JP2009135058A - 発光装置、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高密度に形成された発光素子に対して容易に配置可能な光検出素子を有する発光装置、電子機器を提供すること。
【解決手段】発光装置は、基板10上に列をなすように形成された複数の発光素子2と、発光素子2と基板10との間の層に形成された光検出素子20とを備える。光検出素子20は、複数の発光素子2ごとに形成されている。光検出素子20は、p型半導体層22、有感領域24、n型半導体層26を有するpinダイオードを含んで構成され、このうち有感領域24は、平面視で各発光素子2に隣接し、かつ囲む領域に少なくとも形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明に係る一態様は、発光装置及び電子機器に関する。
プリンタやファックス等の画像形成装置の1つに、露光ヘッドとして発光装置を用いたものが知られている。この発光装置としては、例えば列をなすように配置された発光素子を有する有機EL(Electro Luminescence)装置を用いることができる。このような発光装置は、各発光素子からの光量が均一であることが好ましい。
特許文献1,2には、発光素子からの光を検出する光検出素子を発光装置に設け、光検出素子による検出結果に基づいて発光素子からの光の光量を所定の値に補正する技術が開示されている。このうち、特許文献1には、1つの発光素子に対し1つの光検出素子を設ける構成が記載されている。また、特許文献2には、複数の発光素子に対して1つの光検出素子を設け、かつ光検出素子を特定の位置に配置することで、少数の光検出素子により検出を行う構成が記載されている。
特開2007−290329号公報 特開2004−82330号公報
しかしながら、形成画像の解像度を高めることを目的の1つとして発光素子を高密度に配置する場合には、1つの発光素子に対し1つの光検出素子を設けることが困難であるという課題がある。また、光検出素子を特定の位置に配置することで、少数の光検出素子により検出を行う構成においては、発光素子と光検出素子との位置関係に制約が生じ、光検出素子の配置の自由度並びに発光装置の設計自由度が低下するという課題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]透光性を有する基板と、前記基板上に列をなすように形成され、少なくとも前記基板側に光を射出する複数の発光素子と、前記発光素子と前記基板との間の層に形成され、p型半導体層、有感領域、n型半導体層を有するpinダイオードを含んで構成された光検出素子と、を備え、前記光検出素子は、複数の前記発光素子ごとに形成されており、各前記光検出素子に含まれる前記有感領域は、平面視で当該光検出素子に対応する各前記発光素子に隣接する領域であって、かつ当該発光素子を囲む領域に少なくとも形成されている発光装置。
このような構成によれば、複数の発光素子に対して1つの光検出素子が形成されるため、発光素子を高密度に配置した場合にも容易に光検出素子を配置することができる。また、光検出素子の有感領域は、平面視で各発光素子に隣接しかつ囲む領域に少なくとも形成されるため、発光素子と光検出素子とを近接配置することができる。このため、光検出素子の配置のために別の領域を確保する必要がなく、発光装置の設計自由度を高めることができる。なお、「平面視」とは、基板の法線方向から見ることをいう。「有感領域」とは、不純物が導入されていない領域に限らず、受光感度を有する微量の不純物が導入されていてもよい。
[適用例2]上記発光装置であって、前記有感領域は、平面視で前記発光素子と重ならない領域にのみ形成されている発光装置。
このような構成によれば、発光素子から正面に射出された光は光検出素子によって吸収されないため、発光装置の発光効率の低下を抑えることができる。
[適用例3]上記発光装置であって、前記有感領域は、平面視で前記発光素子と重なる領域を含む領域に形成されている発光装置。
このような構成によれば、発光素子から正面に射出された光を光検出素子によって検出できるため、光検出素子の検出感度を高めることができる。
[適用例4]上記発光装置であって、前記有感領域は、前記発光素子ごとに独立して形成されている発光装置。
このような構成によれば、各光検出素子において複数の有感領域が独立して設けられることとなり、1つの光検出素子における各有感領域の幅の合計値を小さく抑えることができる。これにより、光検出素子の暗電流を低減させることが可能となり、光検出素子の検出感度を高めることができる。
