JP2019152411A - 超純水の加熱方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユースポイントに送水される超純水を加温して温超純水とするための熱交換器の熱源コストを低減することができる超純水加熱方法を提供する。【解決手段】サブシステム4からの二次純水を熱交換器6、熱交換器10及び熱交換器12で加熱してユースポイントへ送る。熱交換器6の熱源はユースポイントからの戻り温超純水である。熱交換器10には、加熱器40で加熱された媒体水が循環通水される。ユースポイントの超純水使用量に応じて、媒体水循環用のポンプ46をインバータ制御すると共に、バイパス流量を三方弁43によって制御する。【選択図】図1
Description
本発明は超純水の加熱方法に係り、特に二次純水製造装置からの超純水を熱交換器で加熱して温超純水としてユースポイントへ供給するための超純水加熱方法に関する。
半導体洗浄用水として用いられている超純水は、図2に示すように前処理システム50、一次純水製造装置60、二次純水製造装置(サブシステムと称されることも多い。)70から構成される超純水製造装置で原水(工業用水、市水、井水等)を処理することにより製造される(特許文献1)。図2において各システムの役割は次の通りである。
凝集、加圧浮上(沈殿)、濾過(膜濾過)装置など(この従来例では凝集濾過装置)よりなる前処理システム50では、原水中の懸濁物質やコロイド物質の除去を行う。また、この過程では高分子系有機物、疎水性有機物などの除去も可能である。
前処理された水のタンク61、熱交換器65、逆浸透膜処理装置(RO装置)62、イオン交換装置(混床式又は4床5塔式など)63、タンク63A、イオン交換装置63B、及び脱気装置64を備える一次純水製造装置60では、原水中のイオンや有機成分の除去を行う。熱交換器65の1次側には、熱源流体として蒸気が供給される。逆浸透膜処理装置62では、塩類を除去すると共に、イオン性、コロイド性のTOCを除去する。イオン交換装置63,63Bでは、塩類、無機系炭素(IC)を除去すると共にイオン交換樹脂によって吸着又はイオン交換されるTOC成分の除去を行う。脱気装置64では無機系炭素(IC)、溶存酸素の除去を行う。
一次純水製造装置60で製造された一次純水は、配管69を介して二次純水製造装置70へ送水される。この二次純水製造装置70は、サブタンク(純水タンクと称されることもある。)71、ポンプ72、熱交換器73、低圧紫外線酸化装置(UV装置)74、イオン交換装置75及び限外濾過膜(UF膜)分離装置76を備えている。熱交換器73は、二次純水の温度制御のためのものである。一般に二次純水(常温超純水)の供給温度は23〜25℃であり、その温度範囲に制御するため、熱交換器73は冷却器が使用される。冷却器の冷却源として冷水が用いられる。
低圧紫外線酸化装置74では、低圧紫外線ランプより出される185nmの紫外線によりTOCを有機酸、さらにはCO2まで分解する。分解により生成した有機物及びCO2は後段のイオン交換装置75で除去される。限外濾過膜分離装置76では、微粒子が除去され、イオン交換樹脂からの流出粒子も除去される。
イオン交換装置75の処理水は、限外濾過膜分離装置76から配管81を介してユースポイント90に送られる超純水(常温超純水)と、熱交換器85,86で加熱された後、限外濾過膜分離装置87及び配管88を介してユースポイント90に送られる超純水(温超純水)とに分かれる。
後者のラインでは、二次純水製造装置70からの超純水を前段側熱交換器85と後段側熱交換器86とで65〜75℃程度に加熱し、ユースポイント90に供給する。このユースポイント90からの温戻り水を配管91を介して前段側熱交換器85の熱源側に流通させる。前段側熱交換器85の熱源側を通過した戻り水は30〜40℃程度に降温しており、配管92を介してサブタンク71に戻される。後段側熱交換器86は蒸気を熱源とするものである。
