JP2019143024A - 反応性組成物および熱可塑性エラストマー - Google Patents

反応性組成物および熱可塑性エラストマー Download PDF

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Abstract

【課題】引張強度が高く、伸びが大きく、耐熱性および耐オゾン性に優れた熱可塑性エラストマーを与えることのできる反応性組成物を提供すること。【解決手段】重合体鎖末端に反応性基を有し、かつ、重量平均分子量(Mw)が1,000〜50,000であるモノ環状オレフィン開環重合体(A)と、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)とを含有する反応性組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、モノ環状オレフィン開環重合体と、イソシアネート基を分子内に2個有するイソシアネート基含有化合物とを含む反応性組成物に関し、さらに詳しくは、引張強度が高く、伸びが大きく、耐熱性および耐オゾン性に優れた熱可塑性エラストマーを与える反応性組成物に関する。
ジオールとジイソシアネートをウレタン結合で重合して得られるポリウレタンは、熱可塑性エラストマーとして、靴底、衣類、防音材や接着剤といった工業用材料、バンパーやヘッドレストといった自動車用材料など幅広い用途に使用されている。
なかでも、ジオールとして、両末端に水酸基を有する液状ポリブタジエンや液状ポリイソプレンなどの液状ジエン系エラストマーを用いると、ポリマー主鎖に二重結合を有し、ゴム弾性に優れ、機械強度や耐摩耗性などに優れたポリウレタンとなる。
しかしながら、このような液状ジエン系エラストマーを用いたポリウレタンは、耐熱性や耐オゾン性に劣るという問題がある。そのため、耐熱性や耐オゾン性にも優れる液状ジエン系エラストマーが求められていた。
一方、環状オレフィンを連鎖移動剤の存在下でメタセシス開環重合することにより環状オレフィン開環重合体を得る技術が知られており、たとえば、特許文献1には、反応性基含有オレフィンの存在下でルテニウム触媒を用いて環状オレフィンをメタセシス開環重合することで、重合体鎖末端に反応性基を有する環状オレフィン開環重合体を得る技術が開示されている。この特許文献1には、反応性基含有オレフィンと環状オレフィンとの割合を調整することにより、得られる環状オレフィン開環重合体における、反応性基の導入量を調整できることが開示されている。
また、特許文献2には、重量平均分子量が1,000〜100,000である環状オレフィン開環重合体の主鎖構造中の炭素−炭素二重結合の一部を水素化した、環状オレフィン開環重合体水素化物が開示されている。
しかしながら、特許文献1,2に記載の技術においては、環状オレフィン開環重合体として液状のものを得る技術について開示するものではなく、そのため、上述した液状ジエン系エラストマーの代替材料として適用できないものであった。特に、特許文献2の技術では、環状オレフィン開環重合体を水素化するものであるが、水素化反応によりゴム弾性を有しない樹脂状の重合体となってしまうものである。
また、特許文献3には、環状オレフィンとしてのシクロオクテンを開環重合して得られる液状オクテナマーが開示されている。しかしながら、この特許文献3の技術では、液状オクテナマーを変性させ、これにより重合体を得るものではないため、十分な機械強度を得ることができないものであった。
特表平11−514043号公報 特開2002−317034号公報 特表2013−529695号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、引張強度が高く、伸びが大きく、耐熱性および耐オゾン性に優れた熱可塑性エラストマーを与えることのできる反応性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、重合体鎖末端に反応性基を有し、かつ、所定の分子量を有するモノ環状オレフィン開環重合体に、イソシアネート基を分子内に2個有するイソシアネート基含有化合物を配合してなる反応性組成物により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、重合体鎖末端に反応性基を有し、かつ、重量平均分子量(Mw)が1,000〜50,000であるモノ環状オレフィン開環重合体(A)と、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)とを含有する反応性組成物が提供される。
本発明の反応性組成物において、前記モノ環状オレフィン開環重合体(A)が、モノ環状モノオレフィン由来の構造単位のみからなる重合体、または、モノ環状モノオレフィン由来の構造単位と、モノ環状モノオレフィンと共重合可能な単量体由来の構造単位とからなる共重合体であることが好ましい。
本発明の反応性組成物において、前記モノ環状オレフィン開環重合体(A)が、シクロペンテン由来の構造単位のみからなる重合体、または、シクロペンテン由来の構造単位と、シクロペンテンと共重合可能な単量体由来の構造単位とからなる共重合体であることが好ましい。
本発明の反応性組成物において、前記モノ環状オレフィン開環重合体(A)の重合体鎖末端の前記反応性基が水酸基であることが好ましい。
本発明の反応性組成物は、水酸基またはアミノ基を分子内に2個有し、分子量が800以下である鎖延長化合物(C)をさらに含有することが好ましい。
また、本発明によれば、上記いずれかの反応性組成物を反応させてなる熱可塑性エラストマーが提供される。
本発明によれば、引張強度が高く、伸びが大きく、耐熱性および耐オゾン性に優れた熱可塑性エラストマーを与えることのできる反応性組成物、およびこのような反応性組成物を用いて得られ、引張強度が高く、伸びが大きく、耐熱性および耐オゾン性に優れた熱可塑性エラストマーを提供することができる。
本発明の反応性組成物は、重合体鎖末端に反応性基を有し、かつ、重量平均分子量(Mw)が1,000〜50,000であるモノ環状オレフィン開環重合体(A)と、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)とを含有する、反応性の組成物である。
<モノ環状オレフィン開環重合体(A)>
本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)は、その主鎖を構成する繰返し単位として、モノ環状オレフィンを開環重合してなる繰返し単位を含有してなる重合体であって、重合体鎖末端に反応性基を有し、かつ、重量平均分子量(Mw)が1,000〜50,000である重合体である。
本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)は、モノ環状オレフィンを開環重合してなる繰返し単位の割合を、全繰返し単位に対して70モル%以上とすることが好ましく、75モル%以上とすることがより好ましく、80モル%以上とすることがさらに好ましい。ただし、モノ環状オレフィン開環重合体の特性を維持する限り、モノ環状オレフィンと共重合可能なその他の単量体に由来する繰返し単位を含有していてもよく、その他の単量体に由来する繰返し単位の割合は、全繰返し単位に対して30モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましい。モノ環状オレフィンとは、一つの環からなり、環内に炭素−炭素二重結合を有する炭化水素化合物であり、炭素−炭素二重結合の数は、1つでもよいし、複数個であってもよい(ただし、芳香環は含まない)。
このようなモノ環状オレフィンの具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの炭素−炭素二重結合が環内に1個あるモノ環状モノオレフィン;1,4−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘプタジエン、1,5−シクロオクタジエンなどの炭素−炭素二重結合が環内に2個あるモノ環状ジエン;1,5,9−シクロドデカトリエンなどの炭素−炭素二重結合が環内に3個あるモノ環状トリエン;などが挙げられる。これらのなかでも、モノ環状モノオレフィンが好ましく、シクロペンテンがより好ましい。モノ環状オレフィンとしては、置換基を有するものであっても、置換基を有しないものであってもよく、置換基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基やエチル基などのアルキル基が挙げられる。
