JP2019143684A - 密封装置および密封構造 - Google Patents

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    • F01L3/00Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
    • F01L3/08Valves guides; Sealing of valve stem, e.g. sealing by lubricant

Abstract

【課題】スプリングの力を支持するフランジが高い耐久性を有する密封装置を提供する。【解決手段】密封装置は、弾性環と、弾性環を補強するよう弾性環に固着された剛性環とを備える。弾性環は、往復運動する棒体の外周面が摺動可能に接触するリップを備える。剛性環は、棒体のガイドの端部の径方向外側に配置される円筒部と、円筒部のリップとは反対側の端部から径方向外側に広がるフランジとを備える。フランジは、軸線方向において、リップとは反対側に、平坦面を有する。平坦面は軸線方向に対して垂直な平面内にある。あるいは、軸線方向において、平坦面の外縁が平坦面の内縁よりも剛性環円筒部から遠く、外縁と内縁との軸線方向における距離が0.1mm以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、密封装置および密封構造に関する。
自動車、船舶、農機などに使用されるガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの内燃機関の吸気ポートおよび排気ポートには、それぞれ吸気バルブおよび排気バルブが配置されている。各バルブは、バルブステムと、バルブステムを軸線方向に往復運動可能に案内するバルブステムガイドを有する。バルブステムとバルブステムガイドの間の間隙へのエンジンオイルが侵入することを制限するためにバルブステムシール(密封装置)が使用されている。バルブステムシールは、周囲のエンジンオイルがバルブステムとバルブステムガイドの間の間隙に流入することを許容し、バルブステムとバルブステムガイドを潤滑する。但し、エンジンオイルによる白煙の発生を低減または防止し、エンジンオイルの消費を削減するため、バルブステムシールは、バルブステムとバルブステムガイドの間の間隙へのエンジンオイルの流入量を適切に抑制する。
バルブステムシールには、上記の間隙を通じて、内燃機関の燃焼室の高い圧力が与えられることが知られている。特に、排気ポートに設けられるバルブステムシールには、排気工程での高い圧力が与えられる。
特許文献1は、弾性体から形成された部分と金属環を備えるバルブステムシールを開示する。金属環の一端に形成されたフランジは、スプリングリテーナー部として機能する。スプリングリテーナー部には、バルブステムを常に持ち上げる方向にバルブステムに力を与えるコイルスプリングの端部が接触させられている。スプリングリテーナー部には、コイルスプリングから反力が与えられるため、上記の高い圧力が与えられても、バルブステムシールがバルブステムガイドから外れることが抑制されると考えられる。
特開2009−257401号公報
スプリングの力を支持する上記のフランジは、高い耐久性を持つことが望ましい。
そこで、本発明は、スプリングの力を支持するフランジが高い耐久性を有する密封装置および密封構造を提供する。
本発明のある態様に係る密封装置は、円筒形部分を有する棒体と、前記棒体の軸線方向に前記棒体を往復運動可能に案内する円筒状のガイドとを封止する密封装置であって、弾性材料から形成された弾性環と、前記弾性環を補強するよう前記弾性環に固着され剛性材料から形成された剛性環とを備える。前記弾性環は、前記棒体の外周面が摺動可能に接触するリップを備え、前記剛性環は、前記ガイドの端部の径方向外側に配置される円筒部と、前記円筒部の前記リップとは反対側の端部から径方向外側に広がるフランジとを備える。前記フランジは、前記軸線方向において、前記リップとは反対側に、平坦面を有しており、前記平坦面が前記軸線方向に対して垂直な平面内にあるか、または前記軸線方向において前記平坦面の外縁が前記平坦面の内縁よりも前記円筒部から遠く、前記外縁と前記内縁との間の前記軸線方向における距離が0.1mm以下である。