図3は従来の超純水加熱装置の例を示す系統図である。
一次純水は、配管1、サブタンク2、配管3を介してサブシステム4に導入され、サブタンク後段の熱交換器で温度調整されて、約25℃の超純水が製造される。製造された超純水は、配管5、第1熱交換器6、配管9及び第2熱交換器10の順に流れ、熱交換器6によって約45〜70℃に加熱され、熱交換器10によって約75℃に加熱され、温超純水として配管11によりユースポイントへ送水される。配管11には、ユースポイントの直前にUF膜分離装置11Aが設置されている。
熱交換器6の熱源流体流路へは、配管7を介してユースポイントからの約75℃の戻り温超純水(戻り水)が導入される。この戻り温超純水は、熱交換器6でサブシステム4からの超純水と熱交換して約30℃に降温した後、配管8によって、サブタンク2に送られる。
熱交換器10の熱源流体流路には、ヒートポンプ20及び蒸気式熱交換器15によって加熱された第1媒体水(伝熱媒体としての水)が循環流通される。即ち、熱交換器10から流出した約65℃の第1媒体水を第1循環流路のヒートポンプ20の凝縮器23で約75℃に加熱した後、蒸気式熱交換器15で約80℃に加熱して熱交換器10に流入させる。
熱交換器15の熱源流体流路には、ボイラ等からの蒸気(水蒸気)が流通される。
ヒートポンプ20は、蒸発器21からの代替フロン等の熱媒体をポンプ22で圧縮して凝縮器23に導入し、凝縮器23からの熱媒体を膨張弁24を介して蒸発器21に導入するように構成されている。
第1循環流路(高温側流路)の凝縮器23に熱交換器10からの第1媒体水が配管12を介して導入され、凝縮器23で加熱された第1媒体水が配管14を介して熱交換器15に送水される。なお、熱交換器15からの第1媒体水の一部は、バイパス配管19を介して配管12に返送される。これにより、凝縮器23に導入される第1媒体水の水温は約70℃となる。バイパス配管19には、流量調節弁(図示略)が設けられている。
配管12に循環用のポンプ(図示略)が設けられている。
蒸発器21の熱源流体流路(低温側流路)に第2媒体水(ヒートポンプ熱源水)を通水するために、配管25、配管27よりなる流路が設けられている。
約30℃のヒートポンプ熱源水が蒸発器21の熱源流体流路に導入され、ヒートポンプ20の熱媒体と熱交換して約25℃に降温した後、配管25を介して他のプロセスへ送水される。
ヒートポンプ20の運転方法としては、例えば、第1媒体水の出口温度が一定温度になるように、ヒートポンプ圧縮機の入力電力を調整する。ヒートポンプを複数系列とし、熱負荷に応じて台数制御を行ってもよい。
図3の超純水加熱装置において、バイパス配管19を介して配管14から配管12へバイパスする第1媒体水の水量は、配管14からバイパス配管19への分岐部に設けた三方弁(図示略)により調節することができる。このバイパス水量を多くすると、熱交換器10において超純水に与える熱量が少なくなり、バイパス水量を少なくすると、熱交換器10における与熱量が多くなる。従って、配管7からの戻り温超純水の水量の変動に起因して配管9から熱交換器10に流入する超純水の温度が変動した場合、配管19へバイパスさせる第1媒体水量を制御することにより、配管11からユースポイントへ送水される温超純水の温度が一定(上記の場合75℃)に維持される。
図3において、配管7からの戻り温超純水の水量が大きく変動し、配管9から熱交換器10へ流入する超純水の温度が大きく変動した場合、配管19へバイパスさせる第1媒体水量の制御だけでは超純水の温度変動に追従できず、ユースポイントへ送水される温超純水の温度が目標温度から逸脱するおそれがある。
すなわち、ユースポイントで使用される温超純水量は、数秒単位で大きく変動する場合がある。ユースポイントでの温超純水使用量が変動すると、図3における「温超純水戻り」の流量が変動する。これにより、熱交換器6における熱回収量が変動し、配管9から熱交換器10に流入する超純水の温度も変動する。
