以下、本発明に係る歩行支援装置を具体化した第1実施形態及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施形態について図1乃至図17に基づいて説明する。尚、図中にX軸、Y軸、Z軸が記載されている場合、各軸は互いに直交している。そして図1では、Z軸方向は、前輪60FRから後輪60RRへの方向を示し、X軸方向は、フレーム50における左から右へ向かう方向を示している。また、フレーム50において、X軸方向を“右”、X軸方向に対して反対方向を“左”とし、Z軸方向の反対方向を“前”、Z軸方向を“後”とする。また、Y軸方向を“上”、Y軸方向の反対方向を“下”とする。
また、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの軸回りにおける角速度は、X軸方向から見た回転に対する角速度をピッチ角速度とし、Y軸方向から見た回転に対する角速度をヨー角速度とし、Z軸方向から見た回転に対する角速度をロール角速度とする。なお、それぞれの角速度における大きさは、X軸、Y軸、Z軸におけるそれぞれの方向から見て時計回りの回転に対する角速度の大きさを“正”とし、X軸、Y軸、Z軸におけるそれぞれの方向から見て反時計回りの回転に対する角速度の大きさを“負”とする。
●[第1実施形態の概略全体構成(図1)]
図1を用いて本発明を実施するための第1実施形態に係る歩行支援装置10の概略構成を説明する。図1は第1実施形態に係る歩行支援装置10を説明する図である。歩行支援装置10は、レール30R、30L(アーム部、持ち手案内手段に相当)と、駆動制御手段40と、フレーム50と、前輪60FR、60FLと、後輪60RR、60RLと、駆動手段64R、64L(例えば電動モータ)と、コントロールパネル70と、バッテリーBと、回生電力回収手段65と、を有している。
図1に示すように、フレーム50は、左右方向に対して対称の形状をしており、フレーム50の右側にはレール30R、左側にはレール30Lがフレーム50の前後方向に沿って延びるようにそれぞれ設けられている。使用者はフレーム50の開放されている側からレール30Rとレール30Lとの間に入り、歩行支援装置10を操作する。前輪60FR、60FLは、フレーム50における前方下端に設けられた従動輪(旋回自在なキャスタ輪)である。
また、フレーム50には、外気温を検出する外気温センサー54と、X軸Y軸Z軸のそれぞれの軸方向における歩行支援装置10の傾きを検出する3軸加速度・角速度センサー52が設けられている。後輪60RR、60RLは、フレーム50における後方下端に設けられた駆動輪であり、ベルト62を介して駆動手段64R、64Lでそれぞれ駆動される。図1に示す例では、駆動輪である後輪は左右一対であって、それぞれ独立に駆動手段により駆動される例を示している。この後輪60RR、60RLにより、歩行支援装置10を前進、後進、右旋回、左旋回させることができる。
レール30Rは、使用者が把持可能な可動持ち手20R(把持部に相当)と、固定持ち手20FR(把持部に相当)と、を有している。レール30Lは、使用者が把持可能な可動持ち手20L(把持部に相当)と、固定持ち手20FL(把持部に相当)と、を有している。可動持ち手20Rは、レール30Rに設けられてレール30Rに沿って使用者の歩行の腕の振りに合わせて前後方向に移動可能とされている。また、可動持ち手20Lは、レール30Lに設けられてレール30Lに沿って使用者の歩行の腕の振りに合わせて前後方向に移動可能とされている。
フレーム50におけるレール30R、30Lのそれぞれには、固定持ち手20FR、20FLがそれぞれ設けられている。なお、レール30R、30Lは、上方向に凹状に湾曲した形状に限定されず、直線形状としても良い。
図1に示すように、コントロールパネル70は、例えばフレーム50の上部であって使用者による操作が容易な位置に設けられている。コントロールパネル70は、メインスイッチ72と、アシスト量調整ボリューム74aと、負荷量調整ボリューム74bと、モード手動切替手段76aと、モード自動切替手段スイッチ76bと、モニター78(表示手段に相当)と、を有している。
歩行支援装置10は、動作モードとして、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作に対して負荷を付与するトレーニングモードと、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作の負荷を軽減するアシストモードと、を有する。動作モード切替手段76は、モード手動切替手段76aと、モード自動切替手段スイッチ76bと、モード自動切替手段76ATと、を有している(図7参照)。モード手動切替手段76aは、使用者の手動操作によって、歩行支援装置10における動作モードを切り替える。モード手動切替手段76aは、「アシストモード」と、「トレーニングモード1」と、「トレーニングモード2」と、「トレーニングモード3、4」の4つの動作モードの状態を選択できる(図9参照)。
モード自動切替手段スイッチ76bは、駆動制御手段40が、自動的に動作モードを切り替えることを許可するスイッチである。モード自動切替手段スイッチ76bがオンの場合、駆動制御手段40におけるモード自動切替手段76ATは、モード手動切替手段76aで選択された情報と図16及び図17の条件を基に、動作モードを自動的に切り替える。
アシスト量調整ボリューム74aはアシストモードにおけるアシスト力の大きさ(アシスト量)を、負荷量調整ボリューム74bはトレーニングモードにおける負荷の大きさ(負荷量)を、それぞれ調整するボリュームである。
モニター78は、動作モード情報を表示するモニターで、動作モード情報を表示する他、例えばバッテリーBの充電量、歩行履歴、使用者の身体状態の情報、使用者の身体情報履歴、周囲の雰囲気状態、負荷量・アシスト量、歩行支援装置10における動作履歴、車体の状態等を表示する。
●[歩行支援装置10の詳細な構造(図2〜図6)]
図2〜図6を用いて、歩行支援装置10の構造について詳細に説明する。なお、歩行支援装置10は、コントロールパネル70と駆動制御手段40とバッテリーBと回生電力回収手段65を除き、フレーム50における左右において対称な構造であるため、左側の説明を省略して主に右側の構造について説明する。図2は、可動持ち手20R、固定持ち手20FR及びレール30Rの構成及び機能を説明する斜視図である。また、図3は、図2におけるIII−III方向から見た可動持ち手20Rの断面図である。図4は、図2におけるIV−IV方向から見た可動持ち手20Rの断面図である。図5は、図2における固定持ち手20FRを拡大した斜視図である。図6は、図5におけるVI−VI方向から見た固定持ち手20FRの断面図である。
図2に示すように、レール30Rは、可動持ち手20Rと、プーリーPB、PFと、ワイヤーWと、を有している。レール30Rは、上方向に凹状に湾曲した形状を有し、前後方向に沿って上方向に開口する可動持ち手20Rの可動範囲であるレールスリット部38を有している。また、レール30Rは、前後方向における両端に、プーリーPB、PFがそれぞれ設けられている。ワイヤーWは、前方に配置されたプーリーPFと後方に配置されたプーリーPBに掛けられ、それぞれの回転を連動させる。また、モータ32Rと右持ち手位置検出手段34R(例えばエンコーダ)と持ち手移動制限手段35Rは、プーリーPFに対して同軸に設けられている。図4に示すように、アンカー部22Bのワイヤー接続部WAにはワイヤーWが固定され、ワイヤー孔WHにはワイヤーWが固定されることなく挿通されている。そしてアンカー部22Bには可動持ち手20Rが接続されている。これにより、モータ32Rは、プーリーPFを回転させてワイヤーWをプーリー間で回転させることで、可動持ち手20Rの移動をアシスト又は、可動持ち手20Rの移動に負荷を掛けることができる。右持ち手位置検出手段34Rは、レール30Rにおける可動持ち手20Rの移動に伴うプーリーPFの回転量を駆動制御手段40へ出力する。
図3に示すように、可動持ち手20Rは、持ち手軸部21aと、軸部嵌入孔21bと、スライダ22と、グリップ部26aと、スイッチグリップ部26bと、ブレーキレバーBKLと、を有している。また、スライダ22は、持ち手保持部22Aとアンカー部22Bからなる。
図3に示すように、付勢手段24の一方端が持ち手軸部21aに接続され、他方端が軸部嵌入孔21bの底部に接続されている。持ち手軸部21aの付勢手段24が接続されている端部には円周方向に鍔部21cが設けられている。また、軸部嵌入孔21bにおける開口の内側壁面には、内鍔部20cが設けられている。これにより、グリップ部26aは、持ち手軸部21aと分離することなく、持ち手軸部21aの長手方向に沿って上下にスライド可能である。すなわち、可動持ち手20Rは、突出方向への伸縮を可能とする伸縮機構を有している。
持ち手軸部21aの付勢手段24が接続されていない側には、持ち手支持軸JKが設けられている。持ち手支持軸JKは、軸の先端が略球状に形成されており、持ち手保持部22Aに設けられた凹部とボールジョイントを形成する。これにより、可動持ち手20Rは、持ち手保持部22Aに対して開口で規制される範囲内で前後左右に傾けることができる(図3、図4参照)。この傾き量を検出する右持ち手傾き検出手段33Rが、持ち手保持部22Aの開口において設けられ前後左右から持ち手支持軸JKに対して配置されている。右持ち手傾き検出手段33Rは、例えば持ち手支持軸JK側面と持ち手保持部22Aの開口との間にバネを設け、そのバネの伸縮伸長による圧力を検出する圧力センサーでもよい。
図3に示すように、スイッチグリップ部26bは、グリップ付勢手段28(例えばバネ)により、グリップ部26aとスイッチグリップ部26bとの間に所定の隙間を生じるように設けられている。把持検出手段25Rは、使用者が可動持ち手20Rを把持するとスイッチグリップ部26bがグリップ部26a側へ移動し圧力が掛けられてオンして、圧力が掛からなくなるとオフする。把持検出手段25Rは、例えば圧力スイッチかプッシュスイッチで良い。
図3に示すように、グリップ部26aの一部には心拍数体温センサー27aが設けられている。心拍数体温センサー27aは、使用者が可動持ち手20R(20L)を把持した場合、使用者の心拍数と体温を所定周期で計測する。使用者の心拍数は、例えば、赤外線を用いて手における把持している部分の血流を測定して計測しても良い。また、使用者の体温は、例えば、温度変化に応じて変わるサーミスタにおける抵抗の変化や、使用者が把持している部分が発する赤外線の変化を測定して計測しても良い。
ブレーキレバーBKLは、一方端がグリップ部26aにおける前側下方に接続されている。使用者が、ブレーキレバーBKLを把持してグリップ部26a側に引くと、前輪60FR、60FL、後輪60RR、60RLの回転をロックし、そのロック状態が維持され、さらに引くとロックを解除する機構を有する(図示省略)。
図2に示すように、レール30Rには、フレーム50に対する可動持ち手20Rの移動の許可と禁止を行う持ち手移動制限手段35Rが設けられている。例えば持ち手移動制限手段35Rは、モータ32Rの回転をロックするロック機構を有し、モータ32Rの回転をロックすることで持ち手の移動を禁止し、モータ32Rの回転のロックを解除することで、レールに対する(すなわち、フレームに対する)持ち手の移動を許可する。
図2と図4に示すように、アンカー部22Bに設けられたワイヤー孔WHにはワイヤーWの一方が挿通されており、ワイヤーWの他方がワイヤー接続部WAに接続されている(固定されている)。また、可動持ち手20Rは、持ち手保持部22Aとアンカー部22Bを接続するくびれた部分がレールスリット部38を摺動して、レール30R上を移動できる。
信号ケーブル36は、一方がアンカー部22Bに接続されて、他方が駆動制御手段40に接続されており、把持検出手段25Rと右持ち手傾き検出手段33Rからの検出信号を駆動制御手段40へ伝達する。信号ケーブル36は、例えば、フレキシブルケーブル等の柔軟性を有するケーブルであれば良い。駆動制御手段40は、右持ち手位置検出手段34Rからの検出信号に基づいて、レール30R上における可動持ち手20Rの位置を検出することができる。駆動制御手段40は、右持ち手傾き検出手段33Rからの検出信号に基づいて、可動持ち手20Rが前後左右のどの方向にどれだけ傾いているか、を検出することができる。駆動制御手段40は、把持検出手段25Rからの検出信号に基づいて、可動持ち手20Rが使用者に把持されているか否か、を検出することができる。
図5に示すように、固定持ち手20FR(20FL)は、グリップ部26Faとスイッチグリップ部26Fbを有している。心拍数体温センサー27bは、使用者が可動持ち手20Rを把持した場合、所定周期で使用者の心拍数と体温を計測する。心拍数体温センサー27bにおける使用者の心拍数と体温の計測は、心拍数体温センサー27aと同一であるため説明は省略する。
図6に示すように、スイッチグリップ部26Fbは、グリップ付勢手段28(例えばバネ)により、グリップ部26Faとスイッチグリップ部26Fbとの間に所定の隙間を生じるように設けられている。把持検出手段25FRは、使用者が固定持ち手20FRを把持するとスイッチグリップ部26Fbがグリップ部26Fa側へ移動し圧力が掛けられてオンして、圧力に比例した検出信号を出力し、圧力が掛からなくなるとオフする。把持検出手段25FRは、例えば感圧センサー等加えられた圧力に比例した検出信号を出力するものであれば良い。
●[歩行支援装置10の機能及び各動作モードにおける処理(図7〜図17)]
図7〜図17を用いて、歩行支援装置10の機能及び各動作モードにおける処理について詳細に説明する。
●[歩行支援装置10の駆動制御手段40の入出力(図7)]
図7は、歩行支援装置10(図1参照)における駆動制御手段40(例えばCPUを備えた制御装置)の入出力を説明するブロック図である。図7に示すように、駆動制御手段40は、状態検出手段80からの入力情報と、記憶手段44に記憶された情報、コントロールパネル70からの入力情報に基づいて、モータ32R、32Lと、持ち手移動制限手段35R、35Lと、駆動手段64R、64Lを制御する。
駆動制御手段40は、歩行支援装置10を進行させる目標となる目標進行速度(VR、VL)になるように駆動手段64R、64Lを制御して、駆動輪である後輪60RR、60RLを駆動する。なお、目標進行速度VRは、使用者の動作に基づいて歩行支援装置10における後輪60RRを進行させる目標進行速度であり、目標進行速度VLは、使用者の動作に基づいて歩行支援装置10における後輪60RLを進行させる目標進行速度である(図1参照)。
●[状態検出手段80の構成及び機能]
図7で示すように、状態検出手段80は、把持部状態検出手段81と、身体状態検出手段82と、車体状態検出手段83と、雰囲気状態検出手段84と、から構成されている。
把持部状態検出手段81は、可動持ち手作用力検出手段81aと、可動持ち手移動量検出手段81bと、固定持ち手作用力検出手段81cと、で構成されている。
可動持ち手作用力検出手段81aは、把持検出手段25R、25Lと、右持ち手傾き検出手段33Rと、左持ち手傾き検出手段33Lと、を有している。可動持ち手作用力検出手段81aは、使用者の可動持ち手20R、20L(図1参照)の把持の有無と、使用者が把持している可動持ち手20R、20Lを前方に押す力及び後方に引く力である可動持ち手作用力と、を検出し、検出した状態に応じた信号を、駆動制御手段40に出力する。
可動持ち手移動量検出手段81bは、右持ち手位置検出手段34Rと、左持ち手位置検出手段34Lと、を有している。可動持ち手移動量検出手段81bは、使用者が可動持ち手20R、20Lを把持して腕を振って歩行する際のレール30R、30L(図1参照)に対する可動持ち手20R、20Lの所定時間における移動量を検出し、検出した量に応じた信号を、駆動制御手段40に出力する。
可動持ち手移動量検出手段81bは、使用者が可動持ち手20R、20Lを把持して腕を振って歩行する際のレール30R、30Lに対する可動持ち手20R、20Lが前後方向に移動する幅である移動幅DR、DL(腕の振り幅に相当)と、を検出し、検出した状態に応じた信号を、駆動制御手段40に出力する。
固定持ち手作用力検出手段81cは、把持検出手段25FR、25FLを有している。固定持ち手作用力検出手段81cは、使用者の固定持ち手20FR、20FLの把持の有無と、使用者が把持している固定持ち手20FR(20FL)(図1参照)を前方に押す力及び後方に引く力である固定持ち手作用力と、を検出し、検出した状態に応じた信号を、駆動制御手段40に出力する。
身体状態検出手段82は、使用者の身体状態を検出する手段であり、心拍数体温センサー27a、27bと、身体情報履歴82aと、を有している。身体状態検出手段82は、使用者の身体状態、例えば、使用者の心拍数、体温を心拍数体温センサー27a、27bにより検出し、検出した状態に応じた信号を駆動制御手段40に出力する。
身体状態検出手段82は、身体情報履歴82aにおいて使用者の身体情報の履歴(例えば、心拍数、体温、歩数)を記憶する。なお、歩数は、例えば使用者が前後方向に往復1回腕振りした場合の歩数を2歩として、可動持ち手移動量検出手段81bからの情報に基づき算出する。
車体状態検出手段83は、歩行支援装置10の動作履歴を含む歩行支援装置10の状態を検出する手段であり、進行速度取得手段56Rと、進行速度取得手段56Lと、3軸加速度・角速度センサー52と、動作履歴情報58と、を有している。
進行速度取得手段56Rと進行速度取得手段56Lは、駆動手段64R、64Lにそれぞれ接続されて、後輪60RR、60RL(図1参照)のそれぞれにおける前方又は後方へ進行する進行速度(VdR、VdL)に相当する検出信号を、駆動制御手段40に出力する。
3軸加速度・角速度センサー52は、X軸Y軸Z軸の3方向の軸のそれぞれに対して加速度を計測するとともに、3方向のそれぞれの軸を中心とした回転における角速度を計測する。3軸加速度・角速度センサー52は、例えば、歩行支援装置10が傾斜面を進行している場合、傾斜面に対する車両におけるX軸Y軸Z軸のそれぞれの傾きに応じた検出信号を駆動制御手段40に出力する。また、3軸加速度・角速度センサー52は、歩行支援装置10の車体に加えられた加速度の変化(車体への衝撃)も検出し、検出した加速度の変化に応じた信号を駆動制御手段40に出力する。また、3軸加速度・角速度センサー52は、歩行支援装置10の車体のピッチ角速度、ヨー角速度、ロール角速度も検出し、検出した角速度に応じた信号を駆動制御手段40に出力する。
車体状態検出手段83は、動作履歴情報58において歩行支援装置10の動作履歴(例えば、歩行距離、歩行時間)を記憶し、歩行支援装置10の状態(例えば、歩行支援装置の進行速度、車体の傾き、進行速度)を検出する。
雰囲気状態検出手段84は、使用者の周囲の雰囲気状態(例えば、外気温)を検出する手段であり、外気温センサー54を有している。雰囲気状態検出手段84は、外気温を外気温センサー54により検出し、検出した状態に応じた信号を駆動制御手段40に出力する。
●[前方評価速度VRhf、VLhfと後方評価速度VRhb、VLhbの算出]
駆動制御手段40は、可動持ち手20R、20L(図1、図2参照)の移動量に基づいて、フレーム50に対する可動持ち手20R、20Lの前方向への移動速度である前方評価速度(VRhf、VLhf)と、フレーム50に対する可動持ち手20R、20Lの後方向への移動速度である後方評価速度(VRhb、VLhb)と、を算出する。なお、フレーム50に対する可動持ち手20R、20Lの移動速度の大きさは、前方向の移動の場合を“正”とし、後方の場合を“負”とする。
前方評価速度(VRhf、VLhf)又は後方評価速度(VRhb、VLhb)は、例えば、使用者が前方又は後方へ腕を振る場合の可動持ち手(20R、20L)の移動速度から算出する。具体的には、以下の手順に従って導出する。なお、左右の可動持ち手で処理が同じであるため、右の可動持ち手20Rにおける前方評価速度(VRhf)と後方評価速度(VRhb)についてのみ説明する。
