JP2019153601A - 平型導体用コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】平型導体の抜け止め機能を簡易な構造で実現する平型導体用コネクタを提供する。【解決手段】平型導体3が挿入されて導通接続する収容部4fを有するハウジング4を備え、ハウジング4は、収容部4fに挿入される平型導体3と当接し、平型導体3の側縁部3dを板厚方向に湾曲変形させる変形誘導部7と、平型導体3の挿入方向に沿う変形誘導部7よりも奥側位置で湾曲変形から復元した平型導体3の側縁部3dに設けた係止部3fに対して平型導体3の抜け方向で係止する抜止め係止部8とを有し、変形誘導部7は、挿入方向の奥側位置に向かって変形誘導部7の対向面に近づく第1の傾斜面7aを有し、対向面は、ハウジング4の幅方向における第1の傾斜面7aの側方位置に挿入方向の奥側位置に向かって変形誘導部7に近づく第2の傾斜面12bを有し、収容部4fは、ハウジング4の外側と連通する開口10を有する。【選択図】図9

Description

本発明は、コネクタに関する。より具体的には本発明は、平型導体用コネクタに関する。
電子機器に使用されるコネクタとしては、基板に実装されて、FFC(Flexible flat cable)やFPC(Flexible printed circuits)等(本明細書及び特許請求の範囲において「平型導体」と称する。)と基板とを導通接続させるものが知られている。これらのコネクタは、コンピュータや液晶ディスプレイ等の機器内ユニットと基板とを様々な形態で接続できることから多くの電子機器に搭載されている。
平型導体と基板とを導通接続させる際には、コネクタに挿入された平型導体が不用意に抜けるのを防止するためにロック部材が設けられることがある。例えば特許文献1で示すような電気コネクタでは、ハウジングとは別体の薄板金属部材等を折曲げ形成したロック部材が装着されている。
特開2012−256483、図11、図13、図14、図15
特許文献1の電気コネクタは、FPCやFFC等の平型導体(信号伝送媒体)が差し込まれた際にロック部材が弾性変位し、平型導体がさらに押し込まれることで、平型導体の係合位置決め部とロック部材の係止ロック部とが係合し、平型導体を抜け止めするように構成されている。しかしながら、特許文献1の電気コネクタでは、挿入される平型導体を固定するための金属製のロック部材を別途ハウジングに設けなければならないため、部品点数及び組立ての工程が増加してしまう。
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。その目的は、平型導体の抜け止め機能を簡易な構造で実現するコネクタを提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明は以下の特徴を有するものとして構成される。
即ち、本発明は、平型導体が挿入されて導通接続する収容部を有するハウジングを備える平型導体用コネクタについて、前記ハウジングは、前記収容部に挿入される前記平型導体と当接し、前記平型導体の側縁部を板厚方向に湾曲変形させる変形誘導部と、前記平型導体の挿入方向に沿う前記変形誘導部よりも奥側位置で、湾曲変形から復元した前記平型導体の前記側縁部に設けた係止部に対して前記平型導体の抜け方向で係止する抜止め係止部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、ハウジングに設けた変形誘導部と抜止め係止部によって、平型導体をハウジングの収容部に差し込むだけで、平型導体を抜け止めすることが可能であり、従来技術のような金属製のロック部材の使用を廃止することができる。
具体的には、ハウジングが前記収容部に挿入される前記平型導体と当接し、前記平型導体の側縁部を板厚方向に湾曲変形させる変形誘導部を有する。即ち、従来技術のようにロック部材が弾性変位することで平型導体のハウジングへの挿入を許容するのではなく、ハウジングの変形誘導部によって平型導体を湾曲変形させることで、収容部への平型導体の挿入を許容する。そして、本発明のハウジングには、前記平型導体の挿入方向に沿う前記変形誘導部よりも奥側位置で、湾曲変形から復元した前記平型導体の前記側縁部に設けた係止部に対して前記平型導体の抜け方向で係止する抜止め係止部を有する。即ち、従来技術のように弾性変位したロック部材が復元することで平型導体を抜け止めするのではなく、ハウジングの抜止め係止部に対して湾曲変形から復元した平型導体の係止部が係止することで、平型導体を抜け止めする。以上のように本発明の平型導体用コネクタは、変形誘導部と抜止め係止部をハウジングに設けているため、平型導体の抜け止め機能を簡易な構造で実現することが可能である。また、金属製のロック部材の使用を廃止できるので、部品点数及び組立ての工程が増加せずにコネクタの製造効率が優れている。
前記ハウジングは、前記収容部を区画する壁面から、前記平型導体の前記挿入方向に対する交差方向に突出する突出部を有し、前記突出部は、前記変形誘導部と、前記抜止め係止部とを有するように構成できる。
