JP2019158036A - 減速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータを収容する固定ハウジングの外周に軸受を介して回転ハウジングが回転自在に支持され、モータの回転を遊星歯車機構で減速して回転ハウジングに伝達する減速機の製造コストを低減する。【解決手段】減速機13は、内部にモータ12を収容する固定ハウジング14と、固定ハウジング14の一端壁部14a側の外周に軸受16を介して回転自在に支持される回転ハウジング15と、モータ12の回転を減速して回転ハウジング15に伝達する遊星歯車機構21,31,41を備えている。固定ハウジング14の一端壁部14aに軸受支持部材52が設けられている。回転ハウジング15は、固定ハウジング14の外周に設けられた第1軸受16と、第1軸受16よりもサイズが小さい軸受であって軸受支持部材52に設けられた第2軸受55とで、回転自在に支持されている。【選択図】図1
Description
本発明は、遊星歯車機構を有する減速機に関するものである。
従来、軟弱地や傾斜地等の不整地を走行する車両には、安定して走行できるように、クローラ式走行装置が用いられる。クローラ式走行装置は駆動輪と従動輪に無端帯状のクローラを掛け回したものである。このようなクローラ式走行装置には、遊星歯車機構を有する減速機が用いられることが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、近年、自動車のみならず、例えばフォークリフトや農業機械、バックホーなどの作業機でも、電動化やハイブリッド化が進行している。そして、作業機の電動化の普及には、高減速比でコンパクトかつ高効率の減速機が求められている。
上記のような減速機において、固定ハウジングと回転ハウジングとの間には、複数の軸受が回転軸線方向に並んで配置される。これらの軸受は、モータを収容する固定ハウジングの外周に取り付けられるので、サイズの大きい複数の軸受が必要になり、製造コストの増大を招くという問題があった。
本発明は、上記のような現状を検討して改善を施した減速機を提供することを技術的課題としている。
本発明の減速機は、内部にモータを収容する固定ハウジングと、前記固定ハウジングの一端壁部側の外周に軸受を介して回転自在に支持される回転ハウジングと、前記モータの回転を減速して前記回転ハウジングに伝達する遊星歯車機構とを備えた減速機であって、前記固定ハウジングの前記一端壁部に軸受支持部材が設けられており、前記回転ハウジングは、前記軸受としての第1軸受と、前記第1軸受よりもサイズが小さい軸受であって前記軸受支持部材に設けられた第2軸受とで、回転自在に支持されているものである。
本発明の減速機は、固定ハウジングの外周に設けられた第1軸受と、第1軸受よりもサイズが小さい軸受であって軸受支持部材に設けられた第2軸受とで、回転ハウジングを回転自在に支持しているので、複数の軸受で回転ハウジングの回転軸振れを防止しながら、複数の軸受にかかるコストを低減でき、ひいては減速機の製造コストを低減できる。
本発明の減速機において、例えば、前記遊星歯車機構として、動力伝達流れにおいて直列に並ぶ複数段の遊星歯車機構が設けられており、前記複数段の遊星歯車機構における動力伝達下流側に位置する最終段の遊星歯車機構において、遊星歯車は、前記一端壁部と前記軸受支持部材との間に配置され、前記遊星歯車を回転自在に支持する遊星歯車軸は、一端側が前記一端壁部に支持され、他端側が前記軸受支持部材に支持されているようにしてもよい。
この態様によれば、固定ハウジングの一端壁部とその一端壁部に設けられる軸受支持部材とを利用して、部品点数を増やすことなく、最終段の遊星歯車機構の遊星歯車軸を強固に固定できる。
また、この態様において、前記複数段の遊星歯車機構における動力伝達上流側に位置する第1段目の遊星歯車機構の各歯車は、はすば歯車で構成され、第2段目以降の遊星歯車機構の各歯車は、平歯車で構成されているようにしてもよい。
この態様によれば、高速で回転する第1段目の遊星歯車機構での騒音及び振動をはすば歯車によって低減しながら、比較的低速で回転する第2段目以降の遊星歯車機構では平歯車によって高い効率で動力伝達することで高伝動効率化及び低コスト化を実現できる。この態様は、モータとして高速回転可能な電動モータを用いる場合に特に有効である。
