JP2019155147A - スリットランプ顕微鏡を含む眼科システム - Google Patents

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【課題】スリットランプ顕微鏡の操作性の向上を図る。【解決手段】実施形態の眼科システムのスリットランプ顕微鏡は、照明系や観察系、それらの移動に関する動作モード情報を予め記憶する。スリットランプ顕微鏡は、患者識別情報とデータ送信要求とを電子カルテシステムに送信する。電子カルテシステムは、患者識別情報に基づき電子カルテを検索して動作モード種別をスリットランプ顕微鏡に送信する。スリットランプ顕微鏡は、電子カルテシステムからの動作モード種別を受信し、それに対応する動作モードを指定する。更に、スリットランプ顕微鏡は、指定された動作モードに関連付けられた動作内容を動作モード情報から特定し、照明系や観察系、それらの移動に関する制御を行う。【選択図】図7

Description

この発明はスリットランプ顕微鏡を含む眼科システムに関する。
スリットランプ顕微鏡は、被検眼の様々な部位を様々な態様で観察するために用いられる。典型的な観察部位として、眼瞼、角膜、結膜、強膜、虹彩、隅角、水晶体、硝子体、網膜などがある。また、観察部位や目的に応じて、様々な条件が設定される。典型的な観察条件として、照明光の光量(強度)や波長やパターン、照明角度、フォーカス位置、観察角度、フィルタなどがある。
特開2001−37726号公報
従来のスリットランプ顕微鏡では、被検眼ごとに、更には観察部位や目的ごとに、手動で観察条件を設定していた。また、スリットランプ顕微鏡は、眼科医の聴診器とも呼ばれるように、診療において非常に頻繁に使用される。したがって、様々な観察条件の設定を手動でかつ頻繁に行っているのが現状である。
この発明の目的は、スリットランプ顕微鏡の操作性の向上を図ることにある。
実施形態は、スリットランプ顕微鏡と電子カルテシステムとを含む眼科システムであって、前記スリットランプ顕微鏡は、被検眼をスリット光で照明する照明系と、前記被検眼からのスリット光の戻り光を接眼レンズ及び/又は撮像装置に導く観察系と、前記照明系を移動するための照明移動機構と、前記観察系を移動するための観察移動機構と、1以上の動作モードのそれぞれに対して前記照明系、前記観察系、前記照明移動機構及び前記観察移動機構の少なくとも1つの動作内容が関連付けられた動作モード情報を予め記憶する記憶部と、動作モードを指定するための指定部と、指定された動作モードに関連付けられた動作内容を前記動作モード情報を参照して特定し、特定された動作内容に基づいて前記照明系、前記観察系、前記照明移動機構及び前記観察移動機構の少なくとも1つを制御する制御部と、患者識別情報とデータ送信要求とを前記電子カルテシステムに送信する通信部とを備え、前記電子カルテシステムは、前記患者識別情報に基づいて電子カルテを検索し、検索された前記電子カルテに記録されている1以上の動作モード種別を前記スリットランプ顕微鏡に送信し、前記スリットランプ顕微鏡の前記通信部は、前記電子カルテシステムから送信された前記1以上の動作モード種別を受信し、前記指定部は、受信された前記1以上の動作モード種別のいずれかに対応する動作モードを指定する。
この発明によれば、スリットランプ顕微鏡の操作性を向上させることができる。
実施形態に係るスリットランプ顕微鏡の構成の例を表す概略図である。 実施形態に係るスリットランプ顕微鏡の構成の例を表す概略図である。 実施形態に係るスリットランプ顕微鏡の構成の例を表す概略図である。 実施形態に係るスリットランプ顕微鏡の構成の例を表す概略図である。 実施形態に係るスリットランプ顕微鏡の動作の例を表すフローチャートである。 実施形態に係るスリットランプ顕微鏡の動作の例を表すフローチャートである。 実施形態に係るスリットランプ顕微鏡の構成の例を表す概略図である。 実施形態に係るスリットランプ顕微鏡の構成の例を表す概略図である。
実施形態に係るスリットランプ顕微鏡及びその制御方法の例を、図面を参照しながら説明する。なお、この明細書において引用された文献を含む公知の技術を、以下の実施形態に適用することが可能である。
最初に方向を定義しておく。装置光学系において最も被検者側に位置するレンズ(対物レンズ)から被検者に向かう方向を前方向とし、その逆方向を後方向とする。また、前方向に直交する水平方向を左右方向をとする。更に、前後方向と左右方向の双方に直交する方向を上下方向とする。
〈第1の実施形態〉
[構成]
この実施形態に係るスリットランプ顕微鏡の外観構成の例を図1に示す。スリットランプ顕微鏡1にはコンピュータ100が接続されている。コンピュータ100は、各種の制御処理や演算処理や解析処理を行う。なお、コンピュータ100の機能の少なくとも一部を顕微鏡本体に設けられたコンピュータが実行するように構成できる。
スリットランプ顕微鏡1はテーブル2上に載置される。基台4は、移動機構部3を介して3次元的に移動可能である。水平方向(前後方向及び左右方向)への基台4の移動は、操作ハンドル5を傾倒操作することにより、又はアクチュエータを介して行われる。また、基台4の上下方向への移動は、操作ハンドル5を回転させることにより、又はアクチュエータを介して行われる。アクチュエータは移動機構部3に設けられる。
基台4の上面には支持部15が設けられている。支持部15には、観察系6を支持する支持アーム16が左右方向に回動可能に取り付けられている。支持アーム16の上部には、照明系8を支持する支持アーム17が左右方向に回動可能に取り付けられている。支持アーム16、17は、それぞれ独立に同軸で回動可能に構成されている。支持アーム16の回動は、手動で又はアクチュエータを介して行われる。それにより観察系6が回動される。同様に、支持アーム17の回動は、手動で又はアクチュエータを介して行われる。それにより照明系8が回動される。また、観察系6を上下方向に回動させるための機構(アクチュエータを含んでよい)と、照明系8を上下方向に回動させるための機構(アクチュエータを含んでよい)とが設けられていてもよい。
