JP2019161629A - 開口面アンテナとこの開口面アンテナを備える通信装置 - Google Patents

開口面アンテナとこの開口面アンテナを備える通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】極めて簡単な構造として、一次放射器を正確に焦点の位置に、しかも正しい姿勢で配置する。【解決手段】開口面アンテナは、一次放射器3と、一次放射器3から放射される電波を反射して放射する金属製の反射面13を有する可撓性のある反射器1と、反射器1の外周部に連結されて、反射器1の反射面側をカバーする可撓性のあるカバー部2と、反射器1とカバー部2とに連結される中心ロッド4とを備えている。反射器1とカバー部2は、が外周部で連結されて、密閉された中空状のアンテナ本体9を形成している。アンテナ本体9は、内部に気体を出し入れ自在であって、内部に気体が充填されて膨張する状態で反射器1の反射面13を所定の曲面形状に形成するように構成されると共に、一次放射器3が中心ロッド4に連結されて、一次放射器3を定位置に配置している。【選択図】図2

Description

本発明は、開口面アンテナの改良し、とくに、軽量化を実現して、運搬や設置を容易にできる開口面アンテナとこの開口面アンテナを備える通信装置に関する。
無線通信に使用されるアンテナは様々あるが、パラボラアンテナ等の開口面アンテナは、高利得と高い指向性がある。一般的なパラボラアンテナは、回転放物面からなる大きな反射鏡を有しており、この回転放物面の焦点Fの位置に一次放射器を配置している。一次放射器から照射される電波は、反射鏡で反射されて放射される。ただ、従来のパラボラアンテナでは、大きくて重量が大きくなるため、運搬や設置が大変であり、簡易的に組み立てたり設置できるものではなかった。
このような問題点を解決するアンテナとして、バルーン型アンテナが開発されている。(特許文献1参照)
このバルーン型アンテナは、膨張した場合、内面の一部が放物面をなして、放物面が電気的反射体であるバルーンと、バルーンに気体を充填する充填部と、バルーンが膨張した場合、放物面の焦点位置に配置される給電部とを備え、給電部は放物面に相対するバルーンの内面に接している。
特開2001−196844号公報
以上のアンテナは、内部に充填される空気でバルーンが膨張すると放物面が形成されて、放物面の焦点に配置される給電部からこの放物面に放射される電波を放物面で反射して放射する構造としている。このバルーン型アンテナは、使用する際には充填部からバルーンの内部に空気を充填し、使用後には空気を抜くことでバルーンを折りたたんで運搬できる。ただ、このバルーン型アンテナは、バルーンに充填される空気圧で放物面を形成するので、形成される放物面に対して、正確な位置に、かつ、正確な姿勢で給電部を配置する必要がある。それは、放物面の焦点に対して給電部の位置がずれ、あるいは給電部の姿勢がずれると放物面に対して正しく電波を照射できなくなり、放物面による反射波の指向性が低下し、あるいは利得が低下してしまうからである。この構造のバルーン型アンテナは、給電部を正確に焦点の位置に正しい姿勢で給電部を配置するのが難しく、常に良好な状態で電波を放射できない問題点があった。
本発明は、以上の欠点を解消することを目的として開発されたもので、極めて簡単な構造としながら、一次放射器を正確に焦点の位置に、しかも正しい姿勢で配置できる開口面アンテナとこの開口面アンテナを備える通信装置を提供することにある。
本発明の請求項1の開口面アンテナは、一次放射器3と、一次放射器3から放射される電波を反射して放射する金属製の反射面13を有する可撓性のある反射器1と、反射器1の外周部に連結されて、反射器1の反射面側をカバーする可撓性のあるカバー部2と、反射器1とカバー部2とに連結される中心ロッド4とを備えている。反射器1とカバー部2は、が外周部で連結されて、密閉された中空状のアンテナ本体9を形成している。アンテナ本体9は、内部に気体を出し入れ自在であって、内部に気体が充填されて膨張する状態で反射器1の反射面13を所定の曲面形状に形成するように構成されると共に、一次放射器3が中心ロッド4に連結されて、一次放射器3を定位置に配置している。
本発明の請求項2の開口面アンテナは、反射器1の反射面13を回転放物面としている。
本発明の請求項3の開口面アンテナは、反射器1が、表面に金属層12を設けてなる可撓性のある気密シートで、カバー部2が、可撓性のある気密シートで、反射器1とカバー部2は、互いの外周部が積層状態で密閉されて、中空状のアンテナ本体9が形成されている。
本発明の請求項4の開口面アンテナは、中心ロッド4が、第1の端部4Aに一次放射器3が連結されており、第1の端部4Aがカバー部2に固定されると共に、第2の端部4Bが反射器1に固定されて、一次放射器3を定位置に配置するようにしている。
本発明の請求項5の開口面アンテナは、中心ロッド4が、第1の端部4Aに一次放射器3を連結して、第2の端部4Bに一次放射器3から放射される電波を反射器1に向かって反射する副反射鏡5A、5Bを連結しており、第1の端部4Aが反射器1に固定されると共に、第2の端部4Bがカバー部2に固定されて、一次放射器3と副反射鏡5A、5Bとを定位置に配置している。
本発明の請求項6の開口面アンテナは、カバー部2が、中心部から外側に向かって円錐状に広がる円錐部22の外側に、反射器1の開口部に沿う筒状部22を連結してなる形状に成形されており、円錐部22の中心部に中心ロッド4の一端を連結している。
本発明の請求項7の開口面アンテナは、カバー部2が、筒状部23の表面に電波吸収体62を備えている。
本発明の請求項8の開口面アンテナは、さらに、アンテナ本体9の外周に沿って、気体を出し入れできるリング状中空体28を備えており、リング状中空体28に気体を充填して膨張させた状態で、反射器1を所定の外形に形成するように構成している。
本発明の請求項9の開口面アンテナは、アンテナ本体9に、空気よりも比重の小さい気体が充填されており、アンテナ本体9の浮力で、空中に浮遊させることを特徴とする。
