JP2019156607A - エレベーターシステム - Google Patents

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孝道 星野
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訓 鳥谷部
貴大 羽鳥
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貴大 羽鳥
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Abstract

【課題】最下階と最上階との間の往復運行の繰り返しでは、無駄な運行が生じてしまう。【解決手段】複数のエレベーターの制御では、推定時点から所定時間将来の時点についての制御に使用される推定運行データが使用される。推定運行データは、推定時点から所定時間将来の時点についての推定された複数の出力値に基づく運行データである。推定された複数の出力値は、推定時点に属する複数の入力値が入力された学習済みモデルから出力された複数の出力値である。推定時点に属する複数の入力値は、推定時点に属する複数の時間要素をそれぞれ示す複数の時間入力値を含む。複数の出力値は、複数通りの出発到着組合せに関する値を含む。各出発到着組合せは、出発階と到着階の組合せである。【選択図】 図1

Description

本発明は、概して、複数のエレベーターの管理に関する。
複数のエレベーターの管理に関する技術として、例えば、特許第4606681号及び特許第4139819号がある。
特許第4606681号では、次の群管理制御装置が開示されている。すなわち、群管理制御装置は、複数のエレベーターの交通需要を検出し、検出された交通需要に基づいて近未来の交通需要を予測する。群管理制御装置は、交通需要の予測結果から近未来の交通パターンを判別し、判別された交通パターンに基づいて、近未来に適用すべき制御ルール群の候補を複数個自動生成する。群管理制御装置は、複数個の候補の各々を評価し、評価結果を基にいずれかの候補を選定する。
特許第4606681号
ところで、エレベーターの運行は、通常、乗客に複数の階床での移動をサービスするために、最下階と最上階の間を行き来する往復運行を繰り返すのが基本的である。また、かご呼びがいつどこでも発生しても対応できるように、複数のエレベーターで最下階から最上階のすべての行程を網羅できるように、かごの位置が重複しないように分散させて運転する制御が一般的である。
特許文献1の技術は、こういった往復運行の制御に関する技術である。
最下階と最上階と間の往復運行の繰り返しでは、無駄な運行が生じてしまう問題がある。
複数のエレベーターの制御では、推定時点から所定時間将来の時点についての制御に使用される推定運行データが使用される。推定運行データは、推定時点から所定時間将来の時点についての推定された複数の出力値に基づく運行データである。推定された複数の出力値は、推定時点に属する複数の入力値が入力された学習済みモデルから出力された複数の出力値である。推定時点に属する複数の入力値は、推定時点に属する複数の時間要素をそれぞれ示す複数の時間入力値を含む。複数の出力値は、複数通りの出発到着組合せに関する値を含む。各出発到着組合せは、出発階と到着階の組合せである。
本発明によれば、最下階と最上階との間の往復運行の繰り返しが前提ではなく、推定時点に属する複数の入力値を学習済みモデルに入力することにより推定された出発階及び到着階、つまり或る将来時点の出発階と到着階の組合せを基に、当該将来時点についての運行が制御される。これにより、無駄な運行を削減することができるので、複数のエレベーターの運行の効率化が図れる。
実施例1に係るエレベーターシステムの一例としての群管理コントローラを含んだシステム全体の構成図の例。 実施例1に係る学習格納処理のフローチャートの例。 モデルとしてのニューラルネットワークの第1の例。 モデルとしてのニューラルネットワークの第2の例。 モデルとしてのニューラルネットワークの第3の例。 推定処理及び制御処理を含んだ一連の処理のフローチャートの例。 制御処理のフローチャートの例。 救済処理のフローチャートの例。 実施例2に係るエレベーターシステムの一例としての群管理コントローラを含んだシステム全体の構成図の例。 実施例2に係る学習格納処理のフローチャートの例。 実施例3に係るエレベーターシステムの一例であるコアコントローラ及びエッジコントローラを含むシステム全体の構成図の例。 実施例3に係る推定処理及び制御処理を含んだ一連の処理のフローチャートの例。 実施例4に係るシステム全体の構成図の例。 推定結果の正誤判定とその判定結果に基づいた再学習とを含んだ処理のフローチャートの例。 実施例5に係るシステム全体の構成図の例。 実施例5に係るニューラルネットワークの例。 実施例6に係るかごドア開閉制御のフローチャートの例。
以下の説明では、「インターフェース部」は、1以上のインターフェースで良い。当該1以上のインターフェースは、1以上の同種のインターフェースデバイスであっても良いし2以上の異種のインターフェースデバイスであっても良い。
また、以下の説明では、「メモリ部」は、1以上のメモリであり、典型的には主記憶デバイスで良い。メモリ部における少なくとも1つのメモリは、揮発性メモリであっても良いし不揮発性メモリであっても良い。
また、以下の説明では、「PDEV部」は、1以上のPDEVであり、典型的には補助記憶デバイスで良い。「PDEV」は、物理的な記憶デバイス(Physical storage DEVice)を意味し、典型的には、不揮発性の記憶デバイス、例えばHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)である。
また、以下の説明では、「記憶部」は、メモリ部及びPDEV部のうちの少なくとも1つ(典型的には少なくともメモリ部)である。
また、以下の説明では、「プロセッサ部」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでも良い。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでも良いしマルチコアでも良い。少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部または全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでも良い。
また、以下の説明では、「kkk部」(インターフェース部、記憶部及びプロセッサ部を除く)の表現にて機能を説明することがあるが、機能は、1以上のコンピュータプログラムがプロセッサ部によって実行されることで実現されても良いし、1以上のハードウェア回路(例えばFPGA又はASIC)によって実現されても良い。プログラムがプロセッサ部によって実行されることで機能が実現される場合、定められた処理が、適宜に記憶部及び/又はインターフェース部等を用いながら行われるため、機能はプロセッサ部の少なくとも一部とされても良い。機能を主語として説明された処理は、プロセッサ部あるいはそのプロセッサ部を有する装置が行う処理としても良い。プログラムは、プログラムソースからインストールされても良い。プログラムソースは、例えば、プログラム配布計算機又は計算機が読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であっても良い。各機能の説明は一例であり、複数の機能が1つの機能にまとめられたり、1つの機能が複数の機能に分割されたりしても良い。
以下の説明では、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号のうちの共通部分を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、参照符号を使用することがある。例えば、エレベーターを特に区別しないで説明する場合には、「エレベーター1」と記載し、個々のエレベーターを区別して説明する場合には、「エレベーター1A」、「エレベーター1B」のように記載することがある。
図1は、実施例1に係るエレベーターシステムの一例としての群管理コントローラを含んだシステム全体の構成図の例である。
エレベーター群200(複数のエレベーター1)を制御する群管理コントローラ2が、エレベーターシステムの一例である。なお、「エレベーターシステム」は、学習部40、推定部50及び制御部60の少なくとも1つだけを有するシステム、例えば、学習部40だけを備え複数のエレベーター1のいずれも含まないシステムであることもあり得る。学習部40及び推定部50の少なくとも1つは、エレベーター群200の管理を支援するモジュールであるという見方ができるので、例えば学習部40だけを備えるシステムは、群管理支援システムのような別の名称で呼ばれても良い。本実施例では、群管理コントローラ2は、学習部40、推定部50及び制御部60のいずれも有する。
学習部40は、対象時点に属する複数の入力値を用いて、エレベーター群200の制御に使用される運行データであって当該対象時点から所定時間将来の時点についての制御に使用される運行データ34の基になる複数の出力値を推定するモデル44を学習する。学習中のモデルを「モデル44T」と表記する。対象時点に属する複数の入力値は、対象時点に属する複数の時間要素をそれぞれ示す複数の時間入力値を含む。複数の出力値は、複数通りの出発到着組合せに関する値を含む。各出発到着組合せは、出発階と到着階の組合せである。学習済みモデル44F(学習部40により学習されたモデル44)に、或る時点に属する複数の入力値を入力することで、当該或る時点から所定時間将来の時点についての出発階と到着階の組合せが推定される。当該推定を基に、当該将来の時点についての運行が制御可能である。出発階又は到着階に最下階又は最高階が無ければ、最下階又は最高階へと乗りかご(以下、単に「かご」と言う)14を動かす必要が無い。これにより、無駄な運行を削減することができる。例えば、或るエレベーター1について、乗客のいないかご14が下降中であり、一定時間のうちに最下階が出発階となることは無く或る途中階が出発階となることが推定されている場合、最下階へ行かずに進行方向を反転することが行われ得る。結果として、往復運行の無駄な行程が排除され得る。
