JP2019160451A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
このようなコイン型の非水電解質二次電池は、例えば、有底円筒状の正極缶および負極缶に囲まれた収容空間に、正極、負極、及び電解質が収容された構造が採用され、正極缶に正極が電気的に接続されるとともに、負極缶に負極が電気的に接続されて構成される。
また、正極缶と負極缶との間にはガスケットが介在され、正極缶と負極缶との間をかしめ加工することにより封口し、非水電解質二次電池の収容空間が密封される。
また、リフロー実装可能なコイン型電池において電池高さを大きくした場合は、リフロー実装時の熱の影響により、電池の内部圧力が上昇し、ガスケットの変形を生じるおそれがある。
また、以下の特許文献2には、正極ケースと正極との間に逆ハット型の正極リングを介在させ、正極リングの鍔板状の円周部によってガスケットの底部を支持した構造が開示されている。
ガスケットを支持する鍔板や円周部に変形を生じるとガスケットの変形あるいは電池内ケースの変形に帰結し、耐漏液性が低下するおそれがある。
このため、本形態により、リフロー実装時などの熱の影響を受けてもかしめ部によりガスケットを介し封口した構造の耐久性が高く、耐漏液性を向上させた高容量タイプの非水電解質二次電池を提供できる効果がある。
また、高容量化によって正極缶の高さが高くなったとしても、補助リングの積層枚数を調整し、リング部の厚さを正極缶の高さに合わせて増加することで容易に対応できる。
このため、本形態により、リフロー実装時などの熱の影響を受けてもかしめ部によりガスケットを介し封口した構造の耐久性が高く、耐漏液性を向上させた高容量タイプの非水電解質二次電池を提供できる効果がある。
図1及び図2に示す本実施形態の非水電解質二次電池1は、いわゆるコイン(ボタン)型の電池である。この非水電解質二次電池1は、収納容器2内に、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極10と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極20と、正極10と負極20との間に配置されたセパレータ30と、少なくとも支持塩及び有機溶媒を含む電解液50と、リング型のスペーサー15を備える。なお、図1は正極缶12の開口部をかしめる前の状態を示し、図2は正極缶12の開口部をかしめた後の状態を示す。
より具体的に、非水電解質二次電池1は、有底円筒状の正極缶12と、正極缶12の開口部12aにガスケット40を介在し固定され、正極缶12との間に収容空間を形成する有蓋円筒状(ハット状)の負極缶22とを有し、図1に示す正極缶12の開口部の周縁部12bを内側、即ち負極缶22側にかしめることで収容空間を密封する収納容器2を備える。
図1に示すように、ガスケット40は、正極缶12の内周面に沿って狭入されるとともに、セパレータ30の外周と接続され、セパレータ30が保持されている。
また、図2に示す正極10、負極20及びセパレータ30には、収納容器2内に充填された電解液50が含浸されている。
なお、図1、図2では正極10を単層構造として略記しているが、正極10は正極活物質を正極集電体に積層した構造などが採用され、正極集電体が正極缶12に電気的に接続されている。
負極20は図1、図2では2層構造のように略記されているが、負極活物質を負極集電体に積層した構造などが採用され、負極集電体が負極缶22に電気的に接続されている。
本実施形態において、収納容器2を構成する正極缶12は、上述したように、有底円筒状に構成され、平面視で円形の開口部12aを有する。このような正極缶12の材質としては、従来公知のものを何ら制限無く用いることができ、例えば、SUS316L、SUS329J4L、NAS64等のステンレス鋼を採用できる。
ガスケット40は、図1、図2に示すように、正極缶12の内周面に沿って円環状に形成され、その環状溝41の内部に負極缶22の外周端部22aが配置されている。
ガスケット40は、正極缶12の開口部内周側に隙間無く挿入される外径を有するリング状の外縁部40Aと、リング状の内縁部40Bと、これら外縁部40Aおよび内縁部40Bの下端部どうしを接続した底壁部40Cからなる。従って、ガスケット40の外周縁上面側には負極缶22の外周端部22aを挿入可能な環状溝41が形成されている。
図1は、正極缶12の開口部12aをかしめ加工する前の状態を示すが、図1の状態から開口部の周縁部12bをかしめ加工して開口部の周縁部12bを内側向きに絞ることにより、ガスケット40の外縁部40Aの上縁部を負極缶22の外周部に押し付けて収納容器2が封口されている。
また、ガスケット40の環状溝41の内側面には、シール剤を塗布してもよい。このようなシール剤としては、アスファルト、エポキシ樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチルゴム系接着剤等を用いることができる。また、シール剤は、環状溝41の内部に塗布した後、乾燥させて用いることができる。
セパレータ30は、正極10と負極20との間に介在され、大きなイオン透過度を有するとともに耐熱性に優れ、かつ、所定の機械的強度を有する絶縁膜が用いられる。
