JP2019148366A - パルス管冷凍機 - Google Patents

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Abstract

【課題】パルス管冷凍機の超低振動化に寄与する技術を提供する。【解決手段】パルス管冷凍機10は、圧力振動源12と、圧力振動源12に接続された蓄冷器高温端18aと、蓄冷器低温端18bとを備える蓄冷器18と、蓄冷器低温端18bに接続されたパルス管低温端22bと、パルス管高温端22aとを備えるパルス管22と、パルス管高温端22aに接続されたイナータンス管26と、イナータンス管26を介してパルス管高温端22aに流体的に接続されたバッファタンク28とを備える位相制御部24と、位相制御部24に組み込まれた動吸振器32であって、パルス管高温端22aに取り付けられた弾性要素32aと、パルス管高温端22aに対し変位可能となるように弾性要素32aを介してパルス管高温端22aに取り付けられた質量要素32bとを備える動吸振器32と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、パルス管冷凍機、例えば、スターリング型のパルス管冷凍機に関する。
従来から、例えばリニア圧縮機などの圧力振動源を用いるパルス管冷凍機が知られている。圧力振動源が生成する圧力振動流を利用する点でスターリング冷凍機と共通するので、このようなパルス管冷凍機は、スターリング型パルス管冷凍機とも呼ばれている。圧力振動源には防振ゴムなど制振対策がなされうる。
特開2003−4322号公報
本発明者は、パルス管冷凍機について鋭意研究を重ねた結果、以下の課題を認識するに至った。スターリング型パルス管冷凍機に限られず、パルス管冷凍機は一般に、例えばセンサなど振動を嫌う被冷却物を冷却する用途に適している。パルス管冷凍機のコールドヘッドは可動部品を有しないように構成することができ、そのため、コールドヘッドに関しては制振対策を何らとることなく被冷却物を低振動に保持して冷却することができるからである。
ところが、本発明者は、そのような既知の用途ではまったく問題とならない程度にすぎないが、コールドヘッドに出入りする冷媒ガスの運動による慣性力に起因して、実際には、コールドヘッドに非常に微小な振動が生じうることに気づいた。例えばスターリング型パルス管冷凍機の場合、充填される冷媒ガスの圧力は通例、スターリング冷凍機のそれに比べて高い。そのため、冷媒ガスの慣性力も、スターリング型パルス管冷凍機では、比較的大きくなりがちである。
本発明者の想定によれば、最先端の学術研究または先進的な産業利用の冷却用途(例えば、宇宙機に搭載される新規な観測機器の検出素子の極低温冷却など)においては、既存のパルス管冷凍機により実現可能な低振動を超える超低振動のもとでの冷却が、今後要請される可能性がある。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、パルス管冷凍機の超低振動化に寄与する技術を提供することにある。
本発明のある態様によると、パルス管冷凍機は、圧力振動源と、前記圧力振動源に接続された蓄冷器高温端と、蓄冷器低温端とを備える蓄冷器と、前記蓄冷器低温端に接続されたパルス管低温端と、パルス管高温端とを備えるパルス管と、前記パルス管高温端に接続されたイナータンス管と、前記イナータンス管を介して前記パルス管高温端に流体的に接続されたバッファタンクとを備える位相制御部と、前記位相制御部に組み込まれた動吸振器であって、前記パルス管高温端に取り付けられた弾性要素と、前記パルス管高温端に対し変位可能となるように弾性要素を介して前記パルス管高温端に取り付けられた質量要素とを備える動吸振器と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、パルス管冷凍機の超低振動化に寄与する技術を提供することができる。
