JP2019154312A - 非光栄養性c1代謝微生物での遺伝子発現制御のための核酸およびベクター、およびそれらの形質転換体 - Google Patents

非光栄養性c1代謝微生物での遺伝子発現制御のための核酸およびベクター、およびそれらの形質転換体 Download PDF

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Abstract

【課題】非光栄養性C1代謝微生物において広く利用可能で、基底発現が極めて小さく、非誘導時と誘導時との発現量比が大きい発現制御系を提供すること。特に、C1原料からの物質生産における生産性能の改善に十分な量のタンパク質発現を、細胞の生育と競合しないように任意のタイミングで達成できる技術の提供。【解決手段】非光栄養性C1代謝微生物での遺伝子発現制御のための、リボスイッチをコードする配列を含むことを特徴とする核酸、リボスイッチがテオフィリン結合性リボスイッチであり、リボスイッチがプロモーターの下流に配置され、リボソーム結合配列がスペーサーを介しリボスイッチの下流に配置されている核酸、及び核酸を含む非光栄養性C1代謝微生物の形質転換体。【選択図】なし

Description

本発明は、微生物における遺伝子発現の制御方法に関する。より具体的には、本発明は、非光栄養性のC1代謝微生物における遺伝子発現の制御に必要な核酸分子、特に微生物を用いたメタン、メタノールからの物質生産に関する。
代謝改変された微生物によって、グルコースやセルロースなどの植物資源から、化学品、タンパク質などの有用物質を生産する技術の開発、実用化が進んでいる。従来技術の多くは有機物、特に糖を原料としたものであったが、改変された光栄養性C1代謝微生物を用いることで、メタンやメタノールといった代替原料からの物質生産技術が近年新たに注目されるようになった。
宿主とする光栄養性C1代謝微生物に、生来生産できない物質の生産能力を賦与するためには、当該宿主細胞に生産に必要な外来酵素をコードする遺伝子を導入し、これらを過剰発現させる必要がある。このような潜在的価値があるにもかかわらず、生産可能な物質の種類、数はいまだ限定的である。主たる原因のひとつとして、物質生産のための酵素遺伝子をC1代謝微生物へ導入するのはしばしば難しいことが挙げられる。一般に、C1代謝微生物の生育は従属栄養性細菌のそれに比べ遅い。そのため、発現遺伝子の産物が生育と競合する場合には、長期にわたってその遺伝子型を安定に維持するためだけでなく、そもそも形質転換体を取得するために、非誘導時の基底発現レベルは限りなく低く抑えられていることが望ましい。ゆえに、所望の条件下でのみ遺伝子の発現を誘導できる技術は非常に重要である。一方、物質生産性の最大化のためには、任意のタイミングで遺伝子発現を強く誘導できることもまた強く求められる。すなわち、基底発現が限りなく小さい一方で、誘導時には強力に発現を誘導できる技術が強く求められる。
また、光栄養性C1代謝微生物の生物学的な諸性質についてはいまだに未解明の部分も多く、基礎的知見の集積も望まれている。そのため、特定遺伝子の生理学的機能の解明においても、所望の条件に限定した遺伝子発現誘導は、光栄養性C1代謝微生物を用いた研究の推進に大きく寄与することが期待される。
上記のような要請が強くありながら、遺伝子組換え宿主としてこれまで広く用いられてきた従属栄養性細菌に比べると、非光栄養性C1代謝微生物の遺伝子発現制御ツールは著しく不足している(非特許文献1)。その大きな原因のひとつとして、大腸菌をはじめとした従属栄養性細菌で汎用的に利用されてきた遺伝子発現制御系の多くが、C1代謝微生物に転用できないことが挙げられる(特許文献2、3)。例えば、特許文献1では、イソプロピルチオガラクトピラノシド(IPTG)誘導性のtrcプロモーターが使用されているが、メタン資化性菌では良好な性能を示さなかった旨が記載されている。実際、特許文献1、非特許文献2の例を除いて、これまでに報告された発現制御系は非光栄養性C1代謝微生物のゲノムから同定されたものである(特許文献2、3)。また、上記いずれの先行技術においても、低い基底発現と強力な発現誘導の2つの性能を両立できたものはない。
以上のように、非光栄養性C1代謝微生物で良好に機能する発現制御系が強く望まれてきたものの、そのような報告例はなかった。それは、既存の発現制御系を非光栄養性C1代謝微生物へ転用できないこと、代わりに非光栄養性C1代謝微生物から同定されたものも性能が限定的であることが原因であった。
例えば、特許文献2、非特許文献2では、メタン資化性菌にて利用可能な誘導性プロモーターについて記述されているが、基底発現があるだけでなく、非誘導時と誘導時との発現比も限定的であった。特許文献2では、誘導性プロモーター配列をMethylomonas sp.のゲノムから見出しているが、発現誘導が特定の栄養条件に限定される問題がある。最後に、メタノール資化性菌であるBacillus methanolicus MGA3株(非特許文献3)やPichia pastorisでは、同一種由来のマンニトール誘導性プロモーターや類縁種由来のキシロース誘導性プロモーター、メタノール誘導性プロモーターの利用例があるが、他の非光栄養性C1代謝微生物での利用は示されていない。実際、マンニトールやキシロース、メタノール誘導性プロモーターは、宿主微生物固有のシグナル伝達系を介した複雑な発現制御に依存しており、これを有さない非光栄養性C1代謝微生物への応用は困難と考えられる。
以上のように、本発明者らの知る限り、これまでに知られる非光栄養性C1代謝微生物用の発現制御系は、その性能が限定的であるだけでなく、天然由来またはその改変型の特定の微生物種における利用を示した例がほとんどであった。
特許文献1: US2014/273128号公報
特許文献2: WO2015/195972号パンフレット
特許文献3: 特表2006−515166号公報
非特許文献1: Kalyuzhnaya,M.G. et al.,Metabolic engineering in methanotrophic bacteria.,Metab.Eng.,Vol.29,142−152(2015)
非特許文献2: Henard,C.A. et al.,Biological conversion of methane to lactate by an obligate methanotrophic bacterium.,Sci.Rep.,Vol.6,21585(2016)
非特許文献3: Irla,M. et al.,Genome−based genetic tool development for Bacillus methanolicus: theta− and rolling circle−replicating plasmids for inducible gene expression and application to methanol−based cadaverine production.,Front.Microbiol.,Vol.7,1481(2016)
非特許文献4: Salis,H.M.,The ribosome biding site calculator.,Methods Enzymol.,Vol.498,19−42(2011)