右の可動持ち手20Rの前方評価速度(VRhf)の導出:駆動制御手段40は、所定間隔で計測された可動持ち手20Rの移動量に基づいて、可動持ち手20Rの移動速度を求める。駆動制御手段40は、求めた可動持ち手20Rの移動速度の内、可動持ち手20Rが前方へ移動する前方移動速度(移動速度の大きさが“正”)のみを積算(積分処理)する。駆動制御手段40は、積算した可動持ち手20Rの前方移動速度を所定時間で割ることで(平均処理)、前方評価速度(VRhf)を導出する。
右の可動持ち手20Rの後方評価速度(VRhb)の導出:駆動制御手段40は、所定間隔で計測された可動持ち手20Rの移動量に基づいて、可動持ち手20Rの移動速度を求める。駆動制御手段40は、求めた可動持ち手20Rの移動速度の内、可動持ち手20Rが後方へ移動する後方移動速度(移動速度の大きさが“負”)のみを積算(積分処理)する。駆動制御手段40は、積算した可動持ち手20Rの前方移動速度を所定時間で割ることで(平均処理)、後方評価速度(VRhb)を導出する。
●[負荷量・アシスト量変更手段74による負荷量とアシスト力の大きさの変更]
負荷量・アシスト量変更手段74は、アシスト量調整ボリューム74aと、負荷量調整ボリューム74bと、を有している。アシスト量調整ボリューム74aは、アシストモードにおけるアシスト力の大きさ(アシスト量)を調整する調整量(アシスト調整量)に応じた検出信号を、駆動制御手段40に出力する。負荷量調整ボリューム74bは、トレーニングモードにおける負荷の大きさ(負荷量)を調整する調整量(負荷調整量)に応じた検出信号を、駆動制御手段40に出力する。負荷量・アシスト量変更手段74は、アシストモードの場合では、状態検出手段80からの情報とアシスト調整量に基づいてアシスト量を変更する。負荷量・アシスト量変更手段74は、トレーニングモードの場合では、状態検出手段80からの情報と負荷調整量に基づいて負荷量を変更する。
●[負荷量・アシスト量変更手段74における学習手段74cの機能]
負荷量・アシスト量変更手段74は、学習手段74cを有しており、雰囲気状態検出手段84を用いて検出した使用者の周囲の雰囲気状態、車体状態検出手段83を用いて検出した歩行支援装置10の動作履歴、身体状態検出手段82を用いて検出した使用者の身体状態に基づいて、トレーニングモードの場合では負荷量を調整し、アシストモードの場合ではアシスト量を調整する。学習手段74cにおける学習手段は、例えば、記憶手段44に記憶されている使用者の過去の使用履歴(歩行時間、歩行距離、負荷量、アシスト量)や使用者の過去の身体情報履歴(心拍数、体温、歩数)に基づいて適切な負荷量や適切なアシスト量を決定する。これにより、過度に負荷を使用者に付与することもなく、過度に使用者をアシストすることがないため、より適切に使用者の体力の減衰を抑制(体力維持)することができる。
●[記憶手段44における機能]
記憶手段44は、情報を記憶する手段であり、駆動制御手段40の求めに応じて情報の記憶と読み出しを行う。記憶手段44は、状態検出手段80において取得された情報、駆動制御手段40における演算結果、歩行支援装置10の動作履歴、使用者の歩行における過去のアシストモードにおけるアシスト量、トレーニングモードにおける負荷量等の情報を記憶する。
●[コントロールパネル70における機能]
コントロールパネル70は、使用者が歩行支援装置10を操作するのに必要なスイッチ類とモニター78を提供する。使用者は、メインスイッチ72をONの状態にすることで、歩行支援装置10を進行可能な状態にする。使用者は、アシスト量調整ボリューム74aと負荷量調整ボリューム74bにより、トレーニングモードにおける負荷量とアシストモードにおけるアシスト量を調整できる。また、使用者は、モード手動切替手段76aを切り替えることで、所望する動作モード(「アシストモード」、「トレーニングモード1」、「トレーニングモード2」、「トレーニングモード3、4」)を選択できる。モード自動切替手段スイッチ76bがオンされた場合、駆動制御手段40は、使用者が選択した動作モードと所定の動作モードの間で自動的に動作モードを切り替える。
●[駆動制御手段40における各動作モードにおける処理手順(図8〜図17)]
図8〜図17を用いて、駆動制御手段40(図7参照)における歩行支援装置10(図1参照)の動作モードの判定と、判定した動作モードに基づく処理について詳細に説明する。
●[各動作モードの概略と動作モードへ移行する条件(図8〜図10)]
図8は各検出手段の出力に基づいて決められる歩行支援装置10の動作モードを説明する状態遷移図である。図9は、図8における判定モードJDMから各動作モードへ移行する条件と判定モードJDMへ戻る条件を示した図である。図10は、歩行支援装置10の駆動制御手段40の全体処理の手順を説明するフローチャートである。
●[電源ON/OFFにおける動作と動作モードの判定の概略]
図8は各検出手段の出力に基づいて決められる歩行支援装置10の動作モードを説明する図である。図8に示すように、歩行支援装置10は、判定モードJDMと、アシストモード1(AM1)と、アシストモード2(AM2)と、トレーニングモード1(TR1)と、トレーニングモード2(TR2)と、トレーニングモード3(TR3)と、トレーニングモード4(TR4)と、から構成される動作モードを有している。
駆動制御手段40は、メインスイッチ72(図7参照)がオン(電源ON)の状態にされると、記憶手段44に記憶されている動作履歴を読出し動作履歴情報58に書き込む。その後、駆動制御手段40は、歩行支援装置10を判定モードJDMに移行させる。判定モードJDMに移行後、駆動制御手段40は、状態検出手段80により各状態を取得して、歩行支援装置10を取得した各状態に基づく動作モードに移行する。駆動制御手段40は、メインスイッチ72がオフ(電源OFF)の状態にされると、動作履歴情報58における動作履歴に関する情報(例えば、歩行距離、歩行時間)を記憶手段44に記憶して動作を終了する。
●[固定持ち手把持モードと可動持ち手把持モードの概略の説明]
図8に示すように、動作モードは、固定持ち手把持モードFXHMと、可動持ち手把持モードFRHMから構成されている。固定持ち手把持モードFXHMは、使用者が固定持ち手20FR、20FL(図1参照)を把持して、歩行支援装置10を進行させて歩行する場合である。可動持ち手把持モードFRHMは、使用者が可動持ち手20R、20L(図1参照)を把持して、歩行支援装置10を進行させて歩行する場合である。
固定持ち手把持モードFXHMは、使用が固定持ち手20FR、20FLを把持しているため、腕を振らない腕振り無し歩行モードNHM1である。可動持ち手把持モードFRHMは、可動持ち手20R、20Lを把持しているが腕を振らない腕振り無し歩行モードNHM2と、腕を振る腕振り有り歩行モードYHMと、から構成されている。
可動持ち手把持モードFRHMにおける腕振り無し歩行モードNHM2は、使用者は可動持ち手20R、20Lを把持しているが、レール30R、30L(図1参照)の所定の位置に固定されており、固定持ち手把持モードFXHM(腕振り無し歩行モードNHM1)に相当する。腕振り有り歩行モードYHMは、使用者は可動持ち手20R、20Lを把持して、レール30R、30Lの前後方向に沿って移動させて歩行支援装置10を進行させて歩行する場合である。
固定持ち手把持モードFXHMは、アシストモード1(AM1)と、トレーニングモード4(TR4)と、から構成されている。可動持ち手把持モードFRHMにおける腕振り無し歩行モードNHM2は、アシストモード2(AM2)と、トレーニングモード3(TR3)と、から構成されている。可動持ち手把持モードFRHMにおける腕振り有り歩行モードYHMは、トレーニングモード1(TR1)と、トレーニングモード2(TR2)と、から構成されている。
●[トレーニングモードとアシストモードにおける機能の説明(図8)]
アシストモード1(AM1)とアシストモード2(AM2)は、歩行支援装置10の使用者の身体の動作の負荷を軽減することができる。具体的には、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)が無負荷状態の動作(歩行)となるアシスト力よりも所定量大きいアシスト力で、歩行支援装置10を進行させることができる。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)の負荷を軽減することができる。
トレーニングモード1(TR1)は、回生電力回収手段65を動作させながら歩行支援装置10を進行させる。回生電力回収手段65は、後輪60RR、60RLに接続されており(図1参照)、回転エネルギーを電力に変換し回収する(図1、図7参照)。また、トレーニングモード1(TR1)は、可動持ち手20R、20Lの前後方向の移動に対してモータ32R、32Lにより負荷を付与して、歩行支援装置10を進行させることができる。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行、腕振り)に対して負荷を付与することができる。
トレーニングモード2(TR2)は、可動持ち手20R、20Lに対して無負荷であり、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)が無負荷状態の動作となるアシスト力で歩行支援装置10を進行させることができる。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)の負荷を軽減することができる。
トレーニングモード3(TR3)は、回生電力回収手段65を動作させながら歩行支援装置10を進行させる。従って、使用者は、アシストモード2(AM2)と比較して、歩行支援装置10を進行させるために、より強い力で歩行支援装置10を押したり又は引いたりする必要がある。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)に対して負荷を付与することができる。
トレーニングモード4(TR4)は、回生電力回収手段65を動作させながら歩行支援装置10を進行させる。従って、使用者は、アシストモード1(AM1)と比較して、歩行支援装置10を進行させるために、より強い力で歩行支援装置10を押したり又は引いたりする必要がある。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)に対して負荷を付与することができる。
●[各動作モードへの判定と判定モードJDMへの移行の判定(図9)]
図9は、図8における判定モードJDMから各動作モードへ移行する条件と判定モードJDMへ戻る条件を示した図である。図9において、条件C1〜条件C6は図8における判定モードJDMから各動作モードへ移行する条件であり、条件CR1〜条件CR6は各動作モードから判定モードJDMへ戻る条件である。なお、図9において、“−”は、状態が“0”又は“1”のどちらでも良いことを示している。
各動作モードへ移行は、モード手動切替手段76a(図7参照)と、可動持ち手(20R、20L)の状態(図1参照)と、固定持ち手(20FR、20FL)の状態(図1参照)と、で判定される。各動作モードから判定モードJDMへ戻る条件は、現在の動作モ―ドと、可動持ち手(20R、20L)の状態と、固定持ち手(20FR、20FL)の状態と、で判定される。
図9において、可動持ち手把持状態は、把持検出手段25R、25L(図3参照)により、使用者が可動持ち手20R、20Lのいずれか一方を把持していると検出した場合“1=把持有”、両方を把持していないと検出した場合“0=把持無”となる。
固定持ち手把持状態は、把持検出手段25FR、25FL(図6参照)により、使用者が固定持ち手20FR、20FLのいずれか一方を把持していると検出した場合“1=把持有”、両方を把持していないと検出した場合“0=把持無”となる。
可動持ち手20R、20Lにおける腕振りの状態は、右持ち手位置検出手段34Rと、左持ち手位置検出手段34Lのいずれか一方から、可動持ち手20R、20Lの移動に伴う検出信号が出力され場合、“1=有”、そうでない場合“0=無”となる。
駆動制御手段40は、条件C1〜条件C6のいずれか一つが成立した場合、動作モードを各条件に対応した動作モードにする。以下、判定モードJDMから各動作モードへ移行の判定について詳細に説明する。
●[アシストモード(AM1、AM2)の判定]
モード手動切替手段76aの選択が“アシストモード”で、可動持ち手把持状態が“0=把持無”で、腕振り状態が“0=無”で、固定持ち手把持状態が“1=把持有”の場合、条件C1が成立して、駆動制御手段40は、動作モードを判定モードJDMからアシストモード1(AM1)へ遷移させる。
モード手動切替手段76aの選択が“アシストモード”で、可動持ち手把持状態が“1=把持有”で、腕振り状態が“0=無”で、固定持ち手把持状態が“0=把持無”の場合、条件C2が成立して、駆動制御手段40は、動作モードを判定モードJDMからアシストモード2(AM2)へ遷移させる。
●[判定モードJDMからトレーニングモード(TR1〜TR4)の判定]
モード手動切替手段76aの選択が“トレーニングモード1”で、可動持ち手把持状態が“1=把持有”で、腕振り状態が“1=有”で、固定持ち手把持状態が“0=把持無”の場合、条件C3が成立して、駆動制御手段40は、動作モードを判定モードJDMからトレーニングモード1(TR1)へ遷移させる。
モード手動切替手段76aの選択が“トレーニングモード2”で、可動持ち手把持状態が“1=把持有”で、腕振り状態が“1=有”で、固定持ち手把持状態が“0=把持無”の場合、条件C4が成立して、駆動制御手段40は、動作モードを判定モードJDMからトレーニングモード2(TR2)へ遷移させる。
モード手動切替手段76aの選択が“トレーニングモード3”で、可動持ち手把持状態が“1=把持有”で、腕振り状態が“0=無”で、固定持ち手把持状態が“0=把持無”の場合、条件C5が成立して、駆動制御手段40は、動作モードを判定モードJDMからトレーニングモード3(TR3)へ遷移させる。
モード手動切替手段76aの選択が“トレーニングモード3”で、可動持ち手把持状態が“0=把持無”で、腕振り状態が“0=無”で、固定持ち手把持状態が“1=把持有”の場合、条件C6が成立して、駆動制御手段40は、動作モードを判定モードJDMからトレーニングモード4(TR4)へ遷移させる。
●[各動作モードおける判定モード(JDM)へ移行の判定]
駆動制御手段40は、条件CR1〜条件CR6のいずれか一つが成立した場合、現在の動作モード(図8参照)を終了し判定モードJDMに移行する。以下、各動作モードから判定モードJDMへ移行する判定について詳細に説明する。
現在のモードが“アシストモード1(AM1)”で、固定持ち手把持状態が“0=把持無”の場合、その他の状態に関わらず条件CR1が成立して、駆動制御手段40は、動作モードをアシストモード1(AM1)から判定モードJDMへ遷移させる。
現在のモードが“アシストモード2(AM2)”で、可動持ち手把持状態が“0=把持無”の場合、その他の状態に関わらず条件CR2が成立して、駆動制御手段40は、動作モードをアシストモード2(AM2)から判定モードJDMへ遷移させる。
現在のモードが“トレーニングモード1(TR1)”で、可動持ち手把持状態が“0=把持無”の場合、その他の状態に関わらず条件CR3が成立して、駆動制御手段40は、動作モードをトレーニングモード1(TR1)から判定モードJDMへ遷移させる。
現在のモードが“トレーニングモード2(TR2)”で、可動持ち手把持状態が“0=把持無”の場合、その他の状態に関わらず条件CR4が成立して、駆動制御手段40は、動作モードをトレーニングモード2(TR2)から判定モードJDMへ遷移させる。
現在のモードが“トレーニングモード3(TR3)”で、可動持ち手把持状態が“0=把持無”の場合、その他の状態に関わらず条件CR5が成立して、駆動制御手段40は、動作モードをトレーニングモード3(TR3)から判定モードJDMへ遷移させる。
現在のモードが“トレーニングモード4(TR4)”で、固定持ち手把持状態が“0=把持無”の場合、その他の状態に関わらず条件CR6が成立して、駆動制御手段40は、動作モードをトレーニングモード4(TR4)から判定モードJDMへ遷移させる。
●[全体処理の手順を説明するフローチャート(図10)]
図10は、歩行支援装置10(図1参照)の駆動制御手段40(図7参照)における全体処理の手順を説明するフローチャートである。歩行支援装置10の駆動制御手段40の処理手順について、図10のフローチャートを用いて説明する。なお、各処理における動作モードは、説明の都合上、必要な場合を除き図8における符号を省略する。
駆動制御手段40の全体処理は、状態検出手段80による各状態の取得(ステップS100)と、取得した各状態に基づき動作モードの判定(ステップS200)と、歩行支援装置10を進行させる目標進行速度の算出(ステップS170、ステップS300〜ステップS800)と、目標進行速度になるように駆動輪である後輪60RR、60RL(図1参照)を駆動(ステップS180)する処理と、で構成されている。なお、駆動制御手段40は、起動された場合、所定時間間隔(例えば数[ms]間隔)にて、全体処理を実行する。
●[状態検出手段80による各状態の取得(ステップS100)]
以下、ステップS100(状態検出手段80による各状態の取得)について詳細に説明する。
ステップS100において、駆動制御手段40は、状態検出手段80(把持部状態検出手段81、身体状態検出手段82、車体状態検出手段83、雰囲気状態検出手段84)からの情報(検出信号)を取得して、検出した種々の状態(入力状態)を記憶手段44に記憶する。駆動制御手段40は、状態検出手段80により取得した情報に基づいて、前方評価速度VRhf、VLhfと後方評価速度VRhb、VLhbを算出して、記憶手段44に記憶する。駆動制御手段40は、状態検出手段による各状態の取得(ステップS100)を終了し、全体処理へ戻る。
例えば、駆動制御手段40は、ステップS100において、以下の入力状態を検出して、記憶手段44に記憶する。
●[把持部状態(固定持ち手20FR、20FLと可動持ち手20R、20Lの状態)]
固定持ち手把持状態:使用者が固定持ち手20FR、20FLのいずれか一方を把持しているか否か。
固定持ち手作用力:使用者が把持している固定持ち手20FR、20FLを前方に押す力及び後方に引く力。
可動持ち手把持状態:使用者が可動持ち手20R、20Lのいずれか一方を把持しているか否か。
可動持ち手作用力:使用者が把持している可動持ち手20R、20Lを前方に押す力及び後方に引く力。
腕振りの状態:使用者が、可動持ち手20R、20Lのいずれか一方を把持して腕を前後方向に振っているか否か。
移動幅(DR、DL):使用者が可動持ち手20R、20Lを把持して腕を振って歩行する際のレール30R、30Lに対する可動持ち手20R、20Lが前後方向に移動する幅(腕の振り幅に相当)。
前方評価速度(VRhf、VLhf):フレーム50に対する可動持ち手20R、20Lの前方向への移動速度。
後方評価速度(VRhb、VLhb):フレーム50に対する可動持ち手20R、20Lの後方向への移動速度。
●[使用者の身体状態]
心拍数、体温:使用者の歩行支援装置10を使用している際の心拍数、体温。
●[歩行支援装置10の車体状態]
進行速度(VdR、VdL):後輪60RR、60RLのそれぞれにおける前方又は後方へ進行する進行速度。
加速度:歩行支援装置10に加えられるX軸Y軸Z軸の3方向の軸のそれぞれに対して加速度。
角速度:X軸Y軸Z軸の3方向のそれぞれの軸を中心とした回転における角速度。
