最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る車両情報処理システムは、センサを備え、前記センサの計測結果に基づく計測データを送信する車両と、前記車両から送信された前記計測データを解析する解析処理を行う解析部と、前記車両の通信状況を判断する判断部と、前記判断部の判断結果に基づいて、前記解析処理の内容を設定する設定部とを備える。
このような構成により、たとえば、車両の通信状況が良い場合、当該車両の自動運転または安全運転支援等においてより有効な解析結果を得るための解析処理を行う一方で、当該車両の通信状況が悪い場合、データ量が少ない状況に適した、異なる内容の解析処理を行い、誤った解析結果が得られる可能性を低減させることができる。したがって、センサによる計測結果の不正確な解析結果が得られることを抑制することができる。
(2)好ましくは、前記車両は、前記判断部を含む。
このように、車両における判断部が自己の車両の通信状況を判断する構成により、異なる装置間で通信状況の判断に用いるデータの送受信を行うことなく、判断結果を得ることができる。
(3)好ましくは、前記車両情報処理システムは、前記解析部と、前記判断部と、前記設定部とを含む管理装置を備える。
このように、管理装置が、計測データに対する解析処理、車両の通信状況の判断、および解析処理の内容の設定を行う構成により、車両における処理負荷を低減させることができる。
(4)好ましくは、前記車両情報処理システムは、前記解析部と、前記設定部とを含む管理装置を備え、前記車両は、前記判断部の判断結果を前記管理装置に通知する。
このような構成により、車両が自己の通信状況の判断を行う構成であっても、管理装置において、当該車両の通信状況を把握し、当該車両の通信状況に応じた解析処理の内容を設定することができる。これにより、車両における処理負荷を低減させることができる。
(5)好ましくは、前記車両は、前記判断部の判断結果に基づいて、送信する前記計測データのデータ量を設定する。
このような構成により、管理装置による解析処理に適した量の計測データを送信することができる。また、解析処理に要求される内容を超えた計測データの送信を避けることができるため、車両における計測データの演算、記憶および送信等のためのリソースを節約することができる。
(6)好ましくは、前記判断部は、前記車両の位置情報および速度情報に基づいて前記通信状況を判断し、前記通信状況に基づいて前記設定部の設定変更タイミングを判断する。
このような構成により、解析処理の内容を変更するタイミングを事前に判断することができるため、より適切なタイミングで解析処理の内容を変更し、不正確な解析処理が得られる可能性をより一層低減させることができる。
(7)本発明の実施の形態に係る管理装置は、センサを備える車両から送信された、前記センサの計測結果に基づく計測データを解析する解析処理を行う解析部と、前記車両の通信状況に基づいて、前記解析処理の内容を設定する設定部とを備える。
このような構成により、たとえば、車両の通信状況が良い場合、当該車両の自動運転または安全運転支援等においてより有効な解析結果を得るための解析処理を行う一方で、当該車両の通信状況が悪い場合、データ量が少ない状況に適した、異なる内容の解析処理を行い、誤った解析結果が得られる可能性を低減させることができる。したがって、センサによる計測結果の不正確な解析結果が得られることを抑制することができる。
(8)本発明の実施の形態に係る車両情報処理方法は、車両情報処理システムにおける車両情報処理方法であって、センサを備える車両が、前記センサの計測結果に基づく計測データを送信するステップと、管理装置が、前記車両から送信された前記計測データを解析する解析処理を行うステップと、前記車両の通信状況を判断するステップと、前記通信状況の判断結果に基づいて、前記解析処理の内容を設定するステップとを含む。
このような方法により、たとえば、車両の通信状況が良い場合、当該車両の自動運転または安全運転支援等においてより有効な解析結果を得るための解析処理を行う一方で、当該車両の通信状況が悪い場合、データ量が少ない状況に適した、異なる内容の解析処理を行い、誤った解析結果が得られる可能性を低減させることができる。したがって、センサによる計測結果の不正確な解析結果が得られることを抑制することができる。
(9)本発明の実施の形態に係る車両情報処理方法は、管理装置における車両情報処理方法であって、センサを備える車両から送信された、前記センサの計測結果に基づく計測データを解析する解析処理を行うステップと、前記車両の通信状況に基づいて、前記解析処理の内容を設定するステップとを含む。
このような方法により、たとえば、車両の通信状況が良い場合、当該車両の自動運転または安全運転支援等においてより有効な解析結果を得るための解析処理を行う一方で、当該車両の通信状況が悪い場合、データ量が少ない状況に適した、異なる内容の解析処理を行い、誤った解析結果が得られる可能性を低減させることができる。したがって、センサによる計測結果の不正確な解析結果が得られることを抑制することができる。
(10)本発明の実施の形態に係る車両情報処理プログラムは、管理装置において用いられる車両情報処理プログラムであって、コンピュータを、センサを備える車両から送信された、前記センサの計測結果に基づく計測データを解析する解析処理を行う解析部と、前記車両の通信状況に基づいて、前記解析処理の内容を設定する設定部、として機能させるためのプログラムである。
このような構成により、たとえば、車両の通信状況が良い場合、当該車両の自動運転または安全運転支援等においてより有効な解析結果を得るための解析処理を行う一方で、当該車両の通信状況が悪い場合、データ量が少ない状況に適した、異なる内容の解析処理を行い、誤った解析結果が得られる可能性を低減させることができる。したがって、センサによる計測結果の不正確な解析結果が得られることを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
(a)車両情報処理システム
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システムの構成を示す図である。
図1を参照して、車両情報処理システム301は、1または複数の車両101と、管理サーバ(管理装置)121と、無線基地局装置161とを備える。図1では、一例として1つの車両101を示している。
車両101は、通信部11と、センサ12と、送信制御部13と、1または複数の機能部14とを含む。図1では、一例として1つの機能部14を示している。
センサ12は、ミリ波を用いるレーダ装置、撮像装置、または自動運転に用いられるLiDAR(Light Detection and Ranging)などであり、車両101の周辺を計測し、計測結果に基づく計測データを通信部11へ出力する。計測データは、計測結果そのものを示すデータであってもよいし、計測結果に基づくレベルなどを示すデータであってもよい。