本発明の請求項10のアンテナを備える通信装置は、複数のアンテナ70と、各々のアンテナ70に位相が異なる送信信号を出力する送信器73とを備えている。アンテナ70は、一次放射器3と、一次放射器3から放射される電波を反射して放射する金属製の反射面13を有する可撓性のある反射器1と、反射器1の外周部に連結されて、反射器1の反射面側をカバーする可撓性のあるカバー部2と、反射器1とカバー部2とに連結される中心ロッド4とを備えている。反射器1とカバー部2は、外周部で連結されて、密閉された中空状のアンテナ本体9を形成しており、アンテナ本体9は、内部に気体を出し入れ自在であって、内部に気体が充填されて膨張する状態で反射器1の反射面13を所定の曲面形状に形成するように構成されると共に、一次放射器3が中心ロッド4に連結されて、一次放射器3を定位置に配置するようにしている。通信装置は、送信器73から各々のアンテナ70に出力する送信信号の位相を制御して、電波の放射方向をコントロールする。
本発明の請求項11のアンテナを備える通信装置は、複数の一次放射器3を備えるアンテナ70と、各々の一次放射器3に位相が異なる送信信号を出力する送信器73とを備えている。アンテナ70は、異なる位置に配置してなる複数の一次放射器3と、一次放射器3から放射される電波を反射して放射する金属製の反射面13を有する可撓性のある反射器1と、反射器1の外周部に連結されて、反射器1の反射面側をカバーする可撓性のあるカバー部2と、反射器1とカバー部2とに連結される中心ロッド4とを備えている。反射器1とカバー部2は、外周部で連結されて、密閉された中空状のアンテナ本体9を形成しており、アンテナ本体9は、内部に気体を出し入れ自在であって、内部に気体が充填されて膨張する状態で反射器1の反射面13を所定の曲面形状に形成するように構成されると共に、一次放射器3が中心ロッド4に連結されて、一次放射器3を定位置に配置するようにしている。通信装置は、送信器73から各々の一次放射器3に出力する送信信号の位相を制御して、電波の放射方向をコントロールする。
本発明の開口面アンテナは、可撓性を有する反射器とカバー部とを外周部で連結して、密閉された中空状のアンテナ本体を形成し、アンテナ本体の内部に気体を充填した状態で反射器の反射面を所定の曲面形状に形成するので、使用する際には内部に気体を注入して膨らませることにより反射器の反射面をパラボラ状に広げることができ、また、使用しないときには、内部の気体を抜いて反射器とカバー部を窄ませてコンパクトに収納できる。
また、このアンテナは、反射器とカバー部とを中心ロッドで連結しているので、気体を注入して膨らます際に、アンテナ本体のシートが膨らみ過ぎるのを防止して反射器の反射面を所定の曲面形状に形成することができる。
また、この中心ロッドは、一枚鏡タイプのパラボラアンテナにおいては、一次放射器を反射器から離れた焦点の位置に配置するための部材に兼用できる。さらに、この中心ロッドは、複反射鏡タイプのパラボラアンテナにおいては、副反射鏡を反射器から離れた位置に配置するための部材に兼用できる。
また、カバー部は、反射器の表面をカバーして保護するだけでなく、カバー部の中心に中心ロッドの先端を固定することで、反射器から軸方向に伸びる中心ロッドがぐらつくのを防止して、中心ロッドを反射器の反射面に対して正確に軸方向に配置できる。これにより、一次放射器や副反射鏡を正確な位置に正しい姿勢で確実に配置できる。
本発明の実施形態1に係る開口面アンテナの斜視図である。 図1に示す開口面アンテナの垂直断面図である。 図1に示す開口面アンテナを折りたたんだ状態を示す斜視図である。 中心ロッドの拡大横断面図である。 反射器と中心ロッドの連結構造を示す拡大断面図である。 気体注入部の一例を示す拡大断面図である。 本発明の実施形態2に係る開口面アンテナの垂直断面図である。 本発明の実施形態3に係る開口面アンテナの垂直断面図である。 本発明の実施形態4に係る開口面アンテナの垂直断面図である。 本発明の実施形態5に係る開口面アンテナの斜視図である。 図10に示す開口面アンテナの垂直断面図である。 本発明の実施形態6に係るアンテナを備える通信装置の概略斜視図である。 本発明の実施形態6に係るアンテナを備える通信装置の概略構成図である。 本発明の実施形態7に係るアンテナを備える通信装置の概略斜視図である。 本発明の実施形態7に係るアンテナを備える通信装置の概略構成図である。 本発明の実施形態8に係るアンテナの概略斜視図である。 本発明の実施形態8に係るアンテナを備える通信装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下の実施形態の内容に特定するものではない。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る開口面アンテナを図1と図2に示す。これらの図において、図1は開口面アンテナの斜視図を、図2は図1のアンテナの垂直断面図をそれぞれ示している。図1と図2に示す開口面アンテナは、電波を放射する一次放射器3と、一次放射器3から放射される電波を反射する金属製の反射面13を有する可撓性のある反射器1と、この反射器1の外周部に連結されて反射器の反射面側をカバーする可撓性のあるカバー部2と、カバー部2が反射器1に連結される中心ロッド4とを備えている。反射器1とカバー部2は、外周部で連結されて、密閉された中空状のアンテナ本体9を形成している。アンテナ本体9は、内部に気体を出し入れ自在であって、内部に気体が充填された状態で反射器1の反射面13を所定の曲面形状に形成するように構成している。さらに、アンテナは、一次放射器3が中心ロッド4に連結されて、一次放射器3を定位置に配置するようにしている。
[円形パラボラアンテナ]
図1と図2に示すアンテナは、反射器1の反射面13を回転放物面とするパラボラアンテナとしている。以下、本発明の実施形態1に係る開口面アンテナの実施例としてパラボラアンテナについて詳述する。このアンテナは、図1と図2に示すように、反射器1とカバー部2を、可撓性を有するシート11、21で構成しており、反射器1とカバー部2とを連結して密閉された中空状のアンテナ本体9を形成している。このパラボラアンテナは、使用する際にはアンテナ本体9の内部に気体を注入して膨らませることにより反射器1の反射面13を広げて図1のようにパラボラ状にする。また、使用しないときには、アンテナ本体9の内部の気体を抜いて反射器1とカバー部2のシート11、21をしぼませて、図3のようにコンパクトに収納できる。
