JP2019154579A - ペン型装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置全体の小型軽量化を実現するとともに実使用上十分な動作時間が確保された、利便性の高いペン型装置を得ること。【解決手段】 ペン型の筐体と、筐体内に収容された回路部41と、駆動回路部の動作電源となるシート状の空気電池10とを備え、空気電池は、正極1側が外側となる状態で筐体の軸70を中心軸とする略筒状となるように湾曲している。【選択図】図1

Description

本開示は、患者が自身で薬剤を投与できるように構成され、装置内部に駆動回路部を備えたペン型薬剤投与装置などのペン型装置に関し、特に、装置全体が小型軽量化されたペン型装置に関する。
インシュリンの定期的な投与が必要な糖尿病患者などが携帯し、自身で薬剤を投与することができるペン型薬剤投与装置が普及している。ペン型薬剤投与装置は、持ち歩くことを前提としてペン型の筐体内に投与する薬剤が収容されているため、取り扱いに注意を要する注射器などと比べて使用しやすく、定期的に薬剤の投与が必要な患者の負担軽減に役立っている。
このようなペン型薬剤投与装置として、近年では、ポンプ機構を用いて手動で薬剤を投与できるだけではなく、動作電源によって駆動する駆動回路部としてメモリ素子や表示デバイスを備えて、薬剤の投与回数や投与量、投与時間を記録、表示することができるものが実用化されている。また、駆動回路部として通信手段を備えてスマートフォンなどの他の携帯型電子機器と連携して薬剤投与を管理したり、投与時間であることを患者に報知したりするもの、さらには、薬剤の供給機構を備えて自動的な薬剤投与を可能としたものなど、小型電子機器としての各種機能を備えて利用者の利便性をさらに向上させたものが開発されている。
このような駆動回路部を備えたペン型薬剤投与装置として、インシュリンの投与機構に加えて、患者の体から採取された血液試料を分析する分析手段と、得られた分析結果に基づいて最適な薬剤の投与量を算出・表示するプロセッサと表示器を備えたものが提案されている(特許文献1参照)。また、ペン型の筐体内にデータ送受信機構を備えて患者が所持するスマートフォンとの間でデータ通信を行って、薬剤投与履歴を管理するものが提案されている(特許文献2参照)。
特許第3404502号公報 特表2017−529918号公報
このようなペン型薬剤投与装置は、小型多機能化が進む各種の電子回路技術が搭載された駆動回路部を備えることで、ペン型薬剤投与装置を、単に持ち運びが容易な注射器という概念から、薬剤投与を前提として患者の各種情報を管理する医療用機器という位置づけのものに変えつつある。
このような、駆動回路部を備えたペン型薬剤投与装置では、駆動回路部の動作電源としての電池が必要となる。従来のペン型薬剤投与装置では、動作電源として小型の筒型電池やボタン型電池(コイン型電池)が用いられ、1つまたは複数個の電池が、装置の軸に沿った方向に配置されて装置の後端部分の筐体内部に収容されていた。
しかし、ペン型薬剤投与装置の主たる機能である薬剤の投与を実現する機構は、装置の略中心軸部分に沿って配置されるため、当該薬剤を投与する機構が形成されている部分には電池を配置することができず、電池収容部の分だけ装置の長さが長くなってしまっていた。一方、電池を、薬剤を投与する機構部分に並べて配置する構成では、その部分の筐体の径が大きくなることが避けられず、患者にとって把持しにくく使いづらい形状の装置となっていた。
また、駆動電源として用いられている筒型電池やボタン型電池は、外郭部材が金属で構成されているため一定の重量を有し、薬剤投与装置全体の軽量化の妨げとなるとともに、投与装置の重量バランスが崩れ、患者にとって使用しづらいものとなっていた。さらに、電池を変形させることができないため、その配置が限定され、装置全体の設計に制約が設けられていた。
このような課題は、ペン型装置としてのペン型薬剤投与装置に限られず、全体としてペン型であり、かつ、中心軸部分に機能を発揮する上で不可欠な機構部品を備え、さらに電池を電源として動作する負荷回路を備えた各種のペン型装置に共通するものである。
本開示は、上記従来の課題を解決し、装置全体の小型軽量化を実現するとともに実使用上十分な動作時間が確保された、利便性の高いペン型装置を得ることを目的とする。
上記課題を解決するため本願で開示するペン型装置は、ペン型の筐体と、前記筐体内に収容された回路部と、前記回路部の動作電源となるシート状の空気電池とを備え、前記空気電池は、正極側が外側となる状態で前記筐体の軸を中心軸とする略筒状となるように湾曲していることを特徴とする。
本願で開示するペン型装置は、回路部の動作電源として、正極を外側にして前記筐体の軸を中心軸とする略筒状となるように湾曲しているシート状の空気電池を備える。このため、実用上十分な動作時間を確保しつつ、小型軽量化を実現したペン型装置を得ることができる。
第1の実施形態にかかるペン型薬剤投与装置の外観を示す斜視図である。 駆動回路部の動作電源であるシート状の空気電池について、正極を外側にして筐体の軸に沿って円筒状に湾曲している状態を示す斜視図である。 シート状空気電池の構成を説明するための平面図である。 シート状空気電池の構成を説明するための断面構成図である。 第2の実施形態にかかるペン型薬剤投与装置の外観を示す斜視図である。
本開示にかかるペン型装置は、ペン型の筐体と、前記筐体内に収容された回路部と、前記回路部の動作電源となるシート状の空気電池とを備え、前記空気電池は、正極側が外側となる状態で前記筐体の軸を中心軸とする略筒状となるように湾曲している。
本開示にかかるペン型装置は、上記の構成を備えることで、軽量でありながら電池容量の大きな空気電池の特長を生かして、回路部の実用上十分な時間の動作を実現できる。さらに、シート状電池を筐体の軸を中心軸とする略筒状とすることで、筐体の中心軸部分に配置される機構部分と干渉することなく電池を配置することができ、装置全体の小型軽量化を実現できる。
上記本願で開示するペン型装置において、前記空気電池が、前記筐体の内部に収容され、前記空気電池が収容された部分の前記筐体に外部空間と連通する開口が形成されていることが好ましい。このようにすることで、回路部の動作電源である空気電池を筐体内に収容することができるとともに、筐体を大きくすることなく外部空間から正極活物質である空気を取り込んで空気電池の動作を確保することができる。
