以下、実施形態について、図面を用いて説明する。
[商品販売データ処理システム100の説明]
図1は商品販売データ処理システム100が導入された小売店舗Sを示す模式図である。図2は商品販売データ処理システム100の全体構成を示すブロック図である。
図1および図2に示すように、商品販売データ処理システム100は、対面式のPOS(point of sales)装置10、セルフ式のPOS装置20、中継器30、店舗サーバ40、携帯情報端末50、ルータ60、LAN(local area network)70、支援装置としての支援サーバ80および蓄積装置としての電子レシートサーバ90を含む。このうち、POS装置10,20、中継器30、店舗サーバ40およびルータ60は、小売店舗S内に設置され、小売店舗S内に構築されたLAN70にそれぞれ接続される。LAN70は、有線および無線のいずれかであっても、あるいはそれらを組み合わせたものであっても良い。
携帯情報端末50は、例えば購買者(買物客)によって携帯されて任意に移動が可能である。携帯情報端末50は、それを携帯する購買者が商品販売データ処理システム100により提供される後述するサービスを利用する際には、小売店舗S内に位置する。
支援サーバ80および電子レシートサーバ90は、ルータ60が接続されたネットワーク200に接続される。支援サーバ80および電子レシートサーバ90は、一例として、小売店舗Sを運営する事業者とは異なる事業者により運営される。この場合に典型的には、支援サーバ80および電子レシートサーバ90は、小売店舗S外に設置される。支援サーバ80および電子レシートサーバ90をそれぞれ運営する事業者は、同一であっても良いし、別々であっても良い。しかし、支援サーバ80および電子レシートサーバ90の少なくとも一方が小売店舗Sを運営する事業者によって運営されても良い。また支援サーバ80および電子レシートサーバ90の少なくとも一方が小売店舗S内に配置されても良い。
ネットワーク200は、例えばインターネットおよび移動通信網を含む。
なお、図2では、小売店舗Sの1店舗に関する商品販売データ処理システム100のみを示すが、複数の小売店舗のそれぞれに小売店舗Sと同様な構成が設けられて商品販売データ処理システム100に含まれても良い。
[POS装置10,20の説明]
図1に示すように、対面式のPOS装置10は、会計場1のチェックアウトカウンタ2に沿って設置され、キャッシャ3によって操作される。POS装置10は、チェックアウトカウンタ2に設けられたスキャナ11を含む。スキャナ11も、キャッシャ3によって操作される。キャッシャ3は、会計のために会計場1に来た購買者4とチェックアウトカウンタ2を挟んで対峙する。キャッシャ3は、購買者4が買い上げる商品5のバーコードをスキャナ11に読み取らせる。スキャナ11は、バーコードを読み取って得たバーコードデータをPOS装置10へと送る。POS装置10は、スキャナ11から送られたバーコードデータから商品5を特定し、この商品5の販売点数,販売金額等を買上商品リストに登録する。また、POS装置10は、新たに登録した商品5の品名および販売金額や、買上商品リストに含まれた全ての商品の合計金額等をディスプレイ13a,13bに表示する。ディスプレイ13aは、キャッシャ3用である。ディスプレイ13bは購買者4用である。
キャッシャ3は、購買者4が買い上げる商品5の登録処理を終えると、POS装置10に支払データを入力する。例えばキャッシャは、キーボード12を操作して、購買者4からの預かり金額を支払データとして入力する。POS装置10は、支払データを基に購買者4との商取引を決済処理する。この決済処理の過程で、POS装置10はプリンタ14を駆動し、商取引の明細をレシート用紙に印刷したレシート(以下、紙レシートと称する)を発行する。ただし、購買者4が電子レシートサービスの利用者である場合、紙レシートの発行は任意である。
セルフ式のPOS装置20は、会計場1に設置され、購買者4によって操作される。POS装置20は、スキャナ21、タッチパネル22、自動釣銭機23、レシート発行用のプリンタ24等を備える。購買者4は、POS装置20の正面に立ち、自らが買い上げる商品5のバーコードをスキャナ21に読み取らせる。POS装置20は、スキャナ21で読み取ったバーコードから商品5を特定し、この商品5の販売データを買上商品リストに登録する。また、POS装置20は、新たに登録した商品5の品名および販売金額や、買上商品リストに含まれた全ての商品の合計金額等をタッチパネル22に表示する。
購買者4は、自らが買い上げる商品5の登録処理を終えると、POS装置20に支払データを入力する。例えば購買者4は、タッチパネル22を操作して、支払い方法を選択する。ここで、現金支払いを選択した場合には、購買者4は、自動釣銭機23に現金を投入する。この場合に自動釣銭機23は、投入された現金の総額を計算し、この総額を支払データとして出力する。電子マネー支払いを選択した場合には、購買者4は、図示しないリーダ・ライタに電子マネーカードを翳す。リーダ・ライタは、電子マネーカードに記録された電子マネーデータを読み出し、これを支払データとして出力する。POS装置20は、支払データを基に購買者4との商取引を決済処理する。この決済処理の過程で、POS装置20はプリンタ24を駆動し、紙レシートを発行する。ただし、購買者4が電子レシートサービスの利用者である場合、紙レシートの発行は任意である。
なお、POS装置20における支払い方法には、電子マネー支払い、クレジット支払い、あるいは商品券払いなどの他の方法が上記の方法に代えて、あるいは追加して含まれても良い。POS装置10における支払い方法も、電子マネー支払い、クレジット支払い、あるいは商品券払いなどの他の方法が現金支払いに代えて、あるいは追加して含まれても良い。
かくしてPOS装置10,20は、決済装置としての機能を備える。
図3は、POS装置10,20の要部構成を示すブロック図である。
POS装置10,20は、プロセッサ101、メインメモリ102、補助記憶デバイス103、通信インターフェース104およびI/O(input/output)インターフェース105等を備える。プロセッサ101と、メインメモリ102、補助記憶デバイス103、通信インターフェース104およびI/Oインターフェース105とは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含むシステム伝送路106によって接続される。
POS装置10,20においては、プロセッサ101、メインメモリ102および補助記憶デバイス103と、これらを接続するシステム伝送路106とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ101は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ101は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、POS装置10,20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メインメモリ102は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ102は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ102は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ102は、プロセッサ101が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ102は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ101によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。揮発性のメモリ領域には、前述した買上商品リストを記憶する領域、いわゆる登録処理領域が含まれる。
補助記憶デバイス103は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス103は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)などである。補助記憶デバイス103は、プロセッサ101が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ101での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス103は、アプリケーションプログラムを記憶する。
補助記憶デバイス103が記憶するアプリケーションプログラムには、決済プログラムP11を含む。ただし、決済プログラムP11は、POS装置10,20の使用者による操作に応じて、例えばインターネットを介してダウンロードされて補助記憶デバイス103に書き込まれても良い。つまり、POS装置10,20の使用者への譲渡は、決済プログラムP11が補助記憶デバイス103に記憶されていない状態で行われても良い。
補助記憶デバイス103の記憶領域の一部は、保存領域W11として使用される。保存領域W11は、各POS装置10,20に対して固有のPOSIDを記憶する。各POS装置10,20は、メインメモリ102の不揮発性領域にてPOSIDを記憶してもよい。店舗サーバ40および支援サーバ80は、POSIDによって各POS装置10,20を識別する。
なお、補助記憶デバイス103に代えて複数の補助記憶デバイスを備えて、決済プログラムP11が記憶されるデバイスと保存領域W11が設定されるデバイスとが別々とされても良い。
通信インターフェース104は、LAN70を介して接続される店舗サーバ40および支援サーバ80等との間で行うデータ通信のインターフェースである。
