JP2019147319A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、簡易な構成で、液体吐出面上に付着した液滴を回収できる液体吐出ヘッドを提供する。【解決手段】 負圧Pによりインク2を貯留するインク貯留室22aと、接続されるインク貯留室22aのインク2をインク吐出面22sに形成されるインク吐出口201sから吐出する吐出ノズル201を複数有する第1のノズル列7と、吐出ノズル201のインク吐出口201sに対応する液滴吸引口202sをインク吐出面22sに備え、インク貯留室22aに接続される第2のノズルを複数有する、第1のノズル列7に並列する第2のノズル列9と、を有し、液滴吸引流路202の液滴吸引口202sの面積S2は、液滴吸引口202sに形成されるインク2の表面張力がインク貯留室22a内の負圧Pよりも大きくなる面積であって、吐出ノズル201のノズルのインク吐出口201sの開口面積S1よりも大きいことを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、インク等の液体をノズルから吐出させる液体吐出ヘッドに関するものである。
記録媒体にインクを吐出して記録するインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置のうちで、バブルジェット(登録商標)記録装置と呼ばれているものは、その記録ヘッドの複数のインク吐出口(ノズル)に対応する流路に、それぞれ発熱抵抗体からなる電気熱変換体が設けられる。そして、記録データに基づいて選択的に電気熱変換体を駆動することによりインク中に気泡を発生させ、その圧力でノズルからインクを吐出させてプラスチックシートや記録用紙等の記録媒体上にドットによる記録を行う。
熱エネルギを利用してインクを吐出させる方式の記録ヘッドでは、溶媒の蒸発によるインクの粘性の変化や吐出面へのごみの付着、吐出口への気泡の混入や記録媒体に吐出したインクの水分が蒸発して記録媒体の対向面である吐出面に結露した液滴等によりインク吐出口に目詰りや結露した水分がノズル内に侵入してインクの希釈化が生じる。これにより印字不良を引き起こす。インク吐出口の目詰りを防止するために図2に示すように、記録ヘッド22のインク吐出面22sに対向して記録ヘッド22のインク2吐出機能を回復する回復ユニット40が設けられている。
図2に示す記録ヘッド22は、図1に示す記録装置10の上部に搭載され、ロール状に巻かれたシートからなる記録媒体6を搬送する搬送手段により記録媒体6を移動しながらインク2を吐出して記録媒体6上に記録を行う。回復ユニット40は、記録ヘッド22のインク吐出面22sに対向する位置に設けられ、記録ヘッド22のインク吐出面22sからインク2を吐出して記録媒体6に記録するときは、記録ヘッド22のインク吐出面22sから退避する。
回復ユニット40内には、記録ヘッド22のインク吐出面22sに近接、もしくは圧接するキャップ50が設けられている。キャップ50によりインク吐出面22sからインク2を吸引するか、もしくは押し出すか、或いは、インク2を循環させる等してインク吐出面22s近傍の流路に新たなインク2を充填させるようにしている。
また、図9(a),(b)に示すように、インク吐出面22sに付着した、ごみや液滴302を拭い取る手段として、図2に示すゴム等の弾性板で形成されたワイピング部材306が設けられている。
特許文献1には、インク吐出面に付着した液滴をインク吐出口以外に誘導する手段として、記録ヘッドのインク吐出面を払拭するワイパ部材と、インク吐出面に付着しているインクだけに接触してインクを回収するインク除去部材とが設けられている。インク吐出面に付着しているインクを回収するためにインク除去部材を動作させた後、インク吐出面を払拭するためにワイパ部材を動作させる。その後にインク吐出面に残留しているインクを回収するためにインク除去部材を再度動作させる。
特開2010−179568号公報
しかしながら、特許文献1では、インク除去部材を動作させた後、ワイパ部材を動作させ、再度、インク除去部材を動作させる必要があるため記録ヘッドのインク吐出性能の回復動作時間が長くなるという課題がある。また、連続印刷中に記録ヘッドのインク吐出面に付着するインクを除去するためには、一旦、印刷動作を停止しなければならず、印刷生産性が低下する。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、簡易な構成で、液体吐出面上に付着した液滴を回収できる液体吐出ヘッドを提供するものである。
前記目的を達成するための本発明に係る液体吐出ヘッドの代表的な構成は、負圧により液体を貯留する貯留部と、接続される前記貯留部の液体を吐出面に形成される吐出口から吐出する第1のノズルを複数有する第1のノズル列と、前記第1のノズルの吐出口に対応する開口を前記吐出面に備え、前記貯留部に接続される第2のノズルを複数有する、前記第1のノズル列に並列する第2のノズル列と、を有し、前記第2のノズルの開口の面積は、該開口に形成される前記液体の表面張力が前記貯留部内の負圧よりも大きくなる面積であって、前記第1のノズルの吐出口の開口面積よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成で、液体吐出面上に付着した液滴を回収できる。