照明系8は、被検眼Eに照明光を照射する。照明系8を移動させることにより、被検眼Eに対する照明光の照射方向(照明角度)が変更される。観察系6は、被検眼Eからの照明光の戻り光を案内する左右一対の光学系を有する。これら光学系は鏡筒本体9内に収納されている。検者は接眼部9aを介して被検眼Eを観察する。また、観察系6を介して被検眼Eを撮影することができる。鏡筒本体9(観察系6)を移動させることにより、被検眼Eを観察する方向(観察角度)が変更される。なお、照明光の戻り光には、たとえば、反射光、散乱光及び蛍光の少なくともいずれかが含まれる。
鏡筒本体9に対峙する位置には顎受け台10が設けられている。顎受け台10には、被検者の顔を安定配置させるための顎受部10aと額当て10bとが設けられている。
鏡筒本体9の側面には、観察倍率を手動で変更するための観察倍率操作ノブ11が配置されている。鏡筒本体9には、被検眼Eを撮影するための撮像装置13が接続されている。撮像装置13は、光を検出して電気信号(画像信号)を出力する光電変換素子(撮像素子)を含む。画像信号はコンピュータ100に入力される。撮像素子は、たとえばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサである。照明系8の下方位置には、照明系8から出力される照明光束を被検眼Eに向けて反射するミラー12が配置されている。
[光学系]
スリットランプ顕微鏡1の光学系の例を、図2を参照しながら説明する。前述のように、光学系には観察系6と照明系8とが含まれる。
〔観察系〕
観察系6は左右一対の光学系を含む。左右の光学系は(ほぼ)同様の構成を有する。左右の光学系により被検眼Eの双眼観察やステレオ撮影が可能である。図2には、左右の光学系の一方のみが示されている。符号O1は観察系6(左右の光学系の一方)の光軸(観察光軸)を示す。
左右の光学系のそれぞれは、対物レンズ31、変倍光学系32、絞り33、リレーレンズ35、プリズム部36及び接眼レンズ37を含む。ビームスプリッタ34は、左右の光学系の一方又は双方に設けられる。接眼レンズ37は接眼部9a内に設けられている。符号Pは、接眼レンズ37に導かれる光の結像位置を示している。符号Ecは被検眼Eの角膜を、符号Epは虹彩を、符号Efは眼底をそれぞれ示している。符号Eoは検者眼を示している。
対物レンズ31は、左右の光学系に共通でもよいし(たとえばガリレオ式光学系の場合)、別々でもよい(たとえばグリノー式光学系の場合)。フォーカシングのために、対物レンズ31は観察光軸O1に沿って移動可能であってよい。また、観察光軸O1に沿って配列された2以上の対物レンズが設けられていてもよい。この場合、フォーカシングのために、2以上の対物レンズの少なくとも一部が観察光軸O1に沿って移動可能であってよい。
変倍光学系32は、複数(たとえば2枚)の変倍レンズ32a、32bを含んで構成される。変倍光学系32に含まれる複数のレンズの少なくとも一部は観察光軸O1に沿って移動可能である。それにより、被検眼Eの観察画像や撮影画像の倍率(画角)を変更できる。倍率の変更は、観察倍率操作ノブ11を操作することにより、又はアクチュエータを介して行われる。変倍光学系32は、観察系6の光路(観察光路)に選択的に配置可能な複数の変倍レンズ(群)を含んでいてよい。
ビームスプリッタ34は観察光路を分岐させる。ビームスプリッタ34を透過した光は、リレーレンズ35、プリズム部36及び接眼レンズ37を介して検者眼Eoに導かれる。一方、ビームスプリッタ34により反射された光は、リレーレンズ41及びミラー42を通じて、撮像装置13の撮像素子43に導かれる。撮像素子43は、この光を検出して画像信号を生成する。
プリズム部36は、2つの光学素子36a、36bを含み、光の進行方向を上方に平行移動させる。また、左右のプリズム部36は、検者の左右眼の間隔に合わせて左右方向に移動可能である。更に、左右のプリズム部36は、左右の接眼レンズ37に向かう一対の光路の間の角度を変更可能であってよい。それにより、双眼での立体観察のための輻輳角度(視差)が変更される。輻輳角度を変更するときには、左のプリズム部36と左の接眼レンズ37とが一体的に移動し、かつ、右のプリズム部36と右の接眼レンズ37とが一体的に移動する。つまり、輻輳角度を変更するときには、左の接眼部9aと右の接眼部9aとが相対的に移動する。
〔照明系〕
照明系8は、光源51、リレーレンズ52、照明絞り53、集光レンズ54、スリット形成部55及び集光レンズ56を含む。符号O2は、照明系8の光軸(照明光軸)を示す。
光源51は照明光を出力する。光源51は複数の光源を含んでもよい。光源51は、定常光を出力する光源(ハロゲンランプ、LED等)と、フラッシュ光を出力する光源(キセノンランプ、LED等)の少なくともいずれかを含んでよい。また、光源51は、角膜観察用の光源と眼底観察用の光源の少なくともいずれかを含んでよい。また、光源51は、出力波長が異なる2以上の光源を含んでよく、或いは、出力波長が可変な光源を含んでよい。
照明絞り53は、その透光部のサイズを変更可能に構成されている。照明絞り53は、角膜Ecや水晶体による照明光の反射を低減させたり、照明光の明るさを調整したりするために用いられる。
スリット形成部55は、たとえば一対のスリット刃を有する。これらスリット刃の間の空間がスリットである。これらスリット刃の間隔を変更することによりスリットの幅が変更される。スリットの長さ(スリット幅に直交する方向におけるスリットのサイズ)は、照明絞り53によって変更される。また、スリットの向きの変更は、スリット形成部55(一対のスリット刃)を回転させることによって行われる。
スリットを形成するための構成は一対のスリット刃には限定されず、たとえば液晶絞り(液晶シャッタ)等を用いることが可能である。また、図2に示す例では、光源51及びスリット形成部55(並びに照明絞り53)によってスリット光を形成しているが、他の構成を用いてスリット光を生成してもよい。