累積の歩行時間:記憶手段44に記憶されている使用者の歩行支援装置10による歩行の累積時間。
累積の歩行距離:記憶手段44に記憶されている使用者の歩行支援装置10による歩行の累積距離。
●[周りの雰囲気状態]
外気温:歩行支援装置10の周りの外気の温度。
●[コントロールパネル70からの出力情報]
メインスイッチ72の状態:歩行支援装置10のメインスイッチであり、ON(動作)又はOFF(停止)の状態。
モード手動切替手段76aの状態:使用者により選択された歩行支援装置10の動作モード。
モード自動切替手段スイッチ76bの状態:スイッチがON(動作モード自動切替動作)又はOFF(動作モード自動切替停止)の状態。
アシスト調整量:アシストモードにおけるアシスト力の大きさを調整する調整量。
負荷調整量:トレーニングモードにおける負荷の大きさを調整する調整量。
●[取得した各状態に基づき動作モードの判定(ステップS200)]
ステップS200(取得した各状態に基づき動作モードの判定)において、駆動制御手段40は、記憶手段44に記憶されている状態検出手段により取得した各状態を読出し、これらの情報に基づき図9に従って、条件の成立する動作モード(図8参照)を判定して、ステップS110(図10参照)へ進む。
ステップS110において、駆動制御手段40は、判定した動作モードがアシストモード1(AM1)の場合(Yes)は、ステップS300に進み、アシストモード1(AM1)でない場合(No)は、ステップS120に進む。
ステップS120において、駆動制御手段40は、判定した動作モードがトレーニングモード4(TR4)の場合(Yes)は、ステップS400に進み、トレーニングモード4(TR4)でない場合(No)は、ステップS130に進む。
ステップS130において、駆動制御手段40は、判定した動作モードがアシストモード2(AM2)の場合(Yes)は、ステップS500に進み、アシストモード2(AM2)でない場合(No)は、ステップS140に進む。
ステップS140において、駆動制御手段40は、判定した動作モードがトレーニングモード3(TR3)の場合(Yes)は、ステップS600に進み、トレーニングモード3(TR3)でない場合(No)は、ステップS150に進む。
ステップS150において、駆動制御手段40は、判定した動作モードがトレーニングモード1(TR1)の場合(Yes)は、ステップS700に進み、トレーニングモード1(TR1)でない場合(No)は、ステップS160に進む。
ステップS160において、駆動制御手段40は、判定した動作モードがトレーニングモード2(TR2)の場合(Yes)は、ステップS800に進み、トレーニングモード2(TR2)でない場合(No)は、ステップS170に進む。
ステップS170において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の目標進行速度=0に設定して(判定モード)、ステップS180に進む。
ステップS180において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の目標進行速度(VR、VL)を、前進の場合は前進の目標進行速度である目標前進速度(VfdR、VfdL)に、後進の場合は後進の目標進行速度である目標後進速度(VbdR、VbdL)に、それ以外は“0”に、なるように駆動手段64R、64Lをそれぞれ制御し後輪60RRと後輪60RLを駆動して、全体処理を終了する。
●[アシストモード1における処理(ステップS300)]
図11は、歩行支援装置10の駆動制御手段40におけるアシストモード1(AM1)の処理の手順を説明するフローチャートである(図1、図7、図8参照)。図11のフローチャートを用いて、ステップS300(アシストモード1における処理)を説明する。
ステップS310において、駆動制御手段40は、固定持ち手作用力検出手段81cからの情報に基づき固定持ち手20FR、20FLへの使用者の作用力が前方向の場合(Yes)は、ステップS320に進み、固定持ち手20FR、20FLへの使用者の作用力が前方向でない場合(No)は、ステップS330に進む。
ステップS320において、駆動制御手段40は、固定持ち手20FR、20FLへの作用力と負荷量・アシスト量変更手段74により導出されたアシスト量に応じた目標前進速度(VfdR、VfdL)を算出して、アシストモード1における処理(ステップS300)を終了し、全体処理へ戻る。
ステップS330において、駆動制御手段40は、固定持ち手20FR、20FLへの作用力と負荷量・アシスト量変更手段74により導出されたアシスト量に応じた目標後進速度(VbdR、VbdL)を算出して、アシストモード1における処理(ステップS300)を終了し、全体処理へ戻る。
アシストモード1(AM1)(図8参照)において、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)が無負荷状態の動作となるアシスト力よりも所定量大きいアシスト力で歩行支援装置10を進行させることができる。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)の負荷を軽減することができる。
●[トレーニングモード4における処理(ステップS400)]
図11は、歩行支援装置10の駆動制御手段40におけるトレーニングモード4(TR4)の処理の手順を説明するフローチャートである(図1、図7、図8参照)。図11のフローチャートを用いて、ステップS400(トレーニングモード4における処理)を説明する。なお、回生電力回収手段65は動作させており、使用者の作用力に応じて歩行支援装置10に対してアシスト力を発生させない。
ステップS410において、駆動制御手段40は、固定持ち手作用力検出手段81cからの情報に基づき固定持ち手20FR、20FLへの使用者の作用力が前方向の場合(Yes)は、ステップS420に進み、固定持ち手20FR、20FLへの使用者の作用力が前方向でない場合(No)は、ステップS430に進む。
ステップS420において、駆動制御手段40は、固定持ち手20FR、20FLへの作用力に応じた目標前進速度(VfdR、VfdL)を算出して、トレーニングモード4における処理(ステップS400)を終了し、全体処理へ戻る。
ステップS430において、駆動制御手段40は、固定持ち手20FR、20FLへの作用力に応じた目標後進速度(VbdR、VbdL)を算出して、トレーニングモード4における処理(ステップS400)を終了し、全体処理へ戻る。
トレーニングモード4(TR4)(図8参照)において、回生電力回収手段65を動作させながら歩行支援装置10を進行させるため、使用者は、アシストモード1(AM1)と比較して、歩行支援装置10を進行させるために、より強い力で歩行支援装置10を押したり又は引いたりする必要がある。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)に対して負荷を付与することができる。
●[アシストモード2における処理(ステップS500)]
図12は、歩行支援装置10の駆動制御手段40におけるアシストモード2(AM2)の処理の手順を説明するフローチャートである(図1、図7、図8参照)。図12のフローチャートを用いて、ステップS500(アシストモード2における処理)を説明する。
ステップS510において、駆動制御手段40は、モータ32R、32Lを駆動してレール30R、30Lにおける移動を持ち手移動制限手段35R、35Lにより制限して所定の位置に固定して、ステップS520へ進む。
ステップS520において、駆動制御手段40は、可動持ち手作用力検出手段81aからの情報に基づき可動持ち手20R、20Lへの使用者の作用力が前方向の場合(Yes)は、ステップS530に進み、可動持ち手20R、20Lへの使用者の作用力が前方向でない場合(No)は、ステップS540に進む。
ステップS530において、駆動制御手段40は、可動持ち手20R、20Lへの作用力と負荷量・アシスト量変更手段74により導出されたアシスト量に応じた目標前進速度(VfdR、VfdL)を算出して、アシストモード2における処理(ステップS500)を終了し、全体処理へ戻る。
ステップS540において、駆動制御手段40は、可動持ち手20R、20Lへの作用力と負荷量・アシスト量変更手段74により導出されたアシスト量に応じた目標後進速度(VbdR、VbdL)を算出して、アシストモード2における処理(ステップS500)を終了し、全体処理へ戻る。
アシストモード2(AM2)において、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)が無負荷状態の動作となるアシスト力よりも所定量大きいアシスト力で歩行支援装置10を進行させることができる。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)の負荷を軽減することができる。
●[トレーニングモード3における処理(ステップS600)]
図12は、歩行支援装置10の駆動制御手段40におけるトレーニングモード3(TR3)の処理の手順を説明するフローチャートである(図1、図7、図8参照)。図12のフローチャートを用いて、ステップS600(トレーニングモード3における処理)を説明する。なお、回生電力回収手段65は動作させており、使用者の作用力に応じて歩行支援装置10に対してアシスト力を発生させない。
ステップS610において、駆動制御手段40は、モータ32R、32Lを駆動してレール30R、30Lにおける移動を持ち手移動制限手段35R、35Lにより制限して所定の位置に固定して、ステップS620へ進む。
ステップS620において、駆動制御手段40は、可動持ち手作用力検出手段81aからの情報に基づき可動持ち手20R、20Lへの使用者の作用力が前方向の場合(Yes)は、ステップS630に進み、可動持ち手20R、20Lへの使用者の作用力が前方向でない場合(No)は、ステップS640に進む。
ステップS630において、駆動制御手段40は、可動持ち手20R、20Lへの作用力に応じた目標前進速度(VfdR、VfdL)を算出して、トレーニングモード3における処理(ステップS600)を終了し、全体処理へ戻る。
ステップS640において、駆動制御手段40は、可動持ち手20R、20Lへの作用力に応じた目標後進速度(VbdR、VbdL)を算出して、トレーニングモード3における処理(ステップS600)を終了し、全体処理へ戻る。
トレーニングモード3(TR3)(図8参照)において、回生電力回収手段65を動作させながら歩行支援装置10を進行させるため、使用者は、アシストモード2(AM2)と比較して、歩行支援装置10を進行させるために、より強い力で歩行支援装置10を押したり又は引いたりする必要がある。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)に対して負荷を付与することができる。
●[トレーニングモード1における処理(ステップS700)]
図13は、歩行支援装置10の駆動制御手段40におけるトレーニングモード1(TR1)の処理の手順を説明するフローチャートである(図1、図7、図8参照)。図13のフローチャートを用いて、ステップS700(トレーニングモード1における処理)を説明する。回生電力回収手段65は動作させており、使用者の作用力に対してアシスト力を発生させない。
ステップS705において、駆動制御手段40は、記憶手段44から歩行支援装置10の進行速度(VdR、VdL)を取得して、ステップS710に進む。
ステップS710において、駆動制御手段40は、可動持ち手20R、20Lの移動に負荷量・アシスト量変更手段74により導出された負荷量の負荷を付与するようにモータ32R、32Lを制御して、ステップS715に進む。
ステップS715において、駆動制御手段40は、可動持ち手移動量検出手段81bからの情報に基づき右の可動持ち手20Rと左の可動持ち手20Lの両方が移動している、つまり左右両方の腕の振りがある場合(Yes)は、ステップS720に進み、左右両方の腕の振りがない場合(No)は、ステップS725に進む。
ステップS720において、駆動制御手段40は、左右の可動持ち手20R、20Lの評価速度(VRhf、VRhb、VLhf、VLhb)に基づいて、前方向の評価速度Vhfdと、後方向の評価速度Vhbdを、決定して、ステップS1200(旋回の判定)に進む。なお、右の可動持ち手20Rの移動量が“正”で、左の可動持ち手20Lの移動量が“負”の場合(使用者の右の腕が前方向に振られ、左の腕が後方向に振られている場合)、前方向の評価速度Vhfdは前方評価速度VRhfに、後方向の評価速度Vhbdは後方評価速度VLhbと決定される。また、右の可動持ち手20Rの移動量が“負”で、左の可動持ち手20Lの移動量が“正”の場合(使用者の左の腕が前方向に振られ、右の腕が後方向に振られている場合)、前方向の評価速度Vhfdは前方評価速度VLhfに、後方向の評価速度Vhbdは後方評価速度VRhbと決定される。
ステップS725において、駆動制御手段40は、可動持ち手移動量検出手段81bからの情報に基づき右の可動持ち手20Rだけが移動している、つまり右の腕の振りである場合(Yes)は、ステップS730に進み、右の腕の振りでない場合(No)は、ステップS735に進む。
ステップS730において、駆動制御手段40は、右の可動持ち手20Rの評価速度(前方評価速度VRhf、後方評価速度VRhb)に基づいて前方向の評価速度(Vhfd=VRhf)と後方向の評価速度(Vhbd=VRhb)を決定して、ステップS760に進む。
ステップS735において、駆動制御手段40は、左の可動持ち手20Lの評価速度(前方評価速度VLhf、後方評価速度VLhb)に基づいて前方向の評価速度(Vhfd=VLhf)と後方向の評価速度(Vhbd=VLhb)を決定して、ステップS760に進む。
ステップS740において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の進行方向が右旋回である場合(Yes)は、ステップS745に進み、進行方向が右旋回でない場合(No)は、ステップS750に進む。
ステップS745において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の右の駆動輪である後輪60RRの目標進行速度VdR’=VdR−ΔVr(所定の速度)に設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標進行速度VdL’=VdL+ΔVr(所定の速度)に設定して、ステップS1300(歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレ判定)に進む。なお、ΔVrは、進行速度(VdR、VdL)に対応した所定の速度であり、あらかじめ記憶手段44に記憶されている。
ステップS750において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の進行方向が左旋回である場合(Yes)は、ステップS755に進み、進行方向が左旋回でない場合(No)は、ステップS760に進む。
ステップS755において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の右の駆動輪である後輪60RRの目標進行速度VdR’=VdR+ΔVr(所定の速度)に設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標進行速度VdL’=VdL−ΔVr(所定の速度)に設定して、ステップS1300(歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレ判定)に進む。
ステップS760において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の右の駆動輪である後輪60RRの目標進行速度VdR’=VdRに設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標進行速度VdL’=VdLに設定して、ステップS1300(歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレ判定)に進む。
ステップS765において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度と同じである場合(Yes)は、ステップS770に進み、歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度と同じでない場合(No)は、ステップS775に進む。
ステップS770において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の右の駆動輪である後輪60RRの目標前進速度VfdR=VdR’に設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標前進速度VfdL=VdL’に設定して、トレーニングモード1における処理(ステップS700)を終了して、全体処理に戻る。
ステップS775において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度より小さい場合(Yes)は、ステップS780に進み、歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度より小さくない場合(No)は、ステップS785に進む。
ステップS780において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の右の駆動輪である後輪60RRの目標前進速度VfdR=VdR’+ΔVd(所定の速度)に設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標前進速度VfdL=VdL’+ΔVd(所定の速度)に設定して、トレーニングモード1における処理(ステップS700)を終了して、全体処理に戻る。なお、ΔVdは、目標進行速度(VdR’、VdL’)に対応した所定の速度であり、あらかじめ記憶手段44に記憶されている。
ステップS785において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の右の駆動輪である後輪60RRの目標前進速度VfdR=VdR’−ΔVdに設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標前進速度VfdL=VdL’−ΔVdに設定して、トレーニングモード1における処理(ステップS700)を終了して、全体処理に戻る。
トレーニングモード1(TR1)(図8参照)は、可動持ち手20R、20Lの前後方向の移動に対してモータ32R、32Lにより負荷を付与して、歩行支援装置10を進行させることができる。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(腕振り)に対して負荷を付与することができる。
駆動制御手段40は、可動持ち手作用力検出手段81aと可動持ち手移動量検出手段81bにおける、可動持ち手20Rと可動持ち手20Lのいずれか一方に不具合が生じた場合であっても、上述した制御により、他方の可動持ち手により歩行支援装置10を進行させることができる。
駆動制御手段40は、使用者が歩行支援装置10を右に旋回させたいと所望した場合、左手の可動持ち手20Lを右の可動持ち手20Rよりも大きく前後に振るため、右旋回と判定して、左の駆動輪である後輪60RLを目標進行速度よりも所定の速度(ΔVr)大きくなるように駆動手段64Lを制御して、右の駆動輪である後輪60RRを目標進行速度よりも所定の速度(ΔVr)大きくなるように駆動手段64Rを制御する。
