JP2019147747A - アルケニルリン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に入手可能であり、取り扱い易い原料を用いて、触媒を用いることなく、種々のアルケニルリン化合物及びその誘導体を得ることができる、一般的な合成法を提供すること。【解決手段】光の照射下でアルキン類化合物とH−P化合物を反応させることで、アルケニルリン化合物を得る。これにより、触媒を用いずに、アルケニルリン化合物を効率良く得ることができる。これによって、従来触媒として用いられた金属成分が生成物に混入・残留することがない。【選択図】 なし
Description
本発明は、アルケニルリン化合物の製造方法に関するものである。
アルケニルリン化合物は、反応活性なC=C−P結合を有しており、それ自体、または様々な構造へ変換することで、医薬分野や工業分野、農業分野に高い付加価値を有する、機能性化合物である。
例えば、ビニル基を有するリン化合物は、非水電解液二次電池用電解液の添加剤として使用することで、難燃性の付与だけでなく、高温域での優れたサイクル特性を与える高機能材料である(特許文献1)。
医薬分野においては、特許文献2に示されるように、アルケニルリン化合物には、がん細胞増殖抑制効果があることが知られている。
さらに、アルケニルリン化合物の単独重合体や他のモノマーと共重合体は、難燃性(特許文献3)や、金属との接着性、金属や酸の抽出性能(特許文献4)を有する高機能性材料であり、電気、電子分野を含む各種の分野で広く利用されている。そして、このような材料には、絶縁性が要求されることが多い。
アルケニルリン化合物の製造には、いくつかの方法が知られており、特に、金属触媒を用いたアルキン類化合物へのリン化合物の付加反応による方法は、高い原子効率を有しており、注目されている。
このような方法としては、[1]Pd触媒を用いた手法(特許文献5)、[2]Ni触媒を用いた手法(特許文献6、7、非特許文献1)や、[3]Cu触媒を用いた手法(非特許文献2)が知られている。
このような方法としては、[1]Pd触媒を用いた手法(特許文献5)、[2]Ni触媒を用いた手法(特許文献6、7、非特許文献1)や、[3]Cu触媒を用いた手法(非特許文献2)が知られている。
Org. Lett., 2005, 7, 2909-2911
Tetrahedron, 2014, 70, 2556-2562
従来の金属触媒を用いたアルキン類化合物へのリン化合物の付加反応によるアルケニルリン化合物の製造には、
[1]の手法では、多量(5mol%以上)の触媒と高温条件が必要であり、また、位置異性体が生成し、これらの分離が困難である。
[2]の手法では、少ない触媒量(1mol%以下)で反応が進行するものの、位置異性体の発生や、特定の原料(プロパルギルアルコール)を使用すると付加反応と並行して脱水反応が進行するなど、目的の化合物を得ることが困難である。
[3]の手法では、高温条件が必要である。
等の問題点がある。
[1]の手法では、多量(5mol%以上)の触媒と高温条件が必要であり、また、位置異性体が生成し、これらの分離が困難である。
[2]の手法では、少ない触媒量(1mol%以下)で反応が進行するものの、位置異性体の発生や、特定の原料(プロパルギルアルコール)を使用すると付加反応と並行して脱水反応が進行するなど、目的の化合物を得ることが困難である。
[3]の手法では、高温条件が必要である。
等の問題点がある。
さらに、これらすべての手法では、アルケニル化合物の金属への配位能により、生成物への金属の残留が生じ得る。これにより、外観の悪化(黄色化)、電気特性や生理活性等の性能の低下が起こるため、精製が必要である。しかしながら、アルケニルリン化合物は沸点が高く蒸留は難しい。そのため、複数回の再結晶やシリカゲルカラムによる煩雑な精製プロセスが必要となる。
そのため、金属成分の残留が無い合成手法の開発が望まれる。
そのため、金属成分の残留が無い合成手法の開発が望まれる。
本発明は以上の問題点を鑑みてなされたものであり、前記[1]〜[3]の手法の問題点を解決しつつ、アルキン類化合物とH−P化合物から高効率でアルケニルリン化合物を得る手法を提供することを目的とする。
本発明者は、アルキン類化合物とH−P化合物を、光照射下において反応させることによって、金属触媒を用いることなく、高効率でアルケニルリン化合物が得られることを見出した。
本発明は、本発明者による当該知見に基づいてなされたものである。
本発明は、本発明者による当該知見に基づいてなされたものである。
本出願は、具体的には、以下の発明を提供する。
〈1〉以下の一般式(1)で表されるアルケニルリン化合物を製造する方法であって、
