JP2019144578A - 光学フィルタ及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不要な光線を遮蔽でき、かつ、光の入射角度がより大きい場合においても撮像装置によって生成される画像に色むらが発生することを防止するのに有利な特性を有する光学フィルタを提供する。
【解決手段】光学フィルタ1aは、光吸収層10が、近赤外線領域の一部の光を吸収し、0°の入射角度で波長300〜1200nmの光を入射させたときに、分光透過率に関する下記の所定の条件を満たす。x°の入射角度における正規化分光透過率とy°の入射角度における正規化分光透過率との差の絶対値の波長Wnm〜Vnm(ここで、W<V)の範囲における平均値をΔTS x/y W-Vと表すとき、ΔTS 0/40 380-530≦3%、ΔTS 0/40 450-650≦3%、及びΔTS 0/40 530-750≦3%。
【選択図】図1A

Description

本発明は、光学フィルタ及び撮像装置に関する。
従来、近赤外線カットフィルタ等の光学フィルタを備えた撮像装置が知られている。例えば、特許文献1には、ガラス基板の少なくとも片面に近赤外線吸収剤を含有する樹脂層を有する積層板を含む近赤外線カットフィルタが記載されている。例えば、この近赤外線カットフィルタは、積層板の少なくとも片面に誘電体多層膜を有する。この近赤外線カットフィルタにおいて、波長の値(Ya)と、波長の値(Yb)との差の絶対値|Ya−Yb|が15nm未満である。波長の値(Ya)は、波長560〜800nmの範囲において、近赤外線カットフィルタの垂直方向から測定した場合の透過率が50%となる波長の値である。波長の値(Yb)は、波長560〜800nmの範囲において、近赤外線カットフィルタの垂直方向に対して30°の角度から測定した場合の透過率が50%となる波長の値である。このように、特許文献1によれば、近赤外線カットフィルタにおける透過特性の光の入射角度依存性が小さく調節されている。
特許文献2には、近赤外線吸収ガラス基材と、近赤外線吸収層と、誘電体多層膜とを備えた、近赤外線カットフィルタが記載されている。近赤外線吸収層は、近赤外線吸収色素及び透明樹脂を含有している。特許文献2には、この近赤外線カットフィルタと、固体撮像素子とを備えた固体撮像装置が記載されている。特許文献2によれば、近赤外線吸収ガラス基材と、近赤外線吸収層とを積層することにより、誘電体多層膜が本来的に有する、光の入射角度によって遮蔽波長がシフトする入射角度依存性の影響をほぼ排除できる。例えば、特許文献2において、近赤外線カットフィルタにおける入射角0°のときの透過率(T0)及び入射角30°のときの透過率(T30)が測定されている。
特許文献3及び4には、透明誘電体基板と、赤外線反射層と、赤外線吸収層とを備えた赤外線カットフィルタが記載されている。赤外線反射層は、誘電体多層膜で形成されている。赤外線吸収層は、赤外線吸収色素を含有している。特許文献3及び4には、この赤外線カットフィルタを備えた撮像装置が記載されている。特許文献3及び4には、光の入射角度が0°、25°、及び35°である場合の赤外線カットフィルタの透過率スペクトルが記載されている。
特開2012−103340号公報 国際公開第2014/030628号 特開2014−52482号公報 特開2014−203044号公報
上記の特許文献では、光学フィルタへの光の入射角度が35°より大きい(例えば40°以上)場合の光学フィルタの特性について具体的に検討されていない。そこで、本発明は、不要な光線を遮蔽でき、かつ、光の入射角度がより大きい場合においても撮像装置によって生成される画像に色むらが発生することを防止するのに有利な特性を有する光学フィルタを提供する。また、本発明は、この光学フィルタを備えた撮像装置を提供する。
本発明は、
光学フィルタであって、
近赤外線領域の少なくとも一部の光を吸収する光吸収剤を含有している光吸収層を備え、
0°の入射角度で波長300〜1200nmの光を当該光学フィルタに入射させたときに、下記(1)〜(9)の条件を満たし、
(1)波長380nmにおける分光透過率が20%以下である。
(2)波長450nmにおける分光透過率が75%以上である。
(3)波長500〜600nmの範囲における分光透過率の平均値が80%以上である。
(4)波長700nmにおける分光透過率が5%以下である。
(5)波長715nmにおける分光透過率が3%以下である。
(6)波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値が1%以下である。
(7)波長750〜1080nmの範囲における分光透過率の最大値が1%以下である。
(8)波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値が2%以下である。
(9)波長400〜700nmの範囲において75%以上の分光透過率を示す波長帯の波長帯幅が170nm以上である。
x°及びy°の入射角度(ここで、0≦x≦30、30≦y≦65、及びx<y)で波長300〜1200nmの光を当該光学フィルタに入射させたときに、同一の波長に対する、x°の入射角度における正規化分光透過率とy°の入射角度における正規化分光透過率との差の絶対値の波長Wnm〜Vnm(ここで、W<V)の範囲における平均値をΔTS x/y W-Vと表すとき、
ΔTS 0/40 380-530≦3%、ΔTS 0/40 450-650≦3%、及びΔTS 0/40 530-750≦3%の条件を満たし、
前記正規化分光透過率は、前記入射角度のそれぞれにおいて分光透過率の波長400〜650nmの範囲の最大値が100%になるように前記入射角度のそれぞれにおける前記分光透過率を正規化して定められる、
光学フィルタを提供する。
また、本発明は、
レンズ系と、
前記レンズ系を通過した光を受光する撮像素子と、
前記撮像素子の前方に配置された、上記の光学フィルタと、を備えた、
撮像装置を提供する。
上記の光学フィルタは、不要な光線を遮蔽でき、かつ、光の入射角度がより大きい場合においても撮像装置によって生成される画像に色むらが発生することを防止するのに有利な特性を有する。また、上記の撮像装置において、生成される画像に色むらが発生しにくい。
図1Aは、本発明の光学フィルタの一例を示す断面図である。 図1Bは、本発明の光学フィルタの別の一例を示す断面図である。 図1Cは、本発明の光学フィルタのさらに別の一例を示す断面図である。 図1Dは、本発明の光学フィルタのさらに別の一例を示す断面図である。 図1Eは、本発明の光学フィルタのさらに別の一例を示す断面図である。 図2は、本発明に係る撮像装置の一例を示す断面図である。 図3Aは、光の入射角度が0°、30°、35°、及び40°であるときの実施例1に係る光学フィルタの透過率スペクトルである。 図3Bは、光の入射角度が45°、50°、55°、60°、及び65°であるときの実施例1に係る光学フィルタの透過率スペクトルである。 図4Aは、光の入射角度が0°、30°、35°、及び40°であるときの実施例1に係る光学フィルタの正規化分光透過率を示すグラフである。 図4Bは、光の入射角度が45°、50°、55°、60°、及び65°であるときの実施例1に係る光学フィルタの正規化分光透過率を示すグラフである。 図5Aは、光の入射角度が0°、30°、35°、及び40°であるときの実施例2に係る光学フィルタの透過率スペクトルである。 図5Bは、光の入射角度が45°、50°、55°、60°、及び65°であるときの実施例2に係る光学フィルタの透過率スペクトルである。 図6Aは、光の入射角度が0°、30°、35°、及び40°であるときの実施例2に係る光学フィルタの正規化分光透過率を示すグラフである。 図6Bは、光の入射角度が45°、50°、55°、60°、及び65°であるときの実施例2に係る光学フィルタの正規化分光透過率を示すグラフである。 図7Aは、光の入射角度が0°、30°、35°、及び40°であるときの実施例3に係る光学フィルタの透過率スペクトルである。 図7Bは、光の入射角度が45°、50°、55°、60°、及び65°であるときの実施例3に係る光学フィルタの透過率スペクトルである。 図8Aは、光の入射角度が0°、30°、35°、及び40°であるときの実施例3に係る光学フィルタの正規化分光透過率を示すグラフである。 図8Bは、光の入射角度が45°、50°、55°、60°、及び65°であるときの実施例3に係る光学フィルタの正規化分光透過率を示すグラフである。 図9Aは、光の入射角度が0°であるときの実施例4に係る光学フィルタの半製品の透過率スペクトルである。 図9Bは、光の入射角度が0°であるときの実施例4に係る光学フィルタの別の半製品の透過率スペクトルである。 図9Cは、光の入射角度が0°であるときの参考例1に係る積層体の透過率スペクトルである。 図9Dは、光の入射角度が0°、30°、50°、及び65°であるときの参考例2に係る積層体の透過率スペクトルである。 図10Aは、光の入射角度が0°、30°、35°、及び40°であるときの実施例4に係る光学フィルタの透過率スペクトルである。 図10Bは、光の入射角度が45°、50°、55°、60°、及び65°であるときの実施例4に係る光学フィルタの透過率スペクトルである。 図11Aは、光の入射角度が0°、30°、35°、及び40°であるときの実施例4に係る光学フィルタの正規化分光透過率を示すグラフである。 図11Bは、光の入射角度が45°、50°、55°、60°、及び65°であるときの実施例4に係る光学フィルタの正規化分光透過率を示すグラフである。 図12Aは、光の入射角度が0°、30°、及び50°であるときの比較例1に係る光学フィルタの半製品の透過率スペクトルである。 図12Bは、光の入射角度が0°であるときの参考例3に係る積層体の透過率スペクトルである。 図13Aは、光の入射角度が0°、30°、35°、及び40°であるときの比較例1に係る光学フィルタの透過率スペクトルである。 図13Bは、光の入射角度が45°、50°、55°、60°、及び65°であるときの比較例1に係る光学フィルタの透過率スペクトルである。 図14Aは、光の入射角度が0°、30°、35°、及び40°であるときの比較例1に係る光学フィルタの正規化分光透過率を示すグラフである。 図14Bは、光の入射角度が45°、50°、55°、60°、及び65°であるときの比較例1に係る光学フィルタの正規化分光透過率を示すグラフである。 図15Aは、光の入射角度が0°であるときの、比較例2に係る光学フィルタの作製に用いた光吸収性透明基板の透過率スペクトルである。 図15Bは、光の入射角度が0°、30°、及び50°であるときの参考例4に係る積層体の透過率スペクトルである。 図15Cは、光の入射角度が0°であるときの参考例5に係る積層体の透過率スペクトルである。 図16Aは、光の入射角度が0°、30°、35°、及び40°であるときの比較例2に係る光学フィルタの透過率スペクトルである。 図16Bは、光の入射角度が45°、50°、55°、60°、及び65°であるときの比較例2に係る光学フィルタの透過率スペクトルである。 図17Aは、光の入射角度が0°、30°、35°、及び40°であるときの比較例2に係る光学フィルタの正規化分光透過率を示すグラフである。 図17Bは、光の入射角度が45°、50°、55°、60°、及び65°であるときの比較例2に係る光学フィルタの正規化分光透過率を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
本発明者らは、光学フィルタに関する以下の検討によって得られた新たな知見に基づいて本発明に係る光学フィルタを案出した。
スマートフォン等の携帯情報端末に搭載されているカメラモジュール又は撮像装置には、可視光線以外の不要な光線を遮蔽する光学フィルタが配置されている。不要な光線を遮蔽するために光吸収層を備えた光学フィルタの使用が検討されている。特許文献1〜4に記載の光学フィルタのように、光吸収層を備えた光学フィルタは、多くの場合、誘電体多層膜によって構成された光反射層をさらに備えている。
誘電体多層膜によって構成された光反射層において、各層の表面及び裏面で反射する光線の干渉によって透過する光線の波長帯及び反射する光線の波長帯が決まっている。光学フィルタには様々な入射角度から光線が入射しうるが、光の入射角度が大きくなると、光反射層の各層における光路長が変わる。その結果、透過する光線の波長帯及び反射する光線の波長帯が短波長側にシフトする現象がみられる。そこで、誘電体多層膜である光反射層によって所定の波長帯の光を反射させる場合には、光の入射角度によって光学フィルタの透過率の特性が大きく変動しないように、遮蔽すべき光線の波長帯と透過させるべき光線の波長帯との境界を光の吸収によって定めることが考えられる。
特許文献1及び2では、光の入射角度が0°及び30°である場合の近赤外線カットフィルタにおける光の透過特性が評価されている。また、特許文献3及び4では、光の入射角度が0°、25°、及び35°である場合の赤外線カットフィルタの透過率スペクトルが評価されている。近年では、スマートフォン等の携帯情報端末に搭載されているカメラモジュール又は撮像装置において、より大きな画角及び一層の低背化を実現することが求められている。このため、光学フィルタにおいて、光の入射角度がより大きい場合(例えば、40°以上)でも、光学フィルタにおける光の透過特性の変化が小さいことが望ましい。