本発明に係る液体吐出ヘッドを適用可能なインクジェット記録装置の構成を示す断面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの構成を示す断面説明図である。 (a)は、本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態の構成を示す図2のD−D断面図である。(b)は、(a)のE−E断面図である。(c)は、(a)のG−G断面図である。 第1実施形態の記録ヘッドをインク吐出面側から見た図である。 第1実施形態のインク吐出部の製造方法を説明する斜視説明図である。 第1実施形態の記録ヘッドの液滴吸引口からインク吐出面上に結露した液滴を吸引する引込力と、液滴吸引口に形成されるインクのメニスカスの保持力との関係を示す図である。 (a)は、本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態の構成を示す図2のD−D断面図である。(b)は、(a)のH−H断面図である。(c)は、(a)のI−I断面図である。 第2実施形態のインク吐出部の製造方法を説明する斜視説明図である。 (a),(b)は、比較例の記録ヘッドのインク吐出面に結露した液滴がインク吐出口を閉塞する様子を説明する図2のD−D断面図である。
図により本発明に係る液体吐出ヘッドの一実施形態を具体的に説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図6を用いて本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態の構成について説明する。
<記録装置>
先ず、図1〜図4を用いて、本発明に係る液体吐出ヘッドを適用可能な記録装置10の第1実施形態の構成について説明する。図1は、本発明に係る液体吐出ヘッドを適用可能な記録装置10の構成を示す断面説明図である。図2は、本発明に係る液体吐出ヘッドの構成を示す断面説明図である。本実施形態の液体吐出ヘッドは、インク2を吐出する記録ヘッド22である。
図3(a)は、本実施形態の記録ヘッド22の構成を示す図2のD−D断面図である。図3(b)は、図3(a)のE−E断面図である。図3(c)は、図3(a)のG−G断面図である。図4は、本実施形態の記録ヘッド22をインク吐出面22s側から見た図である。尚、インク2の他に記録画像の品質向上液等の各種の液体を吐出する液体吐出ヘッドにも適用可能である。図1に示す記録装置10は、インクジェットプリンタの一例である。記録装置10は、画像データの供給源となる外部装置であるパーソナルコンピュータ等のホスト装置12に接続されている。
<液体吐出ヘッド>
記録装置10には、ロール状に巻かれたシートからなる記録媒体6に対して、ブラックK、シアンC、マゼンタM、イエローYの各色のインク2を吐出してフルカラー画像を記録する液体吐出ヘッドとなる記録ヘッド22K,22C,22M,22Yが着脱可能に搭載されている。各記録ヘッド22K,22C,22M,22Yは、収容するインク2の色が異なる以外は、略同様に構成される。このため色調を特定しない場合には、各記録ヘッド22K,22C,22M,22Yを単に記録ヘッド22を用いて説明する場合もある。
記録ヘッド22には、図2及び図3に示すように、インク2(液体)を貯留する貯留部となるインク貯留室22aが設けられている。インク貯留室22a(貯留部)は、負圧Pによりインク2(液体)を貯留する。更に、記録ヘッド22には、接続されるインク貯留室22a(貯留部)のインク2(液体)をインク吐出面22s(吐出面)に形成されるインク吐出口201s(吐出口)から吐出する吐出ノズル201(第1のノズル)を複数有する第1のノズル列7が設けられている。
更に、記録ヘッド22には、吐出ノズル201(第1のノズル)のインク吐出口201s(吐出口)に対応する液滴吸引口202s(開口)をインク吐出面22s(吐出面)に備え、インク貯留室22a(貯留部)に接続される液滴吸引ノズル202(第2のノズル)を複数有する、第1のノズル列7に並列する第2のノズル列9が設けられている。
記録装置10に装着された各記録ヘッド22には、図4に示すように、記録媒体6の幅方向(矢印A方向で示す記録媒体6の搬送方向と直交する方向)に所定密度で所定範囲に亘って配列されたインク吐出口201sが設けられている。ここで、記録媒体6の幅方向の所定範囲とは、記録装置10で記録可能な記録媒体6の最大有効記録幅(記録媒体6の被記録面の搬送方向に直交する方向の長さ)よりもやや長い範囲とする。インク吐出口201sは、インク2(液体)を吐出するための吐出口として構成される。
図4に示すように、吐出ノズル201(第1のノズル)のインク吐出口201s(吐出口)は、記録媒体6の幅方向(矢印A方向で示す記録媒体6の搬送方向と直交する方向)に複数配列されている。液滴吸引ノズル202(第2のノズル)の液滴吸引口202s(開口)は、各インク吐出口201s(吐出口)に対応して、図4の矢印A方向で示す記録媒体6の搬送方向上流側に一対で設けられている。
ここで、液滴吸引ノズル202(第2のノズル)の液滴吸引口202s(開口)の面積S2は、該液滴吸引口202s(開口)に形成されるインク2(液体)の表面張力がインク貯留室22a内(貯留部内)の負圧Pよりも大きくなる面積S2であって、吐出ノズル201(第1のノズル)のインク吐出口201s(吐出口)の開口面積S1よりも大きい。
液滴吸引ノズル202の液滴吸引口202sは、記録媒体6の幅方向(矢印A方向で示す記録媒体6の搬送方向と直交する方向)の所定範囲に複数配列されている。ここで、記録媒体6の幅方向の所定範囲とは、記録装置10で記録可能な記録媒体6の最大有効記録幅よりもやや長い範囲とする。
<流路抵抗>
吐出ノズル201(第1のノズル)のインク吐出口201s(吐出口)及び液滴吸引ノズル202(第2のノズル)の液滴吸引口202s(開口)からインク2(液体)を吸引する際に、吐出ノズル201(第1のノズル)のインク吐出口201s(吐出口)の吸引量が液滴吸引ノズル202(第2のノズル)の液滴吸引口202s(開口)の吸引量よりも多くなる調整手段を備えている。その調整手段は、吐出ノズル201(第1のノズル)の流路抵抗よりも流路抵抗が大きい液滴吸引ノズル202(第2のノズル)の流路抵抗により構成される。
