JP2019149312A - 封止用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチック基板上の電子素子が封止層により封止されたフレキシブル電子デバイスが高温高湿環境下に保管されても、プラスチック基板と封止層との界面に気泡が発生しにくく、しかも、高い透明性も兼ね備えた封止層を形成し得る、封止用組成物を提供すること。【解決手段】(A)ウレタン結合を有する樹脂、及び/又は、ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物を含む、フレキシブル電子デバイス封止用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は封止用組成物に関し、特にフレキシブル電子デバイスの封止に好適な封止用組成物にする。
従来から、フラットパネルディスプレイ、電子ペーパーなどの電子デバイスの分野では、主としてガラス基板が用いられてきたが、ガラス基板は重く壊れやすく、軽量化、薄型化すると強度が低下するという問題がある。このため、近年、基板をプラスチック基板へと置き換えたフレキシブル電子デバイスが注目されている。最近では、発光素子に有機EL(Electroluminescence)素子を用いた有機ELデバイスにおいても、軽量化、フレキシブル化のためにプラスチック基板が使用されるようになってきている。
一方、有機EL素子は水分に極めて弱く、水分の影響を受けて発光材料が劣化すると輝度が低下してしまうため、一般に、素子内部を外気中の水分から遮断するために、有機ELデバイスや有機ELディスプレイパネルの全面を樹脂組成物による封止層で封止することが行われる。この封止層には有機EL素子を水分から遮断するための耐透湿性だけでなく、有機EL素子からの発光を透過させる高い透明性が要求され、例えば、特許文献1には、スチレン−イソブチレン変性樹脂(特に、無水マレイン酸変性スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体)と粘着付与樹脂を含有する封止用樹脂組成物が提案されている。しかし、プラスチック基板を使用した有機ELデバイスや有機ELディスプレイパネルを従来の封止用樹脂組成物にて封止した場合、有機ELデバイスや有機ELディスプレイパネルが高温高湿環境下に保管されると、封止層とプラスチック基板の界面に気泡が発生するという問題が生じている。
国際公開第2013/108731号パンフレット
本発明は、上記の事情に鑑み、封止後のフレキシブル電子デバイスが高温高湿環境下に保管されても、プラスチック基板との界面に気泡が発生しにくく、しかも、高い透明性も兼ね備えた封止層を形成し得る、封止用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究をした結果、ウレタン結合を有する樹脂を主体に形成された封止層は、プラスチック基板との界面に気泡が発生しにくいものとなることを見出し、かかる知見に基づいてさらに研究を進めることにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有する。
[1] (A1)ウレタン結合を有する樹脂、及び/又は、(A2)ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物を含む、フレキシブル電子デバイス封止用組成物。
[2] (A1)ウレタン結合を有する樹脂が、少なくともポリエステルポリウレタン骨格を有するポリウレタン樹脂であり、(A2)ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物が、ポリエステルポリオールを含有するポリオール及び多官能イソシアネートを少なくとも含む、上記[1]記載の組成物。
[3] さらに(B)吸湿性フィラーを含む、上記[1]又は[2]記載の組成物。
[4] フレキシブル電子デバイスがフレキシブル有機ELデバイスである、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の組成物。
[5] 支持体と、該支持体上に形成された、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の組成物の層とを含む、フレキシブル電子デバイス封止用シート。
[6] フレキシブル電子デバイスがフレキシブル有機ELデバイスである、上記[5]に記載のシート。
[7] プラスチック基板上に形成された電子素子が、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の組成物により形成されたウレタン結合を有する樹脂を含む組成物層によって封止されている、フレキシブル電子デバイス。
[8] プラスチック基板上に形成された電子素子が有機EL素子であり、当該フレキシブル電子デバイスがフレキシブル有機ELデバイスである、上記[7]記載のフレキシブル電子デバイス。
本発明の封止用組成物によれば、プラスチック基板との界面に気泡が発生しにくく、しかも、高い透明性も兼ね備えた封止層を形成することができる。
本発明の封止用組成物は、フレキシブル電子デバイスの封止用であり、ウレタン結合を有する樹脂、及び/又は、ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物(すなわち、ウレタン結合を有する樹脂を生成するための化合物)を含むことが主たる特徴である。例えば、有機ELデバイスの封止層には水蒸気透過性を抑制する観点から吸湿性フィラーを配合することが好ましいが、そのような封止層では高い透明性、低ヘイズを維持しつつ、プラスチック基板との界面における気泡の発生を抑制することは困難である。しかし、本発明の封止用組成物により形成されるウレタン結合を有する樹脂を含む組成物層である封止層は、吸湿性フィラーを含有していても、高い透明性、低ヘイズを維持し、かつ、プラスチック基板との界面における気泡の発生も抑制することができる。以下、本発明の封止用組成物の構成成分について詳細に説明する。
[(A1)ウレタン結合を有する樹脂、及び/又は、(A2)ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物]
本発明の封止用組成物(以下、単に「組成物」ともいう)は、(A1)ウレタン結合を有する樹脂、及び/又は、(A2)ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物を含有する。以下、「(A1)ウレタン結合を有する樹脂、及び/又は、(A2)ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物」を総じて「(A)成分」とも称する。
(A1)ウレタン結合を有する樹脂としては、例えば、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂等を挙げることができ、また、ポリエステルポリウレタン骨格、ポリエーテルポリウレタン骨格及びポリカーボネートポリウレタン骨格から選択される2種以上のポリウレタン骨格を含む樹脂であってもよい。なかでも、プラスチック基板との界面における気泡発生をより高いレベルで抑制し得る封止層を実現できるという観点から、少なくともポリエステルポリウレタン骨格を有するポリウレタン樹脂が好ましく、主たる骨格がポリエステルポリウレタン骨格であるポリウレタン樹脂がより好ましい。すなわち、ポリエステルポリウレタン骨格が全体の60〜100質量%であるポリウレタン樹脂が好ましく、ポリエステルポリウレタン骨格が全体の70〜100質量%であるポリウレタン樹脂がより好ましく、ポリエステルポリウレタン骨格が全体の80〜100質量%であるポリウレタン樹脂がさらに一層好ましく、ポリエステルポリウレタン骨格が全体の90〜100質量%であるポリウレタン樹脂が最も好ましい。
(A2)ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物とは、(A1)ウレタン結合を有する樹脂を生成するための化合物であり、(A21)ポリオールと(A22)多官能イソシアネートを含む。
すなわち、本発明の組成物は、
(i)(A1)ウレタン結合を有する樹脂を含有する態様、
(ii)(A2)ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物((A21)ポリオール及び(A22)多官能イソシアネート)を含有する態様、或いは、
(iii)(A1)ウレタン結合を有する樹脂と(A2)ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物((A21)ポリオール及び(A22)多官能イソシアネート)を含有する態様の何れであってもよいが、本発明の目的をより高いレベルで実現する観点から、(ii)又は(iii)の態様であることが好ましい。本発明の組成物が(ii)又は(iii)の態様、特に(ii)の態様であると、フレキシブル電子デバイスのプラスチック基板上に配設される当該組成物の層中で(A21)ポリオールと(A22)多官能イソシアネートとのウレタン化反応(ウレタン結合を有する樹脂の生成反応)が進行することにより、プラスチック基板に対する密着性がより良好な、プラスチック基板との界面に気泡がより発生しにくい封止層を形成することができる。
