JP2019161904A - 被膜剥離装置及び被膜剥離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸方向に直交する断面が矩形状の線材における一対の表面の被膜を剥離するための切削加工の精度を高めることができる技術を提供する。【解決手段】被膜剥離装置100は、軸方向に直交する断面が矩形状の線材1の表面に設けられた被膜1Aを剥離する被膜剥離装置100であって、線材1の上面13及び下面13を保持する一対の保持部材2,3と、第1切削刃411及び第2切削刃421と、第2支持部材52及び第1基部412と、を備え、第1切削刃411は、第1面11の被膜1Aを切削し、第2切削刃421は、第2面12の被膜1Aを切削し、第1切削刃411と第2切削刃421とは、互いに上下方向Vにおける異なる位置に配置され、第2支持部材52は、第1切削刃411による第1面11の切削中は第2面12を支持し、第1基部412は、第2切削刃421による第2面12の切削中は第1面11を支持する。【選択図】図1
Description
本発明は、軸方向に直交する断面が矩形状の線材の表面に設けられた被膜を剥離する被膜剥離装置及び被膜剥離方法に関する。
下記の特許文献1には、線材における軸方向に直交する断面が矩形状に形成された部分(以下、背景技術の説明において、「矩形部」と記す)の表面に設けられた被膜を剥離する技術が開示されている。特許文献1の技術においては、矩形部における互いに反対側を向く一対の表面(以下、背景技術の説明において、「切削面」と記す)に対して、各切削面に対応する切削刃を有する切削工具を平行に移動させることにより、一対の切削面の被膜を同時に切削する。
しかしながら、特許文献1の技術では、切削工具の移動経路を考慮すると、一対の切削面を支持する支持機構を設けることが困難であった。そのため、矩形部が切削面に直交する方向にずれ易く、各切削面の切削深さにばらつきが生じたり、各切削面の切削後の表面形状にゆがみが生じたりする等の問題があり、各切削面の被膜を剥離するための切削加工の精度を高めることについて改善の余地があった。
そこで、軸方向に直交する断面が矩形状の線材における一対の表面の被膜を剥離するための切削加工の精度を高めることができる技術の実現が望まれる。
上記に鑑みた、被膜剥離装置の特徴構成は、
軸方向に直交する断面が矩形状の線材の表面に設けられた被膜を剥離する被膜剥離装置であって、
前記線材の互いに反対側を向く表面を保持する一対の保持部材と、
第1切削刃及び第2切削刃と、
第1支持体及び第2支持体と、を備え、
一対の前記保持部材の対向する方向を保持方向とし、前記線材における前記保持方向に平行な一対の表面の一方を第1面、他方を第2面として、
前記第1切削刃は、前記第1面に平行に移動して、前記第1面の前記被膜を切削し、
前記第2切削刃は、前記第2面に平行に移動して、前記第2面の前記被膜を切削し、
前記第1切削刃と前記第2切削刃とは、互いに前記保持方向における異なる位置に配置され、
前記第1支持体は、前記第1切削刃による前記第1面の切削中は前記第2面を支持し、
前記第2支持体は、前記第2切削刃による前記第2面の切削中は前記第1面を支持する点にある。
軸方向に直交する断面が矩形状の線材の表面に設けられた被膜を剥離する被膜剥離装置であって、
前記線材の互いに反対側を向く表面を保持する一対の保持部材と、
第1切削刃及び第2切削刃と、
第1支持体及び第2支持体と、を備え、
一対の前記保持部材の対向する方向を保持方向とし、前記線材における前記保持方向に平行な一対の表面の一方を第1面、他方を第2面として、
前記第1切削刃は、前記第1面に平行に移動して、前記第1面の前記被膜を切削し、
前記第2切削刃は、前記第2面に平行に移動して、前記第2面の前記被膜を切削し、
前記第1切削刃と前記第2切削刃とは、互いに前記保持方向における異なる位置に配置され、
前記第1支持体は、前記第1切削刃による前記第1面の切削中は前記第2面を支持し、
前記第2支持体は、前記第2切削刃による前記第2面の切削中は前記第1面を支持する点にある。
この特徴構成によれば、第1切削刃と第2切削刃とが互いに保持方向における異なる位置に配置されることによって生じたスペースを利用して、第1支持体と第2支持体とを配置することができる。そのため、第1支持体によって線材の第2面側への移動を規制しつつ第1切削刃によって第1面の切削を行うと共に、第2支持体によって線材の第1面側への移動を規制しつつ第2切削刃によって第2面の切削を行うことができる。したがって、軸方向に直交する断面が矩形状の線材における一対の表面の被膜を剥離するための切削加工の精度を高めることができる。
上記に鑑みた、被膜剥離方法の特徴構成は、軸方向に直交する断面が矩形状の線材の表面に設けられた被膜を剥離する被膜剥離方法であって、
前記線材の互いに反対側を向く表面を保持する一対の保持部材と、第1切削刃及び第2切削刃と、第1支持体及び第2支持体と、を備えた被膜剥離装置を準備する準備工程と、
一対の前記保持部材の対向する方向を保持方向とし、前記線材における前記保持方向に平行な一対の表面の一方を第1面、他方を第2面として、
前記一対の保持部材によって前記線材を前記保持方向に保持する保持工程と、
前記保持工程の実行中に、前記第1支持体によって前記第2面を支持しつつ、前記第1切削刃を前記第1面に平行に移動して、前記第1面の前記被膜を切削する第1切削工程と、
前記保持工程の実行中であって前記第1切削工程の開始後、前記第2支持体によって前記第1面を支持しつつ、前記第2切削刃を前記第2面に平行に移動して、前記第2面の前記被膜を切削する第2切削工程と、を備えている点にある。
前記線材の互いに反対側を向く表面を保持する一対の保持部材と、第1切削刃及び第2切削刃と、第1支持体及び第2支持体と、を備えた被膜剥離装置を準備する準備工程と、
一対の前記保持部材の対向する方向を保持方向とし、前記線材における前記保持方向に平行な一対の表面の一方を第1面、他方を第2面として、
前記一対の保持部材によって前記線材を前記保持方向に保持する保持工程と、
前記保持工程の実行中に、前記第1支持体によって前記第2面を支持しつつ、前記第1切削刃を前記第1面に平行に移動して、前記第1面の前記被膜を切削する第1切削工程と、
前記保持工程の実行中であって前記第1切削工程の開始後、前記第2支持体によって前記第1面を支持しつつ、前記第2切削刃を前記第2面に平行に移動して、前記第2面の前記被膜を切削する第2切削工程と、を備えている点にある。
この特徴構成によれば、第1切削工程(S13)では、第1支持体(52)によって線材(1)の第2面(12)側への移動を規制しつつ第1切削刃(411)によって第1面(11)の切削を行うことができ、第2切削工程(S14)では、第2支持体(412)によって線材(1)の第1面(11)側への移動を規制しつつ第2切削刃(421)によって第2面(12)の切削を行うことができる。したがって、軸方向に直交する断面が矩形状の線材(1)における一対の表面の被膜(1A)を剥離するための切削加工の精度を高めることができる。
1.第1の実施形態
以下では、第1の実施形態に係る被膜剥離装置100について図面を参照して説明する。図1に示すように、被膜剥離装置100は、線材1の表面に設けられた被膜1Aを剥離する装置である。
なお、以下の説明において、被膜剥離装置100の鉛直方向を「上下方向V」と記す。そして、当該鉛直方向の上側を「上側V1」、下側を「下側V2」と記す。
以下では、第1の実施形態に係る被膜剥離装置100について図面を参照して説明する。図1に示すように、被膜剥離装置100は、線材1の表面に設けられた被膜1Aを剥離する装置である。
なお、以下の説明において、被膜剥離装置100の鉛直方向を「上下方向V」と記す。そして、当該鉛直方向の上側を「上側V1」、下側を「下側V2」と記す。