また、前記複数段の遊星歯車機構を備える構成において、前記固定ハウジングは、前記モータのモータ出力軸を回転自在に支持するモータハウジング部と、前記複数段の遊星歯車機構における動力伝達上流側に位置する第1段目の遊星歯車機構を収容すると共に前記一端壁部を有するギヤハウジング部とが、着脱可能に連結されて構成されているようにしてもよい。
この態様によれば、固定ハウジングのギヤハウジング部内に第1段目の遊星歯車機構が収容されていることで、回転ハウジング内に収容される遊星歯車機構の数を少なくでき、回転ハウジングの回転軸線方向長さを短くできるので、減速機をコンパクト化できる。また、モータハウジング部とギヤハウジング部とが分離可能に構成されていることで、モータハウジング部及びギヤハウジング部の加工性を向上できる。また、モータがモータハウジング部に収容された状態で第1段目の遊星歯車機構の組付け及び取外しを行うことができ、組立性及び分解性(メンテナンス性)を向上できる。
本発明は、モータを収容する固定ハウジングの外周に軸受を介して回転ハウジングが回転自在に支持され、モータの回転を遊星歯車機構で減速して回転ハウジングに伝達する減速機の製造コストを低減できる。
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づき説明する。以下の実施形態では、本発明の第1実施形態の減速機をクローラ式走行装置の駆動装置に適用した例について説明する。
図1に示すように、駆動装置7は、モータ12と減速機13とを備えている。この実施形態では、モータ12は、電動モータであり、減速機13の固定ハウジング14内に配置されている。なお、本発明において、モータは、電動モータに限定されず、油圧モータであってもよい。
減速機13は、内部にモータ12を収容する固定ハウジング14と、固定ハウジング14の一端壁部14a側の外周に第1軸受16を介して回転自在に支持される回転ハウジング15と、モータ12の回転を減速して回転ハウジング15に伝達する複数段の遊星歯車機構21,31,41とを備えている。回転ハウジング15は、固定ハウジング14の一端壁部14aに取り付けられた軸受支持部材52にも、第2軸受55と軸受板56を介して回転自在に支持されている。
軸受支持部材52は、略円筒形であり、固定ハウジング14の一端壁部14aとは反対側の端部に設けられた軸受支持部52aと、軸受支持部52aよりも大径で一端壁部14a側に設けられた取付部52bとを備えている。取付部52bは、固定ハウジング14の一端壁部14aに3本のボルト53で固定されている。
図2(A)にも示すように、軸受支持部52aの外周に第2軸受55が取り付けられている。第2軸受55は、第1軸受16よりもサイズが小さい軸受である。すなわち、第2軸受55の外径は第1軸受16の外径よりも小さい。
第2軸受55と回転ハウジング15の内周壁との間に、中央に貫通穴を有する略円板形の軸受板56が設けられている。軸受板56には、回転ハウジング15内に収容される潤滑油が流通可能な複数の油孔56aが設けられている。また、回転ハウジング15の内周壁には、回転軸線方向に沿って形成された複数の凸状部15bが形成されている。軸受板56の外周面には、複数の凸状部15bに対応する位置に複数の凹部56bが形成されている。軸受板56は、凹部56bに凸状部15bが嵌り込むことで、回転ハウジング15に対して相対回転不能に設けられている。
この実施形態では、モータ12のモータ出力軸12aから回転ハウジング15へ向かう動力伝達流れの上流側から順に、第1段目の遊星歯車機構21、第2段目の遊星歯車機構31、第3段目(最終段)の遊星歯車機構41が設けられている。
モータ12の出力は、モータ出力軸12aから第1段目〜第3段目の遊星歯車機構21,31,41に順に伝達され、減速及び増トルクされて、回転ハウジング15及び駆動輪2を介してクローラ(図示省略)を駆動させる。なお、駆動輪2は、略円筒形の回転ハウジング15の外周に設けられた取付けフランジ部15aに取り付けられている。
固定ハウジング14は、モータ12を収容すると共にモータ出力軸12aを回転自在に支持するモータハウジング部14Aと、第1段目の遊星歯車機構21を収容するギヤハウジング部14Bとを備えている。モータハウジング部14Aとギヤハウジング部14Bは、それぞれ、例えばアルミニウム合金からなる一体形成の有底筒状の形態を有し、筒状部の一端側を閉塞する一端壁部を備えている。