スリット光を生成するための構成の例としてプロジェクタがある。プロジェクタは、予め設定されたパターンの光を出力可能なデバイスである。プロジェクタは、予め設定された幅、長さ及び向きのスリット光を出力可能である。また、プロジェクタは、任意の色や色合いの光を出力可能であってよい。
プロジェクタは、デジタルマイクロミラーデバイスを用いた公知の構成を有してよい。プロジェクタは、更に、光源を含んで構成されていてもよい。この光源としては、LEDや、RGBの各色成分の光を出力可能な光源などがある。プロジェクタは、更に、リレー光学系や、コリメータレンズや、投影レンズなどを含んでもよい。また、プロジェクタは、LCoS(Liquid Crystal on Silicon)や、MEMSや、1次元的に又は2次元的に走査が可能な光スキャナ(ガルバノスキャナ等)を含んでもよい。また、プロジェクタは、LCD(透過型、反射型)を用いたものであってもよい。このような構成は公知であるため、詳細な説明を省略する。
[制御系]
スリットランプ顕微鏡1の制御系の例を図3に示す。スリットランプ顕微鏡1の制御系は、制御部110を中心に構成されている。なお、図3においては、いくつかの構成部位が省略されている。
〔制御部〕
制御部110は、スリットランプ顕微鏡1の各部を制御する。制御部110は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等のハードウェアを含む。ハードディスクドライブには制御プログラムが予め記憶されている。制御部110の動作は、制御プログラムと上記ハードウェアとが協働することによって実現される。制御部110は、スリットランプ顕微鏡1の装置本体(たとえば基台4内)及びコンピュータ100の少なくとも一方に配置される。
スリットランプ顕微鏡1は、複数の動作モードを選択的に実行可能である。そのための制御は制御部110により実行される。動作モードとは、スリットランプ顕微鏡1の各種の動作項目を組み合わせて一連の動作として実行するものであり、マクロ機能などとも呼ばれる。動作項目には、観察系6の動作項目、照明系8の動作項目、観察系6及び/又は照明系8の移動に関する動作項目、データ処理(解析処理、統計処理等)に関する動作項目、データ出力(表示、印刷、送信等)に関する動作項目などがある。制御部110は、これら動作項目のいくつかを組み合わせることにより各動作モードを実行する。
〔記憶部〕
記憶部120には各種の情報が記憶される。特に、記憶部120には動作モード情報が予め格納されている。動作モード情報は、各動作モードに対して、光学系、駆動機構、データ処理部130、表示デバイス、通信デバイス、印刷デバイス等の少なくともいずれかの動作内容を関連付けている情報である。
動作モード情報は、たとえば図4に示すようなテーブルとして構成される。動作モード情報においては、選択的に実行される動作モードとして、複数の部位モードが設けられていてよい。部位モードは、観察・検査・診断・治療・手術等の対象となる眼の部位ごとに設定された動作モードである。実施形態において適用可能な動作モードは部位モードには限定されない。たとえば、疾患モード、検査モード、治療モード、手術モードなどを設けることが可能である。疾患モードは、疾患種別や病期ごとに設けられた動作モードである。検査モードは、検査の種別ごとに設けられた動作モードである。治療モードは、治療法ごとに設けられた動作モードである。手術モードは、手術法ごとに設けられた動作モードである。更に、ユーザ(医師)ごとにカスタマイズされた動作モード(医師モード)など、任意の動作モードを設けることが可能である。
図4に例示された動作モード情報120aには、部位モードとして、「外眼部モード」、「角膜・涙液層モード」、「角膜モード」、「前房・隅角・虹彩モード」、「水晶体モード」、「硝子体モード」、「眼底後極部モード」及び「眼底周辺部モード」が設けられている。また、これら動作モードのそれぞれに関連付けられた動作項目として、照明系8の動作項目と観察系6の動作項目とが設けられている。
照明系8の動作項目には、照明光の光量(輝度)を示す「明るさ」と、照明光のパターン(形状)を示す「パターン」と、照明系8の配置(角度)を示す「角度」と、照明光の波長を示す「波長」とが含まれている。なお、「波長」には、光源51から出力される光の波長と、光路中の波長選択素子(フィルタ等)により選択される波長とのうち、少なくとも一方が含まれてよい。「波長」の欄の「可視光(青)」は、透過体内での散乱が大きい青又は青に近い可視光を使用することを示す。
更に、図4には、各動作モードにおいて使用される照明光の種別が記録されている。「背景」は、前眼部や眼瞼、その周囲を照明するための背景照明を示す。「拡散」は、被検眼を一様の明るさで照明するために拡散板を使用することを示す。「ビーム径大」は、たとえば照明絞り53及びスリット形成部55の双方を開放した状態で照明を行うことを示す。「細隙」は、スリット光を使用することを示す。「断面」は、スリット光を用いて断面を観察することを示す。
観察系6の動作項目としては、観察対象の部位(眼の範囲)を示す「範囲」と、観察系6のフォーカス位置(フォーカス状態)を示す「合焦位置」と、観察系6の配置(角度)を示す「角度」と、撮像装置13(撮像素子43)のゲインを示す「ゲイン」と、観察系6に配置される波長選択素子(フィルタ等)を示す「フィルタ」と、左右の接眼部9aがなす輻輳角度を示す「輻輳」とが含まれている。なお、「ゲイン」の欄の「AG」はオートゲインを示す。また、「フィルタ」の欄の「バリア」は、蛍光造影観察のためのバリアフィルタを示す。更に、図4には、各動作モードにおいて使用される補助光学部材の種別が記録されている(三面鏡、接眼鏡)。
