JP2019155623A - 光書込装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】各発光素子の光量補正に要する時間を短縮可能な光書込装置を提供すること。【解決手段】複数の発光素子31からなる発光素子群30が複数、主走査方向に沿って千鳥配置されてなるガラス基板11と、それぞれの発光素子群30に1対1に対応するマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイとを備える光書込装置において、各発光素子31の光量補正時に用いる受光センサー51が、それぞれの発光素子群30に1対1に対応付けてガラス基板11上に配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、光書込装置及び画像形成装置に関する。
近年、光源基板上に配列された複数の発光素子として、例えば有機発光ダイオード(OLED:Organic Light−Emitting Diode)の出射光を結像光学素子としてのレンズアレイを介して感光体に結像させる構成の光書込装置の開発が推進されている。
特許文献1には、ガラス基板の下面に、複数(例えば6個)の発光素子からなる発光素子群を多数個、主走査方向と副走査方向に沿った二次元状に載置してなる露光ヘッドにおいて、発光素子群ごとに対応して設けられたマイクロレンズを有するレンズアレイを配置して、発光素子群ごとに、これに属する各発光素子から発せられ、ガラス基板を透過してガラス基板の上面から出射された光を、対応するマイクロレンズを通して感光体に導く構成が開示されている。
ガラス基板の上面には、発光素子の光量補正を行うための光センサーが載置され、全ての発光素子に対する光量補正(キャリブレーション)時に、個々の発光素子から個別に放射した光が光センサーにより検出され、その検出結果に基づき発光光量が目標の光量になるように発光素子の通電量などを制御する補正処理を全ての発光素子について一つずつ順番に行うことも記載されている。
特開2010−179617号公報
上記の特許文献1では、一つの光センサーを複数の発光素子群で共用する構成をとっている。例えば、発光素子群の数をM(2以上の整数)、一つの発光素子群に属する発光素子の数をN(2以上の整数)とすれば、キャリブレーション時に(M×N)個の発光素子を一つずつ順に発光させて、その光量を一つの光センサーで検出していく必要がある。
発光素子や発光素子群の数が多くなるほど、一つ目の発光素子に対する補正処理の開始から最後の(M×N)個目の発光素子に対する補正処理の終了までに要する全体の時間が長くなるという問題がある。このことは、キャリブレーションに長時間を要することを意味する。
キャリブレーションが終了しなければ、光量補正後の露光ヘッドによる感光体への光書き込み動作を開始できないことから、キャリブレーションの長時間化は、光書き込み動作を伴う例えばプリントジョブの開始を遅らせることになってしまい、ジョブの生産性を低下させるおれがある。
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたものであって、各発光素子の光量補正に要する時間を短縮可能な光書込装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る光書込装置は、感光体に光書き込みを行う光書込装置であって、光透過性の基板と、前記基板の第1主面上に2個以上の発光素子からなる発光素子群が複数、配置されてなる発光部と、一の発光素子群に属する各発光素子から放射され、前記基板の中を通って前記基板の第2主面から出射された光を前記感光体に導くレンズが、発光素子群ごとに対応して設けられてなるレンズアレイと、前記基板の第2主面上において、前記発光素子群のそれぞれと1対1に対応して設けられた光検出部と、前記発光素子群ごとに、対応する前記光検出部が当該発光素子群の各発光素子から個別に発光された光を検出した結果に基づき、当該各発光素子の発光量を補正する補正部と、を備えることを特徴とする。
また、前記光検出部のそれぞれは、第1と第2の受光センサーを有し、前記発光素子群のそれぞれは、第1方向に沿って複数の発光素子が並んでなる第1のグループと複数の発光素子が並んでなる第2のグループとが前記第1方向とは直交する第2方向に並ぶように配置されており、前記第1の受光センサーは、前記第1のグループに対応し、前記第2の受光センサーは、前記第2のグループに対応し、前記光検出部ごとに、前記第1と第2の受光センサーのそれぞれは、前記基板の第2主面において、前記第1と第2のグループのうち、対応する方のグループに属する全ての発光素子について、その発光素子から放射され、前記基板の中を通る光のうち、前記第2主面への入射角が臨界角よりも小さくなる光が到達する領域、かつ、対応しない方のグループに属する発光素子の全てについて、その発光素子から放射され、前記基板の中を通る光のうち、前記第2主面への入射角が臨界角を超える光だけが到達する領域に配置されているとしても良い。
ここで、前記第1と第2のグループに属する複数の発光素子の数が等しいとしても良い。
また、前記複数の発光素子群は、前記第2方向に隣り合う位置関係にある第1と第2の発光素子群を含み、前記複数の光検出部は、前記第1の発光素子群に対応する第1の光検出部と前記第2の発光素子群に対応する第2の光検出部を含み、前記第1の光検出部に含まれる第1と第2の受光センサーは、前記第1の発光素子群を挟んで前記第2方向の一方と他方の側に配置されており、前記第2の光検出部に含まれる第1と第2の受光センサーは、前記第2の発光素子群を挟んで前記第2方向の一方と他方の側に配置されているとしても良い。
ここで、前記第1の光検出部に含まれる第1と第2の受光センサーのうち、前記第2方向に前記第2の発光素子群に近い方の受光センサーが、前記第2の光検出部に含まれる第1と第2の受光センサーのうち、前記第2方向に前記第1の発光素子群に近い方の受光センサーを兼用するとしても良い。
ここで、前記第1の発光素子群に属する各発光素子から放射された光のうち、前記兼用される受光センサーの受光面に入射される光と、前記第2の発光素子群に属する各発光素子から放射された光のうち、前記兼用される受光センサーの受光面に入射される光とが、前記受光面上でオーバーラップする領域を有するように、前記第1と第2の発光素子群の前記第2方向における間隔が決められているとしても良い。
また、前記兼用される受光センサーの受光面と前記基板の第2主面との間に介在する光透過性部材をさらに備え、空気、前記基板、前記光透過性部材の屈折率をn1、n2、n3としたとき、n1<n3<n2の関係を満たすとしても良い。
さらに、前記複数の発光素子群は、前記第1方向に隣り合う位置関係にある第1と第2の発光素子群を含み、前記複数の光検出部は、前記第1の発光素子群に対応する第1の光検出部と前記第2の発光素子群に対応する第2の光検出部を含み、前記第1の光検出部に含まれる第1と第2の受光センサーは、前記第1の発光素子群を挟んで前記第2方向の一方と他方の側に配置されており、前記第2の光検出部に含まれる第1と第2の受光センサーは、前記第2の発光素子群を挟んで前記第2方向の一方と他方の側に配置されているとしても良い。
ここで、前記第1の光検出部に含まれる第1の受光センサーが前記第2の光検出部に含まれる第1の受光センサーを兼用し、前記第1の光検出部に含まれる第2の受光センサーが前記第2の光検出部に含まれる第2の受光センサーを兼用するとしても良い。
また、前記基板の第2主面上において、前記各光検出部は、対応する発光素子群に属する各発光素子から放射された光のうち、前記感光体に導かれる光の通過領域とは異なる領域に配置されているとしても良い。
本発明に係る画像形成装置は、光書込部から発せられた光により感光体に光書き込みを行って画像を形成する画像形成装置であって、前記光書込部として、上記の光書込装置を備えることを特徴とする。
上記のように一つの発光素子群に一つの光検出部を対応付ける構成とすれば、従来のように複数の発光素子群に対し一つのセンサーを共用する構成よりも、一つの光検出部を用いて行う光量補正時に要する全体の時間を短縮することができる。