このような観点から、例えば、誘電体多層膜による透過する光線の波長帯と反射される光線の波長帯との境界が、光吸収層による透過する光線の波長帯と吸収される光線の波長帯との境界よりも十分に長波長側に位置するように光学フィルタを設計することが考えられる。この場合、光の入射角度が大きくなっても、光学フィルタにおいて透過する光線の波長帯と遮蔽される光線の波長帯との境界が短波長側にシフトすることを抑制できる。しかし、光の入射角度がさらに大きくなると光反射層の各層における光路長の変化量が大きくなり、光の入射角度によっては、透過させるべき光線の波長帯において局所的に光の反射率が増加して透過率が減少するリップルと呼ばれる不具合が生じることがある。特に、光の入射角度が0°〜35°の範囲ではリップルが生じないように設計された光学フィルタであっても、光の入射角度が40°以上になるとリップルが発生する可能性がある。リップルが発生すると、撮像装置の特定の波長に対する感度が他の波長に対する感度よりも低下し、得られた画像に色むらが生じる可能性がある。
このような事情を踏まえて、本発明者らは、不要な光線を遮蔽でき、かつ、光の入射角度がより大きい場合においても撮像装置によって生成される画像に色むらが発生することを防止するのに有利な光学フィルタを開発すべく、試行錯誤を重ねた。その結果、本発明者らは、誘電体多層膜によって構成された光反射層と組み合わせることなく、所定の光吸収層によって光学フィルタに所望の特性を付与できることを新たに見出し、本発明に係る光学フィルタを案出した。
本明細書において、「分光透過率」とは、特定の波長の入射光が試料等の物体に入射するときの透過率であり、「平均透過率」とは、所定の波長範囲内の分光透過率の平均値である。また、本明細書において、「透過率スペクトル」とは所定の波長範囲内の各波長における分光透過率を波長の順に並べたものである。
図1Aに示す通り、光学フィルタ1aは、光吸収層10を備えている。光吸収層10は、光吸収剤を含有しており、光吸収剤は、近赤外線領域の少なくとも一部の光を吸収する。0°の入射角度で波長300〜1200nmの光を光学フィルタ1aに入射させたときに、下記(1)〜(9)の条件が満たされる。
(1)波長380nmにおける分光透過率が20%以下である。
(2)波長450nmにおける分光透過率が75%以上である。
(3)波長500〜600nmの範囲における分光透過率の平均値が80%以上である。
(4)波長700nmにおける分光透過率が5%以下である。
(5)波長715nmにおける分光透過率が3%以下である。
(6)波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値が1%以下である。
(7)波長750〜1080nmの範囲における分光透過率の最大値が1%以下である。
(8)波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値が2%以下である。
(9)波長400〜700nmの範囲において75%以上の分光透過率を示す波長帯の波長帯幅が170nm以上である。
上記(9)の条件に関し、波長400〜700nmの範囲において75%以上の分光透過率を示す複数の離散した波長帯が存在する場合、その複数の波長帯の波長帯幅の和を「波長帯幅」と定める。
x°及びy°の入射角度(ここで、0≦x≦30、30≦y≦65、及びx<y)で波長300〜1200nmの光を光学フィルタ1aに入射させたときに、同一の波長に対する、x°の入射角度における正規化分光透過率とy°の入射角度における正規化分光透過率との差の絶対値の波長Wnm〜Vnm(ここで、W<V)の範囲における平均値をΔTS x/y W-Vと表す。この場合、光学フィルタ1aは、ΔTS 0/40 380-530≦3%、ΔTS 0/40 450-650≦3%、及びΔTS 0/40 530-750≦3%の条件を満たす。
なお、上記の正規化分光透過率は、上記の入射角度のそれぞれにおいて分光透過率の波長400〜650nmの範囲の最大値が100%になるように上記の入射角度のそれぞれにおける分光透過率を正規化して定められる。典型的には、0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度において、波長300〜1200nmの光を光学フィルタ1aに入射させ、波長300〜1200nmの範囲で1nm毎に分光透過率を測定する。このようにして測定された各入射角度の分光透過率において、各波長における分光透過率を波長400〜650nmの範囲の分光透過率の最大値で除した値を百分率で表して正規化分光透過率が定まる。
光学フィルタ1aは、上記の特性を有するので、誘電体多層膜によって構成された光反射層を有しなくても、近赤外線領域の光線等の不要な光線を適切に遮蔽できる。また、紫外線領域の光線も適切に遮蔽しうる。光学フィルタ1aは、誘電体多層膜によって構成された光反射層を備えないので、光の入射角度が大きくても透過すべき光線の波長帯にリップルが発生せず、光学フィルタ1aを備えた撮像装置において生成される画像に色むらが発生しにくい。加えて、光学フィルタ1aにおいて、透過する光線の波長帯と遮蔽される光線の波長帯との境界が光の入射角度の増加に伴い短波長側にシフトすることが防止される。光学フィルタ1aは、ΔTS 0/40 380-530≦3%、ΔTS 0/40 450-650≦3%、及びΔTS 0/40 530-750≦3%の条件を満たすので、波長380〜530nmの範囲、波長450〜650nmの範囲、及び波長530〜750nmの範囲において、0°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状と40°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状とのずれが小さい。
例えば、CCD(Charge-Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子の画素毎にR(赤)、G(緑)、及びB(青)のカラーフィルタ(以下、「RGBカラーフィルタ」という)が配置されている場合に光学フィルタ1aを用いることが考えられる。この場合、光学フィルタ1aによって撮像素子の各画素からの出力が適切に調整され、撮像素子の各画素に対応した分光感度特性が視感度と良好に整合しやすい。
不要な光線を遮蔽する光学フィルタは、通常、撮像素子の近くにおいてその主面が撮像素子の受光面と平行になるように配置される。この場合、光学フィルタに入射してさらに撮像素子に入射する光の光学フィルタにおける入射角度は撮像素子における入射角度と実質的に等しい。撮像素子の中央付近に入射する主光線の入射角度は0°に近く、撮像素子の周辺部に入射する主光線の入射角度は大きい。このため、撮像装置において光の入射角度によって分光感度曲線の形状が変化すると、撮影された画像を表示又は印刷した場合に画像における色合いが画像の中央部と周辺部とで異なる。これにより、画像において同一の色であるべき被写体の色が、画像の中央部から周辺部に向かって変化し、色むらとして認識されやすい。加えて、5°〜10°程度の狭い入射角度の範囲において分光感度曲線の形状が変化すると、画像の狭い範囲において色味が変化することになり、特に色むらとして認識されやすい。光学フィルタにおいて入射角度による正規化分光透過率曲線の形状変化を小さく抑えることができれば、入射角度による分光感度曲線の形状変化を抑制でき、撮像装置において生成される画像に色むらが発生することを防止できる。
光学フィルタ1aは、望ましくは、ΔTS 0/40 650-1200≦1%の条件をさらに満たす。この場合、波長650〜1200nmの範囲においても、0°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状と40°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状とのずれが小さい。
光学フィルタ1aは、望ましくは、ΔTS 0/40 380-1200≦1.5%の条件をさらに満たす。この場合、波長380〜1200nmの範囲にわたって、0°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状と40°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状とのずれが小さい。
波長380〜530nmの範囲は、撮像素子に組み込まれている又は撮像素子の近傍に配置されているRGBのカラーフィルタのうち、B(青)フィルタに対応した画素の感度特性を特定するための波長の範囲に対応している。波長450〜650nmの範囲は、撮像素子に組み込まれている又は撮像素子の近傍に配置されているRGBのカラーフィルタのうち、G(緑)フィルタに対応した画素の感度特性を特定するための波長の範囲に対応している。波長530〜750nmの範囲は、撮像素子に組み込まれている又は撮像素子の近傍に配置されているRGBのカラーフィルタのうち、R(赤)フィルタに対応した画素の感度特性を特定するための波長の範囲に対応している。波長650〜1200nmの範囲は、遮蔽すべき近赤外線の波長の範囲に対応している。波長380〜1200nmの範囲は、上記の波長の範囲を包含しており、カメラモジュール又は撮像装置が光学フィルタを通して取り込む光の明るさを特定するための波長の範囲に対応している。
光学フィルタ1aは、望ましくは、ΔTS 0/50 380-530≦4%、ΔTS 0/50 450-650≦4%、ΔTS 0/50 530-750≦4%、ΔTS 0/50 650-1200≦1.5%、及びΔTS 0/50 380-1200≦2%の条件をさらに満たす。この場合、0°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状と50°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状とのずれが小さい。これにより、撮像装置において、光学フィルタ1aに50°の入射角度で光が入射する場合でも、撮像装置において生成される画像に色むらが発生することを防止しやすい。
光学フィルタ1aは、望ましくは、ΔTS 0/60 380-530≦4.5%、ΔTS 0/60 450-650≦4.5%、ΔTS 0/60 530-750≦4.5%、ΔTS 0/60 650-1200≦1.5%、及びΔTS 0/60 380-1200≦2.5%の条件をさらに満たす。この場合、0°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状と60°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状とのずれが小さい。これにより、撮像装置において、光学フィルタ1aに60°の入射角度で光が入射する場合でも、撮像装置において生成される画像に色むらが発生することを防止しやすい。
光学フィルタ1aは、望ましくは、ΔTS 0/65 380-530≦5%、ΔTS 0/65 450-650≦5%、ΔTS 0/65 530-750≦5%、ΔTS 0/65 650-1200≦1.5%、及びΔTS 0/65 380-1200≦3%の条件をさらに満たす。この場合、0°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状と65°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状とのずれが小さい。これにより、撮像装置において、光学フィルタ1aに65°の入射角度で光が入射する場合でも、撮像装置において生成される画像に色むらが発生することを防止しやすい。例えば、画角の大きい広角レンズを用いた撮像が可能な撮像装置が光学フィルタ1aを備えていれば、このような広角レンズを用いて撮影した画像に色むらが発生することを防止しやすい。
撮像装置において広角レンズを使用する場合、レンズの設計によっては撮像素子の受光面に入射する光線の入射角度を小さく抑えることは可能である。一方、撮像装置において、レンズより前方に位置するカバーガラスに入射する光線には、必然的に大きな入射角度で入射する光も含まれる。光学フィルタ1aにおいて上記の条件が満たされるのであれば、撮像装置において光学フィルタ1aをカバーガラスとして用いても、撮像装置において生成される画像に色むらが発生しにくい。加えて、光学フィルタ1aがカバーガラスとしても機能すれば、撮像装置の部品点数を削減でき撮像装置を低背化しやすい。また、レンズ設計の自由度も大きくなる。さらに、カバーガラスとは別に配置される従来の光学フィルタの主面における反射によって生じていたフレア又はゴーストを防止することもできる。
光学フィルタ1aは、望ましくは、ΔTS 30/40 380-530≦3%、ΔTS 30/40 450-650≦3%、ΔTS 30/40 530-750≦3%、ΔTS 30/40 650-1200≦1%、及びΔTS 30/40 380-1200≦1.5%の条件をさらに満たす。この場合、30°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状と40°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状とのずれが小さい。