通信部11は、センサ12から受けた計測データを、第5世代移動通信システム(以下、「5G」と称する。)またはLTE(Long Term Evolution)などの通信方式に従って、無線基地局装置161を介して管理サーバ121へ送信する。
送信制御部13は、センサ12が出力する計測データの単位時間当たりのデータ量を設定する。たとえば、送信制御部13は、計測データの解像度を設定したり、計測データのデータ形式を設定したり、センサ12から通信部11への計測データの出力頻度を設定したりする。
機能部14は、走行用制御デバイスまたは自動運転用ECU(Electronic Control Unit)などであり、車両101の走行を制御する。具体的には、機能部14は、エンジン制御デバイス、AT(Automatic Transmission)制御デバイス、HEV(Hybrid Electric Vehicle)制御デバイス、ブレーキ制御デバイス、シャーシ制御デバイス、ステアリング制御デバイスおよび計器表示制御デバイス等である。
管理サーバ121は、通信部21と、解析部22と、処理設定部(設定部)23と、判断部24とを含む。
通信部21は、各車両101から送信された計測データを無線基地局装置161経由で受信し、受信した計測データを解析部22へ出力する。
解析部22は、通信部21から受けた1または複数の計測データを解析する解析処理を行う。より詳細には、解析部22は、1または複数の計測データに基づいて、解析処理として、車両101の周辺に存在する物体を認識する認識処理を行う。
具体的には、解析部22は、1または複数の計測データに基づいて、車両101の周辺に存在する物体を検出し、検出した物体の種類を識別する。物体の種類は、一例として、車両、自転車、歩行者および信号灯器などである。また、解析部22は、歩行者を検出した場合、たとえば当該歩行者が大人および子供のいずれであるのかを識別することができる。
また、解析部22は、車両を検出した場合、たとえば、当該車両の制動灯および方向指示器などのランプをさらに検出し、当該ランプの点灯状況を確認することにより、車両の走行状態を判別することができる。車両の走行状態は、一例として、駐車、停車、ブレーキをかけた状態、または左折もしくは右折前の状態などである。
また、解析部22は、上述の認識処理による結果を用いて、解析処理として、たとえば機械学習による処理、具体的にはディープラーニング(Deep Learning)の手法に沿った分類モデルによる物体認識に用いることができる。
そして、解析部22は、解析処理の結果に基づく解析データを、通信部21および無線基地局装置161経由で1または複数の車両101へ送信する。
各車両101における通信部11は、管理サーバ121から送信された解析データを無線基地局装置161経由で受信し、受信した解析データを機能部14へ出力する。そして、機能部14は、通信部11から受けた解析データに基づいて、たとえば自己の車両101の自動運転または安全運転支援のための制御を行う。
管理サーバ121における判断部24は、各車両101の通信状況を判断し、判断結果を示す判断情報を処理設定部23へ出力する。判断部24による通信状況の判断の詳細については、後述する。
処理設定部23は、判断部24から受けた判断情報に基づいて、解析部22による解析処理の内容を設定する。
より詳細には、処理設定部23は、ある車両101の通信状況が悪い旨の判断情報を判断部24から受けた場合、当該車両101からの計測データに基づく解析処理の内容を、データ量が少ない状況に適した内容に設定する。また、処理設定部23は、ある車両101の通信状況が良い旨の判断情報を判断部24から受けた場合、当該車両101からの計測データに基づく解析処理の内容を、データ量が多い状況に適した内容に設定する。処理設定部23による解析処理の内容設定の詳細については、後述する。
(b)課題の説明
仮に、解析部22は、車両101の通信状況に関わらず、車両101から計測データの単位時間当たりのデータ量が多い状況に適した解析処理(以下、「第1解析処理」と称する。)を行う構成であるとする。第1解析処理は、一例として、車両101の周辺に存在する物体の検出、検出した物体の種類の識別、および検出した車両の走行状態の判別を内容とする物体の認識処理である。
このような構成であって、車両101の通信状況が悪化し、当該車両101が管理サーバ121へ送信する計測データの単位時間当たりのデータ量が減った場合、解析部22による第1解析処理が正確に行われない可能性がある。
すなわち、解析部22は、車両101の通信状況が悪い場合であっても、当該通信状況が良い場合と同じ第1解析処理を行うため、車両101から遠方に位置する物体を検出できなかったり、検出した物体の種類を誤って認識したり、車両101の走行状態を誤って判別したりする可能性がある。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301では、以下のような処理により、このような課題を解決する。
(c)通信状況の判断
(c−1)通信方式に基づく判断
たとえば、判断部24は、車両101および無線基地局装置161間の通信方式を示す通信情報を、通信部21経由で無線基地局装置161から取得する。そして、判断部24は、取得した通信情報に基づいて、車両101および無線基地局装置161間の通信方式を確認する。そして、判断部24は、たとえば、当該通信方式が5Gである場合には通信状況が良いと判断し、当該通信方式がLTEである場合には通信状況が悪いと判断する。
また、判断部24は、車両101の位置情報に基づいて、車両101および無線基地局装置161間の通信方式を判断してもよい。
たとえば、車両101は、所定周期で、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波に基づいて自己の位置を取得し、取得した位置を示す位置情報を作成する。そして、車両101は、作成した位置情報を計測データとともに無線基地局装置161を介して管理サーバ121へ送信する。
管理サーバ121における図示しない記憶部には、たとえば、エリアごとの通信方式を示すサービスエリアマップが保存されている。
判断部24は、車両101から送信された位置情報を通信部21および無線基地局装置161経由で受信し、受信した位置情報、および記憶部に保存されているサービスエリアマップに基づいて当該車両101および無線基地局装置161間の通信方式を確認する。そして、判断部24は、当該通信方式に応じて通信状況の良否を判断する。
なお、サービスエリアマップにおいて、たとえば5Gの通信方式を利用可能であることが示されているエリアであっても、ビルが障害物となって無線信号が届きにくいスポットであるビル陰など、通信状況が悪く、5Gの通信方式を利用することのできないスポットが存在することがある。このため、判断部24は、通信方式以外の以下のような情報に基づいて、車両101の通信状況を判断してもよい。