上記現状に鑑み、本発明の課題は、非光栄養性C1代謝微生物において広く利用可能で、基底発現が無視できるほど小さく、非誘導時と誘導時との発現量比が大きい技術を提供することにある。特に、本発明は、C1原料からの物質生産量の改善に十分な量のタンパク質発現を、細胞の生育と競合しないように任意のタイミングで達成できる技術を提供することを目的とする。
上記のとおり、大腸菌などの従属栄養性細菌で利用されてきた遺伝子発現制御系の多くは、非光栄養性C1代謝微生物に転用できないことが一般的に認識されており(特許文献3)、同様にリボスイッチによる発現誘導システムについても非光栄養性C1代謝微生物に利用できるとの知見はなかった(特許文献1)。しかしながら、本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を行い、多くの非光栄養性C1代謝微生物においてリボスイッチによる発現誘導システムが殊に良好に機能することを見出した。具体的には、このシステムが、基底発現が限りなく小さく、先行技術に比べて非誘導時と誘導時の発現比が著しく大きい、従来の非光栄養性C1代謝微生物における発現制御系にない特長を有することを見出し、本発明を完成するに至った。特に、本発明の発現誘導システムをメタン資化性菌に適用した場合、基底発現が全く検出されないだけでなく、強力な発現誘導も可能であり、大腸菌では達成し得ない特長を有することを見出した。
また、本発明者らは、以前からL−リジン脱炭酸酵素遺伝子を恒常発現する配列を含むベクターを非光栄養性C1代謝微生物へ導入することを試みていたが、全く形質転換体を得ることができていなかった。そこで、本発明者らは、リボスイッチを用いた発現システムでは基底発現が限りなく小さいという上記の新たな発見を踏まえて、前記恒常発現系をリボスイッチを用いた発現誘導系と置き換えたところ、形質転換体の取得効率を劇的に向上させられることを見出した。細胞の生育に影響することのないGFPタンパク質を恒常発現した形質転換体は容易に得られることから、特に非光栄養性C1代謝微生物の生育と競合する遺伝子を発現する場合においては、発現誘導系の活用が大変重要であることを裏付けるものであった。
すなわち本発明は以下を提供する:
(1)非光栄養性C1代謝微生物での遺伝子発現制御のための核酸であって、リボスイッチをコードする配列を含むことを特徴とする前記核酸;
(2)リボスイッチがテオフィリン結合性リボスイッチであることを特徴とする、上記(1)の核酸;
(3)前記テオフィリン結合性リボスイッチが、5’−GGTACCGGTGATACCAGCATCGTCTTGATGCCCTTGGCAGCACCCTGCTAAGGAGGCAACAAG−3’(配列番号:1)の配列を有することを特徴とする、上記(2)の核酸;
(4)前記リボスイッチが、天然もしくは人工的なプロモーターの下流に配置されていることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかの核酸;
(5)前記プロモーターが、誘導性プロモーターであることを特徴とする上記(4)の核酸;
(6)前記プロモーターが、恒常性プロモーターであることを特徴とする上記(4)の核酸;
(7)前記プロモーターが、trcプロモーターであることを特徴とする上記(5)又は(6)の核酸;
(8)天然もしくは人工的なリボソーム結合配列を含むことを特徴とする上記(1)〜(7)の核酸;
(9)前記リボソーム結合配列が、5’−AAGGAGG−3’の配列を有することを特徴とする上記(8)の核酸;
(10)前記リボソーム結合配列が、スペーサーを介しリボスイッチの下流に配置されていることを特徴とする、上記(8)又は(9)の核酸;
(11)更に発現されるべき遺伝子を含み、該遺伝子が、ターミネーターの上流に配置されていることを特徴とする、上記(1)〜(10)のいずれかの核酸;
(12)上記(1)〜(11)のいずれかの核酸を含むベクター;
(13)上記(1)〜(11)のいずれかの核酸を含む非光栄養性C1代謝微生物の形質転換体;
(14)前記核酸が、宿主微生物の染色体上に組み込まれている、上記(13)の形質転換体;
(15)前記核酸が、該核酸を含むベクターとして宿主微生物に導入されている、上記(13)の形質転換体;
(16)非光栄養性C1代謝微生物が、メタン資化性菌またはメタノール資化性菌であることを特徴とする、上記(13)〜(15)のいずれかの形質転換体;
(17)非光栄養性C1代謝微生物が、メチロモナス(Methylomonas)、メチロバクター(Methylobacter)、メチロコッカス(Methylococcus)、メチロサイナス(Methylosinus)、メチロシスチス(Methylocystis)、メチロマイクロビウム(Methylomicrobium)、メチロフィラス(Methylophilus)、メチロバチルス(Methylobacillus)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、キサントバクター(Xanthobacter)及びパラコッカス(Paracoccus)からなる群から選択されることを特徴とする、上記(13)〜(15)のいずれかの形質転換体;
(18)非光栄養性C1代謝微生物が、Methylococcus capsulatus Bath(NCIMB 11132)、Methylophilus methylotrophus AS1(NCIMB 10515)、Methylobacillus glycogenes(NCIMB 11375)及びParacoccus denitrificans(NCIMB 11627)からなる群から選択されることを特徴とする、上記(13)〜(15)のいずれかの形質転換体;
(19)上記(13)〜(18)のいずれかの形質転換体に、リボスイッチのリガンドを供給することで、該リボスイッチの制御下にある遺伝子の発現を誘導する方法;
(20)前記リガンドが、テオフィリンであることを特徴とする上記(19)の方法;
(21)前記リガンドが、形質転換体により自律的に供給されることを特徴とする、上記(19)又は(20)の方法;および、
(22)上記(1)〜(11)のいずれかの核酸を含む、非光栄養性C1代謝微生物の形質転換のためのキット。
本発明により、基底発現を極めて小さく抑えられることから、従来の恒常発現や、基底発現の無視できない発現誘導系では得られなかった、生育と競合する遺伝子を含む核酸の形質転換体を容易に獲得することができる。つまり、本発明の発現誘導系を用いることによって、非光栄養性C1代謝微生物で生産可能な物質の種類を著しく拡大しうる。さらに、本発明は、IPTGなどの誘導剤を使用する先行技術に比べて非誘導時と誘導時の発現比が著しく大きい特長を有するため、所望の条件に限定した遺伝子発現、遺伝子発現量の柔軟な調節、またこれらを通じて物質生産性能の最大化や遺伝子の生理学的性質の解明を図ることができる。