推定部50は、学習済みモデル44Fに、推定時点に属する複数の入力値を入力することで、当該推定時点から所定時間将来の時点についての制御に使用される運行データ34Eの基になる複数の出力値を推定する。これにより、推定時点から所定時間将来の時点について、当該将来の時点の出発階と到着階の組合せを基に、当該将来の時点についての運行が制御可能である。これにより、無駄な運行を削減することができる。
制御部60は、推定時点から所定時間経過後の時点についての推定された複数の出力値に基づく運行データである推定運行データ34Eを使用してエレベーター群200を制御する。これにより、推定時点から所定時間経過後の時点について、当該経過後の時点の出発階と到着階の組合せを基に、当該経過後の時点についての運行が制御可能である。これにより、無駄な運行を削減することができる。
エレベーター群200は、複数のエレベーター1(例えば1A〜1C)を有する。以下、1つのエレベーター1として、エレベーター1Aを例に取る。なお、図では、エレベーター1α(α=A、B及びCのいずれか)の構成要素の参照符号の末尾には、αが付されている。
エレベーター1Aは、エレベーターコントローラ10Aを有し、該エレベーターコントローラ10Aは、エレベーター1Aの巻上機12Aを制御してかご14Aの動きを制御する。エレベーターコントローラ10Aは、通信路のようなネットワーク20に接続されており、他の各エレベーターコントローラ10と情報のやり取りが可能となっている。なお、ネットワーク20には、各階床に設置されているかご呼びボタンの情報(例えば、上へ行くことを指定するためのボタンが押されたこと、又は、下へ行くことを指定するためのボタンが押されたことを示す情報)、エレベーター1の進行方向ランプの情報、かご14の位置ランプの情報、かごドアの情報(例えば、かごドアの状態が、閉じた状態、開いている最中の状態、開いた状態、閉じている最中の状態等のいずれの状態であるかを示す情報)、及び、その他エレベーターに係る全ての情報が流れる。このような情報を「エレベーター情報」と呼ぶ。なお、かご14Aには、重量センサ16Aといったセンサが設けられている。
ネットワーク20に、群管理コントローラ2が接続されている。エレベーター群200と群管理コントローラ2は、同一のビル内に設けられても良いし、群管理コントローラ2は、当該ビルとは離れた場所に存在しても良い。例えば、群管理コントローラ2が、クラウドシステムのような計算機システム(1以上の計算機)上に実現されたソフトウェアディファインドのコントローラでも良い。
群管理コントローラ2は、インターフェース部、記憶部及びそれらに接続されたプロセッサ部といった物理的な計算リソースを有して良い(又はそれらの物理的な計算リソースに基づき実現されても良い)。インターフェース部にネットワーク20が接続される。群管理コントローラ2は、入力領域32、データ格納部30、学習部40、学習結果領域42、推定部50、推定領域55及び制御部60を有する。入力領域32、学習結果領域42及び推定領域55の各々は、記憶部に基づく物理的又は論理的な記憶領域である。データ格納部30、学習部40、推定部50及び制御部60は、1以上のコンピュータプログラムを実行するプロセッサ部により実現される。
入力領域32には、学習部40及び推定部50のうちの少なくとも1つに入力され得る多数の値がデータ格納部30により格納される。入力領域32に格納される各値は、例えば、下記のうちのいずれかに基づく値、
・現在から過去における対象期間に取得されたエレベーター情報(例えば、時系列のエレベーター情報)、
・時点を示す時間情報、
・エレベーター群200が設置されているビルの構成及び各階に関する情報、及び、
・エレベーター群200の運行の外乱要因(例えば、エレベーター群200が設置されているビル(建物の一例)の改修工事期間、当該ビル周辺の交通量、当該ビルの近隣の鉄道等の遅延や運休、又は、行先階登録システム(DFRS:Destination Floor Reservation System)により行先階が指定された)に関する情報、
である。エレベーター情報から後述の実際運行データ34Rを得ることが可能である。入力領域32に格納される値、言い換えれば、学習部40又は推定部50の入力値となり得る値として、下記(01)〜(04)のうちの少なくとも1つがある。以下、1つの時点を例に取る(下記(01)〜(04)の説明において「対象時点」)。
(01)対象時点に属する複数の時間要素をそれぞれ示す複数の時間入力値。例えば、対象時点が年月日時分秒で表現される場合、「複数の時間要素」は、「年」、「月」、「日」、「時」、「分」及び「秒」という6個の時間要素であり、「複数の時間入力値」は、それら6個の時間要素にそれぞれ対応した6個の値である。なお、採用される時間要素は、それら6個の時間要素に代えて又は加えて、他の時間要素が採用されても良い。例えば、時間要素として、「曜日」が採用されても良く、この場合、時間入力値は、対象時点が属する曜日を示す値である。また、時間要素として、「祝祭休日」が採用されても良く、この場合、時間入力値は、対象時点が祝祭休日に属するか否かを示す値である。また、時間要素として、「当月の何週目」が採用されても良く、この場合、時間入力値は、当月の何週目であるかを示す値である。
(02)実際運行データ34Rの基になる複数の実際の値のうちのいずれかの値。「実際運行データ」とは、対象時点についてセンサ等に基に特定された複数の実際の値(例えば、エレベーター情報から取得可能な様々な値のうちの複数の特定の値)に基づく運行データである。
(03)階の特徴を示す値である階特徴値。
(04)外乱要因を示す値である外乱要因値。
(02)に関して、実際運行データ34Rの基になる複数の実際の値は、学習済みモデル44Fからの複数の出力値(推定値)にそれぞれ対応した複数の実際の値に相当する。複数の出力値(推定値)は、上述したように、複数通りの出発到着組合せ(出発階と到着階の組合せ)に関する値を含む(詳細は後述する)。
学習結果領域42には、学習部40による学習結果としての学習済みモデル44F(例えば、学習済みモデル44Fのイメージ(例えばファイル))が格納される。学習結果領域42から学習済みモデル44Fが展開され、展開された学習済みモデル44Fを用いた推定が推定部50により実行される。
推定領域55には、推定部50(学習済みモデル44F)から出力された複数の出力値に基づく推定運行データ34Eが格納される。
学習部40、推定部50及び制御部60については、上述の通りである。
以下、図1の一具体例を記載する。
エレベーター情報から出発階、到着階、及び、乗客数に係る情報を取得されて、取得された情報に基づく値が、実際運行データ34Rとして、データ格納部30により入力領域32に格納される。無論、入力領域32には、すべてのエレベーター情報に基づく値が格納されても構わない。出発階に係る情報としては、かご14の位置及びかご上下動開始イベント等がある。到着階に係る情報としては、かご14の位置およびかごドア開イベント等がある。乗客数に係る情報としては、かご14に設置されている重量センサ16の計測値がある。重量センサ16の計測値と、一人当たりの標準体重とを元に、乗客数を演算することができる。エレベーターコントローラ10から出力される乗客数に係る情報としては、上記演算結果である乗客数でも、重量センサ16の測定値でも構わない。前者の場合、乗客数はエレベーターコントローラ10により演算されており、後者の場合、乗客数はデータ格納部30(又は制御部60)により演算される。なお、画像センサ等によって乗客数を計測できるエレベーターシステムでは、該乗客数そのものをネットワーク20に出力しても構わない。本発明は、乗客数の計測を、画像センサや重量センサ16のような実装形態に限定するものではない。
学習部40は、入力領域32から出発階、到着階、乗客数を取得して学習し、学習結果として学習済みモデル44Fを出力する。学習部40は、学習処理として、例えば、ディープラーニングを実行する。ディープラーニングの場合には、学習結果済みモデル44Fは、学習済み深層ネットワーク(ニューラルネットワーク)となる。推定部50は、学習済みモデル44Fから、将来発生するであろう、例えばエレベーターの一行程に係る時間後の、少なくとも出発階、到着階、乗客数からなる運行データ34を推定する。結果として、推定運行データ34Eが得られる。推定運行データ34Eが推定領域55に格納される。
5階床のエレベーター1の運行データ34の一例を図1に示す。運行データ34は、到着階(縦)と出発階(横)のマトリクスを含む。マトリクスにおけるセル内の数値は、当該セルに対応する出発到着組合せ(出発階と到着階の組合せ)での乗客数を示す。具体的には、例えば、一番左の列によれば、1階から3階に移動する乗客数は2名、1階から5階に移動する乗客数は4名、となる。一番右の列によれば、5階から1階に移動する乗客数は2名、5階から2階に移動する乗客数は7名、となる。他の階についても同様である。空欄のセルに対応した出発到着組合せは、乗客数がゼロであることを意味する。乗客数が1以上である出発到着組合せを、「有効出発到着組合せ」と言うことができる。有効出発到着組合せに属する出発階及び到着階を、「有効出発階」及び「有効到着階」と言うことができる。以下、推定運行データ34に関しての有効出発階及び有効到着階を、それぞれ、「有効推定出発階」及び「有効推定到着階」と言うことがある。なお、全てのエレベーター1が5階床であるとは限られないで良い。例えば、N階床(地下の階があれば当該地下の階も含む)のビルにおいて、或るエレベーター1について、最下階は、ビルの最下階で、最高階は、途中のp階で良く、別のエレベーター1について、最下階は、q階(ビルの最下階とp階との間)で、最高階は、ビルの最高階で良い。