(反射器1)
反射器1は、回転放物面が形成される曲面状のシート11と、この曲面状シート11の表面に設けられて電波を反射する金属層12で構成されている。曲面状シート11は、可撓性を有し、かつ気密性のあるシート、例えばプラスチックシートやゴムシートを使用する。曲面状シート11は、プラスチックシートやゴムシートの内部に織布や不織布を埋設することで耐久性と強度を高めることができる。この曲面状シート11は、外形を円形状としていて、張った状態で回転放物面が形成される湾曲面形状に成形されている。金属層12は、金属を薄い膜状に形成している。金属層12は、曲面状シート11の内面に金属粉や金属粒を塗ったりスプレーすることで設けることができる。このような金属として、例えば、密度が小さくて軽量にでき、安価なアルミニウムが適している。金属層を形成するアルミニウムは、例えば、アルミ蒸着により設けることができる。この反射器1は、内面に形成された金属層12の表面を回転放物面の反射面13として一次放射器3から放射される電波を反射する。
(カバー部2)
カバー部2は、反射器1の開口部を塞ぐシート21で構成されていて、反射器1の反射面を保護する風よけとなる。このカバー部2は、可撓性を有し、かつ気密性のあるシート、例えばプラスチックシートやゴムシートを使用する。曲面状シート11は、プラスチックシートやゴムシートの内部に織布や不織布を埋設することで耐久性と強度を高めることができる。さらに、カバー部2のシート21には、電波の透過率が高いものを使用する。また、カバー部2のシート21には、撥水性能を持つものを使用することにより、雨による電波障害などを抑制することができる。さらに、カバー部2のシート21は、光を通しにくくすることで、反射器1に太陽光が直接入射することを防止して太陽光の反射による悪影響を防止できる。
図2のカバー部2は、一次反射器3が配置される中心部分から外側に向かって円錐状に広がる円錐部22の外側に、反射器1の開口部に沿う筒状部23を連結した形状に成形されている。このカバー部2は、反射器1の開口部を塞いで反射器1の反射面を保護するだけでなく、反射器1の回転放物面の焦点Fに配置される一次放射器3を正確な位置に保持する働きもある。
以上の反射器1とカバー部2は、開口部で連結されて密閉された中空状のアンテナ本体9が形成される。反射器1とカバー部2は、円形の開口部の積層部14が互いに溶着または接着されて、気密に連結される。このアンテナ本体9は、外側に筒状部23を有しているので、内部に気体を充填する状態では、筒状部23が外側に膨れやすく、反射器1を確実にパラボラ状に広げることができる。
(一次放射器3)
一次放射器3は、電波を反射器1の反射面13に向かって放射する。一次放射器3は、反射器1で反射される電波の位相を一致させるために回転放物面の焦点Fに配置されている。一次放射器3を回転放物面の中心から焦点Fまで離した位置に配置するために、反射器1の中心には軸方向に伸びる中心ロッド4を固定して、この中心ロッド4の先端である第1の端部に一次放射器3を固定している。
一次放射器3は、電波を放射できる種々のアンテナ構造とすることができる。図2では、一次放射器3をヘリカルアンテナ31として図示している。一次放射器3にヘリカルアンテナ31を用いた場合、高い指向性がある軸モードで使用される。また、中心ロッド4の外側にらせん状のヘリカルアンテナ31を配置することで、パラボラアンテナを使用しない状態では、収納されたアンテナ本体9をコンパクトにすることができる。一次放射器3は、他のアンテナ構造、例えば、ホーンアンテナや半波長ダイポールアンテナ、八木アンテナとすることもできる。一次放射器をホーンアンテナとする場合には、中心ロッドを中空のパイプとして導波管に兼用することができる。
(中心ロッド4)
中心ロッド4は、反射器1とカバー部2の中心間に配置されて、反射器1とカバー部2の中心間距離を所定の間隔に保持する。図1と図2のパラボラアンテナは、反射器1の内側面を反射面13とする一枚鏡タイプの円形パラボラアンテナとしている。したがって、このパラボラアンテナは、一次放射器3を反射器1の反射面13から離れた位置(焦点F)に配置する必要がある。このパラボラアンテナは、中心ロッド4の先端に一次放射器3を固定して、回転放物面の焦点Fに配置している。
図2に示す中心ロッド4は、第1の端部4Aに一次放射器3を固定して、一次放射器3の先端を接着剤33を介してカバー部2の中心に固定している。さらに、中心ロッド4は、第2の端部4Bを反射器1の中心に固定することにより、一次放射器3を回転放物面の焦点Fの位置に正確に配置している。このように、中心ロッド4をアンテナ本体9の中心軸に配置して両端をカバー部2の中心と反射器1の中心に固定することで、反射器1に対して中心ロッド4を垂直な姿勢に保持しながら、カバー部2と反射器1の中心の間隔を一定に保持して、一次放射器3を回転放物面の焦点Fに正確に配置できる。中心ロッド4は、反射器1の曲面状シート11を傷つけることなく、かつアンテナ本体9の気密性が維持されるように、連結部15を介して反射器1に固定される。
中心ロッド4は、筒状のパイプとすることができ、図4は中心ロッド4の内部の様子である。この図に示す中心ロッド4は、円筒状のパイプとして、内部に同軸ケーブル41aを配線している。このように中心ロッド4の内部に同軸ケーブル41aを通すことにより、コンパクトにすることができ、かつ膨らます際の邪魔にもならない。
(連結部15)
連結部15は、2枚の押さえ板16で反射器1のシート11の中心部分を内側と外側から挟んでいる。この連結部15に中心ロッド4を垂直に貫通させて固定している。この連結部15は、図4に示すように、2枚の押さえ板16で反射器1のシート11と金属層12を挟んだ状態で中心ロッド4の先端部分に設けた雄ネジ4aにナット18がねじ込まれて中心ロッド4に固定される。中心ロッド4は、膨らませたアンテナ本体9の内部の気体を逃がさないよう気密性が維持されるようにしている。したがって、連結部15は、2枚の押え板16と反射器1や中心ロッド4との境界部やナット18の締め付け部分をシールして気密に閉塞している。