[適用例5]上記発光装置であって、前記発光素子は、複数の列をなすように、かつ一の列と当該列に隣り合う他の列とで配置ピッチが半ピッチずれるように配置されており、前記有感領域は、異なる列に含まれる隣り合う前記発光素子同士の配列方向に沿った辺を有する矩形状に形成されている発光装置。
このような構成によれば、千鳥状に配置された発光素子に対して、光検出素子を高密度に配置することができる。
[適用例6]上記発光装置であって、前記基板と前記発光素子との間に形成された、前記発光素子を駆動する薄膜トランジスタ素子を有し、前記光検出素子は、前記薄膜トランジスタ素子の能動素子と同一の層に形成されている発光装置。
このような構成によれば、発光素子を駆動する薄膜トランジスタ素子と光検出素子とを共通のプロセスによって製造することができる。これにより、発光装置の製造プロセスを簡略化することができる。
[適用例7]上記発光装置であって、前記光検出素子の暗電流は、各前記光検出素子に対応する前記発光素子のいずれかを発光させた際に前記光検出素子に流れる電流より小さい発光装置。
このようにすれば、各光検出素子が対応する複数の発光素子の1つが発光した際に、当該発光素子からの光を検出可能な感度を有する光検出素子を構成することができる。
[適用例8]上記発光装置を備える電子機器。
このような構成によれば、高品位な発光特性を有する発光装置を用いた高品位な画像形成や画像表示等を行うことができる。
以下、図面を参照し、発光装置及び電子機器の実施形態について説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
(第1の実施形態)
図1は、発光装置としての有機EL装置1の平面図である。有機EL装置1は、透光性を有する基板10を基体として構成されている。有機EL装置1は、基板10上に列をなすように形成された複数の発光素子2を有している。各発光素子2は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下TFTと略す)素子30(図3(b))のドレインに電気的に接続されており、TFT素子30を介して流れる電流の大きさに応じた光量の発光を行う。TFT素子30のゲートには、第1容量素子(不図示)が電気的に接続されている。
また、基板10上には、複数の発光素子2ごとに光検出素子20が形成されている。本実施形態では、2つの発光素子2に対して1つの光検出素子20が形成されている。光検出素子20は、p型半導体層22、有感領域24、n型半導体層26を有するpinダイオードを含んで構成される(図3)。また、光検出素子20は、pinダイオードに電気的に接続された第2容量素子(不図示)を有している。
図2は、有機EL装置1の回路構成を示すブロック図である。有機EL装置1は、上述の発光素子2を備えた基板10、光検出素子入力部12、発光素子2を駆動するドライバ14、有機EL装置1の全体の動作制御を行うCPU16、有機EL装置1の動作プログラムや各種データ等を格納するROM18、RAM19を備えている。このうち光検出素子入力部12は、配線11を介して光検出素子20に電気的に接続され、光検出素子20からの検出信号が入力される。ドライバ14は、配線13を介して発光素子2に電気的に接続されている。
上記構成の有機EL装置1は、以下のような光量制御動作を行うことができる。なお、本動作は、CPU16の指示によりROM18にあらかじめ格納されたプログラムに基づいて実行されるものである。
まず、第1の工程では、1つの発光素子2の発光が行われる。この工程は、ドライバ14の動作により、発光素子2の1つに対し、TFT素子30(図3(b))を介して所定の電流を流すことによって行われる。発光素子2は、流れる電流の大きさに応じた輝度で発光する。TFT素子30に流れる電流は、TFT素子30のゲートに接続された第1容量素子の端子の電位によって制御される。換言すれば、TFT素子30に流れる電流は、第1容量素子に蓄積された電荷の量によって制御される。
続く第2の工程では、第1の工程において発光した発光素子2に対応して設けられた光検出素子20により光量の検出が行われる。より詳しくは、まず、光検出素子20のpinダイオードのうち有感領域24(図3)において、入射された光によって電子−正孔ペアが生成される。これにより、有感領域24の電気伝導度が変化し、その変化に応じて、pinダイオードに接続された第2静電素子に蓄えられた電荷が、pinダイオードを通して放電する。その後、第2容量素子を再充電する。この際に第2容量素子に流れ込む電流を光検出素子入力部12によって検出する。この際の検出信号の大きさにより、発光素子2の発光量を知ることができる。