本実施形態では、図3(c)に示すように、インク貯留室22a(貯留部)と、吐出ノズル201a,201b(第1のノズル)とを連通するフィルタ部304a1,304a2(第1の連通路)が設けられている。また、図3(b)に示すように、インク貯留室22a(貯留部)と、液滴吸引ノズル202a,202b(第2のノズル)とを連通するフィルタ部304b1,304b2(第2の連通路)が設けられている。
図3(b),(c)に示すように、フィルタ部304a1,304a2(第1の連通路)の開口面積は、フィルタ部304b1,304b2(第2の連通路)の開口面積よりも大きくなるように設定されている。これにより、図3(b)に示すフィルタ部304b1,304b2(第2の連通路)の流路抵抗は、図3(c)に示すフィルタ部304a1,304a2(第1の連通路)の流路抵抗よりも大きくなるように設定されている。
尚、フィルタ部304a1,304a2(第1の連通路)と、フィルタ部304b1,304b2(第2の連通路)との流路抵抗は、開口面積を変える代わりに、各連通路に液体の流れを遮る柱部材等の障害物を形成することもできる。或いは、各連通路に網目の大きさが異なるフィルタ部材を設けることでも良い。
記録装置10に装着される記録ヘッド22の個数は、記録媒体6に記録する色や濃度等の色調の種類に応じて適宜変更可能である。また、記録ヘッド22から吐出する液体の種類としては、インク2の他に記録画像の品質向上液等が含まれていても良い。
記録ヘッド22は、記録装置10の図示しない支持部により支持されるとともに、図示しない昇降ユニットにより、その支持部とともに図1の矢印B方向で示す鉛直方向に昇降可能に構成される。各記録ヘッド22のインク吐出面22sに対応して、図2に示すキャップ50が設けられており、キャップ50は、回復ユニット40に設けられている。回復ユニット40は、図示しないスライドユニットにより図1の矢印A方向及びその逆方向に移動可能に支持されている。
記録ヘッド22の保管状態、或いは、記録待機中等の非記録時には、記録ヘッド22のインク吐出面22sにキャップ50を被せた状態とする。非記録時に記録ヘッド22のインク吐出面22sが大気に曝されていると、図4に示すインク吐出口201s付近のインク2の水分等が蒸発してインク2の増粘・固化が生じたり、塵埃が付着したりして吐出ノズル201からインク2の吐出不良が生じるおそれがある。
また、インク2を吐出する記録ヘッド22は、インク2の吐出状態を安定した状態に維持または回復させるための回復処理を行うことが望ましい。記録ヘッド22のインク吐出面22sに、図2に示すキャップ50を被せたキャッピング状態で、回復ユニット40による回復処理を行う。回復ユニット40による回復処理では、記録ヘッド22のインク吐出面22sにキャップ50を被せたキャッピング状態において、キャップ50に連通するポンプ等によりキャップ50内を負圧状態にする。これにより記録ヘッド22の吐出ノズル201内のインク2をインク吐出口201sからキャップ50内に吸引する。
記録前にキャップ50に向けて記録ヘッド22から予備的な吐出動作を行わせる予備吐出動作を含むことができる。更に、ゴム等の弾性部材からなる図2に示すワイピング部材306により記録ヘッド22のインク吐出面22sを拭き取ることでクリーニングする動作も含むことができる。回復ユニット40は、これらの回復動作を行うための各種部品を有している。
記録ヘッド22のインク吐出面22sにキャップ50を被せたキャッピング状態から記録動作に移行する。その場合は、図示しない支持部に支持された記録ヘッド22を図示しない昇降ユニットにより一旦上昇させる。その後、図示しないスライドユニットにより回復ユニット40を図1の左方向に退避させる。そして、回復ユニット40に設けられた複数のキャップ50間に設けた図示しない開口に各記録ヘッド22が対向するように配置する。
そして、図示しない支持部に支持された記録ヘッド22を図示しない昇降ユニットにより下降させて回復ユニット40に設けられた複数のキャップ50間に設けた図示しない開口から記録ヘッド22を下方に突出させる。そして、記録ヘッド22のインク吐出面22sを記録媒体6と所定の間隙をもって対向する位置に固定する。
<搬送部>
一方、ロール紙からなる記録媒体6は、供給ユニット24により図1の矢印A方向に供給され、記録装置10に設けられた搬送部26により図1の矢印A方向に搬送される。搬送部26には、記録媒体6を載置して搬送する搬送ベルト26aが設けられる。搬送ベルト26aは、搬送モータ26bの駆動プーリ26b1と張架ローラ26c,26dとエンコーダ26eのプーリ26e1とにより張架されている。
尚、記録媒体6としては、ロール状のシート以外にもカットシートやZ状に折り重ねられたファンフォールドシート等であっても良い。供給ユニット24内に収容されたロール状のシートからなる記録媒体6を図1の矢印A方向に供給し、更に、搬送ベルト26aにより図1の矢印A方向に搬送する過程で、各記録ヘッド22により記録媒体6に対してインク2の吐出動作を行うことで画像を記録する。
各記録ヘッド22による記録動作が終了し、非記録時の状態に設定する場合は、図示しない昇降ユニットにより各記録ヘッド22を上昇し、図示しないスライドユニットにより回復ユニット40を図1の右方向に移動させる。そして、各キャップ50を各記録ヘッド22のインク吐出面22sの直下に配置する。その後、図示しない昇降ユニットにより各記録ヘッド22を下降させて記録ヘッド22のインク吐出面22sをキャップ50により覆う。その後、回復ユニット40により前述した各種の回復動作を行う。
