JP2019151098A - 易開封性シーラントフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】密封性、易開封性、開封時の外観、透明性のいずれにおいても良好な性能を備えた易開封性シーラントフィルムを提供する。【解決手段】ヒートシール層20と、該ヒートシール層のための基材層30とを含むシーラントフィルム10であって、基材層は、ポリプロピレン系樹脂を1〜85重量%、ポリエチレン系樹脂を10〜85重量%、及びエチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの少なくともいずれかを5〜25重量%を含有してなるポリオレフィン系樹脂組成物からなり、ポリエチレン系樹脂は密度が0.91〜0.93g/cm3であり、エチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーは、密度が0.89g/cm3以下で、かつMFR(230℃、2.16kg荷重)が2〜70g/10minである。【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートシール層と該ヒートシール層のための基材層とを含むシーラントフィルムに関し、特に容易に開封可能な易開封性シーラントフィルムに関する。
食品等の物品をピロー包装等により包装する包装袋や、物品が収容された包装容器の容器開口部に被着されるシート状の蓋材等は、ヒートシール等により融着可能なシーラントフィルムにより構成されている。これらの包装袋や蓋材は、包装に際して内容物の漏出防止や衛生管理等の必要性から、フィルムの密封性が求められる。しかしながら、シール部分の接着強度が高いと、子供やお年寄り等の力の弱い消費者にとって開封しにくかったり、開封時に過剰に力を入れすぎて意図しない破断等が発生したりすることがある。
そこで、従来から十分な密封性を保持しながら小さな力で容易に開封可能とする易開封性を備えたシーラントフィルムが提案されている(例えば特許文献1参照)。このシーラントフィルムは、基材層とヒートシール層とが隣接して積層された多層フィルムであって、基材層は190℃でのMFRが2.0〜12g/10minで密度が0.930〜0.950g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンを60〜85重量%と230℃でのMFRが5.0〜12g/10minのポリプロピレンを15〜40重量%とを混合してなる樹脂混合物が主成分であり、ヒートシール層は190℃でのMFRが10〜50g/10minで密度が0.915〜0.935g/cm3の低密度ポリエチレン50〜65重量%と230℃でのMFRが2〜15g/10minのプロピレン系樹脂を35〜50重量%を混合してなる樹脂混合物が主成分である。
この種のシーラントフィルムは、用途が多岐にわたることから、密封性能や易開封性能だけでなく、開封時の外観や、透明性等においても良好な性能が求められる。しかしながら、上記従来のシーラントフィルムでは、ヒートシール層を構成する低密度ポリエチレンとポリプロピレンとの相溶性が必ずしもよいとはいえず、開封時のシーラントフィルムの剥離部分にヒゲ(剥離により樹脂が繊維状に破断した部分)が生じたり、十分な透明性が得られなかったりする等の問題がある。特に剥離部分に生じたヒゲは、開封時の外観を損なうだけでなく、脆いため開封後に袋内や容器内へ落下するおそれがあった。そのため、例えば内容物が食品の場合には、開封により内容物に異物が混入することとなり、衛生的に好ましくない。
特開2012−144015号公報
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであって、密封性、易開封性、開封時の外観、透明性のいずれにおいても良好な性能を備えた易開封性シーラントフィルムを提供するものである。
すなわち、請求項1の発明は、ヒートシール層と、該ヒートシール層のための基材層とを含むシーラントフィルムであって、前記基材層は、ポリプロピレン系樹脂を1〜85重量%、ポリエチレン系樹脂を10〜85重量%、及びエチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの少なくともいずれかを5〜25重量%を含有してなるポリオレフィン系樹脂組成物からなり、前記ポリエチレン系樹脂は密度が0.91〜0.93g/cm3であり、前記エチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーは、密度が0.89g/cm3以下で、かつMFR(230℃、2.16kg荷重)が2〜70g/10minであることを特徴とする易開封性シーラントフィルムに係る。
請求項2の発明は、前記基材層は、前記ポリプロピレン系樹脂を10〜65重量%、前記ポリエチレン系樹脂を25〜80重量%、及び前記エチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの少なくともいずれかを10〜20重量%を含有してなる請求項1に記載の易開封性シーラントフィルムに係る。
請求項3の発明は、前記ポリプロピレン系樹脂がプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2および4以上のα−オレフィンとの共重合体である請求項1又は2に記載の易開封性シーラントフィルムに係る。