図1に示すように、線材1は、軸方向に直交する断面が矩形状に形成された平角線である。線材1は、例えば、電動機や発電機等の回転電機用のコイルに用いられる。被膜1Aは、樹脂やセラミックス等の電気的絶縁材料により形成され、導体部1Bの外周全域(導体部1Bの軸方向に直交する断面の外周全域)に形成されている。導体部1Bは、銅やアルミニウム等の導電性材料により形成されている。導体部1Bは、軸方向に直交する断面が矩形状に形成されている。つまり、被膜1Aの剥離前の線材1の軸方向に直交する断面と、導体部1Bの軸方向に直交する断面との双方が、矩形状に形成されている。
線材1が被膜剥離装置100に配置された状態での上下方向Vを基準として、線材1の表面は、第1面11と、第2面12と、上面13と、下面14と、を含んでいる。第1面11及び第2面12は、線材1における上下方向Vに平行な一対の表面である。
ここで、本願において「平行」は、平行な状態、及び誤差の範囲(例えば5°以下)で実質的に平行とみなせる状態を含む概念として用いている。
ここで、本願において「平行」は、平行な状態、及び誤差の範囲(例えば5°以下)で実質的に平行とみなせる状態を含む概念として用いている。
また、第1面11及び第2面12は、被膜剥離装置100による被膜1Aの剥離の対象となる表面である。以下では、説明の便宜上、被膜1Aの剥離の前後に関わらず、線材1に対して「第1面11」及び「第2面12」の用語を用いるものとする。つまり、第1面11及び第2面12のそれぞれは、被膜1Aの剥離前は被膜1Aの表面を表し、被膜1Aの剥離後は導体部1Bの表面を表す。
なお、以下の説明において、線材1が被膜剥離装置100に配置された状態で、第1面11と第2面12とが並ぶ方向を「幅方向W」と記す。そして、幅方向Wにおいて、第1面11が位置する側を「幅方向第1側W1」、第2面12が位置する側を「幅方向第2側W2」と記す。
なお、以下の説明において、線材1が被膜剥離装置100に配置された状態で、第1面11と第2面12とが並ぶ方向を「幅方向W」と記す。そして、幅方向Wにおいて、第1面11が位置する側を「幅方向第1側W1」、第2面12が位置する側を「幅方向第2側W2」と記す。
上面13は、線材1が被膜剥離装置100に配置された状態での上側V1の表面であり、下面14は、線材1が被膜剥離装置100に配置された状態での下側V2の表面である。つまり、上面13及び下面14は、互いに線材1における上下方向Vの反対側を向く一対の表面である。
被膜剥離装置100は、上側保持部材2と、下側保持部材3と、を備えている。上側保持部材2と下側保持部材3とは、互いに上下方向Vに対向する。つまり、本実施形態では、上下方向Vが「保持方向」に対応する。上側保持部材2と下側保持部材3とは、それぞれ線材1の上面13と下面14とに当接することによって線材1を保持する。つまり、上側保持部材2及び下側保持部材3は、線材1の互いに反対側を向く表面を保持する「一対の保持部材」として機能する。
上側保持部材2は、線材1よりも上側V1に配置されている。上側保持部材2は、上下方向Vに沿って延在している。図示の例では、上側保持部材2の幅方向Wの長さは、上下方向Vに沿って一様となっている。また、上側保持部材2の下側V2の端面(線材1の上面13に当接する面)は、幅方向Wに沿った平面として形成されている。
下側保持部材3は、載置部31と、基台部32と、を有している。載置部31は、上下方向Vに沿って延在している。載置部31は、当該載置部31の上側V1の端面に線材1が載置可能に形成されている。図示の例では、下側保持部材3の上側V1の端面(線材1の下面14に当接する面)は、幅方向Wに沿った平面として形成されている。基台部32は、載置部31の下側V2の端部に固定されている。つまり、基台部32の上面から載置部31が上側V1に突出するように設けられている。図示の例では、基台部32の上面は、幅方向Wに沿った平面として形成されている。
図1に示すように、被膜剥離装置100は、上型100Uと、上型100Uに対して下側V2に配置された下型100Lと、を備えている。上型100Uは、上下方向Vに沿って移動可能に構成されたスライド部材101に連結されている。スライド部材101が下側V2に移動することで、上型100Uも下型100Lに向けて下側V2に移動する。そして、上型100Uが下死点に到達することで、上型100Uと下型100Lとの間に配置された線材1の被膜1Aが剥離される。なお、上側保持部材2は、バネ等の弾性部材102を介してスライド部材101に連結された状態で、上型100Uに備えられている。また、下側保持部材3は、下型100Lに備えられている。なお、スライド部材101及び弾性部材102は、図1において模式的に示している。
本実施形態では、上型100Uは、第1切削部材41及び第2切削部材42と、第1支持部材51及び第2支持部材52と、を備えている。第1切削部材41と第2切削部材42とは、それぞれ幅方向第1側W1と幅方向第2側W2とにおいて、互いに離間した位置に配置されている。第1支持部材51と第2支持部材52とは、それぞれ幅方向第1側W1と幅方向第2側W2とにおいて、互いに離間した位置に配置されている。第1切削部材41と第2切削部材42との隙間、及び第1支持部材51と第2支持部材52との隙間には、上側保持部材2が配置されている。
第1切削部材41は、第1切削刃411と、第1基部412と、を有している。第1切削刃411は、線材1の第1面11に平行(上下方向Vの下側V2)に移動して、第1面11の被膜1Aを切削するように構成されている。第1切削刃411は、導体部1Bが露出するように第1面11の被膜1Aを切削可能な位置に配置されている。つまり、第1切削刃411は、幅方向Wにおいて、第1面11の被膜1Aと共に導体部1Bの一部(実用上問題のない程度の割合)も切削可能な位置に配置されている。本実施形態では、第1切削刃411は、第1基部412の下端に配置されている。また、本実施形態では、第1切削刃411は、第1基部412と一体的に構成されている。
第1基部412は、第1連結部材43を介して、スライド部材101に連結されている。当該スライド部材101が下側V2に移動することで、第1基部412の下端に配置されている第1切削部材41も下側V2に移動する。
第1基部412の幅方向第2側W2の表面には、第1規制面412aが形成されている。第1規制面412aは、線材1の幅方向第1側W1への移動を規制する面である。第1規制面412aは、幅方向Wにおいて、第1切削刃411によって被膜1Aが切削された後の線材1の第1面11と同一の位置、或いは当該第1面11よりも幅方向第1側W1に形成されている。図示の例では、第1規制面412aは、上下方向Vに延在する平面として形成されている。
第2切削部材42は、第2切削刃421と、第2基部422と、を有している。第2切削刃421は、線材1の第2面12に平行(上下方向Vの下側V2)に移動して、第2面12の被膜1Aを切削するように構成されている。第2切削刃421は、導体部1Bが露出するように第2面12の被膜1Aを切削可能な位置に配置されている。つまり、第2切削刃421は、幅方向Wにおいて、第2面12の被膜1Aと共に導体部1Bの一部(実用上問題のない程度の割合)も切削可能な位置に配置されている。本実施形態では、第2切削刃421は、第2基部422の下端に配置されている。また、本実施形態では、第2切削刃421は、第2基部422と一体的に構成されている。
第1切削刃411と第2切削刃421とは、互いに上下方向Vにおける異なる位置に配置されている。本実施形態では、第1切削刃411と第2切削刃421とは、線材1の上下方向Vの長さ(上面13から下面14までの長さ)以上の距離で、上下方向Vに互いに離間している。つまり、第1切削刃411と第2切削刃421との上下方向Vの距離である刃間距離ΔBは、線材1の上下方向Vの長さである線材高さΔW以上となっている。また、本実施形態では、第2切削刃421は、第1切削刃411よりも、第1切削刃411及び第2切削刃421の移動方向の後方側(上側V1)に配置されている。
第2基部422は、第2連結部材44を介して、スライド部材101に連結されている。当該スライド部材101が下側V2に移動することで、第2基部422の下端に配置されている第2切削部材42も下側V2に移動する。なお、スライド部材101には、第1基部412及び第2基部422の他に、上側保持部材2も連結されている。そのため、スライド部材101の移動に伴って、第1基部412と第2基部422と上側保持部材2とが移動する。