この態様においては、スプリングの力を支持するスプリングリテーナーまたはスプリングシートとしてフランジを使用することができる。フランジの平坦面が棒体の軸線方向に対して垂直な平面内にある場合には、軸線方向に対して垂直な支持体の支持平面にフランジの平坦面が全面的に接触し、スプリングの反力に起因して剛性環に発生する応力が小さい。したがって、フランジが高い耐久性を有する。軸線方向において平坦面の外縁が平坦面の内縁よりも円筒部から遠い場合であっても、外縁と内縁との間の軸線方向における距離が0.1mm以下であれば、スプリングの反力に起因して剛性環に発生する引っ張り応力が小さい。したがって、フランジが高い耐久性を有する。
本発明のある態様に係る密封構造は、円筒形部分を有する棒体を前記棒体の軸線方向に往復運動可能に案内する円筒状のガイドと、前記ガイドが取り付けられる支持体と、前記ガイドの端部を覆う密封装置とを備える。前記密封装置は、弾性材料から形成された弾性環と、前記弾性環を補強するよう前記弾性環に固着され剛性材料から形成された剛性環とを備える。前記弾性環は、前記棒体の外周面が摺動可能に接触するリップを備え、前記剛性環は、前記ガイドの端部の径方向外側に配置される円筒部と、前記円筒部の前記リップとは反対側の端部から径方向外側に広がるフランジとを備える。前記フランジは、前記軸線方向において、前記リップとは反対側に、平坦面を有しており、前記平坦面の外縁は前記支持体の支持平面に接触し、前記平坦面の内縁と前記支持平面との間の前記軸線方向における距離が0.1mm以下である。
この態様においては、スプリングの力を支持するスプリングリテーナーまたはスプリングシートとしてフランジを使用することができる。フランジの平坦面の外縁が支持体の平面に接触した状態で、平坦面の内縁と支持平面との間の軸線方向における距離が0.1mm以下であれば、スプリングの反力に起因して剛性環に発生する引っ張り応力が小さい。したがって、フランジが高い耐久性を有する。
本発明の実施形態に係る密封構造が使用される内燃機関の一部の断面図である。 実施形態に係る密封構造を示す部分断面図である。 実施形態に係る剛性環のフランジの平坦面の好ましくない角度を示す図である。 実施形態に係る剛性環のフランジの平坦面の好ましい角度を示す図である。 実施形態に係る剛性環のフランジの平坦面の好ましい角度を示す図である。 図3の剛性環の応力分布を示す図である。 図5の剛性環の応力分布を示す図である。 変形例に係る剛性環のフランジの平坦面の好ましくない角度を示す図である。 変形例に係る剛性環のフランジの平坦面の好ましい角度を示す図である。 変形例に係る剛性環のフランジの平坦面の好ましい角度を示す図である。 他の変形例に係る剛性環のフランジの平坦面の好ましくない角度を示す図である。 変形例に係る剛性環のフランジの平坦面の好ましい角度を示す図である。 変形例に係る剛性環のフランジの平坦面の好ましい角度を示す図である。 変形例に係る密封構造を示す部分断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。
図1に示すように、実施形態に係る密封構造が使用される内燃機関1は、シリンダーヘッド2を備える。シリンダーヘッド2は、シリンダー(図示せず)の上方に配置されている。シリンダーの内部にはピストン(図示せず)が往復運動可能に配置されている。シリンダーヘッド2と、シリンダーとピストンは、燃焼室4を画定する。シリンダーヘッド2には、吸気ポート6と排気ポート8が形成されており、吸気ポート6と排気ポート8には、それぞれ吸気バルブ10と排気バルブ12が配置されている。
吸気バルブ10と排気バルブ12の各々は、円筒形のバルブステム(棒体)14と、バルブステム14の下端に取り付けられたバルブヘッド16を有する。各バルブは、バルブステム14の軸線方向に往復運動可能であって、往復運動に伴って、バルブヘッド16がポート6または8を開閉する。シリンダーヘッド2には、各バルブステム14の往復運動を案内する円筒状のバルブステムガイド(ガイド)18が固定されており、バルブステムガイド18にバルブステム14が挿入されている。
各バルブステム14の上端には、カムフォロワー20が取り付けられている。カムフォロワー20の上面には、カムシャフト22に取り付けられたカム24が接触する。
また、各バルブステム14の上端には、スプリングシート26が取り付けられている。スプリングシート26と、シリンダーヘッド2に形成されたスプリングシート28との間には、コイルスプリング29が圧縮状態で配置されている。コイルスプリング29の弾性復元力は、バルブステム14を常に上方に持ち上げる方向に働く。