請求項1の発明に係る易開封性シーラントフィルムは、ヒートシール層と、該ヒートシール層のための基材層とを含むシーラントフィルムであって、前記基材層は、ポリプロピレン系樹脂を1〜85重量%、ポリエチレン系樹脂を10〜85重量%、及びエチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの少なくともいずれかを5〜25重量%を含有してなるポリオレフィン系樹脂組成物からなり、前記ポリエチレン系樹脂は密度が0.91〜0.93g/cm3であり、前記エチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーは、密度が0.89g/cm3以下で、かつMFR(230℃、2.16kg荷重)が2〜70g/10minであるため、密封性、易開封性、開封時の外観、透明性のいずれにおいても良好な性能を備える。
請求項2の発明は、請求項1において、前記基材層は、前記ポリプロピレン系樹脂を10〜65重量%、前記ポリエチレン系樹脂を25〜80重量%、及び前記エチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの少なくともいずれかを10〜20重量%を含有してなるため、密封性、易開封性、透明性、開封時の外観においてより良好な性能が得られる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記ポリプロピレン系樹脂がプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2および4以上のα−オレフィンとの共重合体であるため、開封時の外観においてより良好な性能が得られる。
本発明の一実施形態に係る易開封性シーラントフィルムを含む積層フィルムの概略断面図である。 他の実施形態に係る易開封性シーラントフィルムを含む積層フィルムの概略断面図である。 易開封性シーラントフィルムに含まれる樹脂配合割合の三角図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る易開封性シーラントフィルム10を含む積層フィルム1の概略断面図である。積層フィルム1は、表面層11に接着層12を介して易開封性シーラントフィルム10が貼着されてなる。積層フィルム1は、ヒートシール等により易開封性シーラントフィルム10を介して融着可能であり、例えば、食品等の物品をピロー包装や三方シール包装等により包装する包装袋や、物品を収容した包装容器の容器開口部を密封するためのシート状の蓋材等に用いられる。
表面層11は、積層フィルム1の最表面に設けられ、下層側(易開封性シーラントフィルム10等)を保護するフィルムである。この表面層11は、包装袋や包装容器用のシート状の蓋材等の外装部分に相当する。表面層11に使用される材料は、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)やポリエステルフィルム(PETフィルム)、ナイロンフィルム(Nyフィルム)等、安価で加工しやすく強度に優れた公知のフィルムが好適に用いられる。また、表面層11は、必要に応じてアンチブロッキング剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を含有していてもよい。
接着層12は、表面層11と易開封性シーラントフィルム10とを接合するものであり、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、変性ポリオレフィン樹脂系等の公知の接着剤が用いられる。接着層12は、ドライラミネート等の公知の手法により塗布される。
また、積層フィルム1では、用途に応じて、着色や印刷等による装飾層(図示せず)、遮光性能やガスバリア性能等を付与するための機能性層(図示せず)を適宜に設けることができる。装飾層は、公知の着色材が混練された樹脂材料の塗工やグラビア印刷等により、表面層11と接着層12との間に形成される。機能性層は、アルミニウム箔やアルミニウム蒸着のフィルム等の積層や、公知のガスバリア性樹脂の塗工等により、表面層11と易開封性シーラントフィルム10との間に適宜形成される。
本発明の易開封性シーラントフィルム10は、ヒートシール層20と、該ヒートシール層のための基材層30とを含む多層フィルムであって、特に密封性能等の観点から無延伸ポリオレフィン系フィルムが好ましい。易開封性シーラントフィルム10は、Tダイ法やインフレーション法等の公知の技術製法により製膜される。この易開封性シーラントフィルム10は、包装袋にする際に易開封性シーラントフィルム10同士や、包装容器の開口縁部等の被着対象に対して、ヒートシール等により融着されるとともに、開封時には比較的小さな力で容易に剥離可能である。また、易開封性シーラントフィルム10は、必要に応じてアンチブロッキング剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を含有していてもよい。
