JP2019147658A - 超音波センサー、電子機器、及び超音波センサーの駆動方法 - Google Patents

超音波センサー、電子機器、及び超音波センサーの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】対象物の状態を高精度に検出可能な超音波センサー、電子機器、及び超音波センサーの駆動方法を提供する。【解決手段】超音波センサーは、対象物の表面の法線に対して傾斜した第一軸上に配置された送信部と、前記第一軸上で、前記対象物の前記送信部とは反対側に設けられた受信部と、前記送信部の駆動を制御する送信制御部と、を備え、前記送信部は、超音波を送信する複数の送信素子を有し、かつ、複数の前記送信素子が、前記法線と前記第一軸とを含む面内で、前記第一軸に交差する第一方向に沿って配置されており、前記送信制御部は、複数の前記送信素子を遅延駆動させて所定の基準方向より前記第一方向の正側に前記超音波を送信した際に前記受信部から出力される受信信号の電圧値と、前記基準方向より前記第一方向の負側に前記超音波を送信した際に前記受信部から出力される前記受信信号の電圧値と、を比較して、前記超音波の音軸が前記第一軸に近づく方向を判定する。【選択図】図3

Description

本発明は、超音波センサー、電子機器、及び超音波センサーの駆動方法に関する。
従来、超音波を用いて対象物の状態を検出する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の装置は、トレイから用紙(対象物)を1枚ずつ搬送する用紙搬送装置である。この用紙搬送装置では、用紙が2枚以上搬送されていないか否かを検出する重送センサーが設けられている。重送センサーは、用紙を通過するように超音波を発信する発信部と、紙面を通過した超音波を受信する受信部とを備える。このような重送センサーでは、発信部から超音波を送信させ、受信部で超音波を受信させる。この際、搬送された用紙が2枚以上重なっている場合に、受信信号が低下するので、用紙の重送を検出することができる。
ところで、上記のような重送センサーでは、発信部で発信された超音波が、用紙と発信部との間、または、受信部と用紙との間で多重反射したり、用紙を回り込んだ超音波が受信部で受信されたりすると、受信信号が不安定となって重送検知が困難になる。このため、発信部から発信する超音波の方向(音軸)を対象物の表面に対して傾斜させて斜めから入射させ、対象物の発信部とは反対側の音軸上に受信部を設ける構成が採られている。
特開2017−88269号公報
しかしながら、発信部から受信部に向かう方向を、対象物の表面に対して傾斜させる場合、発信部及び受信部の取付角度誤差が発生する。この場合、発信部から発信される超音波の音軸が、発信部から受信部に向かう方向からずれてしまい、受信部から出力される受信信号の電圧が低下するとの課題がある。
上記特許文献1は、用紙の重送を検出する装置であるが、対象物に対して斜めから超音波を送信し、対象物を通過した超音波を受信することで、対象物の状態(例えば、対象物の厚みや対象物の種類等)を検出する他の超音波センサーにおいても同様の課題がある。
本発明は、対象物の状態を高精度に検出可能な超音波センサー、電子機器、及び超音波センサーの駆動方法を提供することを目的とする。
本発明に係る一適用例の超音波センサーは、対象物の表面の法線に対して傾斜した第一軸上に配置され、前記対象物の前記表面の前記法線と前記第一軸とを含む面内で前記第一軸に交差する第一方向に沿って、超音波を送信する複数の送信素子が配置された送信部と、前記第一軸上で、前記対象物の前記送信部とは反対側に設けられた受信部と、前記送信部の駆動を制御する送信制御部と、を備え、前記送信制御部は、複数の前記送信素子を遅延駆動させて所定の基準方向より前記第一方向の正側に前記超音波を送信した際に前記受信部から出力される受信信号の電圧値と、前記基準方向より前記第一方向の負側に前記超音波を送信した際に前記受信部から出力される前記受信信号の電圧値と、を比較して、前記超音波の音軸が前記第一軸に近づく方向を判定することを特徴とする。
本適用例では、送信部が複数の送信素子を備え、これらの送信素子を遅延駆動させることで、送信部から送信させる超音波の送信方向を制御する。すなわち、各送信素子から超音波を送信すると、位相が同一となる超音波同士が強め合って、超音波の波面を形成する。各送信素子を遅延させることで、超音波の波面の進行方向を制御することが可能となる。よって、送信部及び受信部を、対象物の法線に対して傾斜する方向から超音波が入力されるように取り付けた際に、送信部や受信部に取付角度誤差が含まれ、音軸にずれが発生している場合でも、送信部から送信する超音波の音軸を微調整して第一軸に合わせることができる。
ところで、超音波の音軸が、送信部から受信部に向かう第一軸に一致または略一致する送信方向を探索する際、超音波の送信可能な送信可能範囲全体に亘って走査処理を行うことが考えられる。しかしながら、この場合、超音波の送信方向を特定するまでの時間がかかる。これに対して、本適用例では、超音波を基準方向より第一方向の正側に送信した際の受信信号の電圧値と、超音波を基準方向より第一方向の負側に送信した際の受信信号の電圧値と、に基づいて、超音波の音軸をどの方向に向ければ第一軸に近づけさせることができるかを判定する。これにより、迅速に、超音波の音軸を第一軸に合わせ込むことができる。
本適用例の超音波センサーにおいて、前記送信制御部は、前記基準方向より前記第一方向の正側の複数の方向に前記超音波を送信した際のそれぞれの前記受信信号の電圧値と、前記基準方向より前記第一方向の負側の複数の方向に前記超音波を送信した際のそれぞれの前記受信信号の電圧値と、を比較することが好ましい。
基準方向よりも正側の1つの方向に超音波を送信した際の受信信号の電圧値と、基準方向よりも負側の1つの方向に超音波を送信した際の受信信号の電圧値と、を比較する場合、受信信号の電圧値がいずれも同程度となる場合がある。この場合、いずれの方向が、超音波の音軸が第一軸に近づくかを判定することが困難となる。また、所定範囲に対して超音波の送信方向を変化させた際の受信信号の電圧値の変化に2つ以上のピークが現れる場合、最大電圧値が出力される方向を正しく判定できない場合もある。
これに対して、本適用例では、基準方向よりも正側の複数の方向に対して超音波を送信した際の各々の受信信号の電圧値、及び基準方向よりも負側の複数の方向に対して超音波を送信した際の各々の受信信号の電圧値を比較対象とする。このように、超音波の送信方向を複数方向に変化させることで、超音波の音軸が第一軸に近づく方向を精度よく特定することができる。
本適用例の超音波センサーにおいて、前記送信制御部は、前記基準方向に対して前記第一方向の正側、及び前記基準方向に対して前記第一方向の負側のうち、前記受信信号の電圧値が大きくなる方向を走査方向とし、前記基準方向から前記走査方向に向かって前記超音波を送信する方向を変化させた際の前記受信信号の電圧値の変化を検出して、前記受信信号の電圧値が最大となる前記超音波の送信方向を特定することが好ましい。
本適用例では、超音波を第一方向の正側及び負側に送信し、受信信号の電圧値を比較することで、上述のように、超音波の音軸が第一軸に近づく方向を容易に判定することができる。本適用例では、さらに、判定された超音波の音軸が第一軸に近づく方向を走査方向として、基準方向から走査方向に超音波の方向を変化させる走査処理を行い、受信信号の電圧値が最大となる超音波の送信方向を特定する。これにより、超音波の音軸が第一軸に一致または略一致する、超音波の送信方向を特定することができる。
本適用例の超音波センサーにおいて、前記送信制御部は、前記走査方向に向かって前記超音波を送信する方向を変化させた際の前記受信信号の電圧値の変化が、前記基準方向から離れるにしたがって漸減する場合、前記基準方向から前記走査方向とは逆方向に向かって前記超音波を送信する方向を変化させた際の前記受信信号の電圧値を検出し、前記受信信号の電圧値が最大となる前記超音波の送信方向を特定することが好ましい。
このような場合、受信信号の電圧値が最大となる方向は、走査方向とは逆側に存在する可能性がある。本適用例は、このような場合に、走査方向とは逆方向に超音波を送信する方向を変化させ、各方向での受信信号の電圧値が最大となる送信方向を特定する。これにより、超音波の音軸が第一軸に一致または略一致する、超音波の送信方向をより精度よく特定することができる。
本発明の一適用例に係る電子機器は、上述したような適用例の超音波センサーと、前記超音波センサーの前記受信部からの出力に応じて前記対象物の状態を検出する状態検出部と、を備えることを特徴とする。
本適用例では、上述のように、送信部及び受信部を電子機器に取り付けた際に、送信部及び受信部の取付角度誤差によって、送信部から送信される超音波の音軸が、受信部に対してずれている場合でも、送信部から送信する超音波の音軸を、受信部に向かう第一軸に合わせ込むことができる。よって、電子機器において、対象物の状態を制度良く検出することができる。
本発明の一適用例に係る超音波センサーの駆動方法は、対象物の表面の法線に対して傾斜した第一軸上に配置された送信部と、前記第一軸上で、前記対象物の前記送信部とは反対側に設けられた受信部と、前記送信部の駆動を制御する送信制御部と、を備え、前記送信部が、超音波を送信する複数の送信素子を有し、かつ、複数の前記送信素子が、前記法線と前記第一軸とを含む面内で、前記第一軸に交差する第一方向に沿って配置された超音波センサーの駆動方法であって、複数の前記送信素子を遅延駆動させて所定の基準方向より前記第一方向の正側に前記超音波を送信した際に前記受信部から出力される受信信号の電圧値と、前記基準方向より前記第一方向の負側に前記超音波を送信した際に前記受信部から出力される前記受信信号の電圧値と、を比較し、前記超音波の音軸が前記第一軸に近づく方向を判定することを特徴とする。
本適用例では、上記適用例と同様に、迅速に、かつ精度よく、超音波の音軸を、受信部に向かう第一軸に合わせ込むことができる。