I/Oインターフェース105は、種々の入出力デバイスとの間で行うデータ通信のインターフェースである。POS装置10の場合、スキャナ11、キーボード12、ディスプレイ13a,13b、プリンタ14等がI/Oインターフェース105に接続される。
POS装置20の場合、スキャナ21、タッチパネル22、自動釣銭機23、プリンタ24等がI/Oインターフェース105に接続される。
1つの小売店舗Sに設置されるPOS装置10およびPOS装置20のそれぞれの台数は、特に限定されない。小売店舗Sの規模あるいは店内のレイアウト等を考慮して、必要な台数が設置される。また、必ずしもPOS装置10とPOS装置20との両方が設置される必要はない。POS装置10またはPOS装置20が会計場1に設置されて、商品販売データ処理システムを構成してもよい。
各POS装置10,20には、POSIDを表すバーコード7が表記される。例えば図1に示すように、POS装置10の場合には、スキャナ11のキャッシャ3が操作する面とは反対側、すなわち購買者4側にバーコード7が表記される。POS装置20の場合には、購買者4と対峙する筐体の正面側にバーコード7が表記される。なお、図1に示すバーコード7の位置は、あくまでも一例である。バーコード7の位置は、特に限定されない。また、バーコード7の代わりに二次元データコードを用いてもよい。
[中継器30の説明]
中継器30は、例えばWi−Fi等の無線通信規格に対応したものである。中継器30は、無線通信領域内に存在する1乃至複数の携帯情報端末50がLAN70にアクセス可能とするために、無線通信を利用してデータの送受信を行う。中継器30の台数は、特に限定されない。小売店舗Sの規模あるいは店内のレイアウト等を考慮して、小売店舗S内の売場6と会計場1とのほぼ全域を無線通信領域とするように必要な台数が小売店舗S内に配置される。
[店舗サーバ40の説明]
店舗サーバ40は、商品データベース41を備える。商品データベース41には、小売店舗Sで販売される各商品の商品コードに関連付けて、その商品の名称,価格等の商品データが格納される。商品コードは、各商品5に対して固有なものである。商品コードは、各商品5のバーコードが表すバーコードデータに含まれる。
店舗サーバ40は、各POS装置10,20にて登録された各商品5の商品コードや買上数量、あるいは支払データなどを含んだ販売データを、LAN70を介して収集する。
そして店舗サーバ40は、収集した販売データを、例えば商品別、時間帯別等の項目毎に集計する。
店舗サーバ40は、POS装置10,20とともにPOSシステムを構成する。
[携帯情報端末50の説明]
図4は携帯情報端末50の要部構成を示すブロック図である。
携帯情報端末50は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等のような携帯型の情報処理装置である。携帯情報端末50は、プロセッサ501、メインメモリ502、補助記憶デバイス503、タッチパネル504、カメラユニット505および無線ユニット506等を備える。プロセッサ501と、メインメモリ502、補助記憶デバイス503、タッチパネル504、カメラユニット505および無線ユニット506とは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含むシステム伝送路507によって接続される。
携帯情報端末50においては、プロセッサ501、メインメモリ502および補助記憶デバイス503と、これらを接続するシステム伝送路507とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ501は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ501は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、携帯情報端末50としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メインメモリ502は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ502は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ502は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ502は、プロセッサ501が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ502は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ501によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス503は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス503は、例えばEEPROMである。HDD、SSDなどが補助記憶デバイス503として使用されてもよい。補助記憶デバイス503は、プロセッサ501が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ501での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス503は、アプリケーションプログラムを記憶する。
補助記憶デバイス503が記憶するアプリケーションプログラムには、セルフ登録端末プログラムP51を含む。ただし典型的には、セルフ登録端末プログラムP51は、携帯情報端末50の使用者による操作に応じて、例えばインターネットを介してダウンロードされて補助記憶デバイス503に書き込まれる。つまり、携帯情報端末50の使用者への譲渡は、セルフ登録端末プログラムP51が補助記憶デバイス503に記憶されていない状態で行われる。しかしながら、セルフ登録端末プログラムP51が補助記憶デバイス503に記憶された状態の携帯情報端末50が使用者に譲渡されても構わない。
タッチパネル504は、携帯情報端末50の入力デバイスおよび表示デバイスとして機能する。タッチパネル504には、オペレーティングシステムに基づくプロセッサ501の処理により上記のアプリケーションプログラムを起動するためのアイコンが表示される。
カメラユニット505は、被写体の映像に応じた画像データを生成する。カメラユニット505は、商品5のバーコードを被写体として生成した画像データから、そのバーコードが表すバーコードデータを認識可能な程度の解像度を有する。
無線ユニット506は、中継器30およびネットワーク200との間で、無線通信を利用してデータの送受信を行う。
このような構成の携帯情報端末50は、セルフ登録端末プログラムP51に基づく処理をプロセッサ501が実行することによって、セルフ登録端末として機能する。プロセッサ501は、セルフ登録端末プログラムP51に基づく処理を実行する際には、補助記憶デバイス503の記憶領域の一部をセルフ登録管理領域W51に割り当てる。
なお、補助記憶デバイス503に代えて複数の補助記憶デバイスを備えて、セルフ登録端末プログラムP51が記憶されるデバイスとセルフ登録管理領域W51が設定されるデバイスとが別々とされても良い。
[支援サーバ80の説明]
図5は支援サーバ80の要部構成を示すブロック図である。
支援サーバ80は、プロセッサ801、メインメモリ802、補助記憶デバイス803および通信インターフェース804等を備える。プロセッサ801と、メインメモリ802、補助記憶デバイス803および通信インターフェース804とは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含むシステム伝送路805によって接続される。
支援サーバ80においては、プロセッサ801、メインメモリ802および補助記憶デバイス803と、これらを接続するシステム伝送路805とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ801は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ801は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、支援サーバ80としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メインメモリ802は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ802は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ802は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ802は、プロセッサ801が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ802は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ801によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス803は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス803は、例えばEEPROM、HDD、SSDなどである。補助記憶デバイス803は、プロセッサ801が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ801での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス803は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。補助記憶デバイス803が記憶するアプリケーションプログラムには、セルフ登録サーバプログラムP81を含む。
