JP2019160906A - 回路部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】MID等の回路部品において、そこに実装される実装部品の実装面等の基準面に対する傾きを抑制する。【解決手段】回路部品であって、実装面に溝が形成されている樹脂基材と、前記溝内に形成され、その厚さが前記溝の深さより小さいメッキ膜と、前記実装面に、前記溝を跨いで配置される実装部品と、前記溝内において、前記メッキ膜と前記実装部品とを電気的に接続するハンダとを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂基材に回路パターンが形成され、実装部品が実装された回路部品に関する。
近年、MID(Molded Interconnected Device)が、スマートフォン等で実用化されており、今後、自動車分野での応用拡大が期待されている。MIDは、樹脂成形体(樹脂基材)の表面に金属膜で回路を形成したデバイスであり、製品の軽量化、薄肉化及び部品点数削減に貢献できる。
発光ダイオード(LED)が実装されたMIDも提案されている。LEDは、通電により発熱するため背面からの排熱が必要であり、MIDの放熱性を高めることが重要となる。特許文献1では、MIDと金属製の放熱材料とを一体化した複合部品が提案されている。また、特許文献1のMIDでは、メッキ膜により回路を形成している。
特許第3443872号公報
近年、MID等の回路部品において、そこに実装されている実装部品の高さ方向の位置や、実装面等の基準面に対する傾きに高い精度を求められる場合がある。例えば、複数のLEDを備える自動車ヘッドライトモジュールでは、LEDが基準面に対して傾いていると配光制御が困難となる。しかし、樹脂基材上にメッキ膜により回路を形成する場合、メッキ膜の厚さ等を高い精度で制御することは難しい。このため、メッキ膜の回路上に実装される実装部品が傾くという課題が生じている。
本発明は、このような課題を解決するものであり、MID等の回路部品において、そこに実装される実装部品の実装面等の基準面に対する傾きを抑制する。
本発明に従えば、回路部品であって、実装面に溝が形成されている樹脂基材と、前記溝内に形成され、その厚さが前記溝の深さより小さいメッキ膜と、前記実装面に、前記溝を跨いで配置される実装部品と、前記溝内において、前記メッキ膜と前記実装部品とを電気的に接続するハンダとを有することを特徴とする回路部品が提供される。
前記実装面において、前記実装部品は前記溝の両側の接地面に当接していてもよい。また、前記実装面に回路パターンが形成されており、前記溝内のメッキ膜は、前記回路パターンの一部を構成していてもよい。前記実装面において、前記溝は、前記実装面において、前記実装部品と対向する実装領域から前記実装領域の外に延びていてもよい。前記樹脂基材が、絶縁性熱伝導フィラーを含んでもよい。
本態様において、前記樹脂基材は、前記実装面と対向する背面を有し、前記背面に、金属部材が接続していてもよい。前記金属部材は、前記樹脂基材の背面に接続する接続面を有し、前記接続面の表面粗さRzが、10μm〜500μmであってもよく、前記絶縁性熱伝導フィラーの最大粒子径より大きくてもよい。
前記樹脂基材が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂を含んでもよく、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であってもよい。
前記樹脂基材は、前記実装面に、前記実装部品に隣接して配置される凸部を有してもよく、前記凸部は、前記実装部品の周囲を囲んでいてもよい。前記実装部品がLEDであってもよい。
MID等の回路部品において、そこに実装される実装部品の実装面等の基準面に対する傾きを抑制する。
図1(a)は、実施形態の回路部品の上面模式図であり、図1(b)は、図1(a)のB1‐B1線断面模式図である。 図2は、図1(b)に示す回路部品の一部拡大図である。 図3(a)は、実施形態の回路部品における、ハンダの溶解前(ハンダリフロー前)の実装部品周辺の様子を示す断面模式図であり、図3(b)は、ハンダの溶解後(ハンダリフロー後)の実装部品周辺の様子を示す断面模式図である。 図4は、実施形態の回路部品に用いる金属部材の断面模式図である。 図5(a)は、実施形態の回路部品の製造途中の構造を示す上面模式図であり、図5(b)は、図5(a)のB5‐B5線断面模式図である。 図6(a)は、実施形態の回路部品の製造途中の構造を示す別の上面模式図であり、図6(b)は、図6(a)のB6‐B6線断面模式図である。 図7(a)は、実施形態の変形例の回路部品における、ハンダの溶解前(ハンダリフロー前)の実装部品周辺の様子を示す断面模式図であり、図7(b)は、ハンダの溶解後(ハンダリフロー後)の実装部品周辺の様子を示す断面模式図である。 図8(a)は、従来の回路部品における、ハンダの溶解前(ハンダリフロー前)の実装部品周辺の様子を示す断面模式図であり、図8(b)は、ハンダの溶解後(ハンダリフロー後)の実装部品周辺の様子を示す断面模式図である。
[回路部品]