続く第3の工程では、光検出素子入力部12による検出結果と、予め測定された、発光素子2を所定の光量で発光させた際の検出信号の値に応じて、発光素子2の第1容量素子に書き込む電圧を補正する。これにより、発光素子2からの光の光量を所定の値に制御することができる。
上記第1の工程から第3の工程を、すべての発光素子2に対して順次行うことで、各発光素子2の発光量を均一にすることができる。
続いて、図3を用いて、発光素子2及び光検出素子20の詳細な構成について説明する。図3(a)は、発光素子2及び光検出素子20の平面図、図3(b)は、(a)中のA−A線における断面図である。
図3(a)に示すように、発光素子2は平面視で円形の領域に形成されており、その外縁2aは円形である。光検出素子20は、平面視で2つの発光素子2を囲む領域に形成されている。より詳しくは、光検出素子20は、p型半導体層22、有感領域24、n型半導体層26を有するpinダイオードを含んで構成される。本実施形態では、有感領域24は、平面視で各発光素子2に隣接し、かつ各発光素子2を囲む領域に少なくとも形成されており、かつ発光素子2と重ならない領域にのみ形成されている。すなわち、有感領域24は、発光素子2と重なる位置に開口部を有して、発光素子2を囲むように形成されている。p型半導体層22及びn型半導体層26は、平面視で発光素子2と重ならない領域に形成されている。n型半導体層26は、p型半導体層22とは発光素子2を挟んで反対側に形成されている。
次に、図3(b)を用いて発光素子2及び光検出素子20の断面構造について説明する。ガラス基板又は石英基板等からなる透光性を有する基板10の上には、TFT素子30の能動素子28、光検出素子20のp型半導体層22、有感領域24、n型半導体層26が形成されている。基板10上に形成されたこれらの要素を、以下ではまとめて「第1層」とも呼ぶ。第1層の各要素は、例えばポリシリコンを用いて構成することができ、必要に応じて不純物がドープされて形成される。このような構成によれば、TFT素子30及び光検出素子20の半導体層を共通のプロセスによって製造することができる。これにより、有機EL装置1の製造プロセスを簡略化することができる。
第1層の上には、酸化シリコン等からなるゲート絶縁層51を挟んでゲート線29が積層されている。ゲート線29は、能動素子28に一部が平面視で重なるように形成されている。能動素子28のうちゲート線29と対向する領域が、TFT素子30のチャネル領域となる。
ゲート線29の上には、酸化シリコン等からなる層間絶縁層52を挟んで中継電極55,56,57,58が形成されている。中継電極55,56,57,58は、例えばアルミニウムから構成される。中継電極55は、ゲート絶縁層51、層間絶縁層52を貫通して設けられたコンタクトホール31を介してn型半導体層26に電気的に接続されている。中継電極56は、ゲート絶縁層51、層間絶縁層52を貫通して設けられたコンタクトホール32を介してp型半導体層22に電気的に接続されている。中継電極55,56は、上述した第2容量素子の両極にそれぞれ接続されている。中継電極55,56は、光検出素子20の端子を構成し、配線と接続されている。中継電極55,56と、p型半導体層22、有感領域24、n型半導体層26とで光検出素子20が構成される。コンタクトホール31,32は、平面視で発光素子2と重ならない領域に設けられている。
中継電極57は、ゲート絶縁層51、層間絶縁層52を貫通して設けられたコンタクトホール33を介してTFT素子30のドレインに電気的に接続されている。中継電極58は、ゲート絶縁層51、層間絶縁層52を貫通して設けられたコンタクトホール34を介してTFT素子30のソースに電気的に接続されている。
中継電極55,56,57,58上には、酸化シリコン等からなる層間絶縁層53を挟んで、発光素子2の陽極としての画素電極40が積層されている。画素電極40は、発光素子2ごとに独立して形成されており、例えば透光性を有するITO(Indium Tin Oxide)から構成される。画素電極40は、層間絶縁層53に設けられたコンタクトホール35を介して中継電極57に電気的に接続されている。
画素電極40の上には、酸化シリコンからなる発光制御層42が形成されている。発光制御層42上には、基板10上の略全面にわたって発光層44が積層されている。発光層44の上には、基板10上の略全面にわたって陰極46が形成されている。陰極46は、例えばカルシウム、アルミニウムをこの順に積層して形成されている。陰極46は、反射層の機能を兼ね備えている。