易開封性シーラントフィルムの厚さは適宜ではあるものの、10〜100μmの範囲が好ましい。易開封性シーラントフィルム10のヒートシール層20と基材層30との厚さの比率は、概ね1:1〜1:10の範囲である。また、易開封性シーラントフィルム10では、図1に示すように積層フィルム1を構成する場合、ヒートシール層20が最外層となり、ヒートシール層20と反対側の面(図1の例では基材層30の上面31)に接着層12を介して表面層11が積層される。すなわち、積層フィルム1において、包装袋やシート状の蓋材の表面(外装)側が表面層11となり、裏面(内装)側が易開封性シーラントフィルム10のヒートシール層20となる。
ヒートシール層20は、ヒートシールに際して被着対象に融着される熱可塑性樹脂層である。ヒートシール層20を構成する樹脂材料は、被着対象へ良好に融着可能であれば特に限定されるものではない。例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等、後述の基材層30との層間強度を高めるために樹脂同士の相溶性が高く、生産効率の観点から低温でのヒートシール性能が高い適宜の樹脂が好ましく選択される。
基材層30は、当該シーラントフィルム10の易開封性能を発現する樹脂層である。この基材層30は、少なくとも3種類の異なる樹脂の組み合わせと相互間の配合により形成されるポリオレフィン系樹脂組成物であって、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、及びエチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの少なくともいずれかを含有してなる。この基材層30は、積層フィルム1の剥離に際して凝集破壊を発生させる部位である。
基材層30を構成する各樹脂の配合割合は、ポリプロピレン系樹脂を1〜85重量%、ポリエチレン系樹脂を10〜85重量%、及びエチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの少なくともいずれかを5〜25重量%であり、より好ましくはポリプロピレン系樹脂を10〜65重量%、ポリエチレン系樹脂を25〜80重量%、及びエチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの少なくともいずれかを10〜20重量%である。後述の各樹脂を上記割合で配合することにより、密封性、易開封性、透明性、開封時の外観において良好な性能が得られる。
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)や、プロピレンとエチレンやブテン等の他のオレフィンとの共重合体(プロピレンコポリマー)等のプロピレンを主体とする重合体から選択される。
特に、ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体等、プロピレンと、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等の少なくとも1種以上の炭素数2および4以上のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。より好ましくは、プロピレンの連鎖中に少量(例えば4〜5重量%程度)のエチレン等の他のα−オレフィンが不規則に配列された共重合体であるランダムコポリマー(ランダムポリプロピレン)や、プロピレンの連鎖中にエチレン等の同種の他のα−オレフィンが連続的に配列された共重合体であるブロックコポリマー(ブロックポリプロピレン)である。ポリプロピレン系樹脂としてこのようなプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体を使用することにより、開封時の外観において、より良好な性能が得られる。
ポリエチレン系樹脂は、密度が0.91〜0.93g/cm3である低密度ポリエチレンが好適に使用される。ポリエチレン系樹脂の密度は、基材層30のポリプロピレン系樹脂等の他の構成樹脂との相溶性に影響する。ポリエチレン系樹脂の密度が0.91〜0.93g/cm3の範囲の場合、ポリプロピレン系樹脂等の他の構成樹脂と適度に相溶するため、易開封性が得られる。
エラストマーは、密度が0.89g/cm3以下で、かつ230℃、2.16kg荷重におけるMFR(メルトフローレイト)が2〜70g/10minであるエチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの少なくともいずれかが用いられる。エチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの密度やMFRは、基材層30のポリプロピレン系樹脂等の他の構成樹脂との相溶性に影響する。そのため、密度及びMFRを上記の各範囲内とすることにより、ポリプロピレン系樹脂等他の構成樹脂と適度に相溶するため、開封時の外観において良好な性能が得られる。
基材層30では、各樹脂の前記配合割合において、ポリエチレン系樹脂の密度、エチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの密度及びMFRをそれぞれ上記の範囲とすることにより、積層フィルム1の剥離時には、ヒートシール層20の性能に左右されることなく、基材層30が凝集破壊される。そのため、小さな力で容易に開封(剥離)可能であり、しかも剥離部分にヒゲが発生しにくく開封時の外観が良好となる。