本発明の封止用組成物によるフレキシブル電子デバイスの電子素子の封止は、後述するように、フレキシブル電子デバイスのプラスチック基板上に形成された電子素子(以下、「プラスチック基板上の電子素子」とも略称する)を覆うように、当該組成物をプラスチック基板の必要箇所に直接塗布して、その塗膜(組成物の層)を養生し、ウレタン結合を有する樹脂を含む封止層を形成する態様か、又は、支持体上に当該組成物の層を形成した封止用シートを作製し、該封止用シートをフレキシブル電子デバイスのプラスチック基板上の必要箇所にラミネートして、該組成物の層をプラスチック基板上に転写後、該組成物の層を養生してウレタン結合を有する樹脂を含む封止層を形成するか、若しくは、該封止用シートをフレキシブル電子デバイスのプラスチック基板上の必要箇所にラミネートし、該組成物の層をそのまま養生してウレタン結合を有する樹脂を含む封止層を形成する態様によって行われる。
<(A21)ポリオール>
上述のとおり、(A1)ウレタン結合を有する樹脂は、少なくともポリエステルポリウレタン骨格を有するポリウレタン樹脂が好ましく、そのため、(A2)ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物における(A21)ポリオール(以下、「(A21)成分」とも称する)」は、少なくともポリエステルポリオールを含有することが好ましく、より好ましくは、ポリエステルポリオールの単独か、或いは、ポリエステルポリオールと、ポリエーテルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオールとを含む態様である。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二価アルコールと二塩基酸とが反応して得られるポリエステルジオール等が挙げられる。ポリエステルジオールにおける二価アルコールは、脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオールから選択されるいずれか1種または2種以上であってよい。好ましくは、脂肪族ジオールの単独か、脂肪族ジオールと脂環式ジオール又は芳香族ジオールとの組合せである。脂肪族ジオールとしては、炭素数が2〜26の脂肪族ジオールが好ましく、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等が挙げられる。また、脂環式ジオールとしては、炭素数が6〜26の脂環式ジオールが好ましく、例えば、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジオールなどのシクロヘキサンジオール類、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのシクロヘキサンジメタノール類、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノールなどのノルボルナンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、1,3−アダマンタンジオール、2,2−アダマンタンジオール、デカリンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、1,3−ベンゼンジメタノール,1,4−ベンゼンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2’ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。なお、脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオールはそれぞれ1種または2種以上を使用することができる。
二価アルコールは、好ましくは、炭素数が2〜20の脂肪族ジオール及び/又は炭素数が3〜20の脂環式ジオールを含む態様であり、より好ましくは、炭素数が3〜8の脂肪族ジオールを含む態様であり、特に好ましくは、3−メチル−1,5−ぺンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジオールを含む態様である。
ポリエステルジオールを形成するための二塩基酸は、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸から選択されるいずれか1種または2種以上であってよい。好ましくは、脂肪族ジカルボン酸の単独か、脂肪族ジカルボン酸と、脂環式ジカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸との組合せである。脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数が2〜26の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等が挙げられる。脂環式ジカルボン酸としては、炭素数が5〜26の脂環式ジカルボン酸が好ましく、例えば、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、炭素数が8〜26の芳香族ジカルボン酸が好ましく、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸等が挙げられる。
二塩基酸は1種または2種以上の化合物が使用される。中でも、炭素数が2〜20の脂肪族ジカルボン酸及び/又は炭素数が3〜20の脂環式ジカルボン酸が好ましく、より好ましくは、炭素数が3〜10の脂肪族ジカルボン酸であり、特に好ましくは、アジピン酸、セバシン酸等である。
ポリエステルポリオールは市販品を使用することができる。例えば、ポリエスターSNT(日本合成化学社製、数平均分子量10000、水酸基価8mgKOH/g)、ポリエスターS0091(日本合成化学社製、数平均分子量21000、水酸基価4.5mgKOH/g)、クラレポリオールP−2050(クラレ社製、数平均分子量2000、水酸基価56mgKOH/g)、クラレポリオールPMPA1500(クラレ社製、数平均分子量1500、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなるポリエステルポリオール)、クラレポリオールPMPA2000(クラレ社製、数平均分子量2000、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなるポリエステルポリオール)、クラレポリオールO−2010(クラレ社製、数平均分子量7000、1,9−ノナンジオール含有結晶性ポリエステルポリオール)、ポリライト OD−X−2251(DIC社製、数平均分子量2000、水酸基価56mgKOH/g)、ポリライト OD−X−2523(DIC社製、数平均分子量3500、水酸基価32mgKOH/g)、ポリライト OD−X−2547(DIC社製、数平均分子量4500、水酸基価25mgKOH/g)等が挙げられる。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなどのイオン重合性環状化合物を開環重合により得られるポリエーテルジオールを挙げることができる。この際、2種以上のイオン重合性環状化合物からなる共重合体を用いてもよく、この場合、ジオールにおける各構造単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブロック重合、交互重合、グラフト重合のいずれであってもよい。上記イオン重合性環状化合物の1種を開環重合させて得られるポリエーテルジオールの例としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコール等のジオール類等を挙げることができる。また、2種以上の上記イオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオールの具体例としては、例えばテトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシドなどの組み合わせより得られる二元共重合体;テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシドおよびエチレンオキシドの組み合わせより得られる三元重合体などを挙げることができる。
(ポリカーボネートポリオール)
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、下記式(1)で表されるジオール化合物(以下、「式(1)のジオール化合物」とも略称する。)が挙げられる。
Figure 2019149312
[式中、n+1個のRは、それぞれ、独立に2価の脂肪族炭化水素基、または、式(2):
Figure 2019149312
[式中、2個のR’は、それぞれ、独立に単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基を表す。]
で表される脂環構造を有する2価の炭化水素基を表し、nは当該化合物の数平均分子量が500〜1,000,000になるように決定される数である。」
式(1)中のn+1個のRは同一でも異なっていてもよく、それぞれが炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、−(CH−(式中のmは1〜12(好ましくは3〜12、より好ましくは5〜9))、−CHCH(CH)CH−、−CHCHC(CH)HCHCH−、−CHC(CH)H(CH−等が挙げられる。
式(1)中のRの好ましい具体例としては、−(CH−、−(CH−、−CHC(CH)H(CH−等が挙げられる。
式(2)中のR’で表される炭素数1〜3のアルカンジイル基としては、例えば、−CH−、−(CH−、−(CH−、−CH−CH(CH)−等が挙げられる。
