JP2019148410A - 潜熱処理モジュール、外気処理装置及び空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】潜熱を処理する外気処理装置および潜熱処理モジュールを小型化する。【解決手段】潜熱処理モジュール32は、潜熱処理を行った処理空気を給気するものであり、潜熱処理前の処理空気を顕熱交換により冷却する蒸発器201と、潜熱処理後であって給気される前の処理空気を顕熱交換により加熱する凝縮器202とが、当該蒸発器201と当該凝縮器202との間で冷媒が循環するように接続された顕熱交換器200と、蒸発器201により冷却された処理空気の潜熱処理を行う空気熱交換器104と、を有し、蒸発器201と凝縮器202とは、冷媒が自然循環するように配設され、蒸発器201、空気熱交換器104および凝縮器202は、斜め上方に向けてこの順で並べて配置される。【選択図】図4

Description

本発明は、潜熱処理モジュール、外気処理装置及び空調システムに関する。
地球温暖化対策の一環として、建築で消費されるエネルギーの省力化であるZEB化(Zero Energy Building)が急務となっている。ZEBは、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化の実現、特に再生可能エネルギーの導入により年間一次エネルギーの消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物のことを指し、特に省エネルギー性能指標(設計一次エネルギー消費量と基準一次エネルギー消費量との比)が0.5以下となる建築物のことをZEB−Readyと呼ぶ。
例えば一般事務所ビルにおいては、年間空調負荷の約76%は冷房負荷が占めており、この冷房負荷には除湿に必要な潜熱分の冷房負荷と冷却に必要な顕熱分の冷房負荷とがある。また、年間平均冷房負荷のうち約20%が外気負荷、約80%が室内負荷である。さらに、冷房の際の運転効率を上げるには、熱交換器の冷媒蒸発温度を上げる必要があるが、冷媒蒸発温度を上げると潜熱処理量が不足してしまう。そこで、室内機側には冷媒蒸発温度を高くして顕熱を処理させると共に、外気処理装置では主に、冷媒蒸発温度を下げる必要がある潜熱処理を行わせる潜顕分離システムが考えられており、そのようなシステムに適した外気処理装置の開発が進められている。
潜熱を処理する外気処理装置としては、例えば特許文献1のものがある。特許文献1の外気処理装置は、縦方向に設置された空気ダクト内に、第1熱交換器、第2熱交換器、第3熱交換器が鉛直方向に並べて設けられている。この外気処理装置では、冷房の際、空気ダクトに導入された空気は、蒸発器としての第1熱交換器と熱交換して予冷され、第2熱交換器にて冷却されて除湿され、すなわち潜熱が処理される。その後、空気は、凝縮器としての第3熱交換器により所定の温度まで加熱されて、必要な場所に送られる。また、この外気処理装置では、蒸発器としての第1熱交換器と凝縮器としての第3熱交換器とで用いられる冷媒が、ヒートパイプ作用により、すなわち相変化により、両者の間を自然循環する。
また、特許文献2には、外気を潜熱処理する外気処理装置内において、凝縮器と蒸発器との間でポンプにより冷媒を循環させることが開示されている。この特許文献2の外気処理装置は、ポンプにより冷媒を循環させるため、余剰となった冷媒を一時的に貯留するレシーバタンクや、冷媒による液溜まりを形成するトラップ等を有している。
特開平7−233968号公報 特開2015−194304号公報
特許文献1に記載の外気処理装置は、特許文献2のようにポンプを用いる場合に比べて、当該ポンプ、レシーバタンク、トラップ等が不要であるため、小型化を図れるものの、予冷用の蒸発器、除湿用の熱交換器、再熱用の凝縮器が鉛直方向に並べて設けられているため、高さ方向の寸法が大きい。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、潜熱を処理する外気処理装置および当該外気処理装置に用いられる潜熱処理モジュールを小型化し、当該外気処理装置を用いたより高効率な空調システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、外気を含む処理空気に対し潜熱処理を行い該潜熱処理後の処理空気を給気する潜熱処理モジュールであって、潜熱処理前の処理空気を顕熱交換により冷却する蒸発器と、潜熱処理後であって給気される前の処理空気を顕熱交換により加熱する凝縮器とが、当該蒸発器と当該凝縮器との間で冷媒が循環するように接続された顕熱交換器と、前記蒸発器により冷却された処理空気の潜熱処理を行う熱交換器と、を有し、前記蒸発器と前記凝縮器は、前記蒸発器で気化した冷媒が密度差により前記凝縮器に流れ、前記凝縮器で凝縮した冷媒が高低差により前記蒸発器に流れることで冷媒が循環するように配設され、前記蒸発器、前記熱交換器および前記凝縮器は、斜め上方に向けてこの順で並べて配置されることを特徴としている。
本発明によれば、潜熱処理モジュールの顕熱交換器において、蒸発器で蒸発して気体となった冷媒は、その密度差によって自然拡散することで凝縮器に移動し、凝縮器で凝縮して液体となった冷媒は、高低差すなわち重力により蒸発器に移動する。すなわち外部からの動力を必要とせず、当該顕熱交換器内で冷媒を自然循環させることができる。そのため、ポンプを用いて冷媒を循環させる場合に比べて、潜熱処理モジュールを小型化することができる。また、本発明によれば、前記蒸発器、熱交換器および凝縮器は、斜め上方に向けてこの順で並べて配置されているため、これらを鉛直方向に下からこの順で配置されている場合に比べて、蒸発器と熱交換器との間の距離及び熱交換器と凝縮器との間の距離を縮めずに、潜熱処理モジュールの装置高さを低くし、潜熱処理モジュールをコンパクトに構成することができる。
前記蒸発器および前記凝縮器は、それぞれ、水平面に対する角度が0°より大きく90°未満となるように、傾けて設けられていてもよい。
前記蒸発器は、当該蒸発器の上端の高さが前記凝縮器の下端の高さと一致する位置から所定の範囲内に配置されていてもよい。
前記蒸発器および前記凝縮器は、前記気化した冷媒が流れる配管および前記凝縮した冷媒が流れる配管に連通する2本のヘッダをそれぞれ有し、
該2本のヘッダ同士を接続する複数の冷媒管が、側面視において鉛直となるように配置されていてもよい。
前記熱交換器において処理空気と熱交換する他の冷媒を圧縮し、当該熱交換器と共にヒートポンプを構成する圧縮機をさらに有していてもよい。
前記熱交換器の出口における露点温度を算出するための温度センサおよび湿度センサ、並びに、前記熱交換器の中を流れる前記他の冷媒の温度を検知する温度センサ、の少なくともいずれかを有し、算出された露点温度または検知された前記他の冷媒の温度に基づいて、前記圧縮機の運転周波数を制御してもよい。
前記熱交換器と、前記熱交換器において処理空気と熱交換する他の冷媒と熱源との間で熱交換を行う熱源熱交換器とを有する冷媒回路と、前記冷媒回路内で前記他の冷媒を循環させる圧縮機と、前記圧縮機から前記冷媒回路へ流れる冷媒の流動方向を切り替える四方弁と、をさらに有し、前記冷媒回路は、処理空気の流れ方向における前記顕熱交換器より下流側に配設され、前記他の冷媒と処理空気の間で熱交換を行う他の熱交換器を有していてもよい。
処理空気の流れ方向における前記顕熱交換器の凝縮器と前記他の熱交換器との間に、加湿器を有していてもよい。
前記冷媒回路は、前記他の冷媒を減圧する膨張弁として、前記熱交換器と接続された第1の膨張弁、前記他の熱交換器に接続された第2の膨張弁、および、前記熱源熱交換器に接続された第3の膨張弁とを有し、前記冷媒回路は、前記他の熱交換器と前記第2の膨張弁と第1の膨張弁と前記熱交換器がこの順で直列に接続された配管系統、および、前記熱源熱交換器と前記第3の膨張弁と前記第1の膨張弁と前記熱交換器がこの順で直列に接続された配管系統が、圧縮機101に対して並列に接続されると共に、前記他の熱交換器は前記第2の膨張弁を介して、前記第1の膨張弁と前記第3の膨張弁との間に接続されていてもよい。
前記第3の膨張弁の開度は、前記第1の膨張弁へ流れる前記他の冷媒の温度が、前記熱源熱交換器としての水熱交換器に供給される熱源水の温度に応じた温度になるように制御されてもよい。
前記他の熱交換器と、前記他の冷媒と熱源との間で熱交換を行う他の熱源熱交換器とを有し、前記圧縮機により前記他の冷媒が循環される他の冷媒回路と、
前記圧縮機から前記他の冷媒回路へ流れる冷媒の流動方向を切り替える他の四方弁と、を有していてもよい。
前記他の熱交換器と、前記他の冷媒と熱源との間で熱交換を行う他の熱源熱交換器とを有し、前記圧縮機により前記他の冷媒が流動方向一定で循環される他の冷媒回路とを有していてもよい。
別な観点による本発明は、少なくとも1以上の上記潜熱処理モジュールを有する外気処理装置である。
さらに別な観点による本発明は、少なくとも1以上の上記潜熱処理モジュールと、少なくとも1以上の顕熱処理モジュールと、を有し、該顕熱処理モジュールは、処理空気を冷却する熱交換器と、該熱交換器において処理空気と熱交換する別の冷媒を圧縮し、当該熱交換器と共にヒートポンプを構成する圧縮機と、を有する外気処理装置である。
前記外気処理装置は、当該外気処理装置により処理される前の処理空気の露点および絶対湿度を算出するための吸込温度センサおよび吸込湿度センサをさらに有し、前記吸込温度センサおよび前記吸込湿度センサでの検知結果に基づいて算出された露点および絶対湿度に基づいて、当該外気処理装置内の圧縮機の運転周波数の制御および当該外気処理装置内のモジュールの動作台数の制御の少なくともいずれかを行うようにしてもよい。
前記外気処理装置は、当該外気処理装置により処理された後の処理空気の露点および絶対湿度を算出するための給気温度センサおよび給気湿度センサをさらに有し、前記給気温度センサおよび前記給気湿度センサでの検知結果に基づいて、当該外気処理装置内の圧縮機の運転周波数の制御および当該外気処理装置内のモジュールの動作台数の制御の少なくともいずれかを行うようにしてもよい。
当該外気処理装置内の各モジュールが有するヒートポンプは熱源水を用いる水熱源ヒートポンプであり、当該外気処理装置内の運転を停止したモジュールの台数に応じて当該外気処理装置内のモジュールに対して供給する熱源水の流量を減らすようにしてもよい。
さらに別な観点による本発明は、上記外気処理装置と、冷媒との熱交換により室内への給気の顕熱を処理する室内機と、水を熱源として前記室内機で用いられる冷媒の温度調節を行う熱源機と、室内からの排気と屋外から取り込んだ外気とを熱交換させる全熱交換器と、を備える空調システムである。
さらに別な観点による本発明は、上記外気処理装置と、冷媒との熱交換により室内への給気の顕熱を処理する室内機と、水を熱源として前記室内機で用いられる冷媒の温度調節を行う熱源機と、前記外気処理装置の潜熱処理モジュールに供給する処理空気をあらかじめ温度調節するファンコイルと、を備え、前記外気処理装置、前記熱源機および前記ファンコイルに供給される水は、密閉式冷却塔および空冷ヒートポンプチラーの少なくともいずれかから供給される空調システムである。
さらに別な観点による本発明は、上記外気処理装置と、熱源水との熱交換により室内への給気の温度を調節する水熱源室内機と、室内からの排気と屋外から取り込んだ外気とを熱交換させる全熱交換器と、を備え、前記外気処理装置および前記水熱源室内機に供給される熱源水は、冷却塔および温水ボイラの少なくともいずれかから供給される空調システムである。
さらに別な観点による本発明は、上記外気処理装置と、供給風量を室内負荷に応じて調節して室内に給気する可変風量ユニットと、室内からの排気と屋外から取り込んだ外気とを熱交換させる全熱交換器と、を備える空調システムである。
本発明によれば、潜熱処理モジュールおよび当該潜熱処理モジュールを搭載する外気処理装置を小型化することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる空調システムを導入した建物の全体構成の一例を示した説明図である。 図1の空調システムの一部を拡大して示した説明図である。 外気処理装置の構成の概略を示す説明図である。 潜熱処理モジュールの構成の概略を示す説明図である。 蒸発器の構成の概略を示す説明図である。 他の例にかかる潜熱処理モジュールの構成の概略を示す説明図である。 図3の外気処理装置の冷房運転時の空気線図である。 第1の実施形態にかかる空調システムの暖房運転時の空気線図である。 本発明の第2の実施形態にかかる空調システムを導入した建物の一部の構成の概略を模式的に示した説明図である。 顕熱処理モジュールの構成の概略を示した説明図である。 第2の実施形態にかかる空調システムの冷房運転時の空気線図である。 第2の実施形態にかかる空調システムの暖房運転時の空気線図である。 本発明の第3の実施形態にかかる空調システムを導入した建物の一部の構成の概略を模式的に示した説明図である。 本発明の第4の実施形態にかかる空調システムを導入した建物の一部の構成の概略を模式的に示した説明図である。 第4の実施形態にかかる空調システムの冷房運転時の空気線図である。 第4の実施形態にかかる空調システムの暖房運転時の空気線図である。 他の例にかかる顕熱交換器の構成の概略を示す説明図である。 顕熱交換器の好適な構成を検討するために行った実験方式の説明図である。 本発明の第5の実施形態にかかる空調システムに用いられる潜熱処理モジュールの構成の概略を示す説明図である。 潜熱処理モジュール500が暖房運転を行っている状態を示す図である。 第1〜第3の膨張弁の開度を適切に制御するために本発明者らが行った実験結果を示す図である。 本発明者らが行った試験の結果であって、第1の膨張弁入口温度センサで測定された冷媒の温度の平均値と、熱源水の温度との関係を示す図である。 本発明の第5の実施形態にかかる空調システムの通常冷房運転時の空気線図である。 本発明の第5の実施形態にかかる空調システムの通常冷房運転時の空気線図である。 本発明の第5の実施形態にかかる空調システムの低負荷冷房運転時の空気線図である。 本発明の第5の実施形態にかかる空調システムの冷房加湿運転時の空気線図である 本発明の第5の実施形態にかかる空調システムの冷房運転モード時の制御例を説明するフローチャートである。 本発明の第5の実施形態にかかる空調システムの冷房運転モード時の制御例を説明するフローチャートである。 本発明の第5の実施形態にかかる空調システムの冷房運転モード時の制御例を説明するフローチャートである。 冷房運転モード時に取得される情報の一部を空気線図上に表したものである。 本発明の第5の実施形態にかかる空調システムの暖房運転時の空気線図である。 本発明の第5の実施形態にかかる空調システムの暖房運転モード時の制御例を説明するフローチャートである。 本発明の第6の実施形態にかかる空調システムに用いられる潜熱処理モジュールの構成の概略を示す説明図である。 本発明の第7の実施形態にかかる空調システムに用いられる潜熱処理モジュールの構成の概略を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