セパレータ30としては、従来から非水電解質二次電池のセパレータに用いられ、上記特性を満たす材質からなるものを何ら制限無く適用でき、例えば、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、鉛ガラス等のガラス、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド、ポリイミド(PI)、アラミド、セルロース、フッ素樹脂、セラミックス等の樹脂からなる不織布や繊維等が挙げられる。セパレータ30としては、上記の中でも、ガラス繊維からなる不織布を用いることがより好ましい。
ガラス繊維は、機械強度に優れるとともに、大きなイオン透過度を有するため、内部抵抗を低減して放電容量の向上を図ることが可能となる。
セパレータ30の厚さは、非水電解質二次電池1の大きさや、このセパレータ30の材質等を勘案して決定され、例えば5〜300μm程度とすることができる。
図1、図2に示す構造において、正極缶12の内底部側にリング状のスペーサー15が設置されている。
スペーサー15は正極缶12の内底部に隙間無く挿入可能な外径を有し、ガスケット40の底面40aのほぼ全面に接触してガスケット40を支持可能な上面15aを有する厚肉円環型のリング部15Aからなる。
スペーサー15が正極缶12の内底部に隙間無く挿入可能であることから、スペーサー15の外周面15bは正極缶12の底部内周面に接し、スペーサー15の底面15cは正極缶12の内底面に接している。スペーサー15の内径は正極10の外径より若干大きく形成され、スペーサー15の内側に正極10が配置されている。スペーサー15の外径と内径が上述した大きさであることから、スペーサー15はガスケット40の底面40aと正極缶12の内底面との間の空間を占有する大きさに形成されている。
スペーサー15の厚さ(図1、図2に示すように水平に設置した状態におけるスペーサー1の上下方向の厚さ)は正極10の厚さより若干小さくされているので、スペーサー15の上面15aはセパレータ30の若干下方に位置されている。
スペーサー15をエンジニアリングプラスチックから形成した場合、スペーサー15は正極10、正極缶12、ガスケット40と良好な密着性を確保でき、収容容器2の封止性を向上できる。
スペーサー15を金属から形成した場合、スペーサー15は収容容器2の封止性を向上させると同時に封止構造の耐久性を高くすることができる。なお、スペーサー15において正極缶12の内底面コーナー部分と接する部分は正極缶12の内底面のコーナー部分のR形状に合わせた面取り加工を行って、正極缶12の内底面に対する密着性を確保することが好ましい。
スペーサー15のサイズは、一例としてφ4.75mm×t2.55mmのボタン型電池において、外周4.5mm、内周3.3mm、高さ1.1mm程度である。
なお、スペーサー15の内径を正極10の外径と略同等程度に形成しても良く、スペーサー15の内側に正極10を隙間無く埋め込む構成としてもよい。
本実施形態の非水電解質二次電池1は、電解液50として、少なくとも有機溶媒及び支持塩を含むものを用いる。そして、電解液50は、有機溶媒として、リフロー耐熱性を有するような高沸点型のものが好ましい。例えば、溶媒がTEG(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)+DEE(エチレングリコールジメチルエーテル)の混合溶媒、あるいは、DEEの代わりに、EC(エチレンカーボネート)またはVC(ビニレンカーボネート)をTEGに添加した混合溶媒を用いることができる。
このような電解液は、通常、支持塩を、有機溶媒等の非水溶媒に溶解させたものからなり、電解液に求められる耐熱性や粘度等を勘案して、その特性が決定される。
正極10において正極活物質の種類は特に限定されず、リチウム化合物を含み、従来からこの分野で公知の正極活物質を用い、さらに、結着剤としてポリアクリル酸を、導電助剤としてグラファイト等を混合したものを用いることができる。特に、正極活物質として、リチウムマンガン酸化物(Li4Mn5O12)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、MoO3、LiFePO4、Nb2O3のうちの少なくとも何れかを含有してなることが好ましく、これらの中でも、リチウムマンガン酸化物、又は、チタン酸リチウムを含有してなることがより好ましい。
本実施形態において、正極活物質として、上記の材料のうちの1種のみならず、複数を含有していても構わない。
また、正極10にはケッチェンブラック等の炭素質材料からなる正極導電助剤が含まれていても良く、ポリアクリル酸などの正極バインダが含まれていても良い。
正極集電体は炭素を導電性フィラーとする導電性樹脂接着剤等を用いることができるが従来公知の正極用集電体を広く適用できる。
負極20において負極活物質の種類は特に限定されないが、例えば、炭素、Li−Al等の合金系負極や、シリコン酸化物等、従来からこの分野で公知の負極活物質を用い、さらに、適当なバインダと、結着剤としてポリアクリル酸を、導電助剤としてグラファイト等を混合したものを用いることができる。特に、負極活物質として、SiO、SiO2、Si、WO2、WO3及びLi−Al合金のうちの少なくとも何れかを含有してなることが好ましい。
負極集電体は正極集電体と同様の材料を用いて構成することができる。
このため、本実施形態により、リフロー実装時などの熱の影響を受けてもかしめ部によりガスケット40を介し封口した構造の耐久性が高く、耐漏液性を向上させた高容量タイプの非水電解質二次電池1を提供できる効果がある。