照明系8及び観察系6のそれぞれの動作項目「角度」は、所定方向を基準(0度)とした角度を示す。この基準方向は、たとえば、被検眼に対する正対位置である。動作項目「パターン」が「スリット」である場合などにおいて、照明系8と観察系6は、基準方向に対して反対側に位置する。たとえば、基準方向に対して既定方向への回転角度が「正方向」と定義され、その逆方向への回転角度が「負方向」と定義されている場合において、照明系8が「+θ度」に配置されている場合、観察系6は「−θ度」に配置される。このとき、θとθは等しくてもよいし異なってもよい。θとθは、それぞれの動作内容に示された角度の範囲内の既定の角度である。
〔データ処理部〕
データ処理部130は、撮像装置13により取得された画像や、他の装置により取得された画像に対して、各種の画像処理や解析処理を施す。
データ処理部130は解析部を含んでいてよい。解析部は、撮像装置13により取得された被検眼Eの画像を解析することにより、この画像に表された被検眼Eの部位(に対応する画像領域)を特定する。特定される部位は予め設定されている。特定される部位は、動作モード情報(120a)に含まれる部位モードに対応する部位の少なくともいずれかを含んでいてよい。
被検眼Eの部位を特定するための解析処理は、たとえば、その部位の形状的特徴や、その部位に対応する画像領域の画素値(輝度、色等)の特徴に基づいて実行される。形状的特徴に基づく画像特定処理は、たとえば、パターンマッチングやエッジ検出等の画像解析を含んでよい。画素値の特徴に基づく画像特定処理は、たとえば、閾値処理や二値化やヒストグラム解析等の画像解析を含んでよい。また、解析部は、スリット光を用いた断面撮影により取得された断面像を解析することにより、被検眼Eの部位を特定する処理を実行可能であってよい。この処理は、所定の層を特定する処理(セグメンテーション)を含んでいてよい。解析部が実行可能な処理は、以上の典型例には限定されず、被検眼Eの任意の部位を特定可能な任意の処理を含んでいてよい。
〔ユーザインターフェイス〕
ユーザインターフェイス(UI)140は、スリットランプ顕微鏡1とそのユーザとの間で情報をやりとりするためのインターフェイスである。ユーザインターフェイス140の少なくとも一部はスリットランプ顕微鏡1に設けられていてよい。また、ユーザインターフェイス140の少なくとも一部はコンピュータ100に設けられていてよい。
ユーザインターフェイス140は、表示デバイスと操作デバイス(入力デバイス)とを含んでいてよい。表示デバイスは、制御部110の制御を受けて情報を表示する。操作デバイス(入力デバイス)は、ハードウェアキー及びソフトウェアキーの少なくとも一方を含んでいてよい。ハードウェアキーの例として、装置本体に設けられたボタン・スイッチ、コンピュータ100に設けられたマウス・キーボードなどがある。ソフトウェアキーの例として、表示デバイスに表示されるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)などがある。表示デバイスと操作デバイスは一体的に構成されていてよい(たとえばタッチパネル)。
〔各種機構〕
観察移動機構6Aは、観察系6を移動するための機構であり、基台4を3次元的に移動するための移動機構部3に加えて、観察系6に対する照明光の戻り光の入射方向を変更するための観察方向変更機構を含む。観察方向変更機構は、観察系6を回転移動させるための機構であり、アクチュエータを含む。
照明移動機構8Aは、照明系8を移動するための機構であり、基台4を3次元的に移動するための移動機構部3に加えて、被検眼Eに対する照明光の照射方向を変更するための照明方向変更機構を含む。照明方向変更機構は、照明系8を回転移動させるための機構であり、アクチュエータを含む。
観察方向変更機構と照明方向変更機構は、観察系6と照明系8とを同軸で回転させるように構成されていてよい。或いは、観察方向変更機構と照明方向変更機構は、観察系6と照明系8とを異なる軸を中心に回転させるように構成されていてよい。
合焦駆動部31Aは、フォーカシングのために、1以上の対物レンズ31の少なくとも1つを観察光軸O1に沿って移動させる。或いは、合焦駆動部31Aは、図示しないフォーカスレンズ(系)を観察光軸O1に沿って移動させる。
プリズム駆動部36Aは、輻輳角度を変更するために、左右のプリズム部36を含む左右の接眼部9aを移動させる。
波長選択部38は、被検眼Eからの照明光の戻り光の波長を選択するための波長選択部材を駆動する。たとえば、波長選択部38は、バリアフィルタ等のフィルタを観察光路に挿入する動作と、バリアフィルタ等のフィルタを観察光路から退避させる動作とを行う。
照明波長変更部57は、照明光の波長を変更する機能を有する。照明波長変更部57は、たとえば、蛍光造影観察用のエキサイタフィルタ、リニアバリアブルフィルタ等の波長可変フィルタ、前述のプロジェクタ、光源51等を含んでよい。なお、照明光の波長を変更する機能を光源51のみで実現する場合、照明波長変更部57は光源51と一致する。
[動作]
スリットランプ顕微鏡1の動作について説明する。図5及び図6は動作の典型的な例を示す。図5は、手動又は自動で指定された動作モードを実行する例の流れを示す。図6は、半自動で動作モードを指定する例の流れを示す。
〔動作例1〕
(S1:動作モードを指定する)
まず、手動又は自動で動作モードが指定される。手動の場合、制御部110は、動作モードを選択するための所定の画面をユーザインターフェイス140の表示デバイスに表示させる。ユーザは、操作デバイスを使用して動作モードを選択する。制御部110は、このようにして行われた動作モードの指定結果を認識する。
動作モードを自動で指定する場合の例を説明する。まず、ユーザは、スリットランプ顕微鏡1を操作して、所望の部位の少なくとも一部が観察される状態を実現する。所定のトリガが入力されたことを受けて、制御部110は、撮像装置13からの画像信号を取り込んでデータ処理部130に送る。データ処理部130(解析部)は、この画像を解析して被検眼Eの部位を特定する。データ処理部130は、部位の特定結果(たとえば、特定された部位に対応する部位モードを示す情報)を制御部110に送る。このようにして特定された部位に対応する部位モードが、動作モードの指定結果に相当する。