<空調システムの構成>
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる空調システムを適用した建物の全体的な構成の一例を示す説明図である。図2は、図1の空調システムの一部を拡大して示した説明図である。
図1の建物1の内部には、例えば2つの空調対象空間10、11が形成されている。各空調対象空間10、11の上部の天井空間には、後述の外気処理装置3で処理された給気と各空調対象空間10、11からの吸込み空気をミキシングして処理し、室内に供給する高顕熱室内機2がそれぞれ設けられており、図の例では、各空調対象空間10、11に対して、それぞれ2台の高顕熱室内機2が設けられている。なお、空調対象空間の数や空調対象空間に設けられる高顕熱室内機2の数は任意に選択できる。
各空調対象空間10、11に隣接する機械室12、13には、取り込んだ外気を含む処理空気を処理して高顕熱室内機2に供給する外気処理装置3と、熱源機4がそれぞれ設けられている。なお、以下では、空調対象空間10および機械室12について主として説明し、空調対象空間11および機械室13における構成は空調対象空間10および機械室12と同様であるため、その説明を省略する。
建物1の屋上には、外気処理装置3および熱源機4に熱源水を供給する、例えば密閉冷却塔、補助熱源(ボイラ)、あるいは空冷ヒートポンプ等の熱源水供給部5が設けられている。熱源水供給部5は、供給する熱源水の加熱および冷却を行うことが可能なように構成され、任意の温度で熱源水を供給することができる。なお、熱源水供給部5の数や配置は任意に選択でき、例えば熱源水供給部5を屋上に2台設置することで、それぞれ異なる温度で熱源水を供給できるように構成してもよい。
図2に示すように、機械室12には全熱交換器6が設けられている。全熱交換器6は、空調対象空間10の上部の天井空間から送られる排気を内部に取り入れ、熱交換によって外気から熱回収することにより、外気の温度と室内温度との差を小さくする。
外気処理装置3はフィルター31、複数の潜熱処理モジュール32、送風機33を内部に有している。それぞれの潜熱処理モジュール32には、熱源水供給部5との間で熱源水を循環させるための熱源水配管51、51´が接続されている。
外気処理装置3は、処理空気としての、全熱交換器6によって熱回収後の外気を、温度調節すると共に湿度調節し、送風機33によって高顕熱室内機2に供給する。
熱源機4には、外気処理装置3と同様に、熱源水供給部5との間で熱源水を循環させるための熱源水配管51、51´が接続されている。また、熱源機4には高顕熱室内機2との間で冷媒ガスを循環させるための冷媒配管21、21´が接続されている。熱源機4は、熱源水と冷媒ガスの熱交換を行うことで冷媒ガスの温度調節を行い、温度調節された冷媒ガスを高顕熱室内機2に供給する。
高顕熱室内機2は、冷媒蒸発温度が高く設定された高顕熱型の室内機である。高顕熱室内機2には、外気処理装置3により温度調節および湿度調節された処理空気すなわち給気が供給されると共に、熱源機4により温度調節された冷媒ガスが供給され、また、空調対象空間10からの還気が取り込まれる。高顕熱室内機2は、外気処理装置3から供給された給気を、冷媒ガスおよび還気によって温度調節を行った後、空調対象空間10に供給する。
なお、本実施形態の空調システムでは、潜熱の空調負荷は外気処理装置3で処理を行い、顕熱の空調負荷は主として高顕熱室内機2で処理を行う、いわゆる潜熱顕熱分離空調方式を採用している。
<空調システムの動作>
次に、以上のように構成された空調システムにおける、外気が取り込まれてから排出されるまでの動作を説明する。なお、以下の例では、空調システムを用いて空調対象空間10の冷房を行うものとする。
外気は、建物1の外壁に設けられた給気口から建物内へ取り込まれる。取り込まれた外気は、導入ダクト61を介して全熱交換器6へと導入され、例えば余剰排気と熱交換されることにより冷却される。
全熱交換器6によって冷却された外気は、続いて導入ダクト62を通じて外気処理装置3へと導入される。外気処理装置3に導入された外気すなわち処理空気は、フィルター31によって塵などの不純物が除去される。次に、潜熱処理モジュール32によって必要な潜熱を処理することで、冷却されると共に除湿される。冷却/除湿された処理空気は、送風機33によって給気として外気処理装置3の外部の給気ダクト63へと送風される。
外気処理装置3によって冷却/除湿された給気は、給気ダクト63を通じて高顕熱室内機2へと導入される。外気処理装置3からの給気は、高顕熱室内機2において、空調対象空間10の吸込空気とミキシングされた後、必要な顕熱が処理され、温度調節される。
高顕熱室内機2において温度調節された給気は、当該高顕熱室内機2の送風口(図示せず)から、空調対象空間10へと給気される。なお、空調対象空間10は高顕熱室内機2からの給気によりやや正圧気味になるように制御される。
空調対象空間10内に供給された給気の一部は、例えばトイレや湯沸し室等に接続された排気ダクト64を通じて、建物1の外部へと排出される。またトイレや湯沸し室等から排気されない余剰排気は、高顕熱室内機2の吸込口(図示せず)から天井空間へと導かれ、天井空間に設けられた他の排気ダクト65を通じて、全熱交換器6に導入され、新たに建物1の外部から取り込まれた外気と熱交換されることにより冷却され、建物1の外部へと排出される。以上が、建物1の内部における一連の空調システムの動作である。
以上のように、本空調システムにおいては顕熱空調負荷を室内機で処理し、外気処理装置3で除湿、すなわち潜熱処理を行う潜熱顕熱分離空調方式を採用している。そのため、冷媒の蒸発温度が高い高顕熱室内機2を使用することができ、室内機の効率が上昇する。これにより、空調システム全体における消費エネルギーの削減を行うことができる。
<外気処理装置の構成>
次に、外気処理装置3の構成について、図3を参照して説明する。図3は、外気処理装置3の構成の概略を示した説明図である。
外気処理装置3には、図3に示すように、前述したフィルター31、潜熱処理モジュール32、送風機33の他に、吸込温度センサ34、吸込湿度センサ35、給気温度センサ36、給気湿度センサ37が設けられている。なお、潜熱処理モジュール32は、空調対象空間10の必要潜熱空調負荷に応じた台数が、例えば段重ねに設けられている。
また、潜熱処理モジュール32に接続されている熱源水配管51には、熱源水を送出するためのポンプ32a、潜熱処理モジュール32に送られる熱源水の入口温度を測定する水入口温度センサ32bが設けられている。熱源水配管51´には、出口温度を測定する水出口温度センサ32d、熱源水の流量を制御するための比例二方弁32eが設けられている。さらに、熱源水配管51´には、各潜熱処理モジュール32の個別作動制御を行うための電磁弁32cが各潜熱処理モジュール32に対して1つずつ設けられている。外気処理装置3への熱源水の流量の制御は、ポンプ32a、電磁弁32c、比例二方弁32eを制御することで行うことができる。
<潜熱処理モジュール32の構成>
図4は、潜熱処理モジュール32の構成の概略を示す説明図である。図5(a)は、蒸発器201の構成の概略を模式的に示す斜視図、図5(b)は後述の蒸発冷媒管の構成を簡易的に示した概略図である。
潜熱処理モジュール32は、処理空気に対して潜熱処理を行い、該潜熱処理後の処理空気を給気するものである。この潜熱処理モジュール32は、図4に示すように、除湿される前の処理空気を顕熱交換により冷却する蒸発器201と除湿後の処理空気を顕熱交換により加熱する凝縮器202とが両者の間で冷媒が循環するように接続された顕熱交換器200と、蒸発器201により冷却された処理空気の潜熱処理を行う熱交換器として空気熱交換器104を有する水熱源ヒートポンプとを有する。また、潜熱処理モジュール32は、空気熱交換器104によって除湿された外気の温度、湿度を計測するための空気熱交換器出口温度センサ300と、空気熱交換器出口湿度センサ301とを有する。
水熱源ヒートポンプ100は、空気熱交換器104の他に、空気熱交換器104において熱交換に用いられた冷媒を圧縮する圧縮機101、熱源水配管51から供給された熱源水との熱交換により、圧縮機101からの高圧ガス冷媒を凝縮させる水熱交換器102、該水熱交換器102からの高圧液冷媒を減圧させる膨張弁103とを有する。そして、空気熱交換器104が、減圧された液冷媒を処理空気との熱交換により蒸発させ、当該処理空気の除湿を行う。また、水熱源ヒートポンプ100において、圧縮機101、水熱交換器102、膨張弁103、空気熱交換器104は冷媒がこの順で循環するようにそれぞれ配管で接続されている。なお、水熱源ヒートポンプ100を構成する配管系の途中には、冷暖房運転の切り替えを行うための四方弁106が設けられている。
言い換えると、水熱源ヒートポンプ100は、顕熱交換器200内を循環する冷媒とは異なる他の冷媒と処理空気との間で熱交換を行う空気熱交換器104と、上記他の冷媒と熱源水との間で熱交換を行う熱源熱交換器としての水熱交換器102とを有する冷媒回路110を有する。そして、水熱源ヒートポンプ100は、冷媒回路110内で上記他の冷媒を循環させる圧縮機101と、上記他の冷媒を減圧する膨張弁103と、冷房運転時と暖房運転時とで圧縮機から冷媒回路110へ流れる冷媒の流動方向を切り替える四方弁106と、をさらに有する。また、冷媒回路110が、水熱交換器102、膨張弁103、空気熱交換器104がこの順で直列に接続された配管系統を有する。
なお、空気熱交換器104には、当該空気熱交換器104内を流れる冷媒の温度を計測するための空気熱交換器温度センサ105が、例えばその内部中央に設けられている。
顕熱交換器200は、蒸発器201及び凝縮器202が顕熱交換を行うものであり、蒸発器201が、処理空気との熱交換により冷媒を蒸発させ、処理空気の冷却を行い、凝縮器202が、処理空気との熱交換により冷媒を凝縮させ、処理空気の再熱を行う。顕熱交換器200は、蒸発器201と凝縮器202とを接続する第1の配管203と第2の配管204とを有する。そして、蒸発器201で気化した冷媒が密度差により第1の配管203を介して凝縮器202に流れ、凝縮器202で凝縮した冷媒が高低差により第2の配管204を介して蒸発器201に流れることで冷媒が循環するように、蒸発器201と凝縮器202とが配設されている。
また、第1の配管203の配管径は第2の配管204の配管径よりも太くなるようにすることで、蒸発した第2の冷媒の圧力損失を低減するように構成されている。
なお、蒸発器201と、凝縮器202と、空気熱交換器104はそれぞれ熱交換のためのフィン201a、202a、104aを有する。
以上のような構成要素を有する潜熱処理モジュール32では、蒸発器201、空気熱交換器104、凝縮器202が、水平面に対して斜め上方に向けてこの順で並べられて配置されている。他の言い方をすれば、蒸発器201、空気熱交換器104、凝縮器202が、下流側が上流側より斜め上方に延伸する空気ダクト302に沿って、上流側からこの順に並べられて配置されている。
また、潜熱処理モジュール32では、蒸発器201、空気熱交換器104、凝縮器202が、水平面に対して斜めに設けられている。特に、蒸発器201、空気熱交換器104、凝縮器202は、それぞれのフィン201a、104a、202aの長辺が、空気ダクト302の延在方向と略直交するように、水平面に対して傾けて設けられている。なお、蒸発器201、空気熱交換器104及び凝縮器202は同方向に傾いている。
さらに、潜熱処理モジュール32では、蒸発器201の上端の高さが、凝縮器202の下端の高さと一致する位置から所定の範囲内に配置されている。上記一致する位置から所定の範囲内の位置とは、蒸発器201、空気熱交換器104、凝縮器202を鉛直方向に並べたときより潜熱処理モジュール装置高さが低くなると共に、蒸発器201と凝縮器202との間で冷媒が自然循環する位置である。なお、装置高さの観点のみから言えば、蒸発器201の上端が、凝縮器202の下端より高いことが好ましい。
また、潜熱処理モジュール32において、蒸発器201は、側面視において長辺と短辺をそれぞれ有するフィン201aを有する。フィン201aは、図5に示すように、側面視における奥行き方向(図5(b)の右側方向)に複数枚並べて配置される。さらに、蒸発器201は、第1の配管203と接続される蒸発用上ヘッダ201bと第2の配管204と接続される蒸発用下ヘッダ201cと、これらヘッダ201b、201cとを接続する複数の蒸発冷媒管201dを有する。蒸発用上ヘッダ201bと蒸発用下ヘッダ201cは、図4に示すように、フィン201aの上記長辺と同方向に傾けられている。また、蒸発冷媒管201dは、水平に延伸して複数のフィン201aを貫通する複数の長尺の水平管201dと、鉛直方向に延伸して水平管201dの端部同士を接続する複数の短尺の鉛直管201dとを有し、これら水平管201dと鉛直管201dにより、蛇腹構造を形成している。このように構成されることにより、蒸発冷媒管201dは、側面視において(図4の紙面に垂直な方向から視た場合において)、見かけ上鉛直に蒸発用上ヘッダ201bと蒸発用下ヘッダ201cを結ぶように構成されている。