本発明によれば、ハウジングに突出部を形成し、この突出部が変形誘導部と、抜止め係止部とを併せ持つため、樹脂成形体で形成されるハウジングの一部分として形成することができ、抜け止め機能を有しながらもコネクタ構造を単純かつ小型化することができる。さらに、本発明によれば、収容部に挿入されて変形誘導部で湾曲変形した平型導体の側縁部は、突出部として変形誘導部と一体化した抜止め係止部に速やかに到達して直ちに湾曲変形から復元する。このため、このような突出部は、平型導体に対して、クリープや応力緩和等による変形を生じさせにくい。したがって、側縁部が湾曲変形から復元した平型導体は、平面度が保たれて、端子の接点部に対する押圧が場所によって偏ることがなく導通の信頼性が確保されるとともに、長時間にわたって湾曲変形の状態とされないことによって、良好な接続信頼性を損ねないようにすることができる。
前記ハウジングは、前記収容部に、前記平型導体の前記挿入方向に沿って形成されて前記平型導体を前記突出部の付け根方向に押しつける摺動面を有するように構成できる。
本発明によれば、摺動面が、平型導体を収容部への挿入途中で突出部の付け根方向に押しつけるため、平型導体の側縁部は、変形誘導部と接している際には摺動面を支点として板厚方向により大きく湾曲変形して、変形誘導部を通り過ぎた後、湾曲変形した状態から復元しやすく、また復元した状態では、突出部の付け根側(突出側と反対側の基端側)の深い位置で、係止部が抜止め係止部に対して係止する。よって、そうした摺動面をハウジングに有する本発明によれば、前記摺動面が、導通接続した平型導体を突出部の付け根方向に押さえつけて、係止部が抜止め係止部から外れないようにするための部品が不要であり、ハウジング自体の構成によって平型導体の抜け止めをより確実にするための機能を実現することができる。
前記変形誘導部は、前記挿入方向の前記奥側位置に向かって前記摺動面に近づく第1の傾斜面を有し、前記摺動面は、前記ハウジングの幅方向における前記第1の傾斜面の側方位置に、前記挿入方向の前記奥側位置に向かって前記変形誘導部に近づく第2の傾斜面を有するように構成できる。
本発明によれば、第1の傾斜面と第2の傾斜面とが互いに接近する方向に傾斜している。このため、これらの傾斜面を平型導体が通過する際に、第2の傾斜面が平型導体を突出部の付け根方向に押さえつけるとともに第1の傾斜面が側縁部を突出部の突出方向に押さえつけることができる。よって、本発明によれば、平型導体が収容部に挿入される際に、平型導体を突出部の付け根方向に押さえつけながら側縁部を突出部の突出方向に押さえつけるため、変形誘導部は側縁部を板厚方向により確実に湾曲変形させることができる。
前記収容部には、前記平型導体と接続する端子の接点部が配置されており、前記接点部は、前記変形誘導部と前記挿入方向で異なる位置に有するように構成できる。
本発明によれば、平型導体の前端部は、変形誘導部と、端子の接点部とにタイミングをずらして接触するため、平型導体を収容部に挿入するための挿入力を低減することができ、接続作業性が良好となる。
前記接点部は、前記変形誘導部よりも前記挿入方向の前記奥側位置に設けることもできる。
本発明によれば、平型導体の前端部は、比較的軽い挿入力で湾曲変形させる変形誘導部に接触した後に、比較的大きな挿入力で弾性変形する複数の端子の接点部に接触するため、平型導体を収容部に挿入する際に平型導体の湾曲変形による挿入力と接点部の弾性変形による挿入力とが同時に生じることを防ぐことができ、挿入力が徐々に増えるため、操作性が良く、接続作業性が良好となる。
前記収容部は、前記ハウジングの外側と連通する開口を有し、前記開口は、前記平型導体の前記側縁部の前端部から前記係止部までの前記挿入方向の長さ範囲が収まる大きさに形成されるように構成できる。
本発明によれば、開口が、平型導体の側縁部の前端部から、抜止め係止部で係止される箇所までの挿入方向の長さ範囲が収まる大きさに形成されるため、平型導体がコネクタに確実に嵌合しているか否かを、ハウジングの外部から開口を通じて目視により容易に確認することができる。よって、平型導体の不完全な挿入や導通接続を未然に防止して接続信頼性を確保することができる。
前記ハウジングは、前記突出部と対向する位置に、前記突出部に当接して湾曲変形した前記側縁部が進入する逃げ部を有するように構成できる。
本発明によれば、逃げ部に、湾曲変形した側縁部が進入する逃げ空間が形成されるため、変形誘導部によって側縁部をより大きく湾曲変形させることできる。よって、側縁部と抜止め係止部との平型導体の板厚方向での係止量を増やすことができるため、平型導体の抜止め効果を高めることができる。
本発明の平型導体用コネクタによれば、ハウジング自体に平型導体の抜止め構造を有するため、従来技術のようなハウジングと別部品のロック部材によらずに平型導体を抜け止めすることができ、良好な導通接続を確実に維持することができる。
一実施形態による平型導体用コネクタ、平型導体及び治具の正面、右側面、平面を含む外観斜視図。 図1の平型導体用コネクタの正面図。 図1の平型導体用コネクタの背面図。 図1の平型導体用コネクタの平面図。 図1の平型導体用コネクタの底面図。 図1の平型導体用コネクタの右側面図。 図2のVII−VII線断面図。 図2のVIII−VIII線断面図。 図2のVIII−VIII線断面による平型導体用コネクタと平型導体との嵌合前の状態の説明図。 図2のVIII−VIII線断面による平型導体用コネクタと平型導体との嵌合状態(導通接続状態)の説明図。 図1の平型導体用コネクタと平型導体との嵌合状態を説明する平面図。 図1の平型導体用コネクタ及び治具の正面、右側面、平面を含む外観斜視図。 図1の治具の背面、右側面、底面を含む外観斜視図。
以下、本発明の平型導体用コネクタの一実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態で示される平型導体用コネクタ1は、基板2に実装されて、FPCやFFC等の平型導体3を基板回路に導通接続するものである。
