JP2019157100A - 防汚塗料 - Google Patents
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Abstract
Description
船底に付着する藻や貝類等は、航行する船舶の大きな抵抗力となり、同じ出力でも航行速度が大きく減少する。そのために燃料費の増大、エンジンの負荷の増大などの被害が出ている。
アルミ船には、硫黄分がアルミと化学反応をおこしアルミを腐食させるため、使用できない。
海洋生物にも全く弊害が無く船底塗料添加物として使用されるほか水中構造物、養殖用網、漁網、浮標、工業用水系設備等に適用され、防汚効果を遺憾なく発揮できる。
(1) カキガラ、藻、アオサなどの生物の付着を大幅に少なくする。
(2) 塗料塗布脱着期間を従来よりも大幅に伸ばすことができる。
(3) 塗料の耐久性が増し、前回の塗布から次回の塗布までの塗替え期間が延びる とともに船舶などの燃費効率が向上できる。
ただし、アルミ船などのアルミ製品は硫黄分によるものと考えられる腐食効果がある為アルミ製品は本発明の適用外とせざるを得ない。
(2)上記試験板と共に、船舶 ヨット(ヤマハY−17)でも浸漬実証試験を行った。平成28年7月10日にヨット船体を右舷、左舷に分けて両舷の中央から船首側と船尾側に4分割して、それぞれに塗料を塗装した。
参考写真A 参考写真B 参考写真C
試験板0 塗料、塗装なし FRP単板のまま
試験板1 船底塗料(クラウンカラーYS#3000 さび色)を 弁柄(酸化鉄)を5〜10重量%含有し、粒径0.3〜0.4μmの塗料である。それのみを塗装した。
試験板2 船底塗料クラウンカラーに9.09重量%の硫黄を混ぜて塗装した。
試験板3 加水分解型塗料(赤)のみを塗装した。
試験板4 加水分解型塗料(赤)に11.11重量%の硫黄を混ぜて塗装した。
試験板5 加水分解型塗料(赤)に10.6重量%の硫黄と4.25重量%の弁柄を混ぜて塗装した。加水分解型塗料(赤)4.0Kgに硫黄粉末500gと弁柄200gを混ぜて塗装した。
試験板6 加水分解型塗料(青)のみを塗装した。
試験板7 加水分解型塗料(青)に11.11重量%の硫黄を混ぜて塗装した。
試験板8 加水分解型塗料(青)に10.6重量%の硫黄と4.25重量%の弁柄を混ぜ塗布
試験板9 試験板(幅=15Cm長さ=50Cm厚み=5mm)に加水分解型塗料(赤)に5.0重量%の硫黄を混ぜて塗装した。硫黄分の最低限度量を試すことにした。
以上10枚の試験板の塗装部分を5〜10Cm海水面から出して、海水面以下が30Cmになるように設置して、浸漬実証試験することにした。塗装部を海面より上に試験板を出した。海水面のあたりは、波が当たるために塗料が剥がれることが、多い。日光が直接当たることも、海藻などが付着しやすい原因ではないかと、推察される。
6カ月後と1年後に実証検証する。参考写真1参考写真1−2
試験板08 別な加水分解型塗料(青)に硫黄分と鉄分を8重量%ずつ混ぜて塗った。
試験板12 別な加水分解型塗料(青)に硫黄分と鉄分を12重量%ずつ混ぜて塗った。
試験板88 加水分解型塗料(青)に硫黄分と鉄分を8重量%ずつ混ぜて塗装した。
試験板1212 加水分解型塗料(青)に硫黄分と鉄分を12重量%ずつ混ぜて塗った。
28年9月1日に他の試験板を浸している生け簀枠に設置し浸漬状況を検証することにして実証試験を始めた。6か月後 1年後に検証する。
参考写真3−1 参考写真3−2 参考写真4−1 参考写真4−2
撮影した。1回目の検証結果は下記の通りである。
試験板0 海藻が早くも少量付着していた。
試験板1 海藻やカキの付着はない。
試験板2 全面に汚れていたが海藻などの付着はなかった。
