JP2019157625A - 補強部材保持用治具及びそれを用いた吹付工法 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、モルタル・コンクリートを吹き付けて受圧板を造成するに際しては、受圧板として必要な強度を確保するために、例えば鉄筋の様な補強材を受圧板内に内蔵(収容)して行う。その場合、当該補強材と地山補強材を直交して配置しなければならない。
しかし、固定アンカーを多数打設した場合には、作業性が低下してしまう。また、既存吹付層の表面における凹凸や不陸が大きい場合には、多数の固定アンカーを打設する作業の精度を高くすることは困難である。
当該補強部材固定具(40C)は金属板(例えば鋼板)で構成され、一部領域が開放された概略半円筒形に形成され、補強部材(2)を包囲する本体部(40CA)と、補強部材(2)の挿入口である開口を構成する補強部材挿入部(40CB)と、補強部材挿入部(40CB)の一部を切り欠いて本体部(40CA)に向けて斜め下方に突出させた突起部(40CC)を備え、補強部材挿入部(40CB)は本体部(40CA)に向かって開口面積が減少しており、
(補強部材保持用治具10、20は)地山補強材(1)の軸方向位置に隣接して螺合された固定用ナット(4)を有することを特徴としている。
地山補強材(1:例えばロックボルト)に形成されている雄ネジ(MS)に補強部材保持用治具(10、20:地山補強材接続カプラー)の本体部(10A、20A)の雌ネジ(FS)を螺合して、地山補強材(1)が本体部(10A、20A)を貫通し、
前記補強部材保持用治具(10、20)の本体部(10A、20A)の雌ネジ(FS)を地山補強材(1)の雄ネジ(MS)と螺合することに先立って固定用ナット(4)を地山補強材(1)の雄ネジ(MS)に螺合し、補強部材保持用治具(20)の本体部(20A)の雌ネジ(FS)を地山補強材(1)の雄ネジ(MS)と螺合するに際しては、地山補強材(1:例えばロックボルト)の軸方向位置について補強部材保持用治具(20)が固定用ナット(4)に隣接せしめ、
補強部材保持用治具(10)の半径方向外方(の例えば延在部分10Bの半径方向外方端部近傍)に設けられた補強部材固定具(40C)の挿入部(40CB)から補強部材固定具(40C)(を構成する金属板)の弾性反撥力に抗して補強部材(2)を挿入し、突起部(40CC)を通過させて本体部(40CA)に収容して保持し、
吹付材(例えば、モルタル・コンクリート)を吹き付けて受圧板(3)を形成することを特徴としている。
そのため、多数の固定アンカーを打設して補強材(例えば鉄筋)の設置する角度や延在する方向を調整しなくても、地山補強材(1)と補強部材(2)が直交する様に、両者の相対的な位置関係を保持することが可能となる。
そして、地山補強材(1)の雄ネジ(MS)と補強部材保持用治具(10、20:地山補強材接続カプラー)の雌ネジ(FS)を螺合して、補強部材保持用治具(10、20)における補強部材固定具(10C、20C)に補強部材(2)を挿入して、地山補強材(1)に対して補強部材(2)を直角に配置した状態で、コンクリート・モルタル等の吹付材を吹き付けることにより、補強部材(2)を内蔵した吹付材により地山補強材(1:例えばロックボルト)の受圧板(3)が容易に造成される。
そして、補強部材保持用治具(20)と固定用ナット(4)により補強部材(2:例えば異形鉄筋)を保持すれば、地山補強材軸方向における補強部材(2)の位置が一定に固定・保持されるので、既存の吹付層(200)の表面における凹凸や不陸が大きくても、既存の吹付材層(200)の表面から補強部材(2)までの距離(地山補強材軸方向における距離)が一定以上に保持される。
その状態でコンクリート・モルタル等の吹付材を吹き付けることにより、受圧板(3)における補強部材(2)の位置が均一となり、地山補強材(1:例えばロックボルト)の受圧板(3)として必要な強度を保持した受圧板(3)が容易に造成される。
図示の実施形態において、雄ネジMSが形成された地山補強材1としてロックボルトが示されており、補強部材2としては異形鉄筋が示されているが、これに限定される訳ではない。