(S2:動作内容を特定する)
制御部110は、動作モード情報120aを参照することにより、ステップS1で指定された動作モードに関連付けられた動作内容を特定する。一例として角膜モードが指定された場合、次の動作内容が得られる:照明系8の明るさ「強」、パターン「スリット」、角度「(+/−)0〜30度」、波長「可視光(青)」;観察系6の合焦位置「角膜断面」、角度「(−/+)0〜30度」、ゲイン「AG」、フィルタ「無し」、輻輳「13度」。
(S3:動作内容に基づき制御を実行する)
制御部110は、ステップS2で特定された動作内容に基づいてスリットランプ顕微鏡1の各部を制御する。一例として角膜モードが指定された場合、次のような制御が実行される。
照明系8に関する制御について説明する。制御部110は、高光量(高強度)の照明光を出力するように光源51を制御する。制御部110は、既定の幅のスリットを形成するようにスリット形成部55を制御する。このとき、照明絞り53は、たとえば全開状態に設定される。制御部110は、角度「0〜(+)30度」内の既定の角度+θに照明光軸O2を配置させるように照明移動機構8A(照明方向変更機構)を制御する。制御部110は、可視光(青)に対応するフィルタを照明光路に配置させるように照明波長変更部57を制御する。
観察系6に関する制御について説明する。制御部110は、角膜Ecの断面にフォーカスが合うように合焦駆動部31Aを制御する。それにより、対物レンズ31(又はフォーカスレンズ)が既定の位置に配置される。制御部110は、角度「0〜(−)30度」内の既定の角度+θに観察光軸O1を配置させるように観察移動機構6A(観察方向変更機構)を制御する。制御部110は、撮像装置13のゲイン設定をオートゲインに切り替える。制御部110は、フィルタを観察光路から退避させるように波長選択部38を制御する。制御部110は、輻輳角度が13度に設定されるようにプリズム駆動部36Aを制御する。
なお、ここに例示した制御以外の制御を実行することや、ここに例示した制御のいずれかを実行しないことも可能である。
(S4:観察開始)
ステップS3の制御が完了したら、ユーザは観察を開始する。このとき、制御部110は、ステップS3の制御が完了したことを、たとえば視覚情報や聴覚情報によって報知することができる。更に、ユーザは、ステップS3の制御により実現された状態を、ユーザインターフェイス140を用いて任意に変更することが可能である。また、ユーザは、スリットランプ顕微鏡1における任意の可変条件を任意に変更することが可能である。
〔動作例2〕
次に、図6に示す動作例を説明する。
(S11:被検眼の画像を取得する)
ユーザは、スリットランプ顕微鏡1を操作して、所望の部位の少なくとも一部が観察される状態を実現する。所定のトリガが入力されたことを受けて、制御部110は、撮像装置13からの画像信号を取り込んでデータ処理部130に送る。
(S12:画像を解析して部位を特定する)
データ処理部130(解析部)は、ステップS11で取得された画像を解析して被検眼Eの部位を特定する。データ処理部130は、部位の特定結果(たとえば、特定された部位に対応する部位モードを示す情報)を制御部110に送る。本例では、被検眼Eの1以上の部位が特定される。
(S13:特定された部位に対応する動作モードを表示する)
制御部110は、ステップS12で特定された被検眼Eの1以上の部位に対応する1以上の動作モードを示す情報を、ユーザインターフェイス140の表示デバイスに表示させる。表示される情報は、動作モードを示す情報と実質的に同じ情報であってよく、そのような情報として被検眼Eの部位を示す情報がある。
(S14:ユーザが動作モードを指定する)
ユーザは、表示された情報のうち所望のものを選択する。ステップS13において2以上の情報が表示された場合、2以上の情報を選択可能に構成してよい。このとき、2以上の情報に対する順序を指定可能に構成してもよい。また、表示された選択肢に含まれていない動作モードを指定可能に構成することも可能である。その場合、ステップS13において、動作モードの全ての選択肢を提示しつつ、ステップS12で特定された部位に対応する選択肢とそれ以外の選択肢とを異なる態様で提示するように構成することが可能である。
(S15:動作内容を特定する)
制御部110は、動作モード情報120aを参照することにより、ステップS14で指定された動作モードに関連付けられた動作内容を特定する。
(S16:動作内容に基づき制御を実行する)
制御部110は、ステップS15で特定された動作内容に基づいてスリットランプ顕微鏡1の各部を制御する。
(S17:観察開始)
ステップS16の制御が完了したら、ユーザは観察を開始する。ステップS17は、図5のステップS4と同じ要領で実行可能である。
[作用・効果]
実施形態の作用及び効果について説明する。
実施形態のスリットランプ顕微鏡は、照明系、観察系、照明移動機構、観察移動機構、記憶部、指定部、及び制御部を備える。照明系(8)は、被検眼を照明光(特にスリット光)で照明する。観察系(6)は、被検眼からのスリット光の戻り光を接眼レンズ(37)や撮像装置(13)に導く。観察系は、接眼レンズ及び撮像装置の一方を備えていなくてもよい。また、撮像装置は、観察系に含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。照明移動機構(8A)は、照明系を移動する。観察移動機構(6A)は、観察系を移動する。記憶部(120)は、動作モード情報(120a)を予め記憶する。動作モード情報においては、1以上の動作モードのそれぞれに対して照明系、観察系、照明移動機構及び観察移動機構のうちの少なくとも1つの動作内容が関連付けられている。指定部は、動作モードを指定するための機能を有する。指定部の構成は、動作モードの指定態様(手動、自動、半自動等)に応じて異なってよい。たとえば、指定部は、ユーザインターフェイス140の少なくとも一部を含んでよい。また、指定部は、制御部110の一部、及び/又は、データ処理部130の一部を含んでよい。制御部(110)は、指定部によって指定された動作モードに関連付けられた動作内容を動作モード情報を参照して特定し、特定された動作内容に基づいて照明系、観察系、照明移動機構及び観察移動機構の少なくとも1つを制御する。制御部の構成は、動作モードの指定態様などに応じて異なってよく、たとえばデータ処理部130の一部を含んでよい。