図1は、pmk61Aのプラスミドマップである。図中、「Ptrc」はtrcプロモーターを、「riboswitch」はリボスイッチ配列を、「RBS」はリボソーム結合配列を、「GFP」はsfGFP遺伝子を、「mob」はmob遺伝子を、「kanR」はカナマイシン耐性遺伝子を、「Rep]は複製起点を、それぞれ、示している。 図2は、pmk61Aを導入したEscherichia coliにおける、テオフィリン添加とGFP蛍光強度の関係を示すグラフである。 図3は、pmk61Aを導入したMethylococcus capsulatus Bathにおける、テオフィリン添加濃度とGFP蛍光強度の関係を示すグラフである。 図4は、pmk61Aを導入したMethylophilus methylotrophus AS1における、テオフィリン添加とGFP蛍光強度の関係を示すグラフである。 図5は、pmk61Aを導入したMethylobacillus glycogenesにおける、テオフィリン添加とGFP蛍光強度の関係を示すグラフである。 図6は、pmk61Aを導入したParacoccus denitrificansにおける、テオフィリン添加とGFP蛍光強度の関係を示すグラフである。 図7は、pmk96およびpmk99のプラスミドマップである。図中、「Ptrc」はtrcプロモーターを、「riboswitch」はリボスイッチ配列を、「RBS」はリボソーム結合配列を、「cadA」はL−リジン脱炭酸酵素(cadA)遺伝子を、「mob」はmob遺伝子を、「kanR」はカナマイシン耐性遺伝子を、「Rep]は複製起点を、それぞれ、示している。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明において、核酸とは、リボ核酸(RNA)とデオキシリボ核酸(DNA)を指すが、本発明の核酸はリボスイッチをコードする配列を含む。
リボスイッチとは特定の低分子化合物と選択的に結合するRNAのことをいい、当該低分子化合物をリガンドと呼ぶ。リガンド非存在下ではRNA塩基対による二次構造を形成し、リボスイッチ周辺の核酸へ影響を与える。特に、リボスイッチの下流にリボソーム結合部位を含む場合には、リボソームのリボソーム結合部位への接近を妨げることで、その下流に位置する遺伝子のmRNAの翻訳を妨げる。一方、リガンド存在下では、リガンド結合に伴う二次構造解消を通じて、リボソームがリボソーム結合部位へ接近できる。そのため、リガンド添加時のみ遺伝子のmRNAが翻訳され、目的遺伝子の発現が誘導される。
本発明におけるリガンドは特に限定されるものではないが、リガンド非存在下のリボスイッチの二次構造を解消できるものであればよく、天然由来のもの、これを改変したもの、人工的に設計改変されたもののうち1つもしくはいずれをも選択できる。
本発明におけるリボスイッチは、特に限定されるものではなく、リガンド結合に伴い二次構造変化が生じるRNAであればよい。例えば、テオフィリン応答性リボスイッチ、アデノシルコバラミン応答性リボスイッチ、サイクリックジGMP応答性リボスイッチ、フラビンモノヌクレオチド応答性リボスイッチ、グルコサミン−6−リン酸応答性リボスイッチ、グルタミン応答性リボスイッチ、グリシン応答性リボスイッチ、リジン応答性リボスイッチ、preQ応答性リボスイッチ、プリン応答性リボスイッチ、S−アデノシルホモシステイン応答性リボスイッチ、S−アデノシルメチオニン応答性リボスイッチ、S−アデノシルホモシステイン&S−アデノシルメチオニン応答性リボスイッチ、テトラヒドロ葉酸応答性リボスイッチ、チアミンピロリン酸応答性リボスイッチ、モリブデン応答性リボスイッチ、アデニン応答性リボスイッチが挙げられるが、これらに限定されない。すでに天然に存在することが知られているもの、新たに天然から単離されたもの、人工的に設計されたもの、いずれでもよく、また、1つもしくは複数を組み合わせてもよい。
本発明におけるリボスイッチは、好ましくはテオフィリン応答性リボスイッチである。テオフィリン応答性リボスイッチは、テオフィリン非存在下のRNA二次構造がテオフィリン結合によって解消されるものであればよく、特に限定されるものではない。例えば、5’−GGTACCGGTGATACCAGCATCGTCTTGATGCCCTTGGCAGCACCCTGCTAAGGAGGCAACAAG−3’(配列番号:1)、5’−GGTACCGGTGATACCAGCATCGTCTTGATGCCCTTGGCAGCACCCTGAGAAGGGGCAACAAG−3’(配列番号:2)、5’−GGTACCGGTGATACCAGCATCGTCTTGATGCCCTTGGCAGCACCCGCTGCGCAGGGGGTATCAACAAG−3’(配列番号:3)、5’−GGTACCTGATAAGATAGGGGTGATACCAGCATCGTCTTGATGCCCTTGGCAGCACCAAGGGACAACAAG−3’(配列番号:4)、5’−GGTACCGGTGATACCAGCATCGTCTTGATGCCCTTGGCAGCACCCTGCTAAGGTAACAACAAG−3’(配列番号:5)、5’−GGTACCGGTGATACCAGCATCGTCTTGATGCCCTTGGCAGCACCCTGCTAAGGAGGTAACAACAAG−3’(配列番号:6)などの配列を有するものが挙げられるが、これらに限定されない。さらに好ましくは5’−GGTACCGGTGATACCAGCATCGTCTTGATGCCCTTGGCAGCACCCTGCTAAGGAGGCAACAAG−3’(配列番号:1)の配列を有する。
また、リガンドであるテオフィリンはテオフィリンの誘導体であってもよい。リガンドとして本発明の形質転換体の培養に添加されるテオフィリン又はその誘導体の濃度は0.1〜10mMが好ましい。
本発明におけるリボスイッチは、天然もしくは人工のプロモーターの下流に配置され、それにより当該プロモーターに作動可能に連結される。プロモーターは、発現遺伝子の上流に位置するDNAであって、宿主微生物のRNAポリメラーゼを鋳型DNAへ引き寄せるプロモーター配列を含む。
本発明におけるプロモーターは特に限定されず、非光栄養性C1代謝微生物において作動するものであればよい。ゆえに、非光栄養性C1代謝微生物に由来する核酸に限らず天然に存在するもの、または人工的に設計、改変されたものでもよい。例えば、メタノールデヒドロゲナーゼプロモーター、メタンモノオキシゲナーゼプロモーター、リボソームタンパク質プロモーター、ヘキスロース−6−リン酸合成酵素プロモーター、ホスホヘキスロースイソメラーゼプロモーター、グリセルアルデヒド−6−リン酸デヒドロゲナーゼプロモーター、rhaBADプロモーター、araBADプロモーター、tetプロモーター、trcプロモーター、tacプロモーター、trpプロモーター、lacプロモーター、lacUV5プロモーター、luxプロモーター、phoAプロモーター、T7プロモーター、λファージのPRプロモーター、PLプロモーターなどが挙げられる。また、本発明のプロモーターとしては、達成したい発現量や性質に応じて、恒常性、誘導性いずれをも選択でき、1つもしくは複数を組み合わせることができる。本発明における好ましいプロモーターの例として、trcプロモーターを挙げることができる。
本発明における核酸は、リボソーム結合配列を含む。リボソーム結合配列は、一般に4塩基から10塩基の長さからなる核酸であり、リボソームとmRNAを結合させ翻訳の開始に必要である。アデニンもしくはグアニンに富む特徴を有するが、特に限定されるものではなく、非光栄養性C1代謝微生物において作動可能であればよい。したがって、本発明のリボソーム結合配列は、天然に存在する配列でも、人工的に設計された配列でもよく、達成したい発現量や性質に応じて適したものを選択することができる。例えば、非特許文献3に示されるように、達成したい遺伝子発現量に応じて、任意に設計することができる。本発明のリボソーム結合配列の好ましい例としては、5’−AAGGAGG−3’を有する配列を挙げることができる。これらのリボソーム結合配列は、典型的には、本発明のリボスイッチの下流に配置され、それにより当該リボスイッチに作動可能に連結される。したがって、本発明の好適な態様は、リボスイッチが天然もしくは人工的なプロモーターの下流に配置され、リボソーム結合配列がリボスイッチの下流に配置された核酸である。