光学フィルタ1aは、望ましくは、ΔTS 30/50 380-530≦3%、ΔTS 30/50 450-650≦3%、ΔTS 30/50 530-750≦3%、ΔTS 30/50 650-1200≦1%、及びΔTS 30/50 380-1200≦1.5%の条件をさらに満たす。この場合、30°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状と50°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状とのずれが小さい。
光学フィルタ1aは、望ましくは、ΔTS 30/60 380-530≦4%、ΔTS 30/60 450-650≦4%、ΔTS 30/60 530-750≦4%、ΔTS 30/60 650-1200≦1.5%、及びΔTS 30/60 380-1200≦2%の条件をさらに満たす。この場合、30°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状と60°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状とのずれが小さい。
光学フィルタ1aは、望ましくは、ΔTS 30/65 380-530≦4.5%、ΔTS 30/65 450-650≦4.5%、ΔTS 30/65 530-750≦4.5%、ΔTS 30/65 650-1200≦1.5%、及びΔTS 30/65 380-1200≦2.5%の条件をさらに満たす。この場合、30°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状と65°の入射角度における正規化分光透過率曲線の形状とのずれが小さい。
光の入射角度x°が0°であるときに、光学フィルタ1aにおけるΔTS 0/y W-Vの値は、望ましくは表1に示す条件を満たす。
Figure 2019144578
光の入射角度x°が30°であるときに、光学フィルタ1aにおけるΔTS 30/y W-Vの値は、望ましくは表2に示す条件を満たす。
Figure 2019144578
光吸収層10に含有されている光吸収剤は、近赤外線領域の少なくとも一部の光を吸収し、光学フィルタ1aにおいて上記の(1)〜(9)の条件と、ΔTS 0/40 380-530≦3%、ΔTS 0/40 450-650≦3%、及びΔTS 0/40 530-750≦3%の条件とが満たされる限り特に制限されない。光吸収剤は、例えば、ホスホン酸と銅イオンとによって形成されている。この場合、光吸収層10によって、近赤外線領域及び近赤外線領域に隣接する可視領域の広い波長帯において光を吸収できる。このため、光学フィルタ1aが光反射層を備えていなくても所望の特性を発揮できる。
光吸収層10がホスホン酸と銅イオンとによって形成された光吸収剤を含む場合、そのホスホン酸は、例えば、アリール基を有する第一ホスホン酸を含む。第一ホスホン酸においてアリール基はリン原子に結合している。これにより、光学フィルタ1aにおいて上記の条件が満たされやすい。
第一ホスホン酸が有するアリール基は、例えば、フェニル基、ベンジル基、トルイル基、ニトロフェニル基、ヒドロキシフェニル基、フェニル基における少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子に置換されているハロゲン化フェニル基、又はベンジル基のベンゼン環における少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子に置換されているハロゲン化ベンジル基である。
光吸収層10がホスホン酸と銅イオンとによって形成された光吸収剤を含む場合、そのホスホン酸は、望ましくは、さらに、アルキル基を有する第二ホスホン酸を含む。第二ホスホン酸において、アルキル基はリン原子に結合している。
第二ホスホン酸が有するアルキル基は、例えば、6個以下の炭素原子を有するアルキル基である。このアルキル基は、直鎖及び分岐鎖のいずれを有していてもよい。
光吸収層10がホスホン酸と銅イオンとによって形成された光吸収剤を含む場合、光吸収層10は、例えば、光吸収剤を分散させるリン酸エステルと、マトリクス樹脂とをさらに含む。光吸収層10は、必要に応じて、アルコキシシランモノマーの加水分解縮重合物をさらに含む。
光吸収層10に含有されているリン酸エステルは、光吸収剤を適切に分散できる限り特に制限されないが、例えば、下記式(c1)で表されるリン酸ジエステル及び下記式(c2)で表されるリン酸モノエステルの少なくとも一方を含む。下記式(c1)及び下記式(c2)において、R21、R22、及びR3は、それぞれ、−(CH2CH2O)n4で表される1価の官能基であり、nは、1〜25の整数であり、R4は、炭素数6〜25のアルキル基を示す。R21、R22、及びR3は、互いに同一又は異なる種類の官能基である。
Figure 2019144578
リン酸エステルは、特に制限されないが、例えば、プライサーフA208N:ポリオキシエチレンアルキル(C12、C13)エーテルリン酸エステル、プライサーフA208F:ポリオキシエチレンアルキル(C8)エーテルリン酸エステル、プライサーフA208B:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、プライサーフA219B:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、プライサーフAL:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル、プライサーフA212C:ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル、又はプライサーフA215C:ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステルであり得る。これらはいずれも第一工業製薬社製の製品である。また、リン酸エステルは、NIKKOL DDP−2:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、NIKKOL DDP−4:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、又はNIKKOL DDP−6:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルであり得る。これらは、いずれも日光ケミカルズ社製の製品である。
光吸収層10に含まれるマトリクス樹脂は、例えば、光吸収剤を分散させることができ、熱硬化又は紫外線硬化が可能な樹脂である。さらに、マトリクス樹脂として、その樹脂によって0.1mmの樹脂層を形成した場合に、その樹脂層の波長350〜900nmの光に対する透過率が例えば80%以上であり、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上である樹脂を用いることができるが、光学フィルタ1aにおいて上記(1)〜(9)の条件と、ΔTS 0/40 380-530≦3%、ΔTS 0/40 450-650≦3%、及びΔTS 0/40 530-750≦3%の条件が満たされる限り、マトリクス樹脂は特定の樹脂に制限されない。光吸収層10におけるホスホン酸の含有量は、例えば、マトリクス樹脂100質量部に対して3〜180質量部である。
光吸収層10に含まれるマトリクス樹脂は、例えば(ポリ)オレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、(変性)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、又はシリコーン樹脂である。マトリクス樹脂は、フェニル基等のアリール基を含んでいてもよく、望ましくはフェニル基等のアリール基を含んでいるシリコーン樹脂である。光吸収層10が硬いと、その光吸収層10の厚みが増すにつれて、光学フィルタ1aの製造工程中に硬化収縮によりクラックが生じやすい。マトリクス樹脂がアリール基を含むシリコーン樹脂であると光吸収層10が良好な耐クラック性を有しやすい。また、アリール基を含むシリコーン樹脂を用いると、上記のホスホン酸と銅イオンとによって形成された光吸収剤を含有する場合に光吸収剤が凝集しにくい。さらに、光吸収層10のマトリクス樹脂がアリール基を含むシリコーン樹脂である場合に、光吸収層10に含まれるリン酸エステルが式(c1)又は式(c2)で表されるリン酸エステルのようにオキシアルキル基等の柔軟性を有する直鎖有機官能基を有することが望ましい。なぜなら、上記のホスホン酸と、アリール基を含むシリコーン樹脂と、オキシアルキル基等の直鎖有機官能基を有するリン酸エステルとの組合せに基づく相互作用により、光吸収剤が凝集しにくく、かつ、光吸収層に良好な剛性及び良好な柔軟性をもたらすことができるからである。マトリクス樹脂として使用されるシリコーン樹脂の具体例としては、KR−255、KR−300、KR−2621−1、KR−211、KR−311、KR−216、KR−212、KR−251、及びKR−5230を挙げることができる。これらはいずれも信越化学工業社製のシリコーン樹脂である。
光学フィルタ1aに含まれうるアルコキシシランモノマーの加水分解縮重合物は、例えば、以下のアルコキシシランモノマーの加水分解縮重合物である。そのアルコキシシランモノマーは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、又は3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランである。
図1Aに示す通り、光学フィルタ1aは、例えば透明誘電体基板20をさらに備えている。透明誘電体基板20の一方の主面は光吸収層10に覆われている。透明誘電体基板20の特性は、光学フィルタ1aにおいて、上記の(1)〜(9)の条件と、ΔTS 0/40 380-530≦3%、ΔTS 0/40 450-650≦3%、及びΔTS 0/40 530-750≦3%の条件が満たされる限り、特に制限されない。透明誘電体基板20は、例えば、450〜600nmにおいて高い平均透過率(例えば、80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上)を有する誘電体基板である。
透明誘電体基板20は、例えば、ガラス製又は樹脂製である。透明誘電体基板20がガラス製である場合、そのガラスは、例えば、D263 T eco等のホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス(青板)、B270等の白板ガラス、無アルカリガラス、又は銅を含有しているリン酸塩ガラス若しくは銅を含有しているフツリン酸塩ガラス等の赤外線吸収性ガラスである。透明誘電体基板20が、銅を含有しているリン酸塩ガラス又は銅を含有しているフツリン酸塩ガラス等の赤外線吸収性ガラスである場合、透明誘電体基板20が有する赤外線吸収性能と光吸収層10が有する赤外線吸収性能との組み合わせによって光学フィルタ1aに所望の赤外線吸収性能をもたらすことができる。このような赤外線吸収性ガラスは、例えば、SCHOTT社製のBG−60、BG−61、BG−62、BG−63、若しくはBG−67であり、日本電気硝子社製の500EXLであり、又はHOYA社製のCM5000、CM500、C5000、若しくはC500Sである。また、透明誘電体基板20は紫外線吸収特性を有していてもよい。
透明誘電体基板20は、酸化マグネシウム、サファイア、又は石英などの透明性を有する結晶性の基板であってもよい。例えば、サファイアは高硬度であるので、傷がつきにくい。このため、板状のサファイアは、撮像装置におけるプロテクトフィルタ又はカバーガラス等の耐擦傷性の保護材料として、スマートフォン及び携帯電話等の携帯端末に備えられているカメラモジュール又はレンズの前面に配置される場合がある。このような板状のサファイア上に光吸収層10が形成されることにより、カメラモジュール又はレンズを保護できるとともに、近赤外線等の不要な光線をカットできる。
透明誘電体基板20が樹脂製である場合、その樹脂は、例えば、(ポリ)オレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、(変性)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、又はシリコーン樹脂である。
光学フィルタ1aは、例えば、光吸収層10を形成するためのコーティング液を透明誘電体基板20の一方の主面に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥させることによって製造できる。光吸収層10が、ホスホン酸と銅イオンとによって形成された光吸収剤を含む場合を例に、コーティング液の調製方法及び光学フィルタ1aの製造方法を説明する。