上記構成において、カムシャフト22の回転によってカム24が、コイルスプリング29の弾性復元力に抗して、カムフォロワー20を押し下げると、バルブステム14が下降して、ポート6または8が開かれる。カムシャフト22の回転によって、カム24がカムフォロワー20を押し下げる力が減少すると、コイルスプリング29の弾性復元力によって、バルブステム14が上昇して、ポート6または8が閉じられる。
バルブステムガイド18の端部およびバルブステム14の中央部は、バルブステムシール(密封装置)30で覆われている。バルブステムシール30は、周囲の油室32のエンジンオイルがバルブステム14とバルブステムガイド18の間の間隙(図2および図3の間隙Ga)に流入することを許容し、バルブステム14とバルブステムガイド18を潤滑する。但し、エンジンオイルによる白煙の発生を低減または防止し、エンジンオイルの消費を削減するため、バルブステムシール30は、バルブステム14とバルブステムガイド18の間の間隙へのエンジンオイルの流入量を適切に抑制する。
図2を参照して、バルブステムシール30とバルブステムガイド18を有する密封構造をさらに詳しく説明する。図2は、バルブステム14およびバルブステムガイド18に接触させられた使用状態のバルブステムシール30を示す。バルブステムシール30およびバルブステムガイド18は円筒状の形状を有するが、図2においては、それらの左側部分のみが示されている。
バルブステムガイド18の内周面は、バルブステム14の外周面と間隙Gaをおいて配置されている。バルブステムシール30には、間隙Gaを通じて、燃焼室4の高い圧力(以下、「背圧」と呼ぶ)が与えられる。特に、排気ポート8に設けられるバルブステムシール30には、排気工程での高い背圧が与えられる。
バルブステムシール30は、弾性環34と剛性環36を有する二重構造である。弾性環34は、弾性材料(例えばエラストマー)から形成されている。剛性環36は、剛性材料(例えば金属)から形成され、弾性環34に密着させられて、弾性環34を補強する。
弾性環34は、弾性環円筒部38、内側円環部40、および連結円環部42を備える。弾性環円筒部38は、バルブステムガイド18の端部の径方向外側に配置され、弾性環円筒部38には、バルブステムガイド18が締まり嵌め方式で嵌め入れられる。したがって、弾性環円筒部38の内周面は、バルブステムガイド18の外周面に接触する。内側円環部40は、弾性環円筒部38の上方に配置され、弾性環円筒部38よりも小さい外径および内径を有する。連結円環部42は、弾性環円筒部38の上端と内側円環部40を連結する。
内側円環部40には、メインリップ44と、背圧リップ46と、複数の突起48が形成されている。メインリップ44と背圧リップ46には、バルブステム14の外周面が摺動可能に接触する。メインリップ44は、主に油室32のエンジンオイルが過剰にバルブステムガイド18に向けて流入しないように設けられている。背圧リップ46は、バルブステム14とバルブステムガイド18の間の間隙Gaを通じてバルブステムシール30に与えられる背圧を受けて、過剰な背圧によってメインリップ44が過剰に変形しないように設けられている。複数の突起48は、バルブステム14を囲むように、周方向に間欠的に配置されている。これらの突起48は、バルブステムシール30をバルブステムガイド18に装着した場合に、バルブステムシール30がバルブステム14に対して偏心していても、メインリップ44と背圧リップ46がバルブステム14の全周にわたってほぼ均等な接触圧で接触するように、設けられている。
図2に示すように、バルブステム14に接触すると、メインリップ44と背圧リップ46は変形し、バルブステム14の外周面に全周にわたって接触する。但し、バルブステム14とバルブステムガイド18の間の間隙Gaに適量のエンジンオイルを供給するため、メインリップ44とバルブステム14の外周面の間には、微小な間隙(図示せず)が設けられ、背圧リップ46とバルブステム14の外周面の間にも、微小な間隙(図示せず)が設けられている。
不可欠ではないが、内側円環部40の周囲には、ガータースプリング50を巻きつけてもよい。この実施形態では、内側円環部40の外周面にガータースプリング50を受ける周溝52が形成されている。ガータースプリング50は、メインリップ44および突起48を内側に向けて押圧し、バルブステム14に対するメインリップ44および突起48の接触圧を高める。