(c−2)信号強度に基づく判断
判断部24は、車両101および無線基地局装置161間で送受信される信号、具体的には計測データなどを含む無線信号の強度を確認することにより、当該車両101の通信状況を判断してもよい。
たとえば、判断部24は、車両101および無線基地局装置161間で送受信される信号の信号強度を示す通信情報を、通信部21経由で無線基地局装置161から取得する。そして、判断部24は、取得した通信情報に基づいて信号強度を確認し、当該信号強度が閾値Th1未満である状態が所定の期間以上継続する場合には通信状況が悪いと判断する。一方、判断部24は、当該信号強度が閾値Th1以上である場合、または当該信号強度が閾値Th1未満である状態が所定の期間以上継続しない場合には通信状況が良いと判断する。
(c−3)通信の遅延時間に基づく判断
判断部24は、無線基地局装置161を介する車両101および管理サーバ121間の通信の遅延時間D1を確認することにより、当該車両101の通信状況を判断してもよい。
たとえば、判断部24は、車両101からの送信時に計測データに付されたタイムスタンプと、管理サーバ121の通信部21における当該計測データの受信時刻との差である遅延時間D1を確認する。
そして、判断部24は、遅延時間D1が閾値Th2以上である状態が所定の期間以上継続する場合には通信状況が悪いと判断する。一方、判断部24は、遅延時間D1が閾値Th2未満である場合、または遅延時間D1が閾値Th2以上である状態が所定の期間以上継続しない場合には通信状況が良いと判断する。
なお、判断部24は、通信方式、信号強度および遅延時間D1のうちのいずれか複数を用いて、車両101の通信状況を総合的に判断してもよい。
(c−4)通信状況が変化するタイミングの推定
判断部24は、車両101の位置情報および速度情報に基づいて、当該車両101の通信状況の判断として、通信状況が変化するタイミングを推定してもよい。
たとえば、車両101は、所定周期で、位置情報および速度情報を無線基地局装置161経由で管理サーバ121へ送信する。
管理サーバ121における判断部24は、車両101からの位置情報および速度情報を無線基地局装置161経由で受信し、たとえば、当該位置情報に基づいて、車両101の進行方向を判断する。そして、判断部24は、受信した位置情報および速度情報、判断した進行方向、ならびにサービスマップエリアに基づいて、当該車両101の位置が5Gの通信方式を利用可能なエリアから外れるまでの時間を推定することができる。
そして、判断部24は、推定した時間に基づいて、車両101の通信状況が変化する通信状況変化タイミングを推定する。また、判断部24は、推定した通信状況変化タイミングに基づいて、処理設定部23が解析処理の内容を変更すべきタイミングである設定変更タイミングを判断する。設定変更タイミングは、通信状況変化タイミングと同じタイミングであってもよいし、通信状況変化タイミングと異なるタイミングであってもよい。
そして、判断部24は、判断した設定変更タイミング、および当該設定変更タイミングにおける通信状況の良否の変化を示す判断情報を、処理設定部23へ出力する。
(d)解析処理の内容設定
(d−1)通信状況の良否に基づく解析処理の内容設定
処理設定部23は、上記(c−1)から(c−3)のうちのいずれかの判断処理により得られた判断結果を示す判断情報を判断部24から受けた場合、解析部22による解析処理の内容を設定する。
たとえば、処理設定部23は、車両101の通信状況が悪い旨の判断情報を判断部24から受けた場合、解析部22による解析処理の内容を、データ量の少ない状況に適した内容に設定する。以下、データ量の少ない状況に適した内容の解析処理を、「第2解析処理」と称する。
すなわち、処理設定部23は、解析部22が第1解析処理を行っている状況において、車両101の通信状況が悪い旨の判断情報を判断部24から受けた場合、解析部22による解析処理を第1解析処理から第2解析処理に変更する。第2解析処理は、一例として、機械学習の一例であるサポートベクターマシン(Support Vector Machine)による認識処理、および車両101の周辺に存在する物体の検出にとどめた物体の認識処理などである。
また、処理設定部23は、解析部22が第2解析処理を行っている状況において、車両101の通信状況が良い旨の判断情報を判断部24から受けた場合、解析部22による解析処理を第2解析処理から第1解析処理に変更する。
このように、判断部24が車両101の通信状況を判断し、処理設定部23が判断部24による判断結果に応じて解析部22による解析処理の内容を動的に変更する。
そして、解析部22は、車両101の通信状況が良い場合、自動運転または安全運転支援により有効な解析結果を得ることのできる第1解析処理を行う。一方、解析部22は、車両101の通信状況が悪い場合、第1解析処理とは異なるパラメータを用いる第2解析処理を行うことにより、誤った解析結果が得られる可能性を低減させることができる。
(d−2)設定変更タイミングでの解析処理の内容設定
また、処理設定部23は、上記(c−4)の判断処理により得られた設定変更タイミングを示す判断情報を判断部24から受けた場合、当該設定変更タイミングにおいて、解析部22による解析処理の内容を設定する。
たとえば、処理設定部23は、設定変更タイミング、および当該設定変更タイミングにおいて車両101の通信状況が悪くなる旨の判断情報を判断部24から受けた場合、当該設定変更タイミングにおいて、解析部22による解析処理を第1解析処理から第2解析処理に変更する。
また、処理設定部23は、設定変更タイミング、および当該設定変更タイミングにおいて車両101の通信状況が良くなる旨の判断情報を判断部24から受けた場合、当該設定変更タイミングにおいて、解析部22による解析処理を第2解析処理から第1解析処理に変更する。
(e)計測データのデータ量の設定
管理サーバ121における処理設定部23は、判断部24から受けた判断情報に基づいて解析処理の内容を設定した場合、設定内容に基づく設定データを、通信部21および無線基地局装置161経由で当該車両101へ送信する。設定データは、解析処理の具体的な内容を示すデータであってもよいし、解析処理を第1解析処理および第2解析処理のいずれに設定したかを示すデータであってもよい。
車両101における通信部11は、管理サーバ121から送信された設定データを無線基地局装置161経由で受信すると、当該設定データを送信制御部13へ出力する。
送信制御部13は、たとえば、解析処理が第1解析処理から第2解析処理に変更された旨の設定データを通信部11から受けた場合、センサ12が出力する計測データの単位時間当たりのデータ量が少なくなるように設定する。具体的には、送信制御部13は、センサ12が出力する計測データの出力頻度が少なくなるように、すなわちセンサ12が計測データを間引いて出力するように設定したり、センサ12が計測データの解像度を低くして出力するように設定したり、センサ12が計測データのデータ形式を変更するように設定したりする。