通信インターフェース804は、ネットワーク200を介したデータ通信のインターフェースである。
支援サーバ80は、例えば汎用のサーバ装置やコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることができる。支援サーバ80は、セルフ登録サーバプログラムP81が補助記憶デバイス803に記憶されない状態のサーバ装置またはコンピュータ装置とセルフ登録サーバプログラムP81とが個別に利用者に譲渡されても良い。このとき、セルフ登録サーバプログラムP81の譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介したダウンロードにより実現できる。そしてこの場合は、利用者による操作に応じて、セルフ登録サーバプログラムP81が補助記憶デバイス803に書き込まれる。
プロセッサ801は、セルフ登録サービスによるサービスを提供すべき状態にあるときには、セルフ登録サーバプログラムP81に基づく処理を繰り返し実行する。プロセッサ801のセルフ登録サーバプログラムP81に基づく処理は、携帯情報端末50でのセルフ登録端末プログラムP51に基づくプロセッサ501の処理と連動して、購買者4によるセルフ登録を支援する。
プロセッサ801は、セルフ登録サーバプログラムP81に基づく処理を実行するために、補助記憶デバイス803の記憶領域の一部を店舗情報領域W81、取引ファイル領域W82およびセルフ登録IDリスト領域W83に割り当てる。
店舗情報領域W81は、支援サーバ80がセルフ登録サービスを提供する小売店舗に関する情報を格納する。店舗情報領域W81に格納される情報は、例えば店舗名などの店舗情報を含む。支援サーバ80が複数の小売店舗でのセルフ登録サービスを提供する場合、店舗情報領域W81に格納される情報には、それら複数の小売店舗のそれぞれの店舗情報が含まれる。またこの場合に店舗情報には、各小売店舗に設置された中継器30の識別名が含まれる。
取引ファイル領域W82は、後述する商品取引ファイルを格納する。
セルフ登録IDリスト領域W83は、セルフ登録サービスを利用する購買者4を識別するためのセルフ登録IDのリストを格納する。
なお、補助記憶デバイス803に代えて複数の補助記憶デバイスを備えても良い。そして、セルフ登録サーバプログラムP81を記憶する領域、店舗情報領域W81、取引ファイル領域W82およびセルフ登録IDリスト領域W83の一部またはそれぞれが別々の補助記憶デバイスに設定されても良い。
図6は商品取引ファイル810のデータ構造を示す図である。
商品取引ファイル810は、セルフ登録IDおよび店舗情報と、複数の商品販売データおよびその合計データとで構成される。取引ファイル領域W82は、複数の購買者4にそれぞれ対応した複数の商品取引ファイル810を同時に格納できる。
セルフ登録IDは、セルフ登録を行う購買者4を識別する一意のコードである。従ってセルフ登録IDは、第1の識別コードに相当する。
商品販売データは、セルフ登録された1つの商品に関するデータの集合である。商品販売データは、商品コード、商品名、単価、販売点数および販売金額等を含む。
[電子レシートサーバ90の説明]
図7は電子レシートサーバ90の要部構成を示すブロック図である。
電子レシートサーバ90は、プロセッサ901、メインメモリ902、補助記憶デバイス903および通信インターフェース904等を備える。プロセッサ901と、メインメモリ902、補助記憶デバイス903および通信インターフェース904とは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含むシステム伝送路905によって接続される。
電子レシートサーバ90では、プロセッサ901、メインメモリ902および補助記憶デバイス903と、これらを接続するシステム伝送路905とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ901は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ901は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、電子レシートサーバ90としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メインメモリ902は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ902は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ902は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ902は、プロセッサ901が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ902は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ901によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス903は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス903は、例えばEEPROM、HDD、SSDなどである。補助記憶デバイス903は、プロセッサ901が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ901での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス903は、アプリケーションプログラムを記憶する。補助記憶デバイス903が記憶するアプリケーションプログラムには、電子レシートサーバプログラムP91を含む。
通信インターフェース904は、ネットワーク200を介したデータ通信のインターフェースである。
電子レシートサーバ90は、例えば汎用のサーバ装置やコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることができる。電子レシートサーバ90は、電子レシートサーバプログラムP91が補助記憶デバイス903に記憶されない状態のサーバ装置またはコンピュータ装置と、電子レシートサーバプログラムP91とが個別に利用者に譲渡されても良い。このとき、電子レシートサーバプログラムP91の譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介したダウンロードにより実現できる。そしてこの場合は、利用者による操作に応じて、電子レシートサーバプログラムP91が補助記憶デバイス803に書き込まれる。
プロセッサ901は、電子レシートサービスによるサービスを提供すべき状態にあるときには、電子レシートサーバプログラムP91に基づく処理を繰り返し実行する。プロセッサ901の電子レシートサーバプログラムP91に基づく処理は、携帯情報端末50での電子レシート端末プログラムP51に基づくプロセッサ501の処理と連動して、電子レシートの閲覧サービスを支援する。
プロセッサ901は、電子レシートサーバプログラムP91に基づく処理を実行するために、補助記憶デバイス903の記憶領域の一部を、電子レシート領域W91および連携テーブル領域W92に割り当てる。
電子レシート領域W91は、電子レシートデータを格納する。
図8は電子レシートデータ910のデータ構造を示す図である。
電子レシートデータ910は、電子レシートIDと、電子レシートの簡易データである店舗名、取引日時および合計金額と、電子レシートの実データとで構成される。電子レシート領域W91は、複数の商取引にそれぞれ対応した複数の電子レシートデータ910を同時に格納できる。
電子レシートIDは、電子レシートサービスを利用する購買者4を識別する一意のコードである。従って電子レシートIDは、第2の識別コードに相当する。
連携テーブル領域W92は、連携テーブルを格納する。
図9は連携テーブル920のデータ構造を示す図である。
連携テーブル920は、同一の購買者4を識別する電子レシートIDとセルフ登録IDとを関連付けて記録する。
なお、補助記憶デバイス903に代えて複数の補助記憶デバイスを備えて、電子レシートサーバプログラムP91を記憶する領域、電子レシート領域W91および連携テーブル領域W92の一部またはそれぞれが別々のデバイスに設定されても良い。
[商品販売データ処理システム100の動作説明]
次に、商品販売データ処理システム100の動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
商品販売データ処理システム100は、以下に説明するように、セルフ登録サービスおよび電子レシートサービスを購買者4に対して提供する。
セルフ登録サービスの利用を希望する購買者4は、購買者4が所持する携帯情報端末50に、セルフ登録端末プログラムP51をインストールする。あるいは購買者4は、セルフ登録端末プログラムP51をインストール済みの携帯情報端末50を任意の方法で入手する。そしてこののちに購買者4は、セルフ登録端末プログラムP51に基づく処理をプロセッサ501に実行させた状態の携帯情報端末50を小売店舗Sにおいて携帯する。プロセッサ501は例えば、タッチパネルでの購買者4による所定の操作に応じてセルフ登録端末プログラムP51に基づく処理を開始する。
図10はセルフ登録端末プログラムP51に基づくプロセッサ501の処理の流れ図である。