図1に示す記録装置10において、記録媒体6に画像を形成する際には、図1の矢印A方向に搬送中の記録媒体6の記録開始位置がブラックKの記録ヘッド22Kのインク吐出口201sの直下に到達する。その後、記録媒体6に記録するブラックKの画像データに基づいて、記録ヘッド22Kのインク吐出口201sからブラックKのインク2を記録媒体6上に選択的に吐出する。同様に、シアンCの記録ヘッド22C、マゼンタMの記録ヘッド22M、イエローYの記録ヘッド22Yの順に、各色の画像データに基づいて、各色のインク2を記録媒体6上に選択的に吐出して記録媒体6上にカラー画像を形成する。
図2に示す各記録ヘッド22のインク2(液体)の貯留部となるインク貯留室22a内に貯留されているインク量がインク吐出による消費により少なくなる。その場合に、それぞれの記録ヘッド22内に各色のインク2を補充するインクタンク28K,28C,28M,28Yが設けられている。各色のインクタンク28K,28C,28M,28Yは、インク貯留室22a内に貯留するインク2の色と容量が異なる以外は、略同様に構成されるため各インクタンク28K,28C,28M,28Yを単にインクタンク28を用いて説明する場合もある。
また、図3(a)に示すように、記録ヘッド22のインク貯留室22aには、吐出ノズル201が接続されており、吐出ノズル201の先端部にインク吐出口201sが設けられている。インク吐出口201sには、記録ヘッド22内部の負圧によりインク2のメニスカス(インク吐出口201sに形成されたインク2の液面)が張った状態となっている。この負圧は、記録ヘッド22のインク貯留室22a内のインク液面2aとインクタンク28内のインク液面2bとの間の水頭差によって付加される。
また、記録装置10には、記録ヘッド22のインク貯留室22a内の圧力をインク吐出口201sに形成されるインク2の表面張力γからなるメニスカスによる保持力と平衡する負圧状態とする図2に示すポンプ等による負圧発生ユニット5等も設けられている。この負圧発生ユニット5を利用して、インクタンク28内に貯留されたインク2を記録ヘッド22のインク貯留室22a内に補充することができる。
図2に示す記録ヘッド22は、記録装置10に装着される。記録ヘッド22は、インク貯留室22a内に所定量のインク2が充填された状態でインク2の流通等が行われる。記録ヘッド22のインク貯留室22a内のインク量が少なくなった場合には、チューブ1を介してインクタンク28に接続されるインク供給口101からインク2が補充される。
このとき、図2に示すポンプ等による負圧発生ユニット5を作動させ、負圧発生ユニット5に接続される連通口104を介して記録ヘッド22のインク貯留室22a内を負圧状態とする。これによりインクタンク28からチューブ1を介してインク貯留室22a内にインク2が補充される。尚、インク供給口101と連通口104のインク貯留室22a内側には、インク貯留室22a内への塵埃等の侵入を防止するフィルタ102,103がそれぞれ設けられている。
<光硬化樹脂を用いた製造方法>
次に、図5を用いて本実施形態の記録ヘッド22のインク吐出口を形成するインク吐出部109の製造方法について説明する。図5は、本実施形態のインク吐出部109の製造方法を説明する斜視説明図である。図5は、図3(a)を時計回りに90°回転させた状態で示している。即ち、図5は、図3(a)の右側を下側、左側を上側として示している。図5に示すインク吐出部109の光硬化樹脂を用いた製造方法としては、壁部109a上にドライフィルム(光硬化樹脂)のラミネートを行った後、吐出ノズル201の形状に合わせてマスクして露光して現像すると、図5に示すような柱部からなる側壁109dが形成される。
更に、側壁109dの上に平板からなるドライフィルムのラミネートを行って露光して現像すると、図5に示す隔壁109bが形成される。その後、更に、隔壁109b上にドライフィルムのラミネートを行った後、液滴吸引ノズル202の形状に合わせてマスクして露光して現像すると、図5に示すような柱部からなる側壁109cが形成される。更に、側壁109cの上に平板状の部材を接合することで、天板となる壁部109eが形成される。
吐出ノズル201の一方の壁部109aには予め一体的にヒータ301が設けられる。ヒータ301は、通電に応じて発熱し、インク2に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換素子を有して構成され、吐出ノズル201の先端面となるインク吐出口201sからインク2を吐出する際に利用されるエネルギを発生する。尚、記録ヘッド22の容器22dと、インク吐出部109とは、図示しない封止剤によりインク2が漏洩しないように接合されている。
図3(c)に示す吐出ノズル201a,201bは、図3(a)に示す記録ヘッド22のインク貯留室22a内に連通されている。各吐出ノズル201a,201bの先端部に設けられたインク吐出口201sから画像データに応じてインク2を吐出することで記録媒体6上に画像を記録する。図4に示す複数のインク吐出口201sに対応して、それぞれ吐出ノズル201が設けられている。
<第2のノズル>
図3(a)及び図4に示すように、インク吐出部109には、第1のノズルとなる各吐出ノズル201に対応して、第2のノズルとなる各液滴吸引ノズル202がそれぞれ設けられている。液滴吸引ノズル202の先端部には、液滴吸引口202sが形成される。
液滴吸引ノズル202は、記録には関与せず、吐出ノズル201と対となって各吐出ノズル201の近傍に配置される。液滴吸引ノズル202は、インク吐出面22sに付着した液滴を吸引してインク貯留室22a内に戻す。吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202は、インク貯留室22a内にそれぞれ独立して接続されている。吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202内には、インク貯留室22a内に貯留されたインク2がそれぞれ導入されてインク2で満たされている。