また、前記空気電池が、前記筐体の外表面に装着されていることが好ましい。このようにすることで、筐体の大きさを大きくすることなく、空気電池の動作に必要な正極活物質である空気が確実に正極に導入される構造を確保できて、回路部の実用十分な動作時間の確保と小型軽量化とが実現されたペン型薬剤投与装置を得ることができる。
さらに、前記空気電池は、樹脂フィルムにより構成された外装体を備えた構成とすることができる。また、前記空気電池は、正極の集電体として多孔質カーボンシートを備えた構成とすることができる。さらにまた、前記空気電池は、金属シートにより構成された負極を備えた構成とすることができる。
なお、本願で開示するペン型装置は、薬剤を患者に投与する薬剤投与装置として実現することができ、このようなペン型薬剤投与装置として、前記筐体の中心軸部分に薬剤を投与するための薬剤送出機構部が配置された構成とすることができる。
以下、本開示にかかるペン型装置について、糖尿病患者がインシュリンを投与するために用いるペン型薬剤投与装置を例として図面を参照して説明する。
なお、本実施形態の説明で用いる各図面、特に、動作電源であるシート状空気電池を示す図面は、空気電池を構成する各部材の形状とその配置位置の相互関係とをわかりやすく説明するものであり、各図に示した部材の大きさは、必ずしも実際の大きさを反映するものではない。
また、以下の説明はあくまで例示であって、本願で開示されるペン型装置は、下記実施形態として示されたものに限定されない。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態として例示するインシュリンを投与するペン型薬剤投与装置の構成例を説明するための斜視図である。
図1に示すように、第1の実施形態で説明するペン型薬剤投与装置100は、前端側から順に、カートリッジ装着部20、内部にシート状空気電池10を収容した本体部30、内部に駆動回路が搭載された回路部41を収容した機能動作部40、投与量セレクタ50、作動ボタン60を有している。ペン型薬剤投与装置100は、その名称の通り、ペン型、すなわち、先端部分が後端部分よりも径小の略円筒形状の樹脂製の筐体によって構成されている。また、図1に示す符号70は、ペン型薬剤投与装置100の中心軸を示している。
先端のカートリッジ装着部20内には、患者に投与されるインシュリンが収容されたインシュリンカートリッジ21が装着される。インシュリンカートリッジ21は、円柱状の容器であって、収容されているインシュリンの種類(成分濃度)や収容量が異なる複数の種類が用意されていて、使用者は自分の症状に応じた種類のインシュリンカートリッジ21を選択して装着することができるとともに、使用済みのインシュリンカートリッジ21を新しいものと交換することで、ペン型薬剤投与装置100を繰り返し使用することができる。
なお、実際に使用者がインシュリンを投与する際には、インシュリンカートリッジ21の先端に注射針が装着されるが、本実施形態では注射針の図示と詳細な説明は省略する。
本体部30内部において、中心軸70の近傍部分には、インシュリンカートリッジ21内のインシュリンを送出するためのシリンダーやポンプなどの薬剤送出機構部が収容されている。なお、薬剤を投与するための薬剤送出機構部の図示と詳細な説明は省略する。
本体部において、中心軸70近傍に配置された薬剤送出機構部の外側で、本体部30の外郭を構成する円筒状の筐体の内側には、後述する回路部41の動作電源となるシート状の空気電池10が配置されている。
図2は、本体部内に収容されている状態の空気電池を示す斜視図である。
図2に示すように、シート状の空気電池10は、正極1(図4参照)側が外側となるように筒状に湾曲している。上述のように、シート状の空気電池10は、ペン型薬剤投与装置100の本体部30内において、薬剤送出機構部と筐体との間に配置されるため、空気電池10単独で見た場合には、ペン型薬剤投与装置100の中心軸70に沿って、すなわち、中心軸70を中心軸とする円筒形状となっている。
図2に示すように、正極1側を外側にして湾曲することで、空気電池10の正極1側のシート状外装体6(図3、4参照)に形成されている空気孔7が、湾曲した状態の空気電池10の外側に配置される。
これに対応して、ペン型薬剤投与装置100の本体部30の筐体には、複数の開口31が形成されていて、本体部30の内部の空気電池10が収容されている空間とペン型薬剤投与装置100の外部の空間とを連通している。この結果、本体部30の開口31を介して本体部30の内部に配置されたシート状空気電池10の空気孔7から正極1に空気が供給されて、空気電池10が負荷回路である回路部41に電力を供給することができる。
なお、ペン型薬剤投与装置100の製造時における組み立ての容易性や誤差に対するマージンを考慮すると、本体部30の筐体の内部に配置された状態で、シート状空気電池10の外側表面と本体部30の筐体の内側表面との間には若干の隙間が形成される。特に、シート状空気電池10の外装体が樹脂フィルムにより構成されている場合、電池を湾曲させる際に、外装体の表面にわずかに凹凸が生じやすく、シート状空気電池10の外側表面と本体部30の筐体の内側表面とが接していても、前記筐体の内側表面に空気の流通系路を確保しやすくなる。このため、本体部30に形成されている開口31の配置位置を、シート状空気電池10の空気孔7の配置場所と完全に一致させる必要はなく、他の部材の配置との関係上、シート状空気電池の配置場所から離れた位置に空気孔を形成することも可能となる。
このため、図1では、本体部30に形成される開口31の位置と個数について、図2に示す空気電池10の空気孔7とあえて異なるように図示している。もちろん、空気電池10の空気孔7の位置と、本体部30の筐体の開口31の位置とをそろえることも可能であるが、空気電池10を本体部30の内部に収容する際の製造上のばらつきなどを考慮すると、開口31の径は空気孔7の径よりも大きくすることが好ましい。
さらに、図1では、本体部30に形成された開口31を円形のものとして図示したが、開口31の形状は円形には限られない。また、本体部30は、ペン型薬剤投与装置100を使用する際に利用者が握る部分であることから、たとえば、開口を、複数の直線上のスリットが縦横方向に並んだ状態に形成するなど、本体部30に要求される剛性を確保できる範囲において開口31面積の合計がより大きくなるようにして、利用者が本体部30を握っても、本体部31の内部に十分な量の空気が供給されるように配慮することが好ましい。