試験板3 海藻の付着と汚れがあり、塗装の剥離があった。
試験板4 汚濁が見られたが海藻の付着はない。
試験板5 汚れが見られた。海藻は付いていない。
試験板6 汚れがあったが、海藻の付着は無かった。
試験板7 汚れと塗装の剥がれていた。海藻は見られない。
試験板8 汚濁はあったが、海藻は付いてなかった。
試験板9(5%塗布試験板)汚濁があった。
塗装後少日数のため、試験板の汚れ以外変化はなかった。
参考写真1(0:5) 参考写真2(1:2) 参考写真3(3:4)
参考写真4(6:7) 参考写真5(8右) 参考写真6(硫黄分5%)
浸漬実証試験を始めて85日目である。
試験板0 全体に汚濁し海藻やカキが付着していた。
試験板1 部分的に汚れていた。海藻の付着も見られた。塗装の剥離があった。
試験板2 全体的に汚れていた。下端部に海藻が付いていた。
試験板3 日の当たる表側は全面的に汚れ、裏は汚濁が少なく海藻やカキの付着はない。
試験板4 全体的に汚濁していた。海藻が付き始めていた。
試験板5 全面に汚れていた。海藻が付き始めていたがカキの付着はない。
試験板6 少し汚れていたが、塗料の剥離が見られたが、海藻やカキはなかった。
試験板7 少ない汚れが、海藻 カキの付着はない。
試験板8 少しの汚濁はあったが、海藻やカキは見られない。
試験板9 汚濁していた。カキが付いていた。塗装が剥がれていたのが原因だと考えられる
参考写真0−A 参考写真1−A 参考写真2−A 参考写真3−A 参考写真4−A
参考写真5−A 参考写真6−A 参考写真7−A 参考写真8−A 参考写真9−A
試験板0 試験板の表面が見えないほど汚濁し海藻やカキが全面についていた。
試験板1 海藻やカキが多く付着していた。
試験板2 カキの付着はなかったが、海藻が付いていた。
試験板3 海藻が付いていた。
試験板4 カキは見当たらなかったが、海水面と試験板下端に海藻が付いていた。
試験板5 海藻が付着していた。カキはなかった。
試験板6 カキはなく、海藻が見られた。
試験板7 海藻が付いていたが・カキは見当たらなかった。
試験板8 海藻が付着していた。
試験板9 海藻は付いていたが、カキは付いていなかった。
試験板による実証試験は船舶の実証試験と比較して、汚濁や海藻の付着が多くて、戸惑っている。試験板は殆どの部分に日光が当たるので、海藻の付着が多いと考えられる。
船舶は日の当たらない船底は、硫黄 弁柄を添加物とする塗料では、海藻やカキの付着はなかった。日の当たる船側部分や船尾部は海藻の付着が見られることある。それと船舶は航行するから、付着していた汚濁や海藻などが、他力でもって剥ぎ取られると考える。要するに、日光の当たる部所は、日光と塗料が反応して、海藻やカキが付着しやすい。
参考写真1B(0:5) 参考写真2B(1:2) 参考写真3B(3:4)
参考写真4B(6:7) 参考写真5B(8:5%板)
試験板0 塗装なし 海藻やカキが多く付着していた。
試験板1 船底塗料クラウンカラーのみ 海藻とカキが付いていた。
試験板2 船底塗料クラウンカラーに 9.09重量%の硫黄を混ぜて塗装した。
海藻やカキが付着していた。
試験板3 加水分解型塗料(赤)のみを塗装した。
検証では海藻が少し付着していた。
試験板4 加水分解型塗料(赤)に、11.1重量%の硫黄のみを混ぜて塗装した。
検証では試験板3よりも少なく海藻が付着していた。
試験板5 加水分解型塗料(赤)に10.6重量%の硫黄分と4.25重量%の弁柄を混 ぜて塗装した。海藻やカキの付着はなかった。
試験板6 加水分解型塗料(青)のみを塗装した。海藻が付着していた。
試験板7 加水分解型塗料(青)に11.1重量%の硫黄分を塗装した。
検証では海藻やカキの付着は見られなかった。