なお、凝縮器202も蒸発器201と同様の構造を有しており、凝縮器202のフィン202a、凝縮用上ヘッダ202b、凝縮用下ヘッダ202c、凝縮冷媒管202dにより構成されている。
また、図4に示すように、蒸発器201と凝縮器202は、例えば蒸発器201が有する複数の蒸発冷媒管201dのうち最も上方に位置する蒸発冷媒管201dの上端が、凝縮器202が有する複数の凝縮冷媒管202dのうち最も下方に位置する凝縮冷媒管202dの下端と略一致するように配置される。
顕熱交換器200に封入される冷媒は、蒸発器201、第1の配管203、凝縮器202、第2の配管204が接続された状態で蒸発器201が満液となるように(図4における液位Bまで、すなわち、最も上方に位置する蒸発冷媒管201dの上端まで)封入される。
なお、冷媒を液位Bまで封入して顕熱交換器200の運転を開始した場合、封入した冷媒が蒸発して顕熱交換器200内に充満することにより平衡状態においては液面が液位Cまで降下する。蒸発器201の熱交換能力は、平衡状態において満液(液位B)となることにより最大効率で熱交換を行うことができるため、例えば封入時においては蒸発器201の満液ラインを超えて液位Aまで冷媒を封入し、顕熱交換器200の運転を開始した平衡状態において液位Bに保たれるようにしてもよい。
また、蒸発器201における交換熱量と凝縮器202における交換熱量は同じとなるように設定される。なお、蒸発器201は、例えば30℃の外気を20℃まで冷却できる程度に、熱交換器としての容量を有するように設計され、凝縮器202は、例えば空気熱交換器104で10℃DB、100%RHに除湿された空気を再熱し、18℃まで加温できる程度に、熱交換器としての容量を有するように設計される。
顕熱交換器200に封入された冷媒が顕熱交換器200の内部を自然循環する過程を以下説明する。まず、蒸発器201の内部に液体として封入された冷媒は、潜熱処理モジュール32の内部に導入された処理空気との熱交換により気化し蒸発用上ヘッダ201bから第1の配管203へ流れる。第1の配管203に流れた冷媒は、空気熱交換器104によって冷却除湿された処理空気と熱交換することにより凝縮器202において凝縮するが、この際、該凝縮により冷媒が第1の配管203内から消費されるため、気化した冷媒の密度差が第1の配管203内で生じ、この密度差によって上記気化した冷媒は第1の配管203内を自然に拡散して凝縮器202の方向へ移動する。一方、凝縮器202において凝縮された冷媒は、凝縮用下ヘッダ202cから第2の配管204へと流れる。ここで凝縮器202は、前述のように最上方の蒸発冷媒管201dの上端が最下方の凝縮冷媒管202dの下端と略一致するように、すなわち凝縮器202が蒸発器201に比べて高い位置となるように配置されるため、凝縮された冷媒は第2の配管204を高低差によって流れ、蒸発器201の蒸発用下ヘッダ201cへと戻される。このようにして、顕熱交換器200の内部を冷媒が自然循環する。
なお、潜熱処理モジュール32は、例えば図6に示すように、空調対象空間10への給気を適切な湿度に調節するための加湿器400、潜熱処理モジュール32内で発生したドレン水を外部に排出するためのドレン管401がさらに設けられていてもよい。
<外気処理装置3の動作>
以上のように構成された外気処理装置3の動作例について図7を参照しながら説明する。図7は、外気処理装置3の冷房運転時の空気線図である。なお、以下の説明で示される温度は一例である。
図7に示すように、建物1の内部に取り込まれた35℃の外気は、全熱交換器6によって26℃の室内排気と熱交換されることで30℃に冷却され、処理空気として外気処理装置3に導入される(S1)。外気処理装置3に導入された処理空気は、吸込温度センサ34、吸込湿度センサ35によって温度、湿度が検知された後、フィルター31によって不純物が除去され、潜熱処理モジュール32の内部へ導入される。
潜熱処理モジュール32の内部に30℃で導入された処理空気は、蒸発器201で顕熱交換により20℃に冷却される(S2)。次に処理空気は、空気熱交換器104により潜熱交換され、10℃まで冷却されると同時に除湿される(S3)。続いて、冷却・除湿された処理空気は凝縮器202で顕熱交換により18℃へ再熱され(S4)、空調対象空間10の室温に近い温度となって潜熱処理モジュール32の外部へ排出される。
潜熱処理モジュール32の外部へ排出された外気は、給気温度センサ36、給気湿度センサ37によって温度、湿度が検知された後、送風機33によって外気処理装置3から給気として送出される。
外気処理装置3によって以上のように外気処理を行うことにより、顕熱交換器200の蒸発器201による冷却を行わない場合(S5)と比べて除湿負荷を低減することができる。
具体的には、顕熱交換温度効率を50%で、潜熱処理モジュール32の除湿負荷(比エンタルピー比)L1は、蒸発器201による冷却を行わない場合の除湿負荷L2の約80%((L1/L2)×100)となり、約20%低減される。なお、顕熱交換温度効率とは、(低温側出口空気温度−低温側入口空気温度)/高温側入口空気温度−低温側入口空気温度)で与えられるものである(図の例では(20−10)/(30−10)=0.5(50%)。
以上、外気処理装置3における冷房運転について説明を行ったが、潜熱処理モジュール32の内部に設けられた四方弁106により空気熱交換器104で用いられる冷媒の流れの向きを変えることで、暖房運転を行うことが可能である。
図8は外気処理装置3の暖房時の空気線図である。なお、暖房運転時においては、潜熱処理モジュール32内における顕熱交換器200は動作しない。また、以下の説明で示される温度は一例である。
図8に示すように、建物1の外部から取り込まれた0℃の外気は、全熱交換器6によって22℃の室内排気と熱交換されることで11℃に加温され、処理空気として外気処理装置3に導入される(S11)。外気処理装置3に導入された処理空気は、フィルター31によって不純物が除去された後、潜熱処理モジュール32の内部へ導入され、空気熱交換器104によってさらに32℃まで加温される(S12)。次に、空気熱交換器104によって加温された処理空気は加湿器400によって適切な湿度に加湿され(S13)、22℃の給気として潜熱処理モジュール32の外部へと排出される。潜熱処理モジュール32の外部へ排出された上記給気は、送風機33によって高顕熱室内機2へと送られ、適切な温度に調節された後、空調対象空間10へと供給される。
<本実施形態の効果>
本実施形態によれば、外気処理装置3では上述のように除湿負荷を低減することができる他、以下の効果がある。
潜熱処理モジュール32では、蒸発器201と凝縮器202との間で冷媒を自然循環方式で循環させる顕熱交換器200を用いているため、ポンプなどの動力を必要とせず、エネルギー効率が向上するとともに、潜熱処理モジュールの構造が簡略化され、当該モジュールを小型化できる。
また、潜熱処理モジュール32では、顕熱交換器200においては自然循環を利用しているため、顕熱交換器200で処理できる冷却熱量の分だけ水熱源ヒートポンプ100の冷却負荷を減少することができ、これに伴い、圧縮機101の運転周波数が低下し、さらに圧縮機101の消費電力も低下する。
また、潜熱処理モジュール32では、蒸発器201、空気熱交換器104及び凝縮器202は、斜め上方に向けてこの順で並べて配置されているため、蒸発器201と空気熱交換器104との間の距離及び空気熱交換器104と凝縮器202との間の距離を縮めずに、潜熱処理モジュール32の装置高さを低くし、潜熱処理モジュール32を小型化できる。
さらに、潜熱処理モジュール32では、上述のように斜め上方に向けて並べて配置されていることに加えて、蒸発器201及び凝縮器202は、それぞれ水平面に対して斜めに設けられているため、上述のように距離を縮めずに、且つ、潜熱処理モジュール32の装置幅の増加を抑えつつ、潜熱処理モジュール32の装置高さを低くし、潜熱処理モジュール32を小型化できる。
さらにまた、上述のように、潜熱処理モジュール32を小型化できるため、当該潜熱処理モジュール32を有する外気処理装置3を小型化できる。特に、潜熱処理モジュール32の装置高さを低くすることができるため、当該モジュール32を積層した外気処理装置3を小型化することができる。
本実施形態では、蒸発器201、空気熱交換器104、凝縮器202は、それぞれのフィン201a、104a、202aの長辺が、空気ダクト302の延在方向と略直交するため、空気ダクト302を流れる処理空気との間の熱交換率が良い。
なお、蒸発器201及び凝縮器202の水平面に対する傾斜角度すなわちフィン201a、202aの長辺や各ヘッダ201b、201c、202b、202cの水平面に対する傾斜角度は、熱交換効率、装置サイズ等を考慮して0°より大きく90°未満の範囲で決定され、例えば35°である。また、蒸発器201及び凝縮器202を傾斜させず、例えば水平(傾斜角度0°)や垂直(傾斜角度90°)で設けられていてもよいが、0°より大きく、90°未満であれば、上述したように装置幅の増加を抑えつつ、装置高さを低くし装置を小型化することができ、特に上記傾斜角度がより小さければ装置高さをより抑えることができる。
本実施形態では、潜熱処理モジュール32において、空気ダクト302の延在方向、言い換えると、蒸発器201、空気熱交換器104及び凝縮器202の連設方向が水平面に対して斜め方向である。そのため、処理空気の導入方向及び排出方向は図4のような水平方向に限られず、鉛直方向や斜め方向とすることもできる。つまり、潜熱処理モジュール32では、処理空気の導入や排出等のためのダクトの取り回しの自由度が増す。したがって、潜熱処理モジュール32を有する外気処理装置3の大きさを小さくすることができる。
<外気処理装置3の制御例1>
外気処理装置3の冷房運転時の制御方法としては、例えば、以下のように各潜熱処理モジュール32を制御する方法がある。
すなわち、各潜熱処理モジュール32の空気熱交換器温度センサ105によって検知された空気熱交換器104内の冷媒の温度に基づいて、当該潜熱処理モジュール32の圧縮機101の運転周波数を制御する方法である。なお、この方法では、自然循環式の顕熱交換器200の制御は行わない。また、この方法では、例えば、外気と室内の潜熱負荷処理のために、外気を室内露点温度(15℃DP程度)(室温27℃DB、19℃WB)より5℃低い露点温度(10℃DP)まで除湿するため、空気熱交換器温度センサ105によって検知される温度が10℃になるように制御される。
<外気処理装置3の制御例2>
また、他の外気処理装置3の冷房運転時の制御方法としては、各潜熱処理モジュール32の空気熱交換器出口温度センサ300で検知した温度と空気熱交換器出口湿度センサ301で検知した湿度から算出した露点温度に基づいて、当該潜熱処理モジュール32の圧縮機101の運転周波数を制御する方法がある。この方法でも、自然循環式の顕熱交換器200の制御は行わない。また、この方法では、例えば、上述の制御例1と同等な潜熱負荷処理のために、上記算出した露点温度が10℃になるように制御される。
<外気処理装置3の制御例3>
外気処理装置3は、複数の潜熱処理モジュール32を有するので、外気処理装置の冷房運転時に、動作させる潜熱処理モジュールの台数を制御すると共に、潜熱処理モジュール32の圧縮機101の運転周波数を制御するようにしてもよい。例えば、吸込温度センサ34、吸込湿度センサ35で測定された温度および湿度から算出した露点と絶対湿度と、目標値とする露点および絶対湿度との偏差に基づいて、圧縮機101の運転周波数と、潜熱処理モジュール32の動作台数を制御してもよい。
<制御例3の具体例1>
例えば、定格負荷時(すなわち上記偏差が所定値以上の時)は、潜熱処理モジュール32を全台運転させる。空調負荷が低下した部分負荷の場合(すなわち上記偏差が所定値未満となった場合)、各潜熱処理モジュール32の圧縮機101の運転周波数を低下させる。ただし、全台運転では圧縮機101の運転周波数を最低運転周波数未満としなければならない空調負荷まで低下した場合は、潜熱処理モジュール32の運転台数制御を行い、運転台数を順次減らす。最低運転周波数とは、圧縮機101が効率的に動作可能な下限の周波数である。
<制御例3の具体例2>
例えば、定格負荷時は、上記具体例1と同様、潜熱処理モジュール32を全台運転させ、空調負荷が低下した部分負荷の場合、定格運転している潜熱処理モジュール32の台数を順次減らしていく。そして、潜熱処理モジュール32が残り1台となった場合には、当該潜熱処理モジュール32の圧縮機101の運転周波数を低下させていく。
制御例3によれば、部分負荷時においても、圧縮機101を最低運転周波数以上で連続運転させることができるため、高効率運転が可能となる。
なお、制御例3において、圧縮機101の運転周波数は、上記偏差に基づいて決定してもよいし、制御例1、2と同様に決定してもよい。また、給気温度センサ36、給気湿度センサ37で検知した温度と湿度から露点および絶対湿度を算出して、算出した露点および絶対湿度が、目標値となるように圧縮機101の運転周波数を決定してもよい。
<外気処理装置3の制御例4>
なお、外気処理装置3は、給気温度センサ36、給気湿度センサ37で検知した湿度から露点および絶対湿度を算出して、算出した露点および絶対湿度が、目標値となるように当該外気処理装置3内のモジュールの動作台数制御を行ってもよい。
制御例3、4の場合、潜熱処理モジュール32の運転台数が減った場合、熱源水の流量が減るよう該流量を制御することが好ましい。
流量を制御する方法としては、例えば、運転が停止された潜熱処理モジュール32に対応する電磁弁32cを閉止する方法や、運転している潜熱処理モジュール32の台数に応じて水出入口温度差が例えば5℃で一定になるように、比例二方弁32e(ポンプ32aが可変流式である場合は当該ポンプ32aであってもよい)を用いる方法がある。