また、モノ環状オレフィンと共重合可能なその他の単量体としては、多環の環状モノオレフィン、多環の環状ジエン、および多環の環状トリエンなどが挙げられる。多環の環状モノオレフィン、多環の環状ジエン、および多環の環状トリエンとしては、2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどの置換基を有していてもよいノルボルネン化合物が例示される。これらのなかでも、多環の環状モノオレフィンおよび多環の環状ジエンが好ましく、2−ノルボルネンおよびジシクロペンタジエンがより好ましい。
また、モノ環状オレフィン開環重合体(A)が共重合体である場合には、1種類のモノ環状オレフィンと、1種または2種以上のモノ環状オレフィン以外の単量体との共重合体、あるいは、2種以上のモノ環状オレフィンの共重合体、さらには、2種以上のモノ環状オレフィンと、1種または2種以上のモノ環状オレフィン以外の単量体との共重合体のいずれであってもよい。モノ環状オレフィン開環重合体が2種以上のモノ環状オレフィン由来の構造単位を有する場合には、モノ環状オレフィン開環重合体に含まれる、全てのモノ環状オレフィン由来の構造単位の割合を上記範囲とすればよい。
本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)としては、耐熱性、耐オゾン性により優れるという観点より、その主鎖を構成する繰返し単位として、モノ環状モノオレフィン由来の構造単位のみからなる重合体、または、モノ環状モノオレフィン由来の構造単位と、モノ環状モノオレフィンと共重合可能な単量体由来の構造単位(モノ環状モノオレフィン以外のモノ環状オレフィン由来の構造単位も含む。)とからなる共重合体であることが好ましく、シクロペンテン由来の構造単位のみからなる重合体、または、シクロペンテン由来の構造単位と、シクロペンテンと共重合可能な単量体由来の構造単位(シクロペンテン以外のモノ環状オレフィン由来の構造単位も含む。)とからなる共重合体であることがより好ましい。シクロペンテンと共重合可能な単量体としては、モノ環状ジオレフィン、多環の環状モノオレフィン、および多環の環状ジエンが好ましく、1,5−シクロオクタジエン、2−ノルボルネン、およびジシクロペンタジエンがより好ましい。
本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)をモノ環状モノオレフィン由来の構造単位を含む重合体とする場合は、モノ環状モノオレフィン由来の構造単位の割合を、全繰返し単位に対して70モル%以上とすることが好ましく、75モル%以上とすることがより好ましく、80モル%以上とすることがさらに好ましい。一方、モノ環状モノオレフィンと共重合可能な単量体由来の構造単位の割合は、全繰返し単位に対して30モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましい。
また、本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)をシクロペンテン由来の構造単位を含む重合体とする場合は、シクロペンテン由来の構造単位の割合を、全繰返し単位に対して70モル%以上とすることが好ましく、75モル%以上とすることがより好ましく、80モル%以上とすることがさらに好ましい。一方、シクロペンテンと共重合可能な単量体由来の構造単位の割合は、全繰返し単位に対して30モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましい。
本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の値で、1,000〜50,000であり、好ましくは1,500〜45,000、より好ましくは2,000〜40,000である。重量平均分子量(Mw)が低すぎると、得られる熱可塑性エラストマーが、引張強度などの機械強度に劣るものとなってしまい、一方、重量平均分子量(Mw)が高すぎると、モノ環状オレフィン開環重合体が高粘度となって取り扱いが困難となる。
本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される、ポリスチレン換算の、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、通常4.0以下であり、好ましくは3.5以下であり、より好ましくは3.0以下である。Mw/Mnを上記範囲とすることにより、得られる重合体の引張強度などの機械強度をより高めることができる。
また、本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)は、一般に取り扱える温度、たとえば、60℃において液体状態を有する(60℃において流動性を有する)重合体であり、具体的には、ブルックフィールド粘度計を用いて温度60℃で測定した溶融粘度が、1,000Pa・s以下となる程度に、60℃において流動性を有する重合体(すなわち、液状の重合体)である。本発明においては、このようなモノ環状オレフィン開環重合体(A)を用いることにより、後述するイソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)との反応性を良好なものとすることができ、これにより、得られる熱可塑性エラストマーを、引張強度が高く、伸びが大きく、耐熱性および耐オゾン性に優れたものとすることができるものである。また、モノ環状オレフィン開環重合体(A)を用いることにより、本発明の反応性組成物、およびこれを用いて得られる熱可塑性エラストマーを、反応前(すなわち、反応により熱可塑性エラストマーとする前の、反応性組成物の状態)において流動性が要求される用途や、反応前において流動性を有することが好適とされる用途に好適に用いることができる。本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)の温度60℃における溶融粘度は、好ましくは900Pa・s以下、より好ましくは800Pa・s以下である。
本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)を構成する繰返し単位中に存在する二重結合において、そのシス/トランス比は、特に限定されないが、通常10/90〜90/10の範囲であり、耐熱性および耐オゾン性をより高めることができるという観点から、15/85〜60/40の範囲であることが好ましく、15/85〜40/60の範囲であることがより好ましい。シス/トランス比は、モノ環状オレフィン開環重合体(A)の13C−NMRスペクトル測定により測定することができる。
なお、モノ環状オレフィン開環重合体(A)の、シス/トランス比を上記範囲とする方法としては、特に限定されないが、たとえば、モノ環状オレフィンを重合して、モノ環状オレフィン開環重合体(A)を得る際における、重合条件を制御する方法などが挙げられる。一例を挙げると、モノ環状オレフィンを重合する際の重合温度を高くするほど、トランス比率を高くすることができ、また、重合溶液におけるモノマー濃度を低くするほど、トランス比率を高くすることができる。
本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、得られる熱可塑性エラストマーを低温特性に優れたものとするという観点より、好ましくは−50℃以下であり、より好ましくは−60℃以下、さらに好ましくは−70℃以下である。モノ環状オレフィン開環重合体(A)のガラス転移温度は、たとえば、繰返し単位中に存在する二重結合におけるシス/トランス比を調節することや、また、モノ環状オレフィン開環重合体(A)を共重合体とする場合は、モノ環状オレフィンと共重合可能な単量体由来の構造単位の含有比率などを調節することによって、調節することができる。
また、本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)は、ブルックフィールド粘度計を用いて温度60℃で測定した溶融粘度が上記範囲であるものであればよいが、60℃未満の融点を有するものであってもよく、たとえば、室温(25℃)で固体であっても構わない。モノ環状オレフィン開環重合体(A)が融点を有するものである場合、融点(Tm)は、60℃未満であることが好ましく、25℃未満であることがより好ましい。モノ環状オレフィン開環重合体の融点(Tm)が60℃未満であると、モノ環状オレフィン開環重合体が、60℃で液状の重合体となり、これにより本発明の効果を得られやすくなる。