図1において、既存吹付層100にロックボルト挿入用のボーリング孔BHが切削されており、ボーリング孔BHに固化材C(モルタル、コンクリート、セメント等)を充填した状態で、ロックボルト1(地山補強材)が挿入される。ロックボルト1には、後述する補強部材保持用治具10の図示しない雌ネジと螺合する雄ネジMSが形成されている。
ロックボルト1の地上側端部(上端部)近傍には補強部材保持用治具10(ロックボルト接続カプラー)が配置される。補強部材保持用治具10の本体部10Aに形成された雌ネジFS(図2)がロックボルト1の雄ネジMSを螺合することにより、補強部材保持用治具10はロックボルト1の地上側端部(上端部)近傍に固定される。
図2において、補強部材保持用治具10は中空筒状部材として構成された本体部10Aを有しており、その内壁面には雌ネジFSが形成され、雌ネジFSはロックボルト1の雄ネジMSに螺合する。そして補強部材保持用治具10は、本体部10Aから半径方向外方に延在する延在部分10B(10B1〜10B4)と、延在部分10Bの半径方向外方端部近傍の上面に設けられた補強部材固定具10Cをも有している。
補強部材保持用治具10の本体部10Aは、中空円筒形の金属製材料(例えば鋼材)で構成されており、内壁面に雌ネジFSが形成されている。ただし、図示はされていないが、本体部10Aを断面多角形の中空筒状体で構成することも可能である。
延在部分10Bは例えば断面逆L字状の鋼材で構成され、図2で示す様に、延在部分10Bの高さ寸法は半径方向外方ほど減少している。
そして、前記高さ寸法H34と高さ寸法H12の差異は、少なくとも異形鉄筋2(補強部材)の直径寸法よりも大きく設定されている。以て、異形鉄筋2を配置した際に、延在部分10B1、10B2に保持される異形鉄筋2と、延在部分10B3、10B4に保持される異形鉄筋2とが干渉せずに、互い違いに延在せしめている。
なお、4つの延在部分10B1〜10B4は、本体部10Aに対する相対位置、延在する方向を除き、同一に構成されている。
補強部材保持用治具10を上面から見た状態が図4で示されている。図4において、本体部10Aから円周方向について等間隔に(中心角が等しく90度となる様に)延在部分10B1〜10B4が半径方向外方に延在しており、その半径方向外方端部近傍の上面には補強部材固定具10Cが固定されている。
補強部材固定具10Cは、その軸方向(保持する異形鉄筋2の軸方向、配策方向)が、固定される延在部分10B1〜10B4が延在する方向(半径方向)に対して直角になる様に、延在部分10B1〜10B4の各々に固定されている。
図5において、補強部材保持用治具10の延在部分10B(10B1〜10B4)の半径方向外方端部近傍の補強部材固定具10Cには、異形鉄筋21、22が保持されている。そして、図5で紙面に垂直な方向には、延在部分10B1、10B2の補強部材固定具10Cに保持された異形鉄筋21が保持(配策)されている。また、延在部分10B3、10B4(10B4は図5では図示せず)の補強部材固定具10Cには、図5において左右方向に延在して配策される異形鉄筋22が保持されている。
ここで、異形鉄筋21が延在している平面と異形鉄筋22が延在している平面(概略同一の平面)は、ロックボルト1(図1)の軸方向(補強部材保持用治具10の本体部10Aの軸方向)と直交している。換言すれば、図5、図1から明らかなように、異形鉄筋2(21、22:補強部材)とロックボルト1(地山補強材)は、直交する様な相対位置に保持されている。
なお図1において、符号5は受圧板3を地山側に押圧定着させる定着板を示しており、符号6は定着ナットを示している。
また、図6で示すロックボルトの施工領域と隣接する領域においても、図1〜図6を参照して説明した態様で、異形鉄筋2(補強部材)を内蔵した受圧板3を形成することが出来る。図6において、点線で示す異形鉄筋2は、図6で示す補強部材保持用治具10とは別の補強部材保持用治具10で保持されている異形鉄筋2である。