熱源水の流量を減じることにより、ポンプ32aの省エネルギー化を図ることができる。
<実験例>
潜熱処理モジュール32の効果を確認するための実験として、図4に示す潜熱処理モジュール32の顕熱交換器200を動作させた場合とさせなかった場合との、冷房運転時における性能比較を行った。なお、潜熱処理モジュール32の水熱源ヒートポンプ100に供給する熱源水温度は32℃とした。また、潜熱処理モジュール32の圧縮機101の運転周波数は、前述の制御例2と同様に、空気熱交換器出口温度センサ300で検知した温度と空気熱交換器出口湿度センサ301で検知した湿度から算出した露点温度に基づいて決定した。
顕熱交換器200を使用しない場合、30℃DB、23℃WB(絶対湿度14.9g/kg’)の外気/処理空気を、空気熱交換器104により10.1℃、96.2%RH(絶対湿度7.4g/kg’)に除湿した場合の圧縮機101の運転周波数は68Hz、処理熱量は17.495kW、消費電力は3.892kW、COPは4.393であった。
顕熱交換器200を使用した場合、30℃DB、23℃WB(絶対湿度14.9g/kg’)の外気/処理空気を、蒸発器201で顕熱交換により22.7℃に冷却し、空気熱交換器104により9.9℃、92.8%RH(絶対湿度7.7g/kg’)となった処理空気を凝縮器202によって顕熱交換により加熱(再熱)し、19.1℃で給気する。この場合の圧縮機101の運転周波数は54Hz、処理熱量は13.64kW、消費電力は2.838kW、COPは4.807であった。
顕熱交換器200を使用した場合、使用しない場合と比べて、消費電力で約27%の省エネルギー効果があり、処理熱量が約22%低減した。
また、潜熱負荷が少ない部分負荷のときに顕熱交換器200を動作させた場合とさせなかった場合との性能を比較した。
顕熱交換器200を使用しない場合、吸込温度26.01℃DB、18.77℃WB(絶対湿度10.5g/kg’)の外気/処理空気を、空気熱交換器104により10.1℃96.12%RH(絶対湿度7.4g/kg’)に除湿した場合の圧縮機101の運転周波数は44Hz、処理熱量は11.069kW、消費電力は2.22kW、COPは4.986であった。
顕熱交換器200を使用した場合、吸込温度26℃DB、18.76℃WB(絶対湿度10.5g/kg’)の外気/処理空気を、蒸発器201で20.3℃に冷却し、空気熱交換器104により10.5℃、95.92%RH(絶対湿度7.6g/kg’)となった外気を凝縮器202によって加熱(再熱)し、17.5℃で給気する。この場合の圧縮機101の運転周波数は31Hz、処理熱量は7.635kW、消費電力は1.508kW、COPは5.061であった。
潜熱負荷が少ない部分負荷ときに、顕熱交換器200を使用した場合、使用しない場合と比べて、消費電力で約33%の省エネルギー効果があり、処理熱量が約33%低減した。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態にかかる空調システムを導入した建物の一部を模式的に示した説明図である。
本実施形態にかかる空調システムは、外気処理装置7が、第1の実施形態にかかる外気処理装置3とは異なり、当該外気処理装置7の内部に少なくとも1台以上の潜熱処理モジュール32および、少なくとも1台以上の顕熱処理モジュール71を有しており、潜熱処理モジュール32および顕熱処理モジュール71が段重ねに配置されている。すなわち外気処理装置7は、外気処理装置3の潜熱処理モジュール32の一部を顕熱処理モジュール71に置き換えた構成となっており、その内部において潜熱および顕熱の両方を処理する。
なお、外気処理装置7に設けられる潜熱処理モジュール32、顕熱処理モジュール71の台数は、必要潜熱空調負荷、必要顕熱空調負荷に応じた台数を任意に選択することができる。
図10は顕熱処理モジュール71の構成の概略を模式的に示した説明図である。図10に示すように顕熱処理モジュール71は、外気処理装置3から顕熱交換器200を除いた構成と略同一な構成を有しており、水熱源ヒートポンプ100、ドレン管401と、風量調整パネル403をその内部に有し、取り込んだ外気の顕熱処理を行うことができる。
本実施形態の空調システムでは、外気処理装置7が潜熱、顕熱の両方を処理するため、空調対象空間10の天井空間には、第1の実施形態における高顕熱室内機2の代わりに、可変風量制御装置(VAV)を有する、可変風量ユニット72が設けられている。なお、熱源水は、可変風量ユニット72では用いられず、水熱源ヒートポンプ100の排熱、吸熱に用いられる。
外気処理装置7は、前述の外気処理装置3の制御例1〜4と同様に制御することができる。
前述の制御例3と同様に外気処理装置7を制御する場合、例えば、定格負荷時は、潜熱処理モジュール32と顕熱処理モジュール71とを全台運転させる。そして、空調負荷が低下した部分負荷の場合、潜熱処理モジュール32及び顕熱処理モジュール71それぞれの水熱源ヒートポンプ100の圧縮機101の運転周波数を低下させる。また、全台運転では圧縮機101の運転周波数を最低運転周波数未満としなければならない空調負荷まで低下した場合は、潜熱処理モジュール32と顕熱処理モジュール71の運転台数制御を行い、運転台数を順次減らす。
なお、定格負荷時は、上記具体例1と同様、潜熱処理モジュール32を全台運転させ、空調負荷が低下した部分負荷の場合、定格運転している潜熱処理モジュール32の台数を順次減らしていき、残りが潜熱処理モジュール32と顕熱処理モジュール71とが1台ずつとなった場合には、それぞれの水熱源ヒートポンプの圧縮機の運転周波数を低下させていくようにしてもよい。
次に、図11を参照しながら本空調システムの冷房時の動作の一例について説明する。図11は本空調システムの冷房運転時の空気線図である。
図11に示すように、建物の内部に取り込まれた34.8℃DB、54.7%RH(絶対湿度19.3g/kg’)の外気は、導入ダクト61を介して全熱交換器6へと導入され、26℃DB、50%RH(絶対湿度10.5g/kg’)の室内排気の一部と熱交換(S21)した後、26℃DB、52%RH(絶対湿度10.5g/kg’)の室内還気と混合されてして26.9℃DB、50.9%RH(絶対湿度11.5g/kg’)の混合空気となる(S22)。
混合空気は導入ダクト62を通じて処理空気として外気処理装置7へと導入され、フィルター31によって不純物が除去される。不純物が除去された処理空気の半分は、顕熱処理モジュール71の内部に導入されて18℃DB、89%RHとなり(S23)、残りの半分は潜熱処理モジュール32に導入されて蒸発器201により冷却され(S24)、空気熱交換器104により冷却されると共に除湿され(S25)、凝縮器202により加熱され、17.5℃DB、61%RH(絶対湿度7.6g/kg’)となる(S26)。顕熱処理モジュール71で処理された処理空気と潜熱処理モジュール32で処理された処理空気は混合されて17.8℃DB、75%RH(絶対湿度9.5g/kg’)となって(S27)、送風機33によって給気され、可変風量ユニット72を介して任意の風量で空調対象空間10へと供給される。
空調対象空間10へ供給された給気の一部は、排気ダクト65を通じて、全熱交換器6に室内排気として導入され、新たに建物の外部から取り込まれた外気と熱交換され、建物の外部へと排出される。また建物の外部へ排気されない残りの給気は、例えばエアフローウィンドウ73を介して天井空間に設けられた他の排気ダクト66へ導かれ、天井空間に設けられたさらに他の排気ダクト67からの空気と混合され、室内還気として、全熱交換器6で熱処理された外気と合流し、再び外気処理装置7へと送られる。
本例において、顕熱処理モジュール71の負荷は9.25KJ/kg’、潜熱処理モジュール32の負荷は22.35KJ/kg’である。
続いて、本空調システムの暖房時の動作の一例について説明する。図12は本空調システムの暖房運転時の空気線図である。なお、暖房運転時においては、潜熱処理モジュール32内における顕熱交換器200の作動は停止される。
図12に示すように、建物の外部から取り込まれた0℃DB、50%RH、絶対湿度1.9g/kg’の外気は、全熱交換器6によって22℃DB、45%RH、絶対湿度7.4g/kg’の室内排気と熱交換され11.0℃DB、4.6g/kg’となる(S31)。次に、室内還気と混合されることで19.8℃DB、6.8g/kg’の混合空気となり(S32)、外気処理装置7へと導入される。続いて混合空気はフィルター31によって不純物が除去された後、混合空気のうちの半分は潜熱処理モジュール32の内部へ導入されて加熱、加湿処理され24℃DB、53%RH、9.8g/kg’となり(S33)、もう半分は顕熱処理モジュール71の内部で処理を行うことなく通過させ、それぞれの空気を混合させて21.9℃DB、51%RH、8.3g/kg’となって(S34)、空調対象空間10へと供給される。
なお、通常暖房運転時は顕熱処理モジュール71を運転する必要はないが、室内負荷に応じて必要な場合には運転させてもよい。
以上、第2の実施形態によれば、外気処理装置7のみで空調できるため、メンテナンスを空調対象空間10すなわち居室に入室しないで機械室12のみで行えるので、情報セキュリティーを保てる高級な空調システムとすることができる。
(第3の実施形態)
図13は、本発明の第3の実施形態にかかる空調システムを導入した建物の一部を模式的に示した説明図である。
本実施形態では、第1の実施形態にかかる空調システムにおいて設けられていた高顕熱室内機2、熱源機4のかわりに、熱源水を熱源とした水熱源ヒートポンプ式の室内機8を空調対象空間10の天井空間に設けており、当該室内機8は冷却水配管81、81´を介して、2台の熱源水供給部5、5に接続されている。なお、そして、熱源水供給部5、5には、冷却塔および温水ボイラが採用され、個別作動ができるようにバルブ5a、5bがそれぞれに対して設けられ、また熱源水を送出するためのポンプ5cが共通に設けられている。
つまり、本実施形態にかかる空調システムは、既存の水熱源ヒートポンプシステムに外気処理装置3を設けたものである。本システムにおいて、外気と室内の潜熱負荷を外気処理装置3のみで処理する方式とすると、水熱源ヒートポンプ式の室内機8は顕熱のみを処理すればよく、室内機8の蒸発温度が上昇しヒートポンプの効率が向上する。本システムでは、既存の水熱源ヒートポンプシステムの室内機8を置き換えなくとも、潜顕分離空調を行うことができる。
なお、本システムでは、夏季は冷却塔で冷却水の排熱を外気に排気し、冬季は温水ボイラで外気処理装置3、室内機8で必要とする温水を供給する。本空調システムとすることにより年間を通して、高効率な空調システムとなる。
(第4の実施形態)
図14は、本発明の第4の実施形態にかかる空調システムを導入した建物の一部を模式的に示した説明図である。
外気処理装置7の潜熱処理モジュール32によって処理空気を処理する前に行われる外気の事前処理、すなわち、取り込んだ外気のプレクール処理またはプレヒート処理は、第1の実施形態にかかる空調システムでは全熱交換器6で行っていた。それに代えて、本実施形態では、上記事前処理は、外気処理装置3のフィルター31の下流側に設けられるファンコイル38で、熱源水供給部5として設けられた空冷ヒートポンプチラーから供給された熱源水を用いて行われる。
なお、本空調システムでは、潜熱処理モジュール32および熱源機4は、熱源水配管51、51´を介して熱源水供給部5としての空冷ヒートポンプチラーおよび、同じく熱源水供給部5として設けられる密閉式冷却塔に接続されている。また、空冷ヒートポンプチラーで構成される熱源水供給部5に対してはバルブ5aとは独立して作動するバルブ5dが設けられている。
次に、図15を参照しながら本空調システムの冷房時の動作について説明する。図15は本空調システムの冷房運転時の空気線図である。
図15に示すように、建物の内部に取り込まれた34.8℃DB、19.3g/kg’の外気/処理空気は、導入ダクト62を介して外気処理装置3へと導入され、フィルター31によって不純物が除去される。不純物が除去された外気は、ファンコイル38の中を流れる、空冷ヒートポンプチラーからの例えば15℃の冷水と熱交換されて21℃DBにプレクールされる(S41)。プレクールされた外気は潜熱処理モジュール32に導入され、蒸発器201によって19.1℃DB、13.7g/kg’にさらに冷却される(S42)。続いて冷却された外気は、空気熱交換器104によって10.0℃DB、100%RHに処理され(S43)、凝縮器202によって14.4℃DB、7.62g/kg’に再熱され(S44)、送風機33によって高顕熱室内機2に送られる。その後、高顕熱室内機2の内部において、吸込み口から吸いこんだ26℃DB、10.5g/kg’の還気および冷媒ガスにより温度調節され(S45およびS46)、15℃DB、10.0g/kg’の給気として、空調対象空間10へと供給される。
なお、空調対象空間10内に供給された給気の一部は、例えばトイレや湯沸し室等に接続された排気ダクト64を通じて、建物の外部へと排出される。またトイレや湯沸し室等から排気されなかった余剰排気は、高顕熱室内機2の吸込口から天井空間へと導かれ、天井空間に設けられた他の排気ダクト65を通じて建物の外部へと排出される。以上が、建物1の内部における一連の空調システムの動作である。
続いて、本空調システムの暖房時の動作の一例について説明する。図16は本空調システムの暖房運転時の空気線図である。なお、暖房運転時においては、潜熱処理モジュール32内における顕熱交換器200の作動は停止される。
図16に示すように、建物の外部から取り込まれた0℃DB、1.9g/kg’の外気/処理空気は、導入ダクト62を介して外気処理装置3へと導入され、フィルター31によって不純物が除去される。不純物が除去された外気は、ファンコイル38の中を流れる、空冷ヒートポンプチラーで製造された例えば16℃〜25℃の温水と熱交換されて、11℃DB(温水16℃の場合:図16のS51)〜20℃DB(温水25℃の場合:S51´)にプレヒートされる。プレヒートされた外気は潜熱処理モジュール32に導入され、空気熱交換器104によって38.5℃DB加熱され(S52)、その後加湿器400によって22℃DB、8.4g/kg’に処理され(S53)、送風機33によって高顕熱室内機2に送られる。その後、高顕熱室内機2の内部において、吸込み口から吸いこんだ22℃DB、7.39g/kg’の還気および冷媒ガスにより温度調節され(S54およびS55)、32℃DB、7.5g/kg’の給気として、空調対象空間10へと供給される。