本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)は、その重合体鎖末端に反応性基を有するものであり、このような反応性基としては、特に限定されないが、周期表第15族の原子、周期表第16族の原子、ケイ素原子、およびハロゲン原子からなる群から選ばれる原子を含有する反応性基であることが好ましく、後述するイソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)との反応性および得られる重合体の耐熱性の観点より、窒素原子、酸素原子、リン原子、イオウ原子、ケイ素原子、およびハロゲン原子からなる群から選ばれる原子を含有する反応性基がより好ましく、これらのなかでも、窒素原子、酸素原子、およびケイ素原子からなる群から選ばれる原子を含有する反応性基がさらに好ましく、反応性の観点より、水酸基、カルボキシ基、およびアミノ基がより好ましく、水酸基が特に好ましい。
なお、本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)は、一方の重合体鎖末端(片末端)のみに反応性基が導入されたものであっても、両方の重合体鎖末端(両末端)に反応性基が導入されたものであってもよく、また、これらが混在したものであってもよい。さらに、本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)には、これらと、反応性基が導入されていないモノ環状オレフィン開環重合体が混在していてもよい。
モノ環状オレフィン開環重合体(A)の重合体鎖末端における、反応性基の導入割合は、特に限定されないが、後述するイソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)との反応性および得られる重合体の耐熱性の観点より、モノ環状オレフィン開環重合体(A)の重合体鎖数に対する反応性基の個数の割合の百分率の値で、100%以上であることが好ましく、より好ましくは120%以上、さらに好ましくは140%以上である。なお、重合体鎖末端への反応性基の導入割合を測定する方法としては、特に限定されないが、たとえば、H−NMRスペクトル測定により求められる反応性基に対応するピーク面積比と、ゲルパーミエーションクロマトグラフィから求められる数平均分子量(Mn)とから求めることができる。
本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)の合成方法は、目的とする重合体が得られる限りにおいて、特に限定されず、常法に従って合成すればよいが、(I)反応性基を有するオレフィン化合物の存在下で、反応性基に対する耐性を有し、不溶成分を生成しない開環重合触媒を用いて、モノ環状オレフィンを含む単量体を開環重合する方法、または(II)保護基によって保護された反応性基を有するオレフィン化合物の存在下で、反応性基に対する耐性を有さず、不溶成分を生成しない開環重合触媒を用いて、モノ環状オレフィンを含む単量体を開環重合し、得られた重合体鎖の末端に導入される保護基によって保護された反応性基を脱保護する方法、さらに(III)上記(I)または(II)で合成された重合体鎖末端の反応性基を別の反応性基に変換する方法が好適である。
(I)反応性基を有するオレフィン化合物の存在下で、反応性基に対する耐性を有する開環重合触媒を用いて、モノ環状オレフィンを含む単量体を開環重合する方法において、用いられる反応性基を有するオレフィン化合物は、分子内にエチレン性不飽和結合および反応性基を少なくとも1つずつ含有する化合物であれば、特に限定されない。反応性基としては、たとえば、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、カルボン酸無水物基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、オキシシリル基およびハロゲン原子などが挙げられる。
アミノ基を有するオレフィン化合物としては、アリルアミン、N−アリルアニリン、N−アリルベンジルアミン、4−アミノスチレン、2−ブテン−1,4−ジアミン、3−ヘキセン−2,5−ジアミンなどが挙げられる。
水酸基を有するオレフィン化合物としては、たとえば、アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、4−ヘキセン−1−オール、4−ヘプテン−1−オール、5−デセン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、5−オクテン−1−オール、6−ヘプテン−1−オール、4−ヒドロキシスチレン、2−アリルフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸アリル、1−シクロヘキシル−2−ブテン−1−オール、エチレングリコールモノアリルエーテル、3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、4−オクテン−1,8−ジオールなどが挙げられる。
カルボキシ基を有するオレフィン化合物としては、たとえば、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、トランス−3−ペンテン酸、ビニル安息香酸、トランス−3−ヘキセン二酸などが挙げられる。
カルボン酸無水物基を有するオレフィン化合物としては、アリルコハク酸無水物、(2,7−オクタジエン−1−イル)コハク酸無水物などが挙げられる。
メタクリロイルオキシ基を有するオレフィン化合物としては、シス−1,4−ジメタクリロイルオキシ−2−ブテン、アリルメタクリレート、5−ヘキセニルメタクリレートなどが挙げられる。
エポキシ基を有するオレフィン化合物としては、1,3−ブタジエンモノエポキシド、アリルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセン、1,2,9,10−ジエポキシ−5−デセンなどが挙げられる。
オキシシリル基を有するオレフィン化合物としては、ビニル(トリメトキシ)シラン、ビニル(トリエトキシ)シラン、アリル(トリメトキシ)シラン、アリル(メトキシ)(ジメチル)シラン、アリル(トリエトキシ)シラン、アリル(エトキシ)(ジメチル)シラン、スチリル(トリメトキシ)シラン、スチリル(トリエトキシ)シラン、2−スチリルエチル(トリエトキシ)シラン、アリル(トリエトキシシリルメチル)エーテル、アリル(トリエトキシシリルメチル)(エチル)アミンなどのアルコキシシラン化合物;ビニル(トリフェノキシ)シラン、アリル(トリフェノキシ)シラン、アリル(フェノキシ)(ジメチル)シランなどのアリーロキシシラン化合物;ビニル(トリアセトキシ)シラン、アリル(トリアセトキシ)シラン、アリル(ジアセトキシ)メチルシラン、アリル(アセトキシ)(ジメチル)シランなどのアシロキシシラン化合物;アリルトリス(トリメチルシロキシ)シランなどのアルキルシロキシシラン化合物;アリルトリス(トリフェニルシロキシ)シランなどのアリールシロキシシラン化合物;1−アリルヘプタメチルトリシロキサン、1−アリルノナメチルテトラシロキサン、1−アリルノナメチルシクロペンタシロキサン、1−アリルウンデカメチルシクロヘキサシロキサンなどのポリシロキサン化合物;1,4−ビス(トリメトキシシリル)−2−ブテン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)−2−ブテン、1,4−ビス(トリメトキシシリルメトキシ)−2−ブテンなどのアルコキシシラン化合物;1,4−ビス(トリフェノキシシリル)−2−ブテンなどのアリーロキシシラン化合物;1,4−ビス(トリアセトキシシリル)−2−ブテンなどのアシロキシシラン化合物;1,4−ビス[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]−2−ブテンなどのアルキルシロキシシラン化合物;1,4−ビス[トリス(トリフェニルシロキシ)シリル]−2−ブテンなどのアリールシロキシシラン化合物;1,4−ビス(ヘプタメチルトリシロキシ)−2−ブテン、1,4−ビス(ウンデカメチルシクロヘキサシロキシ)−2−ブテンなどのポリシロキサン化合物;などが挙げられる。