本明細書、特許請求の範囲に記載されている「第1」「第2」という用語は、発明の異なる構成要素を区別するために用いられるものであり、特定の順序や優劣を示すために用いられるものではない。また本明細書、特許請求の範囲では、説明の便宜上、図1等に示されるように、平型導体用コネクタ1の長手方向をX方向、短手方向をY方向、高さ方向をZ方向として説明する。そして、平型導体用コネクタ1の高さ方向(Z方向)における基板2(図9、図10参照)の側を「下側」とし、平型導体用コネクタ1側を「上側」として説明するが、それらは平型導体用コネクタ1の嵌合方向や基板2への実装の仕方を限定するものではない。
平型導体用コネクタ1
平型導体用コネクタ1は、図1〜図6で示すように、ハウジング4と、端子5(図2〜図5、図7)と、グランド端子6とを備えている。平型導体3は、図1で示すように、前端部3gを先頭にして平型導体用コネクタ1に挿入される。平型導体3は、挿入方向(Y方向)の前側であって、平型導体用コネクタ1の端子5と導通接続する導電線3c(図9)と、導電線3cの後ろ側で、平型導体用コネクタ1のグランド端子6と導通接続するグランドプレート3aとを有している。
平型導体3は、図9で示すように、導電線3cを有する層の板厚方向(Z方向)の上下両面に絶縁層3bを積層して形成されている。この導電線3cは、ハウジング4への挿入方向の前側で下面が外部に露出しており、この部分が、平型導体用コネクタ1の端子5と導通接続する。
グランドプレート3aは、グランド端子6と接触する側となる平型導体3の下面の幅方向(X方向)における両端を除いた位置に積層されている。このグランドプレート3aがグランド端子6と導通接続する。
平型導体3は、図1で示すように、幅方向における両端の側縁を起点に幅方向に向かって所定の長さ範囲に側縁部3dを有している。平型導体3は板厚方向へ湾曲変形することのできる柔軟性(弾性)を有している。したがって側縁部3dも同様に板厚方向へ湾曲変形可能な柔軟性を有している。そして、側縁部3dには、平型導体3の側縁から幅方向の内側に向かって凹状に切り欠いた凹部3eが設けられている。この凹部3eは、平型導体3の幅方向(X方向)に沿う「係止部」としての縁部3fを有しており、この縁部3fは、後述する突出部9の抜止め係止部8に対して係止する。凹部3eの先端側には、縁部3fを共有する係止片3hが形成されている(図1、図11)。本実施形態で示す凹部3eは、後述する突出部9と係止して抜け止めできる「係止部」として機能する形状であれば、前述した切欠き形状であっても、孔形状であっても、他の形状であっても良い。
以下、平型導体用コネクタ1の構成について説明する。
ハウジング4
ハウジング4は、絶縁性の樹脂成形体にて形成されており、図2〜図6で示すように直方体状に形成される。ハウジング4を構成する側壁の1つには、平型導体3をハウジング4の短手方向(Y方向)に沿って平型導体用コネクタ1に挿入する挿入口4aが形成されている(図1、図8、図9)。ハウジング4の内側には、挿入口4aから奥側に向かって連通する平型導体3の収容部4fが設けられている(図8)。収容部4fは、基板回路に導通接続する平型導体3を嵌合状態で収容するための空間である。端子5及びグランド端子6は、この収容部4fの中で、平型導体3と押圧接触する高さ方向(Z方向)に沿って弾性変形可能となっている。
収容部4fの奥側には、図7で示すように端子5が配置されており、ここで、端子5と平型導体3の導電線3cとが導通接続される。収容部4fの高さ方向(Z方向)における上側には天面部4b(図8)が設けられており、下側には、ハウジング4の底壁4iにスリット4c(図1、図2、図4)が形成されている。端子5は、このスリット4cから収容部4f内に突出し、平型導体3の導電線3cに対して下側から接触する。そして、平型導体3を天面部4bに対して押圧する。
収容部4fの手前側、即ち挿入口4aの側にはグランド端子6が配置されており、ここで、グランド端子6とグランドプレート3aとが接触する。
端子5
端子5は、導電性の金属片にて形成されており、図7で示すように、一端側に、基板接続部5aを有し、他端側に、接点部5bを有しており、それらの間にはばね部5cを有する。また、端子5は、ハウジング4の長手方向(X方向)に沿って複数並列に配置される(図2〜図5)。
基板接続部5aは、ハウジング4の外部に伸長し、基板2に対して半田付けされて固定される。端子5は、ハウジング4に圧入されて、基板接続部5aと接点部5bとの間においてハウジング4の壁体4d(図8)を貫通しており、ここで、ハウジング4に対して固定されている。端子5とハウジング4とはインサート一体成形で形成されても構わない。
接点部5bは、端子5がハウジング4に対して固定されている箇所から、ハウジング4の前後方向(Y方向)に沿って挿入口4aの側に向けて片持ち梁状に伸長する。そして、接点部5bは、端子5がハウジング4に対して固定されている箇所を支点として平型導体用コネクタ1の高さ方向に沿って弾性変形するように支持されている。さらに、接点部5bは、平型導体3との接触方向(Z方向)に向けて山型状に屈曲している。そして、接点部5bは、前後方向に山型状に伸長している略中央の頂点付近において平型導体3と導通接続する。
グランド端子6