なお、図2では、ペン型薬剤投与装置100の中心軸70に沿って略筒状に湾曲したシート状空気電池10として、湾曲したときに対向する位置となるシート状空気電池の2つの辺がほぼ重なって、中心軸70に垂直な面における形状がほぼ円形となるものを例示した。このようにすることで、シート状空気電池の正極の面積を最も大きくできるので、空気電池10の発電効率をより向上させることができる。しかし、たとえば、複数の径を有するペン型薬剤投与装置に同じシート状空気電池10を用いる場合などでは、空気電池の幅方向の長さが筐体の内周長よりも小さくなって、湾曲した状態での中心軸70に垂直な面における空気電池10の形状が略「C」字状となる場合もある。
一方で、中心軸70にして垂直な面における形状が渦巻き状となる場合のように、空気電池の幅方向の両端部分が重なり合うようになると、その部分で空気電池10の厚みが厚くなって本体部30の筐体と薬剤送出機構との隙間に空気電池10を収容できなくなるとともに、空気電池10の表面に形成されている空気孔7が空気電池10自身に覆われてしまうなどして、正極活物質である空気の取り込みが困難となる事態が想定される。
したがって、端部同士がごくわずか重複する場合を除いて、筐体内部に配置された状態でシート状空気電池10が重ならないようにすることが好ましい。
なお、シート状空気電池10の詳細については、後に詳述する。
ペン型薬剤投与装置100の機能動作部40は、利用者が投与した薬剤の量や投与時間の管理などを行い、ペン型薬剤投与装置100に付加価値を与える部分である。本実施形態で説明するペン型薬剤投与装置100では、機能動作部40の内部に回路部41が収容されている。また、機能動作部40の筐体の表面には、表示部42として小型のディスプレイ素子が配置されていて、薬剤の投与量などの各種情報を表示することができる。
機能動作部40の中心軸70近傍には、本体部30と同様に薬剤送出機構や作動ボタン60の動作を薬剤送出機構に伝える伝達機構などが配置され、回路部41は中心軸70の近傍部分を避けて配置されている。なお、図1では、図面の煩雑化を避けるために、回路部41として略矩形の回路基板を1つのみ備えた状態を示しているが、回路部41を構成する回路基板の個数や形状などは、当該回路部41が発揮する機能によって適宜変更されるものであることは言うまでもない。
回路部41としては、薬剤送出機構部に配置されたセンサによって、薬剤の投与量を管理したり、独自が備えるタイマー機構によって、前回の薬剤投与からの経過時間を把握したりすることができる。また、メモリ機能や簡単なデータを処理するプロセッサ機能、表示ランプ、音声手段などを備えて、薬剤を投与する時間が来たことを利用者に報知したりすることもできる。さらには、加速度センサを備えてペン型薬剤投与装置100の傾斜方向を検出し、利用者が薬剤投与前にプライミングを行っていない場合にはその旨を警告する、送受信アンテナを備えてユーザのスマートフォンとの間でデータ連係をする、など、電子機器としての機能を有することで、ペン型薬剤投与装置100の付加価値を向上することができる。
回路部41の電源入力部(図示省略)は、動作電源であるシート状の空気電池10の電極端子9(図3、図4参照)と図示しない電源配線で接続されている。
投与量セレクタ50は、中心軸70を中心として配置されたリング状部材であり、利用者が投与量セレクタを回転させると、連動する作動ボタン60が中心軸70に沿って後方側(図1における右方向)に延出する。利用者が、後方に延出した作動ボタン60を所定の位置に戻るまで押し込むことで、連動する薬剤送出機構が作動ボタンの押し込み量に応じてインシュリンカートリッジ21内の薬剤を所定量だけ送出し、注射針を介して利用者に投与される。
なお、図示は省略するが、投与量セレクタ50と隣接する機能動作部40の筐体の外表面とに、投与量を示す数値や記号とゲージが表示されていて、利用者が容易に投与量の設定ができるように配慮されている。
以上説明したように、本実施形態にかかるペン型薬剤投与装置100では、利用者が、投与量セレクタ60によって所定の投与量を設定した状態で、作動ボタン60を所定位置まで押し込むことによって、薬剤送出機構部が動作してインシュリンカートリッジ21内の薬剤を投与することができる。また、本実施形態にかかるペン型薬剤投与装置100では、本体部30内に配置された、円筒形状のシート状空気電池を動作電源として動作する回路部41を備えることで、投与量や投与時間の管理をはじめとする各種の機能を発揮してペン型薬剤投与装置100の付加価値を高めている。
なお、図1に示したペン型薬剤投与装置100は、その外形がシンプルなペン型形状となっているが、全体として先端が細い筒状の「ペン型」であれば、表面に凹凸が形成されている場合や、中心軸に垂直な断面の形状が楕円形、矩形など円形以外である場合などの変形構造を排除するものではない。また、ペン型薬剤投与装置がさらなる付加機能を発揮することができるようにするために、たとえば、ペン型薬剤投与装置の後端部分を取り囲むキャップ状の接続部を有するアダプターを取り付ける構成とすることもできる。
[シート状の空気電池]
図3は、本実施形態で説明するペン型薬剤投与装置に用いられる動作電源としてのシート状空気電池の構成を説明するための平面図である。
また、図4は、本実施形態で説明する製造方法によって製造されたシート状空気電池の構成を説明するための断面構成図である。図4は、図3におけるA−A’矢示線部分の断面を示している。
図3、図42に示すように、シート状空気電池10は、正極1と負極2とを含む発電要素をはじめとする各部材をシート状に形成することで、全体として可撓性を有するシート状に構成されている。
図4にその断面を示すように、本実施形態で説明するシート状の空気電池10は、それぞれがシート状に形成された、正極1と負極2、正極1と負極2との間に配置されたセパレータ3と、図示を省略する電解液とが、その周囲部分がシールされたいずれもシート状に形成された正極1側の外装体6と、負極2側の外装体5との間に密閉されて構成されている。
また、正極1と、正極1側の外装体6との間には、空気を透過するが水分(電解液)は透過しない撥水膜4が配置されていて、正極1側の外装体6に形成された空気孔7から撥水膜4を介して、正極1に正極活物質である空気(酸素)が供給される。
本実施形態で説明するシート状の空気電池10では、1つの辺から外方に向かって突出するように、正極1と接続される正極端子9aと負極2と接続される負極端子9bとの2つの電極端子9が配置されている。電極端子9は、銅などの導電性の高い金属箔として形成することができる。図4では、正極1についてのみ示しているが、正極1と電極端子9a、負極2と電極端子9bとは、空気電池10の内部で接続リード8によって電気的に接続されている。