なお、本発明において、「作動可能に連結される」とは、両配列が直結される場合、および適当な数の塩基を介して連結される場合のいずれも含む。例えば、プロモーターとリボスイッチとの間には、既知のプロモーターの近傍に見出される余剰配列、および更に適当な数の塩基からなるスペーサーが存在していてもよい。また、リボソーム結合配列とリボスイッチが適当な数の塩基からなるスペーサーを介して連結されていてもよい。当該スペーサーの長さは、典型的には1〜20塩基、好ましくは5〜10塩基であり得る。
本発明における核酸が、発現させるべき遺伝子を含むことも好適な1態様である。本発明における遺伝子とは、マーカー遺伝子、蛍光タンパク質遺伝子、色素生合成遺伝子、物質生産経路に属する遺伝子、炭素代謝系に属する遺伝子など非光栄養性C1代謝微生物で発現できるものであればよく、1つもしくは複数を選択できる。複数の異なる遺伝子を発現する場合には、例えば、リボスイッチ、リボソーム結合配列、遺伝子からなる各遺伝子ごとの単位を複数個配置してもよく、それらの単位の各々は、必要に応じて個別のプロモーター及び/又はターミネーターを含んでもよい。このとき、リボソーム結合配列は、遺伝子ごとの達成したい発現量に応じて設計してもよい。
本発明における形質転換体は、非光栄養性C1代謝微生物において遺伝子発現誘導を可能にするRNAをコードする核酸を含む。そのような本発明の核酸は、ベクターもしくは染色体上に組み込むことが可能である。組み込むべき核酸が2つ以上の場合、それらの全てがベクターに組み込まれてもよいし染色体上に組み込まれてもよく、或いはそのうちの一部をベクターに、他のものを染色体上に組み込んでもよい。
本発明における核酸がベクターに含まれる場合、当該ベクターは特に限定されるものではないが、例えば、非光栄養性C1代謝微生物細胞内での自律的複製を可能にする複製起点、選択マーカー、接合伝達起点を含むことができる。ベクターの細胞への導入は、当業者に公知の手段により行われ得る。例えば、接合伝達法やエレクトロポレーション法などを挙げることができる(Kim et al.,Applied Biochemistry and Biotechnology,Vol.73,81−88(1998))。なお、本発明における核酸は、非光栄養性C1代謝微生物の遺伝子改変を実施するためのベクターとして提供でき、同様の目的で商業用ベクターまたは遺伝子改変用のキットとして提供することもできる。
本発明における核酸を、宿主細胞である非光栄養性C1代謝微生物の染色体上に組み込むことも好適な態様である。そのような組み込みも当業者に公知の手段により行われ得る。例えば、Csaki et al.,Microbiology,Vol.149,1785−1795(2003)に記載の方法などを挙げることができる。本発明における核酸が染色体上に組み込まれた非光栄養性C1代謝微生物は、商業用宿主または遺伝子改変用のキットとして提供することもできる。
本発明におけるC1代謝微生物は非光栄養性で、炭素数1からなる化合物を代謝できる微生物を指し、例えば、メタン、メタノール、ホルムアルデヒド、ギ酸、一酸化炭素、二酸化炭素、メチル化アミン(例えば、モノ−、ジ−、およびトリ−メチルアミン)、メチル化チオールなどの資化性菌などが挙げられ、既に単離保存されているものでも、新たに天然から分離したもの、遺伝子改変されたもの、上記化合物を代謝できるよう改変された大腸菌や酵母などの非C1代謝微生物などいずれをも任意に選択できる。本発明における非光栄養性C1代謝微生物は、好ましくは、メタン資化性菌もしくはメタノール資化性菌である。これらは好ましくは、メチルアシドフィラム(Methylacidphilum)、メチロセラ(Methylocella)、メチロテネラ(Methylotenera)、メチロファーガ(Methylophaga)、バークホルデリア(Burkholderia)、メチロモナス(Methylomonas)、メチロバクター(Methylobacter)、メチロコッカス(Methylococcus)、メチロサイナス(Methylosinus)、メチロシスチス(Methylocystis)、メチロマイクロビウム(Methylomicrobium)、Methylothermus(メチロサーマス)、Methylomarinum(メチロマリナム)、Methylovulum(メチロバルム)、Methanococcus(メタノコッカス)、Methanothermobacter(メタノサーモバクター)、メタノモナス(Methanomonas)、メタノサルキナ(Methanosarcina)、メタノゲニウム(Methanogenium)、メタノバクテリウム(Methanobacterium)、メタノハロフィラス(Methanohalophilus)、メタノマイクロビウム(Methanomicrobia)、メタノコッコイド(Methanococcoides)、メタノサエタ(Methanosaeta)、メタノロバス(Methanolobus)、メチロフィラス(Methylophilus)、メチロバチルス(Methylobacillus)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、ハイフォマイクロビウム(Hyphomicrobium)、キサントバクター(Xanthobacter)、パラコッカス(Paracoccus)、ノカルジア(Nocardia)、アルスロバクター(Arthrobacter)、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)、シュードモナス(Pseudomonas)、キャンディダ(Candida)、サッカロマイセス(Saccharomyces)、ハンセヌラ(Hansenula)、トルロプシス(Torulopsis)、クロエケラ(Kloeckera)またはピキア(Pichia pastoris)などに属する微生物から選択でき、さらに好ましくは、Methylococcus capsulatus Bath(NCIMB 11132)、Methylophilus methylotrophus AS1(NCIMB 10515)、Methylobacillus glycogenes(NCIMB 11375)またはParacoccus denitrificans(NCIMB 11627)から選択できる。
本発明の形質転換体は、宿主細胞の生育に適した公知の培養方法により培養することができる。例えば、本発明で用いられる培地は、炭素数1からなる化合物を炭素源として含み、さらに窒素源、無機イオンおよび必要に応じてその他の有機微量成分を含む培地であれば、天然培地、合成培地のいずれでもよい。培養は、好気的もしくは嫌気的いずれも選択することができ、振盪培養、静置培養または通気攪拌培養など目的に応じて選択できる。