剛性環36は、剛性環円筒部54、円環部56およびフランジ58を備える。剛性環円筒部54は、弾性環34の弾性環円筒部38の径方向外側に配置され、弾性環円筒部38の外周面に固定されている。したがって、弾性環34の弾性環円筒部38は、剛性環36の剛性環円筒部54に全周にわたって包囲されており、半径方向への移動または膨張が拘束されている。
円環部56は、剛性環円筒部54のメインリップ44の側の端部から径方向内側に広がる。円環部56は、弾性環34の内側円環部40および連結円環部42に固定されている。
フランジ58は、剛性環円筒部54のメインリップ44の反対側の端部から径方向外側に広がる円板である。フランジ58は、上記のコイルスプリング29の下端部が接触させられるスプリングリテーナーまたはスプリングシートとして使用される。フランジ58は、バルブステムガイド18の軸線方向において、メインリップ44の側にあるスプリング接触面60と、メインリップ44とは反対側にある平坦面62とを有する。
フランジ58のスプリング接触面60には、コイルスプリング29の下端部が接触させられる。図示しないが、スプリング接触面60には、コイルスプリング29がその軸線方向に回転することを抑制するための回転止め(例えば、突起)を形成してもよい。図示しないが、スプリング接触面60には、コイルスプリング29の下端部を受ける凹部を形成してもよい。
実施形態において、スプリング接触面60は、平坦面62に平行である。しかし、スプリング接触面60は、平坦面62に対して傾斜していてもよい。
フランジ58の平坦面62は、バルブステムガイド18が取り付けられたシリンダーヘッド(支持体)2のスプリングシート(支持平面)28に接触して、スプリングシート28に支持されている。実施形態において、シリンダーヘッド2のスプリングシート28は、バルブステム14の軸線方向に対して垂直な平面である。
フランジ58には、コイルスプリング29から常に反力が与えられ、そのためバルブステムシール30の全体は、常に下向きに押圧されている。したがって、バルブステム14とバルブステムガイド18の間の間隙Gaを通じて、バルブステムシール30に高い背圧が与えられても、バルブステムガイド18からバルブステムシール30が外れにくい。このように、フランジ58は、スプリングリテーナーまたはスプリングシートとして機能すると同時に、バルブステムシール30の外れ止めとして機能する。
図3〜図5を参照して、剛性環36のフランジ58の平坦面62の好ましい角度を説明する。図3〜図5には、コイルスプリング29から与えられる反力Pを示すが、下記のフランジ58の平坦面62の角度の説明は、剛性環36に力が与えられていない状態を前提とする。
図3に示すフランジ58の平坦面62は、剛性環円筒部54に対して鋭角で交わる。バルブステム14の軸線方向において、平坦面62の外縁62Aは、平坦面62の内縁62Bよりも剛性環円筒部54に近い。平坦面62の内縁62Bはスプリングシート28に接触するが、外縁62Aはスプリングシート28に接触しない。したがって、コイルスプリング29の反力Pに起因する大きな応力が剛性環36に発生する。このため、図3に示す例は好ましくない。
図4に示すフランジ58の平坦面62は、剛性環円筒部54に対して直角で交わる。バルブステム14の軸線方向において、平坦面62の外縁62Aと剛性環円筒部54の距離は、平坦面62の内縁62Bと剛性環円筒部54の距離に等しい。平坦面62は、外縁62Aも内縁62Bも含めて、全面的にスプリングシート28に接触する。したがって、コイルスプリング29の反力Pに起因して剛性環36に発生する応力が小さい。このため、図4に示す例は好ましい。
図5に示すフランジ58の平坦面62は、剛性環円筒部54に対して鈍角で交わる。バルブステム14の軸線方向において、平坦面62の外縁62Aは、平坦面62の内縁62Bよりも剛性環円筒部54から遠い。平坦面62の外縁62Aはスプリングシート28に接触するが、内縁62Bはスプリングシート28に接触しない。したがって、コイルスプリング29の反力Pに起因する大きな応力が剛性環36に発生する可能性がある。しかし、外縁62Aと内縁62Bとの、バルブステム14の軸線方向上の距離Xが0.1mm以下である場合には、図5に示す例は好ましい。以下、この理由を説明する。