上記式(1)のジオール化合物は市販品を使用することができ、当該市販品としては、例えば、デュラノールT6002(式(1)において、Rが−(CH26−であり、数平均分子量が2000の化合物)、デュラノールT5650E(式(1)において、Rが−(CH25−と−(CH26−(モル比が1:1)であり、数平均分子量が500の化合物)、デュラノールT5652(式(1)において、Rが−(CH25−と−(CH26−(モル比が1:1)であり、数平均分子量が2000の化合物)、G3452(式(1)において、Rが−(CH23−と−CH2CH(CH3)CH2−(モル比が1:1)であり、数平均分子量が2000の化合物)(以上、旭化成ケミカルズ社製)、UH−200(式(1)において、Rが−(CH26−であり、数平均分子量が2000の化合物)、UH−300(式(1)において、Rが−(CH26−であり、数平均分子量が3000の化合物)、UHC50−200(式(1)において、Rが−(CH26−と−((CH25CO2m(CH26−(モル比が1:1)であり、数平均分子量が2000の化合物)、UHC50−100(式(1)において、Rが−(CH26−と−((CH25CO2m(CH26−(モル比が1:1)であり、数平均分子量が1000の化合物)、UC−100(式(1)において、Rが前記式(2)においてR’が−CH2−であり、数平均分子量が1000の化合物)、(以上、宇部興産社製)、クラレポリオールC−1065N(式(1)において、Rが−(CH29−と−CH2C(CH3)H(CH26−(モル比が65:35)であり、数平均分子量が1000の化合物)、クラレポリオールC−2065N(式(1)において、Rが−(CH29−と−CH2C(CH3)H(CH26−(モル比が65:35)であり、数平均分子量が2000の化合物)、クラレポリオールC−2015N(式(1)において、Rが−(CH29−と−CH2C(CH3)H(CH26−(モル比が15:85)であり、数平均分子量が2000の化合物)、クラレポリオールC−2090(式(1)において、Rが−CH2CH2C(CH3)HCH2CH2−と−(CH26−(モル比が9:1)であり、数平均分子量が2000の化合物)、クラレポリオールC−2050(式(1)において、Rが−CH2CH2C(CH3)HCH2CH2−と−(CH26−(モル比が1:1)であり、数平均分子量が2000の化合物)(以上、クラレ社製)等が挙げられる。
本発明における(A21)ポリオールの数平均分子量は、本発明の目的をより高いレベルで実現する観点から、1000〜100000が好ましく、1000〜30000がより好ましく、2000〜2500が特に好ましい。
また、本発明の目的をより高いレベルで実現する観点から、(A21)ポリオールは、(a)数平均分子量が1000以上、5000未満の低分子量成分、(b)数平均分子量が5000以上、15000未満の中分子量成分、(c)数平均分子量が15000以上、30000未満の高分子量成分の3成分を含むことが好ましい。
なお、本明細書中の「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン換算)で測定される。GPC法による数平均分子量は、測定装置として島津製作所社製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてトルエン等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
本発明の目的をより高いレベルで実現する観点から、(A21)ポリオールの水酸基価は、4〜60mgKOH/gの範囲であることが好ましい。特に、(a)低分子量成分の水酸基価が20mgKOH/gを超え、60mgKOH/g以下の範囲にあり、(b)中分子量成分及び(c)高分子量成分の水酸基価が4〜20mgKOH/gの範囲にあるのがより好ましく、(a)低分子量成分の水酸基価が50〜60mgKOH/gの範囲にあり、(b)中分子量成分及び(c)高分子量成分の水酸基価が4〜10mgKOH/gの範囲にあるのが特に好ましい。本明細書中の水酸基価はJIS K 1557−1に準拠して測定される。
また、本発明の目的をより高いレベルで実現する観点から、(A21)ポリオールは、その全体の60〜100質量%がポリエステルポリオールからなり、0〜40質量%がポリエーテルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオールからなるものが好ましく、全体の80〜100質量%がポリエステルポリオールからなり、0〜20質量%がポリエーテルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオールからなるものがより好ましく、全体の90〜100質量%がポリエステルポリオールからなり、0〜10質量%がポリエーテルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオールからなるものがさらに一層好ましく、全体の100質量%がポリエステルポリオールからなるものが特に好ましい。
<(A22)多官能イソシアネート>
(A22)多官能イソシアネートは、(A21)ポリオールの水酸基と反応するイソシアネート基を分子中に少なくとも2個以上を有する化合物であれば、特に制限されない。具体的には、脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類、芳香族ポリイソシアネート類等を挙げることができる。
前記脂肪族ポリイソシアネート類としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネートや、1,2−テトラメチレンジイソシアネート、1,3−テトラメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート等のテトラメチレンジイソシアネート、1,2−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,5−ヘキサメチレンジイソシアネート等のヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。これは1種または2種以上を使用できる。
前記脂環族ポリイソシアネート類としては、例えば、イソホロンジイソシアネートや、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート等のシクロヘキサンジイソシアネート、1,2−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート等のシクロペンタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。これは1種または2種以上を使用できる。
前記芳香族ポリイソシアネート類としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2, 2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2, 2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3, 3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート等が挙げられる。これは1種または2種以上を使用できる。
また、上述の脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類及び芳香族ポリイソシアネート類は、それぞれ、例示の化合物以外に、例示の化合物の二量体や三量体を用いることができる。具体的には、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートL)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートHL)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートHX)などのイソシアネート付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(三井化学社製、商品名D110N)、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(三井化学社製、商品名D160N)などを挙げることができる。
(A22)多官能イソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類および芳香族ポリイソシアネート類からなる群から選択される1種または2種以上を使用することができる。また、(A22)多官能イソシアネートは、1分子中にイソシアネート基を3個以上有するものが好ましい。また、(A22)多官能イソシアネートは、イソシアネート基(−NCO)含有量が、3〜40質量%の範囲にあるものが好ましく、5〜20質量%の範囲にあるものがより好ましい。
本発明の組成物において、(A21)ポリオールと(A22)多官能イソシアネートの混合比は、未反応物低減の観点から、(A21)ポリオールが有する水酸基(−OH)と(A22)多官能イソシアネートが有するイソシアネート基(−NCO)の当量比(NCO/OH)が、好ましくは0.2/1〜2/1、より好ましくは0.4/1〜1.5/1、特に好ましくは0.6/1〜1.2/1なる量である。
<(A23)一分子中に水酸基2個とカルボキシル基1個とを有する化合物>
本発明の組成物には、(A21)ポリオール及び(A22)多官能イソシアネートとともに、(A23)一分子中に水酸基2個とカルボキシル基1個とを有する化合物(以下、「ジヒドロキシカルボン酸化合物」と称する)を配合することがきる。