実施の形態1に係るプリンターの全体構成を示す概略図である。 光源基板の構成を示す図である。 ガラス基板を光出射面側から見た平面図である。 (a)は、マイクロレンズアレイの構成を示す縦断面図であり、(b)は、G1レンズの平面図であり、(c)は、絞りの平面図である。 一つの発光素子群に属する一つの発光素子から放射された光の光路を示す模式図である。 発光素子の制御及び光量補正処理を実行するための電子回路系統のブロック図である。 光量補正処理の内容を示すフローチャートである。 補正係数情報が記憶されているテーブルを例示する図である。 実施の形態2に係るガラス基板を光出射面側から見たときの平面図である。 (a)と(b)は、図9に示すD−D線における矢視概略断面図である。 (a)は、実施の形態3に係る一つの発光素子群と2つの受光センサーの関係を示す概略平面図であり、(b)は、一つの発光素子群に属する24個の発光素子を2つのグループに分けた場合の構成例を説明するための図である。 実施の形態4に係る発光素子群と複数の受光センサーの関係を示す概略平面図である。 図12に示すE−E線における矢視概略断面図である。 実施の形態4における変形例の構成を示す図である。 (a)は、実施の形態5に係る光透過性部材がガラス基板の光出射面と受光センサーの受光面との間に介在している構成例を示す図であり、(b)は、光透過性部材の拡大図である。 実施の形態6に係る発光素子群と受光センサーの配置例を示す平面図である。
以下、本発明に係る光書込装置及び画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例にして説明する。
<実施の形態1>
(1)プリンターの構成
図1は、実施の形態1に係るプリンター1の全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、プリンター1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のトナー像を形成する作像部110Y、110M、110C及び110Kを備えている。作像部110Y、110M、110C及び110Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム101Y、101M、101C及び101Kを有している。
感光体ドラム101Y、101M、101C及び101Kの周囲には、外周面に沿って順に帯電装置102Y、102M、102C及び102K、光書込部100Y、100M、100C及び100K、現像装置103Y、103M、103C及び103K、1次転写チャージャー104Y、104M、104C及び104K及びクリーニング装置105Y、105M、105C及び105Kが配設されている。
帯電装置102Y、102M、102C及び102Kは、感光体ドラム101Y、101M、101C及び101Kの外周面を一様に帯電させる。
光書込部100Y、100M、100C及び100Kは、主走査方向に沿って配列された複数の発光素子を、全体制御部130からの画像データに基づき駆動して、各発光素子から発せられた光により、感光体ドラム101Y、101M、101C及び101Kの外周面に光書き込みを行って(露光)、静電潜像を形成する。発光素子としては、例えば有機EL(organic electro luminescent)素子、より具体的にはOLEDが用いられる。
現像装置103Y、103M、103C及び103Kは、対応する色のトナーを供給し、感光体ドラム101Y、101M、101C及び101Kの外周面上の静電潜像を現像(顕像化)して、Y、M、C、K色のトナー像を形成する。
1次転写チャージャー104Y、104M、104C及び104Kは、感光体ドラム101Y、101M、101C及び101Kが担持するトナー像を中間転写ベルト106へ静電転写する(1次転写)。
クリーニング装置105Y、105M、105C及び105Kは、1次転写後に感光体ドラム101Y、101M、101C及び101Kの外周面上に残留する電荷を除電すると共に残留トナーを除去する。なお、以下、作像部110Y、110M、110C及び110Kに共通する構成について説明する際には、Y、M、C、Kの文字を省略する。
中間転写ベルト106は、無端状のベルトであって、駆動ローラー107、従動ローラー108及びテンションローラー109に張架されており、矢印B方向に回転走行する。
感光体ドラム101Y〜101Kから、回転走行する中間転写ベルト106へのトナー像の1次転写は、Y〜K色のトナー像が中間転写ベルト106上で互いに重ね合わされるように、YMCKの順に時間をずらして行われる。1次転写により、中間転写ベルト106上にY〜K色のトナー像が多重転写されてなるカラートナー像が形成される。
カラートナー像は、中間転写ベルト106の回転走行によって、2次転写ローラー119が中間転写ベルト106を介して駆動ローラー107と当接している位置(2次転写ニップ)まで搬送される。
カラートナー像が中間転写ベルト106により2次転写ニップに搬送されるタイミングに合わせて、給紙トレイ120から記録シートSが供給されると、中間転写ベルト106上のカラートナー像が2次転写ニップで記録シートSに静電転写される(2次転写)。
記録シートSは、カラートナー像を担持した状態で定着装置121に搬送され、定着装置121においてカラートナー像が熱定着された後、排紙トレイ122上へ排出される。
全体制御部130は、PC(Personal Computer)等の外部装置からプリントジョブを受け付けると、作像部110Y〜110Kなどの各部を制御して画像形成を実行させる。
また、全体制御部130は、光書込部100の各発光素子の発光量を補正制御する光量補正処理を実行する光源制御部150を含む。光量補正処理は、上記のキャリブレーションに相当し、概略すると、光書込部100Y〜100Kごとに、次のように行われる。
光源制御部150は、画像形成を行っていない非画像形成時に、各発光素子を個別に1つずつ順に発光させる。発光素子ごとにその発光量が光検出部で検出される。
光検出部は、受光センサー(光学センサー)を含み、受光量の大きさを示す検出信号を出力する。出力された検出信号(検出結果)から、発光素子ごとに発光量が目標の光量になるようにその発光素子に供給すべき駆動電流値を補正するための補正係数が補正部により決定されて記憶される。そして、以降の画像形成時では、発光素子ごとに事前に決定された補正係数に基づく大きさの電流が供給される。
OLEDなどの発光素子は、通常、長期間に亘る稼働による劣化や環境変化などに応じて同じ大きさの電流を供給しても発光量が微小に変化する特性を有する。そこで、一定期間ごとや、環境変動、例えば急激な温度変化があった場合などを条件に光量補正処理を繰り返し実行することで、各発光素子の発光光量のばらつきを抑制して、感光体ドラム上の形成画像の画質を長期に亘って良好に維持することができる。
(2)光書込部の構成
光書込部100は、光源基板とマイクロレンズアレイを含み、光源基板の出射光をマイクロレンズアレイによって感光体ドラム101の外周面上に集光する。
(2−1)光源基板の構成
光源基板10は、図2に示すように光透過性のガラス基板11、封止板12、ドライバーIC(Integrated Circuit)13等を備えている。
ガラス基板11の第1主面(基板面)11aには、TFT(Thin Film Transistor)回路15が形成されており、例えば15000個のOLEDからなる発光素子(図示省略)が主走査方向に沿って配列されている。
各発光素子から放射された光は、ガラス基板11の中を通り、ガラス基板11の基板面11aとは反対側の第2主面(光出射面)11bから外に出射される。
ガラス基板11の光出射面11b上には、光量補正処理時に各発光素子から放射された光の一部を検出する光検出部51が複数、配置されている。
図3は、ガラス基板11を光出射面11b側から見た平面図であり、光検出部51と発光素子31との位置関係を示すためにガラス基板11の基板面11aに設けられている発光素子31を透視して示している。
同図に示すように、多数、例えば15000個の発光素子31がN(複数)個、ここでは12個の発光素子31からなる発光素子群30(同図に示す吹き出し参照)のそれぞれに組分けされている。
発光素子群30のそれぞれは、ガラス基板11の基板面11a上の異なる領域に実装されており、6個の発光素子31が主走査方向(第1方向)に沿って一定ピッチで並んでなる2つの発光素子列30aと30bが副走査方向(第2方向)に一定間隔を開けて、かつ発光素子列30aに属する各発光素子31と発光素子列30bに属する各発光素子31とが主走査方向に相互にずれた位置に配列されている。発光素子列30aは、複数の発光素子からなる第1のグループを構成し、発光素子列30bは、別の複数の発光素子からなる第2のグループを構成する。
全ての発光素子群30は、複数の発光素子群30が主走査方向に沿って相互に間隔を開けて配列されてなる3つの素子群列91、92、93に分けられている。