第一実施形態のイメージスキャナーの概略構成を示す外観図。 第一実施形態のイメージスキャナーの搬送部の概略を示す側断面図。 第一実施形態の超音波センサーの概略構成を示す模式図。 第一実施形態の超音波センサーを構成する送信部の平面図。 図4のA−A線を切断した際の送信部の一部の断面図。 第一実施形態の送信部の回路構成の概略を示す図。 第一実施形態において、第一送信回路及び第二送信回路で生成される周期駆動電圧、及び、各送信列に入力される周期駆動電圧のタイミングチャート。 第一実施形態における第一送信回路及び第二送信回路の周期の変更方法の一例を示す図。 第一実施形態における第一送信回路及び第二送信回路の周期の変更方法の他の例を示す図。 第一実施形態のイメージスキャナーの制御構成を示すブロック図。 第一実施形態の周期駆動電圧の周期設定方法を示すフローチャート。 第一実施形態における基準方向とセンサー中心軸との関係を示す図。 第一実施形態における周期駆動電圧の周期に対する受信信号の電圧値の一例を示す図。 第一実施形態における周期駆動電圧の周期に対する受信信号の電圧値の他の例を示す図。 第一実施形態の重送検知処理を含む用紙のスキャン方法を示すフローチャート。 第二実施形態における周期駆動電圧の周期に対する受信信号の電圧値の一例を示す図。 第三実施形態における周期駆動電圧の周期に対する受信信号の電圧値の一例を示す図。 変形例1に係る送信部の回路構成を示す模式図。 図18の送信部におけるタイミングチャート。 変形例2に係る送信部の回路構成を示す模式図。 図20の送信部におけるタイミングチャート。 他の変形例に係る送信部の回路構成を示す模式図。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のイメージスキャナー10の概略構成を示す外観図である。図2は、イメージスキャナー10の搬送部の概略を示す側断面図である。
[イメージスキャナー10の概略構成]
図1に示すように、本実施形態のイメージスキャナー10は、装置本体(以降、本体11と略す)と、対象物である用紙P(図2参照)が載置される用紙サポート12と、を備える。本体11の内部には、図2に示すように、用紙Pを搬送する搬送部13と、搬送された用紙Pの画像を読み取るスキャン部14と、用紙Pの重送を検出する超音波センサー15(重送センサー)と、イメージスキャナー10を制御する制御部16と、が設けられている。なお、対象物として、用紙Pを例示するが、これに限定されるものではなく、例えば、フィルムや布帛等、種々のメディアを対象物とすることができる。
本体11には、図1及び図2に示すように、用紙サポート12との接続位置に給送口11Aが設けられている。用紙サポート12に載置された用紙Pは、給送口11Aへ1枚ずつ給送される。給送された用紙Pは、搬送部13により、本体11内の所定の搬送経路130(図2参照)に沿って搬送される。そして、その搬送途中の読取位置で、スキャン部14により画像が読み取られた後、本体11の前側下部に開口する排出口11Bから排出される。
[搬送部13の構成]
搬送部13は、用紙サポート12に積載(セット)された複数枚の用紙Pを、搬送方向(Y方向)に1枚ずつ搬送する。すなわち、搬送部13は、給送口11Aから送られた用紙Pを本体11内へ案内しつつ給送し、給送した用紙Pを搬送経路130に沿って搬送する。
より具体的には、搬送部13は、本体11内の搬送経路130の上流端位置に配置された第一給送ローラー対131と、第一給送ローラー対131よりも搬送方向下流側に配置された第二給送ローラー対132とを備える。さらに、搬送部13は、Y方向に用紙Pの読取位置を挟んで上流側に配置された第一搬送ローラー対133と、下流側に配置された第二搬送ローラー対134とを備える。
第一給送ローラー対131は、第一駆動ローラー131Aと第一従動ローラー131Bとにより構成される。同様に、第二給送ローラー対132は、第二駆動ローラー132Aと第二従動ローラー132Bとにより構成される。また、第一搬送ローラー対133は、第三駆動ローラー133Aと第三従動ローラー133Bとにより構成される。同様に、第二搬送ローラー対134は、第四駆動ローラー134Aと第四従動ローラー134Bとにより構成される。各従動ローラー131B〜134Bは、それぞれが対をなす駆動ローラー131A〜134Aの回転により従動(連れ回り)する。
各ローラー対131〜134を構成する各駆動ローラー131A〜134Aは、それらの動力源である搬送モーター135の動力により回転駆動する。なお、搬送モーター135は、制御部16により制御され、制御部16の制御に基づいて、各駆動ローラー131A〜134Aを駆動させる。
また、第二給送ローラー対132を構成する第二従動ローラー132Bはリタードローラーとなっており、その外周面の用紙Pに対する摩擦係数が、第二駆動ローラー132Aの外周面の用紙Pに対する摩擦係数よりも大きくなっている。このため、第二給送ローラー対132は、用紙Pを1枚ずつ分離してY方向の下流側へ送り出す分離機構として機能する。よって、第一給送ローラー対131の回転により用紙サポート12に積載された複数枚の用紙Pは、例えば最下位のものから順番に1枚ずつ給送口11Aから本体11内へ給送され、さらに第二給送ローラー対132の回転により1枚ずつ分離されてY方向の下流側へ給送される。
[スキャン部14の構成]
図2に示すように、搬送経路130の第一搬送ローラー対133と、第二搬送ローラー対134との間には、用紙Pの画像を読み取る読取位置が設けられ、スキャン部14が設けられている。
スキャン部14は、例えば、搬送経路130を挟む両側に設けられた第1スキャン部14Aと第2スキャン部14Bとからなる。このスキャン部14は、搬送中の用紙Pに光を照射可能な光源141と、主走査方向(搬送方向であるY方向に交差するX方向)に延びるイメージセンサー142とにより構成される。用紙Pの片面(表面)を読み取る通常読取モードのときは、第1スキャン部14Aが読取動作を行い、用紙Pの両面(表裏面)を読み取る両面読取モードのときは、第1スキャン部14Aと第2スキャン部14Bとが共に読取動作を行う。スキャン部14(14A,14B)を構成する光源141及びイメージセンサー142は、制御部16に接続され、制御部16の制御によって、用紙Pの画像を読み取るスキャン処理を実施する。
[超音波センサー15の構成]
超音波センサー15は、搬送経路130において、第二給送ローラー対132と第一搬送ローラー対133との間の位置に設けられている。この超音波センサー15は、重送センサーであり、搬送部13により搬送される用紙Pの重送を検出する。
図3は、超音波センサー15の概略構成を示す図である。
図3に示すように、超音波センサー15は、搬送部13により搬送される用紙Pを通過するように送信部15Aから超音波を発信し、この超音波を受信部15Bで受信することで用紙Pの重送を検出する。すなわち、送信部15Aと受信部15Bは、搬送経路130を挟んで配置されている。
図3に示すように、送信部15A及び受信部15Bは、送信部15Aの中心と受信部15Bの中心とを通るセンサー中心軸15C(第一軸)が、搬送経路130に搬送される用紙Pの表面の法線に対して、所定の角度θで傾斜するように、本体11に取り付けられている。
つまり、センサー中心軸15Cが、用紙Pの表面の法線方向と一致する場合、送信部15Aから送信された超音波が、用紙Pと送信部15Aとの間で多重反射する虞がある。また、用紙Pを通過した超音波が受信部15Bと用紙Pとの間で多重反射する虞がある。この場合、受信部15Bでは、送信部15Aから用紙Pを通過して受信部15Bで受信される超音波(測定したい超音波)に加えて、多重反射による超音波も受信部15Bで受信されることになり、正確な重送検出ができない。
これに対して、センサー中心軸15Cを用紙Pの表面の法線に対して傾斜させることで、受信部15Bにおける多重反射された超音波等の不要な超音波成分の受信を低減でき、精度の高い重送検出が可能となる。
送信部15Aは、送信回路基板31を介して、また、受信部15Bは、受信回路基板32を介して本体に取り付けられる。送信回路基板31や受信回路基板32は、図3に示すように、本体11の内部に固定された基板支持部111の所定位置に係合されて固定される。本実施形態では、送信回路基板31や受信回路基板32は、搬送経路130と略平行となるように固定される。そして、本実施形態では、送信部15Aは、送信回路基板31の基板面に対して送信面15A1が平行となるように固定される。一方、受信部15Bは、受信回路基板32の基板面に対して受信面15B1が角度θで傾斜するように固定される。
なお、ここでは、送信回路基板31及び受信回路基板32がそれぞれ独立して設けられる例を示すが、これに限定されず、送信回路基板31及び受信回路基板32が1つの基板に一体的に設けられる構成としてもよい。また、送信回路基板31及び受信回路基板32の少なくともいずれか一方を複数の基板により構成してもよい。
[送信部15Aの素子構成]
超音波センサー15を構成する送信部15Aをより具体的に説明する。
図4は、送信部15Aの概略構成を示す平面図である。図5は、送信部15Aの一部の断面図である。
図4及び図5に示すように、送信部15Aは、素子基板21と圧電素子22とを備えて構成されている。本実施形態では、素子基板21の基板厚み方向(Z方向)は、用紙Pの法線方向と一致(または略一致)し、Z方向に交差するX方向は、イメージスキャナー10の主走査方向と一致(または略一致)し、Z方向及びX方向に交差するY方向は搬送方向である。また、Z方向(+Z側に向かう方向)は、超音波を送信する方向(用紙Pに向かう方向)となる。
(素子基板21の構成)
素子基板21は、図5に示すように、基板本体部211と、基板本体部211の−Z側に設けられる振動膜212と、を備える。
基板本体部211は、振動膜212を支持する基板であり、例えばSi等の半導体基板で構成される。ここで、素子基板21には、Z方向から見た平面視で、図4に示すように、X方向及びY方向に沿った2次元アレイ状に配置される複数の開口部211Aが設けられている。
本実施形態では、各開口部211Aは、基板本体部211の基板厚み方向(Z方向)を貫通した貫通孔であり、当該貫通孔の一端側(−Z側)を閉塞するように振動膜212が設けられている。