発光制御層42は、発光素子2と平面視で重なる領域に開口が設けられた状態で形成される。発光制御層42は絶縁層であり、平面視で発光制御層42が設けられた領域では画素電極40と陰極46との間に生じる電界が遮断され、基本的には発光層44に電流が流れないため発光層44が発光しない。換言すれば、発光制御層42が設けられていない領域においてのみ発光層44による発光が行われる。したがって、発光制御層42の開口部が発光素子2の外形を規定し、発光制御層42の開口部の縁が発光素子2の外縁2aとなる。
発光層44は、エレクトロルミネッセンス現象を発現する有機発光物質の層である。画素電極40と陰極46との間に電圧を印加することによって、発光層44には、画素電極40側から正孔が、また、陰極46側から電子がそれぞれ注入される。発光層44は、これらが結合したときに光を発する。発光層44からの発光スペクトルは、材料の発光特性や膜厚に依存する。発光層44には、正孔輸送層、正孔注入層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、電子ブロック層等を含ませてもよい。
発光層44から基板10側に射出された光は、そのまま基板10を透過する。また、発光層44から陰極46側に射出された光は、陰極46によって反射された後に基板10側へ進行し、同じく基板10を透過する。このように、基板10側に光を射出する構成の有機EL装置1は、ボトムエミッション型と呼ばれる。
本明細書では、発光素子2を以下のように定義する。すなわち、発光素子2は、画素電極40と、陰極46と、画素電極40及び陰極46の間に配置された発光層44と、を含んで構成され、発光制御層42によって囲まれた領域が平面視での領域となる素子である。したがって、上記第1層のp型半導体層22、有感領域24、n型半導体層26を含んで構成される光検出素子20は、発光素子2と基板10との間の層に形成されている。
以上の構成において、発光素子2が発光すると、発光素子2から基板10側へ向けて、種々の方向の光が射出され、その一部は光検出素子20の有感領域24に達する。よって、光検出素子20は、発光素子2からの光を検出することができる。ここで、1つの光検出素子20に対応する2つの発光素子2のいずれが発光した場合であっても、これらの発光素子2を囲む領域に有感領域24が配置されているため、当該光検出素子20によって光量を検出することができる。
また、光検出素子20は、当該光検出素子20の暗電流(有感領域24に光が照射されていない場合に光検出素子20に流れる電流)が、各光検出素子20に対応する発光素子2のいずれかを発光させた際に光検出素子20に流れる電流より小さくなるように構成されている。このようにすれば、各光検出素子20が対応する複数の発光素子の1つが発光した際に、当該発光素子2からの光を検出可能な感度を有する光検出素子20を構成することができる。図4(b)は、図4(a)に示す光検出素子20の幅Wと、暗電流との関係を示すグラフである。このように、暗電流は、幅W(より詳しくは、p型半導体層22とn型半導体層26とが対向する方向に対して直交する方向についての有感領域24の幅)に略比例して大きくなる。このため、1つの発光素子2を発光させた際の検出電流が、暗電流より小さくならないように、光検出素子20の幅Wが決められている。換言すれば、暗電流が、1つの発光素子2を発光させた際の検出電流を上回らない範囲で光検出素子20の幅Wを大きくすることができる。幅Wを可能な限り大きくすることで、1つの光検出素子20に対してより多くの発光素子2を対応させることができ、光検出素子20の数を低減させることができる。光検出素子20がポリシリコンを用いて形成されている場合には、比較的暗電流が生じやすいため、上記の点に留意して構成することが好ましい。
以上に説明した構成によれば、複数の発光素子2に対して1つの光検出素子20を形成すればよいため、発光素子2を高密度に配置した場合であっても容易に光検出素子20を配置することができる。また、光検出素子20の有感領域24は、平面視で各発光素子2を囲む領域に少なくとも形成されるため、発光素子2と光検出素子20とを近接配置することができる。このため、光検出素子20の配置のために別の領域を確保する必要がなく、有機EL装置1の設計自由度を高めることができる。