(A23)ジヒドロキシカルボン酸化合物としては、例えば、ジヒドロキシフマル酸、ジヒドロキシマレイン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)エタン酸(別名、ジメチロール酢酸)、2,3−ジヒドロキシプロパン酸(別名、グリセリン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸(別名、2,2−ジメチロールプロピオン酸)、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸(別名、3,3−ジメチロールプロピオン酸)、2,3−ジヒドロキシ−2−メチルプロパン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸(別名、ジメチロール酪酸)、2,2−ジヒドロキシブタン酸(別名、2,2−ジメチロールブタン酸)、2,3−ジヒドロキシブタン酸、2,4−ジヒドロキシブタン酸(別名、3−デオキシテトロン酸)、3,4−ジヒドロキシブタン酸、2,4−ジヒドロキシ−3,3−ジメチルブタン酸、2,3−ジヒドロキシ−2−メチルブタン酸、2,3−ジヒドロキシ−2−エチルブタン酸、2,3−ジヒドロキシ−2−イソプロピルブタン酸、2,3−ジヒドロキシ−2−ブチルブタン酸、(R)−2,4−ジヒドロキシ−3,3−ジメチルブタン酸(別名、バントイン酸)、2,3−ジヒドロキシブタン二酸(別名、酒石酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ペンタン酸(別名、ジメチロール吉草酸)、3,5−ジヒドロキシ−3−メチルペンタン酸(別名、メバロン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ヘキサン酸(別名、ジメチロールカプロン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ヘプタン酸(別名、ジメチロールエナント酸)、3,5−ジヒドロキシヘプタン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)オクタン酸(別名、ジメチロールカプリル酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ノナン酸(別名、ジメチロールベラルゴン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)デカン酸(別名、ジメチロールカプリン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ドデカン酸(別名、ジメチロールラウリン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)テトラデカン酸(別名、ジメチロールミリスチン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ペンタデカン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ヘキサデカン酸(別名、ジメチロールパルミチン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ヘプタデカン酸(別名、ジメチロールマルガリン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)オクタデカン酸(別名、ジメチロールステアリン酸)、ジメチロールオレイン酸、ジメチロールリノール酸、ジメチロールリノレン酸、ジメチロールアラコドン酸、ジメチロールドコサヘキサエン酸、ジメチロールエイコサペンタエン酸等の脂肪族系ジヒドロキシカルボン酸類;2,3−ジヒドロキシ安息香酸(別名、o−ピロカテク酸)、2,4−ジヒドロキシ安息香酸(別名、β−レゾルシン酸)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(別名、ゲンチジン酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸(別名、γ−レゾルシン酸)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(別名、プロトカテク酸)、3,5−ジヒドロキシ安息香酸(別名、α−レゾルシン酸)、2,6−ジヒドロキシ−4−メチル安息香酸、2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸(別名、o−オルセリン酸)、3,5−ジヒドロキシ−4−メチル安息香酸、2,4−ジヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸、2,3−ジヒドロキシ−4−メトキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸、2,4−ジ(ヒドロキシメチル)安息香酸、3,4−ジ(ヒドロキシメチル)安息香酸、4−ブロモ−3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5−ブロモ−2,4−ジヒドロキシ安息香酸、3−クロロ−2,6−ジヒドロキシ安息香酸、5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(別名、バニルマンデル酸)、D,L−3,4−ジヒドロキシマンデル酸、2,5−ジヒドロキシフェニル酢酸(別名、ホモゲンチジン酸)、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(別名、ホモプロトカテク酸)、3,4−(メチレンジオキシ)フェニル酢酸、3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(別名、ヒドロカフェー酸)、3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)アクリル酸(別名、ウンベル酸)、3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アクリル酸(別名、カフェー酸)、4,4’−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2,4−ジヒドロキシ桂皮酸、2,5−ジヒドロキシ桂皮酸、シンナミル−3,4−ジヒドロキシ―α―シアノ桂皮酸、2−ブロモ−4,5−メチレンジオキシ桂皮酸、3,4−メチレンジオキシ桂皮酸、4,5−メチレンジオキシ−2−ニトロ桂皮酸、2,6−ジヒドロキシイソニコチン酸、DL−3,4−ジヒドロキシマンデル酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、4,8−ジヒドロキシキノリン−2−カルボン酸(別名、キサンツレン酸)3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸、2,4−ジヒドロキシピリミジン−5−カルボン酸、2,6−ジヒドロキシピリジン−4−カルボン酸(別名、シトラジン酸)、2,4−ジヒドロキシチアゾール−5−酢酸、2−(1−チエニル)エチル−3,4−ジヒドロキシベンジリデンシアノ酢酸、二プロピオン酸−6−エストラジオール、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼン二酢酸、(2R,3R)−2,3−ジヒドロキシ−3−(フェニルカルバモイル)プロピオン酸等の芳香環あるいはヘテロ環含有系ジヒドロキシカルボン酸類等が挙げられる。
(A23)ジヒドロキシカルボン酸化合物は水酸基を2個有するので、(A21)ポリオールと同様に、(A22)多官能イソシアネートと重付加(ウレタン化反応)し、ポリウレタンを生成する。そして、(A23)ジヒドロキシカルボン酸化合物の1個のカルボキシル基はポリウレタンの側鎖のカルボキシル基となる。
ウレタン化反応の際の活性に富むという点で、当該ジヒドロキシカルボン酸化合物中の2個の水酸基は共に一級であることが好ましい。一方、カルボキシル基はウレタン化反応の際に、反応成分として機能すると、反応の際にゲル化し易く、ゲル化せずにポリウレタン樹脂が得られても部分的に凝集し易くなったりする。このため、カルボキシル基はウレタン化反応の反応成分としては、機能しないように、二級又は三級であることが好ましい。
(A21)ポリオールの一部に代えて(A23)ジヒドロキシカルボン酸化合物を使用することで、部分凝集し難く、均一性に富む、ウレタン結合を有する樹脂を生成しやすくなる。
本発明の組成物における(A)成分の含有量は特に限定はされないが、封止層とプラスチック基板との密着性の観点から、組成物中の不揮発分の合計100質量%あたり、85質量%以下が好ましく、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。また、封止層への可撓性付与の観点から、組成物中の不揮発分の合計100質量%あたり、30質量%以上が好ましく、35質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。
<(B)吸湿性フィラー>
本発明の組成物には、封止層に、より高い耐水蒸気透過性を付与するために、吸湿性フィラー(以下、「(B)成分」とも略称する)」)を配合することができる。(B)吸湿性フィラーは、水分を吸収する能力を有するフィラーであれば特に限定はされないが、好ましくは吸湿性金属酸化物である。吸湿性金属酸化物は、水分を吸収する能力をもち、吸湿した水分と化学反応して水酸化物になる金属酸化物を意味する。具体的には、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、未焼成ハイドロタルサイト、半焼成ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、焼成ドロマイト等が挙げられる。中でも、吸湿性の点から、半焼成ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイトが好ましい。