図3(a)に示すように、液滴吸引ノズル202の内壁面には、吐出ノズル201とは異なり、ヒータ301が設けられていない。或いは、液滴吸引ノズル202の内壁面にヒータ301が設けられていたとしてもヒータ301と電源との間に電気的な接続がされていない。これにより液滴吸引ノズル202は、記録に関与しない。
ここで、インク吐出口201sは、インク貯留室22aに連通された吐出ノズル201からインク2が吐出されるインク吐出面22s上に位置する開口である。液滴吸引口202sは、インク貯留室22aに連通されたダミーノズル流路となる液滴吸引ノズル202からインク吐出面22s上に付着した液滴302を吸引するインク吐出面22s上に位置する開口である。
本実施形態では、図4に示すように、液滴吸引口202sが設けられる液滴吸引ノズル202と、インク吐出口201sが設けられる各吐出ノズル201とが対になるように配置する。これにより図3(a)に示すように、インク吐出面22s上のインク吐出口201sの近傍に付着した液滴302を、液滴吸引口202sから吸引してインク貯留室22a内に戻す。これによりインク吐出面22s上のインク吐出口201sの近傍に付着した液滴302を除去してインク吐出口201sからのインク2の吐出不良を防止することができる。
ここで、液滴302は、結露による水滴だけではなく、インク吐出口201sからインク2が吐出される際の吐出ミストにより発生する液滴302にも適用できる。更に、ワイピング部材306によりインク吐出面22sを拭き取るワイピング動作による残滴といったインク滴にも適用できる。
また、印刷内容によりインク2の吐出を行わない吐出ノズル201においては、インク2を吐出する他のインク吐出口201sから吐出されたインク2がインク2の吐出を行わないインク吐出口201sにかかり、その液滴302を引き込む可能性があった。本実施形態では、各吐出ノズル201の近傍に、それぞれ液滴吸引口202sを設けることで、インク2の吐出を行わない吐出ノズル201から引き込まれる液滴302を低減させることができる。
図9(a)に示すように、インク吐出面22s上に結露した水滴302aがインク2の吐出を行わない吐出ノズル201のインク吐出口201sから吐出ノズル201内に引き込まれる。すると、吐出ノズル201の内壁面に設けられたヒータ301の近傍に直に水滴302aが来てしまう。これによりヒータ301上のインク2と水滴302aとが混ざり、インク2の吐出時にインク2の色が局部的に薄くなる。或いは、インク2の物性が変わってヒータ301から発生するエネルギによりインク2の発泡がなされずに吐出不良となる可能性もあった。
本実施形態では、図3(a)に示すように、インク吐出面22s上に結露した水滴302aがインク2の吐出を行わない吐出ノズル201の近傍に設けられた液滴吸引ノズル202の液滴吸引口202sから液滴吸引ノズル202内に引き込まれる。その後、インク貯留室22a内のインク2と徐々に混ざっていく。このため吐出ノズル201の内壁面に設けられたヒータ301の近傍でインク2と水滴302aとが混ざり、インク2の吐出時にインク2の色が局部的に薄くなることがない。
図9(b)に示すように、インク吐出面22s上に結露した液滴302に紙粉303等を含んでいる場合がある。その場合には、印刷内容によりインク2の吐出を行わない吐出ノズル201のインク吐出口201sから吐出ノズル201内に紙粉303ごと液滴302を引き込む場合がある。これにより紙粉303がインク貯留室22a内に侵入する。すると、紙粉303がインク貯留室22a内に滞留して外部に吐き出せなくなる。
本実施形態では、図3(a)に示すように、吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202のインク貯留室22a側の端部には、それぞれフィルタ部材304a,304bが設けられている。図9(b)に示すように、インク吐出面22s上に結露した液滴302に紙粉303等を含む場合を考慮する。その場合に、インク2の吐出を行わない吐出ノズル201のインク吐出口201sから吐出ノズル201内に紙粉303ごと液滴302を引き込む場合がある。或いは、液滴吸引ノズル202の液滴吸引口202sから液滴吸引ノズル202内に紙粉303ごと液滴302を引き込む場合がある。
そのような場合でも液滴302はフィルタ部材304a,304bを透過してインク貯留室22a内のインク2と徐々に混ざる。そして、紙粉303はフィルタ部材304a,304bにより侵入が阻止される。これにより紙粉303が、吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202内にそれぞれ滞留してインク貯留室22a内に侵入することがない。
吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202内にそれぞれ滞留した紙粉303は、最終的には、回復ユニット40に設けられたキャップ50がインク吐出面22sを覆って吸引する。これにより吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202内にそれぞれ滞留した紙粉303が回収される。
本実施形態では、液滴吸引口202s(開口)に形成されるインク2(液体)の表面張力がインク貯留室22a内(貯留部内)の負圧Pよりも大きいように設定する。その範囲で、図4に示すように、インク吐出口201sの開口面積S1に対して、液滴吸引口202sの開口面積S2が大きくなるように構成する。
吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202とは共通のインク貯留室22a内に接続されている。このためインク貯留室22a内で発生する同じ負圧Pが吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202とに作用する。ここで開口面積S2が大きい側の液滴吸引口202s内に引き込まれるインク吐出面22s上に結露した液滴302の吸引量(体積)を考慮する。更に、開口面積S1が小さい側のインク吐出口201s内に引き込まれるインク吐出面22s上に結露した液滴302の吸引量(体積)を考慮する。