図1(a)、(b)及び図2に示す回路部品100について説明する。回路部品100は、実装面10aと実装面10aに対向する背面10bとを有する樹脂基材10と、実装面10aにメッキ膜21により形成されている回路パターン20と、底面30bを有し、実装面10aに底面30bを対向させて実装されている実装部品30と、実装部品30と回路パターン20とを電気的に接続するハンダ40とを有する。本実施形態の回路部品100は、樹脂基材10の背面10bに、更に金属部材50が接続している。
樹脂基材10は、樹脂を含む基材である。樹脂基材10の背面10bに金属部材50が接続する場合、樹脂基材10は、実装面10a上の回路パターン20と金属部材50とを絶縁させる。本実施形態では、実装部品30がハンダ付けにより樹脂基材10に実装される。このため、樹脂基材10に用いる樹脂は、ハンダリフロー耐性を有する耐熱性のある高融点の樹脂が好ましい。樹脂基材10に用いる樹脂の融点は、260℃以上であることが好ましく、290℃以上であることがより好ましい。尚、実装部品30の実装に、低温ハンダを用いる場合はこの限りではない。
樹脂基材10に用いる樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、紫外線硬化性樹脂を用いることができる。中でも、薄く成形することが容易であり、成形精度が高く、更に硬化後は高耐熱性及び高密度を有する熱硬化樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱樹脂を用いることができ、中でもエポキシ樹脂が好ましい。光硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、6Tナイロン(6TPA)、9Tナイロン(9TPA)、10Tナイロン(10TPA)、12Tナイロン(12TPA)、MXD6ナイロン(MXDPA)等の芳香族ポリアミド及びこれらのアロイ材料、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニルスルホン(PPSU)等を用いることができる。これらの熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本実施形態の樹脂基材10は、絶縁性熱伝導フィラーを含んでもよい。絶縁性熱伝導フィラーとは、ここでは、熱伝導率1W/m・K以上のフィラーであり、カーボン等の導電性の放熱材料は除外される。絶縁性熱伝導フィラーとしては、例えば、高熱伝導率の無機粉末である、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等のセラミックス粉が挙げられる。フィラー同士の接触率を高めて熱伝達性を高めるために、ワラストナイト等の棒状、タルクや窒化ホウ素等の板状のフィラーを混合してもよい。これらの絶縁性熱伝導フィラーは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
絶縁性熱伝導フィラーの粒径(粒子サイズ)は、例えば、比較的安価なセラミック粒子を用いる場合、30μm〜100μmが好ましい。また、樹脂基材10の厚さdを薄くする場合には、絶縁性熱伝導フィラーの粒径は、30μm〜50μmが好ましい。また、樹脂基材10の背面10bに金属部材50が接続する場合には、放熱性向上のため、絶縁性熱伝導フィラーの粒径は、金属部材50の接続面50aの表面粗さRzより小さい方が好ましい。
絶縁性熱伝導フィラーは、樹脂基材10中に例えば、10重量%〜90重量%含まれ、30重量%〜80重量%含まれることが好ましい。絶縁性熱伝導フィラーの配合量が上記範囲内であると、本実施形態の回路部品100は、十分な放熱性を得られる。
樹脂基材10は、更に、その強度を制御するために、ガラス繊維、チタン酸カルシウム等の棒状又は針状のフィラーを含んでもよい。また、基材10は、必要に応じて、樹脂成形体に添加される汎用の各種添加剤を含んでもよい。
樹脂基材10の厚さdは、回路部品100の用途に応じて適宜決定できる。樹脂基材10の樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、硬化前の熱硬化性樹脂は粘度が低いため、樹脂基材10の厚さdを容易に薄くできる。樹脂基材10の厚さdが薄いほど、回路部品100の放熱性は向上する。しかし、詳細は後述するが、本実施形態では回路パターン20の形成において樹脂基材10にレーザー光を照射する。このため、例えば、樹脂基材10の背面10bに金属部材50が接続する場合、厚さdが薄すぎると回路パターン20を形成するメッキ膜21と金属部材50が短絡する虞がある。また、厚さdが薄すぎると、樹脂基材10の成形において、樹脂の流動性が低下する。これらの観点から、樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、樹脂基材10の厚さは、例えば、30μm〜300μmであり、好ましくは、50〜150μmである。また、回路部品100の用途に応じで、厚さdを0.5mm以上と厚くしてもよい。厚さdを0.5mm以上とする場合には、樹脂として、生産性に優れる熱可塑性樹脂を用いることができる。ここで、樹脂基材10の厚さdは、実装面10aの垂線m方向における実装面10aから背面10bまでの距離である。また、樹脂基材10の厚さが一定でない場合、厚さdは平均値を意味する。