ハロゲン原子を有するオレフィン化合物としては、塩化アリル、クロチルクロリド、1,4−ジクロロ−2−ブテン、臭化アリル、ヨウ化アリル、クロチルクロリド、1,4−ジクロロ−2−ブテン、1,4−ジブロモ−2−ブテンなどが挙げられる。
なお、これら反応性基を有するオレフィン化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
反応性基を有するオレフィン化合物の使用量は、特に限定されず、モノ環状オレフィン開環重合体(A)の重合体鎖末端に導入する反応性基の導入割合や、目的とする重量平均分子量(Mw)に応じて設定すればよいが、重合に用いるモノ環状オレフィンを含む単量体100重量部に対し、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.15〜15重量部、さらに好ましくは0.2〜10重量部である。なお、反応性基を有するオレフィン化合物は、モノ環状オレフィン開環重合体(A)の重合体鎖末端に反応性基を導入する作用の他、分子量調整剤としても作用するものであることから、モノ環状オレフィン開環重合体(A)の重量平均分子量(Mw)を上記範囲に制御するという観点からも、反応性基を有するオレフィン化合物の使用量は上記範囲とすることが好ましい。
また、反応性基を有するオレフィン化合物の存在下でモノ環状オレフィンを含む単量体を開環重合する方法において用いることができる、反応性基に対する耐性を有し、不溶成分を生成しない開環重合触媒としては、たとえば、ルテニウムカルベン錯体を挙げることができる。
ルテニウムカルベン錯体としては、モノ環状オレフィンの開環重合触媒となるものであれば、特に限定されない。好ましく用いられるルテニウムカルベン錯体の具体例としては、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)−3,3−ジフェニルプロペニリデンルテニウムジクロリド、ジクロロ−(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジイソプロピルイミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)エトキシメチリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)エトキシメチリデンルテニウムジクロリドなどが挙げられる。
ルテニウムカルベン錯体の使用量は、特に限定されるものではないが、(触媒中の金属ルテニウム:モノ環状オレフィンを含む単量体)のモル比として、通常1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,500,000、より好ましくは1:10,000〜1:1,000,000の範囲である。ルテニウムカルベン錯体の使用量が少なすぎると、重合反応が十分に進行しない場合がある。一方、多すぎると、得られるモノ環状オレフィン開環重合体からの触媒残渣の除去が困難となり、熱可塑性エラストマーとした際に各種特性が低下するおそれがある。
重合反応は、無溶媒中で行ってもよく、溶液中で行ってもよい。溶液中で重合する場合、用いられる溶媒は重合反応において不活性であり、重合に用いるモノ環状オレフィンを含む単量体や重合触媒などを溶解させ得る溶媒であれば特に限定されないが、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒またはハロゲン系溶媒を用いることが好ましい。炭化水素系溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;などが挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエチレン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールものエチルエーテルなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。また、ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなどのアルキルハロゲン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族ハロゲン;などが挙げられる。
重合温度は、特に限定されないが、通常−50〜100℃の範囲で設定される。また、重合反応時間は、好ましくは1分間〜72時間、より好ましくは5時間〜20時間である。重合転化率が所定の値に達した後、公知の重合停止剤を重合系に加えることにより、重合反応を停止させることができる。
以上のようにして、重合体鎖末端に反応性基を備える、モノ環状オレフィン開環重合体(A)を含む、重合体溶液を得ることができる。重合体溶液から重合体を回収する方法は、公知の回収方法を採用すればよい。たとえば、重合体溶液を過剰の重合体の貧溶媒と混合することで、重合体を沈殿させ、沈殿した重合体を回収し、さらにそれを乾燥することで、モノ環状オレフィン開環重合体(A)を得ることができる。あるいは、重合体溶液を直接乾燥して、未反応のモノ環状オレフィンや溶媒を蒸発除去して、モノ環状オレフィン開環重合体(A)を得ることができる。
(II)反応性基に対する耐性を有しない開環重合触媒を用いて、モノ環状オレフィンを含む単量体を開環重合する場合は、重合反応を保護基によって保護された反応性基を有するオレフィン化合物の存在下で行う。保護の対象となる反応性基としては、前述の反応性基を有するオレフィン化合物に含まれる、反応性基と同様のものが挙げられ、また、反応性基の保護は、反応性基の保護基として公知の保護基を用いて行えばよい。たとえば、アミノ基、水酸基、カルボキシ基の保護基の具体例としては、アルキル基、アシル基、RC(O)−基(ただしRは炭素数1〜10の飽和炭化水素基)、シリル基、金属アルコキシドなどが挙げられる。また、アミノ基、水酸基、またはカルボキシ基を有するオレフィン化合物とトリアルキルアルミニウム化合物とを反応させることにより保護された反応性基を有するオレフィン化合物としてもよい。なお、アミノ基、水酸基、またはカルボキシ基を有するオレフィン化合物とトリアルキルアルミニウム化合物との反応物を用いる場合は、この反応物は、後述する助触媒として用いられる有機金属化合物としての機能を果たすこともできる。一方、メタクリロイルオキシ基、カルボン酸無水物基、エポキシ基については、これらを保護するための適当な保護基がないので、モノ環状オレフィン開環重合体(A)を、重合体鎖末端に、メタクリロイルオキシ基、カルボン酸無水物基、またはエポキシ基を有するものとする場合には、(I)の方法で製造するのが好ましい。また、オキシシリル基を有するオレフィン化合物、およびハロゲン原子を有するオレフィン化合物は、(I)以外の後述の重合触媒でも耐性があるため、保護基を必要としない。
保護基によって保護された反応性基を有するオレフィン化合物の存在下で、反応性基に対する耐性を有さず、不溶成分を生成しない開環重合触媒としては、モノ環状オレフィンを含む単量体を開環重合できるものである限りにおいて限定されないが、好ましく用いられる開環重合触媒としては、モリブデン化合物やタングステン化合物を挙げることができる。開環重合触媒として用いられ得るモリブデン化合物の具体例としては、モリブデンペンタクロリド、モリブデンオキソテトラクロリド、モリブデン(フェニルイミド)テトラクロリドを挙げることができる。また、タングステン化合物の具体例としては、タングステンヘキサクロリド、タングステンオキソテトラクロリド、タングステン(フェニルイミド)テトラクロリド、モノカテコラートタングステンテトラクロリド、ビス(3,5−ジターシャリブチル)カテコラートタングステンジクロリド、ビス(2−クロロエテレート)テトラクロリド、タングステンオキソテトラフェノレートを挙げることができる。
モリブデン化合物やタングステン化合物を開環重合触媒として用いる場合には、助触媒として、有機金属化合物を組み合わせて使用してもよい。この助触媒として用いられ得る有機金属化合物としては、炭素数1〜20の炭化水素基を有する周期表第1、2、12、13または14族金属原子の有機金属化合物が挙げられる。なかでも、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物、有機スズ化合物が好ましく用いられ、有機リチウム化合物、有機スズ化合物、有機アルミニウム化合物がより好ましく用いられ、有機アルミニウム化合物が特に好ましく用いられる。有機金属化合物の使用量は、特に限定されるものではないが、(モリブデン化合物やタングステン化合物:有機金属化合物)のモル比として、1:0.1〜10が好ましく、1:0.5〜5がより好ましい。