開口面積S2が大きい側の液滴吸引口202s内に引き込まれる液滴302の吸引量(体積)は、開口面積S1が小さい側のインク吐出口201s内に引き込まれる液滴302の吸引量(体積)よりも増える。
これによりインク2の吐出を行わない吐出ノズル201のインク吐出口201sから液滴302を引き込むよりも、液滴吸引口202sから液滴302を引き込む方が支配的となる。これによりインク2の吐出を行わない吐出ノズル201のインク吐出口201sから液滴302を引き込んだ場合の前述した問題を改善することができる。
このとき、液滴吸引口202sの開口面積S2を大きくし過ぎると、液滴吸引口202sに形成されるインク2の表面張力γがインク貯留室22a内の負圧Pよりも弱くなる。これにより液滴吸引口202sのインク2がインク貯留室22a内に引き込まれて液滴吸引ノズル202内に空気が流入し、インク貯留室22a内のインク2がインク供給口101からチューブ1を介してインクタンク28内に逆流して抜けてしまう。1
ここで、図3(a)に示すように、インク貯留室22aの上部空間22c内の負圧Pにより発生する液滴吸引ノズル202内へ液滴302を吸引する引込力F1を考慮する。引込力F1に対して、液滴吸引口202sに形成されるインク2の表面張力γからなるメニスカスの保持力F2が上回っている範囲で、液滴吸引口202sの開口面積S2を設定しなければならない。
<液滴吸引流路内への引込力と液滴吸引口のメニスカスによる保持力>
図6は、本実施形態の記録ヘッド22の液滴吸引ノズル202の液滴吸引口202sからインク吐出面22s上に結露した液滴302を吸引する引込力F1と、液滴吸引口202sに形成されるインク2の表面張力γからなるメニスカスによる保持力F2との関係を示す図である。図6のグラフaは、インク貯留室22aの上部空間22c内の負圧Pにより発生する液滴吸引ノズル202内へ液滴302を吸引する引込力F1を示す。グラフbは、液滴吸引口202sに形成されるインク2の表面張力γからなるメニスカスによる保持力F2を示す。
本実施形態のインク吐出口201sから吐出するインク2により記録媒体6上に記録される画像の解像度は、1200dpi(dot per inch)である。このため液滴吸引口202sの開口面積S2は、0.0014mm〜0.020mmの範囲内で設定する。
ここで、図6に示された、インク貯留室22aの上部空間22c内の負圧Pにより発生する液滴吸引ノズル202内へ液滴302を吸引する引込力F1のグラフaを参照する。更に、液滴吸引口202sに形成されるインク2の表面張力からなるメニスカスによる保持力F2のグラフbを参照する。
図4に示す液滴吸引口202sの形状は、長方形であるが、図6では、液滴吸引口202sの形状を円形と仮定して、引込力F1と保持力F2とを算出した一例である。ここで、インク貯留室22aの上部空間22c内の負圧Pにより発生する液滴吸引ノズル202内へ液滴302を吸引する引込力F1は、液滴吸引口202sの開口面積S2を用いて以下の数1式で表される。
[数1]
F1=S2×P[N]
また、液滴吸引口202sに形成されるインク2の表面張力γ[N/m]からなるメニスカスによる保持力F2を考慮する。保持力F2は、液滴吸引口202sの形状を円形と仮定したときの半径rと、円周率πと、液滴吸引ノズル202の壁部109eの内壁面109e1と表面張力γにより保持されたインク2との接触角θとを用いて以下の数2式で表される。
[数2]
F2={液滴吸引口202sの円周長×垂直方向に働く表面張力γ}
=2πr×γcosθ[N]
図6の縦軸は、前記数1式、数2式で求められた引込力F1[N]と保持力F2[N]とを[mgf]の単位に換算して表したものである。横軸は、液滴吸引口202sの開口面積S2を示す。
また、インク貯留室22aからインク吐出面22sまでの吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202のそれぞれの流路抵抗を考慮したとき、吐出ノズル201の流路抵抗に対して、液滴吸引ノズル202の流路抵抗が大きくなるように構成している。
これにより、回復ユニット40による回復動作として、インク吐出面22sを覆ったキャップ50により吸引したとき、インク吐出口201sからの吸引量を増やすことができる。これにより回復ユニット40による吐出ノズル201の回復性を損なうことなく、液滴吸引ノズル202を配置することができる。インク貯留室22aの上部空間22c内の負圧Pにより液滴吸引口202sから液滴吸引ノズル202内へ液滴302を吸引するときは、吸引する液滴302の流量が少ないため液滴吸引ノズル202の流路抵抗の影響は殆ど無い。
本実施形態によれば、簡易な構成で、インク吐出面22s上に付着した液滴302を回収できる。これにより記録装置10の構成を簡易化し、インク吐出面22s上に付着した液滴302を安定的かつ確実に除去できる。また、インク吐出面22s上のインク吐出口201s近傍の液滴302を液滴吸引口202sから吸引して回収できる。
〔第2実施形態〕
次に、図7及び図8を用いて本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。図7(a)は、本実施形態の記録ヘッド22の構成を示す図2のD−D断面図である。図7(b)は、図7(a)のH−H断面図である。図7(c)は、図7(a)のI−I断面図である。前記第1実施形態では、図3(a)に示すように、吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202とが隔壁109bで分離され、吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202とがそれぞれ独立してインク貯留室22a内に連通されたものである。