モータハウジング部14Aの一端壁部14Ab側に、ギヤハウジング部14Bが取り付けられる。ギヤハウジング部14Bの一端壁部は、固定ハウジング14の一端壁部14aを構成している。また、図示は省略するが、モータハウジング部14A内には、モータ12に対して一端壁部14Abとは反対側の位置に、モータ12の駆動を制御するインバータ等が収容される。
モータハウジング部14Aの外周に設けられたフランジ部14Aaと、ギヤハウジング部14Bの外周に設けられたフランジ部14Baとが突合せ配置されてボルトにより連結されている。すなわち、モータハウジング部14Aとギヤハウジング部14Bは、着脱可能に連結されている。また、フランジ部14Baには、車両に装備された駆動装置支持フレーム6dがボルトにより共締めされて連結される。
ギヤハウジング部14B内に配置されている第1段目の遊星歯車機構21は、モータ出力軸12aの先端部に相対回転不能に連結された太陽歯車22と、内歯車23aを有する内歯車部材23と、太陽歯車22と内歯車23aとの間に配置される3個の遊星歯車24と、遊星歯車24を回転自在に支持する3本の遊星歯車軸25と、遊星歯車軸25を片持ち支持するキャリア26とを備えている。太陽歯車22、内歯車23a及び遊星歯車24は、はすば歯車で構成されている。
内歯車部材23は、モータハウジング部14Aの材料(例えばアルミニウム合金)よりも熱膨張係数が小さい材料(例えば鉄系材料)で形成されている。また、内周に内歯車23aが形成されていない部位で構成される円環状のボス部23bを有する。ボス部23bは、例えば焼き嵌めによってモータハウジング部14Aの一端壁部14Abの外周に嵌め込まれて相対回転不能に固着されている。
キャリア26の内周に、回転軸線方向に沿って延びる伝動軸51の一端部が相対回転不能に連結されている。伝動軸51の他端部には、回転ハウジング15内に配置された第2段目の遊星歯車機構31の太陽歯車32が相対回転不能に連結されている。
回転ハウジング15内には、第2段目の遊星歯車機構31と第3段目の遊星歯車機構41が配置されている。略円筒形の回転ハウジング15の一端部(固定ハウジング14とは反対側の端部)は、蓋体18によって閉塞されている。
第2段目の遊星歯車機構31は、伝動軸51の端部に相対回転不能に連結された太陽歯車32と、回転ハウジング15の内周に一体形成された内歯車33と、太陽歯車32と内歯車33との間に配置される3個の遊星歯車34と、遊星歯車34を回転自在に支持する3本の遊星歯車軸35と、遊星歯車軸35を片持ち支持するキャリア36とを備えている。太陽歯車32、内歯車33及び遊星歯車34は、平歯車で構成されている。キャリア36の内周に、第3段目の遊星歯車機構41の太陽歯車42が相対回転不能に連結されている。
第3段目の遊星歯車機構41は、太陽歯車32よりも固定ハウジング14寄りの位置で伝動軸51に回転自在に遊嵌されている太陽歯車42と、回転ハウジング15の内周に一体形成された内歯車43と、太陽歯車42と内歯車43との間に配置される3個の遊星歯車44と、遊星歯車44を回転自在に支持する3本の遊星歯車軸45とを備えている。太陽歯車42、内歯車43及び遊星歯車44は、平歯車で構成されている。
遊星歯車44は、固定ハウジング14の一端壁部14aと軸受支持部材52との間に配置されている。具体的には、軸受支持部材52の取付部52bに設けられた3つの歯車配置凹部52cに遊星歯車44がそれぞれ配置されている。歯車配置凹部52cは、取付部52bの外周面と、一端壁部14aとの接合面とに開口している。
遊星歯車軸45の一端は、固定ハウジング14(ギヤハウジング部14B)の一端壁部14aに支持されている。遊星歯車軸45の他端は、軸受支持部材52の取付部52bに支持されている。このように、第3段目の遊星歯車機構41は、回転自在なキャリアを備えていない。すなわち、遊星歯車44は公転しない。
第2段目の遊星歯車機構31の内歯車33と、第3段目の遊星歯車機構41の内歯車43は、軸受板56を挟んで配置されている。内周に内歯を有する内歯車33,43の外周面には、軸受板56の凹部56bと同様にして、凸状部15bが嵌り込む凹部がそれぞれ形成されており、内歯車33,43は回転ハウジング15に対して相対回転不能に設けられる。なお、太陽歯車42と第1段目の遊星歯車機構21のキャリア26との間には、伝動軸51に取り付けられた筒状のスペーサ部材57が設けられている。