ハイドロタルサイトは、未焼成ハイドロタルサイト、半焼成ハイドロタルサイト、および焼成ハイドロタルサイトに分類することができる。
未焼成ハイドロタルサイトは、例えば、天然ハイドロタルサイト(MgAl(OH)16CO・4HO)に代表されるような層状の結晶構造を有する金属水酸化物であり、例えば、基本骨格となる層[Mg1−XAl(OH)X+と中間層[(COX/2・mHO]X−からなる。本発明における未焼成ハイドロタルサイトは、合成ハイドロタルサイト等のハイドロタルサイト様化合物を含む概念である。ハイドロタルサイト様化合物としては、例えば、下記式(I)および下記式(II)で表されるものが挙げられる。
[M2+ 1−x3+x(OH)x+・[(An−x/n・mHO]x− (I)
(式中、M2+はMg2+、Zn2+などの2価の金属イオンを表し、M3+はAl3+、Fe3+などの3価の金属イオンを表し、An−はCO 2−、Cl、NO などのn価のアニオンを表し、0<x<1であり、0≦m<1であり、nは正の数である。)
式(I)中、M2+は、好ましくはMg2+であり、M3+は、好ましくはAl3+であり、An−は、好ましくはCO 2−である。
2+ Al(OH)2x+6−nz(An−・mHO (II)
(式中、M2+はMg2+、Zn2+などの2価の金属イオンを表し、An−はCO 2−、Cl、NO3−などのn価のアニオンを表し、xは2以上の正の数であり、zは2以下の正の数であり、mは正の数であり、nは正の数である。)
式(II)中、M2+は、好ましくはMg2+であり、An−は、好ましくはCO 2−である。
半焼成ハイドロタルサイトは、未焼成ハイドロタルサイトを焼成して得られる、層間水の量が減少または消失した層状の結晶構造を有する金属水酸化物をいう。「層間水」とは、組成式を用いて説明すれば、上述した未焼成の天然ハイドロタルサイトおよびハイドロタルサイト様化合物の組成式に記載の「HO」を指す。
一方、焼成ハイドロタルサイトは、未焼成ハイドロタルサイトまたは半焼成ハイドロタルサイトを焼成して得られ、層間水だけでなく、水酸基も縮合脱水によって消失した、アモルファス構造を有する金属酸化物をいう。
未焼成ハイドロタルサイト、半焼成ハイドロタルサイトおよび焼成ハイドロタルサイトは、飽和吸水率により区別することができる。半焼成ハイドロタルサイトの飽和吸水率は、1質量%以上20質量%未満である。一方、未焼成ハイドロタルサイトの飽和吸水率は、1質量%未満であり、焼成ハイドロタルサイトの飽和吸水率は、20質量%以上である。
ここでいう「飽和吸水率」とは、未焼成ハイドロタルサイト、半焼成ハイドロタルサイトまたは焼成ハイドロタルサイトを天秤にて1.5g量り取り、初期質量を測定した後、大気圧下、60℃、90%RH(相対湿度)に設定した小型環境試験器(エスペック社製SH−222)に200時間静置した場合の、初期質量に対する質量増加率を言い、下記式(i):
飽和吸水率(質量%)
=100×(吸湿後の質量−初期質量)/初期質量 (i)
で求めることができる。
半焼成ハイドロタルサイトの飽和吸水率は、好ましくは3質量%以上20質量%未満、より好ましくは5質量%以上20質量%未満である。
また、未焼成ハイドロタルサイト、半焼成ハイドロタルサイトおよび焼成ハイドロタルサイトは、熱重量分析で測定される熱重量減少率により区別することができる。半焼成ハイドロタルサイトの280℃における熱重量減少率は15質量%未満であり、かつその380℃における熱重量減少率は12質量%以上である。一方、未焼成ハイドロタルサイトの280℃における熱重量減少率は、15質量%以上であり、焼成ハイドロタルサイトの380℃における熱重量減少率は、12質量%未満である。
熱重量分析は、日立ハイテクサイエンス社製TG/DTA EXSTAR6300を用いて、アルミニウム製のサンプルパンにハイドロタルサイトを5mg秤量し、蓋をせずオープンの状態で、窒素流量200mL/分の雰囲気下、30℃から550℃まで昇温速度10℃/分の条件で行うことができる。熱重量減少率は、下記式(ii):
熱重量減少率(質量%)
=100×(加熱前の質量−所定温度に達した時の質量)/加熱前の質量 (ii)
で求めることができる。
また、未焼成ハイドロタルサイト、半焼成ハイドロタルサイトおよび焼成ハイドロタルサイトは、粉末X線回折で測定されるピークおよび相対強度比により区別することができる。半焼成ハイドロタルサイトは、粉末X線回折により2θが8〜18°付近に二つにスプリットしたピーク、または二つのピークの合成によりショルダーを有するピークを示し、低角側に現れるピークまたはショルダーの回折強度(=低角側回折強度)と、高角側に現れるピークまたはショルダーの回折強度(=高角側回折強度)の相対強度比(低角側回折強度/高角側回折強度)は、0.001〜1,000である。一方、未焼成ハイドロタルサイトは8〜18°付近で一つのピークしか有しないか、または低角側に現れるピークまたはショルダーと高角側に現れるピークまたはショルダーの回折強度の相対強度比が前述の範囲外となる。焼成ハイドロタルサイトは8°〜18°の領域に特徴的ピークを有さず、43°に特徴的なピークを有する。粉末X線回折測定は、粉末X線回折装置(PANalytical社製、Empyrean)により、対陰極CuKα(1.5405Å)、電圧:45V、電流:40mA、サンプリング幅:0.0260°、走査速度:0.0657°/s、測定回折角範囲(2θ):5.0131〜79.9711°の条件で行った。ピークサーチは、回折装置付属のソフトウエアのピークサーチ機能を利用し、「最小有意度:0.50、最小ピークチップ:0.01°、最大ピークチップ:1.00°、ピークベース幅:2.00°、方法:2次微分の最小値」の条件で行うことができる。
半焼成ハイドロタルサイトのBET比表面積は、1〜250m/gが好ましく、5〜200m/gがより好ましい。半焼成ハイドロタルサイトのBET比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(Macsorb HM Model 1210 マウンテック社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
半焼成ハイドロタルサイトの平均粒子径は、1〜1,000nmが好ましく、10〜800nmがより好ましい。半焼成ハイドロタルサイトの平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定(JIS Z 8825)により粒度分布を体積基準で作成したときの該粒度分布のメディアン径である。
(B)成分は、表面処理剤で表面処理したものを用いることができる。表面処理に使用する表面処理剤としては、例えば、高級脂肪酸、アルキルシラン類、シランカップリング剤等を使用することができ、なかでも、高級脂肪酸、アルキルシラン類が好適である。表面処理剤は、1種または2種以上を使用できる。
高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、モンタン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などの炭素数18以上の高級脂肪酸が挙げられ、中でも、ステアリン酸が好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。アルキルシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、n−オクタデシルジメチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシランおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランおよび11−メルカプトウンデシルトリメトキシシランなどのメルカプト系シランカップリング剤;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシランなどのアミノ系シランカップリング剤;3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイド系シランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルメチルジエトキシシランなどのビニル系シランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシランなどのスチリル系シランカップリング剤;3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよび3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリレート系シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート系シランカップリング剤、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系シランカップリング剤;フェニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等を挙げることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