(式中、Xは、不対電子、酸素原子又は硫黄原子であり、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アリールオキシ基、アシル基、シリル基、アルキニル基又はアシルオキシアルキル基である。)
以下の一般式(2)で表されるアルキン類化合物と以下の一般式(3)で表されるH−P化合物を、光照射下で反応させることを特徴とする方法。
(式中、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アリールオキシ基、アシル基、シリル基、アルキニル基又はアシルオキシアルキル基である。)
(式中、Xは、不対電子、酸素原子又は硫黄原子であり、R3、R4は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アリールオキシ基、アシル基、シリル基、アルキニル基又はアシルオキシアルキル基である。)
〈2〉前記光照射は600nm以下の波長の光でなされる、〈1〉に記載の方法。
〈3〉前記光照射は、キセノンランプ、タングステンランプ、太陽光、LEDランプ、または水銀ランプの波長の光でなされる、〈1〉または〈2〉に記載の方法。
〈1〉以下の一般式(1)で表されるアルケニルリン化合物を製造する方法であって、
以下の一般式(2)で表されるアルキン類化合物と以下の一般式(3)で表されるH−P化合物を、光照射下で反応させることを特徴とする方法。
〈2〉前記光照射は600nm以下の波長の光でなされる、〈1〉に記載の方法。
〈3〉前記光照射は、キセノンランプ、タングステンランプ、太陽光、LEDランプ、または水銀ランプの波長の光でなされる、〈1〉または〈2〉に記載の方法。
本発明によれば、生理活性物質、非水電解液二次電池用電解液の添加剤、および高分子材料の原料モノマーなどとして有用なアルケニルリン化合物およびその誘導体を、市場に流通している安価な原料から、触媒を使用せずに高効率で製造することが可能である。
本発明は、触媒を用いずに、光照射のみで、アルキン類化合物とH−P化合物を反応させることにより、高効率でアルケニルリン化合物を製造することを特徴とする。
本発明において得ることができるアルケニルリン化合物は、下記一般式(1)で表すことができる。
(式中、Xは、不対電子、酸素原子又は硫黄原子であり、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アリールオキシ基、アシル基、シリル基、アルキニル基又はアシルオキシアルキル基である。)
また、本発明で使用するアルキン類化合物は、下記一般式(2)で表すことができる。
(式中、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アリールオキシ基、アシル基、シリル基、アルキニル基又はアシルオキシアルキル基である。)
また、本発明で使用するH−P化合物は、下記一般式(3)で表すことができる。
(式中、Xは、不対電子、酸素原子又は硫黄原子であり、R3、R4は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アリールオキシ基、アシル基、シリル基、アルキニル基又はアシルオキシアルキル基である。)
上記一般式(1)、(2)及び(3)におけるアルキル基の炭素数としては、C1〜C18、好ましくはC1〜C10、さらに好ましくはC1〜C6が適当である。具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、デシル基、イソプロピル基などがあげられる。
シクロアルキル基の炭素数としては、C5〜C18、好ましくはC5〜C10が適当である。具体的なシクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などがあげられる。
アリール基の炭素数としては、C6〜C18、好ましくはC6〜C12が適当である。具体的なアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、トリフルオトメチルフェニル基等が挙げられる。
アラルキル基の炭素数としては、C7〜C20、好ましくはC7〜C13が適当である。具体的なアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
ヘテロアリール基としては、ヘテロ原子(酸素、窒素、硫黄、リン等)を含む環状化合物であり、それに含まれる炭素数として、C4〜C12、好ましくはC4〜C8が適当である。具体的なヘテロアリール基としては、チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピロリル基などが挙げられる。