第1実施形態に係るパルス管冷凍機を概略的に示す図である。 第2実施形態に係るパルス管冷凍機の膨張機を概略的に示す図である。 第2実施形態に係る膨張機に適用されうる動吸振器を図2に示されるB方向から見たときの正面図を概略的に示す図である。 図4(a)から図4(c)は、第3実施形態に係るパルス管冷凍機を概略的に示す。 第4実施形態に係るパルス管冷凍機を概略的に示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。説明および図面において同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施の形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るパルス管冷凍機10を概略的に示す。パルス管冷凍機10は、スターリング型パルス管冷凍機として構成され、圧力振動源12と、接続管14と、コールドヘッドとも称される膨張機16とを備える。膨張機16は、蓄冷器18と、冷却ステージ20と、パルス管22と、位相制御部24とを備える。膨張機16は、蓄冷器18とパルス管22が同軸かつ直列に互いに接続された、いわゆるインライン型または直線型の構成を有する。理解のために、膨張機16の軸方向を矢印Aにより図示している。
図においては簡単のために、単段のパルス管冷凍機10として示されているが、ある実施形態においては、パルス管冷凍機10は、二段パルス管冷凍機として構成することも可能である。
パルス管冷凍機10の冷媒ガスは典型的にヘリウムガスが使用される。ただし、これに限られず、適切な他のガスを冷媒ガスとして用いることも可能である。冷媒ガスは、パルス管冷凍機10内に充填され封入されている。
パルス管冷凍機10は、圧力振動源12の動作によってパルス管22内に冷媒ガスの圧力振動が誘起され、位相制御部24の作用により圧力振動と同期して適切な位相遅れをもって、パルス管22内で冷媒ガスの変位振動すなわちガスピストンの往復動が生じるように、設計されている。ある圧力を保持しながらパルス管22内を上下に周期的に往復する冷媒ガスの動きは、しばしば「ガスピストン」と称され、パルス管冷凍機10の挙動を説明するためによく用いられる。ガスピストンがパルス管22の高温端またはその近傍にあるときパルス管22の低温端で冷媒ガスが膨張し、寒冷が発生する。
このような冷凍サイクル(例えば、具体的には、逆スターリングサイクル)を繰り返すことにより、パルス管冷凍機10は、冷却ステージ20を所望の極低温に冷却することができる。したがって、パルス管冷凍機10は、冷却ステージ20に設置され、または適宜の伝熱部材を介して冷却ステージ20に熱的に結合された被冷却物を極低温に冷却することができる。
一例として、被冷却物は、赤外線、サブミリ波、X線、またはその他の電磁波を検出する検出素子であってもよい。こうした検出素子は、天文観測に使用される観測装置の構成要素であってもよい。このような電磁波検出素子を有する観測装置とともに、パルス管冷凍機10は、例えば人工衛星などの宇宙機に搭載可能とされていてもよい。あるいは、パルス管冷凍機10は、そうした観測装置を備える地上設備に搭載されてもよい。あるいは、パルス管冷凍機10は、極低温環境が望まれる例えば超伝導装置またはその他の装置とともに宇宙機または地上設備に搭載されてもよい。
圧力振動源12は、対向して同軸に配置された2つのシリンダ12aを有する、いわゆる対向二気筒のリニア圧縮機として構成されている。各シリンダ12aには、ピストン12bと、ピストン12bを軸方向に振動させるリニアアクチュエータ12cが収容されている。ピストン12bの振動方向は膨張機16の軸方向とは異なる。ピストン12bは、フレクシャベアリング12dとも呼ばれる板バネまたは弾性支持部材を介して、径方向および周方向の変位は規制されつつ軸方向には変位できるようにシリンダ12aに弾性的に支持されている。またシリンダ12aは、リニアアクチュエータ12cを固定的に支持する。シリンダ12aとピストン12bとの間に圧縮室12eが形成される。接続管14の一端が圧縮室12eに接続されている。
リニアアクチュエータ12cの駆動により、ピストン12bが軸方向に振動される。それにより圧縮室12eの容積が振動的に増減し、圧縮室12e内の冷媒ガスの圧力振動が生成される。一例として、圧力振動の平均圧力は例えばメガパスカルのオーダ、例えば約1〜3MPaの範囲にあり、圧力振幅は例えば約0.5〜1MPa以内の範囲にあり、周波数は例えば約50〜60Hzの範囲にあってもよい。
接続管14は、圧力振動源12を膨張機16に流体的に接続する。すなわち、接続管14は、圧力振動源12と膨張機16との間で相互に双方向に冷媒ガスを流すことができるように圧力振動源12と膨張機16とを接続する。よって、圧力振動源12により生成される冷媒ガスの圧力振動は、接続管14を介して膨張機16に伝達され、それにより膨張機16内に圧力振動を誘起することができる。なお、接続管14は、フレキシブル管であってもよいし、剛性管であってもよい。
