JP2019157087A - 化合物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(I)で表される化合物。
[式(I)中、
R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。
R9〜R12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R9〜R12のうち少なくとも一つは、−CONZ1Z2を置換基として有する炭素数1〜20の炭化水素基であり、かつ、R9〜R12のうち少なくとも一つは、置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。
Z1及びZ2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子を表す。]
【選択図】なし
Description
[1] 式(I)で表される化合物。
[式(I)中、
R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。
R9〜R12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R9〜R12のうち少なくとも一つは、−CONZ1Z2を置換基として有する炭素数1〜20の炭化水素基であり、かつ、R9〜R12のうち少なくとも一つは、置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。
Z1及びZ2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子を表す。]
[2] 着色剤及び樹脂を含み、着色剤が、[1]記載の式(I)で表される化合物を含む着色樹脂組成物。
[3] さらに、重合性化合物及び重合開始剤を含む[2]記載の着色樹脂組成物。
[4] [2]又は[3]記載の着色樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
[5] [4]記載のカラーフィルタを含む表示装置。
本発明に係る化合物は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)ということがある)である。以下、式(I)を用いて本発明について詳述するが、化合物(I)には、式(I)の共鳴構造や、式(I)中の各基を炭素−炭素単結合または炭素−窒素単結合の結合軸周りに回転させて得られる化合物も含まれることとする。
R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。
R9〜R12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R9〜R12のうち少なくとも一つは、−CONZ1Z2を置換基として有する炭素数1〜20の炭化水素基であり、かつ、R9〜R12のうち少なくとも一つは、置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。
Z1及びZ2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子を表す。]
R1〜R8で表される炭素数1〜20のアルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;−NRaRb(Ra及びRbは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である);ニトロ基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基;等が挙げられる。
R1〜R8で表される炭素数1〜20のアルコキシ基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;−NRcRd(Rc及びRdは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である);ニトロ基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、単環でも多環でもよい。該環状の脂肪族炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。該環状の脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜8であり、より好ましくは3〜6である。
炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基は、飽和及び不飽和の何れであってもよい。また炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状の何れであってもよい。
該炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基及び該炭素数6〜10の芳香族炭化水素基の具体例としては、R9〜R12で表される炭素数1〜20の炭化水素基のうち、炭素数が1〜10のものが例示される。
化合物(I)は、
好ましくは式(I−1)〜式(I−54)で表される化合物であり、
より好ましくは式(I−1)〜式(I−18)で表される化合物であり、
更に好ましくは式(I−1)〜式(I−3)で表される化合物である。
本発明の着色樹脂組成物は、着色剤(A)及び樹脂(B)を含み、着色剤(A)が、式(I)で表される化合物を含む。
本発明の着色樹脂組成物は、さらに重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を含むことが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、さらに重合開始助剤(D1)、溶剤(E)、レベリング剤(F)を含んでいてもよい。
本明細書において、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組合せて使用することができる。
本発明の着色樹脂組成物は、着色剤(A)として、化合物(I)を含む。化合物(I)の含有量は、樹脂(B)100質量部に対して、0.1〜150質量部であることが好ましく、0.5〜100質量部であることがより好ましく、1〜80質量部であることがさらに好ましい。
化合物(I)の含有率は、着色剤(A)の総量中、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73などのオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265などの赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60などの青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38などのバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58などの緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25などのブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7などの黒色顔料等が挙げられる。
ここで、本明細書における「固形分の総量」とは、着色樹脂組成物の総量から溶剤の含有量を除いた量のことをいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
樹脂(B)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位を有する樹脂がより好ましい。樹脂(B)は、さらに、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)に由来する構造単位、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位、並びに、側鎖にエチレン性不飽和結合を有する構造単位からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造単位を有することが好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