ギヤハウジング部14B内及び回転ハウジング15内に潤滑油が収容されている。この実施形態では、遊星歯車機構21,31,41の潤滑方式は、はねかけ式である。潤滑油の油面54は、遊星歯車24と遊星歯車軸25の間に配置される筒状のブッシュがつかる程度の位置に設けられる。
図2(B)に示すように、固定ハウジング14の一端壁部14aには、複数の油孔14bが形成されている。潤滑油は、油孔14bを介して、ギヤハウジング部14B内と回転ハウジング15内との間で流通可能になっている。
モータ12の駆動によってモータ出力軸12a及び第1段目の遊星歯車機構21の太陽歯車22が回転されると、太陽歯車22及び内歯車23aの両方に噛み合う遊星歯車24は、太陽歯車22と内歯車23aとの間で自転しつつ公転する。遊星歯車24の公転は、キャリア26を回転させる。キャリア26の回転は、伝動軸51を介して、回転ハウジング15内に配置された第2段目の遊星歯車機構31の太陽歯車32へ伝達される。
太陽歯車32が回転すると、太陽歯車32及び内歯車33の両方に噛み合う遊星歯車34は、太陽歯車32と内歯車33との間で自転しつつ公転する。遊星歯車34の公転は、キャリア36を介して、第3段目の遊星歯車機構41の太陽歯車42へ伝達される。
太陽歯車42が回転すると、太陽歯車42及び内歯車43の両方に噛み合う遊星歯車44は、太陽歯車42と内歯車43との間で自転し、回転ハウジング15を回転させる。回転する回転ハウジング15は、駆動輪2を回転させ、クローラ(図示省略)を駆動する。
この実施形態の減速機13は、内部にモータ12を収容する固定ハウジング14と、固定ハウジング14の一端壁部14a側の外周に第1軸受16を介して回転自在に支持される回転ハウジング15と、モータ12の回転を減速して回転ハウジング15に伝達する遊星歯車機構21,31,41とを備えている。また、固定ハウジング14の一端壁部14aに軸受支持部材52が設けられている。回転ハウジング15は、固定ハウジング14の外周に設けられた第1軸受16と、第1軸受16よりもサイズが小さい軸受であって軸受支持部材52に設けられた第2軸受55とで、回転自在に支持されている。したがって、この実施形態の減速機13は、複数の軸受16,55で回転ハウジング15の回転軸振れを防止しながら、複数の軸受16,55にかかるコストを低減でき、ひいては減速機13の製造コストを低減できる。
また、この実施形態の減速機13では、遊星歯車機構として、動力伝達流れにおいて直列に並ぶ複数段の遊星歯車機構21,31,41が設けられている。複数段の遊星歯車機構21,31,41における動力伝達下流側に位置する第3段目(最終段)の遊星歯車機構41において、遊星歯車44は、一端壁部14aと軸受支持部材52との間に配置され、遊星歯車44を回転自在に支持する遊星歯車軸45は、一端側が一端壁部14aに支持され、他端側が軸受支持部材52に支持されている。このように、減速機13は、固定ハウジング14の一端壁部14aと、一端壁部14aに設けられる軸受支持部材52とを利用して、部品点数を増やすことなく、第3断面の遊星歯車機構41の遊星歯車軸45の両端部を強固に固定できる。また、遊星歯車軸45の一端部を支持する一端壁部14aは固定ハウジング14(ギヤハウジング部14B)に一体形成されているので、固定ハウジング14の強度を確保しやすくなると共に部品点数を少なくできる。
また、減速機13において、複数段の遊星歯車機構21,31,41における動力伝達上流側に位置する第1段目の遊星歯車機構21の各歯車22,23a,24は、はすば歯車で構成され、第2段目以降の遊星歯車機構31,41の各歯車32,33,34,42,43,44は、平歯車で構成されている。これにより、太陽歯車22が例えば10000回転/分以上の高速で回転する第1段目の遊星歯車機構21での騒音及び振動をはすば歯車によって低減しながら、比較的低速で回転する第2段目以降の遊星歯車機構31,41では平歯車によって高い効率で動力伝達することで高伝動効率化及び低コスト化を実現できる。