以下、シート状空気電池10を構成する各部材について詳述する。
(正極)
正極1は、触媒層を有するもの、例えば、触媒層と集電体とを積層した構造のものを使用することができる。
触媒層には、触媒やバインダーなどを含有させることができる。
触媒層に含有される触媒としては、例えば、銀、白金族金属またはその合金、遷移金属、Pt/IrO2などの白金/金属酸化物、La1-xCaxCoO3などのベロブスカイト酸化物、WCなどの炭化物、Mn4Nなどの窒化物、二酸化マンガンなどのマンガン酸化物、カーボン[黒鉛、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなど)、木炭、活性炭など]などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上が使用される。これらの中でも、カーボンや、二酸化マンガンなどのマンガン酸化物がより好ましい。また、触媒層における触媒の含有量は、20〜70質量%であることが好ましい。
なお、触媒層は、電解液の成分を除く重金属の含有量が、1質量%以下であることが好ましい。重金属の含有量が前記のように少ない触媒層を有する正極の場合、特別な処理などを経ずに廃棄しても環境負荷が小さい電池とすることができる。この点からも、触媒としては前述のカーボンを使用することがより好ましい。触媒層中の重金属の含有量は、蛍光X線分析などにより測定することができ、例えば、株式会社リガク製の蛍光X線分析装置「ZSX100e(製品名)」を用いて、励起源:Rh50kV、分析面積:φ10mmの条件で測定することができる。
また、正極の反応性をより高める観点からは、触媒として使用するカーボンの比表面積は、200m2/g以上であることが好ましく、300m2/g以上であることがより好ましく、500m2/g以上であることが更に好ましい。なお、カーボンの比表面積は、JIS K 6217に準じたBET法によって求められる値であり、例えば、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定することができる。カーボンの比表面積の上限値は、通常、2000m2/g程度である。
なお、カーボンを触媒層の形成材料としてカーボン以外の触媒と併用した場合には、このカーボンが、触媒としてだけでなく触媒層の形成時に触媒の担体としても機能する。また、触媒層の形成に、カーボンとカーボン以外の触媒とを、それぞれ個別に使用するのではなく、カーボン以外の触媒を予めカーボンに担持させた状態で触媒層の形成に使用することもできる。
カーボン以外の触媒とカーボンとを併用する場合には、触媒層におけるカーボンの含有量を、20〜70質量%とすることができる。この場合、カーボン以外の触媒の触媒層における含有量は、前記の触媒層における触媒の含有量を満たすように調整すればよい。
触媒層に含有されるバインダーとしては、フッ化ビニリデンの重合体〔ポリフッ化ビニリデン(PVDF)〕、テトラフルオロエチレンの重合体〔ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)〕、フッ化ビニリデンの共重合体やテトラフルオロエチレンの共重合体〔フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(PVDF−CTFE)、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(PVDF−TFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体(PVDF−HFP−TFE)など〕などのフッ素樹脂バインダーが挙げられる。これらの中でも、テトラフルオロエチレンの重合体(PTFE)または共重合体が好ましく、PTFEがより好ましい。触媒層におけるバインダーの含有量は、3〜50質量%であることが好ましい。
なお、正極における触媒層の厚みは、100〜500μmであることが好ましい。
正極を構成する集電体には、例えば、チタン製、ニッケル製、ステンレス製などの金属製の網、箔、エキスパンドメタル、パンチングメタル、多孔質シート(発泡基材など)や、カーボンクロス、カーボンペーパーなどの多孔質カーボンシートなどを用いることができる。中でも、正極に柔軟性を付与し、電池を湾曲しやすく観点から、多孔質カーボンシートを好ましく用いることができる。集電体の厚みは、50〜500μmであることが好ましい。
触媒層を有する正極の場合、例えば、前記触媒、バインダーなどを水と混合してロールで圧延し、集電体と密着させることにより製造することができる。また前述した触媒や必要に応じて使用するバインダーなどを、水や有機溶媒に分散させて調製した触媒層形成用組成物(スラリー、ペーストなど)を、集電体の表面に塗布し乾燥した後に、必要に応じてカレンダ処理などのプレス処理を施す工程を経て製造することもできる。
また、正極の集電体には、シート状外装体を構成する樹脂フィルムや、樹脂フィルムと金属フィルムとの積層体の一部を利用することもできる。この場合、例えば、樹脂フィルムや積層体の、シート状外装体の内面となることが予定される面にカーボンペーストを塗布して集電体としたり、積層体の金属層を集電体としたりし、この表面に前記と同様の方法で正極合剤層や触媒層を形成することで、正極とすることができる。なお、カーボンペースト層の厚みは、30〜300μmであることが好ましい。
(負極)
負極2には、亜鉛系材料(亜鉛材料と亜鉛合金材料とを纏めてこのように称する)やマグネシウム系材料(マグネシウム材料とマグネシウム合金材料とを纏めてこのように称する)、アルミニウム系材料(アルミニウム材料とアルミニウム合金材料とを纏めてこのように称する)などの金属材料を含有するものが使用される。このような負極では、亜鉛やマグネシウムやアルミニウムといった金属が、活物質として作用する。
亜鉛合金粒子の合金成分としては、例えば、インジウム(例えば含有量が質量基準で0.005〜0.05%)、ビスマス(例えば含有量が質量基準で0.005〜0.05%)、 アルミニウム(例えば含有量が質量基準で0.001〜0.15%)などが挙げられる。
また、マグネシウム合金粒子の合金成分としては、例えば、カルシウム(例えば含有量が質量基準で1〜3%)、マンガン(例えば含有量が質量基準で0.1〜0.5%)、亜鉛(例えば含有量が質量基準で0.4〜1%)、アルミニウム(例えば含有量が質量基準で8〜10%)などが挙げられる。