第2基部422の幅方向第1側W1の表面には、第2規制面422aが形成されている。第2規制面422aは、線材1の幅方向第2側W2への移動を規制する面である。第2規制面422aは、幅方向Wにおいて、第2切削刃421によって被膜1Aが切削された後の線材1の第2面12と同一の位置、或いは当該第2面12よりも幅方向第2側W2に形成されている。図示の例では、第2規制面422aは、上下方向Vに延在する平面として形成されている。
第1支持部材51は、第1切削部材41よりも下側V2に配置されている。本実施形態では、第1支持部材51は、第1切削刃411よりも当該第1切削刃411の移動方向の前方側(下側V2)に、第1面11の被膜1Aにおける上下方向Vの長さ未満の距離で第1切削刃411から離間した位置に配置されている。つまり、第1支持部材51と第1切削刃411との上下方向Vの距離である第1距離ΔD1は、第1面11の被膜1Aにおける上下方向Vの長さ(図示の例では、線材高さΔW)未満となっている。
第1支持部材51は、第1距離ΔD1が一定となるように、第1切削部材41に連結されている。そのため、第1切削部材41の移動に伴って、第1支持部材51と第1切削部材41との距離が一定に維持された状態で第1支持部材51も移動する。ここでは、第1接続部材61を介して、第1切削部材41と第1支持部材51とが連結されている。
第1支持部材51の幅方向第2側W2の表面には、第1支持面51aと、第1内側傾斜面51bと、が形成されている。第1支持面51aは、線材1の幅方向第1側W1への移動を規制する面である。第1支持面51aは、幅方向Wにおいて、第1切削刃411によって被膜1Aが切削される前の線材1の第1面11と同一の位置、或いは当該第1面11よりも幅方向第1側W1に形成されている。図示の例では、第1支持面51aは、上下方向Vに延在する平面として形成されている。第1内側傾斜面51bは、線材1の第1面11を第1支持面51aに案内する面である。第1内側傾斜面51bは、下側V2に向かうに従って幅方向第1側W1に傾斜するように、第1支持面51aの下側V2の端部から第1支持部材51の下側V2の端部にかけて形成されている。
本実施形態では、第1支持部材51の幅方向第1側W1の表面には、第1外側傾斜面51cが形成されている。第1外側傾斜面51cは、第1切削刃411に近付くに従って第1面11に近付く方向(幅方向第2側W2)に傾斜する「傾斜面」である。
第2支持部材52は、第2切削部材42よりも下側V2に配置されている。本実施形態では、第2支持部材52は、第2切削刃421よりも当該第2切削刃421の移動方向の前方側(下側V2)に、第2面12の被膜1Aにおける上下方向Vの長さ未満の距離で第2切削刃421から離間した位置に配置されている。つまり、第2支持部材52と第2切削刃421との上下方向Vの距離である第2距離ΔD2は、第2面12の被膜1Aにおける上下方向Vの長さ(図示の例では、線材高さΔW)未満となっている。図示の例では、第1距離ΔD1と第2距離ΔD2とが同一となっている。また、図示の例では、第2支持部材52の上下方向Vの長さは、第1支持部材51の上下方向Vの長さよりも大きく、第2支持部材52の下端と第1支持部材51の下端とが上下方向Vの同じ位置に配置されている。
第2支持部材52は、第2距離ΔD2が一定となるように、第2切削部材42に連結されている。そのため、第2切削部材42の移動に伴って、第2支持部材52と第2切削部材42との距離が一定に維持された状態で第2支持部材52も移動する。ここでは、第2接続部材62を介して、第2切削部材42と第2支持部材52とが連結されている。
第2支持部材52の幅方向第1側W1の表面には、第2支持面52aと、第2内側傾斜面52bと、が形成されている。第2支持面52aは、線材1の幅方向第2側W2への移動を規制する面である。第2支持面52aは、幅方向Wにおいて、第2切削刃421によって被膜1Aが切削される前の線材1の第2面12と同一の位置、或いは当該第2面12よりも幅方向第2側W2に形成されている。図示の例では、第2支持面52aは、上下方向Vに延在する平面として形成されている。第2内側傾斜面52bは、線材1の第2面12を第2支持面52aに案内する面である。第2内側傾斜面52bは、下側V2に向かうに従って幅方向第2側W2に傾斜するように、第2支持面52aの下側V2の端部から第2支持部材52の下側V2の端部にかけて形成されている。
本実施形態では、第2支持部材52の幅方向第2側W2の表面には、第2外側傾斜面52cが形成されている。第2外側傾斜面52cは、第2切削刃421に近付くに従って第2面12に近付く方向(幅方向第1側W1)に傾斜する「傾斜面」である。
以下では、本実施形態に係る被膜剥離装置100を用いた被膜剥離工程S1について説明する。図2に示すように、被膜剥離工程S1は、準備工程S11と、保持工程S12と、第1切削工程S13と、第2切削工程S14と、を備えている。準備工程S11は、被膜剥離装置100を準備する工程である。
図1は、本実施形態に係る被膜剥離装置100が線材1の被膜1Aを剥離する動作の初期状態、つまり、準備工程S11の実行後であって保持工程S12の実行前の状態を示している。図1に示すように、初期状態では、下型100Lにおける下側保持部材3の載置部31に線材1が載置され、上型100Uが線材1よりも上側V1に配置されている。
本実施形態では、第1切削部材41及び第2切削部材42が、それぞれ第1連結部材43、第2連結部材44、及びスライド部材101を介して一体的に動作するように連結されている。更に、第1支持部材51が、第1接続部材61を介して、第1切削部材41と一体的に動作するように連結され、第2支持部材52が、第2接続部材62を介して、第2切削部材42と一体的に動作するように連結されている。そのため、本実施形態では、第1切削部材41と、第2切削部材42と、第1支持部材51と、第2支持部材52とが、同期して上下方向Vに移動する。
図3に示すように、上型100Uが初期状態の位置から下側V2に移動すると、第1支持部材51と第2支持部材52との間に線材1が位置した状態となる。このとき、第1支持部材51及び第2支持部材52において、第1内側傾斜面51bと第2内側傾斜面52bとが、下側V2に向かうに従って互いに離間するように傾斜しているため、第1支持部材51及び第2支持部材52の下側V2の端面同士の距離は、線材1の幅方向Wの長さよりも大きくなっている。これにより、線材1を第1支持部材51と第2支持部材52との間に進入させ易くなっている。更に、線材1が第1支持部材51と第2支持部材52との間に進入した後は、上側V1に向かうに従って互いに近接するように傾斜する第1内側傾斜面51bと第2内側傾斜面52bとによって、線材1を第1支持面51aと第2支持面52aとの間に案内し易くなっている。
図4に示すように、上型100Uが更に下側V2に移動すると、上側保持部材2の下側V2の端部が線材1の上面13に当接する。こうして、線材1が上側保持部材2と下側保持部材3とによって上下方向Vに挟まれて保持された状態となる。つまり、一対の保持装置である上側保持部材2及び下側保持部材3によって、線材1を保持方向である上下方向Vに保持する保持工程S12が行われる。
図5に示すように、上型100Uが更に下側V2に移動すると、弾性部材102を介してスライド部材101に連結された上側保持部材2は、当該弾性部材102が弾性変形することで一定の位置に留まった状態となる。具体的には、上側保持部材2は、線材1の上面13に当接し、下側保持部材3との間に線材1を保持した状態となった後は、当該線材1の上面13に当接した位置に留まる。つまり、上型100Uが上側V1に移動して、上側保持部材2が線材1の上面13から離間しない限り、保持工程S12の実行が継続される。一方、第1切削刃411は、線材1の第1面11の被膜1Aに接触し、当該被膜1Aの切削を開始する。第1切削刃411による第1面11の切削中は、第2支持部材52の第2支持面52aが第2面12を支持する。このように、第2支持部材52は、第1切削刃411による第1面11の切削中は第2面12を支持する「第1支持体」として機能する。こうして、保持工程S12の実行中に、第1支持体としての第2支持部材52によって第2面12を支持しつつ、第1切削刃411を第1面11に平行に移動して、第1面11の被膜1Aを切削する第1切削工程S13が行われる。