例えば、図3のシステムの場合、ユースポイントにおいて温超純水使用量が急増し、その使用量が維持されたとすると、熱交換器10入口の超純水温度が低下することになる。この場合、熱交換器10の超純水出口温度を維持するために、配管19へのバイパス水量を少なくし、流量を増加させる。しかし、配管19へのバイパス水量がゼロになるように三方弁を調整すると、それ以上熱交換器10への水量を増加させることができなくなり、配管11からユースポイントに送水される温超純水の温度を目標温度に維持できなくなる。
ユースポイントの温超純水温度は、プラスマイナス1℃といった厳密な範囲に制御する必要があるため、温超純水の制御温度を維持できなくなることは、ユースポイントの温超純水利用機器において大きな問題をもたらす可能性がある。
従来、上記の問題を回避するため、配管14、配管12、バイパス配管19を循環する第1媒体水量(高温循環水量)を十分な量としていた。つまり、過去の実績から想定される温超純水使用量の最大値を考え、仮に温超純水使用量がそのような最大値に急増した場合でも、ユースポイントへ送水される温超純水温度を制御可能となるように、十分に余裕をもったバイパス循環水量を設定していた。
このような方法によると、ユースポイントへ送水される温超純水温度は、ユースポイントの超純水使用量が著しく多くなっても一定に維持される。しかしながら、通常の状態(温超純水使用量が平均値付近である場合)では、バイパス水量が徒に多く、運転コストが高くなるという問題があった。すなわち、通常の状態では、戻り温超純水が多いので、配管9から熱交換器10に流入する超純水温度はそれほど低下せず、それゆえに高温循環水(第1媒体水)による必要加熱量も大きくないため、配管19へバイパスする第1媒体水流量が多いまま運転が継続されていた。
なお、前述の通り、単に高温循環水(第1媒体水)の水量を減らすという対策をとるだけでは、ユースポイントで温超純水使用量が急増したときに温超純水温度を維持できなくなるリスクを回避することができなかった。
本発明は、このような問題点を解決し、ユースポイントにおける温超純水使用量急増によって温超純水温度を維持できなくなるリスクを回避しながら、高温循環水量を減らし、バイパス流量を減少させることができる超純水の加熱方法を提供することを目的とする。
本発明の超純水加熱方法は、超純水製造装置からの超純水を加熱するための、ユースポイントからの戻り水を熱源とする第1熱交換器と、該第1熱交換器で加熱された超純水をさらに加熱する加熱手段と有し、加熱された超純水をユースポイントに供給する超純水加熱装置であって、前記加熱手段は、前記第1熱交換器で加熱された超純水が被加熱流体流路に通水される第2熱交換器と、該第2熱交換器の熱源流体流路に伝熱媒体としての媒体水を循環流通させる循環流路と、循環流路を流れる媒体水を加熱する加熱器と、該循環流路に設けられたポンプとを備えている加熱装置によって超純水を加熱する方法において、ユースポイントでの超純水使用量に応じて該ポンプを制御する。
本発明の一態様では、前記媒体水循環流路に、前記第2熱交換器を迂回するバイパス流路が設けられており、ユースポイントでの超純水使用量に応じて該バイパス流路へのバイパス流量を制御する。
本発明の一態様では、前記バイパス流量を制御するための三方弁が設けられており、ユースポイントでの超純水使用量に応じて該三方弁の開度を制御する。
本発明の一態様では、前記バイパス流量を制御するための三方弁が設けられており、現時点の運転データ実測値から1〜5分後の三方弁開度を予測し、その開度予測値がほぼ一定になるように、高温循環水量を制御する。
本発明の一態様では、過去の運転データを基に、「三方弁開度の予測値」を目的変数とする重回帰モデルまたは人工知能モデルを構築し、そのモデルに、現時点の運転データ実測値を入力することによって、「三方弁開度の予測値」を得る。