駆動制御手段40は、使用者が歩行支援装置10を左に旋回させたいと所望した場合、右手の可動持ち手20Rを左の可動持ち手20Lよりも大きく前後に振るため、左旋回と判定して、右の駆動輪である後輪60RRを目標進行速度よりも所定の速度(ΔVr)大きくなるように駆動手段64Rを制御して、左の駆動輪である後輪60RLを目標進行速度よりも所定の速度(ΔVr)大きくなるように駆動手段64Lを制御する。
駆動制御手段40は、可動持ち手作用力検出手段81aと可動持ち手移動量検出手段81bにおける、可動持ち手20Rと可動持ち手20Lのいずれか一方に不具合が生じた場合であっても、上述した制御により、他方の可動持ち手により歩行支援装置10を進行速度と使用者の歩行速度のズレを補正することができる。
歩行支援装置10の進行速度(VdR、VdL)と使用者の歩行速度が同じである場合、使用者が前後に振る腕の振り速度の大きさが同じであるとすると、前方向の評価速度Vhfdと後方向の評価速度Vhbdの大きさは同じになる。一方、歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度より小さい場合、使用者の歩行速度と歩行支援装置10の進行速度との差により、前方向の評価速度Vhfdの大きさが後方向の評価速度Vhbdの大きさよりも大きくなる。従って、駆動制御手段40は、歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレを補正するため、使用者の歩行速度が歩行支援装置10の進行速度よりも大きい場合、歩行支援装置の右の駆動輪である後輪60RRの目標進行速度VdR’=VdR’+ΔVd(所定の速度)に設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標進行速度VdL’=VdL’+ΔVd(所定の速度)に設定する。これにより、歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度のズレを補正することができる。
●[トレーニングモード2における処理(ステップS800)]
図14は、歩行支援装置10の駆動制御手段40におけるトレーニングモード2(TR2)の処理の手順を説明するフローチャートである(図1、図7、図8参照)。図14のフローチャートを用いて、ステップS800(トレーニングモード2における処理)を説明する。なお、トレーニングモード2の処理は、可動持ち手の移動に負荷を付与するようにモータ(32R、32L)の制御(ステップS710)を除きステップS700(トレーニングモード1における処理)と同じである。
ステップS805において、駆動制御手段40は、記憶手段44から歩行支援装置10の進行速度(VdR、VdL)を取得して、ステップS815に進む。
ステップS815において、駆動制御手段40は、可動持ち手移動量検出手段81bからの情報に基づき右の可動持ち手20Rと左の可動持ち手20Lの両方が移動している、つまり左右両方の腕の振りがある場合(Yes)は、ステップS820に進み、左右両方の腕の振りがない場合(No)は、ステップS825に進む。
ステップS820において、駆動制御手段40は、左右の可動持ち手20R、20Lの評価速度(VRhf、VRhb、VLhf、VLhb)に基づいて、前方向の評価速度Vhfdと、後方向の評価速度Vhbdを、決定して、ステップS1200(旋回の判定)に進む。なお、右の可動持ち手20Rの移動量が“正”で、左の可動持ち手20Lの移動量が“負”の場合(使用者の右の腕が前方向に振られ、左の腕が後方向に振られている場合)、前方向の評価速度Vhfdは前方評価速度VRhfに、後方向の評価速度Vhbdは後方評価速度VLhbと決定される。また、右の可動持ち手20Rの移動量が“負”で、左の可動持ち手20Lの移動量が“正”の場合(使用者の左の腕が前方向に振られ、右の腕が後方向に振られている場合)、前方向の評価速度Vhfdは前方評価速度VLhfに、後方向の評価速度Vhbdは後方評価速度VRhbと決定される。
ステップS825において、駆動制御手段40は、可動持ち手移動量検出手段81bからの情報に基づき右の可動持ち手20Rだけが移動している、つまり右の腕の振りである場合(Yes)は、ステップS830に進み、右の腕の振りでない場合(No)は、ステップS835に進む。
ステップS830において、駆動制御手段40は、右の可動持ち手20Rの評価速度(前方評価速度VRhf、後方評価速度VRhb)に基づいて前方向の評価速度(Vhfd=VRhf)と後方向の評価速度(Vhbd=VRhb)を決定して、ステップS860に進む。
ステップS835において、駆動制御手段40は、左の可動持ち手20Lの評価速度(前方評価速度VLhf、後方評価速度VLhb)に基づいて前方向の評価速度(Vhfd=VLhf)と後方向の評価速度(Vhbd=VLhb)を決定して、ステップS860に進む。
ステップS840において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の進行方向が右旋回である場合(Yes)は、ステップS845に進み、進行方向が右旋回でない場合(No)は、ステップS850に進む。
ステップS845において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の右の駆動輪である後輪60RRの目標進行速度VdR’=VdR−ΔVr(所定の速度)に設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標進行速度VdL’=VdL+ΔVr(所定の速度)に設定して、ステップS1300(歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレ判定)に進む。なお、ΔVrは、進行速度(VdR、VdL)に対応した所定の速度であり、あらかじめ記憶手段44に記憶されている。
ステップS850において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の進行方向が左旋回である場合(Yes)は、ステップS855に進み、進行方向が左旋回でない場合(No)は、ステップS860に進む。
ステップS855において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の右の駆動輪である後輪60RRの目標進行速度VdR’=VdR+ΔVr(所定の速度)に設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標進行速度VdL’=VdL−ΔVr(所定の速度)に設定して、ステップS1300(歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレ判定)に進む。
ステップS860において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の右の駆動輪である後輪60RRの目標進行速度VdR’=VdRに設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標進行速度VdL’=VdLに設定して、ステップS1300(歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレ判定)に進む。
ステップS865において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度と同じである場合(Yes)は、ステップS870に進み、歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度と同じでない場合(No)は、ステップS875に進む。
ステップS870において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の右の駆動輪である後輪60RRの目標前進速度VfdR=VdR’に設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標前進速度VfdL=VdL’に設定して、トレーニングモード2における処理(ステップS800)を終了して、全体処理に戻る。
ステップS875において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度より小さい場合(Yes)は、ステップS880に進み、歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度より小さくない場合(No)は、ステップS885に進む。
ステップS880において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の右の駆動輪である後輪60RRの目標前進速度VfdR=VdR’+ΔVd(所定の速度)に設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標前進速度VfdL=VdL’+ΔVd(所定の速度)に設定して、トレーニングモード2における処理(ステップS800)を終了して、全体処理に戻る。なお、ΔVdは、目標進行速度(VdR’、VdL’)に対応した所定の速度であり、あらかじめ記憶手段44に記憶されている。
ステップS885において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の右の駆動輪である後輪60RRの目標前進速度VfdR=VdR’−ΔVdに設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標前進速度VfdL=VdL’−ΔVdに設定して、トレーニングモード2における処理(ステップS800)を終了して、全体処理に戻る。
トレーニングモード2(TR2)(図8参照)は、可動持ち手20R、20Lに対して無負荷であり、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)が無負荷状態の動作となるアシスト力で歩行支援装置10を進行させることができる。
駆動制御手段40は、可動持ち手作用力検出手段81aと可動持ち手移動量検出手段81bにおける、可動持ち手20Rと可動持ち手20Lのいずれか一方に不具合が生じた場合であっても、上述した制御により、他方の可動持ち手により歩行支援装置10を進行させることができる。
駆動制御手段40は、使用者が歩行支援装置10を右に旋回させたいと所望した場合、左手の可動持ち手20Lを右の可動持ち手20Rよりも大きく前後に振るため、右旋回と判定して、左の後輪60RLを目標進行速度よりも所定の速度(ΔVr)大きくなるように駆動手段64Lを制御して、右の後輪60RRを目標進行速度よりも所定の速度(ΔVr)大きくなるように駆動手段64Rを制御する。
駆動制御手段40は、可動持ち手作用力検出手段81aと可動持ち手移動量検出手段81bにおける、可動持ち手20Rと可動持ち手20Lのいずれか一方の情報に不具合が生じた場合であっても、上述した制御により、他方の可動持ち手の情報に基づいて歩行支援装置10を進行速度と使用者の歩行速度のズレを補正することができる。
歩行支援装置10の進行速度(VdR、VdL)と使用者の歩行速度が同じである場合、使用者が前後に振る腕の振り速度の大きさが同じであるとすると、前方向の評価速度Vhfdと後方向の評価速度Vhbdの大きさは同じになる。一方、歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度より小さい場合、使用者の歩行速度と歩行支援装置10の進行速度との差により、前方向の評価速度Vhfdの大きさが後方向の評価速度Vhbdの大きさよりも大きくなる。従って、駆動制御手段40は、歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレを補正するため、使用者の歩行速度が歩行支援装置10の進行速度よりも大きい場合、歩行支援装置の右の駆動輪である後輪60RRの目標進行速度VdR’=VdR’+ΔVd(所定の速度)に設定し、左の駆動輪である後輪60RLの目標進行速度VdL’=VdL’+ΔVd(所定の速度)に設定する。これにより、歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度のズレを補正することができる。
●[旋回の判定(ステップS1200)]
図15は歩行支援装置10の駆動制御手段40における旋回の判定の処理の手順を説明するフローチャートである(図1、図7参照)。図15のフローチャートを用いて、ステップS1200(旋回の判定)を説明する。
ステップS1210において、駆動制御手段40は、右の可動持ち手20Rにおける移動幅DR、左の可動持ち手20Lにおける移動幅DLを記憶手段44から取得して、ステップS1220に進む。
ステップS1220において、駆動制御手段40は、右の可動持ち手20Rの移動幅DRと左の可動持ち手20Lの移動幅DLの差の絶対値|DR−DL|がDerrより小さい場合(Yes、直進と判定)は、ステップS1230に進み、|DR−DL|があらかじめ設定されているDerrより小さくない場合(No)は、ステップS1240に進む。なお、Derrは、あらかじめ決められている所定の値であり、記憶手段44に記憶されている。
ステップS1230において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の進行方向を“直進”に設定して、旋回の判定(ステップS1200)を終了して、ステップS700において呼ばれた場合はステップS740へ進み、ステップS800において呼ばれた場合はステップS840に進む。
ステップS1240において、駆動制御手段40は、移動幅DRが移動幅DLより大きい場合(Yes、左旋回と判定)は、ステップS1250に進み、移動幅DRが移動幅DLより大きくない場合(No、右旋回と判定)は、ステップS1260に進む。
ステップS1250において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の進行方向を左旋回に設定して、旋回の判定(ステップS1200)を終了して、ステップS700において呼ばれた場合はステップS740へ進み、ステップS800において呼ばれた場合はステップS840に進む。
ステップS1260において、駆動制御手段40は、歩行支援装置10の進行方向を右旋回に設定して、旋回の判定(ステップS1200)を終了して、ステップS700において呼ばれた場合はステップS740へ進み、ステップS800において呼ばれた場合はステップS840に進む。
駆動制御手段40は、使用者が歩行支援装置10を右に旋回させたいと所望した場合、左手の可動持ち手20Lを右の可動持ち手20Rよりも大きく前後に振るため、右旋回と判定する。また、駆動制御手段40は、使用者が歩行支援装置10を左に旋回させたいと所望した場合、右手の可動持ち手20Rを左の可動持ち手20Lよりも大きく前後に振るため、右旋回と判定する。
●[歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレ判定(ステップS1300)]
図15は歩行支援装置10の駆動制御手段40における歩行支援装置10の進行速度と使用者の歩行速度とのズレ判定の処理の手順を説明するフローチャートである(図1、図7参照)。図15のフローチャートを用いて、ステップS1300(歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレ判定)を説明する。
ステップS1320において、駆動制御手段40は、第1の判定条件である前方向の評価速度Vhfdと後方向の評価速度Vhbdの差の絶対値|Vhfd+Vhbd|があらかじめ設定されているΔVerrより小さいか否かについて判定する。駆動制御手段40は、絶対値|Vhfd+Vhbd|がΔVerrより小さい場合は、第1の判定条件を“Yes”と判定し、そうでない場合は“No”と判定する。また、駆動制御手段40は、把持部状態検出手段81の情報に基づいて、第2の判定条件である可動持ち手20R、20Lがレール(30R、30L)のレールスリット部38の前方端近傍又は後端部近傍に移動しているか否かについて判定する。駆動制御手段40は、可動持ち手20R、20Lの両方が、それぞれのレールスリット部38における前方端近傍又は後端部近傍に移動していない場合は、第2の判定条件を“Yes”と判定し、そうでない場合は、“No”と判定する。駆動制御手段40は、第1の判定条件が“Yes”で、かつ、第2の判定条件が“Yes”の場合(Yes)、ステップS1330に進み、そうでない場合(No)は、ステップS1340に進む。なお、前方向の評価速度Vhfdを“正”とし、後方向の評価速度Vhbdを“負”としているため、これらの差は、これらの和(Vhfd+Vhbd)となる。
ステップS1330において、駆動制御手段40は、歩行支援装置の進行速度を“使用者の歩行速度と同じ”に設定して、歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレ判定(ステップS1300)を終了して、ステップS700において呼ばれた場合はステップS765に進み、ステップS800において呼ばれた場合はステップS865に進む。
ステップS1340において、駆動制御手段40は、第1の判定条件である前方向の評価速度の絶対値|Vhfd|が後方向の評価速度の絶対値|Vhbd|より大きいか否かについて判定する。駆動制御手段40は、絶対値|Vhfd|が絶対値|Vhbd|より大きいと判定した場合は、第1の判定条件を“Yes”と判定し、そうでない場合は“No”と判定する。また、駆動制御手段40は、把持部状態検出手段81の情報に基づいて、第2の判定条件である可動持ち手20R、又は、可動持ち手20Lが、それぞれのレール(30R、30L)のレールスリット部38における前方端近傍に移動しているか否かについて判定する。駆動制御手段40は、可動持ち手20R、又は、可動持ち手20Lが、それぞれのレールスリット部38における前方端近傍に移動している場合は、第2の判定条件を“Yes”と判定し、そうでない場合は、“No”と判定する。
ステップS1350において、駆動制御手段40は、歩行支援装置の進行速度を“使用者の歩行速度より小さい”に設定して、歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレ判定(ステップS1300)を終了して、ステップS700において呼ばれた場合はステップS765に進み、ステップS800において呼ばれた場合はステップS865に進む。
ステップS1360において、駆動制御手段40は、歩行支援装置の進行速度を“使用者の歩行速度より大きい”に設定して、歩行支援装置の進行速度と使用者の歩行速度とのズレ判定(ステップS1300)を終了して、ステップS700において呼ばれた場合はステップS765に進み、ステップS800において呼ばれた場合はステップS865に進む。
なお、ステップS1320とステップS1340における判定は、第1の判定条件又は第2の判定条件だけで判定しても良い。
歩行支援装置10の進行速度(VdR、VdL)と使用者の歩行速度が同じである場合、使用者が前後に振る腕の振り速度の大きさが同じであるとすると、前方向の評価速度Vhfdと後方向の評価速度Vhbdの大きさは同じになる。一方、歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度より小さい場合、使用者の歩行速度と歩行支援装置10の進行速度との差により、前方向の評価速度Vhfdの大きさが後方向の評価速度Vhbdの大きさよりも大きくなる。歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度より大きい場合、使用者の歩行速度と歩行支援装置10の進行速度との差により、前方向の評価速度Vhfdの大きさが後方向の評価速度Vhbdの大きさよりも小さくなる。駆動制御手段40は、歩行支援装置10の進行速度(VdR、VdL)が使用者の歩行速度より小さい場合、歩行支援装置10の進行速度(VdR、VdL)を増加させて、歩行支援装置10の進行速度が使用者の歩行速度より大きい場合、歩行支援装置10の進行速度を減少させる。これにより、歩行支援装置10の進行速度と使用者の歩行速度とのズレを補正して、使用者が前後に振る腕の振り速度に応じて、歩行者の歩行支援装置10の進行を適正に制御できる。