回路パターン20は、樹脂基材10の実装面10aにメッキ膜21により形成されている。回路パターン20は、絶縁体である樹脂基材10上に形成されるため、無電解メッキにより形成されることが好ましい。したがって、回路パターン20は、例えば、無電解ニッケルリンメッキ膜、無電解銅メッキ膜、無電解ニッケルメッキ膜等の無電解メッキ膜を含んでもよく、中でも、無電解ニッケルリンメッキ膜を含むことが好ましい。樹脂基材10上の無電解メッキ膜の上に、更に、他の種類の無電解メッキ膜や電解メッキ膜を積層して、回路パターン20を形成してもよい。メッキ膜21の総厚さを厚くすることで回路パターン20の電気抵抗を小さくできる。電気抵抗を下げる観点から、回路パターン20は、無電解銅メッキ膜、電解銅メッキ膜、電解ニッケルメッキ膜等を含むことが好ましい。また、メッキ膜のハンダの濡れ性を向上させるために、金、銀、錫等のメッキ膜を回路パターン20の最表面に形成してもよい。
また、本実施形態では、回路パターン20は、レーザー光照射等により粗化された粗化部分(レーザー描画部分)に形成されている。これにより、回路パターン20を構成するメッキ膜21と樹脂基材10との密着強度が向上する。
尚、回路パターン20の最表面に金メッキ膜を設けると、ハンダの濡れ性が向上すると共に、回路パターン20の腐食を防止できる。しかし、回路パターン20の最表面全面に金メッキ膜を設けるとコストが上昇する。コスト上昇を抑制しつつ回路パターン20の腐食を防止するため、実装面10aにおいて、実装部品30がハンダ付けされる領域(実装領域12)以外をレジストで覆い、実装領域12に形成される回路パターン20の最表面のみに金メッキ膜を形成してもよい。実装領域12では、金メッキ膜によりハンダの濡れ性が向上すると共に回路パターン20の腐食が抑制され、実装領域12以外の部分では、安価なレジストにより回路パターン20の腐食が抑制される。
実装部品30は、実装面10aに、底面30bを対向させて実装されている。実装面10aにおいて、底面30bが対向する領域が実装領域12である。実装部品30と回路パターン20とは、ハンダ40により電気的に接続される。ハンダ40は、特に限定されず、汎用のものを用いることができる。実装部品30は、通電により熱を発生して発熱源となる。
実装部品30は任意のものを用いることができ、例えば、LED(発光ダイオード)、パワーモジュール、IC(集積回路)、熱抵抗等が挙げられる。中でも、実装面10aに対する傾き、高さ方向(実装面10aに垂直な方向)における位置ずれが許容され難い実装部品、又は干渉し易い場所に隣接されて使用される複数の実装部品等は、本実施形態に適している。本実施形態では、傾きが生じた場合に配光制御が困難になる、直列接続された複数(4個)のLEDを実装部品30として用いる(図1(a)及び(b))。本実施形態では、実装部品(LED)30の電極31と回路パターン20とが、ハンダ40を介して接続する。尚、実装面10a上に実装する実装部品30の個数は任意であり、回路部品100の用途に応じて、適宜決定できる。
図2に示すように、実装面10aにおいて、少なくとも実装領域12に溝13が形成されている。実装部品30は、溝13を跨いで配置され、実装領域12における、溝13の両側の接地面14と接触する。接地面14によって、実装部品30の高さ方向の位置決めが行なわれる。即ち、実装部品30は、接地面14により、実装面10aの垂直方向における位置が決定される。溝13の数は任意であり、1本であっても、複数本であってもよく、実装部品30の大きさ等に合わせて適宜決定できる。本実施形態では、実装領域12に、2本の溝13a、13bを設ける。これより、3つの接地面14a、14b、14cが形成される。2つの溝13a及び13bに挟まれる、接地面14bを有する壁16は、溝13a及び13b内にそれぞれ形成されるメッキ膜21の短絡を防止する効果もある。
接地面14a、14b、14cのそれぞれは、水平であり、3つの接地面14a、14b、14cの高さ(実装面10aに垂直な方向における位置)は同一である。本実施形態において、接地面14a、14b、14cは、実装面10a内の領域であり、実装面10aと同一の水平面内に存在する。溝13は、実装領域12のみに形成されていてもよいし、実装領域12から実装領域外に延びていてもよい。本実施形態では、図1(a)に示すように、実装面10aにおいて、溝13は実装領域12から実装領域12の外、即ち、実装部品30の底面30bと対向していない領域に延びている。
図2に示すように、溝13a、13b内には、回路パターン20の一部を構成するメッキ膜21が形成されており、溝13a、13b内のメッキ膜21の厚さは溝13a、13bの深さより小さい。即ち、メッキ膜21は、溝13a、13b内に収まっており、メッキ膜21の表面21aは、溝13a、13bから突出していない。溝13a、13b内のメッキ膜21は、溝13a、13bの上に溝13a、13bを跨ぐように配置されている実装部品30と直接接触していない。溝13a、13b内のメッキ膜21と、実装部品30とは、ハンダ40によって電気的に接続される。
溝13の大きさは特に制限されず、実装部品30の大きさ等に応じて適宜設定できる。溝13の深さは、例えば、30μm〜300μm、50μm〜200μmであり、溝13の幅は、例えば、0.1mm〜5.0mm、0.5mm〜1.0mmである。溝13内に形成されるメッキ膜21の厚さは、例えば、5μm〜100μm、10μm〜80μm