素子群列91〜93は、副走査方向に相互に間隔を開けて配列され、一つの素子群列に属する発光素子群30のそれぞれが、他の二つの素子群列に属する発光素子群30のそれぞれと相互に主走査方向の位置がずれるように配列されている。この発光素子群30の配列を3行千鳥配置という。
一つの発光素子群30に属する全ての発光素子31が相互に主走査方向の位置がずれており、全ての発光素子群30も相互に主走査方向の位置がずれているので、ガラス基板11上の全発光素子31は、相互に主走査方向にずれた位置に配置されていることになる。ガラス基板11上の全ての発光素子31が一つの発光部90を構成する。
一方、ガラス基板11の光出射面11bに配置されている光検出部51は、発光素子群30と1対1に対応しており、主走査方向をX軸、副走査方向をY軸とした場合のX−Y平面直交座標系において、一つの発光素子群30の近傍に一つの光検出部51が配置される位置関係を有する。
光検出部51のそれぞれは、ここでは一つの受光センサー、例えばフォトダイオードからなり、受光面(検出面)がガラス基板11の光出射面11bに対向するように配置され、対応する発光素子群30に属する12個の発光素子31のそれぞれから放射され、ガラス基板11を透過して受光面に入射した光の光量の大きさを示す検出信号を出力する。
図2に戻って、ガラス基板11の基板面11aにおいて、TFT回路15が形成されている領域(実装領域)は、封止領域となっており、スペーサー枠体14を挟んで封止板12が取着されている。これにより封止領域が外気に触れないように乾燥窒素等を封入した状態で、封止される。なお、吸湿のため、封止領域内に吸湿剤を併せて封入しても良い。なお、封止板12は、例えば封止ガラスであっても良いし、ガラス以外の材料からなっていても良い。
ガラス基板11の基板面11aにおける封止領域外には、ドライバーIC13が実装されている。光源制御部150は、ドライバーIC13と接続して、光源基板10を制御するためにASIC(Application Specific Integrated Circuit)151を備えており、ASIC151は、フレキシブルワイヤー19を経由してドライバーIC13に画像データのデジタル輝度信号を入力する。ドライバーIC13は、発光素子31ごとに、デジタル輝度信号をアナログ輝度信号に変換して、変換した信号に応じてその発光素子31の駆動電流を生成して出力する。以下、ドライバーICを駆動回路という。
(2−2)マイクロレンズアレイの構成
図4(a)は、マイクロレンズアレイ60の構成を示す縦断面図であり、光源基板10と感光体ドラム101の一部も合わせて示している。
同図に示すようにマイクロレンズアレイ60は、所謂テレセントリック光学系になっており、光源基板10に近い方から順にG1レンズ61、絞り62及びG2レンズ63が配設されている。G1レンズ61及びG2レンズ63は、樹脂材料またはガラス材料からなる透明な部材である。主走査方向において同じ位置に配設されているG1レンズ61とG2レンズ63が1つのマイクロレンズを構成する。
G1レンズ61は、平板状部材66の両主面に平凸レンズを固着したものであり、G2レンズ63は、平板状部材68の光源基板10側の主面に平凸レンズを固着したものである。平凸レンズは球面状であってもよいし、非球面状であってもよい。G1レンズとG2レンズとは光軸が一致している。
図4(b)は、G1レンズ61の平面図である。
同図に示すようにG1レンズ61では、複数のマイクロレンズ65が主走査方向に沿って一定のピッチで配列されてなるレンズ列69が相互に副走査方向に間隔をあけて3列配置されている。各レンズ列69は、一つのレンズ列69に属するマイクロレンズ65のそれぞれが他の2つのレンズ列69に属するマイクロレンズ65のそれぞれと主走査方向の位置がずれるように配置される。このマイクロレンズ65の配置は、発光素子群30の3行千鳥配置と同じになる。
各マイクロレンズ65は、2枚の平凸レンズを組み合わせることによって両凸レンズとして機能し、光軸方向から見て重なる位置にある発光素子群30に属する12個の発光素子31からの出射光を屈折させる。つまり、一つのマイクロレンズ65と一つの発光素子群30とが1対1に対応する関係になっている。
G2レンズ63においても、G1レンズ61と同様に、マイクロレンズ67が3行千鳥配置されており、各マイクロレンズ67は、マイクロレンズ65と1対1に対応し、光軸方向から見て重なる位置にある発光素子群30に属する12個の発光素子31からの出射光を屈折させる。
図4(c)は、絞り62の平面図である。同図に示すように絞り62は、樹脂や金属などの遮光性を有する材料からなる平板状部材であって、マイクロレンズ65、67に1対1に対応する貫通孔62aが設けられている。発光素子31からの出射光は、対応するマイクロレンズ65を通過後、絞り62によって貫通孔62aに入射した部分のみがG2レンズ63のマイクロレンズ67へ進み、他の部分は遮光される。
(2−3)発光素子から放射された光の光路について
図5は、一つの発光素子群30に属する一つの発光素子31から放射された光の光路を示す模式図であり、同図の左右方向を副走査方向としており、ガラス基板11と、当該一つの発光素子群30に対応する一つの光検出部51とマイクロレンズ65、67も合わせて示している。なお、絞り62は省略されている。
同図に示すようにガラス基板11の基板面11a上に配置されている発光素子31から放射された光のうち、ガラス基板11の中を通って光出射面11bから外に出た光Lrは、対応するマイクロレンズ65、67により集光されて感光体ドラム101に結像される。これにより画像形成時において感光体ドラム101への光書き込みが行われる。
光検出部51は、ガラス基板11の光出射面11b上において、対応する発光素子群30に属する各発光素子31から放射された光のうち、感光体ドラム101に導かれる光の通過領域とは異なる領域に配置されている。
発光素子31から放射され、ガラス基板11の中を通る光のうち、光検出部51に向かう光Lzは、光出射面11bからガラス基板11の外に出て、光検出部51の受光センサーの受光面52zに入射される。これにより光検出部51からその入射光の光量の大きさを示す検出信号が出力される。発光素子31からの放射光の光量が大きくなるほど光Lzの光量も大きくなる関係を有するので、光検出部51による光Lzの検出結果が感光体ドラム101に光書き込みを行う光Lrの光量を指標しているものになる。この検出信号は、非画像形成時の光量補正処理で利用される。
(3)光量補正処理
図6は、発光素子31の制御及び光量補正処理を実行するための電子回路系統のブロック図であり、回路構成が判り易いようにガラス基板11の基板面11aと光出射面11bとを別々に分けて示している。この系統は、発光素子31と光検出部51に加え、駆動回路13と選択回路23とを含む。
選択回路23は、ガラス基板11の基板面11aに形成されたTFT回路15に含まれる回路であり、発光素子31を1つずつ順番に駆動回路13に接続する。
駆動回路13は、DAC(Digital to Analogue Converter)131、補正部132及び出力部133を含む。
DAC131は、光源制御部150から送られて来るデジタルの画像データを受信すると、受信した画像データを全ての発光素子31のそれぞれごとに、アナログの輝度信号(発光量を表す信号)に変換して出力部133に送る。
補正部132は、ガラス基板11の光出射面11b上に配置された光検出部51のそれぞれから検出信号を受信して、それぞれの光検出部51に対応する発光素子群30ごとに、その発光素子群30に属する各発光素子31について、その発光量を補正するための補正係数を光量補正処理が実行される度に更新する。そして、更新後に実行される画像形成時に、全ての発光素子31のそれぞれごとに、更新後の補正係数を出力部133に送る。
出力部133は、全ての発光素子31のそれぞれごとに、補正部132から受信した補正係数に基づいて、DAC131から受信した当該発光素子31への輝度信号に対応する電流量の大きさを増減補正し、補正した大きさの電流を、当該発光素子31を発光させるための駆動電流として出力する。
図7は、光量補正処理の内容を示すフローチャートであり、光量補正処理は、光源制御部150と駆動回路13とが協働して、発光素子群30ごとに、これに対応する光検出部51の検出結果に基づき実行される。同図は、一つの発光素子群30のみに対する光量補正処理の内容を示しており、他の発光素子群30のそれぞれについてもその光量補正処理が同時並行で実行されるようになっている。