本発明の一態様では、重回帰モデルまたは人工知能モデルの説明変数に、少なくとも、「三方弁開度の現在値」および「第1熱交換器の超純水側出口温度」を含む。
本発明によると、高温循環水量を減らし、バイパス流量を減少させることにより、
(1) 循環水ポンプの消費電力を減らすことができる;
(2) 高温循環水の循環工程にヒートポンプがある場合、高温循環水のヒートポンプ入口温度が低下し高温循環水とヒートポンプ熱源水との温度差が小さくなるため、ヒートポンプのCOP(成績係数)を向上させることができる;
(3) 高温循環水の循環工程にヒートポンプと蒸気熱交換器の両方がある場合、蒸気熱交換器における蒸気使用量を減らすことでき、供給熱量あたりの単価が小さいヒートポンプによる加熱割合を増加させることができる;
という効果が得られる。
(1) 循環水ポンプの消費電力を減らすことができる;
(2) 高温循環水の循環工程にヒートポンプがある場合、高温循環水のヒートポンプ入口温度が低下し高温循環水とヒートポンプ熱源水との温度差が小さくなるため、ヒートポンプのCOP(成績係数)を向上させることができる;
(3) 高温循環水の循環工程にヒートポンプと蒸気熱交換器の両方がある場合、蒸気熱交換器における蒸気使用量を減らすことでき、供給熱量あたりの単価が小さいヒートポンプによる加熱割合を増加させることができる;
という効果が得られる。
以下、図1を参照して実施の形態について説明する。なお、以下の説明では水温が例示されているが、一例であり、本発明を限定するものではない。
図1は実施の形態の超純水加熱装置を示す系統図である。
一次純水は、配管1、サブタンク2、配管3を介してサブシステム4に導入され、サブシステムに含まれる熱交換器で温度調整され、約25℃の超純水が製造される。製造された超純水は、配管5、第1熱交換器6、配管9及び第2熱交換器10の順に流れ、熱交換器6によって約45〜70℃に加熱され、熱交換器10によって約75℃に加熱され、温超純水として配管11によりユースポイントへ送水される。配管11には、ユースポイントの直前にUF膜分離装置(図示略)が設置されている。
熱交換器6の熱源流体流路へは、配管7を介してユースポイントからの約75℃の戻り温超純水(戻り水)が導入される。この戻り温超純水は、熱交換器6でサブシステム4からの超純水と熱交換して約30℃に降温した後、配管8によって、サブタンク2に送られる。
熱交換器10の熱源流体流路には、ヒートポンプ、蒸気式熱交換器等の加熱器40によって加熱された媒体水(伝熱媒体としての水)が循環流通される。即ち、熱交換器10から流出した約50〜70℃の媒体水を配管45、ポンプ46、配管47によって加熱器40に導入し、約80℃に加熱した後、配管42、三方弁43、配管44を介して熱交換器10に流入させる。
加熱器40からの媒体水の一部は、三方弁43からバイパス配管48を介して配管45に返送される。
配管11に温度センサ50が設けられており、測定温度が制御装置51に入力され、この制御装置51によって三方弁43及びポンプ46が制御される。三方弁43からは制御装置51に現時点での開度(配管42から配管44へ媒体水を流す開度)を示す信号が制御装置51に入力される。
この実施の形態では、三方弁43の開度(配管42から配管44へ媒体水を流すための開度)が一定値になるように媒体水循環水量を調整する。三方弁43の開度を0%〜100%で表すとすると、例えば開度が75〜80%になるように、ポンプ46のモーター回転速度を増減し、媒体水循環水量を自動調整するのが好ましい。例えば、ポンプに付属したインバータが、電圧と周波数を増減することよってモーター回転速度を調整する。
現時点の三方弁開度に関する信号を制御装置51に入力し、制御装置51で演算処理を行い、その結果をポンプ46に付属するインバータに送り、インバータがモーターの電圧・周波数を調整する方法でもよい。あるいは、三方弁43の開度とインバータ出力値の関係式をあらかじめ導出し、その関係式に基づいてインバータ出力値を調整する方法でも良い。