グランド端子6は、導電性の金属板で形成されており、収容部4fを形成する壁体4dを補強する補強部材としての機能も兼ねている。グランド端子6は、図1、図2、図4〜図10で示すようにハウジング4の下側、かつ挿入口4aの側であって、ハウジング4の長手方向における両側にそれぞれ1つずつ設けられる。それら一対のグランド端子6は互いに左右対称に形成される。グランド端子6は、固定部6aと、接地接続部6bと、補強板6cと、グランド接点部6dとを有する。
固定部6aは、ハウジング4の短手方向の奥側に向かって伸長している。固定部6aは、ハウジング4に対してグランド端子6を固定するものである。固定部6aは、ハウジング4の底面側かつ長手方向の外側において、ハウジング4の短手方向の奥側に向かって形成される圧入孔4e(図2)に圧入されている。
接地接続部6bは、ハウジング4の底面に平行な板面でなる。接地接続部6bは、固定部6aと補強板6cとの間においてハウジング4の下側から外部に露出している。そして、接地接続部6bは、底面側が、基板2の接地接続用のパッドに対して半田付けされる。これによって、平型導体用コネクタ1は基板2に固定される。平型導体用コネクタ1に嵌合された平型導体3はこの接地接続部6bを介して基板2と接続される。
補強板6cは、ハウジング4の長手方向及び短手方向に広がりを有し、ハウジング4の底面に平行な板面でなる。補強板6cは、ハウジング4の底面側の壁体4dを補強するものである。補強板6cは、ハウジング4の底面側の壁体4dの板厚内に差し込まれている。この補強板6cが設けられることで、収容部4fに挿入される平型導体3によって壁体4dが押圧されても、壁体4dを変形しにくくすることができる。
グランド接点部6dは、補強板6cから、ハウジング4の挿入口4aの側に向けて延出し、上側にU字状に折り返して先端側が、収容部4fに入り込んでいる。グランド接点部6dは山型状に屈曲し、平型導体3のグランドプレート3aと接触する。
突出部9
ハウジング4は、収容部4fを区画する壁面(天面部4b)から、平型導体3の挿入方向(Y方向)に対する交差方向に突出する突出部9を有する。本実施形態の突出部9は、図8で示すように、天面部4bから収容部4fの内部に向けて下向きに山型状に突出して形成される。収容部4fにおける突出部9の奥側には嵌合室4gが形成される。突出部9は、ハウジング4の長手方向(X方向)における両側にそれぞれ1つずつ設けられる(図2)。これらの突出部9は、ハウジング4の長手方向(X方向)において、挿入される平型導体3の側縁部3dの位置に対応して設けられている。したがって、突出部9は、収容部4fに挿入される平型導体3の側縁部3dの挿入方向に位置する障壁となる。このような突出部9は、変形誘導部7と、抜止め係止部8とを有する。
変形誘導部7
変形誘導部7は、収容部4fに挿入される平型導体3と当接することで側縁部3dを湾曲変形させる機能を有する。即ち、従来技術のようにロック部材が弾性変位することで平型導体3のハウジング4への挿入を許容するのではなく、ハウジング4の変形誘導部7によって平型導体3を湾曲変形させることで、収容部4fへの平型導体3の挿入を許容する。
変形誘導部7は、天面部4bから、ハウジング4の短手方向における奥側に進むほど高さ方向における下側に向かう傾斜面7a(「第1の傾斜面」)を有する。平型導体3が収容部4fに挿入されると、変形誘導部7の傾斜面7aには側縁部3dの前端部3gが当接する。そして、傾斜面7aは、挿入方向にさらに押し込まれる側縁部3dを高さ方向(Z方向)の下側に向けて板厚方向に湾曲変形させる。変形誘導部7が、平型導体3の中でも比較的変形しやすい側縁部3dを板厚方向に湾曲変形させるため、平型導体3の側縁部3dは変形誘導部7を通り過ぎて除荷されると元の形状に復元し、塑性変形することはない。
本実施形態の変形誘導部7には、図8で示すように、傾斜面7aの奥側の終端から平型導体3の挿入方向(Y方向)に沿って収容部4fの底面と平行に伸長する上面部4hが形成されている。傾斜面7aと上面部4hとは、面どうしが稜線(角)で繋がる形状としているが、稜線のない湾曲面で繋げるようにしてもよい。傾斜面7aと上面部4hとを湾曲面で繋げることによって、平型導体3は、変形誘導部7の通過が円滑になるだけでなく、側縁部3dの前端部3gが上面部4hに倣って水平方向に近づくため、変形誘導部7の通過後に湾曲変形からより速やかに復元しやすくなる。
ここで、接点部5bは、変形誘導部7と平型導体3の挿入方向で異なる位置に有するように構成している。本実施形態のハウジング4は、図8で示すように、平型導体3の挿入方向において、傾斜面7aの始点よりも奥側位置に接点部5bが配置されている。変形誘導部7と接点部5bとがこのような位置関係であると、平型導体3が収容部4fに挿入される際に、前端部3gがこれら双方に同時に接触することがない。そして、平型導体3の前端部3gは、変形誘導部7、端子5の接点部5bの順で異なる瞬間にタイミングをずらして接触するように収容部4fに挿入されるため、平型導体3が平型導体用コネクタ1に接続される際の挿入力を分散させることができる。平型導体3を挿入するのに大きな挿入力を必要としないので、平型導体3の平型導体用コネクタ1への接続作業性が良好となる。