アルケニル基の炭素数としては、C2〜C18、好ましくはC2〜C10、さらに好ましくはC2〜C6が適当である。具体的なアルケニル基としては、エテニル基、アリル基などが挙げられる。また、アルケニル基が複数存在しても良い。
アルコキシ基としては、C1〜C18、好ましくはC1〜C10が適当である。具体的なアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などが挙げられる。
ヒドロキシアルキル基の炭素数としては、C1〜C20、好ましくはC1〜C10が適当である。具体的なヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
アリールオキシ基の炭素数としては、C6〜C14、好ましくはC6〜C12が適当である。具体的なアリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
アシル基の炭素数としては、C1〜C18、好ましくはC2〜C8が適当である。具体的なアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基、アクリル基などが挙げられる。
シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。
アルキニル基の炭素数としては、C2〜C20、好ましくはC2〜C12が適当である。具体的なアルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基などが挙げられる。
アシルオキシアルキル基としては、アセトキシメチル基、アセトキシフェニル基などが挙げられる。
一般式(1)で表されるアルケニルリン化合物を製造するためには、下記の反応式
に示すように、一般式(2)で表されるアルキン類化合物と一般式(3)で表されるH−P化合物とを、空気雰囲気下、又は不活性ガス(窒素もしくはアルゴン)雰囲気下、光の照射下で、必要であれば溶媒、ラジカル開始剤を添加し、反応させる。
一般式(2)で表される、具体的なアルキン類化合物としては、アセチレン、メチルアセチレン、フェニルアセチレン、1−エチニル−1−フルオロベンゼン、1,4−ジエチニルベンゼン、1,3−ジエチニルベンゼン、1−オクチン、2−オクチン、3−オクチン、4−オクチン、1−ヘキシン、3,3−ジメチル−1−ブチン、プロパルギル酸メチル、プロパルギル酸ターシャリーブチル、トリメチルシリルアセチレン、トリイソプロピルシリルアセチレン、ジフェニルアセチレン、6−クロロ−1−ヘキシン、2−エテニルピリジン、3−エテニルピリジン、4−エテニルピリジン、3−クロロ―1−ブチン、ジメチルアセチレン、2−エチニルチオフェン、3−エチニルチオフェン、1−エチニル−1−シクロヘキセン、1,5−ヘキサジエン、3−ブチン−1−オール、3−ブチン−2−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、プロパルギルアルコール、メチルプロパルギルエステル、5−ヘキシン―1−オール、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、1−エチニル−シクロペンタノール、1−エチニル−シクロヘキサノール、4−フェニル―3−ブチン―2−オン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、プロパルギルエーテル、6−へプチンニトリルなどが挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
一般式(3)で表される、具体的なH−P化合物としては、ジフェニルホスフィンオキシド、ジ(p−トリル)ホスフィンオキシド、ジシクロヘキシルホスフィンオキシド、ターシャリーブチルフェニルホスフィンオキシド、ジターシャリーブチルホスフィンオキシド、ジオクチルホスフィンオキシド、ジエチルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジベンジルホスファイト、ジメチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン10−オキシド、亜りん酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、フェニルホスホン酸エチル、ジブチルホスフィンオキシド、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサホスホラン2−オキシド、ペンタエリスリトールジホスファイト、ジフェニルホスフィン、ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジn−ブチルホスフィン、フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィンスルフィド、ジn−ブチルホスフィンスルフィド、などが挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