次に、補強部材保持用治具10の延在部分10Bの半径方向外方端部近傍に設けられた補強部材固定具10Cに異形鉄筋2(21、22)を挿入して、保持する。この状態で、異形鉄筋2(異形鉄筋21、22)は補強部材保持用治具10を設けた空間において相互に垂直に交差し、且つ、ロックボルト1に対して直交する様な相対位置に保持される。
そして、異形鉄筋2がロックボルト1に直交して保持された状態で、吹付材(例えば、モルタル・コンクリート)を吹き付けて、補強部材2を内蔵したロックボルト1(地山補強材)の受圧板3を形成する。
ここで、異形鉄筋2は、補強部材保持用治具10から円周方向に等間隔で(中心角が等しく90度となるように)配置された延在部分10Bに設置した補強部材固定具10Cにより保持されるため、直交する2方向に延在する異形鉄筋2(異形鉄筋21、22)は、ロックボルトの施工領域上で垂直に交差するが、図2で示す高さ寸法H12、H34は異形鉄筋2の直径以上の差異があるため、異形鉄筋21、22が干渉することはない。
そして、上述の様に、ロックボルト1に対して異形鉄筋2を直角に配置した状態で、コンクリート・モルタル等の吹付材を吹き付けることにより、異形鉄筋2を内蔵した吹付材によりロックボルト1の受圧板3が、高品質を保ちつつ容易に造成される。
第1実施形態では図1で示す様に、既存吹付層100の表面が平坦であるのに対して、第2実施形態では、図7で示す様に既存吹付層200の表面における凹凸や不陸が大きい場合に実施される。
以下、図1〜図6の第1実施形態と異なる点を主として、図7、図8の第2実施形態を説明する。
ロックボルト1の地上側端部(上端部)近傍には補強部材保持用治具20(ロックボルト接続カプラー)が配置され、補強部材保持用治具20は本体部20Aを有し、本体部20Aには図示しない雌ネジが形成されており、当該雌ネジはロックボルト1の雄ネジMSと螺合している。当該雌ネジ(図示せず)と雄ネジMSとの螺合により、補強部材保持用治具20はロックボルト1の地上側端部(上端部)近傍に固定される。
ロックボルト1の軸方向位置において、補強部材保持用治具20の本体部20Aに隣接して、地中側には固定用ナット4が螺合されている。そして、固定用ナット4と補強部材保持用治具20の本体部20Aの雌ネジFS(図8参照)により、所謂「ダブルナット」が構成され、ロックボルト1に対する補強部材保持用治具20のロックボルト軸方向位置が固定され、変動しない様に構成されている。
図8において、補強部材保持用治具20の本体部20Aには雌ネジFSが形成されており、それに加えて、本体部20Aの下方には固定用ナット4が設けられている。
上述した様に、雌ネジFSを形成した補強部材保持用治具20と固定用ナット4は、「ダブルナット」を構成している。
但し、固定用ナット4は補強部材保持用治具20の構成部品ではない。換言すれば、固定用ナット4と補強部材保持用治具20とは別部品である。ただし、固定用ナット4を補強部材保持用治具20の一部として構成することも可能である。
補強部材保持用治具20の構造は、図1〜図6で示す第1実施形態の補強部材保持用治具10と同様である。
図7、図8の第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、異形鉄筋2は補強部材保持用治具20の補強部材固定具20Cにより保持され、その際、異形鉄筋2はロックボルト1に対して直交して保持される。また、2方向に延在する異形鉄筋2は、相互に直角に交差する。
この状態で、吹付材(例えば、モルタル・コンクリート)を吹き付けることにより、異形鉄筋2(補強部材)を内蔵した受圧板3が形成される。
そのため、補強部材保持用治具20のロックボルト1の軸方向における位置を適宜調節することにより、既存吹付面200における凹凸が大きくても、異形鉄筋2を適正なレベル(ロックボルトの軸方向位置)に調整して、既存の吹付材層200の表面から異形鉄筋2までの距離(ロックボルト軸方向における距離)が一定以上に保持することが出来る。
換言すれば、既存の吹付層200の表面における凹凸や不陸が大きくても、ロックボルト1の受圧板3として必要な強度を保持した受圧板3が容易に造成される。