ここで、本願において「支持する」とは、支持対象面が規定範囲の外側に移動しないように規制することを意味する。本実施形態に係る「第1支持体」においては、規定範囲の外縁が第2支持部材52の第2支持面52aにより規定され、支持対象面である第2面12が第2支持面52aよりも幅方向第2側W2に移動する前に、第2面12が第2支持面52aに当接することで支持される。
ここで、本願において「支持する」とは、支持対象面が規定範囲の外側に移動しないように規制することを意味する。本実施形態に係る「第1支持体」においては、規定範囲の外縁が第2支持部材52の第2支持面52aにより規定され、支持対象面である第2面12が第2支持面52aよりも幅方向第2側W2に移動する前に、第2面12が第2支持面52aに当接することで支持される。
本実施形態では、第1切削刃411による第1面11の切削中、第1基部412の第1規制面412aが、切削後の第1面11を支持する。更に、本実施形態では、線材高さΔW未満の第1距離ΔD1(図1参照)で第1切削刃411と第1支持部材51とが互いに離間しているため、第1切削刃411による第1面11の切削中、第1支持部材51の第1支持面51aが、第1切削刃411よりも下側V2で切削前の第1面11を支持する。ここで、第1支持部材51は、第1切削刃411と共に下側V2に移動するため、第1支持面51aによって第1面11が支持される期間は、第1切削刃411による第1面11の切削工程の一部のみである。ただし、少なくとも第1切削刃411による第1面11の切削開始時点では、第1支持面51aにより第1面11が支持される。そのため、第1切削刃411が第1面11に噛み込む際に第1面11に作用する下向き押圧荷重によって線材1にねじれ変形が生じることを抑制することができる。このように、第1支持部材51は、第1切削刃411による第1面11の切削中に第1面11を支持する「第3支持体」として機能する。
図6に示すように、上型100Uが更に下側V2に移動すると、第1切削刃411による第1面11の被膜1Aの切削(第1切削工程S13)が完了する。このとき、線材1から剥離した被膜片1Cは、第1距離ΔD1(図1参照)で互いに離間した第1支持部材51と第1切削刃411との隙間を通って排出される。また、被膜片1Cが第1支持部材51の第1外側傾斜面51c上に落下した場合には、当該第1外側傾斜面51cに沿って円滑に被膜片1Cが排出される。なお、本実施形態では、第1切削刃411と第2切削刃421とが、線材高さΔW以上に設定された刃間距離ΔBで互いに離間しているため、第1切削刃411による第1面11の被膜1Aの切削(第1切削工程S13)が完了するまで、第2切削刃421による第2面12の被膜1Aの切削(第2切削工程S14)が開始することはない。つまり、本実施形態では、線材1の第1面11と第2面12とが片面ずつ切削される。
図7に示すように、上型100Uが更に下側V2に移動すると、第2切削刃421は、線材1の第2面12の被膜1Aに接触し、当該被膜1Aの切削を開始する。第2切削刃421による第2面12の切削中は、第1基部412の第1規制面412aが第1面11を支持する。このように、第1基部412は、第2切削刃421による第2面12の切削中は第1面11を支持する「第2支持体」として機能する。こうして、保持工程S12の実行中であって第1切削工程S13の開始後(本実施形態では、完了後)、第2支持体としての第1基部412によって第1面11を支持しつつ、第2切削刃421を第2面12に平行に移動して、第2面12の被膜1Aを切削する第2切削工程S14が行われる。
本実施形態に係る「第2支持体」においては、規定範囲の外縁が第1基部412の第1規制面412aにより規定され、支持対象面である第1面11が第1規制面412aよりも幅方向第1側W1に移動する前に、第1面11が第1規制面412aに当接することで支持される。
本実施形態に係る「第2支持体」においては、規定範囲の外縁が第1基部412の第1規制面412aにより規定され、支持対象面である第1面11が第1規制面412aよりも幅方向第1側W1に移動する前に、第1面11が第1規制面412aに当接することで支持される。
本実施形態では、第2切削刃421による第2面12の切削中、第2基部422の第2規制面422aが、切削後の第2面12を支持する。更に、本実施形態では、線材高さΔW未満の第2距離ΔD2(図1参照)で第2切削刃421と第2支持部材52とが互いに離間しているため、第2切削刃421による第2面12の切削中、第2支持部材52の第2支持面52aが、第2切削刃421よりも下側V2で切削前の第2面12を支持する。ここで、第2支持部材52は、第2切削刃421と共に下側V2に移動するため、第2支持面52aによって第2面12が支持される期間は、第2切削刃421による第2面12の切削工程の一部のみである。ただし、少なくとも第2切削刃421による第2面12の切削開始時点では、第2支持面52aにより第2面12が支持される。そのため、第2切削刃421が第2面12に噛み込む際に第2面12に作用する下向き押圧荷重によって線材1にねじれ変形が生じることを抑制することができる。このように、第2支持部材52は、第2切削刃421による第2面12の切削中に第2面12を支持する「第4支持体」として機能する。つまり、本実施形態では、第2支持部材52は、「第1支持体」及び「第4支持体」の双方として機能する。
図8に示すように、上型100Uが更に下側V2に移動すると、第2切削刃421による第2面12の被膜1Aの切削(第2切削工程S14)が完了する。このとき、線材1から剥離した被膜片1Cは、第2距離ΔD2(図1参照)を空けて互いに離間した第2支持部材52と第2切削刃421との隙間を通って排出される。また、被膜片1Cが第2支持部材52の第2外側傾斜面52c上に落下した場合には、当該第2外側傾斜面52cに沿って円滑に被膜片1Cが排出される。
2.第2の実施形態
以下では、第2の実施形態に係る被膜剥離装置100について図面を参照して説明する。本実施形態では、第1支持部材51及び第2支持部材52の双方の構成が、上記第1の実施形態のものとは異なっている。以下では、上記第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態と同様とする。
以下では、第2の実施形態に係る被膜剥離装置100について図面を参照して説明する。本実施形態では、第1支持部材51及び第2支持部材52の双方の構成が、上記第1の実施形態のものとは異なっている。以下では、上記第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態と同様とする。
図9に示すように、本実施形態では、第1支持部材51及び第2支持部材52は、下型100Lに備えられている。本実施形態では、第1支持部材51には第1内側傾斜面51bが形成されておらず、第2支持部材52には第2内側傾斜面52bが形成されていない。また、本実施形態では、第1支持部材51は、第1弾性部材71を介して、下型100Lにおける下側保持部材3の基台部32に連結され、第2支持部材52は、第2弾性部材72を介して、下型100Lにおける下側保持部材3の基台部32に連結されている。
本実施形態では、第1支持部材51及び第2支持部材52は、荷重が全く掛けられていない状態で、第1支持部材51及び第2支持部材52の上側V1の端面同士が、上下方向Vの同一位置となるように配置されている。また、本実施形態では、第1支持部材51及び第2支持部材52は、荷重が全く掛けられていない状態で、第1支持面51aと第2支持面52aとの間に線材1が位置するように配置されている。
以下では、本実施形態に係る被膜剥離装置100を用いた被膜剥離工程S1について説明する。本実施形態に係る被膜剥離工程S1は、上記第1の実施形態に係る被膜剥離工程S1と同様に、準備工程S11と、保持工程S12と、第1切削工程S13と、第2切削工程S14と、を備えている(図2参照)。