図2は、他の実施形態に係る易開封性シーラントフィルム10Aを含む積層フィルム1Aの概略断面図である。易開封性シーラントフィルム10Aは、基材層30の上面31にさらにラミネート層40が積層された多層フィルムである。易開封性シーラントフィルム10Aのヒートシール層20と基材層30とラミネート層40との厚さの比率は、概ね1:1:1〜1:10:1の範囲である。また、積層フィルム1Aを形成する場合は、ラミネート層40に接着層12を介して表面層11が貼着される。なお、図2において図1と同一符号は同一の構成を表すものとして説明を省略する。
ラミネート層40は、基材層30から剥離しない樹脂であれば特段限定されず、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂等の一般的なオレフィン系樹脂から選択される。ラミネート層40は接着層12と相性のよい樹脂とすることが好ましく、例えば、ランダムコポリマー(ランダムポリプロピレン)やブロックコポリマー(ブロックポリプロピレン)等のポリプロピレン系樹脂や、ポリエチレン系樹脂等から選択される。
[シーラントフィルムの作製]
試作例1〜30のシーラントフィルムについて、後述の樹脂配合割合(重量%)に基づき、原料となる樹脂を溶融、混練してTダイフィルム成形機を用いたTダイ法により共押出し、冷却ロールで冷却して無延伸のポリオレフィン系シーラントフィルムを製膜した。基材層を構成する使用原料は、合計で100重量%となる配合割合である。各試作例のシーラントフィルムは共通の設定により製膜し、いずれのフィルムの厚さも20μmとした。
[ヒートシール層の使用原料]
ヒートシール層を形成する原料樹脂(S)として、以下の原料を使用した。
・樹脂(S1):ランダムポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製,「WFW4M」)
・樹脂(S2):低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製,「F222NH」)
・樹脂(S3):エチレン系エラストマー(三井化学株式会社製,「タフマー DF7350」)
[基材層の使用原料]
ポリプロピレン系樹脂(A)として、次の樹脂(A1)〜(A3)を使用した。
・樹脂(A1):ホモポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製,「FB3B」)
・樹脂(A2):ブロックポリプロピレン樹脂(株式会社プライムポリマー製,「F−274NP」)
・樹脂(A3):ランダムポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製,「WFW4M」)
ポリエチレン系樹脂(B)として、次の樹脂(B1)〜(B4)を使用した。
・樹脂(B1):密度0.922g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製,「F222NH」)
・樹脂(B2):密度0.923g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂(Braskem S.A.製,「SEB853」)
・樹脂(B3):密度0.904g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製,「0540F」)
・樹脂(B4):密度0.938g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製,「4040FC」)
エラストマー(C)として、次の樹脂(C1)〜(C5)を使用した。
・樹脂(C1):密度0.879g/cm3、かつMFR(230℃、2.16kg荷重)8.0g/10minのプロピレン系エラストマー(エクソンモービル・ケミカル社製,「Vistamaxx3980FL」)
・樹脂(C2):密度0.870g/cm3、かつMFR(230℃、2.16kg荷重)3.0g/10minのプロピレン系エラストマー(住友化学株式会社製,「タフセレン H3712D」)
・樹脂(C3):密度0.885g/cm3、かつMFR(230℃、2.16kg荷重)6.7g/10minのエチレン系エラストマー(三井化学株式会社製,「タフマー A−4085S」)
・樹脂(C4):密度0.870g/cm3、かつMFR(230℃、2.16kg荷重)65.0g/10minのエチレン系エラストマー(三井化学株式会社製,「タフマー DF7350」」)
・樹脂(C5):密度0.885g/cm3、かつMFR(230℃、2.16kg荷重)2.2g/10minのエチレン系エラストマー(三井化学株式会社製,「タフマー A−1085S」)
[ラミネート層の使用原料]
ヒートシール層を形成する原料樹脂(L)として、ランダムポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製,「WFW4M」)を使用した。
[試作例1]
試作例1は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A3)80重量%と樹脂(B1)10重量%と樹脂(C1)10重量%をそれぞれ使用した。ラミネート層は設けなかった。
[試作例2]