Act1においてプロセッサ501は、支援サーバ80に対してログイン中か否かを確認する。具体的には、プロセッサ501はまず、中継器30が対応する無線通信規格で無線ユニット506による通信が可能であるかを確認する。そしてプロセッサ501は、当該通信が可能となったならば、支援サーバ80へのアクセスを試みる。プロセッサ501は、中継器30の無線通信領域内に携帯情報端末50が入り、無線ユニット506による中継器30との通信が可能となった場合には、中継器30、LAN70、ルータ60およびネットワーク200を介して支援サーバ80にアクセスできる。そしてプロセッサ501は、支援サーバ80にアクセスできたならば、支援サーバ80に対して問い合わせることにより、ログイン中か否かを確認する。そしてプロセッサ501は、支援サーバ80に対してログイン中ではないならばNOと判定し、Act2へと進む。
Act2においてプロセッサ501は、ログインのための処理を行う。プロセッサ501は具体的には、タッチパネル504における表示をログイン画面とする。ログイン画面は、セルフ登録IDを購買者4に入力させる画面である。ログイン画面は、セルフ登録IDの他に、パスワードを購買者4に入力させる画面であっても良い。プロセッサ501は、必要な情報が購買者4によるタッチパネル504の操作によって入力されたならば、その入力された情報を含んだログイン要求コマンドを支援サーバ80に送る。
ところでセルフ登録IDは、セルフ登録を行う購買者4を識別可能に事前に設定される。セルフ登録IDは例えば、購買者4により、他の購買者4が設定済みのセルフ登録IDとは異ならせて任意に設定される。しかしながら、他の購買者4が設定済みのセルフ登録IDとは異なるセルフ登録IDを、プロセッサ801が設定しても良い。
図示は省略しているが、プロセッサ501は例えば、ログイン画面に設けた新規登録ボタンへの購買者4によるタッチがタッチパネル504にて検出されたことに応じて、タッチパネル504における表示を設定画面とする。設定画面は、購買者4が設定しようとするセルフ登録IDを購買者4に入力させる画面である。設定画面は、ログインにパスワードを使用する場合には、セルフ登録IDの他に、パスワードを購買者4に入力させる画面とする。
プロセッサ501は、必要な情報が購買者4によるタッチパネル504の操作によって入力されたならば、その情報を含んだ登録要求コマンドを支援サーバ80に送る。支援サーバ80においてプロセッサ801は、登録要求コマンドに含まれたセルフ登録IDが、セルフ登録IDリスト領域W83に既に記憶されたセルフ登録IDとは異なるならば、当該セルフ登録IDをセルフ登録IDリスト領域W83に記憶させる。なお、プロセッサ801は、登録要求コマンドにパスワードが含まれるならば、そのパスワードをセルフ登録IDに関連付けてセルフ登録IDリスト領域W83に記憶させる。プロセッサ801はこのようにして、各購買者4のセルフ登録IDのリストをセルフ登録IDリスト領域W83に作成する。
そしてプロセッサ801は、前述のログイン要求コマンドを受けると、そこに示されたセルフ登録IDが、セルフ登録IDリスト領域W83に記憶されたセルフ登録IDのリストに含まれるか否かを確認する。プロセッサ801は、パスワード認証を行うならば、ログイン要求コマンドに含まれたセルフ登録IDとパスワードとの組み合わせが、セルフ登録IDのリストに含まれたセルフ登録IDとパスワードとの組み合わせと一致するか否かを確認する。プロセッサ801は、これらの確認の結果に基づいて、ログインを承認するか否かを決定し、それを認証結果として、ログイン情報を送信した携帯情報端末50に通知する。
なお、ここでプロセッサ801がログインを承認した場合、ログイン情報を送信した携帯情報端末50と支援サーバ80との間のセッションが確立される。以下、携帯情報端末50と支援サーバ80との間でのデータの授受について説明するが、このデータの授受は上記のセッションに関して行われるものである。
Act3においてプロセッサ501は、上記の認証結果に基づいて、ログインが承認されたか否かを確認する。プロセッサ501は、ログインが承認されないならばNOと判定し、Act2に戻る。かくしてプロセッサ501はAct2,3において、ログインのための情報が入力される毎に、支援サーバ80に対してログインを要求する。そしてプロセッサ501は、ログインが承認されたならばAct3にてYESと判定し、Act4へと進む。
Act4においてプロセッサ501は、承認されたログイン要求コマンドに含めたセルフ登録IDをセルフ登録管理領域W51に格納する。こののちにプロセッサ501は、Act5へと進む。なお、プロセッサ801は、ログインを承認する場合に、固有のセッションIDを決定し、これを認証結果に含めても良い。そしてこの場合にプロセッサ501は、認証結果に含まれたセッションIDを、セルフ登録IDに代えてセルフ登録管理領域W51に格納しても良い。
ところで、支援サーバ80は、ログイン中である携帯情報端末50からログアウトが要求されない限りは、原則としてログイン状態を維持する。つまり、プロセッサ501が支援サーバ80に長時間に渡ってアクセスしない状況であっても、携帯情報端末50のログイン状態が維持されていることがある。このような状況は例えば、プロセッサ501が、セルフ登録端末プログラムP51に基づく処理の前回実行中にログアウトしないままで当該処理を終了した場合に生じる。あるいは、このような状況は、ログイン中である携帯情報端末50がそのまま中継器30の無線通信領域から出た場合に生じる。
そこでプロセッサ501は、既にログイン中であった場合には、Act1にてYESと判定し、Act2〜Act4をパスしてAct5へと進む。
Act5においてプロセッサ501は、セルフ登録管理領域W51からセルフ登録IDを検出する。
Act6においてプロセッサ501は、Act5で検出したセルフ登録IDと、接続中である中継器30の識別名とを含む登録開始宣言コマンドを無線ユニット506から支援サーバ80に宛てて無線送信する。この登録開始宣言コマンドは、中継器30で受信され、LAN70、ルータ60およびネットワーク200を介して支援サーバ80に伝送される。
支援サーバ80が通常の動作状態にあるとき、プロセッサ801はセルフ登録サーバプログラムP81に基づく処理を実行する。
図11はセルフ登録サーバプログラムP81に基づくプロセッサ801の処理の流れ図である。
Act21においてプロセッサ801は、登録開始宣言コマンドが受信されたか否かを確認する。前述のように携帯情報端末50から送信された登録開始宣言コマンドがLAN70、ルータ60およびネットワーク200を介して支援サーバ80へと伝送されると、この登録開始宣言コマンドを通信インターフェース804が受信する。通信インターフェース804は、登録開始宣言コマンドをメインメモリ802に書き込むとともに、その旨をプロセッサ801に通知する。この通知が無いうちは、プロセッサ801はAct21にてNOと判定し、Act21を繰り返す。つまりプロセッサ801はAct21においては、登録開始宣言コマンドが受信されるのを待ち受ける。プロセッサ801は、上記の通知を受けると、Act21にてYESと判定し、Act22へと進む。
Act22においてプロセッサ801は、補助記憶デバイス803の店舗情報領域W81から、登録開始宣言コマンドに含まれた識別名を含んでいる店舗情報を取得する。
Act23においてプロセッサ801は、新たな商品取引ファイルを生成し、これを取引ファイル領域W82に格納する。プロセッサ801は、登録開始宣言コマンドに含まれるセルフ登録IDと、Act22で取得した店舗情報とを含み、商品販売データをまだ含まないものとして、上記の新たな商品取引ファイル810を生成する。
Act24においてプロセッサ801は、Act22で取得した店舗情報を、登録開始宣言コマンドを送信した携帯情報端末50に宛てて、通信インターフェース804からネットワーク200へと送信する。
ところで携帯情報端末50においてプロセッサ501は、図10のAct6で登録開始宣言コマンドを送信したのちには、Act7へと進む。
Act7においてプロセッサ501は、店舗情報が受信されたか否かを確認する。前述のように支援サーバ80から送信された店舗情報が、ネットワーク200、ルータ60、LAN70および中継器30を介して携帯情報端末50へと伝送されると、この店舗情報を無線ユニット506が受信する。無線ユニット506は、店舗情報をメインメモリ502に書き込むとともに、その旨をプロセッサ501に通知する。この通知が無いうちは、プロセッサ501はAct7にてNOと判定し、Act7を繰り返す。つまりプロセッサ501はAct7においては、店舗情報が受信されるのを待ち受ける。プロセッサ501は、上記の通知を受けると、Act7にてYESと判定し、Act8へと進む。
Act8においてプロセッサ501は、タッチパネル504における表示を登録画面とする。登録画面は、商品名、価格、合計金額等の表示欄を含む。また登録画面は、上記のように無線ユニット506によってメインメモリ502に書き込まれた店舗情報の内容を表す。
Act9においてプロセッサ501は、カメラユニット505を起動する。
購買者4は、登録画面を確認した上で、売場6での商品登録を開始する。つまり購買者4は、自らが買い上げる商品5のバーコードがカメラユニット505の視野内に位置するように、携帯情報端末50に対して商品5を翳す。これにより、カメラユニット505が生成する画像データが表す映像に商品5のバーコードが映り込むことになる。
Act10においてプロセッサ501は、カメラユニット505により生成された画像データを解析し、バーコードを検出する。プロセッサ501は、カメラユニット505が生成した1フレーム分の画像データが表す映像にバーコードが映り込んでいないならばNOと判定し、Act10を繰り返す。そしてプロセッサ501は、映像にバーコードが映り込んでいたならばYESと判定し、Act11へと進む。