同図に示すように、非画像形成時であることを判断すると(ステップS1で「Yes」)、一つの発光素子群30に属する複数の発光素子31のそれぞれを識別する番号を示す変数nを1に設定する(ステップS2)。一つの発光素子群30にN個の発光素子31が属している場合、変数nは、1〜Nの整数の範囲のいずれかの数値に設定され、N個の発光素子31のそれぞれが1番目、2番目・・N番目というように識別される。
n番目の発光素子31への駆動電流Iaの値を基準値Isに設定する(ステップS3)。基準値Isは、目標とする発光量で発光させるのに必要と想定される電流値であり、予め実験などにより決められる。
12個のうち、n番目、ここでは1番目の発光素子31のみに駆動電流Iaを供給して1番目の発光素子31を発光させる(ステップS4)。
n番目の発光素子31から発せられた光(図5の光Lzに相当)の光量を光検出部51の受光センサーで検出し(ステップS5)、その検出値Daが目標値Dtに一致しているか否かを判断する(ステップS6)。目標値Dtは、感光体ドラム101の光書き込みに適した光量で発光素子31が発光したときに光検出部51で検出されるべき値として実験などにより予め決められている。
検出値Da=目標値Dtであることを判断すると(ステップS6で「Yes」)、ステップS10に進む。
一方、検出値Da=目標値Dtではないことを判断すると(ステップS6で「No」)、検出値Da<目標値Dtの場合(ステップS7で「Yes」)、現在の駆動電流Iaの値に所定値ΔIを加算した値を新たな駆動電流Iaに設定し直して(ステップS8)、ステップS4に戻る。逆に、検出値Da>目標値Dtの場合(ステップS7で「No」)、現在の駆動電流Iaの値から所定値ΔIを減算した値を新たな駆動電流Iaに設定し直して(ステップS9)、ステップS4に戻る。
ステップS4では、n番目、ここでは1番目の発光素子31に対して、新たに設定し直した駆動電流Iaが供給される。これにより、1番目の発光素子31の発光量が電流ΔIだけ増減した光量に切り替わる。
再度のステップS5の後、ステップS6で検出値Da=目標値Dtであるか否か判断し、否定的と判断すると、再度、ステップS7〜S9を経てS4〜6を実行する。検出値Da=目標値Dtと判断されるまで、ステップS4〜S9を繰り返し実行し、検出値Da=目標値Dtと判断されると(ステップS6で「Yes」)、ステップS10に進む。
ステップS10では、現在の駆動電流Iaの値の、基準値Isに対する比率をn番目の発光素子31に対する補正係数Cnに決定する。例えば、1番目の発光素子31について、現在の駆動電流Iaの値が基準値Isに等しい場合、補正係数Cnは1になり、基準値Isの1.2倍の場合、補正係数Cnは1.2になる。
決定された補正係数Cnを第n番目の発光素子31に対応付けた補正係数情報として記憶して(ステップS11)、ステップS12に進む。
図8は、補正係数情報が記憶されているテーブル132aを示す図であり、発光素子31の番号nと補正係数Cnとが1対1に対応している関係を示す。このテーブル132aは、図6に示す補正部132に設けられた不揮発性の記憶部(不図示)に格納されており、新たに補正係数Cnが算出される度に上書きされる。これにより、n番目の発光素子31に対する補正係数Cnが現時点における適正値に更新されたことになる。
図7に戻って、ステップS12では、現在の変数nが一つの発光素子群30に属する発光素子31の総数N、ここでは12に等しいか否かを判断する。
否定的と判断すると(ステップS12で「No」)、変数nに「1」をインクリメントしたものを新たな変数nに設定し直して(ステップS13)、ステップS3に戻る。
ステップS3では、現在の変数n、例えば2番目の発光素子31への駆動電流Iaの値を基準値Isに設定し、ステップS4で、2番目の発光素子31のみにその設定した駆動電流Iaを供給して2番目の発光素子31を発光させる。
以降、ステップS5〜S11までの処理を実行し、2番目の発光素子31に対する補正係数Cnを更新する。
3番目以降の各発光素子31のそれぞれについても一つずつ順番に、ステップS3〜S13の処理を繰り返し実行して、それぞれの補正係数Cnを決定していく。これにより、一つの発光素子群30に対応する光受光部51が、当該発光素子群30に属するN個の発光素子31から個別に1つずつ順に発光された光を順次検出していき、発光素子31ごとにその検出結果に基づき、各発光素子31の発光量が補正される。
ステップS12で変数n=Nと判断、すなわち12番目の発光素子31についての補正係数Cnを更新すると(ステップS12で「Yes」)、当該一つの発光素子群30に対する光量補正処理を終了させる。
他の発光素子群30のそれぞれについて、一つの光検出部51が対応して設けられているので、上記同様の光量補正処理が実行されることにより、全ての発光素子群30に属する全ての発光素子31について補正係数Cnが更新される。
この後に実行される画像形成時に補正部132は、現にテーブル132aに格納されている(更新後の)補正係数Cnを発光素子31ごとに読み出す。読み出された各発光素子31の補正係数Cnは、出力部133に送られ、出力部133において、発光素子31ごとに、当該発光素子31への輝度信号に対応する電流量の大きさの増減補正に用いられる。これにより、光量補正処理が繰り返し実行されるごとに、各発光素子31に対する補正係数Cnが更新され、光量補正処理後の画像形成時において、全ての発光素子31のそれぞれが適した光量で感光体ドラム101に対する光書き込みを行うことができる。
以上説明したように本実施の形態では、一つの発光素子群30に対して一つのマイクロレンズが対応する光学系において、一つの発光素子群30と一つの光検出部51とが1対1に対応して設けられている。これにより、一つの光検出部51(受光センサー)は、一つの発光素子群30に属する各発光素子31のみに対して光量検出を行えば良くなる。
例えば、一つの発光素子31に対する光量検出や補正係数の決定などの補正に要する時間(上記のステップS3〜S11の処理に要する時間)をTとすると、本実施の形態では、一つの光検出部51を用いて行う光量補正時に要する全体の時間Taは、(N×T)秒になる。一方、従来の構成では、複数、例えばM個の発光素子群に対して一つの光センサーを共用するので、時間Taが(M×N×T)秒、必要になり、本実施の形態よりも時間Taが長くなる。
発光素子群30ごとにその光量補正処理を同時並行で実行することにより、または発光素子群30ごとの各光量補正処理をその少なくとも一部が同時並行になる(一部の時間帯が相互に重複する)ように実行することにより、従来の構成よりもキャリブレーションに要する時間を短縮できる。
従って、光量補正処理を非画像形成時、例えば現在のジョブの終了から次に予定されているジョブの開始までの間に行う場合、キャリブレーションに要する時間の短縮分、次のジョブの開始タイミングを早めることができ、次のジョブを発行したユーザーにとって光量補正処理の終了までの待ち時間が減り、便宜になる。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、光検出部51が一つの受光センサーからなる構成例を説明したが、本実施の形態2では、発光素子群30に属する発光素子列30aに対応する受光センサーと発光素子列30bに対応する別の受光センサーの2つを含む構成としており、この点で実施の形態1と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
図9は、実施の形態2に係るガラス基板11を光出射面11b側から見たときの平面図であり、基板面11aに配置されている発光素子31を透過して示している。同図では、発光素子群30と2つの受光センサー51a、51bとの位置関係を示すために、発光素子群30と2つの受光センサー51a、51bだけが示されている。
同図に示すように一つの発光素子群30に対応する一つの光検出部51が2つの受光センサー51a、51bを含み、受光センサー51a、51bが発光素子群30を挟んで副走査方向の一方の側と他方の側に配置される構成になっている。受光センサー51a、51bは、上記同様にフォトダイオードなどからなる。
図10(a)は、図9に示すD−D線における矢視概略断面図であり、一つの発光素子群30に対応するマイクロレンズ65とマイクロレンズ65により集光される光Lrも合わせて示している。なお、発光素子から放射された光の光路を明確に示す必要から、基板11についてはハッチングを施していない。このことは、後述の図13等についても同様である。