ここで、有感領域24は、その厚さに応じた遮光性を有しており、遮光層としても機能する。このような有感領域24が、平面視で発光素子2の外縁2aに沿って配置され、発光素子2の中央部には配置されていないことにより、発光素子2の中央から射出された光は有感領域24によって吸収されずに有効利用される。このため、有機EL装置1から取り出される光の光量が減少する不具合を抑制することができ、発光素子2を必要以上の高出力で駆動しなくてもよいため、有機EL装置1を長寿命化させることができる。
また、光吸収性を有する有感領域24が、平面視で発光素子2の外縁2aに沿った領域に少なくとも配置されていることにより、有感領域24に吸収されずに通過する光の形状を、発光素子2の形状と略同様の形状に保つことができる。また、有機EL装置1は、光を外部に取り出して実際に使用される発光素子2の他に検出用のダミー発光素子を持たないため、発光素子2の配列の対称性を保つことができる。また、実使用上不要なダミー発光素子のための消費電力を削減することができ、ダミー発光素子から外部への光漏れを防止するための遮光層が不要となる。
なお、有機EL装置1は、発光素子2から少なくとも基板10側(すなわち光検出素子20側)に光を射出する構成であればよく、例えば基板10とは反対側に向けて光を射出するトップエミッション型としてもよい。この場合は、陰極46は、例えば、MgAgの薄膜から構成して光透過性をもたせ、画素電極40の下層側に、アルミニウム等からなる光反射層を形成すればよい。その際には、発光素子2からの光の一部を光検出素子20に入射させるために、光反射層の一部に開口を設けることが好ましい。
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、光検出素子20のうち有感領域24の形成領域が第1の実施形態と異なり、その他の構成、及びその構成による効果は第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態との差異を中心に説明する。
図5は、第2の実施形態に係る発光素子2及び光検出素子20を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中のB−B線における断面図である。図5(a)に示すように、本実施形態では、光検出素子20の有感領域24は、平面視で発光素子2と重なる領域を含む領域に形成されている。有感領域24を数十nm程度の厚さに形成することで、発光素子2からの光の一部を吸収して検出し、残りを基板10側に透過させることができる。このような構成によれば、発光素子2から正面に射出された光を光検出素子20によって検出できるため、光検出素子20の検出感度を高めることができる。
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、発光素子2及び光検出素子20の配置が第1の実施形態と異なり、その他の構成、及びその構成による効果は第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態との差異を中心に説明する。
図6は、第3の実施形態に係る発光素子2及び光検出素子20を示す平面図である。本実施形態では、発光素子2は、2つの列をなすように、かつ一方の列と、これに隣り合う他方の列とで配置ピッチが半ピッチずれるように配置されている。すなわち、発光素子2は、千鳥上に配置されている。このような配置によれば、発光素子2の列に沿った方向についての解像度を向上させることができる。
ここで、有感領域24は矩形状に形成されており、当該矩形は、異なる列に含まれる隣り合う発光素子2同士(例えば図6中の符号Cで示した一組の発光素子2)の配列方向に沿った辺を有している。このような構成によれば、千鳥状に配置された発光素子2に対して、光検出素子20を高密度に配置することができる。
なお、上記は、発光素子2が2つの列をなす構成であるが、これに代えて、発光素子2が3つ以上の列をなすような構成としてもよい。また、本実施形態は、第2の実施形態と組み合わせて実施することができる。
(第4の実施形態)
続いて、第4の実施形態について説明する。本実施形態は、光検出素子20の構成の一部が第1の実施形態と異なり、その他の構成、及びその構成による効果は第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態との差異を中心に説明する。
図7は、第4の実施形態に係る発光素子2及び光検出素子20を示す平面図である。本実施形態では、3つの発光素子2に対して1つの光検出素子20が設けられている。そして、光検出素子20の有感領域24は、発光素子2ごとに独立して形成されている。各有感領域24は、円形の発光素子2の周囲に沿った円環状の部分と、当該円環状の部分とp型半導体層22及びn型半導体層26とを結ぶ連結部分とを有している。連結部分の幅は、発光素子2の直径より小さくなっている。