本実施形態の変形誘導部7は、図2で示すように、ハウジング4の長手方向における内側、かつ高さ方向における下側の角部7bに面取りが施されている。角部7bは、平型導体3との接触を線状ではなく面状とすることで接触面積を広げて圧力を分散させることができるため、平型導体3が、変形誘導部7を通過する際に削れる等して破損してしまうことを防ぐことができる。さらに、平型導体3が、変形誘導部7と線状に接触すると、側縁部3dが大きな曲率で変形、即ち屈曲したり、反対向き(側縁部3dの側縁端が上向き)に変形したりすることで塑性変形しやすい。しかしながら、角部7bは、面取り形状により接触面積を広げることによって側縁部3dを小さな曲率で湾曲させるため、側縁部3dの過度な変形による破損を防ぐとともに、変形誘導部7を通過した後の側縁部3dを湾曲変形から容易に復元させることができる。
角部7bにおける面取りの形状は、本実施形態では変形誘導部7の手前側位置(挿入口4a側)から奥側位置に至るまで同一形状で形成しているが、異なる形状としてもよい。例えば面取りの形状は、変形誘導部7の傾斜面7aの始点から終点に向かって勾配が徐々に無くなり突出部9の鉛直方向に沿う側面となるような形状としてもよい。これにより、変形誘導部7は、側縁部3dを徐々に湾曲変形させることができるので、急激な変形によって平型導体3を破損することがない。さらに、例えば面取りの形状は、傾斜面7aの始点と終点の中央付近において勾配が最も急峻となるようにその角度が変えられていても良い。こうすることで、変形誘導部7を通り過ぎた側縁部3dは湾曲変形から復元しやすくなる。
抜止め係止部8
抜止め係止部8は、平型導体3を平型導体用コネクタ1から抜けないように係止し、平型導体3との接続信頼性を向上させるものである。抜止め係止部8は、平型導体3の挿入方向に沿う変形誘導部7よりも奥側位置で、平型導体3の挿入方向に対する交差方向(Z方向)に沿う面として形成される。抜止め係止部8は、図8で示すように、変形誘導部7の奥側の上面部4hから、ハウジング4の高さ方向における上側に伸長する係止壁8aを有している。係止壁8aは、嵌合室4gに面している。係止壁8aには、湾曲変形から復元した平型導体3の側縁部3dに設けた「係止部」としての凹部3eの縁部3f(図1、図10、図11)が平型導体3の抜け方向で係止する。
平型導体3は収容部4fに収容されると、側縁部3dが、変形誘導部7によって下側に向けて押圧されて湾曲変形する。そこから、さらに平型導体3を収容部4fの奥側に向けて挿入させることで、側縁部3dの係止片3hが嵌合室4gに入り込み、凹部3eの内側に変形誘導部7が入り込んだ状態となる。これにより平型導体3の縁部3fが抜止め係止部8に係止可能な状態となる。即ち、従来技術のように弾性変位したロック部材が復元することで平型導体3を抜け止めするのではなく、ハウジング4の抜止め係止部8に対して湾曲変形から復元した平型導体3の縁部3fが係止することで、平型導体3を抜け止めする。これが平型導体用コネクタ1における平型導体3のロック状態であり、端子5の接点部5bが平型導体3の導電線3cと導通接触する導通接続状態である。このロック状態で平型導体3を引っ張っても縁部3fが係止壁8aと係止して抜け止めされている。
上面部4hと係止壁8aとの間の角部8bが鈍角であると、縁部3fが係止壁8aに対して係止を維持する高さが低くなるため、縁部3fが係止壁8aから抜けやすくなってしまう。したがって、角部8bは直角以下で形成されることが好ましく、本実施形態では直角として形成している。
本実施形態によれば、ハウジング4に設けた変形誘導部7と抜止め係止部8によって、平型導体3をハウジング4の収容部4fに差し込むだけで、平型導体3を抜け止めすることが可能であり、従来技術のような金属製のロック部材の使用を廃止することができる。このように本実施形態の平型導体用コネクタ1は、変形誘導部7と抜止め係止部8をハウジング4に設けているため、平型導体3の抜け止め機能を簡易な構造で実現することが可能である。また、金属製のロック部材の使用を廃止できるので、部品点数及び組立ての工程が増加せずに平型導体用コネクタ1の製造効率が優れている。
摺動面12
ハウジング4は、収容部4fに、平型導体3の挿入方向に沿って形成される摺動面12を有する。摺動面12は、収容部4fに挿入される平型導体3を突出部9の付け根方向に押しつけて、平型導体3の収容部4fでの高さ方向における位置を位置決めする機能を有する。本実施形態の摺動面12は、図2で示すように、ハウジング4の収容部4fの底壁4iから、高さ方向における上側に向かって四角錐台状に突出する台座部12aの上面に形成されている。そして、摺動面12は、平型導体3の挿入方向、即ちハウジング4の前後方向に沿って挿入口4aから収容部4fの内部に向かって直線的に伸長して形成される。このような摺動面12は、ハウジング4の長手方向における両側であって、突出部9よりも内側にそれぞれ1つずつ設けられる。
摺動面12は、平型導体3を収容部4fへの挿入途中で突出部9の付け根方向に押しつけるため、平型導体3の側縁部3dは、変形誘導部7と接している際には摺動面12を支点として板厚方向により大きく湾曲変形して、抜止め係止部8を円滑に乗り越えることができる。また摺動面12は平型導体3を突出部9の付け根方向に押しつけるため、平型導体3及びその側縁部3dは、変形誘導部7を通り過ぎてからは元の形状に復元しやすい。よって、そうした摺動面12をハウジング4に有する本実施形態の平型導体用コネクタ1によれば、摺動面12が、導通接続した平型導体3を突出部9の付け根方向に押さえつけて、縁部3fが抜止め係止部8から外れないようにするための部品が不要であり、ハウジング4自体の構成によって平型導体3の抜け止めをより確実にするための機能を実現することができる。