まず、コーティング液の調製方法の一例を説明する。酢酸銅一水和物などの銅塩をテトラヒドロフラン(THF)などの所定の溶媒に添加して撹拌し、銅塩の溶液を得る。次に、この銅塩の溶液に、式(c1)で表されるリン酸ジエステル又は式(c2)で表されるリン酸モノエステルなどのリン酸エステル化合物を加えて撹拌し、A液を調製する。また、第一ホスホン酸をTHFなどの所定の溶媒に加えて撹拌し、B液を調製する。B液が複数種類の第一ホスホン酸を含む場合、ホスホン酸の種類ごとにTHFなどの所定の溶媒を加えて予め調製された複数の液を混合してB液を調製してもよい。なお、光学フィルタ1aがアルコキシシランモノマーの加水分解縮重合物を含む場合、例えばアルコキシシランモノマーがさらに加えられてB液が調製される。
次に、A液を撹拌しながら、A液にB液を加えて所定時間撹拌する。次に、この溶液にトルエンなどの所定の溶媒を加えて撹拌し、C液を得る。次に、C液を加温しながら所定時間脱溶媒処理を行って、D液を得る。これにより、THFなどの溶媒及び酢酸(沸点:約118℃)などの銅塩の解離により発生する成分が除去され、第一ホスホン酸と銅イオンとによって光吸収剤が生成される。C液を加温する温度は、銅塩から解離した除去されるべき成分の沸点に基づいて定められている。なお、脱溶媒処理においては、C液を得るために用いたトルエン(沸点:約110℃)などの溶媒も揮発する。この溶媒は、コーティング液においてある程度残留していることが望ましいので、この観点から溶媒の添加量及び脱溶媒処理の時間が定められているとよい。なお、C液を得るためにトルエンに代えてo‐キシレン(沸点:約144℃)を用いることもできる。この場合、o‐キシレンの沸点はトルエンの沸点よりも高いので、添加量をトルエンの添加量の4分の1程度に低減できる。D液にシリコーン樹脂等のマトリクス樹脂を加えて撹拌しコーティング液を調製できる。
コーティング液を透明誘電体基板20の一方の主面に塗布して塗膜を形成する。例えば、コーティング液をダイコーティング、スピンコーティング、又はディスペンサによる塗布により、透明誘電体基板20の一方の主面に塗布して塗膜を形成する。次に、この塗膜に対して所定の加熱処理を行って塗膜を硬化させる。例えば、50℃〜200℃の温度の環境に所定時間この塗膜を曝す。
コーティング液には第二ホスホン酸がさらに含まれていてもよい。この場合、例えば、D液と、第二ホスホン酸を含むH液と、マトリクス樹脂とを混ぜて撹拌し、コーティング液を調製できる。H液は、例えば、以下のように調製できる。
酢酸銅一水和物などの銅塩をテトラヒドロフラン(THF)などの所定の溶媒に添加して撹拌し、銅塩の溶液を得る。次に、この銅塩の溶液に、式(c1)で表されるリン酸ジエステル又は式(c2)で表されるリン酸モノエステルなどのリン酸エステル化合物を加えて撹拌し、E液を調製する。また、第二ホスホン酸をTHFなどの所定の溶媒に加えて撹拌し、F液を調製する。次に、E液を撹拌しながら、E液にF液を加えて所定時間撹拌する。次に、この溶液にトルエンなどの所定の溶媒を加えて撹拌しG液を得る。次に、G液を加温しながら所定時間脱溶媒処理を行って、H液が得られる。
光学フィルタ1aにおいて、光吸収層10は、単一の層として形成されていてもよいし、複数の層として形成されていてもよい。光吸収層10が複数の層として形成されている場合、光吸収層10は、例えば、第一ホスホン酸と銅イオンとによって形成された光吸収剤を含有している第一層と、第二ホスホン酸と銅イオンとによって形成された光吸収剤を含有している第二層とを有する。この場合、第一層を形成するためのコーティング液はD液にシリコーン樹脂等のマトリクス樹脂を加えて撹拌して得られる。一方、第二層は、第一層を形成するためのコーティング液とは別に調製されたコーティング液を用いて形成される。第二層を形成するためのコーティング液は、例えば、H液にシリコーン樹脂等のマトリクス樹脂を加えて撹拌して得られる。
第一層を形成するためのコーティング液及び第二層を形成するためのコーティング液を塗布して塗膜を形成し、この塗膜に対して所定の加熱処理を行って塗膜を硬化させることにより、第一層及び第二層を形成できる。例えば、50℃〜200℃の温度の環境に所定時間この塗膜を曝す。第一層及び第二層を形成する順序は特に制限されず、第一層及び第二層は異なる期間に形成されてもよいし、同一の期間に形成されてもよい。また、第一層と第二層との間には、保護層が形成されてもよい。保護層は、例えばSiO2の蒸着膜によって形成されている。
<変形例>
光学フィルタ1aは、様々な観点から変更可能である。例えば、光学フィルタ1aは、図1B〜図1Eに示す光学フィルタ1b〜1eのそれぞれに変更されてもよい。光学フィルタ1b〜1eは、特に説明する場合を除き、光学フィルタ1aと同様に構成されている。光学フィルタ1aの構成要素と同一又は対応する光学フィルタ1b〜1eの構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。光学フィルタ1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り光学フィルタ1b〜1eにも当てはまる。
図1Bに示す通り、光学フィルタ1bにおいて、透明誘電体基板20の両方の主面上に光吸収層10が形成されている。これにより、1つの光吸収層10によってではなく、透明誘電体基板20によって隔てられた2つの光吸収層10によって、上記の(1)〜(9)に示す条件と、ΔTS 0/40 380-530≦3%、ΔTS 0/40 450-650≦3%、及びΔTS 0/40 530-750≦3%の条件が満たされる。透明誘電体基板20の両方の主面上における光吸収層10の厚みは同一であってもよいし、異なっていてもよい。すなわち、光学フィルタ1bが所望の光学特性を得るために必要な光吸収層10の厚みが均等に又は不均等に分配されるように、透明誘電体基板20の両方の主面上に光吸収層10が形成されている。これにより、光学フィルタ1bの透明誘電体基板20の一方の主面上に形成された各光吸収層10の厚みは、光学フィルタ1aのそれより小さい。透明誘電体基板20の両方の主面上に光吸収層10が形成されていることにより、透明誘電体基板20が薄い場合でも、光学フィルタ1bにおいて反りが抑制される。2つの光吸収層10のそれぞれは、複数の層として形成されていてもよい。
図1Cに示す通り、光学フィルタ1cにおいて、透明誘電体基板20の両方の主面上に光吸収層10が形成されている。加えて、光学フィルタ1cは、反射防止膜30を備えている。反射防止膜30は、光学フィルタ1cと空気との界面をなすように形成された、可視領域の光の反射を低減するための膜である。反射防止膜30は、例えば、樹脂、酸化物、及びフッ化物等の誘電体によって形成された膜である。反射防止膜30は、屈折率の異なる二種類以上の誘電体を積層して形成された多層膜であってもよい。特に、反射防止膜30は、SiO2等の低屈折率材料とTiO2又はTa25等の高屈折率材料とからなる誘電体多層膜であってもよい。この場合、光学フィルタ1cと空気との界面におけるフレネル反射が低減され、光学フィルタ1cを透過する可視領域の光量を増大させることができる。反射防止膜30は、光学フィルタ1cの両面に形成されていてもよいし、光学フィルタ1cの片面に形成されていてもよい。
図1Dに示す通り、光学フィルタ1dは、光吸収層10のみによって構成されている。光学フィルタ1dは、例えば、ガラス基板、樹脂基板、金属基板(例えば、スチール基板又はステンレス基板)等の所定の基板にコーティング液を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を硬化させた後に基板から剥離させることによって製造できる。光学フィルタ1dは、キャスト法によって製造されてもよい。光学フィルタ1dは、透明誘電体基板20を備えていないので薄い。このため、光学フィルタ1dは、撮像装置の低背化により貢献できる。
図1Eに示す通り、光学フィルタ1eは、光吸収層10と、その両面に配置された一対の反射防止膜30とを備えている。この場合、光学フィルタ1eは、撮像装置の低背化に貢献でき、かつ、光学フィルタ1dに比べて可視領域の光量を増大させることができる。
光学フィルタ1a〜1eは、それぞれ、必要に応じて、光吸収層10とは別に、赤外線吸収層(図示省略)を備えるように変更されてもよい。赤外線吸収層は、例えば、シアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、ジインモニウム系、及びアゾ系等の有機系の赤外線吸収剤又は金属錯体からなる赤外線吸収剤を含有している。赤外線吸収層は、例えば、これらの赤外線吸収剤から選ばれる1つ又は複数の赤外線吸収剤を含有している。この有機系の赤外線吸収剤は、吸収可能な光の波長範囲(吸収バンド)が小さく、特定の範囲の波長の光を吸収するのに適している。
光学フィルタ1a〜1eは、それぞれ、必要に応じて、光吸収層10とは別に、紫外線吸収層(図示省略)を備えるように変更されてもよい。紫外線吸収層は、例えば、ベンゾフェノン系、トリアジン系、インドール系、メロシアニン系、及びオキサゾール系等の紫外線吸収剤を含有している。紫外線吸収層は、例えば、これらの紫外線吸収剤から選ばれる1つ又は複数の紫外線吸収剤を含有している。これらの紫外線吸収剤は、例えば300〜340nm付近の紫外線を吸収し、吸収した波長よりも長い波長の光(蛍光)を発し、蛍光剤又は蛍光増白剤として機能するものも含まれうるが、紫外線吸収層により、樹脂等の光学フィルタに使用されている材料の劣化をもたらす紫外線の入射を低減できる。
上記の赤外線吸収剤及び/又は紫外線吸収剤を、樹脂製の透明誘電体基板20に予め含有させて、赤外線及び/又は紫外線を吸収する特性を有する基板を形成してもよい。この場合、樹脂は、赤外線吸収剤及び/又は紫外線吸収剤を適切に溶解又は分散させることができ、かつ、透明であることが必要である。このような樹脂として、(ポリ)オレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、(変性)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、及びシリコーン樹脂を例示できる。
図2に示す通り、光学フィルタ1aは、例えば、撮像装置100(カメラモジュール)を製造するのに使用される。撮像装置100は、レンズ系2と、撮像素子4と、光学フィルタ1aとを備えている。光学フィルタ1aにおいて上記の(1)〜(9)の条件と、ΔTS 0/40 380-530≦3%、ΔTS 0/40 450-650≦3%、及びΔTS 0/40 530-750≦3%の条件とが満たされるので、撮像装置100において生成される画像に色むらが発生しにくい。
図2に示す通り、撮像装置100は、例えば、撮像素子4の前方に配置され、R(赤)、G(緑)、及びB(青)の3色のフィルタを有するカラーフィルタ3をさらに備える。光学フィルタ1aは、カラーフィルタ3の前方に配置されている。カラーフィルタ3及び撮像素子4は、レンズ系2を通過した光を受光する。例えば、光吸収層10は、透明誘電体基板20のレンズ系2に近い面に接して形成されている。前述したように、透明誘電体基板20にサファイアなどの高硬度の材料を用いることにより、レンズ系2又は撮像素子4を保護する効果が増大する。例えば、カラーフィルタ3においてR(赤)、G(緑)、及びB(青)の3色のフィルタがマトリクス状に配置されており、撮像素子4の各画素の真上にR(赤)、G(緑)、及びB(青)のいずれかの色のフィルタが配置されている。撮像素子4は、レンズ系2、光学フィルタ1a、及びカラーフィルタ3を通過した被写体からの光を受光する。撮像装置100は、撮像素子4において受光した光によって生じた電荷に関する情報に基づいて画像を生成する。なお、カラーフィルタ3と撮像素子4とが一体化されて、カラーイメージセンサが構成されていてもよい。
光学フィルタ1aがカラーフィルタ3に近接して配置されるように撮像装置100が変形されてもよい。また、光学フィルタ1aに代えて、又は、光学フィルタ1aとともに、光学フィルタ1b〜1eの少なくとも1つを備えるように撮像装置100が変形されてもよい。
実施例により、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
<透過率スペクトル測定>
波長300〜1200nmの光を実施例及び比較例に係る光学フィルタ、一部の実施例及び比較例に係る光学フィルタの半製品、又は参考例に係る積層体に入射させたときの透過率スペクトルを、紫外線可視分光光度計(日本分光社製、製品名:V−670)を用いて測定した。透過率スペクトルの測定において、入射光の入射角度を0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の少なくともいずれか1つに設定した。また、実施例及び比較例に係る光学フィルタの各入射角度における透過率スペクトル測定の結果から、波長400〜650nmの範囲における分光透過率の最大値が100%になるように正規化された分光透過率曲線(正規化分光透過率曲線)を入射角度毎に得た。各入射角度における正規化分光透過率曲線に基づいて、x°の入射角度における正規化分光透過率とy°の入射角度における正規化分光透過率との差の絶対値の波長Wnm〜Vnm(ここで、W<V)の範囲における平均値ΔTS x/y W-Vを算出した。
<実施例1>