また、送信制御部13は、たとえば、解析処理が第2解析処理から第1解析処理に変更された旨の設定データを通信部11から受けた場合、センサ12が出力する計測データの単位時間当たりのデータ量が多くなるように設定する。具体的には、送信制御部13は、センサ12が出力する計測データが通常の出力頻度で出力される、すなわちセンサ12が計測データを間引くことなく出力するように設定したり、センサ12が計測データの解像度を高くして出力するように設定したり、センサ12が計測データのデータ形式を変更するように設定したりする。
このように、送信制御部13が、車両101の通信状況に応じて、センサ12が出力する計測データの単位時間当たりのデータ量を設定することにより、センサ12が、管理サーバ121による解析処理に適したデータ量で計測データを送信することができる。また、管理サーバ121による解析処理に要求される内容を超えた計測データの送信を避けることができるため、車両101における計測データの演算、記憶および送信等のためのリソースを節約することができる。
また、送信制御部13は、通信部11から受けた設定データに基づいて、車両101および無線基地局装置161間の通信方式を設定してもよい。
たとえば、解析部22により第2解析処理が行われる場合、車両101および無線基地局装置161間の通信方式がLTEであっても、第2解析処理に要求されるデータ量の通信が可能である。このため、送信制御部13は、解析処理が第1解析処理から第2解析処理に変更された旨の設定データを受けた場合、自己の車両101および無線基地局装置161間の通信方式がLTEとなるように通信部21に対する設定を行う。
一方、解析部22により第1解析処理が行われる場合、第1解析処理に要求されるデータ量が多いため、車両101および無線基地局装置161間の通信方式は5Gであることが好ましい。このため、送信制御部13は、解析処理が第2解析処理から第1解析処理に変更された旨の設定データを受けた場合、自己の車両101および無線基地局装置161間の通信方式が5Gとなるように通信部21に対する設定を行う。
なお、設定データは、車両101および無線基地局装置161間の通信方式を示してもよい。この場合、送信制御部13は、自己の車両101および無線基地局装置161間の通信方式を、通信部11から受けた設定データの示す通信方式に設定する。
また、処理設定部23は、車両101への設定データの送信を行わない構成であってもよい。すなわち、管理サーバ121において処理設定部23が解析部22における解析処理の内容を変更した場合であっても、車両101が無線基地局装置161経由で管理サーバ121へ送信する計測データの単位時間当たりのデータ量を変更しなくてもよい。
[動作の流れ]
車両情報処理システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図の各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システムの動作の流れの一例を示すシーケンス図である。図2では、1つの車両101および管理サーバ121による動作の流れを示しているが、管理サーバ121は、複数の車両101との間で同様の処理を並行して行うことができる。
図1および図2を参照して、まず、車両101におけるセンサ12は、自己の車両101の周辺を計測し、計測結果に基づく計測データを通信部11および無線基地局装置161経由で管理サーバ121へ送信する(ステップS11)。
次に、管理サーバ121における解析部22は、センサ12から送信された計測データを無線基地局装置161および通信部21経由で受信し、受信した計測データに対する計測データ応答を、通信部21および無線基地局装置161経由で当該計測データの送信元である車両101へ送信する(ステップS12)。
次に、解析部22は、受信した1または複数の計測データに基づいて、第1解析処理として、たとえば、車両101の周辺に存在する物体の検出、検出した物体の種類の識別、および車両101の走行状態の判別を行う(ステップS13)。
次に、解析部22は、第1解析処理の結果に基づく解析データを、通信部21および無線基地局装置161経由で車両101へ送信する(ステップS14)。なお、解析部22は、当該解析データを、計測データの送信元である車両101以外の他の車両101へ送信してもよい。
次に、管理サーバ121における判断部24は、車両101および無線基地局装置161間の通信方式などに基づいて、車両101の通信状況を判断し、判断結果を示す判断情報を処理設定部23へ出力する。ここでは、判断部24は、車両101の通信状況が悪いと判断したとする(ステップS15)。
次に、管理サーバ121における処理設定部23は、通信状況が悪い旨の判断情報に基づいて、解析部22による解析処理の内容を設定する。すなわち、処理設定部23は、解析部22による解析処理を第1解析処理から第2解析処理に変更する(ステップS16)。
次に、管理サーバ121における処理設定部23は、解析処理の設定内容に基づく設定データを通信部21および無線基地局装置161経由で車両101へ送信する(ステップS17)。
次に、車両101における送信制御部13は、管理サーバ121から送信された設定データを無線基地局装置161および通信部11経由で受信すると、受信した設定データに基づいて、センサ12が出力する計測データの単位時間当たりのデータ量が少なくなるように設定する(ステップS18)。
次に、車両101におけるセンサ12は、自己の車両101の周辺を計測し、送信制御部13により設定されたデータ量に従って、計測結果に基づく計測データを通信部11および無線基地局装置161経由で管理サーバ121へ送信する(ステップS19)。
次に、管理サーバ121における解析部22は、センサ12から送信された計測データを無線基地局装置161および通信部21経由で受信し、受信した計測データに対する計測データ応答を、通信部21および無線基地局装置161経由で当該計測データの送信元である車両101へ送信する(ステップS20)。
次に、解析部22は、受信した1または複数の計測データに基づいて、第2解析処理として、たとえば、車両101の周辺に存在する物体の検出を行う(ステップS21)。
次に、解析部22は、第2解析処理の結果に基づく解析データを、通信部21および無線基地局装置161経由で車両101へ送信する(ステップS22)。なお、解析部22は、当該解析データを、計測データの送信元である車両101以外の他の車両101へ送信してもよい。
次に、管理サーバ121における判断部24は、車両101および無線基地局装置161間の通信方式などに基づいて、車両101の通信状況を判断し、判断結果を示す判断情報を処理設定部23へ出力する。ここでは、判断部24は、車両101の通信状況が良いと判断したとする(ステップS23)。