制御部60は、推定運行データ34Eと、現時点でのエレベーター1の状態(例えば、エレベーター1毎のかご位置、かご進行方向及び乗客数)を考慮して、単一ビルもしくは隣接して建てられた複数ビル)に設置されるエレベーター群200におけるエレベーター1毎に、停車階へのかご14の割り当てを決定する。制御部60は、決定した情報(かご割当て)を基に、ネットワーク20を経由してエレベーターコントローラ10に指示を与えて、複数のエレベーター1を効率良く制御する。このような複数のエレベーター1を制御するものとして、群管理コントローラ2がある。
なお、エレベーターコントローラ10には様々な種類があり、且つエレベーター情報も業界で標準化されているわけではない。様々なエレベーター情報から、運行データ34に変換する処理が必要であり、該処理をデータ格納部30にて実行することが可能である。これにより、様々なエレベーター1を、群管理コントローラ2で制御することが可能となる。
図2は、実施例1に係る学習格納処理を示すフローチャートである。「学習格納処理」とは、エレベーター情報取得から学習結果格納までの処理である。
データ格納部30は、エレベーターコントローラ10から、エレベーター情報を取得する(S10)。
データ格納部30は、エレベーター情報の、少なくとも出発階、到着階、乗客数に係る情報(出発到着組合せ毎の乗客数)と、時間情報とを取得し、取得した情報に基づく実際運行データ34Rに基づく複数の値を入力領域32に格納する(S20)。
学習部40は、学習処理を行う。すなわち、学習部40は、入力領域32から、実際運行データ34Rに基づく複数の入力値を取得し(S30)、取得した複数の入力値をモデル44Tに入力し複数の出力値を得る学習を実施する(S40)。
学習部40は、学習結果としての学習済みモデル44Fを学習結果領域42に格納する(S50)。
なお、学習格納処理は、逐次実行されても構わないし、実際運行データ34Rがある程度蓄積されてから実行されても構わない。例えば、1年間蓄積した実際運行データ34Rを基に、一気に学習させるということも可能である。
また、学習済みモデル44Fとして学習結果が出力されるまでに、破線で示すように、S10〜S40が繰り返されて良い。
また、学習済みモデル44Fは、一点鎖線で示すように、再度S10〜S50が行われることで更新されても良い(再学習)。すなわち、学習部40は、学習済みモデル44Fを更新し、推定部50は、更新後の学習済みモデル44Fに従う推定を行って良い。学習済みモデル44Fの更新において入力される複数の入力値は、下記を含むことで、学習済みモデル44Fが更新(典型的には、学習済みモデル44Fにおける複数のノードにそれぞれ対応した複数の重み付け係数が更新(調整))される。これにより、学習済みモデル44Fの精度の向上が期待され、結果として、推定部50による推定結果の精度の向上が期待される。
・任意の推定時点から所定時間経過した時点である経過時点に属する複数の時間要素をそれぞれ示す複数の時間入力値。
・当該経過時点での実際運行データ34Rの基であり、複数の出力値(推定値)にそれぞれ対応した複数の実際の値。
図3は、モデル44としてのニューラルネットワークの第1の例を示した図である。
モデル44は、少なくとも1つのニューラルネットワークで構成されている。本実施例では、説明を簡単にするために、モデル44は、1つのニューラルネットワークで構成されているが、多段のニューラルネットワークで構成されても良い。
モデル44が、入力層301と、出力層303と、中間層302とで構成される。入力層301は、複数の入力値がそれぞれ入力される複数の入力ノード70を含む。出力層303は、複数のエレベーター1の制御に使用される運行データ34の基になる複数の出力値をそれぞれ出力する複数の出力ノード400を含む。中間層302は、入力層301と出力層303との間の複数の中間ノード352を含む。学習済みモデル44Fは、入力層301に入力された、対象時点に属する複数の入力値に対し、少なくとも1つのニューラルネットワークにおける学習済みの重み付け係数に基づく演算を行い、出力層303から、対象時点から所定時間将来の時点についての複数のエレベーター1の制御に使用される運行データ34の基になる複数の出力値を出力するよう、コンピュータを機能させる。
複数の入力ノード70にそれぞれ入力される複数の入力値は、対象時点に属する複数の時間要素をそれぞれ示す複数の時間入力値を含む。従って、複数の入力ノード70は、複数の時間入力値をそれぞれ入力する複数の時間入力ノード70−1を含む。時間情報は、年月日時分秒の絶対値でも構わないが、人は時間に合わせて正確に行動しているわけではないので、絶対値を入力としても推定の精度を期待できない。社会活動を考慮すると、時間情報として、例えば、祝祭日情報を加味した任意月の何週目の何曜日の何時と何分とが考慮されることが望ましい。そこで、本実施例では、時間入力ノード70−1として、月を示す月値の入力ノード70−1a、週を示す週値の入力ノード70−1b、曜日を示す曜日値の入力ノード70−1c、時間を示す時値の入力ノード70−1d、分を示す分値の入力ノード70−1e、及び、対象時点が祝祭休日に属するか否かを示す祝祭休日値の入力ノード70−1fが採用される。
さらに、入力ノード70として、ビルの改修工事や、ビル周辺道路の渋滞や、ビル近隣の鉄道等の遅延または運休等のような、定常的な社会活動を乱し得る外乱要因を示す1以上の外乱要因値の入力ノード70−2が存在しても良い。このような1以上の外乱要因値を入力することで、推定の精度を上げることが可能である。外乱要因値は、例えば、人の行動への影響度を数値化したもので良い。外乱要因値は、必ずしも入力値として採用されないでも良い。
複数の出力ノード400からそれぞれ出力される複数の出力値の各々は、対象時点から所定時間将来の時点についての制御に使用される運行データ34の基になる出力値である。複数の出力値は、上述した通り、複数通りの出発到着組合せ(出発階と到着階の組合せ)に関する値を含む。複数通りの出発到着組合せに関する値は、複数通りの出発到着組合せの各々について、1以上の出発到着出力値を含む。複数通りの出発到着組合せの各々について、1以上の出発到着出力値は、出発到着組合せにおける物体量に関わる値である。出発到着組合せにおける物体量に関わる値は、当該出発到着組合せについて乗客(物体の一例)がいるか否かでも良いが、本実施例では、当該出発到着組合せに対応した乗客数を示す値である。各出発到着組合せについて、乗客数が推定されるので、エレベーター群200の運行の効率化が一層期待できる。なお、図3において、出力ノード400の近傍にある“NOP(xF−yF)”という表記は、x階(出発階)からy階(到着階)までの乗客数(NOP(the Number Of People))を意味する。
運行データ34は、エレベーター1の操作形態によって異なる場合がある。各階に設置されている上下ボタンと、かご14内に設置されている階ボタン、の二種類による操作形態の場合、到着階が決定されるのは、乗客が該上下ボタンを押した後に、かごが到着し、該乗客がかご14に乗り、階ボタンを押した時点である。乗客が上下ボタンを押してから、行先階が決定するまでに時間経過がある。つまり、実際の乗客の発生と、エレベーターコントローラ10が認識するボタン押下とには、ずれが生じている。よって、学習部40の教師データとして、出発到着組合せに対応する乗客数を入力する場合には、エレベーターコントローラ10が出力するエレベーター情報から得られる運行データ34Rを基にして、上下ボタンが押された時刻より以前を乗客発生時刻とすることが望ましい。
また、行先階登録システム(DFRS:Destination Floor Reservation System)が知られているが、DFRSの有無を、外乱要因値として採用することが可能である。
また、モデル44は、エレベーター群200についてのモデル44であるため、複数のエレベーター1に共通である。このため、各出発到着組合せについて、出力値としての乗客数は、複数のエレベーター1についての合計値で良い。
モデル44の構造としては、ネットワーク構造の一例として多段回帰構造があるが、本発明はこの構造に限定されるわけではない。
ところで、入力値が、時間入力値のみであると、人が常時時間通りに行動していない場合には、推定がずれる場合が多くなると考えられる。時間経緯に伴う人の行動の変化を相対的に反映しているのはエレベーターの実際の運行であると考えられる。
そこで、本実施例では、実際運行データ34Rの基であり、複数の出力値(推定値)にそれぞれ対応した複数の実際の値の各々が、入力値として採用される。
図4は、モデル44としてのニューラルネットワークの第2の例を示した図である。
推定精度を向上させるため、入力ノード70として、更に、実際運行データ34R(例えば、対象時点(例えば推定時点)での実際運行データ34R)の基であり、複数の出力値(推定値)にそれぞれ対応した複数の実際の値の各々の入力ノード70−3が採用される。このようなネットワーク構造の実現には、Stacked Denoising Autoencodersや、時間要素を考慮したLSTM(Long Short-Term Memory)等の採用が考えられるが、この構造に限定されるわけではない。
図5は、モデル44としてのニューラルネットワークの第3の例を示した図である。
推定精度を向上させるため、入力ノード70として、更に、各階について、当該階の特徴を示す値である階特徴値の入力ノード70−4が採用される。階の特徴は、人の行動の決定要因と考えられる。階特徴値の入力ノード70−4として、階の店舗や会社等の種別を示す種別値の入力ノード70−4a、店舗の集客率もしくは会社の在籍人数等の階属性を示す属性値の入力ノード70−4b、及び、喫煙室や食堂や催事場等の特別な施設の有無を示す施設値の入力ノード70−4cを、採用することができる。階ごとの、種別値及び施設値は、建物の利用形態によって、恒常的な場合と可変的な場合がある。恒常的な場合には、種別値及び施設値は、中間層302で用いられる重み付け係数等の入力パラメータとして扱うこともあり得る。可変的な場合には、図5の例の通り、入力層301の入力値として扱うことが適切であると考えられる。