このような実施形態によれば、指定された動作モードに応じた一連の処理を自動的に実行することができるので、被検眼ごとに、更には観察部位や目的ごとに、様々な観察条件を手動で設定する必要がない。したがって、スリットランプ顕微鏡の操作性の向上を図ることが可能である。
実施形態において、動作モードは、たとえば以下の様な条件の自動設定を行うことが可能である。まず、照明系は光源(51)を含む。動作モード情報には、1以上の動作モードのいずれかに対して照明光量(「明るさ」)が関連付けられている。指定部により指定された動作モードに照明光量が関連付けられているとき、制御部は、この照明光量に基づいて光源を制御することができる。
実施形態において、照明系は、スリット光の波長を変更するための照明波長変更部(57)含む。動作モード情報には、1以上の動作モードのいずれかに対して照明波長(「波長」)が関連付けられている。指定部により指定された動作モードに照明波長が関連付けられているとき、制御部は、この照明波長に基づいて照明波長変更部を制御することができる。
実施形態において、照明系は、スリット光の形状を変更するための照明形状変更部(スリット形成部55、プロジェクタ等)を含む。動作モード情報には、1以上の動作モードのいずれかに対して照明形状(「パターン」)が関連付けられている。指定部により指定された動作モードに照明形状が関連付けられているとき、制御部は、この照明形状に基づいて照明形状変更部を制御することができる。
実施形態において、照明移動機構は、被検眼に対するスリット光の照明方向を変更するための照明方向変更機構を含む。動作モード情報には、1以上の動作モードのいずれかに対して照明方向(照明系の「角度」)が関連付けられている。指定部により指定された動作モードに照明方向が関連付けられているとき、制御部は、この照明方向に基づいて照明方向変更機構を制御することができる。
実施形態において、観察系は合焦系(対物レンズ31、フォーカスレンズ等)を含む。動作モード情報には、1以上の動作モードのいずれかに対して合焦位置(「合焦位置」)が関連付けられている。指定部により指定された動作モードに合焦位置が関連付けられているとき、制御部は、この合焦位置に基づいて合焦系を制御することができる。
実施形態において、観察系は、接眼レンズ及び/又は撮像装置に向かう戻り光の波長を選択するための波長選択部材(フィルタ等)を含む。動作モード情報には、1以上の動作モードのいずれかに対して観察波長(「フィルタ」)が関連付けられている。指定部により指定された動作モードに観察波長が関連付けられているとき、制御部は、この観察波長に基づいて波長選択部材を制御することができる。
実施形態において、観察系は、戻り光を少なくとも撮像装置に導く。動作モード情報には、1以上の動作モードのいずれかに対して撮像装置の制御パラメータが関連付けられている。この制御パラメータの例として、ゲイン、露光時間等がある。指定部により指定された動作モードに制御パラメータが関連付けられているとき、制御部は、この制御パラメータに基づいて撮像装置を制御することができる。
実施形態において、観察系は、戻り光を一対の接眼レンズ及び/又は一対の撮像装置に導くための双眼光学系(観察系6における左右一対の光学系)を含む。双眼光学系は、一対の接眼レンズ及び/又は一対の撮像装置に向かう一対の光の相対角度を変更するための輻輳角度変更部(プリズム駆動部36A、ステレオバリエータ、一対の撮像装置の向きを変更する機構など)を含む。動作モード情報には、1以上の動作モードのいずれかに対して輻輳角度(「輻輳」)が関連付けられている。指定部により指定された動作モードに輻輳角度が関連付けられているとき、制御部は、この輻輳角度に基づいて輻輳角度変更部を制御することができる。
実施形態において、観察移動機構は、観察系に対する戻り光の入射方向を変更するための観察方向変更機構を含む。動作モード情報には、1以上の動作モードのいずれかに対して観察方向(観察系の「角度」)が関連付けられている。指定部により指定された動作モードに観察方向が関連付けられているとき、制御部は、この観察方向に基づいて観察方向変更機構を制御することができる。
実施形態において、照明移動機構は照明方向変更機構を含み、観察移動機構は観察方向変更機構を含む。動作モード情報には、1以上の動作モードのいずれかに対して照明方向(照明系の「角度」)及び観察方向(観察系の「角度」)が関連付けられている。指定部により指定された動作モードに照明方向及び観察方向が関連付けられているとき、制御部は、当該照明方向及び当該観察方向に基づいて照明方向変更機構及び観察方向変更機構を制御することにより、所定の基準方向に対して互いに反対側に位置するように照明系及び観察系を配置させることができる。この構成は、たとえば、スリット光を用いた断面観察において便利である。
実施形態において、1以上の動作モードは、眼の所定部位を観察するための部位モードを含む。指定部によりいずれかの部位モードが指定されたとき、制御部は、指定された部位モードに関連付けられた動作内容を動作モード情報を参照して特定し、特定された動作内容に基づいて照明系、観察系、照明移動機構及び観察移動機構の少なくとも1つを制御することができる。この構成によれば、観察部位に応じた好適な動作モードを適用することが可能である。
実施形態において、指定部は、撮像装置により取得された被検眼の画像を解析して当該画像に表された部位を特定する解析部を含んでいてよい。この場合、指定部は、解析部により特定された部位に対応する部位モードを指定することが可能である。この構成によれば、動作モードを指定する処理も自動で行うことができる。