本実施形態によれば、潜熱処理モジュール32の内部にファンコイル38を設け、外気のプレクールあるいはプレヒートを行うことにより、水熱源ヒートポンプ100および顕熱交換器200の効率を上昇させることができる。すなわち、水熱源ヒートポンプ100の効率が上昇することにより、空調システム全体における年間の期間消費エネルギー効率を向上させることができる。
<蒸発冷媒管201d、凝縮冷媒管202dの他の例>
図17は、蒸発冷媒管の他の例の構造を簡易的に示した概略図である。
以上の説明では、潜熱処理モジュール32の内部に設けられる蒸発器201、凝縮器202の蒸発冷媒管201d、凝縮冷媒管202dは、図5(b)に示すように、長尺の水平管201d、202dと、短尺の鉛直管201d、202dにより、水平方向に延伸して複数回折り返す蛇腹構造によって構成していた。
蒸発冷媒管201d、凝縮冷媒管202dは、この構成には限定されず、例えば図17に示すように、水平方向に延伸する水平管を用いずに、凝縮用上ヘッダ202b(蒸発用上ヘッダ201b)と凝縮用下ヘッダ202c(蒸発用下ヘッダ201c)とを接続する、鉛直方向に延伸してフィン202a(201a)を貫通する鉛直管で構成されてもよい。
なお、図5(b)の蒸発冷媒管201dおよび凝縮冷媒管202dは、長尺の水平管201d、202dが側面視において一直線に並んでいた。しかし、長尺の水平管201d、202dは、一直線に並んでいなくてもよく、側面視においてジグザクに並んでいてもよい。このように側面視においてジグザクに並ぶ長尺の水平管201d、202dを複数有すると、水平管201d、202dは側面視において千鳥配置となる。
図18は顕熱交換器200の設置を検討するために本発明者らが行った実験条件を模式的に示す説明図である。本実験においては、蒸発冷媒管201d、凝縮冷媒管202dを上記蛇腹構造により構成する場合と上述のように鉛直管のみで構成する場合とにおける顕熱交換器200の温度効率を比較した。温度効率は、高温側入口空気温度と低温側入口空気温度の差を分母とし、低温側出口空気温度から低温側入口空気温度との差を分子とし、分子を分母で除した数値の比率で性能を評価するものである。なお、以下では、蒸発冷媒管201d、凝縮冷媒管202dを上記蛇腹構造により構成するときを、蒸発器201、凝縮器202を水平に設置する等といい、上述のように水平管を用いずに鉛直管で構成するときを、蒸発器201、凝縮器202を垂直に設置する等という。また、本実験では、蒸発器201、凝縮器202を水平に設置する場合、蒸発冷媒管201dおよび凝縮冷媒管202dの水平管201d、202dを前述のように千鳥配置とした。
図18(a)、(b)は蒸発器および凝縮器を水平に設置し、蒸発器と凝縮器の中間位置間の高さh1を700mmと200mmとした場合である。図18(c)、(d)は蒸発器および凝縮器を垂直に設置し、蒸発器に冷媒を満液にした場合と、凝縮器と蒸発器を一部重なった部分の蒸発器には冷媒を満たさない状態とした場合である。図18(e)、(f)は蒸発器を水平、凝縮器を垂直に設置し、蒸発器の上端から凝縮器の下端までの高さh2を200mmとし、蒸発器内の冷媒の液位を(e)の方が低く設定した場合である。
本実験によれば、図18(a)〜(f)におけるそれぞれの温度効率は、(a)=0.475、(b)=0.475、(c)=0.47、(d)=0.43、(e)=0.48、(f)=0.42であり、図18(e)の蒸発器を水平、凝縮器を垂直に設置した場合が最も温度効率が良いという結果を得た。すなわち、潜熱処理モジュール32に設けられる顕熱交換器200においても、蒸発器201の蒸発冷媒管201dを蛇腹構造とし、凝縮器202の凝縮冷媒管202dを鉛直配管のみにより構成することが最も望ましいといえる。
なお、図4のように蒸発器201と凝縮器202が水平面に対し傾けて設置された顕熱交換器については、図18と同様な実験結果によれば、冷媒を蒸発器201に満たした場合、温度効率が0.473であり、図18(e)の場合と同等の結果が得られた。
(第5の実施形態)
図19は、本発明の第5の実施形態にかかる空調システムに用いられる潜熱処理モジュールの構成の概略を示す説明図である。なお、図19には、冷房運転を行っている状態が示されている。
本実施形態の空調システムの全体的な構成は、例えば図13に示した第3の実施形態にかかる空調システムと同様であるが、本実施形態の空調システムに用いられる潜熱処理モジュールの構成は以下に示すように第3の実施形態のものと異なる。
図19の潜熱処理モジュール500は、図4の潜熱処理モジュール32と同様に、冷媒回路510が、空気熱交換器104と、顕熱交換器200内を循環する冷媒とは異なる他の冷媒と熱交換を行う水熱交換器102とを有すると共に、当該モジュール500が、圧縮機101と、膨張弁103(以下、第1の膨張弁103ということがある)と、四方弁106と、を有する。
ただし、潜熱処理モジュール500は、図4の潜熱処理モジュール32と異なり、冷媒回路510に、上記他の冷媒と処理空気との間で熱交換を行う他の熱交換器501が設けられている。この熱交換器501は、処理空気の流れ方向における顕熱交換器200より下流側に配設されている。また、潜熱処理モジュール500には、熱交換器501への冷媒の供給/停止を切り替える電磁弁501aが設けられている。
さらに、潜熱処理モジュール500において、冷媒回路510は、膨張弁として、第1の膨張弁103の他に、熱交換器501に接続された第2の膨張弁502と、水熱交換器102に接続された第3の膨張弁503とを有する。第1の膨張弁103は、過熱度の制御のために用いられ、第2の膨張弁502は、再熱量の制御のために用いられ、第3の膨張弁503は、排熱量の制御のために用いられる。
さらにまた、潜熱処理モジュール500において、処理空気の流れ方向における顕熱交換器200の凝縮器202と熱交換器501との間に、加湿器として自然蒸発式加湿器504が設けられている。この自然蒸発式加湿器504は、ろ材に供給された加湿水を自然蒸発させることにより、潜熱処理モジュール500から送出される空気を加湿する。なお、自然蒸発式加湿器504に対して、加湿水の流量を制御する比例二方弁504aが設けられている。
また、潜熱処理モジュール500において、冷媒回路510は、熱交換器501と第2の膨張弁502と第1の膨張弁103と空気熱交換器104がこの順で直列に接続された配管系統511、及び、水熱交換器102と第3の膨張弁503と第1の膨張弁103と空気熱交換器104がこの順で直列に接続された配管系統512が、圧縮機101に対して並列に接続されている。また、熱交換器501は、第2の膨張弁502を介して、第1の膨張弁103と第3の膨張弁503との間に接続されている。
そして、潜熱処理モジュール500では、四方弁106によって、以下に示すように、冷房運転時と暖房運転時とで、圧縮機101からの上記他の冷媒の流動方向が切り替えられ、外気/処理空気に対して異なる処理が行われる。
なお、潜熱処理モジュール500には、第1の膨張弁103と空気熱交換器104との間に空気熱交換器入口温度センサ550が設けられ、四方弁106と圧縮機101との間に低圧ガス温度センサ551が設けられ、配管系統511及び配管系統512の合流点と第1の膨張弁103との間に第1の膨張弁入口温度センサ552が設けられている。また、水熱交換器102へ流れる熱源水の温度を測定する熱源水入口温度センサ553が設けられ、自然蒸発式加湿器504による加湿後の処理空気の温度および湿度をそれぞれ測定する自然蒸発式加湿器出口温度センサ554および自然蒸発式加湿器出口湿度センサ555が設けられている。さらに、水熱交換器102と第3の膨張弁503との間には水熱交換器出口温度センサ556が設けられ、第1の膨張弁入口温度センサ552と第3の膨張弁503との間には第3の膨張弁出口温度センサ557が設けられている。なお、水熱交換器102から流れ出る熱源水の温度を測定する熱源水出口温度センサ558も設けられている。
さらにまた、潜熱処理モジュールには、処理空気の流れ方向における顕熱交換器200の蒸発器201の上流側に、吸込温度センサ559及び吸込湿度センサ560が設けられ、処理空気の流れ方向における熱交換器501の下流側に給気温度センサ561及び給気湿度センサ562が設けられている。
冷房運転時において、潜熱処理モジュール500では、圧縮機101から吐出された高圧ガス冷媒は分岐され、分岐された一方は、四方弁106を通り、水熱交換器102で熱源水により凝縮され、高圧液冷媒となる。そして、この高圧冷媒は、第3の膨張弁503で減圧される。また、圧縮機101から吐出された高圧ガスのうち、分岐されたもう一方は、熱交換器501で凝縮され、高圧液冷媒となり、第2の膨張弁502で減圧される。第3の膨張弁503で減圧された冷媒と第2の膨張弁502で減圧された冷媒は混合され、第1の膨張弁103で減圧され、空気熱交換器104で蒸発し、四方弁106を通って圧縮機101に戻される。
そして、冷房運転時において、潜熱処理モジュール500では、処理空気が、例えば、顕熱交換器200の蒸発器201で顕熱交換により冷却され、空気熱交換器104で冷却・除湿され、顕熱交換器200の凝縮器202で加熱され、熱交換器501で目標の給気温度に再熱される。なお、熱源水は、水熱交換器102で冷媒と熱交換し、水温が上昇する。
図20は、潜熱処理モジュール500が暖房運転を行っている状態を示す図である。
暖房運転時において、潜熱処理モジュール500では、圧縮機101から吐出された高圧ガス冷媒は分岐され、分岐された一方は、四方弁106を通り、空気熱交換器104で凝縮され、高圧液冷媒となり、第1の膨張弁103で減圧される。また、圧縮機101から吐出された高圧ガスのうち、分岐されたもう一方は、熱交換器501で凝縮され、高圧液冷媒となり、第2の膨張弁502で減圧される。第1の膨張弁103で減圧された冷媒と第2の膨張弁502で減圧された冷媒は混合され、第3の膨張弁503で減圧され、水熱交換器102で蒸発し、四方弁106を通って圧縮機101に戻される。
そして、暖房運転時において、潜熱処理モジュール500では、顕熱交換器200で処理が行われず、処理空気が、空気熱交換器104で加熱され、自然蒸発式加湿器504で加湿・冷却され、熱交換器501で目標の給気温度に再熱される。なお、熱源水は、水熱交換器102で冷媒と熱交換し、水温が低下する。
続いて、潜熱処理モジュール500において行われる制御の一例について説明する。
冷房運転時に行われる制御は、例えば以下の通りである。
(1)除湿制御として、空気熱交換器温度センサ105によって検知される温度が目標露点温度となるように、圧縮機101の運転周波数が制御される。上記目標露点温度は、例えば、吸込温度センサ34、吸込湿度センサ35(図3参照)または、潜熱処理モジュール500内に設置された吸込温度センサ559、吸込み湿度センサ560(図19参照)で測定された温度および湿度から算出される外気OAの露点温度と、設定温度と設定湿度から算出される最終目標露点温度から、段階的に設定される。
(2)再熱制御として、給気温度センサ36(図3参照)または潜熱処理モジュール500内に設置された給気温度センサ561(図19参照)で測定される温度が、設定温度から求められた目標給気温度になるように、第2の膨張弁502の開度が制御され、熱交換器501に流れる冷媒量が制御される。この場合、顕熱交換器200の凝縮器202で加熱しているため、熱交換器501の再熱量は、通常の再熱量に比べ、すなわち、顕熱交換器200が設けられていないときに比べ、少なくなる。
(3)過熱度制御として、空気熱交換器入口温度センサ550で測定される空気熱交換器104へ流れる冷媒の温度と低圧ガス温度センサ551で測定される圧縮機101へ戻る冷媒の温度との差が2℃以上になるように、第1の膨張弁103の開度が制御される。なお、空気熱交換器温度センサ105で測定される温度と低圧ガス温度センサ551で測定される温度の差が一定になるように第1の膨張弁の開度が制御されてもよい。
(4)排熱制御として、第1の膨張弁入口温度センサ552で測定される温度が、熱源水入口温度センサ553で測定される熱源水の温度に応じた目標冷媒温度になるように、第3の膨張弁503の開度が制御される。
ここで、第1〜第3の膨張弁103、502、503の開度の制御について説明する。
第1〜第3の膨張弁103、502、503の開度の制御方法について、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の知見が得られた。
本発明者らは、図20の潜熱処理モジュール500のうち、顕熱交換器200と自然蒸発式加湿器504とを省略した潜熱処理モジュールを用いて、冷房運転時に圧縮機101の消費電力が低減する条件について実験を行った。
本実験で用いた潜熱処理モジュールでは、冷房運転時において、熱交換器501で凝縮された冷媒と水熱交換器102で凝縮された冷媒が合流して混合され、該混合された冷媒は空気熱交換器104で蒸発する。この潜熱処理モジュールでは、給気温度が目標給気温度になるように第2の膨張弁502の開度が制御されることが好ましく、また、空気熱交換器入口温度センサ550で測定される空気熱交換器104へ流れる冷媒の温度と低圧ガス温度センサ551で測定される圧縮機101へ戻る冷媒の温度との差が2℃以上になるように、第1の膨張弁103の開度が制御されることが好ましい。決定すべきは、第3の膨張弁503の開度の制御方法である。