図10(a)に示すようにガラス基板11の基板面11aには、副走査方向に間隔を開けて発光素子列30a、30bに属する発光素子31a、31bが配置されており、光出射面11bには、副走査方向に間隔を開けて受光センサー51a、51bがその受光面52a、52bを光出射面11b側に向けた姿勢で配置されている。なお、ガラス基板11の光出射面11bと受光センサー51a、51bの受光面52a、52bとが空気層を介さずに密着している構成としても良いし、微小な間隙により空気層が介在している構成としても良い。以下では、空気層が介在している構成例を説明する。
同図は、発光素子31aのみから放射された光がガラス基板11の中を通っている様子を示す図であり、矢印La〜Lgは、放射光に含まれる光を線で示したものである。そして、角度θaは、ガラス基板11と空間(空気)99を2つの媒質としたとき、一方の媒質であるガラス基板11の中を通る光が他方の媒質である外の空間99に入る場合の臨界角を示している。
ガラス基板11の中を通る光のうち、ガラス基板11の光出射面11b(境界面)への入射角θが臨界角θaよりも小さい光(実線の矢印La、Lb、Lcなど)は、光出射面11bで屈折して外の空間99に至る。ガラス基板11の光出射面11bを通過する光という意味で、これを通過光という。
光La、Lbは、マイクロレンズ65に向かい、マイクロレンズ65により感光体ドラム101上に集光される。光Lcは、受光センサー51aの受光面52aに入射される。光Ld、Leは、入射角θが臨界角θaに等しい光になる、
一方、入射角θが臨界角θaよりも大きい光(破線の矢印Lf、Lgなど)は、光出射面11bで全反射するので、光出射面11bを通過して外の空間99に出ていくことはない。ガラス基板11の光出射面11bで全反射する光という意味で、これを全反射光という。光Lfは、受光センサー51aの受光面52aに入射されず、光Lgは、受光センサー51bの受光面52bに入射されない。
入射角θと臨界角θaとの大小関係から、発光素子31aから放射された光のうち、光LdとLeの間の領域を示す角度範囲αの中を通過する光は、透過光になるが、角度範囲α以外の角度範囲βとγの中を通過する光は、全て反射光になる。
従って、発光素子31aから放射され、受光センサー51aの受光面52aに向かう光のうち、角度範囲αの中を通過する光(Lcなど)は通過光になり、受光面52aに入射される。一方、発光素子31aから放射され、受光センサー51bの受光面52bに向かう光の全部は、光Leよりも入射角θが大きくなり、角度範囲γの中を通過する全反射光になるので、受光面52bに入射されない。
つまり、発光素子31aから放射された光は、その一部が受光センサー51aの受光面52aで受光されるが、受光センサー51bの受光面52bでは全く受光されない。このことは、発光素子列30aに属する6個の発光素子31aの全てについて同様である。
発光素子31aから放射された光が受光センサー51aで検出可能かつ受光センサー51bで検出不可ということは、受光センサー51aが発光素子列30aに対応する光量検出の専用センサーということになる。
上記では、発光素子31aと受光センサー51aとの関係を説明したが、発光素子列30bに属する発光素子31bと受光センサー51bについても同様の関係を有する。
図10(b)は、発光素子31bのみから放射された光がガラス基板11の中を通っている様子を示す図であり、放射光に含まれる光を矢印La〜Lgで示し、臨界角をθaで示していることは、図10(a)と同様である。
図10(b)に示すように発光素子31bから放射され、受光センサー51bの受光面52bに向かう光のうち、角度範囲αの中を通過する光(Lcなど)は通過光になり、受光面52bに入射される。一方、発光素子31bから放射され、受光センサー51aの受光面52aに向かう光の全部は、光Leよりも入射角θが大きくなり、角度範囲γの中を通過する全反射光になるので、受光面52aに入射されない。
つまり、発光素子31bから放射された光は、その一部が受光センサー51bの受光面52bで受光されるが、受光センサー51aの受光面52aでは全く受光されない。このことは、発光素子列30bに属する6個の発光素子31bの全てについて同様である。
発光素子31bから放射された光が受光センサー51bで検出可能かつ受光センサー51aで検出不可ということは、受光センサー51bが発光素子列30bに対応する光量検出の専用センサーということになる。
上記のように発光素子31aから放射された光は、受光センサー51bで受光されず、発光素子31bから放射された光は、受光センサー51aで受光されない。従って、光量補正処理時に発光素子31a、31bを同時に発光しても、発光素子31aから放射された光が受光センサー51bの検出値に影響を与えることはなく、発光素子31bから放射された光が受光センサー51aの検出値に影響を与えることもない。
これにより光量補正処理時に、一つの発光素子群30ごとに、発光素子列30aに属する6個の発光素子31aを1個ずつ個別に発光させてその光量を受光センサー51aで検出しつつ、同時並行で発光素子列30bに属する6個の発光素子31bを1個ずつ個別に発光させてその光量を受光センサー51bで検出する構成をとることができる。
具体的には、図7に示す処理を、発光素子列30a、30bとで別々に同時並行で実行する。発光素子列30aに対する処理は、発光素子列30aに対応する受光センサー51aが用いられ、発光素子列30bに対する処理は、発光素子列30bに対応する受光センサー51bが用いられ、各処理についてステップS12で示す総数Nが6に置き換わる。
総数Nが12の場合に比べて、その値が半分になった分、光量補正処理に要する時間Taをさらに短縮できる。
そして、受光センサー51a(または51b)には、対応する発光素子列以外の発光素子列30b(または30a)に属する発光素子31b(または31a)の放射光が入射されない。例えば、受光センサー51aに、発光素子列30bの発光素子31bからの光の一部も入射可能な構成では、その入射光が発光素子列30aの発光素子31aからの入射光と混在する。従って、発光素子列30aに対する光量補正処理と発光素子列30bに対する光量補正処理を一方が終了後、他方を開始する順次実行する方法をとる必要があり、同時並行よりも処理に要する全体の時間が長くなる。また、同時並行を行う場合、上記の混在の影響により、光量の検出精度の低下に起因して形成画像の画質低下を招くおそれがある。本実施の形態では、このような混在が生じないので、時間短縮しつつ光量の検出精度を向上できる。
このように発光素子群30と光検出部51が1対1に対応する構成において、ガラス基板11の中に放射された光のうち、光出射面11bへの入射角θが臨界角θaを超える光が全反射するという光の特性を利用して、発光素子列30aに属する各発光素子31aからの放射光が受光センサー51aでのみ検出でき、発光素子列30bに属する各発光素子31bからの放射光が受光センサー51bでのみ検出できるように、発光素子列30a、30bに対応する受光センサー51a、51bの配置位置を工夫する。これにより、光量補正処理に要する時間Taのさらなる短縮化及び光量の検出精度の向上を実現できる。
ガラス基板11の光出射面11b上における受光センサー51aの配置位置は、次のように定義できる。
すなわち、ガラス基板11の光出射面11bにおいて、発光素子列30a、30bのうち、受光センサー51aに対応する方の発光素子列30a(第1のグループ)に属する全ての発光素子31aについて、その発光素子31aから放射され、ガラス基板11の中を通る光のうち、光出射面11bへの入射角θが臨界角θaよりも小さくなる光が到達する領域、かつ、対応しない方の発光素子列30b(第2のグループ)に属する発光素子31bの全てについて、その発光素子31bから放射され、ガラス基板11の中を通る光のうち、光出射面11bへの入射角θが臨界角θaを超える光だけが到達する領域である。
受光センサー51bの配置位置も、対応する発光素子列を30b、別の発光素子列を30aに置き換えることにより規定される領域とすることができる。
上記では、ガラス基板11の光出射面11bと、受光センサー51a、51bの受光面52a、52bとが空気層を介して接している場合の構成例を説明したが、これに代えて、空気層を介さずに密着している構成では、ガラス基板11(媒質A)と受光面52a、52b(媒質B)とで決まる臨界角が上記にθaに置き換わることになる。
なお、上記の入射光の混在が画質に影響を与えない範囲内であれば、例えば、臨界角に関係なく、発光素子列30bの発光素子31bの放射光の一部が受光センサー51aに入射可能かつ発光素子列30aの発光素子31aの放射光の一部が受光センサー51bに入射可能な位置に、受光センサー51a、51bを配置する構成をとることもできる。この構成の場合、受光センサー51a、51bの副走査方向の間隔を図10(a)に示す間隔よりも狭くすることが可能になる。