モリブデン化合物やタングステン化合物を開環重合触媒として用いる場合の重合反応条件などは、ルテニウムカルベン錯体を用いる場合で述べた条件の範囲で適宜設定すればよい。
以上のようにして得られる、重合体鎖末端に保護基によって保護されたアミノ基、水酸基、またはカルボキシ基を有するモノ環状オレフィン開環重合体の脱保護は、用いた保護基に応じた公知の手法により行えばよい。具体的には、加熱による脱保護、加水分解または加アルコール分解による脱保護などの方法が挙げられる。
以上のようにして、重合体鎖末端に反応性基を備える、モノ環状オレフィン開環重合体(A)を含む、重合体溶液を得ることができる。重合体溶液から重合体を回収する方法は、ルテニウムカルベン錯体を用いる場合で述べた公知の回収方法を採用すればよい。
(III)上記(I)または(II)で合成された重合体鎖末端の特定の官能基を別の特定の官能基に変換する方法は、公知の方法を用いることができる。たとえば、重合体鎖末端に、水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体を、オキシシリル基を有するイソシアネート化合物と反応させることで、重合体鎖末端にオキシシリル基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A)を得てもよい。オキシシリル基を有するイソシアネート化合物としては、たとえば、イソシアン酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、イソシアン酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、イソシアン酸3−(メチルジメトキシシリル)プロピルなどが挙げられる。
以上のような製造方法により、本発明で用いるモノ環状オレフィン開環重合体(A)を得ることができる。なお、得られるモノ環状オレフィン開環重合体(A)には、所望により、フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤などの老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤の添加量は、その種類などに応じて適宜決定すればよい。さらに、所望により、伸展油を配合してもよい。
<イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)>
本発明の反応性組成物は、上述したモノ環状オレフィン開環重合体(A)に加えて、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)を含有する。イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)は、1分子中に2個のイソシアネート基を有するものであれば、特に限定されないが、たとえば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの芳香脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキシルジイソシアネート(CHPI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)などの脂環族ジイソシアネート;などが挙げられ、芳香族ジイソシアネートが好ましい。
これらイソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)としては、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
なお、本発明の反応性組成物中において、モノ環状オレフィン重合体(A)の反応性基1個に対して、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)のイソシアネート1個が反応することとなる。そのため、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)の使用量は、「モノ環状オレフィン開環重合体(A)の重合体鎖末端の反応性基:イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)のイソシアネート基」のモル比で、1:0.9〜1:1.1の範囲となる量とすることが好ましく、1:0.95〜1:1.05の範囲となる量とすることがより好ましい。イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)の使用量を上記範囲とすることにより、得られる熱可塑性エラストマーの引張強度および伸びをより高めることができるとともに、耐熱性および耐オゾン性をより向上させることができる。
<鎖延長化合物(C)>
本発明の反応性組成物は、上述したモノ環状オレフィン開環重合体(A)およびイソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)に加えて、水酸基またはアミノ基を分子内に2個有し、分子量が800以下である鎖延長化合物(C)(以下、単に「鎖延長化合物(C)」とする。)をさらに含有することが好ましい。鎖延長化合物(C)を含有させることにより、本発明の反応性組成物を用いた熱可塑性エラストマーの製造をより容易なものとすることができ、さらには、得られる熱可塑性エラストマーを、引張強度がより高く、伸びがより大きいものとすることができる。
鎖延長化合物(C)としては、水酸基またはアミノ基を分子内に2個有し、分子量が800以下である化合物であればよいが、鎖延長化合物(C)としての反応性の観点より、分子量が50〜700であるものが好ましく、分子量が60〜600であるものがより好ましい。
鎖延長化合物(C)としては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオールなどの炭素数2〜10の炭素−炭素二重結合を有しないジオール類;エチレンジアミン、ブロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等の炭素数2〜10の炭素−炭素二重結合を有しないジアミン類;が挙げられる。これらのなかでも、炭素数2〜10の炭素−炭素二重結合を有しないジオール類が好ましく、本発明の反応性組成物を用いた熱可塑性エラストマーの製造をより容易なものとすることができるという点より、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。なお、鎖延長化合物(C)は、1種を単独で用いても、または2種以上を併用してもよい。
本発明の反応性組成物中における、鎖延長化合物(C)の含有量は、特に限定されないが、モノ環状オレフィン開環重合体(A)の重合体鎖末端の反応性基に対するモル比で、好ましくは0.1〜10倍となる量であり、より好ましくは0.2〜5倍となる量であり、さらに好ましくは0.3〜2倍となる量である。
なお、鎖延長化合物(C)を使用する場合においては、本発明の反応性組成物中において、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)は、モノ環状オレフィン重合体(A)の反応性基と反応する他、鎖延長化合物(C)に含まれる活性水素原子(水酸基あるいはアミノ基に含まれる活性水素原子)に対しても反応することとなる。具体的には、鎖延長化合物(C)に含まれる活性水素原子1個に対して、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)のイソシアネート1個が反応することとなる。そのため、鎖延長化合物(C)を使用する場合における、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)の使用量は、「モノ環状オレフィン開環重合体(A)の重合体鎖末端の反応性基+鎖延長化合物(C)に含まれる活性水素原子:イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)のイソシアネート基」のモル比で、1:0.9〜1:1.1の範囲となる量とすることが好ましく、1:0.95〜1:1.05の範囲となる量とすることがより好ましい。