また、図5は中心ロッド4に配線される同軸ケーブル41aと、パラボラアンテナの外部に配線される同軸ケーブル41bの接続部分の様子である。この接続部17は、それぞれの同軸ケーブル41a、41bの先端に固定された接続端子17A、17Bにより構成される。このように、同軸ケーブル41a、41bの接続部17をパラボラアンテナの外部に設置することにより、速やかな同軸ケーブル41a、41bの接続を可能にしている。
(気体注入部35)
図6のように連結部15は、気体吸入のための気体注入部35を設けることができる。この気体注入部35は、注入口36と排出口39を有している。注入口36と排出口39は、連結部15の外側に配置される。この気体注入部35は、挿入口36から気体が注入されると、注入弁37が開き、アンテナ本体9の内部に気体が充填される。しかし、ある一定の内部気圧になると破裂防止用の保護排出弁38が開き、排出口39から排気される過剰に注入される気体を自動的に排出する。この保護排気弁38による内部気圧の制御は、バネ34によるものである。この気体注入部35は、保護排気弁38の開口面積と、バネ34のバネ定数を調整することにより、アンテナ本体9の内部の気圧を最適な状態に調整する。
連結部15に、気体注入部35などの気体注入に関する機構を設けない場合は、カバー部2に気体を注入する注入口26を設けて、この注入口26から気体を注入することもできる。この注入口26は、電波伝搬に障害を及ぼさない箇所に設置する。この注入口26にも図6などの気体注入に関する機構を設けることができるが、手動で内部気圧の調整ができる簡易的な機構とすることで、軽量化が期待できる。
以上のパラボラアンテナは、以下のようにして製造される。
(1)第1の端部4Aに一次放射器3が固定された中心ロッド4の第2の端部4Bを反射器1の中心に連結部15を介して固定する。
(2)中心ロッド4の第1の端部4Aに固定された一次放射器3の先端面にカバー部2の中心を接着剤33等により固定する。
(3)反射器1の外周部とカバー部2の外周部とを互いに積層し、この積層部14を溶着や接着等により気密に連結する。
以上のアンテナは、アンテナ本体9の内部に注入する気体をヘリウムや水素等の空気よりも比重の小さい気体とすることで、浮力を持たせることができる。このアンテナは、アンテナ本体9にはたらく浮力で、空中に浮遊させることもできる。このアンテナは、空中に浮かべることで、より遠くまでの電波の送受信が可能になる。ただ、アンテナ本体9の内部には、空気を充填することもできる。
[複反射鏡アンテナ]
さらに、本発明の開口面アンテナは、2枚の反射鏡を備える複反射鏡アンテナとすることもできる。図7と図8に示すアンテナは、反射器1の中央部に一次放射器3を配置すると共に、この一次放射器3と対向するカバー部2の中央部に、一次放射器3から放射される電波を反射する副反射鏡5A、5Bを備えている。図に示すアンテナは、中心ロッド4の第1の端部4Aに一次放射器3を連結すると共に、第1の端部4Aを反射器1に固定し、第2の端部4Bには、一次放射器3から放射される電波を反射器1に向かって反射する副反射鏡5A、5Bを連結すると共に、第2の端部4Bをカバー部に固定している。このアンテナは、中心ロッド4に連結される一次放射器3と副反射鏡5A、5Bとを定位置に配置できる。ここで、本発明の実施形態にかかる複反射鏡アンテナとして、グレゴリアンアンテナとカセグレンアンテナについて説明する。
(実施形態2)
[グレゴリアンアンテナ]
図7に示すアンテナは、グレゴリアンアンテナであって、カバー部2の中心部分に回転楕円面形状に形成された副反射鏡5Aを備えている。このアンテナは、カバー部2を構成するシート21の中心部分を回転楕円面形状に成形している。この中心部分は、反射器1のシート11と同様に、カバー部2を構成するシート21の中心部分を、張った状態で回転楕円面が形成される形状に成形し、この部分に金属層52を設けることで副反射鏡5Aとしている。この副反射鏡5Aは、アンテナ本体9の内部の気圧が高いため、形が崩れることはない。ただ、副反射鏡5Aは、内面に金属層52を設けたプレートとすることもできる。このプレートは、例えば硬質のプラスチック等で所定の湾曲面形状に成形されると共に、内面に金属層52を設けて副反射鏡5Aとする。プレートからなる副反射鏡5Aは、中心ロッド4の第二の端部4Bに固定され、あるいは、カバー部2の中心部に接着して固定される。
中心ロッド4は、その先端が副反射鏡5Aの中心に固定されている。図に示す中心ロッド4は、カバー部2の外側面に配置される保持プレート54を介して副反射鏡5Aの中心に固定されている。図の保持プレート54は、湾曲部24の外側面に沿う回転楕円面形状にプラスチックを成形している。保持プレート54は、中心から突出するネジ部を中心ロッド4の先端面にねじ込んで中心ロッド4に固定される。この状態で、副反射鏡5Aは反射器1の反射面13である主反射鏡に対して正確な位置に配置される。この連結部分も、膨らませたアンテナ本体9の内部の気体を逃がさないよう気密性が維持される。
さらに、アンテナは、保持プレート54をカバー部2の内側面に配置し、この保持プレート54の内面に金属層52を設けて副反射鏡5Aとすることもできる。この場合、保持プレート54は、カバー部2の中心部分に接着等により固定できる。
回転楕円面形状の副反射鏡5Aは、回転放物面の焦点Fの位置に回転楕円面の一方の焦点f1が一致するように配置する。また、この回転楕円面のもう一方の焦点f2に、一次放射器3を配置している。一次放射器3は、副反射鏡5Aに向かって電波を照射できるように配置される。一次放射器3から放射される電波は、副反射鏡5Aで反射された後、反射器1の主反射鏡(反射面13)で反射されてアンテナの前面側に同位相で放射される。
このアンテナは、図7に示すように、一次放射器3を回転放物面の中心に配置して、連結部15に直接固定している。この場合、一次放射器3が反射器側の中心にあることで同軸ケーブルなどによる電力損失を軽減することができる。また、中心ロッド4があることにより、一次放射器3と副反射鏡5Aが、決まった一定の距離を確実に保つことができるので、安定した電波伝搬をすることが可能である。