Act11においてプロセッサ501は、そのバーコードが表すバーコードデータを、セルフ登録IDとともに支援サーバ80に宛てて無線送信する。具体的にはプロセッサ501は、バーコードを検出できた画像データをさらに解析し、そのバーコードが表すバーコードデータを得る。またプロセッサ501は、セルフ登録管理領域W51に格納されたセルフ登録IDを読み出す。そしてプロセッサ501は、これらバーコードデータおよびセルフ登録IDを含んだ伝送データを、支援サーバ80を宛先として無線ユニット506に送信させる。この伝送データは、中継器30、LAN70、ルータ60およびネットワーク200を介して支援サーバ80に伝送される。
支援サーバ80においてプロセッサ801は、図11のAct24で店舗情報を送信したのちには、Act25へと進む。
Act25においてプロセッサ801は、バーコードが受信されたか否かを確認する。
前述のように携帯情報端末50から送信された伝送データが支援サーバ80へと伝送されると、この伝送データを通信インターフェース804が受信する。通信インターフェース804は、伝送データに含まれたバーコードデータおよびセルフ登録IDをメインメモリ802に書き込むとともに、その旨をプロセッサ801に通知する。この通知が無いうちは、プロセッサ801はAct25にてNOと判定し、Act25を繰り返す。つまりプロセッサ801はAct25においては、バーコードが受信されるのを待ち受ける。プロセッサ801は、上記の通知を受けると、Act25にてYESと判定し、Act26へと進む。
Act26においてプロセッサ801は、上記の受信されたバーコードデータが商品コードを表すか否かを確認する。そしてプロセッサ801は、バーコードデータが商品コードを表さないならばNOと判定し、Act27へと進む。
Act27においてプロセッサ801は、上記の受信されたバーコードデータがPOSIDを表すか否かを確認する。POSIDを表すバーコードデータは、商品コードを表すバーコードデータと比較してコード体系が異なる。プロセッサ801は、コード体系の違いにより、バーコードの種類を判別する。そしてプロセッサ801は、バーコードデータがPOSIDを表さないならばNOと判定し、Act25に戻る。
かくしてプロセッサ801は、上記の受信されたバーコードデータが商品コードおよびPOSIDのいずれも表さない場合には、そのバーコードデータは破棄し、次のバーコードデータが受信されるのを待ち受ける状態に移行する。しかしながらプロセッサ801は、上記の受信されたバーコードデータが商品コードを表すならば、Act26でYESと判定し、Act28へと進む。
Act28においてプロセッサ801は、バーコードデータが表す商品コードで識別される商品に関する商品データを取得する。具体的にはプロセッサ801は、商品コードを含んだ要求コマンドを、店舗サーバ40に宛てて、通信インターフェース804からネットワーク200へと送信する。この要求コマンドは、ネットワーク200、ルータ60およびLAN70を介して店舗サーバ40に伝送される。そうすると店舗サーバ40は、要求コマンドに含まれた商品コードに関連付けられた商品データを商品データベース41から取得する。店舗サーバ40は、この取得した商品データを支援サーバ80に宛ててLAN70へと送信する。この商品データは、LAN70、ルータ60およびネットワーク200を介して支援サーバ80に伝送される。商品データが支援サーバ80へと伝送されると、この商品データを通信インターフェース804が受信する。通信インターフェース804は、商品データをメインメモリ802に書き込むとともに、その旨をプロセッサ801に通知する。
なお、商品データベース41を支援サーバ80の補助記憶デバイス803にコピーしておくようにしても良い。そしてプロセッサ801は、補助記憶デバイス803に記憶された商品データベースから商品データを取得しても良い。
Act29においてプロセッサ801は、Act28で取得した商品データに基づいて、商品コード、商品名、単価、販売点数、販売金額等を含む商品販売データを作成する。
Act30においてプロセッサ801は、作成した商品販売データを商品取引ファイル810に登録する。具体的にはプロセッサ801は、取引ファイル領域W82に記憶された商品取引ファイル810のうちの、バーコードデータとともに受信したセルフ登録IDがセットされた商品取引ファイル810を、Act29で作成した商品販売データを含むように更新する。
かくして補助記憶デバイス803は、第1の記憶デバイスとして機能する。またセルフ登録サーバプログラムP81に基づく制御処理をプロセッサ801が実行することによって、プロセッサ801を中枢部分とするコンピュータは蓄積手段として機能する。
Act31においてプロセッサ801は、Act29で作成した商品販売データを、携帯情報端末50に宛てて通信インターフェース804からネットワーク200へと送信する。その後、プロセッサ801は、Act25の待ち受け状態に戻る。
ところで携帯情報端末50においてプロセッサ501は、図10のAct11でセルフ登録IDおよびバーコードを送信したのちには、Act12へと進む。
Act12においてプロセッサ501は、支援サーバ80から送信された何らかのデータが受信されたか否かを確認する。支援サーバ80から送信された何らかのデータが携帯情報端末50へと伝送されると、このデータを無線ユニット506が受信する。無線ユニット506は、受信したデータをメインメモリ502に書き込むとともに、その旨をプロセッサ501に通知する。この通知が無いうちは、プロセッサ501はAct12でNOと判定し、Act12を繰り返す。つまりプロセッサ501はAct12においては、支援サーバ80から送信された何らかのデータが受信されるのを待ち受ける。プロセッサ501は、上記の通知を受けると、Act12にてYESと判定し、Act13へと進む。
Act13においてプロセッサ501は、受信されたデータが商品販売データであるか否かを確認する。プロセッサ501は、受信されたデータが商品販売データである場合はYESと判定し、Act14へと進む。
Act14においてプロセッサ501は、受信された商品販売データに含まれる商品名、価格等を表すように登録画面を更新する。プロセッサ501は具体的には、タッチパネル504で表示中の登録画面の商品名、価格等の表示欄に、受信された商品販売データに含まれる商品名、価格等を表す文字列を追加表示する。なお、各表示欄に既に文字列が表示されているならば、プロセッサ501はその文字列に置き換えて、受信された商品販売データに含まれる商品名、価格等を表す文字列を表示する。
購買者4は、登録画面に表示された商品名や価格等を確認した上で、バーコードをカメラユニット505に撮像させた商品5を、ショッピングカートや買い物カゴに入れる。なお、ここでのショッピングカートや買い物カゴは、ネットショッピングにおける仮想的なものではなく、現実のものである。もちろん購買者4は、商品5を手で直接持っていても良い。
プロセッサ501はその後、Act10の待ち受け状態に戻る。かくして、商品5のバーコードがカメラユニット505で撮像される毎に、携帯情報端末50のプロセッサ501は、Act10〜Act14の処理を実行する。これに応じて、支援サーバ80は、Act25〜Act31の処理を実行する。その結果、Act23で生成した商品取引ファイル810に、当該購買者4が買い上げる商品5の販売データが蓄積される。このように蓄積された販売データの集合が、買上商品リストである。
購買者4は、自らが買い上げる商品5の全てを登録し終えたならば、それら登録した商品5を持って会計場1へ赴き、会計を行う。購買者4は、携帯情報端末50を、プロセッサ501が図10に示す処理を実行している状態のままとする。そしてこのときにプロセッサ501は、Act10の待ち受け状態である。
以上のようなセルフ登録により作成される商品取引ファイル810に基づく会計は、POS装置10,20のいずれで行われても良い。会計をPOS装置10で行う場合、購買者4は、チェックアウトカウンタ2に設けられたスキャナ11に表記されるバーコード7がカメラユニット505の視野内に位置するように、携帯情報端末50を翳す。会計をPOS装置20で行う場合、購買者4は、そのPOS装置20の筺体に表記されるバーコード7がカメラユニット505の視野内に位置するように、携帯情報端末50を翳す。これらにより、スキャナ11またはPOS装置20に表記されているバーコード7が、カメラユニット505が生成する画像データが表す映像に映り込むことになる。
映像にバーコード7が映り込むことにより、プロセッサ501はAct10にてYESと判定し、前述と同様にしてAct12,13を行った上で、Act13へと進む。このとき、支援サーバ80においてプロセッサ801は、図11中のAct25でYESと判定し、Act26へと進む。バーコード7が表すバーコードデータは、POSIDを含み、商品コードを含まない。このためプロセッサ801は、Act26でNOと判定し、Act27へと進むことになる。そしてプロセッサ801は、Act27でYESと判定し、図12中のAct32へと進む。
Act32においてプロセッサ801は、POS装置10,20のうちで上記のPOSIDで識別されるものを、決済に使用するために購買者4により指定されたPOS装置(以下、指定POS装置と称する)として特定する。例えばプロセッサ801は、ネットワーク200、ルータ60およびLAN70を介して、各POS装置10,20に対してPOSIDの問い合わせを行う。そしてプロセッサ801は、POS装置10,20のうちで、バーコードデータに含まれたPOSIDを応答したものを指定POS装置として特定する。