このようなネットワーク構造の実現には、CNN(Convolutional Neural Network)あるが、本発明はこの構造に限定にされるわけではない。
図6は、推定処理及び制御処理を含んだ一連の処理のフローチャートの例である。
推定部50は、学習済みモデル44Fのイメージを取得し学習済みモデル44Fを展開する(S110)。
推定部50は、推定処理を行う。すなわち、推定部50は、学習済みモデル44Fを基に、推定時点(例えば現在時点)から所定の時間経過後の運行データ34の基になる複数の出力値を推定する(S120)。推定部50は、推定した複数の出力値に基づく推定運行データ(すなわち、推定時点から所定時間経過後の制御に使用される運行データ)34Eを、制御部60に提示する(推定領域55に格納する)(S130)。
制御部60は、推定時点から所定時間経過後の時点が現在時点(制御時点)である推定運行データ34Eを推定領域55から取得し、当該推定運行データ34Eを基にかごの割り当てを制御する制御処理を行う(S140)。
制御部60は、該制御処理の結果を基に、それぞれのエレベーターコントローラ10に、運行の指示を送信する(S150)。
推定処理の実行開始は、出発に相当するかごドアが閉まったタイミング、到着に相当するかごが停止したタイミング、等のいずれでも良い。また、一定周期で、推定処理が実行されても構わない。
図7は、制御処理(図6のS140)のフローチャートの例である。
制御部60は、制御時点の現状把握を行う(S210)。具体的には、例えば、制御部60は、各エレベーター1について、下記を取得する。結果として、制御部60は、エレベーター群200の裕度合計(全エレベーター1の裕度の合計)を演算(算出)する。
・かご14の現在位置。
・かご14の到着階。
・かご14の進行方向。
・かご14の裕度(かご14の許容乗客数と制御時点での乗客数との差分)。
制御部60は、把握された現状を基に、各エレベーター1について、現在位置と到着階との途中に、いずれかの有効推定出発階(推定運行データ34Eが示す出発階であって、当該推定運行データ34Eが示す乗客数が1以上の出発階)があるか判定する(S220)。
S220の判定結果が真の場合(S220:Yes)、制御部60は、把握された現在位置と把握された到着階がいずれかの有効推定出発階を挟むエレベーター1を抽出する(S230)。制御部60は、抽出したエレベーター1に、当該有効推定出発階を割り当てる(S240)。S240では、制御部60は、当該エレベーター1の裕度から推定運行データ34Eが示す乗客数(有効推定出発階に対応した乗客数)を減算し、推定運行データ34Eを更新する(有効推定出発階に対応した乗客数をゼロにする)。エレベーター1に有効推定出発階が割り当てられることで、当該有効推定出発階が、当該エレベーター1の現時点での到着階でもかご呼びがされた階でも無くても、当該エレベーター1のかご4が当該有効推定出発階で停車しかごドア開が行われることになる。
S240の後、又は、S220の判定結果が偽の場合(S220:No)、制御部60は、裕度合計が、推定乗客数合計(推定運行データ34Eが示す乗客数の合計)以下か否かを判定する(S250)。すなわち、制御部60は、制御時点(現状把握時点)におけるエレベーター群200が、当該制御時点を将来時点とした推定乗客数合計が示す全ての乗客を搭載可能な空きを有するか否かを判定する。従って、出発到着組合せに対応した乗客数(図1に例示の運行データ34に示される乗客数)は、或る時点から或る時点までに新たに発生する乗客の数を示す。なお、S240が行われた場合、S250に関して、「裕度合計」は、更新後の裕度合計であり、「推定乗客数合計」は、更新後の推定運行データ34Eが示す乗客数の合計である。
S250の判定結果が真の場合(S250:Yes)、制御処理が終了する。結果として、各エレベーター1について、かご14と停車階との関係は、現状維持である。
S250の判定結果が偽の場合(S250:No)、すなわち、裕度合計の方が現状の推定乗客数合計より多い場合には、制御部60は、裕度合計から推定乗客数合計を減算して残人数を求める(S260)。制御部60は、現在位置と有効推定出発階との距離の昇順(距離が短い順)にエレベーター1が並んだエレベーターリストを生成する(S270)。制御部60は、S270で生成したエレベーターリストのうち、進行方向(現在位置から到着階への方向)が有効推定出発階に向いているエレベーターを選択する(S280)。制御部60は、S280で選択したエレベーター1の乗客数から当該エレベーター1の裕度を演算する(S290)。制御部60は、当該エレベーター1に有効推定出発階を割り当てる(S300)。制御部60は、現時点の残人数から、当該エレベーター1の裕度を減算した、新たな残人数を求める(S310)。
制御部60は、残人数が0以下か否かを判定する(S320)。S320の判定結果が真の場合(S320:Yes)、制御処理が終了する。
残人数が0より多い場合には(S320:No)、制御部60は、裕度の降順(裕度の大きい順)にエレベーター1が並んだエレベーターリストを生成する(S330)。S330で生成されたエレベーターリストには、S300で既に割当て済のエレベーター1は含まれても含まれなくても良いが、本実施例では、含まれない。制御部60は、下記を行う(S340)。
(S340−1)S330で生成されたエレベーターリストから未選択のエレベーター1のうち、最も裕度の大きいエレベーター1を選択する。
(S340−2)S340−1で選択したエレベーター1に有効推定出発階を割り当てる。
(S340−3)現時点の残人数から、S340−1で選択したエレベーター1の裕度を減算して、新たな残人数を求める。
(S340−4)S340−3で演算された新たな残人数が0以下であれば、S340が終了する。結果として、制御処理が終了する。
(S340−5)S340−3で演算された新たな残人数が0より多ければ、S330で生成されたエレベーターリストから全てのエレベーター1が選択されたか否かを判定する。
(S340−6)S340−5の判定結果が真の場合、S340が終了する。結果として、制御処理が終了する。
(S340−7)S340−5の判定結果が偽の場合、処理がS340−1に戻る。
以上の制御処理によれば、S240でいずれかの有効推定出発階にエレベーター1が割り当てられても、S250の判定結果が偽であれば、当該割り当てはキャンセル(破棄)されて、S260以降において、当該エレベーター1には別の有効推定出発階が割り当てられ得る。
また、以上の制御処理によれば、S250の判定結果が偽の場合、残人数として、推定乗客数合計と裕度合計との差分が演算され、当該差分(残人数)が、0以下になるように、エレベーター1が割り当てられる。残人数は、割り当てられたエレベーター1の裕度から減算される。すなわち、S250の判定結果が偽とは、新たに発生すると推定された乗客数合計がエレベーター群200の現状の裕度合計を超えてしまうと推定されたこと、言い換えれば、推定される乗客の全てをエレベーター群200に乗せることができないと推定されたことになる。この場合、超過乗客数(残人数)から現状の裕度を減算していく観点で、推定出発階に対するエレベーター1の割り当てが行われる。
また、以上の制御処理によれば、S250の判定結果が偽の場合、S260〜S300において、有効推定出発階までの距離が短く且つ進行方向が推定出発階へ向かう方向であるエレベーター1が優先的に当該有効推定出発階に割り当てられる。この結果、新たな残人数が0以下にならなければ、未割当のエレベーター1については進行方向の反転が必要になるが、そういったエレベーター1は裕度の降順で割り当てが行われるため、エレベーター群200の効率的な運行として、進行方向の反転が必要なエレベーター1の数を抑えた運行が期待できる。
以上の制御処理の説明を基に、制御処理の概要を、例えば下記のように表現することができる。
すなわち、制御部60は、複数のエレベーター1の各々について、下記を含む現状、
・当該エレベーター1のかご14の裕度、
・当該エレベーター1の進行方向、
・当該エレベーター1のかご14の現在位置、及び、
・当該エレベーター1のかご14の到着階、
を把握する。エレベーター1の進行方向は、当該エレベーター1のかご14の現在位置と到着階から把握可能であるが、当該エレベーター1について到着階が指定されていないこともあり得るため、進行方向の把握は有効であると考えられる。制御部60は、推定運行データ34Eと、複数のエレベーター1の各々についての上記把握された現状とを基に、有効推定出発階の各々に、現状の裕度、進行方向及び現在位置のうちの少なくとも1つに基づき決定されたエレベーター1を割り当てる。
図8は、推定運行データ34Eが示す有効階(有効推定出発階と有効推定到着階の総称)以外の階についてのかご呼びが発生した場合の処理である救済処理のフローチャートの例である。なお、有効階と異なる階についてのかご呼びを、「特異イベント」と呼ぶことにする。特異イベントが制御部60により検出された場合に、図8の救済処理が開始される。
制御部60は、図7のフローチャートに従う制御処理を行う(S400)。なお、S400がスキップされて、最近の制御処理の結果を基に、S410以降が行われても良い。
制御部60は、複数のエレベーター1の各々の裕度を演算する(S410)。
制御部60は、割り当てられた経路(制御処理における現在位置と割り当てられた階とを結ぶ経路)に特異イベントの階が存在するエレベーター1が1つでもあるか否かを判定する(S420)。
S420の判定結果が真の場合(S420:Yes)、制御部60は、S420:Yesのエレベーター1の中に、進行方向に特異イベントの階があるエレベーター1があるか否かを判定する(S430)。S430の判定結果が真の場合(S430:Yes)、制御部60は、S430:Yesのエレベーター1のうち、裕度の最も大きいエレベーター1に、特異イベントの階への停止を割り当てる(S440)。つまり、当該エレベーター1については、制御処理で割り当てられた階がキャンセルされ、特異イベントの階が割り当てられる。