酢酸銅一水和物((CH3COO)2Cu・H2O)1.125gと、テトラヒドロフラン(THF)60gとを混合して3時間撹拌し、酢酸銅溶液を得た。次に、得られた酢酸銅溶液に、リン酸エステル化合物であるプライサーフA208N(第一工業製薬社製)を0.412g加えて30分間撹拌し、A液を得た。フェニルホスホン酸(C65PO(OH)2)(日産化学工業社製)0.176gにTHF10gを加えて30分間撹拌し、B1−1液を得た。4‐ブロモフェニルホスホン酸(C64BrPO(OH)2)(東京化成工業社製)1.058gにTHF10gを加えて30分間撹拌し、B1−2液を得た。次に、B1−1液とB1−2液とを混ぜて1分間撹拌し、メチルトリエトキシシラン(MTES:CH3Si(OC253)(信越化学工業社製)2.166gとテトラエトキシシラン(TEOS:Si(OC254)(キシダ化学社製 特級)0.710gとを加えてさらに1分間撹拌し、B1液を得た。A液を撹拌しながらA液にB1液を加え、室温で1分間撹拌した。次に、この溶液にトルエン25gを加えた後、室温で1分間撹拌し、C1液を得た。C1液をフラスコに入れてオイルバス(東京理化器械社製、型式:OSB−2100)で加温しながら、ロータリーエバポレータ(東京理化器械社製、型式:N−1110SF)によって脱溶媒処理を行った。オイルバスの設定温度は105℃に調整した。その後、フラスコの中から脱溶媒処理後の液を取り出して、D1液を得た。D1液は、フェニルホスホン酸銅と4‐ブロモフェニルホスホン酸銅とを含むフェニル系ホスホン酸銅(光吸収剤)の微粒子の分散液であった。D1液は透明であり、D1液において光吸収剤の微粒子が良好に分散していた。
酢酸銅一水和物1.125gとTHF36gとを混合して3時間撹拌し、酢酸銅溶液を得た。次に、得られた酢酸銅溶液に、リン酸エステル化合物であるプライサーフA208Nを0.643g加えて30分間撹拌し、E1液を得た。また、n‐ブチルホスホン酸(C49PO(OH)2)(日本化学工業社製)0.722gにTHF10gを加えて30分間撹拌し、F1液を得た。E1液を撹拌しながらE1液にF1液を加え、室温で1分間撹拌した。次に、この溶液にトルエン25gを加えた後室温で1分間撹拌し、G1液を得た。G1液をフラスコに入れてオイルバスで加温しながら、ロータリーエバポレータによって、脱溶媒処理を行った。オイルバスの設定温度は105℃に調整した。その後、フラスコの中から脱溶媒処理後の液を取り出して、H1液を得た。H1液は、ブチルホスホン酸銅の微粒子の分散液であった。H1液は透明であり、H1液において微粒子が良好に分散していた。
D1液にシリコーン樹脂(信越化学工業社製、製品名:KR−300)を2.200g添加し30分間撹拌して、I1液を得た。H1液をI1液に加えて30分間撹拌し、実施例1に係る光吸収性組成物を得た。
76mm×76mm×0.07mmの寸法を有するホウケイ酸ガラスでできた透明ガラス基板(SCHOTT社製、製品名:D263 T eco)の両面の中心部の30mm×30mmの範囲にディスペンサを用いて実施例1に係る光吸収性組成物を塗布して塗膜を形成した。光吸収性組成物を透明ガラス基板に塗布するときに塗布液が流れ出さないように、塗布液の塗布範囲に相当する開口を有する枠を透明ガラス基板上に置いて塗布液をせき止めた。透明ガラス基板の片面に塗布した後、塗布した光吸収性組成物の流動性がなくなるまで常温で放置した後、透明ガラス基板の反対側の面にも同様にして光吸収性組成物を塗布した。光吸収性組成物の塗布量は透明ガラス基板の両面において光吸収性組成物の塗膜に由来する層の厚みの総和が最終的に180μm程度になるよう決めた。次に、未乾燥の光吸収性組成物の塗膜を有する透明ガラス基板をオーブンに入れて、85℃で6時間加熱処理を行い、塗膜を硬化させた。その後、温度85℃及び相対湿度85%に設定された恒温恒湿槽内に、上記の塗膜が形成された透明ガラス基板を20時間置いて加湿処理を行った。加湿処理は、透明ガラス基板上に塗布された光吸収性組成物に含まれるアルコキシシランモノマーの加水分解及び縮重合を促進させ、光吸収層において硬質で緻密なマトリクスを形成するために行った。その後、透明ガラス基板上に光吸収層が形成された領域を切り出し、実施例1に係る光学フィルタを得た。実施例1に係る光学フィルタの両面における光吸収層の厚みの総和は183μmであった。0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度における実施例1に係る光学フィルタの透過率スペクトルを図3A及び図3Bに示す。0°の入射角度における実施例1に係る光学フィルタの透過率スペクトルから読み取った特性値を表3に示す。0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度における実施例1に係る光学フィルタの正規化分光透過率曲線を図4A及び図4Bに示す。実施例1に係る光学フィルタにおける、入射角度x°が0°であるときのΔTS 0/y W-Vの値及び入射角度x°が30°であるときのΔTS 30/y W-Vの値をそれぞれ表4及び表5に示す。
表3に示す通り、実施例1に係る光学フィルタにおいて、上記の(1)〜(9)の条件が満たされていた。また、表4及び表5に示す通り、実施例1に係る光学フィルタにおける、ΔTS 0/y W-Vの値及びΔTS 30/y W-Vの値はそれぞれ表1及び表2に示す条件を満たしていた。図3A及び図3Bに示す通り、実施例1に係る光学フィルタにおいて、波長380nm以下の領域及び波長700nm以上の領域での透過率は十分に低く、波長450nm及び500〜600nmの透過率は十分高かった。換言すると、実施例1に係る光学フィルタは、紫外線領域及び近赤外線領域の光を良好に遮蔽でき、かつ、可視領域の光を十分透過させることができる特性を有していた。図4A及び図4Bに示す通り、実施例1に係る光学フィルタにおいて、0°〜65°の入射角度に対する波長380nm以下の領域及び波長700nm以上の領域における正規化分光透過率は十分に低く、波長450nm及び波長500〜600nmの正規化分光透過率は十分に高かった。このため、実施例1に係る光学フィルタは、撮像装置において設計上想定される撮像素子への入射角度に応じて光量の低下を補うよう感度補正がなされる場合でも、紫外線領域及び近赤外線領域の光を良好に遮蔽しつつ、可視領域の光を十分に透過させるために有利な特性を有していた。また、実施例1に係る光学フィルタにおいて、各入射角度における正規化分光透過率曲線の形状のずれが小さく、実施例1に係る光学フィルタを用いた撮像装置で生成される画像内で色むらが生じにくいと考えられる。
<実施例2>
酢酸銅一水和物((CH3COO)2Cu・H2O)1.125gとテトラヒドロフラン(THF)60gとを混合して3時間撹拌し、酢酸銅溶液を得た。次に、得られた酢酸銅溶液に、リン酸エステル化合物であるプライサーフA208N(第一工業製薬社製)を0.412g加えて30分間撹拌し、A液を得た。フェニルホスホン酸(C65PO(OH)2)(日産化学工業社製)0.441gにTHF10gを加えて30分間撹拌し、B2−1液を得た。4‐ブロモフェニルホスホン酸(C64BrPO(OH)2)(東京化成工業社製)0.661gにTHF10gを加えて30分間撹拌し、B2−2液を得た。次に、B2−1液とB2−2液とを混ぜて1分間撹拌し、メチルトリエトキシシラン(MTES:CH3Si(OC253)(信越化学工業社製)1.934gとテトラエトキシシラン(TEOS:Si(OC254)(キシダ化学社製 特級)0.634gとを加えてさらに1分間撹拌し、B2液を得た。A液を撹拌しながらA液にB2液を加え、室温で1分間撹拌した。次に、この溶液にトルエン25gを加えた後、室温で1分間撹拌し、C2液を得た。C2液をフラスコに入れてオイルバス(東京理化器械社製、型式:OSB−2100)で加温しながら、ロータリーエバポレータ(東京理化器械社製、型式:N−1110SF)によって、脱溶媒処理を行った。オイルバスの設定温度は105℃に調整した。その後、フラスコの中から脱溶媒処理後の液を取り出し、D2液を得た。D2液は、フェニルホスホン酸銅と4‐ブロモフェニルホスホン酸銅とを含むフェニル系ホスホン酸銅(光吸収剤)の微粒子の分散液であった。D2液は透明であり、D2液において微粒子が良好に分散していた。
酢酸銅一水和物1.125gとTHF36gとを混合して3時間撹拌し、酢酸銅溶液を得た。次に、得られた酢酸銅溶液に、リン酸エステル化合物であるプライサーフA208Nを0.710g加えて30分間撹拌し、E2液を得た。また、n‐ブチルホスホン酸(C49PO(OH)2)(日本化学工業社製)0.708gにTHF10gを加えて30分間撹拌し、F2液を得た。E2液を撹拌しながらE2液にF2液を加え、室温で1分間撹拌した。次に、この溶液にトルエン25gを加えた後、室温で1分間撹拌し、G2液を得た。このG2液をフラスコに入れてオイルバスで加温しながら、ロータリーエバポレータによって、脱溶媒処理を行った。オイルバスの設定温度は105℃に調整した。その後、フラスコの中から脱溶媒処理後の液を取り出し、H2液を得た。H2液は、ブチルホスホン酸銅の微粒子の分散液であった。H2液は透明であり、H2液において微粒子が良好に分散していた。
D2液にシリコーン樹脂(信越化学工業社製、製品名:KR−300)を2.200g添加し30分間撹拌して、I2液を得た。H2液をI2液に加えて30分間撹拌し、実施例2に係る光吸収性組成物を得た。
76mm×76mm×0.21mmの寸法を有するホウケイ酸ガラスでできた透明ガラス基板(SCHOTT社製、製品名:D263 T eco)の一方の主面の中心部の30mm×30mmの範囲にディスペンサを用いて実施例2に係る光吸収性組成物を塗布して塗膜を形成した。光吸収性組成物を透明ガラス基板に塗布するときに塗布液が流れ出さないように、塗布液の塗布範囲に相当する開口を有する枠を透明ガラス基板上に置いて塗布液をせき止めた。光吸収性組成物の塗布量は光吸収性組成物の塗膜に由来する層の厚みが最終的に170μm程度になるよう決めた。次に、未乾燥の光吸収性組成物の塗膜を有する透明ガラス基板をオーブンに入れて、85℃で6時間加熱処理を行い、塗膜を硬化させた。その後、温度85℃及び相対湿度85%に設定された恒温恒湿槽内に、上記の塗膜が形成された透明ガラス基板を20時間置いて加湿処理を行い、透明ガラス基板上に光吸収層が形成された実施例2に係る光学フィルタを得た。加湿処理は、透明ガラス基板上に塗布された光吸収性組成物に含まれるアルコキシシランモノマーの加水分解及び縮重合を促進させ、光吸収層において硬質で緻密なマトリクスを形成するために行った。その後、透明ガラス基板上に光吸収層が形成された領域を切り出し、実施例2に係る光学フィルタを得た。実施例2に係る光学フィルタの光吸収層の厚みは170μmであった。0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度における実施例2に係る光学フィルタの透過率スペクトルを図5A及び図5Bに示す。0°の入射角度における実施例2に係る光学フィルタの透過率スペクトルから読み取った特性値を表6に示す。0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度における実施例2に係る光学フィルタの正規化分光透過率曲線を図6A及び図6Bに示す。実施例2に係る光学フィルタにおける、入射角度x°が0°であるときのΔTS 0/y W-Vの値及び入射角度x°が30°であるときのΔTS 30/y W-Vの値をそれぞれ表7及び表8に示す。
表6に示す通り、実施例2に係る光学フィルタにおいて、上記の(1)〜(9)の条件が満たされていた。また、表7及び表8に示す通り、実施例2に係る光学フィルタにおける、ΔTS 0/y W-Vの値及びΔTS 30/y W-Vの値はそれぞれ表1及び表2に示す条件を満たしていた。図5A及び図5Bに示す通り、実施例2に係る光学フィルタにおいて、実施例1に係る光学フィルタと比較すると、透過帯域が短波長側に延びており、波長380nmで20%弱の透過率を示した。日本工業規格(JIS) Z 8120によれば、可視光線に相当する電磁波の波長範囲の短波長限界は360〜400nmと記載されている。実施例2に係る光学フィルタにおいて可視光線の短波長限界付近において波長の増加とともに透過率が急激に増加するといえる。実施例2に係る光学フィルタにおいて、波長1100nmを超える帯域では若干の光の透過が認められたが、この帯域において一般的な撮像素子は感度が低い。このため、実施例2に係る光学フィルタを撮像装置に組み込むのに実用上の問題は無いと考えられる。