ユースポイント90での温超純水使用量が大きく変化した場合、その影響が三方弁43の開度に影響を及ぼすまでには、数分間の時間遅れがある。このため、現時点の三方弁43開度の代わりに、将来予測値を使用することが、より望ましい。ここで、将来とは、現時点から1〜5分後を意味している。
たとえば、過去数ヶ月分の運転データを基に、「2分後の三方弁開度」を目的変数、「現時点の三方弁開度」、「配管9から熱交換器10へ流入する超純水の温度」等を説明変数とする重回帰モデルを構築し、そのモデルに、現時点の運転データ実測値を入力することによって、2分後における温度センサ50の検出超純水温度を75℃に維持するために必要な「2分後の三方弁開度」を予測する。「2分後の三方弁開度」の予測値に基づいて高温循環水量(ポンプ46吐出量)を調整することによって、温超純水使用量の急増に対し、さらに迅速に対応できる。例えば、2分後の三方弁開度の予測値が80%を超えるときには、該開度が75〜80%の範囲に収まるようにポンプ46のモーター回転数を増加させる。
なお、重回帰モデルの代わりに、人工知能モデル等を用いてもよい。
このようにして、ユースポイントにおける温超純水使用量急増により温超純水温度を維持できなくなるリスクを回避しながら、バイパス水量を少なくし、温超純水の製造コストを削減できる。
ユースポイントにおける温超純水使用量が増加した場合に、配管9から熱交換器10に流入する超純水の温度が低下し、これに対応して三方弁43の開度が上昇し始めた段階で、媒体水循環水量を自動的に増加させることができ、温超純水温度の制御目標値逸脱リスクを回避することができる。
さらに、現時点における「温超純水戻り流量」や「配管9から熱交換器10に流入する超純水の温度」の実測値から、数分後の三方弁開度を予測することにより、現時点の三方弁開度のみで高温循環水量を調節するよりもさらに早く高温循環水量を調整することができ、温超純水温度の制御目標値逸脱リスクをより確実に回避することができる。
より具体的な運転例について次に説明する。
加熱器40として、冷凍機排水を熱源とするヒートポンプと、蒸気を熱源とする蒸気熱交換器の両方を用い、ポンプ47→ヒートポンプ→蒸気熱交換器の順に循環水が流れるようにする。ヒートポンプは、ヒートポンプ出口温度が一定になるように入力電力が調整される。また、蒸気熱交換器における出口温度(即ち、配管42に流れる媒体水温度)が一定になるように、蒸気量が供給される。
なお、(本発明のヒートポンプ出口温度)=(比較例のヒートポンプ出口温度)、(本発明の蒸気熱交換器出口温度)=(比較例の蒸気熱交換器出口温度)である。
本実施例では、三方弁43の開度が平常時75〜80%(即ち、バイパス水量が20〜25%)になるように、ポンプ46に付属したインバータの出力値を調整する。この結果、従来と比較して、媒体水循環水量の平均値が約40%削減される。これに伴い、循環水ポンプの消費電力が削減されるとともに、熱量あたりの単価が低いヒートポンプによる加熱割合が高まる。この結果、全体の運転コストを約15%削減することができる。
即ち、図3においては、ユースポイントでの超純水使用量が著しく増大し、配管7からの戻り超純水量が著しく少なくなり、熱交換器10への流入超純水温度がかなり低い温度(例えば40〜45℃又はそれ以下)になった場合でも、熱交換器10に十分に多量の高温媒体水を流して75℃の温超純水を配管11からユースポイント90へ送水できるようにするために、平常時において配管14から配管19へバイパスする媒体水量を多くし、ユースポイント90での超純水使用量が著しく増加したときに、配管14から熱交換器10への媒体水量を確保する必要があった。このため、平常時(ユースポイント90における超純水使用量がほぼ平均量である状態)においても、ヒートポンプ20から配管14への出湯量(媒体水量)を多くし、バイパス媒体水量を多くしておくようにし、ユースポイントの超純水使用量の増大に備えておく必要があった。そして、このように多量の媒体水をバイパスさせるために、ポンプ電力コスト等が多くなっていた。