(b)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタンである。
樹脂(B)の分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
本発明の着色樹脂組成物が重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を含む場合、樹脂(B)の含有率は、着色樹脂組成物の固形分の総量に対しては、好ましくは7〜65質量%であり、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。活性ラジカルを発生する重合開始剤としては、例えば、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセチルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロヘキシルプロパン−1−オン−2−イミン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤(D1)としては、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10−ジメトキシアントラセン、2,4−ジエチルチオキサントン、N−フェニルグリシン等が挙げられる。
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド、等が挙げられる。
乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸エチル、アセト酢酸メチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ−ブチロラクトン等のエステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤);
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤);
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤);
4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤);
ブタノール、シクロヘキサノール、プロピレングリコール等のアルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤);
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のアミド溶剤;等が挙げられる。
溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、乳酸エチル及び3−エトキシプロピオン酸エチルがより好ましい。
レベリング剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
本発明の着色樹脂組成物は、着色剤(A)及び樹脂(B)、並びに必要に応じて用いられる重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、重合開始助剤(D1)、溶剤(E)、レベリング剤(F)及びその他の成分を混合することにより調製できる。
本発明の着色樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。
以下において、化合物の構造は質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
1−ブロモ−3,5−ジメトキシベンゼン(東京化成工業(株)製)20.0部、2,4−ジメチルアニリン(東京化成工業(株)製)11.2部、水酸化カリウム10.3部、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)0.47部、及びテトラブチルアンモニウムブロミド0.30部を窒素雰囲気下でトルエン(関東化学(株)製)200部及び水20部に溶解させ、90℃で16時間撹拌しながら加熱した。反応終了後、エバポレーターで有機溶媒を留去し、式(1−1)で表される化合物を25部得た。
Exact Mass:+257.1
式(1−1)で表される化合物25部及びこはく酸モノメチルクロリド(東京化成工業(株)製)19.0部を窒素雰囲気下でトルエン250部(関東化学(株)製)に溶解させ、100℃で16時間撹拌しながら加熱した。反応終了後水を加えて有機層を分離し、エバポレーターで濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1−2)で表される化合物を22部得た。
Exact Mass:+371.2
式(1−2)で表される化合物21.0部を窒素雰囲気下でジクロロメタン(関東化学(株)製)210部に溶解させ、三臭化ホウ素1Mジクロロメタン溶液(東京化成工業(株)製)280部を0℃で加えた後、10℃へ昇温し6時間撹拌した。反応終了後水を加えて有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレーターで濃縮することにより粗生成物Aを得た。粗生成物Aには、式(1−3)で表される化合物が49%、式(1−3−1)で表される化合物が34%含まれていた。
Exact Mass:+343.1 式(1−3)
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+330.2
Exact Mass:+329.1 式(1−3−1)
粗生成物A23部を窒素雰囲気下メタノール(関東化学(株)製)200部に加えて0℃に冷却し、塩化チオニル18部を滴下した。滴下終了後室温に昇温し5時間撹拌した。反応終了後、水を加えて有機層を分離した。硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレーターで溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1−3)で表される化合物を16部得た。
式(1−3)で表される化合物16.0部を窒素雰囲気下テトラヒドロフラン(関東化学(株)製)160部に溶解させて0℃に冷却した後、ボラン1Mテトラヒドロフラン溶液(東京化成工業(株)製)140部を滴下した。滴下終了後、20℃に昇温し5時間撹拌した。水を加えた後有機層を分離し、硫酸マグネシウムで濃縮後、エバポレーターで溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1−4)で表される化合物を6部得た。
Exact Mass:+329.2
式(1−4)で表される化合物5部をテトラヒドロフラン(関東化学(株)製)5部に溶解させ、アンモニア4Mメタノール溶液20部を加えオートクレーブ中、60℃で48時間撹拌しながら加熱した。反応終了後、エバポレーターで溶媒を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1−5)で表される化合物を3部得た。
Exact Mass:+314.2
式(1−5)で表される化合物3部及び3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン(和光純薬工業(株)製)0.5部を窒素雰囲気下トルエン20部(関東化学(株)製)及び1−ブタノール(関東化学(株)製)5部に溶解させ、120℃で2時間撹拌しながら加熱した。反応終了後、エバポレーターで溶媒を留去し、テトラヒドロフラン40部を加えて1時間撹拌後にろ過して乾燥することで、式(1−6)で表される化合物を2.4部得た。
Exact Mass:+706.3