試験板8 加水分解型塗料(青)に10.6重量%の硫黄と4.25重量%の弁柄を混ぜ て塗装した。検証では海藻が付着していた。
試験板9 加水分解塗料(赤)に 5.0重量%の硫黄分を混ぜて塗装した。検証では南 側(日光のよく当たる面)は海藻やカキが多く付着していた。日当たりの良くないと思 われる北西側面は、海藻やカキの付着は無かった。海藻やカキなどの成分自体や成長に 対して、日光などと反応しているものと考えられる。船舶等への塗装した場合(通常の 船底塗料の塗装、使用状態)と違い、試験板での浸漬実証試験では、海藻やカキの付着 が多いと思った。尚 29年2月の検証の時よりも29年9月1日の検証の方が海藻や カキの付着が少なかった。海藻などが波や風に剥ぎ取られたのかも知れないが、目視は できていない。航行速度が高くなくても、海藻などが剥ぎ取られるものと推察はできる 。
参考写真1−1 参考写真1−2 参考写真2−1 参考写真2−2
参考写真3−1 参考写真3−2 参考写真4−1 参考写真4−2
参考写真5−1 参考写真5−2 参考写真6−1 参考写真6−2
参考写真7−1 参考写真7−2 参考写真8−1 参考写真8−2
参考写真9−1(硫黄分5%) 参考写真9−2(硫黄分5%)
参考写真0−1(塗装なし) 参考写真0−2(塗装なし)
今回 新しく塗料に硫黄と弁柄(鉄分)を混ぜた塗料を開発することにした。その塗料を左舷側に塗装することにした。7月10日に下記の要項で塗装した。船底塗料の色は赤。ヨットの船体を4分割して、それぞれの塗料を塗装した。ヨットを右舷と左舷に分けて両舷を船体中央から船首部と船尾部に分けて4面(A面 B面 C面 D面)とした。キール部も4分割とした。
A面 左舷船首部(左舷船首から船体中央まで)に加水分解型塗料(赤)を0.9Kg塗った。
B面 右舷船首部(右舷船首から船体中央まで)にクラウンカラーのみを0.66Kg塗った。
C面 左舷船尾部には、加水分解型塗料に10.6重量%の硫黄と4.25重量%の弁柄を混ぜて塗装した。1.24Kg塗った。
D面 右舷船尾部にはクラウンカラーに9.09重量%の硫黄を混ぜて1.45Kg塗装した。
硫黄と弁柄をブレンドすることにおいて、三島村硫黄島の海水に近い状況にした。
28年8月1日にヨットを下架した。6か月後と1年後に上架して、海藻やカキの付着状況の検証を中村俊一アドバイサーと共に実証検証する。
参考写真A 参考写真B 参考写真C
A面 左舷船首部 加水分解型塗料(赤)を塗装した面には、海藻が付着していた。
B面 右舷船首部 船底塗料クラウンカラーのみを塗装した部分は海藻が付いていた。
カキも見られた。
C面 左舷船首部 加水分解型塗料(赤)に10.6重量%の硫黄と4.25重量%の弁柄を混ぜて塗装した面には、海藻が付着していた。カキは見当たらなかった。
D面 右舷船尾部 船底塗料クラウンカラーに9.09重量%の硫黄を混ぜて塗装した部分には、カキは見当たらなかったが、海藻が付着していた。
塗料単一の塗装面よりも、硫黄及び弁柄を混入し塗装した面が、汚濁 海藻やカキの付着は少ない。硫黄と弁柄を添加物に含有する防汚塗料が有利であると考えられる。
参考写真D 参考写真E 参考写真F 参考写真G
A面 左舷船首部 加水分解型塗料(赤)のみを0.95Kg塗装した部分は、検証では、喫水線部分に海藻が見られた。そこ以外は海藻もカキも付いてなかった。喫水線部の塗料などとの作用 反応などが剥離が原因でもあると考える。
B面 右舷船首部 クラウンカラー(弁柄(酸化鉄)を5〜10%含有する塗料)のみを0.66Kg塗装した。検証では海藻が付いていた。」カキも見られた。
C面 左舷船尾部 加水分解型塗料(赤)に硫黄10.6重量%と弁柄4.25重量%を混ぜて塗装した。検証では海藻もカキの付着も少なかった。