蓄冷器18は通例、円筒またはそのほか筒状の形状を有する容器と、この容器に充填された蓄冷材とを備える。蓄冷器18は、蓄冷器高温端18aと、蓄冷器低温端18bとを有する。蓄冷器高温端18aは、接続管14の他端に接続され、接続管14を介して圧力振動源12の圧縮室12eに接続されている。蓄冷器高温端18aには、アフタークーラとも呼ばれる熱交換器またはその他の放熱部材が設けられていてもよい。
パルス管22は、例えば円筒または他の適切な形状を有する管状の部材であり、冷媒ガスを収容できる内部空間を有する。蓄冷器18と位相制御部24はパルス管22を介して流体的に接続されている。なお、パルス管冷凍機10においては、蓄冷器18およびパルス管22を迂回する冷媒ガスの流路は設けられていない。よって、圧力振動源12と位相制御部24との間のガス流通はすべて、蓄冷器18およびパルス管22を経由する。
パルス管22は、パルス管高温端22aと、パルス管低温端22bとを有する。パルス管低温端22bは、蓄冷器低温端18bに接続されている。パルス管低温端22bと蓄冷器低温端18bは相互に連通しており、それにより、パルス管22と蓄冷器18は流体的に接続されている。また、パルス管低温端22bは、蓄冷器低温端18bと構造的に固く結合されている。
パルス管低温端22bと蓄冷器低温端18bの結合部には、この結合部を包囲するようにして、冷却ステージ20が設置されている。冷却ステージ20は、例えば銅などの高熱伝導材料で形成されている。冷却ステージ20は、パルス管低温端22bおよび蓄冷器低温端18bに熱的に結合されている。上述のように、冷却ステージ20には、パルス管冷凍機10により冷却すべき所望の被冷却物を設置することができる。
パルス管高温端22aには、位相制御部24が設けられている。位相制御部24は、パルス管高温端22aに接続されたイナータンス管26と、イナータンス管26を介してパルス管高温端22aに流体的に接続されたバッファタンク28とを有する。
イナータンス管26は、バッファタンク28に収容されている。そのため、イナータンス管26の一端は、パルス管高温端22aに流体的に接続され、イナータンス管26の他端は、バッファ容積すなわちバッファタンク28の内部空間に開放されている。イナータンス管26は、例えば蓄冷器18及び/またはパルス管22の軸長に比べて顕著に長い(例えば少なくとも約1m、または数mに及びうる)ので、バッファタンク28の中に適切に収めることができるように、コイル状、蛇行状またはその他の湾曲形状に成形されている。イナータンス管26は、フレキシブル管であってもよいし、剛性管であってもよい。
バッファタンク28は、パルス管高温端22aと構造的に固く結合されている。パルス管高温端22aには径方向に広がるフランジ部30が設けられていてもよく、フランジ部30は、バッファタンク28の壁の一部(例えば、バッファタンク28の上面または底面)を定めていてもよい。バッファタンク28もまた、蓄冷器18およびパルス管22と同軸に配置されていてもよい。
膨張機16は、膨張機16の振動、例えば軸方向の振動を抑制するように構成された振動抑制機構、例えば動吸振器32を備える。動吸振器32は、位相制御部24に組み込まれている。より具体的には、動吸振器32は、バッファタンク28に内包されることにより、位相制御部24に組み込まれている。動吸振器32は、パルス管22の軸方向の振動を抑制するように構成されている。
動吸振器32は、パルス管高温端22aに取り付けられた弾性要素32aと、パルス管高温端22aに対し変位可能となるように弾性要素32aを介してパルス管高温端22aに取り付けられた質量要素32bとを備える。弾性要素32aは、質量要素32bの軸方向変位を許容しつつ他の方向(例えば径方向および周方向)の変位を制限または禁止するように、質量要素32bを弾性的に支持する。弾性要素32aは、例えば、フレクシャベアリング、または、1つ又は複数の板バネまたはその他のバネを含むバネ機構を備える。質量要素32bは、重りとして働くものであれば何でもよい。質量要素32bは、その中心部に、イナータンス管26を通すための開口を有してもよい。