次に、管理サーバ121における処理設定部23は、通信状況が良い旨の判断情報に基づいて、解析部22による解析処理の内容を設定する。すなわち、処理設定部23は、解析部22による解析処理を第2解析処理から第1解析処理に変更する(ステップS24)。
次に、管理サーバ121における処理設定部23は、解析処理の設定内容に基づく設定データを通信部21および無線基地局装置161経由で車両101へ送信する(ステップS25)。
次に、車両101における送信制御部13は、管理サーバ121から送信された設定データを無線基地局装置161および通信部11経由で受信すると、受信した設定データに基づいて、センサ12が出力する計測データの単位時間当たりのデータ量が多くなるように設定する(ステップS26)。
次に、車両101におけるセンサ12は、自己の車両101の周辺を計測し、送信制御部13により設定されたデータ量に従って、計測結果に基づく計測データを通信部11および無線基地局装置161経由で管理サーバ121へ送信する(ステップS27)。
次に、管理サーバ121における解析部22は、センサ12から送信された計測データを無線基地局装置161および通信部21経由で受信し、受信した計測データに対する計測データ応答を、通信部21および無線基地局装置161経由で当該計測データの送信元である車両101へ送信する(ステップS28)。
次に、解析部22は、受信した1または複数の計測データに基づいて、第1解析処理を行う(ステップS29)。
次に、解析部22は、第1解析処理の結果に基づく解析データを、通信部21および無線基地局装置161経由で車両101へ送信する(ステップS30)。
車両情報処理システム301において、このような、管理サーバ121による通信状況の判断、解析処理の内容の設定および設定データの送信、車両101による計測データのデータ量の設定および計測データの送信、ならびに管理サーバ121による計測データ応答の送信、解析処理および解析データの送信が繰り返し行われる。
なお、処理設定部23は、判断部24から通知された判断結果が前回通知された判断結果と同じ内容である場合、解析処理の内容の設定および設定データの送信を行わなくてもよい。
ところで、上述した特許文献1に記載の遠隔サーバでは、通信ネットワークの状態が悪い場合、画像処理に用いることのできる単位時間当たりのデータ量が減少することにより、不正確な処理結果を得る可能性がある。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301では、センサ12を備える車両101が、当該センサ12の計測結果に基づく計測データを送信する。解析部22が、車両101から送信された計測データを解析する解析処理を行う。判断部24が、車両101の通信状況を判断する。そして、処理設定部23が、判断部24の判断結果に基づいて、解析部22による解析処理の内容を設定する。
このような構成により、たとえば、車両101の通信状況が良い場合、当該車両101の自動運転または安全運転支援等においてより有効な解析結果を得るための第1解析処理を行う一方で、当該車両101の通信状況が悪い場合、データ量が少ない状況に適した第2解析処理を行い、誤った解析結果が得られる可能性を低減させることができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301では、センサ12による計測結果の不正確な解析結果が得られることを抑制することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301では、管理サーバ121が、解析部22と、判断部24と、処理設定部23とを含む。
このように、管理サーバ121が、計測データに対する解析処理、車両101の通信状況の判断、および解析処理の内容の設定を行う構成により、車両101における処理負荷を低減させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301では、車両101における送信制御部13が、判断部24の判断結果に基づいて、センサ12が出力する計測データのデータ量を設定する。
このような構成により、管理サーバ121による解析処理に適した量の計測データを送信することができる。また、解析処理に要求される内容を超えた計測データの送信を避けることができるため、車両101における計測データの演算、記憶および送信等のためのリソースを節約することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301では、判断部24が、車両101の位置情報および速度情報に基づいて当該車両101の通信状況を判断し、判断した通信状況に基づいて処理設定部23の設定変更タイミングを判断する。
このような構成により、解析処理の内容を変更するタイミングを事前に判断することができるため、より適切なタイミングで解析処理の内容を変更し、不正確な解析処理が得られる可能性をより一層低減させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理サーバ121では、解析部22が、センサ12を備える車両101から送信された、当該センサ12の計測結果に基づく計測データを解析する解析処理を行う。そして、処理設定部23が、当該車両101の通信状況に基づいて、解析部22による解析処理の内容を設定する。
このような構成により、たとえば、車両101の通信状況が良い場合、当該車両101の自動運転または安全運転支援等においてより有効な解析結果を得るための第1解析処理を行う一方で、当該車両101の通信状況が悪い場合、データ量が少ない状況に適した第2解析処理を行い、誤った解析結果が得られる可能性を低減させることができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る管理サーバ121では、センサ12による計測結果の不正確な解析結果が得られることを抑制することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301における車両情報処理方法では、まず、センサ12を備える車両101が、当該センサ12の計測結果に基づく計測データを、無線基地局装置161経由で管理サーバ121へ送信する。次に、管理サーバ121が、車両101から送信された計測データを解析する解析処理を行う。次に、管理サーバ121が、車両101の通信状況を判断する。そして、管理サーバ121が、車両101の通信状況の判断結果に基づいて、解析処理の内容を設定する。