S420の判定結果が偽の場合(S420:No)、又は、S430の判定結果が偽の場合(S430:No)、制御部60は、到着階から特異イベントまでの距離の昇順(距離が短い順)に並んだエレベーター1のエレベーターリストを生成する(S450)。制御部60は、S450で生成したエレベーターリストから、進行方向が特異イベントの階への方向と一致するエレベーター1を選択する(S460)。制御部60は、当該選択されたエレベーター1の到着階(停車階)を、特異イベントの階に変更する(S470)。
このような救済処理により、推定と異なる階についてかご呼びがされる特異イベントが発生しても、該特異イベントに柔軟に対応することができる。結果として、特異イベントが発生しても乗客の待ち時間を短縮することができ、以って、運行の効率を向上させることが期待できる。
また、このような救済処理によれば、特異イベントの階が経路上にあるエレベーター1が無くても、又は、そのようなエレベーター1があっても進行方向に特異イベントの階が無くても、特異イベントの階がある方向が進行方向である別のエレベーター1の停車階を当該特異イベントの階に変更することで対処可能である。
また、救済処理の結果に従う複数の値(例えば、モデル44の複数の出力値に対応した複数の値)を複数の入力値として学習済みモデル44Fに入力する更新処理が行われても良いこれにより、推定精度の一層の向上が期待できる。
以上の救済処理の説明を基に、救済処理の概要を、例えば下記のように表現することができる。
すなわち、制御部60は、有効階(例えば、推定運行データ34Eが示す出発階のうちの物体量が0を超える出発階)以外のいずれかの階についてかご呼びが発生した場合、複数のエレベーター1の各々について、当該エレベーター1の裕度を特定し、且つ、当該かご呼びが生じた階に対して、下記のうちの少なくとも1つ、
・裕度、
・当該階と現在位置との距離、及び、
・進行方向、
に基づいて決定したエレベーター1を割り当てる。
実施例2を説明する。その際、実施例1との相違点を主に説明し、実施例1との共通点については説明を省略又は簡略する。
大容量データを扱える記憶装置と、高性能な演算処理環境、とを提供する環境としては、クラウドシステム100と呼ばれる環境がある。クラウドシステム100は、計算機システムのような第1の装置の一例である。クラウドシステム100に代えて、データセンタのような他の計算機システムが採用されても良い。
図9は、実施例2に係るエレベーターシステムの一例としての群管理コントローラを含んだシステム全体の構成図である。
複数のエレベーター1の運行データ34を含むエレベーター情報は、エレベーター1の制御及び状態に係る全ての情報を含んでいるため容量が大きく、且つ日々蓄積され続けるので膨大な容量となる。つまり、エレベーター情報は、所謂ビッグデータに相当し得る。
推定部50の一実装例として、ディープラーニングに従う学習済みモデル44Fが採用される。ディープラーニングを実現するには、運行データ34を含むエレベーター情報のようなビッグデータを柔軟に利用可能で、且つ高負荷の学習部40を実行できる環境が望ましい。
一般に、複数のエレベーターを制御する目的で、群管理コントローラが設けられるが、一比較例によれば、群管理コントローラは、装置への組込みが前提とされ、故に、膨大なデータの取り扱いや、且つ高負荷の演算をできるようには設計されていない。上述の説明によれば、大容量のデータを扱うことが可能な記憶装置や処理装置と、ディープラーニングの学習等を実行可能な高性能な演算処理装置と、が必要となるが、このような大容量記憶装置及び高速処理装置を、エレベーターコントローラ10のような組込みシステムと同様に昇降路等の環境に設置することは、運用や場所の面で困難であると考えられる。
そこで、本実施例のように、クラウドシステム100上に群管理コントローラ2が実現される。クラウドシステム100は、例えば、広域遠隔地域での複数のエレベーターが対象である場合にはグローバルクラウドシステム(或いは、例えばデータセンタ)で良く、小規模地域もしくは建物内の複数のエレベーターが対象であればオンプレミスクラウドシステム(或いは、例えばローカルサーバ)で良い。
クラウドシステム100における群管理コントローラ2は、ソフトウェアディファインドのコントローラでも良いし、物理的なコントローラでも良い。実施例2に係る群管理コントローラ2が有する構成要素は実施例1と同じである。
複数のエレベーター1から成るエレベーター群200は、有線インターネット網やキャリア提供の無線閉回路網である広域ネットワーク網(通信ネットワークの一例)22と、ネットワーク20と通信機器(例えば、ルータのようなネットワークスイッチ)28経由で接続される。また、クラウドシステム100内のネットワーク24は、通信機器(例えば、ネットワークスイッチ)26経由で、広域ネットワーク網22と接続される。
図10は、実施例2に係る学習格納処理のフローチャートの例である。
エレベーターコントローラ10は、広域ネットワーク網22を経由し、クラウドシステム100に、エレベーター情報を送信する(S600)。該情報を通信するのに、IoTプロトコルを利用する形態と、独自プロトコルを利用する形態が考えられるが、他の形態が採用されても良い。
クラウドシステム100内の群管理コントローラ2は、エレベーターコントローラ10が送信したエレベーター情報を受信する(S610)。
データ格納部30は、取得したエレベーター情報から、出発階と、到着階と、乗客数を組み合わせた情報としての運行データ34Rを入力領域32に格納する(S620)。
学習部40は、学習処理を行う。すなわち、学習部40は、入力領域32より、運行データ34R等基に基づく複数の入力値を取得し(S630)、当該複数の入力値を基に、学習を実行する(S640)。
学習部40は、学習結果としての学習済みモデル44Fを学習結果領域42に格納する(S650)。
実施例3を説明する。その際、実施例2との相違点を主に説明し、実施例2との共通点については説明を省略又は簡略する。
実施例2において、広域ネットワーク網22及び複数の通信機器26,28を経由することにより、通信遅延が発生してしまい、制御に影響を及ぼす場合があり得ると考えられる。
そこで、実施例3では、群管理コントローラ2が、図11に例示するように、学習処理を行う部分であるコアコントローラ300Cと、推定処理及び制御処理を行う部分であるエッジコントローラ300Eとに大別され、エッジコントローラ300Eが、エレベーター群200の方に搭載される。これにより、上述の通信遅延の防止を期待できる。コアコントローラ300C(又はクラウドシステム100)が、第1の装置の例であり、エッジコントローラ300Eが、第2の装置の例である。
実施例3を以下に詳細に説明する。
図11は、実施例3に係るエレベーターシステムの一例であるコアコントローラ300C及びエッジコントローラ300Eを含むシステム全体の構成図の例である。
コアコントローラ300C及びエッジコントローラ300Eのいずれも、物理的なコントローラでも良いし、ソフトウェアディファインドのコントローラでも良い。
コアコントローラ300Cが、クラウドシステム100上に実現される。コアコントローラ300Cは、データ格納部30と、入力領域32と、学習部40と、学習結果領域42Cとを有する。
多くの場合、推定部50は、学習部40よりも処理負荷が少ないが、巻上機12を制御するエレベーターコントローラ10にとっては推定処理の負荷は重い。このため、本実施例では、推定部50はエレベーターコントローラ10に搭載されず、別途、エレベーター群200に、複数のエレベーター1に共通のエッジコントローラ300Eが設けられる。エッジコントローラ300Eは、コアコントローラ300Cの学習結果領域42Cに格納された学習済みモデル44Fがコアコントローラ300Cからコピー(ダウンロード)され格納される学習結果領域42Eを有する。更に、エッジコントローラ300Eは、推定部50と、推定領域55と、制御部60とを有する。
図11では図示省略しているが、エッジコントローラ300Eは、図9に例示した通信機器28、広域ネットワーク網22及び通信機器26経由で、クラウドシステム100(コアコントローラ300C)と接続されている。エッジコントローラ300Eにおいて展開され実行される学習済みモデル44Fは、上述したように、広域ネットワーク網22を経由してクラウドシステム100からコピーされた学習済みモデル44Fである。
このようなシステム構成により、敷設済みのエレベーター群200に、エッジコントローラ300Eを後付けし、エッジコントローラ300Eがクラウドシステム100上のコアコントローラ300Cと連携することで、運行効率を改善することが期待できる。
なお、通信機器28とエッジコントローラ300Eを分離しているが、通信機器28にエッジコントローラ300Eの役割を統合しても良い。つまり、通信機器28がエッジコントローラとして機能しても良い。
図12は、実施例3に係る推定処理及び制御処理を含んだ一連の処理のフローチャートの例である。
クラウドシステム100におけるコアコントローラ300Cは、学習済みモデル44Fを、エッジコントローラ300Eに送信する(S700)。
エッジコントローラ300Eは、クラウドシステム100から学習済みモデル44Fを受信し(S701)、受信した学習済みモデル44Fを学習結果領域42Cに格納する(S702)。
エッジコントローラ300Eにおいて、推定部50が、学習結果領域42Cから取得し展開された学習済みモデル44Fを基に推定処理を行う(S703)。
エッジコントローラ300において、制御部60が、S703の推定処理により得られた推定運行データ34Eを基に制御処理を行う(S704)。制御部60は、制御処理の結果を基に、それぞれのエレベーターコントローラ10に指示を出す(S705)。
各エレベーターコントローラ10は、エッジコントローラ300からの指示に応じた制御を実行する(S706)。