振動膜212は、例えばSiOや、SiO及びZrOの積層体等より構成され、基板本体部211の−Z側に設けられる。振動膜212の厚みは、基板本体部211に対して十分小さい厚みとなる。この振動膜212は、開口部211Aを構成する基板本体部211の壁部211B(図5参照)により支持され、開口部211Aの−Z側を閉塞する。振動膜212のうち、平面視で開口部211Aと重なる部分(開口部211Aを閉塞する領域)は、振動部212Aを構成する。つまり、開口部211Aは、振動膜212の振動部212Aの外縁を規定する。この振動部212Aは、圧電素子22により振動可能となる振動領域となる。
(圧電素子22の構成)
圧電素子22は、本実施形態では、振動膜212の一面(−Z側の面)で、かつ、Z方向から見た平面視で各振動部212Aと重なる位置に設けられている。この圧電素子22は、図5に示すように、振動膜212上に第一電極221、圧電膜222、及び第二電極223が順に積層されることにより構成されている。
具体的には、第一電極221は、図4に示すように、Y方向に沿って直線状に形成される。第一電極221の両端部(±Y側端部)は、例えば、送信部15Aを制御する送信回路基板31に接続される第一電極端子221Pとなる。
また、第二電極223は、X方向に沿って直線状に形成されている。第二電極223の±X側端部は、共通電極線223Aに接続される。共通電極線223Aは、X方向に対して複数配置された第二電極223同士を結線し、共通電極線223Aの両端部(±Y側端部)は、送信回路基板31に接続される第二電極端子223Pとなる。
圧電膜222は、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)等の圧電体の薄膜により形成されている。
ここで、振動膜212における1つの振動部212Aと、当該振動部212A上に設けられた圧電素子22とにより、1つの超音波トランスデューサー(送信素子23)が構成される。したがって、図4に示すように、送信部15Aには、X方向及びY方向に沿って複数の送信素子23が配置される。
また、本実施形態の送信部15Aでは、Y方向に配置された複数の送信素子23において第一電極221が共通となり、これらのY方向に配置された複数の送信素子23により、1Ch(チャネル)の送信列23A(図4参照)が構成される。また、当該1Chの送信列23AがY方向に沿って複数並んで配置されることで、1次元アレイ構造の送信部15Aが構成されている。
このような構成の送信素子23では、第一電極221及び第二電極223の間に所定周波数の周期駆動電圧が印加されることにより、圧電膜222が伸縮し、圧電素子22が設けられた振動膜212の振動部212Aが、開口部211Aの開口幅等に応じた周波数で振動する。これにより、振動部212Aの+Z側(開口部211A側)から超音波が送信される。
また、本実施形態の送信部15Aは、X方向に沿って並ぶ送信列23Aへの周期駆動電圧の入力タイミングを異ならせることで超音波の送信方向を制御する。つまり、複数の送信素子23から送信される超音波が合成されることで、超音波の波面が形成される。各送信列23Aへの周期駆動電圧の入力タイミングを遅延させることで、超音波の波面の進行方向を所定の角度方向に制御することが可能となる。例えば、超音波の送信方向を、Z方向(用紙Pの法線方向)に対して+X側に傾斜させて送信する場合、X方向の−X側端部の送信列23Aから、+X側に向かって、周期駆動電圧の入力タイミングを遅延させる。また、超音波の送信方向を、Z方向から−X側に傾斜させて送信する場合、X方向の+X側端部の送信列23Aから、−X側に向かって、周期駆動電圧の入力タイミングを遅延させる。本実施形態では、図3に示すように、受信部15Bが送信部15Aよりも+X側に配置されるので、−X側端部から+X側に向かって順に送信列23Aが駆動される。
[送信部15Aの回路構成]
図6は、本実施形態の送信部15Aの回路構成の概略を示す図である。なお、図6では、説明の簡略化のため、送信列23Aの数を4個としている。図7は、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成される周期駆動電圧、及び、各送信列23Aに入力される入力電圧(周期駆動電圧)のタイミングチャートである。なお、図7における「k」は、X方向に並ぶ送信列23Aの順番を示しており、例えば、k=1は、−X側端部に位置する送信列23A、k=2は、−X側端部から2番目の送信列23Aを示す。
図3に示すように、送信部15Aは、送信回路基板31に接続されている。この送信回路基板31には、図6に示すように、スイッチング素子311と、第一送信回路312Aと、第二送信回路312Bと、タイミング制御部313と、メモリー314と、が配置されている。また、送信回路基板31は、受信回路基板32と接続され、受信回路基板32から入力される受信信号の電圧値に基づいて、周期駆動電圧の周期を設定する。
スイッチング素子311は、各送信列23Aのそれぞれに対して設けられており、送信列23Aと、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bのいずれかと、を接続する。具体的には、X方向に沿って−X側から2k−1(但し、kは1以上の自然数)番目に配置される送信列23Aに接続されるスイッチング素子311は、第一送信回路312Aに接続される。また、X方向に沿って−X側から2k番目に配置される送信列23Aに接続されるスイッチング素子311は、第二送信回路312Bに接続される。すなわち、本実施形態では、X方向に対して1つ置きに配置される送信列23A(送信素子23)を1つの送信制御グループとして、対応する1つの送信回路(第一送信回路312Aまたは第二送信回路312B)に接続可能となる。
これらのスイッチング素子311は、タイミング制御部313の制御により、送信列23Aと送信回路(第一送信回路312Aまたは第二送信回路312B)とを接続する接続位置、及び、送信列23Aと送信回路(第一送信回路312Aまたは第二送信回路312B)とを切断する切断位置に切り替えられる。
第一送信回路312Aは、2k+1番目の送信列23Aに対して入力する周期駆動電圧を生成する。第二送信回路312Bは、2k番目の送信列23Aに対して入力する周期駆動電圧を生成する。これらの第一送信回路312A及び第二送信回路312Bは、プラス電源、マイナス電源、及び耐圧性の高いトランジスター等により構成される。
これらの第一送信回路312A及び第二送信回路312Bは、タイミング制御部313の制御に基づいて、所定周期(周期T)の周期駆動電圧を生成する。第二送信回路312Bで生成される周期駆動電圧は、第一送信回路312Aで生成される周期駆動電圧に対して位相が半周期だけずれた(遅延された)周期駆動電圧となる。
図8は、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bにおける周期の変更方法の一例を示す図である。
第一送信回路312A及び第二送信回路312Bは、周期駆動電圧(パルス波)のディーティー比を維持し、ハイレベル期間及びローレベル期間を同じ割合だけ変更した周期駆動電圧を生成する。例えば、周期Tの周期駆動電圧から、αだけ周期を増加させた周期T´の周期駆動電圧を生成する場合、図8に示すように、ハイレベル期間及びローレベル期間をそれぞれα/2だけ増加させる。
ここで、第二送信回路312Bでは、第一送信回路312Aで生成される周期駆動電圧に対して半周期分遅れた周期駆動電圧が生成される。よって、図8に示すように、第二送信回路312Bで生成される周期T´の周期駆動電圧は、第二送信回路312Bで生成される周期Tの周期駆動電圧に対して、ΔT(=α/2)だけ遅延した周期駆動電圧となる。
また、詳細は後述するが、本実施形態では、タイミング制御部313によるゲート制御によって、各スイッチング素子311が、周期駆動電圧の半周期の遅延で順次接続位置に切り替えられる。これによって、−X側端部の送信列23Aから+X側に向かって順に周期駆動電圧が入力されることで、超音波が周期駆動電圧の周期に応じた音軸方向に送信される。図8の例では、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成する周期駆動電圧を、周期Tから周期T´に変更することで、スイッチング素子311の切り替えを行う遅延時間がΔTだけ長くなる。このため、超音波の送信方向がΔTに応じた角度だけ、+X側に変化することになる。
なお、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bにおける周期変更方法としては、図8の例に限られない。図9は、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bにおける周期の変更方法の他の例を示す図である。
例えば、図9に示すように、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bは、基準周期電圧Qに対して、遅延時間Δtを挿入してデューティー比を変更してもよい。具体的に説明すると、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成可能な最小周期Tminの周期駆動電圧を基準周期電圧Qとする。この基準周期電圧Qは、半周期(Tmin/2)のパルス幅のハイレベル信号と、半周期(Tmin/2)のパルス幅のローレベル信号とを有する基準波形部Q1が、連続するパルス波形である。
タイミング制御部313により、周期T´が指令されると、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bは、周期T´から最小周期Tminを減算した待機時間tを算出する。そして、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bは、基準波形部Q1に、待機時間tの基準レベル波形部Q2を追加して、1周期分の周期電圧波形Q3とし、周期電圧波形Q3が連続する周期駆動電圧を生成する。すなわち、本例では、ハイレベル信号のパルス幅は変動しないが、周期が変化するのでディーティー比が変動する。