これに対し、本発明では、バイパス媒体水量は平常時では例えば20〜25%と少な目にしておき、熱交換器10への供給媒体水量増加が予測されるとき(すなわち、三方弁43の開度の顕著な増加が予測されるとき)には、加熱器40からの出湯量を増加させる。この結果、平常時における加熱器40からの高温媒体水供給量(出湯量)を従来に比べて相当に少なくすることができる。
制御器51は、配管11を介してユースポイント90へ向う温超純水の温度が常に一定温度(この場合75℃)に維持されるように、三方弁43の開度制御及びポンプ46のモーター回転数制御によって熱交換器10へ供給する媒体水量(高温循環水量)を制御する。なお、ポンプ46の制御による熱交換器10への媒体水量制御によるだけでも温超純水を一定温度に維持できるのであれば三方弁43及びバイパス配管48は省略されてもよい。ただし、三方弁43によるバイパス水量制御による熱交換器10への供給媒体水量制御は、迅速かつ容易であり、熱交換器10の負荷変動に迅速に対応することができる。本実施例では、三方弁43の開度を75〜80%と高くしているので、熱交換器10での大幅な負荷増加には三方弁43だけでは対処できない。そこで、前述の通り、ポンプ46の制御も併用する。
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態とされてもよい。
2 サブタンク
4 サブシステム
6 第1熱交換器
10 第2熱交換器
43 三方弁
48 バイパス配管
50 温度センサ
4 サブシステム
6 第1熱交換器
10 第2熱交換器
43 三方弁
48 バイパス配管
50 温度センサ
Claims (6)
- 超純水製造装置からの超純水を加熱するための、ユースポイントからの戻り水を熱源とする第1熱交換器と、
該第1熱交換器で加熱された超純水をさらに加熱する加熱手段と
を有し、加熱された超純水をユースポイントに供給する超純水加熱装置であって、
前記加熱手段は、
前記第1熱交換器で加熱された超純水が被加熱流体流路に通水される第2熱交換器と、
該第2熱交換器の熱源流体流路に伝熱媒体としての媒体水を循環流通させる循環流路と、
循環流路を流れる媒体水を加熱する加熱器と、
該循環流路に設けられたポンプと
を備えている加熱装置によって超純水を加熱する方法において、
ユースポイントでの超純水使用量に応じて該ポンプを制御することを特徴とする超純水加熱方法。 - 前記媒体水循環流路に、前記第2熱交換器を迂回するバイパス流路が設けられており、
ユースポイントでの超純水使用量に応じて該バイパス流路へのバイパス流量を制御することを特徴とする請求項1の超純水加熱方法。 - 前記バイパス流量を制御するための三方弁が設けられており、ユースポイントでの超純水使用量に応じて該三方弁の開度を制御することを特徴とする請求項2の超純水加熱方法。
- 前記バイパス流量を制御するための三方弁が設けられており、現時点の運転データ実測値から1〜5分後の三方弁開度を予測し、その開度予測値がほぼ一定になるように、高温循環水量を制御することを特徴とする請求項2の超純水加熱方法。
- 過去の運転データを基に、「三方弁開度の予測値」を目的変数とする重回帰モデルまたは人工知能モデルを構築し、そのモデルに、現時点の運転データ実測値を入力することによって、「三方弁開度の予測値」を得る請求項4の超純水加熱方法。
- 重回帰モデルまたは人工知能モデルの説明変数に、少なくとも、「三方弁開度の現在値」および「第1熱交換器の超純水側出口温度」を含む請求項5の超純水加熱方法。
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