図4に示す構造において、正極缶105の開口部106の内側に負極缶107の外周部108が挿入され、この外周部108の先端側を囲繞するようにガスケット103が設けられている。
この構造において、正極缶105の開口周縁部がかしめ加工によりかしめられてかしめ部110が形成され、正極缶105が封口されている。
この構造に対し図1、図2に示す構造では、スペーサー15がガスケット40を底部側から支持するのでガスケット40による封口部分の構造に歪みや変形などの欠陥は生じない。
図3は、非水電解質二次電池の第2実施形態の構造を示すもので、この第2実施形態の非水電解質二次電池60において、先の第1実施形態の非水電解質二次電池1の構成と異なるのは、スペーサー65の構造である。
この第2実施形態においてスペーサー65は複数枚(図3では7枚)の補助リング65aの積層体であるリング部65Aからなる。補助リング65aの積層体からなるリング部65Aを有するスペーサー65は先の第1実施形態のスペーサー15と同等の外径と内径を有し、同等の厚さに形成されている。
その他の構造は先の非水電解質二次電池1と同等である。
なお、図3はかしめ加工前の状態を示しているので、正極缶12の周縁部12bをかしめることで第2実施形態の非水電解質二次電池が完成される。
その他の部分の構造は先の第1実施形態の構造と同等であるため、その他の部分の構造説明は省略する。
なお、スペーサー65は複数の補助リング65aの積層体であるため、高さ調節が容易な特徴を有する。非水電解質二次電池60が図3に示すよりも更に高い構造となった場合であっても、高さに合わせて必要枚数の補助リング65aを用意し、これらを積層すればよい。非水電解質二次電池60が図3に示すよりも低い構造となった場合、積層枚数を少なくすれば対応できる。
薄い補助リング65aを用いてスペーサー65の全体厚を微調整することで、ガスケット40の底面40aと正極缶12の内底面との距離が設計通りになっていない場合であっても、ガスケット40の底面40aと正極缶12の内底面との間に隙間無くスペーサー65を配置することができる。
スペーサー65を正極缶12の内底面側に隙間無く配置することで、正極缶の開口部をかしめ加工した場合、ガスケット40周りの構造に無用な歪みや負荷をかけることなく目的の形状を維持した封口構造を実現できる。
例えば、図2に示す構造では、正極10の外周面とスペーサー15の内周面との間に隙間があるので、スペーサー15の内周面に補強リブや突起などを形成しても良い。また、スペーサー15の外周面15bが全て正極缶12の内周面に接する必要は無く、スペーサー15の外周面に沿って凹凸や補強リブなどを設けても良い。この場合、ガスケット40の底面40aの全面をスペーサー15の上面が支持する訳ではなくなるが、かしめ加工による圧力によってガスケット40が不要な変形を来さない程度、スペーサー15がガスケット40の底面40aを支持していればよい。このため、図2に示すスペーサー15のリング部15Aはかしめ加工の圧力で変形しない程度の充分な強度を有するならば、凹凸や補強リブを有していても良く、リング部15Aの周壁自体が中空構造であっても良い。
Claims (5)
- 有底円筒状の正極缶と、
前記正極缶の開口部内側にガスケットを介在し固定され、前記正極缶との間に収容空間を形成する負極缶とを備え、
前記正極缶の開口部を前記負極缶側にかしめたかしめ部を設けることで前記収容空間が密封され、前記収容空間に正極と負極と電解液とセパレータが収容された非水電解質二次電池であって、
前記正極缶の内底部側に前記ガスケットの底面と前記正極缶の内底面との間に位置するリング部を有するスペーサーが設けられたことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記リング部が複数の補助リングの積層体からなることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記ガスケットが前記負極缶の側壁開口端の外周面に密着する外縁部と、前記負極缶の側壁開口端の内周面に密着する内縁部と、前記負極缶の側壁開口端に密着して前記外縁部と前記内縁部を接続する底壁部を具備してなり、前記リング部が前記底壁部に接することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
- 前記リング部の外周面が前記正極缶の底部側内周面に接し、前記リング部の底面が前記正極缶の内底面に接し、前記リング部の上面が前記ガスケットの底面に接することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
- 前記リング部の内側に前記正極が配置されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110808422A (zh) * | 2019-10-12 | 2020-02-18 | 重庆长安工业(集团)有限责任公司 | 一种铅酸电池储液瓶的封膜工装 |
CN113451689A (zh) * | 2020-03-27 | 2021-09-28 | Fdk株式会社 | 非水电解液电池以及非水电解液电池的制造方法 |
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- 2018-03-08 JP JP2018041805A patent/JP7023144B2/ja active Active
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