<反応性組成物>
本発明の反応性組成物は、上述したモノ環状オレフィン開環重合体(A)、およびイソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)、ならびに、必要に応じて用いられる鎖延長化合物(C)を混合することにより製造することができる。混合方法としては、特に限定されず、公知の方法を制限なく用いることできる。また、混合に際しては、溶媒中で混合を行ってもよい。用いる溶媒としては、特に限定されないが、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル;酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、アセトフェノンなどのケトン;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
また、反応性組成物中には、上述したモノ環状オレフィン開環重合体(A)、およびイソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)、ならびに、必要に応じて用いられる鎖延長化合物(C)に加えて、その他の成分を含有するものであってもよい。その他の成分としては、たとえば、重合促進剤、熱安定剤(たとえば、酸化防止剤)や光安定剤などの安定剤などが挙げられる。
重合促進剤としては、有機スズ化合物(ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートなど)、ビスマス化合物などの金属触媒;有機アミンなどの塩基触媒;DMC触媒などのウレタン反応触媒;などを用いることができる。本発明の反応性組成物中における、重合促進剤の使用量は、モノ環状オレフィン開環重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.02〜5重量部である。
<熱可塑性エラストマー>
本発明の熱可塑性エラストマーは、上述した本発明の反応性組成物中に含まれる、モノ環状オレフィン開環重合体(A)と、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)と、必要に応じて用いられる鎖延長化合物(C)とを反応させることにより得られる。
鎖延長化合物(C)を使用する場合における、本発明の熱可塑性エラストマーを製造する方法としては特に限定されないが、たとえば、モノ環状オレフィン開環重合体(A)と、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)とを反応させてプレポリマーを得る工程と、このようにして得られたプレポリマーと、鎖延長化合物(C)とを反応させる工程とを有するものであってもよい。あるいは、本発明の熱可塑性エラストマーを製造する方法としては、モノ環状オレフィン開環重合体(A)と、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)と、鎖延長化合物(C)とを一括に混合した後に反応させる工程を有するものであってもよい。より具体的には、モノ環状オレフィン(A)と、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)とを予め反応させ、末端イソシアネート基のプレポリマーを製造し、その後、鎖延長化合物(C)を反応させることにより、本発明の熱可塑性エラストマーを製造することができる。あるいは、モノ環状オレフィン開環重合体(A)と、鎖延長化合物(C)とを均一に混合した後、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)を加え、回転ミキサーで短時間撹拌しながら二軸スクリューを有する連続重合装置に供給し、連続的に反応させることにより、本発明の熱可塑性エラストマーを製造することもできる。
本発明の反応性組成物を反応させる際における反応温度は、特に限定されないが、60〜250℃が好ましく70〜200℃がより好ましい。反応温度も特に限定されず、たとえば1分間〜5時間の範囲で選択される。加熱方法としては、プレス加熱、オーブン加熱、蒸気加熱、熱風加熱、マイクロ波加熱などの方法を適宜選択すればよい。
本発明の熱可塑性エラストマーの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定される、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の値で、好ましくは10,000〜1,000,000であり、より好ましくは20,000〜700,000、さらに好ましくは50,000〜500,000である。
また、本発明の熱可塑性エラストマーには、必要に応じて、老化防止剤、可塑剤、無機充填剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、発泡剤および難燃剤等の各種添加剤を添加してもよい。
本発明の反応性組成物を反応させて熱可塑性エラストマーを得る際に、本発明の反応性組成物の反応を溶媒中で行った場合、反応溶液から重合溶媒を留去させて回収する方法、あるいは、反応溶液をそのまま型に流し込んだ後、乾燥させる方法により、本発明の熱可塑性エラストマーを、所望の形状を有する成形体することができる。あるいは、反応溶液を、本発明の熱可塑性エラストマーの貧溶媒、たとえば、メタノール、エタノール等を添加混合して熱可塑性エラストマーを凝集析出させ、ろ過分離し、乾燥した後、成形加工に付して、所望の形状を有する成形体としてもよい。成形加工の方法としては、たとえば、押出成形法、射出成形法、カレンダー成形法およびブロー成形法などが挙げられる。
以上のようにして、本発明の熱可塑性エラストマーを得ることができる。また、本発明の熱可塑性エラストマーは、上述したように、所望の形状を有する成形体とすることができる。
特に、本発明の熱可塑性エラストマーは、上述した本発明の反応性組成物を用いて得られるものであり、本発明の反応性組成物は、上述したモノ環状オレフィン開環重合体(A)を用いてなるものであることから、60℃において良好な流動性を有するものであり、しかも、反応させて熱可塑性エラストマーとした場合に、引張強度が高く、伸びが大きく、しかも、優れた耐熱性および耐オゾン性を実現できるものである。そのため、本発明の反応性組成物、および本発明の反応性組成物を用いて得られる熱可塑性エラストマーは、反応前(すなわち、反応により熱可塑性エラストマーとする前の、反応性組成物の状態)において流動性が要求される用途や、反応前において流動性を有することが好適とされる用途であって、耐熱性および耐オゾン性が要求される用途に好適に用いることができる。また、本発明の熱可塑性エラストマーは、ゴム弾性を有するものであることから、弾性を要求される用途にも好適に用いることができる。具体的には、スポーツシューズなどの靴底、衣料用繊維、人口皮革、建築・土木分野や、自動車・電子機器分野、航空・宇宙分野、医療分野で用いられる接着剤、シール材、コーティング剤、および塗料として、さらには、自動車・電子機器分野で用いられる電線やコネクタなどの電気絶縁用被覆材として、好適に用いることができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」は、特に断りのない限り重量基準である。また、各種の試験および評価は、下記の方法にしたがって行った。
〔モノ環状オレフィン開環重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)〕
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)システム HLC−8220(東ソー社製)により、HタイプカラムHZ−M(東ソー社製)二本を直列に連結して用い、テトラヒドロフランを溶媒として、カラム温度40℃にて、モノ環状オレフィン開環重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定を行った。検出器は示差屈折計RI−8320(東ソー社製)を用いた。モノ環状オレフィン開環重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン換算値として測定した。
〔モノ環状オレフィン開環重合体のガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)〕