この場合、図9に示すように、各送信列23Aを遅延駆動させる際の遅延時間ΔTは、最小周期Tminの周期駆動電圧を用いて送信部15Aを駆動させる際に比べて、待機時間t/2だけ増加することになり、超音波の送信方向が待機時間t/2に対応する角度だけ変化する。
タイミング制御部313は、本発明の送信制御部を構成し、例えばFPGA(field-programmable gate array)等の集積回路により構成されている。タイミング制御部313は、各スイッチング素子311、第一送信回路312A、及び第二送信回路312B、メモリー314、及び受信回路基板32に接続される。
タイミング制御部313は、第一送信回路312Aや第二送信回路312Bを制御する。例えば、タイミング制御部313は、周期駆動電圧の生成を指令する制御信号を第一送信回路312Aや第二送信回路312Bに入力する。制御信号には、生成する周期駆動電圧の周波数(周期)が含まれる。これにより、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bは、タイミング制御部313により指定された周波数の周期駆動電圧を生成する。
この際、タイミング制御部313は、図7に示すように、第一送信回路312Aに対して、所定周期分(例えば6周期)の周期駆動電圧を生成する旨の第一制御信号を出力する。また、タイミング制御部313は、第二送信回路312Bに対して、第一制御信号を出力してから、周期駆動電圧の半周期だけ遅延させて、所定周期分(例えば6周期)の周期駆動電圧を生成する旨の第一制御信号を出力する。
これにより、図7に示すように、第一送信回路312Aで6波分の周期駆動電圧が生成され、第二送信回路312Bで、第一送信回路312Aで生成される周期駆動電圧から半周期分だけ遅延した6波分の周期駆動電圧が生成される。
なお、図7に示す例は、送信列23Aが4つで、5波分の周期駆動電圧を入力する例であるため、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで6波分の周期駆動電圧を生成しているが、送信列23Aの数や、各送信列23Aに入力する周期駆動電圧の波数により、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成する周期駆動電圧の波数は適宜調整できる。
また、タイミング制御部313は、各スイッチング素子311をゲート制御することで、スイッチング素子311の接続状態を接続位置及び切断位置に切り替える。
本実施形態では、受信部15Bが送信部15Aよりも+X側に配置されるので、タイミング制御部313は、X方向の−X側端部に位置する送信列23Aから+X側に向かって順に周期駆動電圧が入力されるように、各スイッチング素子311をゲート制御し、切断位置から接続位置に切り替える。
具体的には、タイミング制御部313は、−X側端部からi番目の送信列23Aに対応するスイッチング素子311を接続位置に切り替えた後、周期駆動電圧の半周期だけ遅延させて、i+1番目の送信列23Aに対応するスイッチング素子311を接続位置に切り替える。また、スイッチング素子311を接続位置に切り替えた後、周期駆動電圧の5周期分の時間が経過した後、スイッチング素子311を切断位置に切り替える。
これにより、図7に示すように、1番目の送信列23Aに対して第一送信回路312Aで生成された1波から5波までの周期駆動電圧が入力される。また、2番目の送信列23Aには、1番目の送信列23Aに周期駆動電圧が入力されたタイミングから半周期分だけ遅れて、第二送信回路312Bで生成された1波から5波までの周期駆動電圧が入力される。
さらに、3番目の送信列23Aには、2番目の送信列23Aに周期駆動電圧が入力されたタイミングから半周期分だけ遅れて、第一送信回路312Aで生成された2波から6波までの周期駆動電圧が入力される。そして、4番目の送信列23Aには、3番目の送信列23Aに周期駆動電圧が入力されたタイミングから半周期分だけ遅れて、第二送信回路312Bで生成された2波から6波までの周期駆動電圧が入力される。
すなわち、X方向に奇数番目に配置される送信列23Aに入力される周期駆動電圧は同位相となり、第一送信回路312Aで生成される周期駆動電圧を入力することができる。同様に、X方向に偶数番目に配置される送信列23Aに入力される周期駆動電圧は同位相となり、第二送信回路312Bで生成される周期駆動電圧を入力することができる。このように、本実施形態では、各送信列23Aや各送信素子23に対応する送信回路をそれぞれ設ける必要がなく、同じ送信制御グループに属する送信列23Aや送信素子23に対して、同じ送信回路から出力された周期駆動電圧を入力すればよい。
上記のような本実施形態の送信回路基板31では、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成する周期駆動電圧の周期に応じて、スイッチング素子311が接続位置に切り替えられるタイミング、つまり遅延時間が変更される。したがって、第一送信回路312Aや第二送信回路312Bで生成する周期駆動電圧の周期を変動させることで、送信部15Aから送信される超音波の方向を、X方向に沿って変化させる、つまり、XZ面における超音波の送信角度を変化させることが可能となる。
また、送信回路基板31には、メモリー314が設けられている。このメモリー314には、タイミング制御部313が、周期駆動電圧の周期を設定する際の各種データが記録されている。タイミング制御部313による周期駆動電圧の周期設定についての詳細な説明は後述する。
[受信部15Bの構成]
受信部15Bは、図3に示すように、受信面15B1が、送信部15Aに向くように配置されている。つまり、受信部15Bの中心と送信部15Aの中心とを結ぶセンサー中心軸15Cに対して、受信面15B1が垂直(または略垂直)となるように受信部15Bが配置される。
この受信部15Bは、送信部15Aと略同様の構成により構成することができる。すなわち、受信部15Bは、図4や図5に示すような素子基板21と圧電素子22とを有する構成とすることができる。この場合、1つの振動部212Aと、当該振動部212A上の圧電素子22とにより、1つの受信素子を構成する。このような受信素子は、振動部212Aが超音波を受信して振動することで、圧電素子22から受信信号が出力される。受信素子を構成する素子基板21や圧電素子22は、送信部15Aと同一であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本実施形態の超音波センサー15は、用紙Pを通過した超音波の音圧を測定することで、重送を検出するものである。したがって、受信部15Bの受信面15B1のいずれかで、送信部15Aから送信された超音波が受信されればよい。この場合、受信部15Bに配置された複数の圧電素子22を直列に接続し、各圧電素子22からの信号を加算した受信信号を出力してもよい。
そして、受信部15Bの各第一電極端子や第二電極端子は、受信部15Bを固定する受信回路基板32に接続される。この受信回路基板32には、第二電極端子を基準電位にするグラウンド回路や、第一電極端子から入力された受信信号を処理して制御部16に出力する受信回路(例えば、ノイズフィルター、アンプ、AD変換回路等)が設けられている。受信回路は、超音波センサーにおける受信信号を処理する一般的な受信回路を用いることができ、ここでの説明は省略する。
[制御部16の構成]
図10は、イメージスキャナー10の制御構成を示すブロック図である。
図10に示すように、制御部16は、CPU(Central Processing Unit)等により構成された演算部161と、メモリー等の記録回路により構成された記憶部162とを備える。
制御部16は、搬送部13の搬送モーター135、スキャン部14、及び超音波センサー15に接続され、これらの搬送モーター135、スキャン部14、及び超音波センサー15の駆動を制御する。また、制御部16は、インターフェイス部17に接続され、例えば、パーソナルコンピューター等の外部機器51から入力された各種のデータや信号を受信したり、イメージスキャナー10が読み取った読取データを外部機器51に出力したりする。
記憶部162は、イメージスキャナー10を制御するための各種データや、各種プログラムが記録されている。
演算部161は、記憶部162に記憶された各種プログラムを読み込み実行することで、図10に示すように、搬送制御部161A、読取制御部161B、及び重送判定部161C、周期設定部161D等として機能する。
搬送制御部161Aは、搬送モーター135を制御して、複数のローラー対131〜134を回転させることで、用紙サポート12にセットされた用紙Pを1枚ずつ本体11内へ給送する。さらに搬送制御部161Aは、給送された用紙Pを搬送経路130に沿って読取条件に応じた搬送速度で搬送させる。
読取制御部161Bは、用紙Pの搬送中にスキャン部14を制御し、用紙Pの画像を読み取らせる。
重送判定部161Cは、本発明の状態検出部に相当し、超音波センサー15を制御して、受信部15Bから入力された受信信号に基づいて、用紙Pの重送を判定する。
具体的には、受信信号の電圧値Vが所定の閾値Vhより小さい場合に、用紙Pが重送されていると判定する。なお、重送判定部161Cに重送と判定された場合、搬送制御部161Aは、用紙Pの搬送を停止する。
周期設定部161Dは、送信部15Aから送信される超音波の送信方向(音軸)が受信部15Bに向くように、送信部15Aの駆動を調整する旨の周波数設定指令を超音波センサー15に出力する。
[超音波センサー15の駆動方法]
(周期設定処理)
図11は、本実施形態の超音波センサー15の駆動方法における周期設定処理のフローチャートである。
本実施形態のイメージスキャナー10では、超音波センサー15のセンサー中心軸15Cが、搬送経路130の法線に対して傾斜する。したがって、送信部15Aから送信される超音波の音軸が、センサー中心軸15Cと一致(または略一致)するように、送信部15Aの各送信列23Aに入力される周期駆動電圧を設定する、つまり、送信列23Aを遅延駆動させる際の遅延時間を設定する必要がある。