(実施形態3)
[カセグレンアンテナ]
図8に示すアンテナは、カセグレンアンテナであって、カバー部2の中心部分に回転双曲面形状に形成された副反射鏡5Bを備えている。このアンテナは、カバー部2を構成するシート21の中心部分を回転双曲面形状に成形している。この中心部分は、例えば、反射器1のシート11と同様に、カバー部2を構成するシート21の中心部分を、張った状態で回転双曲面が形成される形状に成形し、この部分に金属層52を設けることで副反射鏡5Bとしている。この副反射鏡5Bは、アンテナ本体9の内部の気圧が高いため、形が崩れることはない。ただ、副反射鏡5Bは、内面に金属層52を設けたプレートとすることもできる。このプレートは、例えば硬質のプラスチック等で所定の湾曲面形状に成形されると共に、内面に金属層52を設けて副反射鏡5Bとする。プレートからなる副反射鏡5Bは、中心ロッド4の第二の端部4Bに固定され、あるいは、カバー部2の中心部に接着して固定される。
中心ロッド4は、その先端が副反射鏡5Bの中心に固定されている。図8に示す中心ロッド4は、カバー部2の外側面に配置される保持プレート55を介して副反射鏡5Bの中心に固定されている。図の保持プレート55は、湾曲部25の外側面に沿う回転双曲面形状にプラスチックを成形している。保持プレート55は、中心から突出するネジ部を中心ロッド4の先端面にねじ込んで中心ロッド4に固定される。この状態で、副反射鏡5Bは反射器1の反射面13である主反射鏡に対して正確な位置に配置される。この連結部分も、膨らませたアンテナ本体9の内部の気体を逃がさないよう気密性が維持される。
さらに、アンテナは、保持プレート55をカバー部2の内側面に配置し、この保持プレート55の内面に金属層52を設けて副反射鏡5Bとすることもできる。この場合、保持プレート55は、カバー部2の中心部分の内側面に接着等により固定できる。
回転双曲面形状の副反射鏡5Bは、回転放物面の焦点Fの位置に回転双曲面の虚焦点f3が一致するように配置する。また、この回転双曲面の実焦点f4に、一次放射器3を配置している。一次放射器3は、副反射鏡5Bに向かって電波を照射できるように配置される。一次放射器3から放射される電波は、副反射鏡5Bで反射された後、反射器1の主反射鏡(反射面13)で反射されてアンテナの前面側に同位相で放射される。
このアンテナは、図8に示すように、一次放射器3を回転放物面の中心に配置して、連結部15に直接固定している。この場合、一次放射器3が反射器側の中心にあることで同軸ケーブルなどによる電力損失を軽減することができる。また、中心ロッド4があることにより、一次放射器3と副反射鏡5Bが、決まった一定の距離を確実に保つことができるので、安定した電波伝搬をすることが可能である。
(実施形態4)
[サイドローブ軽減型パラボラアンテナ]
さらに、図9に示すパラボラアンテナは、カバー部2の筒状部23の表面に、電波吸収体62を設けている。カバー部2は、例えば、筒状部23の内周面に、電波吸収体62を設けている。これによって、サイドローブの軽減を容易に行うことができる。
電波吸収体62は、電波を吸収して反射波を減らす物質であり、導電性電波吸収材料や誘電性電波吸収材料、磁性電波吸収材料等が使用できる。導電性電波吸収材料は、材料内部の抵抗によって電波によって発生する電流を吸収する。このような電波吸収体として導電性繊維の織物が使用できる。誘電性電波吸収材料は、分子の分極反応に起因する誘電損失を利用する。この誘電性電波吸収材料は、カーボン粉などをゴム、発泡ウレタン、発泡スチロールなどの誘電体に混合して見かけ上の誘電損失を大きくしたものを使用する。磁性電波吸収材料は、磁性材料の磁気損失によって電波を吸収するもので、鉄、ニッケル、フェライトを使用して電波を吸収する。筒状部23は、内周面に電波吸収体62を塗布して設けることができる。なお、この電波吸収体62は、上記の一枚鏡アンテナ、複反射鏡アンテナのいずれにも適応可能である。
以上の実施形態のアンテナは、反射器1とカバー部2とに連結される中心ロッド4を備えている。この構造のアンテナは、反射器1の中心とカバー部2の中心とを中心ロッド4で連結することにより、一枚鏡タイプのパラボラアンテナにおいては、一次放射器3を反射器1から離れた焦点Fの位置に配置するための部材とし、さらに、複反射鏡タイプのアンテナにおいては、副反射鏡5A、5Bを反射器1から離れた位置に配置するための部材に使用できる。
(実施形態5)
さらに、図10と図11に示すアンテナは、反射器1とカバー部2とで形成されるアンテナ本体9の外周に沿って、気体を出し入れできるリング状中空体28を設けている。図に示すリング状中空体28は、全体の外形をドーナツ状に形成しており、カバー部2の筒状体23の外周面に沿って固定されている。このリング状中空体28は、内部に気体を出し入れできる気密袋であって、全体の形状をドーナツ状としている。このリング状中空体28は、気体が充填されて所定の形状に膨張し、気体を排気して収縮される可撓性の気密シートで形成されている。このアンテナは、リング状中空体28に気体を充填して膨張させた状態で、反射器1を所定の外形に形成するようにしている。この構造は
、リング状中空体28に気体を充填して膨張させることで反射器1を所定の外形まで拡開し、アンテナ本体9の内部に気体を充填して膨張させることで反射器の反射面を所定の曲面形状に保形できる。図のリング状中空体28は、気体を注入するための注入口29を備えている。
[アンテナを備える通信装置]
次に、以上の実施形態のアンテナを使用する通信装置について詳述する。
本発明のアンテナは、全体を軽量としながら高い指向性と利得が得られるものである。このアンテナは、例えば、災害等の非常時において、高い建物の屋上や山の山頂付近に設置することでより遠くまで電波の送受信が可能になる。特に、非常時においては、運搬や設置が容易であるという利点が生かされる。しかしながら、災害現場等においては、必ずしもこのようなアンテナの設置に最適な場所が確保できるとは限らない。このような場合に、重量を軽くして、高い指向性と利得が得られる利点を生かして、このアンテナをバルーンで空中に浮かべることにより、より遠くまでの電波の送受信が可能になる。