図8で示すように、収容部4fの天面部4bの下面と摺動面12との距離が平型導体3を挿入可能な収容部4fの高さである。台座部12aは、低背部12a1と、傾斜部12a2と、高背部12a3とが形成されている。低背部12a1は、挿入口4aの側に位置しており、収容部4fの高さが平型導体3の板厚よりも大きくなるように、底壁4iからの突出高さを低くして形成されている。こうすることで、収容部4fの挿入口4aは平型導体3を挿入しやすくなる。他方、高背部12a3は、収容部4fの奥側位置に形成されており、収容部4fの高さと平型導体3の板厚とが同じ程度となるように、底壁4iからの突出高さを低背部12a1よりも高くして形成されている。こうすることで、収容部4fに挿入された平型導体3はぐらつきにくくなる。
そして、傾斜部12a2は、ハウジング4の幅方向における変形誘導部7の傾斜面7aの側方位置に形成されており、その上面には挿入方向の奥側位置に向かって変形誘導部7に近づく傾斜面12b(「第2の傾斜面」)を有する。こうすることで、傾斜面7aと傾斜面12bとが互いに接近する方向に傾斜することとなる。これらの傾斜面7a及び傾斜面12bを平型導体3が通過すると、傾斜面12bが平型導体3を突出部9の付け根方向に押さえつけるとともに傾斜面7aが側縁部3dを突出部9の突出方向に押さえつけることができる。よって、平型導体3が収容部4fに挿入される際に、平型導体3を突出部9の付け根方向に押さえつけながら側縁部3dを突出部9の突出方向に押さえつけるため、変形誘導部7は側縁部3dを板厚方向により確実に湾曲変形させることができる。
ところで、摺動面12が上面に形成された台座部12aはハウジング4の長手方向における外側の側面12cが、高さ方向における下側に向かうほど長手方向における外側に広がるような傾斜となるように面取りされている。仮に、台座部12aの側面12cが面取りされておらず角があると、変形誘導部7によって湾曲変形した平型導体3の側縁部3dが、摺動面12や、摺動面12と側面12cとの稜線に当たって削れてしまうおそれがある。しかしながら、台座部12aに面取りされた側面12cが設けられることによって、側縁部3dは、湾曲変形しても摺動面12や台座部12aに当たることがなく、側縁部3dの破損を防ぐことができる。
溝部13
ハウジング4は、突出部9と対向する位置に、突出部9に当接して湾曲変形した側縁部3dが進入する「逃げ部」としての溝部13を有する。本実施形態の溝部13は図2で示すように、ハウジング4の長手方向において摺動面12の両外側で、摺動面12よりも高さ方向における下側にくぼんで設けられている。溝部13は、挿入口4aから嵌合室4gの奥側位置まで直線的に連続して設けられている。
ハウジング4が溝部13を有していない場合には、平型導体3の側縁部3dが変形誘導部7を通過する際に、変形誘導部7とその対向面との間の狭い隙間で、平型導体3の側縁部3dを変形させなければならず、側縁部3dが折れてしまうおそれがある。しかしながら、ハウジング4が溝部13を有し、溝部13によって湾曲変形した側縁部3dが進入する逃げ空間が形成されるため、変形誘導部7によって側縁部3dをより大きく湾曲変形させることできる。よって、側縁部3dと抜止め係止部8との平型導体3の板厚方向での係止量を増やすことができるため、平型導体3の抜止め効果を高めることができる。
開口10
収容部4fは、ハウジング4の外側と連通する開口10を有する。特に、開口10は、図11で示すように、平型導体3の側縁部3dの前端部3gから凹部3eの縁部3fまでの挿入方向の長さ範囲が収まる大きさに形成されている。こうすることで、平型導体3の係止片3hが突出部9を通過して嵌合室4gに到達して、平型導体3が平型導体用コネクタ1に正規の状態で確実に嵌合しているか否かをハウジング4の外部から開口10を通じて目視により容易に確認することができる。このため、平型導体用コネクタ1は、平型導体3の不完全な挿入や導通接続を未然に防止して接続信頼性を確保することができる。本実施形態の開口10は、嵌合室4gから、高さ方向における上側に向かって四角形の断面の貫通孔として形成されている。そして、開口10の上側にはテーパがつけられており、後述する治具11の係止解除片11bの挿入をガイドする(図8)。
治具11
治具11は、ハウジング4に挿入されている平型導体3の嵌合状態を解除する機能を有する。本実施形態の治具11は図12で示すように門状に形成されている。治具11は、天板11aと、係止解除片11b(図13)と、脚部11cとを有している。
天板11aは、平板状であり、ハウジング4の天面部4bに対応して形成されている。治具11は、用いられる際に、天板11aの下側の面が、天面部4bの上側の面に重ね合わされる。
係止解除片11bは、天板11aの下面から下側(Z方向)に突出して設けられている。係止解除片11bは、ハウジング4の開口10を通り抜けて、抜止め係止部8に対する側縁部3dの係り代をすべて押し込む長さを有している。係止解除片11bの断面は任意の形状とすることができるものの開口10の断面に対応した形状であると開口10の周囲の壁面に沿って係止解除片11bを安定して押し込むことができ、より確実に、抜止め係止部8と側縁部3dとの係止状態を解除することができる。さらに、開口10及び係止解除片11bの断面は四角形であると、側縁部3dに対する押圧が偏ることなく係止解除片11bを押し込むことができ、平型導体3を破損することなく抜止め係止部8と側縁部3dとの係止状態を解除することができる。