このような構成によれば、p型半導体層22とn型半導体層26との間に一繋がりに有感領域を形成した場合と比較して、各光検出素子20における、有感領域24の連結部分の幅(より詳しくは、p型半導体層22とn型半導体層26とが対向する方向に対して直交する方向についての有感領域24の連結部分の幅)の合計値を小さく抑えることができる。当該合計値を小さく抑えることで、光検出素子20の暗電流を低減させることが可能となり、光検出素子20の検出感度を高めることができる。
なお、本実施形態は、第2の実施形態、第3の実施形態のいずれとも組み合わせて実施することができる。
(第5の実施形態)
続いて、第5の実施形態について説明する。本実施形態は、発光素子2及び光検出素子20の配置が第1の実施形態と異なり、その他の構成、及びその構成による効果は第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態との差異を中心に説明する。
図8は、第5の実施形態に係る有機EL装置1を示す図であり、(a)は有機EL装置1の平面図、(b),(c)は有機EL装置1の一部を拡大して示す平面図である。図8(a)に示すように、本実施形態の有機EL装置1は、基板10上に千鳥状にマイクロレンズアレイ60を配置した状態で、このマイクロレンズアレイ60で各発光素子2から射出された光を集光させて用いる構成となっている。発光素子2は、各マイクロレンズアレイ60の配置位置ごとに複数の発光素子2からなる発光素子群を構成するように配置される。各発光素子群に含まれる発光素子2は、例えば千鳥状に配置される。同一の発光素子群に含まれる発光素子2は、同一のマイクロレンズアレイ60により集光される。本実施形態では、1つの発光素子群につき1つの光検出素子20が配置される。
図8(b)は、1つの発光素子群の近傍領域を拡大して示す平面図である。発光素子群を形成する、千鳥状に配置された発光素子2の周りには、これらの発光素子2を囲うように、光検出素子20の有感領域24が環状に形成されている。有感領域24に隣接する領域には、p型半導体層22及びn型半導体層26が、互いに発光素子群を挟んで反対側に位置するように形成されている。
このような構成によれば、発光素子群に含まれるどの発光素子2が発光した場合であっても、その光の一部が環状に配置された有感領域24に入射するため、同一の光検出素子20によって光量を検出することができる。
なお、光検出素子20の有感領域24は、図8(c)に示すように、平面視で発光素子2と重なる領域を含む領域に形成してもよい。このような構成によれば、発光素子2から正面に射出された光を光検出素子20によって検出できるため、光検出素子20の検出感度を高めることができる。
(電子機器への搭載例)
有機EL装置1は、電子機器に搭載する際には、例えば図9の斜視図に示すように、光書き込みヘッドモジュール101Kに組み込んで用いることができる。光書き込みヘッドモジュール101Kは、円柱状の感光体ドラム71Kと平行に、これと対向した状態で用いられる。光書き込みヘッドモジュール101Kは、感光体ドラム71Kと平行な方向に配設された箱体21と、箱体21と感光体ドラム71Kとの間に位置するように箱体21に取り付けられた光学部材23とを備えている。箱体21は、感光体ドラム71K側に開口部を有しており、その開口部に向かって光が射出されるように有機EL装置1が固定されている。光学部材23は、内部にセルフォック(登録商標)レンズアレイを備えており、有機EL装置1の発光素子2から射出され、一端に入射した光を、他端側から射出して感光体ドラム71Kの表面で集光、照射(描画)する。
有機EL装置1およびこれが組み込まれた光書き込みヘッドモジュール101Kは、例えば、図10に示す電子機器としての画像形成装置80に用いられる。図10は、画像形成装置80の構造を示す断面図である。
画像形成装置80は、有機EL装置1が組み込まれた光書き込みヘッドモジュール101K,101C,101M,101Yを備えており、これらに対応して4個の感光体ドラム(像担持体)71K,71C,71M,71Yが配置されたタンデム方式として構成されたものである。
この画像形成装置80は、駆動ローラ91と従動ローラ92とテンションローラ93とを備え、これら各ローラに中間転写ベルト90を、図10中矢印方向(反時計方向)に循環駆動するよう張架したものである。この中間転写ベルト90に対して、感光体ドラム71K,71C,71M,71Yが所定間隔で配置されている。これら感光体ドラム71K,71C,71M,71Yは、その外周面が像担持体としての感光層となっている。