さらに、アルミニウム合金粒子の合金成分としては、例えば、亜鉛(例えば含有量が質量基準で0.5〜10%)、スズ(例えば含有量が質量基準で0.04〜1.0%)、ガリウム(例えば含有量が質量基準で0.003〜1.0%)、ケイ素(例えば含有量が質量基準で0.05%以下)、鉄(例えば含有量が質量基準で0.1%以下)、マグネシウム(例えば含有量が質量基準で0.1〜2.05%)、マンガン(例えば含有量が質量基準で0.01〜0.5%)などが挙げられる。
金属粒子を含有する負極の場合、その金属粒子は、1種単独でもよく、2種以上であってもよい。
なお、電池の廃棄時の環境負荷の低減を考慮すると、負極に使用する金属材料は、水銀、カドミウム、鉛およびクロムの含有量が少ないことが好ましく、具体的な含有量が、質量基準で、水銀:0.1%以下、カドミウム:0.01%以下、鉛:0.1%以下、およびクロム:0.1%以下であることがより好ましい。
亜鉛系粒子の粒度としては、例えば、全粒子中、粒径が75μm以下の粒子の割合が50質量%以下のものが好ましく、30質量%以下のものがより好ましく、また、粒径が100〜200μmの粒子の割合が、50質量%以上、より好ましくは90質量%以上であるものが挙げられる。
また、マグネシウム系粒子およびアルミニウム系粒子の粒度としては、例えば、全粒子中、粒径が30μm以下の粒子の割合が50質量%以下のものが好ましく、30質量%以下のものがより好ましく、また、粒径が50〜200μmの粒子の割合が、50質量%以上、より好ましくは90質量%以上であるものが挙げられる。
なお、上記説明における金属粒子の粒度は、レーザー散乱粒度分布計を用い、粒子を溶解しない媒体に、これらの粒子を分散させて測定した、体積基準での累積頻度50%における粒径(D50)である。
金属粒子を含有する負極の場合には、必要に応じて添加されるゲル化剤(ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルロースなど)やバインダーを含んでもよく、これに電解液を加えることで構成される負極剤(ゲル状負極など)を使用することができる。負極中のゲル化剤の量は、例えば、0.5〜1.5質量%とすることが好ましく、バインダーの量は、0.5〜3質量%とすることが好ましい。
金属粒子を含有する負極に係る電解液には、電池に注入するものと同じものを使用することができる。
負極における金属粒子の含有量は、例えば、60質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、また、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
金属粒子を含有する負極は、酸化インジウム、水酸化インジウムなどのインジウム化合物を含有していることが好ましい。負極がインジウム化合物を含有することによって、金属粒子と電解液との腐食反応による水素ガス発生をより効果的に防ぐことができる。
負極に使用するインジウム化合物の量は、質量比で、金属粒子:100に対し、0.03〜1であることが好ましい。
また、負極には、電池を湾曲させる際に、活物質の脱落を防ぎ形状を維持する観点から、前記亜鉛系粒子と同じ組成の亜鉛系シート(亜鉛箔や亜鉛合金箔など)や、前記マグネシウム系粒子と同じ組成のマグネシウム系シート(マグネシウム箔やマグネシウム合金箔など)といった金属シート(金属箔)を好ましく用いることもできる。このような負極の場合、その厚みは、10〜500μmであることが好ましい。
また、負極には、集電性を高めるために、必要に応じて集電体を用いてもよい。金属材料を含有する負極の集電体としては、ニッケル、銅、ステンレス鋼などの金属の網、箔、エキスパンドメタル、パンチングメタル;カーボンのシート、網;などが挙げられる。負極の集電体の厚みは、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
負極の集電体には、正極の場合と同様に、シート状外装体の内面となることが予定される面にカーボンペーストを塗布して用いたり、シート状外装体を構成する金属層を用いたりすることができる。カーボンペースト層の厚みは、50〜200μmであることが好ましい。
(セパレータ)
セパレータ3としては、樹脂製の多孔質膜(微多孔膜、不織布など)や、セロファンフィルムに代表される半透膜などの、各種電池で一般的に採用されているセパレータが挙げられる。なお、シート状電池の短絡防止および負荷特性を向上させる観点からは、半透膜をセバレータに使用することが好ましい。
樹脂製の多孔質膜からなるセパレータを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィンなどが挙げられる。
樹脂製のセバレータの場合、空孔率は30〜80%であることが好ましく、また、厚みは10〜100μmであることが好ましい。
また、セロファンフィルムなどの半透膜をセパレータに使用する場合、半透膜のみでセパレータを構成してもよい。しかしながら、半透膜は強度が小さいため、電池組み立て時の破損などの問題が発生しやすい。よって、特定の重合体で構成されるグラフトフィルムと、半透膜とを積層した積層体でセパレータを構成することも推奨される。
グラフトフィルムを構成するグラフト重合体は、例えば、幹ポリマーであるポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)に、(メタ)アクリル酸またはその誘導体が、グラフト重合した形態を有するものである。ただし、グラフト重合体は前記の形態を有していればよく、ポリオレフィンに、(メタ)アクリル酸やその誘導体をグラフト重合させる方法により製造されたものでなくともよい。
セロファンフィルムのみで構成されるセパレータの場合、その厚みは、例えば、15μm以上であることが好ましく、また、40μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
さらに、グラフトフィルムとセロファンフィルムとの積層体で構成されるセパレータの場合、グラフトフィルムとセロファンフィルムとの合計厚みで、例えば、30μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましく、また、70μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましい。
さらに、グラフトフィルムとセロファンフィルムの積層体で構成されるセバレータの場合、グラフトフィルムの厚みは、例えば、15μm以上であることが好ましく、25μm以上であることがより好ましく、また、30μm以下であることが好ましい。