脚部11cは、係止解除片11bを開口10に差し込む際の位置合わせをする機能を有する。脚部11cは、天板11aの長手方向における両側に1つずつ設けられている。それぞれの脚部11cは、L字状の断面が高さ方向に伸長して形成されており、脚部11cの入隅が、ハウジング4の長手方向に沿った側面の一部と短手方向に沿った側面とに嵌合する。そして、ハウジング4に対して脚部11cが嵌合するように治具11が取り付けられることで係止解除片11bは開口10の位置と重なり、側縁部3dを正確に押し込むことができる。
ハウジング4に治具11が取り付けられると、脚部11cがハウジング4と嵌合することで、係止解除片11bが開口10に導かれる。ここで、天板11aが、ハウジング4の天面部4bの側に押し下げられることで、係止解除片11bが、開口10に挿入されて、平型導体3の側縁部3dを押し込む。これにより、側縁部3dが基板2の側に向けて押し下げられて抜止め係止部8から抜けるため、平型導体3の係止が外れて平型導体用コネクタ1から抜去することができる。
本実施形態の平型導体用コネクタ1では、開口10が、平型導体用コネクタ1から平型導体3を抜去する治具11の挿入孔として併用されている。そのため、ハウジング4には治具挿入孔を別途設けることなく、より簡易な構成で生産性の良い平型導体用コネクタ1とすることができる。
本発明の「平型導体用コネクタ」は、このような治具11を有する平型導体用コネクタ1として構成することで、治具11を用いて側縁部3dをハウジング4の外側から操作できるため、側縁部3dを抜止め係止部8から取り外し、平型導体3をハウジング4から抜去することが容易に可能となる。
平型導体用コネクタ1の使用方法
次に、平型導体用コネクタ1の使用方法について説明する。
まず、図9で示すように、平型導体3は、挿入口4aから平型導体用コネクタ1の収容部4fに挿入される。平型導体3は、摺動面12に沿って収容部4fの奥側に向かって挿入される。平型導体3の挿入が進むと、側縁部3dの前端部3gは、突出部9の変形誘導部7に接触する。すると、側縁部3dは、基板2の側に押し下げられて、変形誘導部7に沿って湾曲変形する。変形誘導部7によって側縁部3dが押し下げられた状態で収容部4fの奥側に平型導体3がさらに進入すると、平型導体3は、端子5の接点部5bに接触する。平型導体3は、変形誘導部7と接点部5bとに異なる挿入の段階で接触するため、平型導体3を収容部4fに挿入するための挿入力を低減することができ、接続作業性が良好となる。
ハウジング4の短手方向において、端子5の接点部5bは、摺動面12の傾斜面12bの位置に対応して設けられている。したがって、平型導体3は、傾斜面12bに沿って、高さ方向における上側に持ち上げられながら接点部5bを押し下げて端子5を乗り越える。
平型導体3は、突出部9の変形誘導部7によって側縁部3dが押圧された状態で摺動面12に沿って、収容部4fの奥側位置まで挿入される。そして、平型導体3の凹部3eの縁部3fは変形誘導部7を乗り越えて、突出部9の抜止め係止部8に到達する。
溝部13の側に倒れるように弾性変形している側縁部3dには天面部4bの側に戻ろうとする復元力が常時働いている。よって、平型導体3の凹部3eの縁部3fが突出部9の抜止め係止部8に到達すると、側縁部3dの係止片3hは、嵌合室4gに入り込んで元通りに復元される(図10)。この際に、抜止め係止部8における係止壁8aは、凹部3eの縁部3fに対して略平行となり、平型導体用コネクタ1をロックする(図11)。この状態で、平型導体3は、接点部5bと天面部4bとによって挟持されて平型導体3と端子5とが導通接続する。このように、平型導体用コネクタ1に平型導体3が差し込まれるという一つの動作だけで抜け止めされるため、平型導体用コネクタ1の接続作業性が良好である。
他方、平型導体用コネクタ1から平型導体3を抜去する場合には、平型導体3の凹部3eの縁部3fが突出部9の抜止め係止部8を抜ける必要がある。そのためには、治具11が、ハウジング4に取り付けられる。上述のように、治具11が、ハウジング4に取り付けられることで、治具11の係止解除片11bが、ハウジング4の開口10を通り抜けて、抜止め係止部8に対する側縁部3dの係り代をすべて押し込むように側縁部3dを基板2側に変位させて抜止め係止部8から抜くことができる。そして、この状態で、平型導体3は、平型導体用コネクタ1から引き抜くことができるようになる。
平型導体用コネクタ1の作用・効果
次に、既に説明済みのものを除き平型導体用コネクタ1の作用・効果について説明する。
平型導体3が平型導体用コネクタ1にロックされた状態で平型導体3に抜去方向への力が加わると、平型導体3の凹部3eの縁部3fに突出部9の抜止め係止部8が当接して抜け止めされ、平型導体用コネクタ1の端子5と平型導体3との接触状態は維持される。よって、アクチュエータやスライダなどの別部材を設けることなく平型導体3を平型導体用コネクタ1にロックすることができるため、部品点数及び組立ての工程が増加せずに平型導体用コネクタ1の製造効率が優れている。さらに、従来技術の金属製のロック部材ではハウジング4の外部に露出するロック解除用の操作片を有するが、本実施形態の平型導体用コネクタ1には、それが無いため、意図せず操作片に触れてしまい平型導体3が外れてしまうことがない。よって、本実施形態の平型導体用コネクタ1は平型導体3との接続信頼性を高めることができる。