である。メッキ膜の表面21aと接地面14との距離は、例えば、5μm〜50μm、10μm〜30μmである。ここで、溝13の深さ及び幅、メッキ膜21の厚さ、メッキ膜の表面21aと接地面14との距離の値が一定でない(変動する場合)は、これらの平均値が上記範囲内であることが好ましい。尚、本実施形態では、詳細は後述するが、樹脂基材10の成形と同時に実装面10aに溝13を形成し(図5参照)、その後、メッキ膜21が形成される溝13の底をレーザー光照射により粗化する。レーザー光により切削されるため、溝13の深さは、成形時よりも粗化した分だけ深くなる。したがって、本実施形態において、溝13の深さとは、溝13の成形時の深さと、レーザー光の切削の深さとの合計である。
金属部材50は、基材10に実装される実装部品30が発する熱を放熱する。したがって、金属部材50には放熱性のある金属を用いることが好ましく、例えば、鉄、銅、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ステンレス鋼(SUS)等を用いることができる。中でも、軽量化、放熱性及びコストの観点から、マグネシウム、アルミニウムを用いることが好ましい。これらの金属は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。本実施形態においては、ダイカストによって成形したアルミ合金の放熱フィンを用いる。
金属部材50の樹脂基材10に接続する接続面50aは、樹脂基材10との密着強度及び放熱効率を高めるために、粗化されて、凹凸が形成されていることが好ましい。また、樹脂基材10が絶縁性熱伝導フィラーを含む場合、接続面50aの表面粗さRzは、絶縁性熱伝導フィラーの最大粒子径より大きいことが好ましく、例えば、10μm〜500μmであり、好ましくは、30μm〜200μmであり、より好ましくは、50μm〜100μmである。接続面50aの表面粗さRzが絶縁性熱伝導フィラーの最大粒子径より大きいと、より多くの絶縁性熱伝導フィラーが接続面50aの凹部内に存在できる。これにより、実装部品30が発する熱を、絶縁性熱伝導フィラーを介して金属部材50へ逃げ易くなり、回路部品100の放熱性が向上する。表面粗さRzは、顕微鏡を用いた接続面50aの表面観察、断面観察等により求められる。
金属部材50と樹脂基材10とは、一体成形した一体成形体であってもよい。ここで、一体成形体とは、別個に作成された金属部材50と樹脂基材10とを接着や接合(二次接着や機械的接合)するのではなく、樹脂基材10の成形時に金属部材50と接合する加工(典型的にはインサート成形)により製造したものを意味する。
以上説明した本実施形態の回路部品100では、樹脂基材10に実装される実装部品30の実装面10a(基準面)に対する傾きを抑制できる。実装面10a上に複数の実装部品30を実装する場合、複数の実装部品間における高さ方向(実装面10aに垂直な方向)の位置のバラつきも抑制できる。この効果のメカニズムを以下に説明する。
樹脂基材10上にメッキ膜21からなる回路パターン20を形成する場合、まず、メッキ膜の密着強度を上げるため、メッキ膜形成部分をレーザー光等により粗化し、次に、粗化部分にメッキ膜21を形成する。回路部品の用途によっては、実装部品30の高さ方向(実装面10aに垂直な方向)の高い位置決め精度が要求される。しかし、レーザー光による粗化深さ及びメッキ膜の厚さを高精度に制御することは困難である。更に、回路パターン20の形成に電解メッキを用いる場合には、電解メッキに用いる電極からの位置のよって、メッキ膜21の厚さにムラが生じる。このように、樹脂基材10上にメッキ膜21からなる回路パターン20を形成する場合、メッキ膜21の表面21aの高さは不均一となる。
図3(a)、(b)に、ハンダ40の溶解前後における、実装部品30周辺の様子を模式的に示す。図3(a)、(b)では、メッキ膜21の表面21aの高さが不均一であることを強調して表現している。図3(a)に示すハンダ40の溶解前(ハンダリフロー前)では、表面21aの高さが不均一なメッキ膜21上に、常温のハンダ40を介して実装部品30設置している。このため、実装部品30は実装面10aに対して傾いている。尚、このとき、溝13から突出する量の常温のハンダ40を用いて、ハンダ40と実装部品30とは接触させる。
図3(a)に示す実装部品30が設置された樹脂基材10をリフロー炉に通し、ハンダリフローを行う。このとき、ハンダ40は溶解し、溶解したハンダ40は、メッキ膜21の表面21a上を溝13の長さ方向に広がる。同時に、溶解したハンダ40の表面張力により、実装部品30を樹脂基材10に向う方向(図3(a)に示す矢印方向)に引っ張る力が生じる。ハンダ40に引っ張られた実装部品30の電極31は、溝13a、13bの両側の水平な接地面14a、14b、14cに当接する。これにより、実装部品30の高さ方向の位置決めが正確になされ、その後、ハンダ40が固化して実装部品30は固定される(図3(b))。また、実装面10a上に複数の実装部品30を実装する場合においても、それぞれの実装部品30を位置決めするそれぞれの接地面40の高さ(実装面10aに垂直な方向の位置)を同一とすることで、複数の実装部品30間における高さ方向のバラつきも抑制できる。
ハンダ40が溶解するとき、ハンダ40はメッキ膜21の表面21a上に広がるので、溝13はハンダ40が設置される領域より長く又は広く形成されることが好ましい。溝13は、実装領域12から実装領域12の外の領域に延びていてもよい。この場合、ハンダ40は実装領域12の外側まで広がる場合もある。