ここで、上記符号中のK、C、M、Yは、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示している。なお、これら符号(K、C、M、Y)の意味は、他の部材についても同様である。感光体ドラム71K,71C,71M,71Yは、中間転写ベルト90の駆動と同期して、図10中矢印方向(時計方向)に回転駆動するようになっている。
各感光体ドラム71(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体ドラム71(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)72(K、C、M、Y)と、この帯電手段72(K、C、M、Y)によって一様に帯電させられた外周面を感光体ドラム71(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する光書き込みヘッドモジュール101(K、C、M、Y)とが設けられている。
また、光書き込みヘッドモジュール101(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置74(K、C、M、Y)と、現像装置74(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト90に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ75(K、C、M、Y)とが設けられている。また、転写された後に感光体ドラム71(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置76(K、C、M、Y)が設けられている。
各光書き込みヘッドモジュール101(K、C、M、Y)は、各有機EL装置のアレイ方向(発光素子2の整列方向)が感光体ドラム71(K、C、M、Y)の回転軸に平行となるように設置されている。そして、各光書き込みヘッドモジュール101(K、C、M、Y)の主発光波長と、感光体ドラム71(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とが略一致するように設定されている。
現像装置74(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いる。そして、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体ドラム71(K、C、M、Y)に接触させあるいは押圧せしめることにより、感光体ドラム71(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させ、トナー像として現像するものである。
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ75(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスによって中間転写ベルト90上に順次一次転写される。そして、中間転写ベルト90上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ66において用紙等の記録媒体Pに二次転写され、さらに定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着される。その後、排紙ローラ対62によって装置上部に形成された排紙トレイ68上に排出される。
なお、図10中の符号63は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、65は二次転写ローラ66の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対、66は中間転写ベルト90との間で二次転写部を形成する二次転写手段としての二次転写ローラ、67は二次転写後に中間転写ベルト90の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
この画像形成装置80は、有機EL装置1を有する光書き込みヘッドモジュール101(K、C、M、Y)が露光手段として備えられている。このため、画像形成装置80は、感光体ドラム71K上でボケのない高解像度の描画を行うことが可能であり、高画質の印刷を行うことができる。また、有機EL装置1の発光光量を光検出素子20等によって均等に調整することが可能なため、高品位な画像を形成することができる。