また、減速機13において、固定ハウジング14は、モータ12のモータ出力軸12aを回転自在に支持するモータハウジング部14Aと、複数段の遊星歯車機構21,31,41における動力伝達上流側に位置する第1段目の遊星歯車機構21を収容すると共に一端壁部14aを有するギヤハウジング部14Bとが、着脱可能に連結されて構成されている。これにより、固定ハウジング14のギヤハウジング部14B内に第1段目の遊星歯車機構21が収容されていることで、回転ハウジング15内に収容される遊星歯車機構の数を少なくでき、回転ハウジング15の回転軸線方向長さを短くできるので、減速機をコンパクト化できる。また、モータハウジング部14Aとギヤハウジング部14Bとが分離可能に構成されていることで、モータハウジング部14A及びギヤハウジング部14Bの加工性を向上できる。また、モータ12がモータハウジング部14Aに収容された状態で第1段目の遊星歯車機構21の組付け及び取外しを行うことができ、組立性及び分解性(メンテナンス性)を向上できる。
次に、図3を参照しながら、減速機の第2実施形態について説明する。図3において、図1に示した部材と同じ機能を果たす部材には同じ符号を付している。
第2実施形態の減速機13では、回転ハウジング15内に収容された第3段目の遊星歯車機構41の内歯車43は、回転ハウジング15の内周壁に一体形成されている。これにより、回転ハウジング15に対して内歯車43を確実に相対回転不能にして動力伝達不良等の不具合を防止できるとともに、部品点数を少なくして製造コストを低減できる。
また、第2実施形態の減速機13では、回転ハウジング15内で内歯車33と内歯車43との間に配置される軸受板56は、その周縁部に、内歯車33に向けて突設された円環状のリブ部56cを備えている。リブ部56cで囲まれた空間に第2段目の遊星歯車機構31のキャリア36が配置されている。これにより、キャリア36の配置空間を確保しながら、軸受板56と回転ハウジング15の内周壁との接触面積を大きくして、回転ハウジング15の回転軸振れをより確実に防止できる。
第2実施形態の減速機13のその他の構成は、第1実施形態の減速機13の構成と同様である。すなわち、第2実施形態の減速機13は、第1実施形態の減速機13が奏する作用及び効果と同様の作用及び効果を奏することができる。
次に、図4を参照しながら、減速機の第3実施形態について説明する。図4において、図1に示した部材と同じ機能を果たす部材には同じ符号を付している。
第3実施形態の減速機13では、第1段目の遊星歯車機構21の内歯車部材23は、その内周に、円筒軸方向の一端から他端まで延びる内歯車23aを備えている。つまり、内歯車23aは、遊星歯車24に対向する箇所からボス部23bの内周まで延設されている。ボス部23bの内周に位置する内歯車23aの部位は、モータハウジング部14Aの一端壁部14Abの外周に形成された固定外歯14Acに噛み合っている。これにより、内歯車部材23は、モータハウジング部14Aに対して確実に相対回転不能に配置される。
第3実施形態の減速機13のその他の構成は、第1実施形態の減速機13の構成と同様である。すなわち、第3実施形態の減速機13は、第1実施形態の減速機13が奏する作用及び効果と同様の作用及び効果を奏することができる。さらに、第3実施形態の減速機13は、モータハウジング部14Aに対する内歯車部材23の回転をより確実に防止できる。
次に、図5を参照しながら、減速機の第4実施形態について説明する。図5において、図1に示した部材と同じ機能を果たす部材には同じ符号を付している。
第4実施形態の減速機13では、ギヤハウジング部14B内に収容された第1段目の遊星歯車機構21の内歯車部材23は、ボス部23b(図1参照)を備えておらず、モータハウジング部14Aの一端壁部14Abの外周には嵌め込まれていない。内歯車部材23は、内周に内歯車23aを有する略円筒形の形態を有している。
内歯車部材23は、一端壁部14Abの端面に隣接配置されている。内歯車部材23の外周に、回転軸線方向に延びる切欠き溝部23cが形成されている。また、モータハウジング部14Aの一端壁部14Abの端面には、切欠き溝部23cに係合して内歯車部材23を回転不能に保持する係止ピン部材58が突設されている。これにより、内歯車部材23は、モータハウジング部14Aに対して確実に相対回転不能に配置される。