本実施形態では、イメージスキャナー10による画像読み取り処理の前に、つまり、搬送部13により、対象物である用紙Pが搬送される前に、超音波センサー15における周期設定処理が実施される。
なお、ここでは、周期設定処理のタイミングとして、搬送部13により用紙Pが搬送される毎に行う例を示すが、これに限定されない。例えば、イメージスキャナー10が工場において製造された際に周期設定処理を実施してもよく、イメージスキャナー10が起動された際(電源が投入された際)に周期設定処理を実施してもよく、一定期間毎に周期設定処理が実施されてもよい。周期設定処理は、用紙Pが搬送経路130上に搬送されていない状態で実施されることが好ましい。
周期設定処理では、図11に示すように、周期設定部161Dは、超音波センサー15に、周期設定指令を出力する(ステップS11)。
超音波センサー15のタイミング制御部313は、周期設定指令を受信すると、送信部15Aから、所定の基準方向に向かって超音波を送信させ、受信部15Bからの受信信号の電圧値(基準電圧値V)を検出する(ステップS12)。
ここで、本実施形態における基準方向について説明する。図12は、本実施形態における基準方向とセンサー中心軸15Cとの関係を示す図である。
本実施形態における基準方向は、送信部15Aに対する受信部15Bの位置が、図12に示す設計位置に位置する場合のセンサー中心軸15Cの方向である。つまり、送信部15Aや受信部15Bを高精度に本体11の設計位置に固定した場合に、センサー中心軸15Cが基準方向に一致する。
ところで、上述したように、送信部15Aや受信部15Bを本体11に取り付ける際に、取付角度誤差等によって送信部15Aに対する受信部15Bの位置が図12に示すようにずれることがある。この場合、送信部15Aの中心と受信部15Bの中心とを通るセンサー中心軸15Cは、本来の(理想とする)センサー中心軸15C、つまり基準方向から、所定の角度だけずれてしまう。本実施形態では、このように、センサー中心軸15Cと基準方向とがずれている場合でも、以降に説明する周期設定処理の実施により、送信部15Aから送信する超音波の音軸がセンサー中心軸15Cと一致または略一致するように、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成する周期駆動電圧の周期を設定する。
図11に戻り、ステップS12では、タイミング制御部313は、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成させる周期駆動電圧の周期を、基準方向に対応した基準周期Tに設定する。なお、この基準周期Tは、メモリー314に予め記憶されている。そして、タイミング制御部313は、基準周期Tの周期駆動電圧を第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成させ、基準周期Tの半周期の遅延時間で、スイッチング素子311を順次接続位置に切り替える。図3に示すように、本実施形態では、送信部15Aの+X側に受信部15Bが位置するので、タイミング制御部313は、−X側端部に配置された送信列23Aから、+X側に向かって順に、基準周期Tの半周期の遅延時間で周期駆動電圧を入力する。
これにより、送信部15Aから基準方向に超音波が送信され、受信部15Bで当該超音波が受信されると、受信部15Bから受信回路基板32を介して送信回路基板31に受信信号が入力される。タイミング制御部313は、この受信信号の電圧値(基準電圧値V)を検出し、基準周期Tと対応付けてメモリー314に記憶する。
次に、タイミング制御部313は、送信部15Aから、基準方向よりも+X側(第一方向のプラス側)の所定角度方向(第一比較方向)に向かって超音波を送信させ、受信部15Bからの受信信号の電圧値(第一比較電圧値V)を検出する(ステップS13;第一比較電圧検出ステップ)。
つまり、タイミング制御部313は、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成させる周期駆動電圧の周期を、基準周期Tよりも所定値だけ大きい第一比較周期Tに設定する。なお、この第一比較周期Tはメモリー314に予め記憶されている。そして、タイミング制御部313は、当該第一比較周期Tの周期駆動電圧を第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成させ、第一比較周期Tの半周期の遅延時間で、スイッチング素子311を順次接続位置に切り替える。
これにより、送信部15Aから第一比較方向に超音波が送信され、受信部15Bで当該超音波が受信されると、受信部15Bから受信回路基板32を介して送信回路基板31に受信信号が入力される。タイミング制御部313は、この受信信号の電圧値(第一比較電圧値V)を検出し、第一比較周期Tと対応付けてメモリー314に記憶する。
また、タイミング制御部313は、送信部15Aから、基準方向よりも−X側(第一方向のマイナス側)の所定角度方向(第二比較方向)に向かって超音波を送信させ、受信部15Bからの受信信号の電圧値(第二比較電圧値V)を検出する(ステップS14;第二比較電圧検出ステップ)。
つまり、タイミング制御部313は、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成させる周期駆動電圧の周期を、基準周期Tよりも所定値だけ小さい第二比較周期Tに設定する。なお、この第二比較周期Tはメモリー314に予め記憶されている。そして、タイミング制御部313は、第二比較周期Tの周期駆動電圧を第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成させ、第二比較周期Tの半周期の遅延時間で、スイッチング素子311を順次接続位置に切り替える。
これにより、送信部15Aから第二比較方向に超音波が送信され、受信部15Bで当該超音波が受信されると、受信部15Bから受信回路基板32を介して送信回路基板31に受信信号が入力される。タイミング制御部313は、この受信信号の電圧値(第二比較電圧値V)を検出し、第二比較周期Tと対応付けてメモリー314に記憶する。
この後、タイミング制御部313は、第一比較電圧値V及び第二比較電圧値Vの大小を比較し、第一比較電圧値Vが第二比較電圧値Vよりも大きいか否かを判定する(ステップS15;比較ステップ)。
ステップS15において、Yesと判定された場合(V>Vである場合)、タイミング制御部313は、+X側を走査方向として設定する(ステップS16;走査方向設定ステップ)。
ステップS15において、Noと判定された場合(V>Vである場合)、タイミング制御部313は、−X側を走査方向として設定する(ステップS17;走査方向設定ステップ)。
ステップS16またはステップS17の後、タイミング制御部313は、送信部15Aから送信する超音波を、基準方向から設定された走査方向に向かって振り、受信信号の変化を検出する走査処理を実施する(ステップS18;走査ステップ)。例えば、走査方向が+X側である場合、タイミング制御部313は、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成させる周期駆動電圧の周期を基準周期Tから漸増させる。これにより、各スイッチング素子311を切り替える遅延時間も漸増し、送信部15Aから送信される超音波の方向が+X側に変化する。また、走査方向が−X側である場合、タイミング制御部313は、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで生成させる周期駆動電圧の周期を基準周期Tから漸減させる。これにより、各スイッチング素子311を切り替える遅延時間も漸減し、送信部15Aから送信される超音波の方向も−X側に変化する。
送信部15Aから送信される超音波の方向が変化することで、受信部15Bから出力される受信信号の電圧値も変化する。タイミング制御部313は、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで設定した周期に対する受信信号の電圧値を適宜メモリー314に記憶する。
そして、タイミング制御部313は、ステップS18で検出した受信信号の電圧値の変化から、電圧値が最大となった際の周期駆動電圧の周期を検出し、設定周期Tとして設定し、メモリー314に記憶する(ステップS19;周期設定工程)。
以上の周期設定処理を具体例に基づいて説明する。図13及び図14は、第一送信回路312A及び第二送信回路312Bで設定する周期駆動電圧の周期に対する、受信部15Bからの受信信号の電圧値の一例を示す図である。
本実施形態では、図12に示すように、取付角度誤差によって生じるセンサー中心軸15Cのずれを、超音波の音軸の方向を調整することで補正する。ただし、ずれ量が大きすぎると、センサー中心軸15Cが本体11内の他の部分に干渉する場合もあるため、ずれ量の許容範囲は予め設定されており、例えば、基準方向を中心とした±10°の角度範囲となる。したがって、ステップS18では、基準方向を中心とした±10°程度の範囲で走査処理を実施すれば十分である。このように、超音波を狭範囲内で走査する場合、受信信号の電圧値の変化曲線は、図13や図14に示すように、略正規分布に略従って変化する。つまり、超音波の音軸がセンサー中心軸15Cと一致する際をピーク位置として、超音波を+X側に振った場合の電圧値の変化曲線と、超音波を−X側に振った場合の電圧値の変化曲線とが、ピーク位置を中心に略線対称となる。
この場合、図13に示すように、受信信号が最大電圧値Vmaxとなるピーク位置(センサー中心軸15Cの方向)が、第一比較方向よりも+X側となる場合、V>Vとなる。このため、ステップS15で、V>Vであると判定された場合は、ステップS16で走査方向を基準方向より+X側とすることで、ステップS18において、受信信号の最大電圧値Vmaxが検出される際の設定周期Tを迅速に検出することができる。