実施形態において、指定部は、解析部、表示制御部及び操作部を含んでいてよい。解析部は、撮像装置により取得された被検眼の画像を解析して当該画像に表された1以上の部位を特定する。表示制御部(制御部110)は、解析部により特定された1以上の部位のそれぞれを示す情報(部位モードを示す情報等、当該情報と実質的に等しい情報を含む)を表示手段(表示デバイス)に表示させる。表示手段は、スリットランプ顕微鏡に含まれてもよいし、含まれていなくてもよい。操作部(操作デバイス)は、1以上の部位のいずれかを指定するための操作において使用される。当該操作が行われたとき、指定部は、指定された部位に対応する動作モードを指定することが可能である。この構成によれば、動作モードを指定する処理を半自動化することができる。特に、被検眼の画像から部位モードの選択肢を特定して提示することが可能である。
〈第2の実施形態〉
眼科分野だけでなく医療分野一般において、経過観察や術前術後観察が広く行われている。このような医療行為では、被検者(被検眼)の同一部位を複数回にわたって観察する。この実施形態では、経過観察等を円滑に行うために、過去に適用された動作モードを参照して今回の動作モードを指定するよう構成されたスリットランプ顕微鏡について説明する。
この実施形態のスリットランプ顕微鏡の構成例を図7に示す。本例は、第1の実施形態とほぼ同様の構成を有するが、通信部150が設けられている点において第1の実施形態と異なる。通信部150は、たとえば、医療機関内のデータベースとLANを介してデータ送受信を行うための通信デバイスや、医療機関外のデータベースとWANを介してデータ送受信を行うための通信デバイスを含む。通信部150は、被検眼の過去の観察記録を受け付ける受付部として機能する。観察記録は、過去に実施された被検眼の観察において記録された各種の情報を含み、この実施形態では、過去の観察において適用された動作モードの種別を少なくとも含む。
図7に示すスリットランプ顕微鏡は、電子カルテシステム200から情報を取得可能に構成されている。なお、電子カルテシステム以外のデータベース(システム)から情報を取得可能な構成を適用することも可能である。電子カルテシステム200は、患者ごとの電子カルテを管理している。
スリットランプ顕微鏡には、患者識別情報(患者ID)が入力される。患者識別情報の入力は、ユーザインターフェイス140により、又は、図示しないデータリーダにより行われる。データリーダは、患者カード等に記録された患者識別情報を読み取る。制御部110は、患者識別情報とデータ送信要求とを通信部150に送る。通信部150は、これら情報を電子カルテシステム200に送信する。
電子カルテシステム200は、患者識別情報に基づいて当該患者の電子カルテを検索する。電子カルテには、被検眼に関する過去の観察記録が含まれている。観察記録には、過去に適用された動作モードの種別を記録するための領域が設けられている。検索された電子カルテの当該記録領域に動作モード種別が記録されている場合、電子カルテシステム200は、この動作モード種別をスリットランプ顕微鏡に送信する。なお、1以上の動作モード種別が記録されている場合、電子カルテシステム200は、それらのうちの1以上をスリットランプ顕微鏡に送信する。たとえば、電子カルテシステム200は、記録されている全ての動作モード種別を送信する。或いは、電子カルテシステム200は、記録されている動作モード種別のうちの1以上を選択して送信する。この選択処理の例として、最新の動作モード種別を選択することや、所定期間内における動作モード種別を選択することや、データ送信要求の内容(検査種別、疾患種別等)に基づき動作モード種別を選択することができる。
通信部150は、電子カルテシステム200から送信された情報(1以上の動作モード種別を含む観察記録)を受信して制御部110に送る。制御部110は、通信部150から入力された情報に示された動作モードを今回の動作モードとして指定することができる。そして、制御部110は、指定された動作モードに基づく制御を第1の実施形態と同様にして実行する。
或いは、制御部110は、通信部150から入力された情報に示された動作モードを、ユーザインターフェイス140の表示デバイスに表示させることができる。ユーザは、操作デバイスを使用して、所望の動作モードを指定することができる。制御部110は、指定された動作モードに基づく制御を第1の実施形態と同様にして実行する。
〈第3の実施形態〉
スリットランプ顕微鏡を用いて被検眼の様々な部位を順次に観察することがある。たとえば、初診時において疾患を発見するためにこのような観察が行われる。また、複数の部位にわたる疾患の状態を観察するためにこのような観察が行われる。この実施形態では、このような場合に便利な構成を説明する。
この実施形態のスリットランプ顕微鏡は、第1の実施形態又は第2の実施形態と同様の構成を備えていてよい。以下、第1の実施形態の図面を参照する。動作モード情報120aには、複数の動作モード(部位モード)のそれぞれに対して動作内容が関連付けられている。
この実施形態では、これら動作モードのうち2以上の動作モードが指定される。典型的な例として、角膜モード、前房・隅角・虹彩モード、及び水晶体モードが選択されたとする。なお、連続して実施されるいくつかの動作モードを含む動作モードが予め設けられていてもよい。たとえば、角膜モード、前房・隅角・虹彩モード、及び水晶体モードを含む「前眼部モード」が設けられていてよい。また、いくつかの動作モード(サブ動作モード)の実行順序についても予め設定されていてもよい(連続動作モード情報)。或いは、第1の実施形態と同様の解析部が被検眼Eの部位を特定し、特定された部位(又は、特定された選択肢のうちからユーザが指定した部位)に基づいてサブ動作モードを指定するようにしてもよい。