セパレータを構成するためのグラフトフィルムとセロファンフィルムとの積層体としては、例えば、株式会社ユアサメンブレンシステムから「YG9132」や「YG9122」、「YG2152」の名称で市販されているものが挙げられる。
また、セロファンフィルムや、セロファンフィルムおよびグラフトフィルムと、ビニロン−レーヨン混抄紙のような吸液層(電解液保持層)とを組み合わせてセパレータを構成してもよい。このような吸液層の厚みは20〜500μmであることが好ましい。
(外装体)
シート状の外装体5、6を構成する樹脂フィルムとしては、ナイロンフィルム(ナイロン66フィルムなど)、ポリエステルフィルム[ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなど]などが挙げられる。樹脂フィルムの厚みは、20〜100μmであることが好ましい。
シート状外装体5、6の封止は、正極1側のシート状外装体6の端部と負極2側の外装体5の端部との熱融着によって行うことが一般的であるが、この熱融着をより容易にする目的で、樹脂フィルムに熱融着樹脂層を積層してシート状外装体5、6として用いてもよい。熱融着樹脂層を構成する熱融着樹脂としては、変性ポリオレフィンフィルム(変性ポリオレフィンアイオノマーフィルムなど)、ポリプロピレンおよびその共重合体などが挙げられる。熱融着樹脂層の厚みが20〜100μmであることが好ましい。
また、樹脂フィルムには金属層を積層してもよい。金属層は、アルミニウムフィルム(アルミニウム箔。アルミニウム合金箔を含む。)、ステンレス鋼フィルム(ステンレス鋼箔。)などにより構成することができる。金属層の厚みが10〜150μmであることが好ましい。
また、シート状外装体5、6を構成する樹脂フィルムは、前記の熱融着樹脂層と前記の金属層とが積層された構成のフィルムであってもよい。
シート状外装体の形状は、空気電池として求められる形状として、図3では平面視で四角形としたものを例示している。しかし、空気電池10に用いられるシート状外装体5、6の平面視形状は四角形には限られず、使用される機器の形状や、空気電池が収容される部分の形状に合わせて、三角形、五角形、六角形、七角形、八角形などの多角形や、円形や楕円形であってもよい。
図3、図4に示したように、本実施形態で説明する空気電池10では、正極1側の外装体6の正極1と重なる部分に、空気孔7が形成されている。
空気孔7を介して、外部の空気が取り込まれて空気中の酸素が正極活物質として機能し、電力が供給される。空気孔7は、一例として直径が50μmから1mm程度の円形の開口で、正極1側の外装体6に熱針を用いて、または、レーザー照射法によって形成される。なお、空気孔7の形成方法については、後に詳述する。
図3では、空気孔7として、縦方向と横方向とにそれぞれ3個ずつ、合わせて9個の空気孔7がマトリクス状に形成されている例を示したが、空気孔7の個数や配置形状には制約はなく、正極1で必要とされる量の酸素が供給できる範囲で、平面視したときになるべく均等に分散させた形で配置することが好ましい。
図3では、空気電池10の外形が矩形である場合に、空気電池10の外形を構成する辺に平行に、縦方向と横方向に空気孔7を形成する構成を例示した。しかし、本実施形態で説明する空気電池の製造方法により製造される空気電池における空気孔7の配置パターンは、図3に示したマトリクス配置する場合以外にも、空気孔7の配置位置を隣り合う行(または列)における配置位置の中間部分に配置する、いわゆる千鳥配列や、空気電池10の辺に対して30〜45度傾斜した傾斜線上に空気孔7を配置することができる。さらに、一つの空気電池において、複数の配置パターンを適用することができる。
また、当然ながら、空気孔7の配置位置に規則性を設けずにランダム配置することも可能である。ただし、ランダム配置の場合には、たとえばシート状外装体6のうち正極1に対向する領域を複数個の微細領域に分割して、当該微細領域内での空気孔7の数を同じとするなど、正極1の特定の部分に偏って空気孔7が形成されることがないように調整することが重要である。
また、空気孔7の形状も、例示した略円形のものに限らず、矩形や、楕円形状などとしてもよい。
なお、本実施形態で説明する空気電池10では、上述したように、正極1側の外装体6の一つの辺から外部へと突出する2つの電極端子9(9a、9b)が形成されている。金属箔などで構成される電極端子9を挟んだ状態で、正極1側のシート状外装体6と負極2側のシート状外装体5とを十分に密着させるために、電極端子9が配置される部分の周囲に熱溶着樹脂層を配置することが好ましい。
また、図3、図4では、シート状の空気電池10の一つの辺に2つの電極端子9a、9bを並べて配置した構成を説明したが、2つの電極端子をそれぞれ異なる辺に配置することも可能である。さらに、電極端子は、図3、図4で示したように、シート状空気電池10の辺から外方へ突出するように形成したものには限られず、たとえば、空気電池10の正極1側の外装体6の内面側に膜状の電極端子を印刷法などによって形成し、この電極端子に対向する部分の陰極3側の外装体5に開口を設けて、陰極3側の外装体5の裏面から空気電池10の正極1と負極2と接続できる構成を採用することができる。このように、シート状空気電池10の電極端子を空気電池10の裏側面に露出させることで、空気電池10と空気電池10から電力を供給される負荷回路である回路部41の端部とを積層して配置することができ、空気電池10を回路部41との配置面積の合計を小さくすることができる。
(撥水膜)
シート状空気電池10の正極1と正極1側の外装体6との間には、撥水膜4が配置されている。撥水膜4には、撥水性がある一方で空気を透過できる膜が使用される。このような撥水膜4の具体例としては、PTFEなどのフッ素樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン;などの樹脂で構成された膜などが挙げられる。撥水膜の厚みは、50〜250μmとすることができる。
なお、正極1側の外装体6と撥水膜4との聞に、外装体6内に取り込んだ空気を正極に供給するための空気拡散膜(図示省略)を配置してもよい。空気拡散膜には、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ナイロンなどの樹脂で構成された不織布を用いることができる。空気拡散膜の厚みは、100〜250μmとすることができる。
(電解液)