(B)成分の表面処理は、例えば、未処理の(B)成分を混合機で常温にて攪拌分散させながら、表面処理剤を添加噴霧して5〜60分間攪拌することによって行なうことができる。混合機としては、公知の混合機を使用することができ、例えば、Vブレンダー、リボンブレンダー、バブルコーンブレンダー等のブレンダー、ヘンシェルミキサーおよびコンクリートミキサー等のミキサー、ボールミル、カッターミル等が挙げられる。又、ボールミルなどで吸湿材を粉砕する際に、前記の高級脂肪酸、アルキルシラン類またはシランカップリング剤を混合し、表面処理する方法も可能である。表面処理剤の処理量は(B)成分の種類または表面処理剤の種類等によっても異なるが、(B)成分100質量部に対して1〜10質量部が好ましい。
本発明の組成物における(B)成分の含有量は特に限定はされないが、組成物により形成されるウレタン結合を有する樹脂を含む組成物層(封止層)とプラスチック基板との密着性および封止層の透明性の観点から、該含有量は、組成物中の不揮発分の合計100質量%あたり、60質量%以下が好ましく、55質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、45質量%以下がさらに好ましい。また、吸湿性の効果を十分得るという観点から、該含有量は、組成物中の不揮発分の合計100質量%あたり、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。
本発明における(B)成分の具体例としては、以下のものが挙げられる。
・DHT−4C(協和化学工業社製):半焼成ハイドロタルサイト(平均粒子径:400nm、BET比表面積:15m/g)
・DHT−4A−2(協和化学工業社製):半焼成ハイドロタルサイト(平均粒子径:400nm、BET比表面積:13m/g)
・KW−2200(協和化学工業社製):焼成ハイドロタルサイト(平均粒子径:400nm、BET比表面積:146m/g)
・DHT−4A(協和化学工業社製):未焼成ハイドロタルサイト(平均粒子径:400nm、BET比表面積:10m/g)
<(C)粘着付与樹脂>
本発明の組成物には、封止層がプラスチック基板に対してより高い密着性を有するものとするために、粘着付与樹脂(以下、「(C)成分」とも略称する)」を配合することができる。粘着付与樹脂は、特に限定されず、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、ロジン系粘着付与樹脂、水素添加テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂等、クマロン樹脂、インデン樹脂、石油樹脂(脂肪族系石油樹脂、水添脂環式石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびその水素化物等)等が挙げられるが、接着性、相溶性の観点から、ロジン系粘着付樹脂が好ましい。ロジン系粘着付与樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの未変性ロジン(生ロジン)を不均化、重合等により変性した変性ロジン(不均化ロジン、重合ロジン、その他の化学的に修飾されたロジン等)、各種のロジン誘導体などが挙げられる。ロジン誘導体としては、例えば、未変性ロジンをアルコール類によりエステル化したロジンエステル、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなどの変性ロジンをアルコール類によりエステル化した変性ロジンエステル等のロジンエステル類;未変性ロジンや変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン類;ロジンエステル類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類;未変性ロジン、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)、不飽和脂肪酸変性ロジン類又は不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類におけるカルボキシ基を還元処理したロジンアルコール類;未変性ロジン、変性ロジン、各種ロジン誘導体などのロジン類(特に、ロジンエステル類)の金属塩などが挙げられる。また、ロジン誘導体としては、ロジン類(未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体など)にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール樹脂なども用いることができる。なお、上記のロジンエステル類を得る際に使用されるアルコール類はエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの2価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール、ペンタエリスリトール、ジグリセリンなどの4価アルコール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコールなどが挙げられる。
組成物中の(C)成分の含有量は特に限定されるものではない。しかし、組成物により形成されるウレタン結合を有する樹脂を含む組成物層(封止層)とプラスチック基板との密着性および封止層の透明性の観点から、該含有量は、組成物中の不揮発分の合計100質量%あたり、50質量%以下が好ましく、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が最も好ましい。また、粘着力の向上効果を十分得るという観点から、該含有量は、組成物中の不揮発分の合計100質量%あたり、3質量%以上が好ましく、6質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましい。
<(D)触媒>
本発明の組成物には、(A21)成分と(A22)成分(或いは、(A21)成分と(A22)成分と(A23)成分)における重付加反応(ウレタン化反応)の効率の観点から、ウレタン化触媒((以下、「(D)成分」とも略称する)を配合することができる。ウレタン化触媒としては、例えば、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。ウレタン化触媒は、(A21)成分と(A22)成分の合計量、或いは、(A21)成分と(A22)成分と(A23)成分の合計量100質量部に対して0.01〜1質量部用いるのが好ましい。
<(E)有機溶剤>
本発明の組成物には、組成物の塗工性、ウレタン化反応の効率等の観点から、有機溶剤を配合するのが好ましい。有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」とも略称する)、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。かかる有機溶剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。有機溶剤の量は、特に限定されないが、塗工性の観点から組成物の粘度(25℃)が300〜2000mPa・sとなる量使用するのが好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の組成物は、上述の成分とは異なるその他の添加剤をさらに含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム等の無機充填材;ゴム粒子、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等の有機充填剤;オルベン、ベントン等の増粘剤;シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤;トリアゾール化合物、チアゾール化合物、トリアジン化合物、ポルフィリン化合物等の密着性付与剤等を挙げることができる。無機充填材又は吸湿性金属酸化物は、表面処理剤で表面処理してその耐湿性を向上させることができる。表面処理剤としては、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、ビニルシラン系カップリング剤、イミダゾールシラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
<組成物の製造方法>
本発明の組成物は、上述の成分を、混練ローラーや回転ミキサーなどを用いて混合することによって製造することができる。
<用途>
本発明の組成物は、例えば、薄膜トランジスタ、LCD素子、LED素子、EL素子、太陽電池等の電子素子が薄厚のプラスチック基板(プラスチックフィルム)上に形成されたフレキシブル電子デバイスの封止用であり、低温プロセスでプラスチック基板上に封止層を形成することができるので、フレキシブル有機ELデバイスの封止用として特に好適に使用することができる。フレキシブル有機ELデバイスの薄厚のプラスチック基板(プラスチックフィルム)には、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリスルホン(PSO)及びポリ(p−フェニレンエーテルスルホン)(PES)等のプラスチックフィルムが使用されるが、本発明の組成物は、これら各種のプラスチックフィルムに対して、該フィルムとの界面に気泡が発生しにくく、しかも、透明性に優れた、封止層を形成することができる。特に、ポリイミド(PI)フィルムに対して、特に有利に作用する。すなわち、ポリイミド(PI)フィルムとの界面における気泡発生の抑制効果に特に優れた封止層を形成することができる。