例えば、メタンを炭素源として密閉系で振盪あるいは静置培養を行う場合には、培地と接する気相中にメタンガスを1〜75%添加する。開放系で通気培養を行う場合には、メタンガスを1〜75%含む混合ガスを吹き込む。上記いずれの例においても、必要に応じて酸素や二酸化炭素、窒素などのガスを添加できる。メタノールを炭素源として培養する場合には、培地に0.01〜5%メタノールを添加する。
窒素源としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸、アンモニアガス、アンモニア水、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、尿素などを0.01〜10%培地に添加して用いる。これらのほかに、通常、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、鉄−EDTA、モリブデン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸銅、塩化銅、硫酸鉄、硫酸亜鉛、塩化マンガン、塩化コバルト、塩化ニッケル、ホウ酸などの成分が微量添加される。また、培養する微生物種が従属栄養性である場合には、グルコースやキシロースなどの糖やグリセロール、酢酸、コハク酸などの炭素源を0.01〜10%添加する。
本発明のリボスイッチによる発現誘導システムを用いた目的遺伝子の発現誘導は、上記のような形質転換体に対してリボスイッチのリガンドを接触させることにより達成することができる。リガンドは、遺伝子の発現誘導を望む任意のタイミングで外部より人為的に供給するか、宿主細胞により自律的に供給させる方法を選択できる。後者については、例えば生育する細胞内に蓄積する代謝物をリガンドに選択することで達成できる(Zhou et al.,ACS Synthetic biology,Vol.4,1335−1340(2015))。また、リガンドの生合成に必要な遺伝子を該宿主細胞に導入することで、リガンドを自律的に供給させることも可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下では特に断りのない限り、塩基配列は5’末端から3’末端方向に記載される。
各実施例で用いた培地の組成は以下のとおりである。
(LB培地)
組成は次のとおりである:20g/L LB培地、レノックス(ディフコ社製)。
[120℃、20分間蒸気滅菌を行った。必要に応じて、終濃度50mg/L カナマイシン硫酸塩、1.5% Bacto agar(ディフコ社製)を加えた。]
(NMS培地)
組成は次のとおりである:0.8mM MgSO・7HO、10mM NaNO、0.14mM CaCl、1.2mM NaHCO、2.35mM KHPO、3.4mM KHPO、20.7μM NaMoO・2HO、1μM CuSO・5HO、10μM FeIII−Na−EDTA、1mL trace metal solution(500mg/L FeSO・7HO、400mg/L ZnSO・7HO、20mg/L MnCl・7HO、50mg/L CoCl・6HO、10mg/L NiCl・6HO、15mg/L HBO、250mg/L EDTA)
[Phosphate、bicarbonate、CuSO・5HO、FeIII−Na−EDTA、NaHCOは、120℃、20分間蒸気滅菌後、添加した。必要に応じて、7.5〜10mg/L カナマイシン硫酸塩、25mg/L ナリジクス酸、1.5% Bacto agarも、滅菌後加えた。]
(MM1培地)
組成は次のとおりである:0.2g/L MgSO・7HO、0.5g/L (NH4)2SO4、2.53g/L KHPO、2.59g/L NaH2PO、1mL trace metal solution(2.2g/L ZnSO・7HO、5g/L NaEDTA、733mg/L CaCl・2HO、506mg/L MnCl・7HO、110mg/L (NHMo24・4HO、162mg/L CuSO・5HO、161mg/L CoCl・6HO、499mg/L FeSO・7HO)
[120℃、20分間蒸気滅菌を行った。必要に応じて、0.5% メタノール、10mg/L カナマイシン硫酸塩、25mg/L ナリジクス酸、1.5% Bacto agarも、滅菌後に加えた。]
[実施例1] Escherichia coliにおけるsfGFP発現誘導
(プラスミドの構築)
プラスミド構築に必要な核酸断片のPCR増幅には、Phusion polymerase(New England BioLabs社製)を用いた。プラスミド構築には、In−Fusion HD Cloningキット(Clontech社製)を用いた。広域宿主ベクターであるpBHR1(MoBiTec社製)へリボスイッチとtrcプロモーターのハイブリッド(Ptrc E*)、sfGFP遺伝子をクローニングすることによりpmk61Aを構築した。Ptrc E*およびsfGFPは、Genscript社により合成された。まず、Ptrc E*断片をmk316およびmk173Rにより増幅した。次に、sfGFP断片をmk176およびmk317Rにより増幅した。最後に、ベクター骨格をmk318およびmk319Rにより増幅した。これらの3つの断片をIn−Fusion HD Cloningキットにより連結し、pmk61Aを有するE.coli XL1−Blue(ニッポン・ジーン社製)のクローンを得た。プラスミドDNAを細胞から抽出・精製後、シーケンス解析により、pmk61Aが正しく得られていることを確認した。図1にpmk61Aの概要を示す。また、上記配列を以下に示す。
Figure 2019154312
Figure 2019154312
Figure 2019154312
(pmk61Aを導入したEscherichia coli形質転換体におけるsfGFPの発現誘導)
pmk61Aをカルシウムイオン法によりEscherichia coli S17−1株(バイオメダル社製)へ導入し、形質転換体を得た。プラスミドの導入をPCRにより確認した。形質転換体コロニーを、50mg/Lカナマイシンを含むLB培地3mLにて37℃で終夜振盪培養した後、0、0.1、2または5mMいずれかの濃度のテオフィリンを加えた3mLの同培地へ植え継ぎ、37℃で6時間振盪培養した。また、コントロールとして、野生株をテオフィリンを含まない同培地で培養した。遠心分離により培養上清を除去した後、得られた菌体を蒸留水へ懸濁し、適当に希釈した。蛍光強度(Ex:488nm、Em:530nm)を蛍光プレートリーダー(infinite200Pro、Tecan社製)で測定した。蛍光強度値はそれぞれのOD600で割った後、野生株(ブランク)におけるそれから差し引いた。図2に結果を示す。
[実施例2] Methylococcus capsulatus BathにおけるsfGFP発現誘導
Methylococcus capsulatus Bathへのpmk61Aの導入)
pmk61Aは、Aliらにより報告された接合伝達を用いた形質転換法により、Methylococcus capsulatus Bathへ導入した(Ali et al.,Microbiology,Vol.152,2931−2942(2009))。