●[動作モードを自動で切り替える場合の処理(図16、図17)]
図16は、身体状態と雰囲気状態と車体状態に基づいて動作モードを移行するモード移行条件を説明する図である。図17は、動作モードを自動で切り替える場合における各動作モードへ移行する条件を説明する図である。モード自動切替手段スイッチ76bがオンの場合、駆動制御手段40は、モード手動切替手段76aで選択された情報を基に、図10のステップS200(取得した各状態に基づき動作モードの判定)において、図9と、図16と、図17と、において示した条件に従って動作モードを判定する。
駆動制御手段40は、条件S1〜条件S6のいずれか一つが成立した場合、動作モードを各条件に対応した動作モードにする。なお、図16と図17において、“−”は、状態が“0”又は“1”のどちらでも良いことを示している。
図16において、モード移行条件は、身体状態と、雰囲気状態と、車体状態と、に基づいて決められる。駆動制御手段40は、全ての状態が“1”の場合のみモード移行条件を“1=異常無”とし、いずれかの条件が“0”である場合には、“0=異常有”とする。
身体状態は、例えば、使用者の心拍数、体温である。駆動制御手段40は、心拍数体温センサー27a、27bで取得した心拍数、体温を記憶手段44にあらかじめ記憶されている所定の値と比較して、その所定の値を超えた場合“異常=0”と、それ以外の場合を“正常=1”とする。
雰囲気状態は、例えば、外気温である。駆動制御手段40は、外気温センサー54で取得した外気温を記憶手段44にあらかじめ記憶されている所定の値と比較して、その所定の値を超えた場合“不快=0”と、それ以外の場合を“快適=1”とする。
車体状態は、例えば、車体の傾斜、車体への衝撃(体に加えられた加速度の変化)、歩行距離、歩行時間である。駆動制御手段40は、3軸加速度・角速度センサー52で取得した情報に基づいて、記憶手段44にあらかじめ記憶されている所定の値と比較して、車体の傾斜が所定の値を超えた場合“有=0”と、それ以外の場合を“無=1”とする。駆動制御手段40は、3軸加速度・角速度センサー52で取得した情報に基づいて、記憶手段44にあらかじめ記憶されている所定の条件と比較して、条件を満たす場合は車体への衝撃“有=0”と、それ以外の場合を“無=1”とする。
駆動制御手段40は、歩行距離が記憶手段44に記憶された歩行距離の履歴に基づいて、所定の距離よりも長い場合は“長=0”と、それ以外の場合を“短=1”とする。駆動制御手段40は、歩行時間が記憶手段44に記憶された歩行時間の履歴に基づいて、所定の時間よりも長い場合は“長=0”と、それ以外の場合を“短=1”とする。
図17において、駆動制御手段40は、条件S1〜条件S6に基づいて、図8におけるアシストモード1(AM1)とトレーニングモード4(TR4)の間、アシストモード2(AM2)とトレーニングモード3(TR3)の間、又は、トレーニングモード1(TR1)とトレーニングモード2(TR2)の間を切り替える。
条件S1と条件S2は、トレーニングモード1(TR1)とトレーニングモード2(TR2)の間における、動作モードの判定を切り替える条件である。モード手動切替手段76aが“トレーニングモード1”で、可動持ち手把持状態が“1=把持有”で、腕振り状態が“1=有”で、固定持ち手把持状態が“0=把持無”で、モード移行条件が“1=異常無”の場合、条件S1が成立して、駆動制御手段40は、動作モードをトレーニングモード2(TR2)からトレーニングモード1(TR1)へ遷移させる。モード手動切替手段76aが“トレーニングモード1”で、可動持ち手把持状態が“1=把持有”で、腕振り状態が“1=有”で、固定持ち手把持状態が“0=把持無”で、モード移行条件が“0=異常有”の場合、条件S2が成立して、駆動制御手段40は、動作モードをトレーニングモード1(TR1)からトレーニングモード2(TR2)へ遷移させる。
条件S3と条件S4は、アシストモード2(AM2)とトレーニングモード3(TR3)の間における、動作モードの判定を切り替える条件である。モード手動切替手段76aが“トレーニングモード3”で、可動持ち手把持状態が“1=把持有”で、腕振り状態が“0=無”で、固定持ち手把持状態が“0=把持無”で、モード移行条件が“1=異常無”の場合、条件S3が成立して、駆動制御手段40は、動作モードをアシストモード2(AM2)からトレーニングモード3(TR3)へ遷移させる。モード手動切替手段76aが“トレーニングモード3”で、可動持ち手把持状態が“1=把持有”で、腕振り状態が“0=無”で、固定持ち手把持状態が“0=把持無”で、モード移行条件が“0=異常有”の場合、条件S4が成立して、駆動制御手段40は、動作モードをトレーニングモード3(TR3)からアシストモード2(AM2)へ遷移させる。
条件S5と条件S6は、アシストモード1(AM1)とトレーニングモード4(TR4)の間における、動作モードの判定を切り替える条件である。モード手動切替手段76aが“トレーニングモード3”で、可動持ち手把持状態が“0=把持無”で、腕振り状態が“0=無”で、固定持ち手把持状態が“1=把持有”で、モード移行条件が“1=異常無”の場合、条件S5が成立して、駆動制御手段40は、動作モードをアシストモード1(AM1)からトレーニングモード4(TR4)へ遷移させる。モード手動切替手段76aが“トレーニングモード3”で、可動持ち手把持状態が“0=把持無”で、腕振り状態が“0=無”で、固定持ち手把持状態が“1=把持有”で、モード移行条件が“0=異常有”の場合、条件S6が成立して、駆動制御手段40は、動作モードをトレーニングモード4(TR4)からアシストモード1(AM1)へ遷移させる。
●[第2実施形態]
次に、本発明に係る歩行支援装置を具体化した第2実施形態について図18〜図31に基づいて説明する。尚、以下の説明において、上記図1乃至図17の第1実施形態に係る歩行支援装置10の構成等と同一符号は、第1実施形態に係る歩行支援装置10の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
●[第2実施形態の概略全体構成(図18)]
図18を用いて本発明を実施するための第2実施形態に係る歩行支援装置85の概略構成を説明する。図18は第2実施形態に係る歩行支援装置85を説明する図である。図18に示すように、第2実施形態に係る歩行支援装置85の構成及び制御処理等は、第1実施形態に係る歩行支援装置10の構成及び制御処理等とほぼ同じである。但し、第2実施形態に係る歩行支援装置85は、使用者の脚の動きを撮像する撮像装置の一例として機能するカメラ55が、駆動制御手段40を収納する筐体の上端に配置されている。また、カメラ55は、後述のように、駆動制御手段40に電気的に接続されている(図20参照)。
カメラ55としては、通常の画像を撮像すると共に、カメラ55から使用者の脚までの深度情報をリアルタイムで計測するデプスカメラを使用することができる。具体的には、カメラ55として、例えば、RGBカラー映像用カメラと、奥行き測定用に赤外線カメラと赤外線発光部とを備えたものを使用することができる。このように、カメラ55としてデプスカメラを使用することによって、使用者の脚の動き、つまり、歩行状態のRGB画像を撮像すると同時に、カメラ55から使用者の脚までの深度情報をリアルタイムで計測することが可能となる。
その結果、後述のように、駆動制御手段40に設けられた歩行状態決定部86(図20参照)は、カメラ55から入力された使用者の歩行画像の画像処理結果と、カメラ55から使用者の脚までの深度情報とに基づいて、使用者の一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率(図21参照)を決定する。
ここで、1歩行周期における歩行状態の「時間率」は、歩行者の脚の動作状態が、1歩行周期中のどの位相に相当するかを示す指標情報である。例えば、図21に示すように、右脚の1歩行周期の右踵が接地した開始点から、この右踵が再び接地する終了点までを「0%」〜「100%」としたときの数値指標としての時間率を用いる。そして、駆動制御手段40に設けられた歩行状態決定部86(図20参照)は、使用者の歩行画像の画像処理結果と、カメラ55から使用者の脚までの深度情報とに基づいて、取得された右脚の動作状態が、1歩行周期の何%の数値データ(位相)に相当するかを判定処理して、1歩行周期における歩行状態の時間率を決定する。
尚、脚の動作状態に相当する数値データは、カメラ55の撮像画像をフィルタ処理して数値に変換してもよい。また、1歩行周期中の位相を表す時間率は、「0%」〜「100%」の数値表現に限らず、脚の動作状態が1歩行周期中のどの位相に相当するのかを示すことができれば他の数値表現であってもよい。また、1歩行周期における歩行状態の時間率は、必ずしも数値的な指標とは限らず、文字等の記号的な指標や、画像など非数値・非記号的データのマッチング等であってもよい。
また、図19に示すように、カメラ55に替えて、若しくは、カメラ55と共に、3軸加速度センサー96を歩行支援装置85の使用者95の腰部に、ベルト97等によって装着するようにしてもよい。3軸加速度センサー96は、使用者95の歩行における腰部の前後方向、左右方向、及び、鉛直方向の各加速度を測定可能に構成されている。そして、3軸加速度センサー96は、使用者95の歩行における腰部の前後方向、左右方向、及び、鉛直方向の各加速度の測定結果を、無線等により駆動制御手段40にリアルタイムで送信するように構成してもよい。
また、駆動制御手段40は、3軸加速度センサー96から、使用者95の歩行における腰部の前後方向、左右方向、及び、鉛直方向の各加速度の測定結果を受信可能に構成してもよい(図20参照)。そして、駆動制御手段40に設けられた歩行状態決定部86(図20参照)は、使用者95の歩行における腰部の前後方向、左右方向、及び、鉛直方向の各加速度に基づいて、使用者の一方の脚、例えば、右脚の動作状態を取得する。
そして、駆動制御手段40に設けられた歩行状態決定部86は、取得された右脚の動作状態が、1歩行周期の何%の数値データ(位相)に相当するかを判定処理して、1歩行周期における歩行状態の時間率(図21参照)を決定するようにしてもよい。尚、駆動制御手段40は、3軸加速度センサー96から受信した、使用者95の歩行における腰部の前後方向、左右方向、及び、鉛直方向の各加速度の数値データを演算処理して、1歩行周期における歩行状態の時間率を決定するようにしてもよい。
●[歩行支援装置85の駆動制御手段40の入出力(図20)]
図20は、歩行支援装置85(図18参照)における駆動制御手段40の入出力を説明するブロック図である。図20に示すように、歩行支援装置85の駆動制御手段40の入出力の構成は、第1実施形態に係る歩行支援装置10の駆動制御手段40とほぼ同じ構成である。但し、以下の点において、第1実施形態に係る歩行支援装置10の駆動制御手段40と異なっている。
歩行支援装置85では、状態検出手段80を構成する把持部状態検出手段81は、可動持ち手作用力検出手段81aと、可動持ち手移動量検出手段81bと、固定持ち手作用力検出手段81cと、上記カメラ55と、で構成されている。そして、カメラ55は、駆動制御手段40に電気的に接続されている。カメラ55は、上述のように、使用者の歩行画像の画像処理結果と、カメラ55から使用者の脚までの深度情報と、を駆動制御手段40に出力する。また、可動持ち手移動量検出手段81bを構成する右持ち手位置検出手段34Rと左持ち手位置検出手段34Lは、所定時間毎に各可動持ち手20R、20Lの各レール30R、30Lに対する移動位置、移動量、移動速度を駆動制御手段40に出力する。
尚、図20に示すように、使用者95の腰部にベルト97等によって装着された3軸加速度センサー96(図19参照)を把持部状態検出手段81に含むようにしてもよい。また、3軸加速度センサー96は、無線等によって駆動制御手段40に接続されるようにしてもよい。3軸加速度センサー96は、上述のように、使用者95の歩行における腰部の前後方向、左右方向、及び、鉛直方向の各加速度の測定結果を、無線等により駆動制御手段40に出力するようにしてもよい。
また、駆動制御手段40は、使用者の一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期を「100%」としたときの時間率で1歩行周期における歩行状態の時間率(図21参照)を決定する歩行状態決定部86を有している。歩行状態決定部86は、可動持ち手移動量検出手段81bから入力された各可動持ち手20R、20Lの各レール30R、30Lに対する移動位置、移動量、移動速度から、使用者が各可動持ち手20R、20Lを把持して腕を振って歩行する際の一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期を「100%」としたときの時間率で1歩行周期における歩行状態の時間率(図21参照)を決定する。
例えば、図21に示すように、歩行状態決定部86は、左可動持ち手20Lが前方に移動して最初に、移動速度が「0」になった際には、使用者の右踵が接地した状態、つまり、1歩行周期を「100%」としたときの時間率の初期値とし、1歩行周期における歩行状態の時間率を「0%」とする。そして、歩行状態決定部86は、右可動持ち手20Rが前方に移動して、移動速度が「0」になった際には、使用者の左踵が接地した状態、つまり、1歩行周期を「100%」としたときの時間率の中央値とし、1歩行周期における歩行状態の時間率を「50%」とする。
その後、歩行状態決定部86は、左可動持ち手20Lが前方に移動して、移動速度が「0」になった際には、使用者の右踵が接地した状態、つまり、1歩行周期を「100%」としたときの時間率の最大値とし、1歩行周期における歩行状態の時間率を「100%」とする。そして、歩行状態決定部86は、これを繰り返して、各可動持ち手20R、20Lの各レール30R、30Lに対する移動位置(腕の位置に相当)、移動量(腕振り幅に相当)、移動速度(腕振り速度に相当)から、一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期を「100%」としたときの時間率で1歩行周期における歩行状態の時間率(%)を決定する。従って、時間率(%)は、1歩行周期を「100%」とする。
ここで、使用者の一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率について図21に基づいて説明する。尚、左脚の1歩行周期は、右脚の1歩行周期に対して半周期遅れて同じ動きをするので、以下右脚の1歩行周期について説明する。図21に示すように、右脚の1歩行周期は、右踵が接地してから始まり、この右踵が再び接地するまでを1歩行周期とする。そして、1歩行周期を「100%」としたときの時間率(以下、単に時間率という。)が、「0%」から「60%」までを立脚期とし、右足部が接地した状態である。そして、時間率が、「60%」から「100%」までを遊脚期とし、右足部が離地して、左足部が接地した状態である。
従って、図21に示すように、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率が、「0%」から「10%」のときには、左右の両足部が接地した両足支持の歩行状態である。また、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率が、「10%」から「50%」のときには、左足部が離地して、右足部のみが接地した片足支持の歩行状態である。また、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率が、「50%」から「60%」のときには、再び、左右の両足部が接地した両足支持の歩行状態である。そして、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率が、「60%」から「100%」のときには、右足部が離地して、左足部のみが接地した片足支持の歩行状態である。
また、図20に示すように、歩行状態決定部86は、カメラ55から入力された使用者の歩行画像の画像処理結果と、カメラ55から使用者の脚までの深度情報とから、使用者が各固定持ち手20FR、20FLを把持して歩行する際、若しくは、各可動持ち手20R、20Lの移動がロックされた際の、一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率(図21参照)を決定する。
例えば、歩行状態決定部86は、使用者の右脚が前方に移動して右踵が最初に接地した際に、1歩行周期における歩行状態の時間率を「0%」とする。そして、歩行状態決定部86は、使用者の右脚が前方に移動して左踵が接地した際に、1歩行周期における歩行状態の時間率を「50%」とする。続いて、歩行状態決定部86は、使用者の右脚が後方に移動してつま先が離地した際に、1歩行周期における歩行状態の時間率を「60%」とする。その後、歩行状態決定部86は、使用者の右脚が前方に移動して右踵が接地した際に、1歩行周期における歩行状態の時間率を「100%」として、これを繰り返して、一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率(%)を決定する。
尚、歩行状態決定部86は、3軸加速度センサー96から無線等により入力された使用者95の歩行における腰部の前後方向、左右方向、及び、鉛直方向の各加速度から、使用者が各固定持ち手20FR、20FLを把持して歩行する際、若しくは、各可動持ち手20R、20Lの移動がロックされた際の、一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率(図21参照)を決定するようにしてもよい。ここで、使用者の腰部に装着した3軸加速度センサー96によって、一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率(図21参照)を決定する方法は公知であるので(例えば、特開2017−148287号公報等参照)、説明を省略する。
尚、歩行状態決定部86は、可動持ち手移動量検出手段81bから入力された各可動持ち手20R、20Lの各レール30R、30Lに対する移動位置、移動量、移動速度から、使用者が歩行する際の左脚と右脚のそれぞれについての1歩行周期を「100%」としたときの時間率で1歩行周期における歩行状態の時間率を決定するようにしてもよい。また、歩行状態決定部86は、カメラ55から入力された使用者の歩行画像の画像処理結果と、カメラ55から使用者の左脚と右脚までのそれぞれの深度情報とから、使用者が歩行する際の左脚と右脚のそれぞれについての1歩行周期を「100%」としたときの時間率で1歩行周期における歩行状態の時間率を決定するようにしてもよい。
更に、歩行状態決定部86は、3軸加速度センサー96から無線等により入力された使用者95の歩行における腰部の前後方向、左右方向、及び、鉛直方向の各加速度から、使用者が歩行する際の左脚と右脚のそれぞれについての1歩行周期を「100%」としたときの時間率で1歩行周期における歩行状態の時間率を決定するようにしてもよい。これにより、歩行状態決定部86は、使用者が歩行する際の左脚と右脚のそれぞれについての1歩行周期における歩行状態の時間率を決定することができ、駆動制御手段40は、使用者の歩行状態や身体状態を高精度に把握することが可能となる。