示差走査型熱量計(DSC,製品名「X−DSC7000」、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、−150℃〜60℃までを10℃/分の昇温で測定した。
〔モノ環状オレフィン開環重合体中の単量体単位組成比〕
モノ環状オレフィン開環重合体中の単量体単位組成比を、H−NMRスペクトル測定から求めた。
〔モノ環状オレフィン開環重合体の溶融粘度〕
60℃における溶融粘度を、ブルックフィールド型粘度計DV−II+Pro(ブルックフィールド社製)により測定した。なお、測定時の剪断速度は、粘度に合わせて1.2〜10sec-1の間で調整した。
〔モノ環状オレフィン開環重合体の重合体鎖末端の反応性基の導入率〕
モノ環状オレフィン開環重合体を重クロロホルムに溶解させ、モノ環状オレフィン開環重合体を溶解させた重クロロホルム溶液に対し、H−NMRスペクトル測定により、反応性基特有のピーク積分値およびオレフィン由来のピーク積分値の比率の測定を行なった。そして、測定したピーク積分値の比率、および上記したGPCによる数平均分子量(Mn)の測定結果に基づいて、重合体鎖末端の反応性基導入率を算出した。重合体鎖末端の反応性基導入率は、モノ環状オレフィン開環重合体鎖数に対する反応性基の個数の割合とした。すなわち、反応性基導入率=100%は、1分子のモノ環状オレフィン開環重合体鎖に対し、1個の割合で反応性基が導入されている状態を示し、反応性基導入率=200%は、1分子のモノ環状オレフィン開環重合体鎖の両末端に反応性基が導入されている状態を示す。
〔熱可塑性エラストマーの引張強度、破断伸び〕
シート状の熱可塑性エラストマーを、列理方向に対して平行方向にダンベル状6号形にて打ち抜くことで、ダンベル状試験片を得た。そして、得られたダンベル状試験片について、試験機として引張試験機(製品名「TENSOMETER10K」、ALPHA TECHNOLOGIES社製)を使用し、JIS K6251に準拠して、23℃、500mm/分の条件にて、引張試験を行い、引張強度および破断伸びを測定した。
〔熱可塑性エラストマーの熱処理前後の引張強度の変化率〕
上記引張試験と同様にして、ダンベル状試験片を得て、得られたダンベル状試験片について、ギヤー老化試験機(製品名「AG−1110」、上島製作所社製)にて、100℃、72時間の条件で熱処理を行い、熱処理後の試験片を得た。そして、熱処理後の試験片について、上記引張試験と同様にして引張試験を行い、熱処理後の試験片の引張強度Sを測定した。そして、得られた測定結果と、上記にて測定した熱処理前の引張強度Sとから、下記式にしたがって熱処理前後の引張強度の変化率ΔSを求めた。なお、熱処理前後の引張強度の変化率ΔSは、絶対値が小さいほど、熱処理による変動が小さいものであるため、好ましい。
熱処理前後の引張強度の変化率ΔS(%)={(熱処理後の引張強度S(MPa)−熱処理前の引張強度S(MPa))/熱処理前の引張強度S(MPa)}×100
〔静的オゾン劣化試験〕
シート状の熱可塑性エラストマーをダンベル状1号形にて打ち抜くことで、ダンベル状試験片を得た。ダンベル状試験片について、オゾンウェザーメーター(製品名「OMS・HN」、スガ試験機社製)にて、JIS K6259にしたがって、試験温度40℃、オゾン濃度50pphm、引張ひずみ20%、試験時間24時間で静的オゾン劣化試験を行った。オゾン劣化試験後の試験片について、JIS K 6259にしたがって、き裂状態観察法により、試験片のき裂の大きさを観察することにより、耐オゾン性を評価した。
なお、試験片のき列の大きさについては、以下の基準で評価した。
1:肉眼ではき列が見えないが、10倍の拡大鏡ではき列が確認できるもの。
2:き列が肉眼で確認できるもの。
3:き裂が深くて比較的大きいもの(1mm未満)。
4:き裂が深くて大きいもの(1mm以上3mm 未満)。
5:3mm以上のき裂がある、または切断を起こしそうなもの。
〔合成例1〕
両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−1)の合成
窒素雰囲気下、磁気攪拌子を入れた耐圧ガラス反応容器に、シクロペンテン1000部、シス−2−ブテン−1,4−ジオール28.2部、およびテトラヒドロフラン990部を加えた。次いで、テトラヒドロフラン10部に溶解させたジクロロ−(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)0.068部を加え、室温で3時間重合反応を行った。3時間の重合反応後、過剰のビニルエチルエーテルを加えて重合を停止した後、多量のメタノールを加えて、重合体を沈殿させた。次いで、上澄み液を除去することで沈殿物を回収した後、回収した沈殿物について、エバポレーターにより残った溶剤を除いた後、50℃で24時間真空乾燥することにより、両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−1)700部を得た。得られた両末端に水酸基を有する液状のモノ環状オレフィン開環重合体(A−1)は、Mw=7,100、Mn=4,600、末端反応性基導入率は200%、Tg=−92℃、Tm=23℃であった。また、60℃で測定した溶融粘度は0.6Pa・sであった。
〔合成例2〕
両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−2)の合成
シクロペンテンの使用量を1000部から850部に変更するとともに、ジシクロペンタジエン150部をさらに使用した以外は、合成例1と同様にして、両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−2)750部を得た。得られた両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−2)は、Mw=7,700、Mn=4,200、モノ環状オレフィン開環重合体中のシクロペンテン由来の単量体単位の含有割合は92モル%、ジシクロペンタジエン由来の単量体単位の含有割合は8モル%、末端反応性基導入率は200%、Tg=−81℃であり、Tmは観測されなかった。また、60℃で測定した溶融粘度は1.5Pa・sであった。
〔合成例3〕
両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−3)の合成
シクロペンテン1000部に代えて、シクロオクタジエン1000部を使用した以外は、合成例1と同様にして、両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−3)850部を得た。得られた両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−3)は、Mw=11,000、Mn=6,500、末端反応性基導入率は200%、Tg=−104℃であり、Tmは観測されなかった。また、60℃で測定した溶融粘度は2.4Pa・sであった。
〔合成例4〕
末端に反応性基を有さないモノ環状オレフィン開環重合体(A’−4)の合成
合成例1において、シス−2−ブテン−1,4−ジオール28.2部に代えて、1−ヘキセン21.5部を使用した以外は、合成例1と同様にして、末端に反応性基を有さない液状のモノ環状オレフィン開環重合体(A’−4)を得た。得られた末端に反応性基を有さないモノ環状オレフィン開環重合体(A’−4)は、Mw=13,200、Mn=7,700、Tg=−93℃、Tm=23℃であった。また、60℃で測定した溶融粘度は1.2Pa・sであった。
〔実施例1〕
合成例1で得られた両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−1)100部をガラス反応器に加え、80℃で2時間、減圧乾燥し、水分を除去した。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)22.2部(重合体(A−1)のOH/MDIのNCO=1/2.04(モル比)となる量)を窒素雰囲気下で攪拌しながら加え、80℃で2時間反応させることで、プレポリマーを得た。次いで、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)3.9部(1,4−BDのOH/MDIのNCO=1/2.04(モル比)となる量)を加えて攪拌した後、混練試験機(製品名「プラストグラフECPlus」、ブラベンダー社製)に移し、窒素雰囲気下で160℃、30rpmで10分間混練することで、熱可塑性エラストマーを得た。得られた熱可塑性エラストマーは、Mw=125,000、Mn=68,000であった。また、得られた熱可塑性エラストマーを120℃で1時間、真空熱プレスすることによって、厚さ1mmのシート状の熱可塑性エラストマーとした。そして、得られたシート状の熱可塑性エラストマーを用いて、上記方法にしたがって、引張強度、破断伸びおよび熱処理前後の引張強度の変化率の各測定、ならびに静的オゾン劣化試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