<実施の形態3>
上記実施の形態2では、一つの発光素子列に一つの受光センサーを対応させる構成例を説明したが、本実施の形態3では、複数の発光素子列に一つの受光センサーを対応させる構成としており、この点で実施の形態2と異なっている。
図11(a)は、実施の形態3に係る一つの発光素子群30と2つの受光センサー51a、51bの関係を示す概略平面図であり、発光素子群30と受光センサー51a、51bのみを示している。
発光素子群30は、24個の発光素子31を含み、8個の発光素子31が主走査方向に沿って配列されてなる発光素子列30a、30b、30cがこの順に副走査方向に間隔を開けて配置されてなる。24個の発光素子31は、2つの発光素子列30a、30bに属する16個の発光素子31からなるグループ81と、発光素子列30cに属する8個の発光素子31からなるグループ82に分けられている。
グループ81に属する16個の発光素子31が受光センサー51aに対応し、グループ82に属する8個の発光素子31が受光センサー51bに対応している。つまり、受光センサー51aは、グループ81に属する16個の発光素子31からの放射光のみが入射され、受光センサー51bは、グループ82に属する8個の発光素子31からの放射光のみが入射されるように、臨界角θaを考慮して、発光素子列30a〜30cに対する受光センサー51a、51bの配置位置が決められている。
図11(a)に示すように、グループ81、82に属する発光素子31の数が16個と8個とで異なっている場合、グループ81に属する16個の発光素子31に対する光量補正処理に要する時間Ta1は、16×T秒になり、グループ82に属する6個の発光素子31に対する光量補正処理に要する時間Ta2は、8×T秒になる。Ta1>Ta2の関係を有するので、グループ81、82のそれぞれに対する光量補正処理を同時並行で実行すれば、グループ82に対する光量補正処理の方がグループ81に対する光量補正処理よりも早く終了することになり、結果的に全ての発光素子31に対する光量補正処理に要する時間Taは、16×T秒になる。
図11(b)は、一つの発光素子群30に属する24個の発光素子31のうち、受光センサー51aに対応するグループ81aに12個の発光素子31が属し、受光センサー51bに対応するグループ82aに別の12個の発光素子31が属する構成例を説明するための図である。
同図に示すようにグループ81aは、4個の発光素子31が主走査方向に沿って配列されてなる発光素子列30aと、8個の発光素子31が主走査方向に沿って配列されてなる発光素子列30bからなる。また、グループ82aは、8個の発光素子31が主走査方向に沿って配列されてなる発光素子列30cと、4個の発光素子31が主走査方向に沿って配列されてなる発光素子列30dからなる。発光素子列30a、30b、30c、30dは、この順に副走査方向に間隔を開けて配列されている。
同図に示すように2つのグループ81a、82aのそれぞれに属する発光素子31の数を同数(ここでは12個ずつ)とすることにより、全ての発光素子31に対する光量補正処理に要する時間Taが12×T秒になり、2つのグループで発光素子31の数が異なる場合の例えば上記の16×T秒よりも時間Taを短縮化することができる。
<実施の形態4>
上記実施の形態2では、一つの発光素子列に一つの受光センサーを対応させる構成例を説明したが、本実施の形態4では、一つの発光素子群に属する一つの発光素子列と他の発光素子群に属する一の発光素子列とで一つの受光センサーを共用するとしており、この点で実施の形態2と異なっている。
図12は、実施の形態4に係る発光素子群と複数の受光センサーの関係を示す概略平面図であり、発光素子群と受光センサーのみを示している。
同図に示すように副走査方向に間隔を開けて3つの発光素子群301、302、303がこの順に配置されており、発光素子群301〜303のそれぞれは、2つの発光素子列を有する構成になっている。
発光素子群301に属する2つの発光素子列30a、30bのうち、副走査方向に発光素子群302から遠い方の発光素子列30aの各発光素子31aに対応して受光センサー51dが設けられ、発光素子群302に近い方の発光素子列30bの各発光素子31bに対応して受光センサー51eが設けられている。
受光センサー51eは、その受光面52eの面積が受光センサー51dよりもかなり大きく、例えば主走査方向と副走査方向のそれぞれの長さが2倍になっており、発光素子群301と副走査方向に隣り合う位置関係にある発光素子群302に属する発光素子列30c、30dのうち、副走査方向に発光素子群301に近い方の発光素子列30cの各発光素子31cに対応する受光センサーとして兼用されている。
図13は、図12に示すE−E線における矢視概略断面図であり、受光センサー51eが発光素子群301に属する発光素子列30bの各発光素子31bと発光素子群302に属する発光素子列30cの各発光素子31cとで兼用される様子を模式的に示している。
すなわち、受光センサー51eは、基板11の光出射面11bにおいて、次の(a)と(b)の条件を満たす領域に配置されている。
(a)発光素子列30aの全ての発光素子31a及び発光素子列30dの全ての発光素子31dについて、その発光素子から放射され、基板11の中を通る光のうち、光出射面11bへの入射角θが臨界角θaを超える光だけが到達する領域である。
これにより、各発光素子31a、31dから放射され、受光面52eに向かう光の全てが全反射するので、各発光素子31aと31dのいずれの放射光も受光面52eに入射されることがない。
(b)発光素子列30bの全ての発光素子31b及び発光素子列30cの全ての発光素子31cについて、その発光素子から放射され、基板11の中を通る光のうち、光出射面11bへの入射角θが臨界角θaよりも小さい光が到達する領域である。これにより、各発光素子31bと31cの放射光の一部が受光面52eに入射されるので、その光量の検出が可能になる。
発光素子列30b、30cの両方に一つの受光センサー51eを兼用する場合、光量補正処理時には、発光素子列30bと30cに属する全ての発光素子31b、31cが一つずつ順にその一つのみが発光するように発光制御がなされ、発光素子一つずつについて補正係数Cnが決定されていく。
上記では、発光素子群302に属する一方の発光素子列30cについて説明したが、他方の発光素子列30dの各発光素子31dから放射された光は、受光センサー51fにより検出される。
この受光センサー51fは、発光素子列30dの専用のものではなく、図12に示す別の発光素子群303に属する一方の発光素子列30eの各発光素子31eに対応する受光センサーとしても兼用される。なお、他方の発光素子列30fの各発光素子31fについては、受光センサー51gが対応して設けられる。
このように副走査方向に隣り合う位置関係にある2つの発光素子群(例えば301、302)がそれぞれ2つの発光素子列(例えば30aと30b、30cと30d)を有し、2つの発光素子群の間に配置した一つの受光センサー(例えば51e)を、4本の発光素子列のうち、その受光センサーに近い側の発光素子列(例えば30b、30c)に対応するセンサーに兼用する構成をとっている。これにより、発光素子列ごとに受光センサーを1対1に対応して設ける構成よりも受光センサーの総数を減らすことができ、受光センサーの配置数が減った分、コスト的に有利になる。
なお、上記では、図13に記載のように発光素子群301に属する発光素子列30bと、これに副走査方向に隣り合う発光素子群302に属する発光素子列30cとに兼用される受光センサー51eの受光面52eは、副走査方向に長く、発光素子列30bの各発光素子31bからの放射光を受光する副走査方向一方端側の領域11uと、発光素子列30cの各発光素子31cからの放射光を受光する副走査方向他方端側の領域11vとを別々に有する構成としたが、これに限られない。
例えば、変形例として図14に示すように副走査方向に隣り合う発光素子群301と302の副走査方向における間隔Lbが図13に示す間隔Laよりも短い構成において、ガラス基板11の光出射面11b上で、各発光素子31bからの放射光のうち、入射角θが臨界角θaよりも小さい光が入射し、かつ各発光素子31cからの放射光のうち、入射角θが臨界角θaよりも小さい光が入射する領域11zが存する場合、その領域11z上に受光センサー51eをその受光面52eが対向するように配置する構成をとることもできる。この領域11zは、各発光素子31bから放射された光のうち、受光面52eに入射する光と、各発光素子31cから放射された光のうち、受光面52eに入射する光とが受光面52e上で副走査方向にオーバーラップして入射する領域になる。