第4実施形態の減速機13のその他の構成は、第1実施形態の減速機13の構成と同様である。すなわち、第4実施形態の減速機13は、第1実施形態の減速機13が奏する作用及び効果のうち、内歯車部材23のボス部23b(図1参照)が一端壁部14Abの外周に嵌め込まれている構成による作用及び効果を除いて、同様の作用及び効果を奏することができる。
次に、図6を参照しながら、減速機の第5実施形態について説明する。図6において、図1に示した部材と同じ機能を果たす部材には同じ符号を付している。
第5実施形態の減速機13では、固定ハウジング14は、モータ12を収容するモータ収容空間14cと第1段目の遊星歯車機構21を収容するギヤ収容空間14dとを有する筒状の一体形成部材で構成されている。固定ハウジング14内には、モータ収容空間14cとギヤ収容空間14dとを離隔するカバー部材59が配置されている。なお、固定ハウジング14の一端壁部14aには、複数の油孔14b(図2(B)参照)が形成されている。
第1段目の遊星歯車機構21の内歯車部材23は、ギヤ収容空間14d内で固定ハウジング14の内周壁に相対回転不能に固着されている。また、モータ出力軸12aの太陽歯車22側の端部は、カバー部材59に回転自在に支持されている。
第5実施形態の減速機13のその他の構成は、第1実施形態の減速機13の構成と同様である。すなわち、第5実施形態の減速機13は、第1実施形態の減速機13が奏する作用及び効果のうち、内歯車部材23のボス部23bが一端壁部14Abの外周に嵌め込まれている構成(図1参照)、及び固定ハウジング14がモータハウジング部14Aとギヤハウジング部14Bとを有する構成(図1参照)による作用及び効果を除いて、同様の作用及び効果を奏することができる。
図1〜図6から明らかなように、第1〜第5の実施形態の減速機13は、回転ハウジング15は、固定ハウジング14の外周に設けられた第1軸受16と、第1軸受16よりもサイズが小さい軸受であって軸受支持部材52に設けられた第2軸受55とで、回転自在に支持されているので、複数の軸受16,55で回転ハウジング15の回転軸振れを防止しながら、複数の軸受16,55にかかるコストを低減でき、ひいては減速機13の製造コストを低減できる。
また、第1〜第5の実施形態の減速機13において、遊星歯車44は一端壁部14aと軸受支持部材52との間に配置され、遊星歯車軸45は一端側が一端壁部14aに支持され、他端側が軸受支持部材52に支持されているので、固定ハウジング14の一端壁部14aと、一端壁部14aに設けられる軸受支持部材52とを利用して、部品点数を増やすことなく、遊星歯車軸45の両端部を強固に固定できる。また、遊星歯車軸45の一端部を支持する一端壁部14aは固定ハウジング14に一体形成されているので、固定ハウジング14の強度を確保しやすくなると共に部品点数を少なくできる。
また、第1〜第5の実施形態の減速機13において、第1段目の遊星歯車機構21の各歯車22,23a,24は、はすば歯車で構成され、第2段目以降の遊星歯車機構31,41の各歯車32,33,34,42,43,44は、平歯車で構成されているので、高速で回転する第1段目の遊星歯車機構21での騒音及び振動をはすば歯車によって低減しながら、比較的低速で回転する第2段目以降の遊星歯車機構31,41では平歯車によって高い効率で動力伝達することで高伝動効率化及び低コスト化を実現できる。
また、図1〜図5から明らかなように、第1〜第4の実施形態の減速機13は、固定ハウジング14のギヤハウジング部14B内に第1段目の遊星歯車機構21が収容されていることで、回転ハウジング15内に収容される遊星歯車機構の数を少なくでき、回転ハウジング15の回転軸線方向長さを短くできるので、減速機をコンパクト化できる。また、モータハウジング部14Aとギヤハウジング部14Bとが分離可能に構成されていることで、モータハウジング部14A及びギヤハウジング部14Bの加工性を向上できる。また、モータ12がモータハウジング部14Aに収容された状態で第1段目の遊星歯車機構21の組付け及び取外しを行うことができ、組立性及び分解性(メンテナンス性)を向上できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、本発明の減速機に配置される遊星歯車機構の段数は、3段に限定されず、1段もしくは2段又は4段以上であってもよい。また、本発明の減速機は、農業機械や建設機械などの作業車両や、スノーモービルなどのレクリエーションビークルなどに搭載されたクローラ式走行装置に適用可能である。また、本発明の減速機は、クローラ式走行装置だけでなく、ホイール式走行装置にも適用可能である。また、本発明の減速機は、例えば油圧ショベルや油圧クレーン等の建設機械において、走行装置のみならず、旋回装置などにも適用可能である。