本実施形態の記録ヘッド22(液体吐出ヘッド)は、図7(a)に示すように、インク2(液体)を貯留するインク貯留室22a(貯留部)を有する。インク貯留室22a(貯留部)は、負圧Pによりインク2(液体)を貯留する。更に、記録ヘッド22は、接続されるインク貯留室22a(貯留部)のインク2(液体)をインク吐出面22s(吐出面)に形成されるインク吐出口201s(吐出口)から吐出する吐出ノズル201(第1のノズル)を複数有する第1のノズル列7を有する。
更に、記録ヘッド22は、吐出ノズル201(第1のノズル)のインク吐出口201s(吐出口)に対応する液滴吸引口202s(開口)をインク吐出面22s(吐出面)に備え、インク貯留室22a(貯留部)と吐出ノズル201(第1のノズル)のインク吐出口201s(吐出口)との間の流路に連通される液滴吸引ノズル202(第2のノズル)を複数有し、第1のノズル列7に並列する第2のノズル列9を有する。
第2のノズル列9の液滴吸引ノズル202(第2のノズル)の液滴吸引口202s(開口)の面積S2は、該液滴吸引口202s(開口)に形成されるインク2(液体)の表面張力がインク貯留室22a内(貯留部内)の負圧Pよりも大きくなる面積S2であって、第1のノズル列7の吐出ノズル201(第1のノズル)のインク吐出口201s(吐出口)の開口面積S1よりも大きい。
吐出ノズル201(第1のノズル)と液滴吸引ノズル202(第2のノズル)とを連通する連通路305の開口面積S3は、吐出ノズル201(第1のノズル)のインク吐出口201s(吐出口)の開口面積S1よりも小さい。
即ち、本実施形態では、吐出ノズル201のみがインク貯留室22a内に連通され、液滴吸引ノズル202と吐出ノズル201との間に設けられる隔壁109bの一部に連通路305が設けられたものである。連通路305は、液滴吸引口202sとは反対側でインク貯留室22a側に設けられている。
前記第1実施形態では、図4に示すように、インク吐出口201sの開口面積S1よりも液滴吸引口202sの開口面積S2を大きくし、液滴吸引ノズル202と吐出ノズル201とが対をなすように配置した一例である。このとき、隣設される液滴吸引ノズル202同士を分ける側壁109cの幅W1は、隣設される吐出ノズル201同士を分ける側壁109dの幅W2よりも大きい。
このような構成で、図3(a)に示すインク貯留室22aからインク吐出面22sに至る吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202のそれぞれの流路抵抗を考慮する。このとき、吐出ノズル201の流路抵抗に対して、液滴吸引ノズル202の流路抵抗を大きくするのは相反する条件である。
記録装置10が高解像プリンターの場合、図3(a)に示すインク貯留室22aと吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202との間にそれぞれ設けられるフィルタ部材304a,304bをより狭い流路とする必要があり、流路形成に高い精度が求められる。従って、液滴吸引ノズル202と吐出ノズル201との流路抵抗の関係をより安定的に確保することが困難となる可能性があった。
このような場合、図3(a)に示すように、液滴吸引ノズル202を直接、インク貯留室22a内に接続しない構成を考慮する。図7(a)に示すように、吐出ノズル201の流路抵抗を与えているフィルタ部材304aよりもインク吐出口201s側に液滴吸引ノズル202と吐出ノズル201とを連通させる連通路305を設ける。このとき、吐出ノズル201(第1のノズル)と液滴吸引ノズル202(第2のノズル)とを連通する連通路305の開口面積S3は、インク吐出口201sの開口面積S1よりも小さい。
ここで、吐出ノズル201と液滴吸引ノズル202のそれぞれの流路抵抗を考慮する。このとき、連通路305を介して吐出ノズル201にバイパスする液滴吸引ノズル202は、連通路305を屈曲して流れる分と、連通路305の開口面積S3と、インク吐出口201sの開口面積S1との差分とを考慮する。すると、液滴吸引ノズル202の流路抵抗の方が吐出ノズル201の流路抵抗よりも大きくなる。記録ヘッド22(液体吐出ヘッド)の製造上においてもインク吐出口201sを形成するレベルの精度で液滴吸引ノズル202を形成することができ、安定した流路抵抗の構築が可能となる。
図7(a)に示す液滴吸引ノズル202と吐出ノズル201とを隔てる隔壁109bを貫通する連通路305は、液滴吸引口202sから吸引された液滴302に含まれる紙粉303等に対するフィルタ効果を得るために小さめの開口面積S3としても良い。図7(a)に示すように、連通路305を複数個に分けて配置することで高いフィルタ効果を得ることもできる。連通路305の総開口面積がインク吐出口201sの開口面積S1よりも小さければ、連通路305を細かくわけた分だけフィルタ効果を高めることができる。
<光硬化樹脂を用いた製造方法>
次に、図8を用いて本実施形態のインク吐出部109の製造方法について説明する。図8は、本実施形態のインク吐出部109の製造方法を説明する斜視説明図である。図8は、図7(a)を時計回りに90°回転させた状態を示す。即ち、図8は、図7(a)の右側を下側、左側を上側として示す。図8に示すインク吐出部109の光硬化樹脂を用いた製造方法としては、ヒータ301は、予めヒータボードとなる壁部109aに一体的に設けられている。壁部109a上にドライフィルム(光硬化樹脂)のラミネートを行った後、吐出ノズル201の形状に合わせてマスクして露光して現像すると、図8に示すような柱部からなる側壁109dが形成される。