本実施形態との比較のため、図8(a)、(b)に、実装領域12に溝13及び接地面14を有さない従来の樹脂基材80に実装した実装部品30を示す。図8(a)に示すハンダリフロー前において、メッキ膜の表面21aの高さが不均一であるため、実装部品30は実装面80aに対して傾いている。しかし、ハンダリフローを行っても、樹脂基材80が溝13及び接地面14を有さないため、実装部品30の傾きは補正されることなく固化される(図8(b))。
尚、以上説明した本実施形態において、回路部品100は金属部材50を備えるが、本実施形態はこれに限定されず、金属部材50を備えなくてもよい。回路部品の用途によっては、金属部材50を備えなくとも、樹脂基材10の厚さや絶縁性熱伝導フィラーの配合量を調整することにより、要求される放熱性を得られる。また、金属部材50を備えなくとも、回路部品100は、上述した実装部品30の実装面10a(基準面)に対する傾きを抑制するという効果を奏する。
また、本実施形態において、回路パターン20は、図1(a)、(b)に示すように、板状体の樹脂基材10の片面(実装面10a)のみに形成されているが、本実施形態は、これに限定されない。樹脂基材10は板状体に限定されず、回路部品100の用途に応じた任意の形状とすることができる。そして回路パターン20は、樹脂基材10の複数の面に亘って、又は球面等を含む立体形状の面に沿って立体的に形成されてもよい。回路パターン20が、基材10の複数の面に亘って、又は球面等を含む立体形状の表面に沿って立体的に形成される場合、回路部品100は三次元成形回路部品として機能する。
[回路部品の製造方法]
回路部品100の製造方法について説明する。まず、金属部材50を用意する(図4)。金属部材50は、市販品の金属板、放熱フィン等であってもよいし、ダイカストにより任意の形状に成形したものであってもよい。金属部材50の樹脂基材10と接続する接続面50aの表面粗さRzは、例えば10μm〜500μmであることが好ましい。所望の表面粗さとなるように、例えば、レーザー光照射等により、接続面50aを粗化して凹凸を形成してもよい。
次に、金属部材50の接続面50aに樹脂基材10を接続させる。例えば、金属部材50を先に配置した金型内に、樹脂を射出充填して樹脂基材10を成形するインサート成形(一体成形)によって、金属部材50と樹脂基材10とを一体に成形してもよい。インサート成形としては、射出成形、トランスファー成形等を用いることができる。また、樹脂基材10の金型に溝13に対応する凸部を設けておき、樹脂基材10の成形と同時に溝13を成形することが好ましい(図5(a)及び(b))。
次に、樹脂基材10の実装面10aを含む表面に、回路パターン20を形成する。回路パターン20の一部は、溝13内に形成される。回路パターン20を形成する方法は、特に限定されず、汎用の方法を用いることができる。例えば、実装面10a全体にメッキ膜を形成し、メッキ膜にフォトレジストでパターニングし、エッチングにより回路パターン以外の部分のメッキ膜を除去する方法、回路パターンを形成したい部分にレーザー光を照射して基材を粗化し、レーザー光照射部分のみにメッキ膜を形成する方法等が挙げられる。
本実施形態では、以下に説明する方法により回路パターン20を形成する。まず、樹脂基材10の表面に、触媒活性妨害層(不図示)を形成する。次に、触媒活性妨害層が形成された基材10の実装面10aの無電解メッキ膜を形成する部分、即ち、回路パターン20を形成する部分をレーザー描画する。これにより、実装面10a上にレーザー描画部分が形成される。このとき、回路パターン20が形成される溝13内もレーザー描画する。次に、レーザー描画した基材10の表面に無電解メッキ触媒を付与し、そして、無電解メッキ液を接触させる。触媒活性妨害層は、その上に付与される無電解メッキ触媒の触媒活性を妨げる(妨害する)。このため、触媒活性妨害層上では、無電解メッキ膜の生成が抑制される。一方、レーザー描画部分は、触媒活性妨害層が除去されるため、無電解メッキ膜が生成する。これにより、レーザー描画部分に無電解メッキ膜21による回路パターン20が形成される(図6(a)及び(b))。
触媒活性妨害層は、触媒活性を妨害する樹脂(触媒失活剤)を用いて形成できる。触媒失活剤としては、側鎖にアミド基及びジチオカルバメート基を有するポリマーが好ましい。側鎖のアミド基及びジチオカルバメート基が無電解メッキ触媒となる金属イオンに作用し、触媒能を発揮することを妨げると推測される。また、触媒失活剤は、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー等のデンドリティックポリマーが好ましい。触媒失活剤としては、例えば、特開2017‐160518号公報に開示されるポリマーを用いることができ、また、同特許公開公報に開示される方法により、樹脂基材10の表面に妨害層を形成できる。
レーザー描画に用いるレーザー光及びレーザー描画方法は、特に限定されず、汎用のレーザー光及びレーザー描画方法を適宜選択して用いることができる。レーザー描画部分では、触媒活性妨害層(不図示)が除去されると共に、基材10の表面が粗化される。これにより、レーザー描画部分に無電解メッキ触媒が吸着し易くなる。また、溝13内がレーザー描画されることにより切削され、切削された分、溝13の深さが成形時より深くなる。
