のロータコア(61)の軸方向端面(61a)に取り付けられるエンドプレート(62)であり、前記第2金属材(12)は、前記ロータコア(61)の内周面(61b)に接するように配置されて前記ロータコア(61)を支持する支持部材(63)であると好適である。
この構成によれば、第1金属材(11)により構成されたエンドプレート(62)と、第1金属材(11)よりも溶融凝固後の耐脆化性能が低い第2金属材(12)により構成された支持部材(63)とを、溶接により接合して回転電機(60)を製造する場合に、エンドプレート(62)と支持部材(63)との溶接強度を適切に確保することができる。
第1金属材(11)と第2金属材(12)との溶接接合体(1)であって、前記第1金属材(11)と前記第2金属材(12)とが溶融凝固してなる、点状又は前記第1金属材(11)と前記第2金属材(12)との境界部(10)に沿った線状の溶融凝固部(40)が形成され、前記溶融凝固部(40)から前記境界部(10)に沿って離れた位置に、前記第1金属材(11)と前記第2金属材(12)との少なくとも一方の状態が変化してなる、前記溶融凝固部(40)よりも前記境界部(10)に交差する方向(D)の寸法が小さい状態変化部(50)が形成されている。
この構成によれば、溶接接合体(1)に、溶融凝固部(40)に加えて、溶融凝固部(40)から境界部(10)に沿って離れた位置に状態変化部(50)が形成されている。そして、この状態変化部(50)は、溶融凝固部(40)よりも境界部(10)に交差する交差方向(D)の寸法が小さく形成されている。よって、交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)の推定精度の向上が図られた溶接接合体(1)を実現することができる。
補足説明すると、状態変化部(50)は、溶融凝固部(40)よりも交差方向(D)の寸法が小さいため、溶融凝固部(40)の形状から溶融凝固部(40)の形成時における交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)を推定するよりも、状態変化部(50)の形状から状態変化部(50)の形成時における交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)を推定する方が、照射位置(31)の推定精度を高く確保しやすい。よって、溶融凝固部(40)と状態変化部(50)とが、エネルギビーム(30)が交差方向(D)において互いに規定の位置関係となる位置(例えば、交差方向(D)の同じ位置)に照射されて形成されたものである場合に、溶融凝固部(40)の形状ではなく状態変化部(50)の形状に基づくことで、溶融凝固部(40)の形成時の交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)の推定精度の向上を図ることができる。具体的には、状態変化部(50)の形成時における交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)から、上記規定の位置関係を考慮して溶融凝固部(40)の形成時の照射位置(31)を推定することで、照射位置(31)の推定精度の向上を図ることができる。
ここで、前記状態変化部(50)は、前記境界部(10)に交差する方向(D)に前記境界部(10)から前記第1金属材(11)の側に離れた位置に形成されていると好適である。
この構成によれば、溶融凝固部(40)が、エネルギビーム(30)の照射範囲の中心(32)を境界部(10)に対して第1金属材(11)の側にずらして形成されたものである場合に、交差方向(D)でのエネルギビーム(30)の照射位置(31)を精度良く推定するための状態変化部(50)が形成された溶接接合体(1)を実現することができる。
また、上記の構成によれば、状態変化部(50)が、第1金属材(11)のみが状態変化して形成されたものとすることができるため、状態変化部(50)の形状を、状態変化部(50)の形成時におけるエネルギビーム(30)の照射位置(31)の推定精度を高く確保しやすい形状(例えば、真円度が高い点状等)とすることもできる。
上記のように前記状態変化部(50)が前記境界部(10)に交差する方向(D)に前記境界部(10)から離れた位置に形成される構成において、前記第1金属材(11)は、前記第2金属材(12)よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材であると好適である。
この構成によれば、溶融凝固部(40)の形成時に、エネルギビーム(30)の照射範囲の中心(32)を境界部(10)に対して第1金属材(11)の側にずらすことで、溶融凝固部(40)における第1金属材(11)の溶融比率(W)を高めることができる。この結果、溶融凝固部(40)を構成する組織の脆性を低く抑えて(すなわち、脆さの程度を低く抑えて)、第1金属材(11)と第2金属材(12)との溶接強度の向上を図ることができる。よって、この構成は、溶融凝固部(40)が、エネルギビーム(30)の照射範囲の中心(32)を境界部(10)に対して第1金属材(11)の側にずらして形成されたものである場合に、特に適している。
上記のように前記第1金属材(11)が前記第2金属材(12)よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材である構成において、前記第1金属材(11)は、前記第2金属材(12)よりも、炭素量又は炭素当量が少ない金属材であると好適である。
この構成によれば、溶融凝固部(40)における第1金属材(11)の溶融比率(W)を高めることで、溶融凝固部(40)を構成する組織の炭素量又は炭素当量を少なく抑えて、当該組織の硬度を低く抑えること、すなわち、当該組織の脆性を低く抑えることができる。
また、前記第1金属材(11)はステンレス鋼材であり、前記第2金属材(12)は炭素鋼材であると好適である。
この構成によれば、第1金属材(11)が、クロム及びニッケルを含むステンレス鋼材である場合に、溶融凝固部(40)における第1金属材(11)の溶融比率(W)を高めることで、溶融凝固部(40)を構成する組織のクロム当量及びニッケル当量を多く確保して、当該組織の硬度を低く抑えること、すなわち、当該組織の脆性を低く抑えることができる。