試作例2は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A1)50重量%と樹脂(B1)40重量%と樹脂(C1)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例3]
試作例3は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)100重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例4]
試作例4は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)85重量%と樹脂(B1)10重量%と樹脂(C1)5重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例5]
試作例5は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)80重量%と樹脂(B1)10重量%と樹脂(C3)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例6]
試作例6は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)65重量%と樹脂(B1)25重量%と樹脂(C1)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例7]
試作例7は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)65重量%と樹脂(B1)10重量%と樹脂(C1)25重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例8]
試作例8は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)65重量%と樹脂(B1)5重量%と樹脂(C3)30重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例9]
試作例9は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)55重量%と樹脂(B1)25重量%と樹脂(C1)20重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例10]
試作例10は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)50重量%と樹脂(B1)40重量%と樹脂(C1)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例11]
試作例11は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)50重量%と樹脂(B1)40重量%と樹脂(C2)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例12]
試作例12は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)50重量%と樹脂(B1)40重量%と樹脂(C4)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例13]
試作例13は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)50重量%と樹脂(B1)40重量%と樹脂(C5)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例14]
試作例14は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)45重量%と樹脂(B1)45重量%と樹脂(C3)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例15]
試作例15は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)35重量%と樹脂(B1)45重量%と樹脂(C1)20重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例16]
試作例16は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)20重量%と樹脂(B1)55重量%と樹脂(C1)25重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例17]
試作例17は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)10重量%と樹脂(B1)80重量%と樹脂(C3)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例18]
試作例18は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)65重量%と低密度ポリエチレン樹脂(S2)20重量%とエチレン系エラストマー(S3)15重量%、基材層として樹脂(A3)100重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例19]