合成例2で得られた両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−2)100部と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)12部(重合体(A−2)のOH/MDIのNCO=1/2.04(モル比)となる量)を攪拌機付ガラス反応器に加え、2時間、減圧乾燥し、水分を除去した。窒素雰囲気下でトルエン400部をガラス反応器に加えて攪拌し、モノ環状オレフィン開環重合体(A−2)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートをトルエンに溶解した。次いで、ジラウリン酸ジブチルすず3.1部(MDIのNCOに対して、0.1モル等量)を加え、攪拌しながら、80℃で1時間反応させた。次いで鎖延長化合物(C)として、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)2.2部(1,4−BDのOH/MDIのNCO=1/2.04(モル比)となる量)を加えて攪拌しながら、80℃で1時間反応させた。得られた反応溶液を多量のメタノールに加えて攪拌し、沈殿物を回収し、50℃で3日間真空乾燥することにより、熱可塑性エラストマーを得た。得られた熱可塑性エラストマーは、Mw=203,000、Mn=71,000であった。また、得られた熱可塑性エラストマーを120℃で1時間、真空熱プレスすることによって、厚さ1mmのシート状の熱可塑性エラストマーとした。そして、得られたシート状の熱可塑性エラストマーを用いて、上記方法にしたがって、引張強度、破断伸びおよび熱処理前後の引張強度の変化率の各測定、ならびに静的オゾン劣化試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
合成例3で得られた両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−3)100部と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)7.9部(重合体(A−3)のOH/MDIのNCO=1/2.04(モル比)となる量)を攪拌機付ガラス反応器に加え、2時間、減圧乾燥し、水分を除去した。窒素雰囲気下でトルエン400部をガラス反応器に加えて攪拌し、モノ環状オレフィン開環重合体(A−3)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートをトルエンに溶解した。次いで、ジラウリン酸ジブチルすず2.0部(MDIのNCOに対して、0.1モル等量)を加え、攪拌しながら、80℃で1時間反応させた。次いで鎖延長化合物(C)として、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)1.4部(1,4−BDのOH/MDIのNCO=1/2.04(モル比)となる量)を加えて攪拌しながら、80℃で1時間反応させた。得られた反応溶液を多量のメタノールに加えて攪拌し、沈殿物を回収し、50℃で3日間真空乾燥して、熱可塑性エラストマーを得た。得られた熱可塑性エラストマーは、Mw=153,000、Mn=62,000であった。また、得られた熱可塑性エラストマーを120℃で1時間、真空熱プレスすることによって、厚さ1mmのシート状の熱可塑性エラストマーを得た。そして、得られたシート状の熱可塑性エラストマーを用いて、上記方法にしたがって、引張強度、破断伸びおよび熱処理前後の引張強度の変化率の各測定、ならびに静的オゾン劣化試験を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−1)100部に代えて、両末端に水酸基を有する液状のポリブタジエン(A’−5)(商品名「Krasol LBH−P3000」、クレイバレー社)100部を使用し、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の使用量を31.9部(ポリブタジエン(A’−5)のOH/MDIのNCO=1/2.04(モル比)となる量)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)の使用量を5.6部(1,4−BDのOH/MDIのNCO=1/2.04(モル比)となる量)とした以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマーを得た。得られた熱可塑性エラストマーは、Mw=137,000、Mn=72,000であった。そして、実施例1と同様にして、厚さ1mmのシート状の熱可塑性エラストマーを得て、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
両末端に水酸基を有するモノ環状オレフィン開環重合体(A−1)100部に代えて、合成例4で得られた末端に反応性基を有さないモノ環状オレフィン開環重合体(A’−4)を使用した以外は、実施例1と同様に操作を行ったところ、モノ環状オレフィン開環重合体(A’−4)と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの反応が進行せず、そのため、シート状に成形できるような熱可塑性エラストマーを得ることができなかった。
Figure 2019143024
表1に示すように、重合体鎖末端に反応性基を有し、かつ、重量平均分子量(Mw)が1,000〜50,000であるモノ環状オレフィン開環重合体(A)と、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)とを含有する反応性組成物を用いて得られる熱可塑性エラストマーは、引張強度が高く、伸びが大きく、耐熱性および耐オゾン性に優れたものであった(実施例1〜3)。
一方、モノ環状オレフィン開環重合体(A)に代えて、両末端に水酸基を有する液状のポリブタジエンを使用した場合には、熱処理前後の引張強度の変化率ΔSの絶対値が大きく、耐熱性に劣るものであり、さらには、耐オゾン性にも劣るものであった(比較例1)。
一方、重合体鎖末端に反応性基を有しない液状のモノ環状オレフィン開環重合体を使用した場合には、反応が進行せず、シート状に成形できるような熱可塑性エラストマーを得ることができなかった(比較例2)。

Claims (6)

  1. 重合体鎖末端に反応性基を有し、かつ、重量平均分子量(Mw)が1,000〜50,000であるモノ環状オレフィン開環重合体(A)と、イソシアネート基を分子内に2個有する化合物(B)とを含有する反応性組成物。
  2. 前記モノ環状オレフィン開環重合体(A)が、モノ環状モノオレフィン由来の構造単位のみからなる重合体、または、モノ環状モノオレフィン由来の構造単位と、モノ環状モノオレフィンと共重合可能な単量体由来の構造単位とからなる共重合体である請求項1に記載の反応性組成物。
  3. 前記モノ環状オレフィン開環重合体(A)が、シクロペンテン由来の構造単位のみからなる重合体、または、シクロペンテン由来の構造単位と、シクロペンテンと共重合可能な単量体由来の構造単位とからなる共重合体である請求項1または2に記載の反応性組成物。
  4. 前記モノ環状オレフィン開環重合体(A)の重合体鎖末端の前記反応性基が水酸基である請求項1〜3のいずれかに記載の反応性組成物。
  5. 水酸基またはアミノ基を分子内に2個有し、分子量が800以下である鎖延長化合物(C)をさらに含有する請求項1〜4のいずれかに記載の反応性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の反応性組成物を反応させてなる熱可塑性エラストマー。
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