(実施形態6)
[空中浮遊の例]
図12と図13に示す通信装置は、複数のアンテナ70と、各々のアンテナ70に位相が異なる送信信号を出力する送信器73とを備えている。図12に示す通信装置は、複数のアンテナ70として、以上に説明した何れかのアンテナを備えている。この通信装置は、複数のアンテナ70を所定の配列で並べると共に、バルーン90を使って空中に浮かべている。これらのアンテナ70は、アンテナ本体9の内部に気体を充填することで反射器1をパラボラ状に広げる構造としているので、各アンテナ70には、気体として空気よりも比重が小さい気体、例えばヘリウムガスや水素ガスを充填することで、それぞれのアンテナ70に浮力を持たせることができる。この場合は、バルーン90を設けることなく全体を浮遊させても良い。ただ、アンテナ本体9には、空気を充填することもできる。この場合は、バルーン90を連結することで浮力を設けて全体を上空に浮遊させることができる。
図12と図13に示す通信装置のアンテナ70は、メインアンテナ71とサブアンテナ72に分かれており、メインアンテナ71は外形を大きく設計して高利得としている。サブアンテナ72は、メインアンテナ71よりも外形を小さくして装置全体の軽量化を図っている。この装置は、4つのメインアンテナ71と4つのサブアンテナ72を備えている。4つのメインアンテナ71は、軸方向が四方を向くように90度ずつの間隔で円状に配置している。4つのサブアンテナ72は、メインアンテナ71の間に位置するように90度ずつの間隔で円状に配置されている。図に示す装置は、4つのメインアンテナ71を基台91に固定すると共に、4つのサブアンテナ72を基台92に固定し、これらの基台91、92が所定の角度となるように、連結部材93で連結している。図に示す装置は、4つのメインアンテナ71の下上方に4つのサブアンテナ72を配置しており、4つのメインアンテナ71が固定された基台91の中心部にバルーン90を連結すると共に、4つのサブアンテナ72が固定された基台92には複数の線材94を連結して地上に固定している。複数の線材94には、ロープやワイヤーが使用できる。アンテナに接続されるケーブルや電線は、この線材94に沿って配線することもできる。この装置は、複数の線材94を介して地上に固定することで、複数のアンテナ70が所定の方向に向くように配置できる。
この通信装置は、図13に示すように、メインアンテナ71とサブアンテナ72の全てを同じ送信機(受信機)73に接続しており、送信器73から各々のアンテナ70に出力する送信信号の位相を制御して、電波の放射方向をコントロールする。この通信装置は、各アンテナ70から入力される給電線の途中に位相器74を挿入すると共に、電力分配器75を通して送信機(受信機)73に接続している。各アンテナ70に供給される電流の位相の調整は、これらの位相器73を電子制御することにより行っている。以上の制御により、指向性を意図的に作り出すことができる。この場合、位相制御を実現するために、各アンテナの半値角θを考えて設計する必要がある。ここで、半値角θは、以下の式で求められる。
θ=(70〜80)×λ/D [度]
λ:波長
D:パラボラアンテナの開口直径
図12と図13に示す通信装置では、8個のアンテナ70の軸方向を8方向に向けて、360度をカバーするようにしている。この場合、半値角θは、45度以上とすることが好ましい。図に示す通信装置は、メインアンテナ71の開口直径をサブアンテナ72の開口直径よりも大きくしているので、メインアンテナ71の半値角θ1をサブアンテナ72の半値角θ2よりも小さくしながら360度をカバーすることもできる。
以上の通信装置は、複数のアンテナ70を空中に浮かべるので、少なからず風の影響を受けることがある。このため、図に示す通信装置は、指向性を安定させるためにセンサー76を設けており、このセンサー76から情報に基づいて位相制御を行うようにしている。図12に示す通信装置は、浮遊する複数のアンテナ70の中心部の近辺にセンサー76を備えている。このセンサー76は、方位及び傾きを検出するセンサーで、複数のアンテナ70の向きや傾きなどを測定し、その情報を制御回路77に送信し、制御回路77が位相器74の位相制御をすることよって安定した送受信を行うようにしている。
さらに、通信装置は、必ずしも360度をカバーする構成にする必要はなく、180度よりも狭い範囲をカバーするように複数のアンテナを並べて、より高い指向性を追求することもできる。すなわち、通信装置は、アンテナの個数を限定するものではなく、求められるカバー範囲と指向性とを考慮してその個数や間隔が最適となるように設計される。
(実施形態7)
図14と図15に示す通信装置は、3個のアンテナ70と、各アンテナ70に位相が異なる送信信号を出力する送信器73とを備えている。図14に示す通信装置は、3個のアンテナ70をほぼ同方向に向ける姿勢で基台95に固定して空中に浮遊させる例を示している。図に示す基台95は、複数のパイプ96を三角錐状に連結することで、軽量化を実現しながら強度を高めている。基台95の上部には所定の浮力を有するバルーン90を連結すると共に、基台95の下部には、複数の線材94を連結して地上に固定している。図に示す基台95は、3本の線材94を介して地上に連結することで、複数のアンテナ70の目標方向が所定の方向を向くようにしている。
3個のアンテナ70は、正面視において、三角形の底辺に沿って2個を、頂点の位置に1個を配置している。3個のアンテナ70は、図15に示すように、平面視において、その放射方向が一点鎖線mで示す目標方向を向く姿勢で配置されたメインアンテナ71と、この両側に配置された2個のサブアンテナ72とからなる。2個のサブアンテナ72は、その放射方向が、メインアンテナ71の一点鎖線mで示す放射方向に対して、それぞれ左右方向に角度αだけ首を振った姿勢で固定している。この通信装置は、例えば、各アンテナ70の半値角θを20度とし、隣接するアンテナ間の首振り角αを5度とする場合、一点鎖線mで示す目標方向に対して左右方向に15度ずつ、全体で30度の範囲に対して高い指向性を実現できる。図示しないが、上下に位置するメインアンテナ71とサブアンテナ72は、仰角にも角度差を設けて、上下方向の放射範囲を調整することができる。