無電解メッキ触媒は、特に限定されず、汎用のものを適宜選択して用いることができる。また、無電解メッキ触媒として、例えば、特開2017−036486号公報に開示されている塩化パラジウム等の金属塩を含むメッキ触媒液を用いてもよい。無電解メッキ触媒として金属塩を含むメッキ触媒液を用いる場合、樹脂基材10にメッキ触媒液を付与する前に、無電解メッキ触媒の吸着を促進する前処理液を樹脂基材10に付与してもよい。前処理液としては、例えば、ポリエチレンイミン等の窒素含有ポリマーを含む水溶液を用いることができる。
無電解メッキ液及び無電解メッキ方法は、特に限定されず、汎用の無電解メッキ液及び無電解メッキ方法を適宜選択して用いることができる。無電解メッキ液は、例えば、次亜リン酸ナトリウム、ホルマリン等の還元剤を含有する。無電解メッキ液としては、無電解ニッケルメッキ液、無電解ニッケルリンメッキ液、無電解銅メッキ液、無電解パラジウムメッキ液等を用いることができ、中でも無電解メッキ触媒(金属イオン)の還元効果の高い次亜リン酸ナトリウムを還元剤として含み、メッキ液が安定な無電解ニッケルメッキ液(無電解ニッケルリンメッキ液)が好ましい。回路パターン20の形成においては、無電解メッキ膜の上に、更に、他の種類の無電解メッキ膜や電解メッキ膜を積層してもよい。また、溝13内において、メッキ膜21の厚さは、溝13の深さより小さくなるよう制御される。即ち、メッキ膜21の表面21aが接地面14に届かないように制御される(図6(b))。
尚、上述のように、コスト上昇を抑制しつつ回路パターン20の腐食を防止するため、実装面10aにおいて、実装部品30がハンダ付けされる実装領域12以外をレジストで覆い、実装領域12に形成される回路パターン20の最表面のみに金メッキ膜を形成してもよい。このような態様の回路パターンは、例えば、以下方法により形成できる。まず、最表面の金メッキ膜を除く回路パターン20が形成された基材10に対して、実装面10aを含む全面にソルダーレジスト(例えば、太陽インキ株式会社製)を塗布し、レジスト層を形成する。次に、レーザー光を用いて、実装領域12上のレジスト層を除去して開口を形成し、開口に回路パターン20を露出される。そして、開口に露出している回路パターン20の最表面のみに金メッキ膜を形成する。
基材10に回路パターン20を形成した後、基材10の実装領域12に実装部品30をハンダ40により実装する。これにより、本実施形態の回路部品100が得られる。実装部品30は、溝13内のメッキ膜21にハンダ40を介して接触する。上述したように、実装部品30を実装するとき、溶解したハンダ40により、実装部品30が樹脂基材10に向う方向(図3(a)に示す矢印方向)に引っ張られ、実装部品30が接地面14a、14b、14cに当接する。これにより、メッキ膜21の表面21aの高さが不均一であっても、実装部品30の高さ方向の位置決めが正確になされる(図3(b))。
実装部品30の実装方法は特に限定されず、汎用の方法を用いることができ、例えば、常温のハンダ40と実装部品30とを配置した基材10を高温のリフロー炉に通過させるハンダリフロー法、又はレーザー光を基材10と実装部品30の界面に照射してハンダ付けを行うレーザーハンダ付け法(スポット実装)により、実装部品30を基材10にハンダ付けしてもよい。
[変形例]
図7(a)及び(b)に示す本実施形態の変形例について説明する。本実施形態の回路部品100は、実装面10aにおいて、実装部品30に隣接して配置される規制部(凸部)17を有してもよい。本変形例では、規制部17は、実装部品30の周囲を囲んでいる。即ち、樹脂基材10は、実装面10aに、実装領域12の境界付近で且つ実装領域12の外側に配置される規制部(凸部)17を有し、規制部17は実装領域12の周囲を囲んでいる。実装部品30は、規制部17に囲まれる実装領域12に配置され、規制部17の少なくとも一部は、実装部品30に接している。本変形例では、樹脂基材10が凸部17を有する以外の構成は、図1に示す回路部品100と同様である。
本変形例は、上述した実施形態と同様に、実装部品30が接地面14に接触することで、実装部品30の実装面10a(基準面)に対する傾きを抑制できる。更に、本変形例は、規制部17を設けることで、以下の効果を奏する。
まず、規制部17に実装部品30を接触させて配置することで、実装部品30の実装面10a上における位置決め(水平方向における位置決め)を正確且つ容易に行える。更に、規制部17は、実装部品30を設置した樹脂基材10をリフロー炉に通した時に生じる、実装部品30が実装面10aに対して立ち上がる現象(マンハッタン現象)を防止できる。この現象は、実装部品30を複数のハンダ40と接触させた場合に、複数のハンダ40間において、実装部品30を引っ張る表面張力に差が生まれることが原因である。表面張力の差は、例えば、複数のハンダ40間における、ハンダ表面40aの高さの相違、ハンダ40の量、ハンダリフロー時の温度等のバラつきによって生じる。本変形例では、実装部品30に隣接させて規制部17を設けることで、実装部品30の位置及び動きを規制でき、ハンダリフロー時に実装部品30が立ち上がることを抑制できる。