このオーバーラップ構成をとれば、受光センサー51eの受光面52eの副走査方向長さをその領域11zに相当する長さだけにすれば良く、オーバーラップしない図13の構成に比べて、受光センサー51eの受光面52eの面積が小さい小型の受光センサー51eを用いることができ、コスト的に有利になる。
<実施の形態5>
上記実施の形態4では、図13に示すように発光素子群301に属する発光素子列30bと発光素子群302に属する発光素子列30cとで共用される受光センサー51eの受光面52eをガラス基板11の光出射面11b上に直に配置する構成とした。
これに対し、本実施の形態5では、ガラス基板11の光出射面11bと受光センサー51eの受光面52eとの間に光透過性部材(例えば、透明樹脂フィルム)を介在させて、臨界角を上記のθaよりも大きくとることで、受光センサー51eの小型化を実現する。
図15(a)は、実施の形態5に係る光透過性部材55がガラス基板11の光出射面11bと受光センサー51pの受光面52pとの間に介在している構成例を示す図である。
光透過性部材55は、ガラス基板11の光出射面11bに空気層を介さずに密着している。光透過性部材55の厚みは、受光センサー51pの厚みよりも薄く、例えばフォトダイオードである受光センサー51pの厚みが0.15mmの場合、光透過性部材55の厚みが0.05〜0.1mmの範囲になっている。
光透過性部材55は、透光性のものであれば良く、できるだけ薄いものを用いることが望ましいが、空気の屈折率をn1、ガラス基板11の屈折率をn2、光透過性部材55の屈折率をn3とすると、n1<n3<n2の関係を満たす素材が用いられる。これにより、ガラス基板11(媒質B)から空間(媒質A:屈折率=1)に光が入射する場合の臨界角θaよりも、ガラス基板11(媒質B)から光透過性部材55(媒質C)に光が入射する場合の臨界角θpの方が大きくなる。
臨界角θp>θaの関係を有する場合、図15(b)の拡大図に示すように、発光素子31bからの放射光のうち、光出射面11bへの入射角θfが臨界角θpよりも小さく、θaよりも大きい光Lfは、ガラス基板11と光透過性部材55との境界面である光出射面11bでは反射せず、光透過性部材55を介して受光センサー51pの受光面52pで受光することが可能になる。
一方、光透過性部材55を設けない構成では、光出射面11bへの入射角θfが臨界角θaよりも大きい光Lfは、光出射面11bで全反射してしまうので、臨界角θaよりも入射角θが小さくなる光を受光できる領域、具体的には破線53pで示す領域まで受光センサー51pの受光面52pを拡張する必要が生じる。
つまり、光透過性部材55により臨界角θpを大きくできる分、受光センサー51pの受光面52pの副走査方向長さを短縮して、受光面52pの面積を縮小することができ、その分、受光センサー51pの小型化を図れる。
本実施の形態5では、特に、副走査方向に隣り合う発光素子列30bと30cの副走査方向の間隔Laを図14に示す間隔Lbのように小さくできない基板構成において、受光センサー51pの小型化によるコストメリットを享受できる。光透過性部材55は、上記の樹脂フィルムに代えて、例えばガラス基板11の光出射面11bと受光センサー51pの受光面52pとを接着剤で接着する場合のその接着剤層とすることもできる。
<実施の形態6>
本実施の形態6では、図16の平面図に示すように主走査方向に隣り合う発光素子群301と304を一つの組としたとき、この組を挟んで、副走査方向の一方の側に主走査方向に長尺な受光センサー51iが配置され、他方の側に主走査方向に長尺な受光センサー51jが配置される構成になっている。
受光センサー51iは、発光素子群301の発光素子列30a、30bのうち、受光センサー51iに近い方の発光素子列30aに対応し、かつ、発光素子群304の発光素子列30p、30qのうち、受光センサー51iに近い方の発光素子列30pに対応する。
受光センサー51jは、発光素子列30a、30bのうち、受光センサー51jに近い方の発光素子列30bに対応し、かつ、発光素子列30p、30qのうち、受光センサー51jに近い方の発光素子列30qに対応する。
図16に示す構成は、図9に示す構成において、主走査方向に隣り合う2つの発光素子群30のうち、一方の発光素子群30に対応する受光センサー51aと他方の発光素子群30に対応する受光センサー51aとを一体とし(一方が他方を兼用し)、一方の発光素子群30に対応する受光センサー51bと他方の発光素子群30に対応する受光センサー51bとを一体とした(一方が他方を兼用した)構成と実質、同じである。
これにより、発光素子列30aと30pが一つの受光センサー51iを共有し、発光素子列30bと30qが別の受光センサー51jを共有したことになる。換言すると、発光素子列30aに対応する受光センサー51iが発光素子列30pに対応する受光センサーを兼用し、発光素子列30bに対応する受光センサー51jが発光素子列30qに対応する受光センサーを兼用したものといえる。
光量補正時には、発光素子列30aに属する各発光素子31aと発光素子列30pに属する各発光素子31pが1つずつ順に、その発光素子のみが発光して、その光量が、共有する受光センサー51iで検出されることにより、発光素子列30a、30pの全ての発光素子31aと31pについて補正係数Cnが1つずつ決定、更新される。
発光素子列30b、30qについても同様に、各発光素子31bと31qが1つずつ順に、その発光素子のみが発光して、その光量が、共有する受光センサー51jで光量検出されることにより、全ての発光素子31bと31qについて補正係数Cnが1つずつ決定、更新される。受光センサー51iを用いて行う各発光素子31a、31pに対する光量補正と、受光センサー51jを用いて行う各発光素子31b、31qに対する光量補正とが同時並行される。
上記のことは、他の発光素子群、例えば302、305の組についても同様である。すなわち、発光素子群302と305の組を挟んで受光センサー51s、51tが配置され、発光素子群302の発光素子列30cと発光素子群305の発光素子列30uとが受光センサー51sに対応し、発光素子群302の発光素子列30dと発光素子群305の発光素子列30vとが受光センサー51tに対応する。この受光センサー51sを用いて行う各発光素子31c、31uに対する光量補正と、受光センサー51tを用いて行う各発光素子31d、31vに対する光量補正とが同時並行される。受光センサー51i、51j、51s、51tのそれぞれによる光量補正が同時並行される構成が望ましい。他の発光素子群のそれぞれについても同様である。
このように、主走査方向に隣り合う2つの発光素子群(例えば301、304)からなる組を挟んで副走査方向の両側のそれぞれに受光センサー(例えば51i、51j)を個別に配置し、一方の発光素子群を構成する2本の発光素子列(例えば30a、30b)と他方の発光素子群を構成する2本の発光素子列(例えば30p、30q)のうち、主走査方向に並ぶ第1と第2の発光素子列(例えば30a、30p)が一つの受光センサー(例えば51i)を共有しつつ、主走査方向に並ぶ第3と第4の発光素子列(例えば30b、30p)が別の受光センサー(例えば51j)を共有する。
つまり、本実施の形態6では、2つの発光素子列に一つの受光センサーを対応付ける構成をとっており、一つの発光素子列に一つの受光センサーを対応付ける構成よりも受光センサーの総数を削減でき、その削減の分、コスト低下を図れる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態では、発光素子31としてOLEDを用いる構成例を説明したが、これに限られず、例えばレーザーダイオードなどを用いる構成にも適用できる。また、光学系として、テレセントリック光学系を用いる構成例を説明したが、これに限られず、発光素子群30のそれぞれごとに1対1に対応して設けられたレンズを有するレンズアレイを用いる構成に適用できる。
(2)上記実施の形態では、画像形成装置がタンデム型のカラープリンター装置である場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、タンデム型以外のカラープリンター装置やモノクロプリンター装置に本発明を適用してもよい。また、スキャナーを備えた複写装置や、更に通信機能を備えたファクシミリ装置といった単機能機、或いはこれらの機能を兼ね備えた複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。また、画像形成装置に限られず、有機EL素子などの複数の発光素子を有する光書込装置から発せられた光ビームにより、感光体ドラムや感光体ベルトなどの感光体に光書き込みを行う装置一般に適用できる。