2つのシート状外装体5、6内に収容される電解液の電解質塩としては、特に限定はされないが、塩化ナトリウムなどアルカリ金属の塩や、塩酸、硫酸および硝酸などより選択される強酸と、アンモニアや、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなど金属元素の水酸化物に代表される弱塩基との塩が例示される。この中でも、強酸と弱塩基との塩が好ましく用いられ、そのうち、アンモニウム塩または特定の金属元素の塩がより好ましく用いられる。
より具体的には、Cl-、SO4 2-、HSO4 -、および、NO3 -より選択される少なくとも1種のイオンと、Alイオン、Mgイオン、Feイオンおよびアンモニウムイオンより選択される少なくとも1種のイオンとの塩であり、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム[(NH4)HSO4]、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩;硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムなどのアルミニウム塩;硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化水酸化マグネシウム[MgCl(OH)]、硝酸マグネシウムなどのマグネシウム塩;硫酸鉄(II)、硫酸アンモニウム鉄(II)[(NH42Fe(SO42]、硫酸鉄(III)、塩化鉄(II)、硝酸鉄(II)などの鉄塩;が例示される。
このように、強酸と弱塩基との塩を含有する水溶液は、負極活物質である金属材料を腐食させる作用が比較的小さく、また、比較的高い導電率を有している。よって、良好な放電特性を実現することができる。
電解液のpHとしては、3以上12未満とすることで、安全性を向上させた、環境負荷が小さく、かつ、放電特性が良好な空気電池を実現することができる。なお、電解液のpHは、3以上、好ましくは5以上であって、12未満、好ましくは10以下、より好ましくは7未満である。前記の電解質塩を用いることにより、電解液のpHを前記範囲に調整しやすくなるだけでなく、皮膚への刺激性が比較的低い電解液を構成することができるので、例えば、電池の外装体が傷ついて電解液が漏出しウェアラブルパッチ100の被装着者の皮膚などに付着した場合でも、トラブルを生じる可能性が低いため、身体に直接装着されるウェアラブルパッチ100の電源として好適な電池とすることができる。
電解液として使用する水溶液は、電解質として、Cl-、SO4 2-、HSO4 -、および、NO3 -より選択される少なくとも1種のイオンと、Alイオン、Mgイオン、Feイオンおよびアンモニウムイオンより選択される少なくとも1種のイオンとの塩のうちの1種のみを含有していればよいが、2種以上を含有していてもよい。
ただし、Cl-イオンとFe3+イオンとの塩[塩化鉄(III)]については、その他のイオンの組み合わせによる塩に比べて負極活物質である金属材料を腐食させる作用が強いため、塩化鉄(III)以外の塩を用いることが好ましく、負極活物質である金属材料を腐食させる作用がより低いことから、アンモニウム塩を用いることがより好ましい。
なお、前記した強酸と弱塩基との塩であっても、過塩素酸塩は、加熱や衝撃により燃焼や爆発の危険を生じることから、環境負荷や廃棄時の安全性の観点から、電解液として使用する前記水溶液に含有させないか、あるいは含有しても過塩素酸イオンの量がわずかであること(具体的には100ppm未満、より好ましくは10ppm未満)が好ましい。
また、前記強酸と弱塩基との塩のうち、塩化亜鉛や硫酸銅などに代表される重金属塩(鉄の塩を除く)は、有害であるものが多いため、環境負荷や廃棄時の安全性の観点から、電解液として使用する前記水溶液に含有させないか、あるいは含有しても鉄イオンを除く重金属イオンの量がわずか(具体的には100ppm未満、より好ましくは10ppm未満)であることが好ましい。
電解液の導電率は、80mS/cm以上であることが好ましい。よって、電解液として使用する前記水溶液における前記電解質の濃度(1種のみを用いる場合は、その濃度であり、2種以上を用いる場合は、それらの合計濃度)は、このような導電率を確保できるような濃度とすればよく、通常は、5〜50質量%である。なお、電解液の導電率の上限値は、通常700mS/cm程度である。
電解液には、インジウム化合物が溶解していることが好ましい。電解液中にインジウム化合物が溶解している場合には、電池内での水素ガスの発生をより良好に抑制することができる。
電解液に溶解させるインジウム化合物としては、水酸化インジウム、酸化インジウム、硫酸インジウム、硫化インジウム、硝酸インジウム、臭化インジウム、塩化インジウムなどが挙げられる。
インジウム化合物の電解液中の濃度は、質量基準で0.005%以上であることが好ましく、0.01%以上であることがより好ましく、0.05%以上であることが特に好ましい。また、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることが特に好ましい。
また、電解液には前記の各成分の他に、必要に応じて公知の各種添加剤を添加してもよい。例えば、負極に用いる金属材料の腐食(酸化)を防止するために、酸化亜鉛を添加するなどしてもよい。なお、酸化亜鉛は、負極に添加することもできる。
(空気電池の諸元)
上述した各部材で構成されるシート状空気電池10の全体形状は、一例として、長辺が30〜50mm、短辺が20〜35mmとすることができる。なお、空気電池10の厚みは、より薄く構成することが好ましく、一例として1mm以下とすることができる。なお、空気電池10の取り扱い上必要となる剛性を考慮すると、厚みの最小値は一例として0.2mmとすることができる。
なお、上記説明では、液体状の電解液を外装体5、6の間に封入した例を説明したが、電解液としては、他にゲル状の電解液を用いることができる。ゲル状の電解液を用いることにより、シート状の空気電池10を印刷工程で製造することが可能となり、空気電池10のコスト低減を図ることができる。また、電解液をゲル状とすることによって、空気電池10からの液漏れがなくなるという利点がある。
以上説明したように、本実施形態で説明するペン型薬剤投与装置100では、回路部41の動作電源として、正極、負極、外装体などの各構成部材がいずれもシート状であるシート状空気電池を、正極を外側となるように湾曲させて用いているため、発電効率が高く、また、電池容量も大きいため、回路部41の安定的な動作を実現することができる。
(他の構成)