また、上記実施形態では、軸受支持部材52は、固定ハウジング14の一端壁部14aに対して分離可能に装着する構成としたが、該一端壁部14aの外表面より延設させるようにして一体形成することもできる。また、図1〜図6を参照して説明した第1〜第5の実施形態の減速機13において、第1段目の遊星歯車機構の各歯車は、平歯車で構成されていてもよいし、第2及び第3段目の遊星歯車機構の各歯車は、はすば歯車で構成されていてもよい。
また、本発明の減速機において、軸受は、深溝玉軸受の他、アンギュラ玉軸受や、円筒ころ軸受、円すいころ軸受など、固定ハウジング及び軸受支持部材に対して回転ハウジングを回転自在に支持できるものであれば、種類は特に限定されない。
12 モータ
12a モータ出力軸
13 減速機
14 固定ハウジング
14a 一端壁部
14A モータハウジング部
14B ギヤハウジング部
15 回転ハウジング
16 第1軸受
21 第1段目の遊星歯車機構
22 太陽歯車
23a 内歯車
24 遊星歯車
31 第2段目の遊星歯車機構
32 太陽歯車
33 内歯車
34 遊星歯車
41 第3段目の遊星歯車機構
42 太陽歯車
43 内歯車
44 遊星歯車
45 遊星歯車軸
52 軸受支持部材
55 第2軸受
12a モータ出力軸
13 減速機
14 固定ハウジング
14a 一端壁部
14A モータハウジング部
14B ギヤハウジング部
15 回転ハウジング
16 第1軸受
21 第1段目の遊星歯車機構
22 太陽歯車
23a 内歯車
24 遊星歯車
31 第2段目の遊星歯車機構
32 太陽歯車
33 内歯車
34 遊星歯車
41 第3段目の遊星歯車機構
42 太陽歯車
43 内歯車
44 遊星歯車
45 遊星歯車軸
52 軸受支持部材
55 第2軸受
Claims (4)
- 内部にモータを収容する固定ハウジングと、前記固定ハウジングの一端壁部側の外周に軸受を介して回転自在に支持される回転ハウジングと、前記モータの回転を減速して前記回転ハウジングに伝達する遊星歯車機構とを備えた減速機であって、
前記固定ハウジングの前記一端壁部に軸受支持部材が設けられており、
前記回転ハウジングは、前記軸受としての第1軸受と、前記第1軸受よりもサイズが小さい軸受であって前記軸受支持部材に設けられた第2軸受とで、回転自在に支持されている、減速機。 - 前記遊星歯車機構として、動力伝達流れにおいて直列に並ぶ複数段の遊星歯車機構が設けられており、
前記複数段の遊星歯車機構における動力伝達下流側に位置する最終段の遊星歯車機構において、遊星歯車は、前記一端壁部と前記軸受支持部材との間に配置され、前記遊星歯車を回転自在に支持する遊星歯車軸は、一端側が前記一端壁部に支持され、他端側が前記軸受支持部材に支持されている、請求項1に記載の減速機。 - 前記複数段の遊星歯車機構における動力伝達上流側に位置する第1段目の遊星歯車機構の各歯車は、はすば歯車で構成され、第2段目以降の遊星歯車機構の各歯車は、平歯車で構成されている、請求項2に記載の減速機。
- 前記固定ハウジングは、前記モータのモータ出力軸を回転自在に支持するモータハウジング部と、前記複数段の遊星歯車機構における動力伝達上流側に位置する第1段目の遊星歯車機構を収容すると共に前記一端壁部を有するギヤハウジング部とが、着脱可能に連結されて構成されている、請求項2に記載の減速機。
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Cited By (1)
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-
2018
- 2018-03-14 JP JP2018046659A patent/JP2019158036A/ja not_active Ceased
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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