光の照射は、具体的には、例えば、600nm以下の波長により行われる。しかし、この値に限定されるものではない。
光の照射は、具体的には、例えば、キセノンランプ、タングステンランプ、太陽光、LEDランプ、または水銀ランプのもとでなされる。しかし、これに限定されるものではない。
ラジカル開始剤としては、アゾイソブチルニトリル、過酸化ベンゾイル、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、アセトフェノンなどが挙げられる。
溶媒としては、具体的には、メタノール、イソプロパノール、ターシャリーブタノール、ベンゼン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
反応の温度条件としては、-50〜200℃、好ましくは0〜100℃、さらに好ましくは10〜40℃が適当である。しかし、この値に限定されるものではない。
生成物の単離は、必要に応じて、蒸留、有機溶媒や水による再結晶、またはクロマトグラフ法により行うことができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1(アルキン類化合物へのH−P化合物の付加と溶媒の与える影響)
アルゴン雰囲気下、パイレック(登録商標)スガラス製シュレンクフラスコに1−オクチン及びジフェニルホスフィンオキシド(及び、場合によっては、更に各種溶媒)を各種の比率で加えた。この混合物を30秒撹拌し、次いで、室温において、この混合物に高圧水銀ランプ(ウシオ電機製Optical ModuleX、SX-UI501HQ)を用いて光照射した結果、生成物として、Z体及びE体の(2−ヘキシルエテニル)ジフェニルホスフィンオキシドを得た。1H NMR及び31P NMRによりZ体、E体の割合を、GPCにより単離を行い、収率を算出し、その結果を表1に示す。
例えば、表1の1−8においては、アルゴン雰囲気下、パイレックスガラス製シュレンクフラスコに1−オクチン15μL(0.1mmol)、ジフェニルホスフィンオキシド24.3mg(0.12mmol)、及びi−プロパノール0.3mLを加え、この混合物を30秒撹拌し、次いでこの混合物に高圧水銀ランプを用いて4時間光照射した。この溶液を減圧することで、溶媒を留去し、GPCにより生成物を単離した結果、Z体及びE体の(2−ヘキシルエテニル)ジフェニルホスフィンオキシドをトータルで27.3mg得た。
GPCの単離条件は、以下のとおりである。
使用機械 日本分析化学工業製 LC-908
使用カラム JAIGEL-1H, JAIGEL-2H
条件 溶媒;クロロホルム、流速;5.0mL/min
1−8においてGPC分離により得られた(2−ヘキシルエテニル)ジフェニルホスフィンオキシドのZ体及びE体のNMRデータを、図1〜4に示す。
アルゴン雰囲気下、パイレック(登録商標)スガラス製シュレンクフラスコに1−オクチン及びジフェニルホスフィンオキシド(及び、場合によっては、更に各種溶媒)を各種の比率で加えた。この混合物を30秒撹拌し、次いで、室温において、この混合物に高圧水銀ランプ(ウシオ電機製Optical ModuleX、SX-UI501HQ)を用いて光照射した結果、生成物として、Z体及びE体の(2−ヘキシルエテニル)ジフェニルホスフィンオキシドを得た。1H NMR及び31P NMRによりZ体、E体の割合を、GPCにより単離を行い、収率を算出し、その結果を表1に示す。
例えば、表1の1−8においては、アルゴン雰囲気下、パイレックスガラス製シュレンクフラスコに1−オクチン15μL(0.1mmol)、ジフェニルホスフィンオキシド24.3mg(0.12mmol)、及びi−プロパノール0.3mLを加え、この混合物を30秒撹拌し、次いでこの混合物に高圧水銀ランプを用いて4時間光照射した。この溶液を減圧することで、溶媒を留去し、GPCにより生成物を単離した結果、Z体及びE体の(2−ヘキシルエテニル)ジフェニルホスフィンオキシドをトータルで27.3mg得た。
GPCの単離条件は、以下のとおりである。
使用機械 日本分析化学工業製 LC-908
使用カラム JAIGEL-1H, JAIGEL-2H
条件 溶媒;クロロホルム、流速;5.0mL/min