Act33においてプロセッサ801は、決済要求コマンドを、指定POS装置に宛てて通信インターフェース804からネットワーク200へと送信する。この決済要求コマンドは、ネットワーク200、ルータ60およびLAN70を介して決済POS装置に伝送される。このように決済要求コマンドが指定POS装置へと伝送されると、指定POS装置となっているPOS装置10,20の通信インターフェース104が、この決済要求コマンドを受信する。通信インターフェース104は、決済要求コマンドを受信した旨をプロセッサ101に通知する。
POS装置10,20が通常の動作状態にあるとき、プロセッサ101は、既存の別のPOS装置により行われているのと同様な販売データ処理を行っている。そしてプロセッサ101は、通信インターフェース104から上記の通知がなされたことに応じて、決済プログラムP11に基づく処理を開始する。プロセッサ101は例えば、これら2つの処理を、それぞれ別タスクとすることにより並列的に実行する。
図13は決済プログラムP11に基づくプロセッサ101の処理の流れ図である。
Act51においてプロセッサ101は、販売データ処理による商取引中か否かを確認する。バーコード7は、例えば粘着台紙に印刷されていて、当該粘着台紙が各POS装置10,20に貼り付けられる。従って、携帯情報端末50のカメラユニット505によるバーコード7の撮影は、POS装置10,20の動作状態に拘わらずに行うことができる。このため、商取引中であったならばプロセッサ101はNOと判定し、Act51を繰り返す。かくしてプロセッサ101は、実施中の商取引が行われていない状態となるのを待ち受ける。そしてプロセッサ101は、販売データ処理による商取引が行われていない状態であるならばYESと判定し、Act52へと進む。
Act52においてプロセッサ101は、支援サーバ80に対する許諾応答をLAN70へと送信する。この許諾応答は、LAN70、ルータ60およびネットワーク200を介して支援サーバ80に伝送される。
ところで支援サーバ80においてプロセッサ801は、図11のAct33で決済要求を送信したのちには、Act34へと進む。
Act34においてプロセッサ801は、許諾応答が受信されたか否かを確認する。前述のように指定POS装置から送信された許諾応答が支援サーバ80へと伝送されると、この許諾応答を通信インターフェース804が受信し、その旨をプロセッサ801に通知する。この通知が無いうちは、プロセッサ801はAct34にてNOと判定し、Act34を繰り返す。つまりプロセッサ801はAct34においては、許諾応答が受信されるのを待ち受ける。プロセッサ801は、上記の通知を受けると、Act34にてYESと判定し、Act35へと進む。
Act35においてプロセッサ801は、決済データを、指定POS装置に宛てて通信インターフェース804からネットワーク200へと送信する。具体的にはプロセッサ801は、取引ファイル領域W82に記憶されている商品取引ファイル810のうちで、POSIDを表すバーコードデータとともに受信したセルフ登録IDを含んだものを決済処理の対象とする。プロセッサ801はそして、決済処理の対象となる商品取引ファイル810が表す買上商品リストに関して、少なくとも決済金額を算出し、この決済金額を含むデータとして決済データを生成する。プロセッサ801は、決済データに他の任意のデータを含めても良い。プロセッサ801は、例えば決済データに買上商品リストを含めても良い。
かくしてセルフ登録サーバプログラムP81に基づく制御処理をプロセッサ801が実行することによって、プロセッサ801を中枢部分とするコンピュータは第1の通知手段として機能する。
ところで指定POS装置においてプロセッサ101は、図13のAct52で許諾応答を送信したのちには、Act53へと進む。
Act53においてプロセッサ101は、決済データが受信されたか否かを確認する。
前述のように支援サーバ80から送信された決済データがLAN70を介して指定POS装置へと伝送されると、この決済データを通信インターフェース104が受信する。通信インターフェース104は、決済データをメインメモリ102に書き込むとともに、その旨をプロセッサ101に通知する。プロセッサ101は、上記の通知が無いうちはAct53にてNOと判定し、Act53を繰り返す。つまりプロセッサ101はAct53においては、決済データが受信されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ101は、上記の通知を受けると、Act53にてYESと判定し、Act54へと進む。
Act54においてプロセッサ101は、ディスプレイ13aまたはタッチパネル22における表示を確認画面とする。確認画面は、決済データに示された決済金額を少なくとも表す。決済データに買上商品リストが含まれる場合は、買上商品に関する情報を確認画面に含めても良い。ただし、買上商品については、携帯情報端末50での表示により購買者4またはキャッシャ3が確認することもできるので、確認画面に買上商品に関する情報を含めることは必須ではない。
Act55においてプロセッサ101は、決済処理を実行すべきであるか否かを確認する。プロセッサ101は具体的には、決済のための支払データが入力された上で、決済実行が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、支払データが入力されていないか、あるいは決済指示がなされていないならばNOと判定し、Act55を繰り返す。かくしてプロセッサ101はAct55において、支払データが入力された上で、決済実行が指示されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ101は、支払データが入力され、かつ決済実行が指示されたならばYESと判定し、Act56へと進む。なお支払データは、例えば購買者4が現金決済を希望する場合は、預かり金額を表すデータである。支払いデータは、例えば購買者4がクレジット決済を希望する場合は、決済に用いるクレジットカードに関するデータである。
Act56においてプロセッサ101は、上記の支払データを基に、決済金額を決済するための決済処理を行う。そしてプロセッサ101は、決済処理の結果を表した結果データを生成する。結果データは、例えば現金決済を行った場合には、決済を行った日時、預かり金額、あるいは釣銭額などを含む。結果データは、例えばクレジット決済を行った場合には、決済を行った日時、クレジットカード番号、あるいは承認番号などを含む。
かくして決済プログラムP11に基づく制御処理をプロセッサ101が実行することによって、プロセッサ101を中枢部分とするコンピュータは決済手段として機能する。
Act57においてプロセッサ101は、紙レシートを発行するか否かを確認する。具体的にはプロセッサ101は、ディスプレイ13aまたはタッチパネル22における表示を、紙レシートの発行を購買者4が希望するか否かを問い合わせる画面とする。そしてプロセッサ101は、キーボード12またはタッチパネル22での操作により紙レシートを発行しない旨の入力がなされたならばNOと判定し、Act58へと進む。
Act58においてプロセッサ101は、電子レシートフラグをセット状態とする。電子レシートフラグは、電子レシートサービスを利用するか否かを表す1ビットのデータである。電子レシートフラグは、例えばセット状態において「1」であり、電子レシートサービスを利用することを表す。そしてプロセッサ101はこののち、Act62へと進む。
一方、プロセッサ101は、キーボード12またはタッチパネル22での操作により紙レシートを発行する旨の入力がなされたならばAct57でYESと判定し、Act59へと進む。
Act59においてプロセッサ101は、送信要求コマンドを、支援サーバ80に宛てて通信インターフェース104からLAN70へと送信する。この送信要求コマンドは、LAN70、ルータ60およびネットワーク200を介して支援サーバ80に伝送される。このように送信要求コマンドが支援サーバ80へと伝送されると、支援サーバ80の通信インターフェース804が、この送信要求コマンドを受信する。通信インターフェース804は、送信要求コマンドを受信した旨をプロセッサ801に通知する。
ところで支援サーバ80においてプロセッサ801は、図12のAct35で決済データを送信したのちには、Act36へと進む。
Act36においてプロセッサ801は、後述するように決済終了コマンドが受信されたか否かを確認する。そしてプロセッサ801は、決済終了コマンドが受信されたことが通信インターフェース804から通知されないうちは、NOと判定してAct37へと進む。
Act37においてプロセッサ801は、送信要求コマンドが上述のように受信されたか否かを確認する。そしてプロセッサ801は、送信要求コマンドが受信されたことが通信インターフェース804から通知されないうちは、NOと判定してAct36へと戻る。
かくしてAct36およびAct37においてプロセッサ801は、決済終了コマンドおよび送信要求コマンドのいずれかが受信されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ801は、送信要求コマンドが受信されたことが通知されたことに応じてAct37でYESと判定し、Act38へと進む。
Act38においてプロセッサ801は、決済処理の対象となる商品取引ファイル810を取引ファイル領域W32から読み出し、通信インターフェース804から指定POS装置に宛ててネットワーク200へと送信する。商品取引ファイル810は、ネットワーク200、ルータ60およびLAN70を介して指定POS装置に伝送される。
指定POS装置においてプロセッサ101は、Act59で送信要求を送信したのちには、Act60へと進む。