なお、上記有機EL装置1は、電子機器としての携帯電話機、モバイルコンピュータ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器等の表示部に、表示装置として搭載して用いることもできる。
有機EL装置の平面図。 有機EL装置の回路構成を示すブロック図。 (a)は、発光素子及び光検出素子の平面図、(b)は、(a)中のA−A線における断面図。 (a)は、暗電流の説明のための光検出素子の平面図、(b)は、光検出素子の幅と暗電流との関係を示すグラフ。 第2の実施形態に係る発光素子及び光検出素子を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中のB−B線における断面図。 第3の実施形態に係る発光素子及び光検出素子を示す平面図。 第4の実施形態に係る発光素子及び光検出素子を示す平面図。 第5の実施形態に係る有機EL装置を示す図であり、(a)は有機EL装置の平面図、(b),(c)は有機EL装置の一部を拡大して示す平面図。 光書き込みヘッドモジュールの斜視図。 電子機器としての画像形成装置の断面図。
符号の説明
1…発光装置としての有機EL装置、2…発光素子、2a…外縁、10…基板、20…光検出素子、22…p型半導体層、24…有感領域、26…n型半導体層、28…能動素子、29…ゲート線、30…TFT素子、31〜34…コンタクトホール、40…画素電極、42…発光制御層、44…発光層、46…陰極、51…ゲート絶縁層、52,53…層間絶縁層、55,56,57,58…中継電極、60…マイクロレンズアレイ、71…感光体ドラム、80…電子機器としての画像形成装置、101…光書き込みヘッドモジュール。

Claims (8)

  1. 透光性を有する基板と、
    前記基板上に列をなすように形成され、少なくとも前記基板側に光を射出する複数の発光素子と、
    前記発光素子と前記基板との間の層に形成され、p型半導体層、有感領域、n型半導体層を有するpinダイオードを含んで構成された光検出素子と、を備え、
    前記光検出素子は、複数の前記発光素子ごとに形成されており、
    各前記光検出素子に含まれる前記有感領域は、平面視で当該光検出素子に対応する各前記発光素子に隣接する領域であって、かつ当該発光素子を囲む領域に少なくとも形成されていることを特徴とする発光装置。
  2. 請求項1に記載の発光装置であって、
    前記有感領域は、平面視で前記発光素子と重ならない領域にのみ形成されていることを特徴とする発光装置。
  3. 請求項1に記載の発光装置であって、
    前記有感領域は、平面視で前記発光素子と重なる領域を含む領域に形成されていることを特徴とする発光装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の発光装置であって、
    前記有感領域は、前記発光素子ごとに独立して形成されていることを特徴とする発光装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の発光装置であって、
    前記発光素子は、複数の列をなすように、かつ一の列と当該列に隣り合う他の列とで配置ピッチが半ピッチずれるように配置されており、
    前記有感領域は、異なる列に含まれる隣り合う前記発光素子同士の配列方向に沿った辺を有する矩形状に形成されていることを特徴とする発光装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の発光装置であって、
    前記基板と前記発光素子との間に形成された、前記発光素子を駆動する薄膜トランジスタ素子を有し、
    前記光検出素子は、前記薄膜トランジスタ素子の能動素子と同一の層に形成されていることを特徴とする発光装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の発光装置であって、
    前記光検出素子の暗電流は、各前記光検出素子に対応する前記発光素子のいずれかを発光させた際に前記光検出素子に流れる電流より小さいことを特徴とする発光装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の発光装置を備えることを特徴とする電子機器。
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