図9において、補強部材固定具40Cは金属板(例えば鋼板)で構成されており、一部領域が開放された概略半円筒形に成型されている。補強部材固定具40Cは、異形鉄筋2(図9では図示せず)を包囲する本体部40CAと、異形鉄筋2の挿入口である開口を構成する挿入部40CBと、補強部材挿入部40CBの一部を切り欠いて異形鉄筋の挿入通路に向けて斜め下方に突出させた突起部40CCを備えている。
挿入部40CBは、本体部40CAに向かって開口面積が減少する様に構成されている。
一方、本体部40CAに収容された異形鉄筋2は、本体部40CAから外れようとすると突起部40CCと干渉するので、異形鉄筋2が補強部材固定具40Cから外れてしまうことが防止される。
上述した様に、補強部材保持用治具10の本体部10Aの平面形状は円形として図示されているが、平面形状を多角形に構成することが可能である。
2、21、22・・・異形鉄筋(補強部材)
3・・・受圧板
4・・・固定用ナット
5・・・定着板
6・・・定着ナット
10、20・・・補強部材保持用治具(ロックボルト接続カプラー)
10A、20A・・・本体部
10B、20B・・・延在部分
10C、20C、40C・・・補強部材固定具
40CA・・・補強部材固定具の本体部
40CB・・・挿入部
40CC・・・突起部
100、200・・・既存吹付層
BH・・・ボーリング孔
Claims (2)
- 雄ネジ(MS)が形成されている地山補強材(1)に螺合する雌ネジ(FS)が形成され且つ当該地山補強材(1)が貫通可能に構成された本体部(10A、20A)と、当該本体部(10A、20A)から半径方向外方に延在する延在部分(10B、20B)と、当該延在部分(10B、20B)に設けられ且つ補強部材(2)を保持可能に構成された補強部材固定具(40C)を有し、
当該補強部材固定具(40C)は金属板で構成され、一部領域が開放された概略半円筒形に形成され、補強部材(2)を包囲する本体部(40CA)と、補強部材(2)の挿入口である開口を構成する補強部材挿入部(40CB)と、補強部材挿入部(40CB)の一部を切り欠いて本体部(40CA)に向けて斜め下方に突出させた突起部(40CC)を備え、補強部材挿入部(40CB)は本体部(40CA)に向かって開口面積が減少しており、
地山補強材(1)の軸方向位置に隣接して螺合された固定用ナット(4)を有することを特徴とする補強部材保持用治具。 - 請求項1の補強部材保持用治具(10、20)を用いた吹付工法において、
地山補強材(1)に形成されている雄ネジ(MS)に補強部材保持用治具(10、20)の本体部(10A、20A)の雌ネジ(FS)を螺合して、地山補強材(1)が本体部(10A、20A)を貫通し、
前記補強部材保持用治具(10、20)の本体部(10A、20A)の雌ネジ(FS)を地山補強材(1)の雄ネジ(MS)と螺合することに先立って固定用ナット(4)を地山補強材(1)の雄ネジ(MS)に螺合し、補強部材保持用治具(10、20)の本体部(10A、20A)の雌ネジ(FS)を地山補強材(1)の雄ネジ(MS)と螺合するに際しては、地山補強材(1)の軸方向位置について補強部材保持用治具(10、20)が固定用ナット(4)に隣接せしめ、
補強部材保持用治具(10、20)の半径方向外方に設けられた補強部材固定具(40C)の挿入部(40CB)から補強部材固定具(40C)の弾性反撥力に抗して補強部材(2)を挿入し、突起部(40CC)を通過させて本体部(40CA)に収容して保持し、
吹付材を吹き付けて受圧板(3)を形成することを特徴とする吹付工法。
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KR102147059B1 (ko) * | 2019-10-31 | 2020-08-24 | (주)한국락웍기술 | 경관벽 철골구조물 지지조립체 및 이를 이용한 경관벽 철골구조물 시공방법 |
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