このような方法により、たとえば、車両101の通信状況が良い場合、当該車両101の自動運転または安全運転支援等においてより有効な解析結果を得るための第1解析処理を行う一方で、当該車両101の通信状況が悪い場合、データ量が少ない状況に適した第2解析処理を行い、誤った解析結果が得られる可能性を低減させることができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301における車両情報処理方法では、センサ12による計測結果の不正確な解析結果が得られることを抑制することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理サーバ121における車両情報処理方法では、まず、解析部22が、センサ12を備える車両101から送信された、当該センサ12の計測結果に基づく計測データを解析する解析処理を行う。次に、処理設定部23が、車両101の通信状況に基づいて、解析部22による解析処理の内容を設定する。
このような方法により、たとえば、車両101の通信状況が良い場合、当該車両101の自動運転または安全運転支援等においてより有効な解析結果を得るための第1解析処理を行う一方で、当該車両101の通信状況が悪い場合、データ量が少ない状況に適した第2解析処理を行い、誤った解析結果が得られる可能性を低減させることができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301における車両情報処理方法では、センサ12による計測結果の不正確な解析結果が得られることを抑制することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301では、管理サーバ121における判断部24が、車両101の通信状況を判断する。これに対して、第2の実施の形態に係る車両情報処理システム302では、車両102における判断部34が自己の車両102の通信状況を判断する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301と同様である。
[構成および基本動作]
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る車両情報処理システムの構成を示す図である。
図3を参照して、車両情報処理システム302は、1または複数の車両102と、管理サーバ(管理装置)122と、無線基地局装置161とを備える。図3では、一例として1つの車両102を示している。
車両102は、通信部31と、センサ32と、送信制御部33と、判断部34と、1または複数の機能部35とを含む。図3では、一例として1つの機能部35を示している。通信部31、センサ32、送信制御部33および機能部35の構成および動作は、それぞれ、以下で示す内容を除き、図1に示す通信部11、センサ12、送信制御部13および機能部14の構成および動作と同様である。
判断部34は、自己の車両101および管理サーバ122間の通信の遅延時間D2などに基づいて、自己の車両101の通信状況を判断する。
より詳細には、判断部34は、たとえば、通信部31から無線基地局装置161を介する管理サーバ122への計測データの送信時において当該計測データに付されたタイムスタンプと、当該計測データに対する管理サーバ122からの計測データ応答を通信部31が無線基地局装置161経由で受信した時刻との差である遅延時間D2を確認する。
そして、判断部34は、たとえば、遅延時間D2が閾値Th3以上である状態が所定の期間以上継続する場合には通信状況が悪いと判断し、遅延時間D2が閾値Th3未満である場合、または遅延時間D2が閾値Th3以上である状態が所定の期間以上継続しない場合には通信状況が良いと判断する。
そして、判断部34は、判断結果を示す判断情報を、通信部31および無線基地局装置161経由で管理サーバ122へ送信することにより、判断結果を管理サーバ122に通知する。
また、判断部34は、判断情報を送信制御部33へ出力する。送信制御部33は、判断部34から受けた判断情報に基づいて、センサ32から出力される計測データの単位時間当たりのデータ量を設定する。
送信制御部33は、たとえば、車両102の通信状況が悪い旨の判断情報を判断部34から受けた場合、センサ32が出力する計測データの単位時間当たりのデータ量が少なくなるように設定する。また、送信制御部33は、たとえば、車両102の通信状況が良い旨の判断情報を判断部34から受けた場合、センサ32が出力する計測データの単位時間当たりのデータ量が多くなるように設定する。
なお、判断部34は、上記のような判断方法を行う構成に限らない。たとえば、判断部34は、図1に示す管理サーバ121における判断部24と同様に、車両102および無線基地局装置161間の通信方式、車両102および無線基地局装置161間で送受信される信号の信号強度、および車両102の位置情報のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、車両102の通信状況を判断してもよい。
また、判断部34は、判断情報を送信制御部33へ出力しない構成であってもよい。この場合、送信制御部33は、データ量の設定変更を行わない。
管理サーバ122は、通信部41と、解析部42と、処理設定部(設定部)43とを含む。通信部41、解析部42および処理設定部43の構成および動作は、それぞれ、以下で示す内容を除き、図1に示す通信部21、解析部22および処理設定部23の構成および動作と同様である。
処理設定部43は、車両102から送信された判断情報を無線基地局装置161および通信部41経由で受信し、受信した判断情報の示す判断結果に基づいて、解析部42による解析処理の内容を設定する。
すなわち、処理設定部43は、通信状況が悪い旨の判断結果を示す判断情報を受信した場合、解析部42による解析処理を第2解析処理に設定する。また、処理設定部43は、通信状況が良い旨の判断結果を示す判断情報を受信した場合、解析部42による解析処理を第1解析処理に設定する。
[動作の流れ]
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る車両情報処理システムの動作の流れの一例を示すシーケンス図である。図4では、1つの車両102および管理サーバ122による動作の流れを示しているが、管理サーバ122は、複数の車両102との間で同様の処理を並行して行うことができる。
図3および図4を参照して、まず、車両102におけるセンサ32は、自己の車両102の周辺を計測し、計測結果に基づく計測データを通信部31および無線基地局装置161経由で管理サーバ122へ送信する(ステップS31)。
次に、管理サーバ122における解析部42は、センサ32から送信された計測データを無線基地局装置161および通信部41経由で受信し、受信した計測データに対する計測データ応答を、通信部41および無線基地局装置161経由で当該計測データの送信元である車両102へ送信する(ステップS32)。
次に、解析部42は、受信した1または複数の計測データに基づいて、第1解析処理として、たとえば、車両102の周辺に存在する物体の検出、検出した物体の種類の識別、および車両102の走行状態の判別を行う(ステップS33)。
次に、解析部42は、第1解析処理の結果に基づく解析データを、通信部41および無線基地局装置161経由で車両102へ送信する(ステップS34)。なお、解析部42は、当該解析データを、計測データの送信元である車両102以外の他の車両102へ送信してもよい。