試作例19は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A3)70重量%と樹脂(B1)30重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例20]
試作例20は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A3)55重量%と樹脂(B3)25重量%と樹脂(C1)20重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例21]
試作例21は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A3)55重量%と樹脂(B4)25重量%と樹脂(C1)20重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例22]
試作例22は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A3)50重量%と樹脂(B2)40重量%と樹脂(C3)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例23]
試作例23は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A3)30重量%と樹脂(B1)65重量%と樹脂(C1)5重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例24]
試作例24は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A3)10重量%と樹脂(B1)65重量%と樹脂(C1)25重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例25]
試作例25は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)35重量%と樹脂(A3)15重量%と樹脂(B1)40重量%と樹脂(C1)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例26]
試作例26は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)20重量%と樹脂(B1)70重量%と樹脂(C1)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例27]
試作例27は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)15重量%と樹脂(B1)75重量%と樹脂(C1)10重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例28]
試作例28は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)10重量%と樹脂(B1)85重量%と樹脂(C1)5重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例29]
試作例29は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)1重量%と樹脂(B1)85重量%と樹脂(C1)14重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[試作例30]
試作例30は、ヒートシール層としてランダムポリプロピレン樹脂(S1)、基材層として樹脂(A2)5重量%と樹脂(B1)90重量%と樹脂(C1)5重量%、ラミネート層としてランダムポリプロピレン樹脂をそれぞれ使用した。
[積層フィルムの作製]
作製した試作例1〜30のシーラントフィルムに、表面層として厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学株式会社製,「FOR」)をドライラミネート(接着層)により積層して、試作例1〜30に対応する積層フィルムを作製した。なお、接着層は、主剤(東洋モートン株式会社製,TM−329)17.2重量%、硬化剤(東洋モートン株式会社製,CAT−8B)17.2重量%、及び酢酸エチル65.5重量%を混合して調整し、3g/m2で塗布して貼着後、80℃で乾燥させた。
[包装袋の作製]
試作例1〜30に対応する積層フィルムを、横形ピロー包装機(株式会社フジキカイ製,FW3400)を用いて、温度条件160℃、製袋速度80rpm、製袋品サイズ130×150mmで包装袋を作製した。
[シーラントフィルムの性能の評価]
試作例1〜30に対応する積層フィルムから作製された包装袋を用いて、シーラントフィルムの透明性、密封性能、易開封性能、開封時の外観について、それぞれ試験を行い、その結果に基づいて性能を評価した。なお、シーラントフィルムの性能の総合評価では、透明性、密封性能、易開封性能、開封時の外観のすべてで「良」と判定された場合に「良(◎)」、いずれかで「可」が1つ以上判定された場合に「可(○)」、いずれかで「不可」が1つ以上判定された場合には「不可(×)」とした。その結果を後述の表1〜表5に示した。