また、図20に示すように、タッチパネル77が、モニター78の表示画面上に配置され、駆動制御手段40に電気的に接続されている。タッチパネル77は、モニター78の表示画面上に配置され、圧力検出方式、抵抗膜方式、静電容量方式、電磁誘導方式等を用いる。従って、タッチパネル77は、使用者の指等がタッチパネル77に接触したことを検出すると、指等が接触したモニター78の表示画面上の座標位置を、圧力、電気抵抗、静電容量、弾性波のエネルギー等の変化により検出して、駆動制御手段40に出力する。
また、駆動制御手段40は、モニター78に表示された複数のトレーニング種類のうち、使用者が選択したトレーニング種類を決定するトレーニング種類決定部87を有している。例えば、後述のように、使用者は、モニター78に表示された複数のトレーニング種類のうち、所望のトレーニング種類を押下した後、確定ボタン90A(図29参照)を押下する。これにより、トレーニング種類決定部87は、使用者がタッチパネル77を押下した位置に表示されているトレーニング種類を選択したと判定(決定)して、実行されるトレーニング種類として不図示のRAMに記憶する(図25参照)。
また、記憶手段44は、目的別負荷パターン記憶部44Aと、筋肉別負荷パターン記憶部44Bと、を有している。目的別負荷パターン記憶部44Aには、トレーニングの目的種類別に予め設定された1歩行周期に対応する複数の目的負荷パターンが記憶されている。例えば、図22に示すように、目的別負荷パターン記憶部44Aには、歩行状態の改善を目的とする複数種類の目的別に設定された複数の目的負荷パターンが記憶されている。
具体的には、目的別負荷パターン記憶部44Aには、「つまずき防止」を目的とする目的負荷パターン101A、「歩行速度向上」を目的とする目的負荷パターン101B、「膝折れ防止」を目的とする目的負荷パターン101C等が記憶されている。具体的には、例えば、「つまずき防止」を目的とする目的負荷パターン101Aは、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率が、0%〜約3%、及び、50%〜約53%において、負荷が急激に増加した後、約3%〜約8%、及び、約53%〜約58%において、負荷が徐々に増加し、その後、約8%〜約15%、及び、約58%〜約65%において、負荷が急激に減少している。
従って、「つまずき防止」を目的とする目的負荷パターン101Aは、図21に示すように両足支持の時に、負荷がかかるように設定されている。その結果、両足支持の際に、歩行支援装置85を安定させることができ、両足支持から片足支持に移行する際の転倒等を抑止することができ、安全に歩行訓練を行うことができる。
また、「歩行速度向上」を目的とする目的負荷パターン101Bは、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率が、20%〜約50%、及び、70%〜約100%において、負荷が順次増加した後、約50%〜約53%、及び、約0%〜約3%において、負荷が急激に減少している。従って、「歩行速度向上」を目的とする目的負荷パターン101Bは、左足又は右足のみが接地している片足支持の際の負荷が、両足が接地している両足支持の際の負荷よりも大きくなるように設定されている。
この結果、片足のみが接地した片足支持の際は、両足が接地した両足支持の際に比べ身体バランスを崩しやすい状態であるが、片足支持の際の負荷(第1負荷)を両足支持の際の負荷(第2負荷)よりも大きくすることによって、片足支持の際の歩行支援装置85を安定させることができる。これにより、使用者の歩行速度を速める歩行訓練の際の転倒を抑止することができ、歩行訓練の安全性を高めることができる。
また、筋肉別負荷パターン記憶部44Bには、脚の筋肉の種類別に予め設定された1歩行周期に対応する複数の負荷パターンが記憶されている。例えば、図23に示すように、筋肉別負荷パターン記憶部44Bには、左脚と右脚の筋肉を個別に鍛えることを目的とする複数種類の脚の筋肉別に設定された各筋肉負荷パターン102A〜102E等が記憶されている。例えば、筋肉負荷パターン102Aは、左脚と右脚の「内側広筋と外側広筋」を鍛えることを目的とし、筋肉負荷パターン102Bは、左脚と右脚の「大腿直筋」を鍛えることを目的とし、筋肉負荷パターン102Cは、左脚と右脚の「大腿二頭筋」を鍛えることを目的とする。また、筋肉負荷パターン102Dは、左脚と右脚の「前脛骨筋」を鍛えることを目的とし、筋肉負荷パターン102Eは、左脚と右脚の「ヒラメ筋」を鍛えることを目的とする。
具体的には、例えば、筋肉負荷パターン102Aは、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率が、0%〜約3%、及び、50%〜約53%において、負荷が急激に増加した後、約3%〜約12%、及び、約53%〜約62%において、負荷が徐々に増加し、その後、約12%〜約15%、及び、約62%〜約65%において、負荷が急激に減少している。従って、筋肉負荷パターン102Aは、図21に示すように、両足支持の状態、及び、片足支持に移行する時に、負荷がかかるように設定されている。
●[全体処理の手順を説明するフローチャート(図24)]
次に、上記のように構成された歩行支援装置85の駆動制御手段40の処理手順について図24乃至図28のフローチャートを用いて説明する。図24は、歩行支援装置85の駆動制御手段40における全体処理を示す図である。図24に示すように、歩行支援装置85の駆動制御手段40が実行する全体処理は、第1実施形態に係る歩行支援装置10の駆動制御手段40が実行する全体処理(図10参照)とほぼ同じ処理手順である。
但し、ステップS120において、駆動制御手段40は、判定した動作モードがトレーニングモード4(TR4)の場合(S120:YES)は、上記ステップS400に替えて、ステップS210に進む。ステップS210おいて、駆動制御手段40は、後述の「トレーニング種類選択処理」のサブ処理を実行した後、ステップS1400に進む。ステップS1400において、駆動制御手段40は、後述の「トレーニングモード4における処理2」のサブ処理を実行した後、上記ステップS180に進む点で異なっている。
また、ステップS140において、駆動制御手段40は、判定した動作モードがトレーニングモード3(TR3)の場合(S140:YES)は、上記ステップS600に替えて、ステップS210に進む。ステップS210おいて、駆動制御手段40は、後述の「トレーニング種類選択処理」のサブ処理を実行した後、ステップS1500に進む。ステップS1500において、駆動制御手段40は、後述の「トレーニングモード3における処理2」のサブ処理を実行した後、上記ステップS180に進む点で異なっている。
また、ステップS150において、駆動制御手段40は、判定した動作モードがトレーニングモード1(TR1)の場合(S150:YES)は、上記ステップS700に替えて、ステップS210に進む。ステップS210おいて、駆動制御手段40は、後述の「トレーニング種類選択処理」のサブ処理を実行した後、ステップS1600に進む。ステップS1600において、駆動制御手段40は、後述の「トレーニングモード1における処理2」のサブ処理を実行した後、上記ステップS180に進む点で異なっている。
●[トレーニング種類選択処理(ステップS210)]
次に、前記ステップS210において、駆動制御手段40が実行する「トレーニング種類選択処理」のサブ処理について図25に基づいて説明する。図25に示すように、ステップS1011において、駆動制御手段40は、トレーニング種類を選択済みであるか否かを判定する。具体的には、駆動制御手段40は、不図示のRAMから通常トレーニングの選択を示す通常フラグと、目的別トレーニングの選択を示す目的別フラグと、筋肉別トレーニングの選択を示す筋肉別フラグと、を読み出し、いずれかのフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する。
尚、歩行支援装置85の駆動制御手段40は、起動時に、通常フラグ、目的別フラグ、及び、筋肉別フラグを「OFF」に設定して、不図示のRAMに記憶する。また、歩行支援装置85の駆動制御手段40は、使用者によるモード手動切替手段76aの手動操作によって、歩行支援装置85における動作モードが切り替えられた際に、通常フラグ、目的別フラグ、及び、筋肉別フラグを「OFF」に設定して、不図示のRAMに再度記憶する。
そして、駆動制御手段40は、トレーニング種類を選択済みであると判定した場合、つまり、通常フラグ、目的別フラグ、又は、筋肉別フラグのうち、いずれかのフラグがONに設定されていると判定した場合には(S1011:YES)、当該サブ処理を終了する。
一方、トレーニング種類を選択済みでないと判定した場合、つまり、通常フラグ、目的別フラグ、及び、筋肉別フラグが全てOFFに設定されていると判定した場合には(S1011:NO)、駆動制御手段40は、ステップS1012に進む。ステップS1012において、駆動制御手段40は、トレーニング種類選択画面88A(図29参照)をモニター78に表示する。
ここで、トレーニング種類選択画面88Aの一例について図29に基づいて説明する。図29に示すように、モニター78の表示画面には、トレーニング種類を表す「通常トレーニング」、「目的別トレーニング」、及び、「筋肉別トレーニング」の各文字が上下方向に配置されて表示される。また、各選択ボタン91A〜91Cが、「通常トレーニング」、「目的別トレーニング」、及び、「筋肉別トレーニング」の各文字の左側に配置され、白丸で表示される。更に、確定ボタン90Aが、「筋肉別トレーニング」の文字の右下に配置されて表示される。
例えば、「通常トレーニング」は、上記第1実施形態に係る歩行支援装置10において実行されたトレーニングであり、使用者が歩行している間、一定の負荷を付与するトレーニングである。「目的別トレーニング」は、歩行状態の改善を目的とする複数種類の目的別に設定されたトレーニングである。「筋肉別トレーニング」は、脚の筋肉を個別に鍛えることを目的とする複数種類の脚の筋肉別に設定されたトレーニングである。
また、駆動制御手段40は、各選択ボタン91A〜91Cのうち、いずれかがタッチパネル77(図20参照)を介して押下された場合には、押下された選択ボタンの中に黒丸を表示して、黒丸の右側に表示されるトレーニングが選択された旨を使用者に報知する。
続いて、図25に示すように、ステップS1013において、駆動制御手段40は、確定ボタン90Aがタッチパネル77(図20参照)を介して押下されたか否かを判定する。そして、確定ボタン90Aが押下されていないと判定した場合には(S1013:NO)、駆動制御手段40は、再度ステップS1012以降の処理を実行する。
一方、確定ボタン90Aがタッチパネル77を介して押下されたと判定した場合には(S1013:YES)、駆動制御手段40は、各選択ボタン91A〜91Cのうち、黒丸が表示されている選択ボタンの右側に表示されているトレーニングを選択されたトレーニングとして不図示のRAMに記憶した後、ステップS1014に進む。例えば、図29に示すように、選択ボタン91Aが押下されて黒丸が表示された状態で、確定ボタン90Aが押下された場合には、駆動制御手段40は、「通常トレーニング」を選択されたトレーニングとして不図示のRAMに記憶した後、ステップS1014に進む。従って、ステップS1012〜ステップS1013の処理は、トレーニング種類決定部87(図20参照)の一例として機能する。
ステップS1014において、駆動制御手段40は、不図示のRAMから選択されたトレーニングを読み出し、「通常トレーニング」であるか否かを判定する。そして、選択されたトレーニングが「通常トレーニング」であると判定した場合には(S1014:YES)、駆動制御手段40は、ステップS1015に進む。ステップS1015において、駆動制御手段40は、不図示のRAMから通常フラグを読み出し、通常フラグをONに設定して、再度不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了する。
一方、選択されたトレーニングが「通常トレーニング」でないと判定した場合には(S1014:NO)、駆動制御手段40は、ステップS1016に進む。ステップS1016において、駆動制御手段40は、選択されたトレーニングが「目的別トレーニング」であるか否かを判定する。そして、選択されたトレーニングが「目的別トレーニング」であると判定した場合には(S1016:YES)、駆動制御手段40は、ステップS1017に進む。ステップS1017において、駆動制御手段40は、不図示のRAMから目的別フラグを読み出し、目的別フラグをONに設定して、再度不図示のRAMに記憶した後、ステップS1018に進む。
ステップS1018において、駆動制御手段40は、目的別トレーニング選択画面88B(図30参照)をモニター78に表示する。ここで、目的別トレーニング選択画面88Bの一例について図30に基づいて説明する。図30に示すように、モニター78の表示画面には、歩行状態の改善を目的とする複数種類のトレーニングの目的が上下方向に配置されて表示される。
例えば、トレーニングの目的を表す「つまずき防止」、「歩行速度向上」、及び、「膝折れ防止」の各文字が上下方向に配置されて表示される。また、各選択ボタン92A〜92Cが、「つまずき防止」、「歩行速度向上」、及び、「膝折れ防止」の各文字の左側に配置され、白丸で表示される。更に、確定ボタン90Aが、「膝折れ防止」の文字の右下に配置されて表示される。
また、駆動制御手段40は、各選択ボタン92A〜92Cのうち、いずれかがタッチパネル77(図20参照)を介して押下された場合には、押下された選択ボタンの中に黒丸を表示して、黒丸の右側に表示されるトレーニングの目的が選択された旨を使用者に報知する。
続いて、図25に示すように、ステップS1019において、駆動制御手段40は、確定ボタン90Aがタッチパネル77(図20参照)を介して押下されたか否かを判定する。そして、確定ボタン90Aが押下されていないと判定した場合には(S1019:NO)、駆動制御手段40は、再度ステップS1018以降の処理を実行する。
一方、確定ボタン90Aがタッチパネル77を介して押下されたと判定した場合には(S1019:YES)、駆動制御手段40は、各選択ボタン92A〜92Cのうち、黒丸が表示されている選択ボタンの右側に表示されているトレーニングの目的を選択されたトレーニングの目的として不図示のRAMに記憶した後、ステップS1020に進む。例えば、図30に示すように、選択ボタン92Aが押下されて黒丸が表示された状態で、確定ボタン90Aが押下された場合には、駆動制御手段40は、「つまずき防止」を選択されたトレーニングの目的として不図示のRAMに記憶した後、ステップS1020に進む。
ステップS1020において、駆動制御手段40は、選択されたトレーニングの目的を再度RAMから読み出し、このトレーニングの目的に対応して予め設定された目的負荷パターンを、記憶手段44に設けられた目的別負荷パターン記憶部44A(図20参照)から読み出し、実行する目的負荷パターンとして不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了する。例えば、図30に示すように、選択されたトレーニングの目的が「つまずき防止」の場合には、駆動制御手段40は、図22に示すように、「つまずき防止」に対応する目的負荷パターン101Aを目的別負荷パターン記憶部44A(図20参照)から読み出し、実行する目的負荷パターンとして不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了する。
他方、前記ステップS1016で、選択されたトレーニングが「目的別トレーニング」でないと判定した場合には(S1016:NO)、駆動制御手段40は、ステップS1021に進む。ステップS1021において、駆動制御手段40は、不図示のRAMから筋肉別フラグを読み出し、筋肉別フラグをONに設定して、再度不図示のRAMに記憶した後、ステップS1022に進む。
ステップS1022において、駆動制御手段40は、筋肉別トレーニング選択画面88C(図31参照)をモニター78に表示する。ここで、筋肉別トレーニング選択画面88Cの一例について図31に基づいて説明する。図31に示すように、モニター78の表示画面の中央部には、脚の筋肉を個別に鍛えることを目的とする複数種類のトレーニングの対象となる筋肉名が上下方向に配置されて、選択可能に表示される選択ウインドウ88Dが表示される。
例えば、選択ウインドウ88Dには、トレーニング対象の筋肉を表す「内側広筋と外側広筋」、「大腿直筋」、「大腿二頭筋」、「前脛骨筋」、「ヒラメ筋」等の各筋肉名が上下方向に配置されて、選択可能に表示される。また、各選択ボタン93A〜93E等が、「内側広筋と外側広筋」、「大腿直筋」、「大腿二頭筋」、「前脛骨筋」、「ヒラメ筋」等の各筋肉名の左側に配置され、白丸で表示される。更に、確定ボタン90Aが、選択ウインドウ88Dの右下に配置されて表示される。
また、駆動制御手段40は、各選択ボタン93A〜93E等のうち、いずれかがタッチパネル77(図20参照)を介して押下された場合には、押下された選択ボタンの中に黒丸を表示して、黒丸の右側に表示される筋肉名の脚の筋肉がトレーニングの対象として選択された旨を使用者に報知する。
続いて、図25に示すように、ステップS1023において、駆動制御手段40は、確定ボタン90Aがタッチパネル77(図20参照)を介して押下されたか否かを判定する。そして、確定ボタン90Aが押下されていないと判定した場合には(S1023:NO)、駆動制御手段40は、再度ステップS1022以降の処理を実行する。
一方、確定ボタン90Aがタッチパネル77を介して押下されたと判定した場合には(S1023:YES)、駆動制御手段40は、各選択ボタン93A〜93E等のうち、黒丸が表示された選択ボタンの右側に表示されている筋肉名の脚の筋肉を、選択されたトレーニング対象の筋肉として不図示のRAMに記憶した後、ステップS1024に進む。例えば、図31に示すように、選択ボタン93Aが押下されて黒丸が表示された状態で、確定ボタン90Aが押下された場合には、駆動制御手段40は、「内側広筋と外側広筋」を選択されたトレーニング対象の筋肉として不図示のRAMに記憶した後、ステップS1024に進む。
ステップS1024において、駆動制御手段40は、選択されたトレーニング対象の筋肉を再度RAMから読み出し、このトレーニング対象の筋肉を鍛えることを目的とする筋肉負荷パターンを、記憶手段44に設けられた筋肉別負荷パターン記憶部44B(図20参照)から読み出し、実行する筋肉負荷パターンとして不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了する。例えば、図31に示すように、選択されたトレーニング対象の筋肉が「内側広筋と外側広筋」の場合には、駆動制御手段40は、図23に示すように、「内側広筋と外側広筋」に対応する筋肉負荷パターン102Aを筋肉別負荷パターン記憶部44B(図20参照)から読み出し、実行する筋肉負荷パターンとして不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了する。
●[トレーニングモード4における処理2(ステップS1400)]
次に、前記ステップS1400において、駆動制御手段40が実行する「トレーニングモード4における処理2」のサブ処理について図26に基づいて説明する。尚、回生電力回収手段65は動作させており、使用者の作用力に応じて歩行支援装置85に対してアシスト力を発生させない。
図26に示すように、ステップS1411において、駆動制御手段40は、不図示のRAMから通常トレーニングの選択を示す通常フラグを読み出し、通常フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する。そして、通常フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S1411:YES)、駆動制御手段40は、ステップS1412に進む。