本実施形態にかかるペン型薬剤投与装置100に駆動回路部41の動作電源として用いることができるシート状空気電池10としては、図3、図4を用いて示した以外の構成として、2枚のシート状の正極と1枚のシート状の負極とを備え、シート状の外装体の両面に空気孔が形成された構成のものを用いることができる。
このようなシート状外装体の両面に空気孔が形成された空気電池としては、2枚のシート状に形成された正極がそれぞれセパレータを介してシート状の負極の裏表両面に配置され、正極の負極とは反対側には、それぞれ撥水膜が積層されることで構成可能である。
このように構成された、両面に正極を有する別の構成のシート状空気電池は、両面に空気孔が形成されていることから、空気電池の大きさ、特に表面積に対する発電効率が、正極を一枚のみ備える空気電池と比較して大きくすることができる。このため、ペン型薬剤投与装置100の本体部30内に空気電池を配置した際に、内面側である中心軸70側に配置されている薬剤送出機構部との間に間隙があり、その間隙部分に、本体部30の外表面に形成した開口31や、インシュリンカートリッジ収容部20、機能動作部40などのペン型薬剤投与装置100の他の構成部分を介して外部から空気が侵入する構成であるならば、中心軸70側の表面に形成された空気孔からの空気によっても発電し、負荷である 回路部41への電力供給効率を高くすることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本願で開示するペン型薬剤投与装置の別の構成例について、第2の実施形態として説明する。
図5に、第2の実施形態にかかるペン型薬剤投与装置の構成を示す。
図5に示す、第2の実施形態のペン型薬剤投与装置200は、投与装置そのものの構成は、第1の実施形態で説明したペン型薬剤投与装置100と同じであり、回路部41の動作電源であるシート状の空気電池10が、本体部30の筐体の外側に配置されている点のみが異なる。
このため、ペン型薬剤投与装置の各部の構成、シート状空気電池の構成の説明は省略し、これら第1の実施形態で説明したペン型薬剤投与装置100と同じ部分には同じ符号を付与する。
図5に示すように、第2の実施形態にかかるペン型薬剤投与装置200に用いられるシート状空気電池10は、中心軸80に対して湾曲させる際の内径が、ペン型薬剤投与装置200の本体部30の筐体の厚さ分大きくなっていることで、本体部30の外表面に密着して配置することができる。
図5に示す、第2の実施形態にかかるペン型薬剤投与装置200の場合は、動作電源となるシート状空気電池10の外面側に空気孔7が外部の空間に露出するため、確実に、かつ、効率よく空気を電池内部に取り込んで、発電することができる。
なお、第2の実施形態にかかるペン型薬剤投与装置においては、本体部30または機能動作部40の筐体を貫通する導電性部材を設けて、筐体の外部に配置された空気電池10と筐体の内部に配置された回路部41との電気的導通がはかられている。
また、上記第1の実施形態にかかるペン型薬剤投与装置100の説明時に言及した、負極の両面に2枚の正極が配置されたシート状空気電池を用いても、シート電池の内面側の空気孔は本体部30の筐体に覆われるため空気を取り入れることはできず、負荷特性の向上にはつながらない。したがって、第2の実施形態にかかるペン型薬剤投与装置200に用いられる構成としては適切ではない。
以上説明したように、本願で開示するペン型装置を用いたペン型薬剤投与装置は、投与装置が備える回路部の動作電源として、正極を外側にして筒型形状に湾曲されたシート状の空気電池を用いることで、装置全体の小型・軽量化を図りながら、実用上十分な動作時間を確保することができる。
なお、上記第1の実施形態、第2の実施形態では、本願で開示するペン型薬剤投与装置として、投入病患者が自身でインシュリンを投与する際に用いる投与装置を例示して説明した。本願で開示するペン型装置として実現されたペン型薬剤投与装置で投与される薬剤は、患者自身が投与するインシュリンには限られず、鎮痛剤や精神安定剤など、医師や看護師が患者に医療行為として投与する薬剤を用いることができる。
また、医療行為としての薬剤投与には限られず、利用者自身が理美容目的でヒアルロン酸を投与する際の投与装置などとしても使用することができる。
さらに、本願で開示するペンが装置としては、筐体の中心軸部分に配置された採血機構で患者の血液を採取し、筐体内に配置された自動分析機構で血液の分析を行うとともに分析結果を利用者のスマートフォンなどの外部通信装置に送信するペン型血液採取装置など、全体としてペン型であり、かつ、中心軸部分に機能を発揮する上で不可欠な機構部品を備え、さらに電池を電源として動作する負荷回路を備えた各種のペン型装置として実現することができる。
本開示のペン型装置は、回路部の動作電源として、正極を外側にして湾曲して円筒形状とした、シート状の空気電池を用いている。このため、装置全体の小型・軽量化を実現しつつ実用上十分な動作時間を確保した、利便性の高いペン型装置として有用である。
10 空気電池
20 インシュリンカートリッジ収容部20
30 本体部
40 機能動作部
41 回路部
50 投与量セレクタ
60 作動ボタン
70 中心軸
100 ペン型薬剤投与装置(ペン型装置)

Claims (8)

  1. ペン型の筐体と、
    前記筐体内に収容された回路部と、
    前記回路部の動作電源となるシート状の空気電池とを備え、
    前記空気電池は、正極側が外側となる状態で前記筐体の軸を中心軸とする略筒状となるように湾曲していることを特徴とする、ペン型装置。
  2. 前記空気電池が、前記筐体の内部に収容され、前記空気電池が収容された部分の前記筐体に外部空間と連通する開口が形成されている、請求項1に記載のペン型装置。
  3. 前記空気電池が、前記筐体の外表面に装着されている、請求項1に記載のペン型装置。
  4. 前記空気電池は、樹脂フィルムにより構成された外装体を備えた、請求項1に記載のペン型装置。
  5. 前記空気電池は、正極の集電体として多孔質カーボンシートを備えた、請求項1に記載のペン型装置。
  6. 前記空気電池は、金属シートにより構成された負極を備えた、請求項1に記載のペン型装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のペン型装置であって、
    薬剤を患者に投与する薬剤投与装置であるペン型装置。
  8. 前記筐体の中心軸部分に薬剤を投与するための薬剤送出機構部が配置された、請求項7に記載のペン型装置。
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