本発明の組成物は、フレキシブル電子デバイスのプラスチック基板上に形成された電子素子を覆うように、当該組成物をプラスチック基板の必要箇所に直接塗布し、その塗膜を加熱或いは熱風吹付けにより乾燥し、乾燥後の塗膜(組成物の層)を養生することで、ウレタン結合を有する樹脂を含む組成物の硬化物からなる封止層を形成することができる。また、支持体上に本発明の組成物を塗布し、その塗膜を加熱或いは熱風吹付けにより乾燥して、支持体上に乾燥後の塗膜(組成物の層)が形成された封止用シートを作製し、該封止用シートをフレキシブル電子デバイスのプラスチック基板上の必要箇所にラミネートして該組成物の層を転写し、該プラスチック基板上に配設された組成物の層を養生するか、若しくは、該封止用シートをフレキシブル電子デバイスのプラスチック基板上の必要箇所にラミネートし、そのまま組成物の層の養生を行うことで、ウレタン結合を有する樹脂を含む組成物の硬化物からなる封止層を形成することができる。
「養生」とは、乾燥後の塗膜(組成物の層)中でウレタン化反応を進行させることであり、例えば、乾燥後の塗膜(組成物の層)を、室温を超え、かつ、100℃以下(好ましくは80℃以下、より好ましくは40℃以下)の温度の環境下に置くことで行われる。ここでいう「室温」とは、JIS Z 8703に規定の「常温」を指す。かかる養生は、組成物の層が完全硬化する(すなわち、組成物の層の硬度変化が認められなくなる)まで行ってもよいし、完全硬化する前の状態で止めてもよい。なお、80℃を超える温度で養生することで、養生時間を短縮することもできる。養生により、プラスチック基板上に配設された組成物の層内で、ウレタン化反応(ウレタン結合を有する樹脂の生成、ウレタン結合を有する樹脂のさらなるウレタン化(架橋)等)が進行し、ウレタン結合を有する樹脂を含む組成物の硬化物からなる封止層が得られ、該封止層がプラスチック基板及び電子素子に対して高い密着力で密着し、電子素子の封止がなされる。
本発明の目的をより高いレベルで実現する観点から、本発明において、乾燥後の塗膜(組成物の層)に施す養生の期間は、養生する環境温度によっても異なるが、一般的には1〜10日程度が好ましく、より好ましくは、3〜10日程度である。
<封止用シート>
例えば、有機溶剤を配合してワニス状にした本発明の組成物を支持体上に塗布し、得られた塗膜を加熱あるいは熱風吹きつけ等で乾燥することにより、支持体上に本発明の組成物の層が形成された封止用シートが得られる。なお、封止用シートは、封止作業に供する迄に、支持体上に形成された乾燥後の塗膜(組成物の層)の養生を行ってもよい。この養生は、支持体上に形成された組成物の層の粘着性の増強等を図るための養生であり、3〜6日程度が好ましい。
封止用シートに使用する支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミドなどのプラスチックフィルムが挙げられる。プラスチックフィルムとしては、特にPETが好ましい。また支持体はアルミ箔、ステンレス箔、銅箔等の金属箔であってもよい。支持体はマット処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。離型処理としては、例えば、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型剤による離型処理が挙げられる。本発明において支持体が離型層を有する場合、該離型層も支持体の一部とみなす。支持体の厚さは、特に限定されないが、取扱い性等の観点から、好ましくは20〜200μm、より好ましくは20〜125μmである。
封止用シートの防湿性を向上させるために、バリア層を有するプラスチックフィルムを支持体として用いてもよい。このバリア層としては、例えば、窒化ケイ素等の窒化物、酸化アルミニウム等の酸化物、ステンレス箔、アルミ箔の金属箔等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、上述のプラスチックフィルムが挙げられる。バリア層を有するプラスチックフィルムは市販品を使用してもよい。また、金属箔とプラスチックフィルムを複合ラミネートしたフィルムであってもよい。例えば、アルミ箔付きポリエチレンテレフタレートフィルムの市販品としては、東海東洋アルミ販売社製「PETツキAL1N30」、福田金属社製「PETツキAL3025」等が挙げられる。
封止用シートにおいて、組成物の層は、保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。保護フィルムは、支持体と同様のプラスチックフィルムを用いるのが好ましい。また、保護フィルムもマット処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。保護フィルムの厚さは特に制限されないが、通常1〜150μm、好ましくは10〜100μmである。
封止用シートは、支持体に、防湿性を有し、かつ、透過率の高い支持体を使用すれば、封止用シートを封止対象物の必要箇所にラミネートし、そのまま、養生を行うことで、高い耐湿性を備えた封止構造を形成することができる。このような、防湿性を有し、かつ、透過率の高い支持体としては、表面に酸化ケイ素(シリカ)、窒化ケイ素、SiCN、アモルファスシリコン等の無機物を蒸着させたプラスチックフィルム等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、特にPETが好ましい。市販されている防湿性を有するプラスチックフィルムの例としては、テックバリアHX、AX、LX、Lシリーズ(三菱樹脂社製)やさらに防湿効果を高めたX−BARRIER(三菱樹脂社製)等が挙げられる。支持体として、2層以上の複層構造を有するものを使用しても良い。
本発明における封止構造、すなわち、フレキシブル電子デバイスのプラスチック基板上の電子素子が、該プラスチック基板に固着状態に配設されたウレタン結合を有する樹脂を含む組成物層によって空気から隔絶された構造において、ウレタン結合を有する樹脂を含む組成物層(封止層)の厚さは、通常3μm〜200μm、好ましくは5μm〜100μm、さらに好ましくは5μm〜50μmである。
<フレキシブル電子デバイス>
本発明の封止用組成物によって、電子素子が封止されている、フレキシブル電子デバイスを製造する場合、上記封止用シートを用いて封止を行うのが好適である。すなわち、フレキシブル電子デバイスの電子素子が形成されたプラスチック基板に本発明の封止用シートをラミネートすることで、電子素子が封止されたフレキシブル電子デバイスが得られる。封止用シートが保護フィルムで保護されている場合はこれを剥離した後、樹脂組成物層が該基板に直接接するように、封止用シートを該基板上にラミネートし、養生する。封止用シートのラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。
本発明の封止用組成物によれば、高い透明性、低ヘイズを維持し、かつ、プラスチック基板との界面における気泡の発生を抑制できる封止層を形成できるので、電子素子が有機EL素子等の発光素子であるフレキシブル電子デバイスにおいて、デバイスの発光効率を低下させることなく素子劣化を防止できる。このため、長寿命のフレキシブル発光素子デバイスを実現できる。また、低温プロセスでプラスチック基板上に封止層を形成することができるので、長寿命のフレキシブル有機EL電子デバイスを実現できる。
以下に実施例を示して本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、成分における「部」は、特に断りがない限り、それぞれ、「質量部」を意味する。
実施例および比較例に用いた原料は以下の通りである。
(A21)ポリオール
・ポリエスターSNT(日本合成化学社製):ポリエステルポリオール(数平均分子量10000、水酸基価8mgKOH/g、固形分60質量%)
・ポリエスターS0091(日本合成化学社製):ポリエステルポリオール(数平均分子量21000、水酸基価4.5mgKOH/g、固形分55質量%)
・クラレポリオールP−2050(クラレ社製):ポリエステルポリオール(数平均分子量2000、水酸基価56mgKOH/g、粘度5200mPa・s)
・ファインタック CT−6030(DIC社製):アクリルポリオール(粘度5000mPa・s、固形分45質量%)
(A22)多官能イソシアネート
・コロネートL(東ソー社製):トリメチロールプロパン−トリレンジイソシアネート3量体付加物、NCO含有量13.2質量%
・コロネートHX(東ソー社製):ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、NCO含有量21.1質量%
・アミン系硬化剤(2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、以下「TAP」と略記する。)
(B)吸湿性フィラー
・DHT−4C(協和化学工業社製):半焼成ハイドロタルサイト(平均粒子径:400nm、BET比表面積:15m/g)
・N41S(戸田工業社製):焼成ハイドロタルサイト(平均粒径:40nm、BET比表面積:133m/g)
(C)粘着付与樹脂
・KE−359(荒川化学社製):ロジンエステル(軟化点94−104℃、水酸基価38−47mgKOH/g)
・アルコンP125(荒川化学社製):シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂(軟化点125℃)
(E)有機溶剤
・トルエン
・スワゾール#1000(丸善石油社製):芳香族系混合溶剤
・メチルエチルケトン(MEK)
ポリオレフィン樹脂
・T−YP757B(星光PMC(株)製):無水マレイン酸変性スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体、無水マレイン酸基濃度0.464mmol/g、数平均分子量100000
・T−YP766(星光PMC(株)製):グリシジルメタクリレート変性スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体、グリシジル基濃度0.638mmol/g、数平均分子量100000