弾性要素32aは、質量要素32bが中立位置から軸方向に変位するとき質量要素32bに弾性的復元力が作用するように、質量要素32bとパルス管高温端22aとの間に取り付けられている。例えば、弾性要素32aは、フランジ部30と質量要素32bとの間に装着され、パルス管高温端22aにフランジ部30を介して取り付けられていてもよい。あるいは、弾性要素32aは、バッファタンク28のその他の壁部と質量要素32bとの間に装着され、パルス管高温端22aにバッファタンク28を介して取り付けられていてもよい。
動吸振器32は、弾性要素32aと質量要素32bにより形成される振動系の固有振動数が、膨張機16に励起されうる振動の振動数に一致するように設計される。膨張機16に励起されうる振動の例としては、パルス管冷凍機10の運転に伴いパルス管22に出入りする冷媒ガスの運動による慣性力に起因して膨張機16またはパルス管22に励起される微小な軸方向振動が想定されるが、これに限られない。このような動吸振器32の設計は、例えば、理論解析、及び/または数値解析、及び/または実験的手法により適宜行うことが可能である。
したがって、第1実施形態に係るパルス管冷凍機10によれば、膨張機16に動吸振器32が設けられているので、膨張機16の振動を抑制することができる。とくに、動吸振器32は、冷媒ガスの慣性力に起因する膨張機16の微小振動を抑制することができるので、既存のパルス管冷凍機により実現可能な低振動を超えるパルス管冷凍機の超低振動化が可能となる。
また、動吸振器32は位相制御部24に組み込まれているので、動吸振器32の追加による膨張機16の大型化は抑えられる。とくに、動吸振器32をバッファタンク28に収容することは、動吸振器32を設置する新たなスペースを要しない点で有利である。
動吸振器32のような受動的な振動対策は、アクチュエータ及び/またはコントローラを利用する能動的な振動対策に比べて、構成が単純となり、また製造コストの上でも有利である。とくに、パルス管冷凍機10が宇宙機に搭載される場合には、能動的な振動対策は、放射線への耐性など特別の仕様を有するきわめて高価なコントローラを必要とすることになる。これに対して、第1実施形態に係るパルス管冷凍機10によれば、そうした高価なコントローラを要しないので、コスト面でかなり有利である。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態に係るパルス管冷凍機の膨張機16を概略的に示す。第2実施形態に係る膨張機16は、蓄冷器18およびパルス管22に配置に関して第1実施形態と相違し、その余については概ね共通する。以下では、相違する構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
膨張機16は、蓄冷器18と、冷却ステージ20と、パルス管22と、位相制御部24とを備える。膨張機16は、蓄冷器18がパルス管22を取り囲むように蓄冷器18とパルス管22が同軸に配置された、いわゆる同軸型の構成を有する。冷却ステージ20の内部で冷媒ガスの流路は軸方向に反対向きに折り返される。蓄冷器高温端18aとパルス管高温端22aはほぼ同じ場所に位置し、ともにフランジ部30に固定されている。接続管14は、フランジ部30を径方向に貫通して、蓄冷器高温端18aに接続されている。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、位相制御部24は、パルス管高温端22aに接続されたイナータンス管26と、イナータンス管26を介してパルス管高温端22aに流体的に接続されたバッファタンク28とを有する。バッファタンク28は、イナータンス管26と動吸振器32を収容する。
イナータンス管26は、まず、パルス管高温端22aからバッファタンク28の内部を軸方向に延在している。そして、イナータンス管26は、フランジ部30とは軸方向に反対側のバッファタンク28のドーム状壁面近傍でその壁面に沿ってバッファタンク28の側壁へと湾曲され、さらにバッファタンク28の側壁に沿ってコイル状に湾曲されている。イナータンス管26の開放端はフランジ部30の近傍に位置し、この開放端を通じてバッファタンク28とイナータンス管26との流体接続が可能となる(矢印34で図示する)。
動吸振器32は、位相制御部24に組み込まれている。動吸振器32は、膨張機16またはパルス管22の軸方向の振動を抑制するように構成されている。動吸振器32は、パルス管高温端22aに取り付けられている。一例として、動吸振器32は、複数の支持ロッド36を介してフランジ部30に取り付けられている。支持ロッド36は、動吸振器32の外周部に等角度間隔に配置されている。