制御部110は、指定された2以上のサブ動作モードに基づく2以上の制御を順次に実行することができる。サブ動作モードの移行は、たとえば、前述のように解析部からのデータに基づいて行われてもよいし、ユーザからの指示に基づいて行われてもよい。
2以上のサブ動作モードに対して2以上の動作内容と実行順序とが関連付けられた連続動作モード情報が動作モード情報に含まれている場合において、連続動作モードが指定されたとき、制御部100は、指定された連続動作モード情報に基づいて、2以上の動作モードに基づく2以上の制御を当該実行順序にしたがって実行することができる。
典型的な例として、角膜モード、前房・隅角・虹彩モード、及び水晶体モードをサブ動作モードとして含み、かつ、この記載順序が実行順序であるような「前眼部モード」が指定された場合、制御部110は、角膜モード、前房・隅角・虹彩モード、及び水晶体モードの順に動作モードを切り替える。このような制御態様において、操作デバイスを用いて所定の操作が行われたことに対応し、制御部110は、次に実行される動作モードに基づく制御を開始することができる。また、解析部により特定される部位が変化したことに対応して、次に実行される動作モード(新たに特定された部位に対応する動作モード)に基づく制御を開始するよう構成することも可能である。
〈第4の実施形態〉
観察系6の左右の光学系の双方に撮像装置を設けることが可能である。そのような構成の例を図8に示す。図8に示す例では、観察系6の左の光学系に左撮像装置13Lが設けられ、右の光学系に右撮像装置13Rが設けられている。左撮像装置13L及び右撮像装置13Rは、たとえば、第1の実施形態の撮像装置13のように、観察光路から分岐した光路に配置される。或いは、左右の接眼レンズ37の位置にそれぞれ左撮像装置13L及び右撮像装置13Rが配置されてもよい。
他の例においては、左右の光学系にそれぞれ導かれる左右の光束を単一の撮像装置に導く構成を適用することができる。この場合、単一の撮像装置の異なる受光領域で、左右の光束を同時に又は異なるタイミングで検出することができる。或いは、単一の撮像装置における少なくとも一部が共通の受光領域を用いて、左右の光束を異なるタイミングで検出することができる。
制御部110は、このような左右一対の撮像装置13L及び13Rにより取得された被検眼Eの一対の画像を表示デバイスに表示させることができる。
以上において説明したいくつかの構成は、この発明を実施するための典型的な例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、追加、省略、置換等を行うことが可能である。
1 スリットランプ顕微鏡
6 観察系
6A 観察移動機構
8 照明系
8A 照明移動機構
110 制御部
120 記憶部
120a 動作モード情報
130 データ処理部
140 ユーザインターフェイス

Claims (8)

  1. スリットランプ顕微鏡と電子カルテシステムとを含む眼科システムであって、
    前記スリットランプ顕微鏡は、
    被検眼をスリット光で照明する照明系と、
    前記被検眼からのスリット光の戻り光を接眼レンズ及び/又は撮像装置に導く観察系と、
    前記照明系を移動するための照明移動機構と、
    前記観察系を移動するための観察移動機構と、
    1以上の動作モードのそれぞれに対して前記照明系、前記観察系、前記照明移動機構及び前記観察移動機構の少なくとも1つの動作内容が関連付けられた動作モード情報を予め記憶する記憶部と、
    動作モードを指定するための指定部と、
    指定された動作モードに関連付けられた動作内容を前記動作モード情報を参照して特定し、特定された動作内容に基づいて前記照明系、前記観察系、前記照明移動機構及び前記観察移動機構の少なくとも1つを制御する制御部と、
    患者識別情報とデータ送信要求とを前記電子カルテシステムに送信する通信部と
    を備え、
    前記電子カルテシステムは、前記患者識別情報に基づいて電子カルテを検索し、検索された前記電子カルテに記録されている1以上の動作モード種別を前記スリットランプ顕微鏡に送信し、
    前記スリットランプ顕微鏡の前記通信部は、前記電子カルテシステムから送信された前記1以上の動作モード種別を受信し、
    前記指定部は、受信された前記1以上の動作モード種別のいずれかに対応する動作モードを指定する、
    眼科システム。
  2. 前記電子カルテシステムは、検索された前記電子カルテに記録されている動作モード種別のうちから1以上の動作モード種別を選択し、選択された前記動作モード種別を前記スリットランプ顕微鏡に送信する、
    請求項1の眼科システム。
  3. 前記電子カルテシステムは、前記データ送信要求の内容に基づいて、検索された前記電子カルテに記録されている動作モード種別のうちから1以上の動作モード種別を選択する、
    請求項2の眼科システム。
  4. 前記データ送信要求の内容は、検査種別及び/又は疾患種別を含む、
    請求項3の眼科システム。
  5. 前記電子カルテシステムは、検索された前記電子カルテに記録されている動作モード種別のうちから最新の動作モード種別を選択する、
    請求項2の眼科システム。
  6. 前記電子カルテシステムは、検索された前記電子カルテに記録されている動作モード種別のうちから所定期間内における動作モード種別を選択する、
    請求項2の眼科システム。
  7. 前記電子カルテシステムは、検索された前記電子カルテに記録されている全ての動作モード種別を前記スリットランプ顕微鏡に送信する、
    請求項1の眼科システム。
  8. 表示デバイスと操作デバイスとを更に含み、
    前記制御部は、前記通信部により受信された前記1以上の動作モード種別を前記表示デバイスに表示させ、
    前記指定部は、前記操作デバイスを使用してユーザが指定した動作モード種別に対応する動作モードを指定する、
    請求項1〜7のいずれかの眼科システム。
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