実施例4を説明する。その際、実施例3との相違点を主に説明し、実施例3との共通点については説明を省略又は簡略する。
図13は、実施例4に係るシステム全体の構成図の例である。
ビルが建設されエレベーター群200が新たに増える度に、当該新たなエレベーター群200B(別のエレベーター群の一例)についてモデル44をゼロから学習するのは、効率が悪い。
そこで、本実施例では、既存のエレベーター群200Aについての学習済みモデル44Fが、新たなエレベーター群200Bのためにコピーされ、当該コピーされた学習済みモデル(以下、コピーモデル)44Fが、当該新たなエレベーター群200Bの運行データ34の基になる複数の値の推定に使用される学習済みモデルとして適用される。当該コピーモデル44Fが、新たなエレベーター群200Bについての実際の値のうちの、当該新たなエレベーター群200Bについての推定値と異なる値を基に、学習部40により、再学習される。「再学習」とは、ある程度学習が進んだ結果として得られたコピーモデル(学習済みモデル)44Fを基準として、新たな事例を学習することで、コピーモデル44Fを更新することである。再学習が行われることで推定の精度の向上が期待できる。なお、そのような再学習は、既存のエレベーター群200Aの学習済みモデル44Fについても行われても良い。また、再学習は、推定運行データ34Eのうち誤りがある部分に限らず全体について行われても良いが、誤りがある部分についてのみとすることで、計算量の削減が期待できる。また、新たなエレベーター群200Bに適用される学習済みモデル44Fは、例えば、新たなエレベーター群200Bと構造や環境(例えばビルの構造)等の特徴と同一又は類似の特徴を有するエレベーター群200に適用される学習済みモデル44であることが望ましい。そのような学習済みモデル44は、例えば、制御部60(又はコアコントローラ300C)が、エレベーター群200群毎にエレベーター群200の構造や環境等の特徴を表す情報を含んだ管理情報を基に、新たなエレベーター群200Bの特徴と同一又は類似の特徴を有するエレベーター群200を特定し、特定したエレベーター群200の学習済みモデルを当該新たなエレベーター群200Bに適用することを決定して良い。
図13のシステム構成によれば、例えば以下の通りである。なお、図13では、エッジコントローラ300E1は、既存のエレベーター群200Aにおけるエッジコントローラ300Eであり、エッジコントローラ300E2は、新たなエレベーター群200Bにおけるエッジコントローラ300Eである。また、本実施例では、エッジコントローラ300Eに学習部40Eが設けられており、コアコントローラ300Cにおける学習部40は、学習部40Cと表記される。
新たなビルが建設されて、新たなエレベーター群200Bが敷設された場合に、新たなエッジコントローラ300E2も設置される。クラウドシステム100上のコアコントローラ300Cにより、学習結果領域42Cからエッジコントローラ300E2の学習結果領域42Eに学習済みモデル44Fがコピーされる。図12と同様に、エッジコントローラ300E2において、推定部50が、コピーモデル44Fを基に運行を推定し、該推定結果としての推定運行データ34E(推定領域55に格納された推定運行データ34E)を基に、制御部60が、制御処理を行う。制御部60が、制御処理の結果を基に、エレベーター群200Bにおける各エレベーターコントローラ10に指示を出す。学習部40Eが、再学習機能を有している。学習部40Eが、推定領域55に格納された推定運行データ34Eと、制御時点での実際運行データ34Rとを比較することで、実際運行データ34Rのうち推定運行データ34Eと異なる部分(言い換えれば、推定運行データ34Eのうち誤った部分)を特定できる。学習部40Eは、実際運行データ34Rのうち推定運行データ34Eと異なる部分に相当する値を用いてコピーモデル44Fを更新する。この更新が再学習である。再学習は、例えば、実際運行データ34Rのうち推定運行データ34Eと異なる部分に相当する値を正しい出力値とした学習である。推定が外れた運行データのみを再学習に使用するので、再学習処理負荷は低く、エッジコントローラ300E2で処理が可能である。また、再学習に際しては、コピーモデル44Fを、蒸留したり洗練したりする方法により、学習結果は同等で、ネットワーク構造が簡素化し、このような方法によって学習処理負荷をさらに低くすることが可能である。
このような構成にすることで、クラウドシステム100において、様々な学習済みモデル44Fを保存することにより、新たなエレベーター群200が設置された場合でも、該保存された学習済みモデル44Fを利用することで効率良く運転を開始することができる。学習済みモデル44Fは、ビル間取りや、エレベーター1の台数及び配置や、利用者の挙動のようなエレベーター群特徴に依存するものであり、例えば、階床数の多いデパート、階床数の少ない郊外ショッピングモール、さらに階床数の多い地域スーパー、コンセプトに基づいた複合オフィスビル等によって、エレベーター群200の運転状況は異なる。一方、同じデパート系列、ショッピングモール系列、スーパー系列、のような系列で店舗配置等が類似し、結果として、エレベーター群200の運転状況が類似する場合がある。同一コンセプトの複合オフィスビル等では、オフィス領域と商業領域と、トイレや喫煙室のようや休息所や食堂等の配置も類似することが多い。入居する企業も類似すると、出退勤時間や食事時間のシフト等の時間計画も類似する場合がある。それらに呼応して、複数のエレベーター1の配置も類似し、エレベーター群200の実際の運転状況も類似する場合がある。ある系列のある店舗やある場所の複合オフィスビル等での学習済みモデル44Fを別の店舗で利用すると運行推定の精度が見込まれる場合もある。デパートの催事場のような施設においては、催物の企画によって来場者数が大きく異なる場合があり、各階についての施設値の入力ノード70−4cに、企画及び来場者数を反映した値を入力する再学習が行われることにより、催事場で開催される企画に応じた運行制御を可能にする学習済みモデル44Fの生成が期待できる。
類似する面があっても推定精度が低い場合があり得るが、それは案件ごとの個性であり、このような差異は、エッジコントローラ300Eの学習部40E(再学習機能を有する学習部40)にて、対象に合わせて再学習を繰り返すことで、精度を高めることができる。
図14は、推定結果の正誤判定とその判定結果に基づいた再学習とを含んだ処理のフローチャートの例である。
クラウドシステム100からエッジコントローラ300E2に学習済みモデル44Fがコピーされる(S800及びS801)。エッジコントローラ300E2において、推定部50が、コピーモデル44Fを基に運行データを推定する(S802)。推定部50は、推定運行データ34Eを推定領域55に格納する(S803)。制御部60が、当該推定運行データ34Eを基に制御処理を行い(S804)、制御処理の結果に基づき、それぞれのエレベーターコントローラ10に指示を出す(S805)。指示を受けたエレベーターコントローラ10は、当該指示に応じた制御を実行する(S806)。
各エレベーターコントローラ10は、現実に発生した運行状況を表す情報(実際運行データ34Rの基になる値を含んだ情報)を、エッジコントローラ300E2に送信する(S807)。
エッジコントローラ300E2は、エレベーターコントローラ10から送信された情報を受信し(S808)、学習部40Eが、S803で格納された推定運行データ34Eと、各エレベーターコントローラ10からの情報に基づく実際運行データ34Rを比較することで、実際運行データ34Rに推定運行データ34Eと異なる部分がるか否かの判定(正誤判定)を行う(S809)。S809の判定結果が偽の場合(S809:No)、すなわち、推定と現実の運行データが異なる場合には、学習部40Eは、実際運行データ34Rを基に、再学習を実行し(S810)、再学習した結果としてコピーモデル44Fを更新する(S811)。
このような処理により、学習済みモデル44Fを活用して学習の初期コストを軽減することができる。また、誤った推定が生じたことが検出された場合には再学習をすることで、推定精度の向上が図れる。
実施例5を説明する。その際、実施例1〜4との相違点を主に説明し、実施例1〜4との共通点については説明を省略又は簡略する。
図15は、実施例5に係るシステム全体の構成図の例である。
かご14に設置された重量センサ16だけを拠り所に算出される乗客数は、固定された標準体重を基準にしているため、体重差がある乗客が乗り合わせた時には、その値は正確であるとは限らない。
そこで、本実施例では、かご14内に画像センサ17が配置され、且つ、各階のフロアに、画像センサ18が設置されている。エッジコントローラ300Eが、認識部54と認識領域46とを有する。認識領域46は、認識モデルを格納した記憶領域である。認識モデルは、物体認識のためのモデル(例えば、ディープラーニングに従う学習済のニューラルネットワーク)である。画像センサ17及び18からの画像データを基に認識部54が認識モデルを用いて物体認識を行う。
具体的には、かご14内に設置された画像センサ17が撮影する画像データを、ネットワーク20を経由して、エッジコントローラ300E内の認識部54が取得する。認識部54は、認識領域46内の認識モデルを用いることにより、物体を精度良く認識できる。具体的には、運搬物と人物とを区別できる(つまり、本実施例では、「物体」とは、人物と運搬物(人物以外の物)との総称である)。このため、かご14内の乗客数を、より正確に推定できる。なお、認識モデルは、別途多くの画像データを用いて別途学習した結果で良い。例えば、画像センサ17及び18の撮像データを、通信機器28を経由してクラウドシステム100に送って、コアコントローラ300Cにより認識モデルが学習され、当該認識モデルが、エッジコントローラ300Eに適用されても良い。或いは、認識モデルは、全く別のシステムで学習されたモデルでも構わない。