また、図14に示すように、受信信号の最大電圧値Vmaxとなるピーク位置(センサー中心軸15Cの方向)が、基準方向と第一比較方向との間となる場合でも、V>Vとなる。よって、この場合も、ステップS15で、V>Vであると判定された場合は、ステップS16で走査方向を基準方向より+X側とすることで、ステップS18において、受信信号の最大電圧値Vmaxが検出される際の設定周期Tを迅速に検出することができる。
なお、図13及び図14は、V>Vとなる例であるが、V>Vとなる場合も同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。
(画像読取処理)
以上のような周期設定処理の後、イメージスキャナー10は、用紙Pの画像読取処理を実施する。この際、本実施形態では、超音波センサー15による重送検知処理を実施する。
図15は、超音波センサー15による重送検知処理を含む、イメージスキャナー10の画像読取処理(スキャン方法)のフローチャートである。
ステップS19で周期が設定されると、超音波センサー15から制御部16に周期の設定が完了した旨の制御信号が出力される。搬送制御部161Aは当該制御信号を受信すると、搬送モーター135を駆動し、搬送部13によって用紙Pを1枚ずつ搬送させる(ステップS21)。
また、重送判定部161Cは、超音波センサー15に重送検知を指令する制御信号を出力する。これにより、タイミング制御部313は、ステップS19で設定した設定周期Tの周期駆動電圧で送信部15Aから超音波を送信する(ステップS22)。
ここで、上述したように、X方向に並ぶ各送信列23Aに設定周期Tの周期駆動電圧を、設定周期Tの1/2周期で−X側から+X側に順に入力し、送信部15Aから超音波を送信した際に、受信部15Bから出力される受信信号が最大となるように、設定周期Tが設定されている。このため、送信部15Aや受信部15Bを本体11に取り付ける際に、取付角度誤差が含まれていても、タイミング制御部313は、設定周期Tの周期駆動電圧に基づいた遅延制御で送信部15Aを駆動させることで、送信部15Aから送信される超音波の音軸を、センサー中心軸15Cに一致または略一致させることができる。
そして、重送判定部161Cは、超音波センサー15の受信部15Bから出力される受信信号の電圧値Vが、閾値Vh未満か否かを判定する(ステップS23;状態検出ステップ)。
ステップS23において、Yesと判定される場合、つまり、受信信号の電圧値が、閾値未満である場合は、用紙Pを通過した超音波の音圧が小さく、2枚以上の用紙が搬送されている状態(重送)であると判定する。この場合、搬送制御部161Aは、用紙Pの搬送動作を停止させる(ステップS24)。この場合、搬送制御部161Aは、用紙Pの搬送方向を反転させて、搬送経路130内の用紙Pをリタードローラーを含む第二給送ローラー対132よりも上流側(−Y側)に戻し(ステップS25)、ステップS21の処理に戻す。なお、エラーメッセージ等を表示させて処理を終了させてもよい。
また、ステップS23において、Noと判定される場合、つまり、受信信号の電圧値Vが閾値Vh以上である場合は、搬送制御部161Aによる用紙Pの搬送動作を継続して行う(ステップS26)。そして、搬送された用紙Pが読取位置まで来ると、読取制御部161Bは、スキャン部14を制御して画像を読み取らせる(ステップS27)。この後、搬送制御部161Aにより、さらに用紙Pが搬送されることで、用紙Pが排出口11Bから排出される。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の超音波センサー15は、用紙P(対象物)の表面の法線に対して傾斜したセンサー中心軸15C(第一軸)上に配置されて、用紙Pに向かって超音波を送信する送信部15Aと、センサー中心軸15C上で、用紙Pの送信部15Aとは反対側に設けられた受信部15Bとを備える。また、送信部15Aは、送信回路基板31に接続され、この送信回路基板31には、送信部15Aの駆動を制御するタイミング制御部313(送信制御部)が設けられている。そして、タイミング制御部313は、各送信列23Aを遅延駆動させて、送信部15Aから基準方向よりX方向(第一方向)の+X側(正側)に超音波を送信した際の第一比較電圧値Vと、基準方向より−X側(負側)に超音波を送信した際の第二比較電圧値Vとを比較する。そして、その比較結果に基づいて、超音波の送信方向を判定、つまり、走査処理で超音波の方向を変化させる走査方向を判定する。
このような超音波センサー15では、イメージスキャナー10の本体11に、送信部15A及び受信部15Bを装着する際に、取付角度誤差が含まれて、送信部15Aの音軸がセンサー中心軸15Cからずれている場合でも、送信部15Aからの超音波の送信方向を微調整することができる。したがって、受信部15Bで超音波を受信した際の受信信号の電圧低下を抑制でき、受信部15Bから出力される受信信号に基づいて、用紙Pの重送を高精度に検出することができる。
また、第一比較電圧値Vと、第二比較電圧値Vと、に基づいて、超音波をどの方向に向ければ受信信号の電圧値が大きくなるか、すなわち、超音波の音軸が、センサー中心軸15Cに近づく方向を判定することができ、迅速に、超音波の音軸を、センサー中心軸15Cに合わせ込むことができる。
本実施形態の超音波センサー15では、タイミング制御部313は、V>Vの場合に、基準方向から+X側を走査方向とし、V>Vの場合に、基準方向から−X側を走査方向とする。そして、タイミング制御部313は、設定した走査方向に沿って超音波を振って(音軸をX方向に沿って変化させて)、受信信号の電圧値が最大となる方向を特定する。つまり、受信信号の電圧値が最大となる際の周期駆動電圧の周期を検出して、設定周期Tとして設定する。
この場合、基準方向から、走査方向とは逆方向に対して走査処理を実施する必要がないので、超音波の音軸がセンサー中心軸15Cに一致する設定周期Tを迅速に特定できる。このため、イメージスキャナー10において、画像読取処理毎に、周期設定処理を実施しても、画像読取処理に係る時間が大幅に遅延することがない。
本実施形態のイメージスキャナー10は、超音波センサー15の受信部15Bから出力された受信信号の電圧値に基づいて、用紙Pの重送を検出する重送判定部161Cを備える。
上記のように、超音波センサー15は、送信部15A及び受信部15Bを本体11に取り付けた際に取付角度誤差が生じた場合でも、送信部15Aから送信される超音波の送信方向(音軸)を、センサー中心軸15Cに一致させるように調整することができる。よって、受信部15Bにおいて、送信部15Aから送信され、用紙Pを通過した超音波を好適に受信することができる。したがって、重送判定部161Cは、このような受信部15Bから出力される受信信号に基づいて、精度よく用紙Pの重送を検出することができ、重送によって用紙Pの画像が読み込まれない不都合や、重送による紙詰まり等の不都合を抑制できる。
[第二実施形態]
上記第一実施形態では、第一比較方向に超音波を送信した際の第一比較電圧値Vと、第二比較方向に超音波を送信した際の第二比較電圧値Vとを比較することで、設定周期Tを検出する際の走査方向を設定した。これに対して、第二実施形態では、さらに多くの電圧値を比較して、走査方向を設定する点で第一実施形態と相違する。なお、以降の説明にあたり、既に説明した事項については同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図16は、第二実施形態における周期駆動電圧の周期に対する受信信号の電圧値の一例を示す図である。
第一実施形態では、送信部15Aから送信する超音波を所定範囲(狭範囲)内で振った際の受信信号の電圧値の変化曲線は、音軸とセンサー中心軸15Cとが一致する位置を中心とした正規分布に略従った形状になる、との前提で、走査方向を設定した。
しかしながら、実際の受信信号の波形には、ノイズ等の不要成分が含まれ、例えば図16に示すように、電圧値の変化曲線に2つ以上のピークが現れる場合がある。図16に示す例において、第一実施形態では、周期T11の周期駆動電圧を用いた場合を第一比較方向、周期T12の周期駆動電圧を用いた場合を第二比較方向とすると、V21>V11となり、−X側を走査方向として走査処理が実施される。つまり、第一実施形態では、最大電圧値Vmaxが+X側にあるにもかかわらず、基準方向から−X側の方向を走査方向として設定してしまう。また、第一実施形態では、第一比較電圧と第二比較電圧とが同程度の電圧値となる場合においても、走査方向の決定が困難となる。
これに対して、本実施形態では、ステップS13において、タイミング制御部313は、送信部15Aから、基準方向よりも+X側の所定の第三比較方向、第四比較方向、第五比較方向のそれぞれに向かって超音波を送信させ、それぞれの方向に対する受信部15Bからの受信信号の電圧値(第三比較電圧値V11、第四比較電圧値V12、第五比較電圧値V13)を検出する。超音波を第三比較方向、第四比較方向、第五比較方向のそれぞれに送信する際の周期駆動電圧の周期は、図16に示すように、T11、T12,T13となる。
同様に、ステップS14において、タイミング制御部313は、送信部15Aから、基準方向よりも−X側の所定の第六比較方向、第七比較方向、第八比較方向のそれぞれに向かって超音波を送信させ、それぞれの方向に対する受信部15Bからの受信信号の電圧値(第六比較電圧値V21、第七比較電圧値V22、第八比較電圧値V23)を検出する。超音波を第六比較方向、第七比較方向、第八比較方向のそれぞれに送信する際の周期駆動電圧の周期は、図16に示すように、T21、T22,T23となる。
そして、ステップS15において、ステップS13及びステップS14で検出された各電圧値(V11,V12、V13,V21,V22,V23)の電圧値を比較し、最も大きい電圧値を出力した方向が、基準方向から+X側であるか、−X側であるかを判定する。
図16の例では、T13の周期駆動電圧により、第五比較方向に超音波を送信した際に最大の電圧値V13が検出される。よって、この場合、基準方向から+X側の走査方向として設定する。