また、前記第1金属材(11)は、回転電機(60)が備える円筒状のロータコア(61)の軸方向端面(61a)に取り付けられるエンドプレート(62)であり、前記第2金属材(12)は、前記ロータコア(61)の内周面(61b)に接するように配置されて前記ロータコア(61)を支持する支持部材(63)であると好適である。
この構成によれば、回転電機(60)が備えるエンドプレート(62)及び支持部材(63)が、第1金属材(11)により構成されたエンドプレート(62)と、第1金属材(11)よりも溶融凝固後の耐脆化性能が低い第2金属材(12)により構成された支持部材(63)とを溶接により接合した溶接接合体である場合に、エンドプレート(62)と支持部材(63)との溶接強度が適切に確保された回転電機(60)を実現することができる。
本開示に係る溶接方法及び溶接接合体は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。
1:溶接接合体
10:境界部
11:第1金属材
12:第2金属材
30:エネルギビーム
31:照射位置
32:照射中心(照射範囲の中心)
33:照射領域
40:溶融凝固部
50:状態変化部
60:回転電機
61:ロータコア
61a:軸方向端面
61b:内周面
62:エンドプレート
63:支持部材
B1:第1方向(境界部に沿う方向)
D:交差方向(境界部に交差する方向)
P0:検査用照射位置
S1:第1工程
S2:第2工程
S3:検査工程

Claims (16)

  1. 第1金属材と第2金属材との境界部にエネルギビームを照射して、前記第1金属材と前記第2金属材とを溶接する溶接方法であって、
    前記第1金属材と前記第2金属材とを溶融凝固させて、点状又は前記境界部に沿った線状の溶融凝固部を形成する第1工程と、
    前記第1工程の前又は後に、前記エネルギビームの照射位置を、前記境界部に交差する方向において前記第1工程での前記エネルギビームの照射位置に対して規定の位置関係となる位置にして、前記第1工程での前記エネルギビームの照射領域の内側又は外側の検査用照射位置に前記エネルギビームを照射し、前記検査用照射位置の状態を変化させて、点状又は前記境界部に沿った線状の状態変化部を形成する第2工程と、
    前記第2工程の後に、前記境界部に対する前記状態変化部の位置を検査する検査工程と、を備える溶接方法。
  2. 前記第2工程では、前記エネルギビームの照射位置を、前記境界部に交差する方向において前記第1工程での前記エネルギビームの照射位置と同じ位置にする、請求項1に記載の溶接方法。
  3. 前記第2工程では、前記溶融凝固部よりも前記境界部に交差する方向の寸法が小さい前記状態変化部を形成する、請求項1又は2に記載の溶接方法。
  4. 前記第2工程では、前記溶融凝固部と前記状態変化部とが前記境界部に沿う方向に離れて形成されるように、前記第1工程での前記エネルギビームの照射領域の外側の前記検査用照射位置に前記エネルギビームを照射する請求項1から3のいずれか一項に記載の溶接方法。
  5. 前記第2工程を前記第1工程の前に実行すると共に、前記第2工程では、前記第1工程での前記エネルギビームの照射領域の内側の前記検査用照射位置に前記エネルギビームを照射し、
    前記第2工程の後であって前記第1工程の前に、前記境界部に対する前記状態変化部の位置を認識可能なデータを取得する、請求項1から3のいずれか一項に記載の溶接方法。
  6. 前記第1工程では、前記エネルギビームの照射範囲の中心が前記境界部に対して前記第1金属材の側に位置するように、前記エネルギビームを照射する請求項1から5のいずれか一項に記載の溶接方法。
  7. 前記第1金属材は、前記第2金属材よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材である請求項6に記載の溶接方法。
  8. 前記第1金属材は、前記第2金属材よりも、炭素量又は炭素当量が少ない金属材である請求項7に記載の溶接方法。
  9. 前記第1金属材はステンレス鋼材であり、前記第2金属材は炭素鋼材である請求項7又は8に記載の溶接方法。
  10. 前記第1金属材は、回転電機が備える円筒状のロータコアの軸方向端面に取り付けられるエンドプレートであり、前記第2金属材は、前記ロータコアの内周面に接するように配置されて前記ロータコアを支持する支持部材である請求項7から9のいずれか一項に記載の溶接方法。
  11. 第1金属材と第2金属材との溶接接合体であって、
    前記第1金属材と前記第2金属材とが溶融凝固してなる、点状又は前記第1金属材と前記第2金属材との境界部に沿った線状の溶融凝固部が形成され、
    前記溶融凝固部から前記境界部に沿って離れた位置に、前記第1金属材と前記第2金属材との少なくとも一方の状態が変化してなる、前記溶融凝固部よりも前記境界部に交差する方向の寸法が小さい状態変化部が形成されている、溶接接合体。
  12. 前記状態変化部は、前記境界部に交差する方向に前記境界部から前記第1金属材の側に離れた位置に形成されている請求項11に記載の溶接接合体。
  13. 前記第1金属材は、前記第2金属材よりも溶融凝固後の耐脆化性能が高い金属材である請求項12に記載の溶接接合体。
  14. 前記第1金属材は、前記第2金属材よりも、炭素量又は炭素当量が少ない金属材である請求項13に記載の溶接接合体。
  15. 前記第1金属材はステンレス鋼材であり、前記第2金属材は炭素鋼材である請求項13又は14に記載の溶接接合体。
  16. 前記第1金属材は、回転電機が備える円筒状のロータコアの軸方向端面に取り付けられるエンドプレートであり、前記第2金属材は、前記ロータコアの内周面に接するように配置されて前記ロータコアを支持する支持部材である請求項13から15のいずれか一項に記載の溶接接合体。
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