画像センサ18が各階のフロアに設置されているが、各階の画像センサ18が撮像する画像データを、ネットワーク20を経由して、エッジコントローラ300E内の認識部54が取得する。認識部54が、物体を精度良く認識できるので、各階のフロアにおける待ち人数を、より正確に推定できる。
なお、画像センサ17及び18を活用することにより、画像認識の学習方法によっては、人物及び運搬物の数だけでなく、人及び運搬物の識別、人の年齢、人の性別、人もしくは物の体積を推定することが可能となる。また、画像センサ17及び18に代えて又は加えて、セキュリティゲートのような、IDカードによる個人認証が可能なセンサを設定することにより、正確な乗客数と個人の挙動の把握が可能となる。
図16は、実施例5に係るニューラルネットワークの例を示した図である。なお、図16において、各表記の意味は、下記の通りである。下記値を採用することができる理由は、下記の値は、画像センサ17及び18からの画像データに基づき認識部54により認識可能であるためである。
・“NOT(xF−yF)”は、x階(出発階)からy階(到着階)までの運搬物数(NOT(the Number Of Things))を意味する。
・“A_NOP(xF−yF)”は、x階(出発階)からy階(到着階)までの年齢層毎の乗客数を意味する。各年齢層の範囲は任意の広さで良い。
・“G_NOP(xF−yF)”は、x階(出発階)からy階(到着階)までの性別毎の乗客数を意味する。A_NOP(xF−yF)の合計、又は、G_NOP(xF−yF)の合計が、x階(出発階)からy階(到着階)の乗客数に相当する。
・“Volume(xF−yF)”は、x階(出発階)からy階(到着階)までの全物体の体積を意味する。
・“NOT_C”は、かご14内の運搬物数を意味する。
・“A_NOP_C”は、かご14内の年齢層毎の乗客数を意味する。入力と出力において、同じ年齢層が採用されて良い。
・“G_NOP_C”は、かご14内の性別毎の乗客数を意味する。A_NOP_Cの合計、又は、G_NOP_Cの合計が、かご14内の乗客数に相当する。
・“Volume_C”は、かご14内の全物体の体積を意味する。
・“NOT(vF)”は、v階のフロアでの運搬物数を意味する。
・“A_NOP(vF)”は、v階のフロアでの年齢層毎の乗客数(人物数)を意味する。各年齢層は、A_NOP(xF−yF)及びA_NOP_Cについて同じで良い。
・“G_NOP(vF)”は、v階のフロアでの性別毎の乗客数(人物数)を意味する。A_NOP(vF)の合計、又は、G_NOP(vF)の合計が、v階でのフロアの乗客数(人物数)に相当する。
・“Volume(vF)”は、v階のフロアでの全物体の体積を意味する。
図16によれば、複数通りの出発到着組合せの各々について、当該出発到着組合せにおける物体量に関わる値として、性別毎の乗客数、年齢層毎の乗客数、及び、全物体の体積、のうちの少なくとも1つがある。具体的には、例えば、下記の通りである。
出力ノード400として、下記がある。例えば、実施例1におけるNOP(xF−yF)が、本実施例では、A_NOP(xF−yF)、及び、G_NOP(xF−yF)として出力される。
・NOT(xF−yF)の出力ノード400T−xy(例えば、NOT(1F−2F)の出力ノード400T−12)。
・A_NOP(xF−yF)の出力ノード400A−xy(例えば、A_NOP(1F−2F)の出力ノード400A−12)。
・G_NOP(xF−yF)の出力ノード400G−xy(例えば、G_NOP(1F−2F)の出力ノード400G−12)。
・Volume(xF−yF)の出力ノード400V−xy(例えば、Volume(1F−2F)の出力ノード400V−12)。
一方、入力ノードとして、下記がある。
・NOT_Cの入力ノード70−6。
・A_NOP_Cの入力ノード70−7。
・G_NOP_Cの入力ノード70−8。
・Volume_Cの入力ノード70−9。
・NOT(vF)の入力ノード70−10Tv(例えば、NOT(5F)の入力ノード70−10T5)。
・A_NOP(vF)の入力ノード70−10Av(例えば、A_NOP(5F)の入力ノード70−10A5)。
・G_NOP(vF)の入力ノード70−10Gv(例えば、G_NOP(5F)の入力ノード70−10G5)。
・Volume(vF)の入力ノード70−10Vv(例えば、Volume(5F)の入力ノード70−10V5)。
入力ノード70−6〜70−10に入力される入力値は、制御時点での実際運行データ34Rに基づく実際の値である。入力ノード70−6〜70−10に入力される入力値は、出力ノード400T、400A、400G及び400Vから出力される出力値(推定値)に対応している。
以上のような入力ノード70や出力ノード400があるため、例えば、下記のうちの少なくとも1つが期待できる。
・年齢層毎の乗客数の割合や性別毎の乗客数の割合に応じて、(1)巻上機12を制御して加減速を調整させる、及び、(2)乗客数上限を調整させる、のうちの少なくとも1つを制御部60が行うことができる。これにより、年齢層毎の乗客数の割合や性別毎の乗客数の割合に応じて、エレベーター1の乗り心地の調整や、かご14内の混雑度合の調整が可能となる。
・例えば、かご14が、体積の大きい台車(運搬物の一例)が内部に搭載されているかごの場合には、内部の重量が軽い傾向にあり、故に、乗客数が少ないと判定され易い傾向にある。このため、当該かご14には、上述のような台車の無いかごに比べて多くの階が停止階として割り当てられる可能性が高いと考えられる。上述のような台車があるために乗客数の割に裕度(この場合には、例えば、かごの内部体積と占有体積(Volume_C)との差分)が比較的小さいにも関わらず比較的多くの階が停止階として割り当てられても、人が乗れない可能性が高い。かごの停止から、ドアの開時間と、乗客がかごに乗れないことを認知する時間と、ドアの閉時間と、を合計した無駄時間が割り当て階ごとに発生し得る。結果、運行効率が低下し得る。本実施例によれば、Volume(xF−yF)が推定されるため、かご内部空間が大きく占められていれば、制御部60は、満員相当と判定して、当該かごを割り当ての対象から外すことができる。このため、前述の無駄時間の発生を回避して、運行効率を向上できる。
実施例6を説明する。その際、実施例1〜5との相違点を主に説明し、実施例1〜5との共通点については説明を省略又は簡略する。
図17は、実施例6に係るかごドア開閉制御のフローチャートの例である。
実施例6では、制御部60は、かご14のドアが開かれた階において所定の時間後にかご呼びが発生すると推定された場合には、かご14のドアの閉動作を遅延させる。具体的には、例えば、下記である。或る1つの階を例に取る。
すなわち、制御部60は、かごドア開待機時間のタイムアウトが生じたか否か(つまり、かごドア開のまま一定時間経過したか否か)を判定する(S500)。また、制御部60は、かご14内のドア閉釦が押下されたか否かを判定する(S510)。
いずれかの判定結果が真の場合に(S500:Yes、又は、S510:Yes)、制御部60は、推定部50に、かご開延長許容時間後の運行データ推定させる(S520)。
推定した運行データにて、制御部60は、かご呼びが発生するか否かを判定する(S530)。
かご呼びが発生する場合には(S530:Yes)、制御部60は、かごドア開時間を所定時間だけ延長するようエレベーターコントローラ10に指示を出す(S540)。
かご呼びが発生しない場合には(S530:No)、制御部60は、即座にかごドアの閉を実行するようエレベーターコントローラ10に指示を出す(S550)。
このような処理により、近い将来に発生するであろうかご呼びに対応できるため、後で来る人の待ち時間をなくすことができる。結果として、全体の運行効率が向上する。なお、かどドア開時間を延長する場合には、乗客が延長の旨が認知できるよう、ランプ点灯、音声或いは画面表示等のアナウンスをかご14内に対して行うよう制御部60がエレベーターコントローラ10に指示を出すことが望ましい。
本実施例の説明を基に、かごドア開閉制御の概要を、例えば下記のように表現することができる。
複数のエレベーター1の少なくとも1つのエレベーター1について、推定部50が、当該エレベーター1のかご14のドアを閉じる第1の時点から所定時間将来の第2の時点についての制御に使用される運行データ34Eの基になる複数の出力値を推定する。第2の時点について推定された出力値に基づく運行データ34Eが、当該かご14のある階で第2の時点ではかご呼びが発生することを示している場合、制御部60が、当該ドアが開いた状態とする時間を延長する。
以上、本発明の幾つかの実施例を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実行することが可能である。例えば、複数の実施例のうちの任意の2以上の実施例を組わせることが可能である。例えば、実施例3では、実施例2のようなクラウドシステム100に代えて実施例1のような群管理コントローラ2が採用されても良いし、実施例4では、実施例3のようなエッジコントローラ300に代えて実施例1のような群管理コントローラ2が採用されても良い。
1:エレベーター、2:群管理コントローラ、10:エレベーターコントローラ、40:学習部、50:推定部、60:制御部

Claims (15)

  1. 複数のエレベーターであるエレベーター群を管理するエレベーターシステムであって、
    1以上の時点の各々について複数の入力値を含む入力データを記憶する記憶領域である入力領域と、
    前記1以上の時点のうち対象時点に属する複数の入力値を前記入力領域から取得し、当該取得した複数の入力値を用いて、前記複数のエレベーターの制御に使用される運行データであって前記対象時点から所定時間将来の時点についての制御に使用される運行データの基になる複数の出力値を推定するモデルを学習する学習部と
    を有し、
    前記対象時点に属する複数の入力値は、前記対象時点に属する複数の時間要素をそれぞれ示す複数の時間入力値を含み、
    前記複数の出力値は、複数通りの出発到着組合せに関する値を含み、