Act60においてプロセッサ101は、商品取引ファイル810が受信されたか否かを確認する。前述のように支援サーバ80から送信された商品取引ファイル810がLAN70を介して指定POS装置へと伝送されると、この商品取引ファイル810を通信インターフェース104が受信する。通信インターフェース104は、商品取引ファイル810をメインメモリ102に書き込むとともに、その旨をプロセッサ101に通知する。
プロセッサ101は、上記の通知が無いうちはAct60にてNOと判定し、Act60を繰り返す。つまりプロセッサ101はAct60においては、商品取引ファイル810が受信されるのを待ち受ける。プロセッサ101は、上記の通知を受けると、Act60にてYESと判定し、Act61へと進む。
Act61においてプロセッサ101は、プリンタ14,24を制御して、紙レシートを発行する。具体的にはプロセッサ101は、上記の受信された商品取引ファイル810に示された商品名などの情報と、結果データに示された情報とを予め定められたフォーマットで配置したレシート画像を生成する。そしてプロセッサ101は、レシート画像をレシート用紙にプリントするようにプリンタ14またはプリンタ24を制御する。プロセッサ101は、紙レシートを発行し終えたならば、Act62へと進む。
Act62においてプロセッサ101は、決済終了コマンドを、支援サーバ80に宛てて通信インターフェース104からLAN70へと送信する。プロセッサ101は、決済終了コマンドに電子レシートフラグおよび結果データを含める。
かくして決済プログラムP11に基づく制御処理をプロセッサ101が実行することによって、プロセッサ101を中枢部分とするコンピュータは第2の通知手段として機能する。
以上で、プロセッサ101は、決済プログラムP11に基づく処理を終了する。
このように、プロセッサ101が決済プログラムP11に基づく処理を行うとき、POS装置10,20は決済装置として機能する。従って、POSIDは、決済装置コードに相当する。
ところで支援サーバ80においてプロセッサ801は、図12のAct38で商品取引ファイルを送信したのちには、Act39へと進む。
Act39においてプロセッサ801は、上述のように決済終了コマンドが受信されたか否かを確認する。決済終了コマンドは、LAN70、ルータ60およびネットワーク200を介して支援サーバ80に伝送される。このように決済終了コマンドが支援サーバ80へと伝送されると、支援サーバ80の通信インターフェース804が、この決済終了コマンドを受信する。通信インターフェース804は、決済終了コマンドを受信した旨をプロセッサ801に通知する。そしてプロセッサ801は、この通知がなされないうちは、NOと判定してAct39を繰り返す。プロセッサ801は、上記の通知を受けると、Act39にてYESと判定し、Act40へと進む。
ただし、対象POS装置においてプロセッサ101が図13中のAct58からAct62へと進んだ場合、プロセッサ801はAct36およびAct37の待ち受け状態にある。従ってこの場合にプロセッサ801は、決済終了コマンドが受信されたことの通知を受けると、Act36にてYESと判定し、Act40へと進む。
Act40においてプロセッサ801は、決済終了コマンドを、携帯情報端末50に宛てて通信インターフェース804からネットワーク200へと送信する。ここで送信される決済終了コマンドは、上述のように受信された決済終了コマンドであっても良いし、別の決済終了コマンドであっても良い。この決済終了コマンドは、ネットワーク200、ルータ60、LAN70および中継器30を介して携帯情報端末50に伝送される。このように決済終了コマンドが携帯情報端末50へと伝送されると、携帯情報端末50の無線ユニット506が、この決済終了コマンドを受信する。無線ユニット506は、決済終了コマンドを受信した旨をプロセッサ501に通知する。
Act41においてプロセッサ801は、通信インターフェース804により受信された決済終了コマンドに含まれた電子レシートフラグがセット状態であるか否かを確認する。そしてプロセッサ801は、電子レシートフラグがセット状態であるならためにYESと判定したならば、Act42へと進む。
Act42においてプロセッサ801は、電子レシートデータを生成し、電子レシートサーバ90へと送信する。具体的にはプロセッサ801は、所要の情報を、予め定めた形式で記述したデータとして電子レシートデータを作成する。電子レシートデータに含める情報は、決済処理の対象となる商品取引ファイル810に示されたセルフ登録IDおよび商品名などの情報である。また電子レシートデータに含める情報は、通信インターフェース804により受信された決済終了コマンドに含まれた結果データに示された情報である。上記の形式としては、例えばXML(extensible markup language)形式またはCSV(comma-separated values)形式などが適用できる。そしてプロセッサ801は、電子レシートデータを、電子レシートサーバ90に宛てて通信インターフェース804からネットワーク200へと送信する。電子レシートデータは、ネットワーク200を介して電子レシートサーバ90に伝送される。
かくしてセルフ登録サーバプログラムP81に基づく制御処理をプロセッサ801が実行することによって、プロセッサ801を中枢部分とするコンピュータは生成手段および第3の通知手段として機能する。
プロセッサ801は、電子レシートデータを送信し終えたならば、Act43へと進む。なおプロセッサ801は、電子レシートフラグがセット状態では無いためにAct41にてNOと判定したならば、Act42をパスしてAct43へと進む。
Act43においてプロセッサ801は、処理対象の商品取引ファイル810を取引ファイル領域W82から削除する。ただしプロセッサ801は、取引ファイル領域W82から削除した商品取引ファイル810を、補助記憶デバイス803に確保された履歴領域に保存してもよい。
以上で、プロセッサ801は、セルフ登録サーバプログラムP81に基づく処理を終了する。
さて、POS装置10,20においてプロセッサ101が図13に示す処理を実行している間は、携帯情報端末50においてプロセッサ501は図10中のAct12の待ち受け状態である。プロセッサ501は、支援サーバ80から上記のように送信された決済終了コマンドが、無線ユニット506により受信され、その旨が通知されると、Act12でYESと判定することになる。プロセッサ101はAct13へと進むが、受信されたデータが商品販売データではないから、Act13にてNOと判定してさらにAct15へと進む。
Act15においてプロセッサ501は、受信されたデータが決済終了コマンドであるか否かを確認する。そしてプロセッサ501は、上記のように決済終了コマンドが受信されたのであるならばYESと判定し、Act16へと進む。なおプロセッサ501は、受信されたデータが商品販売データおよび決済終了コマンドのいずれでも無いならば、Act15でNOと判定し、受信されたデータに応じた処理に移行する。
Act16においてプロセッサ501は、タッチパネル504における登録画面の表示を消去する。
以上で、プロセッサ501は、セルフ登録端末プログラムP51に基づく処理を終了する。
電子レシートサーバ90が電子レシートサービスのサービスを提供すべき状態にあるとき、プロセッサ901は電子レシートサーバプログラムP91に基づく処理を実行する。
図14は電子レシートサーバプログラムP91に基づくプロセッサ901の処理の流れ図である。
Act71においてプロセッサ901は、電子レシートデータが受信されたか否かを確認する。前述のように支援サーバ80から送信された電子レシートデータが電子レシートサーバ90へと伝送されると、この電子レシートデータを通信インターフェース904が受信する。通信インターフェース904は、電子レシートデータをメインメモリ902に書き込むとともに、その旨をプロセッサ901に通知する。そしてプロセッサ901は、上記の通知が無いならば、Act71にてNOと判定し、Act71を繰り返す。つまりプロセッサ901はAct71において、電子レシートデータが受信されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ901は、電子レシートデータを受信したことが通信インターフェース904から通知されたならば、Act71でYESと判定し、Act72へと進む。
ところで、電子レシートサーバ90へは、商品販売データ処理システム100に含まれるのとは別のPOS装置(以下、システム外POS装置と称する)から、電子レシートサーバ90に宛てて電子レシートデータが送信されても良い。システム外POS装置は、電子レシートデータに、セルフ登録IDに代えて電子レシートIDを含める。またPOS装置10,20が、システム外POS装置の上記の機能を兼ね備えていても良い。つまりPOS装置10,20は、POS装置10,20での商品登録などに基づく通常の商取引処理に関する電子レシートデータを電子レシートサーバ90へ宛てて送信する機能を兼ね備えていても良い。このため、電子レシートサーバ90に送られてくる電子レシートデータには、セルフ登録IDが含まれるものと、電子レシートIDが含まれるものとが混在する。
Act72においてプロセッサ901は、受信された電子レシートデータにセルフ登録IDが含まれているか否かを確認する。そしてプロセッサ901は、セルフ登録IDが含まれるためにYESと判定したならば、Act73へと進む。
Act73においてプロセッサ901は、当該セルフ登録IDを電子レシートIDに変換する。プロセッサ901は具体的には、電子レシートデータに含まれているセルフ登録IDをキーとして補助記憶デバイス903の連携テーブル領域W92に格納された連携テーブル920を検索する。そしてプロセッサ901は、この検索でヒットしたデータレコードに含まれた電子レシートIDを変換後のIDとする。