実施例2に係る光学フィルタにおいて、波長380nm未満の領域及び波長700nm以上の領域での透過率は、波長1100nm以上の領域を除けば十分に低く、波長450nm及び波長500〜600nmにおける透過率は十分高い。このため、実施例2に係る光学フィルタは、紫外線領域及び近赤外線領域において光を良好に遮蔽でき、可視領域において十分に光を透過させることができる特性を有していた。図6A及び図6Bに示す通り、実施例2に係る光学フィルタにおいて、0°〜65°の入射角度に対する波長380nm未満の領域及び波長700nm以上の領域における正規化分光透過率は、波長1100nm以上の領域を除けば十分に低く、波長450nm及び波長500〜600nmの正規化分光透過率は十分に高かった。このため、実施例2に係る光学フィルタは、撮像装置において設計上想定される撮像素子への入射角度に応じて光量の低下を補うよう感度補正がなされる場合でも、紫外線領域及び近赤外線領域の光を良好に遮蔽しつつ、可視領域の光を十分に透過させるために有利な特性を有していた。また、実施例2に係る光学フィルタにおいて、各入射角度における正規化分光透過率曲線の形状のずれが小さく、実施例2に係る光学フィルタを用いた撮像装置で生成される画像内で色むらが生じにくいと考えられる。なお、実施例2に係る光学フィルタは、透明ガラス基板の片面のみに光吸収層を備えるので、光吸収層における応力により透明ガラス基板の反りを抑制するために透明ガラス基板の厚みを実施例1に係る光学フィルタの透明ガラス基板の厚みに比べて大きくした。換言すると、実施例1に係る光学フィルタのように透明ガラス基板の両面に光吸収層を形成すれば、透明ガラス基板の厚みを薄くしやすい。
<実施例3>
酢酸銅一水和物((CH3COO)2Cu・H2O)1.125gとテトラヒドロフラン(THF)60gとを混合して3時間撹拌し、酢酸銅溶液を得た。次に、得られた酢酸銅溶液に、リン酸エステル化合物であるプライサーフA208N(第一工業製薬社製)を0.412g加えて30分間撹拌し、A液を得た。フェニルホスホン酸(C65PO(OH)2)(日産化学工業社製)0.176gにTHF10gを加えて30分間撹拌し、B3−1液を得た。4‐ブロモフェニルホスホン酸(C64BrPO(OH)2)(東京化成工業社製)1.058gにTHF10gを加えて30分間撹拌し、B3−2液を得た。次に、B3−1液とB3−2液とを混ぜて1分間撹拌し、メチルトリエトキシシラン(MTES:CH3Si(OC253)(信越化学工業社製)2.166gと、テトラエトキシシラン(TEOS:Si(OC254)(キシダ化学社製 特級)0.710gとを加えてさらに1分間撹拌し、B3液を得た。A液を撹拌しながらA液にB3液を加え、室温で1分間撹拌した。次に、この溶液にトルエン25gを加えた後、室温で1分間撹拌し、C3液を得た。このC3液をフラスコに入れてオイルバス(東京理化器械社製、型式:OSB−2100)で加温しながら、ロータリーエバポレータ(東京理化器械社製、型式:N−1110SF)によって、脱溶媒処理を行った。オイルバスの設定温度は105℃に調整した。その後、フラスコの中から脱溶媒処理後の液を取り出し、D3液を得た。D3液は、フェニルホスホン酸銅と4‐ブロモフェニルホスホン酸銅とを含むフェニル系ホスホン酸銅(光吸収剤)の微粒子の分散液であった。D3液は透明であり、D3液において微粒子が良好に分散していた。
酢酸銅一水和物1.125gとTHF36gとを混合して3時間撹拌し、酢酸銅溶液を得た。次に、得られた酢酸銅溶液に、リン酸エステル化合物であるプライサーフA208Nを0.643g加えて30分間撹拌し、E3液を得た。また、n‐ブチルホスホン酸(C49PO(OH)2)(日本化学工業社製)0.722gにTHF10gを加えて30分間撹拌し、F3液を得た。E3液を撹拌しながらE3液にF3液を加え、室温で1分間撹拌した。次に、この溶液にトルエン25gを加えた後、室温で1分間撹拌し、G3液を得た。このG3液をフラスコに入れてオイルバスで加温しながら、ロータリーエバポレータによって、脱溶媒処理を行った。オイルバスの設定温度は105℃に調整した。その後、フラスコの中から脱溶媒処理後の液を取り出し、H3液を得た。H3液は、ブチルホスホン酸銅の微粒子の分散液であった。H3液は透明であり、H3液において微粒子が良好に分散していた。
D3液にシリコーン樹脂(信越化学工業社製、製品名:KR−300)を2.200g添加し30分間撹拌して、I3液を得た。H3液をI3液に加えて30分間撹拌し、実施例3に係る光吸収性組成物を得た。
76mm×76mm×0.21mmの寸法を有するホウケイ酸ガラスでできた透明ガラス基板(SCHOTT社製、製品名:D263 T eco)の一方の主面の中心部の30mm×30mmの範囲にディスペンサを用いて実施例3に係る光吸収性組成物を塗布して塗膜を形成した。光吸収性組成物を透明ガラス基板に塗布するときに塗布液が流れ出さないように、塗布液の塗布範囲に相当する開口を有する枠を透明ガラス基板上に置いて塗布液をせき止めた。光吸収性組成物の塗布量は、光吸収性組成物の塗膜に由来する層の厚みが最終的に135μm程度になるよう決めた。次に、未乾燥の塗膜を有する透明ガラス基板をオーブンに入れて、85℃で6時間加熱処理を行い、塗膜を硬化させた。その後、温度85℃及び相対湿度85%に設定された恒温恒湿槽内に、上記の塗膜が形成された透明ガラス基板を20時間置いて加湿処理を行い、透明ガラス基板上に光吸収層を形成した。加湿処理は、透明ガラス基板上に塗布された光吸収性組成物に含まれるアルコキシシランモノマーの加水分解及び縮重合を促進させ、光吸収層において硬質で緻密なマトリクスを形成するために行った。このようにして得られた透明ガラス基板上の光吸収層を剥離することによって、実施例3に係る光学フィルタを得た。実施例3に係る光学フィルタの厚みは135μmであった。0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度における実施例3に係る光学フィルタの透過率スペクトルを図7A及び図7Bに示す。0°の入射角度における実施例3に係る光学フィルタの透過率スペクトルから読み取った特性値を表9に示す。0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度における実施例3に係る光学フィルタの正規化分光透過率曲線を図8A及び図8Bに示す。実施例3に係る光学フィルタにおける、入射角度x°が0°であるときのΔTS 0/y W-Vの値及び入射角度x°が30°であるときのΔTS 30/y W-Vの値をそれぞれ表10及び表11に示す。
表9に示す通り、実施例3に係る光学フィルタにおいて、上記の(1)〜(9)の条件が満たされていた。また、表10及び表11に示す通り、実施例3に係る光学フィルタにおける、ΔTS 0/y W-Vの値及びΔTS 30/y W-Vの値はそれぞれ表1及び表2に示す条件を満たしていた。実施例3に係る光学フィルタにおいて、実施例1及び2に係る光学フィルタと比べると、波長700nm及び波長715nmにおける透過率がやや高いものの許容範囲であった。実施例3に係る光学フィルタにおいて、実施例1に係る光学フィルタと比べると、波長1100nmを超える帯域では若干の光の透過が認められたが、実施例2に係る光学フィルタと比べるとこの帯域における光の透過は抑制されていた。この帯域において一般的な撮像素子は感度が低いので、実施例3に係る光学フィルタを撮像装置に組み込むのに実用上の問題は無いと考えられる。実施例3に係る光学フィルタにおいて、波長380nm以下の領域において透過率は十分に低く、波長450nm及び波長500〜600nmの領域において透過率は十分高い。換言すると、実施例3に係る光学フィルタは、紫外線領域及び近赤外線領域において良好に光を遮蔽でき、可視領域において十分に光を透過させることができる特性を有していた。
図8A及び図8Bに示す通り、実施例3に係る光学フィルタにおいて、0°〜65°の入射角度に対する波長380nm以下の領域及び波長700nm以上の領域における正規化分光透過率は十分に低く、波長450nm及び波長500〜600nmの正規化分光透過率は十分に高かった。このため、実施例3に係る光学フィルタは、撮像装置において設計上想定される撮像素子への入射角度に応じて光量の低下を補うよう感度補正がなされる場合でも、紫外線領域及び近赤外線領域の光を良好に遮蔽しつつ、可視領域の光を十分に透過させるために有利な特性を有していた。また、実施例3に係る光学フィルタにおいて、各入射角度における正規化分光透過率曲線の形状のずれが小さく、実施例3に係る光学フィルタを用いた撮像装置で生成される画像内で色むらが生じにくいと考えられる。実施例3に係る光学フィルタは、透明ガラス基板を備えず、光吸収層のみで構成されているので、光学フィルタの厚みを低減できた。
<実施例4>
酢酸銅一水和物1.1gとテトラヒドロフラン(THF)60gとを混合して3時間撹拌して得られた液に、リン酸エステル(第一工業製薬社製 製品名:プライサーフA208F)2.3gを加えて30分間撹拌し、A4液を得た。フェニルホスホン酸(東京化成工業社製)0.6gにTHF10gを加えて30分間撹拌しB4液を得た。A4液を撹拌しながらB4液を加え、室温で1分間撹拌した。この溶液にトルエン45gを加えた後、室温で1分間撹拌し、C4液を得た。C4液をフラスコに入れて120℃に調整したオイルバス(東京理化器械社製、型式:OSB−2100)で加温しながら、ロータリーエバポレータ(東京理化器械社製、型式:N−1110SF)によって、25分間脱溶媒処理を行った。フラスコの中から脱溶媒処理後の溶液を取り出し、シリコーン樹脂(信越化学工業社製、製品名:KR−300)を4.4g添加し、室温で30分間撹拌し、光吸収性組成物IRA1を得た。
酢酸銅一水和物2.25gとテトラヒドロフラン(THF)120gとを混合して3時間撹拌して得られた液に、リン酸エステル(第一工業製薬社製 製品名:プライサーフA208F)1.8gを加えて30分間撹拌し、E4液を得た。ブチルホスホン酸1.35gにTHF20gを加えて30分間撹拌し、F4液を得た。E4液を撹拌しながらF4液を加え室温で3時間撹拌した後トルエンを40g加え、その後85℃の環境で7.5時間かけて溶媒を揮発させた。この液にシリコーン樹脂(信越化学工業社製、製品名:KR−300)8.8gを加えて3時間撹拌し、光吸収性組成物IRA2を得た。
得られた光吸収性組成物IRA1を、透明ガラス基板(SCHOTT社製、製品名:D263 T eco)の一方の主面にダイコータによって塗布し、オーブンにて85℃で3時間、次いで125℃で3時間、次いで150℃で1時間、次いで170℃で3時間の加熱処理を行い、塗膜を硬化させ光吸収層ira11を形成した。透明ガラス基板の反対側の主面にも同様にして光吸収性組成物IRA1を塗布し、光吸収層ira11を形成するための条件と同一の条件で塗膜を硬化させて光吸収層ira12を形成した。光吸収層ira11の厚さと光吸収層ira12の厚さとは合わせて0.2mmであった。このようにして、半製品αを得た。0°の入射角度で波長300〜1200nmの光を半製品αに入射させたときの透過率スペクトルを図9Aに示す。この透過率スペクトルにおいて、波長380nmにおける分光透過率は10.9%であり、波長450nmにおける分光透過率は85.7%であり、波長500〜600nmの範囲における分光透過率の平均値は88.1%であり、波長700nmにおける分光透過率は2.3%であり、波長715nmにおける分光透過率は0.9%であり、波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値は0.4%であり、波長750〜1080nmの範囲における分光透過率の最大値は7.6%であり、波長1000〜1100nmの範囲の分光透過率の最大値は12.1%であった。
光吸収層ira11及び光吸収層ira12上に真空蒸着装置を用いて500nmの厚みを有するSiO2膜を蒸着して、保護層p1及び保護層p2をそれぞれ形成した。保護層p1の表面に光吸収性組成物IRA2をダイコータによって塗布し、オーブンにて85℃で3時間、次いで125℃で3時間、次いで150℃で1時間、次いで170℃で3時間の加熱処理を行い、塗膜を硬化させ光吸収層ira21を形成した。保護層p2上にも光吸収性組成物IRA2を塗布し、光吸収層ira21を形成するための加熱処理の条件と同一の条件で加熱処理を行って塗膜を硬化させ、光吸収層ira22を形成した。光吸収層ira21の厚さと光吸収層ira22の厚さとは合わせて50μmであった。このようにして、半製品βを得た。0°の入射角度で波長300〜1200nmの光を半製品βに入射させたときの透過率スペクトルを図9Bに示す。この透過率スペクトルにおいて、波長380nmにおける分光透過率は10.5%であり、波長450nmにおける分光透過率は84.0%であり、波長500〜600nmの範囲における分光透過率の平均値は87.2%であり、波長700nmにおける分光透過率は1.8%であり、波長715nmにおける分光透過率は0.6%であり、波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値は0.3%であり、波長750〜1080nmの範囲における分光透過率の最大値は0.7%であり、波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値は1.2%であった。
光吸収層ira22上に真空蒸着装置を用いて500nmの厚みを有するSiO2膜を蒸着し、保護層p3を形成した。
可視領域において光の吸収が少なく、メチルエチルケトン(MEK)に可溶なベンゾフェノン系紫外線吸収性物質からなる紫外線吸収性物質と、溶媒としてMEKとを含む溶液に、この溶液の固形分の60重量%に相当する量のポリビニルブチラール(PVB)を添加した後2時間撹拌して、光吸収性組成物UVA1を得た。