図7(a)及び(b)に、本変形例のハンダ40の溶解前後における、実装部品30周辺の様子を模式的に示す。図7(a)に示すハンダ40の溶解前(ハンダリフロー前)において、メッキ膜21の表面21aの高さは不均一である。このため、その上に配置されるハンダ40の表面40aの高さが、溝13aと溝13bで異なっている。溝13a内のハンダ40の表面40aの方が、溝13b内のそれよりも高い位置(実装面10aからより離れた位置)にある。実装領域12に配置される実装部品30は、実装領域12の周囲に配置される規制部17により、大きく傾くことなく、実装面10aに対して略平行に配置される。このとき、実装部品30は、溝13a内のメッキ膜21の表面21aとのみ接触し、溝13b内のメッキ膜21の表面21aとは接触していない。
図7(a)に示す実装部品30が設置された樹脂基材10をリフロー炉に通し、ハンダリフローを行う。このとき、実装部品30が接触している溝13a内のハンダ40のみの表面張力により、実装部品30の左側(図7(a)における向かって左側)が、樹脂基材10に向う方向(図7(a)に示す矢印方向)に引っ張られる。しかし、実装部品30は、規制部17によって、右側が立ち上がる動きが規制され、実装部品30全体が実装面10aに対して平行を保ったまま、実装面10aの方向に引っ張られる。ハンダ40に引っ張られた実装部品30は、接地面14a、14b、14cに当接し、実装部品30の高さ方向の位置決めが正確になされる(図7(b))。
規制部17の実装部品30に対向する規制面17aは、実装面10aから離れるにしたがって、実装部品30から離れる方向に傾斜していることが好ましい。これにより、規制部17に囲まれた実装領域12に、実装部品30を配置し易くなる。尚、本変形例では、規制部17により実装領域12を囲んだが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、複数個に分割された規制部17を実装部品30に隣接して配置してもよい。
規制部17の大きさは、実装部品30の大きさ等に合わせて適宜決定できる。規制部(凸部)17は、それに対応する凹部が形成された金型を用いて、樹脂基材10の成形と同時に形成してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されない。
本実施例では、図1に示す、背面10bに金属部材50が接続した基材10を用いて、回路部品100を製造した。実装部品30として、LED(発光ダイオード)を用いた。
(1)金属部材の成形及び表面粗化
ダイカストにより、アルミニウム合金製の放熱フィン(金属部材50)を成形した。放熱フィン50の接続面50aをレーザー光照射(レーザー加工)により粗化した。接続面50aの表面粗さRzは、65μmであった(図4)。
(2)樹脂基材の成形
最大粒子径が50μmのアルミナ粒子(酸化アルミニウム、熱伝導率1W/m・k)を含むエポキシ樹脂を接続面50a上にインサート成形し、樹脂基材10を得た。樹脂基材10の厚さdは、約150μmとした。また、インサート成形に用いた金型には、溝13に対応する凸部を設け、樹脂基材10の成形と同時に溝13を成形した。樹脂基材10の成形時の溝13の深さは30μm、最も狭い幅は0.5mmとした(図5(a)及び(b))。
尚、本実施例では、金属部材50の樹脂基材10が接続されていない面に、市販の電着塗装液(シミズ製、エレコート)を用いて、20μmの輻射膜を形成した。輻射膜は、後述する無電解メッキ工程において、金属部材50の腐食及び金属部材50上への無電解メッキ膜の成長を抑制する。更に、輻射膜は、金属部材50の放熱性を向上させる。
(3)回路パターンの形成
本実施例では、以下に説明する方法により、樹脂基材10上にメッキ膜21により形成された回路パターン20を形成した。
(a)触媒活性妨害層の形成
基材の表面に、触媒失活剤である下記式(1)で表されるハイパーブランチポリマーを含む触媒活性妨害層を形成した。下記式(1)で表されるハイパーブランチポリマーは、特開2017‐160518号公報に開示される方法により合成した。
Figure 2019160906
合成した式(1)で表されるポリマーをメチルエチルケトンに溶解して、ポリマー濃度0.5重量%のポリマー溶液を調製した。室温のポリマー溶液に樹脂基材10及び金属部材50を5秒間浸漬し、その後、85℃乾燥機中で5分間乾燥した。これにより、樹脂基材10の表面に膜厚約70nmの触媒活性妨害層が形成された。
(b)レーザー描画
触媒活性妨害層を形成した樹脂基材10の表面に、3Dレーザーマーカ(キーエンス製、ファイバーレーザー、出力50W)を用いて、2000mm/sの加工速度で、溝13内を含む回路パターン20に対応する部分をレーザー描画した。描画パターンの線幅は0.3mm、隣り合う描画線間の最小距離は0.5mmとした。レーザー描画により、レーザー描画部分の触媒活性妨害層を除去できた。また、レーザー描画部分の表面は粗化され、樹脂基材10内に含まれていたフィラーが露出した。
また、溝13の深さは、溝13の底がレーザー光照射により切削されたことにより、成形時の約30μmから更に深くなり、約100μmとなった
(c)無電解メッキ触媒の付与
30℃に調整した市販の塩化パラジウム(PdCl)水溶液(奥野製薬工業製、アクチベータ、塩化パラジウム濃度:150ppm)に樹脂基材10及び金属部材50を5分間浸漬した。その後、樹脂基材10及び金属部材50を塩化パラジウム水溶液から取り出し、水洗した。
(d)無電解メッキ