プロセッサ901はこののち、Act74へと進む。なおプロセッサ901は、受信された電子レシートデータに電子レシートIDが含まれているためにAct75でNOと判定したならば、Act73をパスしてAct74へと進む。
Act74においてプロセッサ901は、電子レシートIDを含んだ電子レシートデータを、電子レシート領域W91に保存する。
以上で、プロセッサ901は、電子レシートサーバプログラムP91に基づく処理を終了する。
かくして補助記憶デバイス903は第2の記憶デバイスとして機能する。また電子レシートサーバプログラムに基づく制御処理をプロセッサ901が実行することによって、プロセッサ901を中枢部分とするコンピュータは書込手段および置換手段として機能する。
電子レシートサーバ90は、携帯情報端末50を含む任意の情報端末(閲覧端末)からネットワーク200を介してレシートの閲覧が要求された場合には、その情報端末でレシートを閲覧可能とする。このときの電子レシートサーバ90での動作は、既存の電子レシートサーバにて行われているのと同様な動作で良い。一例としてプロセッサ901は、次のように処理する。プロセッサ901は、電子レシートIDを利用して閲覧者を認証する。プロセッサ901は、電子レシート領域W91に記憶された電子レシートデータ910のうちで閲覧者の電子レシートIDを含んだものを、予め定められたルールに従って1つ選択する。上記ルールは例えば、「保存日時が最新」などとすることが想定される。プロセッサ901は、選択した電子レシートデータ910に基づいて、レシート閲覧画面を表した画面ファイルを、例えばHTML(hypertext markup language)を利用して作成する。プロセッサ901は、作成した画面ファイルを、要求元の情報端末に宛ててネットワーク200に送信する。情報端末では、例えば汎用のブラウザなどにより画面ファイルが表すレシート閲覧画面を表示する。なおプロセッサ901は、情報端末からの要求に応じて選択する電子レシートデータ910を変更し、上記の処理を繰り返す。
なお、レシート閲覧画面を表示のための処理は、そのための専用のアプリケーションプログラムに基づくものであっても良い。
このように、本実施形態の商品販売データ処理システム100では、電子レシートデータの作成を支援サーバ80にて行うことができる。このため、電子レシートサービスが利用されるならば、登録処理を行う支援サーバ80から決済処理を行うPOS装置10,20に対して、個々の購買商品に関する情報を通知する必要がない。この結果、支援サーバ80とPOS装置10,20との間のデータ通信量を減少できるとともに、POS装置10,20の処理負担を軽減できる。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
商品販売データ処理システム100は、小売店での物品の販売に関する処理への適用には限定されず、役務の有料提供に関する処理への適用も可能である。つまり、「商品」とは、物品の他に、役務も含む。また「購買者」とは、物品を購買する人の他に、有料提供される役務を受ける人を含む。
例えば、支援サーバ80と電子レシートサーバ90とを同一の企業が運営する場合などにおいては、電子レシートIDおよびセルフ登録IDに代えて、共通の購買者コードを用いても良い。そしてこの場合には、連携テーブル920を不要とできるとともに、図14におけるAct72およびAct73の処理を省略できる。
POS装置10,20に代えて、あるいはPOS装置10,20に加えて、キャッシュレジスタや、決済機能のみを備えた装置などのような他の種類の装置を用いても良い。
電子レシートサーバ90の機能を、支援サーバ80に持たせても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本発明が解決しようとする課題は、登録処理を行う装置から決済処理を行う装置に対して、個々の購買商品に関する情報を通知することを必須としない商品販売データ処理システム、決済装置、商品販売データ処理方法および制御プログラムを提供することである。
プロセッサ901は、電子レシートサービスによるサービスを提供すべき状態にあるときには、電子レシートサーバプログラムP91に基づく処理を繰り返し実行する。プロセッサ901の電子レシートサーバプログラムP91に基づく処理は、携帯情報端末50でのセルフ登録端末プログラムP51に基づくプロセッサ501の処理と連動して、電子レシートの閲覧サービスを支援する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 決済装置および支援装置を含み、
前記支援装置に設けられた第1の記憶デバイスと、
前記支援装置に設けられ、情報端末から入力された商品コードで特定される商品の商品データを、前記商品の購買者を識別する購買者コードと関連付けて前記第1の記憶デバイスに蓄積記憶させる蓄積手段と、
前記支援装置に設けられ、前記情報端末から入力された決済装置コードで特定される前記決済装置に対し、前記第1の記憶デバイスに蓄積記憶された前記商品データで特定される前記商品に関する商取引を決済するための決済データを通知する第1の通知手段と、
前記決済装置に設けられ、前記第1の通知手段により通知された前記決済データに基づいて商取引を決済するための決済処理を行う決済手段と、
前記決済装置に設けられ、前記決済データを通知した前記第1の通知手段を備えた前記支援装置に対して、前記決済手段により行われた決済処理の結果に関する結果データを通知する第2の通知手段と、
前記支援装置に設けられ、前記第2の通知手段により通知された前記結果データと前記第1の記憶デバイスに蓄積記憶された商品データとに基づいて、商取引の内容を表すとともに前記購買者コードを含んだ電子レシートデータを生成する生成手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売データ処理システム。
[付記2] 蓄積装置を更に含み、
前記支援装置に設けられ、前記蓄積装置に対して、前記生成手段により生成された前記電子レシートデータを通知する第3の通知手段と、
前記蓄積装置に設けられた第2の記憶デバイスと、
前記蓄積装置に設けられ、前記第3の通知手段により通知された前記電子レシートデータを前記第2の記憶デバイスへと書き込む書込手段と、
をさらに具備することを特徴とする付記1に記載の商品販売データ処理システム。
[付記3] 前記第2の記憶デバイスは、前記支援装置で提供されるサービスの利用者としての前記購買者を識別する第1の識別コードと、前記蓄積装置で提供されるサービスの利用者としての前記購買者を識別する第2の識別コードとを関連付けて記憶し、
前記生成手段は、前記第1の識別コードを前記購買者コードとして前記電子レシートデータに含め、
前記蓄積装置はさらに、前記第3の通知手段により通知された前記電子レシートデータに前記購買者コードとして含まれた前記第1の識別コードを、当該第1の識別コードに関連付けて前記記憶デバイスに記憶された第2の識別コードに置換する置換手段をさらに備え、
前記書込手段は、前記置換手段により前記購買者コードが書き換えられた後の前記電子レシートデータを前記第2の記憶デバイスに書き込む、
ことを特徴とする付記2に記載の商品販売データ処理システム。
[付記4] 通知された決済データに基づいて商取引を決済するための決済処理を行う決済手段と、
前記決済データの通知元に対して、前記決済手段により行われた決済処理の結果に関する結果データを通知する第2の通知手段と、
を備えた決済装置とともに商品販売データ処理システムを構成する支援装置であって、
第1の記憶デバイスと、
情報端末から入力された商品コードで特定される商品の商品データを、前記商品の購買者を識別する購買者コードと関連付けて前記第1の記憶デバイスに蓄積記憶させる蓄積手段と、
前記情報端末から入力された決済装置コードで特定される前記決済装置に対し、前記第1の記憶デバイスに蓄積記憶された前記商品データで特定される前記商品に関する商取引を決済するための決済データを通知する第1の通知手段と、
前記第2の通知手段により通知された前記結果データと前記第1の記憶デバイスにより蓄積記憶された商品データとに基づいて、商取引の内容を表すとともに前記購買者コードを含んだ電子レシートデータを生成する生成手段と、
を具備したことを特徴とする支援装置。
[付記5] 前記商品販売データ処理システムは、
第2の記憶デバイスと、
通知された電子レシートデータを前記第2の記憶デバイスへと書き込む書込手段と、を具備した蓄積装置を更に含み、
前記蓄積装置に対して、前記生成手段により生成された前記電子レシートデータを通知する第3の通知手段、
をさらに備えることを特徴とする付記4に記載の支援装置。
[付記6] 通知された決済データに基づいて商取引を決済するための決済処理を行う決済手段と、
前記決済データの通知元に対して、前記決済手段により行われた決済処理の結果に関する結果データを通知する第2の通知手段と、
を備えた決済装置とともに商品販売データ処理システムを構成するとともに、第1の記憶デバイスを備えている支援装置を制御するコンピュータを、
情報端末から入力された商品コードで特定される商品の商品データを、前記商品の購買者を識別する購買者コードと関連付けて前記第1の記憶デバイスに蓄積記憶させる蓄積手段と、
前記情報端末から入力された決済装置コードで特定される前記決済装置に対し、前記第1の記憶デバイスに蓄積記憶された前記商品データで特定される前記商品に関する商取引を決済するための決済データを通知する第1の通知手段と、
前記第2の通知手段により通知された前記結果データと前記第1の記憶デバイスにより蓄積記憶された商品データとに基づいて、商取引の内容を表すとともに前記購買者コードを含んだ電子レシートデータを生成する生成手段と、
して機能させるための制御プログラム。