図9は、本実施形態に係る被膜剥離装置100が線材1の被膜1Aを剥離する動作の初期状態、つまり、準備工程S11の実行後であって保持工程S12の実行前の状態を示している。図9に示すように、初期状態では、下型100Lにおける下側保持部材3の載置部31に線材1が載置され、上型100Uが線材1よりも上側V1に配置されている。
図10に示すように、上型100Uが初期状態の位置から下側V2に移動すると、上側保持部材2の下側V2の端部が線材1の上面13に当接する。こうして、線材1が上側保持部材2と下側保持部材3とによって上下方向Vに挟まれて保持された状態となる。つまり、一対の保持装置である上側保持部材2及び下側保持部材3によって、線材1を保持方向である上下方向Vに保持する保持工程S12が行われる。
図11に示すように、上型100Uが更に下側V2に移動すると、弾性部材102を介してスライド部材101に連結された上側保持部材2は、当該弾性部材102が弾性変形することで一定の位置(線材1の上面13に当接した位置)に留まった状態となる。つまり、上型100Uが上側V1に移動して、上側保持部材2が線材1の上面13から離間しない限り、保持工程S12の実行が継続される。一方、第1切削刃411は、線材1の第1面11の被膜1Aに接触し、当該被膜1Aの切削を開始する。第1切削刃411による第1面11の切削中は、第2支持部材52の第2支持面52aが第2面12を支持する。このように、本実施形態においても、第2支持部材52は、第1切削刃411による第1面11の切削中は第2面12を支持する「第1支持体」として機能する。こうして、保持工程S12の実行中に、第1支持体としての第2支持部材52によって第2面12を支持しつつ、第1切削刃411を第1面11に平行に移動して、第1面11の被膜1Aを切削する第1切削工程S13が行われる。また、本実施形態においても、第1切削刃411による第1面11の切削中、第1基部412の第1規制面412aが、切削後の第1面11を支持する。
本実施形態では、最も接近した第1切削刃411と第1支持部材51との距離が第1距離ΔD1(図1参照)となるように、両者を離間した状態に維持する第1離間部材63が設けられている。ここでは、第1離間部材63は、第1切削部材41から下側V2に突出し、第1切削刃411と第1支持部材51との距離が第1距離ΔD1となった時点で第1支持部材51の一部に上側V1から当接する当接部材とされている。このような第1離間部材63が設けられているため、第1切削刃411が下側V2に移動するに伴って、第1切削刃411と第1支持部材51との距離が維持された状態で、第1支持部材51は第1弾性部材71を弾性変形させつつ下側V2に移動する。
このように、本実施形態では、第1切削刃411による第1面11の切削中、線材高さΔW未満の第1距離ΔD1(図1参照)で第1切削刃411と第1支持部材51とが互いに離間しているため、第1支持部材51の第1支持面51aが、第1切削刃411よりも下側V2で切削前の第1面11を支持する。このように、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、第1支持部材51は、第1切削刃411による第1面11の切削中に第1面11を支持する「第3支持体」として機能する。
図12に示すように、上型100Uが更に下側V2に移動すると、第1切削刃411による第1面11の被膜1Aの切削(第1切削工程S13)が完了する。このとき、線材1から剥離した被膜片1Cは、第1距離ΔD1(図1参照)で互いに離間した第1支持部材51と第1切削刃411との隙間を通って排出される。また、被膜片1Cが第1支持部材51の第1外側傾斜面51c上に落下した場合には、当該第1外側傾斜面51cに沿って円滑に被膜片1Cが排出される。
図13に示すように、上型100Uが更に下側V2に移動すると、第2切削刃421は、線材1の第2面12の被膜1Aに接触し、当該被膜1Aの切削を開始する。第2切削刃421による第2面12の切削中は、第1基部412の第1規制面412aが第1面11を支持する。このように、本実施形態においても、第1基部412は、第2切削刃421による第2面12の切削中は第1面11を支持する「第2支持体」として機能する。こうして、保持工程S12の実行中であって第1切削工程S13の開始後(本実施形態では、完了後)、第2支持体としての第1基部412によって第1面11を支持しつつ、第2切削刃421を第2面12に平行に移動して、第2面12の被膜1Aを切削する第2切削工程S14が行われる。また、本実施形態においても、第2切削刃421による第2面12の切削中、第2基部422の第2規制面422aが、切削後の第2面12を支持する。
本実施形態では、最も接近した第2切削刃421と第2支持部材52との距離が第2距離ΔD2(図1参照)となるように、両者を離間した状態に維持する第2離間部材64が設けられている。ここでは、第2離間部材64は、第2切削部材42から下側V2に突出し、第2切削刃421と第2支持部材52との距離が第2距離ΔD2となった時点で第2支持部材52の一部に上側V1から当接する当接部材とされている。このような第2離間部材64が設けられているため、第2切削刃421が下側V2に移動するに伴って、第2切削刃421と第2支持部材52との距離が維持された状態で、第2支持部材52は第2弾性部材72を弾性変形させつつ下側V2に移動する。
このように、本実施形態では、第2切削刃421による第2面12の切削中、線材高さΔW未満の第2距離ΔD2(図1参照)で第2切削刃421と第2支持部材52とが互いに離間しているため、第2支持部材52の第2支持面52aが、第2切削刃421よりも下側V2で切削前の第2面12を支持する。このように、本実施形態においても、第2支持部材52は、第2切削刃421による第2面12の切削中に第2面12を支持する「第4支持体」として機能する。つまり、本実施形態においても、第2支持部材52は、「第1支持体」及び「第4支持体」の双方として機能する。
図14に示すように、上型100Uが更に下側V2に移動すると、第2切削刃421による第2面12の被膜1Aの切削(第2切削工程S14)が完了する。このとき、線材1から剥離した被膜片1Cは、第2距離ΔD2(図1参照)を空けて互いに離間した第2支持部材52と第2切削刃421との隙間を通って排出される。また、被膜片1Cが第2支持部材52の第2外側傾斜面52c上に落下した場合には、当該第2外側傾斜面52cに沿って円滑に被膜片1Cが排出される。
3.その他の実施形態
(1)上記の実施形態では、刃間距離ΔBを線材高さΔW以上とし、線材1の第1面11と第2面12とを片面ずつ切削する構成、つまり、第1切削工程S13の完了後に第2切削工程S14を実行する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、刃間距離ΔBを線材高さΔW未満とし、線材1の第1面11と第2面12との少なくとも一部を同時に切削する構成、つまり、第1切削工程S13の開始後であって第1切削工程S13の完了前に第2切削工程S14を実行する構成としても良い。
(1)上記の実施形態では、刃間距離ΔBを線材高さΔW以上とし、線材1の第1面11と第2面12とを片面ずつ切削する構成、つまり、第1切削工程S13の完了後に第2切削工程S14を実行する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、刃間距離ΔBを線材高さΔW未満とし、線材1の第1面11と第2面12との少なくとも一部を同時に切削する構成、つまり、第1切削工程S13の開始後であって第1切削工程S13の完了前に第2切削工程S14を実行する構成としても良い。
(2)上記の実施形態では、第2切削刃421が、第1切削刃411よりも、第1切削刃411及び第2切削刃421の移動方向の後方側(上側V1)に配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第2切削刃421が、第1切削刃411よりも、第1切削刃411及び第2切削刃421の移動方向の前方側(下側V2)に配置された構成としても良い。