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート371部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸54部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルアクリレートの混合物(混合割合は1:1)225部、ビニルトルエン(異性体混合物)81部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80部の混合溶液を4時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160部に溶解した溶液を5時間かけて滴下した。開始剤溶液の滴下終了後、フラスコ内を85℃で4時間保持した後、室温まで冷却して、B型粘度(23℃)246mPa・s、固形分37.5%の共重合体(樹脂(B−1))溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは10600、分散度2.01、固形分酸価115mg−KOH/gであった。樹脂(B−1)は、以下の構造単位を有する。
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート280部を入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。次いで、アクリル酸38部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルアクリレートの混合物(混合割合は1:1)289部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート125部の混合溶液を5時間かけて滴下した。一方、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)33部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート235部に溶解した混合溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、フラスコ内を80℃で4時間保持した後、室温まで冷却して、B型粘度(23℃)125mPa・s、固形分35.1%の共重合体(樹脂(B−2))溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは9200、分散度2.08、固形分酸価77mg−KOH/gであった。樹脂(B−2)は、以下の構造単位を有する。
装置 ;HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム ;TSK−GELG2000HXL
カラム温度 ;40℃
溶媒 ;THF
流速 ;1.0mL/min
被検液固形分濃度;0.001〜0.01質量%
注入量 ;50μL
検出器 ;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE
F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500
(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分散度とした。
式(1−6)で表される化合物を5部、分散剤を5部、樹脂(B−1)を4部(固形分)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート76部、ジアセトンアルコール10部を混合し、そこに0.2μm径のジルコニアビーズ300部を入れ、ペイントコンディショナー(LAU社製)を使用して3時間振盪し、ジルコニアビーズを除去して分散液(P−1)を作製した。
着色剤(A−1):式(1−6)で表される化合物
樹脂(B−1):樹脂(B−1)(固形分換算)
溶剤(E−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E−2):ジアセトンアルコール
分散剤(G−1):アクリル系分散剤
[着色樹脂組成物の調製]
表4に示す組成となるように各成分を混合して着色樹脂組成物を得た。
着色剤(A−x):式(x)で表される化合物
樹脂(B−2):樹脂(B−2)(固形分換算)
溶剤(E−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E−3):クロロホルム
レベリング剤(F−1):ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンSH8400」)
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色樹脂組成物を、スピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして、着色塗膜を得た。
着色塗膜の色度は、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)を用いて測定した分光と、C光源の特性関数とから、CIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)と刺激値Yとして求めた。
得られた着色塗膜をオーブン中、230℃で2時間加熱した。加熱前後で色度の測定を行い、該測定値からJIS Z 8730:2009(7.色差の計算方法)に記載される方法で色差△Eab*を計算し、結果を表5に示した。△Eab*は小さいほど色変化が小さいことを意味する。また、着色塗膜の耐熱性が良好であれば、同じ着色樹脂組成物から作製された着色パターンも、耐熱性は良好であるといえる。
得られた着色塗膜の上に紫外線カットフィルター(COLORED OPTICAL GLASS L38;ホヤ社製;380nm以下の光をカットする)を配置し、その上面から耐光性試験機(サンテストCPS+:東洋精機社製)にて、キセノンランプ光を48時間照射した。
照射前後で色度の測定を行い、該測定値からJIS Z 8730:2009(7.色差の計算方法)に記載される方法で色差△Eab*を計算し、結果を表5に示した。△Eab*は小さいほど色変化が小さいことを意味する。なお表5に示すように、実施例2は、耐熱性だけでなく耐光性も良好であった。
[着色樹脂組成物の調製]
表6に示す組成となるように各成分を混合して着色樹脂組成物を得た。
重合開始剤(D−1):N−アセチルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロヘキシルプロパン−1−オン−2−イミン(PBG−327;オキシム化合物;常州強力電子新材料(株)製)
その他の符号は、上記と同じものを表す。
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして、着色組成物層を形成した。放冷後、基板上に形成された着色組成物層に、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、100mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。光照射後、オーブン中、230℃で30分間ポストベークを行い、着色塗膜を得た。
ポストベーク前後で色度の測定を行い、該測定値からJIS Z 8730:2009(7.色差の計算方法)に記載される方法で色差△Eab*を計算し、結果を表7に示した。
Claims (5)
- 式(I)で表される化合物。
[式(I)中、
R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。
R9〜R12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R9〜R12のうち少なくとも一つは、−CONZ1Z2を置換基として有する炭素数1〜20の炭化水素基であり、かつ、R9〜R12のうち少なくとも一つは、置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。
Z1及びZ2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子を表す。] - 着色剤及び樹脂を含み、着色剤が、請求項1記載の式(I)で表される化合物を含む着色樹脂組成物。
- さらに、重合性化合物及び重合開始剤を含む請求項2記載の着色樹脂組成物。
- 請求項2又は3記載の着色樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
- 請求項4記載のカラーフィルタを含む表示装置。
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