60℃に調整した無電解ニッケルリンメッキ液(奥野製薬工業製、トップニコロンLPH−L、pH6.5)に、樹脂基材10及び金属部材50を10分間浸漬した。樹脂基材10上のレーザー描画部分にニッケルリン膜(無電解ニッケルリンメッキ膜)が約1μm成長した。同時に、金属部材50の表面にも、ニッケルリン膜が約1μm形成した。
ニッケルリン膜上に、更に、汎用の方法により、電解銅メッキ膜を70μm、電解ニッケルメッキ膜を1μm、電解金メッキ膜を0.1μm、この順に積層し、回路パターン20を形成した。回路パターン20は、溝13中にも同様に形成された。
(4)実装部品の実装
実装部品30として、面実装タイプの高輝度LED(日亜化学製、NS2W123BT、3.0mmx2.0mmx高さ0.7mm)を用いた。基材10の実装領域12の溝13内に形成されたメッキ膜21上に、常温のハンダ40を介して、4個の実装部品(LED)30を配置した。図1(a)に示すように、4個の実装部品30は直列接続した。次に、樹脂基材10をリフロー炉に通した(ハンダリフロー)。リフロー炉内で樹脂基材10は加熱され、樹脂基材10の最高到達温度は約240℃となり、樹脂基材10が最高到達温度で加熱された時間は約1分であった。ハンダ40により、実装部品15は樹脂基材10に実装され、本実施例の回路部品100を得た。ハンダ40の平均膜厚は約25μmであった。
得られた回路部品100における、実装部品30の実装面10aに対する傾きを測定した。4個の実装部品30全てにおいて、傾きは0.2°であり、目標の0.5°以内であった。また、回路パターン20に電源を接続し、400mAの直流電流を流したところ、全てのLED(実装部品)30が点灯した。LED30の背面の電極31間に熱電対を固定して温度を測定した。その結果、LED30の温度は85℃で安定していた。LED30の温度は、目標の100℃以下であり、本実施例の回路部品100は、放熱性に優れることが確認できた。
本発明の回路部品(MID)は、そこに実装される実装部品の実装面等の基準面に対する傾きを抑制できる。このため、本発明の回路部品は、LED等の実装部品を実装した部品に適しており、スマートフォンや自動車の部品に応用可能である。
10 基材
12 実装領域
13 溝
14 接地面
20 回路パターン
21 メッキ膜
30 実装部品(LED)
40 ハンダ
50 金属部材
100 回路部品

Claims (14)

  1. 回路部品であって、
    実装面に溝が形成されている樹脂基材と、
    前記溝内に形成され、その厚さが前記溝の深さより小さいメッキ膜と、
    前記実装面に、前記溝を跨いで配置される実装部品と、
    前記溝内において、前記メッキ膜と前記実装部品とを電気的に接続するハンダとを有することを特徴とする回路部品。
  2. 前記実装面において、前記実装部品は前記溝の両側の接地面に当接していることを特徴とする請求項1に記載の回路部品。
  3. 前記実装面に回路パターンが形成されており、
    前記溝内のメッキ膜は、前記回路パターンの一部を構成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路部品。
  4. 前記溝は、前記実装面において、前記実装部品と対向する実装領域から前記実装領域の外に延びていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回路部品。
  5. 前記樹脂基材が、絶縁性熱伝導フィラーを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の回路部品。
  6. 前記樹脂基材は、前記実装面と対向する背面を有し、
    前記背面に、金属部材が接続していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の回路部品。
  7. 前記金属部材は、前記樹脂基材の背面に接続する接続面を有し、
    前記接続面の表面粗さRzが、10μm〜500μmであることを特徴とする請求項6に記載の回路部品。
  8. 前記樹脂基材は、絶縁性熱伝導フィラーを含み、
    前記金属部材は、前記樹脂基材の背面に接続する接続面を有し、
    前記接続面の表面粗さRzが、前記絶縁性熱伝導フィラーの最大粒子径より大きいことを特徴とする請求項6又は7に記載の回路部品。
  9. 前記樹脂基材が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の回路部品。
  10. 前記樹脂基材が、前記熱硬化性樹脂を含むことを特徴とする請求項9に記載の回路部品。
  11. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項10に記載の回路部品。
  12. 前記樹脂基材は、前記実装面に、前記実装部品に隣接して配置される凸部を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の回路部品。
  13. 前記凸部は、前記実装部品の周囲を囲んでいることを特徴とする請求項12に記載の回路部品。
  14. 前記実装部品がLEDであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の回路部品。
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