また、第1方向としての主走査方向に沿って複数の発光素子31が列状に並んでなる発光素子列が複数、第2方向としての副走査方向に間隔をあけて配置されてなる発光部90の構成例を説明したが、各発光素子の配置はこれに限られない。
例えば、図3に示すような3つの素子群列91、92、93を有する構成に代えて、一つの素子群列、例えば91のみを有する発光部90の構成とすることができる。この構成の場合、主走査方向に隣り合う一方の発光素子群30の各発光素子31と他方の発光素子群30の各発光素子31とが主走査方向に沿って一定のピッチで並ぶように、各発光素子31が主走査方向に沿って千鳥配置される。この構成でも、一つの発光素子群30に対して、一つの光検出部51と一つのマイクロレンズ65が1対1に対応して設けられる。
また、一つの発光素子群30が複数の発光素子列(例えば、30a、30b)からなる構成に代えて、例えば複数の発光素子31が主走査方向に沿って一列に並んでなる一つの発光素子列(グループ)を一つの発光素子群30とする構成をとることもできる。発光素子群30と光検出部51とマイクロレンズ65とが相互に1対1に対応して設けられることは、上記と同様である。なお、第1方向を主走査方向、第2方向を副走査方向とした場合の例を説明したが、これに限られず、直交する2つの方向を第1方向と第2方向とすることができる、
さらに、光源基板、受光センサー、レンズアレイなどの各部材の寸法、形状、材料、発光素子の数等は上記に限られず、装置構成ごとに適した寸法、形状、材料、個数等が決められる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容を可能な限りそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明は、光書込装置及びこれを備える画像形成装置に広く適用することができる。
1 プリンター
11 ガラス基板
11a 基板面(第1主面)
11b 光出射面(第2主面)
11z 受光面上で入射光がオーバーラップする領域
30、301、302、303 発光素子群
30a、30b、30c、30d 発光素子列(発光素子のグループ)
31、31a、31b、31c、31d、31e、31f 発光素子
51 光検出部
51a、51b、51c、51d、51e、51f、51g 受光センサー
52a、52b、52e、52p、52z 受光面
55 光透過性部材
60 マイクロレンズアレイ
65、67 マイクロレンズ
81、81a、82、82a 一つ以上の発光素子列を含む発光素子のグループ
90 発光部
100Y、100M、100C、100K 光書込部
101Y、101M、101C、101K 感光体ドラム
132 補正部
150 光源制御部
Lb 副走査方向に隣り合う2つの発光素子群の副走査方向の間隔

Claims (11)

  1. 感光体に光書き込みを行う光書込装置であって、
    光透過性の基板と、
    前記基板の第1主面上に2個以上の発光素子からなる発光素子群が複数、配置されてなる発光部と、
    一の発光素子群に属する各発光素子から放射され、前記基板の中を通って前記基板の第2主面から出射された光を前記感光体に導くレンズが、発光素子群ごとに対応して設けられてなるレンズアレイと、
    前記基板の第2主面上において、前記発光素子群のそれぞれと1対1に対応して設けられた光検出部と、
    前記発光素子群ごとに、対応する前記光検出部が当該発光素子群の各発光素子から個別に発光された光を検出した結果に基づき、当該各発光素子の発光量を補正する補正部と、
    を備えることを特徴とする光書込装置。
  2. 前記光検出部のそれぞれは、第1と第2の受光センサーを有し、
    前記発光素子群のそれぞれは、第1方向に沿って複数の発光素子が並んでなる第1のグループと複数の発光素子が並んでなる第2のグループとが前記第1方向とは直交する第2方向に並ぶように配置されており、
    前記第1の受光センサーは、前記第1のグループに対応し、前記第2の受光センサーは、前記第2のグループに対応し、
    前記光検出部ごとに、前記第1と第2の受光センサーのそれぞれは、
    前記基板の第2主面において、前記第1と第2のグループのうち、対応する方のグループに属する全ての発光素子について、その発光素子から放射され、前記基板の中を通る光のうち、前記第2主面への入射角が臨界角よりも小さくなる光が到達する領域、かつ、対応しない方のグループに属する発光素子の全てについて、その発光素子から放射され、前記基板の中を通る光のうち、前記第2主面への入射角が臨界角を超える光だけが到達する領域に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光書込装置。
  3. 前記第1と第2のグループに属する複数の発光素子の数が等しいことを特徴とする請求項2に記載の光書込装置。
  4. 前記複数の発光素子群は、前記第2方向に隣り合う位置関係にある第1と第2の発光素子群を含み、
    前記複数の光検出部は、前記第1の発光素子群に対応する第1の光検出部と前記第2の発光素子群に対応する第2の光検出部を含み、
    前記第1の光検出部に含まれる第1と第2の受光センサーは、前記第1の発光素子群を挟んで前記第2方向の一方と他方の側に配置されており、
    前記第2の光検出部に含まれる第1と第2の受光センサーは、前記第2の発光素子群を挟んで前記第2方向の一方と他方の側に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の光書込装置。
  5. 前記第1の光検出部に含まれる第1と第2の受光センサーのうち、前記第2方向に前記第2の発光素子群に近い方の受光センサーが、前記第2の光検出部に含まれる第1と第2の受光センサーのうち、前記第2方向に前記第1の発光素子群に近い方の受光センサーを兼用することを特徴とする請求項4に記載の光書込装置。
  6. 前記第1の発光素子群に属する各発光素子から放射された光のうち、前記兼用される受光センサーの受光面に入射される光と、前記第2の発光素子群に属する各発光素子から放射された光のうち、前記兼用される受光センサーの受光面に入射される光とが、前記受光面上でオーバーラップする領域を有するように、前記第1と第2の発光素子群の前記第2方向における間隔が決められていることを特徴とする請求項5に記載の光書込装置。
  7. 前記兼用される受光センサーの受光面と前記基板の第2主面との間に介在する光透過性部材をさらに備え、
    空気、前記基板、前記光透過性部材の屈折率をn1、n2、n3としたとき、n1<n3<n2の関係を満たすことを特徴とする請求項5に記載の光書込装置。
  8. 前記複数の発光素子群は、前記第1方向に隣り合う位置関係にある第1と第2の発光素子群を含み、
    前記複数の光検出部は、前記第1の発光素子群に対応する第1の光検出部と前記第2の発光素子群に対応する第2の光検出部を含み、
    前記第1の光検出部に含まれる第1と第2の受光センサーは、前記第1の発光素子群を挟んで前記第2方向の一方と他方の側に配置されており、
    前記第2の光検出部に含まれる第1と第2の受光センサーは、前記第2の発光素子群を挟んで前記第2方向の一方と他方の側に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の光書込装置。
  9. 前記第1の光検出部に含まれる第1の受光センサーが前記第2の光検出部に含まれる第1の受光センサーを兼用し、
    前記第1の光検出部に含まれる第2の受光センサーが前記第2の光検出部に含まれる第2の受光センサーを兼用することを特徴とする請求項8に記載の光書込装置。
  10. 前記基板の第2主面上において、前記各光検出部は、対応する発光素子群に属する各発光素子から放射された光のうち、前記感光体に導かれる光の通過領域とは異なる領域に配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光書込装置。
  11. 光書込部から発せられた光により感光体に光書き込みを行って画像を形成する画像形成装置であって、
    前記光書込部として、請求項1〜10のいずれか1項に記載の光書込装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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