[透明性の評価]
試作例1〜30のシーラントフィルムと、試作例1〜30に対応する積層フィルムについて、JIS K 7136(2000)に準拠し、当該シーラントフィルム1枚当たり及び積層フィルム1枚当たりのヘーズ値をそれぞれ測定した(単位:%)。ヘーズ値の測定に際し、ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製,NDH−5000)を使用した。透明性の評価では、ヘーズ値の測定結果が10%以下の場合に「良(◎)」、10%より高い場合に「不可(×)」と判定した。
[密封性能の評価]
試作例1〜30に対応する積層フィルムから作製された包装袋について、JIS Z 0238(1998)に記載の容器の破裂強さ試験に準拠し、包装袋1袋当たりの破裂強さ(破裂圧力)をそれぞれ測定した(単位:MPa)。破裂圧力の測定に際し、破裂強度試験器(株式会社サン科学製,305−BP)を使用した。密封性能の評価では、破裂圧力の測定結果が0.017MPa以上の場合に「良(◎)」、0.015MPa以上かつ0.017MPa未満の場合に「可(○)」、0.015MPa未満の場合に「不可(×)」と判定した。
[易開封性能の評価]
試作例1〜30に対応する積層フィルムから作製された包装袋について、JIS Z 0238(1998)に記載の袋のヒートシール強さ試験に準拠し、各包装袋のヒートシール部分を15mm幅に切り出して得た試験片のヒートシール強さ(ヒートシール強度)をそれぞれ測定した(単位:N/15mm)。ヒートシール強度の測定に際し、小型卓上試験機(株式会社島津製作所製,EZ−SX)を使用した。易開封性能の評価では、ヒートシール強度の測定結果が10N/15mm未満の場合に「良(◎)」、10N/15mm以上かつ15N/15mm未満の場合に「可(○)」、15N/15mm以上の場合に「不可(×)」と判定した。
[開封時の外観の評価]
試作例1〜30に対応する積層フィルムから作製された包装袋について、ヒートシール部分を手で開封し、目視にて開封部分におけるヒゲの有無を確認した。開封時の外観の評価では、目視でヒゲが確認できなかった場合に「良(◎)」、目視でわずかなヒゲが確認されたが品質に影響がない程度である場合に「可(○)」、目視でヒゲが確認されて品質に影響がある場合に「不可(×)」と判定した。
Figure 2019151098
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[結果と考察]
透明性の評価に関し、試作例18では、シーラントフィルム及び積層フィルムのヘーズ値の測定結果が10%以上であり、透明性が不十分であった。他の試作例では良好な透明性が得られた。
密封性能の評価に関し、試作例30では、破裂圧力の測定結果が0.015MPa未満であり、密封性能が不十分であった。試作例28,29では、破裂圧力の測定結果が0.015MPa以上かつ0.017MPa未満であり、品質に影響がない程度の密封性能であった。他の試作例では破裂圧力の測定結果が0.017MPa以上で良好な密封性能が得られた。
易開封性能の評価に関し、試作例3,8,20,21では、ヒートシール強度の測定結果が15N/15mm以上であり、基材層での凝集破壊が発生せず、ヒートシール部分の端部でフィルムが切れるエッジ切れが発生した。また、試作例1,4,5,7では、ヒートシール強度の測定結果が10N/15mm以上かつ15N/15mm未満であり、適切な開封に支障がない程度の開封性能が得られた。他の試作例では良好な易開封性能が得られた。
開封時の外観の評価に関し、試作例19では、開封部分に明らかなヒゲが確認された。また、試作例2,4,16,18,23,24では、開封部分に品質に影響がない程度の極わずかなヒゲが確認された。他の試作例では開封部分にヒゲが確認されず、良好な外観が得られた。
透明性、密封性能、易開封性能、開封時の外観のそれぞれの評価に基づいて各シーラントフィルムを総合的に評価すると、試作例6,9,10,11,12,13,14,15,17,22,25,26,27では、評価項目のいずれにおいても良好な性能が得られた。また、試作例1,2,4,5,7,16,23,24,28,29では、評価項目のいずれにおいても品質的に問題のない性能が得られた。試作例3,8,18,19,20,21,30では、評価項目のいずれかで十分な性能が得られず、所望する品質が得られなかった。
ここで、各試作例1〜30について、図3に示す三角図に、原料樹脂(A)、(B)、及び(C)の樹脂配合割合(重量%)に基づいてプロットした。3辺の目盛りは0〜100重量%である。総合評価で「可(○)」と判定された試作例は、図3中の符号G1で示す領域内に存在する。この試作例の分布領域から原料樹脂(A)、(B)、及び(C)の樹脂配合の好適な割合(重量%)を求めると、ポリプロピレン系樹脂は1〜85重量%、ポリエチレン系樹脂は10〜85重量%、エチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーは5〜25重量%である。