ステップS1412〜ステップS1414において、駆動制御手段40は、前記ステップS410〜ステップS430(図11参照)の処理を実行した後、当該サブ処理を終了し、全体処理(図24参照)へ戻る。
従って、使用者が前記ステップS210で「通常トレーニング」を選択した場合には、駆動制御手段40は、トレーニングモード4(TR4)(図8参照)において、回生電力回収手段65(図20参照)を動作させながら一定負荷で歩行支援装置85を進行させる。その結果、使用者は、アシストモード1(AM1)(図8参照)と比較して、歩行支援装置85を進行させるために、より強い力で歩行支援装置85を押したり又は引いたりして歩行する必要がある。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)に対して負荷を付与することができる。
一方、前記ステップS1411で、通常フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S1411:NO)、駆動制御手段40は、ステップS1415に進む。ステップS1415において、駆動制御手段40(歩行状態決定部86(図20参照))は、カメラ55(図20参照)から入力された使用者の歩行画像の画像処理結果と、カメラ55から使用者の脚までの深度情報とから、使用者が各固定持ち手20FR、20FLを把持して歩行する際の、一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率(図21参照)を決定して、現在の歩行状態の時間率として不図示のRAMに記憶した後、ステップS1416に進む。
尚、駆動制御手段40(歩行状態決定部86(図20参照))は、3軸加速度センサー96(図20参照)から無線等により入力された使用者95の歩行における腰部の前後方向、左右方向、及び、鉛直方向の各加速度から、使用者が各固定持ち手20FR、20FLを把持して歩行する際の、一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率(図21参照)を決定して、不図示のRAMに記憶した後、ステップS1416に進むようにしてもよい。
ステップS1416において、駆動制御手段40は、不図示のRAMから目的別トレーニングの選択を示す目的別フラグを読み出し、目的別フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する。そして、目的別フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S1416:YES)、駆動制御手段40は、ステップS1417に進む。ステップS1417において、駆動制御手段40は、固定持ち手作用力検出手段81cからの情報に基づき各固定持ち手20FR、20FLへの使用者の作用力が前方向であるか否かを判定する。
そして、固定持ち手作用力検出手段81cからの情報に基づき各固定持ち手20FR、20FLへの使用者の作用力が前方向であると判定した場合には(S1417:YES)、駆動制御手段40は、ステップS1418に進む。ステップS1418において、駆動制御手段40は、前記ステップS1415で不図示のRAMに記憶した現在の歩行状態の時間率を読み出す。そして、駆動制御手段40は、前記ステップS1020で不図示のRAMに記憶した目的負荷パターンから、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を読み出し、この負荷に応じた目標前進速度(VfdR、VfdL)を算出して、不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了し、全体処理(図24参照)へ戻る。
一方、固定持ち手作用力検出手段81cからの情報に基づき各固定持ち手20FR、20FLへの使用者の作用力が前方向でない、つまり、後方向であると判定した場合には(S1417:NO)、駆動制御手段40は、ステップS1419に進む。ステップS1419において、駆動制御手段40は、前記ステップS1415で不図示のRAMに記憶した現在の歩行状態の時間率を読み出す。そして、駆動制御手段40は、前記ステップS1020で不図示のRAMに記憶した目的負荷パターンから、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を読み出し、この負荷に応じた目標後進速度(VbdR、VbdL)を算出して、不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了し、全体処理(図24参照)へ戻る。
従って、使用者が前記ステップS1018〜ステップS1019で、トレーニングの目的を選択した場合には、駆動制御手段40は、選択されたトレーニング目的に対応する目的負荷パターンに基づいて、回生電力回収手段65(図20参照)を動作させながら、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷で歩行支援装置85を進行させる。
その結果、使用者は、歩行支援装置85を進行させるために、トレーニング目的に応じた負荷に対応して、各固定持ち手20FR、20FLを把持して歩行支援装置85を押したり又は引いたりして歩行する必要がある。これにより、使用者は、「つまずき防止」等のトレーニング目的を選択することによって、所望するトレーニング目的に対応する脚の筋肉に最適なタイミングで負荷を掛けることが可能となり、トレーニング目的に対応する脚の筋肉を効果的に鍛えることができる。
一方、前記ステップS1416で目的別フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S1416:NO)、駆動制御手段40は、筋肉別フラグが「ON」に設定されていると判定して、ステップS1420に進む。ステップS1420において、駆動制御手段40は、固定持ち手作用力検出手段81cからの情報に基づき各固定持ち手20FR、20FLへの使用者の作用力が前方向であるか否かを判定する。
そして、固定持ち手作用力検出手段81cからの情報に基づき各固定持ち手20FR、20FLへの使用者の作用力が前方向であると判定した場合には(S1420:YES)、駆動制御手段40は、ステップS1421に進む。ステップS1421において、駆動制御手段40は、前記ステップS1415で不図示のRAMに記憶した現在の歩行状態の時間率を読み出す。そして、駆動制御手段40は、前記ステップS1024で不図示のRAMに記憶した筋肉負荷パターンから、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を読み出し、この負荷に応じた目標前進速度(VfdR、VfdL)を算出して、不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了し、全体処理(図24参照)へ戻る。
一方、固定持ち手作用力検出手段81cからの情報に基づき各固定持ち手20FR、20FLへの使用者の作用力が前方向でない、つまり、後方向であると判定した場合には(S1420:NO)、駆動制御手段40は、ステップS1422に進む。ステップS1422において、駆動制御手段40は、前記ステップS1415で不図示のRAMに記憶した現在の歩行状態の時間率を読み出す。そして、駆動制御手段40は、前記ステップS1024で不図示のRAMに記憶した筋肉負荷パターンから、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を読み出し、この負荷に応じた目標後進速度(VbdR、VbdL)を算出して、不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了し、全体処理(図24参照)へ戻る。
従って、使用者が前記ステップS1022〜ステップS1023で、トレーニング対象の筋肉を選択した場合には、駆動制御手段40は、選択されたトレーニング対象の筋肉に対応する筋肉負荷パターンに基づいて、回生電力回収手段65(図20参照)を動作させながら、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷で歩行支援装置85を進行させる。
その結果、使用者は、歩行支援装置85を進行させるために、トレーニング対象の筋肉に応じた負荷に対応して、各固定持ち手20FR、20FLを把持して歩行支援装置85を押したり又は引いたりして歩行する必要がある。これにより、使用者は、「内側広筋と外側広筋」等の鍛えたい脚の筋肉を選択することによって、脚の鍛えたい筋肉に最適なタイミングで負荷を掛けることが可能となり、脚の鍛えたい筋肉を効果的に鍛えることができる。
●[トレーニングモード3における処理2(ステップS1500)]
次に、前記ステップS1500において、駆動制御手段40が実行する「トレーニングモード3における処理2」のサブ処理について図27に基づいて説明する。尚、回生電力回収手段65は動作させており、使用者の作用力に応じて歩行支援装置85に対してアシスト力を発生させない。
図27に示すように、ステップS1511において、駆動制御手段40は、前記ステップS610の処理を実行して、ステップS1512に進む。具体的には、駆動制御手段40は、各持ち手移動制限手段35R、35Lを駆動して、各レール30R、30Lに対する、即ち、フレーム50に対する各可動持ち手20R、20Lの移動を制限(ロック)して、所定の位置に固定して、ステップS1512に進む。
ステップS1512において、駆動制御手段40は、不図示のRAMから通常トレーニングの選択を示す通常フラグを読み出し、通常フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する。そして、通常フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S1512:YES)、駆動制御手段40は、ステップS1513に進む。ステップS1513〜ステップS1515において、駆動制御手段40は、前記ステップS620〜ステップS640(図11参照)の処理を実行した後、当該サブ処理を終了し、全体処理(図24参照)へ戻る。
従って、使用者が前記ステップS210で「通常トレーニング」を選択した場合には、駆動制御手段40は、トレーニングモード3(TR3)(図8参照)において、回生電力回収手段65(図20参照)を動作させながら一定負荷で歩行支援装置85を進行させる。その結果、使用者は、アシストモード2(AM2)(図8参照)と比較して、歩行支援装置85を進行させるために、より強い力で歩行支援装置85を押したり又は引いたりして歩行する必要がある。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)に対して負荷を付与することができる。
一方、前記ステップS1512で、通常フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S1512:NO)、駆動制御手段40は、ステップS1516に進む。ステップS1516において、駆動制御手段40(歩行状態決定部86(図20参照))は、カメラ55(図20参照)から入力された使用者の歩行画像の画像処理結果と、カメラ55から使用者の脚までの深度情報とから、使用者が各可動持ち手20R、20Lを把持して歩行する際の、一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率(図21参照)を決定して、現在の歩行状態の時間率として不図示のRAMに記憶した後、ステップS1517に進む。
尚、駆動制御手段40(歩行状態決定部86(図20参照))は、3軸加速度センサー96(図20参照)から無線等により入力された使用者95の歩行における腰部の前後方向、左右方向、及び、鉛直方向の各加速度から、使用者が各可動持ち手20R、20Lを把持して歩行する際の、一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率(図21参照)を決定して、不図示のRAMに記憶した後、ステップS1517に進むようにしてもよい。
ステップS1517において、駆動制御手段40は、不図示のRAMから目的別トレーニングの選択を示す目的別フラグを読み出し、目的別フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する。そして、目的別フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S1517:YES)、駆動制御手段40は、ステップS1518に進む。ステップS1518において、駆動制御手段40は、可動持ち手作用力検出手段81aからの情報に基づき各可動持ち手20R、20Lへの使用者の作用力が前方向であるか否かを判定する。
そして、可動持ち手作用力検出手段81aからの情報に基づき各可動持ち手20R、20Lへの使用者の作用力が前方向であると判定した場合には(S1518:YES)、駆動制御手段40は、ステップS1519に進む。ステップS1519において、駆動制御手段40は、前記ステップS1516で不図示のRAMに記憶した現在の歩行状態の時間率を読み出す。そして、駆動制御手段40は、前記ステップS1020で不図示のRAMに記憶した目的負荷パターンから、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を読み出し、この負荷に応じた目標前進速度(VfdR、VfdL)を算出して、不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了し、全体処理(図24参照)へ戻る。
一方、可動持ち手作用力検出手段81aからの情報に基づき各可動持ち手20R、20Lへの使用者の作用力が前方向でない、つまり、後方向であると判定した場合には(S1518:NO)、駆動制御手段40は、ステップS1520に進む。ステップS1520において、駆動制御手段40は、前記ステップS1516で不図示のRAMに記憶した現在の歩行状態の時間率を読み出す。そして、駆動制御手段40は、前記ステップS1020で不図示のRAMに記憶した目的負荷パターンから、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を読み出し、この負荷に応じた目標後進速度(VbdR、VbdL)を算出して、不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了し、全体処理(図24参照)へ戻る。
従って、使用者が前記ステップS1018〜ステップS1019で、トレーニングの目的を選択した場合には、駆動制御手段40は、選択されたトレーニング目的に対応する目的負荷パターンに基づいて、回生電力回収手段65(図20参照)を動作させながら、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷で歩行支援装置85を進行させる。
その結果、使用者は、歩行支援装置85を進行させるために、トレーニング目的に応じた負荷に対応して、固定された各可動持ち手20R、20Lを把持して歩行支援装置85を押したり又は引いたりして歩行する必要がある。これにより、使用者は、「つまずき防止」等のトレーニング目的を選択することによって、所望するトレーニング目的に対応する脚の筋肉に最適なタイミングで負荷を掛けることが可能となり、トレーニング目的に対応する脚の筋肉を効果的に鍛えることができる。
一方、前記ステップS1517で目的別フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S1517:NO)、駆動制御手段40は、筋肉別フラグが「ON」に設定されていると判定して、ステップS1521に進む。ステップS1521において、駆動制御手段40は、可動持ち手作用力検出手段81aからの情報に基づき各可動持ち手20R、20Lへの使用者の作用力が前方向であるか否かを判定する。
そして、可動持ち手作用力検出手段81aからの情報に基づき各可動持ち手20R、20Lへの使用者の作用力が前方向であると判定した場合には(S1521:YES)、駆動制御手段40は、ステップS1522に進む。ステップS1522において、駆動制御手段40は、前記ステップS1516で不図示のRAMに記憶した現在の歩行状態の時間率を読み出す。そして、駆動制御手段40は、前記ステップS1024で不図示のRAMに記憶した筋肉負荷パターンから、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を読み出し、この負荷に応じた目標前進速度(VfdR、VfdL)を算出して、不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了し、全体処理(図24参照)へ戻る。
一方、可動持ち手作用力検出手段81aからの情報に基づき各可動持ち手20R、20Lへの使用者の作用力が前方向でない、つまり、後方向であると判定した場合には(S1521:NO)、駆動制御手段40は、ステップS1523に進む。ステップS1523において、駆動制御手段40は、前記ステップS1516で不図示のRAMに記憶した現在の歩行状態の時間率を読み出す。そして、駆動制御手段40は、前記ステップS1024で不図示のRAMに記憶した筋肉負荷パターンから、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を読み出し、この負荷に応じた目標後進速度(VbdR、VbdL)を算出して、不図示のRAMに記憶した後、当該サブ処理を終了し、全体処理(図24参照)へ戻る。
従って、使用者が前記ステップS1022〜ステップS1023で、トレーニング対象の筋肉を選択した場合には、駆動制御手段40は、選択されたトレーニング対象の筋肉に対応する筋肉負荷パターンに基づいて、回生電力回収手段65(図20参照)を動作させながら、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷で歩行支援装置85を進行させる。
その結果、使用者は、歩行支援装置85を進行させるために、トレーニング対象の筋肉に応じた負荷に対応して、固定された各可動持ち手20R、20Lを把持して歩行支援装置85を押したり又は引いたりして歩行する必要がある。これにより、使用者は、「内側広筋と外側広筋」等の鍛えたい脚の筋肉を選択することによって、脚の鍛えたい筋肉に最適なタイミングで負荷を掛けることが可能となり、脚の鍛えたい筋肉を効果的に鍛えることができる。
●[トレーニングモード1における処理2(ステップS1600)]
次に、前記ステップS1600において、駆動制御手段40が実行する「トレーニングモード1における処理2」のサブ処理について図28に基づいて説明する。尚、回生電力回収手段65は動作させており、使用者の作用力に対してアシスト力を発生させない。図28に示すように、ステップS1611において、駆動制御手段40は、前記ステップS705の処理を実行して、ステップS1612に進む。具体的には、駆動制御手段40は、記憶手段44から歩行支援装置85の進行速度(VdR、VdL)を取得して、不図示のRAMに記憶した後、ステップS1612に進む。