この通信装置は、図15に示すように、メインアンテナ71とサブアンテナ72を同じ送信機(受信機)73に接続しており、送信器73から各々のアンテナ70に出力する送信信号の位相を制御して、電波の放射方向をコントロールする。この通信装置も、各アンテナ70から入力される給電線の途中に位相器74を挿入すると共に、電力分配器75を通して送信機(受信機)73に接続している。各アンテナ70に供給される電流の位相の調整は、これらの位相器73を電子制御することにより行っている。この通信装置は、送信器73から各々のアンテナ70に出力する送信信号の位相を制御して、電波の放射方向をコントロールできる。
また、この通信装置も、指向性を安定させるためにセンサー76を設けており、このセンサー76から情報に基づいて位相制御を行うようにしている。このセンサー76は、方位及び傾きを検出するセンサーで、複数のアンテナ70の向きや傾きなどを測定し、その情報を制御回路77に送信し、制御回路77が位相器74の位相制御をすることよって安定した送受信を行うようにしている。
(実施形態8)
さらに、本発明のアンテナは、図16に示すように、複数の一次放射器3を異なる位置に配置してなるマルチビームアンテナとし、このアンテナを使用して、図17に示す通信装置を構成することもできる。図16に示すアンテナ70は、3個の一次放射器3を備えている。図に示すアンテナ70は、複反射鏡アンテナであって、反射器1と対向するカバー部2の中心部分に回転双曲面形状に形成された副反射鏡5Bを備えるカセグレンアンテナとしている。さらに、このアンテナは、図10及び図11に示すアンテナと同様に、アンテナ本体9の外周に沿って、気体を出し入れできるリング状中空体28を設けている。3個の一次放射器3は、反射器1の中央部の異なる位置に配置されている。このアンテナ70は、各一次放射器3から副反射鏡5Bに向かって放射される電波が副反射鏡5Bで反射された後、反射器1の主反射鏡(反射面13)で反射されてアンテナの前面側に放射される。図のマルチビームアンテナは、カセグレンアンテナとするが、マルチビームアンテナは、グレゴリアンアンテナとすることもでき、あるいは、一つの反射鏡を備えるパラボラアンテナとして、カバー部側の異なる位置に複数の一次放射器を配置することもできる。
図16に示すアンテナは70は、空中に浮かべて使用する状態を示している。このアンテナ70は、アンテナ本体9とリング状中空体28の内部に気体を充填することで反射器1をパラボラ状に広げるが、アンテナ本体9とリング状中空体28には充填気体として空気よりも比重が小さい気体、例えばヘリウムガスや水素ガスを充填することで浮力を持たせて空中に浮遊させることができる。この場合は、バルーン90を設けることなく全体を浮遊させることができる。ただ、アンテナ本体9やリング状中空体28には、空気を充填することもでき、この場合は、図の鎖線で示すように、バルーン90を連結することで浮力を設けて上空に浮遊させることができる。さらに、図に示すアンテナ70は、本体部9の下部の両側を線材94を介して地上に固定している。このように複数の線材94を介して地上に連結することで、アンテナ70が所定の方向に向くように配置できる。
図17に示す通信装置は、アンテナ70に配置された複数の一次放射器3に位相が異なる送信信号を出力する送信器73を備えている。図に示す通信装置は、アンテナに配置された3個の一次放射器3を同じ送信機(受信機)73に接続しており、送信器73から各々の一次放射器3に出力する送信信号の位相を制御して、電波の放射方向をコントロールする。この通信装置は、各一次放射器3から入力される給電線の途中に位相器74を挿入すると共に、電力分配器75を通して送信機(受信機)73に接続している。各一次放射器3に供給される電流の位相の調整は、これらの位相器73を電子制御することにより行っている。この通信装置は、送信器73から各々の一次放射器3に出力する送信信号の位相を制御して、電波の放射方向をコントロールできる。
さらに、図17に示す通信装置は、マルチビームアンテナから出る電波の指向性を計測するためのテスト用受信アンテナ78を備えている。このテスト用受信アンテナ78は、地上に設置されており、好ましくは指向性を有する固定式のアンテナを使用する。この通信装置は、マルチビームアンテナから出る電波の指向性をテスト用受信アンテナ78で計測して、その情報を制御回路77に入力し、制御回路77が位相器73の位相を制御をすることによって、より安定した送受信を行うことができる。
[他の利用の可能性]
さらに、本発明の開口面アンテナは、反射器1がシート状であるため、容易に形を設定できる点を生かし、2重曲面反射鏡アンテナを作ることができる。これにより、大きさの異なる高仰角ビームと低仰角ビームを形成することができ、コセカント2乗放射パターンも作り出せる。このパラボラアンテナを地上に浮かせた場合、高仰角ビームを地上に向けることができる。
さらに、本発明の開口面アンテナは、全体を軽量化しながら高い指向性と利得が得ることができので、以上のアンテナを平面上にいくつも並べてフェーズドアレーアンテナとして利用することもできる。
本発明の開口面アンテナとこのアンテナを備える通信装置は、全体を軽量化しながら、コンパクトに折りたたみでき、運搬や設置を容易にできるので、災害等の有事の際に、災害現場で簡単に組み立てて運用できるアンテナ及び通信装置として有効利用できる。
1…反射器
2…カバー部
3…一次放射器
4…中心ロッド
4A…第1の端部
4B…第2の端部
4a…雄ネジ
5A…副反射鏡
5B…副反射鏡
9…アンテナ本体
11…シート
12…金属層
13…反射面
14…積層部
15…連結部
16…押さえ板
17…接続部
17A…接続端子
17B…接続端子
18…ナット
21…シート
22…円錐部
23…筒状部
26…注入口
28…リング状中空体
29…注入口
31…ヘリカルアンテナ
33…接着剤
34…バネ
35…気体注入部
36…注入口
37…注入弁
38…保護排気弁
39…排出口
41a…同軸ケーブル
41b…同軸ケーブル
62…電波吸収体
70…アンテナ
71…メインアンテナ
72…サブアンテナ