保護層p3の上に光吸収性組成物UVA1をスピンコートで塗布し、塗膜を140℃で30分間加熱して硬化させ、光吸収層uva1を形成した。光吸収層uva1の厚さは6μmであった。別途、透明ガラス基板(SCHOTT社製、製品名:D263 T eco)の一方の主面に光吸収性組成物UVA1を用いて6μmの厚さの光吸収層uva1を形成し、参考例1に係る積層体を得た。0°の入射角度で波長300〜1200nmの光を参考例1に係る積層体に入射させたときの透過率スペクトルを図9Cに示す。
光吸収層ira21及び光吸収層uva1上に真空蒸着により、それぞれ、反射防止膜ar1及び反射防止膜ar2を形成した。反射防止膜ar1及び反射防止膜ar2は、同一の仕様を有しており、SiO2とTiO2とを交互に積層した膜であった。反射防止膜ar1及び反射防止膜ar2の層数は7層であり、反射防止膜ar1及び反射防止膜ar2の全体の厚みは約0.4μmであった。このようにして、実施例4に係る光学フィルタを得た。なお、透明ガラス基板(SCHOTT社製、製品名:D263 T eco)の片面に反射防止膜ar1を成膜して参考例2に係る積層体を得た。0°、30°、50°、及び65°の入射角度で波長300〜1200nmの光を参考例2に係る積層体に入射させたときの透過率スペクトルを図9Dに示す。図9Dに示す通り、参考例2に係る積層体において、入射角度によらず、波長400〜700nmの範囲において局所的に透過率が低下する波長帯は存在しなかった。
0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度における実施例4に係る光学フィルタの透過率スペクトルを図10A及び図10Bに示す。0°の入射角度における実施例4に係る光学フィルタの透過率スペクトルから読み取った特性値を表12に示す。0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度における実施例4に係る光学フィルタの正規化分光透過率曲線を図11A及び図11Bに示す。実施例4に係る光学フィルタにおける、入射角度x°が0°であるときのΔTS 0/y W-Vの値及び入射角度x°が30°であるときのΔTS 30/y W-Vの値をそれぞれ表13及び表14に示す。
表12に示す通り、実施例4に係る光学フィルタにおいて、上記の(1)〜(9)の条件が満たされていた。表13及び表14に示す通り、実施例4に係る光学フィルタにおける、ΔTS 0/y W-Vの値及びΔTS 30/y W-Vの値はそれぞれ表1及び表2に示す条件を満たしていた。実施例4に係る光学フィルタにおいて、波長380nm以下の領域及び波長700nm以上の領域において透過率は十分に低く、波長450nm及び波長500〜600nmの領域において透過率は十分高い。換言すると、実施例4に係る光学フィルタは、紫外線領域及び近赤外線領域において良好に光を遮蔽でき、可視領域において十分に光を透過させることができる特性を有していた。また、実施例4に係る光学フィルタは反射防止膜を備えるので、実施例1〜3に係る光学フィルタと比べて、実施例4に係る光学フィルタにおいて可視領域における透過率が高かった。加えて、0°〜65°の入射角度で実施例4に係る光学フィルタに光を入射させても、波長400〜700nmの範囲においてリップルが生じなかった。さらに、実施例4に係る光学フィルタが光吸収層uva1を備えることにより、実施例4に係る光学フィルタにおいて波長400nm付近から波長の増加に伴い透過率が急激に増加していた。
図11A及び図11Bに示す通り、実施例4に係る光学フィルタにおいて、0°〜65°の入射角度に対する波長380nm以下の領域及び波長700nm以上の領域における正規化分光透過率は十分に低く、波長450nm及び波長500〜600nmの正規化分光透過率は十分に高かった。このため、実施例4に係る光学フィルタは、撮像装置において設計上想定される撮像素子への入射角度に応じて光量の低下を補うよう感度補正がなされる場合でも、紫外線領域及び近赤外線領域の光を良好に遮蔽しつつ、可視領域の光を十分に透過させるために有利な特性を有していた。また、実施例4に係る光学フィルタにおいて、各入射角度における正規化分光透過率曲線の形状のずれが小さく、実施例4に係る光学フィルタを用いた撮像装置で生成される画像内で色むらが生じにくいと考えられる。
<比較例1>
透明ガラス基板(SCHOTT社製、製品名:D263 T eco)の一方の主面に、蒸着装置を用いてSiO2とTiO2とを交互に50層積層することによって、波長730〜1100nmの範囲において光を反射させる光反射層irr1を形成し、半製品γを得た。0°、30°、及び50°の入射角度で波長300〜1200nmの光を半製品γに入射させたときの透過率スペクトルを図12Aに示す。0°の入射角度に関する透過率スペクトルにおいて、波長380nmにおける分光透過率が0.2%未満であり、波長450nmにおける分光透過率が94.8%であり、波長500〜600nmの範囲における分光透過率の平均値が94.3%であり、波長700nmにおける分光透過率が62.8%であり、波長715nmにおける分光透過率が9.5%であり、波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値は6.1%であり、波長750〜1080nmの範囲における分光透過率の最大値は1.0%であり、波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値は0.5%であった。30°の入射角度に関する透過率スペクトルにおいて、波長380nmにおける分光透過率が0.2%未満であり、波長450nmにおける分光透過率が94.6%であり、波長500〜600nmの範囲における分光透過率の平均値が93.3%であり、波長700nmにおける分光透過率が3.2%であり、波長715nmにおける分光透過率が1.4%であり、波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値が1.0%であり、波長750〜1080nmにおける分光透過率の最大値が0.8%であり、波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値が0.6%であった。50°の入射角度に関する透過率スペクトルにおいて、波長380nmにおける分光透過率が3.7%であり、波長450nmにおける分光透過率が84.0%であり、波長500〜600nmの範囲における分光透過率の平均値が86.0%であり、波長700nmにおける分光透過率が1.6%であり、波長715nmにおける分光透過率が1.1%であり、波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値が0.9%であり、波長750〜1080nmの範囲における分光透過率の最大値が6.8%であり、波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値が12.7%であった。
MEKに可溶なシアニン系の赤外線吸収色素及びスクアリリウム系の赤外線吸収色素を溶媒としてのMEKに添加して調製した溶液に、この溶液の固形分の99重量%に相当する量のPVBを添加し、その後2時間撹拌して、コーティング液を得た。このコーティング液を、半製品γにおいて光反射層irr1が形成された透明ガラス基板の主面と反対側の主面にスピンコートで塗布し、140℃で30分間塗膜を加熱して硬化させ、光吸収層ira3を形成した。別途、透明ガラス基板(SCHOTT社製、製品名:D263 T eco)の一方の主面に光吸収層ira3を同様に形成して参考例3に係る積層体を得た。0°の入射角度で波長300〜1200nmの光を参考例3に係る積層体に入射させたときの透過率スペクトルを図12Bに示す。この透過率スペクトルにおいて、波長380nmにおける分光透過率は80.1%であり、波長450nmにおける分光透過率は83.8%であり、波長500〜600nmにおける分光透過率の平均値は86.9%であり、波長700nmにおける分光透過率は2.0%であり、波長715nmにおける分光透過率は2.6%であり、波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値は15.9%であり、波長750〜1080nmの範囲における分光透過率の最大値は90.2%であり、波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値は91.1%であった。
光吸収層ira3上に真空蒸着により、反射防止膜ar1を実施例4に係る光学フィルタの反射防止膜ar1と同一の仕様で形成した。このようにして、比較例1に係る光学フィルタを作製した。
0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度における比較例1に係る光学フィルタの透過率スペクトルを図13A及び図13Bに示す。0°の入射角度における比較例1に係る光学フィルタの透過率スペクトルから読み取った特性値を表15に示す。0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度における比較例1に係る光学フィルタの正規化分光透過率曲線を図14A及び図14Bに示す。比較例1に係る光学フィルタにおける、入射角度x°が0°であるときのΔTS 0/y W-Vの値及び入射角度x°が30°であるときのΔTS 30/y W-Vの値をそれぞれ表16及び表17に示す。
表15に示す通り、比較例1に係る光学フィルタは、上記の(1)〜(9)の条件を満たしていた。しかし、表16に示す通り、比較例1に係る光学フィルタにおける、ΔTS 0/y W-Vの値は、ΔTS 0/30 450-650、ΔTS 0/30 530-750、及びΔTS 0/35 450-650を除き、表1に示す条件を満たしていなかった。また、表17に示す通り、比較例1に係る光学フィルタにおける、ΔTS 30/y W-Vの値は、ΔTS 30/35 450-650、ΔTS 30/35 530-750、及びΔTS 30/35 650-1200を除き、表2に示す条件を満たしていなかった。図13A及び図13Bに示す通り、比較例1に係る光学フィルタにおいて、光の入射角度が大きくなるにつれて、光反射層irr1の反射帯域が短波長側にシフトする影響が現れるとともに、500nm前後に大きなリップルが発生していた。このため、比較例1に係る光学フィルタにおける、ΔTS 0/y W-Vの値及びΔTS 30/y W-Vの値の多くにおいて、表1及び表2に示す上限値を大きく上回っていた。
比較例1に係る光学フィルタは、光吸収層の作用だけではなく光反射層の作用によっても、近赤外線領域の光を遮蔽している。光反射層は多層膜による干渉効果によって光を反射する機能を発揮するので、設計値を超える大きな入射角度の光線に対しては、反射する波長帯が短波長側にシフトするだけでなく、本来透過させたい波長帯にリップルを生じ、分光透過率曲線を大きくゆがめてしまう。このため、比較例1に係る光学フィルタにおいて、垂直に入射する光線に対する透過率スペクトルは所望の基準を満たしていたが、大きな入射角度の光線に対する透過率スペクトルは所望の基準を満たすことができなかった。このため、比較例1に係る光学フィルタが組み込まれた撮像装置を用いて広角撮影等の被写体に対して広い画角の撮影を行う場合、撮影された画像において被写体の均一な色調を再現することが難しく、加えて、得られた画像内に強い色むらが発生することが懸念される。
<比較例2>
光吸収性透明基板bg1を準備した。0°の入射角度で波長300〜1200nmの光を光吸収性透明基板bg1に入射させたときの透過率スペクトルを図15Aに示す。この透過率スペクトルにおいて、波長380nmにおける分光透過率は86.8%であり、波長450nmにおける分光透過率は90.2%であり、波長500〜600nmの範囲における分光透過率の平均値は86.5%であり、波長700nmにおける分光透過率は29.8%であり、波長715nmにおける分光透過率は25.3%であり、波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値は19.1%であり、波長750〜1080nmにおける分光透過率の最大値は30.2%であり、波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値は32.5%であった。