ステップS1612において、駆動制御手段40は、不図示のRAMから通常トレーニングの選択を示す通常フラグを読み出し、通常フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する。そして、通常フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S1612:YES)、駆動制御手段40は、ステップS1613に進む。ステップS1613において、駆動制御手段40は、前記ステップS710の処理を実行した後、後述のステップS1618に進む。具体的には、駆動制御手段40は、各可動持ち手20R、20Lの移動に負荷量・アシスト量変更手段74(図20参照)により導出された負荷量の負荷を付与するように各モータ32R、32Lを制御して、後述のステップS1618に進む。
従って、使用者が前記ステップS210で「通常トレーニング」を選択した場合には、駆動制御手段40は、トレーニングモード1(TR1)(図8参照)において、回生電力回収手段65(図20参照)を動作させると共に、各可動持ち手20R、20Lの前後方向の移動に対して各モータ32R、32Lにより一定の負荷を付与して、歩行支援装置85を進行させる。
その結果、使用者は、トレーニングモード2(TR2)(図8参照)と比較して、歩行支援装置85を進行させるために、より強い力で各可動持ち手20R、20Lを前後に動かす必要がある。これにより、使用者の歩行に伴う使用者の身体の動作(腕振り歩行)に対して負荷を付与することができる。また、ノルディックウォーク等のストックを突いて歩行している状態を模擬することが可能となり、脚に同期させて正しく腕を振る、より質の高い自然な歩行により脚の筋肉を鍛えるトレーニングを行うことができる。
一方、前記ステップS1612で、通常フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S1612:NO)、駆動制御手段40は、ステップS1614に進む。ステップS1614において、駆動制御手段40(歩行状態決定部86(図20参照))は、可動持ち手移動量検出手段81bから入力された各可動持ち手20R、20Lの各レール30R、30Lに対する移動位置、移動量、移動速度から、使用者が各可動持ち手20R、20Lを把持して腕を振って歩行する際の一方の脚、例えば、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率(図21参照)を決定して、現在の歩行状態の時間率として不図示のRAMに記憶した後、ステップS1615に進む。
ステップS1615において、駆動制御手段40は、不図示のRAMから目的別トレーニングの選択を示す目的別フラグを読み出し、目的別フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する。そして、目的別フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S1615:YES)、駆動制御手段40は、ステップS1616に進む。
ステップS1616において、駆動制御手段40は、前記ステップS1614で不図示のRAMに記憶した現在の歩行状態の時間率を読み出す。そして、駆動制御手段40は、前記ステップS1020で不図示のRAMに記憶した目的負荷パターンから、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を読み出す。続いて、駆動制御手段40は、回生電力回収手段65(図20参照)を動作させながら、各可動持ち手20R、20Lの移動に対して、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を付与するようにモータ32R、32Lを制御して、後述のステップS1618に進む。
従って、使用者が前記ステップS1018〜ステップS1019で、トレーニングの目的を選択した場合には、駆動制御手段40は、選択されたトレーニング目的に対応する目的負荷パターンに基づいて、回生電力回収手段65(図20参照)を動作させながら、各可動持ち手20R、20Lの前後方向の移動に対して、各モータ32R、32Lにより現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を付与して、歩行支援装置85を進行させる。
その結果、使用者は、歩行支援装置85を進行させるために、トレーニング目的に応じた負荷に対応して、各可動持ち手20R、20Lを前後に動かして歩行し、歩行支援装置85を前方に押す必要がある。これにより、使用者は、「つまずき防止」等のトレーニング目的を選択することによって、所望するトレーニング目的に対応する脚の筋肉に最適なタイミングで負荷を掛けることが可能となり、トレーニング目的に対応する脚の筋肉を効果的に鍛えることができる。また、ノルディックウォーク等のストックを突いて歩行している状態を模擬することが可能となり、脚に同期させて正しく腕を振る、より質の高い自然な歩行によって、トレーニング目的に対応する脚の筋肉を効果的に鍛えるトレーニングを行うことができる。
一方、前記ステップS1615で目的別フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S1615:NO)、駆動制御手段40は、筋肉別フラグが「ON」に設定されていると判定して、ステップS11617に進む。ステップS11617において、駆動制御手段40は、前記ステップS1614で不図示のRAMに記憶した現在の歩行状態の時間率を読み出す。
そして、駆動制御手段40は、前記ステップS1024で不図示のRAMに記憶した筋肉負荷パターンから、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を読み出す。続いて、駆動制御手段40は、回生電力回収手段65(図20参照)を動作させながら、各可動持ち手20R、20Lの移動に対して、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を付与するようにモータ32R、32Lを制御して、後述のステップS1618に進む。
従って、使用者が前記ステップS1022〜ステップS1023で、トレーニング対象の筋肉を選択した場合には、駆動制御手段40は、選択されたトレーニング対象の筋肉に対応する筋肉負荷パターンに基づいて、回生電力回収手段65(図20参照)を動作させながら、各可動持ち手20R、20Lの前後方向の移動に対して、各モータ32R、32Lにより現在の歩行状態の時間率に対応する負荷を付与して、歩行支援装置85を進行させる。
その結果、使用者は、歩行支援装置85を進行させるために、トレーニング対象の筋肉に応じた負荷に対応して、各可動持ち手20R、20Lを前後に動かして歩行し、歩行支援装置85を前方に押す必要がある。これにより、使用者は、「内側広筋と外側広筋」等の鍛えたい脚の筋肉を選択することによって、脚の鍛えたい筋肉に最適なタイミングで負荷を掛けることが可能となり、脚の鍛えたい筋肉を効果的に鍛えることができる。また、ノルディックウォーク等のストックを突いて歩行している状態を模擬することが可能となり、脚に同期させて正しく腕を振る、より質の高い自然な歩行によって、脚の鍛えたい筋肉を効果的に鍛えるトレーニングを行うことができる。
続いて、図28に示すように、ステップS1618〜ステップS1622において、駆動制御手段40は、前記ステップS715〜ステップS735(図13参照)の処理を実行する。そして、ステップS1623において、駆動制御手段40は、前記ステップS1200(図15参照)の処理を実行する。その後、ステップS1624〜ステップS1628において、駆動制御手段40は、前記ステップS740〜ステップS760(図13参照)の処理を実行する。
そして、ステップS1629において、駆動制御手段40は、前記ステップS1300(図15参照)の処理を実行する。続いて、ステップS1630〜ステップS1634において、駆動制御手段40は、前記ステップS765〜ステップS785(図13参照)の処理を実行した後、当該サブ処理を終了し、全体処理(図24参照)へ戻る。
●[本発明の効果]
以上に説明したように、歩行支援装置の動作モードをトレーニングモードに切り替えた場合において、使用者が把持部を把持して歩行支援装置を前進又は後進させた場合、歩行支援装置は、歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行、腕の振り)に対して負荷を付与することができる。また、アシストモードに切り替えた場合において、使用者が把持部を把持して歩行支援装置を前進又は後進させた場合、歩行支援装置は、歩行に伴う使用者の身体の動作(歩行)に対して負荷を軽減することができる。これにより、使用者の歩行を支援すると同時に、適度な負荷を付与して使用者の体力の減衰を抑制(体力維持)することができる。
本発明の、歩行支援装置は、前記第1実施形態及び前記第2実施形態で説明した構成、構造、形状、処理手順等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
(A)前記第1実施形態及び前記第2実施形態では、各歩行支援装置10、85を四輪車として2個の駆動輪を設けた例を説明したが、歩行支援装置を三輪車にして、左右の二輪を駆動輪とし、残りの一輪をキャスタ輪としてもよい。また、本発明は、自立歩行を支援する歩行車、高齢者の歩行を補助するとともに荷物を積載可能なシルバーカー、手押し車にも適用できる。
(B)前記第1実施形態及び前記第2実施形態の説明では、評価速度の算出を積分を用いて算出したが、その他の方法により求めてもよい。
(C)前記第2実施形態に係る歩行支援装置85では、駆動制御手段40は、3軸加速度・角速度センサー52によって歩行支援装置85が進行している傾斜面の傾斜角を検出する。そして、駆動制御手段40は、歩行支援装置85が傾斜面を進行している場合には、各トレーニングモード1、3、4において、回生電力回収手段65や、各モータ32R、32Lによる負荷を傾斜面の傾斜角に応じて調整するようにしてもよい。
例えば、歩行支援装置85が上り傾斜面を進行している場合には、駆動制御手段40は、各トレーニングモード1、3、4において、回生電力回収手段65や、各モータ32R、32Lによる負荷を傾斜角に応じて、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷よりも減少させるようにしてもよい。
また、歩行支援装置85が下り傾斜面を進行している場合には、駆動制御手段40は、各トレーニングモード1、3、4において、回生電力回収手段65や、各モータ32R、32Lによる負荷を傾斜角に応じて、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷よりも増加させるようにしてもよい。これにより、歩行支援装置85は、各トレーニングモード1、3、4における負荷を傾斜面においても一定にすることが可能となり、脚の鍛えたい筋肉を効果的に鍛えることができる。
(D)前記第2実施形態に係る歩行支援装置85では、駆動制御手段40は、動作履歴情報58から各トレーニングモード1、3、4における歩行距離、又は、歩行時間、若しくは、経過時間を読み出す。そして、駆動制御手段40は、歩行距離、又は、歩行時間、若しくは、経過時間に応じて、回生電力回収手段65や、各モータ32R、32Lによる負荷を調整するようにしてもよい。
例えば、各トレーニングモード1、3、4における歩行時間が、所定時間(例えば、約15分間)を超えた場合には、回生電力回収手段65や、各モータ32R、32Lによる負荷を約50%〜30%に減少させるようにしてもよい。これにより、駆動制御手段40は、各トレーニングモード1、3、4における経過時間に応じて負荷の大きさを変更することが可能となり、脚の筋肉の疲労に応じて効果的にトレーニングすることができる。
(E)前記第2実施形態に係る歩行支援装置85では、駆動制御手段40は、進行速度取得手段56Rと進行速度取得手段56Lにより検出した前方への進行速度を使用者の歩行速度として不図示のRAMに記憶するようにしてもよい。そして、駆動制御手段40は、各トレーニングモード1、3、4において、回生電力回収手段65や、各モータ32R、32Lによる負荷を使用者の歩行速度に応じて変更するようにしてもよい。
例えば、各トレーニングモード1、3、4において、使用者の歩行速度が速い時、つまり、歩行支援装置85の進行速度が所定速度以上、例えば、時速3km〜4km以上の場合には、回生電力回収手段65や、各モータ32R、32Lによる負荷を、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷よりも約30%〜50%程度増加させるようにしてもよい。また、例えば、各トレーニングモード1、3、4において、使用者の歩行速度が遅い時、つまり、歩行支援装置85の進行速度が所定速度未満、例えば、時速1km未満の場合には、回生電力回収手段65や、各モータ32R、32Lによる負荷を、現在の歩行状態の時間率に対応する負荷よりも約30%〜50%程度減少させるようにしてもよい。
これにより、駆動制御手段40は、各トレーニングモード1、3、4における使用者の歩行速度が遅い時は、負荷が小さくなるように変更し、使用者の歩行速度が速い時は、負荷が大きくなるように変更することが可能となり、脚の鍛えたい筋肉を更に効果的に鍛えることができる。
(F)また、例えば、前記第2実施形態に係る歩行支援装置85は、記憶手段44の筋肉別負荷パターン記憶部44Bに替えて、図32に示す歩行周期・筋活動相関情報103を記憶手段(筋活動相関情報記憶手段)44に記憶するようにしてもよい。
そして、上記ステップS1024において、駆動制御手段40は、選択されたトレーニング対象の筋肉を再度RAMから読み出す。続いて、駆動制御手段40は、このトレーニング対象の筋肉を鍛えることを目的とする筋肉負荷パターンを、歩行周期・筋活動相関情報103に格納されるトレーニング対象の筋肉の「筋活動の強さ」に基づいて作成し、実行する筋肉負荷パターンとして不図示のRAMに記憶した後、上記トレーニング種類選択処理のサブ処理を終了するようにしてもよい。
ここで、歩行周期・筋活動相関情報103について図32に基づいて説明する。図32に示すように、歩行周期・筋活動相関情報103は、複数種類の脚の筋肉別に設定された各筋肉の1歩行周期の歩行状態の時間率に対する「筋活動の強さ」を表す複数の筋活動パターン103A、103B、・・・等が格納されている。
例えば、筋活動パターン103Aは、「前脛骨筋」の1歩行周期の歩行状態の時間率に対する「筋活動の強さ」である。具体的には、筋活動パターン103Aは、1歩行周期を「100%」とした時間率で、1歩行周期における歩行状態の時間率が、立脚期である約50%〜約58%において筋活動の強さが急激に増加した後、立脚期である約58%〜遊脚期である約63%において筋活動の強さが急激に減少している。
また、筋活動パターン103Bは、「ヒラメ筋」の1歩行周期の歩行状態の時間率に対する「筋活動の強さ」である。具体的には、筋活動パターン103Bは、1歩行周期を「100%」とした時間率で、1歩行周期における歩行状態の時間率が、遊脚期である約20%〜約51%において筋活動の強さが増加した後、遊脚期である約51%〜約53%において筋活動の強さが急激に減少している。
次に、トレーニング対象の筋肉を鍛えることを目的とする筋肉負荷パターンを、歩行周期・筋活動相関情報103に格納されるトレーニング対象の筋肉の「筋活動の強さ」に基づいて作成する一例について図23及び図32に基づいて説明する。
例えば、図23に示す「前脛骨筋」の筋肉負荷パターン102Dを作成する場合は、駆動制御手段40は、先ず、図32に示す「前脛骨筋」の筋活動パターン103Aの時間率を、右脚の1歩行周期における歩行状態の時間率とする。そして、駆動制御手段40は、時間率が約50%〜約58%において負荷が急激に増加した後、時間率が約58%〜約63%において負荷が急激に減少する右脚用の負荷パターンを作成する(図23の筋肉負荷パターン102D参照)。
続いて、駆動制御手段40は、この右脚用の負荷パターンを半周期遅らせて、時間率が約0%〜約8%において負荷が急激に増加した後、時間率が約8%〜約13%において負荷が急激に減少する左脚用の負荷パターンを作成して、「前脛骨筋」の筋肉負荷パターン102Dとして不図示のRAMに記憶するようにしてもよい。つまり、駆動制御手段40は、右脚用の負荷パターンと左脚用の負荷パターンとを重ね合わせて、「前脛骨筋」の筋肉負荷パターン102Dを作成し、不図示のRAMに記憶するようにしてもよい。
これにより、使用者は、上記ステップS1022〜ステップS1023において、筋肉別トレーニング選択画面88Cにより脚の筋肉を選択することによって、駆動制御手段40が実行する筋肉負荷パターンが自動的に作成することによって、この選択した左脚と右脚の筋肉を効果的に鍛えることができる。
尚、前記第2実施形態に係る歩行支援装置85は、外部の不図示のサーバ等とインターネット等を介して通信可能な不図示の通信装置を備えるようにしてもよい。また、外部の不図示のサーバが図32に示す歩行周期・筋活動相関情報103を記憶するように構成してもよい。
そして、上記ステップS1024において、駆動制御手段40は、選択されたトレーニング対象の筋肉を再度RAMから読み出す。続いて、駆動制御手段40は、このトレーニング対象の筋肉に対応する歩行周期・筋活動相関情報103の「筋活動の強さ」のデータを不図示の通信装置を介して外部のサーバ等から取得するように構成してもよい。その後、駆動制御手段40は、このトレーニング対象の筋肉を鍛えることを目的とする筋肉負荷パターンを、外部のサーバ等から取得したトレーニング対象の筋肉の「筋活動の強さ」に基づいて作成し、実行する筋肉負荷パターンとして不図示のRAMに記憶した後、上記トレーニング種類選択処理のサブ処理を終了するようにしてもよい。
また、不図示の外部のサーバ等は、左脚と右脚の複数種類の筋肉について、各筋肉の1歩行周期の歩行状態の時間率と、この1歩行周期の歩行状態の時間率に対する筋活動の強さとの組み合わせからなる大量のデータから機械学習(教師あり学習)を行うようにしてもよい。そして、外部のサーバ等は、それらの大量のデータの組み合わせにある特徴を学習し、図32に示す歩行周期・筋活動相関情報103を構成する1歩行周期の歩行状態の時間率に対する各筋肉の筋活動パターン103A、103B等を生成するようにしてもよい。
(G)また、例えば、前記第2実施形態に係る歩行支援装置85では、脚の歩行状態が1歩行周期中のどの位相に相当するのかを示す指標として、「0%」〜「100%」とする数値指標としての時間率を用いたが、図21に示す「立脚期」、「遊脚期」等のような文字データ(記号データ)を指標として用いてもよい。例えば、脚の歩行状態は、1歩行周期中の「立脚期初期」にある等として、1歩行周期における歩行状態の時間率を決定してもよい。
また、脚の歩行状態が1歩行周期中のどの位相に相当するのかを示す指標として、画像など非数値・非記号的データのマッチング等を指標として用いてもよい。非数値・非記号的データのマッチングとしては、例えば、図21に示すような1歩行周期中の各位相における脚の歩行状態の画像データを記憶手段44に予め記憶しておき、カメラ55から入力された使用者の歩行画像を照らし合わせて、1歩行周期中のどの画像データに最も類似するかによって、1歩行周期における歩行状態の時間率を決定するようにしてもよい。また、歩行状態の画像データそのものではなく、画像から抽出又は変換された特徴量(例えば、脚の輪郭等)であってもよい。また、歩行状態が1歩行周期中のどの位相に相当するかを識別することができれば、画像以外の非数値・非記号的データであってもよい。
(H)また、例えば、前記第2実施形態に係る歩行支援装置85では、図21に示すように、右踵が接地した開始点から、この右踵が再び接地する終了点までを右脚の1歩行周期としたが、これに限らず、他の歩行状態を開始点・終了点としてもよい。駆動制御手段40は、右脚の1歩行周期に限らず、左踵が接地した開始点から、この左踵が再び接地する終了点までを左脚の1歩行周期として、左脚の1歩行周期における歩行状態の時間率を決定するようにしてもよい。