他の処理については、第一実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、ステップS13で+X側に対して3方向に超音波を送信する例、ステップS14で−X側に対して3方向に超音波を送信する例を示すが、超音波の送信方向をさらに増加させることで、より精度の高い走査方向の判定が可能となる。
また、センサー中心軸15Cのずれの許容範囲(例えば基準方向から±5°の範囲内)をn等分するように、各比較方向を設定してもよい。
例えば、第三比較方向を基準方向から+X側に5/3°だけ傾けた方向、第四比較方向を基準方向から+X側に10/3°だけ傾けた方向とし、第五比較方向を基準方向から+X側に5°だけ傾けた方向とする。これにより、許容範囲における+X側での受信電圧の電圧値の傾向を判定することができる。同様に、第六比較方向を基準方向から−X側に5/3°だけ傾けた方向、第七比較方向を基準方向から−X側に10/3°だけ傾けた方向とし、第八比較方向を基準方向から−X側に5°だけ傾けた方向とする。これにより、許容範囲における−X側での受信電圧の電圧値の傾向を判定することができる。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の超音波センサー15では、タイミング制御部313は、基準方向から+X側の複数の方向に超音波を送信した際のそれぞれの受信信号の電圧値と、基準方向より−X側の複数の方向に超音波を送信した際のそれぞれの受信信号の電圧値とを比較する。
この場合、受信信号の電圧値の変化曲線に複数のピークが含まれる場合等であっても、超音波の音軸がセンサー中心軸15Cに近づく方向(走査方向)を精度よく設定することができる。
[第三実施形態]
上記第一実施形態及び第二実施形態では、ステップS15やステップS16において、走査方向が設定されると、ステップS18では、その走査方向に対して超音波の送信方向を変化させて、最大電圧値となる方向(周期)を特定した。
これに対して、本実施形態では、走査方向への走査を実施した際の受信信号の電圧値の変化が単調減少する場合に、走査方向とは逆方向に走査を実施する点で上記第一実施形態及び第二実施形態と相違する。
図17は、第三実施形態における走査処理を説明するための周期駆動電圧の周期に対する受信信号の電圧値の一例を示す図である。
第一実施形態では、送信部15Aから送信する超音波を所定範囲(狭範囲)内で振った際の受信信号の電圧値の変化曲線は、音軸とセンサー中心軸15Cとが一致する位置を中心とした正規分布に略従った形状となる、との前提で、走査方向を設定した。
しかしながら、送信部15Aから送信される超音波は、送信面15A1の法線方向に対して音圧が大きく、法線方向から傾斜するにしたがって音圧が低下する。したがって、受信部15Bの受信面15B1に対する送信面15A1の傾斜角度によっては、図17に示すように、超音波の送信角度が送信面15A1から大きくなるにしたがって、音圧が大きく低下する場合がある。
図17に示す例では、基準方向と第三比較方向(第一比較方向)との間にセンサー中心軸15Cがある。ここで、第一実施形態では、第一比較電圧値(V11)が第二比較電圧値(V21)よりも小さいので、上述したステップS15においてNoと判定され、ステップS17で基準方向よりも−X側を走査方向と設定される。第二実施形態のように、+X側の複数の比較方向(第三〜第五比較方向)、及び−X側の複数の比較方向(第六〜第八比較方向)に対する受信信号の電圧値を検出して比較した場合でも、図17に示す例では、ステップS17で基準方向よりも−X側を走査方向と設定される。よって、ステップS18の走査処理において、周期駆動電圧が基準周期Tの時に、受信信号の最大値が検出され、設定周期は基準周期Tとなり、超音波の音軸とセンサー中心軸15Cとが異なる方向となる。
なお、第二実施形態において、ステップS13及びステップS14における比較方向の数を増大させて、より細かく受信信号の電圧値を取得することで、上記のような不都合は回避できるが、この場合、走査方向を判定するまでの時間が長くなる。
そこで、本実施形態では、タイミング制御部313は、ステップS18において、走査方向に走査処理を実施した際の受信信号の変化傾向を判定し、検出された受信信号の最大値をセンサー中心軸15Cとすることの妥当性を判定する。
具体的には、タイミング制御部313は、基準方向から走査方向への走査処理において、受信信号の電圧値が単調減少しているか否か(基準方向から離れるにしたがって漸減しているか否か)を判定する。そして、受信信号の電圧値が単調減少である場合、タイミング制御部313は、走査方向への走査処理の後、さらに、基準方向から走査方向とは逆方向に対して走査処理を実施する。そして、逆方向への走査処理において検出される受信信号の最大電圧値と、走査方向への走査処理において検出される受信信号の最大電圧値とを比較し、大きい方をセンサー中心軸15Cに一致する方向として判定する。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、タイミング制御部313は、受信信号の電圧値の変化が単調減少であるか否かを判定し、単調減少である場合に、走査方向とは逆方向に対しても走査処理を実施する。これにより、超音波の音軸をセンサー中心軸15Cに高精度に合わせ込むことができ、重送の検出精度も向上する。
[変形例]
なお、本発明は上述の各実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
(変形例1)
上記第一から第三実施形態において、送信部15Aは、X方向に沿って奇数番目に配置される送信列23Aに対する第一送信回路312Aと、偶数番目に配置される送信列23Aに対する第二送信回路312Bとを設ける例を示した。
これに対して、n個おきに配置された送信列23Aを1つの送信制御グループとしてもよい。つまり、X方向に沿って−X側から(n+1)k−n番目(kが1以上の自然数)の送信列23Aを含む送信制御グループ、(n+1)k−(n−1)番目の送信列23Aを含む送信制御グループ、…(n+1)k+1番目の送信列23Aを含む送信制御グループ、(n+1)k番目の送信列23Aを含む送信制御グループ、の合計n+1個の送信制御グループに分けられる。この場合、各送信制御グループに対応した、n+1個の送信回路が設けられ、順にh/(n+1)周期(hは正の整数)だけ遅延させた周期駆動電圧を生成する。
図18は、n=2とした場合の回路構成を示す図であり、図19は、n=2,h=1とした場合の超音波センサー15の各送信列23Aに入力される入力電圧(周期駆動電圧)のタイミングチャートである。
図18の例では、X方向に2個おきに配置された送信列23A(送信素子23)を1つの送信制御グループとする。つまり、−X側から3k−2番目の送信列23Aを含む送信制御グループ、3k−1番目の送信列23Aを含む送信制御グループ、3k番目の送信列23Aを含む送信制御グループに分けられる。
また、図19に示すように、3k−2番目の送信列23Aに対応した第1の送信回路312Cは、タイミング制御部313から指令された周期の周期駆動電圧を生成する。3k−1番目の送信列23Aに対応した第2の送信回路312Dは、第1の送信回路312Cで生成される周期駆動電圧に対して、位相が1/3周期だけ遅延した周期駆動電圧を生成する。3k番目の送信列23Aに対応した第3の送信回路312Eは、第2の送信回路312Dで生成される周期駆動電圧に対して、位相が1/3周期だけ遅延した周期駆動電圧を生成する。
そして、タイミング制御部313は、各送信列23Aに接続されるスイッチング素子311を−X側端部(または+X側端部)から順に、周期駆動電圧の1/3周期だけ遅延させて切断位置から接続位置に切り替える。これにより、図19に示すように、−X側端部の1番目の送信列23Aから+X側に向かって、1/3周期の遅延時間で順に周期駆動電圧が印加される。
また、図18は、各送信回路において、−X側端部の送信列23Aから順に、位相を1/n周期だけ遅延させた周期駆動電圧を入力する例であるが、これに限定されない。例えば、h/n周期だけ遅延させた周期駆動電圧を入力してもよい。
図18に示す例において、第2の送信回路312Dは、第1の送信回路312Cで生成される周期駆動電圧を、位相を2/3周期だけ遅延させた周期駆動電圧を生成し、第3の送信回路312Eは、第2の送信回路312Dで生成される周期駆動電圧を、位相を2/3周期だけ遅延させた周期駆動電圧を生成してもよい。
(変形例2)
さらに、送信部15Aの回路構成として、1つの送信回路のみが設けられる構成としてもよい。
図20は、送信部15Aの回路構成の他の例を示す図であり、図21は、当該回路の送信回路312で生成される周期駆動電圧、及び、各送信列23Aに入力される周期駆動電圧のタイミングチャートである。
図20に示す送信回路基板31Aは、スイッチング素子311、送信回路312、及びタイミング制御部313Aを備える。
スイッチング素子311は、第一実施形態と同様に、各送信列23Aのそれぞれに対応して設けられる。また、各スイッチング素子311は、1つの送信回路312に接続されている。この送信回路312は、第一実施形態と同様に、タイミング制御部313Aからの制御信号に基づいて、指令周期または設定周期の周期駆動電圧を生成する。
タイミング制御部313Aは、図21に示すように、送信部15Aから超音波を送信する際、各スイッチング素子311の接続位置への切り替えを、周期駆動電圧の周期の整数倍(例えば1倍)だけ遅延させて実施する。つまり、−X側端部に配置された送信列23Aに対応するスイッチング素子311を接続位置に切り替えた後、周期駆動電圧の1周期分の遅延時間が経過してから、−X側から2番目に配置された送信列23Aに対応するスイッチング素子311を接続位置に切り替える。以降、周期駆動電圧の1周期分の遅延時間を設けて、順次+X側の送信列23Aに周期駆動電圧を入力する。
このような構成でも、X方向に並ぶ複数の送信列23Aが、−X側から+X側に向かって、順に遅延駆動されることで、超音波の送信方向を、送信面15A1の法線に対して+X側に向けることができる。