1−8においてGPC分離により得られた(2−ヘキシルエテニル)ジフェニルホスフィンオキシドのZ体及びE体のNMRデータを、図1〜4に示す。
実施例2(種々のアルキン類化合物へのH−P化合物の付加)
アルゴン雰囲気下、パイレックスガラス製シュレンクフラスコにアルキン0.1mmol、ジフェニルホスフィンオキシド0.12mmol、溶媒としてi−PrOH0.3mLを加えた。この混合物を30秒撹拌し、次いで、室温において、この混合物に高圧水銀ランプ(ウシオ電機製Optical ModuleX、SX-UI501HQ)を用いて4時間光照射し、対応する付加物を得た。1H NMRにより収率を算出した。その結果を表2に示す。
アルゴン雰囲気下、パイレックスガラス製シュレンクフラスコにアルキン0.1mmol、ジフェニルホスフィンオキシド0.12mmol、溶媒としてi−PrOH0.3mLを加えた。この混合物を30秒撹拌し、次いで、室温において、この混合物に高圧水銀ランプ(ウシオ電機製Optical ModuleX、SX-UI501HQ)を用いて4時間光照射し、対応する付加物を得た。1H NMRにより収率を算出した。その結果を表2に示す。
実施例3(アルキン類化合物への各種H−P化合物の付加)
アルゴン雰囲気下、パイレックスガラス製シュレンクフラスコに1−オクチン0.1mmol、H−P化合物0.12mmol、溶媒としてi−PrOH0.3mLを加えた。この混合物を30秒撹拌し、次いで、室温において、この混合物に高圧水銀ランプ(ウシオ電機製Optical ModuleX、SX-UI501HQ)を用いて4時間光照射し、対応する付加物を得た。1H NMRにより収率を算出した。その結果を表3に示す。
アルゴン雰囲気下、パイレックスガラス製シュレンクフラスコに1−オクチン0.1mmol、H−P化合物0.12mmol、溶媒としてi−PrOH0.3mLを加えた。この混合物を30秒撹拌し、次いで、室温において、この混合物に高圧水銀ランプ(ウシオ電機製Optical ModuleX、SX-UI501HQ)を用いて4時間光照射し、対応する付加物を得た。1H NMRにより収率を算出した。その結果を表3に示す。
比較例
アルゴン雰囲気下、パイレックスガラス製シュレンクフラスコに1−オクチン0.1mmol、ジフェニルホスフィンオキシド0.12mmol、溶媒としてi−PrOH0.3mLを加えた。この混合物を30秒撹拌し、暗所で4時間静置した。1H NMRにより付加物の生成が確認できなかった。
アルゴン雰囲気下、パイレックスガラス製シュレンクフラスコに1−オクチン0.1mmol、ジフェニルホスフィンオキシド0.12mmol、溶媒としてi−PrOH0.3mLを加えた。この混合物を30秒撹拌し、暗所で4時間静置した。1H NMRにより付加物の生成が確認できなかった。
本発明により製造されるアルケニルリン化合物は、高分子添加剤、難燃剤、生理活性物質、金属抽出剤、非水電解液二次電池用電解液の添加剤などに有用であり、これらを用いる各種分野で利用できる。
Claims (3)
- 以下の一般式(1)で表されるアルケニルリン化合物を製造する方法であって、
以下の一般式(2)で表されるアルキンと以下の一般式(3)で表されるH−P化合物を、光照射下で反応させることを特徴とする方法。
- 前記光照射は600nm以下の波長の光でなされる、請求項1に記載の方法。
- 前記光照射は、キセノンランプ、タングステンランプ、太陽光、LEDランプ、または水銀ランプの波長の光でなされる、請求項1または2に記載の方法。
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JP2018032185A JP2019147747A (ja) | 2018-02-26 | 2018-02-26 | アルケニルリン化合物の製造方法 |
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JP2021084875A (ja) * | 2019-11-27 | 2021-06-03 | 丸善石油化学株式会社 | アルケニルリン化合物の製造方法 |
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2018
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JP2021084875A (ja) * | 2019-11-27 | 2021-06-03 | 丸善石油化学株式会社 | アルケニルリン化合物の製造方法 |
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