次に、車両102における判断部34は、自己の車両102と管理サーバ122との間における通信の遅延時間などに基づいて、車両102の通信状況を判断し、判断結果を示す判断情報を送信制御部33へ出力する。ここでは、判断部34は、車両102の通信状況が悪いと判断したとする(ステップS35)。
次に、判断部34は、判断情報を、通信部31および無線基地局装置161経由で管理サーバ122へ送信する(ステップS36)。
次に、管理サーバ122における処理設定部43は、車両102から送信された判断情報を、無線基地局装置161および通信部41経由で受信する。そして、処理設定部43は、受信した判断情報に基づいて、解析部42による解析処理の内容を設定する。すなわち、処理設定部43は、解析部42による解析処理を第1解析処理から第2解析処理に変更する(ステップS37)。
次に、車両102における送信制御部33は、判断部34から受けた判断情報に基づいて、センサ32が出力する計測データの単位時間当たりのデータ量が少なくなるように設定する(ステップS38)。
次に、車両102におけるセンサ32は、自己の車両102の周辺を計測し、送信制御部33により設定されたデータ量に従って、計測結果に基づく計測データを通信部31および無線基地局装置161経由で管理サーバ122へ送信する(ステップS39)。
次に、管理サーバ122における解析部42は、センサ32から送信された計測データを無線基地局装置161および通信部41経由で受信し、受信した計測データに対する計測データ応答を、通信部41および無線基地局装置161経由で当該計測データの送信元である車両102へ送信する(ステップS40)。
次に、解析部42は、受信した1または複数の車両102からの計測データに基づいて、第2解析処理として、たとえば、車両102の周辺に存在する物体の検出を行う(ステップS41)。
次に、解析部42は、第2解析処理の結果に基づく解析データを、通信部41および無線基地局装置161経由で車両102へ送信する(ステップS42)。なお、解析部42は、当該解析データを、計測データの送信元である車両102以外の他の車両102へ送信してもよい。
次に、車両102における判断部34は、自己の車両102および無線基地局装置161間における通信の遅延時間などに基づいて、車両102の通信状況を判断し、判断結果を示す判断情報を送信制御部33へ出力する。ここでは、判断部34は、車両102の通信状況が良いと判断したとする(ステップS43)。
次に、判断部34は、判断結果に基づく判断情報を、通信部31および無線基地局装置161経由で管理サーバ122へ送信する(ステップS44)。
次に、管理サーバ122における処理設定部43は、車両102から送信された判断情報を、無線基地局装置161および通信部41経由で受信する。そして、処理設定部43は、受信した判断情報に基づいて、解析部42による解析処理の内容を設定する。すなわち、処理設定部43は、解析部42による解析処理を第2解析処理から第1解析処理に変更する(ステップS45)。
次に、車両102における送信制御部33は、判断部34から受けた判断情報に基づいて、センサ32が出力する計測データの単位時間当たりのデータ量が多くなるように設定する(ステップS46)。
次に、車両102におけるセンサ32は、自己の車両102の周辺を計測し、送信制御部33により設定されたデータ量に従って、計測結果に基づく計測データを通信部31および無線基地局装置161経由で管理サーバ122へ送信する(ステップS47)。
次に、管理サーバ122における解析部42は、センサ32から送信された計測データを無線基地局装置161および通信部41経由で受信し、受信した計測データに対する計測データ応答を、通信部41および無線基地局装置161経由で当該計測データの送信元である車両102へ送信する(ステップS48)。
次に、解析部42は、受信した1または複数の車両102からの計測データに基づいて、第1解析処理を行う(ステップS49)。
次に、解析部42は、第1解析処理の結果に基づく解析データを、通信部41および無線基地局装置161経由で車両102へ送信する(ステップS50)。
車両情報処理システム302において、このような、車両102による通信状況の判断および判断情報の送信、管理サーバ122による解析処理の内容の設定、車両102による計測データのデータ量の設定および計測データの送信、ならびに管理サーバ122による計測データ応答の送信、解析処理および解析データの送信が繰り返し行われる。
なお、送信制御部33による計測データのデータ量の設定(ステップS38)は、判断部34による判断情報の送信(ステップS36)、または処理設定部43による解析処理の内容の設定(ステップS37)と並行して行われてもよい。また、送信制御部33による計測データのデータ量の設定(ステップS46)は、判断部34による判断情報の送信(ステップS44)、または処理設定部43による解析処理の内容の設定(ステップS45)と並行して行われてもよい。
また、処理設定部43は、車両102から通知された判断結果が前回通知された判断結果と同じ内容である場合、解析処理の内容の設定を行わなくてもよい。
その他の構成および動作は、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
[変形例]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る車両情報処理システムの変形例の構成を示す図である。
図5を参照して、変形例に係る車両情報処理システム302では、車両102は、管理サーバ122における処理設定部43の代わりに、管理サーバ122における解析部42による解析処理の内容を決定する。
たとえば、車両102における送信制御部33は、判断部34による自己の車両102の通信状況の判断結果に基づいて、管理サーバ122における解析部42による解析処理の内容を決定し、決定した内容を示す設定データを通信部31および無線基地局装置161経由で管理サーバ122へ送信する。
そして、管理サーバ122における処理設定部43は、車両102から送信された設定データを無線基地局装置161および通信部41経由で受信し、解析部42による解析処理の内容を、当該設定データの示す内容に設定する。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る車両情報処理システムの変形例の動作の流れの一例を示すシーケンス図である。図6では、1つの車両102および管理サーバ122による動作の流れを示しているが、管理サーバ122は、複数の車両102との間で同様の処理を並行して行うことができる。
図5および図6を参照して、ステップS51〜ステップS55の動作は、図4に示すステップS31〜ステップS35の動作と同様である。