(3)上記の実施形態では、「第3支持体」として機能する第1支持部材51が、線材高さΔW未満の第1距離ΔD1で第1切削刃411に対して離間する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1距離ΔD1が線材高さΔW以上であっても良い。また、第1支持部材51が設けられていない構成であっても良い。
(4)上記の実施形態では、「第3支持体」として機能する第1支持部材51が、第1外側傾斜面51cを有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1支持部材51が、第1外側傾斜面51cを有しない構成であっても良い。
(5)上記の実施形態では、「第4支持体」として機能する第2支持部材52が、線材高さΔW未満の第2距離ΔD2で第2切削刃421に対して離間する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第2距離ΔD2が線材高さΔW以上であっても良い。
(6)上記の実施形態では、「第4支持体」として機能する第2支持部材52が、第2外側傾斜面52cを有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第2支持部材52が、第2外側傾斜面52cを有しない構成であっても良い。
(7)上記の実施形態では、第2支持部材52が「第1支持体」及び「第4支持体」の双方として機能、つまり、「第1支持体」と「第4支持体」とが一体的に構成された例を説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、「第1支持体」と「第4支持体」とを別部材として設けた構成としても良いし、「第1支持体」として機能する部材のみを設けた構成としても良い。
(8)上記の実施形態では、第1切削刃411と、「第2支持体」として機能する第1基部412とが一体的に構成され、第1切削刃411と第1基部412とが同期して移動する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1切削刃411と第1基部412とが互いに分離した別部材であっても良いし、そのような場合に第1切削刃411と第1基部412とが同期して移動しない構成であっても良い。
(9)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
4.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した被膜剥離装置(100)の概要について説明する。
以下、上記において説明した被膜剥離装置(100)の概要について説明する。
被膜剥離装置(100)は、
軸方向に直交する断面が矩形状の線材(1)の表面に設けられた被膜(1A)を剥離する被膜剥離装置(100)であって、
前記線材(1)の互いに反対側を向く表面を保持する一対の保持部材(2,3)と、
第1切削刃(411)及び第2切削刃(421)と、
第1支持体(52)及び第2支持体(412)と、を備え、
一対の前記保持部材(2,3)の対向する方向を保持方向(V)とし、前記線材(1)における前記保持方向(V)に平行な一対の表面の一方を第1面(11)、他方を第2面(12)として、
前記第1切削刃(411)は、前記第1面(11)に平行に移動して、前記第1面(11)の前記被膜(1A)を切削し、
前記第2切削刃(421)は、前記第2面(12)に平行に移動して、前記第2面(12)の前記被膜(1A)を切削し、
前記第1切削刃(411)と前記第2切削刃(421)とは、互いに前記保持方向(V)における異なる位置に配置され、
前記第1支持体(52)は、前記第1切削刃(411)による前記第1面(11)の切削中は前記第2面(12)を支持し、
前記第2支持体(412)は、前記第2切削刃(421)による前記第2面(12)の切削中は前記第1面(11)を支持する。
軸方向に直交する断面が矩形状の線材(1)の表面に設けられた被膜(1A)を剥離する被膜剥離装置(100)であって、
前記線材(1)の互いに反対側を向く表面を保持する一対の保持部材(2,3)と、
第1切削刃(411)及び第2切削刃(421)と、
第1支持体(52)及び第2支持体(412)と、を備え、
一対の前記保持部材(2,3)の対向する方向を保持方向(V)とし、前記線材(1)における前記保持方向(V)に平行な一対の表面の一方を第1面(11)、他方を第2面(12)として、
前記第1切削刃(411)は、前記第1面(11)に平行に移動して、前記第1面(11)の前記被膜(1A)を切削し、
前記第2切削刃(421)は、前記第2面(12)に平行に移動して、前記第2面(12)の前記被膜(1A)を切削し、
前記第1切削刃(411)と前記第2切削刃(421)とは、互いに前記保持方向(V)における異なる位置に配置され、
前記第1支持体(52)は、前記第1切削刃(411)による前記第1面(11)の切削中は前記第2面(12)を支持し、
前記第2支持体(412)は、前記第2切削刃(421)による前記第2面(12)の切削中は前記第1面(11)を支持する。
この構成によれば、第1切削刃(411)と第2切削刃(421)とが互いに保持方向(V)における異なる位置に配置されることによって生じたスペースを利用して、第1支持体(52)と第2支持体(412)とを配置することができる。そのため、第1支持体(52)によって線材(1)の第2面(12)側への移動を規制しつつ第1切削刃(411)によって第1面(11)の切削を行うと共に、第2支持体(412)によって線材(1)の第1面(11)側への移動を規制しつつ第2切削刃(421)によって第2面(12)の切削を行うことができる。したがって、軸方向に直交する断面が矩形状の線材(1)における一対の表面の被膜(1A)を剥離するための切削加工の精度を高めることができる。
ここで、前記第1切削刃(411)と前記第2切削刃(421)とは、前記線材(1)における前記保持方向(V)の長さ(ΔW)以上の距離(ΔB)で、前記保持方向(V)に互いに離間していると好適である。
この構成によれば、第1面(11)と第2面(12)とを片面ずつ切削することができる。よって、第1面(11)と第2面(12)とを同時に切削する構成と比べて、切削時の負荷が小さくなるため、第1切削刃(411)及び第2切削刃(421)を切削加工のために移動させる推力を低くすることができる。また、線材(1)に対して第1切削刃(411)及び第2切削刃(421)の双方から同時に切削荷重が作用することがないため、双方の切削荷重の偏りによる線材(1)の変形も小さく抑えることができる。したがって、この点でも、線材(1)の表面の被膜(1A)を剥離するための切削加工の精度を高めることができる。
また、前記被膜剥離装置(100)は、前記第1切削刃(411)による前記第1面(11)の切削中に前記第1面(11)を支持する第3支持体(51)を更に備え、
前記第3支持体(51)は、前記第1切削刃(411)による前記第1面(11)の切削中は、前記第1切削刃(411)よりも当該第1切削刃(411)の移動方向(V)の前方側(V2)に、前記第1面(11)の前記被膜(1A)における前記保持方向(V)の長さ(ΔW)未満の距離(ΔD1)で前記第1切削刃(411)から離間した位置に配置されると好適である。
前記第3支持体(51)は、前記第1切削刃(411)による前記第1面(11)の切削中は、前記第1切削刃(411)よりも当該第1切削刃(411)の移動方向(V)の前方側(V2)に、前記第1面(11)の前記被膜(1A)における前記保持方向(V)の長さ(ΔW)未満の距離(ΔD1)で前記第1切削刃(411)から離間した位置に配置されると好適である。