より好ましい総合評価の「良(◎)」と判定された試作例は、図3中の符号G2で示す領域内に存在する。この試作例の分布領域から原料樹脂(A)、(B)、及び(C)の樹脂配合のより好ましい割合(重量%)を求めると、ポリプロピレン系樹脂は10〜65重量%、ポリエチレン系樹脂は25〜80重量%、エチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーは10〜20重量%である。
また、図3中の領域G1内に存在する試作例のうち、試作例20,21は総合評価で「不可(×)」と判定された。試作例20,21と領域G1内の他の試作例とを比較すると、基材層に配合されたポリエチレン系樹脂の密度として、試作例20では0.904g/cm3であり、試作例21は0.938g/cm3であった。領域G1内の他の試作例で基材層に配合されたポリエチレン系樹脂の密度は、0.922g/cm3または0.923g/cm3である。従って、基材層に配合されるポリエチレン系樹脂の好ましい条件は、密度が0.91〜0.93g/cm3であると考えられる。
領域G1内の試作例で基材層に配合されたポリプロピレン系樹脂の比較として、ホモポリプロピレン樹脂(A1)を使用した試作例2と、ブロックポリプロピレン樹脂(A2)を使用した試作例10と、ランダムポリプロピレン樹脂(A3)を使用した試作例22とを対比した。試作例2の総合判定が「可(○)」であったのに対し、試作例10,22の総合判定は「良(◎)」であった。このことから、基材層に配合されるポリプロピレン系樹脂は、樹脂(A1)(A2)(A3)のいずれを使用しても良好な性能が得られたが、特にブロックポリプロピレン樹脂(A2)またはランダムポリプロピレン樹脂(A3)がより好ましいと考えられる。
各試作例において、基材層に配合されるエラストマーに関し、配合割合が0%、すなわち基材層にエラストマーが含まれない試作例3,18,19では、いずれも良好な結果が得られなかった。また、領域G1内の試作例で基材層に配合されるエラストマーでは、原料樹脂(A)、(B)、及び(C)の好適な樹脂配合割合の範囲内であれば、性能に大きな違いは見られなかった。従って、エチレン系エラストマーまたはプロピレン系エラストマーの好ましい条件は、密度が0.89g/cm3以下で、かつMFR(230℃、2.16kg荷重)が2〜70g/10minであると考えられる。
以上図示し説明したように、本発明の易開封性シーラントフィルムは、ヒートシール層と基材層とを含むシーラントフィルムであって、基材層に使用する少なくとも3種類の異なる原料樹脂の組み合わせと相互間の配合により、剥離時(開封時)に基材層が凝集破壊されるため、ヒートシール層の性能に左右されることなく密封性、易開封性、開封時の外観、透明性のいずれにおいても良好な性能が発揮されるものである。
すなわち、基材層の樹脂配合割合は、ポリプロピレン系樹脂が1〜85重量%、ポリエチレン系樹脂が10〜85重量%、エラストマーが5〜25重量%であり、より好ましくは、ポリプロピレン系樹脂が10〜65重量%、ポリエチレン系樹脂が25〜80重量%、エラストマーが10〜20重量%である。そして、この樹脂配合割合において、ポリエチレン系樹脂の密度が0.91〜0.93g/cm3、エラストマーの密度が0.89g/cm3以下で、かつMFR(230℃、2.16kg荷重)が2〜70g/10minであることにより、強すぎもせず弱すぎもしない適度な密封性能が確保されて良好な易開封性能が得られ、かつ開封時のヒゲが発生しにくくなって外観にも優れ、透明性も良好である。
本発明の易開封性シーラントフィルムは、密封性能、易開封性能、開封時の外観、透明性のいずれにおいても良好な性能を備える。従って、既存のシーラントフィルムの代替として有望である。
1,1A 積層フィルム
10,10A 易開封性シーラントフィルム
11 表面層
12 接着層
20 ヒートシール層
30 基材層
31 基材層の上面
40 ラミネート層

Claims (3)

  1. ヒートシール層と、該ヒートシール層のための基材層とを含むシーラントフィルムであって、
    前記基材層は、ポリプロピレン系樹脂を1〜85重量%、ポリエチレン系樹脂を10〜85重量%、及びエチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの少なくともいずれかを5〜25重量%を含有してなるポリオレフィン系樹脂組成物からなり、
    前記ポリエチレン系樹脂は密度が0.91〜0.93g/cm3であり、
    前記エチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーは、密度が0.89g/cm3以下で、かつMFR(230℃、2.16kg荷重)が2〜70g/10minである
    ことを特徴とする易開封性シーラントフィルム。
  2. 前記基材層は、前記ポリプロピレン系樹脂を10〜65重量%、前記ポリエチレン系樹脂を25〜80重量%、及び前記エチレン系エラストマー又はプロピレン系エラストマーの少なくともいずれかを10〜20重量%を含有してなる請求項1に記載の易開封性シーラントフィルム。
  3. 前記ポリプロピレン系樹脂がプロピレンと少なくとも1種以上の炭素数2および4以上のα−オレフィンとの共重合体である請求項1又は2に記載の易開封性シーラントフィルム。
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