本発明者らの検討によれば、この潜熱処理モジュールにおいて、空気熱交換器104で処理空気を冷却・除湿するのに必要な冷媒量をx、熱交換器501で再熱するために必要な冷媒量をyとすると、水熱交換器102で凝縮される冷媒量zは、z=x−yとするとよい。このバランスを保つと圧縮機101の運転周波数を最低の運転周波数(最小の消費電力)で運転でき、圧縮機101の消費電力は最小となる。
上記試験では、熱源水の温度が7℃〜32℃、目標給気温度17℃〜27℃の条件で、圧縮機101の消費電力が低減する第1の膨張弁入口温度を調査した。
図21は、第1〜第3の膨張弁103、502、503の開度を適切に制御するために本発明者らが行った実験結果を示す図である。図21には、圧縮機101の消費電力が低減したときの、熱源水の温度、目標給気温度、および、第1の膨張弁入口温度センサ552で測定された温度との関係を示す表が示されている。なお、本試験では、給気温度が目標給気温度になるように第2の膨張弁502の開度を制御し、また、空気熱交換器入口温度センサ550で測定される空気熱交換器104へ流れる冷媒の温度と低圧ガス温度センサ551で測定される圧縮機101へ戻る冷媒の温度との差が2℃以上になるように、第1の膨張弁103の開度を制御した。
図示するように、圧縮機101の消費電力が低減したときに第1の膨張弁入口温度センサ552で測定された冷媒の温度は、熱源水の温度に応じて上昇するが、目標給気温度によらず略一定である。
図22は、本発明者らが行った試験において、圧縮機101の消費電力が低減したときに第1の膨張弁入口温度センサ552で測定された冷媒の温度の平均値と、熱源水の温度との関係を示す図である。
図示するように、圧縮機101の消費電力が低減したときに第1の膨張弁入口温度センサ552で測定された冷媒の温度の平均値は、熱源水の温度を変数とした所定の関係式(例えば、熱源水の温度の一次関数)で近似することができる。
この実験結果から、本発明者らは、第1の膨張弁入口温度センサ552で測定される冷媒の温度が、熱源水の温度に応じた目標冷媒温度となるように制御することを知見した。具体的には、第1の膨張弁入口温度センサ552で測定される冷媒の温度が、試験により得られた圧縮機101の消費電力が低減するときの上記所定の関係式と熱源水の温度とに基づいて算出される温度になるように制御すること、を知見した。
この知見に基づいて、本実施形態では、前述のように、排熱制御として、第1の膨張弁入口温度センサ552で測定される温度が、熱源水入口温度センサ553で測定される熱源水の温度に応じた目標冷媒温度になるように、第3の膨張弁503の開度が制御される。
潜熱処理モジュール500において行われる制御の説明に戻る。
暖房加湿運転時に行われる制御は例えば以下の通りである。
(1)暖房加熱制御として、空気熱交換器温度センサ105によって検知される温度が、目標加熱後温度になるように、圧縮機101の運転周波数が制御される。
(2)加湿制御として、自然蒸発式加湿器出口温度センサ554で測定される温度と自然蒸発式加湿器出口湿度センサ555で測定される湿度とにより算出した露点温度が目標の露点温度になるように比例二方弁504aの開度が制御され、加湿量が制御される。
(3)再加熱制御として、給気温度センサ36または潜熱処理モジュール500内に設置された給気温度センサ559で測定される温度が、目標給気温度になるように、第2の膨張弁502の開度が制御され、熱交換器501の冷媒量が制御される。
(4)過熱度制御として、低圧ガス温度センサ551で測定される圧縮機101へ戻る冷媒の温度と水熱交換器出口温度センサ556で測定される水熱交換器102へ流れる冷媒の温度との差が2℃以上になるように、第3の膨張弁503の開度が制御される。
(5)暖房運転時、水熱交換器102では吸熱となるため、吸熱制御として、第3の膨張弁出口温度センサ557で測定される温度が、熱源水入口温度センサ553で測定される熱源水の温度に応じた目標冷媒温度になるように、第1の膨張弁103の開度が制御される。
ここでの暖房加湿運転時における、第3の膨張弁出口温度センサ557で測定される冷媒の温度の目標温度は、冷房運転時における、第1の膨張弁入口温度センサ552で測定される冷媒の温度の目標温度と同様に設定される。具体的には、試験で得られた、圧縮機101の消費電力が低減するときの第3の膨張弁出口温度センサ557で測定された冷媒の温度と熱源水の温度との関係式に基づいて、第3の膨張弁出口温度センサ557で測定される冷媒の温度の目標温度は設定される。
次に、図を参照しながら本実施形態にかかる空調システムの冷房時の動作の一例について説明する。
図23及び図24は本実施形態にかかる空調システムの通常冷房運転時の空気線図である。なお、通常冷房運転とは、外気OA1の温度が、15℃以上且つ室内空気RAの温度(室温)より高い場合の冷房運転を意味する。
図23に示すように、外気OA1は、潜熱処理モジュール500において、顕熱交換器200の蒸発器201で顕熱交換により冷却され(S61)、空気熱交換器104で露点Tdp1を目標露点温度として冷却・除湿され(S62)、顕熱交換器200の凝縮器202で加熱される(S63)。加熱後の処理空気SB1は熱交換器501で加熱され(S64)、目標給気温度の処理空気SA1とされる。
また、室内空気RAは室内機8により冷却される(S65)。
そして、目標給気温度の処理空気SA1と、冷却された室内空気RA´とが混合された空気MA1が室内に送風される。
なお、冷房が進み外気負荷が低下した場合、図24に示すように、外気(処理空気)OA2は、顕熱交換器200の蒸発器201で冷却され(S71)、空気熱交換器104で露点Tdp2を目標露点温度として冷却・除湿され(S72)、顕熱交換器200の凝縮器202で加熱される(S73)。加熱後の処理空気SB2は熱交換器501で加熱され(S74)、目標給気温度の処理空気SA2とされる。
また、室内空気RAは室内機8により冷却される(S75)。
そして、目標給気温度の処理空気SA2と、冷却された室内空気RA”とが混合された空気MA2が室内に送風される。
ところで、図23に示す、外気OA1の絶対湿度と室内空気RAの絶対湿度の差D1が外気潜熱負荷になり、室内空気RAの絶対湿度と混合空気MA1の絶対湿度の差D2が室内潜熱負荷となる。また、外気OA1の温度と室内空気RAの温度の差D3が外気顕熱負荷となり、室内空気RAの温度と混合空気MA1の温度の差D4が室内顕熱負荷となる。
本実施形態にかかる空調システムでは、外気OA1の潜熱負荷、室内空気RAの潜熱負荷、および、外気OA1の顕熱負荷は潜熱処理モジュール500で処理され、室内の顕熱負荷は室内機8で処理される。つまり、本実施形態にかかる空調システムは潜顕分離システムである。
図25は本実施形態にかかる空調システムの低負荷冷房運転時の空気線図である。なお、低負荷冷房運転とは、外気OA3の温度が、15℃以上且つ室内空気RAの温度より低い場合の冷房運転を意味する。
図に示すように、外気OA3は、潜熱処理モジュール500において、顕熱交換器200の蒸発器201で顕熱交換により冷却され(S81)、通常冷房運転時の設定露点温度Tdp1より低い設定露点温度Tdp3を目標露点温度として空気熱交換器104で冷却・除湿され(S82)、顕熱交換器200の凝縮器202で加熱される(S83)。加熱後の処理空気SB3は熱交換器501で加熱され(S84)、目標給気温度の処理空気SA3とされる。図示するように、熱交換器501による加熱量すなわち再熱量は通常冷房運転時より多くなる。
そして、目標給気温度の処理空気SA3と、冷却された室内空気RA´とが混合された空気MA3が室内に送風される。
図26は、本実施形態にかかる空調システムの冷房加湿運転時の空気線図である。なお、冷房加湿運転とは、外気OA4の温度が、15℃以上且つ室内空気RAの温度より低い場合であって空気熱交換器104における目標露点温度が低負荷冷房運転時の設定露点温度Tdp2より低く加湿が必要な場合の冷房運転を意味する。
図に示すように、外気OA4は、潜熱処理モジュール500において、顕熱交換器200の蒸発器201で顕熱交換により冷却され(S91)、空気熱交換器104で低負荷冷房運転時の設定露点温度Tdp3よりさらに低い露点Tdp4を目標露点温度として冷却・除湿され(S92)、顕熱交換器200の凝縮器202で加熱される(S93)。加熱後の処理空気SB4は自然蒸発式加湿器504で加湿される(S94)。加湿された処理空気SB4´は、熱交換器501で加熱され(S95)、目標給気温度の処理空気SA4とされる。なお、図示するように、熱交換器501による加熱量すなわち再熱量は低負荷冷房運転時よりさらに多くなる。
そして、目標給気温度の処理空気SA4と、冷却された室内空気RA´とが混合された空気MA4が室内に送風される。
次に、本実施形態にかかる空調システムの冷房運転モード時の制御例を説明する。図27〜図29は、本実施形態にかかる空調システムの冷房運転モード時の制御例を説明するフローチャートである。
冷房運転モード時は、まず、各温度センサ及び湿度センサによる測定結果と、予め記憶部(図示せず)に格納された内容とに基づいて、以下の情報等が取得される(ステップP1)。
外気温度:Ta
外気湿度:Ha
室内温度:TR
室内湿度:HR
給気温度:TSA
温度センサ554で測定される温度:TSB
設定温度:TS
設定湿度:HS
第1の膨張弁入口温度:TEXVA
設定露点温度:Tdp1、Tdp3、Tdp4
空気熱交換器冷媒温度(空気熱交換器温度センサ105で測定される温度):Td
熱源水入口温度:Tw
定数:Δα、 Δγ
目標給気温度の初期値
第1の膨張弁103の開度
第2の膨張弁502の開度
第3の膨張弁503の開度
四方弁106の切換状態
電磁弁501aの状態
比例二方弁504aの状態
室内空気の露点温度:TdpRA
設定温度の露点温度:TdpTS
Δt(=TR−TS)
ΔS(=TdpRA−TdpTS)
なお、室内温度TRおよび室内湿度HRには、例えば、複数の室内機8のうちの代表する室内機8の温湿度センサの測定値を用いてもよいし、複数の室内機8の温湿度センサの測定値の平均値や、室内に設置した温湿度センサの測定値を用いてもよい。
また、上述の定数Δαは目標露点温度を前述のように段階的に設定するために用いられ、定数Δγは、目標給気温度を設定するために用いられる。
図30は、上述のΔα、Δγ、Δt、ΔSを空気線図上に表したものである。
図27の説明に戻る。
ステップP1に次いで、外気温度Taが15℃以上であるか判定される(ステップP2)。判定の結果、外気温度Taが15℃未満である場合、空調システムは暖房運転モードに切り替えられ、また、外気温度Taが15℃以上である場合、外気温度Taが室温TR以上であるか判定される(ステップP3)。
ステップP3において、外気温度Taが室温TR以上であると判定された場合、潜熱処理モジュール500は通常冷房運転を行い、室内機8が冷房運転を行う(ステップP4)。具体的には、潜熱処理モジュール500では、四方弁106が冷房側へ切り替えられ、給気露点温度すなわち空気熱交換器温度センサ105で測定される温度Tdに対する目標露点温度が、通常冷房運転用の設定露点温度Tdp1(例えば10℃)とされる。そして、圧縮機101の運転周波数が、上記温度Tdが設定露点温度Tdp1となるように制御される。また、第1の膨張弁103の開度が、低圧ガス温度センサ551で測定される冷媒の温度と空気熱交換器入口温度センサ550で測定される冷媒の温度との差が2℃以上となるように制御される。そして、第1の膨張弁入口温度センサ552で測定される第1の膨張弁入口温度TEXVAが、熱源水入口温度センサ553で測定される熱源水の温度に応じた目標冷媒温度になるように、第3の膨張弁503の開度が制御される。
そして、凝縮器202で加熱された後の処理空気SBの温度TSBすなわち自然蒸発式加湿器出口温度センサ554で測定される温度TSBが22℃以下であるか判定される(ステップP5)。
ステップP5において、上記温度TSBが22℃以下である場合、熱交換器501での再熱が行われるよう制御される(ステップS6)。具体的には、電磁弁501aが開状態とされ、給気温度センサ36で測定される給気温度TSAが目標給気温度の初期値(24℃)となるように第2の膨張弁502の開度が制御される。再熱動作開始後、処理は図28のステップP8へ移行する。なお、ステップP5において、自然蒸発式加湿器出口温度センサ554で測定される温度TSBが22℃を超えている場合、電磁弁501aは閉状態のまま維持され、または開状態であった場合は閉状態とされて(ステップP7)、処理は図26のステップP8へ移行する。
ステップP8では、室内温度TRと設定温度TSとの差Δtが4℃以下であるか判定される。
判定の結果、上記差Δtが4℃を超えている場合、処理はステップP5へ戻る。一方、上記差Δtが4℃以下である場合、第2の膨張弁502の開度が調整され、熱交換器501による再熱量が調整される(ステップP9)。具体的には、目標給気温度を、現在の目標給気温度にΔγ(例えば2℃)を加えた値、例えば、24℃+Δγとし、給気温度センサ36で測定される給気温度が上記目標給気温度となるように、第2の膨張弁502の開度が制御される。
次いで、室内空気RAの露点温度TdpRAと設定温度TSの露点温度TdpTSとの差ΔSが2℃以下であるか判定される(ステップP10)。2℃を超える場合、処理はステップP9へ戻され、2℃以下である場合、給気露点温度Tdすなわち空気熱交換器温度センサ105で測定される温度Tdに対する目標露点温度が、現在の目標露点温度からΔα(例えば3℃)を減じた値、例えばTdp1−Δαとされる(ステップP11)。
そして、上述の差ΔSが0℃以下であるか判定される(ステップP12)。0℃を超える場合、処理はステップP5へ戻され、また、0℃以下である場合、圧縮機101の動作が停止され、送風機33の運転のみが継続される(ステップP13)。