この構成によれば、第3支持体(51)によって線材(1)の第1面(11)側への移動を規制しつつ第1切削刃(411)によって第1面(11)の切削を行うことができる。したがって、第1面(11)の被膜(1A)を剥離するための切削加工の精度を更に高めることができる。また、第3支持体(51)が第1切削刃(411)の移動方向(V)の前方側(V2)に離間して配置されるため、第1面(11)の切削によって線材(1)から剥離した被膜片(1C)を排出する際に、第3支持体(51)が邪魔になり難い。したがって、第1切削刃(411)の移動が被膜片(1C)によって阻害され難く、この点でも第1面(11)の被膜(1A)を剥離するための切削加工の精度を高めることができる。
また、前記被膜剥離装置(100)が前記第3支持体(51)を備えた構成において、
前記第3支持体(51)は、前記第1切削刃(411)に近付くに従って前記第1面(11)に近付く方向(W2)に傾斜する傾斜面(51c)を有すると好適である。
前記第3支持体(51)は、前記第1切削刃(411)に近付くに従って前記第1面(11)に近付く方向(W2)に傾斜する傾斜面(51c)を有すると好適である。
この構成によれば、第1切削刃(411)による第1面(11)の切削によって線材(1)から剥離した被膜片(1C)が、第1切削刃(411)の移動方向(V)の前方側(V2)に位置する第3支持体(51)の傾斜面(51c)に沿って排出され易い。したがって、第1切削刃(411)の移動が被膜片(1C)によって阻害され難く、この点でも第1面(11)の被膜(1A)を剥離するための切削加工の精度を高めることができる。
また、前記被膜剥離装置(100)は、前記第2切削刃(421)による前記第2面(12)の切削中に前記第2面(12)を支持する第4支持体(52)を更に備え、
前記第4支持体(52)は、前記第2切削刃(421)による前記第2面(12)の切削中は、前記第2切削刃(421)よりも当該第2切削刃(421)の移動方向(V)の前方側(V2)に、前記第2面(12)の前記被膜(1A)における前記保持方向(V)の長さ(ΔW)未満の距離(ΔD2)で前記第2切削刃(421)から離間した位置に配置されると好適である。
前記第4支持体(52)は、前記第2切削刃(421)による前記第2面(12)の切削中は、前記第2切削刃(421)よりも当該第2切削刃(421)の移動方向(V)の前方側(V2)に、前記第2面(12)の前記被膜(1A)における前記保持方向(V)の長さ(ΔW)未満の距離(ΔD2)で前記第2切削刃(421)から離間した位置に配置されると好適である。
この構成によれば、第4支持体(52)によって線材(1)の第2面(12)側への移動を規制しつつ第2切削刃(421)によって第2面(12)の切削を行うことができる。したがって、第2面(12)の被膜(1A)を剥離するための切削加工の精度を更に高めることができる。また、第4支持体(52)が第2切削刃(421)の移動方向(V)の前方側(V2)に離間して配置されるため、第2面(12)の切削によって線材(1)から剥離した被膜片(1C)を排出する際に、第4支持体(52)が邪魔になり難い。したがって、第2切削刃(421)の移動が被膜片(1C)によって阻害され難く、この点でも第2面(12)の被膜(1A)を剥離するための切削加工の精度を高めることができる。
また、前記被膜剥離装置(100)が前記第4支持体(52)を備えた構成において、
前記第4支持体(52)は、前記第2切削刃(421)に近付くに従って前記第2面(12)に近付く方向(W1)に傾斜する傾斜面(52c)を有すると好適である。
前記第4支持体(52)は、前記第2切削刃(421)に近付くに従って前記第2面(12)に近付く方向(W1)に傾斜する傾斜面(52c)を有すると好適である。
この構成によれば、第2切削刃(421)による第2面(12)の切削によって線材(1)から剥離した被膜片(1C)が、第2切削刃(421)の移動方向(V)の前方側(V2)に位置する第4支持体(52)の傾斜面(52c)に沿って排出され易い。したがって、第2切削刃(421)の移動が被膜片(1C)によって阻害され難く、この点でも第2面(12)の被膜(1A)を剥離するための切削加工の精度を高めることができる。
また、前記被膜剥離装置(100)が前記第4支持体(52)を備えた構成において、
前記第4支持体(52)は、前記第1支持体(52)と一体的に構成されていると好適である。
前記第4支持体(52)は、前記第1支持体(52)と一体的に構成されていると好適である。
この構成によれば、第4支持体(52)を移動させるための機構と、第1支持体(52)を移動させるための機構とを共通化することができるため、被膜剥離装置(100)の構造を簡略化することができる。
また、前記第1支持体(52)は、前記第1切削刃(411)と同期して前記保持方向(V)に移動し、
前記第2支持体は、前記第2切削刃(421)と同期して前記保持方向(V)に移動すると好適である。
前記第2支持体は、前記第2切削刃(421)と同期して前記保持方向(V)に移動すると好適である。
この構成によれば、第1支持体(52)を移動させるための機構と、第1切削刃(411)を移動させるための機構とを共通化することができる。また、第2支持体(412)を移動させるための機構と、第2切削刃(421)を移動させるための機構とを共通化することができる。したがって、被膜剥離装置(100)の構造を簡略化することができる。
また、前記第1切削刃(411)と前記第2支持体(412)とが同期して移動し、
前記第2切削刃(421)と前記第1支持体(52)とが同期して移動すると好適である。
前記第2切削刃(421)と前記第1支持体(52)とが同期して移動すると好適である。
この構成によれば、第1切削刃(411)を移動させるための機構と、第2支持体(412)を移動させるための機構とを共通化することができる。また、第2切削刃(421)を移動させるための機構と、第1支持体(52)を移動させるための機構とを共通化することができる。したがって、被膜剥離装置(100)の構造を簡略化することができる。
また、前記第2切削刃(421)は、前記第1切削刃(411)よりも、前記第1切削刃(411)及び前記第2切削刃(421)の移動方向(V)の後方側(V1)に配置され、
前記第2支持体(412)は、前記第1切削刃(411)と一体的に構成されていると好適である。
前記第2支持体(412)は、前記第1切削刃(411)と一体的に構成されていると好適である。
この構成によれば、第1切削刃(411)よりも当該第1切削刃(411)の移動方向(V)の後方側(V1)のスペースを利用して第2支持体(412)を効率的に配置することができる。したがって、被膜剥離装置(100)の大型化を抑えることができる。また、第2支持体(412)を移動させるための機構と、第1切削刃(411)を移動させるための機構とを共通化することができる。したがって、被膜剥離装置(100)の構造を簡略化することができる。
被膜剥離方法(S1)は、
軸方向に直交する断面が矩形状の線材(1)の表面に設けられた被膜(1A)を剥離する被膜剥離方法(S1)であって、
前記線材(1)の互いに反対側を向く表面を保持する一対の保持部材(2,3)と、第1切削刃(411)及び第2切削刃(421)と、第1支持体(52)及び第2支持体(412)と、を備えた被膜剥離装置(100)を準備する準備工程(S11)と、
一対の前記保持部材(2,3)の対向する方向を保持方向(V)とし、前記線材(1)における前記保持方向(V)に平行な一対の表面の一方を第1面(11)、他方を第2面(12)として、
前記一対の保持部材(2,3)によって前記線材(1)を前記保持方向(V)に保持する保持工程(S12)と、
前記保持工程(S12)の実行中に、前記第1支持体(52)によって前記第2面(12)を支持しつつ、前記第1切削刃(411)を前記第1面(11)に平行に移動して、前記第1面(11)の前記被膜(1A)を切削する第1切削工程(S13)と、
前記保持工程(S12)の実行中であって前記第1切削工程(S13)の開始後、前記第2支持体(412)によって前記第1面(11)を支持しつつ、前記第2切削刃(421)を前記第2面(12)に平行に移動して、前記第2面(12)の前記被膜(1A)を切削する第2切削工程(S14)と、を備えている。
軸方向に直交する断面が矩形状の線材(1)の表面に設けられた被膜(1A)を剥離する被膜剥離方法(S1)であって、