更に、側壁109dの上に平板からなるドライフィルムのラミネートを行って連通路305の形状に合わせてマスクして露光して現像すると、連通路305が貫通した隔壁109bが形成される。その後、更に、隔壁109b上にドライフィルムのラミネートを行った後、液滴吸引ノズル202の形状に合わせてマスクして露光して現像すると、図8に示すような柱部からなる側壁109cが形成される。更に、側壁109cの上に平板からなるドライフィルムのラミネートを行って露光して現像すると、天板となる壁部109eが形成される。
本実施形態では、予めヒータ301を一体的に設けたヒータボードとなる壁部109a上に吐出ノズル201を形成する側壁109dをパターニングした後、犠牲層(後工程で除去することを前提に形成した層)を作成する。その後、隔壁109bをパターニングし、更に、液滴吸引ノズル202を形成する側壁109cをパターニングした後、天板としての壁部109eを接合するといった製造方法で作成することができる。
ここで、犠牲層は、ドライフィルムをラミネートし、全面露光することで容易に作成できる。このとき図8に示すように、液滴吸引ノズル202と吐出ノズル201との間に設けられる隔壁109bの一部に連通路305を設ける場合には、隔壁109bの連通路305の部位にだけマスクして露光して現像すれば形成できる。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
<他の実施形態>
前記各実施形態では、記録装置10の記録ヘッド22に本発明を適用した場合について説明した。他に、インク以外の記録画像の品質向上液等の液体を吐出する液体吐出ヘッドにも広く適用できる。また、前記各実施形態では、記録ヘッド22のインク吐出面22sが、記録媒体6の搬送方向と直交する幅方向の全域に亘って設けられるラインヘッド型の記録ヘッド22の一例について説明した。
この場合、固定位置の記録ヘッド22に対して記録媒体6が図1の矢印A方向に搬送され、記録ヘッド22から画像情報に応じて記録媒体6に対してインク2が吐出されることで、画像が記録される。他に、記録媒体6の搬送方向と直交する幅方向に記録ヘッド22を移動させて記録媒体6に対してインク2を吐出することで画像を記録するシリアル型の記録ヘッド22にも適用できる。
また、前記各実施形態では、記録ヘッド22からインク2を吐出するために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する素子からなるヒータ301を吐出ノズル201の壁部109aの内壁面に設けた記録ヘッド22について説明した。他に、その他の素子、例えば、電圧の印加に応じて変形したり、変位することで、インクを吐出するピエゾ素子を有する記録ヘッドにも適用可能である。
2…インク(液体)
22a…インク貯留室(貯留部)
201,201a,201b…吐出ノズル(第1のノズル)
201s…インク吐出口(吐出口)
202,202a,202b…液滴吸引ノズル(第2のノズル)
202s…液滴吸引口(開口)

Claims (6)

  1. 負圧により液体を貯留する貯留部と、
    接続される前記貯留部の液体を吐出面に形成される吐出口から吐出する第1のノズルを複数有する第1のノズル列と、
    前記第1のノズルの吐出口に対応する開口を前記吐出面に備え、前記貯留部に接続される第2のノズルを複数有する、前記第1のノズル列に並列する第2のノズル列と、
    を有し、
    前記第2のノズルの開口の面積は、該開口に形成される前記液体の表面張力が前記貯留部内の負圧よりも大きくなる面積であって、前記第1のノズルの吐出口の開口面積よりも大きいことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記第1のノズルの吐出口及び前記第2のノズルの開口から液体を吸引する際に、前記第1のノズルの吐出口の吸引量が前記第2のノズルの開口の吸引量より多くなる調整手段を備え、
    前記調整手段は、前記第1のノズルの流路抵抗より流路抵抗が大きい前記第2のノズルの流路抵抗であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記貯留部と前記第1のノズルとを連通する第1の連通路と、
    前記貯留部と前記第2のノズルとを連通する第2の連通路と、
    を有し、
    前記第2の連通路の流路抵抗は、前記第1の連通路の流路抵抗よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 負圧により液体を貯留する貯留部と、
    接続される前記貯留部の液体を吐出面に形成される吐出口から吐出する第1のノズルを複数有する第1のノズル列と、
    前記第1のノズルの吐出口に対応する開口を前記吐出面に備え、前記貯留部と前記第1のノズルの前記吐出口の間の流路に連通される第2のノズルを複数有し、前記第1のノズル列に並列する第2のノズル列と、
    を有し、
    前記第2のノズルの開口の面積は、該開口に形成される前記液体の表面張力が前記貯留部内の負圧よりも大きくなる面積であって、前記第1のノズルの吐出口の開口面積よりも大きいことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 前記第1のノズルと前記第2のノズルとを連通する連通路の開口面積は、前記吐出口の開口面積よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記液体吐出ヘッドは、インクを吐出する記録ヘッドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
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