光吸収性透明基板bg1の一方の主面に、蒸着装置を用いてSiO2とTiO2とを交互に54層積層することによって、波長720〜1100nmの範囲において光を反射させる光反射層irr2を形成した。別途、透明ガラス基板(SCHOTT社製、製品名:D263 T eco)の一方の主面に光反射層irr2を同様に形成して、参考例4に係る積層体を作製した。0°、30°、及び50°の入射角度で波長300〜1200nmの光を参考例4に係る積層体に入射させたときの透過率スペクトルを図15Bに示す。0°の入射角度に関する透過率スペクトルにおいて、波長380nmにおける分光透過率は0.2%未満であり、波長450nmにおける分光透過率は94.3%であり、波長500〜600nmの範囲における分光透過率の平均値は94.7%であり、波長700nmにおける分光透過率は73.5%であり、波長715nmにおける分光透過率は9.8%であり、波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値は6.7%であり、波長750〜1080nmの範囲における分光透過率の最大値は0.7%であり、波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値は0.3%であった。30°の入射角度に関する透過率スペクトルにおいて、波長380nmにおける分光透過率は1.6%であり、波長450nmにおける分光透過率は90.8%であり、波長500〜600nmにおける平均透過率は93.2%であり、波長700nmにおける分光透過率は2.7%であり、波長715nmにおける分光透過率は1.1%であり、波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値は0.8%であり、波長750〜1080nmの範囲における分光透過率の最大値は0.7%であり、波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値は1.0%であった。50°の入射角度に関する透過率スペクトルにおいて、波長380nmにおける分光透過率は49.4%であり、波長450nmにおける分光透過率は87.5%であり、波長500〜600nmの範囲における分光透過率の平均値は89.8%であり、波長700nmにおける分光透過率は1.6%であり、波長715nmにおける分光透過率は0.8%であり、波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値は0.9%であり、波長750〜1080nmの範囲における分光透過率の最大値は6.0%であり、波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値は13.0%であった。
紫外線吸収剤として、可視領域において光の吸収が少なく、MEKに可溶なベンゾフェノン系紫外線吸収性物質を用い、赤外線吸収剤としてスクアリリウム化合物とシアニン化合物とからなる赤外線吸収色素を用いた。これらの紫外線吸収剤及び赤外線吸収剤を評量して溶媒としてのMEKに添加して溶液を調製し、この溶液の固形分の99重量%のPVBを添加し、その後2時間撹拌してコーティング液を得た。このコーティング液を光吸収性透明基板bg1の他方の主面に塗布して硬化させ、光吸収層uvira2を形成した。透明ガラス基板(SCHOTT社製、製品名:D263 T eco)の一方の主面に光吸収層uvira2を同様に形成して、参考例5に係る積層体を得た。0°の入射角度で波長300〜1200nmの光を参考例5に係る積層体に入射させたときの透過率スペクトルを図15Cに示す。この透過率スペクトルにおいて、波長380nmにおける分光透過率は0.2%未満であり、波長450nmにおける分光透過率は84.3%であり、波長500〜600nmの範囲における分光透過率の平均値は88.7%であり、波長700nmにおける分光透過率は4.8%であり、波長715nmにおける分光透過率は8.4%であり、波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値は63.8%であり、波長750〜1080nmの範囲における分光透過率の最大値は92.7%であり、波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値は92.7%であった。
真空蒸着により、光吸収性透明基板bg1の他方の主面に形成された光吸収層uvira2上に反射防止膜ar1を実施例4に係る光学フィルタにおける反射防止膜ar1と同じ仕様で形成した。このようにして、比較例2に係る光学フィルタを作製した。
0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度における比較例2に係る光学フィルタの透過率スペクトルを図16A及び図16Bに示す。0°の入射角度における比較例2に係る光学フィルタの透過率スペクトルから読み取った特性値を表18に示す。0°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、及び65°の入射角度における比較例2に係る光学フィルタの正規化分光透過率曲線を図17A及び図17Bに示す。比較例2に係る光学フィルタにおける、入射角度x°が0°であるときのΔTS 0/y W-Vの値及び入射角度x°が30°であるときのΔTS 30/y W-Vの値をそれぞれ表19及び表20に示す。
表18に示す通り、比較例2に係る光学フィルタは、上記の(1)〜(9)の条件を満たしていた。しかし、表19に示す通り、比較例2に係る光学フィルタにおける、ΔTS 0/y W-Vの値は、ΔTS 0/30 380-530、ΔTS 0/30 450-650、ΔTS 0/30 530-750、ΔTS 0/30 650-1200、ΔTS 0/30 380-1200、ΔTS 0/35 450-650、及びΔTS 0/35 530-750を除き、表1に示す条件を満たしていなかった。また、表20に示す通り、比較例2に係る光学フィルタにおける、ΔTS 30/y W-Vの値は、ΔTS 30/35 380-530、ΔTS 30/35 450-650、ΔTS 30/35 530-750、ΔTS 30/35 650-1200、ΔTS 30/35 380-1200、及びΔTS 30/40 530-750を除き、表2に示す条件を満たしていなかった。図16A及び図16Bに示す通り、比較例2に係る光学フィルタにおいて、光の入射角度が大きくなるにつれて、光反射層irr2の反射帯域が短波長側にシフトする影響が現れるとともに、500nm前後に大きなリップルが発生していた。このため、比較例2に係る光学フィルタにおける、ΔTS 0/y W-Vの値及びΔTS 30/y W-Vの値の多くにおいて、表1及び表2に示す上限値を大きく上回っていた。
比較例2に係る光学フィルタにおいて、近赤外線領域及び紫外線領域ともに、透過させたい波長帯と遮蔽したい波長帯との境界が光の吸収によって定まっていた。光反射層は多層膜による干渉効果によって光を反射する機能を発揮するので、設計値を超える大きな入射角度の光線に対しては、反射する波長帯が短波長側にシフトするだけでなく、本来透過させたい波長帯にリップルを生じ、分光透過率曲線を大きくゆがめてしまう。比較例2に係る光学フィルタにおいて、近赤外線領域において光吸収層による吸収帯域が狭いので、光反射層による遮蔽帯域を十分に長波長側に設定することができなかった。このため、比較例2に係る光学フィルタにおいて、光の入射角度が大きくなるにしたがって反射帯域が短波長側にシフトしてくる影響を避けられなかった。その結果、比較例2に係る光学フィルタにおいて、垂直に入射する光線に対する透過率スペクトルは所望の基準を満たしていたが、大きな入射角度の光線に対する透過率スペクトルは所望の基準を満たすことができなかった。比較例2に係る光学フィルタが組み込まれた撮像装置を用いて広角撮影等の被写体に対して広い画角の撮影を行う場合、撮影された画像において被写体の均一な色調を再現することが難しく、加えて、得られた画像内に強い色むらが発生することが懸念される。
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Claims (15)

  1. 光学フィルタであって、
    近赤外線領域の少なくとも一部の光を吸収する光吸収剤を含有している光吸収層を備え、
    0°の入射角度で波長300〜1200nmの光を当該光学フィルタに入射させたときに、下記(1)〜(9)の条件を満たし、
    (1)波長380nmにおける分光透過率が20%以下である。
    (2)波長450nmにおける分光透過率が75%以上である。
    (3)波長500〜600nmの範囲における分光透過率の平均値が80%以上である。
    (4)波長700nmにおける分光透過率が5%以下である。
    (5)波長715nmにおける分光透過率が3%以下である。
    (6)波長700〜800nmの範囲における分光透過率の平均値が1%以下である。
    (7)波長750〜1080nmの範囲における分光透過率の最大値が1%以下である。
    (8)波長1000〜1100nmの範囲における分光透過率の最大値が2%以下である。
    (9)波長400〜700nmの範囲において75%以上の分光透過率を示す波長帯の波長帯幅が170nm以上である。
    x°及びy°の入射角度(ここで、0≦x≦30、30≦y≦65、及びx<y)で波長300〜1200nmの光を当該光学フィルタに入射させたときに、同一の波長に対する、x°の入射角度における正規化分光透過率とy°の入射角度における正規化分光透過率との差の絶対値の波長Wnm〜Vnm(ここで、W<V)の範囲における平均値をΔTS x/y W-Vと表すとき、
    ΔTS 0/40 380-530≦3%、ΔTS 0/40 450-650≦3%、及びΔTS 0/40 530-750≦3%の条件を満たし、
    前記正規化分光透過率は、前記入射角度のそれぞれにおいて分光透過率の波長400〜650nmの範囲の最大値が100%になるように前記入射角度のそれぞれにおける前記分光透過率を正規化して定められる、
    光学フィルタ。
  2. ΔTS 0/40 650-1200≦1%の条件をさらに満たす、請求項1に記載の光学フィルタ。
  3. ΔTS 0/40 380-1200≦1.5%の条件をさらに満たす、請求項1又は2に記載の光学フィルタ。
  4. ΔTS 0/50 380-530≦4%、ΔTS 0/50 450-650≦4%、ΔTS 0/50 530-750≦4%、ΔTS 0/50 650-1200≦1.5%、及びΔTS 0/50 380-1200≦2%の条件をさらに満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  5. ΔTS 0/60 380-530≦4.5%、ΔTS 0/60 450-650≦4.5%、ΔTS 0/60 530-750≦4.5%、ΔTS 0/60 650-1200≦1.5%、及びΔTS 0/60 380-1200≦2.5%の条件をさらに満たす、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  6. ΔTS 0/65 380-530≦5%、ΔTS 0/65 450-650≦5%、ΔTS 0/65 530-750≦5%、ΔTS 0/65 650-1200≦1.5%、及びΔTS 0/65 380-1200≦3%の条件をさらに満たす、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  7. ΔTS 30/40 380-530≦3%、ΔTS 30/40 450-650≦3%、ΔTS 30/40 530-750≦3%、ΔTS 30/40 650-1200≦1%、及びΔTS 30/40 380-1200≦1.5%の条件をさらに満たす、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  8. ΔTS 30/50 380-530≦3%、ΔTS 30/50 450-650≦3%、ΔTS 30/50 530-750≦3%、ΔTS 30/50 650-1200≦1%、及びΔTS 30/50 380-1200≦1.5%の条件をさらに満たす、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  9. ΔTS 30/60 380-530≦4%、ΔTS 30/60 450-650≦4%、ΔTS 30/60 530-750≦4%、ΔTS 30/60 650-1200≦1.5%、及びΔTS 30/60 380-1200≦2%の条件をさらに満たす、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  10. ΔTS 30/65 380-530≦4.5%、ΔTS 30/65 450-650≦4.5%、ΔTS 30/65 530-750≦4.5%、ΔTS 30/65 650-1200≦1.5%、及びΔTS 30/65 380-1200≦2.5%の条件をさらに満たす、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  11. 前記光吸収剤は、ホスホン酸と銅イオンとによって形成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  12. 前記ホスホン酸は、アリール基を有する第一ホスホン酸を含む、請求項11に記載の光学フィルタ。
  13. 前記ホスホン酸は、アルキル基を有する第二ホスホン酸をさらに含む、請求項12に記載の光学フィルタ。
  14. レンズ系と、
    前記レンズ系を通過した光を受光する撮像素子と、
    前記撮像素子の前方に配置された、請求項1〜13のいずれか1項に記載の光学フィルタと、を備えた、
    撮像装置。
  15. 前記撮像素子の前方に配置され、R(赤)、G(緑)、及びB(青)の3色のフィルタを有するカラーフィルタをさらに備え、
    前記光学フィルタは、前記カラーフィルタの前方に配置されている、請求項14に記載の撮像装置。
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