前記線材(1)の互いに反対側を向く表面を保持する一対の保持部材(2,3)と、第1切削刃(411)及び第2切削刃(421)と、第1支持体(52)及び第2支持体(412)と、を備えた被膜剥離装置(100)を準備する準備工程(S11)と、
一対の前記保持部材(2,3)の対向する方向を保持方向(V)とし、前記線材(1)における前記保持方向(V)に平行な一対の表面の一方を第1面(11)、他方を第2面(12)として、
前記一対の保持部材(2,3)によって前記線材(1)を前記保持方向(V)に保持する保持工程(S12)と、
前記保持工程(S12)の実行中に、前記第1支持体(52)によって前記第2面(12)を支持しつつ、前記第1切削刃(411)を前記第1面(11)に平行に移動して、前記第1面(11)の前記被膜(1A)を切削する第1切削工程(S13)と、
前記保持工程(S12)の実行中であって前記第1切削工程(S13)の開始後、前記第2支持体(412)によって前記第1面(11)を支持しつつ、前記第2切削刃(421)を前記第2面(12)に平行に移動して、前記第2面(12)の前記被膜(1A)を切削する第2切削工程(S14)と、を備えている。
この構成によれば、第1切削工程(S13)では、第1支持体(52)によって線材(1)の第2面(12)側への移動を規制しつつ第1切削刃(411)によって第1面(11)の切削を行うことができ、第2切削工程(S14)では、第2支持体(412)によって線材(1)の第1面(11)側への移動を規制しつつ第2切削刃(421)によって第2面(12)の切削を行うことができる。したがって、軸方向に直交する断面が矩形状の線材(1)における一対の表面の被膜(1A)を剥離するための切削加工の精度を高めることができる。
ここで、前記第2切削工程(S14)は、前記第1切削工程(S13)の完了後に実行すると好適である。
この構成によれば、第1面(11)と第2面(12)とを片面ずつ切削することができる。よって、第1面(11)と第2面(12)とを同時に切削する構成と比べて、切削時の負荷が小さくなるため、第1切削刃(411)及び第2切削刃(421)を切削加工のために移動させる推力を低くすることができる。また、線材(1)に対して第1切削刃(411)及び第2切削刃(421)の双方から同時に切削荷重が作用することがないため、双方の切削荷重の偏りによる線材(1)の変形も小さく抑えることができる。したがって、この点でも、線材(1)の表面の被膜(1A)を剥離するための切削加工の精度を高めることができる。
本開示に係る技術は、軸方向に直交する断面が矩形状の線材の表面に設けられた被膜を剥離する被膜剥離装置及び被膜剥離方法に利用することができる。
100 :被膜剥離装置
1 :線材
11 :第1面
12 :第2面
1A :被膜
2 :上側保持部材(保持部材)
3 :下側保持部材(保持部材)
411 :第1切削刃
412 :第1基部(第2支持体)
421 :第2切削刃
51 :第1支持部材(第3支持体)
51c :第1外側傾斜面(傾斜面)
52 :第2支持部材(第1支持体、第4支持体)
52c :第2外側傾斜面(傾斜面)
1 :線材
11 :第1面
12 :第2面
1A :被膜
2 :上側保持部材(保持部材)
3 :下側保持部材(保持部材)
411 :第1切削刃
412 :第1基部(第2支持体)
421 :第2切削刃
51 :第1支持部材(第3支持体)
51c :第1外側傾斜面(傾斜面)
52 :第2支持部材(第1支持体、第4支持体)
52c :第2外側傾斜面(傾斜面)
Claims (12)
- 軸方向に直交する断面が矩形状の線材の表面に設けられた被膜を剥離する被膜剥離装置であって、
前記線材の互いに反対側を向く表面を保持する一対の保持部材と、
第1切削刃及び第2切削刃と、
第1支持体及び第2支持体と、を備え、
一対の前記保持部材の対向する方向を保持方向とし、前記線材における前記保持方向に平行な一対の表面の一方を第1面、他方を第2面として、
前記第1切削刃は、前記第1面に平行に移動して、前記第1面の前記被膜を切削し、
前記第2切削刃は、前記第2面に平行に移動して、前記第2面の前記被膜を切削し、
前記第1切削刃と前記第2切削刃とは、互いに前記保持方向における異なる位置に配置され、
前記第1支持体は、前記第1切削刃による前記第1面の切削中は前記第2面を支持し、
前記第2支持体は、前記第2切削刃による前記第2面の切削中は前記第1面を支持する、被膜剥離装置。 - 前記第1切削刃と前記第2切削刃とは、前記線材における前記保持方向の長さ以上の距離で、前記保持方向に互いに離間している、請求項1に記載の被膜剥離装置。
- 前記第1切削刃による前記第1面の切削中に前記第1面を支持する第3支持体を更に備え、
前記第3支持体は、前記第1切削刃による前記第1面の切削中は、前記第1切削刃よりも当該第1切削刃の移動方向の前方側に、前記第1面の前記被膜における前記保持方向の長さ未満の距離で前記第1切削刃から離間した位置に配置される、請求項1又は2に記載の被膜剥離装置。 - 前記第3支持体は、前記第1切削刃に近付くに従って前記第1面に近付く方向に傾斜する傾斜面を有する、請求項3に記載の被膜剥離装置。
- 前記第2切削刃による前記第2面の切削中に前記第2面を支持する第4支持体を更に備え、
前記第4支持体は、前記第2切削刃による前記第2面の切削中は、前記第2切削刃よりも当該第2切削刃の移動方向の前方側に、前記第2面の前記被膜における前記保持方向の長さ未満の距離で前記第2切削刃から離間した位置に配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の被膜剥離装置。 - 前記第4支持体は、前記第2切削刃に近付くに従って前記第2面に近付く方向に傾斜する傾斜面を有する、請求項5に記載の被膜剥離装置。
- 前記第4支持体は、前記第1支持体と一体的に構成されている、請求項5又は6に記載の被膜剥離装置。
- 前記第1支持体は、前記第1切削刃と同期して前記保持方向に移動し、
前記第2支持体は、前記第2切削刃と同期して前記保持方向に移動する、請求項1から7のいずれか一項に記載の被膜剥離装置。 - 前記第1切削刃と前記第2支持体とが同期して移動し、
前記第2切削刃と前記第1支持体とが同期して移動する、請求項1から8のいずれか一項に記載の被膜剥離装置。 - 前記第2切削刃は、前記第1切削刃よりも、前記第1切削刃及び前記第2切削刃の移動方向の後方側に配置され、
前記第2支持体は、前記第1切削刃と一体的に構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の被膜剥離装置。 - 軸方向に直交する断面が矩形状の線材の表面に設けられた被膜を剥離する被膜剥離方法であって、
前記線材の互いに反対側を向く表面を保持する一対の保持部材と、第1切削刃及び第2切削刃と、第1支持体及び第2支持体と、を備えた被膜剥離装置を準備する準備工程と、
一対の前記保持部材の対向する方向を保持方向とし、前記線材における前記保持方向に平行な一対の表面の一方を第1面、他方を第2面として、
前記一対の保持部材によって前記線材を前記保持方向に保持する保持工程と、
前記保持工程の実行中に、前記第1支持体によって前記第2面を支持しつつ、前記第1切削刃を前記第1面に平行に移動して、前記第1面の前記被膜を切削する第1切削工程と、
前記保持工程の実行中であって前記第1切削工程の開始後、前記第2支持体によって前記第1面を支持しつつ、前記第2切削刃を前記第2面に平行に移動して、前記第2面の前記被膜を切削する第2切削工程と、を備えた、被膜剥離方法。 - 前記第2切削工程は、前記第1切削工程の完了後に実行する、請求項11に記載の被膜剥離方法。
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JP7382694B2 (ja) | 2020-03-12 | 2023-11-17 | ダイハツ工業株式会社 | 皮膜付平角線の皮膜除去装置および皮膜除去方法 |
-
2018
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