次に、判断部34は、通信状況の判断結果を示す判断情報を、送信制御部33へ出力する。そして、送信制御部33は、判断部34から受けた判断情報に基づいて、管理サーバ122における解析部42による解析処理の内容を決定する(ステップS56)。
次に、送信制御部33は、決定した内容を示す設定データを、通信部31および無線基地局装置161経由で管理サーバ122へ送信する(ステップS57)。
次に、管理サーバ122における処理設定部43は、車両102から送信された設定データを、無線基地局装置161および通信部41経由で受信する。そして、処理設定部43は、受信した設定データに基づいて、解析部42による解析処理の内容を設定する。ここでは、処理設定部43は、解析部42による解析処理を第1解析処理から第2解析処理に変更することとする(ステップS58)。
ステップS59〜ステップS64に示す動作は、図4に示すステップS38〜ステップS43の動作と同様である。
次に、判断部34は、通信状況の判断結果を示す判断情報を、送信制御部33へ出力する。そして、送信制御部33は、判断部34から受けた判断情報に基づいて、管理サーバ122における解析部42による解析処理の内容を決定する(ステップS65)。
次に、送信制御部33は、決定した内容を示す設定データを、通信部31および無線基地局装置161経由で管理サーバ122へ送信する(ステップS66)。
次に、管理サーバ122における処理設定部43は、車両102から送信された設定データを、無線基地局装置161および通信部41経由で受信する。そして、処理設定部43は、受信した設定データに基づいて、解析部42による解析処理の内容を設定する。ここでは、処理設定部43は、解析部42による解析処理を第2解析処理から第1解析処理に変更することとする(ステップS67)。
ステップS68〜ステップS72に示す動作は、図4に示すステップS46〜ステップS50の動作と同様である。
変形例に係る車両情報処理システム302において、このような、車両102による通信状況の判断、解析処理の内容の決定および設定データの送信、管理サーバ122による解析処理の内容の設定、車両102による計測データのデータ量の設定および計測データの送信、ならびに管理サーバ122による計測データ応答の送信、解析処理および解析データの送信が繰り返し行われる。
なお、送信制御部33による計測データのデータ量の設定(ステップS59)は、送信制御部33による解析処理の内容の決定(ステップS56)、送信制御部33による設定データの送信(ステップS57)、または処理設定部43による解析処理の内容の設定(ステップS58)と並行して行われてもよい。
また、送信制御部33による計測データのデータ量の設定(ステップS68)は、送信制御部33による解析処理の内容の決定(ステップS65)、送信制御部33による設定データの送信(ステップS66)、または処理設定部43による解析処理の内容の設定(ステップS67)と並行して行われてもよい。
また、処理設定部43は、車両102から通知された設定データが前回通知された設定データと同じ内容である場合、解析処理の内容の設定を行わなくてもよい。
上記のように、本発明の第2の実施の形態に係る車両情報処理システム302では、車両102における判断部34が、自己の車両102の通信状況を判断する。
このように、車両102における判断部34が自己の車両102の通信状況を判断する構成により、異なる装置間で通信状況の判断に用いるデータの送受信を行うことなく、判断結果を得ることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る車両情報処理システム302では、管理サーバ122における解析部42が、車両102から送信された計測データを解析する解析処理を行い、管理サーバ122における処理設定部43が、解析部42による解析処理の内容を設定する。また、車両102における判断部34が、車両102の通信状況の判断結果を管理サーバ122に通知する。
このような構成により、車両102が自己の通信状況の判断を行う構成であっても、管理サーバ122において、当該車両102の通信状況を把握し、当該車両102の通信状況に応じた解析処理の内容を設定することができる。これにより、車両102における処理負荷を低減させることができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る車両情報処理システム301および第2の実施の形態に係る車両情報処理システム302の各々の特徴を適宜組み合わせることも可能である。
また、本発明の実施の形態に係る管理サーバ121,122の機能の一部または全部が、クラウドコンピューティングによって提供されてもよい。すなわち、本発明の実施の形態に係る管理サーバ121,122が、複数のクラウドサーバ等によって構成されてもよい。また、管理サーバ121,122の機能の一部または全部が、計測データの送信元である車両101,102以外の車両における車載装置、等の他の装置によって提供されてもよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
センサを備え、前記センサの計測結果に基づく計測データを送信する車両と、
前記車両から送信された前記計測データを解析する解析処理を行う解析部と、
前記車両の通信状況を判断する判断部と、
前記判断部の判断結果に基づいて、前記解析処理の内容を設定する設定部とを備え、
前記判断部は、前記車両および無線基地局装置間の通信方式、前記車両および前記無線基地局装置間で送受信される信号の信号強度、前記車両および前記無線基地局装置間の通信の遅延時間、ならびに前記車両の位置情報のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記車両の通信状況を判断し、
前記設定部は、前記判断結果が前記車両の通信状況が良い旨を示す場合、前記解析処理を第1解析処理に設定し、前記判断結果が前記車両の通信状況が悪い旨を示す場合、前記解析処理を第2解析処理に設定し、
前記第1解析処理は、前記車両の周辺に存在する物体の検出に加えて、検出した物体の種類の識別、および前記車両の走行状態の判別の少なくともいずれか一方を行う処理であり、
前記第2解析処理は、前記車両の周辺に存在する物体の検出を行う処理である、車両情報処理システム。
[付記2]
センサを備える車両から送信された、前記センサの計測結果に基づく計測データを解析する解析処理を行う解析部と、
前記車両の通信状況に基づいて、前記解析処理の内容を設定する設定部とを備え、
前記設定部は、前記判断結果が前記車両の通信状況が良い旨を示す場合、前記解析処理を第1解析処理に設定し、前記判断結果が前記車両の通信状況が悪い旨を示す場合、前記解析処理を第2解析処理に設定し、
前記第1解析処理は、前記車両の周辺に存在する物体の検出に加えて、検出した物体の種類の識別、および前記車両の走行状態の判別の少なくともいずれか一方を行う処理であり、
前記第2解析処理は、前記車両の周辺に存在する物体の検出を行う処理である、管理装置。