73…送信機
74…位相器
75…電波分配器
76…センサー
77…制御回路
78…テスト用受信アンテナ
90…バルーン
91…基台
92…基台
93…連結部材
94…線材
95…基台
96…パイプ

Claims (11)

  1. 一次放射器と、
    前記一次放射器から放射される電波を反射して放射する金属製の反射面を有する可撓性のある反射器と、
    前記反射器の外周部に連結されて、前記反射器の反射面側をカバーする可撓性のあるカバー部と、
    前記反射器と前記カバー部とに連結される中心ロッドとを備え、
    前記反射器と前記カバー部が外周部で連結されて、密閉された中空状のアンテナ本体を形成しており、前記アンテナ本体は、内部に気体を出し入れ自在であって、内部に気体が充填された状態で前記反射器の反射面を所定の曲面形状に形成するように構成されてなり、
    前記一次放射器が前記中心ロッドに連結されて、前記一次放射器を定位置に配置するようにしてなる開口面アンテナ。
  2. 請求項1に記載される開口面アンテナであって、
    前記反射器の反射面を回転放物面としてなる開口面アンテナ。
  3. 請求項1または2に記載される開口面アンテナであって、
    前記反射器が、表面に金属層を設けてなる可撓性のある気密シートで、
    前記カバー部が、可撓性のある気密シートで、
    前記反射器と前記カバー部は、互いの外周部が積層状態で密閉されて中空状のアンテナ本体が形成されてなる開口面アンテナ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載される開口面アンテナであって、
    前記中心ロッドは、第1の端部に前記一次放射器が連結されており、前記第1の端部が前記カバー部に固定されると共に、第2の端部が前記反射器に固定されて、前記一次放射器を定位置に配置するようにしてなる開口面アンテナ。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載される開口面アンテナであって、
    前記中心ロッドは、第1の端部に前記一次放射器を連結して、第2の端部に前記一次放射器から放射される電波を前記反射器に向かって反射する副反射鏡を連結しており、
    前記第1の端部が前記反射器に固定されると共に、前記第2の端部が前記カバー部に固定されて、前記一次放射器と前記副反射鏡とを定位置に配置するようにしてなる開口面アンテナ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載される開口面アンテナであって、
    前記カバー部は、中心部から外側に向かって円錐状に広がる円錐部の外側に、反射器の開口部に沿う筒状部を連結してなる形状に成形されており、
    前記円錐部の中心部に前記中心ロッドの一端が連結されてなる開口面アンテナ。
  7. 請求項6に記載される開口面アンテナであって、
    前記カバー部が、前記筒状部の表面に電波吸収体を設けてなることを特徴とする開口面アンテナ。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載される開口面アンテナであって、さらに、
    前記アンテナ本体の外周に沿って、気体を出し入れできるリング状中空体を備えており、
    前記リング状中空体に気体を充填して膨張させた状態で、前記反射器を所定の外形に形成するように構成されてなる開口面アンテナ。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載される開口面アンテナであって、
    前記アンテナ本体に、空気よりも比重の小さい気体が充填されており、
    前記アンテナ本体の浮力で、空中に浮遊させることを特徴とする開口面アンテナ。
  10. 複数のアンテナと、
    各々のアンテナに位相が異なる送信信号を出力する送信器とを備える通信装置であって、
    前記アンテナが、
    一次放射器と、
    前記一次放射器から放射される電波を反射して放射する金属製の反射面を有する可撓性のある反射器と、
    前記反射器の外周部に連結されて、前記反射器の反射面側をカバーする可撓性のあるカバー部と、
    前記反射器と前記カバー部とに連結される中心ロッドとを備え、
    前記反射器と前記カバー部が外周部で連結されて、密閉された中空状のアンテナ本体を形成しており、前記アンテナ本体は、内部に気体を出し入れ自在であって、内部に気体が充填されて膨張する状態で前記反射器の反射面を所定の曲面形状に形成するように構成されると共に、前記一次放射器が前記中心ロッドに連結されて、前記一次放射器を定位置に配置するようにしてなり、
    前記送信器から各々の前記アンテナに出力する送信信号の位相を制御して、電波の放射方向をコントロールするようにしてなることを特徴とするアンテナを備える通信装置。
  11. 複数の一次放射器を備えるアンテナと、
    各々の一次放射器に位相が異なる送信信号を出力する送信器とを備える通信装置であって、
    前記アンテナが、
    異なる位置に配置してなる複数の一次放射器と、
    前記一次放射器から放射される電波を反射して放射する金属製の反射面を有する可撓性のある反射器と、
    前記反射器の外周部に連結されて、前記反射器の反射面側をカバーする可撓性のあるカバー部と、
    前記反射器と前記カバー部とに連結される中心ロッドとを備え、
    前記反射器と前記カバー部が外周部で連結されて、密閉された中空状のアンテナ本体を形成しており、前記アンテナ本体は、内部に気体を出し入れ自在であって、内部に気体が充填されて膨張する状態で前記反射器の反射面を所定の曲面形状に形成するように構成されると共に、前記一次放射器が前記中心ロッドに連結されて、前記一次放射器を定位置に配置するようにしてなり、
    前記送信器から各々の前記一次放射器に出力する送信信号の位相を制御して、電波の放射方向をコントロールするようにしてなることを特徴とするアンテナを備える通信装置。
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