まず、pmk61Aをエレクトロポレーション法により、接合伝達の供与菌であるE.coli S17−1へ導入した。形質転換体は、50mg/Lカナマイシンを含むLB寒天培地での生育を指標に選択し、プラスミドの配列はシーケンス解析により確認した。50mg/Lカナマイシンを含んだLB培地に形質転換体のコロニーを懸濁し、37℃で終夜振盪培養した。500μLの終夜培養液を50mg/Lカナマイシンを含んだ25mLのLB培地へ植菌し、OD600が0.5付近となるまで37℃で振盪培養した。培養菌体を遠心分離により回収し、新鮮なNMS培地で3回洗浄後、1mLの同培地へ懸濁した。
S17−1の培養と同時に、接合伝達の受容菌であるMethylococcus capsulatus Bath野生株(NCIMB 11132)を、新鮮なNMS培地10mLを含んだ130mL容の血清ボトルへOD600が0.03になるように植菌した。ボトルはブチルゴムセプタムで密閉し、60mLのボトル内空気を同体積の10%メタン/90%窒素の混合ガスと交換した。ボトルは、43℃で18時間培養した。培養菌体を遠心分離により回収し、新鮮なNMS培地5mLへ懸濁した。
OD600と体積の積が、S17−1とMethylococcus capsulatus Bathとで1:5となるよう混合後、0.22μmのニトロセルロース膜(ミリポア社製)で濾過した。これを0.02%のプロテオースペプトン(ディフコ社製)を含んだNMS寒天培地に載せ、5%メタン雰囲気下、37℃で24時間インキュベートした。メンブレン上の細胞を新鮮なNMS培地10mLで洗い流し、遠心分離で菌体を回収した後、100μLの同培地に再懸濁した。これを、7.5mg/Lカナマイシン、25mg/Lナリジクス酸を含んだNMS寒天培地へ塗布し、5%メタン雰囲気下、43℃の条件でコロニーが出現するまでインキュベートした。得られたクローンはPCRにより、プラスミドの存在を確認した。
(pmk61Aを導入したMethylococcus capsulatus Bath形質転換体におけるsfGFPの発現誘導)
形質転換体コロニーを、10mg/Lカナマイシンおよび0、0.1、2、5、7.5または10mMいずれかの濃度のテオフィリンを加えたNMS培地10mLを含んだ130mL容の血清ボトルへ植菌した。また、コントロールとして、野生株をテオフィリンを含まない同培地へ植菌した。ボトルはブチルゴムセプタムで密閉し、60mLのボトル内空気を同体積の10%メタン/90%窒素の混合ガスと交換した。ボトルは、43℃で24時間培養した。培養液を新鮮なNMS培地で10倍希釈し、蛍光強度(Ex:488nm、Em:530nm)を蛍光プレートリーダー(infinite200Pro、Tecan社製)で測定した。蛍光強度値はそれぞれのOD600で割った後、野生株(ブランク)におけるそれから差し引いた。図3に結果を示す。大腸菌を用いた実験結果(図2)とは対照的に、非誘導時の蛍光は検出されなかった。同時に、テオフィリン濃度依存的に良好な発現誘導も示し、2mMのテオフィリン添加時の蛍光強度は、大腸菌におけるそれと同等であった(図2)。
[実施例3] Methylophilus methylotrophus AS1におけるsfGFP発現誘導
Methylophilus methylotrophus AS1へのpmk61Aの導入)
pmk61Aは、Kimらにより報告された接合伝達を用いた形質転換法により、Methylophilus methylotrophus AS1(NCIMB 10515)へ導入した(Kim et al.,Applied Biochemistry and Biotechnology,Vol.73,81−88(1998))。
まず、pmk61Aをエレクトロポレーション法により、接合伝達の供与菌であるE.coli S17−1へ導入した。形質転換体は、50mg/Lカナマイシンを含むLB寒天培地での生育を指標に選択し、プラスミドの配列はシーケンス解析により確認した。50mg/Lカナマイシンを含んだ5mLのLB培地に形質転換体のコロニーを懸濁し、37℃で終夜振盪培養した。培養菌体を遠心分離により回収し、新鮮なMM1培地で3回洗浄後、1mLの同培地へ懸濁した。
S17−1の培養と同時に、接合伝達の受容菌であるMethylophilus methylotrophus AS1野生株を、新鮮な0.5%メタノールを含むMM1培地25mLへ植菌し、30℃で終夜培養した。培養菌体を遠心分離により回収し、新鮮なMM1培地5mLへ懸濁した。
OD600と体積の積が、S17−1とMethylophilus methylotrophus AS1とで1:2となるよう混合後、0.22μmのニトロセルロース膜(ミリポア社製)で濾過した。これをLB寒天培地に載せ、37℃で24時間インキュベートした。メンブレン上の細胞を新鮮なMM1培地10mLで洗い流し、遠心分離で菌体を回収した後、1mLの同培地に再懸濁し、10倍希釈したものを10mg/Lカナマイシン、0.5%メタノールを含んだMM1寒天培地へ塗布し、37℃でコロニーが出現するまでインキュベートした。得られたクローンはPCRにより、プラスミドの存在を確認した。
(pmk61Aを導入したMethylophilus methylotrophus AS1形質転換体におけるsfGFPの発現誘導)
形質転換体コロニーを、0.5%メタノール、10mg/Lカナマイシンおよび0または2mMいずれかの濃度のテオフィリンを加えたMM1培地25mLへ植菌した。また、コントロールとして、野生株をテオフィリンを含まない同培地へ植菌した。30℃で24時間培養後、培養液を新鮮なMM1培地で10倍希釈し、蛍光強度(Ex:488nm、Em:530nm)を蛍光プレートリーダー(infinite200Pro、Tecan社製)で測定した。蛍光強度値はそれぞれのOD600で割った後、野生株の自然蛍光値から差し引いた。図4に結果を示す。2mMのテオフィリンで発現誘導した場合の発現強度は、非誘導時の21倍であった。
[実施例4] Methylobacillus glycogenesにおけるsfGFP発現誘導
Methylobacillus glycogenesへのpmk61Aの導入)
pmk61Aは、Kimらにより報告された接合伝達を用いた形質転換法により、Methylobacillus glycogenes(NCIMB 11375)へ導入した(Kim et al.,Applied Biochemistry and Biotechnology,Vol.73,81−88(1998))。
まず、pmk61Aをエレクトロポレーション法により、接合伝達の供与菌であるE.coli S17−1へ導入した。形質転換体は、50mg/Lカナマイシンを含むLB寒天培地での生育を指標に選択し、プラスミドの配列はシーケンス解析により確認した。50mg/Lカナマイシンを含んだ5mLのLB培地に形質転換体のコロニーを懸濁し、37℃で終夜振盪培養した。培養菌体を遠心分離により回収し、新鮮なMM1培地で3回洗浄後、1mLの同培地へ懸濁した。
S17−1の培養と同時に、接合伝達の受容菌であるMethylobacillus glycogenes野生株を、1%メタノールを含む新鮮なMM1培地25mLへ植菌し、30℃で終夜培養した。培養菌体を遠心分離により回収し、新鮮なMM1培地5mLへ懸濁した。
OD600と体積の積が、S17−1とMethylobacillus glycogenesとで1:2となるよう混合後、0.22μmのニトロセルロース膜(ミリポア社製)で濾過した。これをLB寒天培地に載せ、30℃で24時間インキュベートした。メンブレン上の細胞を新鮮なMM1培地10mLで洗い流し、遠心分離で菌体を回収した後、1mLの同培地に再懸濁し、10倍希釈したものを10mg/Lカナマイシン、0.5%メタノールを含んだMM1寒天培地へ塗布し、30℃でコロニーが出現するまでインキュベートした。得られたクローンはPCRにより、プラスミドの存在を確認した。