D面 右舷船尾部 船底塗料クラウンカラーに硫黄9.09重量%を混ぜて塗装した。検証では海藻が付いていた。カキは見当たらなかった。
海藻やカキの付着した部所は殆どが塗料が剥げ落ちた所である。塗料の剥ぎ取られていない部分は、塗料が塗られている部分は、海藻やカキの付着は非常に少ない。
塗装が剥離しないように、塗装の塗り方や剥がれ落ちない塗料 方法をとる。
ヨットの鉄製のキール部も綿密に検証したが、D面が最も汚濁が少なく、海藻やカキの付は少なかった。クラウンカラーに硫黄を混ぜた塗料が防汚効果は高い。鉄船や鉄製の水中構造物には、この成分の塗料を塗装するのが最も有効である。
参考写真H 参考写真I 参考写真J 参考写真K 参考写真L 参考写真M
硫黄と弁柄のブレンドの割合を 8%と12%に決定した科学的な根拠はない。今までの実証試験で硫黄分が20.0重量%以上では防汚効果は全くなく,逆に海藻やカキの付着を増大する結果が出たので,12%が良いと決めた。8%に決定したのは 別の実証試験で硫黄分5重量%の試験をしているから、中間の数値が適当とした。鉄分と硫黄の混ざった鹿児島県三島村硫黄島の海に近い状態になるかもしれないと考え、8%と12%の二つの割合が最適であるので、実証試験する。8月27日に塗装し9月1日に海に入れた。
試験板08 別な加水分解型塗料(青)に硫黄と弁柄を8重量%ずつを混ぜて塗装した。
試験板12 別な加水分解型塗料(青)に硫黄と弁柄を12重量%を混ぜて塗装した。
試験板88 加水分解型塗料(青)に硫黄と弁柄を8重量%ずつ混ぜて塗装した。
試験板1212 加水分解型塗料(青)に硫黄と弁柄を12重量%ずつ混ぜて塗装した。
生け簀枠に試験板4枚を西より東向きに約30Cm海中に沈めて設置し検証することにした。[0017]に参考写真番号
これまで6年以上の実証検証したなかでも、この事実は不変である。船舶は航行や波で動くので、海藻などが剥ぎ取られることもある。静止状態の本試験板は海藻の付着が多かった。6か月近い日数であるが、漁船や遊漁するボートや水中構造物などの防汚塗料には有効であると考える。
参考写真B−1 参考写真B−2 参考写真B−3 参考写真B−4
試験板08 別な加水分解型塗料(青)に硫黄と弁柄を8重量%ずつ混ぜて塗装した。検証では海藻が付いていた。
試験板12 別な加水分解型塗料(青)に硫黄と弁柄を12重量%ずつ混ぜて塗装した。
検証では試験板08よりも多くの海藻やカキの付着していた。12%よりも8%の方が付着は少なかった。試験板08試験板12とも北側(日当たりの少ないと推測される面)は海藻やカキの付着は少なかった。
試験板88 加水分解型塗料(青)に硫黄と弁柄を8重量%ずつ混ぜて塗装した。検証では海藻やカキが少し付いていた。
試験板1212 加水分解型塗料(青)に硫黄と弁柄を12重量%ずつ混ぜて塗装した。
検証では試験板88よりも多くのカキや海藻が付いていた。試験板88 試験板12共に北側面は海藻やカキの付着は少なかった。日当たりの良いと思われる南側が海藻やカキの付着が多かった。
参考写真08:12 参考写真08:12 参考写真88:1212 参考写真88:1212
Claims (2)
- 海洋生物に忌避効果を齎す粒径2〜100μmの硫黄粉末を主成分とする防汚塗料用添加物を含有することを特徴とし硫黄分5〜9.99重量%を添加物とし含有する防汚塗料。
- 海洋生物に忌避効果を齎す粒径0.3〜0.4μmの弁柄(酸化鉄 Fe2O3)を防汚塗料用添加物を含有することを特徴とし弁柄(酸化鉄)4〜12重量%添加物とし海洋生物に忌避効果を齎す硫黄分5〜10重量%とを両成分を同時に防汚塗料用添加物として混入し、より防汚効果の有効性を有することを特徴とする防汚塗料。
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