ステップP3において、外気温度Taが室温TR未満であると判定された場合、図29に示すように、上述の差ΔSが0以上であるか判定される(ステップP14。判定の結果、0以上である場合、潜熱処理モジュール500は低負荷冷房運転を行い、室内機8が冷房運転を行う(ステップP15)。具体的には、潜熱処理モジュール500では、四方弁106が冷房側へ切り替えられ、給気露点温度Tdすなわち空気熱交換器温度センサ105で測定される温度Tdに対する目標露点温度が、低負荷冷房運転用の設定露点温度Tdp3(例えば8℃)とされる。そして、圧縮機101の運転周波数が、空気熱交換器温度センサ105で測定される温度が設定露点温度Tdp3となるように制御される。また、第1の膨張弁103の開度が、低圧ガス温度センサ551で測定される冷媒の温度と空気熱交換器入口温度センサ550で測定される冷媒の温度との差が2℃以上となるように制御される。そして、第1の膨張弁入口温度センサ552で測定される温度が、熱源水入口温度センサ553で測定される熱源水の温度に応じた目標冷媒温度になるように、第3の膨張弁503の開度が制御される。
その後、処理はステップP5へ進む。
また、ステップP14の判定の結果、上述の差ΔSが0未満である場合、潜熱処理モジュール500は冷房加湿運転を行い、室内機8が冷房運転を行う(ステップP16)。具体的には、潜熱処理モジュール500では、四方弁106が冷房側へ切り替えられ、給気露点温度Tdすなわち空気熱交換器温度センサ105で測定される温度Tdに対する目標露点温度が、冷房加湿運転用の設定露点温度Tdp4(例えば6℃)とされる。そして、圧縮機101の運転周波数が、空気熱交換器温度センサ105で測定される温度が設定露点温度Tdp4となるように制御される。また、第1の膨張弁103の開度が、低圧ガス温度センサ551で測定される冷媒の温度と空気熱交換器入口温度センサ550で測定される冷媒の温度との差が2℃以上となるように制御される。そして、第1の膨張弁入口温度センサ552で測定される温度が、熱源水入口温度センサ553で測定される熱源水の温度に応じた目標冷媒温度になるように、第3の膨張弁503の開度が制御される。また、自然蒸発式加湿器出口温度センサ554で測定される温度と自然蒸発式加湿器出口湿度センサ555で測定される湿度とにより算出した露点温度が目標の露点温度になるように比例二方弁504aの開度が制御され、加湿量が制御される。
その後、処理はステップP8へ進む。
図31は、本実施形態にかかる空調システムの暖房運転時の空気線図である。
図に示すように、外気OA1は、潜熱処理モジュール500において、空気熱交換器104で加熱され(S101)、自然蒸発式加湿器504で目標の露点温度TdpSBの処理空気になるように加湿・冷却され(S102)、熱交換器501で目標給気温度になるように再熱される(S103)。
また、室内空気RAは室内機8により加熱される(S104)。
そして、目標給気温度の処理空気SAと、加熱された室内空気RA’とが混合された空気MA1が室内に送風される。
なお、外気OA1の絶対湿度と室内空気RAの絶対湿度の差D5が外気潜熱負荷となり、室内空気RAの絶対湿度と混合空気MA1の絶対湿度の差D6が室内潜熱負荷となる。また、外気OA1の温度と室内空気RAの温度の差D7が外気顕熱負荷となり、室内空気RAの温度と混合空気MA1の温度の差D8が室内顕熱負荷となる。
次に、本実施形態にかかる空調システムの暖房運転モード時の制御例を説明する。図32は、本実施形態にかかる空調システムの暖房運転モード時の制御例を説明するフローチャートである。
暖房運転モード時は、まず、各温度センサ及び湿度センサによる測定結果と、予め記憶部(図示せず)に格納された内容とに基づいて、以下の情報等が取得される(ステップP21)。
外気温度:Ta
外気湿度:Ha
室内温度:TR
室内湿度:HR
給気温度:TSA
温度センサ554で測定される温度:TSB
設定温度:TS
設定湿度:HS
第3の膨張弁出口温度:TEXVB
空気熱交換器冷媒温度(空気熱交換器温度センサ105で測定される温度):Td
定数:Δβ、Δσ
目標給気温度の初期値
目標加熱後温度の初期値
第1の膨張弁103の開度
第2の膨張弁502の開度
第3の膨張弁503の開度
四方弁106の切換状態
電磁弁501aの状態
比例二方弁504aの状態
Δt(=Ts−TR)
ΔS(=TdpTS−TdpRA)
なお、定数Δβは目標露点温度を前述のように段階的に設定するために用いられ、定数Δσは、目標給気温度を設定するために用いられる。
ステップP21に次いで、外気温度Taが15℃未満であるか判定される(ステップP22)。判定の結果、外気温度Taが15℃以上である場合、空調システムは冷房運転モードに切り替えられ、また、外気温度Taが15℃未満である場合、潜熱処理モジュール500は暖房運転を行い、室内機8も暖房運転を行う(ステップP23)。具体的には、潜熱理モジュール500では、四方弁106が暖房側へ切り替えられ、空気熱交換器104での加熱後の処理空気OA´の温度すなわち空気熱交換器温度センサ105で測定される温度Tdに対する目標温度が、目標加熱後温度TOA´(例えば30℃)とされる。そして、圧縮機101の運転周波数が、上記温度Tdが上記目標加熱後温度TOA´となるように制御される。また、第3の膨張弁503の開度が、低圧ガス温度センサ551で測定される冷媒の温度と水熱交換器出口温度センサ556で測定される冷媒の温度との差が2℃以上となるように制御される。そして、第3の膨張弁出口温度センサ557で測定される冷媒の温度が、熱源水入口温度センサ553で測定される熱源水の温度に応じた目標冷媒温度になるように、第1の膨張弁103の開度が制御される。
また、潜熱処理モジュール500は加湿運転および再熱(再加熱)運転を行う(ステップP24)。具体的には、必要な絶対湿度になるように、目標加湿後露点温度を定め、その露点温度と同値になる加湿後の処理空気SBの目標温度と目標湿度を算出する。この計算の際、外気OA1の露点温度TpdOA1の絶対湿度と同じ絶対湿度となる空気熱交換器104による加熱後の処理空気OA1´の温度と湿度を算出し、その算出した温度と湿度で示される点を通る等エンタルピ線と必要な絶対湿度の線が交わる点すなわち目標加湿後露点温度を求め、当該点を示す温度と湿度を、加湿後の処理空気SBの目標温度と目標湿度とする。また、熱交換器501による再熱運転のため、電磁弁501aを開状態とし、給気温度センサ36で測定される給気温度TSAが目標給気温度の初期値(例えば30℃)となるように第2の膨張弁502の開度が制御される。
そして、設定温度TSと室内温度TRとの差Δtが4℃以下であるか判定される(ステップP25)。
判定の結果、上記差Δtが4℃を超えている場合、処理はステップP23へ戻る。一方、上記差Δtが4℃以下である場合、第2の膨張弁502の開度が調整され、熱交換器501による再熱量が調整される(ステップP26)。具体的には、目標給気温度を、現在の目標給気温度からΔσ(例えば2℃)を減じた値、例えば、30℃−Δσとし、給気温度センサ36で測定される給気温度が上記目標給気温度となるように、第2の膨張弁502の開度が制御される。
次いで、設定温度TSの露点温度TdpTSと室内空気RAの露点温度TdpRAとの差ΔSが2℃以下であるか判定される(ステップP27)。2℃を超える場合、処理はステップP26へ戻され、2℃以下である場合、給気露点温度Tdすなわち空気熱交換器温度センサ105で測定される温度Tdに対する目標露点温度が、現在の目標露点温度にΔβを加えた値、例えばTdpOA1+Δβとされる(ステップP28)。
そして、上述の差ΔSが0℃以下であるか判定される(ステップP29)。0℃を超える場合、処理はステップP23へ戻され、また、0℃以下である場合、圧縮機101の動作が停止され、送風機33の運転のみが継続される(ステップP30)。
本実施形態では、潜熱処理モジュール500において空気を処理する最終段に再熱用の熱交換器501を設け、給気温度が目標給気温度となるように、熱交換器501に接続された第2の膨張弁502の開度を制御し、熱交換器501による再熱量を調整することができる。したがって、適正な吹出空気を居室に吹き出すことができる。また、室内機8の負担を減らしながら適正な吹出空気を吹き出すことができる。
さらに、本実施形態では、熱交換器501の再熱用の凝縮熱は、水熱交換器102で排熱する凝縮熱の一部を使用している。つまり、排気熱の一部を熱交換器501での再熱で使用している。したがって、水熱交換器102で処理する排熱分が減少し、熱源機の負荷が減少するので、熱源水ポンプの水量を減じることができ、結果、熱源水ポンプの省エネルギーとなり、システム全体の消費エネルギーが低減する。
なお、暖房運転時、自然蒸発式加湿器で加湿すると、加湿と同時に冷却するので、加湿後の空気をそのまま供給すると、所望の吹出温度で処理空気を吹き出すことができない。それに対し、本実施形態では、前述のように、潜熱処理モジュール500において空気を処理する最終段に再熱用の熱交換器501を設け、給気温度が目標給気温度となるように、熱交換器501に接続された第2の膨張弁502の開度を制御し、熱交換器501による再熱量を調整することができる。したがって、暖房運転時に、自然蒸発式加湿器で加湿・冷却された空気を熱交換器501により適切な再熱量で再熱することができるため、適正な吹出空気を居室に吹き出すことができる。
さらに、本実施形態の潜熱処理モジュールと複数の室内機を組み合わせた水熱源空調システムとすることにより、潜熱、顕熱分離空調システムとなり、部分負荷にも対応できるため、年間を通して高効率で快適な空調を提供することができる。
また、本実施形態における第3の膨張弁503の開度の制御方法を採用することにより、圧縮機101の消費電力が低減するように、水熱交換器102への冷媒流量を最適に制御することができる。
なお、以上の例では、図22に示した、圧縮機101の消費電力が低減するときの関係式として、目標給気温度によらない1つの式を用いて、第1の膨張弁入口温度センサ552で測定される温度の目標温度を設定していた。これに代えて、上記圧縮機101の消費電力が低減するときの関係式を試験により予め複数取得しておき、例えば、目標給気温度毎に取得しておき、そして、目標給気温度毎に異なる上記関係式を用いて、第1の膨張弁入口温度センサ552で測定される温度の目標温度を設定してもよい。
(第6の実施形態)
図33は、本発明の第6の実施形態にかかる空調システムに用いられる潜熱処理モジュールの構成の概略を示す説明図である。なお、図33には、冷房運転を行っている状態が示されている。
本実施形態の空調システムの全体的な構成は、例えば図13に示した第3の実施形態にかかる空調システムと同様であるが、本実施形態の空調システムに用いられる潜熱処理モジュールの構成は以下に示すように第3の実施形態のものと異なる。
図33の潜熱処理モジュール600は、図4の潜熱処理モジュール32と同様に、冷媒回路110を有し、当該冷媒回路110が、空気熱交換器104と、顕熱交換器200内を循環する冷媒とは異なる他の冷媒と熱交換を行う水熱交換器102とを有すると共に、当該モジュール600が、圧縮機101と、膨張弁103と、四方弁106と、を有する。
ただし、潜熱処理モジュール600は、図4の潜熱処理モジュール32と異なり、圧縮機101からの上記他の冷媒が循環する他の冷媒回路610を有し、当該冷媒回路610が、上記他の冷媒と処理空気との間で熱交換を行う他の熱交換器601と、上記他の冷媒と熱源水との熱交換を行う他の熱源熱交換器としての水熱交換器602とを有する。また、潜熱処理モジュール600には、圧縮機101から冷媒回路610へ流れる冷媒の流動方向を切り替える他の四方弁603を有する。さらに、冷媒回路610における、熱交換器601と水熱交換器602との間には、他の膨張弁604が設けられている。
なお、潜熱処理モジュール600には、第5の実施形態にかかる潜熱処理モジュール500と同様に、自然蒸発式加湿器504が設けられている。
また、潜熱処理モジュール600において、冷媒回路110と冷媒回路610とは、圧縮機101に対して並列に接続されている。
そして、潜熱処理モジュール600では、四方弁603での切替によって、熱交換器601で加熱及び冷却を選択的に行うことができる。
例えば、潜熱処理モジュール600が冷房運転を行い、すなわち、四方弁106が冷房側へ切り替えられており、室内機8が冷房運転を行う場合、四方弁603は暖房側へ切り替えられ、熱交換器601では処理空気の加熱が行われる。
また、例えば、潜熱処理モジュール600が冷房運転を行い、室内機8が暖房運転を行う場合、四方弁603は冷房側へ切り替えられ、熱交換器601では処理空気の冷却が行われる。
例えば、潜熱処理モジュール600が暖房運転を行い、すなわち、四方弁106が暖房側へ切り替えられており、室内機8が暖房運転を行う場合、四方弁603は暖房側へ切り替えられ、熱交換器601では処理空気の加熱が行われる。
また、例えば、潜熱処理モジュール600が暖房運転を行い、室内機8が冷房運転を行う場合、四方弁603は冷房側へ切り替えられ、熱交換器601では処理空気の冷却が行われる。
なお、室内機8が冷房運転を行っているか否かは、複数台の室内機8のうちの代表する室内機が冷房運転を行っているか、複数台の室内機8のうち暖房運転中の割合が半数以上であるか、室内に設置した温湿度センサの温度が設定温度より高いか、等に基づいて判定することができる。
また、室内機8が暖房運転を行っているか否かの判定は、複数台の室内機8のうちの代表する室内機が暖房運転を行っているか、複数台の室内機8のうち暖房運転中の割合が半数以上であるか、室内に設置した温湿度センサの温度が設定温度より低いか、等に基づいて判定することができる。
また、潜熱処理モジュール600では、四方弁603が暖房側へ切り替えられている場合、圧縮機101から吐出された高圧ガス冷媒は、四方弁603を通り、加熱を行う熱交換器601で凝縮され、高圧液冷媒となり、膨張弁604で減圧される。膨張弁604で減圧された冷媒は、水熱交換器602で蒸発し、四方弁603を通って圧縮機101に戻される。なお、熱源水は、水熱交換器102で冷媒と熱交換し、水温が低下する。