図3は、第2実施形態に係る膨張機16に適用されうる動吸振器32を図2に示されるB方向から見たときの正面図を概略的に示す。動吸振器32は、弾性要素32aと、質量要素32bとを有する。また、動吸振器32は、正三角形状または正多角形状の内周支持具32cと、内周支持具32cを囲んで配置される円形リング状の外周支持具32dとを有する。動吸振器32は、全体として概ね円板状に形成されている。
外周支持具32dは、複数の締結部材38それぞれにより複数の支持ロッド36に締結される。締結部材38および支持ロッド36は、外周支持具32dに等角度間隔に配置されている。したがって、図2に示されるように、外周支持具32dは支持ロッド36を介して、フランジ部30およびパルス管高温端22aに固定される。
内周支持具32cは、外周支持具32dの内側に配置され、両者は弾性要素32aとしての複数の細長い板バネ部材で接続されている。これら板バネ部材は、内周支持具32cと外周支持具32dの間に配置されている。各板バネ部材は、内周支持具32cの各辺に沿って配置され、内周支持具32cの頂点部を外周支持具32dに接続している。各板バネ部材と対応する内周支持具32cの辺との間には第1スリット42が形成され、各板バネ部材と外周支持具32dとの間には第2スリット44が形成されている。内周支持具32cの中心には円形状の質量要素32bが固定されている。質量要素32bの中心には、イナータンス管26を通すためのイナータンス管挿通穴40が形成されている。
こうした例示的な構成によれば、弾性要素32aと質量要素32bとを有する軸方向振動系が形成される。質量要素32bの軸方向変位が許容されつつ他の方向(例えば径方向および周方向)の変位が制限または禁止されるように、質量要素32bは、弾性要素32aによって弾性的に支持されている。
第2実施形態に係る膨張機16によっても、第1実施形態と同様に、動吸振器32により膨張機16の振動を抑制することができる。動吸振器32は、冷媒ガスの慣性力に起因する膨張機16の微小振動を抑制することを通じて、パルス管冷凍機の超低振動化に寄与する。また、動吸振器32はバッファタンク28に収容されているので、動吸振器32の追加による膨張機16の大型化を抑えられる。
(第3実施形態)
図4(a)から図4(c)は、第3実施形態に係るパルス管冷凍機10を概略的に示す。第3実施形態に係るパルス管冷凍機10は、動吸振器32の構成に関して既述の実施形態と相違し、その余については概ね共通する。以下では、相違する構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
膨張機16は、位相制御部24に組み込まれ、軸方向の振動を抑制するように構成された動吸振器32を備える。動吸振器32は、イナータンス管26が弾性要素32aとして機能し、及び/または、バッファタンク28が質量要素32bとして機能するように構成されている。
図4(a)に示されるように、イナータンス管26が動吸振器32の弾性要素32aとして機能するとともに、バッファタンク28が動吸振器32の質量要素32bとして機能してもよい。イナータンス管26は、バッファタンク28の外に配置され、一端がパルス管高温端22aに接続され、他端がバッファタンク28に接続されている。イナータンス管26は、弾性要素32aとして、弾性変形可能な形状に成形された弾性変形可能区間46を有する。弾性変形可能区間46は、例えばコイル状、蛇行状、またはそのほか適切な繰り返し湾曲形状をとる。
図4(b)に示されるように、イナータンス管26が動吸振器32の弾性要素32aとして機能するとともに、バッファタンク28とは別の重り48が動吸振器32の質量要素32bとして機能してもよい。イナータンス管26は、一端がパルス管高温端22aに接続され、他端がバッファタンク28の内部でバッファタンク28に開放されている。この開放端に重り48が装着されている。イナータンス管26はバッファタンク28に収容されているので、弾性変形可能区間46もバッファタンク28の中に配置される。
図4(c)に示されるように、バッファタンク28が動吸振器32の質量要素32bとして機能するとともに、イナータンス管26とは別の弾性部材50が動吸振器32の弾性要素32aとして機能してもよい。バッファタンク28は、弾性部材50を介してパルス管高温端22aに取り付けられている。イナータンス管26は、パルス管高温端22aから弾性部材50に沿って延び、バッファタンク28内へと挿入されている。イナータンス管26のバッファタンク28への挿入部には、イナータンス管26に対するバッファタンク28の軸方向変位を許容しつつ、バッファタンク28からの冷媒ガスの漏れを防止し又は最小限とするように構成されたシール部52が設けられている。