(pmk61Aを導入したMethylobacillus glycogenes形質転換体におけるsfGFPの発現誘導)
形質転換体コロニーを、1%メタノール、10mg/Lカナマイシンおよび0または2mMいずれかの濃度のテオフィリンを加えたMM1培地25mLへ植菌した。また、コントロールとして、野生株をテオフィリンを含まない同培地へ植菌した。30℃で24時間培養後、培養液を新鮮なMM1培地で10倍希釈し、蛍光強度(Ex:488nm、Em:530nm)を蛍光プレートリーダー(infinite200Pro、Tecan社製)で測定した。蛍光強度値はそれぞれのOD600で割った後、野生株の自然蛍光値から差し引いた。図5に結果を示す。2mMのテオフィリンで発現誘導した場合の発現強度は、非誘導時の45倍であった。
[実施例5] Paracoccus denitrificansにおけるsfGFP発現誘導
Paracoccus denitrificansへのpmk61Aの導入)
pmk61Aは、エレクトロポレーション法により、Paracoccus denitrificans(NCIMB 11627)へ導入した(Kim et al.,Applied Biochemistry and Biotechnology,Vol.73,81−88(1998))。
Paracoccus denitrificans野生株を、1%メタノールを含む新鮮なMM1培地25mLへ植菌し、30℃で終夜培養した。培養菌体を遠心分離により回収し、新鮮なMM1培地5mLへ懸濁した。30℃でコロニーが出現するまでインキュベートした。得られたクローンはPCRにより、プラスミドの存在を確認した。
(pmk61Aを導入したParacoccus denitrificans形質転換体におけるsfGFPの発現誘導)
形質転換体コロニーを、10mg/Lカナマイシンおよび0または2mMいずれかの濃度のテオフィリンを加えたLB培地5mLへ植菌した。また、コントロールとして、野生株をテオフィリンを含まない同培地へ植菌した。30℃で3時間培養後、菌体を遠心分離により回収し、蒸留水へ懸濁した。蛍光強度(Ex:488nm、Em:530nm)を蛍光プレートリーダー(infinite200Pro、Tecan社製)で測定した。蛍光強度値はそれぞれのOD600で割った後、野生株の自然蛍光値から差し引いた。図6に結果を示す。非誘導時の蛍光強度は小さく、2mMのテオフィリンで発現誘導した場合の発現強度は、非誘導時の15倍であった。
[実施例6]および[比較例1] Methylococcus capsulatus Bathへのリジン脱炭酸酵素遺伝子発現ベクターの導入
(プラスミドの構築)
リジン脱炭酸酵素をコードするcadA遺伝子をpmk61Aへクローニングすることによりpmk96およびpmk99を構築した。Kouらの報告をもとに、Aliivibrio salmonicida由来のcadAは、Genscript社により合成された(Kou et al.,Journal of Molecular Catalysis B:Enzymatic,Vol.133,88−94(2016))。
pmk96の構築のために、cadA遺伝子領域はmk412およびmk413RによりPCR増幅した。次に、リボスイッチ領域を除いたベクター骨格をmk414およびmk415Rにより増幅した。これらの断片をIn−Fusion HD Cloningキットにより連結し、pmk96を有するE.coli XL1−Blueのクローンを得た。プラスミドDNAを常法により抽出後、シーケンス解析により、pmk96が正しく得られていることを確認した。
pmk99の構築のために、cadA遺伝子領域はmk425およびmk426RによりPCR増幅し、ベクター骨格をmk427およびmk428RによりPCR増幅した。これらの断片をIn−Fusion HD Cloningキットにより連結し、pmk99を有するE.coli XL1−Blueのクローンを得た。プラスミドDNAを常法により抽出後、シーケンス解析により、pmk99が正しく得られていることを確認した。図7にpmk96およびpmk99の概要を示す。また、上記配列を以下に示す。
Figure 2019154312

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Figure 2019154312
Methylococcus capsulatus Bathへのpmk96およびpmk99の導入)
まず、pmk96およびpmk99をエレクトロポレーション法により、接合伝達の供与菌であるE.coli S17−1へ導入した。形質転換体は、50mg/Lカナマイシンを含むLB寒天培地での生育を指標に選択し、プラスミドの配列はシーケンス解析により確認した。50mg/Lカナマイシンを含んだLB培地に形質転換体のコロニーを懸濁し、37℃で終夜振盪培養した。500μLの終夜培養液を50mg/Lカナマイシンを含んだ25mLのLB培地へ植菌し、OD600が0.5付近となるまで37℃で振盪培養した。培養菌体を遠心分離により回収し、新鮮なNMS培地で3回洗浄後、1mLの同培地へ懸濁した。
S17−1の培養と同時に、接合伝達の受容菌であるMethylococcus capsulatus Bath野生株(NCIMB 11132)を、新鮮なNMS培地10mLを含んだ130mL容の血清ボトルへOD600が0.03になるように植菌した。ボトルはブチルゴムセプタムで密閉し、60mLのボトル内空気を同体積の10%メタン/90%窒素の混合ガスと交換した。ボトルは、43℃で18時間培養した。培養菌体を遠心分離により回収し、新鮮なNMS培地5mLへ懸濁した。
OD600と体積の積が、S17−1とMethylococcus capsulatus Bathとで1:5となるよう混合後、0.22μmのニトロセルロース膜(ミリポア社製)で濾過した。これを0.02%のプロテオースペプトン(ディフコ社製)を含んだNMS寒天培地に載せ、5%メタン雰囲気下、37℃で24時間インキュベートした。メンブレン上の細胞を新鮮なNMS培地10mLで洗い流し、遠心分離で菌体を回収した後、100μLの同培地に再懸濁した。これを、7.5mg/Lカナマイシン、25mg/Lナリジクス酸を含んだNMS寒天培地へ塗布し、5%メタン雰囲気下、43℃の条件でコロニーが出現するまでインキュベートした。コロニーが得られた場合は、PCRによりプラスミドの存在を確認した。
形質転換の結果、pmk96の形質転換体は全く得られなかった一方で、pmk99の形質転換体のコロニーは多数獲得された。この結果は、非光栄養性C1代謝微生物の生育と競合するリジン脱炭酸酵素遺伝子の発現が、本発明の発現制御系によって限りなく小さく抑えられたことを意味している。
[実施例7]および[比較例2] Methylophilus methylotrophus AS1へのリジン脱炭酸酵素遺伝子発現ベクターの導入