次に示す手順にて実施例および比較例の各組成物を調製した。配合は表1に示す量で行った。なお、表1に記載の有機溶剤以外の成分の量は、不揮発分で換算した値である。
<実施例1>
ポリエステルポリオール(クラレポリオールP−2050)8部に、ロジンエステル(KE−359、60%スワゾール#1000溶液)18部および半焼成ハイドロタルサイト(DHT−4C)20部を3本ロールで分散させて、混合物を得た。得られた混合物に、ポリエステルポリオール(ポリエスターSNT)5部、ポリエステルポリオール(ポリエスターS0091)45部、多官能イソシアネート(コロネートL)3.3部およびMEK20部を配合し、得られた混合物を高速回転ミキサーで均一に分散して、ワニスを調製した。得られたワニスをシリコーン系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、100℃で3分間加熱した後、40℃で3日間加熱し、厚さ20μmの樹脂組成物層を有する封止用シートを得た。なお、ワニスの粘度(25℃)は1200mPa・s、ワニス中の全ポリエステルポリオールが有する水酸基(−OH)と全多官能イソシアネートが有するイソシアネート基(−NCO)の当量比(NCO/OH)は0.8/1であった。
<実施例2>
多官能イソシアネートとしてコロネートHXを2部使用したこと以外は実施例1と同様にして、ワニスおよび封止用シートを作製した。なお、ワニスの粘度(25℃)は1200mPa・s、ワニス中の全ポリエステルポリオールが有する水酸基(−OH)と全多官能イソシアネートが有するイソシアネート基(−NCO)の当量比(NCO/OH)は1.2/1であった。
<実施例3>
多官能イソシアネートとしてコロネートHXを1部使用したこと以外は実施例1と同様にして、ワニスおよび封止用シートを作製した。なお、ワニスの粘度(25℃)は1200mPa・s、ワニス中の全ポリエステルポリオールが有する水酸基(−OH)と全多官能イソシアネートが有するイソシアネート基(−NCO)の当量比(NCO/OH)は0.6/1であった。
<実施例4>
半焼成ハイドロタルサイト(DHT−4C)の使用量を20部から12部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニスおよび封止用シートを作製した。なお、ワニスの粘度(25℃)は900mPa・s、ワニス中の全ポリエステルポリオールが有する水酸基(−OH)と全多官能イソシアネートが有するイソシアネート基(−NCO)の当量比(NCO/OH)は0.8/1であった。
<実施例5>
半焼成ハイドロタルサイト(DHT−4C)の使用量を20部から6部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニスおよび封止用シートを作製した。なお、ワニスの粘度(25℃)は700mPa・s、ワニス中の全ポリエステルポリオールが有する水酸基(−OH)と全多官能イソシアネートが有するイソシアネート基(−NCO)の当量比(NCO/OH)は0.8/1であった。
<比較例1>
シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂(アルコンP125、60%スワゾール#1000溶液)128部に、無水マレイン酸変性スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(T−YP757B)24部、グリシジルメタクリレート変性スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(T−YP766)18部、アミン系硬化剤(TAP)0.5部を配合し、得られた混合物を高速回転ミキサーで均一に分散して、ワニスを調製した。得られたワニスをシリコーン系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、130℃で60分間加熱することにより、厚さ20μmの組成物層を有する封止用シートを得た。
<比較例2>
シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂(アルコンP125、60%スワゾール#1000溶液)128部に、無水マレイン酸変性スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(T−YP757B)24部、グリシジルメタクリレート変性スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(T−YP766)18部および焼成ハイドロタルサイト(N41S)40部を3本ロールで分散させて、混合物を得た。得られた混合物に、アミン系硬化剤(TAP)0.5部を配合し、得られた混合物を高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂組成物のワニスを調製した。得られたワニスをシリコーン系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、130℃で60分間加熱することにより、厚さ20μmの組成物層を有する封止用シートを得た。
上述のようにして得られた実施例および比較例の封止用シートの組成物層を以下のようにして評価した。結果を表1に示す。
1.全光線透過率およびヘイズの評価
実施例および比較例で作製した封止用シート(組成物層の厚さ:20μm)を長さ50mmおよび幅20mmにカットし、カットした封止用シートをガラス板(長さ76mm、幅26mmおよび厚さ1.2mmのマイクロスライドガラス、松浪ガラス工業社製白スライドグラスS1112 縁磨No.2)にバッチ式真空ラミネーター(ニチゴー・モートン社製、V−160)を用いてラミネートした。ラミネート条件は、温度80℃、減圧時間30秒の後、圧力0.3MPaにて30秒加圧であった。その後、封止用シートのPETフィルムを剥離し、露出した組成物層にさらに上記と同じガラス板をラミネートして、積層体を作製した。得られた積層体の光透過率スペクトルを、スガ試験機社製ヘーズメーター HZ−V3(ハロゲンランプ)を用いて、空気をリファレンスとして、D65光にて測定し、以下の基準で評価した。
[全光線透過率]
良好(○):90%以上
可 (△):85%以上90%未満
不良(×):85%未満
[ヘイズ]
良好(○):2%未満
可 (△):2%以上5%未満
不良(×):5%以上
2.耐発泡性の評価
実施例および比較例で作製した封止用シート(組成物層の厚さ:20μm)を長さ40mm、幅40mmにカットし、ロール式ラミネーター(VA−420A、大成ラミネーター社製)を用いて、ポリイミドフィルム(長さ50mm、幅50mm、厚さ50μm、宇部興産社製、品番ユーピレックス−S)にラミネートした。ラミネート条件は、温度25℃、速度1m/分、圧力0.3MPaであった。そしてPETフィルムを剥離し、露出した組成物層に、さらにPETフィルム(長さ40mm、幅40mm、厚さ100μm、東レ社製、ルミラー)を上記と同じ条件でラミネートした。さらに実施例1−5の積層体については40℃で3日養生した。その後、積層体を85℃85%RHの恒温高湿槽にて5日間保管した後、発泡の程度を目視で以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
良好(○):発泡無し
不良(×):発泡有り
Figure 2019149312
本発明のフレキシブル電子デバイス封止用組成物は、高い透明性、低ヘイズを維持し、かつ、プラスチック基板との界面における気泡の発生を抑制できる封止層を形成し得る。このため、特に、電子素子が有機EL素子等の発光素子であるフレキシブル電子デバイスにおいて、デバイスの発光効率を低下させることなく素子劣化を防止でき、フレキシブル発光素子デバイスの長寿命化に寄与する。

Claims (8)

  1. (A1)ウレタン結合を有する樹脂、及び/又は、(A2)ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物を含む、フレキシブル電子デバイス封止用組成物。
  2. (A1)ウレタン結合を有する樹脂が、少なくともポリエステルポリウレタン骨格を有するポリウレタン樹脂であり、(A2)ウレタン結合を有する樹脂生成用化合物が、ポリエステルポリオールを含有するポリオール及び多官能イソシアネートを少なくとも含む、請求項1記載の組成物。
  3. さらに(B)吸湿性フィラーを含む、請求項1又は2記載の組成物。
  4. フレキシブル電子デバイスがフレキシブル有機ELデバイスである、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  5. 支持体と、該支持体上に形成された、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物の層とを含む、フレキシブル電子デバイス封止用シート。
  6. フレキシブル電子デバイスがフレキシブル有機ELデバイスである、請求項5記載のシート。
  7. プラスチック基板上に形成された電子素子が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物により形成されたウレタン結合を有する樹脂を含む組成物層によって封止されている、フレキシブル電子デバイス。
  8. プラスチック基板上に形成された電子素子が有機EL素子であり、当該フレキシブル電子デバイスがフレキシブル有機ELデバイスである、請求項7記載のフレキシブル電子デバイス。
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