図6は、図3の角度を持つフランジ58を有する剛性環36の応力分布を示す。図7は、図5の角度を持ち、距離Xが0.1mmであるフランジ58を有する剛性環36の応力分布を示す図である。応力分布は、FEM(有限要素法)解析によって計算された。剛性環36は、冷間圧延鋼板から製造され、厚さtは6mm、フランジ58の長さxは4.25mm、剛性環36の湾曲部分(剛性環円筒部54とフランジ58が連結された部分)の内側の曲率半径rは0.5mmであると想定した。
図6および図7において、T1は最も引っ張り応力が高い領域を示し、T2は2番目に引っ張り応力が高い領域を示し、T3は3番目に引っ張り応力が高い領域を示す。C1は最も圧縮応力が高い領域を示す。
図6に示すように、剛性環円筒部54に対して鋭角で交わる平坦面62を有する剛性環36においては、剛性環36の湾曲部分(剛性環円筒部54とフランジ58が連結された部分)の内側に大きな引っ張り応力が発生する。これは、平坦面62の内縁62Bを支点として、コイルスプリング29の反力Pが与えられるため、湾曲部分の内側が引っ張られるためであると考えられる。
一方、図7に示すように、剛性環円筒部54に対して鈍角で交わる平坦面62を有する剛性環36においては、剛性環36の湾曲部分の外側に大きな引っ張り応力が発生する。また、剛性環36の湾曲部分の内側には、大きな圧縮応力が発生する。これは、平坦面62の外縁62Aを支点として、コイルスプリング29の反力Pが与えられるため、湾曲部分の外側が引っ張られ、その分、湾曲部分の内側が圧縮されるためであると考えられる。しかし、距離Xが0.1mmである図7の解析結果では、最も引っ張り応力が高い領域T1は現れなかった。
一般の金属では、圧縮強度が引っ張り強度より強い。したがって、図5の例で距離Xが0.1mm以下である場合には、フランジ58が高い耐久性を有すると考えられる。
以上の通り、図3の例が好ましくないことが確認された。また、図5の例でバルブステムガイド18の軸線方向における外縁62Aと内縁62Bとの距離Xが0.1mm以下である場合には、好ましいと考えられる。換言すれば、図5の例で、平坦面62の内縁62Bとスプリングシート28との間の、バルブステム14の軸線方向上の距離Xが0.1mm以下である場合には、好ましいと考えられる。
実施形態では、シリンダーヘッド2のスプリングシート28は、バルブステム14の軸線方向に対して垂直であるが、スプリングシート28がバルブステム14の軸線方向に対して垂直ではないことが考えられる。図8〜図13は変形例を示す。図8〜図13には、コイルスプリング29から与えられる反力Pを示すが、下記のフランジ58の平坦面62の角度の説明は、剛性環36に力が与えられていない状態を前提とする。
図8〜図10の変形例では、シリンダーヘッド2のスプリングシート28とバルブステム14の軸線方向がなす角は鈍角である。
図8に示すフランジ58の平坦面62の内縁62Bはスプリングシート28に接触するが、外縁62Aはスプリングシート28に接触しない。したがって、コイルスプリング29の反力Pに起因する大きな引っ張り応力が剛性環36に発生する。このため、図8に示す例は好ましくない。
図9に示すフランジ58の平坦面62は、外縁62Aも内縁62Bも含めて、全面的にスプリングシート28に接触する。したがって、コイルスプリング29の反力Pに起因して剛性環36に発生する応力が小さい。このため、図9に示す例は好ましい。
図10に示すフランジ58の平坦面62の外縁62Aはスプリングシート28に接触するが、内縁62Bはスプリングシート28に接触しない。しかし、上記の理論に鑑みて、平坦面62の内縁62Bとスプリングシート28との間の、バルブステム14の軸線方向上の距離Xが0.1mm以下である場合には、図10に示す例は好ましい。
図11〜図13の変形例では、シリンダーヘッド2のスプリングシート28とバルブステム14の軸線方向がなす角は鋭角である。
図11に示すフランジ58の平坦面62の内縁62Bはスプリングシート28に接触するが、外縁62Aはスプリングシート28に接触しない。したがって、コイルスプリング29の反力Pに起因する大きな引っ張り応力が剛性環36に発生する。このため、図11に示す例は好ましくない。
図12に示すフランジ58の平坦面62は、外縁62Aも内縁62Bも含めて、全面的にスプリングシート28に接触する。したがって、コイルスプリング29の反力Pに起因して剛性環36に発生する応力が小さい。このため、図12に示す例は好ましい。