まず、pmk96およびpmk99をエレクトロポレーション法により、接合伝達の供与菌であるE.coli S17−1へ導入した。形質転換体は、50mg/Lカナマイシンを含むLB寒天培地での生育を指標に選択し、プラスミドの配列はシーケンス解析により確認した。50mg/Lカナマイシンを含んだ5mLのLB培地に形質転換体のコロニーを懸濁し、37℃で終夜振盪培養した。培養菌体を遠心分離により回収し、新鮮なMM1培地で3回洗浄後、1mLの同培地へ懸濁した。
S17−1の培養と同時に、接合伝達の受容菌であるMethylophilus methylotrophus AS1野生株を、新鮮な0.5%メタノールを含むMM1培地25mLへ植菌し、30℃で終夜培養した。培養菌体を遠心分離により回収し、新鮮なMM1培地5mLへ懸濁した。
OD600と体積の積が、S17−1とMethylophilus methylotrophus AS1とで1:2となるよう混合後、0.22μmのニトロセルロース膜(ミリポア社製)で濾過した。これをLB寒天培地に載せ、37℃で24時間インキュベートした。メンブレン上の細胞を新鮮なMM1培地10mLで洗い流し、遠心分離で菌体を回収した後、1mLの同培地に再懸濁し、10倍希釈したものを10mg/Lカナマイシン、0.5%メタノールを含んだMM1寒天培地へ塗布し、37℃でコロニーが出現するまでインキュベートした。コロニーが得られた場合は、PCRによりプラスミドの存在を確認した。
形質転換の結果、pmk96の形質転換体は全く得られなかった一方で、pmk99の形質転換体のコロニーは多数獲得された。この結果も、非光栄養性C1代謝微生物の生育と競合するリジン脱炭酸酵素遺伝子の発現が、本発明の発現制御系によって限りなく小さく抑えられたことを意味している。
(プラスミドの寄託)
本明細書に記載したプラスミドpmk61Aは寄託番号NITE P−02625として、プラスミドpmk96は寄託番号NITE P−02626として、およびプラスミドpmk99は寄託番号NITE P−02627として、日本国独立行政法人製品評価技術基盤機構に2018年2月1日付けで寄託されている。
本発明の核酸は、非光栄養性C1代謝微生物での、所望の条件に限定した遺伝子発現、遺伝子発現量の柔軟な調節、またこれらを通じて物質生産性能の最大化や遺伝子の生理学的性質の解明を図ることができるので、遺伝子工学に関連する産業において利用可能である。

Claims (22)

  1. 非光栄養性C1代謝微生物での遺伝子発現制御のための核酸であって、リボスイッチをコードする配列を含むことを特徴とする前記核酸。
  2. リボスイッチがテオフィリン結合性リボスイッチであることを特徴とする、請求項1に記載の核酸。
  3. 前記テオフィリン結合性リボスイッチが、5’−GGTACCGGTGATACCAGCATCGTCTTGATGCCCTTGGCAGCACCCTGCTAAGGAGGCAACAAG−3’(配列番号:1)の配列を有することを特徴とする、請求項2に記載の核酸。
  4. 前記リボスイッチが、天然もしくは人工的なプロモーターの下流に配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の核酸。
  5. 前記プロモーターが、誘導性プロモーターであることを特徴とする請求項4に記載の核酸。
  6. 前記プロモーターが、恒常性プロモーターであることを特徴とする請求項4に記載の核酸。
  7. 前記プロモーターが、trcプロモーターであることを特徴とする請求項5又は6に記載の核酸。
  8. 天然もしくは人工的なリボソーム結合配列を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の核酸。
  9. 前記リボソーム結合配列が、5’−AAGGAGG−3’の配列を有することを特徴とする請求項8に記載の核酸。
  10. 前記リボソーム結合配列が、スペーサーを介しリボスイッチの下流に配置されていることを特徴とする、請求項8又は9に記載の核酸。
  11. 更に発現されるべき遺伝子を含み、該遺伝子が、ターミネーターの上流に配置されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の核酸。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の核酸を含むベクター。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の核酸を含む非光栄養性C1代謝微生物の形質転換体。
  14. 前記核酸が、宿主微生物の染色体上に組み込まれている、請求項13に記載の形質転換体。
  15. 前記核酸が、該核酸を含むベクターとして宿主微生物に導入されている、請求項13に記載の形質転換体。
  16. 非光栄養性C1代謝微生物が、メタン資化性菌またはメタノール資化性菌であることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に記載の形質転換体。
  17. 非光栄養性C1代謝微生物が、メチロモナス(Methylomonas)、メチロバクター(Methylobacter)、メチロコッカス(Methylococcus)、メチロサイナス(Methylosinus)、メチロシスチス(Methylocystis)、メチロマイクロビウム(Methylomicrobium)、メチロフィラス(Methylophilus)、メチロバチルス(Methylobacillus)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、バチルス(Bacillus)、キサントバクター(Xanthobacter)及びパラコッカス(Paracoccus)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に記載の形質転換体。
  18. 光栄養性C1代謝微生物が、Methylococcus capsulatus Bath(NCIMB 11132)、Methylophilus methylotrophus AS1(NCIMB 10515)、Methylobacillus glycogenes(NCIMB 11375)及びParacoccus denitrificans(NCIMB 11627)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に記載の形質転換体。
  19. 請求項13〜18のいずれか1項に記載の形質転換体に、リボスイッチのリガンドを供給することで、該リボスイッチの制御下にある遺伝子の発現を誘導する方法。
  20. 前記リガンドが、テオフィリンであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前記リガンドが、形質転換体により自律的に供給されることを特徴とする、請求項19又は20に記載の方法。
  22. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の核酸を含む、非光栄養性C1代謝微生物の形質転換のためのキット。
JP2018045304A 2018-03-13 2018-03-13 非光栄養性c1代謝微生物での遺伝子発現制御のための核酸およびベクター、およびそれらの形質転換体 Active JP6991897B2 (ja)

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