さらに、図20において、各スイッチング素子311の代わりに、マルチプレクサーを用いてもよい。図22は、送信部15Aの回路構成の他の例を示す図である。
図22に示す送信回路基板31Bは、マルチプレクサー315、送信回路312、及びタイミング制御部313Bを備える。
マルチプレクサー315は、各送信列23Aと、送信回路312とに接続されており、送信回路312から入力された周期駆動電圧を、複数の送信列23Aのいずれかに出力する。
また、タイミング制御部313Bは、送信部15Aから超音波を送信する際に、マルチプレクサー315をコントロール制御して、送信回路312から入力された周期駆動電圧の出力先を、周期駆動電圧の周期の整数倍(例えば1倍)のタイミングで、−X側の送信列23Aから+X側の送信列23Aに切り替える。
つまり、−X側端部に配置される送信列23Aから+X側端部に配置される送信列23Aまでの各送信列23Aが、周期駆動電圧の1周期分の遅延時間で、順に、駆動されることになる。この場合、各送信列23Aに入力される周期駆動電圧は、1周期分のパルス波となる。
このような構成でも、X方向に並ぶ複数の送信列23Aが、−X側から+X側に向かって、順に遅延駆動されることで、超音波の送信方向を、送信面15A1の法線に対して+X側に向けることができる。
上記のような図20や図22に示す回路構成とする場合、1つの送信回路312が設けられていればよいので、送信部15Aの回路構成をより簡略化できる。
(変形例3)
上記第一実施形態において、ステップS12で基準方向に超音波を送信し、受信信号の基準電圧値Vを検出する例を示したが、このステップS12は省略されてもよい。すなわち、第一実施形態では、ステップS13及びステップS14により検出された第一比較電圧値V及び第二比較電圧値Vを比較することで、走査方向を決定する。したがって、ステップS12のタイミングで基準電圧値Vを検出しなくてもよく、ステップS18の走査処理で基準電圧値Vが検出されればよい。
(変形例4)
上記各実施形態では、基準方向として、送信部15A及び受信部15Bが、本体11の設計位置に精密に取り付けられた際の、センサー中心軸15Cに沿う方向、つまり、理想とするセンサー中心軸15Cの方向としたが、これに限定されない。本体11に対する設計位置とは関係なく、所定の軸方向を基準方向としてもよい。
例えば、送信部15Aの送信面15A1の法線方向を基準方向としてもよい。
また、過去の周期設定処理により設定された設定周期Tに対応する方向を基準方向としてもよい。例えば、前回の周期設定処理で設定された設定周期Tを基準周期Tとし、当該基準周期の周期駆動電圧によって送信される超音波の方向を基準方向としてもよい。または、過去に設定された設定周期Tの平均値を算出し、基準方向に対応する基準周期Tとしてもよい。或いは、過去に設定された設定周期Tや、その設定周期TSが設定された際の温度や湿度等の環境値とに基づいて、基準周期Tを算出してもよい。
(変形例5)
上記実施形態において、送信部15Aは、送信面15A1の法線が、搬送経路130の用紙Pの法線と一致するように配置される例を示したが、これに限定されない。例えば、送信面15A1が、受信面15B1に平行となるように、送信部15Aを固定してもよい。この場合、基準方向は、送信面15A1の法線方向となる。
(変形例6)
上記第一実施形態では、本発明の電子機器の一例として、イメージスキャナー10を例示したが、これに限定されない。例えば、搬送経路上に搬送された印刷紙に対して、画像を印刷する印刷ヘッドが設けられた印刷装置(プリンター)において、印刷紙の重送を検出する際に本発明の超音波センサー15を適用してもよい。
また、このような印刷装置において、印刷紙の種類を判定する際に、本発明の超音波センサー15を用いてもよい。つまり、印刷装置は、受信部15Bからの受信信号の電圧値と、印刷紙の種類とを対応付けたテーブルデータを記憶する記憶部に記憶しておく。そして、印刷装置に設けられた制御部(コンピューター)は、本発明の状態検出部として機能し、テーブルデータを参照して、受信部15Bからの受信信号に対応する印刷紙の種類を判定する。この場合、印刷装置は、印刷紙の種類に応じた最適な画像を印刷紙に形成することができる。
また、対象物としては、用紙Pや印刷紙に限定されず、上述したように、フィルムや布帛等であってもよい。
さらに、配管等を流れる流体の流速を検出する流速検出装置において、本発明の超音波センサーを適用してもよい。この場合、対象物は流体となり、流体に対して超音波を送信し、流体を通過する超音波を受信すると、流体の流速に応じて超音波の進行方向が変化する。この際、受信信号の電圧値の変化を検出することで、流体の流速を測定することが可能となる。このような流速検出装置では、受信信号の電圧変化から流体の流速を測定するため、送信部から送信される超音波の音軸を、正確に受信部に向けておき、基準位置を設定する必要がある。本発明の超音波センサーを用いることで、基準位置を正確に設定することができ、流速測定装置における流速測定精度を向上させることができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造などに適宜変更してもよい。
10…イメージスキャナー(電子機器)、15…超音波センサー、15A…送信部、15A1…送信面、15B…受信部、15B1…受信面、15C…センサー中心軸(第一軸)、16…制御部、21…素子基板、22…圧電素子、23…送信素子、23A…送信列、31,31A,31B…送信回路基板、32…受信回路基板、51…外部機器、111…基板支持部、130…搬送経路、161…演算部、161A…搬送制御部、161B…読取制御部、161C…重送判定部、161D…周期設定部、162…記憶部、211…基板本体部、212…振動膜、212A…振動部、221…第一電極、222…圧電膜、223…第二電極、311…スイッチング素子、312…送信回路、312A…第一送信回路、312B…第二送信回路、312C…第1の送信回路、312D…第2の送信回路、312E…第3の送信回路、313,313A,313B…タイミング制御部(送信制御部)、314…メモリー、315…マルチプレクサー、P…用紙(対象物)、T…基準周期、T…第一比較周期、T…第二比較周期、T…設定周期、V…基準電圧値、V…第一比較電圧値、V11…第三比較電圧値、V12…第四比較電圧値、V13…第五比較電圧値、V…第二比較電圧値、V21…第六比較電圧値、V22…第七比較電圧値、V23…第八比較電圧値、Vh…閾値、Vmax…最大電圧値。

Claims (6)

  1. 対象物の表面の法線に対して傾斜した第一軸上に配置された送信部と、
    前記第一軸上で、前記対象物の前記送信部とは反対側に設けられた受信部と、
    前記送信部の駆動を制御する送信制御部と、を備え、
    前記送信部は、超音波を送信する複数の送信素子を有し、かつ、複数の前記送信素子が、前記法線と前記第一軸とを含む面内で、前記第一軸に交差する第一方向に沿って配置されており、
    前記送信制御部は、複数の前記送信素子を遅延駆動させて所定の基準方向より前記第一方向の正側に前記超音波を送信した際に前記受信部から出力される受信信号の電圧値と、前記基準方向より前記第一方向の負側に前記超音波を送信した際に前記受信部から出力される前記受信信号の電圧値と、を比較して、前記超音波の音軸が前記第一軸に近づく方向を判定する
    ことを特徴とする超音波センサー。
  2. 請求項1に記載の超音波センサーにおいて、
    前記送信制御部は、前記基準方向より前記第一方向の正側の複数の方向に前記超音波を送信した際のそれぞれの前記受信信号の電圧値と、前記基準方向より前記第一方向の負側の複数の方向に前記超音波を送信した際のそれぞれの前記受信信号の電圧値と、を比較する
    ことを特徴とする超音波センサー。
  3. 請求項1または請求項2に記載の超音波センサーにおいて、
    前記送信制御部は、前記基準方向に対して前記第一方向の正側、及び前記基準方向に対して前記第一方向の負側のうち、前記受信信号の電圧値が大きくなる方向を走査方向とし、前記基準方向から前記走査方向に向かって前記超音波を送信する方向を変化させた際の前記受信信号の電圧値の変化を検出して、前記受信信号の電圧値が最大となる前記超音波の送信方向を特定する
    ことを特徴とする超音波センサー。
  4. 請求項3の超音波センサーにおいて、
    前記送信制御部は、前記走査方向に向かって前記超音波を送信する方向を変化させた際の前記受信信号の電圧値の変化が、前記基準方向から離れるにしたがって漸減する場合、前記基準方向から前記走査方向とは逆方向に向かって前記超音波を送信する方向を変化させた際の前記受信信号の電圧値を検出し、前記受信信号の電圧値が最大となる前記超音波の送信方向を特定する
    ことを特徴とする超音波センサー。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超音波センサーと、
    前記超音波センサーの前記受信部からの出力に応じて前記対象物の状態を検出する状態検出部と、を備える
    ことを特徴とする電子機器。
  6. 対象物の表面の法線に対して傾斜した第一軸上に配置された送信部と、前記第一軸上で、前記対象物の前記送信部とは反対側に設けられた受信部と、前記送信部の駆動を制御する送信制御部と、を備え、前記送信部が、超音波を送信する複数の送信素子を有し、かつ、複数の前記送信素子が、前記法線と前記第一軸とを含む面内で、前記第一軸に交差する第一方向に沿って配置された超音波センサーの駆動方法であって、
    複数の前記送信素子を遅延駆動させて所定の基準方向より前記第一方向の正側に前記超音波を送信した際に前記受信部から出力される受信信号の電圧値と、前記基準方向より前記第一方向の負側に前記超音波を送信した際に前記受信部から出力される前記受信信号の電圧値と、を比較し、
    前記超音波の音軸が前記第一軸に近づく方向を判定する
    ことを特徴とする超音波センサーの駆動方法。
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