第3実施形態に係るパルス管冷凍機10によっても、動吸振器32が設けられているので、膨張機16の振動を抑制することができる。
(第4実施形態)
図5は、第4実施形態に係るパルス管冷凍機10を概略的に示す。第4実施形態に係るパルス管冷凍機10は、圧力振動源12の構成に関して既述の実施形態と相違し、その余については概ね共通する。以下では、相違する構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
既述の各実施形態では、圧力振動源12が対向二気筒型の構成を有しているが、第4実施形態においては、圧力振動源12は、単気筒の構成を有する。また、既述の各実施形態では、圧力振動源12が接続管14により膨張機16に接続され、すなわち圧力振動源12は膨張機16から離れて配置されているが、第4実施形態においては、圧力振動源12が膨張機16と隣接して一体化されている。
圧力振動源12は、軸方向に往復動するピストン12bを備え、膨張機16の蓄冷器18およびパルス管22は、ピストン12bと同軸配置されている。また、動吸振器32の質量要素32bも、ピストン12bと同軸配置され、軸方向に変位可能である。図4(a)に示される実施形態と同様に、バッファタンク28が動吸振器32の質量要素32bとして機能するとともに、イナータンス管26は弾性変形可能区間46を有し、動吸振器32の弾性要素32aとして機能する。
なお、第4実施形態においても、動吸振器32として、図4(b)または図4(c)に例示される構成を採用することも可能である。
第4実施形態に係るパルス管冷凍機10によっても、動吸振器32が設けられているので、パルス管冷凍機10の振動を抑制することができる。また、圧力振動源12の構成が単純化されるので、小型かつ低コストにパルス管冷凍機10を構成することができる。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
ある実施の形態に関連して説明した種々の特徴は、他の実施の形態にも適用可能である。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。
10 パルス管冷凍機、 12 圧力振動源、 12b ピストン、 18 蓄冷器、 18a 蓄冷器高温端、 18b 蓄冷器低温端、 22 パルス管、 22a パルス管高温端、 22b パルス管低温端、 24 位相制御部、 26 イナータンス管、 28 バッファタンク、 32 動吸振器、 32a 弾性要素、 32b 質量要素。

Claims (4)

  1. 圧力振動源と、
    前記圧力振動源に接続された蓄冷器高温端と、蓄冷器低温端とを備える蓄冷器と、
    前記蓄冷器低温端に接続されたパルス管低温端と、パルス管高温端とを備えるパルス管と、
    前記パルス管高温端に接続されたイナータンス管と、前記イナータンス管を介して前記パルス管高温端に流体的に接続されたバッファタンクとを備える位相制御部と、
    前記位相制御部に組み込まれた動吸振器であって、前記パルス管高温端に取り付けられた弾性要素と、前記パルス管高温端に対し変位可能となるように弾性要素を介して前記パルス管高温端に取り付けられた質量要素とを備える動吸振器と、を備えることを特徴とするパルス管冷凍機。
  2. 前記動吸振器は、前記バッファタンクに収容されていることを特徴とする請求項1に記載のパルス管冷凍機。
  3. 前記イナータンス管が前記弾性要素として機能し、及び/または、前記バッファタンクが前記質量要素として機能することを特徴とする請求項1または2に記載のパルス管冷凍機。
  4. 前記圧力振動源は、軸方向に往復動するピストンを備え、
    前記蓄冷器および前記パルス管は、前記ピストンと同軸配置され、
    前記質量要素は、前記ピストンと同軸配置され、前記軸方向に変位可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のパルス管冷凍機。
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