以上のように、本実施形態の平型導体用コネクタ1は、平型導体3を挿入する一つの動作だけで平型導体3の抜去方向への移動を規制(抜け止め)するという良好な作業性が別部材を用いずに簡易な構成で実現されるため、製造コストを低減することもできて生産性が良好である。そして、本実施形態によれば、ハウジング4自体に平型導体3の抜止め構造を有するため、従来技術のようなハウジングと別部品のロック部材によらずに平型導体3を抜け止めすることができ、良好な導通接続を確実に維持することができる。
変形例
本実施形態では、基板2に対して平置きして、平型導体3をいわゆるアングル接続する平型導体用コネクタ1を示した。これに対してコネクタは、図示については割愛するものの、基板2に対して縦置きして、平型導体3をいわゆるストレート接続する形態であっても良い。この場合に、平型導体3は、挿入口4aを通じて収容部4f内に基板2に対する垂直方向に挿入すれば良い。
変形誘導部7と抜止め係止部8とは別体として形成されていても良い。しかしながら、ハウジング4に、変形誘導部7と、抜止め係止部8とが一体化した突出部9が形成されると、突出部9を樹脂成形体で形成されるハウジング4の一部分として形成することができ、抜け止め機能を有しながらも平型導体用コネクタ1の構造を単純かつ小型化することができる。さらに、変形誘導部7で湾曲変形した平型導体3の側縁部3dは、変形誘導部7と一体化した抜止め係止部8に速やかに到達して湾曲変形から復元するため、このような突出部9は、平型導体3に対して、クリープや応力緩和による変形を生じさせにくい。よって、側縁部3dが湾曲変形から復元した平型導体3は、平面度が保たれて、端子5の接点部5bに対する押圧が場所によって偏ることがなく導通の信頼性が確保されるとともに、長時間にわたって湾曲変形の状態とされないことによって、良好な接続信頼性を損ねないようにすることができる。
本実施形態の平型導体用コネクタ1は図2で示すように、ハウジング4の下側に端子5やグランド端子6が形成されている構造である。端子5は、突出部9とは対向する側に位置し、突出部9の側に向かって平型導体3を板厚方向に支持している。本実施形態の平型導体用コネクタ1では、端子5が平型導体3を押圧する機能を有するため、平型導体3を支持する他の構成を不要とすることができる。
他方、ハウジング4の内部構造(端子5の配置、突出部9、台座部12aの突出方向、溝部13の配置)は上下が反転していても構わない。そのような、ハウジング4の構造が上下で反転した場合においても、突出部9の突出方向と、端子5が平型導体3を押し付ける方向とは反対向きであることが好ましい。これにより、平型導体3は、側縁部3dが、変形誘導部7によって確実に湾曲変形され、凹部3eの縁部3fが、抜止め係止部8に確実に係止されるため、平型導体用コネクタ1と平型導体3との嵌合作業を容易にし、かつこれらの嵌合状態を確実に維持することができる。
前記実施形態では、溝部13をハウジング4の挿入口4aから嵌合室4gの奥側位置まで直線的に連続して設ける例を示したが、ハウジング4の短手方向で平型導体3の側縁部3dが湾曲変形する範囲、即ち突出部9及び嵌合室4gの形成されている範囲だけに設けることもできる。
本実施形態の平型導体用コネクタ1は、上述された凹状の「係止部」としての縁部3fを有する平型導体3に限らず、平型導体の側縁から耳状に突出する突片に係止部を有する平型導体(FFC、FPC)にも適用することができる。この場合、平型導体の側縁部3dは、耳状に突出する突片を少なくとも含む平型導体の部位として特定することができる。そして、突片の抜去側に位置し平型導体の幅方向に伸長する縁が「係止部」として機能して、抜止め係止部8に対して係止することとなる。
1 平型導体用コネクタ
2 基板
3 平型導体
3a グランドプレート
3b 絶縁層
3c 導電線
3d 側縁部
3e 凹部
3f 縁部(係止部)
3g 前端部
3h 係止片
4 ハウジング
4a 挿入口
4b 天面部
4c スリット
4d 壁体
4e 圧入孔
4f 収容部
4g 嵌合室
4h 上面部
4i 底壁
5 端子
5a 基板接続部
5b 接点部
5c ばね部
6 グランド端子
6a 固定部
6b 接地接続部
6c 補強板
6d グランド接点部
7 変形誘導部
7a 傾斜面(第1の傾斜面)
7b 角部
8 抜止め係止部
8a 係止壁
8b 角部
9 突出部
10 開口
11 治具
11a 天板
11b 係止解除片
11c 脚部
12 摺動面
12a 台座部
12a1 低背部
12a2 傾斜部
12a3 高背部
12b 傾斜面(第2の傾斜面)
12c 側面
13 溝部

Claims (1)

  1. 平型導体が挿入されて導通接続する収容部を有するハウジングを備える平型導体用コネクタにおいて、
    前記ハウジングは、
    前記収容部に挿入される前記平型導体と当接し、前記平型導体の側縁部を板厚方向に湾曲変形させる変形誘導部と、
    前記平型導体の挿入方向に沿う前記変形誘導部よりも奥側位置で、湾曲変形から復元した前記平型導体の前記側縁部に設けた係止部に対して前記平型導体の抜け方向で係止する抜止め係止部とを有し、
    前記変形誘導部は、前記挿入方向の前記奥側位置に向かって前記変形誘導部の対向面に近づく第1の傾斜面を有し、
    前記対向面は、前記ハウジングの幅方向における前記第1の傾斜面の側方位置に、前記挿入方向の前記奥側位置に向かって前記変形誘導部に近づく第2の傾斜面を有し、
    前記収容部は、前記ハウジングの外側と連通する開口を有することを特徴とする平型導体用コネクタ。
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