図13に示すフランジ58の平坦面62の外縁62Aはスプリングシート28に接触するが、内縁62Bはスプリングシート28に接触しない。しかし、上記の理論に鑑みて、平坦面62の内縁62Bとスプリングシート28との間の、バルブステム14の軸線方向上の距離Xが0.1mm以下である場合には、図13に示す例は好ましい。
他の変形例
以上、本発明の実施形態および変形例を説明したが、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的範囲において、構成要素の削除、追加、置換を含む様々な変形例が考えられる。
例えば、上記の実施形態においては、剛性環36の剛性環円筒部54がバルブステムガイド18に直接接触することはなく、バルブステムガイド18は弾性環34の弾性環円筒部38に嵌め入れられ、剛性環円筒部54は弾性環円筒部38を拘束する。しかし、図14に示すように、短い弾性環円筒部38を有するバルブステムシール30において、剛性環円筒部54にバルブステムガイド18を嵌め入れてもよい。
上記の実施形態においては、密封装置は、バルブステム14とバルブステムガイド18とを密封するバルブステムシール30である。しかし、本発明は、ピストン式の燃料ポンプのピストン(往復運動可能な棒体)とピストンガイドを密封する密封装置にも適用することができる。
弾性環34の弾性環円筒部38の内周面は、摩擦係数が小さくエラストマーより硬い樹脂材料でコーティングして、弾性環円筒部38にバルブステムガイド18を嵌め入れやすくしてもよい。このような樹脂材料としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)がある。
弾性環34のメインリップ44、背圧リップ46および突起48の少なくともいずれかをこのような樹脂材料でコーティングして、これらの摩耗を低減させてもよい。
2 シリンダーヘッド(支持体)
14 バルブステム(棒体)
18 バルブステムガイド(ガイド)
28 スプリングシート(支持平面)
30 バルブステムシール(密封装置)
32 油室
34 弾性環
36 剛性環
44 メインリップ
46 背圧リップ
54 剛性環円筒部
58 フランジ
60 スプリング接触面
62 平坦面
62A 外縁
62B 内縁

Claims (2)

  1. 円筒形部分を有する棒体と、前記棒体の軸線方向に前記棒体を往復運動可能に案内する円筒状のガイドとを封止する密封装置であって、
    弾性材料から形成された弾性環と、前記弾性環を補強するよう前記弾性環に固着され剛性材料から形成された剛性環とを備え、
    前記弾性環は、前記棒体の外周面が摺動可能に接触するリップを備え、
    前記剛性環は、前記ガイドの端部の径方向外側に配置される円筒部と、前記円筒部の前記リップとは反対側の端部から径方向外側に広がるフランジとを備え、
    前記フランジは、前記軸線方向において、前記リップとは反対側に、平坦面を有しており、
    前記平坦面が前記軸線方向に対して垂直な平面内にあるか、または
    前記軸線方向において前記平坦面の外縁が前記平坦面の内縁よりも前記円筒部から遠く、前記外縁と前記内縁との間の前記軸線方向における距離が0.1mm以下である
    ことを特徴とする密封装置。
  2. 円筒形部分を有する棒体を前記棒体の軸線方向に往復運動可能に案内する円筒状のガイドと、
    前記ガイドが取り付けられる支持体と、
    前記ガイドの端部を覆う密封装置とを備え、
    前記密封装置は、弾性材料から形成された弾性環と、前記弾性環を補強するよう前記弾性環に固着され剛性材料から形成された剛性環とを備え、
    前記弾性環は、前記棒体の外周面が摺動可能に接触するリップを備え、
    前記剛性環は、前記ガイドの端部の径方向外側に配置される円筒部と、前記円筒部の前記リップとは反対側の端部から径方向外側に広がるフランジとを備え、
    前記フランジは、前記軸線方向において、前記リップとは反対側に、平坦面を有しており、
    前記平坦面の外縁は前記支持体の支持平面に接触し、
    前記平坦面の内縁と前記支持平面との間の前記軸線方向における距離が0.1mm以下である
    ことを特徴とする密封構造。
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