    各出発到着組合せは、出発階と到着階の組合せである、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  2. 請求項1に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記複数通りの出発到着組合せに関する値は、前記複数通りの出発到着組合せの各々について、1以上の出発到着出力値を含み、
    前記複数通りの出発到着組合せの各々について、前記1以上の出発到着出力値は、当該出発到着組合せにおける物体量に関わる値である、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  3. 請求項1に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記学習部により学習されたモデルである学習済みモデルに推定時点に属する複数の入力値を入力することで当該推定時点から前記所定時間将来の時点についての制御に使用される運行データの基になる複数の出力値を推定する推定部と
    を更に有する、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  4. 請求項3に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記推定時点から前記所定時間経過後の時点についての推定された複数の出力値に基づく運行データである推定運行データを使用して前記複数のエレベーターを制御する制御部を更に有する、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  5. 請求項4に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記入力領域、前記学習部、前記推定部及び前記制御部を有する制御装置を有する、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  6. 請求項4に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記入力領域と前記学習部とを有する第1装置に接続された装置であって、前記推定部と前記制御部とを有する第2装置を有し、
    前記第1装置から前記第2装置に前記学習済みモデルが送信される
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  7. 請求項3に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記学習部は、学習済みモデルを更新し、
    前記推定部は、更新後の学習済みモデルに従う推定を行い、
    前記学習済みモデルの更新において入力される複数の入力値は、
    任意の推定時点から前記所定時間経過した時点である経過時点に属する複数の時間要素をそれぞれ示す複数の時間入力値と、
    当該経過時点での実際の運行データの基であり、前記複数の出力値にそれぞれ対応した複数の実際の値と
    を含む、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  8. 請求項1に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記対象時点に属する複数の入力値は、前記対象時点に属する複数の時間要素をそれぞれ示す複数の時間入力値に加えて、下記、
    1以上の外乱要因をそれぞれ示す1以上の値である1以上の外乱要因値、及び、
    各階について、当該階の特徴を示す値である階特徴値、
    のうちの少なくともいずれかを含む、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  9. 請求項2に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記複数通りの出発到着組合せの各々について、当該出発到着組合せにおける物体量に関わる値として、性別毎の乗客数、年齢層毎の乗客数、及び、全物体の体積、のうちの少なくとも1つがある、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  10. 請求項1に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記学習部による学習済みモデルが、前記エレベーター群が設置されている建物とは別の建物に設置されたエレベーター群である別のエレベーター群のためにコピーされ、
    当該コピーされた学習済みモデルが、当該別のエレベーター群の運行データの基になる複数の値の推定に使用される学習済みモデルとして適用され、
    当該コピーされた学習済みモデルが、当該別のエレベーター群についての実際の値のうちの、当該別のエレベーター群についての推定値と異なる値を基に、再学習される、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  11. 請求項4に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記複数のエレベーターの少なくとも1つのエレベーターについて、
    前記推定部が、当該エレベーターの乗りかごのドアを閉じる第1の時点から所定時間将来の第2の時点についての制御に使用される運行データの基になる複数の出力値を推定し、
    前記第2の時点について推定された出力値に基づく運行データが、当該乗りかごのある階で前記第2の時点ではかご呼びが発生することを示している場合、前記制御部が、当該ドアが開いた状態とする時間を延長する、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  12. 請求項4に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記制御部は、前記推定運行データを使用した制御において、
    前記複数のエレベーターの各々について、下記を含む現状を把握し、
    当該エレベーターの乗りかごの現在時点での裕度、
    当該エレベーターの乗りかごの現在位置、及び、
    当該エレベーターの乗りかごの到着階、
    前記推定運行データと、前記複数のエレベーターの各々についての前記把握された現状とを基に、前記推定運行データが示す出発階のうち物体が生じると推定されている出発階の各々に、現状の裕度、進行方向及び現在位置のうちの少なくとも1つに基づき決定されたエレベーターを割り当てる、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  13. 請求項12に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記制御部は、前記推定運行データが示す出発階のうちの物体量が0を超える出発階以外のいずれかの階についてかご呼びが発生した場合、
    前記複数のエレベーターの各々について、当該エレベーターの裕度を特定し、
    当該階に対して、下記のうちの少なくとも1つに基づいて決定したエレベーターを割り当てる、
    裕度、
    当該階と現在位置との距離、及び、
    進行方向、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  14. 複数のエレベーターであるエレベーター群を管理するエレベーターシステムであって、
    推定運行データを記憶する記憶領域である推定領域と、
    前記推定領域内の推定運行データを使用して前記複数のエレベーターを制御する制御部と
    を有し、
    前記推定運行データは、前記複数のエレベーターの制御に使用される運行データであり推定時点から所定時間将来の時点についての推定された複数の出力値に基づく運行データであり、
    前記推定された複数の出力値は、前記推定時点に属する複数の入力値が入力された学習済みモデルから出力された複数の出力値であり、
    前記推定時点に属する複数の入力値は、前記推定時点に属する複数の時間要素をそれぞれ示す複数の時間入力値を含み、
    前記複数の出力値は、複数通りの出発到着組合せに関する値を含み、
    各出発到着組合せは、出発階と到着階の組合せである、
    ことを特徴とするエレベーターシステム。
  15. 少なくとも1つのニューラルネットワークで構成された学習済みモデルであって、
    前記少なくとも1つのニューラルネットワークが、
    複数の入力値がそれぞれ入力される複数の入力ノードを含む入力層と、
    複数のエレベーターであるエレベーター群の制御に使用される運行データの基になる複数の出力値をそれぞれ出力する複数の出力ノードを含む出力層と、
    前記入力層と前記出力層との間の複数の中間ノードを含む中間層と
    を有し、
    前記複数の入力値の各々は、対象時点に属する入力値であり、
    前記複数の出力値の各々は、前記対象時点から所定時間将来の時点についての制御に使用される運行データの基になる出力値であり、
    前記複数の入力値は、前記対象時点に属する複数の時間要素をそれぞれ示す複数の時間入力値を含み、
    前記複数の出力値は、複数通りの出発到着組合せに関する値を含み、
    各出発到着組合せは、出発階と到着階の組合せであり、
    前記入力層に入力された、前記対象時点に属する前記複数の入力値に対し、前記少なくとも1つのニューラルネットワークにおける学習済みの重み付け係数に基づく演算を行い、前記出力層から、前記対象時点から所定時間将来の時点についての前記複数のエレベーターの制御に使用される前記運行データの基になる前記複数の出力値を出力するよう、
    コンピュータを機能させるための学習済みモデル。
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