また、潜熱処理モジュール600では、四方弁603が冷房側へ切り替えられている場合、圧縮機101から吐出された高圧ガス冷媒が、四方弁603を通り、水熱交換器602で熱源水により凝縮され、高圧液冷媒となる。そして、この高圧冷媒は、膨張弁604で減圧され、冷却を行う熱交換器601で蒸発し、四方弁603を通って圧縮機101に戻される。なお、熱源水は、水熱交換器602で冷媒と熱交換し、水温が上昇する。
続いて、潜熱処理モジュール600において行われる制御の一例について説明する。
潜熱処理モジュール600が冷房運転を行う場合の制御は、例えば以下の通りである。
(1)除湿制御として、空気熱交換器温度センサ105によって検知される温度が設定露点温度となるように、圧縮機101の運転周波数が制御される。
(2)給気温度センサ36で測定される温度が目標給気温度になるように、膨張弁604の開度が制御され、熱交換器601に流れる冷媒量が制御され、熱交換器601では処理空気の加熱または冷却が行われる。
(3)空気熱交換器入口温度センサ550で測定される空気熱交換器104へ流れる冷媒の温度と低圧ガス温度センサ551で測定される圧縮機101へ戻る冷媒の温度との差が2℃以上になるように、膨張弁103の開度が制御される。
潜熱処理モジュール600が暖房運転を行う場合の制御は、例えば以下の通りである。
(1)空気熱交換器温度センサ105によって検知される温度が、目標加熱後温度になるように、圧縮機101の運転周波数が制御される。
(2)自然蒸発式加湿器出口温度センサ554で測定される温度と自然蒸発式加湿器出口湿度センサ555で測定される湿度とにより算出した露点温度が目標露点温度になるように比例二方弁504aの開度が制御され、加湿量が制御される。
(3)給気温度センサ36で測定される温度が目標給気温度になるように、膨張弁604の開度が制御され、熱交換器601に流れる冷媒量が制御され、熱交換器601では処理空気の加熱または冷却が行われる。
(4)低圧ガス温度センサ551で測定される圧縮機101へ戻る冷媒の温度と水熱交換器出口温度センサ556で測定される水熱交換器102へ流れる冷媒の温度との差が2℃以上になるように、膨張弁103の開度が制御される。
本実施形態によれば、熱交換器601で加熱及び冷却を選択的に行うことができるため、空調負荷に応じて適切な処理を行うことができる。
また、本実施形態において、四方弁106と四方弁603とで冷暖の切替状態が異なる場合(例えば、四方弁106が冷房側へ切り替えられており四方弁603が暖房側へ切り替えられている場合)、冷媒との熱交換により水熱交換器102及び水熱交換器602のいずれか一方で熱源水の温度が上昇し、他方で熱源水の温度が低下する。そして、温度が上昇した熱源水と温度が低下した熱源水とが混合されて戻される。したがって、戻りの熱源水の温度の上昇を抑えることができる。
(第7の実施形態)
図34は、本発明の第7の実施形態にかかる空調システムに用いられる潜熱処理モジュールの構成の概略を示す説明図である。なお、図34には、冷房運転を行っている状態が示されている。
本実施形態の空調システムの全体的な構成は、例えば図13に示した第3の実施形態にかかる空調システムと同様であるが、本実施形態の空調システムに用いられる潜熱処理モジュールの構成は以下に示すように第3実施形態のものと異なる。
図34の潜熱処理モジュール700は、図33の潜熱処理モジュール600において冷媒回路610に設けられていた四方弁603を省略したものであり、熱交換器601では冷却は行わず加熱のみを行うことができる。
なお、潜熱処理モジュール700における冷媒の流れは、図6の潜熱処理モジュール600における四方弁603が暖房側へ切り替えられている場合と同様であるため、その説明を省略する。
また、潜熱処理モジュール700において行われる制御は、潜熱処理モジュール600において行われる制御と同様であるため、その説明を省略する。
以上の説明では、図19の潜熱処理モジュール500、図33の潜熱処理モジュール600、図34の潜熱処理モジュール700を、第3の実施形態の空調システムに適用するものとした。しかし、上述の潜熱処理モジュール500、600、700のように、潜熱を処理する空気熱交換器105の他に熱交換器501、601を有する冷媒回路510、610を有する潜熱処理モジュールは、第1の実施形態や第2の実施形態、第3の実施形態の空調システムにも用いることができる。
なお、第1、第3〜第7の実施形態の空調システムでは、潜熱処理モジュールの運転モード(冷房運転、暖房運転)と複数の室内機の運転モード(冷房運転、暖房運転)が異なっていても空調処理を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、外気を処理して建物内の空調対象空間の温度及び湿度を調整する技術に特に有用である。
1 建物
2 高顕熱室内機
3、7、500、600、700 外気処理装置
4 熱源機
5 熱源水供給部
6 全熱交換器
32 潜熱処理モジュール
34 吸込温度センサ
35 吸込湿度センサ
36 給気温度センサ
37 給気湿度センサ
38 ファンコイル
71 顕熱処理モジュール
72 可変風量ユニット
100 水熱源ヒートポンプ
101 圧縮機
106,603 四方弁
103 膨張弁(第1の膨張弁)
104 空気熱交換器
110、510、610 冷媒回路
200 顕熱交換器
201 蒸発器
202 凝縮器
203 第1の配管
204 第2の配管
400 加湿器
501,601 熱交換器
502 第2の膨張弁
503 第3の膨張弁
511 配管系統
512 配管系統
604 膨張弁

Claims (22)

  1. 外気を含む処理空気に対し潜熱処理を行い該潜熱処理後の処理空気を給気する潜熱処理モジュールであって、
    潜熱処理前の処理空気を顕熱交換により冷却する蒸発器と、潜熱処理後であって給気される前の処理空気を顕熱交換により加熱する凝縮器とが、当該蒸発器と当該凝縮器との間で冷媒が循環するように接続された顕熱交換器と、
    前記蒸発器により冷却された処理空気の潜熱処理を行う熱交換器と、を有し、
    前記蒸発器と前記凝縮器は、前記蒸発器で気化した冷媒が密度差により前記凝縮器に流れ、前記凝縮器で凝縮した冷媒が高低差により前記蒸発器に流れることで冷媒が循環するように配設され、
    前記蒸発器、前記熱交換器および前記凝縮器は、斜め上方に向けてこの順で並べて配置されることを特徴とする、潜熱処理モジュール。
  2. 前記蒸発器および前記凝縮器は、それぞれ、水平面に対する角度が0°より大きく90°未満となるように、傾けて設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の潜熱処理モジュール。
  3. 前記蒸発器は、当該蒸発器の上端の高さが前記凝縮器の下端の高さと一致する位置から所定の範囲内に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の潜熱処理モジュール。
  4. 前記蒸発器および前記凝縮器は、
    前記気化した冷媒が流れる配管および前記凝縮した冷媒が流れる配管に連通する2本のヘッダをそれぞれ有し、
    該2本のヘッダ同士を接続する複数の冷媒管が、側面視において鉛直となるように配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の潜熱処理モジュール。
  5. 前記熱交換器において処理空気と熱交換する他の冷媒を圧縮し、当該熱交換器と共にヒートポンプを構成する圧縮機をさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の潜熱処理モジュール。
  6. 前記熱交換器の出口における露点温度を算出するための温度センサおよび湿度センサ、並びに、
    前記熱交換器の中を流れる前記他の冷媒の温度を検知する温度センサ、の少なくともいずれかを有し、
    算出された露点温度または検知された前記他の冷媒の温度に基づいて、前記圧縮機の運転周波数を制御することを特徴とする、請求項5に記載の潜熱処理モジュール。
  7. 前記熱交換器と、前記熱交換器において処理空気と熱交換する他の冷媒と熱源との間で熱交換を行う熱源熱交換器とを有する冷媒回路と、
    前記冷媒回路内で前記他の冷媒を循環させる圧縮機と、
    前記圧縮機から前記冷媒回路へ流れる冷媒の流動方向を切り替える四方弁と、をさらに有し、
    前記冷媒回路は、処理空気の流れ方向における前記顕熱交換器より下流側に配設され、前記他の冷媒と処理空気の間で熱交換を行う他の熱交換器を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の潜熱処理モジュール。
  8. 処理空気の流れ方向における前記顕熱交換器の凝縮器と前記他の熱交換器との間に、加湿器を有することを特徴とする、請求項7に記載の潜熱処理モジュール。
  9. 前記冷媒回路は、前記他の冷媒を減圧する膨張弁として、前記熱交換器と接続された第1の膨張弁、前記他の熱交換器に接続された第2の膨張弁、および、前記熱源熱交換器に接続された第3の膨張弁とを有し、
    前記冷媒回路は、前記他の熱交換器と前記第2の膨張弁と第1の膨張弁と前記熱交換器がこの順で直列に接続された配管系統、および、前記熱源熱交換器と前記第3の膨張弁と前記第1の膨張弁と前記熱交換器がこの順で直列に接続された配管系統が、圧縮機101に対して並列に接続されると共に、前記他の熱交換器は前記第2の膨張弁を介して、前記第1の膨張弁と前記第3の膨張弁との間に接続されていることを特徴とする請求項7または8に記載の潜熱処理モジュール。
  10. 前記第3の膨張弁の開度は、前記第1の膨張弁へ流れる前記他の冷媒の温度が、前記熱源熱交換器としての水熱交換器に供給される熱源水の温度に応じた温度になるように制御されることを特徴とする、請求項9に記載の潜熱処理モジュール。
  11. 前記他の熱交換器と、前記他の冷媒と熱源との間で熱交換を行う他の熱源熱交換器とを有し、前記圧縮機により前記他の冷媒が循環される他の冷媒回路と、
    前記圧縮機から前記他の冷媒回路へ流れる冷媒の流動方向を切り替える他の四方弁と、を有することを特徴とする、請求項7または8に記載の潜熱処理モジュール。
  12. 前記他の熱交換器と、前記他の冷媒と熱源との間で熱交換を行う他の熱源熱交換器とを有し、前記圧縮機により前記他の冷媒が流動方向一定で循環される他の冷媒回路とを有することを特徴とする、請求項7または8に記載の潜熱処理モジュール。
  13. 少なくとも1以上の請求項5または6に記載の潜熱処理モジュールを有することを特徴とする、外気処理装置。
  14. 少なくとも1以上の請求項5または6に記載の潜熱処理モジュールと、
    少なくとも1以上の顕熱処理モジュールと、を有し、
    該顕熱処理モジュールは、
    処理空気を冷却する熱交換器と、
    該熱交換器において処理空気と熱交換する別の冷媒を圧縮し、当該熱交換器と共にヒートポンプを構成する圧縮機と、を有することを特徴とする、外気処理装置。
  15. 少なくとも1以上の請求項7〜12のいずれか1項に記載の潜熱処理モジュールを有することを特徴とする、外気処理装置。
  16. 当該外気処理装置により処理される前の処理空気の露点および絶対湿度を算出するための吸込温度センサおよび吸込湿度センサをさらに有し、
    前記吸込温度センサおよび前記吸込湿度センサでの検知結果に基づいて算出された露点および絶対湿度に基づいて、当該外気処理装置内の圧縮機の運転周波数の制御および当該外気処理装置内のモジュールの動作台数の制御の少なくともいずれかを行うことを特徴とする、請求項13または14に記載の外気処理装置。
  17. 当該外気処理装置により処理された後の処理空気の露点および絶対湿度を算出するための給気温度センサおよび給気湿度センサをさらに有し、
    前記給気温度センサおよび前記給気湿度センサでの検知結果に基づいて、当該外気処理装置内の圧縮機の運転周波数の制御および当該外気処理装置内のモジュールの動作台数の制御の少なくともいずれかを行うことを特徴とする、請求項13、14または16に記載の外気処理装置。
  18. 当該外気処理装置内の各モジュールが備えるヒートポンプは熱源水を用いる水熱源ヒートポンプであり、
    当該外気処理装置内の運転を停止したモジュールの台数に応じて当該外気処理装置内のモジュールに対して供給する熱源水の流量を減らすことを特徴とする、請求項16または17に記載の外気処理装置。
  19. 請求項13に記載の外気処理装置と、
    冷媒との熱交換により室内への給気の顕熱を処理する室内機と、
    水を熱源として前記室内機で用いられる冷媒の温度調節を行う熱源機と、
    室内からの排気と屋外から取り込んだ外気とを熱交換させる全熱交換器と、を備えることを特徴とする、空調システム。
  20. 請求項13に記載の外気処理装置と、
    冷媒との熱交換により室内への給気の顕熱を処理する室内機と、
    水を熱源として前記室内機で用いられる冷媒の温度調節を行う熱源機と、
    前記外気処理装置の潜熱処理モジュールに供給する処理空気をあらかじめ温度調節するファンコイルと、を備え、
    前記外気処理装置、前記熱源機および前記ファンコイルに供給される水は、密閉式冷却塔および空冷ヒートポンプチラーの少なくともいずれかから供給されることを特徴とする、空調システム。
  21. 請求項13または15に記載の外気処理装置と、
    熱源水との熱交換により室内への給気の温度を調節する水熱源室内機と、
    室内からの排気と屋外から取り込んだ外気とを熱交換させる全熱交換器と、を備え、
    前記外気処理装置および前記水熱源室内機に供給される熱源水は、冷却塔および温水ボイラの少なくともいずれかから供給されることを特徴とする、空調システム。
  22. 請求項14に記載の外気処理装置と、
    供給風量を室内負荷に応じて調節して室内に給気する可変風量ユニットと、
    室内からの排気と屋外から取り込んだ外気とを熱交換させる全熱交換器と、を備えることを特徴とする、空調システム。
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